朝6時に目が覚めた
野間々々
朝6に目が覚めた
とあるマンションの一室、男は欠伸をしながらスマートフォンを弄っていた。
今日はいつもより早く目が覚めたのだが、自炊をしない男の冷蔵庫の中身はすっからかんで、買い置きしているカップ麺も底をついていた。近所にあるコンビニには、最近美人な店員さんがはいったので、この時間帯に彼女がいるかはわからなかったが、寝起きの状態でコンビニに向かうのは気が引けた。
それに、せっかく早く起きたのだ。いつも行かないような所に行ってみたい。
男はスマホで「ご飯」「営業中」と調べる。やはりこの時間帯に空いている店は少ない。マップに散らばるピンをポツポツと選んでいると芳ばしい焦げ茶色の写真が目に付いた。
いそいそと立ち上がり、最低限の身だしなみを整える。初めて行くお店なので現金払いの可能性を考えて財布もちゃんと手に取った。
玄関から外に出た男は、いつも慌ただしく通り過ぎていたあの店の、小麦の匂いに思いを馳せていた。
朝6時に目が覚めた 野間々々 @NomaNoma10
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます