145 11月1日(水) 生成AIと小説勝負(第二回戦)

 前回、生成AIとの小説勝負に敗れた僕は作戦を練った。


 どうしたら、AIに勝てるだろうか?・・・


 で、思いついたのだ。僕の得意な分野で勝負すればいいのだ。僕の得意分野といえばホラーだ(と、作者だけが思っている)。


 前回は『轆轤首の宿』などという駄作でAIと勝負したのが間違いだった。『轆轤首の宿』はホラー作品なのだが、実はお笑い系の作品でもあるのだ。お笑い系は僕の最も苦手とする分野だ。だから、AIに敗れたのだ。すなわち、僕の得意な純粋なホラー系で勝負すれば、僕の勝利はゆるぎないものになるというわけだ。・・・と、ここまでの論旨展開は完璧だ(と、作者だけが思っている)。


 で、僕の駄作の中から、純ホラー系の作品を探してみた。そして、選んだのが『あなたの米寿のお祝いに』という作品だ。


 この作品は昨年(2022年)の『KAC2022 ~カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2022~』という企画に応じて作成したものだ。この企画は、順次発表される11個のお題に沿って4,000字以内の短編をアップしていくというもので・・・『米寿』というお題に対して、僕がアップしたのがこの『あなたの米寿のお祝いに』なのだ。


 しかし、これでAIと勝負するのは気が引ける点もある。というのは、この作品はアップしたものの、ほとんど誰にも読んでもらっていないのだ。つまり、PVや皆様からの応援がほとんどないということですね・・・


 こんな誰にも読んでもらえない話でAIに勝てるのか?という気もするが・・・


 ええい、「男は黙ってサッポ〇ビール」じゃ。


 ということで・・・『あなたの米寿のお祝いに』を使って・・・




 いざ、第二回戦の開始ぃぃぃ。。。


 では、まず僕の『あなたの米寿のお祝いに』の一部をここに抜粋するよ。


 『===』マークで囲った部分が抜粋だ。


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 和尚と私は本堂の座布団に座り直した。和尚がひどく真剣な顔をしている。本堂の蛍光灯の光が和尚の顔に複雑な陰影を作っていた。和尚の声がした。

 「さっき、あんたが本堂に入ってきたときから気になってたんじゃが、あんたの背中に誰かいたんじゃ」

 私は思わず後ろを振り向いた。誰もいない。人気ひとけのない広々とした本堂の畳が蛍光灯に照らされているだけだ。

 「和尚。冗談を言いなさんな。誰もおらんぞ」

 私はそう言ったが、声は震えていた。

 「会合が終わった途端、おらんようになってしもた。だが、会合の間、あんたの背中には女がいたんじゃ」

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 で、続きをAIに書かせてみた。『***』マークで囲った部分がAIの創作だよ。


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私は背中をさすってみたが、何ともなかった。

「こわかった」と私は言った。

「今はおらん」と和尚は言い、うなずいた。「何がこわかった?」

「何も見えんかったが、俺の背中に女がおった。しかも裸で、大きな胸が背中に押しつけられてたんじゃ」

「あんた、今でも怖いか?」

「今は怖くはないが、気持ちが悪い」

「ワシにも見えたような気がする」と和尚は言った。

*******************


 『私』は背中に女がいたことを知らなかったのに・・・「俺の背中に女がおった」って、なんかおかしいんじゃないの?


 まあ、細かいことは気にせず、次に進もう。


 なんと『私』の背中の女は・・・全裸で、しかも、大きなオッパイを『私』の背中に押し付けてきたのだ! いいなあ。僕も全裸の女性に、オッパイを押し付けてもらいたい・・・『私』は「気持ちが悪い」だとぉ? 嘘つけ! 「気持ちがいい」だろう!


 し、しかし、こ、これはきっと濡れ場じゃ・・・つ、続きを早く(ハアハアハア・・・荒い息)


 で、『続きの文を書く』というのをクリックして・・・AIが書いた続きだよ。


*******************

「でも、今、あんたには見えん」

「俺の背中は汗で濡れとる。夏なのに鳥肌が立っとる。身体の芯から冷え切っとる」

私は立ち上って本堂から下りた。私が急に動いたので和尚が驚いた顔をした。私は構わずにトイレに向かった。そのトイレで用を足し、手を洗った。鏡に私の顔が映っている。顔色が悪いのは暑さのためだけではなかった。私はまた首筋の

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 えっ、濡れ場はないの? ガッカリじゃけんのう(広島弁で肩を落とす僕)。。。


 しかし、よくこんな場面でトイレに行くなあ。『トイレで鏡を見たら、そこに・・・』ってホラーの定番じゃん。


 『私』はトイレの鏡を見て・・・で、鏡には何が映っていたのだ? 怖いものって、見たくなるじゃんか!


 で、続きだ。


*******************

私はまた首筋の汗を拭いた。

「あんた、汗っかきか?」と和尚がトイレの外から言った。

私はトイレを出た。「ああ」と言った。「ときどき汗が出すぎて困る」

「そうか」と和尚は言った。

私は玄関で靴を履き、戸を開けて外に出た。戸を後ろ手に閉めて、門まで歩く私の背中に和尚の視線が注がれているような気がした。その視線には確信とでも呼ぶべきものが感じられた。振り向けば和尚

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 えっ、トイレの鏡に女が写っているんではないんかい! なんじゃい!


 てか、和尚はトイレの外にいるのに、「あんた、汗っかきか?」と聞くのはおかしくない? だって、どうしてトイレの中の『私』が『首筋の汗を拭いた』のが、トイレの外の和尚に分かったのだ。


 そ、そうか! 和尚はトイレの外から、のぞき穴かなんかで、『私』が用を足すのをこっそり見ていたんだ。和尚って変態だったのですね。世の中にはいるんですねえ、こういう人・・・


 でも、気になる終わり方だ。「振り向けば和尚」は何をやっているんだろう? まさか、振り向けば和尚が『私』の背中に覆いかぶさろうとしていた・・・あるいは、振り向けば和尚が出刃包丁を研いでいた・・・なんてね(笑)。


 で、続きだ。


*******************

振り向けば和尚は知らん顔で庭を掃いていた。

門を出て、コンクリートの道を歩いた。左右を確認するが、誰もいなかった。私はポケットの中のお守りを握りしめながら道を急いだ。


第二章 病院坂の首縊りの家

私が病院に勤めるようになったのは、三十六歳のときだった。

病院は病院の業務以外に庶務雑務や看護学校の講師の手伝いなどいろいろな仕事を私に与えた。つまり私は便利に使われていたのである。だが、そのことに不満はなかったし、就職

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 なんだ・・・和尚は庭を履いているだけかい。


 で、でも、びっくら仰天!


 と、突然、第二章が始まったぁ。し、しかも、『病院坂の首縊りの家 』だってぇ! すごい展開!


 『病院坂の首縊りの家 』と言えば、横溝正史氏の長編推理小説じゃんか。有名な『金田一耕助シリーズ』の一つだ。映画化もされている。そ、そんな有名な小説をここに出してきていいの? 著作権には触れないんかい!


 続きはどうなっているの?


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だが、そのことに不満はなかったし、就職難の時代である。働き口があるだけで幸せだと思った。

病院坂の首縊りの家には三人の人間が住んでいる。その三人に共通していることは、みな重い病を抱えていることだ。一人目は女性で名前は花岡靖代という。二人目は男性で名前は石井宏という。三人目の女性は女性であるが名前は不明だった。年齢も不詳である。

三人とも病院に来るようになったのは比較的最近のことで、私が勤める前からここにいるらしい。靖代の

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 一応、調べてみた。『花岡靖代』も『石井宏』も、横溝正史氏の『病院坂の首縊りの家 』には登場していないようだ。AIの創作ということらしい。(フーと安堵の息を吐く僕)。。。


 で、『病院坂の首縊りの家 』で一体何があったのだ。(引き込まれる僕)。。。




 というところで、勝負は終了。


 さっそく、第二回戦の結果発表で~す。


 突如、『第二章』が始まって・・・しかも、そのタイトルが『病院坂の首縊りの家』だなんて・・・こんなドラマチックなストーリーは僕には書けまっしぇ~ん!


 想像もできない『第二章 病院坂の首縊りの家』の登場で、僕のノックアウト負けでぇすぅ。。。ということで、第二回戦もAIの勝ちぃぃ。。。


 くっそぉ~、AIめ、見ていやがれ~!


(著者注)

 『あなたの米寿のお祝いに』のURLは以下です。読まれてない方は、よろしかったら読んでみてね。4,000字だからすぐに読めますよ。面白くなかったらゴメンナサイネ🙇。

https://kakuyomu.jp/works/16816927861590046076/episodes/16816927861590106762

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