幻想の美ではありません。現実の険しさ、歪みさえも壮麗の一部へと吞み込んでしまう凄絶さのあるお作品でした。それは雄大な自然が世界を作り変え続ける営みにも似ています。これ程、レビューが難しい内容と文章も余りなく、書く程に野暮になりますので、その美しさをご自分で感じて頂きたい、と記します。
この独特な世界観を、うまく言い表す言葉が見つからないのが悔しくもあります。月並みな恋愛になるはずの設定が、そうはならない。 それでも世界は、たとえ存在しないものであったとしても、二人だけのためにある。そう思いたい。