144 10月29日(日) 生成AIと小説勝負(第一回戦)

 生成AI・・・最近、テレビなどでよく聞く言葉だ。僕もときおり生成AIを使っている。『アニメAI』というアプリで、近況ノートにイラストを作成しているのだ。生成AIって実に面白い。


 しかも、最近の生成AIは性能が良くなって、イラストだけでなく、かなり見事な小説も作れるとネットには書いてあるのだ。。。


 な、なにぃ! コンピューターが小説を作れるぅ?・・・おもろいやないけ! 勝負したろやないけ!・・・と何故か大阪弁で力説するボク! (大阪の人、大阪弁が違ってたらごめんなさいね)


 というわけで、生成AIと小説の勝負をしてみました! やり方は簡単。今までカクヨムにアップした僕の駄作の一部をコンピューターに入力して、生成AIに続きを書かせてみたのだ。


 使ったのは『AIのべりすと』というソフトだよ。『AIのべりすと』では、初めに僕が文章を入力し、『続きの文を書く』というのをクリックすると、コンピューターが数行の話を創作するのだ。で、また『続きの文を書く』というのをクリックすると、さらにその続きの数行を作成するのだ。


 こうして、コンピューターが作った小説と僕の駄作のどちらが面白いか勝負をするのだ。


 では、勝負開始ぃぃぃ!




第一回戦


 まず、僕が選んだのは・・・僕の駄作の中で唯一文学的だという評価が高い(と、作者だけが思っている)、『轆轤首の宿』の第一話だ。URLは以下だよ。

https://kakuyomu.jp/works/16816927860875038779/episodes/16816927860875215913


 で、さっそく、僕は次の『 』の中の文章を入力した。『 』の中は、僕の書いた『轆轤首の宿』の第一話だよ。


『音羽山清水寺の仁王門を出ると、雨粒が一つ頬に落ちた。見上げると西の空が黒くなっている。さっきまであんなにやかましく聞こえていたセミの声が、いまは周囲からまったく聞こえてこなかった。晩夏の昼下がりだ。


「にわか雨になりそうだ」


 佐々野隆司はつぶやいて後ろを振り返った。


「先生。茅根ちね先生。急ぎましょう。雨が来ますよ」


 目の前の清水坂を上ってきた数人の観光客が雨に気づいたのだろうか、急に右手の土産物屋の軒先に駆け込んでいくのが見えた。えんじの布に「みやげ ゆば」と白抜きされたのれんが、飛び込んだ観光客にあおられて激しく揺れた。湿気を充分に含んだ空気が身体に重くまとわりついてくる。


 茅根綾香が小走りに仁王門前の石段を降りてきて隆司の横に並んだ。綾香に触れないように注意しながら、隆司は左手を綾香の背に回して歩き出した。


 「茅根先生。夕立ですから、どこかで雨宿りしましょう」


 清水坂を下ると右手に産寧坂が現われる。観光客の大部分は産寧坂を下っていった。産寧坂をやり過ごして清水坂を少し歩くと左手に現れるのが五条坂だ。五条坂をまっすぐ西に下って東大路から七条通りに入ると蓮華王院三十三間堂がある。


 隆司は綾香と一緒になって五条坂を下った。右手に民家の屋根が連なっている。ここまでくると、清水寺に大勢いた観光客の姿はほとんど消えていた。


 そのとき、辺りがにわかに暗くなると、一拍おいて大粒の雨が滝のように落ちてきた。』


 さて、ここで『続きの文を書く』というのをクリックして、この続きをコンピューターに書かせてみた。次の【 】がコンピューターが作った話だよ。


【「参ったな。どうする、茅根先生?」

隆司は横を歩く綾香を見た。

「お寺で雨宿りしましょう」

「でも、この雨じゃあ」

「六波羅蜜寺なら……」

「え? いま何か言いましたか?」

雨音が激しくて隆司にはよく聞こえなかった。耳を澄ます。隆司を見上げていた綾香の表情に微かな笑みが走った。少し開いた小ぶりの唇】


 えっ、「少し開いた小ぶりの唇」だってぇ・・・こ、これは濡れ場だ。なんで、コンピューターはいいところで書くのを止めるのだ! は、はやく、唇を重ねるのだ・・・


 で、『続きの文を書く』というのをクリックして・・・コンピューターの続きだよ。


【の間で、白い歯が見えた。

「あそこなら雨宿りできるわ」

六波羅蜜寺は隆司が考えていたような古びた寺の雰囲気ではなかった。鬱蒼とした樹々が周囲を取り囲んでいるせいもあるのだろう、歴史の重みを感じさせる重厚なたたずまいだ。門を入った右手の庭には涼み台が置かれていた。その横には大きな縁台もあった。

「ここでいいでしょ?」

綾香の言葉に隆司はうなずくと、縁】


 な、なんやて・・・「唇の間で、白い歯が見えた」やてぇ・・・唇を重ねるんやないんかい! てか、白い歯って、隆司は歯医者かい!


 それに、僕の駄作は『産寧坂の先』で隆司と綾香が夕立に遭遇しているのに・・・コンピューターは一気に『六波羅蜜寺』に飛んでいるじゃんか! 『産寧坂の先』から『六波羅蜜寺』まで歩いて10分は掛かるぞ。一体、どないして、隆司と綾香の二人は移動したちゅうねん?


 おまけに、隆司は綾香の言った『六波羅蜜寺』という言葉が雨音で聞き取れなかったはずなのに・・・なんで、ここが『六波羅蜜寺』だと分かったんじゃ? 隆司は『六波羅蜜寺』を知っていたんかい? でも、それだったら、「六波羅蜜寺は隆司が考えていたような古びた寺の雰囲気ではなかった」という文章がおかしくなるよなぁ。それとも、隆司は大雨が降っていて傘もないのに、スマホでここがどこか調べたんかい? どうも不思議だねぇ?・・・


 さらにだ。『六波羅蜜寺』は「隆司が考えていたような」のに、「鬱蒼とした樹々が周囲を取り囲んでい」て、「重厚なたたずまいだ」って・・・おかしいやないかい! 『六波羅蜜寺』って、どんな寺やねん!


 で、続きだ。


【台の右端に腰を下ろした。雨で湿った石がズボンを通してひやりと伝わってくる。隆司はハンカチを出して顔をぬぐった。

「降られちゃいましたね」

そう言いながら、綾香も縁台に腰を下ろす。

「予報は外れたな」

「おかげで涼しくなったわ」

綾香はシャツの袖口を引っ張って鼻に近づけると、匂いを嗅いだ。

「いい匂い」

その仕草を見ていると、隆司は胸に】


 はぁ? 『縁台の右端に腰を下ろした』って、あんたら、今は大雨の中でっせ?


 それに綾香は誰のシャツの袖口の匂いを嗅いだのだろう? 自分のブラウスの匂いを嗅いで、「いい匂い」って言ったのだろうか? でも、それじゃあ、まるで洗剤のコマーシャルじゃんか! 当然、これはコマーシャルじゃないので、綾香は自己陶酔して、自分のブラウスの香りを「いい匂い」って言ったことになる。綾香って、バッカじゃないの! 


 しかし、いくらなんでも、そんなことはないだろうから・・・綾香はおそらく隆司のシャツの匂いを嗅いだんだろう。


 しっかし、普通、女性が男性のシャツの匂いを嗅いで、「いい匂い」なんて言うだろうか? きっと、これって、綾香が隆司を誘っているのだ・・・ということは、次のシーンは?(ハアハア・・。僕の荒い息)


 で、続き・・・


【甘酸っぱい思いが広がっていくのを感じた。隆司のハンカチからは綾香の香水の香りが立ち上っている。

「ねえ、先生」

シャツの匂いを嗅いだまま、綾香がつぶやいた。

「雨も悪くないですね」

「どうして?」

隆司はさりげなく聞き返したつもりだった。だが、声が少し裏返ったかもしれない。その声を聞いたとたん、綾香はいたずらっ子のように微笑んだ。そして、顔を隆司に向けると軽くウィンクした。】


 はぁ?・・・「隆司は胸に甘酸っぱい思いが広がっていくのを感じた」だってぇ。・・・綾香が隆司を誘っているシーンなのに? コンピューターよ、あんた、人を馬鹿にしてんのかい!


 それに「隆司のハンカチからは綾香の香水の香りが立ち上っている」?・・・なんで、隆司のハンカチに綾香の香水が掛かってるのよ?・・・いつ綾香は、隆司のハンカチに自分の香水を振りかけたって言うんじゃ! おかしいやないかい!


 それに、女性が、自分の香水をオトコのハンカチに振り掛けるか? 綾香って、どんな性格の女なんじゃ? それとも、隆司が綾香に気づかれずに、綾香のハンドバックから香水を取り出して、自分のハンカチに振り掛けたのだろうか? これじゃあ、隆司って変質者だ!


 さらにだ。綾香が「ねえ、先生」と言ってる?・・・『先生』は綾香、オマエやろ! 綾香ってバカなのか!


 さらにさらにだ。「顔を隆司に向けると軽くウィンクした」だとぉ・・・普通、女性がこんな場面で男性にウインクなどするかぁ? でも、これって、綾香がまた隆司を誘ってるんだよね?・・・ハアハアハア・・・


 で、続きだ。


【「雨が降ったおかげで、こうして先生とふたりっきりになれたもの」

隆司は軽いめまいを覚えた。身体の芯が熱くなる。

「そんな可愛いこと言ってると、襲っちゃうぞ」

隆司が言うと、綾香は照れたように下を向いた。そして、上目遣いに隆司を見つめてつぶやいた。

「わたしを襲うの?」

そのとたん、隆司は自分が激しく欲情していることに気づいた。どくんという心臓の音を聞きながら、唾を飲み込む。こんな】

 

 き、きたぁ・・・濡れ場だぁ・・・ハアハアハア・・・つ、続きを・・・


【感情は初めてだった。

「襲うぞ」

隆司は綾香の肩を抱くと、顔を近づけた。綾香はじっと隆司を見つめている。まるで隆司の瞳の奥にあるものを読み取ろうとしているかのようだった。

「そんなことしたら、わたし、死んじゃうかもしれない」

綾香はそう言って目を閉じた。その目蓋に隆司はそっと唇をつけた。そして、鼻の頭と頬にもキスをする。

「まだ襲ってないぞ」

そう言って隆司は綾香の唇に】


 襲う、襲うって、隆司は女性を襲うプレイが好きなようだ。ネットで調べると、『レイププレイ』というのがあるんですね。やっぱ、隆司は変質者じゃん!


 しかし、「隆司は綾香の唇に」だって? コンピューターは「唇」で文章を終わるのが好きなようだ。でも、これって、濡れ場に間違いないですね。・・・ゴクン(唾をのむ音)・・・ハアハアハア・・・つ、続きを・・・


【自分の唇を重ねた。綾香は最初驚いたようだったが、すぐに力を抜いて隆司に身体を預けてきた。

「雨宿りだけのつもりだったのに」

「いいさ、お寺の中だ」

隆司はもう一度、綾香にキスをした。今度は舌を入れてみる。一瞬、綾香の身体が硬くなったが、やがて従順に舌を差し出してきた。口の中で舌が絡み合う。その感触の心地よさに頭がぼうっとしてくる。いつの間にか、】


 キャー・・・「口の中で舌が絡み合う」だってぇ・・・僕、こんなの書けまっしぇ~ん。


 し、しかし、『六波羅蜜寺』って言ったら有名なお寺だ。ご本尊の十一面観音立像は国宝だぞ。西国三十三ヵ所めぐり第17番の札所でもある。そんな有名なお寺で・・・しかも、このときは昼間だ・・・当然、周辺にはお寺の人や観光客が大勢いるだろう。なのに、隆司と綾香は衆目の中で・・・こんなことしていいの?


 つ、続きだ・・・


【隆司は綾香の身体に腕を回して抱きすくめていた。

「先生、そんなに強く抱きしめられたら苦しいわ」

隆司の胸の中で綾香がもがいた。隆司は腕の力を少し緩めた。綾香は腕の中で身体を反転させると、今度は自分から抱きついてきた。その体重を受け止めながら、隆司は改めて幸せを感じていた。

そのときだった。いきなり稲妻が空を走ったかと思うと激しい雷鳴が轟いた。同時に凄まじい雨が降り出す。中庭】


 ぎゃび~ん! 僕の『轆轤首の宿』より面白いやないかい! 続きが気になりますぅ・・・


 ということで、一回戦はコンピューターの勝ちぃぃ・・・


 で、僕はコンピューターに復讐を誓ったのだ。こ、こんなコンピューターなんかに、負けてたまるかい!


 近々、第二回戦じゃ・・・・・

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