第3話 環境の責任にはしたくないな…

 「調剤報酬の改定」がありました。

 これも薬局によってですが、ほぼ下がったと思います。


 私の勤める薬局は患者さんの負担をあまり大きくしたくないので

「かかりつけ薬剤師」をおすすめしていないのです。

 かかりつけの契約をしてもらえれば、その指名薬剤師が対応した場合、かかりつけ薬剤師指導料というものをとれます。

 3割負担の方で60円から100円の負担増になります。


 創業80年以上、ここは昔ながらの薬局ですので、

「かかりつけ」にしなくてもみなさんがある意味「かかりつけ」なのでいらしてくださりますし、親子3代で来局される患者様もいます。

 みなさん地域のドクターにかかっていますし、実際に薬を届けたり相談したりしていますから。


 今まででと変わらない対応で負担を増やしてもらうのもどうかと思うのです。


 国はこの「かかりつけ薬剤師」の制度を進めるために、かかりつけの薬剤師さんが不在でも代理の人でも加算がとれるようにしました。


「うちも『かかりつけ』とらなきゃいけないのかな…」

 とスタッフと話しています。

 調剤報酬、下がっていますので。


 念のため書きますが、ちゃんとかかりつけ薬剤師の制度に対応する薬局さんも多くあり、患者さんにそれこそかかりつけ薬剤師として常に接して、患者様のためにがんばっている薬局もあります。


 うちの薬局の方針です、あくまでね。


******


「ねえ、この地域支援体制加算の2をとる設定にしたいんだけれどさ、このフラグってどの画面なの…」


 3月末にレセコンの会社に電話したのですが、十数回かけてやっとつながりました。


レセコンってレセプトコンピューターの略ですが、

 処方箋の内容を入力して、薬袋、お薬手帳、領収書とかを印字し、月初には社会保険や国保の保険機構にレセプトっていう「調剤報酬明細書」を伝送してくれます。


 調剤報酬の改定によりこれの設定の準備やら業務の変更なんかもありました。

 今までより収入が減るのはわかっているので、どの加算がとれなくなるのか、新たにとれるのか…、レセコンの設定はどうすればいいのか…。

 きっとご年配の方だけのお店ではこれだけでも大変だろうな…と思うのです。


 これも一つの例ですが、

「リフィル処方箋」はニュースになったのかな…。


 同じ処方ならドクターの指示、記載により、クリニックに行かずに最大3回まで薬局で同じ処方箋で調剤してもらえることができるようになりました。


 処方箋、いままでなかった枠というか欄ができています。

 ここに

「リフィル可 3回」

 なんて書かれたら、僕らはこの処方箋、コピーして原本は患者様にお返しして、次回の予定日を書き入れ、来なかったら電話して…。


 マニュアル作りました。


 国はお金がないので医療費を削りたいのです。

 その矛先の一部は薬局と薬に向いています。


 そんなにもうかっていません。


 昔は潤っていたのかもしれませんが、僕が薬局に入ってからはそんなことはないですね。


「薬局いじめだな…」

 と卸さんの営業とお話しています。


 こまったものです。


 でもね、環境の責任と言ったらある意味逃げだと思うので、激務だとか調剤報酬が低いとかはそれこそいいわけなので、それでも従業員さんや我が家の家計、大事な患者さんをケアできるようにしないと…。


 お読み頂きありがとうございます。


         了

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薬不足といろいろと… @J2130

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