第1話 自作小説に挑戦したい
小説を書くことが私の生きがいで、私のすべてだ。
他に得意なことは、パソコンのタイピングが早いことくらいだ。その種目の都大会で3等をとったことがある。でも、もっと上に凄い人たちがいるから誇れることでもない、と個人的には思っている。勉強はそこそこできるけど、すごいというほどできるわけではない。運動もそんな感じ。友達は少しだけいて、素をさらけだせる相手は家族をぬいたら片手で数えられるくらい。
そんな、個人的にいまいちな私の人生を彩ってくれるのが、小説を書くことだった。
私は小学6年生の頃から二次創作を書いている。高校3年生くらいの頃には鬼滅の刃にハマって、大好きな胡蝶しのぶちゃんの二次創作をサイトに掲載していた。もちろん、話題性のあるアニメの二次創作をしているから、私をお気に入り作者に登録している人は多かった。今は90人以上いて、もう少しで100人を超える。
嬉しい。でも、満足はしていない。
だって二次創作じゃん。自分で0から人物を考えているわけではない。誰かが作った人物を使って、誰かが考えた物語にオリジナルを加えている。これを世の中にだして満足してはいけないんじゃ……。あくまで個人の見解だけど、この意見を肯定する人はいると思う。
だから、私は決めた。
自作小説を書こう。そして、書くなら収益化を目指そうと。
でも自信がなかった。今までは二次創作だったからフォロワーさんが多かったけど、果たして自作小説に喰いついてくれる人がいるのかな。
そこで、私は考えた。
まずは「誰にでも読める小説」を書けばいい。
そう決めてからは、すぐにLINEアプリを開いて、10人くらいの友達や知り合いに同じ質問を送った。
「小説って読んでる?」
「長編と短編、どっち読む?」
「原稿用紙、何枚分なら読もうと思える?」
「おすすめの小説教えて!」
ヒヤリングを通して、読みやすい小説の概念を自分なりにまとめた。
簡潔で短い文や難しい言葉を使わない文を心がける。人物の台詞は多すぎても読みにくい。読者の想像に頼るあいまいな表現は消す。状況のわかる背景をいれて、想像しやすくする。わかりにくい設定はなくす。
ざっとこんな感じ。もっとあるけど、とりあえず今あげたことに気を付けて、Wordに自作小説を書き始めた。
そして、だいたい2日くらいで2300文字程度の超短編小説を書き上げた。それが「新しい片思い」という題名の恋愛話だ。さっと書いたから、面白いかどうかはわからないし、気に入ってくれる人は少ないだろう。
さて、どこのサイトに掲載しよう。収益化が望めるところといえば、カクヨムとアルファポリスあたりだ。アルファポリスはAmazonギフトがもらえるけど、あまり興味がないからカクヨムにしようかな。でも異世界系の小説が多いイメージがあるから、私の作品なんて見てくれなそう。
「はぁ」
休憩がてらスマホを開くと、友達からLINEがきていた。
「お、小林じゃん」
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