旦那が家事、育児をしてくれないって?なら文句も言わないの!

「はあ、旦那が育児をしてくれなくて…」

「え?私のところは子供とは遊んでくれるんですけど、家事をしてくれなくて」

「そうなの?…ありささんのところは?」

「あたしのところはしっかりしてくれますよ」

「ええー羨ましい、いい旦那ねえ」


そう言ってきたのは、保育園に入ったときにできたママ友のさやかさんと、いおりさんだ。

まあ、確かに旦那は外で働くものというイメージが強いから、多少やらないのは仕方ない…

というよりもできないのは仕方ないような気もする。

ただ、二人の話はそれで終わらない。


「ほら、育児の仕方がわからないとかでね」

「あー、うちは逆に家事のやり方が独特すぎて、嫌なんですよね」

「そういうものなんですか?」

「ええ、まあできた旦那さんならわかるようなことなんでしょうけど」

「それはあたしの旦那のことを言ってます?」

「だって、家事も育児もやっているのでしょう?」

「そうですね」

「いいわよね。楽できて…」

「え?」

「だって、最初からやってもらっているのでしょう?」


その言葉にあたしはぶちっときた。

だって誰だって最初から完璧にできるものじゃないんだから…

だから簡単にいえば、旦那にそれをやってもらう機会を奪ったのはあなたたちだし、言い方もできていることに対してほめるのではなくて、どきてないことに対して永遠とせめるようなことをしてそうなのだ。

そんなことをしてしまえば、旦那さんも手伝いをする気も失せるというものだ。

それがわからないなんて、あたしが旦那の扱い方を教えてやる!


「お二人さん?」

「どうしたのありささん?」

「何か間違っていませんか?」

「どういうこと?」

「子供ができたんだから、家事、育児を手伝ってもらうのが当たり前で、自分のやり方が絶対だって」

「そりゃ、私がお腹を痛めて産んだんですからね」

「だったら、その子供の遺伝子は?」

「それは、旦那…」

「だったら、わかるでしょ?旦那さんだって奥さんと同じように育児だってしたいんですよ」

「だったら家事はどうなのよ?」

「家事くらい、最初にしっかり言いましたか?」

「何をよ?」

「そうですね。あなたは旦那さんがこれまで一度も家事をやったことがありませんでしたか?」

「それは…」

「もしかして、家事のやり方が違うからって怒っていませんか?」

「だって、やり方と違うから…」

「そりゃそうですよ。育ってきた環境が違うんですから!」

「でも言ったらやり方を変えてやってくれると思って」

「言い方にもよりますけど、男の人は少しそういうところにこだわりをもっていますから、納得しない限りはそのやり方を変えてくれませんよ」

「そ、そうなの?」

「そうです。だからまずはやってくれてありがとうと言ってからやり方をしっかりと説明してあげてください」

「そんなことで変わるの?」

「男の人は単純です。ほめれば嬉しくなってやります。」

「どうして?」

「それは、なんだかんだで、あなたが好きで、あなたに喜んでほしい生き物なんですから…」

「そ、それは…」


その後は少し気まずい雰囲気ですぐにお話が終わった。

でも仕方ない。

あたしは旦那が好きで、それを自分の好みにするために、やってきた。

好きな人が自分と同じ方向で家事、育児をしてたら最強だと思わない?

二人で悩んで二人で育てる。

二人で暮らしていく。

それが結婚した最初にしたいことになるんだし、お互いに幸せを夢みているんだから…

でもそれから、いつもお迎えは妻であるさやかさんといおりさんだったのに、たまに旦那さんが迎えにくるようになった。

そして三人でということも珍しくなくなった。

仲良く同じ向きに歩く家族を見て、あたしも旦那とたまには迎えに行くことを提案してみようと思う。

旦那と三人で…

それもいい記憶になりそうだから…

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ママ友会という女子会は旦那たちの愚痴を言うだけだったので、旦那ラブなあたしが愛を語ってみた 美しい海は秋 @utumiaki

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