4月18日(月)8:35
朝学習があるせいで6時前に起床。早朝のバスに乗って20分、そこから徒歩で15分程歩いてやっと高校にたどり着く。高校の目の前にバス停はあるのだけど、家の近所のバス停からだとそのルートは通らないという罠。くそう。
というかそもそも、なんで朝学習なんてあるんだ。一応時間的には通常の授業より少し短い40分間だけれど、やってることは結局ただの授業だ。ただの0時間目だ。朝は脳が一番活発に働く時間帯だとか聞いたことがあるような気がしなくもないけど、通学時間を考えれば無駄に早起きしなければならないし、そうなると無駄に眠い中で勉強をしなければならないということになる。本当にそんなものに効果はあるのか。
のろのろと校舎に入り、のろのろと靴を履き替え、のろのろと階段を上ってやっと教室にたどりつく。するとそこにはすでに四月一日くんが来ていて、自分の席に姿勢良く座っていた。四月一日くんって朝強そうだな。それとも家が近所だからギリギリまで寝られるのか。まあ、私は四月一日くんの家がどこにあるのかなんて知らないが。
朝学習を終え、1時限目が始まるまでの短い休み時間。四月一日くんと普通に接している例の男子が、四月一日くんのところにやってくる。名前は……何だっけ。忘れた。
「四月一日って、朝が早くても眠そうにしてることあんまないよな」
「そうだな。朝はわりとすぱっと起きられる」
「いつも何時に起きてんの?」
「5時半」
「早っ。あ、通学時間がまあまあかかるのか」
「ああ。家の近所からバスに乗るんだが、高校の近くには止まらないからしばらく歩かないといけない」
「面倒だよなー。俺は電車ですぐだから楽だわ」
……マジかよ。四月一日くん、私より早起きしてるじゃん。しかも通学方法も全く同じだった。いや、さすがに一緒のバスに乗ってないのは間違いなく確かだから、家の位置は全然違うはずだけど。
でもそっか。四月一日くんも通学面倒な方か。それでもぐだぐだ言わずきちっと早起きしてるのか。そっか。そっかぁ。
隣の席の四月一日くんはどうやら早起きが得意らしい。
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