ネクタイを結ぶ途中

海野わたる

十九になった次の日に


キャリーバッグで旅立ちを


ペンキの塗装が映し出す


おろしたばかりの革靴と


裾上げされたスラックス


まだ濡れている枕木に


昇りたての陽が反射する


座席の上の車窓から 


同じ景色は二度と見ぬ


未熟な僕にサヨナラを


紺の背広が似合うまで

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ネクタイを結ぶ途中 海野わたる @uminowataru

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