仲良し高校生三人組の、なんてことのないごく普通の一日のお話。
等身大の青春を描いた、現代ドラマ……ではなく、なんとSFです。
はっきりSFらしい「現代ではない、いつか」の世界のお話でありながら、しかし描かれているものそのものはごく普通の、思春期年代の少年たちの平凡な日常。
そのギャップ、と言っていいのか、何か組み合わせの生み出す特別な雰囲気のようなものが大変に魅力的。
どうあれ何か「大きな世界」とでもいうべきものは存在し、しかしそのありようがどうであろうと、私たち個人の生活レベルでの世界は(根本的には)変わらない。
その「物語外の私たちと地続きになっている」感覚がとても好きです。
シリーズものというか、同作者の別作品との繋がりもあり、何か広がりのようなものを感じさせてくれる作品でした。