サドンデスマッチについて 前編
この小説の主人公5人は、僕自身を五等分させたものだ。これは、決して今流行のハーレムラブコメを意識して五等分な~んです! とか言いたいわけじゃない。僕が言いたいこの小説の真実だ。
今、これについて書くのは正直早すぎる気がして僕の信念的な部分でタブーを犯している気もするが、しょうがない。この作品が僕の今書いている中で1番来ているのだから。このビッグウェーブには乗らないとそれこそ、作家じゃない。
さて、3月17日に連載を始めて半年が過ぎた今作だが、最近ようやく試合を始めた大変冗長で遅い展開のドラマ小説だ。まぁ、その分細かい背景描写や動きなどを書き連ねてなんとか飽きさせないように工夫をしているわけで、ここを読者に見つけてもらう事も私の中で楽しみにしている要素の一つだ。まぁ、それをここで全て説明してもつまらないので、今日は1番上にも書いたこの作品の主人公5人が自分自身であるという所だ。
単刀直入に言うと、もうそのままの意味だ。5人の主人公……天河、白詰、霞草、狩生、紅崎。彼らは、みんな私自身の一部だ。具体的にどの辺が私なのかと言うと、それは彼らの弱さやダメさ、悪さであろう。
私は、天河のようにすぐヤケクソになって投げ出すし、白詰のようにめんどくさがり屋だし、霞草のようにうだうだ言ってて全然やる気を出さないし、狩生のように一つの事をずっと引きずってて抜け出せないし、紅崎のように弱くてカッコ悪くて現実を直視できないくせにカッコつけて悪者気取りをする。
……うーん。なんだか自分で書いててすげぇ嫌な気持ちになったな。もう書くのやめよっかな(笑)
まぁ、とにかく彼らは俺自身なんだ。俺自身の弱さであって強さでもある。
僕だったらあの状況でも彼らのようにバスケ部には戻らない。いや、実際戻らなかった過去がある。あまり自分の事は書きたくないからこれくらいにするが、要するにこの物語はあの時逃げた自分に捧げる物語でもあるんだ。僕が僕として今度こそ、たった一つの事(今回ならコンテストや公募だね)に彼らと共に挑戦するそう言う作品なんだ。だから、これは彼らの物語であり、僕の物語でもある。
そして、つい最近彼らはついにたった一つの何かを掴みに全国大会を目指すべく立ち上がった。どう言う結果になるかは今は言えないが、それでも今ここで僕は言いたい。
5人は確かに最初は僕と同じクズだったかもしれない。弱くて脆くて、何をやっても中途半端でダメ奴だったかもしれない。けど、今は違う。彼らは立ち上がった周りから不可能だと言われてもだ。……もう彼らは僕じゃないんだ。新しい彼らへ生まれ変われた。
僕も今行くよ。このコンテストを乗り切って君らと同じく新しい僕になるため。きっと、周りは僕を馬鹿にするかもしれないし、くだらないと言うかもしれないけど、書籍化したい気持ちは本気だから。だから、君らと共に僕もいかせてくれ。力を貸してくれ。
後半は僕の臭いセリフ集になってしまったが、キャラクターと言えばもう1つ。上げるべき事があった。それが、キャラクターの名前だ。もうお気づきの方もいるだろうが、彼らの名前は皆、花言葉からとっている。例えば、天河葵なら花の名前がゼラニウムで花言葉は友情。白詰想太ならシロツメクサで約束。霞草進太郎ならカスミソウ(これはまんま)で夢。狩生利行ならユウカリで復活。紅崎花ならベニバナで情熱……と、主人公達だけでもこうなっている。これ以外にも例えば、最近出した敵チームの扇野原選手達は皆、勝利という花言葉がつく花をピックアップしたし、また各主人公達とバディになっているキャラ達にも花言葉モチーフの名前を授けた。花車ならガーベラ。航ならグラジオラス。霞草の場合は家族がそうなので、進太郎と変わらないが……。狩生なら、やはり爺さん。立麝香草。これは、ちなみに活発という意味の花言葉があり、元気だった爺さんが入院して死んでいくのを皮肉っているって感じだ。それから紅崎の恋人の琴吹向日葵は、名前の通り。ひまわりだ。しかもその花言葉は、あなただけを見つめている。と情熱。そう、紅崎と同じ花言葉を持つのだ。
ここで作者として、一個取り上げたいセリフがあってそれが第62話の『決戦前夜』
で紅崎がベッドで一緒に寝ている向日葵にだけ吐いた本心を打ち明ける告白シーンだ。ここに出てくる。
「……お前には最後まで見ていて欲しいんだ。俺が明日の試合を最後まで戦い抜く姿を……。情熱と共にコートに立っている俺を」
このセリフ。個人的にめっちゃ気に入っている箇所だ。
情熱と共に。これは、英語に直せばWith passion となる。Passion=情熱=向日葵。言い換えれば、With sunflowers 向日葵と共に。という意味にもなるし、紅崎の花言葉であるベニバナも情熱の花言葉なので、With safflower 紅崎と共に。で、この二つを合わせると、2人で一緒にコートに立っている。とも読めるわけだ。これは、最後までずっと一緒にいて欲しいというある意味プロポーズでもあるし、または、試合を最後まで一緒に戦って欲しいという意味にもなるしで、個人的に今まで書いてきたセリフの中では、ベストセラー級の最高のセリフが書けたと個人的には、思っている。ちなみに、この回の『決戦前夜』というタイトルは、投稿する直前まで『決戦前夜(マリッジブルー)』と表記しようか迷った。まぁ、結局ボツにしたわけだが……。
詳細は、この話を見れば分かるぞ!
↓
https://kakuyomu.jp/works/16816927860590038350/episodes/16817330649843436980
そして、このセリフはとある映画作品のとあるシーンを見て思いついたわけで、そう言う意味では今、語った以外にも意味のあるシーンなわけだ。しかし、今回は映画について語るのはやめようと思う。
次回は、なぜバスケを扱ったのか、そしてこの作品は何の映画を元ネタにしているのかとかを書いていこうと思う。それじゃあ、またいつか!
自作の小説の裏側 上野蒼良@11/2電子書籍発売! @sakuranesora
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