『くまの鈴』 4


 こまこさんは、言いました。


 『王子様、お祖父様は、ご乱心です。たくさんの生き物を殺しています。はやく、止めて差し上げないと、この王国は、つぶれます。』


 『ぼくは、孫だからね。力はないよ。なんにも。』


 『あなたは、お祖父様に、気に入られております。この王冠を、お祖父様に、被せてください。すると、戦争は止まるでしょう。きっと、うまくゆきます。おろかな、戦争を、はやく、やめてもらわないと、たくさんの命が失われます。』


 『ふうん。考えてみよう。』


 『よろしくお願いいたします。』


 こまこさんは、ぺこりと頭を下げると、かべの隙間から、消えました。


 こまこさんは、じつは、あまり期待とかはしてなかったのです。


 でも、なにかしないと、いま、この瞬間にも、生き物たちが死んで行くのです。


 それは、どちらの兵隊さんも、同じなのです。


 早くしなければ、どんどん、悪くなるばかりです。


 こまこさんは、焦っていました。


 

 

          🐭

 

 


 

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『くまの鈴』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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