rui〜もう一つのプラネット[完全オリジナル非公認過去編]
友貴達磨
プロローグ
鳴り響く怒号。
その爆発音とともに、地面は吹き飛び辺りは更地に変わっていく。
衝撃波を体に受ける度に、自分の体がどれだけ脆い生き物か自覚する。
飛び交う弾丸、漂う硝煙と鼻にこべりつく屍の匂い。
空も大地も灰色に染まり境界線すらなく、現実味をかき消していく。
だが、そこには常に隣り合わせで存在するものがひとつ。明確な「死」。
ここは戦場。
「はぁ…ハァハァ」
自分の命すら危ういこの戦場で、他人のために戦場をかける少女がいた。
「ハァハァ、セシル、セシル!」
体は打撲や、擦り傷で動く度に痛みが走る。それでも彼女はガムシャラに走る。
我が為でもなく、国のためでも、ましては戦争を止めるためでもない。
友人と明日を過ごすために彼女は戦場を駆ける。
これは何もない少女がやがて、国をも命運にかけた戦いを起こし幸せを勝ち取るまでの物語。
rui〜もう一つのプラネット[完全オリジナル非公認過去編] 友貴達磨 @yuukidaruma
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