第13話 男ってホント、アホだな……
それだけ、充実した時間だったとも言える。
俺はと言えば、筋肉痛で
女の子の手前、張り切り過ぎてしまったようだ。
(男ってホント、アホだな……)
学校へは時間を決めて、三人で一緒に出る。
最初は学食があるので遠慮したのだけれど、
集団でパニックになるぞ!――と朔姫に
――というか、俺と一緒にお昼を食べるつもりのようだ。
「
朔姫は楽しそうに鍵を見せてくれる。そして、
「うむっ! 彼女として彼氏にお弁当を作る日が来るとは……」
(悪い予感しかしない……)
分かっておるわ!――と朔姫。
「あの二人、付き合ってるんじゃね?――という空気を
学園祭で告白するパターンじゃな!――と楽しそう語る。
ある意味、彼女の思考は
「まぁ、そんな感じ……」
俺が遠い目をすると、神月さんは苦笑した。
「そう言えば『
詳しく
「うむっ! 本来、人は【神】の力には
抵抗すると『神罰』が落ちるからのう――と朔姫。
「まぁ、今となっては【神】の力も昔程、強くはない……」
安心せい!――朔姫は笑う。
(まったく、安心できる要素がないのだけれど……)
しかし、神様がいたとして『絶対的な能力があるのか』と問われれば、答えは
「
朔姫は少しだけ
「つまり、信仰心とかが関係あるの?」
俺の問いに、
「そうじゃのう……
「じゃあ、神月さんをこの島から出せば……」
俺の安易な考えに、
「その場合は『別の誰か』が代わりを引き受ける事になるか……」
もしくは出られない可能性もあるのう――と朔姫。
その口調から、あまり『いい方法ではない』らしい。
「例えば、船に乗ったとしよう……」
彼女は
「すると、その船が
そんな可能性もあるのう――そう言って腕を組んだ。
どうやら、過去に似たような事があったらしい。
「神月さんの場合は『この島と、その周辺に影響を
俺は自分なりに解釈する。
まるで彼女が、この島に
「『縛られている』とも言うのう」
と朔姫。神月さんは申し訳なさそうな顔をしている。
朝の――それも登校中にする話題ではなかったようだ。
俺は反省する。
「まぁ、その影響を受けない人間が『
実際に昔は【神】を倒す者もいた――と朔姫。
平気そうにしているけど、俺の事は怖くないのだろうか?
俺が心配すると、
「大抵の場合は恋に落ち、結婚してしまうがのう」
安心するのじゃ――ケラケラと彼女は笑う。
俺としては、まったく安心できない。
彼女は一旦、笑うのを止めた後、
「まぁ、問題があるとすれば……」
と告げる。
あるとすれば――
「
朔姫は人差し指を突き合わせ、モジモジとした。
――そこは恥ずかしがる所なのだろうか?
◇ ◇ ◇
学校へ着き、教室へ入ると、
「おおっ! オレ達の【神】が降臨なされたぞ!」
「
「今日も
クラスメイトが急に騒ぎ出す。
(嫌だな、このクラス……)
「うむっ! 皆の者、
おはようなのじゃ――と挨拶する朔姫。
これだから、一緒に登校したくなかったのだ。
俺と神月さんは巻き込まれないように、教室の反対側――後ろの扉――から入る。
(『縁切り』の【神】だから、波長が合うと影響を受けやすいのかもな……)
『別れたい』または『別れさせたい』と思う相手がいるのかも知れない。
逆に付き合っていて、幸せなら『別れたくない』だろう。
そういう人間は影響を受け
一方で付き合っている連中を
(こんな風になる訳か……)
クラスの連中と適当に挨拶を交わしつつ、自分の席に着く。
これも俺の
他人と深く関われないため『広く浅く』を心掛けている。
クラスの全員とは
特別、仲が良い友達はいないが『悪い相手も作らない』というスタイルだ。
俺は神月さんが席に着いたのを確認する。
入学したばかりなので、席は男女交互の列になっていて出席番号順だ。
男子の『
そのため、
と言っても、挨拶程度の事務的な会話だ。
今にして思えば、彼女に平気で話し掛けるのは俺くらいだったのだろう。
(そりゃ、好意を抱かれたりもするか……)
現に神月さんの近くに居る連中の顔は
――仕方がない。
(神月さんに声を掛けに行くか……)
そう思った時だった。
「おおっ!
と
(そりゃ、同じクラスだからだよ……)
どうやら、本当に俺の事を覚えていなかったようだ。
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