エピローグ
そこは自然豊かで、争いも無く、ただただ平和な世界。
行き交う人々の表情は皆明るく、街には出店が数多く並び、常に活気に満ち溢れていた。
時折ぶつかりそうになりながらも、その中を駆けていく少女が2人。
「まてまて〜」
「あはは!こっちこっち〜」
「早いよお姉ちゃんー」
「ほーら、今日はあの森の向こうまで行ってみようよ!」
「えぇ…?その奥はお母さん達が行っちゃダメって言ってたじゃん…」
「へーきよへーき!何かあってもきっとなんとかなるって!!」
「もー…楽観的すぎだってばぁ…」
木漏れ日の差す森林を抜けた先にある、あまり人気の無い墓地。
まるで何かに吸い寄せられるかのように。
「なんだか暗すぎない…?」
「いこうとしてたのはお姉ちゃんでしょ?」
「で、でも…なんか気になったのよね…」
「…私も同じく…」
刹那、2人はすぐ横を何かが通り過ぎたような気がした。
辺りを見回しても、もちろん誰もいるはずがない。
慌てた2人は顔を見合わせて、一目散に駆け出した。
「お姉ちゃん…早すぎ…まって…」
「早くしないと置いてっちゃうよ〜」
気がつけば自然と笑みが溢れていた。
光差す太陽の元で、今日も平和な一日が始まる。
冥界のお仕事って思ってたより全然楽じゃないんだけど!! 神白ジュン @kamisiroj
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