第28話 えへへ♪ これ、やってみたかったんです♡
【契約】が完了したので早速、魔法を発動させる。
そして、菊花が集中すると一瞬にして、怪我が治った。
「
と菊花。魔法を使った本人が一番、
「これなら、
俺の期待を込めた眼差しに、
「
そう言って、菊花は視線を
(やはり、難しいらしい……)
――いや、俺が気落ちしてどうする!
「ごめんね、神月さん」
俺が謝ると、
「いいんです……」
と神月さん。続けて、
「それより、魔法を使う度に手を
いつものパターンなら――ひぃっ!――と悲鳴が聞こえる
『ひぃっ!』
そう言って逃げ出したのは桜花さんだけだった。
「あれ?」
と菊花は首を
「どうやら【契約】した事で……」
お主の特性を多少、引き継いだようじゃな――と朔姫。
菊花も『
「
じゃが――朔姫は
「これで、こやつを使役する事は出来るようになった
にんまりと笑う。どうやら、ここまでは計算していたらしい。
「ありがとう、朔姫」
俺は
「そうであろう!
そう言って、抱き付いてきた。
俺はそのまま、彼女を
このくらい、いいだろう。しかし――
「あーっ!」「は、離れてください!」
と神月さんと菊花。
(はて? どうして菊花まで……)
「か、彼女として、次はわた……私の番です!」
神月さんはそう言って、自分の胸に手を置きつつ、顔を真っ赤にする。
この場合、
「い、今はセンパイの所有者はあたしです。あたしを
と菊花。こんな性格だっただろうか?
つい視線が行ってしまうのは、男としての本能なので許して欲しい。
「べーっ! 嫌なのじゃ……」
とは朔姫。俺を
骨が
一方で――バチバチ!――と火花が散っているような気がする。
状況が余計にややこしくなっている。
――どうやら、俺は選択肢を間違えたらしい。
◇ ◇ ◇
あの後、俺と【契約】した事で【魔力】が飛躍的に向上した菊花。
彼女は
また、菊花の魔法により、桜花さんの姿も元に戻す事が出来た。
彼女の【魔力】が上がる――という満月の夜に行ったのだけれど、上手くいったようだ。
ただ時折、耳と尻尾が出てしまうらしい。
(ちょっと、カワイイ……)
二学期から一年上の先輩として復学するそうだ。
因みに、俺と【契約】した事で菊花に掛かっていた【呪い】は解呪されていた。
問題があるとすれば、菊花が寮に引っ越してきた事だ。
彼女の理屈では――【魔女】と【杖】は一緒に居た方がいいんです♡――との事だったが、
「セーンパイっ♡ お礼です」
そう言って、俺の入浴中にお風呂に入ってくるのはどうかと思う。
当然、彼女は水着姿なのだけれど、
「お背中、流しますね♡」
と
その必要はないと断ると、
「今の状況、
と
「うふふっ♪ 冗談ですよ~」
じゃあ、あたしも彼女にしてください♪――などと言って来る。
今、断ると悲鳴の一つでも上げられそうだ。
「か、考えておくよ……」
俺はタオルで下半身を隠すと、バスチェアに座った。
ここは大人しく
あまり見ないようにしたが、それはそれで
青と白を基調としたビキニで、朔姫ほどではないが、大きな胸が強調されている。
フリルが付いていて、可愛らしさをアピールしていた。
発育がいい――とは聞いていたけれど、目のやり場に困る。
「セ、センパイなら……好きなだけ、み、見てもいいですよ♡」
と菊花。口ではそう言っているけれど、その口調は恥ずかしそうだ。
無理をしているのだろう。
「今度、海に行こうか?」
俺はそう言ってみる。
「デートですか?」
ゴシゴシ♪――と俺の背中を
「いや、寮の皆でだけど……」
夏休みはバイトを入れる予定なので、のんびりする余裕はなさそうだ。
その前に皆で海に行くのは『悪い案ではない』と思った。
菊花は溜息を
「ごめんなさい……」
そう言って謝る。
謝るのは、ハッキリと答えを出さない俺の方だ。
「あたし、ちょっと
中学生じゃ、子供ですよね――と菊花は答える。
それは神月さんと朔姫が『大人だ』という事だろうか?
正直、まだまだ子供だろう。
(
「でもっ! あたし、負けませんから……」
菊花は俺の背中を流すと
「えへへ♪ これ、やってみたかったんです♡」
やっぱり、男の人の背中は大きいですね!――と無邪気に
朔姫の影響なのだろうけど、今は
(胸が当たっている……)
俺は前屈みになり、動くに動けなくなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます