『美ごきグランプリ』 2

やましん(テンパー)

『美ごきグランプリ』 2


 その夜、やましんは、寝付けないまま、ごろごろと、じぶんの布団と、敷いてはいるが、めったにいないびーちゃんの布団とを、転げ回りながら、おかしな叫びをあげ続けていた。


 しかし、朝日さんが、やがてお空に登ろうかと、顔を洗ったり、ネクタイしめたり、朝定食を準備している間に、ようやく、苦しい寝息をたて始めたが、すぐに、いやあな夢が始まったらしく、何かと闘ってるような動きや、さらには、枕をなげたりし出した。



 『よし、ゆけ、ごき、』


 小さな合図とともに、無数のごきさんが、やましんの枕元から足元まで、くまなく取り囲み、足元には、仮設ステージが出来上がった。


 『はあい。始まりまあす。』

 


 ばびばび、じゃやじゃや〰️〰️❗



 『ごき〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️😃ん』



 ばん、ばん、ばん❗




 『な、な、な、なんだあ❔』



 やましんが目をこすりながら、半分だけ起き上がった。



 『ふん、ふん、ふん。ごき〰️〰️〰️〰️ん。』



 と、バンドとクァルテットを従えて登場したのは、かの、美ごきグランプリの優勝ごきさんである。

 

 ちょっと、甘い、おねだりするような声がすてきだ。



 『あたしは、しぶやうまれの 


 ごき レディよ


 言い寄るやつは やまといるけど

  (ふん、ふん、ふ〰️〰️〰️〰️ん。)



 夢中にさせるほどのはいないわ

   (わ、わ、〰️〰️、ごっき〰️〰️ん)



 ふうん………


 

 ごきらら、ごきレディ、ばかにするなよ

   (ごき〰️〰️ごき〰️〰️、ごっき〰️〰️ん

❗)



 ごきらら、ごきレディ、おのぞみなら



 おのぞみなら、要求、たかいわよ

   (ごき〰️〰️ わわわ〰️〰️たかーい)



 ごきらら、ごきレディ、



 いどんでみたら、いかがあ〰️〰️〰️〰️

  (わ、わ、わ、わ〰️〰️ん。)


  ごきらら、ごきレディ、わ、〰️〰️



 わ、わ、わ、ごっき〰️〰️〰️〰️

   (ごきらら、ごきレディ、わ、わ〰️〰️)



 びっちゃあ〰️〰️〰️〰️😃 〰️〰️〰️〰️、 わ

    (びっちゃあ〰️〰️、あ〰️〰️〰️~~ わ)

     →微妙にずれた!



歓声

  わお〰️〰️〰️〰️〰️〰️😃



グランプリごきレディ

『やましーん、頑張ってごき〰️〰️〰️〰️❗ちゅ😚💕✨』



  横幕が、ぶわっと、広がった。



 『やましん、負けるな!』



 『勝ち取れ、世界一!』



 『やましんは、最高さ!』



歓声

 『わあ〰️〰️。ごっき〰️〰️〰️〰️ん😃。』


 

 あっという間だった。


 ごきたちの大群は、猛スピードで消えた。


 きれいさっぱり。


 あとかたもなく。



 『あんなに、いままで、どこに、いたんだろ。』


 なにか、胸に熱いものを感じながらも、完全敗北を認めざるを得ない、ねぼけた、やましんであった。


 『ごきさんばいばい、を、沢山買うかなあ。』


 しかし、なんとなく、裏切り行為になるような気もする、やましんである。



       ┣┣┣┣┣┣┣



             おしまい


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『美ごきグランプリ』 2 やましん(テンパー) @yamashin-2

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