第2話
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奥へ行くとひたすらに暗い。蝋燭しか明かりがない所らしい。装飾が丁寧に施されているがかなりホラーだ。普通に骸骨の置物が置いてある。本物かってくらい上手く作られている。これで本物だったら普通に怖い。
「こちらですよ!!」
え。何ここ
それが第一声
奥にはなんと真っ白なお風呂が1輪の花のように並べられており6つある。そしてそれぞれのお風呂の中には水が張られ、花が浮かべられている。一つ一つ花の種類と色が違うような気がする。そしてお風呂には水着を来た女性が5人いる。ということは残りのひとつは私のお風呂だろうか?
「さあ着替えましょう姫様!他の方は先に来たから着替えましたよ。」
「えええ!?いきなり!?ですか、?」
「まあまあ。着替えないとあの人たちがこないので!さあさ!着替えてください!」
半ば無理やりクローゼットに向かわせられる。
「ここにあるのならば好きなのを着ていいですよ!!」
クローゼットを開くと15着入っていた。
私が惹かれたのは黒の控えめな上下セットの水着。下の水着はスカート部分が少し長めで泳ぐのには不向きそうだが自分の体型を隠すには最適そうだと思った。そして上部分はフリルが胸元に施されており、こちらもまた胸のカップを隠すのには最適だと思った。
「これにする…」
選んでみせると
「似合うと思いますよ!」
とにっこりと笑顔で言われ、着替えるための部屋へと連れてかれる。
外に案内役がいて着替えてくださいと言われた。
仕方なく服と下着を脱ぎ、水着に手を通す。
すべすべとした感覚。懐かしい。いつの日から水着を着なくなったかもう覚えていない。
足も通し着替えて鏡を見る。暗すぎてわからなかったが着替える部屋の明かりできらきらと黒い水着が光っている。ラメが仕込まれていたようだ。まるで月の光に照らされたガラス片のようにチラチラと光っていてこの水着が好きになった。
「着替えました」
といい外に出る。そのままさっきのお風呂の部屋へ向かうとそこには15人以上の男性がいた。
「!?!?」
「あ、驚きました?こちらは吸血鬼の館で、吸血鬼に癒しの空間を見せることで男性からサービスを受けられるといったところです!ちなみに女性相手に代金は貰いませんのでご安心ください!」
なるほど。吸血鬼達にとって癒しの空間とは水着を着てお風呂に入ることなのか。勝手に自分の中で理解する。
もう着替えてしまったし今更呆れもしなかったから奥へと進む。
男性たちは皆同じような服を着ていて違うのは顔と髪型それから髪色だ。
案内役がステージに登る。
「さあ姫様達が集まりました!今夜蝙蝠ち招集されし姫様はこちらの6人!」
と言われ、その声が響いた瞬間ロウソクの火が消えた。何事かと思っていたらお風呂が光り出す。色んな色に光り、とても綺麗だと思ってしまう。
「皆様お風呂にお浸かり下さい。そして入浴剤を1人ずつ選んでください!僕が持ってきますのでそちらを入れて香りで吸血鬼陣を魅了してみてください♪」
私はなんでここに呼ばれたのだろう。典型的な芋女で香りとかそういうものには全く詳しくない。
困ったなと思いながらお風呂に浸かり、どの入浴剤にしようか考える。
もう考えてもどうしようもないと思ったから、桜の香りを選ぶ。
案内役のクレインが持ってきた。
「はいどうぞ!」
「ありがとうございます」
入浴剤をいれるとしゅわしゅわと溶けてお湯から桜の控えめな香りが漂った。
姫様の欲望のままに 棺桶屍乃 @viranbadboy
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