騎士の花よめとして迎えられた淑女は、宮廷の末席へ着きます。そこには前作ではあくまでも自身から離れた背景として存在していた計略が大小様々に渦巻いています。主人公の立ち位置が変わったため作風としては少し違う印象を持ちますが、恩人とも言える王妃の窮地に、自身を照らす騎士の死地に、出来ることをと必死になる確かな成長を遂げた姿が描かれています。
『花よめ物語』の続編。今回はあの有名な騎士も登場して、さらに物語が広がります。全章を通してあたたかく、登場人物が活き活きとしています。さらに、分かる人には分かる話が元ネタとなっていて、アーサー王サイクルが好きな方にもおすすめです。前作と合わせて読むと、主人公の成長を垣間見ることもできます。戦さの時代は戦場で。平和な時代になれば、子どもたちの枕元で。(本文より)これからも、アーサー王の世界が紡がれますように。