日本とウクライナ情勢

 ウクライナ情勢は他国の話だと日本人は少し距離を置いているかもしれない。しかし、ウクライナ情勢は日本にとっては対岸の火として片付けて良いものでは到底ない。

 歴史的に不凍港を求めるロシアにとって現在の領土ではウクライナを自分のものにするか、日本を自分のものにするかのほぼ二択になっている。それに加えて北方領土問題を日露間では抱えているのでより領土に関して切っても切れない関係にある。今月二十五日にロシア副首相は北方領土をロシアのものにする意向を示した。またロシアは日本を“非友好国”のリストに入れており、今後ロシアとの関係性の悪化は免れないようだ。

 危惧すべきはロシアだけではない。ロシアとウクライナの関係のように昔から一緒にやってきた地域として中国と台湾がある。社会主義を取る“中華人民共和国”の親玉・共産党と民主主義を取る“中華民国”(現在の台湾)の親玉・国民党は日中戦争の前後で内線を繰り広げており、元々あった中華民国側の国民党が敗れたことにより今の中国が成立した。敗れた国民党は領土である台湾に逃げ込み、自治を行い始めた。なので国際的には同一国家とされていることが多いが、台湾は独自で政治を行っている。台湾の現総統である蔡英文サイエイブンは中華人民共和国と中華民国は別の国家であり、独立宣言は必要ないという立場である。

 こういったこともあり、習政権は武力行使で台湾を自らのものにしようとしているのではないかとみられている。今まではアメリカが“世界の警察”として戦争に介入していたが、今回のウクライナ・ロシア間の戦争にはアメリカは介入しなかった。習政権は他国から介入されないことを今回の件で知ったため台湾への攻撃のハードルが下がったと考えられる。台湾本土で攻撃が始まると沖縄周辺に流れ弾などが飛んで来るなどの被害が起こりうる。特に漁業などの海に船を出すようなことは相当難しくなってくる。

 前述の通り、アメリカが自国の利益にならない戦争には介入しないという方針を前々代の大統領であるバラク・オバマから取っている。日本は戦後にアメリカと結んだ日米安全保障条約によって米軍基地を置く形でアメリカに守って貰っている状態であり、日本国憲法の定めるところにより自らで戦争をすることは出来ない。もしアメリカが日本に仕掛けられた戦争に対して外から傍観しているだけになるとおそらく日本は国として崩壊してしまうだろう。国際的にもアメリカの傘に守られているから日本は安全だが、その状態が壊れてしまいつつある今日本は果たして平和と言えるのかは分からない。今はアメリカが日本を守ってくれることを願うしかないのかもしれない。

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ウクライナ情勢について考える キザなRye @yosukew1616

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