ハッピーエンド

結局看護師さんには話を聞かれており、次の日にはすぐに退院させてもらったあたしは、現在女性のあれがきていた。

今回ばかりは、油断というか安心したせいというか…

旦那であるカイトのことが何もなくなった瞬間に、すぐに生理になるって…

本当にカイトのことが解決すれば、後の悩みなんて今のところたいしたことじゃないってことなんだ。


そんなことを思いながらも、カイトの帰りを待つ。

安静にという言葉によって、今日はさすがに休みをもらったからだった。

だから今はあるものを見ていた。


「ここに一緒に行きたいな」


雑誌とパソコンを見ながらそう口にする。


「どこに行きたいの?」

「へやー!」

「ご、ごめん、驚かせて」


いつの間にか帰ってきていたカイトに、気づけば声をかけられていたようだ。

一人の世界に入っていて気づかなかったといえ、すごい変な声をだしてしまった。

ただ、そんな変な声を気にすることもなく、カイトは宿が書かれたものを見た。


「いいねえ」

「ツーリングにどう?」

「そうだね。女装しようか?」

「どっちでも、カイトが一緒ならそれで」


そんなことを二人で言い合って笑う。

結局はカイトと二人ならそれでよかったということがわかった。

お互い愛しているのだから、少し変わった趣味があってもそれも一種のスパイスになったりもするのだから…

お互いがさらに好きになるのは、もしかしたらお互いの秘密を知ってしまったときなのかもしれないそう思った。


そして、ツーリングして宿で二人でのんびりして、女装したカイトと、男装したあたしとで旅行するというのもそれはそれで楽しかったりしたのは二人だけの秘密だ。

短かったけど、最高に長く感じた修羅場は、ただあたしたちの愛も長いものにしてくれたのだった。

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旦那のそれを知ったから… 美しい海は秋 @utumiaki

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