二分の一の探偵 S

反逆の点P

第0話 ショートストーリー

とある国での言語はAで始まりZで終わる。


特に意味を持たないように思えるがその文化圏だとそれが熟語となり広く会話の中で使われるらしい。


しかし、この物語に出るアルファベットはSであり終わりでもなければ始まりですらない。



いや正確にはもう始まっていると言っても過言ではないだろう。


これはSであり、ショートでありメインであるMの後の物語なのである。

とかくこんな調子で進める語り手は失敗作と揶揄されることの多いフォークス・K・エドガーである。


勘違いされがちだが正真正銘の『女』だ。


最近流行りの転生した、等ではなく純粋な女である。


髪は灰色だと表現されることが多いが個人的にはどちらかといえば白金色のように思えるが自分と他人とではものの見え方が違うのだろう、それはどの世界でも同じなのだ。


私の目にはMはSの前に見えるが誰かの目にはSこそが先に来てMが後付けであるという輩もいることだろう。


それこそ解釈が自由なのが世界であり、それが反映されたのが『私たち』が生きる法の世界なのだ。解釈は自由てあり、多様性により成り立っている。



一つでは立つことも出来ず、二つでは左右の対照性が汚くなってしまうそれが世界なのだとこの年になってやっと悟ることができた。



そしてもう一つ二分の一の探偵として生きる中で気づいたことがある。

それは真実は当事者にしか知り得ないという事である。解釈はいくら分かれようが事の顛末は当事者だけが知り部外者は推測をすることしかできないのだ。だからこそ部外者として探偵は被害者に代わり推測する。


だからこそ私は半人前であり、二分の一なのである。


被害者よりも事件に詳しくなり時には当事者さえも凌駕してしまうこの『眼』を持つ以上はどれだけ徳や技量を積もうが私は一人前にはなれず半人前なのだ。いやそれは私がこの世界の代行者、処刑人となった日から変わらない事なのだ。

そして最後に探偵として皆に一つ進言しておくことにしよう。


    『真実はいつも一つ』…と

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