第27話 そうですね、血です
俺達はいつもの寮の食堂に集まっていた。
ただ俺としては、少し
「
捕まえた
「うむっ!
そう言った
俺の身体を乗っ取るような発言をしたらしい。
結果、
――ピーッ、ピーッ!
と
(『カレー』の材料にでもする気じゃないよね……)
「『
朔姫はそう言って――チラリッ――と俺を見た。
なるほど、神話などにもよくある。
(【神】の力を得たり、不死身の肉体を得たりする話か……)
俺は『
ただの脅し文句だ。
最初に大きな要求を出して、次に小さな要求を飲ませる。
(そんな所か……)
『いいから、あたし達の【呪い】を解きなさいよ!』
と
(カワイイ……)
このままでも良いのではないか――とつい思ってしまう。
――ピーッ!
と
しかし、
『
「大丈夫ですよ……」
神月さんが俺の手を握ってくれた。
(そうだった……)
神月さんも朔姫も、俺がそんな事をするのを望んではいない。
(やっぱり、二人は
短絡的に考えてしまう自分が恥ずかしい。
「
悔しそうにしている桜花さんの様子を見て、俺は神月さんに確認する。
「どうやら【呪い】を解く力は残っていないようです」
と教えてくれた。ならば――力を戻してやればいい――と思わなくもないが、
(危険って訳か……)
「まあ
とは朔姫。俺と菊花を交互に見詰めた。
やはり、俺の読みは正しかったようだ。
俺は立ち上がると、
「菊花――多分、【杖】っていうのは……俺の事なんじゃないのかな?」
と質問する。最初は意味が分からず、
「はい?」
そう言って首を
「気付いておったか……」
と朔姫。面白くなさそうに
――やはり、危険なのだろうか?
『どういう事よ!』
桜花さんがテーブルの上に飛び乗る。
「文献については分からないけれど、【杖】というのは
この場合は
恐らく、学校で『恋人を見付けた』という記述の可能性が高い。
もしくは、俺のように『特別な人間』という意味だろう。
朔姫は理事長に聞いて、理解していたようだ。
菊花も――ああっ!――と
「菊花の魔法は、ちゃんと機能していたんだよ……」
俺は静かに答える。
最初に出会った時も、俺が居たから
「じゃあ、センパイがあたしの運命の……」
菊花は
【杖】である俺が居れば、【呪い】を打ち消せる可能性がある。
色々と遠回りをしてしまったらしい。
「のお……このまま猫の姿でも、よくはないか?」
「そうですね、そうしましょう」
と朔姫と神月さん。その言葉に、
『いい訳ないでしょ!』
冗談じゃない!――とは桜花さん。それはそうだろう。
「こうなる気はしとったんじゃよな……」
そう言って朔姫は落ち込む素振りを見せた。
「どうするといいのかな?」
俺が菊花に質問すると、
「契約します……手を――」
そう言って右手を差し出した。
俺はその手を取ると
見ると手に光の模様――魔法陣だろうか?――が浮かんでいた。
一方、菊花はモジモジと恥ずかしそうにしている。
「えっと、センパイ……」
呼ばれたので――
「キ、キスと『血の契約』、どちらがいいですか?」
と質問された。痛いのは嫌なのでキスでお願いしたいのだけれど、
「『血の契約』じゃな」「そうですね、血です」
(確かに、
――ちょっと待って欲しい!
「キ、キスで良くない?」
せめて刃物は止めよう――針でもいい
恐怖は感じないが、二人がピリピリしているのは分かる。
『ええいっ! イライラするっ……』
とは桜花さん。爪を立て、俺と菊花の手を引っ
「「
俺達は同時に声を上げる。
『
桜花さんは床に着地をすると――うーんっ!――と言って背筋を伸ばした。
「うむっ! 分かる……」
とは朔姫。これも彼女の『縁切り』の力だろうか?
以前――余計なモノも切ってしまった――と言っていたけれど、菊花との
(そもそも、桜花さんが【呪い】を掛ける必要すらなかったのでは……)
俺は菊花の指示に
(これはこれで
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