第12話 人権

 親衛隊長官ルイズ、宮廷警護隊総帥ソフィア、近衛騎士団団長グレーテル、そして、王国騎士団団長トリグラフが、執務室に訪れた。


王国騎士団団長トリグラフは、現在63歳。


 身長185センチの筋骨たくましい男性である。


 ヴァリス王国で最も古い戦歴をもつ歴戦の名将であり、エルヴィンの軍事学の教師の一人である。


 トリグラフ老人は、妻に先立たれ、子もいない。

 その為か、エルヴィンを孫のように思い、一際強い親愛と忠誠心を持っている。


 エルヴィンは、挨拶をかわした後、王国内の犯罪組織の壊滅作戦を決行する事を明かした。


 エルヴィンが、細やかな指示を武将達に述べていく。


 黒髪紫瞳の少年王の指示は的確で、居並ぶ四人の武将たちは感嘆しながら聞いた。


「お見事な作戦です。若君は本当にご立派になられましたな」


 王国騎士団団長トリグラフが、嬉しそうに言う。孫の成長を喜ぶ祖父のようである。


「相変わらず大仰だな、爺やは」


エルヴィンが苦笑し、他の女性陣も微笑を宿す。

 エルヴィンは、作戦の説明を終えると臣下たちに告げた。


「ヴァリス王国の国内にいる犯罪組織を殲滅し、悪党どもを皆殺しにしろ。容赦はするな。逮捕、拷問、殺戮、処刑。それら一切に躊躇いも慈悲も無用だ。責任は全て予が取る」


「「はっ」」


 全員が敬礼した。

 悪党に人権はない。それが、エルヴィンの王命であると了解したのだ。




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【王族転生】 ~王様になった俺は、SSS級チートで世界征服をする~ 藤川未来(ふじかわ みらい) @007007007qw

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