売れていない作家のパラドクス

底道つかさ

有名な売れてない作家とは何ぞや?

 皆さんは90年代の某暇を持て余した主婦向け刑事ドラマをご覧になったことはあるだろうか。

 何せ暇を持て余した主婦向け刑事ドラマだから開始3秒で男女が不倫でしてホテルではしゃぐシーンが出てきて5秒で男が後頭部を妻に殴られて血塗れで〇ぬ。

 私は好きじゃないのだが結論だけ言うと強制的に目に入れられた。


 そのドラマに出てきた主人公の夫というサブキャラなのだが、このキャラ付けが「売れていない官能作家」だ。主人公が事件現場に入ると「○○の妻です」「ああ、あの売れてないエロ作家ね」というお決まりから物語が始まる。


 そこで、思わずツッコミが浮かぶ。


 一般刑事にまで知られている「売れてない作家」てなんやねん。


 今でこそ知名度と出版部数、経済効果はてんでばらばらだが、昔なら知名度=出版部数=収入である。

 売れていない作家→一般人にも知られている、は成り立たない。

 売れていない作家なのに普段から本を読まない刑事でも知っているというのは矛盾している。


 すなわちこれこそが「売れていない作家のパラドクス」である。


 いや、単にキャラ付けと連続刑事ドラマという形態がぐれているだけなのだが。昔はSNSでそんな細かいことにケチ付けるなんて趣味も無かったろうし、気にする人は製作された当時はいなかっただろう。

 

 ただ、自分が小説を書くときは気を付けたい。

 冒頭三行で矛盾が生じて目が滑る作品なんぞ、その後が世紀の大傑作でも大半の人は読まないのではないのではなかろうか。

 

 癖のあるキャラクターは魅力的だ。だがあくまでキャラ付けというのは読者を引き付けるフックで、拘り過ぎたり本筋や世界観と矛盾してまであるべきものではないだろう。

 まあ、いちいちそこまで気にするのも、それはそれで創作の手を自ら止める要因になりかねない気もする。


 結局、どうやった魅力的なキャラを作れるかという話だったのだが、何かまとまりが無いうちに制限時間が来てしまった。


 では皆様、ごきげんよう。

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