あとがきほか

作者による、おまけ的なキャラクター評価(おふざけ)

 コーザ:ただのコーザ。思いのほか賢くなったのが、いただけない。君はもっとバカでよかった。ワープゲートを使いまくった手柄として、著者から、行き先を妖精王のもとに、変更できるという能力を、急遽として授かったらしい。


 チャールティン:著者の期待に絶望的なまでに反し、己の知性や周囲のキャラクター、果ては、作品そのものの難易度まであげた元凶。まさしく、害悪。それだけにとどまらず、ニシーシの溺愛度を、当初より増すことにも成功したという、作中最大の策士。代償として、著者の執筆速度を、大幅に低下させることにも、見事成功している。

 初期段階では終盤で抹殺予定だったが、しぶとく生き残り、ニシーシとの幸せな生活を手にいれた。たぶん、この点だけで見れば、主人公のポジションに一番合っている。外から見ているだけなら、お前はかわいいやつだ。外から見ているだけなら――。

 前半で登場した、姿の見えなくなるというスキルについても、(その付近にいきなり現れることで)、ミージヒトが瞳を持っている事実を、看破するために用いられるはずだったが、持ち前の頭脳で、著者のお膳立てを無に帰したらしい。


 ニシーシ:正義感が強めの子。動かしやすいので気にいっている。いつもそばにチャールティンがいるので、知性面では、著者に負担を強いているみたい。ごめん、やっぱ嫌いだわ。

 物語がはじまるきっかけを作った、という意味では、一番の功労者かも。あまり活躍の機会を与えられなかったのは、著者の汚点。一応は、ミージヒトとの戦いで、活躍するはずだったのだが……。


 ルーチカ:当初はおバカな感じだったが、(どこぞの妖精が原因で)、相対的にコーザの知性が低下したため、アイデンティティーを奪われてしまった、かわいそうな子。完全にバカキャラにするわけにもいかず、なにげに塩梅が難しいという、気難しさをあわせ持つ。作中で変なことをさせているのは、存在感をアピールさせたい著者のせい。

 チャールティンやフレデージアとの、決定的な違いは、本人の目的を、著者が作り忘れていたかどうかだってさ。やだもう、信じらんない!


 氷結:賢さのアイデンティティーを、チャールティンに奪われた、残念な強キャラ。その一方で、出番を自ら作りだすマッチポンプにより、最強キャラとしての地位を保持することは、できたご様子。初期段階では、一人称が「俺」だったが、それとかぶっていた、情報屋の出番が多くなったことにより、そちらについては変更を余儀なくされた。情報屋がへたに性格の説明をしたため、本当に残念な気質になったらしく、本編では八つ当たりをした模様。著者からは結構好かれているみたい、かわいそうね。


 ムッチョーダ:氷結みたく、単語を呼び名にする、という方針を取ろうとした著者に、途中で考えるのを放棄されたため、適当なカタカナを与えられた。出番が少なかったので、これでよかったと著者は安心しているという。


 フレデージア:最終章の分量が少なくなりそう、という理由のみで、超絶上方修正が入ったぶっ壊れ。むしろ、そのせいでボリューム過多になった、(主にチャールティンのせいだが……)。イカれているのは著者のほうという正論は、言ってはいけない。マジでどうやって倒せばいいのか、わからなかったことは、ここだけの秘密。


 ミージヒト:チャールティンとの頭脳戦に負けることが、運命づけられていた好青年。当初は頭脳戦なんて存在しなかったので、地頭の良さがうかがえる。性格はわかりやすいが、口調がやや難で、キャラの造形に、思いのほか苦戦していたと著者は話す。名前さえ決まっていなかった、初期段階に比べると、非常に大きく出世した。

 あまりにかわいそうなので、著者によって救済措置が取られた、珍しいキャラクター。


 ゲゾール:瞳が記憶のトリガーになっていることなど、どう考えても、「お前はそれを知らねえだろ」、という部分まで、なぜか知り尽くしているすごい人物。著者という絶対的なアドバンテージを持ち、情報面ではあらゆる人間を上回るも、いかんせん本人がどうしようもなかった。

 これ以上、厄介な存在が増えても困るので、無理やりにでも、著者によって、今の立ち位置に固定されていただろう。罪と罰が釣りあっていない感じが、悲壮感を漂わせている。ツェミターヴ(相棒)がいい子だった形にするので、許して。


 著者:しばしば返信に、「(白目)」を使う。自虐がデフォルトのあたり、ギャグ線の低さに定評がありそう。顔文字を使えば、文がかわいくなると思っている病気を、患っていることが判明している。







 過去のメモを見返していますと、「ゲゾールはペルミテースを騙っている」、という文言がありました。私はすっかり、この存在を忘れていましたが、たしかに、この設定のほうが、物語の構造がスリムになったでしょうから、だいぶんよかったのかもしれません。間接的に、ペルミテースに会おうとするよりかは、直接的な捜索になりますので、すっきりとした印象を持てそうです。一方で、この場合、ゲゾールは今でも、コーザに復讐したいと考えられますので――だからこそ、ペルミテースを騙り、コーザをおびき寄せているのでしょう――、色んな部分での見直しが、必要になったように思われます。ままならないですね。本当にチャールティンが実在し、私のところに来て、作業を手伝ってくれるのを切に望みますが、きっと、そうしたら、自分がどれだけ作家に向いていないのかを、理路整然と突きつけられたでしょうから、人目も憚らずに泣いたことと思います。

 未使用の備忘録を読み返しますと、現在の本文と対比したときに、様々な矛盾が出て来て、悲しいような楽しいような、複雑な気持ちになりますね。練りの甘さについては、日頃から痛感しているものであります。実際、本作でもしばしば、「この言い訳は無理じゃね?」という事態に、陥りました。そのたびに、泣きそうになりながら頭を抱えましたので、無事にごまかせているようでしたら、うれしい限りです。読者諸賢におかれましたら、見つけた際には、深く気にせずに笑ってください。

 閑話休題。初めのうちに、あまりにたくさんの設定を作ってしまうと、(私の場合)事前のイメージに、強く引っ張られ、躍動感の溢れる本文に、いざ取り組もうとしても、足を取られてしまって動けない――というような状況に陥りがちです。きっと、初期のアイディアを、潔く切り捨てられないのは、根が貧乏性だからなのでしょう。悲しいですね。作家のみなさんはどのようにしているのか、とても気になります。次回はもう少し、この辺りの塩梅を、上手にできることを願ってやみません。


 記して深く謝意を表す。

 また、次の作品でお会いしましょう! 御咲花すゆ花


 次回は、特段の変更がなければ、共依存をテーマにしたものになる予定です。もちろん、ここで言う共依存はふわっとしたもので、正確な用語ではないのでしょうが、(私にとって)やさしい物語ですので、平にご容赦を。

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2千pv【全104話】フェアリィ・ブレット ~妖精迷宮の銃弾~ 御咲花 すゆ花 @suyuka_misahana

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