第三章 それとも破滅の罠か。
第16話 我の方が愛されておる!
俺としては試験よりも、三人での共同生活に
今は試験の一週間前という事で部活動を禁止されている。
けれど、昼休みは相変わらず、部室に集まっていた。
学校に対して苦手意識が定着しているのだろう。
精神的なモノが要因なので、改善するのは難しそうだ。
(せめて、学校に来るのが楽しくなるといいのだけれど……)
――仲のいい友達がいれば、いいのだろうか?
俺は
『縁切り』の神様である彼女が
「
分かっておる! 一緒の
(それは俺じゃなくて、朔姫が
神月さんは一瞬、
俺は
「でも、この島の人達って
そんな俺の
「そこなんじゃよ……」
と朔姫。海の近くで風も強い。
また気候も温かいため、
「
そう言って、
「は、離れ……なさい!」
と神月さん。ガタッ――と
「嫌なのじゃ♪
朔姫は当然のように、神月さんの要求を拒否して――ギュッ!――と力を入れる。
食事をしたばかりなので、締め付けるのは
神月さんは
(そんな顔されても、朔姫は謎に力が強いからな……)
俺が朔姫の頭を
「ふふふっ、恋人っぽいのじゃ♪」
と言って上機嫌になった。
そして、油断させた所に
「アッハッハ――
と朔姫。最初は我慢していたようだけれど、やがて耐え切れなくなり、自分から離れていった。
「もう……『えっち』な奴め」
朔姫はそう言って
(そんな場所、触ってませんけど……)
一方、
笑顔なのだけれど、怒っているようだ。
俺自身は見えないし、感じる事は出来ない。
けれど確実に【
周囲から音が消え、
今が試験期間でなければ、この部室棟に沢山の生徒達が居ただろ。
ちょっとしたパニックになっていたかも知れない。
「か、神月さん……これはその……誤解で――」
どう言い訳すればいいのか、俺が戸惑っていると、
「あ、あの? 神月さん……」
恥ずかしいのか、そのまま
(状況がいまいち分からない……)
ただ、彼女の【神気】の変化は収まったようだ。
窓の外からは、鳥達の鳴き声が再び聞こえる。
「
とは朔姫。
「で?
こんに可愛い彼女を放っておいて――と朔姫。
耳元で息を吹きかけるように言うのは
同時に、後頭部へ柔らかいモノが押してられる。
(
「部活の
俺はノート
ほほう――と
(だから
ある意味、拷問に近い。
「
と朔姫。
「部活の
こういうのは無理をしないで、定期的に更新するのがコツだ。畑は島の風土の紹介に
料理を通して、島の恵みについて紹介すれば、歴史に触れる機会もある
「そういうモノかのう?」
朔姫はそう言って、俺の
神月さんがこちらに気付いていないのが救いだろうか?
「そういうモノだよ」
と俺は返すと――うむっ! ご苦労なのじゃ――そう言って、朔姫は離れてくれた。時計を見ると、もう
「後は学校側に申請するだけだから……」
試験が終わる頃には許可が下りると思うよ――と俺は告げる。
「
とは神月さん。彼女も
「
ここが使えないと困るだろ?――と俺は付け足す。
すると――ほほう――と朔姫は目を細めた。
「そんなに
参ったのう――そう言って、両手を
(違うよ……)
対応に困り、俺は神月さんを見た。
彼女は彼女で、口元を両手で
感動しているか、まるでその背後で――ぱぁっ――と花が咲いている感じがした。
その瞳は『私の
「
と朔姫。神月さんも負けじと、
「わ、私の
と言い返す。神月さんは普段、色々と我慢している気がする。こう言うと怒られるのかも知れないけれど、『元気な彼女の姿』が見られるのは嬉しかった。
――もしかして、朔姫が三人で付き合うと言ったのは、この
「ふっふ~ん♪
と朔姫。
「……」
(どうやら、違うようだ……)
――単に『面白そうだ』とか、そういう理由だろう。
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