読者への挑戦状

［読者への挑戦状］

『読者への挑戦状』とは、今となっては廃れつつある、本格ミステリ界の様式美の一つです。

　まずは、このページまで読み進めてくださった貴方に心から感謝申し上げます。

　全編ほぼ推理パートな上に、ずっと独自ルールの謎解きが続く異形の推理ゲーム。

　今回は、そんなものを投げずに読了しかけている本格ミステリマニアの貴方にも手応えを感じて頂けるように、『いつの間にか問題を出されていた』という不意打ち気味の宣言をさせて頂きます。

　それでは――

　――現時点で、推理に必要な情報は全て提示されました。

　貴方は既に、怪盗グアバの正体を論理的に解明することが可能です。

　本編の愉快な推理ゲームと同時進行で、こっそりと散りばめられていた数多の伏線を、全て拾い集めることは出来たでしょうか？

　あるいは、怪盗グアバの正体よりも更に深い真相まで、辿り着くことは出来たでしょうか？

『答えを一つに絞り切れる訳がない』と思ってしまいたくなる程に少ない情報量であるにも拘わらず、平均的なミステリ以上に、絶対的で反論の余地のない唯一解を神経質に突き詰めて行くのが、Ｆ推理研究会の流儀です。

　勘や想像ではなく、『これ以外にはありえない』という論理的な解答を提示してみせてください。

　真相の最奥まで到達する為に必要な鍵は、

　第一話『Ｆアップルパイ盗難事件』、

　第二話『Ｆブラックチョーク消失事件』、

　第三話『ＶＳ怪盗グアバ　ドリアンダイヤ戦』、

　第四話『Ｆ茶筒塔の殺人』『？？？』の、

　全てのエピソードの端々に隠されております。

　拾い集めた鍵の数がそれで充分か否か、今一度ご確認ください。

　健闘は祈りません。

　貴方なら、犯人を特定すること自体は容易いと信じております。

　挑戦状の次元はもう少し高く。『どこまで読み解けたのか』に設定させて頂きます。

　それでは、最終問題『Ｆドキュメンタリー』の解答編を開始致します。

［最終話【ＶＳ怪盗グアバ　果汁に溺れる少女戦】へ続く］

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