ママ友会という女子会は旦那たちの愚痴を言うだけだったので、旦那ラブなあたしが愛を語ってみた

美しい海は秋

旦那が綺麗って言ってくれないって?ほら、旦那をかっこいいって言ってみて

「ねえ、どう思う?」

「どう思うって?」

「あーありさにはわからないかあ…」

「何が?」

「こんなに綺麗にしてるのにさ…」

「ああー」

「わ、綺麗なのに旦那に気づいてもらえないんでしょ?」

「そうなのよ、ゆいはわかってるー」

「そりゃ、こっちだってそうだもん」


そんなことを話すのは、高校の時から仲の良い、ゆいとみかだ。

この二人はお互いに家族というか、子供ができてから久しぶりに会うのだけれど、早速旦那の愚痴を話している。

でも、あたし含めて三人とも旦那さんに今回子供を任せてきているので、家事や育児に消極的というわけではない。

だというのに愚痴があるらしい。


「それで、その爪をほめてほしいの?」

「そりゃ、頑張って綺麗にしてるからね」

「そうそう、うちもねー」

「そのメイク似合ってるもんね」

「ありさー、やっぱりわかるのは女性同士だけだよね」


その言葉であたしは早速ぶちっときてしまった。

旦那に綺麗になったからほめてほしいだと?

わかるのは女性同士だけだと?

ふ…

旦那を教育したあたしが教えてやんよ


「ねえ、みか?」

「なあに?」

「みかはさ、旦那が新しい服を着たりするときカッコいいとか似合ってるとかいったことあるの?」

「え?子育て大変だから旦那のそういうところに構ってられなくない?」

「はあ…」

「ちょっと、ありさなんでため息つくのよ。みかの言ってることは普通でしょ?」

「ゆいもそう思うの?」

「そりゃね。旦那みたいな子供のことまで相手にしてられないよ」

「そうですか…だったらみかたちも同じだと思わないの?」

「どういうこと?」

「旦那さんが、子供優先で褒めないってこと!」

「「いわれてみれば…」」


そうなのだ。

男性など子供だ。

確かに女性は子育てで女性にしかできないこともあっていっぱいいっぱいになることもある。

だからといって、かっこいいや、似合ってる。

なんてことを言わなくなってしまうと、それが当たり前になってしまって、そうなると思っていても言えないということがある。

あたしはそれがすぐにわかって、旦那をほめると、旦那も照れながら、可愛いよと言ってくれたのだ。

あ、なんだ。

新婚気分二回目と少し思ってしまったのは言うまでもない。


「みかもゆいも当たり前って思わないことが大切よ」

「そ、そうね」

「うちも、今日は久しぶりに会えることになったんだし、子供を見てもらうことが当たり前になってた。」

「そうそう、当たり前なんてことはないんだからさ。それに言葉にしたほうが気持ちいいでしょ?」

「そうね。なんだかありさ、結婚してから変わった?」

「そんなことない!」

「いいなー。なんかラブラブそう」

「でも、二人の旦那だって、かっこいいでしょ」

「もちろん、好きになった相手だからね」

「それ言うなら、うちの旦那だって、すっごいたくましいんだよ」


最初の愚痴はどこえやら、気づくと旦那自慢大会が始まったあたしたち三人は楽しく分かれた。

その後はなかなか会えないということが続いた。

それはみかとゆいが少しして二人とも妊娠してしまったのだけれど…

なんでかなと思いながら、あたしは今日も旦那をほめる。

すると旦那も抱きしめながらありさもと言ってくれる。

うーん、旦那大好き!

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