第二章 ねえ、いい子だから。
第9話 お主にしか、頼めぬ事じゃ!
しんと静まり返った食堂で、
「お
と
けれど、今は甘んじて受け入れるしかない。
「説明して、
俺は
「ふむっ! 困った時の『朔姫ちゃん頼み』じゃな!」
「さて、夕飯の準備もあるし……
チラッ――と朔姫はこちらを見た。
――面倒なのはどっちだろう?
(素直に頼めばいいのに……)
俺は手伝いを申し出る。
彼女は髪を後ろで
俺は指示に従い手を動かす。
同時に朔姫は、今までの経緯を語り始める。
彼女の話によると――朔姫はある
とある【神】がこの島で『学校を
最初は
それが『
「最初は断るつもりだったのじゃがな……」
と彼女は溜息を
神月さんの身の上を聞いて、引き受ける事にしたようだ。
元は【神】だった者が『人間になる』という事があるらしい。
また、その逆も
ただ、この島には昔、力のある【神】が存在していた。
人々に『恐怖』を与える――そんな力を持っている【神】だ。
「別に悪い【神】ではない……『恐怖』を与える事で、島を守っていたのじゃ」
どうやら島やその周辺に、悪い人間達が近づかないようにしていたらしい。
島の人々からは『守り神』として
けれど、
現代に
「その【神】がどうなったのかは知らぬが……」
正直、信じていいかは悩む所だ。
しかし、
「
そんな朔姫の言葉に、
「じゃあ、神月さんは『その子孫』と言う事?」
俺が質問すると――うむっ!――彼女は
「そう考えるのが妥当じゃろうな……」
と言ってケラケラと笑った。
(いや、笑う所じゃ無いと思うけど……)
原因は『島の開発だ』と朔姫は考えているようだった。
「
と朔姫。その言葉を聞いて、
「じゃあ、それを見付けて壊すか、封印すればいいのか?」
俺は質問する。しかし、彼女は首を横に振った。
「もう出てしまったモノは、元には戻らん」
封印するにも『術士』がおらんしな――そう言って彼女は肩を
『お手上げ』という事だろうか? しかし、朔姫は不敵な笑みを浮かべると、
「そこにお
当然、そんなモノになったつもりはない。
「あっ!……テーブル
と朔姫。緊張感が
(素直に言う事を聞く、俺も俺だけど……)
次に俺はお皿を準備する。
これでいい?――と確認すると、
「おおっ! 気が利くのう」
朔姫が嬉しそうにした。
「
可愛がってやるぞ!――と朔姫。
「で……『
皿に料理を盛り付けて
おお、知らぬのか――朔姫はテキパキと手を動かしながら、
「人間と恋をすれば【神】は人になるのじゃ」
簡単な事じゃろ?――と朔姫がドヤ顔をする。
その表情が料理に対してモノなのか、博識を誇るモノなのか判断が難しい。
俺は料理を受け取りながら、
「だから、『付き合え!』なんて言ったのか……」
と
つまり、神月さんが俺の事を好きになって――
(一緒に居たいと思えばいい訳か……)
料理をテーブルに並べ終えた後、
「でも、それって……」
俺じゃなくても、いいのではないだろうか?――そんな俺の疑問を
「他の人間では
「本来は、この寮に入れた時点で資格はあるのじゃ……」
彼女は髪を
「いつもだったら、魚すら
買い物など
そして、俺を
「どうか、
お
(どうして、
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