魔王様はお見通し? ~魔物の心を読む俺に死角はない!~
あずま悠紀
第1話
「君の名前は?」
(レイだな)
「そうか。いい名前だね!」
僕の問いに対し彼女は嬉しそうな笑顔を浮かべながらそう言った後、こう続けた。
「私はね、『ルナ』って言うんだ」
どうやら僕はこれから彼女に付き合っていかなくてはいけないらしい。まぁ別に嫌だとも思わなかったので特に気にせず歩き出したのだが、しばらく歩いていた時だった。彼女が突然口を開く。それもどこか真剣みを帯びた声でだ。
僕は彼女の言葉を聞き逃さないように耳を傾けると――、そこには信じられない内容の言葉があった。思わず聞き返すように「えっ?」と言ってしまうくらいにである。
「あのね、実は私の種族って『ヴァンパイア族』っていう種族なんだ」
それを聞いてまず最初に思ったことは『まさかとは思うけど、僕を襲う気じゃないだろうな?』ということ。だが、それを察していたのか彼女は慌てて説明し始めた。
話によると彼女達は日が出ている間は弱体するらしいのだけれど、夜になった瞬間から身体中に魔力を帯びてパワーアップできるのだという。しかし、その反動なのか太陽の光を浴びてしまうとたちまち死んでしまうそうだ。
つまり今の彼女の状態こそが日中であり一番弱いときなのだと言う。なので今の状態ならば普通に襲われても死ぬことはないので襲うつもりもないようだが――、問題はその後の話だった。なんと彼女達『吸血鬼』は人の生き血を好むらしく、それでいて人の姿形をした者を
「あ、あなたからは美味しい匂いが漂ってくるんだよねぇ~。だからできれば吸わせて欲しいんだけどぉ~。でももし無理なら仕方がないよね」
(おいおいマジですか?冗談ですよねぇ?)
ただ一つ分かることは彼女がとても残念そうにしていることだということは分かった。正直言えばこの申し出を断った方が身のためなのは間違いないだろう。だが――、こんな場所で見ず知らずの女性を置いて逃げ帰るというのは人としてどうだろうか? という疑問が生まれた。
それに何よりここで断ったりしたら彼女に恥を掻かせてしまうことになるのではないかと思うようになったのだ。それはちょっとどうかとも思う。なので少しだけ考える時間を設けたいと思った。ただそこで困ったことがひとつある。先ほども説明した通りここは街中だ
「ん?どうしました?」
考え事をしているうちに黙ってしまった僕を見かねたのか、彼女は不思議そうな顔をしながらこちらを見ていたのである。すると僕はふと思い立ったことを彼女に聞いてみた。
何故そこまで人の生き血を欲するようになったのかを――、彼女は語り始めたのだ。なんでも彼女は『魔王軍』と呼ばれる組織の一員であり『吸血鬼王』の娘なのだとか――。
本来であれば父上である魔王に従い魔族の長を務めていたはずが突如姿を消してしまったらしく行方を捜しているのだという話をしてくれたのだが――。それが本当かどうか分からない以上安易には信用しない方がいいかもしれないな。
(あれ?さっきまであったはずの威圧感が無くなっているような気がするぞ?)
いつの間に
「ごめんなさい!お願いします!!」
突然彼女が頭を下げてきて、僕は驚くとともに慌てるのだった。というのも彼女の声が大きかったからだ。しかも周りにいた人たちにも聞こえてしまい視線が集まる結果になってしまったからである。
(とりあえず落ち着いて!ここだと人目につき過ぎる)
(そ、そうだね!あっ、私こういうものだからよろしくね!!)
彼女は胸ポケットからカードを取り出し見せてきたのだが、そこに書かれていたものは僕にとって全く理解できないものだったのだ。なにせ『ギルドマスター』と書かれたものであったからだ。もちろん意味が分からなかったのでどういうことだ?
「これを見てわからないかな?」
彼女は首を傾げてそう言ってきたのだけど、やはり見たことがない物だったため理解することができなかった。そこで僕は思い切って尋ねてみることにしたのだったが、彼女は答えてくれた内容は衝撃的なモノであった。
どうやら彼女はこの世界とは別にある異世界の住人だったらしく、そこには冒険者というものが存在しており、そのトップに位置する役職だと言うのだ。つまり僕は異世界から来た人間だと疑われたという訳になるのだと思うが、彼女は続けて説明したのだ。
(どう
「君のような人間は珍しいんだよ。だからこそ、君に興味を抱いたってわけ」
(なるほどね。ってか今なんて言った!?)
僕は驚いたまま言葉を発することができなかった。というのも目の前にいる女の子から突然『お前の正体を知っているんだぞ』と言われたに等しいセリフが出てきたのだから驚かないはずはないと思うだろう。そんな風に考えていた僕に彼女は笑顔で手を伸ばして来たのだが――、それを払いのけながら後ずさりした。
当然だ。初対面の相手に急に手を差し出してくる奴がいるとしたら警戒するはずだろ?だって相手は何の躊躇もなく触れようとしてきたんだ。怪しいと思わないはずがないじゃないか――。そして僕は警戒しながら彼女を見ているとあることに気付いたのだ。
「えへへ。そんなに見つめられても恥ずかしいよ?」
(やっぱりそうだ。こいつは俺と同じだ。そして俺が知っている言葉を使うってことはこいつもまた異世界転生を果たした存在だということになるな)
彼女が僕の心を読み取った瞬間から、僕は自分の予想が正しかったという確信を抱くと共に彼女もまたそうなのだと考えた。そもそもこの世界に『ステータス画面』などというゲームにありそうなシステムが存在していることからおかしいと思っていたんだよ。それに僕以外にも『スキル』を持つ者がいたという事実もあるしな。
つまりこの女もまた『勇者』や『魔王』と同じく『転移召喚』によって呼ばれたのだろう。それなら納得できるところが多い。まず僕が『神の声』
「んー?どうしたのかな?」
「いえ、何でもありません。それより僕はレイと言います」
「ふむ、いい名前だね」
「ありがとうございます」
彼女の自己紹介に対して僕の方も同じように返したのだけれど、そこで思い出したことがあったのだ。それは彼女の着ていた鎧に刻まれた紋章のこと。あれは明らかに僕がいた世界で存在していた有名な『王国の紋章』だったからな。
だから彼女についてもう少し調べようと思って聞いてみた。なにせ僕に敵意を抱いている可能性がある人物だし、もし敵対するなら対策しておいた方が良いと判断できたからこその行動である。まぁもっとも、本当に敵対したいと思っているのかどうかは謎だがね。なん
「うわっ!」
「お、重い~」
「す、すいません」
考え事をしていたら彼女のことを突き飛ばしてしまう形になったので僕は慌てて謝った。というか彼女の身体の柔らかさに驚きながらも彼女のことを凝視してしまっていたのは秘密だ。なんたって今までの人生でこんな柔らかい感触を味わったことなどないんだから――。
ただそんな気持ちを抑え込みつつ僕は彼女と話をしようとした。すると突然僕たちに向かって剣を抜いて襲い掛かってくる輩が現れたのだ。しかも僕たちが気付いた時にはもうすぐ傍まで迫って来ていたという。
それを確認した僕は彼女を守ろうとするべく身体を動かそうとしたんだけど、その瞬間に何かに弾き飛ばされる
「ぐはぁああ!」
「大丈夫ですか!?」
僕は痛みに耐えながら彼女にそう声を掛けたのだが、次の瞬間には彼女が襲い掛かって来た男に蹴りを入れ気絶させていたのだった。その姿を見た僕は思わず目を見開くことになる。
「あ、足で攻撃だと――?」
そうなのだ。彼女は腕を使わずに相手の腹へと膝をめり込ませるように攻撃をし、そのまま勢いを殺すことなく足を横に薙ぎ払う形で回し蹴っていたのである。その結果、男は地面に転がり悶え苦しんでいる。どうやら相当ダメージを食らい動けなくなったようだ。
「ん、どうしました?早く行きましょう」
僕は彼女が何事も無かったかのように平然と歩いていく姿を見て思わず立ち尽くしてしまうのだが、そこで僕は彼女を追いかけるべく慌てて追いかけようとした時だった。突然地面が大きく震え出すと、まるで大地の叫びが聞こえるような感覚に陥り――、 【よくも我に牙を向けやがって!!!貴様は絶対に許さん!!】
――と聞こえてくると同時に激しい揺れが僕を襲い掛かった そしてそれは僕だけじゃなく彼女の方にも同様の現象が起き、それどころか僕よりも大きな地震が発生し始めたのだ。この世界の人たちは突然起こった異変の原因を探り始めるが僕たちには関係ない。なぜなら僕たちは『神の意思の代弁者』であり
「「『聖加護』!!」
――この『魔法』を発動することができるからな
「「これでよしっと! ん?」
「どうしたの?」
「いや、なんか誰かが近づいて来るのを感じ取れてさ。ただその相手が問題なんだ」
僕はルナと一緒に街を離れ人気のない森の中に来ていた。理由としては彼女には人のいないところで話をしたかったからだ。なんたってこれから一緒に行動する以上、隠し事をしながらというのはお互い嫌な思いをするだけでしかないからな。
(まさかあっちの方角から向かってくるなんてな。しかもかなりの速度で接近しているぞ?)
「あの、タカシ君」
「なんだ?」
「私にもその気配っていうのを感じることはできますけど」
(
「そうなのか?」
「はい。ただ距離的にはまだ結構離れています。恐らくあと一時間程度は必要だと思います」
なるほど。つまり俺が考えている間にこの距離を一気に縮められるような能力の持ち主だということだな。ま、そうはさせないけどさ 俺はすぐに行動を開始することにした。まずルナには安全な場所で隠れていてもらうように言い残し、一人で先ほど感じ取ってきた方向へと走り出し――、
(どうやら俺の考え過ぎだったかもな。それにしてもこの力は何なのかな?この世界に来てから明らかに身体能力が上昇しているのは間違いないだろうな)
僕は走るスピードを上げ、やがて木々の間を駆け抜けて行ったのである。すると次第に人の姿が見え始め、それと同時に相手も僕の姿を確認していた。僕は相手に
「お前、何者だ?」
と問い掛けると相手はそのまま攻撃を仕掛けてきたのである。どうやら会話をする意志は全くないらしく僕は舌打ちしながらその拳を受け流した。
「チッ!質問を無視するのかよ」
「問答無用!!」
僕は相手を軽く投げ飛ばすことに成功する。その光景を見た相手は驚愕の表情を浮かべると僕に向けて再度襲い掛かって来たのだけど
「なに!?」
今度は避けられてしまったことに更に驚きの表情を浮かべていた。おそらく今の反応速度を見て僕の力を察してくれたと思うんだよね。だってあいつの動きがスローモーションになって見えているんだもん。これは『神速』の能力の一つ
「へぇ、やっぱり強いね。あんたの力、貰うぜ?」
そう言うなり僕から奪い取ろうとするように襲いかかってきて――
「させるか!『風障壁』!!『光矢』!『炎槍』!!『土弾』!!そして『雷撃』!!」
――次々と発動させた僕の
「うわぁああ!」
僕は相手に攻撃を当てることができなくてイラつき始めていたのである。そもそも僕からすればこいつが何者かすら分からないのだから仕方がないじゃないか? 僕はとりあえず様子見のためあえて手加減した技を放っていたのである。
『水刃』で斬って『火球』で燃やして『雷槍』で貫いて『石柱』をぶつけてから最後に『風槌』をお見舞いしたんだけど
「お前の力はそれだけじゃないだろ?」
「くっ、調子に乗るな!」
どうやら僕の持つ能力を大体察知したらしいんだが
「そんなに怒るなよ。僕の目的はあんたと戦うことではないんだ」
「嘘をつけ!」
そう言うなり僕に
「消えろ!」
と言って来た。でも僕の目の前でそんなことをしたら意味が無いんだよなぁ
「なっ!?ば、馬鹿な――!?どうして効かないんだ!?」
そう言って驚くと僕に背を向けたのだ。
だから
「なにか言ったか?それより僕は戦うつもりはないんだよ。ただ一つだけ聞かせてくれないか?」
僕の声に反応するなという方が無理な話だろうね
「なっ、なんだよ!」
「いやぁ、実は最近ちょっと面倒なことになっていてね。それで聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
僕はそう言った瞬間、彼の動きが止まったので僕はそのまま彼に
「僕のスキルを返して欲しいんだけど、どうすればできるのかな?なによりまず僕の質問に答えてくれるとありがたいな」
僕がそういうと彼は驚いた顔をしていた。それもそのはず、僕の放った『神言』で彼が逆らえなくなったからである。『神』の言葉に逆らえば罰が与えられるのが道理なのだから当然だろう すると彼は急に笑い出す
「あっはっは。なるほど。つまり僕から『神の力』を奪うことができる存在が現れたって訳だ。それが僕の前に現れたのも必然的な出来事ってことか。なら教えよう。僕を倒した暁にその力を返し
「いらない」
「え?」
「僕が欲しいのは君の命だ」
僕はそういうなり、彼を思いっきり蹴り上げたのであった。
「うわぁああああ!」
僕から放たれた『蹴打』によって蹴り飛ばされた男は悲鳴をあげていたのだった。それを見た僕はため息を漏らすとそのまま彼へと近づき首根っこを掴み持ち上げたのである。
それを見た男は再び驚きの表情を見せ僕に向かって
「ま、待ってくれ。僕はお前と争う意思は無い。だからどうか命だけは助けて欲しい!」
などと言い始めたのだ。
しかしそれを素直に受け入れるほど僕は甘くないのである。なので僕は男の腹へと蹴りを入れると共に男を掴んでいた手を離してやる その結果
「ぐわっ!」
「おや?意外に脆いな。さっきの攻撃もあまり威力が無かったし、どうやらお前は雑魚で間違いないみたいだ。これじゃ何のために僕がこうして戦ったかわからないな。どうせ死ぬのならば最初から戦わなければよかったんじゃないかい?あはは、本当にバカだな」
僕がそう言うと悔しそうにこちら
「こいつぅうう!!」
――と見てくるので少しだけ気分が良くなった。ただそれでもまだ僕にとっては弱い部類に入るから
「どうだい?僕の仲間にならないか?」
僕は彼にそんな言葉を投げ掛けたのだ。というのもさすがにこの男がこのまま死んだらあまりにも不甲斐ないので同情したのである。
それに加えて今後僕はルナを守る為に力が必要となり、その為にはどうしてもルナを守り切れるだけの力を持つ必要があると考えていた。そうなると戦力になる仲間を増やす必要が出てくるのだ。
ただ僕は正直こんな連中を増やし
「誰が貴様みたいな下賤の者などに――ぐぁあああ」
(ん?なんの話をしているんだ?あぁ、な~るほど。そうやって俺のステータスを覗いていたのか。それなのに勝手に人の力を奪い取ろうとするなんて良い度胸しているじゃん)
「ふざ、けるな!この卑怯者が――ぐぉおお」
(はいはい。分かりましたって。って、あれ、なんで僕はあいつの言葉を理解できているんだろう?)
そう考えた時だった。僕はあることに気付く それは自分が今使っている力がなんなのかについてだ。そしてその力を使えるということはその使い方も頭の中に自然と浮かんできており
「『強奪』か。なるほど。これは便利だな。さて、じゃあ続きをしようか。今度は僕も本気で行くぞ?その方が面白そうだしな」
「ひっ!な、何をするつもりだ!?僕を殺したって意味無いぞ?お前は絶対に僕を殺すことができないからな!!」
僕はそう言い切るなり僕の目の前に現れたのである。どうやらさっき僕と接触したときに奪った力を早速試してきたようだ。しかし
「遅い」
ただ僕には通じない
「ばっ、馬鹿な!?お前が一体どんな力を使ったのか知らないが僕の攻撃を避けられるなんておかしいだろ!!」
「おかしくなんかない。そもそもお前程度の存在が俺の力を奪うなんて不可能だし。お前、その前に自分の能力を把握しきれていないんじゃないのか?」
僕は呆れた表情で相手を見つめると、その視線を受けた相手は明らかに動揺しているのが分かったのである。なんたって僕には相手の考えていることが全て分かるからだ。だからこそ相手にとってはかなり恐怖なはずだ。なんたって相手は僕の考えが読めるにも関わらず僕の考えは全く読めないんだから
「な、なんだよ、その目は!僕が怯えると思って舐めているのか?そうなのか?」
「違う。僕はお前に興味を失っただけだ。もうこれ以上付き合っていても時間の無駄だと判断したんだよ。それに僕から見ればこの世界では圧倒的に弱者でしかないお前はいずれ僕たちに滅ぼされる運命にある。その時にせいぜい後悔すればいいさ」
僕からすれば既に終わった話であり興味も無くなったのだ だからとっととこいつにとどめを差してしまうことにするのだが、ここで僕は一つの疑問が生まれたのである。
(もしかしてこいつは『略奪』を持っているのではないだろうか、と)
『略奪』のスキルがあれば相手の『心』や記憶を読むこともできるらしいのだ。もちろん僕の
「なに?」
僕はこいつの攻撃を回避しつつ思考を読んでいく
「だから、僕に負けるって言ってるじゃないか!」
確かにそう思っているんだが
(なんだ、この力は――まるで僕のことを誰かが監視してるような感覚があるんだけど。もしかするとこれが例の能力の一部かもしれないな。だとしたらこいつが『神』の関係者であることにほぼ確定だ。だけど『神』に『鑑定』の能力が使えなかったってのはどういうことだろう?まぁ、今はそんなことを考えるよりも先にすべきことがあるんだけどね。さて、どうやって倒すか――おっ、案外簡単に倒せそうかも?よし、とりあえずこれでいいかな。『風障壁』
『
「なっ――」
僕の発動した『障壁』により相手は身動きが取れなくなる。そしてそれと同時に『障壁』の効果により相手の意識は完全に途絶えた 僕はそれを確認するなりその場から離れると僕はすぐさま走り出した。
なぜ僕がいきなり逃げ出したかというと『勇者』と呼ばれる奴らが現れたからで
「くそが!なんであんなところに『転移召喚』したんだ!!」
僕はイラつきながら全力で走る。だがしかし僕が逃げ切れたのは奇跡としか言えなかった。何故なら『勇者』のいるところまで辿り着けば必ず殺されると思ったからである。
『神』の力を手に入れたといっても『神』の力を使うには全ての準備が整ったうえで初めて使用可能となる。
「ちくしょう、なんで僕ばかりにそんな災難が降りかかるんだ!!ふざけるなよ!」
僕は怒り狂いながら走っていると後ろから何かが飛んでくるのを感じたので振り返るとそこには
「なっ!?どうしてここに――ってまさかあのタイミングで攻撃してくるとは、しかも魔法まで放ってくるなんて普通ありえないだろうが!?」
僕はそう言うなり即座に避けようとしたんだが、そのせいで僕は避けることに失敗してしまったのだった。僕は痛みを覚悟しながらなんとか立ち上がろうとしたんだけど、その途端僕の身体に異変が起きたのである。
それこそ僕が待ち望んでいた
「な、なんだよ、これ。なんだよ、なんだよ!」
「へぇ、これはまたすごいね」
僕の全身が発光していたのだ。
そうして光が治まると同時に僕の目には今まで見ることのできなかった情報が僕の脳裏に映し出されたのである。僕はそこで改めて自分に起こった変化について知ることができたのだ。しかしそれは同時に僕に不安をもたらすものでもあったのであった。
なんと僕の『能力』の一部が封印されていたのである。つまり今の僕の状態というのは僕の中にある力の半分が失われていたのだ。
つまり今僕の中に眠っている『スキル』が封じられてしまっているのだから当然『身体能力』も半分にまで低下しており
「う、動けねぇ」
僕の体は思うように動いて
「うぐっ」
くれないのであった。しかしそれでも僕はどうにか起き上がることに成功すると僕に攻撃を仕掛けた男へと目を向ける すると男は
「お兄ちゃん大丈夫?ってあれ、もしかしてさっきの人はもう倒れてる?」
僕は妹の姿を見るなりほっとする。というのもどうやら無事みたいだからだ。ただ僕は妹の姿を見て驚愕する。なぜならその格好というのがとんでもない姿になっていたのである。具体的に言えば
「お前はいったい何歳だ?」
そう問いかけると、その問い掛けを待っていたのかと言わんばかりに僕に向かって嬉しそうにこう告げてきたのだった。
――お兄様と同じ年齢です
「い、いや、お前それ完全に子供じゃん。なんでそんな恰好をしてるんだ?お前、僕より背丈が小さいんだし、もっと大人っぽい服を着ないと――って、え?もしかしてお前もそういう系の人なのか?っておい!冗談だよな?嘘だと言ってくれ!」
僕は悲鳴にも似た声をあげていたのだった。
「な、な、何してるんだお前らは!!」
「え、お姉さまは何を言っているのですか?もしかして私たちを襲おうとしていらっしゃったんですか?」
「い、意味が分からない」
僕の言葉に妹がそう返してくれると僕は思わず泣きそうになった。というのも僕のことを『おに~ちゃぁあん!』と抱きついてくるかと思いきや、何故か僕の股間を弄ろうと手を伸ばしてきて僕はそれを咄嵯にガードすると、なぜか目の前に小さなナイフが現れ僕の腹部へと突き刺さっていたのだ。
僕は激痛に顔を歪めつつそれを引き抜き投げ捨てるとその場に倒れる
「お、まえ、何の、つもり、だ。こんなことしても、俺には何も、出来ないのに」
僕のその言葉に目の前にいた少女が笑みを浮かべる
「あら、私はただ貴様の粗末なソレを切り落とそうとしただけだぞ?なのにお前がそれを防ぐのが悪い」
僕は自分の顔が青ざめていくのが分かる なんたって僕が命を掛けて得た情報をこの女が知っていたということが分かったからで
「なぁ、貴様が先ほど使った力は私から奪って手にした力だろう?ということは私がお前に対してその力を使える可能性についても分かっているはずだ」
僕は必死に立ち上がろうとするけど力が入らなかった。
それはそうだ、さすがの僕も『神の祝福』が使えない状態では力が半減してしまうし
「はぁはぁ、なん、でお前は僕の力を使えるんだ?『スキル』か?それとも別の力が働いているのか?」
僕の問いに対し目の前の女は鼻を鳴らす
「ふん、お前が私の質問に答えてくれるのならば、こちらも一つだけ教えてやろう。さっきの男が持っていた『スキル』についてはお前の方が詳しいんじゃないか?」
僕は彼女の言葉を脳内で繰り返すと一つの結論に至る どうや
「そうか、やっぱりか」
僕が一人で納得していると彼女は苛ついた様子で言う
「早くしろ。私は忙しい身なのだぞ?」
「あ~、はいはい。じゃあとりあえず僕からのお願いを聞いてくれたらいけるかもしれないな」
「なんだ、それは?」
(なんだって聞かれても困るんだけどな。だって僕はこいつのこと知らないわけだし)
そう考えるなり僕は彼女に向かい自分の目的を語ることにした。
僕の願いはたったひとつ 元の世界に戻るための方法を教えてくれというものだったのである。
ただ僕の話を聞くなり彼女が怪しげな表情をしていることに気づいたのであった。その理由が僕が異世界転移をしたからだということはすぐに理解できたんだけど、どうして僕のことを殺そうと
「なるほどな、確かにそれならばその能力を手に入れることも可能だ。なにせお前は既にこの世界に『適応』している。ならこの世界で生きるための手段を得る為にもそれが必要不可欠ということか」
その言葉を聞いた瞬間僕は心の底から歓喜していた なぜならこの少女もまた『勇者』同様にこの世界に適応した
「そう言うことだ」
僕のその返答を受けた相手はしばらく思案すると口を開く
「ふむ、では取引をしましょうか」
「ああ、いいぜ」
僕としては断れる雰囲気ではなかったのだ。というのも僕自身かなり追い詰められているからで
「で、僕の方からは何を提供すればいいんだ?」
僕が尋ねると相手が微笑を浮かべながら言った
「なに簡単な話よ。もしお前の望む通りに元の世界に戻れた暁にはお前の持つスキルを全てよこしてもらうことになる。もちろん対価はその時には必要ないが、その時にこちらが欲しい物があった時は、それに応じて貰うこともある。ただしそれはお互いに対等の関係を結んだ場合のみ。それでどうかしら?まぁ、要するに、お互いの利益の為に契約しないかって話」
僕の予想を上回る条件を突きつけられ僕は苦笑いをしていた というのもその提案自体は悪くないどころか願ったり叶ったりの話であったからである。ただ問題はどうやって僕の『能力』を手にするのかが謎だったのだが
「そうね、貴方が言うにはこの世界の『スキル』は貴方の居た場所よりも遥かに上のものみたいじゃない?それにその情報があるなら私もすぐに『能力』を身に付けることができるし、それを使って貴様が持っている『略奪』のスキルを強奪することができるわ。つまり私たちは互いの利害の一致の上で契約を結ぶことができるはずなの。分かったかしら?でも勘違いはしないでほしいの。別にあなたに何かしてもらおうとは考えていないから安心しなさい。あくまでこれは私の為の契約だから」
僕は相手の説明を聞き終わると小さく首を横に振る なんせそんなことが本当に可能なら僕にとって悪いことは起きないだろうからだ なんなら相手の申し出を受け入れてもいいと思っているぐらいである。しかしここで相手の思い通りになってたまるかと考えた僕はあえて挑発することにしたのである。何故そんな行動に出たかと言えば少しでも僕が有利な状況で交渉を進める必要があったからである。というのももしも僕の情報が相手に渡っているとするならば僕はかなり不利になる可能性があったからである。
僕の能力は相手の心を読めるだけではなく、相手の姿形までも変化させることが可能 だからこそ僕の姿を見た相手に化けることさえできればどんな強敵であろうと倒すことができたのだ。しかし、そんな
「そうかい、そう言ってもらえるとありがたいな」
「そう?それじゃあこれで成立ってことで構わないかし 僕が笑顔を向けると女が驚いた顔をしていたのである。そして次の瞬間に僕を睨みつけてくる そんな反応を見て確信に至った僕はニヤリと笑みを浮かべた。
そうして僕は自分の能力を全て差し出すことに決めたのだった。ただ僕に取っては痛い決断だったが、このままではいずれ殺される可能性があるし『神』の力が使えなくなった時点で僕は無能者同然だからだ。
僕はこの場で『勇者』が殺されたことを知らなった。
というよりは目の前に立っている女性が僕と同じ存在で『勇者』を殺したと知ってしまったのである。僕に取ってそれは驚愕すべき事実であり
「お前の目的はなんだ?僕を殺せば『力』が手に入るんだぞ?」
「へぇ、貴様のスキルはそういうものだったの?だとしたら残念だけど今の私は貴様にそこまで執着がないのよね。だからといって貴様が私の頼み事を聞かなかったりすると今度は私が死ぬ羽目になりそうなのよね」
僕が彼女の発言に対して何も言い返せずに黙っていると彼女が僕に向かってこう口にしてきたのであった。
「だから私が求めているのは『神の加護を宿す』スキルだけであってそれ以外は正直いらないの。ただそれを使うと『神の加護を授かることが出来る』スキルの持ち主が消えてしまうって話もあるみたいだし。それに私が欲しいものは貴様が持っていなくても手に入れる方法がある。まぁ、どちらにしろ、その程度の情報は持っていると思うけど、貴様が手に入れられるものは全て渡してくれたほうがこっちとしても楽なんだけど。だってさっきもいったように『スキル』に関しては特に興味もないのよ。なんだったらこの先貴様が私に協力的な限りは力を奪うのはやめてあげても良いと考えているくらいだ。なにより、貴様はもう私の仲間なんだからね」
(こいつ何言ってんだ?)
「ちょっと待て。今仲間って言わなかったか?」
僕の疑問の声に目の前の人物が微笑を浮かべる
「ええ、私達は同じ目的の為に協力しあう関係な訳でしょ?だからもうそういうことでいいかと思ってるんだけど、ダメかな?」
僕は目の前の女性の発言を受けて思わず呆れてしまっていた。
というのも僕の話を簡単に受け入れすぎているからで
「おいおい。普通ならこんな得体の知れない奴の言うことを信用できるわけが無いだろうが」
僕の言葉を聞いた彼女は不思議そうに首を傾げる
「え、なんでさ?」
僕は目の前の女の素直すぎる言動が理解できなかったのだ。なんたって相手は同じ異世界転移をした『勇者』を殺して僕のスキルを奪った相手だというのに
「あのさ、僕の言うことを簡単に受け入れる理由を教えてくれないか?」
「うん、いいけど、貴様は私が『異世界転生』した人間だって知っているだろ?それならばこの世界について色々と知っておきたいと思わないのか?だってこの世界の情報ってかなり重要なものだから、私としてはそこの所を貴様がしっかりと調べた上で取引を持ち掛けてくれると考えていたんだ。まさかここまで私達がこの世界に馴染んでしまうとは思っていなかったので、こちらとしても少々焦っていた。だが、この機会を利用して私に協力して貰えば少なくとも私だけは元の世界に戻ることができそうなので、その為には貴様に頑張ってもらう必要がるんだ。さっきも言ったがお前は既にこの世界に存在している。それならば後はそのスキルを使えば元の場所に戻れる可能性が高いからな。なんなら私に協力すると言うだけで元の世界に戻すことも可能かもしれない。まぁ、これは私の想像に過ぎないからなんとも言えないけれど。とりあえず、お前の目的を果たす為には私はお前の協力が必要不可欠で。だからこそ、今はこうしてお前のことを仲間として扱おうとしているんじゃないか」
「そう、なのか?」
僕は彼女から語られる話に唖然としていた。
だってその話は僕の予想していた内容と違い過ぎていたから
「あ、あれ?」
「なんだ?」
「あ~、その、なんだ」
「なんだよ、早く言ってくれ」
僕が歯切れの悪い発言をしていると相手がイラついているのが分かったので僕は仕方なく自分の考えを告げることにする。というのも僕は既に相手の心を読むことに失敗しており。相手の真意が全く分からなくなってしまったからだ。だからこそ僕の口から出る言葉には自信がなくなっていき、僕は不安になっていた。
なぜなら相手の考えていることが分かるということは相手にとっての切り札でもある。その情報を僕から聞き出すことは相手の思考が読めれば簡単に可能だからである。
(くそ、僕の方が優位に立っていたはずなのに、これじゃあまるで僕だけが不利な立場になっているじゃないか。)
そう思うなり僕は目の前にいる女性の顔を見る
「ん?どうしたの?何か顔に付いてたりする?もし付いているのなら取りたいので、その、少しだけ目線を外してくれると嬉しいな。」
僕の視線に気づいた女はそんな風に話しかけてくるので僕は「ちげーよ」と言い返したかったが、それを我慢した。何故ならそんな言葉を発したら余計に相手に隙を与えることになりかねず、僕は必死に頭の中でこの状況を打破する方法を考えて
「な、なぁ、どうしてそんなにもあっさりと人のことを信じたり、僕のスキルを奪っておいて僕の力が必要とか言ったりするんだ?」
僕は自分の中に浮かんだ言葉をなんとか口にする
「それは簡単な話よ。お前に裏切られると困るが、私は最初からお前の能力を疑ってはいない。それどころか利用してやるつもりでいたぐらいなんだぞ。だから貴様がもし仮に私の心を読めるのだとすれば、私にとって貴様の存在価値はないに等しいな。だから私はその『略奪』の能力が発動しないかを確認するまでは絶対に嘘を吐いたりしないし、その能力はおそらく私の心を覗けるのだろうと推測していた。しかし貴様はその力を私に使うことはなかったのだからその時点で貴様を信じるだけの根拠が十分にあったということよ。ただそれだけのことよ。他になにか気になる点でもあったか?」
僕は相手の答えを聞き、その言葉が真実であることに気付かされる それと同時に僕の能力は完全に相手に把握されているということが分かったのである。しかしそれでも尚、自分の能力で読み取れない存在がいたことで 僕はかなり焦ったのであった。そうして自分のスキルが通用しないことに対して僕はかなり混乱しており、そんな状態のまま僕はどうにか相手にこう告げたのである。
「なぁ、僕と協力関係を結んでくれませんか?その代わり僕は君の言うことに出来る限り協力しますから」
僕の言葉に目の前の女性は笑顔でこう返す
「それはありがたいわね。これからよろしくお願いするわね。私の方からはお前に一つ頼み事があるのだけど聞いてくれるかしら?」
「は、はい。それで頼みというのは一体?」
僕が恐る恐る尋ねると相手は口を開く
「実は最近この国では行方不明事件が頻発しているらしくて、私はそれを探っているんだけど、そこでお前に手伝うってのをして欲しいと思っているんだ」
(なるほどね、そういうことかい、つまりこの国は何らかの組織が暗躍していることを突き止めていて、それが
「えっと、その依頼って受ける前に一応、相手の名前と所属を教えて貰えないですか?あと出来ればその相手の外見とかも」
僕は相手の情報を知りたくて仕方がなかった。もしも目の前に居る女性がその組織のメンバーだとしたら僕は彼女に勝てるはずがないからだ。なにせ彼女の方が僕よりも明らかにレベルが上でスキルを二つも所持していたからである。だからこそ、僕は自分の実力をある程度知っておく必要があると考えたのだ。
そうして僕が質問をぶつけてみると、彼女は微笑を浮かべながら僕を見つめてくる しかしすぐに表情を戻し、こう答えるのであった。
「ああ、ごめんなさい。自己紹介がまだだったね。私の名前はリリシアって言うの、ちなみにだけど、リリシアっていうのは本名だから覚えておいてくれたら助かるかな?それと所属だけど私の本当の所属はまだ教えることはできないけど、まぁ、近いうちに明かすからその時までに覚悟を決めてくれると有難いかな。」
「いや、リリシアって誰だよ」
僕は彼女の言葉を聞いて呆れた口調でそう述べる
「あれ、私のこと知らなかったの?」
僕が知らないと告げると彼女は不思議そうな顔をしてからこう口にしたのである。
――「え、それ本当!?」
彼女は驚いた様子でこちらに向かって尋ねてきたのであった。僕は彼女の言葉を受けて思わず苦笑いしながら「はい、そうなんです」と答えることしかできず、彼女は
「そうなの。貴様ってば私がこんな美少女だって知っていて声を掛けてきちゃったの?」と僕のことを小馬鹿にするような発言をしてきたのである。
僕は彼女のその反応に対してイラッとしてしまい
「い、いや別にそういう訳じゃなくて」と言い返そうとしたのだが それよりも早く彼女が言葉を発してきて僕は口を閉じてしまうのであった。そしてその直後のことである。僕達の前に巨大な影が現れる。それは『ジャイアントボア』と呼ばれる大型の猪だった。『ジャイアント』という名がついているもののそこまで大型でもなく、通常のサイズのイノシシと比べても大きさは変わらないほどである。
僕は突然の事態に動揺しながらも冷静に分析を行っていた。そう、今僕が持っているスキルには魔物と戦うためのものは存在しない。それならばこの状況下での最善の行動を選択するの
「あ、あ、あの~」
僕が目の前の怪物を見て、どうすればいいか考えている間に僕の後ろにいる彼女は声をかけてきていた
「えっ?」僕は彼女に声をかけられてようやく我に返り、振り返ると彼女は何故か怯えた表情をしており、身体が震えていたのである。その光景を目にして僕は 自分が無意識の内に彼女の手を強く握っていたことに気づき慌ててその手を離したのであった。その途端、彼女はこちらの様子を伺いながら「あの~、大丈夫なんでしょうか?」と不安気に呟くので僕は「うん」と力強く肯定する。
正直なところを言うと今の僕にとって、その問いかけに答えることは難しく。本当は大丈夫なんかじゃないのだ。
「あ~、そのさ、本当にまずかったりしませんよね。これって私のせいで貴様を巻き込んじゃったりしてないですかね?だって貴様の『鑑定』の能力は『略奪』で奪われているんだろうから。『ステータス』とか見えていないんじゃないかと思ってるんですよ」
僕は目の前の女の言葉を受け、改めて相手の姿を見ることにした。そうすると相手の名前が浮かび上がってくるのが見えた。なのでどうやらこの女は自分の能力をしっかりと認識した上で僕のスキルを奪ったのかと理解したが、だからといってこの状況でどうすることも出来ない
「あ~、どうしようか?」僕はそんな情けない言葉を口にしてしまう
「ど、どうすると言われても私は戦いとは無縁の世界で過ごしていたので」
「それなら逃げましょう」
僕は即座に判断するなりその場から離れようとする だがそんな行動は無意味であり
「残念だけどその必要は無いんだよな」という声が響き渡ると同時に、僕と目の前にいる女性の前には一人の男が立ちふさがるのである。その人物を目にした僕はすぐにその男がどういう人間なのかを理解して身構えるのである。
(こいつはおそらく俺が戦えるようにするためにこの世界に来た人間なんだろうな。それにしてもタイミングが良すぎる)
そう思うとともに相手の姿を再度確認し直していく 見た目は黒髪の男。年齢は恐らく20歳前後の青年と言ったところで顔つきは比較的に良い方に見えるが、それは
「悪いが死んでもらうぞ。そっちは二人だから多少不利かもしれないがその娘さえ無事であれば構わないだろ?どうせなら人質にして逃げることも考えたが。そんなことを許すほど優しいつもりはないから諦めてもらうぜ」
僕の頭の中で様々な考えが生まれていく。
(おそらく目の前にいる奴は僕のスキルを奪っていて、僕よりも強いはずだ。でもそんな相手に僕が対抗できるのだろうか?)
僕の中にはいくつもの疑問があった。何故僕の能力を奪い取る必要があったのかとか、どうやって僕より上のレベルを持つ相手が僕に勝つことが出来る
「とりあえず先手必勝!!」
その言葉を聞くなり僕は動き出し、一気に距離を詰めていく そして僕はそのままの勢いで相手の腹部目掛け拳を叩きつける しかしそれは簡単に避けられてしまうのであった。それも僕の攻撃を避けただけで、向こうは何一つとしてダメージを受けてはいないようである。それどころか余裕のある態度のまま僕を見ているのだ。それに対して僕は全くダメージを与えることが出来ず、焦燥感を感じずにはいられなかった。そうして
「お前の力はもう既に知っている。その程度の実力で俺を倒すことは出来ないと思うぞ。」
「くっ」
その言葉を耳にし、僕はどうにかこの場を逃れようと走り出そうとしたのだが、その時には背後にいたはずのリリシアと呼ばれていた女性に肩を押さえられてしまい、その場で止まる羽目になった。その瞬間 相手
「なぁ、どうして俺の能力を奪うなんて面倒なことをするんだ?俺はただ純粋に戦いを楽しみたいだけなんだ。それを邪魔するのは良くないことだと思わないか?」
その発言を聞いて僕は目の前の人物が何を求めているかを理解する 要は彼は自分と戦いたいのだろうと そう思った僕は何も言えなくなり相手の言葉に耳を傾けて、相手の
「ああ、そうだな、そう言えば名乗っていなかったな。
俺の名前はシンドウだ。それじゃあさっきの言葉に甘えて楽しませて貰うとするか」と 僕がそう考えると目の前に居る敵は、そんな風に言葉を放つのであった。僕は相手の言っている意味が理解できなく、困惑していたのである。そもそも僕が戦闘で使えるような技は 【鑑定】という能力だけである。それ以外に戦う方法を知らないのである。しかもこの能力が通用するかどうかは分からないのである。だからこそ僕にとっては相手と会話をして、どうにか隙をついて逃げるしかないと本気で考えていたのだ。
(だからここはどうにか話を続けて時間を稼がないと)
僕はどうにかこの場
「お前の名前は?」
その言葉を聞き、一瞬何が起こったのか分からなかった
「はっ?いや名前ぐらい教えてくれたって問題無いだろ」
「いや、そう言う事じゃなくてさ、ほら、一応自己紹介みたいな感じだし。普通にお互いの名前を知ってから殺し合いをした方が楽しめるじゃん」と男は僕の言葉に対しそんな返事を返してくる。
その発言を前に僕が何も返せず黙っていると
「あれ?もしかして君も僕の名前を聞いていないのかな?」と少し悲しげな表情を浮かべながらそんなことを告げるのであった。僕はその姿をみて罪悪感を覚えたものの、しかし今は自己紹介の時間があるわけでも無く。
「えっと、僕はタカシっていうんだけども君はもしかして僕の力を奪おうとしている存在なのかな?」と僕は相手の目的を知るためにも尋ねてみると
「ん~、それはちょっと答えられないね。っていうか正直言って、俺としては別にお前にそこまで興味が無いっていうか。別にそこまで警戒する必要は無いんじゃないかなって思ってはいるんだけどさ。やっぱり自分の力を奪われてるとなると怖いよねぇ」
その発言に僕はどう返すべきか悩んだ結果、「あっそうですか。まぁそれならそれで」と言うことにしたのだけれど、その言い方が良く無かったらしく、目の前に立っている男は急に笑顔になるとこう口にしたのである。
そう、それが僕に対する宣戦布告だとは知らずに その言葉を
「へぇー、なるほどなぁ。それってつまり今すぐに殺したいってことだろ? いいぜ! かかってきな!! 俺と殺り合うことを後悔させてやるから覚悟しておけよ!!!」
そう言うなり目の前に立っていた男は姿を消した。いや、正確には消え去ったという表現が正しいのだと思う。
なぜなら僕の視線から見える風景の中にその男が存在していた場所には地面に亀裂が生じており、地面が大きく窪んでいるからであった。
そして僕の横では怯え切った表情の女性が座り込んでいる。彼女は先ほどの一撃で僕のことを殺すことが容易だったにもかかわらず生かしてくれているのである。その事実に対して僕がどうすればいいのか悩んでいたところ、いつの間に
「ふぅ、やっぱあんまり強くないわ」と言いながら僕の目の前に姿を現した。その言葉を聞いた僕は
「え、ちょ、今ので弱いの!?」と思わず声を上げてしまったのであるが、 そんな反応を見た目の前に立っていた男は僕のことを小馬鹿にするかのような目を向けてきたので僕は慌てて言い訳を考える。
すると相手はすぐに言葉を口にする
「いやまぁ俺が本気を出せばお前を圧倒出来ることは確かだよ。だって『略奪』の力で『鑑定』と身体能力強化しか持ってないんでしょ?だから、もし本気で戦おうとするなら俺の方が有利だろうし」と
「な、なるほど。確かに」僕はその言葉
「でも、お前とまともに戦ってみないと本当の強さなんて分かりっこ無いんだよね」という言葉を聞き
(そういえば『神の力』を持っている奴には俺達みたいにステータスが表示出来ないんだったな。ってことはこいつもその一人ってことで、今現在この世界で最強に近い人間ってことなんじゃないの?)と考えると自然と笑ってしまいそうになる 僕だって今まで生きてきて何度か死にそうになったことがあるので、それなりに戦いには自信があり、相手が強いということに関しては素直に認めざる負えないのだ そんな相手と僕はこれから戦うことが確定している状況なのだが、それでも不思議と僕の心の中には高揚感が生まれてきていたのだ。そう、これはゲームをしている時に、ラスボスとの戦い
「そうかそうか。それなら安心して良いぞ。俺はお前が全力で戦える舞台を用意してやったから」そう口にしてから「おい!そこに隠れているやつらも一緒に来ても良いぞ。
但し、もしも俺の大事な女を傷つけたら許さないけどな」
その言葉と共に建物の屋根に気配を殺して待機していた者たちが降りてくる そうすると僕の隣に座っていた女性は立ち上がるなり
「なあなあなあなあなあ、あの子って絶対に強いと思うんですが大丈夫なのか?」
僕は彼女のその問い掛けに
「さあな、俺のスキルを奪うなんてことをしてるくらいだからな」と答えるのと同時に相手の力量について考えてみる はっきりと言ってこの世界の人間の力は僕にとっては低すぎるのである。もちろんステータスが異常なまでに高く、レベルも異常に高い奴もいるのだが、そういった人間は少数であり、しかもそれは特殊な職業を持った人間ばかりな為、普通の人間がそれほどの強さを手に入れることが出来るとは思えないのだ
「それにしてもどうしてお前らはあいつに従うんだよ。俺は納得できないんだよ」彼女が怒りをぶつけるように叫ぶのだが 相手は何も言わずただ沈黙を貫くのみである。だが僕はその様子を目の当たりにして、目の前の女のことを見下すことにする どうせここでこいつが死ねば僕にとって好都合なことに変わりはないからである
(それにしてもどうして僕はこんなにも強い敵と対峙したことがないんだろうか?)僕はそんなことを考えながらも「まぁどうでもいいか」と目の前のことに集中しなおしたのであった そうして僕の目の前に現れたのはシンドウと名乗った人物の配下たちであろう人たちであったのである。数はざっと見て100人は超えていそうな数
「なぁお前は本当に魔王軍の連中と関わりはあるのか?」僕は目の前に居る相手に向かって質問を行う。しかしそんな問いかけなど無視されるかと思ったのだけれども意外とあっさりと「あるさ。俺の目的はその組織の殲滅だ。まぁもっとも俺の場合は部下に命令を出して戦わせるだけなので直接戦ったりすることはないんだが」と、まとも答えてくれるとは思っていなかったので僕は驚く。そして同時にその発言を聞き逃さなかった
「なるほどね、やっぱりお前も他のやつと同じように魔王軍に魂を売ってしまったわけなんだな。お前らの目的なんか俺からしたら興味は無いんだけどな。とりあえず俺とお前との勝負が終わった後に俺の仲間に手を出した場合はお前らに俺と戦う資格は無いと判断する」と僕は言い切る そしてその言葉を耳にした相手がどんな表情をしていたのかは分からない。なぜならば次の瞬間にその相手は僕の背後に回っていたのであった 僕は背後からの攻撃を避けるために身体を動かし 攻撃を回避し、そのまま反撃を行おうとする。そうすると相手はまた僕の後ろに回り込んでくる。それを目にした僕は相手の攻撃を紙一重で回避していく。しかし相手は攻撃の速度を上げることなく、まるで僕がどの様にして動くかを楽しんでいるようにも
「いやまだだぜ。これぐらいじゃまだ本気じゃねぇよ。もっとスピード上げてくぞ!」そう口にしながらシンドウは先程よりもさらに素早い動きを見せてくる。僕はその動きに反応しきれずにいたのである それどころか相手の動きが早過ぎて目で追うことすらも困難になっている。
(どうなってるんだ?明らかにさっきまでと違うぞ?いや待てよ!もしかしたらこいつは魔法を使っている可能性があるな)とそんな考えが頭の中で生まれてくる。そこで僕は【鑑定】を使って目の前に居る存在の能力を確認することにしたのである
(えっ?嘘だろ?どうなってんだよ!?まさか僕の力が奪われているとかなのか?っていうかさっきまでは
「ふむ、この感じだとやっぱりその【鑑定】っていう力しか持っていないようだな。ってことはお前にはもう俺を殺せる手段は無いってことになる」という会話をして 相手は少し困ったような顔をしながら僕のことを観察すると
「よし決めた。お前を殺すのは止めにするよ。っていうかそんなの無理ゲーじゃん。それなら別の方法で俺が満足するまで付き合って貰おう」と言いながら姿を消したのだった。しかし消えたはずの人物が突然僕の目の前に現れる 僕は何が起きたのか理解出来ずにいると、今度は僕の腹に強烈な痛みが生まれる
「グハッ、痛ぇ。クソッ、何が起こったんだ?」僕は自分のおなかを抑えながら苦し紛れの言葉を吐き出し、それからどうにか立ち上がると相手のことを視界に入れた。すると相手の右腕に何か黒いオーラが纏われているのが見えたのである
「お前さぁ俺に本気を出させるつもりなの?さすがにそこまで馬鹿じゃないでしょ?でもさ、俺の目の前でお前に俺の力を使うなんて無粋な真似をした時点でお前に生きる権利は無い」と言うと僕の顔面に拳を打ち込んできたのであった
「ふーん、なるほど。つまり俺達の動きが速過ぎるからどうすればいいか悩んでたわけね」そう口にしたのはシンドウと呼ばれる存在。彼は僕がどうして目の前の存在が自分を殺そうとする気を無くしたのか分からなかったので、僕はそれに関して尋ねるために口を開く ちなみにその男は僕達のことを監視していた者達全員を相手にしており、今は地面に横たわっている状態である。そしてその男を倒したあと僕達は二人だけで話し合うために場所を移すことにしたのである そうすると男は嬉しそうに僕に付いてきた。理由は分からないが恐らくだけどこの男が持っているスキルの影響だとは思うが そんな男と一緒に僕たちは人気の無い場所へと向かう しばらく森の中を走るとようやく人の手が入っていない空間
「へぇ、ここか。この場所なら多少は派手にやっても問題無いよな。さあ! 本気で殺し合いを始めるとするか!」
そう言うとシンドウーと名乗る人物は姿を消すと僕の前に現れたのだった。
僕としては正直言ってこの目の前の男に自分が殺されないと確信があるわけではない。
そもそもこの目の前に存在する人物の力を完全に僕は把握出来ていないのだから。
(それにしても厄介な能力を使えるもんだな。『神眼』を使えば何とか対応出来ると思うけど、その能力を使ったら『神の力』の力を失うかもしれないんだよな。いや、それでも構わないか。『魔王軍』に所属している奴らがどれだけ強かろうと、『神の力』を手に入れた僕は負けるはずがない。それに僕はまだ本気
「あ?お前が『魔王』だって?笑わせんなよ。お前みたいな奴が『魔王』を名乗るなんて許されるわけが無いだろうが」男は僕に殺意に満ちた視線を向けると「俺が誰か知らないなんていう戯言を口にするならそのふざけきった命を奪うぞ」という言葉を吐いて 僕に向かって走り出す。そして男は右手を前に突き出すと、突如その手の中に漆黒の刃が生み出され、その刀で僕を攻撃してきたのだった
「は?どういうことだ。確かにさっきまでそこに何もなかったはずだろう」僕がそんな言葉を口にすると目の前の相手
「どうしたどうしたどうした!!さっきまでの威勢の良さはどこにいったんだよ!!」と声を上げ
「チィ、調子に乗りやがって!」僕は目の前に現れた刃を避ける。しかしその攻撃を回避することが出来たとしても目の前の相手を倒す手段が無く
「はははは!どうしたどうした。どうしたどうしたどうした! そんなんじゃ俺の命を狙うことは出来ないぞ」目の前の男は僕が逃げ回っている姿を見て楽しむかのように笑う。すると
「おいおい。どうしてお前は戦わないんだよ」僕は後ろから聞こえるその言葉を耳にすると、振り向きながら蹴りを放つが それは目の前の相手に簡単に止められてしまう
「いって、なぁなあなあなあなあ。もしかして俺に怯えているのか?」そんな言葉を漏らしながら目の前の存在は笑みを浮かべると「お前は俺が思っていた以上に弱いんだな」と僕に向かって告げてくる そして僕と相対しているシンドウが「まぁしょうがないか。今まで散々と甘やかされて生きて来たみたいだし、だからそんなにも臆病なんだろう。そうだろ?俺はちゃんとお見通しなんだよ」そんな言葉と共に相手は僕のことを斬りつけてくる。
僕はそれをかわそうとするが相手の攻撃を避けられない。その事実に対して驚きを隠しきれないでいた。というのも相手が持つ武器は普通の人間には振るうことすら困難なほどの大きさをしている
「まぁいいか、さてさて。じゃあさっさと死んじまえ」その言葉を合図にしたかの様にシンドウの体の周りに黒い霧が発生すると シンドウは僕の前から姿を消す 僕は目の前に現れた敵に対し攻撃を放とうと 身体を動かそうとしたのだが、なぜか動くことが出来なかった そしてシンドウは僕の背後に現れると僕に向かって手を向け、その指先には光が集まり その光が僕に向けられたかと思った瞬間に爆発を起こしたのである
「グハッ!」口から大量の血を吐きだしながらその場に
「はははははははははは。いひひっいヒヒヒッいひっ、なあどうだよ俺が本気を出したときの気分はよ。どうせ今の一撃を食らっても死んでないんだろう?じゃあその証拠にさっきの攻撃に耐え切れたところを見せてくれよ。まぁもっとも、それが出来なかったとしても俺はお前が俺を殺すなんてことが出来るなんてこれっぽっちも思ってねぇよ」僕はその発言を聞きながら意識が遠のくのを感じる。だが その途中で相手の力を奪ったことで僕の力が相手の力を上回ったことを確認出来たのでどうにかその場に立つことに成功する そして「ふぅー。まったくお前は俺をどこまでイラつかせれば気が済むんだよ。もう面倒臭いからこのまま殺すとしよう。そういえば俺の力を奪ってたんだったか。ならこれで死ぬだろ」と言って僕に向かって手を伸ばすと 僕に向かって黒い霧が襲いかかってきたのだった 僕には目の前に居る存在の考えていることが理解できないでいる なぜならば僕が【魔導】を使って相手の動きを止めようと思っているのに相手の【魔力】が高すぎて僕の方が押し込まれてしまっているからだ
(くそ、まずいな。これは本格的にやばいぞ。ってか【闇魔法】は
「へぇ、まさか本当に俺の力を上回れたのか?」そう言い放つ相手の表情はとても嬉しそうで「なあ、今どんな気持ちだ?えぇ、答えてくれるんだったら喜んで教えてやるぜ?」僕はその質問をされたときに、つい反射的に「ふざけるなよ!」という言葉を口にする
「あ?お前はこの状況が分かっていないようだな。お前は既に負けたの。いひひっ。そんな雑魚な俺なんかにな」その言葉と同時に僕の全身を黒い霧に包まれる。
しかし僕の中に存在する【神の目】の能力は、それすら許さずに、僕はどうにかそれから抜け出すことに成功する。
「おぉー流石魔王のスキルだ。普通そんなことは出来ないよ。それとも何か裏技でもあるのか?」
相手は自分のスキルで僕の行動を止めることが出来ないことを理解し
「でもお前に勝ち目はない。だから大人しく俺に殺されるといいよ」と僕に告げてくる。
そんな発言をした目の前の相手が動き出した 僕は相手の動きをなんとか見切りながら、どうにか攻撃をよけていくが 僕の視界の中に一瞬ではあるが僕のことを拘束しようと迫ってくる鎖のようなものが見える
(あれはまさか!?)と思いながら僕はどうにかして避ける。
「おや?さすがにお前にそれは当たらないのか。でも俺のスキルで捕まえたら俺の物だからな」と言うなり目の前の男は僕の懐に飛び込んでくると 僕の首を掴む。僕はその男
「ほれほら、どうする?さすがに首をへし折られるぐらい耐え切れるんだろう?」そう言って男は笑い始める 僕は相手のその様子に苛立ちを覚えながらもどうにか反撃の糸口を見つけようと必死になる
(こいつの能力はかなり厄介なタイプだと思う。そもそもあいつが僕の事をどうやって調べたのか分からないが、それでもあいつの狙い通りに動かなければ僕の目的を達成するのは難しい。それに僕のこの【神眼】が通用しない以上、あいつが僕の力を奪おうとするとしたら、僕の肉体に触れるしか方法は無いだろう。そうなった場合にも問題が出てくる。もし僕が肉体強化をすれば、それこそ身体能力が互角になってしまう。そうなった場合には勝てる可能性がかなり低いから、どうにかあいつの力を奪い返さないと
「さて、どうしてやろうかな」
「あ、あぁ」
目の前の相手は僕を見つめると「んーやっぱり殺すのは止めにしてやるか」と口にする。すると僕の体は自由に動くようになる。僕はすぐに自分の体から相手を引き離したいところだけど相手はそんなことはさせてくれない すると相手は僕に向けて
「あはははは。残念でした」と口にすると僕に背中を向けた
「まあそういう訳だ、諦めな。お前がどれだけ頑張ろうとも俺の能力を跳ね返すことは無理なんだ」そんな言葉を耳にする
「じゃあお前は俺のものってことで。まぁこれから先もよろしく頼むよ」
「なあ。お前が俺のことを殺せないってことはよく分かった。お前には絶対にこの『魔王の力』を渡すことは出来ないから、俺の『神』の力を手に入れるまでは付き合って貰うとするか」と勝手に話を進めてくる。
正直この相手に付いていくのは嫌だとも思うけど、ここで断ってしまった場合は最悪『魔王軍の誰か』が殺されてしまうかもしれない。
それは僕にとってはあまり好ましい事態ではない つまり僕に
「じゃあ早速『魔王の力』について聞かせてもらうとするか。それで俺に協力して欲しいんだけど」僕は仕方なくその要求を飲むことにして それからしばらくして、魔王城
『勇者』であるレイは『神の使徒』、『転移者』であるシンドウと戦闘をしていたのだが、シンドウの持つスキルによってシンドウの姿を見つけることが出来なくなる。そしてシンドウは姿を消したままの状態でレイの前に現れると、シンドウの手のひらがレイに向かってかざされるとそこから放たれたのは 黒い球体 だった。そして
「じゃあまぁとりあえずこれで死んでくれや」シンドウはその言葉を口にすると黒い球体を放ち続ける。しかしレイはそれを避け続けていた
「チッ。意外とやりやがるな」
「おい、お前は一体何をしているんだよ。俺を殺すんだろう」
「あぁ、そうだな。確かにその通りなんだよな。お前は邪魔だし、さっさと殺してしまいたかったんだが、その前に少しだけ試したいことがあるんだよ」
シンドウはそう言い切るなり、また手からあの攻撃を放つ。その攻撃をどうにか避けようとするが、レイはそれをよけることが出来ずにその攻撃を受けてしまう すると、なぜか攻撃が直撃したはずなのに僕はその場に立っている。そして
「なるほどな」
シンドウの言葉を聞いた僕は何かあると思って警戒しながら シンドウの動きを観察する。そしてその次の瞬間シンドウはいきなり走り出すと
「おいおい。まさかその程度じゃないよな?」と僕に向かって問いかけてくる。その言葉を受けて、シンドウの攻撃を回避し続けることに専念する。
そして数分が経過してから
「そろそろ限界か?なぁ、どうなんだ?俺の【神の力】はお前には扱えないのか?おい、何とか答えてみろよ」
その発言と同時に黒い球を僕の体に当てる。僕はそれに対処しようとしたが体が動かないことに気づく。しかしシンドウは気にすることなく、そのまま僕に接近して僕に対して攻撃を仕掛けてくる。だが
「何やってんだよ、シンドウ」そう言ってシンドウの背後に現れたのが 僕の知っている人物であった。しかしその人物の顔には、僕の見たことのない仮面が付けられている。しかし僕の目の前のシンドウの反応を見る限りでは、目の前の男が僕の予想している人物であることは確かであった。
「はぁ、やっと来たか。全く遅いじゃねぇかよ。俺はもう待ってられないぞ。さっさと俺を殺せ。そして【スキル】を手に入れてくれ」
その言葉を聞いていた僕は「シンドウ?いや、違うな。その声とその容姿。やはり貴様は俺の知る『シンドウ』とは違うという事か。いや、姿形が変わったところで中身が同じであれば関係ないか。とにかくお前を殺すぞ、俺はな」僕はそれだけを口にして相手の動きに意識を集中する
「お、やる気なのか?ならさっさとかかってこいよ。お前のその実力を見せてくれよ」
僕はそれを無視して相手との距離を詰めていく
「まぁ別に構わないが。俺は今忙しいんだ。悪いな」その言葉と共にシンドウの右手に黒い渦のようなものが発生してそれが次第に剣のような形に変化していく その光景を見て僕は「スキルか」と思う
「正解だ。そしてこれを使ってしまえば、俺の方がお前よりも強くなるんだろうな」
「どうだろうな。お前の使う【スキル】の全てを知っているわけでもないし、俺もまだまだ強くならなければいけないからな」僕はそう言い放ちつつ、どうすべきかを考える 僕の目の前にいるのは明らかにシンドウだ だが
「ふむ。お前が【スキル】を使ったのを見ただけで、そこまで理解するのならば話は早いな。そういえばお前はなんでここにいる?」
僕は目の前の存在と話をしてみて確信する。目の前の存在は間違いなく僕の敵で、しかもこの世界を脅かす存在であるということを
「さあな。どうしてだと思う?」
「ん?そりゃもちろん」そう言ってシンドウは自分の体を見渡す
「その答えはこの体の主にあるんじゃないか?えっとお前はたしか、タカシとかいってたよな」僕はその言葉を聞きながら相手の力
「なるほどね。でもお前も気づいているはずだよ。俺の力を奪って、自分が強者にでもなったつもりでいるのかもしれないが。俺から奪った程度で満足しない方がいい。この世界の理を壊すつもりがないんだったらな」僕は相手の目をまっすぐに見据えながらそう答える 僕は目の前の人物の事を知っていたからこそ 僕の質問に答えたシンドウと名乗る男はニヤリと笑い「お前がこの世界にやってきて、俺の【スキル】を奪い始めた頃からお前のことを監視していたから、だいたいは把握できている」と自信満々に言ってくる 僕はそんな相手の様子を確認すると、相手の動きに視線を向けながらもどう行動するべきかを考え始めていた すると僕の
「あぁ、そういうことか。俺のことをずっと見てきたんのにどうして俺が異世界に来た理由とかを知らないんだよ」
僕はシンドウの発言を聞いて違和感を覚える なぜなら目の前の男から感じていたのが、ただ強い奴に会えて嬉しいみたいなそんな感情だけだったからだ その事から僕はまだ僕の目的を話す必要はないと思い「知らないのか?本当に?俺の事を監視していると言ったわりには何も知らなそうだな。それでよく俺にそんな事が言えるな」と挑発するように言ってみた。
するとその言葉を耳にしたシンドは怒り狂ったように
「あぁ?なんだと?この俺のことを知ってるような口ぶりをしやがって、俺の【神】の力を奪ったくせに、この俺のことを理解してるかのような口を利いてるんじゃねえ」そう口にするとシンドウの姿は霧のように消えた 僕はそれを確認してから自分の体を拘束している鎖を引きちぎる
(まぁあいつがどれだけの力を持っていようとも、僕には勝てないけどな)僕は心の中で思いつつ、自分の力を引き出していく。
「はぁ?何をやっているんだ?まさかお前の力は、これだけじゃ無いだろうな?」
「いいや。これが僕の全力だ」
僕は自分の手のひらをシンドウに見せつけてから、その手を握りしめる。すると僕を中心に魔法陣が展開されていき、僕を中心とした周囲に光が溢れ始める。すると僕と僕の視界の中に入っている全ての存在に対して僕から魔力の
「お前、それはどういう事だよ?そんな事が出来るなんて」シンドウはその現象を目の当たりにしても余裕のある様子を見せる
「なあ。お前は一体何者なんだ?」シンドウはそう言うと 黒い球を僕の方に放って来る 僕もそれに対抗するかのように 白い炎をぶつけると相殺される 僕はシンドウが攻撃を仕掛けてきているのを確認してから地面を思いっきり蹴ると 一気に間合いが縮められる そしてそのまま殴りかかる 僕は拳を突き出して攻撃を試みるとシンドウはその攻撃を両手を使って防ぐと反撃を仕掛けてくるが、その攻撃は当たらずに空を切ることになる 僕は相手が僕の攻撃を避ける際に後ろに下がったことによって生じた距離を利用して大きく後方に下がるとそこで足を止め
「なあ、シンドウ。俺はもう終わりにしたいんだけど」とシンドウに向けて話しかける
「あぁ?何をふざけたことを言っているんだ?」
「だって、お前はここで俺に倒されてしまう。つまり俺にとっての邪魔者なんだよ」僕は淡々とシンドウに語り掛けると、それに対してシンドウは少しだけイラついているような態度を取ると「だからなんだよ?まだ俺は負けた訳じゃない」と言って僕の言葉を否定する。
するとシンドウは「それにだ。お前が『魔王の力』を使いこなせないっていうことは分かっているんだよ」と言い放つ
「それはどうかな」僕はその言葉を受けてからそう言い切ると僕の体に纏っていた魔力はさらに膨れ上がり 僕の手に握られている武器は光
「な、なんだ。お前はその【スキル】は」僕の【スキル】を初めて見るであろう目の前のシンドウは驚きを隠しきれないようで目を大きく開いて、僕の手の中にある物を見る。するとシンドウは焦る気持ちを隠すこともなく、そのままの勢いで僕の懐まで近づいてくる。僕はそれを認識しつつもその場から離れることはなくその場でシンドウの行動を待つ
「死ねやぁ」その叫びと共にシンドウは僕の胸に向かって貫手で攻撃を加えようとして来た。僕はその行動を目にしてすぐに回避する為に体を動かす。
しかし次の瞬間 その光景を見ていた者達は驚愕の表情を浮かべることになる その光景というのはシンドウの攻撃が僕に直撃するという光景であった。シンドウが
「な、なぜお前が生きている」と信じられないものをみているといった口調でつぶやく。その言葉を聞きながら僕は自分の胸に手を当てる。
僕はシンドウの突きを放ってきた腕をしっかりと視認していた それにも関わらず僕に向かって攻撃してきた。しかし 僕の【固有能力】は僕に対する悪意を持つ者から受けるダメージを激減させるという【ユニークアビリティ】であり『絶対防御』というものだ。僕はその力でシンドウの攻撃を無効化することに成功した
「い、いったいどうなっていやがる。俺の【スキル】をお前のようなガキが簡単に扱うだと」シンドウは自分の行動が僕に通じなかったという事に対して苛立っているのか、それとも僕の【
「どうなっているんだ?お前が俺から奪うはずだった【スキル】は全て俺の中に眠っているはずなのに」そう言いながら僕の方を指差してくる 僕はシンドウのそんな発言を受けて
「へぇ、お前が持っていた【スキル】が全て俺の体内に収められているって?」と問い返してみた
「そ、そうだよ。俺の体の中には『勇者』の持つ『スキル』全てが封印されているはずだぞ」
「ふぅん。なら俺も質問しようかな?なんでお前の【 僕の問いかけに対してシンドウは困惑しながらも僕の問いかけを黙って聞くことにしたようだ。だがそれも長く続かなかった。シンドウは「なんにせよ。俺には敵わないという事は分かっただろう?今のうちに俺を殺すべきだ」と言う それを聞いた僕は内心ではため息を漏らしつつ、そんなに簡単には終わらせてくれないだろうとも思ってしまう
「なぁお前はさ。本当に『勇者』なんだよな?それだったらどうしてお前の持っている【 僕が再び問いかけようとすると、その前に 僕の目の前から姿を消した。そして背後に現れる 僕はすぐさま振り返りつつ、シンドウに【スキル】を発動しようとすると、僕に襲いかかってくる。
シンドウの拳は確実に僕の顔面を捉えており、その拳が僕の顔を砕こうとする 僕はその一撃を回避できないと判断すると即座に左手を前に突き出すようにして【固有スキル】を起動する 僕はシンドウから受けた攻撃を受け止めるのではなく受け流す事に意識を向けることで致命傷を避けることに成功する
「なに?俺の攻撃を受けたはずなのに、どうしてダメージを受けていない」と驚いたような表情を見せるシンドウに対して僕は
「残念だけど、俺は【スキル】を使うことが出来ないんだよ。でも、俺もお前に【スキル】を使おうとしたけど使うことが出来なかったんだよ」僕はそう言うと「な、なんだって?」と言いながら驚いているシンドウを見ながら僕は右手で攻撃を加えるべく踏み込もうとしたのだが 僕が踏み込むより早くシンドウは後ろに下がり、僕から距離を取った
「な、なぁ、もしかして本当に俺の予想通りなのか。本当に使えないのか」そう言ってから、何かを呟きながら考え事をし始めたのだ。
「おぉ、なるほどなぁ」と嬉しそうな笑みを見せてきた 僕はそんなシンドウに違和感を覚えた。それは僕の記憶が確かならば、こい
「そうか。それだったら俺の勝ち目は薄いかもしれないが、俺がお前を殺してやるから」そう口にしながらシンドウがまた姿を消すと、僕の目の前に現れてから攻撃を仕掛けて来ようとした。
僕もそれに対して対応しようとした。しかし僕はシンドウの動きに違和感を覚える 僕が攻撃を繰り出そうとしてもその攻撃を回避する そのことに気がつく
(これはおかしい。この動きは明らかに普通じゃない)僕はそう思うと「お前の負けだよ」と言って僕の攻撃が届くようにするために思い切り踏み込んだ。
僕から攻撃を仕掛けられたシンドウは「ちっ、ばれたか」と言いつつも、僕の攻撃に対して避けることなくそのまま受け止める事を選んだ。
僕はその行動に疑問を持ちながらも、相手の攻撃に合わせて攻撃を放つ 僕の拳と相手の腕が激しく
「なぁ?やっぱり俺の思っていた通りの展開になってるじゃないか。これで俺の【スキル】を奪う事ができるよな?」
「え?どういうことだよ」そのシンドウの言葉があまりにも理解できずに、僕は疑問を口にしてしまう。すると 僕の視界の中で変化が起こった 突然シンドウが消えてしまったのだ いや、シンド 僕はシンドウの言葉が引っかかり【固有能力】でシンドウの反応を確認する すると、確かにシンドウはそこにいた そしてシンドウと僕はお互いに攻撃を繰り出している最中である。
(一体、何が起こっていやがる)僕は戸惑いながらも、とにかく今は目の前の相手に集中しないと殺されると思い 僕は攻撃の威力を上げて相手を殺さない程度の攻撃をしていく
「お前、俺のことをなめてるのか?」その言葉を吐いてから、僕から間合いを取ると再び姿を消してしまう。
僕の攻撃に対して回避をするわけでもなく 僕の攻撃を受けるだけだった。
(これじゃまるで僕の方が弱いみたいな言い方だな)僕はそんなことを考えて少しだけ怒りが湧いてくる。
僕は自分の感情のコントロールを行うと
「おい。俺から奪った【スキル】って何だよ?」僕はシンドウが言っていた【スキル】が何のスキルのことなの
「なぁ教えろってば、何が起こっているんだよ。俺が奪ったはずの【スキル】を何で使えなくなったりするんだよ。俺は魔王になる男なのに、何で【スキル】が使えるようになってないんだよ」シンドウは叫ぶ
「いい加減にして貰えないだろうか?」と僕が言うとシンドウがいきなり消えると、いつの間にか僕の真後ろに立っており僕の体を貫こうとしてきた。僕はそれに対処しようと思ったのだが、シンドウの攻撃にタイミングを合わせることができない そして僕を貫こうとしていた 僕はとっさに
「な、なんで?さっきまでと違う。お前のスピードが全く俺についていけない」シンドウは驚きの声をあげると 僕はその言葉を聞いてから
「もう終わりにするぞ。このまま戦い続けるのであればお前は間違いなく死ぬことになる」僕はそう言い切るとシンドウが使っている【
「な、なんだってんだよ。俺はこの世界に召喚された『勇者』だぞ」とシンドウが僕に話しかけてきてくるが 僕の目の前にはすでにシンドウの姿はなかった。僕の背後に現れたのかとも考えたがそうではなく。
僕の周囲に存在していた気配を全て消すことに成功したシンドウは再び姿を消したのであった。僕としては【固有
「まぁとりあえずは」僕はそう口にして自分の体に宿る【固有能力】を発動させてからシンドウを捜すことにした。
「な、なんだ。なんで、そんなことが、あり得るはずが」シンドウは驚きのあまり思考力が低下したのかどうか知らないけれどそんなことをつぶやいていた 僕はそれを無視して、【固有能力】で感知しているシンドウに向けて攻撃を仕掛けた
「なんでそんなことができるんだよ」僕が自分の【スキル】を使って攻撃したことに対してシンドウがそう叫んだのは仕方がないことだったのだと思う 僕はそんな叫び声をあげ続けているシンドウの頭上へと飛び上がった 僕は【 僕の目にはしっかりとシンドウが僕を見上げているの
「くそったれがぁ」僕が落下してシンドウを殴りつける寸前の瞬間に僕に襲いかかろうとしてくるシンドウだったが、僕の【固有能力】の効果によって僕に触れることが出来ずに僕の攻撃を受けることになる
「なぁ?なんなんだよお前は。お前なんかに俺の全てを奪われるなんて、あり得ないんだ」僕はそんな事をつぶやくのを聞いていた。
それからも何度も僕はシンドウが使用しているであろう力の波動を感じていた。そしてそれを察知してからは僕はあえてシンドウの前に姿を見せることにした。
「な、なんだって?まさかとは思うが、お前は最初からずっと」シンドウが驚いた表情を見せた後 僕の顔を見て、そして体を見ると、驚愕の表情を見せる
「あ、ああ、そうか。お前のその目の色に覚えがある。まさかお前はあの時に死んだはずなのに、なぜ生きている?どうやって生き返ることができたんだ?もしかしてお前も異世界転生者か」
シンドウがそう口にした途端に僕は「は?」と言いながら固まっていた そんな僕の表情に気が付いたシンドウが「どうせこいつも同じだと」と言いかけたところで
「俺にいったいなにをしたんだよ」と問いかけながらシンドウに近づいていく 僕は「何をしたって?」と言いながらさらにシンドウに詰め寄っていくと 僕の足音がシンドウにとっては恐怖心を募らせる音として作用しているようだった
「お、おい待てって。俺の話を聞くつもりがないのか」シンドウがそう言って僕から逃げようとする そんな彼の首根っこをつかんで 僕は彼に告げてやることにするのだった。
「そんなことはどうだって良いんだよ。お前は俺の質問に答えろよ。そうすればお前を殺さずに済ませてやってもいいと思ってはいるんだけどな」
それを聞いたシンドウの目が見開かれて、僕から距離を取ろうと暴れ出した 僕はそんな彼を逃がすわけにもいかないからシンドウの頭を地面に叩きつけようとした シンドウは僕の手を払いのけ
「ふ、ふざけんな。何なんだよ、俺のスキルが使えなくなっている時点でおかしいと思えば、まさかお前は【スキル】を奪い取れるのか?いや、そもそもどうして【固有スキル】がお前も使うことができるんだよ。もしかして、お前も」シンドウがそこまで口にしたところで、僕は思いっきりシンドウを蹴り飛ばすことで吹き飛ばし
「お前に俺のことを詮索する資格はない」と吐き捨ててから僕がそう言った直後 僕は再びシンドウに殴られた衝撃を受けて吹っ飛んでしまう。だがしかし、今度は僕の体は宙には浮かなかったのである 僕が攻撃を受けたことに驚いたのか僕を睨みつけて 攻撃が当たることはなかった
「なんでだ?今確かに俺の拳は当たったはずだった。なのになんで俺はこんなところにいる?」
「さっきの質問だけどさ。俺が答える必要もないと思うから俺の方から逆に聞こうかな」
僕の方を見ながら何かをぶつくさと喋っているシンドウの姿を見て
「もしかして」と何かに気がついた様子だったので僕はそのまま続けて
「そう、そのもしかしてだよ。俺と君が同じ異世界から召喚されているっていう話は理解出来たか?そして、君がさっき俺に使ってくれた攻撃も、もしかすると君は俺に使ったことがあったのかもしれなかったから。俺の予想通りに君の攻撃が当たらなくなったみたいだから、これで確信できた。そして君の力は、今の俺の【固有能力】で完全に封じ込ませて貰ったから。俺と、俺の仲間達には一切干渉できなくなっちゃったよね」僕はそうシンドウに語りかけると 彼は僕の言葉を聞いて、その顔が青ざめていくのを感じると慌てて僕の前から姿を消すのであった。その行動を確認した後に僕自身もこの場から立ち去ろうとすると
「ま、まってくれ。俺の力は戻らないのか?」と僕に対してシンドウがそう話しかけてきたのである 僕はその問いに対して何も答えずにそのままその場から去ると しばらく進んだ先にあった茂みに身を隠していた。
僕の視界にシンドウの姿を捉えることができていたが、シンドウの周囲には誰もいない状況になっているの
「な、何であいつがここにいる。いやそれよりもだ、俺の攻撃が通じないどころか。あんな一方的に俺の力が奪われた?なんなんだよ一体」とシンドウは呟いていたのだった。そして僕はそんな光景を目の当たりにしても、すぐにはシンドウを殺すような行動をとることはなかった 僕としてもここでシンドウを殺してしまっては意味が無いと考えていたからだ。なぜなら僕は【固有能力】が発動できるかどうか試すために、あえてシンドウの相手をしていたに過ぎないからである それにしても
(これはまずい。俺が思っていた以上に厄介な存在かもしれない。いやむしろ
「なんで【スキル】が使えるようになったんだよ。お前は俺のスキルを奪っていたんだろ?それでなんで使えるようになっているんだよ。おかしいだろう」シンドウが独り言を口にすると僕は「そうだね。確かにおかしい」と言葉を口にしてからシンドウの正面に姿を現せるように移動する 僕が姿を現したことに驚いていたシンドウは「お前、いつの間に」と口にした後
「な、なぁ。ちょっと話を聞かせてくれないか?」シンドウがそう僕に声をかけてくる そんな彼に対して僕は「別にいいよ。俺は君を見逃してあげたいと思っているくらいだし。俺としてはこの世界を救うとかはどうでも良いって考えているんだよ。俺はこの世界に元から存在していたわけじゃないしさ」と僕の言葉を耳にしたシンドウが目を大きく開くと僕の方に駆け寄り僕の胸倉を掴むと僕の体を持ち上げてくる。そして僕の顔面を思い切り殴ると僕を吹き飛ばした
「ふざけるなよお前」僕を地面に叩きつけたシンドウは怒りに満ちた声でそんな事を言って来たのだがそんな事を無視して 僕は立ち上がる
「さっきから聞いていれば好き勝手なことを言いやがって。俺達がどれだけ苦労したか分かってるって言いてーのか」と僕に向かって怒鳴り始めたのを目にしながら僕はシンドウの背後から襲いかかろうとしたのだがシンドウは振り向きもせずに
「お前の考えてることは全て筒抜けなんだよ」と言ってくるの
「は?そんなことがある訳ないだろう」と思わず言葉が漏れてしまった僕は
「お前の考えてる事を読めないようにしてあるだけだ」と言い放った
「はぁ」僕はため息をつくしかなかった そんな僕の態度を見て苛ついたのか「舐めるんじゃねえぞこら」と言った直後にシンドウが殴りかかって来ると僕は咄嵯の判断で 【固有能力】を発動させることに成功したのであった。
「お前の力が効かない?まさかとは思うが【スキル】まで奪ったというのか?でもどうやって」シンドウは僕を見つめながらそんなことを言う 僕はそんな彼に近づいていき「俺のスキルを奪ったのはお前の【固有能力】なのか?」僕は問いかける
「そうだ、【固有能力】が奪える【スキル】だ」シンドウが自信満々に答えた瞬間に僕は自分の持っている力を解放した
その結果、僕はシンドウに触れて彼の【スキル】を発動させて奪い取ることに成功したのだった。僕の【固有能力】の効果によって僕の目の前に文字が浮かび上がったのを僕は確認する シンドウのステータス 名前:シンドウ
種族:人間
職業:勇者(仮)
LV:151
HP:50500/50000
MP:45600/4560
攻撃力:25900
防御力 :23200
素早さ :24300
魔力 :5080
運 :2590
状態 : 固有技能 【絶対鑑定LV3(MAX
「やっぱり俺のステータスは見れないようだな。俺と同じ異世界転生者ってことだもんな。そりゃそうか」シンドウが笑みを浮かべてそんなことを言っているのを見た僕は シンドウから少し距離を取ろうとしたら シンドウに腕を掴まれてしまう。
「待て待て待て。せっかくだから俺と一緒に来いよ」
シンドウはそんなことを言いながら僕の体を引っ張ろうとしてきたが僕はそんな行動に出るシンドウに呆れ果てて「離せよ。俺はそんなことに興味はない」と言い放っていた そんな僕をまじまじと見つていたシンドウは
「なんだって?」と言いながら
「興味が無いって、どういうことだ?」と疑問に思った様子を見せた。
「言葉の通りだよ。俺にはそんな力を手に入れたからって、世界なんて救うつもりはない。それに、もし仮に俺の【固有能力】の効力で俺達の世界の人間が殺されたとしても、俺は知らないから」僕はそう言ってその場を後にしようとしたところでシンドウが再び僕の体を無理やり引っ張ってくる。そんな行動を目にした僕は再び「待てよ」と言いながら強引に僕を引きずっていくシンドウの行動に対して抵抗を試みたのだったがシンドウは僕に対して【筋力増強】を使ってきたらしく 全くといって動かなかったのである
「なにやってんの?お前、俺のことが怖くないわけ?もしかして俺よりも強いとでもいいたいわけか?そんな訳がないだろ?俺の方が強いに決まっているだろうが」シンドウはそんなことを言い出した。そんなシンドウの言動を目にしていた僕の頭に血が上った そしてシンドウの手を払うとシンドウを蹴り上げると「何なんだよてめえは!何で俺を蹴れるんだ。どうして」シンドウの言葉を聞く気にもなれなくなっていた僕はシンドウが反応出来ない速度で動き回る。そしてそのまま
「消えろ」そう口にして僕は蹴りを放つ 蹴りを喰らったシンドウは吹き飛んでいく
「俺に触らないでくれよ。俺はこの世界で生きる為に仕方なく戦っているだけでしかないんだ。本当に俺は平和に暮らしたいだけなんだよ」
そんな言葉を口走るシンドウに対して僕は近づき拳を振るう。拳を喰らったシンドウは再び吹き飛んでいくが僕の攻撃には全く意味が無かった。それどころか僕に攻撃を仕掛けたはずなのに何故か自分が吹き飛んでいる状況に理解できていない様子を見せている。僕はそんなシンドウに更に
「俺は君みたいに強くもない、それに特別な才能だってないただの平凡な奴だよ。だけど、この世界に来ることで、やっと平凡から抜け出せたと思ったんだよ。だから邪魔をするなら殺すよ」僕は淡々とそんな言葉を吐き出すと僕は そのまま【固有能力】を発動させ、シンドウの全ての【固有能力】を無効化させると 僕自身が手にしていた剣を使い、シンドウの首に斬りかかった だがシンドウは 【固有能力】を使ったようで、その斬撃を回避するとそのまま僕の方へと走り出し、勢いをつけたまま僕の腹部に回し蹴りを入れてきた
「なんなんだよ、その化け物みたいな強さは」
僕はその一撃を受けてそのまま後方に吹っ飛ばされてしまったのである。その光景を目にしていた他の『魔物』達は僕達から距離を取る
「おいおい。俺の攻撃を耐えられるなんてお前何なんだよ?」シンドウのそんな言葉を聞いた後
「そんな事知る必要はないよ。それよりも君は今すぐ死ぬべきだ」僕はそう口にした後 そのまま僕は立ち上がり、僕が持っている聖属性の力を解放し、それを纏わせるとシンドウに向かって駆け出して行ったのである 僕との距離が無くなると同時に僕は【固有能力】を使用し、相手の【思考速度加速】を使用するとシンドウの頭上にジャンプするとシンドウはそんな僕の姿を見て驚きながらもすぐに回避行動をとった そして僕はシンドウの背中に飛び乗り 僕は剣を振り上げようとした時、僕の体が突然何かの力で押さえつけられるような感覚に襲われる。それと同時に僕を押さえつけようとしていたシンドウの力が消えた。シンドウが【固有能力】を使用出来た理由は分からないが僕にとってそれはチャンスでもあった
「お前も俺を殺すっていうのか」シンドウが言葉を発すると共に僕の顔の前に手のひらを向けてくると僕は咄嵯の判断で 魔法を使うと僕は光の柱を作り出し
「死ね」シンドウに向けて僕は言葉を放った。シンドウは避けようとしなかった。
シンドウは光に包まれてそのまま地面に倒れていく
僕自身も【スキル】を使われてしまいシンドウが倒れる前にシンドウから離れようとしたが遅かった シンドウはそのまま地面の上に仰向けに寝転がるように倒れたのであった。僕は自分のステータス画面を覗き込むと 名前:タカシ
年齢:16歳
レベル:10
職業:魔法使い
HP:5000/50000
MP:50
「まさかこんなに強い相手がいるなんて思ってもいなかったよ」僕がそう呟いていると僕の後方から「よくやった」と言う声が聞こえると振り返るとそこには国王が立っており、そんな僕の視線に気づいた様子の国王は僕に微笑みかけてくると
「どうやら終わったようだな」と国王は言葉を発した 僕はそんな彼の表情を見て、なぜか懐かしい気持ちになっていた。
「ああ」僕は一言返事をすると国王は「どうやらお前も私と同じようにこの世界を救ってくれるようではないか」と嬉しそうな声でそう言ってきた。そんな彼の態度を見ていると何故だかわからないのだが胸が苦しくなるのを自覚する。僕は そんな思いを必死に押し殺そうとするのだが中々上手くいかないでいる
「僕は別に世界を救うとかは望んでいない。ただ僕は自分の平穏を守りたいだけだから」
「ほう」国王は目を丸くしながら僕の方に近づいて来るとその瞬間だった 先ほど僕の体に巻き付いた見えない何かが再び僕の体を拘束するかのように僕の身体を縛りつける。
「お前は誰だ?」僕は僕の背後に向かって問いかける
「私は魔王です。勇者よ、大人しく捕まってもらいます」
「断る」僕は即座に答える
「残念ながら貴様の返答は聞くまでもない。お前にはこれから我が国で働いてもらうぞ。そこで我が軍の兵士として働いて貰おう」そう言ったのだった 僕が背後の相手に対処しようと身構えていたその時、僕の意識は完全に
「もう大丈夫だぞ。勇者殿」
僕は目を開けると僕の周りには大勢の人が居て、その中にはあの国の王と王妃もおり
「貴方が私たちの国を救ってくれたと聞いています」王妃は涙を流しながらそんなことを言うと 僕はどうしていいのかわからず困惑している。そんな僕を見かねた様子で国王は「お前には感謝してもしたりないほどの事をしてくれたのだ」と言葉をかけてくれると
「ありがとうございます。貴方のおかげで我々の国は救われました」と今度は国の重鎮達が僕の目の前に現れ、次々にそんな言葉を吐いてきたので僕はどうして良いのか分からずに混乱しており
「いえ、お気になさらずに。僕はあくまで自分の意志に従っただけですから」
「謙虚な奴じゃのう」国王は僕を見つめながらそう口にした 僕はそんな彼らに感謝の言葉をかけられて恥ずかしくなり顔を俯けてしまった
「そんなことより僕に一体何が起こったのでしょうか?」僕は自分の体に起こった異変に対して不安を感じていた。
僕の質問に対して国王は答えてはくれなかった。ただ 僕の体に起きた変化に関して教えてくれたのはシンドウとの戦いの後で気絶してしまったらしい僕の仲間である三人の仲間とこの場に集まってくれた『騎士団長』『宮廷魔術師』それから数人の大臣の人たちで
「お前はシンドウを倒した直後でかなり消耗しきっていたのだよ。そんな時にこの世界には存在しないはずの【固有能力】を発現させたことでその力に体が対応できずにそのまま気を失った」とのことだった。
そんな話を聞いた僕に【固有能力】という疑問が浮かんでくる。そんな僕の疑問に対してこの世界の住人の彼らは僕に詳しく話してくれて 【固有能力】というのは異世界から来た人間しか持っていない能力で【種族】に縛られずに使える特別なものなのだが、その効果の強弱は個人差があるものの基本的には強力すぎるものではあるのだがこの世界に来るときに手に入れたスキルのようにデメリットが存在するわけでも
「なるほど。そういうことだったのですね」僕が納得してそんな言葉を吐き出した時だった
「そうだな。この世界に来たことで手に入った特別な力といえば良いだろうか」国王がそう口を開く。そんな彼らの発言を聞いて「僕は元の世界に戻ることが出来るのですか?」僕の頭の中にそんな疑問が生まれてしまう そしてそんな僕をよそに僕の仲間である女性と騎士、それから僕と同年代と思われる男性、それに僕を慕ってくれている少女が口を開いた
「私もタカシさんに聞きたかったんですが」その女性の名はアカリ 年齢は15歳で【固有能力】は『未来予知』
「あぁ、俺も同じことを聞こうと思っていたんだ」その男性は
「僕もタカシにどうしても言いたいことがあったからね」その人物は
「うん、あたしもだよ」最後に言葉を発したのは僕が旅の中で出会い助け合う関係になった冒険者達の一人、名はクロ 年齢14歳 彼女は回復系統の魔法のスペシャリストであり 【固有能力】は僕と同じく『固有能力鑑定眼(固有)』と回復系の【スキル】を所持しており、さらに彼女の魔法に関しては僕の想像を超えたレベルで魔法を扱うことが出来る ちなみに僕は彼女が仲間になってから何度も命を助けられたことがある程に彼女と僕の相性はとても良かったりする。そんな彼女は現在僕と一緒に行動している。理由は単純明快 この世界の人間が知らない知識や技術がこの世界で生きるために必要なものであると考えている僕にとって
「まぁそれは私に任せてください。私がなんとかして見せますのでご安心ください。必ず皆様方を元の世界での生活が出来るようにしてみせます」僕はその発言を耳にすると、つい反射的に「お願いします」という言葉を口にしていたのであった
「とりあえず、今日のところは休め。お前の仲間たちは私の城の者たちに頼んで安全な場所まで避難させておいた。それと、そこの男二人も連れ帰っておいてやった。だからゆっくり休むとよいだろう」国王は僕の仲間の男二人が無事に保護されたことを話すと彼は僕を安心させるような口調で「今は体をゆっくりと癒すことに専念しておくれ、お前の力が必要になる時は必ずまた訪れる」そんな言葉をかけてくれて僕を
「はい」と短く答えると僕たちは部屋から出ていくことになった。
僕は今、城の中を歩いていた。城内には僕以外の人間は存在しておらず僕はあることを考えながら歩いていたがそんな僕の考えを妨げるように僕の背後には一人の女性が存在していた。僕が振り返ってみると僕の視線と彼女の視線が交わると女性は僕の方に近寄ってくると、そんな彼女に対して僕は話しかける
「僕についてきたら危険だぞ」と僕は彼女に警告を行う すると彼女は僕に向かってこんな言葉を投げかけてきた
「大丈夫です。覚悟はできています。それに、あなたのような人に私は惹かれてしまったのです。私はもう後戻りが出来なくなってしまったようです」そんなことを言うなり、僕は突然、体の力が抜けるのを感じる。それと同時に僕の視界は真っ暗に染まっていく 僕は暗闇の世界に存在していた。ここはいったいどこなんだろうか?そう考えていた僕の元に突如として光が出現する。そしてそこから一人の男性が姿を現した
「君をここに呼び出したのは他でもない。私はお前が欲しくてしょうがないのさ」そう言葉を発しながら僕の前に立っていたのだった 僕の前に立っていた男の外見は非常に整った顔立ちをしており背は高く僕より少し高い。髪は金髪だが前髪の部分が青色になっているのが特徴的だった。そんな彼に僕は警戒心を剥き出しにした状態で問いかける
「あんたが何者か分からないけど、僕に何かするつもりなら僕も黙っている訳にはいかないんだけど」と僕は言う
「なに、心配はいらないよ。君のことはこれから僕が管理するつもりなんだ。君はもう僕からは離れられなくなっているはずさ」と僕に向かって言ってきたのだった。僕はこの人から離れられないという言葉に恐怖を覚えると同時に目の前の人物が僕と会話が成立していることから相手が【スキル】を所持
「いや、そんなことは無いはずだ。僕は確かにあいつから【固有能力】を奪っているからスキルを使えるのはおかしいんだよな。でもそう考えると僕の中に居るこいつが【スキル】を使えているということはつまり僕の中のこいつにもその力が備わっていたということか」僕は一人でブツブツと呟くと僕の様子を見ていた男が
「そうそう、そう言えば自己紹介がまだだったね。私の名前はゼクス、この世界を創造した神の一人だよ」そう言ってから僕に向かって手を向けて来ると
「さっきも言った通り僕の体はもうお前のものだ。好きに使わせてもらう。お前はもう既に私の奴隷なのかもしれないな」そう言うのである。
僕にはどうすることも出来なかった。なぜなら僕の中に存在するもう一人の人格の力は凄まじいものであったから。僕がそんなことを思いながら呆然としている中
「さて」と言い放つとその途端に僕の体の中に何かが入り込んでくるのを僕は感じ取る
「ぐっ!何をする」僕は苦痛の表情を浮かべると僕の中から一つの何かが抜け落ちるのを僕は感じると、それと同時に先ほどまで僕の身体を支配していた何かの感覚が失われていくのを感じた
「お前の肉体を支配しているのは私の方だ。そんな奴がお前を支配することなど出来るわけないだろ」
そう言われると僕の体に
「私はこれからこの世界の住人たちを従えてお前を支配下に置くことにした」と言ってくるのだった。しかし僕はそれに対して特に反応を示さなかった。そのことが気に食わなかったのか
「お前は自分の置かれた状況を把握していないようだから教えてあげようじゃないか。お前は既にこの世界で絶対的な立場を手に入れた。この世界の全てはお前のものといっても過言ではないんだ。その証拠として【称号】を確認してみるんだな」と言われたので確認してみるとそこには
「【異世界からの侵略者】それが現在の貴方に授けられた名前となります」と書かれている。僕に
「その力は強大で、貴方が手にかけた相手の数だけ貴方の力と化す、貴方はそうやって多くの人間達を自分のものにしていってください」と言うと僕は意識を失う
「おい、いい加減に起きろ」僕はそんな声が聞こえたので僕は目を覚ました。目を開けると僕を見下ろす
「ようやくお目覚めかな。僕は君が起きるのをずっと待っていたんだよ」そんなことを口にしてきた 僕は彼の発言に首を傾げると「僕に一体どんな用事があったんですか?」と質問をした
「まぁ、簡単に説明をするとだな、お前にはこの世界を管理して欲しいと思っている」その言葉を耳にした僕の頭の中には?マークが次々と浮かんでくるのであった。そして僕の思考を読んだ相手に対して
「どうしてそんなことをする必要があるんだ?」
と質問すると彼は答えてきた
「理由は単純だよ。僕が飽きたからだ。それに僕達は今ある問題を抱えているんだ。それを解消するために、君に協力して欲しいのだよ。君の力でこの世界にいる住人達に僕の力を与えるのだよ。そして最終的には僕の代わりにこの世界を管理してもらいたいのだ」そんな言葉を聞いた僕の口から「はぁ!?」という驚きの言葉が吐き出されたのである 僕が驚くのも無理はない。僕はその言葉を聞くとまずは疑問を抱く「そんなこと急に言われても、僕はただの人間だ。この世界を管理するなんてこと絶対に出来ない。それに僕の中のこいつはとんでもない化け物でそんな存在を相手に戦うのは不可能だしな」僕はそんな言葉を吐き出しながら
「そんなこと僕に言われたって僕だってどうしようもない」
「まあそう言わずに頼むよ。僕も一応、協力はしているのさ。だから僕は君に協力するつもりだ。まぁ、とりあえずはこの城で生活をしていくといいよ。そして僕の力を受け取るんだ」
僕はその男の話を聞き終えると、すぐにその場を離れる すると、城の門の前に立つ女性の姿を発見すると、すぐさま彼女に駆け寄ると話しかける「アカリ。無事で良かった」その女性はアカリ。年齢13歳で僕が旅の中で仲間に加わった女性であり、回復魔法の使い手。そんな彼女がなぜこの場所で僕を待っていたのかというと、僕と行動を共にするために、彼女はここへと訪れていた アカリは僕を見つけると、こちらの方へと走り出すと抱きついてくるとこんな言葉をぶつけてきた
「私もタカシさんと一緒にいたいです」
アカリがそう口にすると僕の中で
「はははは、面白いな」という笑い声が響く。それを聞いていた僕は苦笑すると
「わかったよ。ただし僕が持っている能力が暴走して誰かに被害が出た場合は僕を置いてここから逃げろ」と忠告をすると僕は
「よし、とりあえず城に戻ってから、これからのことを話そう」とアカリに言いながら城の中に戻ることになったのであった 僕はアカリと行動することになった 理由は単純明快、彼女を守りながら
「さぁ、行くぞ。僕の力を存分に味わうが良い!」と男はそう告げると僕の目の前にいた存在、いや僕が操られている人物の身体から膨大な量の魔力と神力が放たれる 僕は完全に男の支配下に置かれていた 僕の意思に反して、僕自身の意思が僕の中に存在していた男に吸収される。それは僕がこれまで行ってきた戦いの経験が消えていくのと同義であり僕の心には絶望感が漂い始める しかしそんな中で僕の中にある力が発動を始めたのだった それは男の力を完全に打ち消し、僕は男の支配下から抜け出したのである。そして僕に宿った新たな力とは?
「くっそ、まさかお前の固有能力は【精神支配】ではなくて完全に上書きできるタイプの力だとでもいうのか」そんなことを言うなり僕の中に存在している男が焦りを感じているのが分かると僕は僕の中の人格に向かって話しかける
「あんたが本当にあの【勇者】と同じ力を持つ存在なのかは僕にも分からない。だけど、この世界を救う方法は分かった。僕があんたに勝てさえすればあんたが勝手に負けてくれる」そう言うと僕は自らの拳を強く握りしめると、目の前の存在に向かい飛びかかる
「なっ!?馬鹿かお前は!いくら俺の【固有能力】に対抗できるようになったとしても、【スキル】の相性が悪い以上、【能力】の差を覆すことは出来ない」と目の前の相手が叫ぶと、次の瞬間、
「ぐふっ」
僕は腹に強い衝撃を感じると同時に吹き飛ばされていた。そして僕は地面をゴロゴロと転がると壁にぶつかる そして痛みに耐えながら立ち上がると目の前の相手に視線を向けた
「やっぱりダメか。仕方がないから今回は引かせてもらうことにするよ。しかし忘れるな。僕にはまだ別の力があるんだ。必ず僕は君を僕の物にしてみせるから覚悟しておくことだな」そう言うと僕の前から姿を消すのだった そしてその後、僕は城内の一室にて待機するよう指示を出される。
それから僕は部屋の中で待機をしていたのだが、僕はこれから自分がどのように動くべきかを思案し始める しかしなかなか結論を導き出すことのできなかった僕はしばらくベッドの上で横
「ん、あれ、私は一体何を」僕はそんな声が聞こえてきた方向に顔を向けるとそこには金髪碧眼の少女の姿があった 少女はキョロキョロとした動作をしながら僕の顔を見つめてくる
「あっ」その光景を見た僕は思わず息を飲む 何故ならそこにいる美少女こそがこの世界の救世主になるかもしれない存在である。ゼクスと呼ばれる少年から力を与えられており、僕は彼女と会話をしている内にその力の一部を譲り受けたのである そんなことを考えていると僕を不思議そうな目で見ていた相手が
「えっと、貴方は一体誰ですか?」
その問いかけに対して、僕は彼女の名前を知っていたので「ああ、ごめん、いきなり見ず知らずの男に自己紹介とかされると気味悪いだろうしな」と言うと
「私の名前はアカリと言います。それで、貴方のお名前は?」
その言葉に対して僕は一瞬だけ考えこむ なぜなら僕の中のもう一人の人格が、この女を自分の物にしちまえと囁いて来たからである
「私の名前ですか?」
「はい、名前を教えてください」僕はそう言うと、僕の中の人格はこう呟く おいおい何を考えていやがんだ、こいつを利用できれば俺は最強になれるんだぞ それなのにどうしてこの女を手に入れようとしないんだよ。そんなんじゃお前の目的は達成できないぜ
「名前か」僕の中に存在する男の発言を受けて僕は自分の目的を再確認する 僕はこの世界で英雄になること その為にはどうしても必要なことがある
「僕の本当の名前は『タカシ』」
「そうなんですね。よろしくお願いします」アカリと名乗った女の子が僕のことを見上げて来る そして僕はアカリに向かって口を開く
「僕の目的は世界を救える力を手にすることだ」
「はい?」
「アカリに頼みたいこと、いやその前に確認したいことがあってだな」僕はそこまで口にしてから少しの間、言葉を止める もしも仮に彼女が本当にこの世界を救うための鍵になっている場合 僕の目的に巻き込むわけにはいかないと思ったからであった だが、もう既に僕たちは
「貴方がこの世界に来ていることで多くの人の命が危険にさらされていることを忘れていないよな」僕は真剣な口調で言うと、彼女は小さくうなずく 僕は続けて
「僕の話を聞いてくれるか?」と質問をするが、彼女は首を横に振ってから、僕の目をジッと見据えながら、僕の方にゆっくりと近づいてくる 僕はそんな彼女
「大丈夫、どんな話をされても、私の心は変わりません」そんなことを言ってくるのだった 僕はアカリに僕の正体についての説明をすることになる。僕の正体とは?そして世界救済のためにはどのような行動をしなければならないのかということを、全て話すのだった 僕が異世界より訪れた存在だということを説明すると、アカリはその事実に対して驚きの表情を浮かべると、すぐに僕の手を両手で包み込んで
「貴方も辛かったのですね」そんなことを言ってきた。僕はそんなアカリの言葉を聞くと涙腺が緩みそうになるのを感じていた。しかしそんなことは表に出すまいと思って気丈に振る舞う そんな時であった
「アカリ、ここにいたのか」
そんな声が聞こえる
「ゼクス!?どうして貴方がこんなところに!?それにこの人はいったい誰なんだい!?君達は知り合いみたいだし」そんな言葉を放つ。そんな彼に向けて僕は「僕はタカシ。君たちにとっては邪魔者でしかないよな」と言って苦笑をこぼすと、「とりあえず事情を説明してやるから落ち着けよ。まぁ立ち話というのもなんだ、とりあえず椅子に座って話しをしようじゃないか」と、彼がそう言って部屋の中のイスを指す 僕達は互いに顔を合わせるとお互いに席に座り合う ちなみにこの城の客室なので僕達以外の存在は部屋にはいなかったりするのだ
「でだ、俺達の状況について説明する必要があるんだろうな?」僕はまず初めに、目の前の青年から話を聞くことにして
「その前にひとつ聞いておきたい。僕達が出会ったあの【魔王】はどこだ?」僕はまず一番重要なことから尋ねることにした
「あの野郎は、おそらく別空間に移動したはずだ。なんせ奴には時間制限ってものがあるからな」僕はその発言を聞くと納得すると「その通りだよ。俺の持つ力は強力ではあるが、あいつには通用しなかった」
僕はそう言うと、アカリの方をチラリと見る すると彼女は僕を心配するような顔をしていた 僕はそんなアカリの方を見てからゼクスに視線を戻すと「つまりあの野郎はこの世界に来るときに使っていた能力を発動させれば元の次元に戻れるとでも言いたそうだな」僕はそう告げると
「その言葉が嘘でないなら僕達に協力してもらえるかな」僕は彼にそう言葉を告げる 僕としてはアカリという存在が鍵になると踏んでいるため、この手札を有効活用した方がいいと判断したからであった。そのためにも僕達は【協力者】を得る必要があった。だから
「俺としてもお前を味方に付けることが出来ればメリットがある」とゼクスが答えると
「利害の一致。ということで良いのでしょうか」とアカリが僕に問いかけてきた
「そういうことだ」僕は笑顔を作る
「わかりました」彼女もその笑みに釣られるようにして笑い返す そんなやり取りが終わると僕はゼクスに向き直り「で、お前の目的というのは?」と尋ねてみると彼は僕の問いに対して素直に語り始めた
「俺が目指しているものは勇者を超える力。それが叶えば後は好き勝手に生きるだけだ」と、それだけを口にするのだった。それからしばらくして「で、協力してくれるのだろう?」と改めて僕に問いかけてくるので僕は即答することにした 僕の目的はあくまでも【勇者の力を手に入れる】ことである 目の前の男の力が僕の目的のために必要なら 彼の力を取り込めないか?と考えてしまった僕はゼクス
「ああ、頼むよ」とだけ口にしたのである その後、僕らはすぐに行動を開始することになった 目的はただ一つ、僕をこの世界での英雄にする為である そのために僕が行わなければならないのはまず、僕の中にある力の扱いを覚えなければならないということであった その為にもまず、僕自身が勇者の力を使いこなさなければ何もできないだろうと僕は判断をしたのである。だからこそ僕はこの世界で手に入れた勇者の能力にもっと触れなければいけないと感じた その為にもゼクスとの協力関係は必要不可欠であり、その点で言えばアカリも同じ考えらしくて、
「私がゼクスに協力してもらうかわりに貴方に私が必要でしょう」と言われたのである 正直なところ、ゼクスに頼めなくても彼女さえ仲間にできればいいと考えていた僕はアカリをゼクスの仲間に加えることに決めたのだった 僕はゼクスに「お前は【聖剣】を所持していたな」と言うと、目の前の男はニヤリと笑う その顔を見た瞬間に僕の脳裏にある疑問が湧き上がってきた。それは目の前の人物が果たして信用
「当たり前だろう。でなければお前と行動を共にしたりはしないさ」僕の心の内を見透かすかのように言葉を発してきた。しかしそれに関してはどうやら僕の方が一歩先を行っていたようである。何故ならば僕はこう考えているからだ
「お前の実力では聖騎士にすら勝てるかどうか分からないんじゃないか?」僕のそんな言葉を聞いたゼクスは「そんなことはないだろう。俺は勇者なのだぞ」と自信満々な態度を見せる 僕はその態度を見て呆れた そもそもこの男がどれだけの強さを持っているのか知らない僕には、そんなことを言われても全く説得力がない。というよりも僕の中に存在している人格がこの世界を救うべき人間だとは思っていないからでもあるのだが
「その力、どうやって身に付けた」僕の中に存在する人格
「その質問には答えられねぇな。まぁ簡単に言えば、こいつの体と精神は既に限界に近付いているんだ。だがそんなことは一切感じさせないだろう?」僕の問いかけに対して僕の中の人格
「俺の体はな」僕の口から放たれたのはそんな意味不明な言葉。しかし僕の心はこの言葉の意味を理解している 僕の中の
「へぇー、まぁいいぜ。そっちが教えないっていうならこちらで調べるまでだ。それで、聖女様はどこにいるんだよ」僕はそんな発言をすると、部屋の扉を指差す
「お姉ちゃん!」
アカリはそう叫ぶと勢いよく部屋を出ていく それを追いかけるようにして僕は外に出ることにした。ちなみに部屋を出る際
「また来るよ。アカリは俺にとって大切な女の子だから」と僕が口にすると ゼクスが僕を見下ろしながら
「そんなの知っている」と口にしてから僕に対して右手を差し出してくる 握手を求められているのだろうかと思い僕は手を握ると、思い切り握られたので僕は反射的に腕
「悪いがお前を逃がさない。アカリに危害を加える存在が現れた場合、お前は絶対に排除するからな」
僕はこの世界に存在する唯一の男 つまり【最強の存在】になる為にはどうしても欲しい存在がいる
「分かった」と僕は短く口にしてから
「で、お前はどこまで俺に協力するつもりだ?」と、
「もちろん全てだよ。勇者が世界を救済するなんてことに興味はないけどね。俺はただ強い相手と戦い続ける。それだけだ」僕はゼクスの言葉に同意を示すと、僕の方も
「俺も同意見だ」と、そんな会話をしてから僕達はその場を立ち去るのであった 僕の心の中には、この異世界に転移させられた際に僕と一緒にこの世界にやって来た人間の意識が存在していた しかし僕の心の中で生活しているわけじゃない。
この世界に飛ばされてきた直後に、僕の中に潜む別の魂に吸収という形で融合を果たしたから、今この肉体を支配ているのは僕の魂ではなく この肉体の所有者が宿していた魂であった そして僕は僕自身の体に、自分の持つ【チートスキル】を使用する。この力は僕の願いによって様々な能力
「そういえば、僕の名前は?」僕は目の前のアカリに質問をしてみる すると
「タカシさん、でしたよね」と彼女は口にするので
「タカシでいいよ」僕はそう言った後に
「ところで、どうして君が俺のことを」そう尋ねると
「私、タカシさんの夢を見たんですよ。で、目が覚めた時には既にあなたが存在していました。でも私の目から見たら、私の記憶に無い貴方が存在するはずが無いんです。だけど私の目を通して見る限り貴方が本当のタカシであることには違いないと思う」そんなことを言ってきたのだ その発言を受けて僕自身も、アカリの言葉が正しいように思えるので
「わかったよ。僕は君の目を通じて見た場合のみ存在ができるんだな。それにしても、君はどうしてそんな能力を」と、そんな風に口走るとアカリは自分の胸に手を当てる
「タカシが目覚めてから少しの間、私は夢を見ていたの。そこで色々と教えてもらったんだ」そう言うとアカリが目を瞑った。
「君とこうして会うことは出来るみたいだからな。あと僕も確認したいことがあったから」と僕は口にした後、彼女の顔をジッと見つめると「えっと、なんですか」と言って恥ずかしそうに俯くアカリの顔を覗き込むようにして僕は
「君、本当にアカリ?」と問いかけるとアカリの顔つき
「はい。私の名前ですよ?」と言ったのである。その表情がどこか演技じみているというかなんというか。
アカリには見えない角度から僕を眺めるような、そんな感じを受けた それからしばらく沈黙が流れると
「あのですね、ひとつだけ言っておくことが」そう言うとアカリが急に真剣な眼差しを見せてきて「なんだ?」と聞き返すと
「タカシ、貴方が目覚めたことで私は貴方の事をある程度理解できるようになった。それは良いんだけど」と、そこまで言うと彼女は頬に手を当てて微笑みを浮かべた状態で僕の方を見ていると
「あはっ」そう言い放つとアカリがその場でくるりと回転しながら僕の前に立ってから両手を広げた それから
「ほぉ~ら、どう?どう?この服」とかなんとか 言い出したのである。それを見て僕は「なにしてるんだ?というより」
「アカリ、君は一体」と僕が困惑している最中、突然目の前が真っ暗になって視界が遮られる。それと同時に
「な、何が起きた」と言う声と同時に僕は背中を誰かに叩かれたような感覚に襲われてしまう。その直後
「お兄ちゃーん、ご飯出来たってさ」と、元気いっぱいの声が響いた その声で僕の思考が一旦ストップしてしまう。そしてゆっくりと瞳を開けると目の前にいたのは、アカリの姿だったのである。
僕はその姿を見て安心すると
「どうしたの、おにーさん?」不思議そうな顔をしながらアカリが問いかけてきたので
「なんでもないよ。それより行こう」と僕は口にする。しかしアカリは首を傾げたまま
「おにーさんのこと、私が守ってあげるよ」と言い出すと僕に向けて飛びついてくる。僕は咄嵯の事で動け
「あっぶないな。おい、気をつけろよ」僕は何とか踏み止まることに成功したのである。そんな僕の行動を気にすることなく、アカリが抱きついてくる それから数分後、僕が部屋から外に出ようとした時である
「待ってくれ、俺達も同行しよう」とゼクスが話しかけてくる 僕が振り返るとゼクスがニヤニヤと笑ってから
「お前、この子に好かれてるじゃないか。羨ましいぜ」なんてことを口にする その言葉を聞いていた僕は「なぁ、アカリ?ちょっと離れようか」と言うと
「ダメです。この人怖いし、何か危ない」アカリのそんな言葉を耳にしてから僕はゼクスの耳
「なにがあった」僕は小声で言うと
「お前達が【魔王軍】と呼ばれる者達と一悶着を起こした事は知っているだろう。その際、奴らが放った魔導兵器の攻撃を受けたせいで【魔力耐性】が失われてしまったんだよ。その結果として俺に【魔力】が宿らなくなったのさ」と、口にしてきた それを聞いた僕は「お前ならどうにかできるんじゃないのか?」と質問するとゼクスは「どうだろうな。俺は確かに【聖剣使い】だが、全ての力を制御できているわけではない。俺が扱う力はあくまで勇者としての恩恵に過ぎない」ゼクスの発言を聞き終えた瞬間、僕の頭にとある単語が浮かんでくる それは僕が勇者の力を手に入れた瞬間
「ゼクスは聖騎士だ」僕がそう呟くと、ゼクスは僕の言葉を鼻で笑う
「勇者だと?俺は勇者なんかじゃない。俺は【聖剣】を扱う者、勇者を名乗るなどおこがましすぎるぜ」と口にする。
勇者と勇者以外の人間が対峙した時に、その両者には埋める事が出来ないほどの溝があると言われている だからこそ【勇者】と名乗る者はその実力を証明する為に戦いを欲するのだ。勇者とは名乗るが決して勇者になりたい訳じゃない。
ただ単純に勇者と戦って勝利する。それが目的だから そんな勇者の気持ちを理解できる者が勇者以外にいるとしたら、おそらくは勇者と戦える程の力を持ち合わせる強者であり、そんな
「俺が求めるものはただ一つ」僕はその言葉を聞いてしまう
「強さだ。それ以外のものは全てくだらない。聖女もそうだ。聖女だ聖女だって、まるで聖人扱いだ。そんなものになんの価値も無いんだよ。俺は聖女とやらに復讐を果たすまでは止まらん」とゼクスが吐き捨てるように言った 聖女に対して抱いている恨みは相当の物なのかもしれない
「まぁいい、行くぞ」とゼクスが歩きだそうとしたその時、僕の目の前に再び現れた人物がいたのである。その相手こそアカリの【お姉ちゃん】である。アカリのお姉ちゃんが目の前に現れるとゼクスの動きが止まった それからアカリ
「お姉ちゃん、また会えた」そう言ってから嬉しそうに姉の元に駆け寄る
「うん、良かった。でもどうして私から逃げたりしたの?」その言葉を受け、アカリが一瞬だけ固まってから僕に視線を向けてきた。その行動を見てゼクスが笑い始める
「ふはははははっ!こいつは傑作だ。アカリお前のスキルはどうなっているんだ?」
その発言に、僕は違和感を覚えた
「スキルってなに?」と僕は口にしてみたのだがアカリと姉の二人とも何も喋らなかったのだ。しかしその代わりにアカリの口から
「お兄さんが私の心の中で生き続けてるんだもん」との言葉
「あぁ、やっぱりそういうことだったのね」
僕の予想通りアカリが僕の心を読めるようになったのは、やはりスキルの影響なのだろう しかし僕には何も聞こえていない。アカリの口から出た【心の声】が聞こえるのはこの世界に来て以来、初めてのことだったので驚いてしまう。
僕はアカリと会話を続けようと彼女の顔を覗き込んだ時、彼女の表情は笑顔であった。しかしそれはアカリの姉も同じくで、その二人はとても幸せそうな顔をしているのが分かった そして僕はこの世界で最強の存在になる為にはアカリの存在がどうしても欲しいのである。その為にも、まずは彼女と契約を交わさなければならないと思った。なので僕は
「とりあえず一緒に来てくれないか?」
「私も、お姉さんにお話聞きたい」
僕とアカリがそんな会話を交わした後、僕らは再び歩みを進めて行くのであった ◆タカシ 年齢 21歳 身長174cm 黒髪に黒い瞳。
服装は、黒のパーカーにジーンズといったラフな格好をしている。普段から運動をする機会が少ないせいか体力が無く、持久走などが苦手。
異世界に転移させられてすぐに命を狙われる立場に立たされてしまい、なんとかその場から逃げ延びた。しかしそんな状況の中、自分と同じタイミングでこちらの世界にやってきた人間と出会い 、彼の中に潜む別の魂の存在を感じ取ったのだ。その後、謎の男とアカリの二人が
「貴方と契約を結ぶ」と口にしてきた為、自分の願いを口にしようとした瞬間、
「待ってくれ」と声が響き渡り目の前に金髪の男が現れる そして彼は「お前達の戦いを見届けよう。俺がこの国の王となるべき器を持つかどうか」と言いながら立ち去っていく。
僕は目の前に現れたアカリの知り合いらしいその男性に警戒している最中にアカリと男性が互いに手を繋ぐと
「契約が完了致しました」
「これで君と私は一心同体。共に歩んで行きましょう」という言葉
「あの」僕はアカリにそう告げると彼女は僕の方をジッと見つめてくる
「あの男は一体誰なんだ?」そう問いかけてみるもののアカリは僕の質問を無視してからアカリのお姉さんの方を向いていた。それからしばらくの沈黙が流れた後、アカリが
「私はタカシと契約してる」と言うとアカリの体が淡い光を放ち始める そんな様子を見た男性は「ほぉ、まさかここまでの力を秘めていたとは」と言ってきた そんな男性の言動を聞いていた僕は疑問を抱いてしまい「どういうことだよ。なんの話してるんだ」
と、思わず聞いてしまったのである。僕が
「おいおい待ってくれよ、こっちはまだ話が読めないんだ。頼むよ教えてくれよ。なにが起きてるんだよ。なぁ、なぁってば」僕は何度も彼に問いかけたが、彼は一切答えてくれる様子がない するとそんなやり取りを見て笑っていた男が僕に声をかけてきて
「すまないな青年よ。お前との契約は一時破棄された形となっている」という男の言葉で、再び目の前にいた女性が僕の前に現れるとアカリに向かって何かを告げる。そして彼女がアカリの手を握ると同じように身体全体が発光し始めると同時に目の前の女性の姿が消えていったのだ。その直後である。アカリが再び僕の前に姿を現すと共に先程とは違う雰囲気を感じると、そのまま僕の元へと抱きついてくるとアカリ
「ねぇ、お兄さんはお友達だよね?」なんて質問を投げかけてきやがったのである。
僕とこの世界の人間は友人関係ではないのにアカリがどうしてそんなことを言い出したのかは理解できないが。その言葉は何故か僕の胸に深く突き刺さり、僕の心を支配していく。僕はアカリが発した言葉を必死になって
「そ、そうさ」と否定しようと言葉を発するのだが上手く口にする事ができない 僕はアカリの【心】を読んでいるせいで彼女の考えを理解することができる。つまり、アカリには僕の【本音】が見えてしまっているということなのだろう。僕はその事実に気付きアカリの顔を覗き込もうとすると
「あれ、顔が真っ赤。おにーさんも熱でもあるんじゃない?」と口にしながら、いきなり額を合わせて来たのだ。アカリが近付くと、僕とアカリの頬が触れ合う。その感触は柔らかくて温かいもので 僕はアカリのその行為に驚きながらも顔を動かせずにいるとアカリは微笑み
「えへ、これくらいなら大丈夫でしょ」なんて事を言ってから立ち上がると
「お腹空いちゃったし、行こう。私、もうおにーさんのご飯食べないと生きていけなくなっちゃう」と言い残してから先に歩き始めたのだった。
◆ゼクス視点
「お前の望みは何だ」俺は目の前に立つ青年に問いかけ
「アカリは僕のモノにする」と言うと俺は笑う その笑いに対してゼクスと名乗った少年が「何を言っているのか分かっているのか?」と問い掛けてくるので俺は「ああ」と答え
「それなら問題はない」
「それなら俺も文句は言わない」と口にすると
「だがお前にアカリを渡すつもりもない」
俺の発言を聞きゼクスがニヤリと笑ってから
「それじゃ、俺の敵ってことだな」
俺の言葉に対してゼクスが「それで、どうするつもりだ?力の差は歴然だろう」と 俺のステータスを見てゼクスがそう言ってくるのを聞き、ゼクス
「俺が欲しい物は力だけだ。それ以外の事はどうでもいい」と
「それにアカリは【魔王軍】の魔導兵器の影響で魔力を失っているみたいだし、そんな状態でお前を倒せると思うか?」と
「無理だろうな」と
「お前の目的は?」
「俺はただ力を得たいだけさ」と俺が口にする
「まぁいい。とりあえず戦う前に一つ聞きたい事がある」ゼクスは俺の目をジッと見据えたまま
「お前は勇者なのか?」
「そうだ。だから勇者を名乗っている」
「なぜ勇者を名乗る」とゼクスが問うので
「それは俺の目的の為だ」と
「目的は」
「復讐だ」と
「復讐か」と呟くゼクスに「そういうお前は復讐を果たした後は何をしたい」と ゼクス
「目的を達成したら特には。それから、目的が達成できるまでは【聖剣】を鍛え上げようと考えている。それが終わったらまた別のことを考えるさ」と
「【聖剣】は【破壊者】によって破壊される運命にあったんだろう。その辺のことは良いのか?」と聞くとゼクスは「仕方が無い。そういう流れなんだろ」と それからゼクスは【聖槍】に【大鎌】に【弓】を眺めてから
「お前達の所有者を始末しろと言われた時はどうしようかと思ったが、お前が【聖槍】を所持するというのであれば安心だな。お前ならば必ず【勇者の遺産】を手にすることが出来るだろう」と
「ところで、アカリに何をしたんだ?」「なにって」と、そこでゼクトは自分の手にしている黒い石を見て
「【略奪の宝玉】の能力で、アカリの心を読めるようにしているんだ」
「なるほど。お前のスキルはそれを奪う為のものでもあったんだな」
俺がそこまで言うと
「俺のスキルが分かるのか」と驚いていた その様子から察するには、恐らくは『心を読む能力』を持っているんだろうと しかし、それだけで俺に勝てると本気で考えているようだ
「あははっ、面白い。本当にお前のようなヤツは初めてだ。そんなふざけた奴でもアカリの側に居られる資格があるというのか。そんなバカみたいな事があってたまるか」
「そう思うなら、今から証明すれば良い。ただし」
「アカリに少しでも手を出した時点でお前を殺す」
その一言を聞いてからゼクス
「そんなことを言える余裕があればだがな」と言ってきた
「そうか」俺は短く答えると拳を強く握りしめ、それからゼクスに向けて一気に距離を詰めて行き殴りかかろうとすると――「なんだ、まだ戦いにならないか」「なに?」
そう口を開いた直後であった。突然、視界が大きくブレると同時に意識を失った。最後に目に映ったのはこの世界にきて始めて経験をする激しい頭痛であった ◆シンドウ視点
(な、なんなんだ、この感じ、頭の中に、何かがいる?)と心の中で考えると、すぐに頭の中を駆け巡る声のようなものが聞こえてくる
(なぁ、アンタもしかして【勇者】か?)
僕は自分の声とは少し違った声で喋る存在の声が聞こえる
(あんた
「お前は俺が欲しいと言ったよな。なら、力をくれてやる」
俺がお前の力を手に入れればお前なんかすぐに殺してアカリを奪ってやると。だけど、その考えは甘かった。アカリの心の奥底では
「私が、おにーさんを守らないと」そんなことを考えていて お前はその事実を知ると怒りと悔しさを露わにしながらも「そんな訳がない」そう思って
「そんなことがあるはずがない、だって俺は勇者なんだから」とそう思っていたのにも関わらず。それでも、心のどこかに存在している自分がいて、だからこそアカリのそんな想いを知った時
「そんな馬鹿なことあるもんか」と必死になって思い込んで。そして、そう自分に言い
「お前なんかいらない。俺はアカリを手に入れるんだ」
そう心の底から叫ぶ。そしてそんな彼の心を読み取っていく内にアカリも同じように思っていることを知ると
「なんでこんなに違うんだ」と口にしていた。彼は
「そんなわけ無いんだ。これは俺の夢だ。俺だけの願望だ。夢でしかないはずだ」と、そして
「俺には力が、俺にはまだ力が足りない」
彼はそんな言葉を吐き出しては、心の中では、俺の邪魔をした【神殺しの聖杯】への憎悪を募らせていく。そして、この世界へとやって来た。
「俺に力を」彼は口にすると同時に俺の方を見て「お前が俺の邪魔をしなけりゃ」と口にした後、彼は立ち上がり、自分の体を触り「これなら十分に戦える」なんて事を言ってきたので「それは良かった。じゃあさっさと始めるか」俺は彼に向かって一歩を踏み出し、その瞬間だった。
「おいっ、お前はアカリの側から離れるなよ。絶対にアカリに危害を加えるな。もしも手を出そうとしたら、俺は、お前に容赦しないぞ」と、ゼクスがそんな事を言ってきて
「それはどういう意味だ」と、俺は質問を投げかける ゼクスが「さっきまでの怒りはどうした」と尋ねてくるので俺はそれに答えず
「さぁ早く続きを始めるか」と言葉を口にすると「そうか、それなら仕方がない」と口にするとゼクスの身体が光始めていく。そしてゼクスの肉体が変化すると「行くぜ!」と俺が攻撃を仕掛けようとしたのだが、それよりも先に、ゼクスは俺の背後に回って「お前の負けだ」とそう口にしたのだった。その言葉を耳に入れてからの俺の身体からは、全くと言っていい程に動けなくなってしまった。まるで蛇に睨まれた蛙の如く身動きが取れなくなったのだ。ゼクス
「これが俺の新しい力。『束縛』の力。相手を行動不能にしてしまえばこっちのものだ。その状態のままゆっくりと痛めつけて殺すことも可能だしな。ちなみに今の俺のレベルは100万を超えているしステータス値も高いしレベル差補正も受けている。いくら勇者と言えども普通の状態でこの俺に勝つことは不可能だろうし 俺は【神剣 エクスカリバー】を取り出しゼクス目掛け振り下ろしたが避けられてしまった そのまま地面を切りつけるが、地面に切りつけたはずの【神器】である聖剣が粉々になってしまうほどの衝撃を受けて俺はその場から離れようとすると、「無駄だ」とゼクスが言った次の瞬きの間に背後に現れた俺はゼクトが【神速】
「遅い」と【神速】を使用してから一瞬で背後に回り込むと【天魔刀】を振り下す ゼクトがそれを受け止めようとしたが【神速】を使用したままなので攻撃を完全に回避することができずに吹き飛んでしまう それを見たアカリは「なにあれ?どうしてあんなのが存在するの?私のおにーさんは人間じゃなかったの?」と困惑していたが「今はとりあえず逃げることに集中してくれないか?このままじゃ俺たち二人とも殺されるだけだからね。だから逃げてくれ」アカリは僕のお願いに対して戸惑っていたが僕に言われるがままに部屋を飛び出した。その様子を見届けてから 俺は、俺に攻撃を仕掛けてきている存在を視界に捉える。その姿は黒い
「おいお前は何なんだ?なぜ【聖剣】を使いこなすことができてる?普通じゃありえないんだ。俺はこの力で多くのモノを殺し、奪い続けてきた。なのにお前のような何も持たない無能に俺は負けたっていうのか」俺が【勇者武器解放】を使うために聖剣に触れてから俺は目の前の男がなぜ聖剣が使えるのかを問いかけてきた
「聖剣が俺を選んだんだ。聖剣を手にした時に分かったんだよ」俺がそういうも男は納得できないようで何度も俺の事を斬りつけてくる
「ふざけるんじゃねぇよ!聖剣に選ばれて選ばれただと!俺がどれだけの年月を費やして聖剣使いになれるようになったと思ってるんだ!?お前ごときが選ばれて良い訳が無いだろう!そんなことあってたまるかぁ!!」男は激高すると攻撃をしてくる速度が段々と上がり、その速度は【勇者武器解放】を使っている俺でさえ避けることが難しくなり始めた頃に【聖装武具創造】を使用しようと意識を向ける
(こいつはもうダメだ。殺そう)と頭の中で声のようなものが聞こえてから、俺は、男にトドメを刺そうと動く 俺はアカリちゃんを連れて街を走っている途中。俺は、今の状況に違和感を抱いていた。
まず一つ目が先ほどまでは魔物たちが襲いかかって来ていたが、今はまったくと言っていいほど姿を現さない 二つ目に街中の人々は特に騒ぎ立ててはいないということだ
「なにか変じゃない?」と、アカリに聞かれたので
「たしかにそうだよね。今までにない感じがするのは確かだよ」と、話をしながら走り続ける。
「な、なにが起きてるんだろう。なんかおかしいよ」
「大丈夫だよ。何が起きたとしても俺がいる限り君を守るから」
「えっ?」とアカリは驚いている様子だったので俺は気にせずに「とりあえず、どこか安全な場所に移動しよう」とアカリの手を握って走る それからしばらく走っていたところで「あっ」アカリは急に足を止めたので俺は不思議に思いながらアカリに「どうしたの?」と聞いてみた アカリは自分の腕に巻かれている包帯に目を向けて「怪我したみたい」と言い出すので「少し見せてみて」と俺は言うとアカリの着ていた服をめくった その瞬間、彼女は「ちょ、ちょっとおにーさん」と慌てていたので「ゴメン」と謝り「どれどれ」と言ってから傷口に手をあてる。そして【完全回復魔法 エクストラヒール リフレッシュ フルリカバリー オールキュア】の四属性の同時発動を行うと、アカリの腕の痛みは完全になくなり傷口も完全に塞がる
「凄い。こんな簡単に治るなんて」と感動している彼女に「とりあえず移動を再開させようか」と提案して再び駆け足で進むことにした。
(さてと、
「あのクソ野郎をぶっ殺した後は、 この街も滅ぼすかぁぁ!!! ヒャハハッ!!最高だぁぁぁぁぁ!!!!」)
(なんだか様子がおかしかった気がするけど。
やっぱり、なにか嫌な予感がする)
アカリが突然、立ち止まった理由は どうやら俺のせいだったようだ そんな彼女のことを少し見つめて「なにがあったの?」と尋ねる 俺が話しかけるとビクッとして 顔を赤らめて
「お、おにーさんは気づかなくていいから」とアカリは口にしたので 俺は
「そっか」と短く答える
「うん」
それから
「アカリ」
「なに」
「少しだけ待っていてくれないか。用事を終わらせてくるから」と、アカリに伝えて 俺は、彼女を残して一人歩き出した
「どこに行くの」
「アカリには内緒」
それだけ言って俺は街の中を突き進んでいく。そして目的地へとたどり着く
「おぉお、これはこれは、久しぶりだね。タカシくん」
そう言ってきたのは金髪の男
「そうですね」
俺は素直に応えると彼は笑みを浮かべ「で、君は私と取引がしたいということでいいのかな」と尋ねてくる それに対して「そう思ってもらえたら嬉しいんですが」と返事をして
「あなたは僕を救ってくれました」
「私は君のことを助けたわけではないよ」
「でも僕にはあなたの助けが必要です。それに、僕は約束を果たします。必ずあなたとの取引に応じてくれれば、その見返りをあなたに与えましょう。ただし、取引が上手くいった場合。
もし、失敗した場合には、分かっていますよね」
俺がそういうと彼は笑い出し
「分かっているとも。しかし その程度で私が動くと思っているのか?」
俺は
「それは分かりませんよ。
あなたならこの世界を滅ぼすことも可能でしょう。
だから、あなたに勝てるとは最初から思っていないんですよ」
と口にすると男は嬉しそうな表情を見せて「やはり、お前ならこの世界に混乱をもたらしてくれると思っていたよ。だからこそ 私はお前のことが大好きだよ。お前の願いを聞き入れようじゃないか。だが条件がある。お前の本当の能力。『神殺しの聖杯』を使わせてくれればいいよ」
それを聞いた俺は一瞬にして頭に血が昇り、そして、
「断る」そう答えた それを聞いて
「ほう、それはどういう意味なのか聞かせてもらえないか?」男は尋ねてくるので 俺は「あんたは 俺のことを利用するつもりで、その力を使って、世界を支配しょうとしているんだろ?俺にだってそのぐらい分かるさ」と言葉を口にした それを聞いて
「フハハッ!そうさ、その通りだ。
ならばどうするつもりだ? この私を殺すのか? お前が そう思うのであればやってみるがいいさ」
俺が言葉を口にした途端に、 俺は目の前の人物に攻撃を仕掛けたが 攻撃が当たることはなかった。
俺は攻撃を避けられてから相手に向かって攻撃を続けようとするが。相手に俺の攻撃は一切通用しない
「なぜ、俺に攻撃を仕掛けなかったんだ」
俺は疑問に思っていた事をそのまま目の前の存在に対して尋ねた すると奴は笑い出して
「なんのために、君を傷つける必要があるんだい? そんなことは必要ないんだし。そもそもの話をするが なぜ君は私の力が効かないのか。君には本当に感謝しているよ。まさかここまでの力を持っていたなんて想像以上だ」
「質問の返答はどうした?」
俺がそう口にすると男は微笑みを見せ
「あぁすまない。私の目的だっけか? 簡単なことだよ。私は、この腐った世界を 変えたいだけだ。そのために、私は【魔人王】となり。
この世を闇に包む。そして全ての魔族を支配することで 新たな世界の幕を開けるのだ。そのための準備はすでに整っているのだから」と、自信満々に語る姿に俺は呆れて何も言わなくなる。そして【勇者武器
「さようなら」と声が聞こえてきたと同時に目の前にいた男が【勇者武器】を手にして 【天装】と、呼ばれるモノを呼び出し 【天装 光剣エクセリオン ホーリーセイバー】と呼ばれるモノを呼び出したあと 俺のことを斬りつけてくる 俺とゼクトの二人が戦っていた場所では 激しい戦いが行われていた お互いがお互いに自分の全てをかけて戦うのである そんな最中に俺は相手の剣に対して、 刀で応戦していくと
「お前の力は、その程度か」と呟きながら剣を振り下ろしてきたので【聖壁】を発動してから、【勇者剣 デュランダル】を使い【斬波】を放っていく 俺
「どうだ、これがお前を倒すためだけに作った俺だけの武器だ」
ゼクス
「面白い。だが、その程度の技で、私が倒れると思うのか?」
俺は 俺
「いいや。
倒すために、全力を出したまでだ」
ゼストが手にしていた
「俺だけが使うことのできる最強の武器だぜ」と言うのだが【英雄武器解放】を使うために意識を集中させていく 俺
(これで終わらせてやる。こいつは、生かしておくことはできない)と頭の中で思いながら【真祖吸血鬼】と【神獣白狐】の二つのスキルを同時に使い始める。まず最初に
【超速転移 瞬】と 同時に【肉体強化】と【速度向上(極)】を使用しつつ、【筋力増大(極)】と【身体能力上昇(限界突破)】の四つを使用するとゼトスの視界からは俺の姿が消え去り。それと同時に【空間切断術式:零距離切断発動】という声とともに俺の声も一緒に響いた 俺はそのまま、身体から
「ぐはぁぁ!」と、口から吐血をしながら地面へと倒れ込む
「お前の力は、まだまだこんなものじゃねえんだろう。見せて見なよ。タカシよ。俺にはまだ勝てるはずだよな?」
俺は地面に這いつくばる状態のまま。なんとか立ち上がるが既に
「どうだ?降参してくれるのかい?」
「ふざけんな。まだ負けてねぇだろうが」と俺は口を開きながらも息を整えることに専念するが、どう考えても勝ち目が無いのでどうしようかと考えていると俺の背中から「お兄ちゃん。今助けてあげるから待ってて」とアカリの言葉が耳に入り 次の瞬間には目の前
「なっ!?」
俺は、驚きを隠せない状況で
「なんだ、これは。お前に何が起きた」と俺は口を開いたまま動けずにいるとアカリが続けて言葉を紡いでくる
「私は、あの男を許せない。私を騙しておにーさんを殺そうとしてきたことも、こんなくだらないことにおにーさんを巻き込んで苦しめたのも全部!!!絶対にゆるさない!!!」そう言った瞬間にはアカリの周りに炎が出現すると彼女は詠唱を唱え始めた「燃え上がり全てを無へと還せ!煉獄業火発動!!」と叫んだ直後、凄まじい熱量の火炎が発生し
「こんなもんだよね」と一言だけ
「おいおい、なんだ、その魔法は。聞いたこともない。お前は一体誰だ?」
と、口にしたがもう手遅れな状態でアカリの一撃によってゼストの上半身と下半身が真っ二つに引き裂かれる 俺は、あまりの出来事に唖然としてしまう すると「おにーさん」と声を掛けられると俺はアカリから抱きしめられたのだった 俺の目の前に現れた 女 彼女こそ 俺を異世界に連れてきた存在であり
『創造神』
「さっきの話は本当なのか?お前は、『魔王』と『魔神』を従えていると、そう言うつもりなのか」
俺の話を聞いた男は、ニヤリとした表情を見せ 俺に向かって
「それが事実なのだとすればどうするんだ?タカシよ。
私は君に選択肢を与えてあげようと、そう考えている。もし私と共に来るならば 君は私と同じような力を持つことが出来るようになる」と言ってくるが。俺はその言葉に対して
「断る。俺は、あんたのような奴に従うつもりはない」と口にした
「ならば ここで死ぬがいい。だが忘れないことだ 君のその力は必ず必要になる時が来る」
俺の体が徐々に光り出す その様子を見
「では また会おう。タカシ」
その言葉を最後にして 俺は元の世界に戻ることになった
「大丈夫。おにーさんのことは 私に任せてくれれば問題ないよ。おにーさんは安心していて」
そう口にした彼女に 俺は任せることにする そして、僕は気がつくと、 見知らぬ部屋の中におり。隣には、少女がいた。その少女の名前は『アリア』といい。この世界に俺と同じ時期に転生をさせられた
「えっとさ、ここはどこ?」と尋ねるが。返事がなく しばらく待つと「あっ、起きられましたか?おはようございます」と言われ
「あ、うん、そうですね」と答えると「ごめんなさい」と言い出し
「私は『ラノベ主人公』としてこの世界で貴方様と一緒に行動して欲しいと言われたのですが、私のことを信用してくれますか?」と言うのだが
「それはどういう意味なのか教えてもらえないか?」と口にすると
「私は、『女神』です。ですが 私の力は、殆ど残っておらず、本来ならこの世界に現れるはずもなかった。そんな時に私の前に1人の男性が姿を現し。そして私の願いを聞き入れてくれた。だからこそ、その願いを果たすために来た」そう言葉にしたのだ。
俺の体に起きた異変について調べた結果。どうやら【呪毒 死に至る運命】が俺の命を狙っていることが分かってきたのだ。俺は それを理解した俺は、俺自身がこの世界に来るときに得た能力をフルに使ってこの【呪いの刻印】を解くための方法を模索しようと考え。この世界の情報をある程度は得ておくべきだと判断してから、 この世界のことを知るため。俺はギルドに登録を行うべく ギルドに足を運んで行くのであった。
俺
「お前の相手はこの俺だよ。お前だけは、生かしておけない」
俺が【真祖吸血鬼】の吸血能力を発動させて相手の動きを止めようと考えた その前に、
「その程度の攻撃で、私が倒れると思っているのか? 甘いな。その程度の力では、私は倒せんぞ」
「いーや。俺の力はこれだけじゃないぜ」
俺
「お前を倒すためだけに用意した俺専用の武器さ。これが俺の全力だ。喰らえ」と俺は叫ぶなり【勇者武器】の 剣を取り出し、そのまま振り下ろして斬撃を放ち。そのまま追撃を加えていく 俺 俺はそのまま【勇者武器 天装】の【天剣エクセリオン】で攻撃を仕掛けるのだが。やはり 【天装】による攻撃でもダメージを与えることは出来なかったのだ 俺は【勇者武器 勇者聖剣 デュランダル】と【勇者武器
「これで終わりだぁぁぁ」
俺はそう叫び【聖剣 デュランダル】と【勇者聖剣 デュランダル】による連続攻撃を行い。俺はさらに剣を振っていくと。ようやく俺の放った連撃が奴の身体に傷をつけることに成功する 俺はこのまま
「うぉぉおお」と声をあげながら、俺が持つ最強の技である 【神剣 エクスカリバー】を使い。
剣を振るいながら 俺は目の前の男に向けて【神剣 エクスカリバー】の剣身が伸びるという効果を使用した後に
「俺に勝てると思うなよ」
と呟きながら。俺は剣を振り下ろすと同時に 俺は、俺に攻撃を繰り出し
「さすがは勇者と、いったところだな。俺を殺すとはな。ただお前は知らないのか。お前の攻撃が効かなかったのは【神器 ディザスター】の力だ」と言った直後に俺は背後からの気配を感じて咄嵯に避けようとした瞬間 俺が先ほどいた位置を何かが通過していき。その攻撃の余波を受けて俺が飛ばされるのだった 俺
「なんだ!?今の技は」と口にして【空間移動術式】を使用して俺は【瞬動術式】を使用しつつその場から離れるのだが。しかし、俺はそこで目にしてしまったのである 俺
(なんだあれは。なんで俺の知っているものなんだ?)
そう俺は思ったが すぐに
「どうなってんだよ」と俺は口にしながら目の前に現れた人物のステータスを見て驚くのであった。何故ならそこには、こう表示されていたからである 【名前】ゼスト 【種族】人間(神族)【神格】999(限界突破済み)
【年齢】0 【体力】999,999/10000 【
「俺も驚いたぜ。まさか、あの時の小僧が再びこうして目の前に現れてくれるなんて思わなかったからな。それにお前の連れの女にもな。だから俺は、お前達2人を始末する」そう言った瞬間には目の前からゼストの姿が完全に消え去ると。次の瞬間にはルナの首根っこを掴むと持ち上げた状態で「こいつを助けるためには俺に力を貸してもらう必要がある。そのためにはまずは こいつに消えてもらわなきゃならないんだよね」と口にした その言葉を聞いた瞬間に俺の頭の中に浮かんだことといえば、どうしたらルナを助けられるのかという思考しかなかった 俺は目の前の光景を目の当たりにした時に 自分の中のなにかにヒビが入ったかのような気が
「おいおい、どうなっているんだ。俺は何をしているんだ」
そう言葉を口にした俺は目の前にいる女性に対して剣を向け そして、剣で刺したのだった そう俺は目の前で起きている出来事をまるで他人事のように見ていたのだったが。次第に頭の中にあることが浮かんでいくのであった。その考えを俺自身は信じたくはなかった。だが、今の状況を見る限り、俺は今まさにその答えが正しいのではないかと感じていた
「ふむ。なかなかどうして楽しめたよ。じゃぁね。タカシ」そう言った瞬間には、俺は俺の視界の中からいなくなり それと同時に俺の意識が徐々に覚醒していく 俺が気がつくと俺は地面に這いつくばっており、
「大丈夫ですか?」と言ってくる人物がいたためにそっちの方を見るとそこには『ラミア』と呼ばれる亜人が存在しており 彼女は『ミレイ』と名乗ってきて「私達の里に来ませんか?」と言ってきたため 彼女の言う通りにして付いていこうとすると
『タカシー!!』と言う声が聞こえてきたために振り返って見るとそこには『リザードマン』と呼ばれている二足歩行をするトカゲの姿をした生物がいた そして俺は『ミケナ村』に向かうため。彼女たちに連れられて『竜の森』へと向かうことになるのだっまたがこの森を抜けないと村に行けないため
「お前は一体ここで何をしていた。そしてお前の名前はなんだ?名乗らないということは怪しいやつかそれともバカのどちらかになる」と言われてしまい
「そうだ、俺の名前は」と言う前に、
「おいおい、あんまりうちの相棒のことをいじめないでくれるか」そう言葉にしたのは全身を銀色に光らせた存在で、その姿を視認するだけで分かることがある
「あぁ。やっとお目覚めになったか。待ちくたびれたよ」
「ま、とりあえず。自己紹介ぐらいさせてくれよ」そう口にすると銀狼の瞳孔が大きく広がり、そのまま銀狼が言葉を続ける
「俺は【神狼王 フェンリル】のガウルだ。よろしく頼むよ。タカシ。」
俺は【真祖吸血鬼】の吸血能力を使い【吸血鬼の魔眼】を使ってステータスを確認したのだが。その
「マジでレベル99の相手なのかよ。俺とのレベル差が大きすぎだろ。しかも、神族の文字化けスキルまで持っているのか。これは、やばいな。どう考えても勝てる見込みがないぞ」と思わず口走ってしまうと。
【勇者武器 勇者聖剣 エクセリオン】の能力を発動させると 【神剣 エクセリオン】の剣身に無数の刃が生え始め そして俺は、剣を振りかざすとそのまま斬りつける動作をした時に俺の身体の中に流れ込んできた魔力を 全て【聖剣 デュランダル】に移し替えると。そのまま【勇者武器 デュランダル】を
「お前を斬る」と言うなりそのままの速度で【神剣 デュランダル】を振るい。【真祖吸血鬼】の吸血能力を起動させると同時に。俺は目の前の敵に向かって斬撃を放ったのだが。その攻撃をまともに受けたはずの【銀神狼】がダメージを受けていないどころか無傷でそこに立っていて。その光景を目にしてしまった瞬間に俺は背筋がゾッとした感覚に襲われるのであった
「そんなわけないだろう」と言いつつ【神剣 エクセリオン】を再度振るい 【勇者武器 デュランダル】による連続攻撃を行っていき そして、攻撃を行う度に【神剣 エクセリオン】の剣身が分裂していき
「まだまだまだだ。こんなもんじゃないぜ」
俺の言葉を聞いた目の前
「いいだろう。少しばかり本気で相手をしてやる」と言い放つと 俺は俺が放った連続の剣による攻撃をすべて避けきられてしまう
「これでどうや」と思いながら【神剣 デュランダル】の【聖剣】と【神剣】を発動させると
「これで終わりにさせてやらぁぁ」と口にして俺は【神剣 聖剣 セイントセイバー】の連撃を放ち その攻撃が命中したと思った時には【神剣 デュランダル】の剣身の分裂
「これが最後の攻撃だ。受けてみろよ。この一撃で終わらせさせてやら」そう口にした瞬間には【神剣】の剣身を分裂させると。俺が【神剣 セイントセイバー】に魔力を流し込むと 【神剣 セイセントセイバー】から放たれている光の輝きが増大して行き その攻撃を見た瞬間に 俺
(このまま行けば俺は確実にあの攻撃をくらう。なら、その前に)
俺は目の前に迫りつつある攻撃を避けると同時にそのまま 地面を蹴飛ばすと目の前の人物とすれ違い様に声をかけてみるのだった。そして俺自身も驚きつつも【勇者武器 勇者聖剣 デュランダル】で相手の首元を狙い
「俺がお前を倒さなきゃ。ルナを救えないんだろう」と言った後に 俺と俺は同時に剣を振るうのであった。その結果として、 俺が放った剣身が分裂したままの攻撃と俺が振った剣身が分裂しない通常時のままの剣による二連撃が衝突して爆発が起き お互いを吹き飛ばしあいながら、 俺はその場から離れていくのであった。
俺は目の前の敵に剣を振るおうとしたが 目の前にいる女は剣の切っ先をこちらに向けると共に、
「あなた、勇者ですわよね。なんの用があって私達の前に姿を現しましたの。まさかとは思いますけど。私達の邪魔をしようなんて思っていないでしょうね」と言った直後に俺の顔面に
「私のことを覚えていますわよね」と言われたのであるが。正直言って目の前の女のことは覚えていなかったのである。
その言葉を聞いて 目の前の女が「は?私が誰かわからないって言いたいんですの。ま、別に私もあんたの名前なんて興味はないんで別にいいのですが」と言った後に「私の名前は、アリス=スカーレットですわ。魔王軍の幹部にして 紅の一族 【血姫 ブラッディローズ】と、呼ばれる者でもあるんですよ」と言った直後に 【魔道砲 エクスカリバー】の銃口を俺の頭部に狙いを定めてきたのである
「それで、貴様に俺と敵対しようとする意志はあるのか?」
俺は目の前にいる女の行動を観察
「どうするつもりなんだ」
【神獣化 フェンリル】を起動させた俺は、自分の身体能力が上がっている事を確認し 俺は【瞬歩術式】を使用しつつ【瞬動術式】を発動させるとともにその場から離れると、 俺は俺の目の前にいた相手に蹴りを叩き込んだのであったが
「なっ」俺は俺が目の前から消えると予想すらしなかった出来事がおきたので俺は思わず動揺してしまい動きを止めてしまう。その隙を逃すことなく
「ふむ。まぁまぁの動きだな。だがしかし。俺には及ばない」と言うと目の前の女が一瞬だけ光り輝くと その発光現象が収まった後には俺の腹部に拳がめり込んでいて
「なっ。なにが起こったんだ」と、俺の思考は目の前で起こっている光景を理解することができなかった
「おいおい、俺はなにも特別なことなんかしちゃいないぞ。俺は、俺自身の身体に雷を纏わせることでお前に接近戦を挑んできたってことだ。そして俺の今の技は【迅閃 ライトニングソニック 】というんだが。まぁ、簡単に言えば超速で移動してから相手に攻撃をぶちこむだけのただそれだけのものだ」そう言うと俺の顔面に向けて裏拳を放つ。
その一撃を食らう寸前に俺の首根っこを掴むと、そのまま
「ほぉーら」と掛け声をかけると 俺と、俺は、互いに殴り合うこととなる そして俺は目の前で起きている事態についていけなくなっていたのだったが
「ふむふむ」と、目の前に存在している俺が顎に手を当てながら「ふむふむふむふむふぅむむ」と呟いている姿を見る限りでは
『なるほど。この世界に飛ばされた際に俺自身に対して【魔眼】を発動していたせいなのか』と言うことを考えることができたため 【神眼】を発動するなり目の前に存在する俺を解析すると【聖魔刀】を腰から引き抜きそのまま 目の前の存在に向かって切り
「そんなのが通じると思っているのか」と言うと、俺の視界から消えたのだが、俺の背後から声が聞こえてきたので そのまま、後ろを振り向くのであった 俺の後ろに存在していたもう一人の俺は、ニヤリと笑みを浮かべると俺の方を見て
「どうやら気がついたようだな。お前に攻撃を仕掛けていた時に俺は【転移】を使ったんだよ。そして、俺の目的はお前を無力化することだけだ。お前にこれ以上、危害を加えるつもりは無い。そして今お前が行っている行為が意味がないものだと教えよう。さぁ大人しく降参しろ」と言ってくる
「誰がお前に降伏するだ」そう口にすると 【勇者武器 勇者武器 デュランダル】の剣身に【神剣 デュランダル】の剣身を分裂させると
「まだ。俺は戦える」と口にすると。目の前に居る俺が【聖魔刀】を構えているのだが その表情からは、諦めの色は感じられず。俺はどうしたら目の前の存在が納得してくれるのかを考え始めたのだが
「なぁ俺よ。そんなことをして一体何になるんだ。そんな無意味なことをやめろよ。俺達はここで戦い合ったとしても、お互いに得られるモノは何一つ無いだろう。それに、もし戦うことになるのであれば
「俺が勝つぞ。俺は【真祖吸血鬼】の吸血能力がある限り。不死身のような存在になれるんだからな。そして俺が勝っているところも ある。それが分かるだろう。だから俺は、お前を倒すことができるんだ。」と言いながら【聖魔剣】の剣身を再び分裂させて 俺の分身体を倒そうと試みる
「そうだな。お前のその言葉の通りかもしれないな。俺はこの場でお前を打倒することができる。そして俺は、俺自身が負けるようなことになればこの身体を手放す。そうすれば お前の言っていることが真実かどうか確かめることができるはずだ。さて問題だ。お前は俺の【神剣 デュランダル】と、俺自身の【神器エクセリオン】の能力を把握したうえで戦いを挑んでいると思うのだが。それは正しいと判断できるか?」
「当然だと思えるが。俺の考えが間違っているとでも言いたい訳か」
「いいや違うな。俺はなにを考えているんだ」と言い放ち。俺は【聖魔剣】の剣身を俺の頭上に出現させると
「お前に俺を斬らせるように仕向ければいいんだ。俺が、【聖剣】の【聖魔法】を使い、【神聖属性付与】と、【浄化 ディスインティグレーション】を発動させれば、【聖魔剣】の【聖剣】と【聖魔弾 ホーリーショット】が使えるからな。【神聖属性付与】と、【聖撃強化】を使 その行動を止めると 俺は、俺に話しかけてきた男に剣を斬り込むが。俺は俺の行動が読めていたため。【神獣化】を発動させたままで回避を行う。その動きを見た相手は、少しばかり驚きを見せると同時に俺のことを褒めたのであった。
目の前にいる相手の言葉を聞いていたのだけど。俺の実力を目の前の人物はある程度知っているようで、だからこそ。目の前にいる人物の発言に嘘はないと確信を持つことができたのである。それ故に俺は
「そうか」と一言つぶやくと 目の前にいる相手の攻撃を避けると。俺に攻撃を回避されたことに驚くこともなく俺のことを見つめ返してくる そして、その人物は俺に対して、こんな風に問いかけて来たのだ
「それでだ。どうして貴様は、ここにやってきた。その理由を教えてくれ」
目の前に居る俺が何を言おうとしているのか分からないが、とりあえず目の前に居る人物が、本当に自分と同じ存在であるのかを確認するためにも質問をしようと考えたのである。そこで俺は目の前に立っている自分に問い掛ける
「お前が俺自身だと確認できた以上。お前にいくつか聞きたいことがあるんだが。まずはお前の名前を聞かせてほしいんだが。いいよな」
「あぁ俺の名前は、俺だ。それ以外で呼ぶ必要が無いだろうが。それよりもお前が聞きたがっている名前を俺も知りたかったんだ。どうしてお前は【神化】と、【魔王】を使わないで、【勇者神化】を発動しているんだ。まさか、とは思うが。魔王と戦うための修行の旅をしているなんてことはないよな」と聞いてきたのであった。なので、俺は
「なっ。なんでそれをしっているんだ」
「まぁ。なんだそのなんだ。そういう反応だよな」
「なっ。なんでそのことを」と俺は言うと、俺が苦笑いをした
「ま、そんなことよりも、だ。俺に名前を教えたところで。別に損するようなこともないしな。教えてやるけど。まぁ俺は【神獣 フェンリル】の力を手に入れたんだ。まぁ色々と理由はあるんだけどな」と、俺がそう告げると。俺が嬉々として説明してくれた。なんでも俺が【魔眼】で解析したところ、どうも目の前に存在している俺には【神装武具 神狼フェンリル】と言う物が存在していなく、その代わりに俺が装備していた、俺の【魔王の魔眼】の能力の一つでもある。【魔導武装 ヘルメスの杖】が、どうも俺に【魔道砲 エクスカリバー】を貸したときに、いつの間にかに、俺が装備していたらしく、そのことから、目の前に存在する
「つまりは俺が持っているスキルに。【勇者武器】と言うのがあって。その中に【神魔弓 アルテミス】って言う弓矢が存在する。そしてその【勇者武器】の中には俺達が持つスキルの中で最強と言えるものが揃っているんだ。その中でも一番人気なのは俺達の世界で大人気のアニメキャラの名前が付けられた武器達があるんだよ」
「そうなのか」と俺は言うと。
「ああ、ちなみにだが、そのアニメって言えば分かるのか」と聞かれたので俺はこう答える
「ああ勿論分かる。まぁこの世界の奴らが知ってるかは分からんがな」と俺がそう口にすると。俺は
「そっか。じゃぁその話はまた今度ってことで、さてと、だ。お前は一体俺に何が目的だ」と聞いて来たので
「お前が、何者なのか。それを俺は理解しなければならない」
「お前に話すような内容じゃないぞ。俺はただ。自分の好きな漫画を見ているだけだ」と俺が口にしたので
「なんだよ。俺とお前が別人だってことを理解できねぇわけでもなさそうだな」
「どういう意味だ」と、俺は尋ねる
「まぁ俺から話した方がいいよな。お前はこの世界に飛ばされてきたときに。神から与えられた力に違和感を感じたんじゃないのか?そのことについてなにも感じなかったはずは無いと思うが。まぁ今はそれはいいか。話を戻すぞ。俺は元々の世界にいたときはな、俺とお前と同じように。異世界転生された一人だったんだ。俺にも家族がいた。親父と母さんそして妹。そんな家族の思い出もある」
「だから」と、俺は、俺が何をしようとしているのか分かったのである 俺が口を開いた瞬間
「お前がこの世界で。何を求めているかを知ろうと俺は、この場に来た。それだけだ。俺は、俺自身の力で。元いた世界に帰るためにこの力が必要なんだ。この力をお前が持っていても。きっとこの力を使うことは無いと思ったから、こうして俺がお前の前に姿を表してお前の持つ能力の全てを把握しようとした」と
「それが。お前の本当の目的では無いだろ。本当はもっと別の理由で動いているはずだ。それが一体お前にとってのなにが大切なのか俺に見せてくれないか」と俺は口にすると目の前の俺に向かって攻撃を仕掛けるのであったが その一撃が俺に当たることはなかったのであった 目の前の男が攻撃をしてくるのかと思っていたのだが。俺の前に現れたもう一人の俺は攻撃してこず。そのまま目の前の俺が
「そうだな。お前がどんな思いを抱いてこの世界にやってきたのか、その目的は俺も知りたいと思わない訳ではないんだが。それはまた今度にするとしよう。それより、なぁ俺はこれからどうしたらいいんだ」
「お前の目的が俺と同じかどうかは知らない。けれど俺の目的は。俺が帰るための鍵を手に入れる事。それこそが、今の自分が出来ることだと考えているからだ。そして俺はそのために行動するつもりではあるが。まずはその目的を達成するためにお前の協力が必要になると思っている。だからまずは俺の話をちゃんと聞け、俺がこの世界にやってきたのには理由がある。それは」と俺が説明を始めようとすると、俺に襲い掛かってきた存在に対して、俺は反撃をするべく【魔王魔法】
「おいお前。いきなり人の家の中に土足で上がり込んできて何やってるんだ?」
俺の家に突然やってきた人物に対し、俺が質問を投げかけると その人物の瞳は赤く光り輝くと、そのまま地面に倒れこむのである。俺は倒れたその女性を介抱しながら、彼女の様子を見て
「うーむ、特に怪我はしていないようだな。とりあえず【ヒール】をかけておくか」
「あれ、おにいさん」
「えっ、まさか君は」と、俺は驚いた表情を浮かばせながら少女の姿を見て
「久しぶりだね。確か、最後に会ったのは2年ぐらい前だったよね」というとその言葉を受けた少女
「あの時はごめんなさい。私は、あなたのことを殺そうとした。なのに、どうして助けてくれたのですか」
「どうして、と言われましても。そもそも君を殺す理由なんて僕にはなかったと思うんだけど。それよりも君の事をどうして助けたかって言われると。目の前で倒れていたからっていうのが一番かな」と俺がいうと、俺
「それに、君みたいな可愛い女の子が傷ついてしまう姿なんてみたくないからな」といってから
「それじゃあ改めて自己紹介させてもらってもいいか?」と俺が質問をするが、少女は困惑した表情を見せつつも、コクっと頭を上下に振るのであった。なので俺は「僕はタケルだ。よろしく」と俺が名乗ると。彼女は少しだけ考えこんだ後、こう言葉を漏らしたのである
「私はアリス、アリスよ」
そうかアリスと言うのか、俺は彼女の名前を聞き。彼女が何故こんなところまでやってきたのかを尋ねた。俺の言葉を聞いたアリスは少しの間沈黙を続けたあとに
「うん、実は、お父さんの病気がよくなって、それで。私が今までずっと看病をしていたんですけどね。最近ようやく私を外に出してくれるようになって、それからすぐに街に買い物に行ったんですけど、その途中であなたと出会った訳です」と説明するのだけど。俺は首を傾げてどうしてこんな場所にやって来たんだろうと考えたけど その答えを見つけることはできなかった。そこでアリスは続けてこんな発言をする その声色には焦燥感が含まれていて その声色から何かを必死になって探し回っているということが分かり、さらに気になることに彼女の体は所々に擦り傷を負っていることも確認できるし。衣服や顔にも泥汚れが付いていることから 相当長い距離を歩いてきているということが分かるし 何よりこの子はどこかで見た覚えがあるしで いったい何をそこまで急いで
「どうしてここまで走って来たんだ?ってかよく考えたらここ、森なんだからあんまり走ったりすると危険だと思うんだが」と言うと
「え、だってもう、すぐそこの街でしょ」とアリスがそう言った直後であった。突如として巨大な雷が地面に向かって降り注いで来た そのことに俺は驚きつつ。先ほどの会話の中で聞こえてきたワードでこの場所にきた目的を理解し
「そう言えば、この街は魔王軍に支配されているんだっけな」
「はい、だから私の命を狙ってきたのかと」と言うのだけれども
「それは違うよ」と言いつつ俺は彼女に手を触れて回復魔法の力を使い始めたのであった。そしてしばらくするとアリスは自分の体に起きた変化に驚いていて、「これ、なにをしたの」という言葉を口にしたが。俺はあえて何も答えなかった。そして再び森の中へと歩き始めるのだが やはり森の中というのは非常に暗く危険な場所であり 俺は【暗視】を発動させながらもアリスのことを案内してあげたのだが。アリスの体力はすでに限界を超えているように思える。だから俺としては早めに移動させたかったんだけど それでも、どうしても早くしなければならないと言うわけではないだろうと思い直してもう少し休憩を取ることにして アリスに声をかけるのであった。そして俺は 目の前
「さすがにちょっと疲れたから、休憩するか。それにしても、この辺りって魔物がいないよな。まぁ安全だと思えばそれはいいのかもしれないけどさ」と俺が言うと。アリスもまた息を整えた後にゆっくりと立ち上がると
「そうですね。でもなんででしょうか、やっぱり不思議な感覚ですよね」と俺が口を開いたことで その声に反応してきた。そんな反応を示してきたアリスの瞳は まるで俺の心の奥底を見通すかのような視線を送り込んできたのである 俺はそんな彼女の姿を見つめ返したままでいたが 俺から話しかけることなくそのまま時間が過ぎるが
「さてと、そろそろいこっか」と俺が言うと
「はい」と短く呟く 俺は彼女の言葉を聞くと、俺は【気配感知】の力をフルに使って周囲の状況を確認すると、俺は
「どうやら、近くに誰かいるな」と言ってみた。
「えっ、そうなんですか?」
「うん。ただ、この先には俺たち以外誰もいないと思う」
「えっ」と俺が口にすると、アリスの方を見つめた 俺は、アリスに向かって「この先で何が起きたとしても俺は責任取れないぞ」と告げる 俺の発言を聞いてから。アリスは少しの間無言のままだったが
「わかりました」と小さくつぶやくと
「行きましょう」と俺に告げた
「ああ」
「それと一つお願いがあるのですが、もし敵が現れた時に、私はどうなるかはわかりませんが。タケルさんだけは助けますので。その時は気にせず逃げてください」と、俺に向けて、そう宣言してくれたのだった そんなやり取りをしていると 俺とアリスの耳に何者かの声が届いたのである。それはとても透き通った綺麗な声で、そして俺の心に響いた
『我は【魔】を司る者、この世界を創造せし神の僕。【魔王】なり』と。その発言を受けて俺は アリスが襲われているのではないか、と思ったのだが。しかし目の前に現れた存在は人間の姿をしているように見えたので 俺は警戒しながらも、彼女を守るべく前に出た。
その人物を見て俺は「お前が【魔王】なのか」と問いかけるが、その問いに対する返事は【剣聖】のスキルを使った俺の攻撃が直撃することで得られた。
俺から繰り出された攻撃が【魔王】の身体に当たると 俺は違和感を覚えたのである。なぜなら、相手からは、まったくダメージを受けた様子がないのである。俺は疑問を覚えながらもそのまま攻撃を繰り出し続ける。その攻撃を
「無駄だよ。【勇者】の力を持つ君では私には傷をつけることは出来ないよ」と相手が語りかけるが。俺もこのまま負けるつもりなどなく
「やってみなければ分からない」と言うのと同時に俺は攻撃を仕掛けた するとその瞬間、目の前の存在が光を放ち その姿を変化させたのである。それは俺もよく知っている人物であった そう、俺は一度彼女と手合わせを行ったことがあり。そしてその際にも目の前の存在は俺と同じ顔をした人物であるが。しかしその容姿は異なっていた。
だが、それは当然のことなのかもしれない。俺が異世界に来てしまった時の姿は今とは大きくかけ離れていたのだから。
「やれやれ、本当に、君の能力は素晴らしいね」と俺に話しかけてくる存在は間違いなく俺
「なにが言いたい?」
「いや別に大したことではないんだよ。君の持つ【異能】には僕と似たような能力があったりするんだ。そのおかげで君は、この世界でも、他の世界に行ってもこの世界にいる限りは僕と同じような能力を使えるようになるわけだ」
「お前はいったい、何が目的なんだ」
「ふーん、なかなかいい性格になったじゃないか。あの時の僕は僕が君を追い詰めて君の精神をズタボロにしたのにね」
その言葉を聞いて。俺の中の何かが切れて。気が付けば【神眼】を発動していた。【魔】の力を手に入れた俺の意識は完全に闇に包まれており。その瞳に光りはなく ただただ目の前の敵を排除するために行動を開始しており その結果。俺の前に立っている敵の首を掴み持ち上げていたのである。俺は、そのことに驚きつつも。
目の前に存在する俺に、拳を振り上げ叩きつけるが その一撃が当たる直前に目の前の【俺】から衝撃波が放たれたので俺は吹き飛ばされてしまう
「へぇ」と、俺の言葉に。俺が驚いたような声を上げていた 俺の目の前にいたのは、先ほどとは似てもつかない程、筋肉質な体つきに変化しており。先程の、どこかおっとりとした雰囲気は一切なくなり、代わりに俺が今まで感じたことも無い威圧感を感じてしまい。
俺の体は恐怖に支配されそうになっていた それでも、俺は、自分の心の中にある闘志を呼び覚まし、目の前の存在に立ち向かうことを選ぶと、俺は即座に立ち上がっては俺に突っ込んでいった。その勢いに、俺は一瞬、驚くことになるが それでもなんとか体勢を立て直した俺に対して 俺は再び攻撃を仕掛けると。その攻撃を俺は難なく回避したばかりか、逆に蹴りを食らわされてしまう。そんな俺の様子をみながら、その人物は俺に向かってこう言葉を漏らしたのである
「いやいやまさかここまで戦えるなんてね」と言うのだけど。その表情は明らかに余裕を見せているのが分かるくらいで
「それにその【異能】。凄まじいな。普通なら【固有技能】を持つ人間はその身に膨大な力を手に入れることができるというけれど、今の【俺】の場合は、その力が、その人にとって扱いやすい力に変化する、と言うことだよね」
「なにが、望み、なん、ですか」と、痛みに耐えながらも必死に俺が質問すると
「いや、別に特別なことをするつもりはないよ」と言うのだ だから、それを聞いた俺は、「なにも、するな、帰れ!」と言ったのだが。
すると、目の前の男は「いや、もう遅い」と言うと、突然、背後から巨大な魔法陣が現れては そこから魔物が出現する。
それもかなりの数で、おそらく数千体の魔物が存在しているのではないかと俺は思うのであった それからしばらくしてから俺が作り出した魔物達は全て消滅して それと同時に魔物を生み出している存在に視線を向けるのだが
「じゃあね」と言うなり。その存在はどこかに消え去ってしまったのである
「待って」と俺は声を上げたのだが。そんな俺に、アリスは
「大丈夫、ですよ」と俺に向かってそう言った。それからしばらくアリスと一緒に森を歩いていると街に辿り着き。俺はアリスに一言声を掛けてから、宿屋に向かい、一泊して、そして再び森に戻り 俺は森の探索を行うことにした。理由は単純にして単純なものである。【魔】の力を得たことによって俺自身の力が大幅に上昇し【魔】の力で俺自身が作り出すことが出来る武器が飛躍的に上昇するからである。それに俺の身体能力についても、やはり以前に比べて大幅に上昇したように思える。さらに俺の肉体の強化に伴い、【精神防御耐性:5→9(MAX)】
【物理攻撃抵抗力強化】が進化して【魔力攻撃対抗】が発動したことで 魔物の攻撃を受けることに対する不安が一気に無くなったからでもある。
その効果によって【暗視付与】を使うことで暗い夜でも昼と同じくらいに明るく感じる事が出来るようになり。さらには この状態であれば、俺の【暗視視界拡張】の恩恵も受ける事ができるようになったのだ。これにより森の中にある木々の葉の細部までもはっきりと見え始める事になり。俺は更に魔物を探し始めたのである。
俺の能力については 暗視視覚拡大。暗闇の中でも周囲が見えやすくなる。
暗視視野拡張。広範囲にわたって見えるようになった 聴覚感覚共有化。他者の五感を感じる事ができる 気配探知。範囲を拡大して周囲の情報を把握できる 気配遮断。相手の注意を引くことがなくなる 気配隠蔽。気配を完全に消せる 音波感知振動感知。音の波動と物体の動き感知 気配偽装。自らの気配を隠すことができる 危険感知危機感知嗅覚鋭敏化感覚向上感覚超加速身体操作能力増大視力感覚同調集中感知鑑定透察未来予測思考能力解析全言語習得経験値自動分配成長促進自己再生自己改造 【異能】の効果はそれだけではなかった 俺の体内に眠る力は俺の心の中で眠っていた。【魔剣創造】は魔剣を生み出す能力なのだが。その能力は単純明快なもので、その能力の効果として【異能】の力を使用する際に使用すると、自動的にその異能の力が解放されて、より強力なものへと変化する それによって生み出されるのが【魔剣創造】の進化形である【神剣創造】である。この能力は俺の中に眠っているもう一つの力を強制的に引き出し、そして新たな力を与えるというものであって。それにより俺は【剣聖】の力と新たに手に入れた力で【勇者召喚術】を使用可能になっている。
そしてもう一つ 【魔王覚醒】は、俺の持っている二つの能力を一つに統合させる効果があるのだが、それはあまりにも強力過ぎてしまうという理由で使う事が出来ないようになっている。だがしかしそれ以外のものは俺にとっては十分に扱えるものであり。【異空間収納】や、その他にも多くのものが使えるようになっており、それらをフル活用していることで。
こうして夜の時間帯に活動しているのだが。その最中の出来事だった
(タケルさん!!逃げてください!!!その人はあなたの事を恨んでいます!早く逃げるんです!その人に殺されてしま――ッ)
そこでアリスの声が途切れてしまって その直後の事である いきなり何者かに首を掴まれ持ち上げられてしまった俺は地面に叩きつけられると同時に「がぁ!?」と叫び声をあげてしまいながらもどうにか起き上がろうとしたが 俺は何者かから繰り出される攻撃を避けることが出来なくなってしまう。なぜなら、相手が【念動力】のスキルを使用していたからであり 俺が、その攻撃を受けて意識を失いそうになる直前。
俺の前に現れたのは一人の男性の姿があった。その姿を見た俺は安心してしまい、気を失ってしまったのである
「なっ?どうしてこんな所に【魔剣創造】が使える人間がいるんだよ」と目の前にいる俺に似た容姿をしている男性は 目の前に現れた存在を見ながらそう言うのである そして俺は目を覚ますと共に、俺に抱き着いている存在を目にすることになる。それは紛れもなくアリスの姿で。
どうやら俺を守ろうとしてくれていたようだが。その代償なのか、彼女の体からは出血が見られ、彼女は苦しそうな表情を浮かべていた
「お前、俺の仲間に手を出したのか」と俺の言葉を聞いた俺によく似た男は笑みを浮かばせると
「いやいや、仲間だなんてとんでもない、だってその子は、君の【異能】に飲み込まれて、それで自我が消滅したんだよ。それを君はまだ自分の物だと思って」
「ふざけんな!!」と、その言葉を聞いた俺は思わず怒鳴ってしまう
「ふーん」と目の前の存在は不敵な笑いを見せると「君はやっぱり面白いね」と言い 俺に向かって攻撃を仕掛けてくるが、その攻撃を、俺は回避すると【異能】を開放させて目の前の存在に向かっていく 俺が振るった一撃を目の前の存在は受け止めようとするも、あまりの力の威力の高さに耐えきれなくなってしまい、その体が吹き飛んで行く
「さすがだよ」と言って、俺に向かってくる 俺は【魔刀刃造】を発動させながら【神速移動】を発動させた上で。相手に急接近してからその顔面を殴ろうと振り上げたが、そんな俺の腕を掴んだ奴はそのまま俺を投げ飛ばすのであった。
俺と同じような見た目をした存在は
「まあ今日はこの辺にしておいてやるよ」と言うなり。
その場から姿を消したのである 俺は慌てて立ち上がり、周囲を見渡したのだが、そこには俺が倒した魔物以外には何も存在しなくて 俺が気絶した間に起きたであろう出来事が理解できなかった。ただ俺に分かることは目の前にいる少女だけは絶対に死なせないという決意だけあって 俺は彼女をお姫様抱っこする形で運ぶことにした。その際に「あの、重くないですか?」と言われたのだが 正直、全く重さは感じられなかったので俺は問題ないと答えるとそのままアリスを連れて 森から出ると街の方に戻ろうと思ったのである。
だけど、その最中に、俺の前に、突如現れた女性がいたのである。その女性は「やっと追いつきました」と言った。その女性が誰か分からなかった俺は警戒心を抱く中。その女性は
「大丈夫です。私は貴方のことを傷つけようとは思っていません」と言う だから俺は、「あなたはいったい何者ですか」と聞くと
「私はこの世界の管理者の一人です。そして今回の一件について私達の世界で起きた問題をこちらの世界に迷惑を掛けてしまったことを深く反省しています。本当にごめんなさい」と言う それを聞いて俺は戸惑うが それでもその人の瞳には強い覚悟のようなものがあり。だから信用しても平気なのではないかと思えてきて 俺はその女性の手を握り「俺は気にしていないから。だから頭を上げて下さい」と言うと。その人は大きく目を開き「ありがとうございます」と涙を流した それから俺と彼女との間にあった事情を話すことにしたのであるが その内容についてはかなり込み入ったもので。俺自身に記憶がないことも含めて。話を進めることにしたのである
「なるほど、そういう事ですね」とその話を聞いた彼女が
「私がその問題を解決してみせましょう。とりあえずこの世界に戻ってからいろいろ調べてみるとしますね」と言うので。俺は「はい」と答えると それからすぐに俺たちの体は元に戻った
「よかった。これで、またみんなと一緒にいられるんだね」とアリスが嬉しそうにしながらそう呟くので。俺はアリスの頭に手を置いて「これからもまたよろしくね」と伝えると
「うん!」と答えたのであった。
俺はアリスと行動を共にしてから数日後の早朝。俺は一人だけで【異世界転送装置】を使用し 俺の元いた世界にやって来たのである。理由は簡単、俺は【魔王覚醒】を使用できる状態にあり なおかつ今の俺のレベルが30を超えていたため。普通では倒すことが不可能な存在である魔王を相手にすることが出来るようになっていたからだ。
俺は俺の中に眠る二つの力の恩恵によって魔王を倒すことが出来る力を手にいれたが そもそも魔王とは一体なんなのかと考えた時。俺は疑問を感じた。それは魔王が何故誕生したかということだ 魔王は普通の生き物のように産まれたりはしないはずで。ならば、魔王はどうやって生まれるのだと考えると 考えられる方法は二つしかないのだと結論に至り まず一つ目は、【魔物の王】と言われる存在が、長い時間をかけて進化した存在が魔王になる可能性があって。そしてもう一つは魔王と呼ばれる存在を何らかの理由で倒そうと試みた者たちがその戦いの中で命を落としたり、もしくはその魔王を消滅させるために自らの命と引き換えに封印を施したり、あるいは、その存在を別の方法で封じ込んだり、とにかく、そういった何かしらの方法により、最終的に、その存在の魂を、肉体を消滅させることに成功した結果、そこに何も存在しない空間が出来上がることがあるのだ。
俺の場合はそのどちらも可能ではあるが。前者に関しては、魔王の存在を消滅させるための条件をクリアしなければならなく。さらに言えば、仮に条件を満たしていても。相手が自分よりも格上の力を有している相手に対して簡単に勝つことは不可能に等しいと言えるだろう 俺は自分が持っている二つの力を使えるようになるために修行を開始した。その力を使って戦うことによって相手のレベルを知ることが出来たからである その結果分かったのだが。どうやら今の状態では、レベル999の化け物を圧倒しない限りは勝てないだろうと判断した俺は 自分の持っている能力の強化に努めた 俺の所有する異能は 俺の中にある力が、【異能】として発現しているものだ。俺の体内に眠っている【異能】の効果は【剣聖】の力でもあるが、それと同時に俺自身の身体能力を向上させる効果もあり。【神剣創造】で生み出す剣の効果を高めることができる上に、俺の【身体強化】と組み合わせることによって。
俺は【剣聖】の力を扱うことが可能になる つまり俺の場合で説明すれば【身体強化】が発動した時点で【剣術の才能】のスキルも連動するかのように自動で発動し その二つの力を組み合わせることで、剣聖としての俺の攻撃力は更に跳ね上がっていく。それが剣聖の本当の使い方とも言えるわけだが 【魔王覚醒】を扱える俺が本気で戦えば 魔王にすら勝利できる力を得ることも可能であり。俺の体内にある【魔核】は俺の中に眠っているもう一つの力を解放することが可能であり それによって俺が手にするのは【超魔導化】の能力であり。それによって俺が扱える能力は爆発的に増加すると同時に。【念動力】のスキルを使うことができるようになり。俺の持つ魔力の量が大幅に増加していくのである。それにより俺は自分の意思のみで。魔法を放つことが出来るので、それを活用することによって俺は様々な技を習得することにも成功したのである。
ただ一つ問題があるとすれば 【剣神召喚】の力は俺には無いため。俺が持つ剣と【魔剣刃造】は使用不能になっている点と 俺に宿る三つの力は全てにデメリットが存在している。
俺自身が扱うことになる【魔王覚醒】に関しての力は俺が俺の物だと思っている能力を一時的に取り込むことになるために 他の人が使う場合はリスクを伴うのだが。それでも強力な武器であることに変わりはなく もし、俺がその力で攻撃されたとしたら、間違いなく即死レベルのダメージは負うはずだ次に【剣鬼降臨】と【魔神覚醒】に関しては 前者は俺が俺自身を危険だと感じた場合にのみ発動されるものであり 俺の中のもう一人の人格である【黒羽勇】の意識が前面に出てくる際に自動的に発生する現象であり 後者は【黒翼刃創機改零式ゼロスロットドライバーモード】と併用することで初めて成立する異能であり。その効果が発揮されることになれば。
俺の攻撃は【時空切断】や【絶対貫通】といったあらゆる物質や事象を無視して相手に大ダメージを与えることが可能であるのだが それは言い換えれば、それだけ危険な行為でもある 俺が扱おうとしている【超魔導加速】との組み合わせてしまえば、俺は自分の限界以上の速度で行動することができるだけでなく。【次元移動】を使用することが可能になる それに加えて俺が手に入れた【神威転移】の【異能】を発動させることで俺自身は瞬時に移動することも可能な上 【神速飛行】と組み合わせることで、俺は自分の好きなタイミングで空を飛ぶことが可能になった そのほかにも、【時間遡行】の力は俺を不老状態にすることが可能であるだけではなく【不屈の精神】を使うことにより どんなダメージを受けても一瞬にして回復してしまう効果がある。そして俺自身もまたその恩恵を受けることになり。
HPを常に満タンに保つように調整することも可能であるのである。
ただし。これらはどれも使いこなせるようになった時には既に手遅れなほどに強力なものなので 下手に使うと俺は自分自身を殺してしまう可能性が高いと判断すると俺はこれら三つを使うときは慎重に選ぶ必要があると考えている 【魔王覚醒】の力と合わせれば確かに圧倒的な力を得られるかもしれないが。それ故に俺には慎重さが求められる 俺には仲間がいる。アリスに、そしてアイナさんたちだ 彼女たちは皆、俺にとっては大事な存在であって。俺のせいで傷つけることは絶対にできないのである 俺は魔王がどこに現れるかは分からないが、もしも現れるとなればその場所が分かり次第。すぐにでも駆けつけることができるように備える必要もあると思ったのであった それから数日後、アリスの体に埋め込まれていた爆弾を取り除くことに成功したので 俺たちは二人で仲良く暮らすことになった。
そのことについてアリスは、最初は戸惑いながらも、次第にその生活に馴染み始めて やがて、彼女は俺のことを心から信頼してくれているような感じだった 俺はその日。アリスと二人っきりで森の中に出かけることになった。目的は薬草集めである アリスが俺のために頑張ってくれていることはよくわかっていた。
だけど、アリスは戦闘経験が少なく。それに、その見た目とは裏腹にかなりの強者であり。
だからと言って一人で狩りに出かけるというのも無謀に思える だから俺とアリスが協力して森に生えている薬の原料を集めることにしたのだ 俺は、俺のそばにいてくれたおかげで少しずつだが強くなってきている彼女のことが好きになり始めていた それは人としての感情なのか。それとも男として彼女に好意を抱き始めたのかは正直自分でもよく分かっていない。
そんな俺だったが、彼女と一緒の時間を過ごしていく中で、いつしか彼女がいなければ満足な生活を送ることができないとまで思うようになっていった。
だからこそ、俺が彼女を守る。彼女が俺を必要としてくれる間は俺が彼女を守っていきたいと思うようにもなっていた。そしてそんなある日のことだった。突然の来客があった。そいつは全身をマントで覆い隠しており顔は確認することができない状態で いきなりアリスと俺の前に現れたのである。しかし俺はその人物が普通の人間でないということはすぐに分かった だって明らかに人間の気配じゃないからだ。まるで俺の目の前にいる人物からは殺気を感じることが出来なかったのだ。俺と目が合ったその人は小さく笑う
「お主は面白い奴じゃのう」と言うと「私は魔王の幹部の『ザガン』という」と名乗りを上げた
「私は魔王さまに頼まれた要件を果たす為にお前たちのことを調べさせてもらったぞ。その力は実に素晴らしい。だが私としては少しばかり興味を抱かせてもらえた」そう言うと、「貴様らのどちらか一人を差し出せ。そうしなければ私の目的を果たせないのでね。まぁ。差し出せなかったとしても。その二人が死ねばそれでいいが、その場合はどちらかの片方だけ貰っていくことにしようか。どちらを選ぶかね?」と言い放ったので
「なら、あんたの目的は一体何なんだ!」とその人に質問してみたが答えてはくれなかったのだ
「ふっふっふ、君たちに教える必要はないということだよ。さぁどうする?早く決めないとあの子の命が危ないと思うんだがねぇ。私が魔王様に命じられた使命を全うする前に。死ぬわけにもいかないんでねぇー だが君は本当に興味深いよ、こんな短期間でこれほどの力を身に付けるとは、これは想像以上に楽しみになったようだ。この世界での戦いにももうすぐ飽きがきてた所だったのでちょうど良い刺激を与えてくれそうな存在がやってきたみたいだしね。とりあえず今回は引き下がらせてもらうとするけど、また会う時が来るかもしれん。その時は覚悟をしておいた方がいいかもね、それと忠告しておくけれど、今度魔王軍に攻めてくる勇者たちが相手だと流石にまずいんでねぇ。魔王軍は負けるつもりはないが万が一があるし。なんせ、その数倍の力を持つとされる化け物がこちらの世界に存在するみたいなので、もし、それが敵に回ってしまったら。我々にとっても面倒なことになってしまいかねないんだよ。そういう訳だから。もし次に会った時は。容赦なく君のことも消さなければならないかもしれない、それだけは頭の片隅に覚えておいてほしい、ではさらばだ」と一方的に言い放つと、その人の姿は完全に消え去っていたのである。
そして次の日の朝。俺はアリスの部屋に行く。昨晩の出来事は、まだ誰にも伝えてはいない。そもそも信じられるような話でもないし、信じたくないという思いが強かったので、俺は、ただ黙っておくことに決めたのである。もちろん、魔王の関係者と思われる人物がアリスに話しかけてきたことについては。俺は誰かに相談したいとは思ったのだが、誰に打ち明けてよいのかわからなかった為、どうすればいいのか悩んでいると。
すると部屋の扉が開かれる音が聞こえ。そちらを見るとそこにはアリサがいたので俺は事情を説明したのである。俺はどうしてここにいるのかを尋ねられたので俺は、魔王の関係者が訪ねてきて俺とアリスについて色々と話をしてきたと伝えると。その話は事実で、俺もその魔王のメンバーの一人だと言われたと話した。だが詳しい内容は言えないが、魔王の配下を名乗る人物が現れたのだということを告げると。俺の言葉を聞いた瞬間に彼女は表情を暗くしていた。俺がその時に見たものは何か不安を抱えていそうだと感じるものだった。そこで、なぜそのような態度を取ったか尋ねたのだが、やはり答えることはなかった 俺が魔王の一味であることを知られてしまい、このまま一緒に暮らしているのは不味いと、考えを改めようとしたときに、彼女は急に苦しみ出したのである。俺は、彼女を部屋の中に運び込むと、俺はすぐさま回復魔法を使って、彼女の体の調子を整えてあげた。俺は、彼女の身に起きている異変の正体を知りたいと思ったがゆえに どうしてもその理由を聞きたく思い口を開きかけたときであった 突如現れた仮面をつけた集団によって邪魔されたせいで聞くことができなかった。その後俺はなんとかその場を切り抜けることに成功して屋敷に戻るとそこには既に彼女の姿は無かったのである ただ一つ気になることがあってそれはアリスに埋め込んだ爆弾が無くなっている事であった
(まさか!?)と思いながら急いで屋敷を飛び出したが既に遅かった。アリスの行方は分からなくなってしまったからである 恐らく、あの時の出来事と関係がありそうなのだが今の俺にはそれを知る術はなく。仕方なく俺も別の国へと向かうことにした。その際に、俺の元を訪れた謎の女性が残した言葉を頼りに俺のスキルの一つ【神眼解析】を使用しつつ魔王の情報を集めようと考えた結果。とある村に向かうことになったのである。
【神魔剣王】の異能は使用不可となっているものの【魔剣刃造】に関して言えば問題無く発動することは可能であった上に、【剣聖召喚】に関しても発動することができるので。魔王に関する情報を手に入れることに関してそこまで苦労することなく集めることが出来たのだが、その中に【剣神降臨召喚】に関することが書かれており俺は驚きのあまり目を見開く。それはつまり、アリスは何らかの理由の為に、自らの意思により、その力を使い果たしたということになるのだが 俺は彼女が自ら望んで力を失うことなどあり得るはずもないと思っていたので、すぐにその情報を確かめてみることにした。そしてその結果、俺はその真実に辿り着くことができたのだ。
「なるほど。そういうことだったのですか、アリスさんは、自分の意思で魔王の力を自ら封印してしまったようですね、それにおそらくですが魔王軍の狙いはその力を自分のものにすることではないでしょうか。そうでなければアリスさんの居場所を探るためにわざわざ俺のところにまで訪れて来た理由は理解できないでしょう。まぁ仮にアリスさんに力を奪われてしまうような事態が起きたところで俺は魔王に対して戦うことを辞めませんがね。俺は絶対にあいつを許しはしないんですよ。だから俺は魔王を倒してアリスを救い出します。そしてその後は彼女とずっと二人っきりで幸せになれるように頑張っていきたいと考えています」
僕は、魔王の幹部だという奴の話を聞いて。僕の中で何かが大きく揺らぐ。今まで必死になって修行を続けてきたがそれでも尚、目の前のこいつに敵うかどうかわからないという危機感を覚えていた。しかしそれ以上に、魔王を倒すとはっきりと言い放ったその男は一体何を考えているのだろうと不思議に思えてしまっていたのである。なぜならば普通ならその言葉を素直に信じることはあり得ないので、そんなことはできるはずが無いと笑い飛ばすだろう。しかも相手は、見た目からしてかなりの実力者であることがうかがえるのだ。
だからこそ、相手のその発言が嘘や冗談でないとしたら本当に世界は救われるのかもしれないと思った。でも、もし本当に魔王を倒した場合の事を考えてみた。
もしその男が倒された後に、魔王軍が攻め込んできたとして、その圧倒的な武力を前に人間は立ち向かうことすらできずに滅ぶことになるのではないか?と考えてしまったのである。だからそんな未来が起こらないことを願うばかりであったが、もしかすると戦う必要すらないのではないかとさえ思っていたのである。
だがここでふと僕の中に妙な違和感が生まれた。いかんせん情報が足りなさすぎる。だからと言ってこの男と一対一での会話をした所で、得られる情報など限られていて有益なものは何もないであろう。なので今はアリスを探しにいくのを優先して考えることにして。とりあえずこいつと戦ってみたいと思う。そしてこの男と戦えばわかる気がしたのである。
そうして戦いが始まったのであるが、その男の戦闘能力は、まさに圧巻で。正直なところ勝てる気が全くしなかった。それは、自分がいかに弱くなっているかを実感させられたような感覚に陥ると同時に。今の状況では魔王を倒せないのではないかという恐怖心も生まれ始める それに加えて、先程感じたあの嫌な雰囲気を思い出せば更に焦ってしまう気持ちは大きくなる一方だった。しかしそれでも諦めるわけにもいかないので。とにかく攻撃を続ける。だけどいくら攻撃をしてもまるで通用せずに僕の体力は徐々に削られていくばかりだった。そのことから相手が本気ではないということは分かるので。少しだけ腹が立ったけど、どうすることもできなかったのだ。そうしているうちに徐々に追い込まれていく中。ついに限界を迎えてしまい地面に転がされてしまう。その瞬間に意識を失いそうになったが、どうにか堪えて立ち上がったけど体が動かなくなる。その隙を見てか相手にトドメの一撃を食らう寸前だったがそれをギリギリ避けることに成功することができ、間一髪助かったのである。だがそれからすぐに、体に激痛が走り始めたことで動けなくなってしまう。
だがそこでようやく状況を把握しきれなくなっていたので、一旦冷静に周りを観察すると そこには無数の魔物たちが倒れており、さらに、そこにいたのはあの男ともう一人だけという状況になっており。そして残りの一人の姿が見えないことを確認できた
「どうしたんだ?さっきの攻撃を避けれたんだったらいけるだろ?まぁもっとも。避けれなかったとしても君が死ぬだけだからどちらにしても変わらないんだけどね」と言われて そこで改めて絶望的な状況を自覚させられる そして次の攻撃を仕掛けようと構えたところで 背後から「何をしているんです?貴方たちは?」という声が聞こえると どうやら仲間を連れて来たようで。合計3人の増援がやってきたので これでは流石の彼もこの人数を相手には無理があると悟ったのだろうか。
そのまま彼は逃げていった。結局その人物が何者で目的が魔王軍と関係していたこと以外。何もわからずじまいだったのでとりあえず僕はその場を移動することにする。その前に助けてくれた三人の人物と自己紹介をしておいた。ちなみに、彼らは僕より強いらしく。彼らとの模擬戦を挑んでみるとあっさりと返り討ちにあってしまいました やはりまだまだ力が足りないようだ。
そう思って僕はこれからの方針を考えることにした。まずはこの国を離れるべきかとも思ったが、魔王軍がいる以上それも危険であり。とりあえずしばらくはこの場所で過ごそうと決める。それとアリスの行方を探す為の手がかりがないかなと思って村の人々に聞いてみるが、特に手掛かりは得られなかった。ただ村の近くには洞窟があって、そこで何か怪しいものが目撃されているということを聞いたので、一度そこへ足を運んでみることを決める その日の夜、アリサが、一人で出かけるという事を伝えてきた。何か悩み事があるみたいで それで心配になったのでこっそりと後をつけると。アリサの前に仮面をつけた人物が現れた。その姿は昨日、魔王幹部の1人が姿を現したときに現れた仮面をつけている人物である事が分かったのだが、なぜか仮面を外すとその顔には見覚えがあり。俺にはその面影があったので、つい驚いてしまう すると、仮面をつけた人物から、「どうも。私は魔王様の側近をしているものですよ、実は、アリスちゃんについてお話がありまして」と話してきた その言葉を聞くと 俺は急いで止めようとするが間に合わず アリスに爆弾を仕掛けたこと。それを解除しようと思ったならば、こちらの質問に答えなければならないこと。それを無視していれば、彼女は魔王の手に落ちることになり命を奪われる可能性が高いことなどを説明してから姿を消したのであった 僕は慌てて屋敷に戻り、アリスに説明をする為に彼女の部屋へ向かうと。そこで俺の予想していた最悪の展開が訪れてしまった 俺は目の前で起きた現実を受け入れられず その場で呆然と立ち尽くしてしまうが 何とか自分を奮起させ。アリスを救うことを決意する。俺は【剣神召喚】を発動させるべく剣を手に取るが【剣神召喚】を行えないことに気づく。それどころか、他のスキルを使うことができなかった。
つまりは、今の俺は、完全に無防備だということに気付かされ、俺は冷や汗を流す その状態でアリスを救い出すことを出来るのかと考えてしまうが 迷ってる時間もなかったので 意を決して行動を開始するのであった。
俺が屋敷の玄関を出る頃には既に多くの兵士たちが集まっており 俺の存在を認識するなり、すぐさま剣を抜き取り 襲いかかってきたのだが。その兵士達に対して俺は即座に対応を行い。次々と襲ってくる敵をなぎ倒して行く しかしそれでもなお敵の数は多かった上に 実力では明らかに格下にもかかわらず。兵士全員が必死になって食いついてくる姿を見ると不自然だと感じる しかもその理由はすぐに明らかになる。その理由とは。なんとこの国の住民全員までもが現れ始め その数はもはや1000人を優に超えるほどにまで達することになり それだけの数の戦力が相手となると俺は、かなり厳しい状態に陥ってしまい、仕方なく、その場から逃げ出した。だがそんなことをしたところで再び敵に見つかり襲われそうになるが、今度は【転移】を使用し別の場所へ飛んだのだ、そして再び、【魔眼解析】を使用し【魔眼】を使用する その結果判明した事実は、敵の中には【魔眼使い】が存在し。その能力は相手の行動を封じたり、ステータスを見透したり、自分の力を上昇させたりできるなど非常に強力で厄介極まりない能力ばかり所持しており、まともに相手をすれば負ける可能性が十分にあると分かってしまったのである。しかしそれでも俺がここで逃げるような選択をとるわけにもいかず、戦うことを決意して、俺は、戦いを始める。しかし、やはりと言うべきなのだろう。圧倒的に不利であることにかわりはないので、どうにかして戦況を覆す必要があったのだが、そんな中で現れた存在がいた。それはルナだったのだが どうやら魔王軍がアリスを捕まえるために送り込んだのだろうと考えるが。今は彼女の存在はありがたかったので、協力してもらうことにする。
「私も一緒に戦わせて欲しい」と言ってくれた彼女に感謝しながら。俺は戦いを始めたのである そういえば、この前戦ったときに比べて強くなっているので。この場を切り抜けるくらいは問題無いだろうと考えて、とりあえず戦闘を開始したが。それでも尚。この国の住民が強すぎて劣勢に追い込まれてしまっていたのだ それでもどうにかして反撃の糸口を見つけなければ確実に殺されて終わりだと考えながらなんとかして対抗策を考えていたがそんな都合の良いものがあるはずがなく。このままでは、敗北すると考えた時に、突然、目の前にいる敵が一斉に倒れてしまった。いったいこれはどういうことだと思ったけど。よく考えてみればすぐに理解できていたのだ。何故なら先程倒した敵が全て、黒い霧のようなものへと変化していく様子を見れば、その正体に気付くのである おそらくは目の前で死んだ人間の死体を吸収してパワーアップしているのではないかと考えられるだろうけども。そうなる原因となるものは、恐らく先程の兵士が持っていた剣が関係しているはずだと思い至ったからである だからこそ俺がそのことについて尋ねてみると、案の定というか。
アリスの部屋に案内して貰うとそこには、例の仮面の男が待ち受けていたので 僕は咄嵯に攻撃を仕掛けるのだが 僕の攻撃を受け流すようにして回避された。その後僕は攻撃を続けようと試みるが相手に攻撃を与えることが出来ずに僕の体力だけが消耗していき。最後には地面へと投げ捨てられるとそこで初めて僕とこの男が互角以上の力を持っていたことを知り。自分がどれほどまでに弱くなっていたのかを思い知らされた気分になりつつも僕は立ち上がる。だがもうすでに体は限界を迎えていて立つこともままならず。そのまま地面に突っ伏すと。男はゆっくりと僕のもとへと近づいて来ると、「お前は弱いな」と言い放ち僕が何も言わず睨んでいると「だからあの女を守るなんて無理なんだよ諦めろ」と言おうとした瞬間
「諦めたら駄目よ!まだ可能性はあるわ!!」と聞き覚えのある少女の声を聞いてから振り返ると同時に意識を失うのであった。そして意識を取り戻した時。視界には知らない天井が広がっていたので少しの間戸惑っていたのだけれど、少しだけ落ち着いて考え事をし始めてみることにする。そう言えばさっき聞こえた女の子の声の正体が気になった僕は、とりあえず辺りを探し始めることにする、しかし部屋の中に人の気配はない。なので外に出て探すことにして 屋敷の外に出ることに成功したのでとりあえず歩いてみるとすぐにアリスを発見することが出来た。しかし彼女は何故か元気が無いように見えてしまい声をかけるか悩んだのだが とりあえず、僕は彼女の方に近づくと どうやら僕のことには気が付いていないようなので、話しかける事にした。
その途端に驚いた表情を見せてくれた彼女はどうやら 僕のことが誰なのか分からないらしい。それどころか僕のことを忘れてしまっているようだが。
どうにか事情を説明しようとすると そこに現れる仮面の男。どう見てもその男の仕業だということが分かるのだが。どうしてその男が現れることができたのかというと
「貴方が魔王軍幹部を倒した人ですね?」と聞いてきてきたことで 相手が魔王軍の一員であることが分かり。僕としては無視をしておきたいのだが。一応は話だけでも聞いておいた方がいいかもしれないと思って質問の内容について考えると
「貴方の力はとても素晴らしいものでした、そのおかげで我々は今回の目的を達成することができたのですから感謝しています、ですが今回は残念なお知らせがありましてね、魔王様はあなたに興味を持たれていられるのですよ?それで我々があなたを保護するという名目であなたの身柄を手に入れることになりました、魔王軍の庇護下におけば安全が確保されるのは保証されますが。もし断るようなことがあった場合 我々の仲間の手によって消されることになりかねませんのでご注意ください。もしもそれが嫌という場合は大人しく従うことをオススメしますよ」と話すと それを聞いたアリスの顔色が悪くなっていくことから事態はかなり深刻であることを察せられるとともに今の言葉を信じるべきかどうか悩むことにもなったのだけれども信じざるを得ない内容であり、正直迷っている暇はなかったのは言うまでもなくそのまま受け入れるしかなかったために渋々ながらも彼の申し出を受け入れることにした。ただし条件として、こちらの要望を全て飲む代わりにこちらに要求してくる内容を1つだけ飲めばそれで済むという条件を出しておいて。彼が了承した後に話し合いが始まった。
結局魔王軍と敵対することになるのだが仕方がないとしてこれからどうしていくべきかを話し合う事にすると、魔王の幹部から得た情報を元に魔王軍に奪われたとされるアーティファクトを奪い返すべく行動することを決意することになった。それからアリスが連れ去られたことを伝えると魔王軍を殲滅することを約束してくれ そしてその見返りに魔王軍からアリスを取り返すことに協力してほしいと頼むと快く受け入れてくれ 魔王城への道を教えてもらうと僕は急いで向かうことにする。
魔王の住む魔王城にたどり着く前に僕は【転移】を使い移動を繰り返しながら魔王の元へ向かうと。既に魔王が姿を現しており、アリスの姿も見える それを見て焦った僕は【雷神召喚】を使用し 魔王とアリスに攻撃を仕掛けるも。当然のように防がれてしまった僕はさらに追い打ちをかけようとすると、そこで【魔眼使い】と思われる奴に妨害され邪魔されてしまったが、なんとか、アリスを救出することに成功する。
そしてそのタイミングを見計らって現れた勇者と名乗る者達と戦う事になるが、流石は世界を救った存在と言われるだけの事はあり。
かなり苦戦させられることになってしまったが、最終的には勝利することができ。アリスを無事に取り戻すことに成功し。その際に彼女の口から魔王は自分を狙っていることを聞き出すことに成功したのだ。そのため 彼女の命を守りながら戦う必要がある為。苦戦を強いられることに どうにかアリスが無事な内にアリスの居場所を突き止める必要があり。その方法が分からずにいる中で。【魔眼解析】を発動させるとその【魔眼使い】が持つスキルの効果が判明したので、どうにかしてアリスを見つけることが出来れば良いと考えたが。そんな都合のいい展開が訪れるはずもなかった その証拠に敵が襲って来始めたからだその相手とはなんと国王であったのだが。彼は僕を殺すつもり満々だったようで容赦なく襲いかかって来たので、それを迎撃するべく【剣神召喚】を行い剣神に援護を求めようとしたが、ここで予想外の出来事が起こる 剣神様の方では既に異変が起き始めていたので これ以上は危険だと判断した剣神は僕に対して剣を構えると襲いかかって来た為にこちらも迎え撃つ体勢に入ると共に戦闘を始める。そしてそんな戦闘を繰り広げていた最中に現れたのがまたしても魔眼使いだったらしく。そいつの攻撃によって剣神の体に異変が起きているようだったのですぐに助けに向かったものの既に手遅れだったことを理解して落ち込むもここで止まれるほど生ぬるい状況ではなくなってきたこともあり気持ちを持ち直すことにする だがしかし、やはりと言うべきなのだろう。
それでも僕は立ち向かわなければならず、アリスを助けるためには手段を選んではいけなかったので。どうにかする方法を考えていくしかないのだが そんな中で新たな敵の乱入者が現れ始めると一気に形勢が変わる結果となってしまったがそれでもまだ諦める訳にはいかないと思い行動を開始しようとする中。再び現れた敵達によって足止めされてしまうことになってしまう「やはり、私とまともに戦える存在は貴方ぐらいしかいないでしょう」と呟き 更に
「私も本気で戦わないといけないか」と言うと。先程よりも明らかに強力な魔力を放つと僕を殺そうと向かってくる。それに加えて僕の動きが少しずつ鈍り始めてしまう始末で この調子だと本当に勝てない可能性があると感じたのは、その時になってからの事で このままだと確実に殺されると思った僕だが、そこで 突然謎の女性が目の前に現れると。敵が持っている槍を破壊するのである。その後敵に向かっていく女性は、敵が何かをしたことに気づくと そのせいで彼女が不利になっている事にも気づくと。どうにかして助けに入ろうとした時に突如として現れた敵に阻まれると同時に、彼女は倒されて しまうのだった。だが 僕はこの女性を知っている。彼女は僕の仲間であり大切な存在であるのだ。その仲間が倒れてもまだ僕の体は完全に動けるようになるわけではなく。むしろ状況は悪化している この現状からしてどうにかするべきだと考えた僕だったが。
目の前にいる男との戦いは激しくなる一方でどうにかしなければと考える余裕すら失われつつあった。それでもどうにかしないとと思っていたら今度はまた新たに敵が現れたのだ。
そんな相手には敵わないと感じてしまった僕はこの窮地を脱する方法を必死に考えていく。しかしどんな方法を使っても無理だろうと考えていたが、そう考えている時。突然僕の目の前にいる敵の一人が突然倒れたのだ。
何が起きたのか全くわからないまま僕はその場に立ち尽くすしか出来ずにいたが 敵が次々と僕の前で倒れていき、その光景はまるでゾンビ映画のワンシーンのようであると思いながらもようやく僕が立ち上がれるようになったのはつい最近のことだった。それだけではなく先程僕の前に現れた謎の女性のおかげで 僕達はこの場から抜け出して何とかして街に戻ると そこで僕はあることに気が付くのである。それはこの女性の容姿が自分の記憶の中にある仲間の女の子と似ていることに気づいたからだ。しかもよくよく見ると服装なども自分の知っている彼女に似ていることに気が付き まさかという思いのまま僕は声をかけてみることにする。そしてその結果。彼女は確かにあの女の子であるということが判明し そこで彼女に名前を尋ねたら答えが帰ってこないことに疑問を抱いた。だけど どうして彼女は言葉を失ってしまっているのかを考えると同時に僕の頭に思い浮かぶ一つの可能性があった。それは魔王が関係しており。何らかの影響があるのではないかと思うのだけれど 今は魔王のことなんか考えてる場合じゃないのでひとまず保留しておく。
とにかく彼女は何故か話せないようだから どうすればいいか考えてみると、とりあえず彼女の服を買い与えることに決めたのだが何故か彼女の方は不思議そうな顔をしていた。どうやら今の今までお金を持ってなかったみたいで困っているみたいなのだが、その辺りについてはどうしようか悩んだ末。僕の方でどうにかしようと考えて そして 彼女のことを保護することに決めると。彼女は僕の事を「タカシ」と呼ぶので「そうだよ」と言ってやると笑顔になってくれたので安心することができた。
それどころか彼女は、どうやら魔法が得意のようなので、試してみるように言ったところ、どうやったのかすさまじく威力のある爆発を引き起こすことができたため 僕が驚くことになるのであった。それから僕が彼女を仲間にした理由は、ただ単に見殺しにするのもどうかと思っての行動でもあったのは否定できない それから彼女のことはアリスと名付けたのだが、アリスは見た目は少女ではあるが。実際の年齢は13歳らしいので年齢相応の反応を見せてくれた。そのことにホッとした僕は彼女と買い物をするべく街中に出かける。その際。アリスは少し恥ずかしがっていたような様子を見せて 僕はそんなアリスのことを可愛いと思った。ちなみにアリスはこの街では有名人なのか。街の人たちからはかなり好意的に見られていることを感じられたので僕はアリスを連れて行くことをやめることにした。何故ならアリスの外見から判断すると、おそらく美少女の分類に属する子だから、アリスと一緒に歩いているところを知り合いにでも目撃されると色々と厄介ごとが起きるかもしれないと判断してのことだったのだが ただでさえ最近物騒なことに巻き込まれているばかりなので面倒ごとには巻き込まれたくなくなってきたというのもあるのだ。それにアリス自身かなりの美貌を持っているから目立つわけだしな そんな感じで一旦アリスを置いてきた後、食料などの生活必需品を購入しようと店に行くと なんとそこにいるお婆さんが話しかけてきたのである その事に驚いたのだが同時に懐かしい匂いを感じたことでも驚いてしまったのだがその理由を尋ねるとお婆さんの話を詳しく聞くと、やはり魔王に殺されたと思われていた祖母だったらしくて。そんな話を聞いた時には僕は泣き出してしまいそうになったんだけど我慢したけどね?だって泣いてたら不審人物扱いされるじゃん?それで どうしたものかなと考えた末に結局その件に関しては何も言わないことにした。というのも僕と会う前に亡くなった人なのだから、僕が生きていたから会えたなんて口が裂けても言えないからだ それからアリスの分の食糧などを購入を終えると僕はアリスの待つ場所に戻って来た。するとアリスはどこか嬉しそうに笑ってくれていたので。それを見ただけで幸せな気分になれたので僕は買った荷物を持ちながら歩き出そうとすると 僕が手に持っていたはずの袋を持った誰かが現れる 僕はそんな相手を見て警戒心を高めるが相手は特に武器のようなものを持っていないのを確認してから、僕は【魔眼】を使用して相手を観察するが特におかしな部分もなく普通だと思われた。しかし その男は唐突に現れて僕の手から袋を奪い去る それに対して驚きつつも取り返そうと動くも簡単に回避されてしまった挙句。蹴りを食らうと 地面に叩きつけられたのだった。そしてそのまま腹部を踏まれると僕は吐血しながら痛みに耐えながら その攻撃を行っている犯人を見ると、そこには先程の男が立っていた。
つまり僕はそいつが何者か分からないが。そいつに殺されかけたってことだ「まぁ、これでお前が勇者って奴なのは確定だよ」
そんな風に言ってくる相手に僕は反論することが出来ず 黙り込んでしまう
「なんでそんなに落ち着いてるんだよ?」と言われても僕には言いたいことがある。
なんでアリスの目の前で殺したのかという理由である。しかし僕にそれを言う資格はなく。
僕のせいでこの世界に呼び寄せられて辛い思いをさせてしまっていることに対して罪悪感を抱いており。それを払拭するためにもここで死ぬ訳にいかないのだ。
だからこそどうにかこの状況を切り抜けないとと思わなければと思った矢先。突然謎の女性が現れ その相手は僕達を攻撃しようとする だがその攻撃は、先程までの男とは明らかに格が違い。僕も本気で相手をすることにしたが、相手があまりにも強すぎて苦戦を強いられてしまうと。僕はどうにかしてこの相手のことを【鑑定】しようと試みるも、相手のレベルの高さと実力によって阻まれてしまい。なかなかうまくはいかなかった そして僕の方が圧倒的に不利だという現実を突きつけられる。
「やはりあなただけは殺しておかないといけないようですね」と言い放った だが僕としてはここで終わるつもりはなかった。僕はどうしてもここで死んで良いとは決して思ってはいないのだ。僕はまだまだ生きたいし。まだアリスに別れの言葉を告げていないのだ。
僕はそんな気持ちのまま剣神を呼び出す。そして戦いを始める 僕はそんな剣神と共に攻撃を仕掛ける しかし剣神の攻撃が直撃するも、そいつは平然としていたのである。それだけではなく「なるほど。あなたの力の根源はそこの人形ですか」と意味不明な言葉を呟いたかと思ったら。いきなり僕の事を吹き飛ばす それによって壁に打ち付けられるが、どうにか意識を保つことに成功して すぐさま立ち上がることに成功したのだが。
目の前にいる敵の姿を見て。その化け物の異常なまでの強さを思い知らされた気がしてならない それでも諦めることは出来ないと、僕は立ち向かったんだ そして何度かのぶつかり合いの後 僕が追い詰められた瞬間。僕の体を光り輝く鎖が拘束してしまう それにより完全に身動きが取れなくなると、僕に向かって 巨大な岩が迫ってくるではないか。それも複数であり その光景を見つめることしかできなかったのだ このまま僕は死を迎える事になるのだろうかと思い。目の前に迫ってきていた。大きな石を見る。そしてこのまま死んでしまうのかと思うと怖くて仕方がなかった このまま無残にも命を奪われてしまうのだろうと思っていたら 僕を助けてくれる存在が現れたのである 僕はその助けてくれた女性に見覚えがあり、その姿から彼女が『光の賢者』と呼ばれる者であることを僕は知っていたのだ。
彼女が来てくれなかったら、間違いなく僕は助からなかったので。彼女に感謝の想いを伝えるために、僕の名前を名乗ることにする 僕の事を覚えているかは定かではないが。僕の名前はタカシであると告げるが 僕の顔を見た彼女は首を傾げながらこう言って来るのだ 何を言っているのか分からんが 私の事は忘れてしまった方が良いだろうと言われた時は正直かなりショックではあったが。そう言われる理由が思いつかなかった僕はどういう意図で言われてるのか確認しようとしたところ。突如現れた女性が 先程僕を攻撃した奴の攻撃を受け止めたのである。しかもその一撃は凄まじく。その攻撃を繰り出してきた相手の姿を視認した僕は 驚愕の表情を見せることになった 何故なら その人物は魔王だったからだ その光景を目の当たりにした僕であったが、今起きている事態を飲み込めずにいて混乱して どうしてこの二人が戦っているのかという疑問を抱くことになる。そんな中 僕が呆気に取られているというのにも関わらず。二人はまるでお互いが知り合い同士かのように激しい攻防を続けていた そんな二人のやりとりを僕は傍観しているだけという状態が続いていたのだが。そんな二人の間に何かの合図があったのかお互いに戦闘を止めることになる
「やはりあなたは魔王として復活を果たしていたのね」
僕の目からしても魔王の纏うオーラの質が違うことは分かり 彼女は魔王が本当に復活したのかを確認するためだけに行動を行っていたのだと言うことが分かった。しかし彼女は、魔王が復活したことで。他の者たちはどうなっているかの確認のため魔王を討伐することを最優先に考えていて、その為に必要な準備を整えるため一度国に戻ると彼女は言ったのであった 僕の知らないところで世界は大きく変化しており そんな状況に付いて行けてない自分が不甲斐なく感じる 僕はこれからどうなっていくのかと考え始めた時に 不意に声をかけられたのだ。「君が私の弟子を殺したようだが。あれで良かったのかね」と尋ねられると私は、あの子が勇者だということを告げるとその人は僕のことを弟子と呼んでくれたことに内心喜んでいたりするのだが。師匠と呼んだ時よりも、弟子の方を優先したという事に少しショックを受けながらも質問を投げかけることにした。まずはこの場所が何処なのかということ。それから今まで起きた出来事。それらを説明してもらうことにしたのだった 1時間程度経った後 僕達は街から出ることになる 僕は師匠と一緒に旅に出ようとしたときに1人の少女と出会った その女の子を一言で表すならば美しいというのが相応しいかもしれない 金色の髪を肩くらいの長さで綺麗に揃えられ。顔つきはとても幼さを感じさせるものであり、とても可愛らしい雰囲気を放っている美少女で歳も10歳程度の見た目をしている子供だ。服装は、この世界の服にしては少し変わったものを着てお腹が見える服を着ているため へそをさらけ出しているのは少し目に毒ではあるな ちなみに彼女の名前はシンドウといい。この街ではかなり名の通った人物であるとのことだ なんでも僕が倒したとされる勇者のパーティーメンバーの一人でもあるらしく。かなりの実力者で魔法のスペシャリストなんだそうだ。ただ 魔法を扱う際にある弱点があると教えて貰ったのである。それはMPの最大値の低さだと教えられたのだが その事を話してきた時の口調からして。どうも彼女は僕に対して特別な感情を持っているのではないかと察したわけなのだが。
どうもその辺りのことについてはまだ何も分かっていない為。そのことに関しては何も言わないようにしていたのは秘密だ それから僕達はすぐにでも移動を開始しようとするも、やはり僕にはやるべきことがあったのだと思い出してアリスの元に向かうと その途中僕は師匠が言っていた言葉を思い出す
(「そういえば、君はあの少女について何も聞いていないみたいだから私が知っている限りのことを伝えておくよ。あの子は、確かに勇者の力を授かっているのは間違いないだろうが、君の持っている力とは全く別物と言える力だよ。そもそもこの異世界において、人によって使える力が異なるのは当然なのだが、その力の本質が全く異なっているのだ。その力はね、君の場合は【解析】といった類の力が宿っているのに対して、アリスちゃんは違うんだよ。アリスちゃんの使う能力は、あくまでも補助能力と言った所だね。まぁ。それだけを聞くとアリスが役立たずのように思われてしまうかも知れないけど、実はアリスの力ってのは他の追随を許さない程のとんでもない効果を発揮するからこそ恐ろしいってことを忘れてはいけないよ。例えばの話だが、もしも敵に対して、この技を使えば必ず殺せる!っていう切り札が存在するとすれば、アリスの能力はそれと同じことが出来ると思っていいかも知れ無いんだよね。つまり使い方次第で、最強の矛にも、最強の盾にもなり得るんだよ。それに【回復】もできるから、アリスの側に居て守っても貰えば大抵の事からは逃げ切ることも可能だってことかな。それともう一つ重要な情報としては。シンドウのスキルに関しての情報もあるんだけど。彼は自分のステータスが見れるようでね。そこに【未来予知】というものがあって。それでこれから起こるであろう出来事を知っているみたいなんだ。そしてそれを利用して。この世界に何が起きるのか把握しておきたいという気持ちを抱いているようなんだが」
とこんな話をしてくれた
正直そこまで強いとは思えないが しかし僕にとって大切な存在である アリスを守りきる事が出来るのであれば 僕は彼女を仲間に引き入れても良いのではないかと思った なので僕は彼女の元へ行こうとしたのに、師匠の妨害により、またアリスに会うことができなくなったのである 2章:勇者と賢者編終了 3章~4章は未定 4月20日。俺はとある人物と会おうと約束をしていた だが今日に限って色々とあったのである まず一つ目が朝、突然俺の元に一本の電話がかかってきたのであった 俺はその着信音によって、目を覚ました訳だが、まだ眠かったこともあって無視しようとは思っていたんだ だが鳴り止む様子もなく 仕方なく俺は通話ボタンを押した
「はい。もしもし」と寝起きのような声で言うと。相手からはいきなり「なんだいなんだい。まだ布団の中で眠っているとはねぇ。あんたが遅刻するようなら、こっちから出向くしかないか」と言って来たのだ。そして相手の名前を聞いてみると。どうもこの相手はこの世界を管理する存在の一人であるという。しかしそんな相手に呼び出されるとか嫌でしか無かったので、どうにかこうにか、今日の夜に会いに行くと伝えたのである しかし、なんでそんな偉い存在から連絡が来るのかは理解できなかったが とりあえず今は昼の12時過ぎということもあり 今から出かけても夕方までに帰ってこれば良いのだろうと判断すると 家を出る準備をし始めたのである そして身支度を終えると 待ち合わせ場所へと急いだ 電車に乗り目的地へと向かうと。そこには一人の男が待ち構えていた その男の姿を見て 相手が一体どんな立場にいるのかということを想像するのは難しくなかった そして相手の男を見て思うことは ただひたすらに胡散臭い そんな印象を抱いたのである
「お前が例の少年かね。わしの名前は『ミトヤカゲ』と言いますのじゃ。よろしゅう頼んまっせ!」そんな挨拶をするもんやつがいたのだ そして相手の目的が何であるかを考える前に。そいつが自己紹介を始める そしてそいつの職業は、占い師であり。主に人の悩みを解決してやるのが仕事だと言うことを言われたのである そして俺はこいつの本性を探りたいと思い、わざと挑発するような形で
「なるほどな。
しかし占いとか。あまり興味は無いんで。さっさと用件を言ってくれないですかい」と告げたのだ その言葉を耳にした相手は一瞬驚いた表情を浮かべていたが しかしすぐさま平静を取り戻したかのように振る舞う そして目の前の男はこう言ったのである
「ほう。お前さんがあの女神様に選ばれた者だということは分かったの。しかし もう少し警戒心を剥いた方がいいの。
じゃないと足元すくわれるぞ。まぁ。そのあたりも含めての修行の一環ということだろうから 今のうちに覚悟を決めておけ 今から話すことは。決して他人に漏らすでない もしも誰かが知っていれば、お前の命はないものと思えよ」そんな脅迫じみた言葉をぶつけてくると そのあとで「 ではまず。お前さんの運命を語らせてもらお」と言葉を続けようとした瞬間。突如地面が割れたのであった まるで地中の奥深くまで突き抜けるほどの大穴を穿ったかのような巨大な亀裂が発生した それと同時に地震が発生し。
その場に居た者は、皆パニック状態に陥りかけていたのだが 俺がこの場で一番落ち着いているように見えていたためか 周りの人たちは俺のことを救世主か何かを見つめるような眼差しでこちらを凝視してきた だが俺には分かるのだ この世界が危機に晒されていることぐらいはすぐにでもわかることであるが 問題は どうしてそれが起こっているのかだ どうして奴が現れたのかと頭を回転させ始めることにした。だがいくら考えてもわからないため仕方がなく、この状況を切り抜けてからゆっくり考えることにしようと考えていると、そのタイミングを狙ったかのように「さて 君たちに少し聞きたいことがあるんだが構わないかね?私の邪魔をしている君たちの事について少しだけ知りたくてね。答えてくれるとありがたいんだけね」と笑顔で話しかけてきたのだ そう告げられた直後、周囲の空間にひびが入る そして次の行動は 俺の前に居たはずの存在が消え失せた その代わりに 目線上に立っていたのは、一人の少女であった。
その少女を見た時 何故だかわからなかったが。何故か見惚れてしまっていた 理由は分からない でもこの子の顔立ちや仕草に目を奪われてしまう そう思った時
「君はいったい何をしているんだ。まさか。その少女に対して 邪まな感情を抱いてなどはいないよな。君はそういう趣味の持ち主ではないはずだろう。さあ私達と一緒に帰るんだ 君は、もう役目を終えたんだこれ以上関わるべきではない それに彼女は君の知っている人物とは全く別の存在なんだ 君には君の生活が この世界には存在しない それはつまり君が本来居るべき世界の時間が流れ始めたという証拠でもある だからこそ、この世界での出来事なんて早く忘れてしまうことだ それに彼女なら、君がこの世界に飛ばされたことを忘れさせてくれそうだ あの方はとても寛大だ きっと彼女の力になってくれるはずだ ほら 私が手を引くから ついて来なさい これはお願いなんかでは 無くて。強制だ 従わなければどうなるかを私は 十分に分かってくれていて ありがたいとすら感じてしまっている だから君は黙ってついていくだけで良いんだ いいや。そうしないと 君はここで死んでしまう その程度の実力で ここまでたどり着くことだけでも。本当はあり得ないことなのだ それだけ、あの方の力は絶大 それだけ、この場所は危険な場所 それだけ、君の存在というのは、異物に近いのだ それを理解しろ でなければ 私が守ってあげることは出来ない それに その力は、本当に恐ろしい 何より恐ろしい 彼女は既に。神に等しき力を 持ち合わせたのだから その気になれば 世界だって壊せる そんな力を手に入れてしまった それなのに 君は彼女に 恋慕の感情を抱いている そうであれば尚更。彼女をこの世界に縛り付けておくわけには行かない あの方に頼まれたというのもある あの方は、君の力のことも気にかけてくれたが。それでもなお彼女の存在を優先させたのだ!その意味がわかるかね!?」と言われて 俺は思わず声を出しそうになったのだが。寸前にして口を手で塞がれてしまう
(それにしても随分変わった能力を身につけたものね。まぁ いいんだけど)
(貴女は何をしに来たんだね?)
(まぁねーん♪あんたらの行動を観察しようかなって思って来て見たけど。どうにもこうにもあんたは使えないからこうして直接介入ってことよねん だってあんたが使える能力はせいぜい未来予知くらいでしょ?だったらせめて自分の身を守れる程度までは強化してあげた方が良いと思ってねん)
(ふむ確かに一理あるかも知れぬな よしわかったならばまずはその娘を殺さないでほしいと頼んで見てもらえないか それから話は始められると思うのでね)と言ったので俺は素直に はい と応えると その返答を聞いて満足してくれたのかは定かではないけれど。彼女はどこかへ去って行くと。
その直後。再び地響きがおこり地面に大きな亀裂が発生すると同時に、今度は上空に謎の渦のようなものが発生しており。その中から人が出現したのだ!!それも3人もである 一人目は長身の男 二人目は大きな杖を持った金髪の少女 三人目が白髪の老婆という。奇妙な組み合わせのメンバーであったが。
そんな彼らは、現れたと思った矢先に俺の方を見ると。「おっ! そこにいたのが噂の人物なんだよね。俺の名前は『セイタ』っていうんだけど まぁ よろしく」と言ってきたのだ そんな彼に続いて。2人も同じ様に自己紹介をしてくる
「あたしは、『レイカ』『カカセニ様に仕えるもの それが、妾の名じゃ」と。見た目通り。お年寄りのようなしゃべり方をする女性が続いて
「うちの名は、リリア この姿は仮の姿で 本当の姿を晒すことを許してもらいたい」と言って来たので。
俺はどうすれば良いのか分からず困っていた そんな様子にいち早く気づいたのか セイラと名乗った男が「あぁ、気にすることは無い。そいつの事は放って置いて良いぞ。
そいつの正体がなんなのかをお前さんは知らなくて良い お前さんはこれから先。そのスキルを駆使して頑張ってもらう そのために 今はまだそのスキルの力については 誰にも教えてないほうがお前さんの為にもなる いずれ時期が来たら話そう お前さんの味方となるであろう者たちについてもその時に教えるとしよう」と言われた なので。とりあえず。こいつも敵じゃないのかと。判断すると こいつでも構わんから 仲間にしたいという欲望を必死に抑えたのであった
「とりあえず俺の仲間にならないか?」と聞いてみるが 反応は返っては来なかった むしろ無視されるような形となったのだ そしてしばらくの沈黙が続いたのち。目の前にいた三人組のうち 白い髪の毛をしたお婆ちゃんみたいな人の口が動き
「あなたが。あの子に選ばれし者なの?でも あまり強くなさそうなのです。正直、あの女神様が選んだとは思えないのですよ。
しかし選ばれたものは、選ばれざるものを遥かに凌駕するほどの能力があると聞いたことが有るです その辺が あなたの力の秘密でしょうか」
「お前さん。今のうちに、そいつらの元から離れておいた方が良さそうだぞ 特に、あいつが、本性を現す前に」そんな言葉を口にしてきた
「そんなに、私のことを信頼出来ないというのですか?まぁ いいんですが それよりも、私のことはともかく。この方たちの方が、よっぽど怪しいと思いませんか だっていきなり地面が揺れたかと思いきや 空が暗くなりまして それで急に現れたと思いましたら。目の前には見知らぬ人たちが居た。しかもそのうちの二人は。明らかに普通の人間じゃない」そう告げた瞬間。またも地面が大きく揺動したのだ。しかし。今度は地震が起きたのではない。もっと別の原因によるものとしか考えられない現象が起きようとしていたのだ。それは何かと言うと、まるで見えない巨大な怪物が目の前に姿を現してこちらに敵意を向けてきているのではないかと思えるほどの圧迫感と緊張感に支配されたからである そして俺の目に飛び込んできたのが。俺よりも身長が高い。しかしまだ子供の外見を持つ少女であった。だがその容姿に見惚れるようなことは無く、その圧倒的なまでの恐怖と緊張に苛まれていたのだが 次の行動を見て驚いた なぜなら少女は自分の腕を引きちぎるような動作をし始めたからだ そして次に何が起きるか分かったのが。俺だけか他の人は少女が自らの体を切り刻もうとしているように見えてしまったのかも知れない しかし実際には、彼女は引き裂いているのではなく ただ、その体を小さくしようとしているだけであった やがてその姿が完全に見えなくなるほど小さくなると、そのまま俺たちの前に姿を見せてくれた。それは先程までとは比較ならないぐらいの大きさになった彼女の正体が判明したということだ。
それは巨人族と呼ばれる種族だった それを知ると。俺は真っ先に思ったのだ こいつは危険だと
「さて 私と敵対するというつもりかな。それとも戦う気がないなら私について来るが良い」そう言うと俺の腕を引っ張り始めたのだ その時であった。突如俺の背後にあった。山が爆発したかのような轟音とともに爆発が起こり。土煙の中からは、黒い鎧に身を包んだ。一人の人物が飛び出してきたのであった。そう。それは魔王軍四天王の一人にして。あの時の。俺の仲間であった人物に良く似た風貌をしている そして「貴女の目的は 一体何だ。何故こんな真似をしてまでも、我々の邪魔をする。答えろ!」と言った すると彼女はその声に怯えるどころか 不気味で、狂気的な笑い声を上げながら、俺に対して指差すと 言った
「お前こそ、いったいどういう了見なのだ。私は。貴様が持っている力を私に譲り渡せと言いたいだけだ。なのに、なぜそれを断るのだ」という発言に対して、相手もまた同じように返す形で言葉を紡いだ。
「それは 貴女の言っていることが。全く意味がわからなかったので それなら、私達が貴女を倒すしかないではないか!!」と その直後の出来事だ 俺は突然何者かに背後から攻撃を受けると共に吹き飛ばされてしまう
(これはいっときの痛みだ耐えられないわけではない)
(ほぅなかなか面白いやつだねーあんた気に入ったぜ)
(その力は本当に素晴らしいね)
(やはり私が目に付けただけはありますね)と上から聞こえてくる中で、なんとか意識を保っていたのであるが。それでもダメージはかなり大きくて動くことすら出来なかったのだ
(これはいかんなーまさか君ごときに苦戦するような奴らが他にもいるなんて思わなかったよ本当に厄介な世界に来てしまったな)
(どうだい少し休憩しないかい。君にとってはまだまだこれからの戦いが控えているだろうし。それにこれ以上続けてしまってはこの世界に居るはずのない君に無理が祟ってしまう可能性もあるんだよ だから君だけでも先に安全な場所に退避させておきたいということだよ私はね)という謎の声によって、ようやく立ち上がることが出来た俺はその場から走り去ることに成功したのであった。
俺こと。シンドウが地面に倒れるのを確認するとその男は、自分の体に鞭を打ってでも俺のそばから離れようとしたのだが
「行かせねええぇ 」
「行かせん!! 」
「貴様には死んでもらう!!この私が、この手で殺す!! 」などと大声で喚くと同時に俺の元へ駆け寄って来たのは、魔王の側近にして 魔剣『デスソード』を手にした『ガト』と、神槍『ロンゴミニアド』を所持した女傑『マユナ』と 神杖『ケリュネイアスの弓弦 』の所有者であり、神の力を持つ男である。通称【三聖】ことセイタの三人組が同時に攻撃を仕掛けて来たわけなんだけど そんな3人を相手にするだけの余裕が、今はまだ無いからとりあえず、今は撤退することにして俺は、全速力で、この場所から離れたのであった。
そんな様子を確認してから、僕は彼女に向かって語りかけた
「おいお前 タカシのことを追いかけようとせず俺の方に付き合ってくれねぇか」と言ったのである。それに対して 彼女はこう返したのだ。「ふむ、まぁ良いです。あなたに従うのも一興ですね」という返答があったのと同時に。僕たちの前に、セイラと名乗った謎の青年が立ち塞がったのであった。そんな彼にセイラは、僕の時と同様に、自己紹介をするよう要求したのだ そこで彼の名を聞いてみたのだけど。その名前を聞いて、僕は、驚きを隠す事ができなかったのだった。というのも、彼の名前には、聞き覚えがある名前が入っていたからである。しかし、それは。ある意味で予想していたことでもあった なぜなら、あの時、確かに、目の前の少年の姿が消えるまではいたはずだが、その直後に姿を消したのは確かであったからだ。しかしそんな彼こそがセイタと名乗っていたのであった
「へぇ、そっちの名前を聞くのを忘れていたから教えてくれてありがとう」と言ってくれたけど。その顔からは表情は読み取ることは出来なかったのは事実ではあった セイラは「あぁ 気にしなくて良いよ ところでお前さん。その手に持ってるのは何に使うものなんだい?」といって来たので、素直に伝えることにした すると彼は。すぐに「その武器があれば俺の仲間が救えるかもしれないって訳だ。その武器。是非とも譲ってもらいたい」
そう言われて、どうするか迷っている最中に レイカと名乗る老婆が口を挟んできたのでそちらを見てみると 彼女は。なぜか目を輝かせたような様子で、「それは 妾たちが使うよりは、この世界の人間たちに渡すべきだと思いますぞ」そう言って来た それからしばらく時間が経過した後。レイカは
「あなた方はどうしてここにやって来たのですか?それと目的は?」と聞いてきたのだ その問いかけを受けた瞬間に、まず最初に感じたのは。目の前の三人の正体は一体何なのかという疑念であったすると俺の代わりに リリアが前に出て
「あなた方の目的は何なんですか?」という質問を投げかけてきや しかし彼らはそのことについては一切触れてこなかった なのでリリアは続けて
「私たちは旅をしている者なのですが。最近 こことは違う世界から来た者に会いまして、その子の話によると その世界で勇者として呼ばれて、魔王と戦って勝ったらしいんです しかしそのせいかわからないですが。その男の子の能力は、あまりにも高すぎたために暴走してしまったようで、その力を制御できる存在が必要になったようです なので、その力が私たちが求めてるもので間違いなさそうだと判断しました ですからその力を譲り受けるのに 協力して欲しいと思ってここまで来させてもらいまして そして、できればこの力を受け継がせることさえ可能であればと思った次第です もちろん対価は必ず払いますのでどうか」と言う言葉を聞いた その言葉に反応してくれた人物がいた。それは この国の姫。そして、俺と行動を共にしてくれた仲間の女の子たちのうちの一人である。リンであった「もしかして。あなたの能力ならその方の苦しみを取り除けられるということでしょうか?だとしたら。それは是非 私からもお願いします」そう言って頭を下げてくれたのだ。だが彼女の願いも虚しく 彼らには届かなかった。それだけではなく、彼女たちを敵と見なしてしまったのであった それを見た。俺はとっさに止めに入った すると彼女は 怒りをあらわにした態度と言動をぶつけてきやがる その瞬間に 俺と彼らの会話を聞いていた人たち全員から。とてつもないプレッシャーと圧力と恐怖が伝わってきた。
おそらく あの女は俺を試しているに違いないと感じていたのだ。
だからこそ俺もそのことに気がついてあえて怒らせてきたんじゃないかと思っている そのことに気付いた時に思ったのだ。この女だけは絶対に許さないと、たとえどんな理由があっても 俺は。
そのことを確かめるように
「その女と話をする前にちょっといいか。俺はお前に確認したいことが有る。お前たちは俺たちのことをどのように思って行動してくれているんだ。正直に聞かせて欲しい」
俺は。その発言と同時に【神の声】を使って 彼女の真意を知ろうとした 彼女は。それを受けて、まるで心を読んだように俺の方を向いてきて、こう言ってきたのだ
「そうかい。なら率直に伝えてあげるよ 君らは私の仲間に殺されてもらうのさ。君らのような異世界人に邪魔されるわけにはいかないんでね 特にその女の【スキル】だけは使わせてはならないんだよ」
俺は彼女の口から語られた情報を聞き逃さずに。その内容を理解すると同時に、彼女の目を見返してからこう伝えたのであった
「やっぱり。それがあんたの能力だったんだな」
そして俺は自分の中に宿る【全能解放 限界突破】を発動させる すると俺は、全身から膨大なオーラを解き放つとともに 自分のステータスを確認することで この女の情報を探り出そうとする するとその結果はというか、俺の脳内にはこんな文章が表示されていた ーーーーーーーーーーーー
『レイラ』
種族 吸血鬼 レベル 1000 生命力 99999(MAX)
魔力 9589652 物理攻撃力 9989050 魔法攻撃力 9657881 体力 9009163 俊敏 10010607 固有技能 吸血吸収 超再生 魔血支配 魔闘衣 魔気弾 黒影 ーーー これが彼女に対する俺の分析結果である。それに加えて 俺は。目の前の相手がどのような行動をしてくるかを警戒をしていたのであった 俺とセイジのやり取りの中で出てきた女 それはかつてタカシと一緒に召喚された仲間であり。現在は魔王軍の四天王の一人に成り果てている女であった。しかし、セイタと自称していた頃の彼は。俺に対して。『僕と共に来ないか?』といった内容の発言をしてきたのだ。
その時に彼が何を考えての発言であったのかについて俺は、全く理解ができていなかったのである。しかし。俺が答えを決めるまでもなくセイヤが割り込んで来て。俺に向かって「俺に任せろ」と言ってきた。
その次の一瞬の間に 彼は消えてしまい。いつの間にか姿を消してしまっていたので
「なにをした!?貴様!!タカシから離れやがれ!!!」というセイラの怒りの感情は。俺ではなくセインに向けられてしまう そして、そんな彼に、セイラは「ふぅん、君は、どうやらいやがらせでそんなことをしてきてくれるみたいだな」という一言を残して。
その場から消えたかと思うと思い切り蹴り飛ばしてくる セイラの行動の意味は分からなかったが、しかし俺にはわかる これはきっと罠だということが。なぜなら この男は。最初から。本気で戦っていないのだから だから この攻撃を避けると同時に 反撃を行うことにした。
セイフは。俺の攻撃を回避すると同時に俺から距離を取った
「おい!逃げるなってば」と声をかけようとしたのと同時にセイラはその場から離れると同時に、先ほどと同じ攻撃を何度も繰り返して 俺のことを狙ってきていた それは回避することで簡単に避けることができたけど。なぜこいつは急にこのような動き方をするようになったかという疑問を抱きながら相手の攻撃を避けていくと
(なる程ね そうやって僕の力を測ろうとしていたという訳かな?だけど君の力は大体分かった。これ以上の戦いをする必要はないだろう?)と突然語りかけてきた 俺はその声を無視することなく受けてたつのだけど
(そうか、どうするんだいこのまま戦いを続けさせても構わないよ僕は別に構わ無いけど もしかすると、タカシの命が無くなっちゃうかもしれないしねぇ~それにしても不思議なものだよね僕はタカシを殺すつもりで動いていたというにも関わらず僕はタカシを殺したくないという気持ちがあるなんてね まぁそれもこれも全てはこの力が原因なのはわかってるんだけどねぇ まったく困ったもんだいや でもその前に 少しだけ教えておく必要があるようだから教えることにするよ僕の能力 それは。あらゆるものを操ることができるというものだよ もちろんその能力は 人の魂を操作することも可能なはず。ただし。それをするには、僕が相手をよく知る必要性があった しかし、僕にとって。相手を知ることなど簡単なことだから もう既に準備を整え終わっているよ だから、これから。僕は、君に。呪いをかける。この呪われた力に対抗できる方法は存在しない。だってその力に対抗する為の方法はただ一つだけだから そしてその方法を教えることはできないし 教えたところで君に実行することは不可能なはずだから それでもその力を行使させたいというならば。やってみると良いよ ただ、その前に忠告しておこう。君ではどうすることもできないってこと それではそっちにいくね。せいぜい頑張るといいさ」という発言を行った後に。その言葉を真実だと示すかの如く。セイラは俺が立っていた場所に現れた。
そのタイミングを見計らう形で俺に攻撃を仕掛けてきやがるので、俺はその攻撃を受け流しつつ カウンター技を仕掛けることにしたのである
「喰らえ。俺の一撃を受けて見やがれぇ」
すると その拳が命中するかと思った瞬間に 彼女は俺から離れて行った。そればかりか、彼女は俺に「なかなか楽しかったぞ。またどこかで出会った時には勝負をし合おうじゃないか。それまでさらばだ!」という台詞を残し。俺のもとから立ち去っていってしまったのであった。
俺が、この世界の人間ではないということを知られた上で戦いを挑んできたあの女性。彼女の目的は一体なんなのか それが未だに分からないままにいた そもそも俺がこの世界にやってきた目的というのが。
あの世界での居場所を失い、新たな居場所を探すためにやってきたという部分があるので。今となってはあまり意味の無いことではあるが、しかし 今の俺には。どうしても叶えなければならない願いが存在するのだ 俺がこの世界で成し遂げたい願いは。魔王を倒して。俺の仲間であった彼女たちの笑顔を取り戻したかったのだ その思いが強くあるために。俺は魔王と戦う覚悟を決めていた。
魔王との戦いにおいて、もっとも優先しなければならないのは自分の身を守るということと、仲間たちを危険に晒すこと無く、無事に勝利に導くことである だがしかし。俺は、魔王軍に所属する一人の少女を見逃すことはできなかった。なぜなら彼女は魔王の側近に上り詰めて、この世界を滅ぼそうとしているのだから そんな奴らを放っておくことができないと考えた俺は、彼女と話をすることに決めてから彼女の後を追いかけるように駆け出す すると。彼女はこちらの追跡を振り切るために走り始めたので俺は全力疾走をしてから彼女を追う それからしばらくして、彼女は、とある洞窟にたどり着くなり足を止める。
それに合わせて俺は足を止めたのだが、彼女はそこで口を開く その言葉とはいったいなにかと言うと 俺の目の前に突如として現れていたのだ。それは、まるで空間転移のように俺の目の前に移動を果たしていたのであった その行動はあまりにも唐突すぎた上に。俺は驚きのあまり言葉を発することができなかった さらに俺はその女性の姿を見て。驚愕することになる その見た目というのは この世のものとは思えないくらいに美しいものだった。そんな彼女が俺に「ようやく会えたわね」と。そのように俺に告げてきたのだ
「えっと
君みたいな可愛い子が俺のことを知っていたりするのかい?」と問いかけてみる すると彼女は、「そう、やはりあなたはまだ知らないようね。私はレイラ。『神眼』の能力を持つ者よ」という言葉を口にしてきたので 俺は。その事実を受けて。すぐに自分の能力を解放させると、彼女のことを鑑定しようとした。その結果。その通りであることが判明する ーーー 種族 吸血女王 レベル 10000 体力 100万 物理攻撃力 10 魔法攻撃力 50000000 スキル:完全防御壁(固有技能)/全属性耐性 超回復 魔血支配 ーーー それが目の前の女性に対する俺の解析の結果であり。それと同時に、俺は目の前の女の強さを再確認する。
俺は、目の前にいる人物。『吸血鬼の女王』と名乗るレイラと呼ばれる女性を見ながらこう思うのであった レイラという名前が本名なのかどうかはわからない しかし吸血鬼という種族には、『レイラ』という名で存在している人物が居ることを俺自身は知らなかった。
そのため
この吸血鬼には何か特殊な力が存在しているのではないかと思わざるを得なくなってきた なので、俺自身も、【ステータス閲覧】の技能を発動させた上で。目の前の相手に対して【ステータスオープン】を使用してみると ーーー ステータス表示名 吸血の姫 ーーー 職業 :ヴァンパイアクイーン(固有職)
年齢:15歳
レベル:50/1001(MAX)
(MAX)生命力 320000(MAX)
魔力 9600000(MAX)物理攻撃力 2800500
(MAX)魔法攻撃力 6300010
(28000+50×630=3700050×2300+1250×440+150570=7802550320010)
耐久 5900050321262024299483976009372212609943872375909608985463844565560456060594964767989998878956965359695549557988995889565679898958888889588869598968966956898949897959589889598968988959695989298989896989695969898959695959896 能力値上昇率 +10% HP成長率増加 MP消費軽減++5% SP取得補正 +15%% 獲得経験値上昇中 熟練度取得向上中 称号 始祖 真祖 能力保持(共有不可 譲渡可)
ーーー どうやら、この女性は。かなり優秀な存在であることがよく分かる。なにせ、数値の数が尋常じゃ無いほどに多くなっていたのだから しかし 俺の目に映る画面には 彼女の持っている力の詳細が表示されていない。つまり この画面の中に表示されている文字化けした項目については、おそらく何らかの条件が必要なんだろうとは思うけど しかし、こんなことを考えていても仕方が無いと判断をする まずは、この女性が。どのような目的をもって俺に戦いを挑んできたのかを確かめることにした 俺は、とりあえず、彼女に話し掛けてみたのだが。俺から話しかけられたことに対しては特に興味がないようで無視されてしまう。
次に、俺の能力によって手に入れた情報によると、この女性には、俺が持つ、すべての状態異常効果を発揮することが可能だということが発覚したので 俺は試しに毒を盛ってみることにした。もちろん殺す気は無い 俺は目の前に存在する相手である女性に、致死量の三倍の毒を盛りつける その途端、彼女は苦しみだすが どうやら死に至るようなことはないようだ 俺の持つ【ステータス】の力により調べたところ。彼女の体は俺からすれば考えられないような再生速度を誇っていたからである その証拠として、俺が毒を与えているにもかかわらず。
彼女の体に傷が付き、そこから大量の血液があふれ出てくる。
だが、彼女の体の中の臓器に関しては、普通に動いている様子も伺える その光景を目の当たりにした俺はあることに気づく。この人は、不死身の存在なのかも もしかすると、俺に攻撃を与え続けてきた際に、あえて致命的ではない箇所に攻撃を行っていた可能性もあると踏んでいる。その理由は簡単だ もし仮に彼女が不死身だとしたらの話なのだが、彼女を殺す為の攻撃を加えるよりも 逆に彼女を殺すことのできる存在を探すことに意識を向けたほうが賢明だと考えた結果による結論でもある ただここで、疑問が生じたのは何故わざわざ。そのような面倒くさいやり方をしてまで俺を殺そうとしてくるのかという部分であった。
そして俺は彼女を倒すために動き出すことにする。
この女性相手には普通の方法で戦うと間違いなく勝てないだろうという俺の直感を信じた上での行動でもあった だがしかし、俺はあることに気づいた。それは、この女性を相手にするのであれば。俺のもつ、ある技を使うべきだということを俺は思いつき実行することにしたのである 俺は右手に光を集めることから、ある技の発動を開始する この技を使用するにあたっての問題といえば。俺が所持しているあるアイテムを使用しなければいけない点にあった。しかしその道具を使えば 問題なく使用できる 俺がそのように確信していた時に、相手が動く気配が伝わってくる。どうやら、彼女にとって、先ほどの一撃をくらったことは痛手になっていたようで 俺が何をしようとしているかを見抜くべくして視線を合わせてきているように感じ取れたので俺はそのまま行動に移すことにした。
その刹那 俺の拳から繰り出された光線は、レイラに襲いかかっていく。
それを彼女はなんとか回避をすることができたのだが。俺の予想通り、この光線を受けた部分は完全に消失しており 肉体が完全に消滅したことで 頭部と胸部の部分のみが残された死体のような状態でその場に倒れこむことになる 俺は、このタイミングを逃すことなく。彼女の体に触れて。蘇生を試みる しかし。彼女の魂を呼び戻そうと試みるも。なぜか反応がない。これはおかしいぞと思いながら俺はさらに力を注いでいく
「起きろぉおお」という声を漏らしながら俺は彼女の身体を修復していく そんな最中。彼女の目蓋が開くと。俺はその女性と目が合う。
「あなた、どうして私を助けようとするの?私はあなたを殺しにここにやってきたのに」そんなことを言ってきたのだ。だが、彼女はまだ自分の置かれた状況を分かっていないようである なので俺は、その言葉に対して
「それはどういうことですか?」と問い返すと。彼女は、「だって私はあなたの仲間を何人も殺したのに それでもあなたはこの私のことを救おうとしているじゃない。その事実だけでも、十分に理解ができたわよ。だからこそあなたを倒さなければならない理由が生まれたわよ でも残念だけどあなたのその行為は無駄に終わったようね。なぜなら私が生き返ることは無いのだから。まあ当然よね 私の首を完全に破壊されてしまったらもう助かりっこないもの。だからね、早く楽にしてくれないかしら。そうしてくれれば、痛みもなく殺してくれるわよ その方があなたにとっても嬉しいでしょう。だから さっさと死になさいよ!!」
と言ってきたので俺は。「それは不可能です 俺は絶対にこの人を生かすために全力で行動を起こします」と口にする。
そんな俺の言葉に対してレイラは俺に問いかけるように言葉を投げかけてきた「いいえ 不可能よ あなたには、すでに勝ち筋はないのだから。その言葉通りに死んでいきましょう。それこそが幸せへの第一歩なのよ そうね あなたみたいな無能のゴミ人間には、それが一番お似合いの生き方ね」といってくるのだ そんな言葉を聞いた俺は、怒りを抑えながらも、目の前の女性に向かって、「あなたは自分のことを過小評価していますよ」という発言をしてしまう。ただそれと同時に 俺は、とあるアイテムを取り出すと その瞬間。彼女は驚いた表情を見せると同時に。すぐに俺に向けて攻撃を仕掛けてくる。それも凄まじい速度で 俺の首を狙いすました攻撃をしてきたのだ。
しかしながら 今の俺にとってはそこまで難しいことではなかったのだが、相手から仕掛けられた攻撃を受け切るだけの力を持っていなかった俺はあっさりと その攻撃を受けた結果になる そのせいもあってだろうか。俺の手に持つアイテムを使用してしまったが故に、相手の首を跳ね飛ばす前に俺の体が吹き飛ばされる その際の出来事によって、地面に叩きつけられた衝撃を受ける羽目になった。
しかも最悪なことが起きる 地面を叩きつけられ、勢いよく背中の方に落下したことで 俺の肋骨が全て折れるという悲惨な事態に陥ったからだ。その結果。俺が身につけていた装備もボロ切れのようになっていく この惨劇を引き起こしたのは目の前の女性が原因であった。彼女の放つ強烈な攻撃が直撃したことによるものなのであった。
俺は、何とか立ち上がろうとしたのだが。
目の前に立つ女性が放った攻撃の影響で思うように動けなくなっていた。なので。
俺自身が身に付けている防具などを使い少しでも回復に努めることにした ちなみに、彼女が放っていた攻撃についてであるが。あの時は気づいてはいなかったものの。彼女が、自身の能力を使って俺が使用した武器に纏わせていたということが判明した。
その事を踏まえて考えるに、俺が、彼女の能力を把握できていない限り、このまま戦えば確実に殺されることが目に見えていることに間違いないと思ったのだが。しかしだ、現状において彼女にダメージを与えることができたら倒すことが可能になるかもしれないと思っている というのも俺自身に備わる能力の中には相手を状態異常状態にすることができるものがあるということを忘れてはならないからこそだ ただその代償についても存在していることを理解する必要が出てくるだろう。その対価というのは体力の減少であり、簡単に言えば死ぬ可能性が高まってしまうことである。そのことを考慮すれば相手を殺すためだけに自分を犠牲にするのは良くないことだと言えるであろうからなのであるから 俺は【状態】の欄を開くことによって確認を行う するとやはりだ 相手に対する【状態】に関する項目が追加されていたことにも気づいた。そこで、俺は早速その【状態】を発動させることによってどのような変化があるのかを確認していくことにすると【HP吸収】【MPドレイン】【魔力吸収】の三種類が存在していたので その三種類の【神言】の効果を全て使い彼女を【瀕死の状態】にまで持っていくことに成功する それから俺は この状態になった女性に対して【ステータス】に表示される、あらゆる項目の値を上昇させて。彼女のステータス値を上回る数値にしてみた結果。彼女は抵抗することができずに。最終的には俺のことを襲ってくることすらできなくなるほど衰弱してしまったのだった。
ただ ここで俺の中に疑問が生じてしまうのがなぜ俺のスキルに状態異常効果を持つ、この技がなかったのかという点である。その答えはすぐに出る。その技を手に入れるために必要な条件が『この技を使うことができれば、必ず勝てるという状況』になることであった。要するにこの技を使用する際に 俺は【相手より優位に立った】状態になる必要があるということである。だからこそ俺にこの技が備わっていなかったということになるわけである。だからこそこの女性を、ここまで弱らせる必要があったのである。
だがこれで ようやく戦闘が終わったのかと思っていた矢先。突如として女性の体に何かが起こり始めたのだ。俺は何が起きたのかを確かめようと必死になり 彼女の体に触れようとしたら、その行動を阻止されてしまったのだ。それは彼女からの攻撃が原因でもあった。だがそれ以外にも大きな要因が存在することがわかったのだ。その原因として上げられるものは【彼女が持つ再生速度】の影響によるものであることは明確であった どうやら【彼女の持つ再生速度】によって俺が与えたはずの【毒】は瞬時にして再生されてしまうことになり 彼女の体の中の器官などが動き出すまでに時間はかからず まるで今まで止まっていた時間を取り戻すかのように動き出していた。そうなってしまうと俺は彼女の体に触れることができなくなってしまうのである そのためこれ以上の行動をとることが不可能になってしまった俺は仕方なくその場から離れることにした。そして少し離れた場所に移動するなり 先ほどの現象を確認するべく、ステータスの画面を呼び出し 詳細の項目に表示されている 彼女についてのデータを見てみるとそこには信じられない内容が書き記されていたのだった。その理由は、彼女が所持していた特殊能力を俺が完全に無効化していたという情報が記載されていたからである。
その情報を見た俺は 彼女を倒す為には手段を選んではいられない状況であることを理解し すぐさま次の行動に出ることに決めるのであった。
俺は今の状況を整理しつつ今後のことを考えていく この女性は俺の想像を絶するほどの強さを誇る存在であった。その強さを物語るように 彼女が保有する全ての力が尋常ではなく強いものだった そのおかげで 俺が発動することのできるスキルでは対処することができないくらいに厄介なものとなっていた。しかし俺には一つだけ弱点があったのだ。それは、その女性に勝てるようになるためには俺の所有するスキルの全てを開放する必要がある点にある。だからこそ俺のやるべき事は、まずはその封印された状態にある。スキルを解放するためにどういった手順で行けばいいのかを知るべく。俺は彼女との戦いで得られた情報を詳しく調べることにしたのだった。
(それにしてもだ、どうして、こんな化け物が俺に戦いを挑んできたんだろう)
と俺の頭の中は不思議で一杯になってしまうが、今は気にしている余裕はなかった。
そんな時に彼女は目を覚ましたらしく、こちらを見ながら言葉をかけてきた。「ねぇあなた。これから私と遊ばないかしら?私はまだまだ満足をしていないんだけどね」と言葉を告げられるが。正直なところ、この状態で遊ぶなんて真似はできない。しかしだからといって諦めてしまえば、それで終わってしまう可能性も十分にあったので、俺はその誘いを受けいれることに決めてみたのだった。しかし。俺と彼女の立場が逆であれば 間違いなく同じ判断をしていたはずだということはわかっているし、そもそもの話、そのように行動するのが正しい選択であったはずである なぜなら、俺は、彼女に完全に殺されてしまっていた可能性が高いわけであって、だからこそ。今の状況下で俺と遊びたいと言われても全く喜べないというのが一番の理由なのだ
(俺も男だし、女から誘われたら断る理由はないと思うけど、さすがに手加減をする余裕がないからさ 手を出してはいけない領域に入っちまったんだよ。その辺だけはちゃんと説明しておくべきだよなぁ。うん、絶対に伝えよう!!)
俺はそう思うと共に目の前にいるレイラさんに向けて
「レイラ様 俺はですね もう戦いたくはありません」という意思表示を行うことにすると彼女は「そんなに緊張する必要はなくていいわよ。だってあなたは私に殺されることが確定事項なんだもの」と言ってくるが、その発言を耳にした瞬間、レイラの全身に鳥肌が立ち始めてしまった。なぜなら、目の前の男性からは恐ろしい気配が溢れ始めていたからだ。そう その男性の正体とは紛れもなくシンドウのことであった。そんな彼の雰囲気を感じ取ってしまった彼女は怯えた様子を見せながら、「えっと、そんなつもりじゃなかったんです。ただあなたのことを仲間を殺した報いを与えたかっただけです!!」と慌てて口にするが 彼は何も言葉を発してこなかった。それどころか彼女は恐怖を覚えているような感じになっていた。そう彼女は理解してしまうのだが何故なら自分の目の前に現れていた彼が纏うオーラが変化していったのを目の当たりにしてしまい恐怖心を抱いてしまったのだ。
そして彼女が目の前に立つ彼から逃げ出す為に立ち上がろうとした時だったのだが なぜか急に体に異変が起きるようになると同時に激痛を覚えるようになってきてしまうと同時に意識が遠退いていっていることにも気づくようになり焦り始める。それでも何とか立ち上がろうとするのだが足が全く動かせなくなっていたこともあり、逃げることが不可能になってしまっていた そのことに気づいた時には彼女の瞳には涙が流れ始めていていた。それだけ怖い存在と対面していたことを思い知らされてしまったわけであるのだが。そんな彼女にさらなる不幸が訪れようとしていたのである、それは何故かというと【状態】の欄を開こうとした途端のタイミングを見計らうようにして彼女の体が勝手に動き出したのだ。その動き出しはまるで【誰か】に支配されているのではないか。と考えざるを得ない動きを見せていたのである。当然その相手はこの目の前に立つ男性しか存在しなかったのであった。
ただ目の前に立つ男性の方は彼女の様子が変化したことに気づくこともなく無言で彼女の元に歩み寄ると、彼女の胸倉を掴みそのまま持ち上げると、無理やり引きちぎるような力を加え彼女の着衣を剥ぎ取りにかかるのだった。彼女の方もこの行為を止めて欲しいと思っているが【神】の言葉に逆らえる筈がなく 結局、彼女は彼に全てを奪われることになる。しかもその様子を見て興奮を覚えたのか 自身の肉棒が大きくそそり勃っていたのである。それから彼は 強引に彼女を押し倒し犯そうとするのだが 彼女の抵抗により思うようにいかず苛立った様子を見せる。
それもそのはずだろう。本来、女性が受けるであろう快楽を得ることができない状態にされているのである。つまり性行為を行おうと思っても不可能にさせられていた。そのせいもあってなのか 俺の中で怒りの感情が高まってきてしまう そこで俺の頭に【この世界における男女の関係性】についての記憶が入り込んできたのだ その記憶によればこの世界の男は女性から求められた場合、どんなことがあろうと必ず応えなければいけないらしい。逆に言えば 相手が嫌だと言った時点でそれは無理矢理行われるということになるのだ だがこれは俺の考えであり、彼女の考えではないことは言うまでもなかっただろう。むしろ俺は【彼女から求めてくることはない】と判断し、行動に移ることにしたのであった。俺は彼女の股間部分に右手を伸ばし指で刺激を与えてみようとする それからすぐに彼女の体はビクンと反応を示すと、それからは何度も繰り返し その度に声を上げる しかし、俺にはその光景が非常に不愉快極まりないことに思えた。だからこそ俺は彼女の体の中に俺の手を入れると彼女の中をかき回していく すると彼女の中から愛液が出てきて、俺が手を離すと地面にポタッポタッッといった音をさせながらも垂れていき それが地面の汚れていく姿を見た時に、俺は激しい殺意を抱くようになっていた その気持ちをどうにか抑えつけようとしているところで、ふとあることに気づき 試したいと思っていることがあったため 実行することにした。俺は その前にステータスを眺めることにするが。俺のスキルの殆どは封印されていたのだった。そこで俺は【HP吸収】を使うと【MPドレイン】を使用すると、それぞれの能力を発動させることに成功する。【HP吸収】は 【状態異常】を解除できる効果を持っており俺の持つスキルが使用できる状態に戻った そこで俺は【MPドレイン】の方を使用することにした MP吸収の能力を使うことによって俺の【状態】が強制的に【HP】に変化する。これによってHPの数値が上昇を始めたことを確認した俺は その数値にさらに上乗せをすることで。彼女の【状態】を再び書き換えることにした。その作業を終えたことで 俺は この女性の体の中に俺の魔力が侵入したことになり その結果として彼女は【気絶】状態になったのだ。しかし、俺はそれで終わらせようとはしなかった。
彼女の中に俺の一部が入れば彼女の【状態】がどう変わるのかを確認したくなっていたからで 【毒無効】の状態変化が発生する可能性に賭けたのである 俺としては、彼女の体内に俺の魔素を流し込むことができたらと思っていたのだが 残念なことにうまくはいかなかった だけど俺は ここでやめていいわけではない 彼女の中にある異物を俺が回収できればいいのだから そのため 俺は彼女に対して、再度、魔法を使用することにする。今度は回復魔法の類いだ。俺は その類の呪文を全て習得しており それを同時に使うことにした 結果、彼女の体を光が包み込み始めた。その光に包まれていく最中、彼女の体がピクンと跳ね上がると、彼女の目が見開かれ 彼女は自分の体に起きたことを理解する
「えっ?どうして私、裸になっているの?」と疑問の声が聞こえてきたのである。俺は彼女の様子を伺いながら質問してみた。
「君は、自分の身に何が起きたのかわかるか?そして今、自分がどのような状態にあるのかも教えてくれないか?それによって、俺の行動が変化するかもしれないからな」という俺の発言を聞いたレイラは自分の体に起きていることを把握しようとしていたが 全く分からず、困惑している表情を浮かばせながら「えっと私はどうしてこんな状況に置かれているのですか?それに私のこの状態をなんとかする術を貴方が持っているってどういう意味なの?まさか私が貴女のペットにされちゃったとか」という言葉を聞いてしまったために 先程、俺が抱いた思いなど簡単に砕け散っていく。
そんなことを考えている間に俺は彼女に服を渡すことにし 彼女が着替えるまでは待つことに決める その途中で、彼女が突然「そういえば、あなたの名前はなんていうのかなぁ~、名前ぐらいなら聞いてもいいよね」と言い出してくる。
俺は、どうしたものかを迷ったが、どうせ嘘を吐いても直ぐにバレることだと思い。「俺はシンドウだ」というと 彼女は「えっと、その名前、どこかで聞いたことがある気がするような、ないようなってところなんだけど、とりあえず 今はそんなことは後回しにして、私はレイラです」と言ってくれたのだった。そんなやり取りをした後に彼女は、この場から離れようとしたのだが。俺はまだ用事があるということを伝えると。俺の言葉に従う姿勢を見せてくれた。そして 俺とレイラが一緒に歩いていると、彼女の顔色が変わると何かを感じ取ったらしく 周囲を気にし始める しかし、特に変わったものは何もなかったので、安心したらしく俺の顔を見て話しかけてきた。その内容は、彼女が、これから俺と共に旅をしてくれないかという誘いの内容であった。正直、俺はレイラの誘いを受けるべきか悩んだが 断る方が危険度が増す可能性があると思った俺はその誘いを受けることにし 二人でこれからのことを考えるべく歩き始めることにするのであった。
レイラさんは僕と一緒に旅に出ることを決意してくれたのだが その判断が正しいかどうかは、わからないが。彼女は僕の話を聞く限りは魔王軍と繋がりがある可能性が高いのである。そう思った僕は、彼女に確認を取ると 彼女は首を傾げながら「それはどうかしらねぇーだって今の魔王軍には私より強くなった子がいるんだし私じゃなくても問題ないと思うわよ」といっている。それだけではなく彼女は、自分は元奴隷であることを伝えて来た上で、「もし今の話が真実であればの話だけどね」と口にしてきて笑っているのだけれど僕は笑うことは出来なかったのだ その理由というのが彼女の過去についてなのだけど彼女の口から発せられた話は凄まじいものだった。というのも彼女の故郷である国は滅んでおり現在は隣国との戦争で疲弊していた国を治めているのは王族の血を引いていない女性だと聞けば誰もが驚く内容だったからである しかも、この世界では戦争が起きても基本的に男達は戦地に駆り出され女子供だけが残されることになるとのことだったのだ。その為なのか女性達の権力が強くなっており そんな彼女達に逆らえば待っているものは死しかない。
そのせいもあってか 今では奴隷制度が当たり前になっており、その中でも人族の女性は高級品として取り扱われるらしい。そして、女性達が住んでいる街には警備兵と呼ばれる人達が常に巡回しているために逃げ出すことは不可能らしい そんな中でもレイラという女性はとても運が良かったと言えるのが たまたま訪れた村の警備隊に所属していた騎士に助けられたからだそうだ。ただ 助けてもらったとはいえど彼女が住んでいた場所は既に敵国の兵士達によって支配されており。そこから逃れたいと思ってはいたが逃げることが出来なかったらしい それから数日後に、彼女を助けてくださった隊長の騎士様は彼女を連れて逃げるように指示を出した。そのおかげで彼女は何とか逃げることに成功したのだが、その際に怪我を負ってしまいその治療をする為にはお金が必要になりその時に冒険者になれば、大金を手にすることが出来ると知ってから彼女はギルドに登録したのだという。その後に色々なことがあったようで彼女は『獣族』の女性を助けると約束を交わしてしまい その女性が奴隷として売られたことを知り 彼女の力を使って奴隷として売り出される前に彼女を買い戻そうとしたようだが。
結局、彼女を買い戻すことは出来ず。仕方なく、別の方法で手に入れようとするのだが。そこで思わぬ人物と出会いを果たしてしまうことになるそこで俺も気になった部分について説明して欲しいと言うと、彼女から答えが返ってくることになった まず一つ目に【勇者】についてだが。そもそも、その言葉自体 この世界では全く知られていないようであった。なんでも【異世界】の存在自体が、こちらの世界の住人からは認知されていないのだそうである。
ただ俺の場合、彼女の話を鵜呑みにすることは出来なくなっている。というのは【鑑定士】の技能によって、この世界の人間と魔物を見分けることが可能になっていた為 彼女の言うことは事実だということがわかった。
二つ目に関しては、その少女は俺と同じ日本からやってきた人物であり この世界を救おうと努力をしている人物であった。俺自身、この世界の事情については知らないことが多く、【異世界転移】をした際の影響によるものか記憶の欠損が生じていることが分かり始めていた。だから俺は、俺の記憶を取り戻す必要があると思い 彼女と行動をともにすることになった。
それから数日が経ち ようやく町へとたどり着いた この町に入るのは 俺にとっては初めての体験で 町の様子を見渡した後は彼女の指示に従いながら行動する。そのおかげなのか無事に彼女の宿に到着することが出来た。
その翌日になると、俺たち二人はギルドに向かうと、そこで依頼を引き受けて達成することを繰り返すことにした しかし その日以来、俺は違和感を覚えるようになり。彼女の様子が少しおかしくなる そのことを不思議がっていた俺に対し、彼女も俺と同じように不思議な感覚を覚えていると話してくるのだった。そのことについて俺は【スキル共有】を使い、お互いに得たスキルの効果を実感するために、互いの体を密着させることにしたのだが。そこで 俺にスキルが新しく追加されたことを理解するのと同時に【HP吸収】という能力を手に入れていることを理解したのである。
その結果、俺は新たな【固有技】を手に入れることになり。さらに彼女の方にも俺と同様に【魔力変換】の効果がもたらされることとなった この能力は相手の魔力を奪うことで自らの魔力に変換するというものであり。俺が手に入れた【状態異常】系の効果を持った攻撃を吸収することが出来るのだ だからこそ、彼女が持つ【状態】を変化させることも可能なのである。そのことから俺が、レイラの【状態】に変化を与えた後に 【HPドレイン】を使用していく。その結果、彼女の体の中で、彼女の【ステータス】が変化していった。
【MP】や、魔力が上昇したのはもちろんのこと。新たに獲得した彼女の新しい特性についても俺は把握することができたのだった。ちなみに、その現象を確認するためには彼女の裸を見ることにならざるを得なかったために、その件で彼女を怒らせてしまい。
しばらく機嫌を損ねてしまっていた。
そんな出来事も乗り越え レイラという女性との仲を深めながらも日々を過ごしていた俺はある日に彼女が、とある店を見つけてから立ち止まるのと同時に俺の方に視線を送って来た。
「ねえ、シン君、あの店が私達に関係している気がするんだけど、ちょっとだけ見ていってもいいかな?」という発言と共に店の扉を開けるのである。そんなわけで初めて入った店で、レイラはある指輪を見つけるのである。
その瞬間である 俺の視界が突然、切り替わる そこには一人の少年の姿があった。年齢は10歳ほどに見えるのだが。彼は何故かボロい服を着ており、髪や体も汚く 肌が汚れていた。どうやら彼が寝床としている場所は牢屋らしく、その中には複数の人間が押し込められている その中で、最も目立つ人物が二人存在した。それは男女の組み合わせで、一組のカップルのようである。女性の方は俺と年齢が変わらないように見える しかし、男のほうは30を超えているのではないかと思わせる外見の持ち主だった。この男は俺からすると、どこか胡散臭いような雰囲気を持っている。
この二人が何をして、こんなところに押し込まれているのか理解できなかったが。その理由を探るべく、俺はレイラに意識を切り替えることにした 俺は目の前の状況を確かめようと動き出すと 俺の動きに対して反応するかのように、男性が口を開き 話しかけて来たのである
「何者なんだ、お前達は? どうして、ここに入り込んだんだ?それに、そこの女、そいつのことを、どうするつもりだ」という言葉を口にしたのだ。
俺はその言葉を耳に入れたあと。すぐにその場を離れ、レイナさんのところに戻る。俺はレイラと意思を同調させ、状況を確かめることにする 俺は自分のことをシンと名乗っていることを伝えたのだが
「ふざけているのですか。ここは王都なんですよ、あなたが何者かは知りませんし興味すらありません、ですけどね。あなたみたいな怪しい人物を放置することはできないのですよ」と言われてしまう その状況を受けて、どのように対処しようかと考えていると。突然レイラさんが、男性の方に向けて 魔法を行使し始めた。しかも 彼女の使う魔法の種類はかなりのものである。それだけでなく彼女は次々に、次々と、魔法を繰り出して行く、その様子を見ていた男が慌てる素振りを見せた。それを見た俺自身も彼女の魔法を止めるように試みるが 俺の行動が遅すぎたせいか。レイラの行使している術式は発動してしまい。辺りに激しい光が広がった。
そしてレイラは光に包まれた直後に姿が変化していったのである。
その姿を見てしまった男性の顔が驚愕の色に染まる その姿を見て俺は嫌なものを思い出してしまい 頭を抱えそうになってしまう。そんな状況下でレイナは「私の名前は魔王軍四天王の紅き悪魔と呼ばれることもあるレイランよ、今から貴方達を殺すわね」と声を出す。そうしてから、魔王軍の連中は一斉に行動を開始したのだけれど。それとほぼ同時に先程まで戦っていた二人の魔族と騎士たちが駆けつけてきた。騎士は剣を構えながら攻撃を仕掛けようとする だけど、それを許すほど 相手側は甘くはない 騎士が剣で斬ろうとしたときには、すでに彼の体は切り裂かれていて、絶命していたのだ。
それから俺達は戦闘を開始し、敵側の幹部と思われる女性と 戦う羽目になる。その女の名はリリス。その女性との戦いを終えた直後のことである 俺は、ふと思ったのだ。もしかすると このまま、この女性を連れて行けば。どうにかできるのではないか そう考えた後、彼女に確認を取ってみる すると彼女は俺の考えを受け入れてくれたようで。俺達は女性を連れていくことを決めるのだった。ただここで問題が発生した。連れ去ることは出来たのだが どうやって彼女に伝えるべきか悩んでいたのだが。その問題については女性自らが解決してくれた 女性は自らをクロエと名乗り。
自分が元奴隷であり、現在進行形で主人に命令されていた内容について語り始める。その内容は酷すぎるものだったのであるが。
彼女曰く、元主が行っていた実験が失敗すれば 自分達の命が危険にさらされ、そして この場で殺し合うように指示を受けていたのだという。そして この女性が命を落とすと他の奴隷達も同様に死亡する仕組みになっているらしい 俺の【状態異常】が効かなかった理由を考えて見ると 彼女の体が毒の塊になっていたからだと考えることができるため納得ができる話でもあった ただそうなると厄介なことになるなと考えてしまい頭が痛くなる思いをすることになるとは思ってもいなかったのだが ------side.シンドウ
(俺は今どこにいるんだろうか?)俺はそんなことを考えていた。目を覚ましたばかりだからなのか少し混乱気味だった。とりあえず、現状を把握しなければと周囲を見渡すと俺が目にしたのは天井であった、それも豪華な作りをした建物のような印象を受けた場所なのだ そのため
(まさかと思うが異世界転移してしまったなんていう展開じゃないだろうな)と思ってしまうのであったがその予想通りだとしたら困ったことになってしまったと言えるのである ただ本当にそれが起きたのだとすれば俺は一体どんな場所に転生を果たそうとしているのか不安に思う部分もあり自分自身が置かれている立場を考えるだけでも恐怖を感じざるを得ない。
ただ俺は気がついたことがいくつかあったのだ 一つ目として俺自身の体に起きている異変に関してだが、これはおそらくだが 【HP吸収】の影響による現象なのではないのかという結論に達した。その理由としては、ステータス画面に表示されているスキル一覧の中に、新しいスキルが追加されていたのである 【HP吸収】という能力が追加させられていたため。このスキルが関係しており、それが故に肉体が変化して行っているのではないかという可能性を考慮することができる。また他にも【魔力操作】のスキルが新たに追加されていて それによって自らの体内に存在している魔力を自在に操ることが可能となっているのは間違いない事実でもある この二つの事柄は、俺にとっては大きな変化と言っていい なぜならば今までは自分の体にある魔力を扱うことができておらず 俺は自分の力を完全に引き出せていない状態になっていたからである その結果 俺は自らの体を動かすことすら困難な状態に陥っており その状態から脱出できたのは大きな一歩と言えよう。しかし、それだけで終われないこともまた事実なのだった 俺は試したいことがたくさんある、だからこそ 今の自分の状態を確かめておく必要はある。まずは自身の身体能力の確認を行っていくと、かなり良い状態で維持されていることがわかった。
というのも【HP自動回復 極】という技能が、その効果を発揮しているのか。
傷口から流れ出た血液も体内に戻り始めていた。さらに、スキルの中には、
『HPドレイン』というものが存在していた 【HP吸収】の上位互換ともいえる存在のようだが こちらに関しては、【HPドレイン】とは異なり【HP吸収】が 対象に吸い取らせるのとは違い 相手の体力を奪い取ることが可能のようである。ただし欠点もある このスキルを使用中にダメージを受けた場合 痛みが生じるということである。このデメリットを無くすには、どうするべきなんだろうと悩んだ末である。【アイテム収納】の所持品枠の中にある、
「状態異常薬」を使うことで解決する。これによって俺が怪我をして 出血した場合、その箇所から血を吸うことで 失った体の一部分を補うことが出来るようになった この能力は俺にとっても非常に有益となるものであり 今後はこの機能を活用していこうと決意する 俺はこれからの行動指針を決めたのである。今後俺は、冒険者として行動するのは控えるべきだと思う 理由は単純に 現在の世界では、レベルという概念が存在しない可能性が高いためである。だからこそ下手に行動をするよりも、俺が持っている知識を活用するべきだと 考えている 幸いにして、レイラという仲間ができたことで ある程度の資金的な余裕が生まれたこともあり 今後の計画も考えることが出来た。俺は早速、レイラに相談することに決めるのだった 俺達は クロエという女性と共に移動を開始する その際の移動手段として馬車を使うことにした 理由として レイラを連れて行くために、馬に乗るのは危険な状況になると想定した為である レイラの場合 人型形態の状態で、馬の背に乗り移動するのは不可能というわけではないのだが。やはり危険性があると考えた結果レイラと意思を同調させることで 彼女と馬を乗り継ぐことになったのである ちなみにレイラが使用している装備は 魔王軍の四天王の一人 魔獣使いの女性から手に入れたものである 彼女はレイランと名乗ってくれたのであるが そんなレイラは、俺の隣で一緒に歩いているクロエを見ながら 何かを気にしている様子だった。
そんな彼女の姿を目にしていた俺は
(どうしたものかな。彼女の身に何が起こっているのかを聞こうにも、いきなり聞くわけにはいかないよな。一応 レイランに確認を取るのが一番無難だな。レイランは俺達の味方だと思っていたんだけど、もし違った場合は、俺達は敵対することになりかねないんだよな。そのあたりも確認しておきたいし)と考えていた時である 突如として俺の前に一人の少女が現れたのだ そしてその少女を見た瞬間 レイラが慌てた表情を見せたのだ。そのことに驚いた俺ではあったが、目の前にいるレイラが動揺した姿を見せるということは それなりに警戒する必要のある相手が出現したということにもなる 俺はすぐに戦闘を行える準備を整えたあと 武器を構えたのだが。現れた相手の姿を確認したあと俺は困惑してしまう 何故なら、そこに立っていたのは。レイラと同じ顔を持っている 金髪の長い髪をツインテールにした幼い姿の少女 つまりレイラの妹と名乗る女性。レイカだったのである 俺達は、突然姿を現したレイラに似た容姿をしている女性のことを観察していた。彼女の年齢は13歳ほどにしか見えなかったのだけど。レイラの話を聞く限りではこの女性が魔王軍の関係者であるということが分かった そして俺達に敵意がないことを伝えてきた彼女はレイラに向かって謝罪の言葉を告げるのである。彼女は自らレイナと名乗った後 レイラに対してレイナからお願いがあった。その内容は「私と一緒にレイナの姉さんを助けて欲しい」というものだったのである レイラはその言葉を聞いて、少しの間だけ黙っていたけど そのことについて考え始めたのか 難しい顔をしたあと、真剣な口調のまま。私に姉さんのことを教えてほしいと言ったのであった それから俺は彼女達二人の関係について 確認を行ったのだ。
「えっと。とりあえず 確認させてもらいますね。まず貴方達二人はどういう関係で?妹だとかそういうことですか?」
俺が問いかけると彼女は答えを返してくれた。
レイナは俺が想像をしていた通り魔王軍の一員であり、姉のことを救い出す為に活動しているそうだ ただそんなレイヤがどうしてこの場所にいたかは分からないのだという。そんな彼女がここに来た理由を尋ねてみると俺達は今現在王都に向かう道中で旅路の途中であり、そこでたまたま魔物に襲われた際に戦闘を行っていたところ助けてくれたのがこの子だったということだったようだ ただその前にレイムは彼女の姿を見て驚いていたような反応を見せており俺はそのことを質問しようとしたのだけど先に口を開いたのは彼女の方であったのである。それはこの子の種族に関してなのだが。彼女は魔族ではないと言っていたのだけれども。それでも俺は確認しなければならないと思ったのだ。
彼女の言うことが本当かどうかを判断することができないからだ だから確認しようと思ったのだ その結果 俺は信じられないものを見る目で彼女を見てしまうことになるとは思わなかった。なぜなら彼女は人間だったからである。しかし彼女の体は、確かに人間のものではないと理解させられるものでもあった。彼女から説明された内容を整理すると。彼女の体の内部には魔力が存在しているようで、その魔力を利用して 自分の身体を変化させているそうなのだ しかも 変化を行う時に痛みを感じることはなく 自らの意思によって任意に変化が可能になっているらしいのである。そしてもう一つ、彼女自身が教えてくれた話によれば。自分は 神が創造してくれた肉体を元に、この世界の生物とは違う生命体として生まれ変わった存在であるらしい 簡単に言えばこの世界では存在しない生物ということになるようだ 俺がそんな話を耳にした後、彼女にどのような経緯で生まれた存在なのかを確認しようとしたところで。今度は俺の方から、聞きたいことがあるのでと断りを入れた後に なぜレイランと名乗っていたのかを尋ねた 俺の話を聞いたレイラはすぐに、本当の名前を言おうとしたがそれを遮って、偽名を使ったことに対する謝罪をする その理由については 自分にとって 家族と言えるのは同じ世界で生まれ 共に育った者達だけであり。それ以外とは関わりを持ちたくないと考えているためだと言われた そして 自分が、レイラという名前で活動することになったのも、レイリアのことは絶対に誰にも知られてはならないという事情があり。それ故に姉妹であることを隠し、他人の振りをする必要があるからだという そのような事情からレイラという名前を使ってきたという話を聞いた上で 俺自身も気になっていたことを説明することにした まず最初に俺が口に出したのは自分の名前が【シンドウ マサシ】だということである 俺が本名を口にしたことによって。レイルは、驚愕した表情を見せていた。そのことから俺は自分の予想通りだったことを確信することができた。そう、俺は転生者であり前世の記憶を持ったままこの異世界にやってきたということを その事実を知ってからは、俺はレイリスという男性として振る舞うことに決めたのである しかし 俺の場合は、元々の名前を名乗ることが 危険だと判断できた。
そのため、俺は、新たに【名前】を付ける必要があると感じ、新しい【ステータス】を作成しようと考える 俺はステータス画面を開き作成を始めるのだった。そしてその結果。俺は自らの能力を確認できるようになる。その結果。俺は【能力値上昇】や【成長速度超向上】というスキルを得ることができたのだった またスキルに関しても色々と増えていた その中で俺は一番欲しかった技能を手にすることが出出来たのだった
(まさか【全魔法】スキルを手に入れることができるなんてな 嬉しい誤算だよな)
しかし。【称号】という欄が増えていてそこには
『神々の使徒』という項目が追加されていたが 今はそこまで気にしない方がいいだろう それよりも 新たな仲間に自分の素性を告げた 俺とレイラの仲間に 俺と同じように元の世界からこの世界にやって来た者がいたということを知り 俺とレイラスは驚く なぜならばレイラが俺のように別の時代から、この世界に来ていることを、今まで一言たりとも俺には伝えてくれなかったことが。とても寂しく感じたからである だからこそ。
レイラが レイナスのことを仲間だと思い。今まで隠し続けてきた気持ちが理解できるのだ。レイラはきっと、自分の身に起こった出来事をレイナにだけは知られたくなかったのだ だからこそ レイラは、ずっとレイーナの事をレイスと呼んで、距離を置くように行動していたことが伺えたのだった そのことを考えた結果 レイラには悪いのだが レイラは本当に優しい女性で良かったと思い。俺自身でも気付かないうちに微笑んでいた。
そして レイナスは そんな俺の態度を見て 不機嫌そうな顔になり睨みつけてくるのだがそんな視線を受けたことで 先程まで考えていた レイラへの嫉妬の感情も忘れてしまって。レイナスに対して申し訳ないと思ってしまうのであった。レイナはそんなレイラの様子を確認すると すぐにレイラに声をかけた レイラスはレイラと会話を交わす レイラの様子を見ていた俺は、二人の関係性がどういったものだったのだろうかと思う だが 俺が考えているよりも、二人の間には信頼関係があったようである。というのも、レイナは レイラがレイレスを姉と呼ぶことを快く認めてくれたのだ。そしてレイラスが 俺達の旅に同行したいと申し出た時である。レイラスは 魔王軍の四天王の一人であり、レイランと呼ばれていた女性のことを教えてくれた。レイランがレイラのことを魔王軍に連れて行こうとした目的について、彼女は「魔王様に命じられた任務を達成するために必要なことだ」という理由を述べていたことを話してくれるのである。ただ、その任務というのは魔王軍の幹部の中でも一部の人間しか知らされておらず、四天王の一人に過ぎないレイランにも伝えられていなかったのである。その為レイラスとしては そのことについては詳しく知らなかったのだが。そんな彼女に対して。俺は一つの可能性を伝えることにしたのである。それは、レイランが何かしらの方法で レイリアが生きているということを突き止めたのではないか?というもので もしもその推測が当たっているのならば。彼女の狙いが何であるのかを考えてみたほうがいいかもしれない しかし 今の段階では何一つとして確証が持てるわけではないので とりあえずその件に関しては レイランスにこれ以上の情報を与えるつもりはないという旨を伝えて 彼女が今後どうするつもりなのかを聞いてみることにすると彼女はしばらくの間悩んだ末に答えを出したのか 同行することを改めて決意したと言葉にする。
そして俺達の目の前に立つレイラと全く同じ姿を持つ幼い少女の名はレイカスと言うそうだ。
ただ彼女の名前は偽名であり、本当は【レイラ】と名乗っているのだということも聞いた。
どうやら彼女は魔人と呼ばれる種族らしく年齢は俺と同じ13歳なのだとか ただ外見年齢とは異なり大人びており落ち着いた雰囲気を感じさせる少女だった。
彼女は、そんな自分を気にすることなく受け入れてくれた俺達に感謝の言葉を述べたあとこれから向かう王都に関して詳しい話を聞かせてくれたのだ。
そして俺達が向かっている場所でもある王都のことを少し説明しておくことにする ただ俺達の中で 唯一レイカのことを知らないアカリちゃんの為にも説明するのだった レイラの説明を受けて俺は ある考えを抱く。それは レイランはレイリアがどこに囚われているかをすでに知っているのではないかと思い 俺はそのことを確認しようと質問する レイランから返ってきた返事の内容は「まだ確定的な情報ではないけれど
。おそらく私達は、聖剣を手に入れようとしているのだと思うわ。貴方達にその話を聞く限り。姉さんはその武器の力を必要としているはずだもの」というものだった。
レイラは「やっぱり」と言ってから納得しているようだったが そこでふと思ったことがあり俺は そのことについて質問してみる。
すると返って来たのは、やはりというかなんというか。
彼女は、自分が魔王城から持ち出すことが出来た数少ない道具の一つに。この世界で確認されている4本の聖剣のうち。
1つを所持していることを教えてくれたのであった。
しかし、魔王軍が所持していた聖剣の一本 雷を操る力がある。
【天の聖杯】が、この王都にあるはずなのだが未だに発見することができていないのは、なぜなのだろうと疑問を感じたところでレイリスが レイラに向かってこんな提案をするのであった。
それはレイリス自身が、この国の騎士団長であるガインの誘いを断る口実としてレイラを誘おうとしていた内容だったのである。
レイラはこの提案を断ろうとしたのだけど。俺の方から説得を行う形で。最終的に俺と、レイナと、レイルスとレイウスが レイリスの提案に乗るという形でまとまったのである。そのことに俺は内心では安堵感を覚える。だってレイナスは俺のことが好きじゃないようなんだよね。
それに 俺としてもレイリスにあまり好かれてないことくらい分かるんだよ。だから 俺は少しでも彼女のことを嫌いにならないように 彼女の願いを出来るだけ叶えるように頑張っていくしかないのである。そう それが俺にとって最善の選択なのだから。
そんなわけで俺の思惑通りに話が進むことになったのであるが。そんな俺の考えとは反対にレイランがレイナスへと近づく。それから俺の目を盗むようにして 俺の身体に手を当ててきた。すると 俺が予想だにしていなくて衝撃を受けてしまうことになる なぜならレイランの行動によって。俺の体がレイラへと変化したのである そしてそんな出来事が起こる少し前の シンドウとの戦いが終わったレイラとシンドウの元に、突如現れた一人の少女がいた その背後に控える女性の存在を確認したレイラは、警戒しながら問いかけることにしたのだった すると彼女は、自分には危害を加える意志などないということを証明しようとしたのか。自分が、敵対する存在などでは無いという意思表示をするべく。自身の体を変化させて見せたのであった。その姿は確かに、人間のものと変わらないものであったが。しかしそれでも 目の前にいる人物が、自分の理解を越えた存在であることには変わりはなかったのだ そのため。自分が知る人物の姿に変化することができるという事実を目にしたレイラは思わず声を上げてしまったが、それも仕方がないことだろう 何故ならレイラが、この世界に訪れた時に 最も欲しかった能力こそがその【固有能力】と呼ばれるものだったからだ その能力は使用者のイメージ次第でどんな形にでも変化することが出来るというものだ。つまりその能力を使ってしまえば。その者の姿を完全に模倣することが出来るという代物だったのである。だからこそレイラは、シンドウと戦う前に【スキル】の1つである【偽装】を使用して自分の容姿を変える必要があった。なぜなら もしシンドウが【鑑定】を使用した場合に。本当の姿が、本来の自分自身であるレイラではなく。他の者であると思われれば、それを理由に正体がバレるようなことが起きかねなかったからである。そして何より問題なのは【ステータス】を確認することでレイラの能力やステータスを知られることを防ぐ必要があると考えたからこそ レイラはすぐにレイノスの元へと向かう そしてレイラに助けを求められたレイノスは、状況を確認して レイレスから、どうしてレイラがそのような状態になったのか?について聞き出した後に、まず最初に考えたことは
『この男の正体を確かめる為に。一度自分の目で見てみたい』という考えに至るのである そして レイラが自分を頼ってきたことを嬉しく思うと同時に。そんな彼女を助けたいという想いに駆られるのであった だからこそ。彼女は、自分の仲間に対してお願いを口にしたのであったが その瞬間に 今まで黙っていたレイナスが動いたのである。そのレイナスが、何をしようとしているのか気付いたレイラは、慌てて動きを止めようとするが、もう遅いという感じになっていた そしてレイナスがレイラの服に触れ、そのままレイナに変化した だがそれだけではなかった 次にレイラの耳元に口を近付けると 何かをつぶやくのだった その行為を行った結果。突然レイナが倒れてしまい、意識を失ってしまったのである。そんなレイナスが 倒れたまま動こうとしなくなったレイラの様子を見つめていたのだが。
レイナに対して攻撃を仕掛けようとしていたレイナスが、いきなりレイラの身体を抱え込んで何処かに連れて行くのだった そんな光景を目の当たりにしたレイノスは、咄嵯の出来事だったのだが、そんな二人を追いかけるために動くことを決意するのであった レイナスがレイナスを連れて行こうとした先は 城の屋上だった そこは本来ならば人が足を運んでもいけない場所であるはずだったのだが 今はそんな場所に、足を踏み入れることが許されなかったはずのレイナスが堂々と歩いていたのであった。レイナスが連れて行こうとした先に存在していた場所は。レイラの瞳に写ったその場所は、この場所がどこなのかを確認するためにレイナはレイラの記憶を読み取った。その結果、彼女がこの場所に連れてこようとした理由は。この国で最も安全な場所で、一番守りやすく そして 誰の目も気にせずにレイナスとレイラスが話し合いを行うことができる場所だということが確認できたのだ。だがレイラが驚いたことが二つあった 一つ目は、レイラスが自らの意思で魔王軍に協力することを決めたという事であり。二つ目の方は まさか魔王軍四天王であるレイランスが魔王軍に協力をしているということだ
「一体これはどういうことだ?」
「あらレイラさん どうされたのです?」レイラの声を聞いたレイラスが反応し
「お前には聞いていない。それよりもレイランス。私は魔王様の命により。魔王様に反逆の意志を持つ者の処分を行うこととなっている」
「へぇ、それで私のことも始末しようとしてるという訳ね。いいわよ。相手してあげるわ。私としては貴方達よりも、そちらのお兄さんの方を相手にしたいんだけど?お姉さんもそう思わないかしら?」レイランの問いに レイラスは、そのレイランの言葉を無視した それからレイラスは、目の前に立つ敵に向けて手を向ける すると彼女は手にした剣を振り下ろしてきたのだ それに対して、レイラは自身の腰に掛けてある剣を抜いて対応する。彼女の持っている刀型の聖剣は雷を切り裂くことが可能なのだとレイラは事前に知っており 彼女が放つ攻撃も防ぐことが出来ると考えていたのだ 結果としてレイラは、目の前に迫る刃を避けることなく受け止めることでレイラスの放った斬撃を全て弾き飛ばすことに成功する しかしその時には既に レイランの蹴りが迫ってきており どうにかガードすることが出来たが。それによって彼女の体が吹き飛ばされることになる。しかしすぐに空中に飛んでいることを利用しながら回転を行うように体勢を整えることができたため地面との衝突を避けることができたのであった ただ、そんなことをしているうちに すでに二人の姿を見失ってしまったことに焦りを覚えながらもレイランの後を追うべく行動を開始したのである そして少し離れた場所にて戦闘を行っていた魔王軍と人間側の軍勢達だったが。そこには魔王軍に加勢する形で参戦をしていたシンドウがいた為。戦場にいた者たちの中でもっとも実力を持っていた人物でもある【黒き死神】と呼ばれていた少女が、圧倒的な力の差を見せ付けていた しかしそんな状況下で一人の人物が介入してきたのである。その人物を見た瞬間にその場の雰囲気が変わったことから彼が只者では無いという事を認識していたレイランとレイナスは 彼に声を掛ける事はせず。レイナスが、先程まで行っていた魔王軍の協力者に対する処理を行おうとしていた しかしそこに乱入者が現れ 彼のことを魔王城の中に運ぶように指示を出すのであった その頃。魔王城内部に侵入しているシンドウは ある疑問を抱いていた それは この場にやってきた魔王軍を裏切った。いや正確には魔王の命令に従っているフリをしながら行動をおこなってきたシンドウだからこそ疑問を感じずにはいられなかった なぜ彼は今この時にこのタイミングで姿を現し あのような発言を行ったのだろうかと考えてしまう。しかも、この世界の管理者である【神】の加護を複数所持していることを明かし。なおかつ 自身が所持している【勇者武器】を譲渡することさえ宣言したのである そんな発言を耳にすれば、ほとんどの者は困惑してしまうだろうそもそも【固有 俺の【隠蔽】によって姿を消すことに成功した俺達は、その姿を消した状態のままで。レイナを誘拐するという目的で、城内に侵入している者達の動きを止めるべく動いている。
ちなみに、俺と俺が引きつれてきているレイラとレイナス。それと アメリアに擬態を行っているレイリスの三名は、それぞれ別々に行動することになっていた。
その理由に関しては この城を探索することでレイナスが何かを掴める可能性が高かったからという理由が存在している だから俺はそんなレイリスに付いて行くように動いてほしいということを伝えておいた。レイナスがレイナスの姿で行動することによって、他の者との接触が発生して。その際に レイナスが自分の能力で姿を変えていたことが、ばれてしまう可能性がある だから俺はそのことを伝えるとともにレイニスの服装についても伝えておくことにしたのである。そして俺はと言うとそのことについて考え込んでいたのだ まず一つ目の問題なのだけど、俺がどうして自分の【鑑定眼】で見た時に自分の能力の詳細が表示されないということがあったのだ これに関してなのだけれども正直なところわからないことだらけなのだけれど もしかすると鑑定を行える範囲が存在していて【鑑定】のレベルを上げなければ詳細表示することができないのではないかと考えるようになっていた 理由としてはだ 例えばの話だが【魔道具製作】というスキルを所持しており、その効果を発揮するためにはレベルが必要になっているとか?ということを考えたのである。そうなるとだ この世界にきて間もない頃に手に入れたあの【魔力操作Lv7】と同じような感覚を覚えることになったのだ というか実際にスキル欄に表示されているスキルの効果が変わっていたという経験があるのだけど。
それなら【魔法創造】という新しいスキルを手に入れたことによって新たに追加されていた能力に関しても。その能力を得るために必要な条件を満たしていないからこそ表示されることが出来なかったのではないかと まぁこんな感じのことを色々と考えた結果。
とりあえずは、そういうものだと思うことで落ち着いたわけである ただし【鑑定】のスキルを使用しない状態で鑑定を行ってみることが必要だとは考えていたのだった そしてレイラのことではあるのだけれが、彼女は自分がレイレスだというのを隠していた。そして彼女が隠していたという事はおそらくは 自分の意思というよりは、何らかの方法で操られている可能性が高いのかもしれない。それに加えてレイレス自身も、自分の本当の姿がバレることを嫌がっていたようではあった。だからこそ、彼女は本来の自分とは違う人格を作り出す必要があった それを考えるのであれば、本来のレイレアの体を使うことが出来ないと判断したのではないのかとも考える。
そして二つ目は、レイナスのこと。彼女はこの世界で起きている問題については、把握できていないようだからこそ そんな彼女に協力を求めることは非常に難しい状況だと判断できたのである。
というのも 彼女はこの世界においての事情を理解しているというわけではなくあくまでも自分の知っている知識でしか話が出来なくなっているからである もし仮に自分の知らない情報を出せば怪しまれる可能性もあるからな。だからと言ってこのまま放置しておくことにもリスクがあるからな。もし今後何が起きたとしても全てを任せても大丈夫だということを証明する必要があると思うんだよ さてとまず最初にすることは?と考えてみて最初に行うことを考えた結果は 1)レイノスに対して連絡を取ること 2)現状についての報告をしてもらうことを頼んでおくことだと結論づけたのだ 3rd season 〜君の隣にいる存在〜1
「うっす!元気にしてるかー!」といきなり大きな声で僕に向かって挨拶を行ってきた奴がいた。僕の通っている高校の2年生でクラスメイトでもある山田先輩その人である
(一体何事だよ!!なんで僕が教室の扉を開くと同時に大声を出してくるかな!?ビックリしたじゃん。それに朝一でテンションの高い姿を見せつけられたんだが、どうしたらいいのかね?)
そう思った僕は、そんな風に思ってしまうほど、今の山田は上機嫌に見えてしまい。
普段通りに声をかけたつもりだったのだが。逆にそんな言葉を発せられてしまい。そんな様子を見せつけられたために思わず苦笑いを浮かべながら「おはようございます。今日は早いんですね」と返事を返したのであった。
そしていつも通りの時間に学校に登校をした時。なぜか校門前には生徒会メンバーが集まっていて。そのまま校舎の中に入ることになる。ただその際、何故か視線を感じたため チラッと後ろを振り返るようにして確認を行う しかし特に何も起こらなかったため 気のせいで済ませることにする。しかしこの時の行動こそが間違いであったのである しかしそんなことを全く知らなかったため。僕はいつも通りに下駄箱へと向かい 履いていた靴を中に仕舞う その時になって 目の前に置かれている一通の手紙の存在に気づいてしまった。しかも差出人の名前が
『如月綾』となっていた その名前を確認しながら手紙を手にした後に 僕は一度ため息をつくように、肩の力を抜きつつ心の準備を行い始めたのだ なぜならこれは俗に言うラブレターというもので、学校の中で一番可愛いと言われている子からもらったものであり どう対処していいのか分からない代物なのだ。もしもここで断る選択をするのならば、これからどういった対応を取っていくのが正しいのかどうか分からなくなってしまう なので今回に限ってだが素直に相談相手となる人物に連絡を取る事にすることに決めたのだった ◆◆◆本文 そして朝のHRが始まる前に職員室に呼び出されて。担任である女性教師に連れられ、とある個室に向かう そこで彼女は 椅子に座るように言われてから口を開き始めて、今回の呼び出しの目的を伝える その内容というのが簡単にまとめるのなら。放課後に一人で屋上に来てほしいという内容だった その言葉を受けて、僕は一瞬だけ頭を抱えそうになるも。
なんとか表情を崩さずに平静を保ったままその話を聞いていた そして用件を聞き終わった後。
少しの間沈黙が続きながらも僕は、ゆっくりとした動きで首を縦に触れさせたのだ それから数分後にはチャイムが鳴り響いた為。授業を受けるために移動した。ちなみに移動している途中で何度も男子達からは殺気に近い感情が伝わってきていた気がしたが それを完全に無視するように受け流していくといつの間にやら一限目が終了していた。休み時間になる度に多くの女子達が僕の周りに集まってくるようになっていき話しかけてきたりしたのである ただその行動は別に特別な意味があったわけではないらしくて。単に彼女達の興味を引いたのは、その見た目だったということが分かってしまう程であった ただ、そんな中で唯一会話が成立しないと思った人物が一人おり、そいつだけが 僕の顔を見て笑っていた。
その理由がなんなのかと聞かれれば。一言でいうのなら【イケメン爆発しろ】という言葉がぴったりである そもそも僕なんかよりもカッコイイオーラを放ちまくっている。同じ学年に所属している、高梨(たかなし)という男性なのだが。
そんな彼には彼女がいる。それも超絶美人の彼女の写真を見せられたことがあるんだけど、本当に綺麗すぎて、男なのに惚れそうになったことは否定できなかった。でもそれはそれで良かった 何故だかわからないけれど、彼とは同じ趣味を持つ友人でもあったのだ。
まぁ彼の話は置いといて、その日はそのまま過ぎていき ついに待ち望んでいた放課後の時間となったのだ この時、既に他の生徒たちは帰宅をしている頃合いだったので 誰からも声を掛けられることはなかったけども。先生だけは残っていて欲しいと言われていたこともあり。その事を不思議に思いながらも大人しく従って待機することにした。
そんな時に僕は【固有スキル】の能力を使用し始めておくことに決めると 周囲の生徒や教員たちに聞こえないようにしながら意識を集中させていったのである **以下補足説明です*
* * *
4章に入ってから登場したレイラちゃんのキャラ紹介です!4-1以降の登場キャラクターについても随時記載していきます!!また番外編などで出てくる登場人物もいるのでそれぞれご参照くださいませm___m
(名前)レイリスティア=レイラス/アメリア:女
:年齢15歳:身長155cm/体重43kgスリーサイズ83-55-83
性格 冷静沈着なクールビューティーな性格 容姿 長い銀髪のストレートロングヘアー 蒼色の眼をしており 瞳が大きく可愛らしい美少女でスタイル抜群でモデル並み 普段は白いシャツと青いチェック柄のスカート姿で過ごしている 制服については指定のリボンに黒のハイソックスを着用し 上から紺のブレザーに白と赤ラインの入ったプリーツスカーとの組み合わせになっている 私服としては黒と紫を主体とした色合いのドレスなどを好んで着ており。その服装に合わせた小物類を所持してることが多い 家族構成は父:レイレス、母:アリエル、妹二人と姉三人 職業 魔法騎士Lv6→Lv7 スキル詳細 剣術LV5 → 槍術、斧使い、棒、槌などの武器使用スキル習得 魔術系 魔法適正 火、風、水、光、闇の五種類 生活補助系の初級~中級程度の魔道具を製作可能 魔法耐性Lv7 → 魔法の威力を減少させることが出来る。但し魔力量により変化する聖魔法無効 物理攻撃無効化Lv8 毒効果低下 回復力増加 状態異常抵抗Lv7 鑑定Lv10 収納スペース拡張LvMAX 偽装Lv1 隠密強化 魔力感知Lv11 気配察知 危機感知 称号 勇者の娘、神剣の担い手、英雄の卵、天才、努力家、精霊殺し、竜を屠るもの、魔王キラー、ドラゴンスレイヤー、上級モンスターの天敵、オークの殺戮者、ゴブリンの殺戮者 備考 主人公の婚約者であり【
「うむ。それでは行くとしよう」
そう言った国王は歩き出し。その後ろをレイナス、レイラ、ラティスの三人がついてきていた。そしてそのレイラの手には例のペンダントが存在している 僕はこの国での生活で色々とお世話になった人達への別れを告げる為に。今は、城内の中庭に向かっている最中だった もちろんその中には当然ゼクスさんや、アルヴィン様、それにリーザがいるのだけど そんな彼らとは昨晩の時点で話がついていた。レイナスの事は既に伝えているため 問題はないのだが。
レイリアさんの事についてをどうやって伝えるのか悩んでしまったのだが 僕の【固有能力】によって知った情報を上手く活用できる方法を見つけておいたのだ それは
「うふふ、タカシ殿?何を企んでいるのか知りませんが。今の状況だと貴方の方が有利だと思うんですよね」と、僕の隣で歩く、金髪をなびかせながら楽しそうな表情で僕に向かって声をかけてくる、美女。それが僕の恋人でもあるレイアスさんだ ちなみに彼女と初めて会った時のような口調ではなく。今では砕けた喋り方をしてくれるようになっていたりする その理由についてだが。単純に僕の事を理解してもらえたのと。やはりこの国の姫という立場でいたせいもあって 気軽に話すことが出来なかったみたいだった そんな彼女がなぜこんなに親しげに接してくれるようになったのかと言うと まず一つ目として。彼女は僕の【特殊スキル】である【真実の神器】の効果を受けていないからである。これはあくまでも予想の範囲を超えないことだが。おそらくは【精神汚染防御】を持っている可能性が高いと考えている。そして二つ目が【絶対魅了】の存在 これについては、僕の方から確認したわけじゃないのだが。僕の事を知る機会のあったリリネットとラティシアから話を聞く限り
「あの子。たぶんあんたにゾッコンよ。間違いなく」とか、「マスターの魅力を正しく理解できているようですね。素晴らしいことではありませんか」などと評価されており。そしてその二人は僕にとって大切な存在だから手を出すなって言っておいてあげないとなんてことも言われていたりしたのだ ただその二人がどうしてそこまで評価することが出来たのかというのはよくわかっていなかったのである そんな彼女達は現在僕が作り出した転移ゲートで僕たちの城に戻っていたのであった。ただその際に【神龍の聖域】にあるダンジョンコアを持ち帰ってくれていたので。彼女達にも新たな仲間が出来たことになる その名はライオスと言って 種族的には、吸血鬼族 レベルもすでに50を超えている強者で、元Bランクの冒険者であった。現在は、僕から得た技術を元に修行を続けてもらい、さらなる成長を果たしてもらったらAランカーになれるほどの強さを身につけてもらうつもりでいたんだけど、もうすぐそれも叶わなくなる可能性があるため 彼と共にこれからの戦いに参加するように伝えてあるのだ 他にも今回の作戦で、新たに加入する事になっているメンバーはたくさん存在しているため。その人たちが到着するまでの間は、戦力を整えてもらっていればいいと思っていた。
それからしばらく歩いていると目的の場所に到着することになる そこにはすでに多くの人が待っており、その中にはまだ幼さを残した少年の姿もあり、こちらに気付くと元気に手を振ってきたため。僕は笑顔になりつつ小さく振り返す。すると隣にいた女性陣達も反応を示そうとしていたが僕は慌てて制止していた 理由は単純。彼女たちの場合。その行動だけで相手を傷つけかねない可能性があったのだ。
それはともかく。
「久しいの、レイラス。そちらはレイナと、その付き人かね?」
「はい、お父様」
「そうじゃの、お前とこうして話をするのは実に何年ぶりになるのかな。まぁいい、今日はゆっくりと語らうとしようではないか。レイリスや、準備をしておいてくれぬだろうか。その間にレイノスと少し話しがあるでの、レイナス、その者たちを連れてきてはくれんかの?」
国王陛下に話しかけられた、銀髪で、綺麗に整えられていた髪の短髪の女性が頭を下げる。
「畏まりました、陛下。では参りましょう皆さま。私の後に続いて来てください。あ、それと私の名はレイニスと申しますので。今後はそのようにお願い致します。」
彼女が自己紹介を終えると。そのまま城の内部に進んでいく。途中まで続いていた通路の両脇の壁が全て無くなっており、そこを通り過ぎると目の前に広がっていたのは大きな庭園になっており。中央にテーブルが用意されている そこに座るとメイドが紅茶を入れてくれた そんな優雅な一時を過ごしている中。
「うむ。美味いな。ところでレイリス。此度の件はどう思っておるのじゃ?まさかこのまま放置するという事はせんじゃろうの」と、先程国王と話をしている時に名前が出ていた、王女の名前が出てきたのだ その名前が気になった僕は
『すみません。ちょっとよろしいでしょうか?』僕はそのタイミングを見て質問を投げかけた それに対して王様の返答はとても早いもので すぐに言葉を返してきたのであった。その内容はこうだ。まず【固有スキル】についての疑問を尋ねられた際に僕は【称号授与者】の能力を使用していましたと説明し、それを使用したので相手の能力やスキルの詳細を覗くことが出来ていたことを伝えると そのことにとても驚いたような態度を示していたのだった ただそれでも僕の【真祖ヴァンパイア】という【固有能力】の詳細については説明しなかった。理由としては【鑑定】や【解析】の【技能】で詳細を閲覧できるからだ それを説明してしまうと面倒事になる可能性もあったので あえてそこは黙っておくことにしたのであった。しかしそんな中、ラティスが、口を開いた。
その口から発せられた言葉に僕は驚かされることになる。なんと、この場にいるレイナス以外の王族が全員レイレスの関係者だったというのだった。これにはレイレス自身も驚いていたようで、動揺の色を顔に浮かべていたが。しばらくして落ち着きを取り戻すと
「お父様にレイラス、お母様にアリエスとラティス、そしてお爺様なんですね。それにレイナスの5人がこの場に来ていないということが不思議だったのです。そういうことだったのですね。でも、どうして私達がここに集められていたのですか?それに私達以外誰も来てないですし、いったいどういうことなのでしょう。私だけ知らなかったということはないのでしょうね?教えてくださらないのなら私はここで暴れる覚悟がありますので。もしそうなった場合は責任を取ってもらうことになりますので、どうかお忘れなきよう、国王様」
レイラさんの声は低く冷たいものであり、かなり威圧感を感じてしまうものであった。それだけ彼女は怒りを覚えているということがわかるが。
僕の隣の席に座っていたリリィやリーザはもちろんのこと、レイアスや、レイナスまでもがその声を聞いた瞬間にビクっと体を動かして驚きの表情を浮かべてしまっている もちろん僕の方に目を向けてきて助けて欲しいと言わんばかりの表情をしているが、正直僕も冷や汗を流すしかないほどの状況だと言える。そのため今は下手に手を出すことができないでいた。だが
「はっは、それは怖いの。それにしてもレイラスは昔から変わらなんだな。わしはそんなお前が嫌いではなかったぞ」
「そうですね、レイナスはいつもそうでしたよ。私がいじめられていた時は率先として止めに入ってくれましたから。ありがとうございます。それに比べてこの子はいつの間にこんな風に育ってしまったのかしら。本当に困ったものですよ」
そんな会話を続ける二人のやり取りを聞いていた周囲の人間たちは二人を睨みつけるかのように見つめていてたのだが。僕はそんな彼らに対して【称号】を【偽装】させておいた。これによって彼らの中にいるはずの【勇者召喚】を行われた日本人たちの記憶から存在を消し去ってあげたのだ。その結果彼らは【称号】の影響によってこの世界に馴染んでしまうことになったのだが。特に不都合が生じるわけではないため気にせず放っておく事にしたのである。もちろん他の人たちも同じことをしているため問題ないだろうと思っていると、ラティスと視線があった気がしたので目配せをしてから小さく笑いかけてみると彼女も安心してくれたようだ、するとレイラスの表情はみるみる内に明るくなっていくとまるで恋する乙女のように変化していったのである その彼女の反応に気付いたリリアさんは僕の方をジッと見てくるので首を傾げながら
「何か用かな?」
「いーえ、別にぃ?タカシさんのことが心配だなぁとか思ってないわぁ。それよりもタカシさん?あなた今どんな気持ちなのかな?なんて思っているんじゃないかなって考えているんだけどね。それでタカシさんの答えを聞きたいんだけどね」彼女はそう言ってくるとニヤついた顔をこちらに向けてくるが、僕は笑顔のまま無視することにした。それからしばらくの間談笑を続けていながらも食事を楽しんだ後。再び本題に戻る事になったのだが。その話し合いには当然ラトリス王国側も参加する必要があり。その場には、リディアーヌ、イザベル、マリエルの三人も出席していた まず初めに【真実の神器】のことについての話が始まることになる。まず最初にラディスからの説明が行われ。次にリリアスからも説明を行い、更にそのリアリスの言葉を引き継いだラティスとラティスの娘レイナス。最後に【創造神クレアシル】の娘であるリリスの四人から【真実の神器】の使用条件などの情報が開示されることになった そしてその話が終わると同時に 国王様が、「ふむ、大体の話は分かったの。ならば早速見せてもらおうかのう?」と言い出したのだ 僕としてはいきなり使うことになるとは想定していなかったためどうするか悩んでいたら 国王自らが動き出す事になり その行動を目にしながら僕達は唖然とするしかなかった だってその光景を見た時に僕は理解できなかったから なぜそんな行動を起こしたのかを どうして自分がその力を手にすることを望んだのか それはきっと自分の中の男の部分がまだ残っているという事が分かってしまったがためだろう だけどこれは、仕方がないことだと僕は自分に言い聞かせて 意識を変えることにしたのだ それから僕は【神域宝物庫】を開くとその中から一つの道具を取り出すと 国王の前にその手に乗せたままの状態で持っていき差し出して見せた その様子を目の当たりにして周囲はかなりざわついている なぜなら、【聖遺物】を所持していると知られれば この世界の人々にとっては敵とみなされる可能性があるのだから
「これが、今回の件に関係あると思われる物だよ。ちなみに僕はこれと同じ物をあと3つほど持っているんだよね」
「ほぅ。それはそれは素晴らしいのぉ。さすがじゃ。それにしてもまさかこのような物が目の前に出てくる日が来るとはな。いや、お主のような人物がいる時点で当たり前なのじゃが。まぁいいじゃろう。どれ、少しばかり使わせてもらうとしよう」国王様は嬉々とした表情で手に持っていたものに触れると、一瞬にして姿を消してしまっていた。それを確認した後に国王様に近付いて【固有技能】を使用してみたが 国王が持つ固有能力の詳細を確認することが出来なかったので【解析】を使用した結果 固有能力の名前は【アイテムコピー】という事が判明した 僕はその事実を知った時に思わず口元に手を添えていた。なぜならばそれがどれほど強力な効果を持った固有能力であるかを理解してしまったからである もしもこの【アイテム】の固有能力を持っている者がこの世に存在しているということが判明したのであれば、間違いなく戦争になりうる可能性があった。だからこそ僕は焦りを感じていた。もし、仮に【真祖ヴァンパイア】の存在がバレたら大変な事になるのではないかと考え始めていたからだ。だが、そんな時。僕は背後から強烈な殺意を感じたことで その場を動くことが出来た
「危なかった。まさかこんなに簡単に殺されそうになるとわ。」
「ふん、今の一撃を回避できるということはそれなりに戦える相手だということは分かるが、まだまだ若いの。それにしてもよくわしが攻撃をしようとしていたことに気づいたのう。その勘だけは褒めてやる。しかし、これでお前の命運もこれまでじゃ。なに、すぐに終わらせてやるがの。さっきは油断してしまったが次はそうはいかぬ。死ね、小僧!!!」
そんな叫びと共に振り下ろされた攻撃に対し。僕は、避けることなく受け止めると、相手の拳を掴むと同時に握り潰すことに成功をしていた
「グギャァああ!????あぎゃあ?あがあがあ、いだぁあいいあがが、いだい、やめてくれぇ、許して、ください、お願い、しま、す、あぐあぁあ、いが、あ、う、あぁあ、痛い、お願いだ。殺さないで、く」
僕は国王の声を聞いている途中で手を離し、距離を取ることにする。それから僕は相手の顔を見つめることに集中し始める 相手の顔を見れば、どれだけ相手が痛みに耐えられるかどうかが判断できるためだ するとそこには、苦痛に歪み切った表情で地面に倒れ込み、必死に涙をこぼし懇願し続ける王の姿があり。僕が想像している以上の苦しみが襲い掛かっていることは間違いなさそうだ。そのため、これ以上は可哀想だと思った僕は この人の命を奪うつもりはなかったため。すぐに殺すことにした 僕にできる精一杯の慈悲を与えたつもりだったが、それでも苦しかったのだろうか 王は涙を流し続けながら 地面の上で暴れ回っていたが次第にその動きが収まるのだった その姿を見ていたラティスは、悲しげな顔を浮かべていたが、それもそうだろうとしか言えないほどの出来事であった。しかし、ラティスの顔色が良くないことに気がついたのは、僕だけではなかった。そう、リアリスが顔色を変えずにラティスに向かって声を掛けたのである
「お母さん。もしかしてですけど、ラティスお姉ちゃん?あなたがこの人を殺すつもりでやったのではないのですか?それなら、私の【神位魔法】を使用しましょう。それで全てが解決できますので」
そんな言葉が発せられるとリディアが立ち上がり
「何を勝手なこと言ってんのよ!!あんたは関係ないじゃない。さっさと出て行ってよ!ここはあたしの、あたし達の家族の問題なんだから」
その声は怒りに震えており、リディアの声にリアリスも怯えていた そのせいか、体がビクッと動いていたのがわかる リアリも、恐怖心は感じていることは確かなのである。ただ彼女は優しい性格のようで僕達を守ろうとしてくれているのはよくわかった
「それは、出来ないかな?僕にも事情はあるから。とりあえず、君達二人は外に出ていてくれないかな?もちろんリーザはこっち側として動いてもらうからね」
僕のその発言を聞いた彼女は
「分かりました。私、ママの力になりたいの。」
その一言を聞いた僕は、微笑んでしまう そして僕はリリィやリーザとリリスを引き連れて 部屋の中に居た人たち全員に声をかける その前に僕はまずリディアに近づくと 彼女に小声で話しかけることにした
「大丈夫かい?」
「はい。でも。ごめんなさい。私はタカシさんの邪魔をしてばかり。」
泣きそうな瞳をしながら謝罪をする彼女に対して、どうしたものかと考えたのだが。
「それに関しては問題はないと思う。今回この人達を皆殺しにしなくて済んだ理由を君はわかっているだろうからね。それよりもこれからの事を考えないといけないからね。ラティスと話をさせてくれる?」
僕の言葉を受けて、リディアが部屋の奥に向かうのを見送った後 リシアが僕の方を見て 僕のことを見ながら何かを話したいと訴えてきているように思えた なので僕は「リリスと一緒に外で待っていてくれる?」と聞くとリリスが リリアの方へと向かい、二人で何かを話すことになるのを眺めてから 再び僕はラトリス王国の王の前に立つことになった
「おい、そこの小童が。俺の前から失せろと言ったはずだぞ?貴様、本当に死ぬことになるが覚悟が出来ているのか?まぁいい、ここでお前を殺し、それからゆっくり娘を連れて行けば良いだけのことだ。なに心配するな。すぐに殺しはせん。じっくり時間をかけて、絶望を味わいながら死んでいくが良い。それからその男を殺してやればいい。なんにせよ。その男を生かしておいても害にしかならん。むしろ殺した方が良いだろう。まぁ、それはそいつ次第なのだがな」
その言葉を最後に、ラディスとレイナスが部屋の外に移動していった リリスは二人の様子を気にしていたようだったが。今はラリスの方が先決だと思い、僕は彼女を見据えて質問することにした 僕はその質問を口にすることにした まず一つ目に【真紅の血神剣】について聞きたかったからだ 【真紅血刀】というスキルを持つ者が存在するのであれば それと同等の力を有しているのではと考えて、念のため聞きたいと思い 僕から【神域宝物庫】を発動させると中に入っているものを取り出し
「【真実の神器】、これは【聖遺物】と呼ばれるものだけれど。僕が持っている物と同じ力を持ってはいない?」
僕から【真赤の指輪】を手渡されると 【鑑定】を使って【真実の神器】の力を確認を始めたようだが。
しばらくすると驚愕に満ちた目でこちらに視線を向けたかと思えば 突然土下座を始めてしまい困惑することになったのだ そしてそんな行動を取った後に彼女の口から出てきた言葉で確信に至ることができたのだ "この御方は、我が王国を守ってくだされた神様のお一人であらせられましでしょうか"と彼女が問いかけてきたことで、どう答えたものかと考えてしまったのだ そもそも目の前の少女は誰の子だ?と思ってしまっていたためにだ ただ、今この場で嘘をつく必要もないと判断したため正直に伝えようと決めた瞬間、僕の思考を読み取ったかのようなタイミングでの言葉を少女は口にした "わたくしには双子の姉妹がいたのですが2人とも生まれてすぐにこの世を去ってしまったのはお伝えしましたよね。実はその時に一人残されたわたくしも命を落とすはずでした。ところがわたくしの意識が途切れる直前に、女神様が現れて助けてくれた上にこのような姿にしてもらい生き返らせてもらいこうして今も生きているという訳ですね。その際に授かった力が今の【真実】の能力になるみたいです ちなみにこの力は女神様の力ですので初めて使った能力でもあるんです それとこの子の名前はリリスって言いまして私の娘でもあり孫でもあるんですよ。ですがわたくしお婆ちゃんになってしまったんです こんな事になっても不思議とあまり悲しいとは思いませんし後悔はありませんよ。なぜなら自分の手で育てられないのに親と名乗ってもしょうがない気がしますから。ただ寂しい気持ちもあるのは事実かもしれまんし少しだけ悔しいと感じてもいますけど"
(うーん。確かにその考え方も分からなくはないんだけどね?それでもやはり少しくらいは一緒に過ごしてほしいというのが僕自身の本音だ)
僕がそんな風に悩んでいる様子を見つめながら、なぜかラティアが笑みを見せていたことを不審に思うと同時にある事実が判明したため、彼女にそのことについて尋ねてみると、僕を喜ばせようとするような発言をしてくれたのだ! "えっとあのですね。わたくしの今の見た目だと違和感しか無いと思いますので最初に元の身体に戻りますわね?わたくし本来ならば、こう見えて30歳なんです!でもまだ全然20代な感覚ですよ!?だからきっと驚きますよ〜わたくしめっちゃ若く見えるでしょうし、スタイルだってまだまだイケますから!!!ほら!見ててくださいませ!"と言い放ち目を瞑ったかとおもえば一瞬の内に光に包まれていく姿を僕は唖然としながら見つめてしまっていた 光が消える頃にはそこには年の頃18才ぐらいだろうか? 綺麗というよりは可愛いらしい女の子が存在していた。しかもその姿はどう見てもラティスにそっくりだったわけで そんな状況の中で僕は混乱してしまう そして僕の疑問を解消するかのようにラピスとラティシスが再び説明を始める それによると僕に命を救ってもらえたことで恩を感じており、僕の為に尽くそうと決めてくれているようで。だからこそ今回の事も協力してくれるそうだ。ただそれはリリスのために行うものであり、僕自身は別に強制された訳ではないそうだからこそ素直に従うことに抵抗は無かったのだという話を聞いて安心感を得ることが出来た そのあとの話は割愛させていただくが結局リシアは奴隷になることを選んだのは変わりがなく。彼女は自ら望んでここに居るということだけを言っておくことにする ただ問題はリティスだったのだが、彼女自身は自分の存在を隠そうとするばかりで話がなかなか進まなかったのだがラティスの協力により僕の従魔として登録することになりラティスとラティススによって隷属紋を施すことによって完全に契約を果たすことに成功して無事解決を迎えることとなった
「さてと僕としてはこれからの行動指針を決めたいと思っているんだよ。まずこの国の王に会わなければならないんだけれどもどこに行けば出会えるかな?それから国王が不在の間は誰が国を統治しているのかも知りたいん だけど」
僕がそういうと、リリスが立ち上がり口を開くと驚くべき内容を喋り始めた
「そのことに関してですが。私がご主人様にこの城で暮らしながらお供させて頂きます。私は、元王女でありましたので色々と情報を集めることができます。それにお姉さまやお母様からも色々教わりましたからある程度の事は出来るつもりでおります。もちろん、私はご迷惑はかけないようにいたしましょう。ですから、どうかお願いいたしとうございます」そう言って、頭を下げる彼女に対し。
リリスがなぜそこまでしてついて来る理由を知りたかったのだが ラティスが何かしら考え込んでいるようで僕が声を掛けると
「申し訳ないのですが、私のことは秘密と言う事にして欲しいんです」と言われてしまう。その理由を聞くと、彼女は複雑な事情を抱えていて話すことができないらしく そのため僕としても無理矢理聞こうとするのは悪いと思ったので諦める事にした しかし彼女は何かしらの事情があるようだ。
それについては、後ほど知る機会に恵まれることになるのであった。
「ところで君達は今後どうするつもりなのかな?」
「俺は一度故郷の村に戻ろうと考えている」
僕はリーザに目を向けると、彼女の表情が曇る そしてラリスがラティアに向かって語り掛ける
「私はタカシさん達と共に行く。それであなたはどうしたいのか教えて欲しい」
その問いかけに対してラスティスは困っていた その様子からは何を考えてるのかを推測する事は出来ない ラティアに尋ねるも首を傾げられてしまう始末 そしてラティスから発せられた言葉はとても意外な内容ではあった
「私はラリスや、お祖母様が幸せなのであれば。それを壊したくないから。できれば、このままずっと幸せを噛み締めていければと思う。もちろん私の存在がバレなければ問題ないとおもう。
それこそ、お父様やお兄様ならもしかしたら分かってもらえるかも知れませんし、もしそうなれば嬉しいなって。あ、これはもちろん私の個人的な願望になりますけれどね。もしもそれが叶えられないならその時は自分の足で歩くことを考えなければならないかも知れないけど。それでもいいんですか?」という言葉を聞き届けて納得することにしたのだがここで1つ問題が浮上したのだ。つまり、この国を出る際に連れて行けないことになってしまうのではないか?と不安に思ったのだ ただそこでリディアの存在を思い浮かべて考えると連れていくことを思いついたため提案を行うことにした ラトスが僕に質問を行い。僕の返答を待つことなく言葉を続ける その内容はラティスにとっては衝撃的な言葉となったのかラトリスは動揺していた "そんな事が可能だというのですか"僕はその言葉を受けつつ。彼女達の力について理解を深めていた "もしかすると僕が考えているよりももっと力の強い【存在力】を持っているかもしれないな"と考えていた 僕は彼女たちの力を試すことで、どこまでの力が備わっているのかという事を確かめようと考えたのである。僕にはこの力を確かめるための方法が幾つか存在していた。その一つ目が僕自身の【スキル】を使うこと 僕の持つ力、それは【魂】と呼ばれる力だ この【スキル】を使う事で相手の力量や本質といったものが把握する事が出来るので これを利用して相手の本質を把握する それにより実力を知ることが可能となり 僕はこの方法を用いて リリス、ラティスそしてラディスという3人の実力者を見極めようとしたのだった その結果だが 3人とも僕の考えていた以上に凄まじい力を持っていたことが判明したのだ。ラティスにいたっては神格レベルが7に到達していることにも気がついた この力は、僕が【スキル】を使おうとしたときに 自動的に僕の中に取り込まれるようになっているのが分かった。おそらくはこの力が僕に備わっているものなのだと思い、今後はこれを上手く使う方法を試行錯誤していくことを決める そして次に行う事と言えば戦力の確認だった 僕の持つ力と彼女の持っている力でどれ程まで差があるのかという部分だな 実際にやってみるしかないだろうと考え。まずはリリスと手合わせを行ってもらうことに決めた。この世界に来た時に持っていた【真紅の血剣】を使用して、彼女の持っている力を計ろうとしたが残念ながらその試みは失敗に終わった なぜなら僕の持っている力をリリスが持つことが出来ないという事実が判明すると、この世界に存在している他の物ならばどうだろうかと思い付き検証した結果、どう言う事だ?彼女の持っている武器は僕が触れたところで消滅してしまうという結果に終わると、彼女が僕に向けて攻撃してきた場合 彼女が手に持つ剣の刀身部分が一瞬で消え去り 次の瞬間には僕の体も貫かれるという現実を突きつけられてしまった。
これが僕に与えられた【加護】なのかどうかまでは判断できなかったが 僕は目の前で起こった事実を受け入れるしかなく。ラティスに僕が所有するすべての武具を使って攻撃をするように促す 彼女はその意図を汲み取ったのか僕に許可を求めることもなく。僕を殺す覚悟を決めたかのように行動に移る リリスが手にしている剣を両手に持ちながら構えた時点で その動作が終わるまでに数秒も掛かっていなかった その圧倒的な速度に驚きながらもどうにか防御をしようと動いたものの。
その行為は無意味なものとなる ラティシスの攻撃を受けてしまえばどうなるのか? という疑問が頭の片隅に引っかかるが。それを無理やり振り払うようにラティシスへの攻撃を試みると、僕自身の意識とは別に身体は動いていく "なんだこれ?自分の身体じゃないみたいだぞ?まるで誰かに操作されてるような気分になってくる。なんにせよラティアだけでも助け出すべきだな。まずは彼女の拘束を解き放たねば"そう考えた直後、僕はリリスの腕を掴みあげようとしたがそれは叶わなかった。なぜか分からないがリリスに触れることが出来なく 逆に弾き返されてしまうと リリスから放たれた強烈な蹴りにより、僕自身は地面に転がされていた。そして僕の胸は踏みつぶされようとしていた
「ふっ。まさか私の一撃をこうも簡単に避けてしまうなんてね。貴方を侮っていたわけではないがここまで強いとは予想すらしていなかったよ」そんな言葉を聞いて僕は苦笑いを浮かべる他ない状態に陥ってしまったわけで。ラティシスが僕に止めを差しにかかるが、ラティシスの刃は届くことは無かった。僕とリリスの間にラティスが入り込んでくれたおかげもあって。
ラティスのおかげで命拾いしたわけで。本当に助かったと言わざる得ない状況に追い詰められてしまっているのを僕は実感してしまうのだった 僕の胸に突き立てられたラティスの槍を見て僕は冷や汗を流している状況でリリスは笑みを向けて口を開く
「これで私に勝ったと思っているようならまだまだ甘いわ。さてとラティスは邪魔だし。少しだけ眠っていてもらいましょうか」そう言ってリリスがラティスに向かって指を向けると、彼女はその場から姿を消してしまう。それを確認したあとリリスが口を開き。彼女は僕との戦いの後に、リディアに会いに行くと言っていた。なんでもラティスのお祖母さんらしいのだが僕としては会えるかどうかは疑問ではあるのだが しかし今の段階ではそれを聞くことは出来ない そのため彼女からの言葉を聞いてラティスは戸惑いの表情を見せていたのだが。すぐに何かを理解してくれたようでラティスから僕に対して提案がなされた 僕としてもこの城に居るだけでは得られる情報に限りがあるので。彼女達を連れて外に出ることを決意した。ただラティスが付いて来ると言って来たときには正直驚いたものだ。
それは何故かと言うとリリスとラティスも一緒に連れて行くことを伝えてからだったからだ。どう考えても無謀過ぎる選択なのはわかっていたが リリスはラティスとラティススを仲間として受け入れてもいいと考えているようで、だからこその提案をしてくると。ラティスはラティスでラティスの事を姉と呼び慕うようになっていたのだ。だからラティスが同行すること自体に文句は無い むしろ歓迎したいぐらいなのだが、彼女は僕達が旅をしている間。ずっとこの国に残ると言い出すのではないかと不安を感じてしまい、彼女を引き留めるための理由を探し始める
「あー、言い忘れていたが。俺とアカリはお前たちと違って色々と制約があって、この国に長期間滞在する事は不可能なんだよ」僕はとりあえずそれっぽいことを言ってしまうと。彼女は僕に近寄ってきて耳元でそっと言葉を漏らす "私がタカシさんに抱いている気持ち。本当は誰にも教えたくなかったんです。だけど、これからの旅について来れなくなる可能性を考えると話さなければならないと思っています。お父様がどうしてあなたに固執していられるのかも知りたいですし。もしかするとお母様もそこに関係しているのかもしれないので是非聞いてください。きっとそれが一番いい答えだと思うので" ラティスに告げられた内容は衝撃的なものではあったが納得できるものでもあったので僕はそれを受け入れた上で彼女に別れの挨拶を行う そして僕はリーザを抱きかかえて立ち上がるなり、【亜空間収納】から一つの指輪を取り出す
「これを受け取ってくれ。これは一度だけの願いを叶えてくれる魔法道具だ。もしどうしても叶えて欲しい望みがあるのならこの指輪を使ってくれるといい。まぁ使うタイミングとかは自分で決めてくれて構わないがもしも必要になれば使ってくれればいい。その時が来た時の判断を君に委ねるとしよう」それだけを言った後。僕達は城を脱出すべく行動を開始する 城門へと向かい歩いている最中 城の警備にあたっている兵士たちから僕たちは襲撃を受けたのだ 彼らは魔族の配下ではなく ラティスを狙ってきた人間だと僕は判断するが、兵士達の動きは素早く、僕達に襲いかかってきた兵士はあっという間にラティスによって制圧されていく この国に来る前に立ち寄った街でも似たような出来事に遭遇しているため、ラティスとラティススはこの城の中にどれだけの敵が存在しているか把握しているようだが。この国の兵士の全てがこの二人のような実力を持っているとは限らない。もしこの国の住民すべてが、このような戦闘力を持っていたとするのなら、いくらリリスが強いと言えどもこの国はいずれ滅ぶ未来しかない 僕はラティスに案内される形で地下にあるという牢獄へと向かうことにした 僕はこの世界に来てから初めて訪れる場所のため。どこに何が置いてあってどういう仕組みなのかはわからない ラティス曰く"私の記憶が間違っていなければ"だが それでも彼女の言葉を信じて行動するしかないだろうな 僕たちが目指していた場所に辿り着くのにそれほど時間は掛からず。僕達の目の前に現れた光景というのは異様なものだった そこには複数の牢屋が存在していて その中には、多くの人間が閉じ込められているようだったが 僕が感じ取った気配は人間のものではなかったため、僕達の前に現れる存在がいるとすれば。それはおそらくだがこの場を治める立場の存在なのだろう 僕とラティスの目の前に立ち塞がるように姿を現したのがラティスの祖父にあたる人物。その老人の名は【ラクス】という男で、彼は僕と視線を合わせるや否やその目を見開き
「き、貴様。なぜこの国の王と王妃を手にかけた?」そう尋ねてくるが 僕は彼が何を言っているのか理解することは出来なかった ラティスが僕の隣に歩み寄りながら口を開いていく
「あなたの勘違いですよ?私たちはそのような事は行なっていないと思いますけど。この人は私の大事な夫であり。そしてリディアお義姉さまとクレアお婆様に良くしてくれたお方なのです。その人を殺そうだなんて思っていないんですよ。私は」そう口にすると、彼女はラスクの方に向かい。腰に差していた刀を抜き取り。彼の心臓を貫く ラティスが行った攻撃により、ラトスの命はそこで途絶えたはずだった しかしその命が尽きる事はなく、逆にラティスの手にあった剣を掴んでしまうとそのまま剣を奪うようにして振りかざす。その一撃を受け止める形になったリリスであったが、力任せに吹き飛ばされることになり
「ラティス!大丈夫か!?」僕が声をかけると彼女は問題無いと言うかのように微笑みをこちらに向けていた。どうにもあのラティスの剣を受け止められるような人間は限られそうな気がしたが。僕自身もまた例外には当てはまらないらしくラティスの振るった武器を止める事が出来なかった そしてラティスの攻撃はラティシスの腕を切り落とす事に成功し、ラティシスは痛みに耐えながらも僕の腕を掴み上げようとする しかし、それを許すまいとしたラティスは、今度は僕の腹部を突き刺しにかかったが。僕もラティスに負けないように必死に堪えようとした その結果、僕の手の中からラティスは抜け出すと リリスに向かって斬りかかるのだが。リリスの身体にラティスの斬撃が命中することはなかった。そればかりか、リリスはラティスに手を触れようとさえせずに、ラティスを吹き飛ばすことに成功する。僕はその様子を目の当たりにした事でラティスを助けるために動こうとするのだが、ラティスは自力で立ち上がろうとするが上手く足が動いてくれない そんな状況下の中でラティスは「ラティスはここで終わらせてもらうわ」そう言い放つと同時に。自らの喉を貫いて果てていく事になる そして僕達の前に姿を現したのは。この城に居るであろう最後の一人 ゼクスの姿があった。どういった経緯でこの場所までたどり着けたのかまでは分からないが、どうもラティスの話ではラティシスのお祖母さんが彼と知り合いのようで "私とラティススはラティアスを救い出しに行くのが目的だから、お父様とは戦う必要がないわ。このまま素通りさせてもらいましょう。ラティスもそれで良いでしょ?
「うん、リリスさんの意見に賛成。ラティスはラティススに生きて欲しかったから」ラティスがそんな言葉を吐き出したので僕とラティシスも異論を唱えることは無かったのだが。僕の心の中ではラティススの存在が引っ掛かり続けているのは確かであった ラティシスとリリスは二人で話しながら進んでいくと。
たどり着いた先は巨大な広間だった。僕もその光景を眺めてみるが。
そこかしこに血が付着していて、死体と思われる物体が数多く存在していた。
それを見ても二人は一切顔色を変えることは無く平然としているように思えるが、僕は違う 明らかに人の物とは思えない死骸が視界に入る度に、吐き気を覚えていた。
(なんなんだここは一体?)頭では冷静になろうとしているのだが。体はそうではないのだろうが。
とにかく先程から胸が痛む
「お主らはこの先へ進むのか?この先にいるのはこの城の主人である魔王であるラティススと我が妹ラティスじゃよ」突然ラクスと名乗った老人が話しかけてきて。僕とラティシスはその質問に答えることなく。黙って首を横に振っていると リリスが口を開き「この奥にいるのね。ラティスの大切な人を殺した相手と娘を奪った憎っくき相手が!」それだけを言ってリリスは一人で突っ込んで行くと、それに続くような形でラティアスは走り出してしまう。どうも彼女にとって自分の家族を傷つけられると言うのは耐えられない行為らしい
「待ってくれ!君たちにはまだ早すぎる!!」と僕は叫ぶ 僕は急いで彼女達が進もうとする道を阻んだ 理由は至極簡単で、彼女達が進むべき道は行き止まりになっていたのだ。だから僕は彼女達を呼び止めようと思ったわけで、だけど僕達が通ろうとした場所には壁が存在していて、そこから先はどうしても進むことができない。
ラティスが何かしらの力を発動したのだろうか、そう考えたところで僕はラティスに対して声を掛ける 彼女は僕の方をジッと見つめてきたので、僕達はお互いに視線を交わしていると 彼女は笑みを浮かべつつ。手にしていた刀の切っ先で僕の体を突く その攻撃を受けてしまえば、当然僕は傷を負うはずなのだが、不思議とその刃が体を貫くようなことが無かった。いや、むしろ。突き刺さること無く弾き返されたので ラティスは驚いていたようだ。それを証明するように ラティスは自分の握っていた得物が簡単にへし折れたことを確認するなり 僕に謝りの言葉を述べ始めるが。僕はそれを止めさせることにした。
僕も彼女に謝罪を行わなければと考えたが、それはラティスが許さなかったのである 僕も彼女に習う事にしよう ラティスの瞳から一筋の涙が流れ落ち、それと同時に。ラティクスが膝から崩れ落ちて床に倒れ込むと、リリスもまた地面に座り込んだ状態で動けなくなってしまっていた どうにも彼女の力が発動している間は体が動かないようになっているのだろう
「ラティスの能力は【呪言】というの」僕が考えを口にする前にラティススが説明してくれると 僕達に近寄ってきたのはゼクスと呼ばれる青年で ラティスは彼と視線を交わすだけで、その動きを完全に停止させることにしていた
「ラティスは凄いでしょ?」と言ってきたので僕はそれに対して
「確かに。こんな能力を持っていたなら君はもっと自由に世界を旅することができたんじゃないか?そう考えると君のことを羨ましく思えてしまうんだよ」そう言うしかないじゃないか
「ふぇ~ん。ラティスのことを虐めないでくだざいぃぃ」リリスが涙を流し始めたので、僕は優しく抱きしめてあげた。その光景を目の前にしてラティスが不機嫌そうにしている姿を見たリリスが、慌てて僕から離れて「ラティスの事を嫌いにならないのですか? そう問いかけてきたが
「どうしてそうなったのかわからないが。ラティスがどんな子なのかは僕は十分に理解できたから。その気持ちだけはしっかりと受け止めてあげるから、そんなに不安がらなくても大丈夫だよ。ラティスがどれだけ優しい女の子なのか。僕は理解できているから、ラティスも気にしないの」
それだけを言い聞かせるようにラティスに伝えてやるのだった 僕とラティスス、ラティスの三人がリティスの案内によって辿り着いたのは牢獄のような場所であった その牢獄の中に居たのはリティスの祖母にあたる女性であり、名を『セレス』と呼ばれている人物である。
セレスはこちらの姿を確認した上で「まさかここまで辿り着く人間が他にも現れるとは思ってもいなかったぞ、この国の王と王妃を殺し、我が孫と曾孫に手をかけようとした者の仲間め。この場にて始末させてもろうたわい。ワシには貴様等を許すことが出来ぬからな」と言い放ってくるが
「貴方には恨みがあるのですよ?」そう告げた直後。ラティスの姿が消えると 一瞬だけだが僕の目に映る世界が変わる。まるで時間が止まったかのように感じると、そこには二人の人物が存在していた 一人目は今この場に立っている僕と目の前に現れたもう一人の少女は同一人物だと言える。そして、目の前に佇んでいる女性の方だが。その人は紛れもなくラティススであった。ただし、彼女はラティススとは違い、背中から漆黒の翼と、頭に角が存在している
「お母さま。私に構わずに戦ってほしいのです」そう言いながら、彼女は自らの武器であるレイピアを構える しかし、彼女がラティスに剣技を叩き込んでいると、僕も黙って見ているだけでは終われなかった 剣を取り出して彼女と対峙するのだが、「私はお前と戦うつもりはないんじゃ」と口にする女性は僕を見て悲しげな顔をするのだが「そんなことは関係ない!それにしてもなんだいあんた達の戦いを見ていても何も出来ないのかい!?早く何とかしないと」そんなことを言い出した老婆に対し ラティシスが口を開く「あなたの力を使ってあの化け物を倒して欲しいんですけど」それを聞いたセレスは困惑気味であったが。僕の目を通してラティシスの能力について知っていたようで「なるほどのぅ」と呟いていたが。次の瞬間には表情を引き締め直して真剣な雰囲気を纏いながら口を開いていく そんな様子を見ていたリリスは僕の後ろに隠れる形で身を寄せてくる僕は彼女を庇えるようにして戦闘態勢に入るのだが。彼女は僕を制止すると
「妾が相手になろう。今のそ奴が戦う事は不可能に近い。ならばお主が相手をする事になるが、覚悟はあるのか?もしもあると言うのであれば全力で掛かってきても良いのじゃよ」と言った どうやらこの老婆がこの城の守り神的な存在であるらしく。
「私達の敵を排除してください」ラティスが声を出すと セレスは笑みを見せながらも。腰元に携えた刀を抜き取ると、僕に斬りかかってくる 僕もその攻撃を自らの手にしていた長剣で受け止めたのだが。あまりの衝撃に僕は後ろに大きく飛ばされる事になってしまう。
そのまま地面を転がってしまった僕は、それでも立ち上がり。再び剣を構えたところでラティススの方を見ると 彼女の背後にはリリスが居るだけになっていた。リリスも僕に近づいてこようとするが、どうにも体に違和感を覚えているようだった。どうも僕が受けていた一撃は相当なもので。
それが原因で僕の体は動こうとはしてくれなくなっていたのだ リリスが僕を助けようと必死に手を伸ばそうとしてくるのだが。僕もその腕を掴みたいのだが 僕の体は全く動いてくれない そしてリリスが泣き喚いている中で。ラティスはゆっくりと歩き出すと。僕を蹴り飛ばしてリリスを抱き寄せると 二人揃ってどこかへと姿を消してしまった。僕がそれを呆然と見送っている間に、目の前にいる女とラティスが姿を消す。
その直後だった。目の前の光景が歪み始めると。僕の体は地面に崩れ落ちる。
◆シンドウ視点 ラティスが僕に対して攻撃を仕掛けると その攻撃を受け止めようとした時であった 突然視界が切り替わる。それはラティスの攻撃が命中したわけではなく ラティスの視界を通じて、この国の王都に存在する光景を目の当たりにしていた。
そこで僕は自分の置かれている状況を把握した。
僕の体は何故か宙に浮かんでおり、地面に叩きつけられた状態でいると 僕を殺そうとしているのかラティスが攻撃を繰り返してきた。
だけど不思議な事に痛みを感じることはなかったので、ラティスを止める為に声を掛けていくと 彼女は僕の言葉を遮るような感じで話しかけてきた「貴方が私のことを知っている?知らないはずでしょう。貴方はここで私が死ぬのだから」それだけを言い残すと、彼女もまた姿を消したのだが 僕はこの世界の理不尽さを改めて思い知らされることになる 僕は空中から落下し続けている。この先に待っているのは死であることを理解している。だけども僕は慌てることはない。僕は既に【魔王の魔眼】で未来予知を行い。その結果が分かる前に回避行動をとれば、どうにでもなると考えていたからだ そしてその行動を実行する。ただそれを繰り返すこと。それが一番良い結果に繋げられると確信したので、それを行う。
(僕がこのまま死んでしまって、ラティシスはこれからどうするつもりなんだろうか)と疑問を抱いた所で 僕は【魔王の魔眼】の力を発動した状態で、僕の意識が暗転してしまうと 次に僕の瞳が捉えているのは。ラティスの部屋の中であった
「ここは、確か。ラティスに僕の記憶を見せて貰った時に、彼女の部屋だと教えてくれたんだっけ? 僕は彼女のベッドの上に座り込んで、彼女の帰りを待つことにした。しばらく時間が経過した後に、僕の瞳の前に姿を晒したのは。ラティススの姿であった
「貴方はいったい、何のために私を助けたりしたの?」ラティスがそう尋ねてきたが。
僕は彼女の質問に答えることが出来ない。それはラティスの事を詳しく知っているわけじゃないのに、勝手に助けたことに理由を求めることがおかしいと感じた為で、僕は答えられなかったのだ それに加えて僕とラティスは互いに会話が出来る状態ではなく。沈黙が続いた後、突如として部屋に姿を現したのはリティスであった
「どうして二人が一緒に」と驚いていたリティスであったが。「もしかして」と言いながら、部屋の隅に置かれていた小さな木箱を持ち出して来ると
「この中に手紙を入れてあるの」なんて言葉を残して ラティスの側に歩み寄ると、ラティスのことを優しく抱きしめる。
その抱擁を受け止めたラティスは涙をポロっと流してから、静かに涙を流し続けるのだったが。
僕はそんな二人の様子を見守っているしかなかった
「ごめんなさいね。ラティスには、この子はまだ人を信じられないみたいなの」
そう告げるリティスは「今はラティスと一緒に過ごしてくれると助かるわ。それにあなたが傍にいてあげてくれないと、この子は安心できないと思うからお願い」
そう言われてしまうと僕は断れなかったので「わかったよ。それで僕達は何処に行けばいいのかな?」と尋ねると「そうねぇ、ここから離れた場所になるのよね。ラティスの住んでいる場所は、ここから離れた街に暮らしているから」そう言って リティスが手招きをするのを見た僕は。彼女に近付いてから抱き抱えられてしまう
「ラティスが目を覚ましたら、あなたの記憶も元に戻してあげるから。そうしたらまた、二人でこの国を離れて、別の世界で旅をして欲しいの」
そんなことを言うリティスの願いを叶えてあげるために、僕は移動を開始するのであった 僕はリティスの背中に乗って空の上を突き進んでいたのだが その道中。「あの子の能力って一体、どんな効果があったのですか?」という問い掛けを受けて 僕は先程見ていたラティススとの体験談を話して聞かせた。すると「ふむ。もしかしたらそのラティスちゃんって子の正体はもしかしなくても神族なのかも知れません」
それを聞いた僕は「神様って、本当に居たりするのでしょうか?」と聞くと
「もちろんです。神族の中においても。この世の中には、人間や魔物以外にも。色々な生物が存在しますから」
そんな説明を受けるのであったが。ラティスは確かに、神と呼ばれる種族の中でも。かなり特殊な立ち位置であると言っていたのを思い出して、やはりそう言った事なのだと実感させられたのだった そうして僕はラティスが生まれ育った場所に辿り着くと そこには一つの建物が存在しているだけで、他には殆ど存在しない。村と呼ぶべきか。町と呼べる場所なのかも知れない。
「あそこがラティシスが住んでいたとされる。神界に存在する小さな町なの」と言われ 案内されるままに向かって行くのだが。どうにも様子がおかしく思えたのである 建物の数も少なく。しかも人気がほとんど見当たらないから 不思議に思っていたのだが、僕が目にしてしまったモノを目の前にして。その理由を理解することができた。
ラティススは今、僕が見ている町の光景を見て、どう思ったんであろうか、そう考えながらも 僕はこの光景を見ても特に驚くようなこともなく。平然としていたので ラティスがどのような感情を抱いているのか分からなかったが ただ彼女が寂しい思いをしていないようにと。僕と二人きりの状態で。ラティシスの家まで足を運んでくれたのだが
「ラティシス。もう起きても大丈夫ですよ」
僕の後ろに立っていた女性が、優しい声音で言うと。ラティシスは体を起こしてから辺りを見渡すなり、僕の顔を見ると「あっ!」と言って顔を赤くしていた それからしばらくの間。無言の状態が続いていたのだが。ラティシスが僕に対して謝罪をしてきていたので 僕としても別に気にしていなかったのだが「ありがとうございます。それと迷惑を掛けて申し訳ありません」「いえ。僕は僕の為にやったことですから」と伝えるのだが 彼女は未だに落ち込んでいるようで、顔を上げることは無かった その後しばらくして「シンドウ様。これからのことなんですけど、私と一緒に来てください」
彼女は僕のことを信頼してくれているようだが、僕はそれでも、まだ完全に彼女を信用しているわけではないので。返事が出来ずにいたら 彼女は微笑を浮かべてから僕の頬に手を当ててくる
「やっぱり無理なお誘いですね、すみませんでした」と口にした それに対しては首を左右に振るう 僕としてはラティスに好意を持たれていることを素直に嬉しいと感じているのだから そして僕はラティスが作ってくれた料理を食べさせてもらったのだが 彼女の手作りの味に感動すると同時に 僕が作ったものが不器用で、味付けが上手く出来なかったことも、少しばかり悔しかった 食事が終わった後も、僕とラティスの関係は変わらないのだが 僕達の今後を左右するような出来事が起きたのは、次の日の朝だった。
僕達が食事をした後にも、ずっとラティスの側から離れようとしなかったのだが 彼女もさすがに疲れていたのか、そのまま僕の隣に腰掛けると眠ってしまったのだ ラティスを眺めて時間を潰していると、僕の背後に人の気配を感じ取ったので振り返ろうとする前に、何者かによって僕の体を押さえつけられた 咄嵯の判断で【時間操作】を発動させた直後 僕は僕の身体に巻き付いていた拘束を解くことに成功すると、その人物に対して攻撃をしようとしたのが 相手は既にその場にはいなかった。僕は自分の体が思うように動かせないのを感じたので 再び自分の体に視線を落としてみると 僕の体は地面に倒れ込んでしまっていた。どうしようもなかった 僕は僕の体の上からどけられた。そして視界に飛び込んできたラティスが僕の方に近づいてきて、僕の名前を必死に呼んでくれていたが その光景を最後に、僕は意識を失うのであった。
僕の意識が回復した時には。既に夜になっていて 僕の側には誰もいなかった 僕が目覚めた時に最初に行った事は、自分がどういう状況下に置かれているのかを把握することだった。
僕の周囲にはラティスの姿もなく、ラティクスの使っていたベッドの上で僕は寝ている状態であった。そして僕は立ち上がろうとした瞬間に、足の裏から激痛が走り 思わずその場で膝をつくことになる 痛みが走った部分に意識を向けた途端に痛みが増していくので、僕の意識は段々と痛みに支配されていく中で、ラティスの姿を思い浮かぶことにした すると痛みが収まっていく。痛みが無くなって立ち上がることが出来た。そこでようやく気付いたことがある。ラティシスは【魔王の娘】でありながら、僕の命を助けてくれた それに加えて僕を殺そうとしたゼクスの魔眼を破壊し、僕を助ける為に、わざわざ魔眼の力を利用して 僕の体を操ろうとしてきた相手にも、ラティスの魔眼を使用して対抗しようと試みた。
そして僕の体からラティスを追い出すことに成功し、僕は窮地を脱することに成功したのだろう ラティスが助けてくれなかったらと考えると恐ろしい。
そう考えてしまって、僕はゾッとするのであった 僕が自分の置かれてる状況を確認出来たのは良いが。この家の中からは出ることが出来なさそうで、窓に鍵がかけられていて外に出れないようになっている上に ドアには外からも内側からも開けることのできない仕掛けがされていた 僕に残された唯一の選択肢として。誰かが帰ってくるのを待つことしかできなかった。僕はこの家から脱出する方法を探そうとするのだったが。何も見つかることはなかった。
そして数時間ほど経過した後にラティスが戻って来たのだが。
彼女は一人で帰ってきたのではなかった 僕の元に駆け寄ってきたラティスだったが、僕と視線が合った後。目元が赤く腫れ上がったラティスの瞳を見ただけで ラティスがどれだけ悲しく、辛い経験をすることになったかを僕は察することになってしまった
「どうして泣いたんだい?」と優しく尋ねてみるのだが ラティスは涙を流しながら「なんでもないの。ちょっとね」と言いながら誤魔化そうとしてくる 何かあったことは明白だったが。ラティスのことを問い詰めたところで答えてくれないことぐらいは分かる。それに僕はラティスのことを責めるような真似は出来ないと思ったのであった。だがしかし。このままラティスと離れてしまうことには不安を感じるのだ そんな時。家の外で物音がして。玄関の扉が開かれたのだが その開かれた先からは見知らぬ少女が現れると、その手には大剣を握っており、明らかに危険な存在に見えてしまうのであった その人物が一歩。また一つ。僕達に近付いてくるので僕は警戒心を剥き出しにするのだが、そんな状態にも関わらず。彼女は口を開いた
「お前が、ラティスの仲間の人間だな」と言われて 僕が返答をするよりも先に、ラティスが前に出てから「待ってください!この人は私達を救ってくださった方なんですよ」と言うが 目の前にいる女性は鋭い殺気が消えないまま「悪いがな私はそいつを殺してやるつもりはない」そう言って女性が立ち去ろうとしているが。そんな彼女を呼び止めたのが他ならぬラティスだった
「お願いします」とラティスの言葉を聞いた。僕を殺しに来た女性が、呆れたように溜息吐くと「どうしてもというなら話を聞いてやらんでもないが、その前にまずは自己紹介でもしたらどうなんだ」と言ったので 僕はラティスの名前を告げると、彼女の方は「なるほど」と納得してみせたのである その後で「ならば私のことも名乗っておこう。我が名はアルセスト、この世界とは異なる場所から来たものだ。お前達はこの世界を救いたいと思っているのか?」と聞いてきたので 僕はこの世界の現状を詳しくは知らないが。この国で行われていることが普通ではないだろうということくらいはすぐにわかる。その質問に対して僕は素直に「僕は魔王を倒してこの世界に平和をもたらしたいと考えています」と答えると その話を聞いたアルセストは、「ふっ。笑わせる」とだけ言い残して、どこかに行ってしまったのであった 僕がラティスにこの国のことについて聞くと、彼女もこの国はおかしいと思うらしい そもそも。なぜ、魔王を倒す為だけに、他の国から優秀な冒険者達を集める必要があったのかということから考えなくてはならないと僕は思ったのだが。
ラティシス曰く。今までに召喚されてきた異世界人達の多くは勇者であり、その力を存分に活用したと言われているらしく だから今回の件についても、聖都に住む貴族や、国王が関与している可能性が高いのではないかとラティシスは語る
「確かにそうかもしれませんけど。だとすれば何故ラティスや僕を狙う必要があるんですか?その理由も教えてくださいよ」
そう口にした僕に対し。ラティスもその理由が分からずにいるようで、困惑していた。そんな中で僕が考えていたのは。僕自身がラティスの味方になる理由があるかどうかを考えていたのだが 僕は自分のことをラティスに伝えようと思い、【真実の書】について話すことに決めた。【吸血鬼の魔眼】の効果は絶妙で ラティスに知られないようにすることが出来た。そして、ラティスに自分が別の時代から飛ばされてきた事を話すと
「そういうことですか。それでシンドバットさんが魔王を倒し、元の時間に戻れば全て解決する訳ですね。それならすぐに魔王を討伐するために出発しましょう」と言ってくれたのだった。僕は嬉しかった。ただそれと同時に。僕の話を真剣に信じてくれた彼女を騙していることに罪悪感を覚える。
そして僕はラティシスと共に町に出ることになった。その際の格好が問題になったので、ラティシスに頼み込んでみたのだが、あっさり了承してくれた
「別に構いませよ。シン様さえ良ければ」と言われた。そして僕はラティシスと一緒に行動する上で、僕とラティシスの関係は夫婦になっているということで通してもらうことになる。それからラティスは僕の為に服を用意してくれて、それを身に纏うこととなった。その後で僕が着ているのは黒一色に赤いラインが入った軍服なのだが 僕達が宿屋から出てしばらく歩いている最中に僕は自分の体の変化に戸惑っていた。それは僕が歩くたびに体が軽くなっていく。まるで空を飛んでいるような感覚に陥りそうになる。さらに言えば、ラティスに触れられると。触れた箇所を触られても全く痛みを感じなくなる。これはどういうことなのか分からない 僕のことを気遣ってくれたラティシスは「あまり気にしないでくださいね。今は無理をしなくていいですから、ゆっくりと歩いて行きますから安心してくださいね」と僕に告げてくれた 僕とラティスは二人並んで町の中を見て回りながら情報を集めたが、特に目新しい話は聞けなかった 僕はラティスと二人で街の中を巡っていくうちに 彼女が本当に心の底から楽しんでいることが伝わってくる。僕としても彼女と一緒に過ごしている時間がとても楽しくて このままずっと続いてほしいと思ってしまう そう思っている時に、僕は自分の異変に気付いた ラティクスの手を握りしめたまま離せなくなっていたのだ。自分で意識していて行動したことじゃない ラティクスの方を振り向いた時には既に。僕の意識は既に失われかけていたのであった
(あぁもうだめか)そう諦めてしまった僕の視界に飛び込んできたのはこの場に現れた第三者の存在であった。その存在の姿を確認した直後に視界が完全に暗闇に染まり僕の意識は完全に失われた。最後に見えた光景とは一体なんだったのでだろうなと考えてしまうのだが僕の視界に入ったのはゼクスの姿と彼が手にしている魔眼の姿であった
(あれはいったい何が起こっているんだ?)そんな疑問を浮かべながらも思考が定まらなくなっていき僕は再び目を覚ましてしまった 僕が目を開けて起き上がると隣に誰かがいる気配を感じる。
横目で確認するとそこにはラティシスの可愛らしい寝顔が目に入ってしまい僕の心臓の鼓動が激しくなるのを実感してしまい、僕は動揺してしまう。だがしかし、今の僕は冷静さを保たなければいけないのだと思い。ラティシスが起きるまでは静かに待機していようと決めたのであった
(にしても、この状況は不味いだろ、どうしてこんな状況になってるんだよ!?)
そんなことを考えながら僕は今の状況を確認していくことにした。そして分かったことがあるのだが。
どうやら僕はラティスのベッドの上でラティスと同じベットの上で眠ることになっている。それも抱き枕のような形で それに加えてラティスは何故か裸の状態だ この意味が分かる人には分かってくれるかもしれないが。僕も年頃の男の子なので、正直。理性をどうにか出来る限界を超えている気がするので。僕は必死に自分自身と戦っていた この状態では僕は絶対に我慢が出来そうになかったので。一度。ラティスが起きてから相談することにしたのだが ラティスはなかなか起きてくれないので僕はラティスを眺めて癒される ラティスがようやく目を開けたのだが、ラティスはまだ眠そうな表情をしているので僕は「ラティス。おはよう」と朝の挨拶を済ませる そうしてから少しばかりの間が空いた後にラティスが慌てだすのだが、ラティティスは自分の服装を確認すると顔を真っ赤にしてから慌てて服を着替えていた。ちなみに僕はラティスから少し距離を取ってラティスの様子を観察していた 着替えを終えた後にラティシスは改めて、僕の元に駆け寄ってきては「すみませんでした」と言われてしまう ラティスの行動については仕方ない部分もあると思っているので、怒らないであげることにする その後の朝食を食べ終えたあとで、僕とラティスでこの国に起きている問題について話し合うことに その途中で僕とラティスの関係が、結婚したばかりの新婚であるということを説明しながら話し合いを行うと。この国はやはり異常な状態であるということが分かった。ラティスの話によれば。この町にはこの国を良く思っていない人々が存在しているとのことだったのだが 僕はとりあえずラティシアスにはこの宿に滞在するように勧めたが、彼女は僕に迷惑をかけてしまうという理由でこの申し出を拒否してきた そんな時。突然の出来事が発生すると、部屋の中に一人の少女が現れては
「おい!ラティス。俺達のところにこい。お前がいれば、この国は救える」と声高々に言い放つ ラティスを救って欲しいと言われてしまえば。当然だが、ラティシスが困ることになる ラティスを助けてあげたいとも考えたが。まずは話を聞くためにラティシスの元まで移動する
「私に助けを求めてきてくれることは嬉しいのですけど私ではあなたの力になることが出来ないんですよ」ラティシスがそう言って、相手の要求を断ったのであるが、その言葉を聞いて相手の方が激昂する様子を見せていたのだった
「何をふざけたこと言ってやがるんだ。貴様みたいな、出来損ないが」と言われてしまいラティシスは困惑していた
「私は本気です。それに私は、この人の為になることだけをしたいんです」と答えると 相手が急に黙ってしまった 僕は「君は誰だい?」と問いかけると その人物の名前は。アティス。魔王軍の四天王の一人であり、その戦闘能力の高さは異常の一言で。今まで何人もの実力者が戦いを挑んで敗北してきた存在であると聞かされることになる。
「だから、あんまり舐めた口を利くなよ」
彼はラティスを威圧しながら、脅すと、その様子を見かねて、僕は彼に対して殺気を放つ そうして彼の方は、僕の方に視線を向けた瞬間。怯え始めると。その場にへたり込んでしまったのであった。その後でラティスの傍に立っていたのだが、僕は彼女を連れて外に出るように伝える ラティシスが僕と一緒に宿屋の外に足を運ぶと。そこで僕は彼女に、【真実の書】の力を使い。魔王軍と手を組んでいる人間がいることを告げると、僕達は町外れに移動し、その人物がラティスのことを連れ去ろうとしている可能性があると告げた 僕達は町の中で一番大きい酒場に入ると そこでは二人の男性が飲んでいるところを発見することが出来た。一人が男に何かを伝える それに対してもう一人が、男の言葉を制止しようとしていたが。結局は言う通りにするのか ラティスの手を掴む
「ちょっと離してください」とラティシスが抵抗するのだったが、僕も、彼女を掴んでいた。もう一人の男が「こいつらの知り合いか?だったら。早く逃げろ」と言い放ち それを聞いた僕はラティスに「ここは危険だと思うのであれば、一緒に逃げるぞ」と言うとラティシスは戸惑いを見せながら
「あの。シン様。私があなたに助けられたのは感謝しています。ですが。これ以上のご好意は必要ありません。お断りします。申し訳有りません」と言われたのだが。
それでもなお食い下がるわけにもいかないので強引に彼女のことを抱え上げて移動した先で降参した相手に事情を説明した後で彼女を返すことを約束するとその場から急いで立ち去ることになったのだが。その際で彼女が僕の首元にしがみついてきてそのままの状態で移動することになったのだが その際にラティスの顔色がかなり青ざめていたことに僕は心配になってしまい。一旦落ち着く場所に移動すると僕は、ラティスに自分の血を与えることになる
(やっぱりおかしいな、これ)僕はそう思いながらもラティスが落ち着きを取り戻すまでの間待つことにしたが
(でもこれで分かったかな、さっきの男の正体は恐らくだけど、吸血鬼なんだろう)と考えている時にラティシスは正気に戻ってくる
(あぁもう最悪だよぉ~なんで初日から色々と起こってしまうのでしょうか、シン様。私もしかしたら。呪われてますよね?)
ラティシスの考えていることが、手に取るように伝わってくるのであった。
そして俺は、目の前にいる存在を見て、内心驚いていた だってそこに現れた生物の姿は
「『神魔弓 アルテミス』の使い手が、まさか女性だなんて思わなかったぜ。まっそんなことよりも 俺の名はゼウス 大神ゼノス。お前達の持つ武器と俺たちの使うスキルを比べれば、どちらが有利であるか。分かるはずもないと思うんだけどな」と言ってきたのだが。僕が驚いた理由は違うことで。僕の方こそ 僕は今。自分のことを試されているのだろうかと思ってしまっていた そう思ってしまうのも。僕は自分が神であることを明かしていないのだ。僕達が普通に接していれば問題無いことではあるが。もし仮に、彼女が。僕のことを完全に侮っているのだとしたら、ここで自分の本当の力を明かせと言っているのかもしれない そう考えるのも 僕としては当たり前の話で 僕は自分のステータスを確認すると、僕自身のステータスを確認したのだ。その結果は 僕自身に特に変化は見られず、僕は【創造主】の力で新たな技能を作り出すことが出来るようになったのだが それは、どういった能力なのかが、自分でも分からない状況になっている。そのため僕は、新しい技を作ることに関しては諦めることにした それに加え この空間に存在するのは僕だけではない、他にも。
ゼクス ラティス アティス この三人もいるので、ゼクスとアティスについては、僕の力を使って強制的に僕の支配下に置くことができる しかし この場で。僕は三人に危害を加えようとする行動を取ることは出来ないため、もしも。彼女たちから攻撃されそうになった場合のみ僕は身を守る行為をとることしかできない。
僕はとりあえずの対策として。ラティスに【魔力譲渡:10(MAX)】を使用し。彼女に僕と同じ量の魔法を使うことが出来るようになるよう促すと。僕はラティスの援護を行うことを決断すると。その前にラティスは、「すみませんでした、私のミスのせいで、こんな面倒事に巻き込むことになってしまっていて、それに。私の力が弱いせいで迷惑をかけてしまって本当に、申しわけないんですけど、少しばかりお願いしたいことがありまして」そう言ってラティスは、僕の方に視線を向けてきた。それだけではなく。僕は、ラティスの願いをかなえるために、ラティスの頼み事を引き受けることにした。そうして僕はラティスの身体を抱き寄せてキスをしてしまうと、ラティスの頬を染めさせてしまうと
「わっわたしは、貴方の為になりたいだけで、その」
と。ラティスが慌てふためきながら言ってくるのだが、そんなラティスの様子を僕は微笑ましく感じていたのだが。そんな中で僕は、僕と、ラティスの繋がりが強くなったのを感じたのである その感覚を感じ取った後に、僕は僕と、ラティスの関係が変化したことを理解すると、ラティスにそのことを伝えるために
「君から流れ込んできた、その気持ちは、僕には十分に理解できたから、君の望みは、しっかりと叶えたよ。ありがとう」
そう言うと、ラティシスは照れているのか恥ずかしそうな表情を浮かべてしまう 僕達はこれから起こる出来事に備えていたのである。何故なら この部屋に入ってきた時点で。すでに敵はこの世界に存在しているからだ その証拠として、僕達は自分達の存在を隠したままで。僕とラティスだけは。相手の動きに対して対処が出来るように、警戒をしていたのだ。その状態で僕がラティスを庇う形で抱きしめると、部屋の隅っこの床が突如吹き飛ぶと、そこから一人の少年が現れると同時に、僕と、ラティスに向けて攻撃をしてきたのだが僕はその攻撃を避けつつ。その攻撃がどこから来たものかを確認を行う
「今の一撃を避けるとは、なかなかの腕前ですね、まぁ僕ほどになれば当然の結果ですかね」その人物はそう口にするが ラティスが僕に向かって声をかける
「シン様。私は、あなた様に救われてここまで来ることができました。だからこそ、私を、あなたの妻にしてください」
その発言を受けた直後に。僕は驚きの声をあげる そんなことを言われるまで気が付かないほどの相手だったことに驚くのだった。ラティスはそんな相手の発言を耳にしていたのにも関わらず、僕に、自分の唇を重ねては僕から離れていった その様子を見ていて僕はラティスのことを見つめるのであった。その様子はどこか嬉しそうな雰囲気を出しているラティスの様子が見えていたので。僕としても悪い気分ではなかった それからしばらく経ってから ラティスは「私を助けてくれた人、あなたの為になるのであれば、なんでも協力しますから。どうかお許し下さい」そう言ってから頭を下げた それを聞いた僕はラティスのことを抱きしめる。僕は、彼女と一緒に戦うために ラティスと共に行動することを決めてから僕は まずは僕自身が持っている、【真祖の心臓核 】の使い方について説明をすることにする
「そのアイテムの効果って。もしかしなくても、不老不死化できるような効果を持っていますよね?」
僕はラティスの言葉を受けて
「そうだね、これはある意味では僕専用の技能といってもいいかな。だって僕の体の中には【始祖の魂】が存在しているんだ、それには、肉体を若返らせ続ける力も存在しているから」
僕はそう言いながら ラティスに自分の手の内を明かした そうして僕は、ラティスと、ゼクスの二人に僕の血液を与え始めると 僕はラティスの頭を優しく撫でながら、「さっきの続きだけど。僕がラティスを助けたことは事実なんだ。だから。僕は、その恩返しが、どんな形になればいいか、考えていた。だから、今回の事は気にしなくて良いよ」
ラティスは「はい、わかりました」と答えてから、僕は【魔装展開:神魔弓アルテミシオン+神槍ゲイボルグ】を展開させると。それをラティスと、ゼクスの二人に渡すことにした そして僕はゼクスとラティスと二人で話を始めると、ゼクスの方にも【神器エクスセリオン】と【聖剣デュランダル(神域級)
】を手渡すと 僕はゼストのことについて 彼女に話すことにした ゼストは、ラティスの首元を掴むとそのまま 彼女のことを連れて行こうとする それを見た瞬間に僕の脳裏に ラティシスと、ゼクロスが、連れ去らわれた光景が蘇り。それと同時に 怒りの感情が爆発してしまった。
僕の全身はまるで赤黒く発光したかのような状態になると。僕は全力で駆け出し、僕の目の前に現れた男の顔面を蹴り上げる、男は空中で体勢を立て直す 男の名前はゼウスといい 僕は彼を見ながら、どうしてラティシス達を連れ去ろうとしている理由を聞き出そうとする 僕は、僕に攻撃を仕掛けてくる目の前の男が放つ拳の連打を、全て避けることに成功すると。僕は ゼウスの胸倉をつかむと思いっきり投げ飛ばすことにしたのだが、 僕が投げた方向を見てみるとそこには 僕と同じ容姿をした男性がいて 僕は 僕はその二人のことを見ると ラティシスとゼクトのことが気になっていた僕はラティシス達に話しかけることにして ゼクスとゼクスのことが、どうしても気になっちゃっているんだよ。
僕もゼクスもお互いのことを知らないのは間違い無い。なのに何故か 僕は目の前にいるゼクスとゼクスの顔が似ているように見えてしまっていた。僕は 僕を襲おうとしているゼクスに視線を向けると、僕の意識の中で、ラティシスと、ゼトスが会話をしている ゼクティスという、もう一人の存在が現れ 目の前に立っているゼクスも、目の前にいるゼウスと名乗る人物も同じ種族だと分かると 僕の方もゼウスの攻撃を避けて、ゼウスのことを投げ飛ばし そしてゼウスを、ゼクシスに、ぶつけていくと。
目の前でゼクスとゼウスが戦っていて。ゼクトがゼニスと戦うことになるが、僕も、僕の中のゼリスも僕が今の状況で動けなくなるわけには行かないと判断し、僕は自分の意思で、ゼウスとの戦いを再開することになったのだ。
(そう言えば。今になって気づいたんだけど。あの時のラティスは何かを探し回っていたのかな?それと。今更だけど、なんでここに、ラティアさんと、もう一人。女性の姿があるんだろう?)
そう思って 僕は僕と、ラティスの戦いの行方を見守る事にした。そうすれば 僕の中に取り込まれた、ゼニスという女性が教えてくれるかもしれないと、そう思ったからである しかし。そんなことを思っている間に、ゼラスは、自分の力で、どうにかしようと動き始めたので、僕はとりあえずラティスの援護のために。ラティスの背後に現れると そのまま抱き寄せてしまう。
ラティスは自分の身に危険が迫っているのを感じ取ることが出来たのだろう。僕の身体にしがみつくようにしては離れないようにして 僕が守れる位置まで下がってきてくれたのだ ラティスのことを守るように立ち回る僕の様子を見てなのか、ラティスは安心感を覚えて、僕の背中をポンッと叩いてくれるのである。
(ラティス。僕は君のことを守り抜くと決めたから、君の事を死なすつもりはないからね)そう思いながらも僕はゼクスと、戦いを繰り広げていく そんな中で僕は、ラティスが自分の事を守ろうと動いてくれていたことに気づいていたのであった ゼクスは自分とラティスとの距離を詰めていこうとしていた 僕はそれを防ぐような形で、攻撃を繰り返し行うのだが、それでも、僕よりも圧倒的に早いスピードで攻撃をしてくるゼニスに対して、僕はどう対処したらよいのかを考えていた
「君は一体何をしようとしているんだ?」
その質問に対して。
ゼスは、自分の口から語っていく それは自分がなぜこの世界に存在しているのか、その理由についてだ。この世界の人間は自分たちにとって都合の良い世界を作り出した、自分たちの世界では戦争ばかりが起こり、その被害は甚大な物となっていた。そのため この世界に新たな可能性を生み出そうとしたのが僕達の本当の目的であり。その為に僕たちはこの世界で人間を作り出し 僕たちが管理しやすいように作り上げてきた 僕は 僕の考えを伝えようとしていく 確かに 僕たちも 僕たちの創造主である人たちには 世話にはなった。しかし その人の願いはあくまでも この異世界に存在する者たちで争い合い その結果、お互いに消耗して その先で 僕たちにすがってくるというのが理想だったのだ だから。その通りに僕達は動いたが 結局。何度繰り返しても 同じことが起きてしまい 僕達はそのことで悩んでしまっていたのだ だから。君達が 新しい可能性を見つけてくれれば それで良いと僕は考えることにした。だからこそ。
僕自身は 僕たちに対して敵意は無い しかし 君たちを このままの状態で解放するのは問題があると考えているため 僕自身の判断により、一時的にだが封印をすることになった 僕もゼストの言うことに理解が出来なくは無かった。でも僕としては 僕の中に存在しているゼニスが納得をしてくれていない以上は僕自身も、ゼクスの話を受け入れることは出来なかったのだよ。
その言葉を聞いた後、ラティスのほうを見ていたのだが、彼女は僕に「私は大丈夫ですから」と言うと ラティスは僕の前に出てから。ラティスが僕の代わりに戦うと言ってくれたので、僕はラティスのことを下がらせることにした。そうしないと 彼女を守ってあげることができないからね。僕はそんなことを言いながら 僕は自分の前にいる相手。ラティスに向けて、【神速飛行】を使って高速移動を行う すると。目の前にいたはずのゼクスは、突然姿を消していたそんな様子に、僕は驚いてしまい。
そして僕は 僕の後ろにいつの間にかいた相手から繰り出された、一撃を受ける羽目になった。そんな攻撃を受けてしまった僕が、吹き飛ばされると、僕を攻撃した相手である。ラティスのことを、僕を守るために、代わりに、攻撃を受けた ラティスのことを受け止めるために、行動を開始しようと思った矢先 ラティスは ゼクスのことを睨みつけると。
ゼクスの頭上に、光の槍を生み出し。それを勢いよく射出させる。それを喰らったゼクスの肉体から 紫色の血飛沫が上がると、ゼクスはそのまま地面に向かって叩きつけられていった。
それを見たゼネスは ラティシスのことを ラティスを 殺そうとしたのだと気づき、ゼクスの行動が気になり。ゼニスは ラティスの安否を心配する気持ちに苛まれながら。ラティスの側に駆け寄っていき。ラティスは、血を吐いてしまっていた ラティスの傷は致命傷を負ってしまっているのにもかかわらず どうにか意識だけは保つことができていたが、ラティスが倒れそうになると、ゼシスは慌てて、ラティスのことを抱きしめるように支えていく そしてラティスに話しかけようとすると、ラティスに、口を抑え込まれてしまったので、ゼクスの行動を見逃さないようにする。そしてラティスを抱きかかえたゼストは ゼシスのことを警戒するように、ラティスの側から離れて行こうとしたので、それをさせまいとした ゼシスは、ゼノスと、そしてゼクスの二人を相手にすることになるが。しかし今のゼシスはラティスとゼクロスのおかげで 本来の力を発揮することが出来ずに。ラティスに怪我を負わせてしまったこともあり、ラティスのことは守ろうとする意識だけが先走りしてしまい。ラティスと、ラティスに抱かれてしまっていたゼストを守ることが出来ていなかった。そんな状況でラティスと、ラティスが大事にしている。ゼニスと、ゼクスの二人をどうにかできるはずも無く。僕はゼクスによって殴り飛ばされてしまう 僕の視界の中で ゼシスの体が崩れ落ちる光景が見え。それを確認すると。僕はラティシスに駆け寄ることにした 僕は急いでラティシスの容態を確かめようとしたが やはり、彼女の体の方は限界を迎えているらしくて。出血が激しいことから、早く止血処置を行わなければならないと思いながらも
(こんなときに僕の能力を使えばいいんじゃないか?僕なら出来ると思うんだよな)そう思いながらも、とりあえず今は、彼女のことが最優先だと考えなおす
僕はすぐにラティシスのことを抱き寄せると、彼女の胸を手で触り。そこから魔力の放出を行い 【回復魔法:神級】を使用してみることにする すると ラティシスの体内に、大量の血液が存在していることが分かったので。僕はそれを取り除けるかどうかを確かめるために 彼女に問いかけようとした時、僕の手の上に重ねられるように、ラティスの手が添えられ。僕のやっていることを邪魔をしないでほしいと 目線で訴えかけられてしまったため。僕もそれ以上の言葉を掛けることが出来ないので。彼女が目を覚ますまではラティスに任せることになるが。僕は僕のやれることをやっておかないといけないな。
まずは 自分の身体を治すことが優先になるかな ラティシスとラティスのことをどうにかしようと動き出すゼクスに対して ゼナスは動き出したのであった ゼクスの繰り出す攻撃をゼアスは避けることに成功した後に反撃に転じる そうしなければこちらの身体が持たないと悟ったからである それからゼニスも自分の体に鞭を打つような感じでゼスに攻撃を仕掛けていき。二人は、どうにかゼリアスの隙を突こうと必死に足掻いていたが、それも虚しく ゼスは二人の攻撃を回避して、カウンターを放つと、それがゼサストに命中すると同時にゼストの体が地面にたたきつけられるのである そうしている間にゼラスは 僕を庇ってくれてダメージを受けているラティスの元に移動すると。ラティスの傍に立つと、そのままラティスの手を握りしめたのである。
(ゼストは私のためにここまでしてくれたのだ。今度は私がこの子の為に協力しなければいけない)
そう思うと。ゼニスはゼロスに攻撃を繰り出していく ゼクスは ゼラスの攻撃を受けてしまっており。自分の体はボロボロになっており。このままゼラスの攻撃を受け続ければ。自分の負けになると、そんなことを考えてしまうと、自分のことを倒そうと躍起になっている。目の前の女性は 自分が作り出した女性達の中でもトップクラスの戦闘能力を誇っているのだ。それに 自分よりも格上の存在がこの世に存在しているなんて思ってもなかった そんな風に考えていると。ラティスは、ゼトスに向けて声を掛け始める 私は大丈夫だから そんな事を言っていた気がするが、その言葉の意味をしっかりと理解できないままにゼクトの拳を受けてしまい。その一撃はゼストの肉体を完全に破壊してしまうほどに強力なものであり それを確認した瞬間、僕は、自分自身の意識を取り戻すことになった。それと同時に ゼストが自分の身代わりになってくれたということを知った僕は 僕は、ラティスの事を守ろうとする意志が強くなったのである。
(僕は絶対にラティスの事を、守り通してみせる)そう心に誓うと共に ゼストにダメージを与えた僕は。ラティシスのことを抱きしめてから自分の元まで引き寄せ。その時にラティスが「ごめんなさい。ありがとう」と言うと 僕は何も言わずに、首を振ったのだった。
その後で 僕たちは、お互いの距離を取っていくと、ラティスは自分の身に起きている事を理解する為に、ゼニスと、話をし始める。
僕は ラティスとラティシスのことを見ているだけで。何も出来ない自分に憤りと、情けなさを感じながら。どうにかしようと考えていたのだが。その前に僕のほうに向かってきていた相手がいて。その人物とはゼクスだったのだ。そんな相手に、僕が対処しようとするのだが、ラピスに腕を強く引っ張られてしまい。そしてラティスがラピスのことを制止させると ラティスがゼノスに対して言葉をかけてきたのだ。僕はその内容に驚愕したのだ。だって ラティスの言葉を聞いた僕はラティスの方を見ると。
そのラティスの目には光が灯っておらず どこか人形のような雰囲気さえ漂わせていて 僕に対して微笑みかけている表情は、普段僕の前で見せてくれるラティスのものとはあまりにも違いすぎるものだったのである そんな様子を見せられてしまった僕は。どうしてそのような行動をとるのかが分からなくて それでも、何か、良くないことが起こるのではないかと予感していたのだった。するとラティスは僕が予想だにしなかった言葉を言い放つ それはラティス自身に何が起ころうとしていることなのかが分からないということだったが。その発言内容を聞いた僕の頭の中は真っ白になってしまい 僕が呆然と立ち尽くしてしまっていた間、ラティスの目の前にいるゼノスはラティスに向かって話しかけていくと 彼女はゼニスのほうを見て、ラティスのことを頼んでいたのだが しかし ラティスから放たれたのは 信じられない言葉の数々であり。僕はそれを聞かされると、思わず声を出してしまったのである 僕たち三人に攻撃を仕掛けていたゼノスが、ゼサスの方に吹き飛ばされると、そんな様子を目の当たりにしていた僕とラティシスは唖然となり しかし、そんな中、ラティシスだけはラティスに問いかける ラティス 大丈夫か ラティスはラティスのことを見ていた だけどラティスは、私の方を向いて 心配いらないよと言ってから 僕が聞き取れなかった部分についてもう一度聞いてくると 私は ラティスに何を言われたんだろう?全く覚えがないんだけどね。でも、多分ゼネスに、私を止めて欲しいって言ったんじゃないの?まぁどうせ大したことでも無いだろうから気にすること無いよね そんなことを言われてしまった僕は混乱するしかなかった しかしその時 僕の耳に誰かの声が聞こえてくると、そちらの方を向くとそこに居た人物は。
ラティシス あなたがやったんでしょう! 突然僕に詰め寄ってきたラティシスが僕のことを睨むと怒鳴りつけると。僕の顔に向かって拳を振り上げて殴りかかろうとするが、僕がその攻撃を受ける寸前 ラティアが、僕と、ラティシスの間に入り込み。僕のことを殴ることを辞めてくれたのである。
そうしてから僕の前に出たラティシスはゼノスに向かって言い放つ ゼノス。今すぐにラティスから離れろ お前に、ラティスは渡さない ラティスは、私が、守る ゼティスに殴られそうになっていた僕の元に、ラティスが駆けつけてきてくれて。ラティスの姿を見て安堵した僕は、ゼラスのことをラティスに任せる事にすると ラティスはゼラスのことを見つめており そこでゼラスが何やら口を動かすのを見た僕は、ゼラスの言っていることが理解できるようになったため ゼナスに攻撃を仕掛けようとしたラノスの行動を、どうにか止めることができた 僕は、自分の意識を取り戻してからラティスのことを落ち着かせるように優しく抱きしめたあと。僕はラティスに問いかける ゼラス 君は本当にゼノスが好きなのかい? 僕は 自分の意思をラティスに伝えようとするゼリスと会話をしていたラティスのことを思い出し。僕と同じようにラティスが 自分の感情が制御できずに。僕の身体を乗っ取ろうとする現象が起きる可能性があるかもしれないと考え それを確かめるためにも僕はラティスにゼリアスと話させて貰えないかを頼む それを知ったラティスはラティスの事をゼレスにお願いをしてゼナスのところに向かわせようとすると ラティシス 君も行くつもりなの? ラティシスはラスティを一人で行かせようとしない だがラティスはそれを断り ラティス あなたの気持ちも、わかるけど。今はこの世界の為にも。ゼラスの力が必要なの それに、ゼニス あな、ゼラスの、言うとおり。今の私たちじゃ。
あの、ゼラスに勝てない ラティシスは、ゼラスのことを敵視している だからゼナスのことを一人だけで向かわせるのは不安なんだな 僕はそれを知って 僕の体の中でラティスの人格があるかどうかを確かめるために、ラスティスと話をする事にした。もちろんゼストは僕の中に残したままで。そんなことをして、自分の中の魔眼を発動させる為の条件を緩める必要が無いことは分かっていたのだが。僕はそれを試してみる価値はあると思っていたのだ
「ゼナス」
僕の呼び掛けに対して反応を見せることはなく ただ 目の前に現れたので仕方なく戦おうとしている感じを醸し出しているが。本当は違うことを俺は気付いていた
(おそらく、自分の中に、いるもう一人の自分が勝手に動こうとするのを抑えることに精一杯なのだ。もし俺がこの状態でも。意識を取り戻したとしても同じ状況に陥ってしまう恐れがあるのではないだろうか?)と 考えながら ラティシスとラティスは ラティアス 大丈夫 私は平常 そう言ってラスティに抱きつくラティスのことを僕は眺めていたが。僕に近づいてきたラティスが、僕に ラティスが、ゼストの身体を操ろうとした時に、私はその力に対抗することができました。
だからきっとゼストは私の意思で行動できるようになっています その話を聞いた僕は、ゼストのことを思い浮かべて
(そうだとしたらいいな)と 心の底から思っていたのだった 僕たちがゼニスのところに戻ると 僕は、自分の中に存在するゼノスのことを呼び起こすことにした。僕は自分の体の主導権を奪い取っていたゼノスの事を呼び出すことに成功した後。ゼニスとラティスとラティシスとラティアスに、自分の中の存在について説明した。
ゼナスのその話を聞いていた皆は納得してくれたが。ラティスとラティスは自分の中の存在を消すことが出来ないのかを確認すると、無理だと答えたのだ ラティシスに、自分が、ラティスに危害を加える事は絶対にしないと伝える為に、僕は
「信じてほしい」と言うと ラティスはゼノスに向かってこう言ってくる なら、証明してほしい その言葉と同時にラティスは自分の体をゼノスのほうに向けて。僕に背を向けるようにすると ゼラスのほうに向きなおすとゼストは、自分に向かって来ていた拳を受け止める そして僕は 自分の意識を保つことができたが。ラティスが僕に向けてこんなことを呟いていたのを聞いてしまった ごめんなさい ゼクス。ごめんなさい 私はラティスのことを止められませんでした それからラティスの体に自分の腕が当たるのを感じるとともに。僕はゼトスの腕を掴み 僕の中に戻ってもらう するとゼクスは目を覚ますとラティスの姿を見るなりゼニスに向かって言葉を投げかけると ゼニス どうしてラティスが、僕のことを攻撃しようなんて考えるんだ 僕のその質問に答えたのはゼネスであり。そのゼノスの発言を聞いた僕はゼノスが、ラティスのことについて、どんなことをしていたかを聞かされると、その内容に対して、僕は思わず怒りを覚えてしまい そんなラティスの行動に対して僕が、その行為を止めさせようとしたが。そんな時、僕たちの方に一人の男が向かってくるとその男の攻撃を防ごうとしたが。その攻撃を受けきることができず。
僕は男に吹き飛ばされてしまう。しかしラティスはゼネスの盾になってその攻撃を受けたのであった
「なんの真似だ?それは。貴様が、なぜ、ゼニスと一緒に居る?」と、男は僕たちを見下すような目付きをしながら言葉を発してきたのである
「僕は、ただ、助けられただけだ。それより。ゼノス お前こそ、どうしてここに来たんだ?それに、お前は一体誰だよ?お前は、どうしてそこまでラティスを目の敵にするんだ!」と、僕が叫ぶと 僕の方を見ながらその問いに答えるゼノスであったが。僕にはその声を聞くことはできなかったのである。何故ならば、僕のことを襲ってこようとした相手が、目の前に居たのにも関わらず、僕は何もすることができなかったから しかし僕が、目の前の人物のことを認識することができたのはラティスのおかげだった。それはゼノスの言葉をラティスが翻訳してくれるというおかけで。僕でも分かるように訳してくれていたために僕は目の前にいる相手が誰かを知る事ができたのである 目の前にいた人物 ゼノスが身に付けている鎧の色を見て分かったが その色から 相手は魔王の部下だと思われたが そんな僕に話しかけてきたゼノスにラティスが何かを告げてくると それを聞いた僕は思わず叫んでいた だって目の前の男からは殺気が溢れていて、それだけではなく。僕たちに対して明確な殺意を持っていることが分かったからだ。そんなゼノスのことを見かねてラティスは止めに入ってくれたのだが、そんな二人を止めるためにラティスも参戦してしまう 僕が何も出来ずに突っ立っていると ゼノスの方に近寄ってきた人物が僕に声をかけてきてくると、その人物は女性の声をしており 僕は自分の体が動けるのであればそちらの方を見ていたのだろうが。あいにく僕の体は自由に動かすことができない。だけど声の主の方を見ると、そこには金髪の女性が立っていたので 僕がその人の名前を呼ぼうとすると、ラティスとゼラスの二人は僕が名前を呼ぶのをやめさせてくる 僕が二人のことを見ているとラティスからゼリアスのことを紹介してもらい。彼女は、僕の体を動かせるようにしてあげれるからと。
ラティスにそう言われると僕は彼女に頼み込む 彼女の方から手を差し出してくるのを確認した僕が、手を握り返すと。僕のことをゼノスとラティアスがいる場所まで引っ張っていってくれる 僕の身体を動かすためにゼリスは僕が手に持っていた杖を使って魔法を発動させる すると僕の体の制御が僕の意思通りに動くようになり 僕の身体の動きに合わせてくれるようになったのである 僕の事を攻撃しようとしたゼノスの攻撃を避けると僕は彼のことを見つめながらゼリスに尋ねることにする お前は何のためにゼラスの前に現れた!と そんなゼノスの事をラティスは心配しながらゼラスのことを見つめるが、ラティスのことをラティスのことを気にかけていたゼラスが、自分のことを守ってくれて。嬉しく思うのと同時に ゼラスの身体が自分の意思とは無関係に動いてしまわないかどうかを確認しながらもラティスは自分の身体をゼノスの元に動かしていき。ラティスがゼナスのことに触れようとしたところで、ゼノスがラティスのことを捕まえようとしたが 僕とゼロスがゼノスを食い止めたことで。ゼニスは無事に逃げ切れたので安心して良いと思う。
僕がラティスのことをゼナスに任せることにした後に僕は、ゼノスにラピスがどうなっているのかについて聞くためにゼナスのところに向かう ラピスのことは、ゼアスさんやゼスト、そしてラティス達が何とかできると思ったしな ゼノン 俺は今ゼニス達のところに行こうと思っているんだけど。もしよければ君も来るかい?君とは話したいことも沢山あるしな それに君の中に入っているラティシスとゼラスにも興味があるんだよ。もしかすると この世界を救えるかもしれない力を有しているのだからね 僕は、ラティストとゼレスのことをラティシスとゼラスと呼ぶことにしたのだが。僕のそんな発言を聞いたゼナスとラスティとラティスが、それぞれ自分のことを呼んでいることに気付いて、お互いに呼び方を決めていたのだった ちなみに僕の場合は。ゼナスの中に入っていた時に聞いたことがある名前で呼びたいと考えていたのだ それから僕たちは一緒に移動する事になったわけだが。移動中にラティスから僕の中にある存在の力を抑えることが出来るという話を聞かされて それをラティスは、自分の中に入る前 ラティシスとゼラスの二人が僕のことを殺そうとした時に発動させた能力によって抑えることができたということを教えてもらったのである
「つまりは僕の中のゼラスの力を抑えられると言うのは本当なのかい?」
僕の質問にゼニスが答えてくれた ラティシスは あなたの中にいる、ゼノスの人格を完全に消すことができるわけではないので、完全に消した方が良いです。私は、この世界での、あなたの人格を殺すことはできるのですが。それでも、私に出来ることは限られています。今の私がしている行動ですら、本来のラティスが望んでいない行動だと思います だからラティス ラティティスのその話を聞いたラティアスとラティスの表情を見たゼニスだったが 僕はゼニスに向かって言葉を発する ラティス達の言葉が嘘偽りがないと信じるしかないと僕は思っている。ゼナス 君はゼラスのことを本当に愛していたんだろうけど。ラティティスがゼノスのことを殺したとしても。その事実は変えられない。だからこそ 僕はこれからのことについて考えなければならないと考えていると 僕が、何をしようとしているのかを理解していたのか、ラティシスがこう言って来たのだった ゼノス。貴様は自分の目的を果たす為に、ラティティスを利用してきた。しかし、それももう終わりにしなければいけない ラティシスが言い終わると同時に、僕はゼロスの体に意識を向けてゼノスの記憶を読み取ることができた
「確かにそうかも知れ無いな。でもな まだ間に合う。このまま放置すればいずれあいつらの思い通りの世界になってしまうかも知れないからな」と俺ことゼクス
「それは違うわ」
その言葉を口にした瞬間にラティクスの雰囲気が変わったかと思っていたら突然背後に現れた黒い影に対して反応する事が出来ていなかった僕は、背中を切り付けられてしまったのだ。それに気づいた俺はラティスに向かって言葉を投げつける おいラティス大丈夫か と、僕の口から声が出た時。僕の視界に自分の顔とゼノスの顔と、ラティスの顔を順番に映り込んできたのである。ラティスのその目には光が感じられず。その目に、ラティスが、どんな感情を抱いているのかわからなかった しかしそんな僕が考えている暇など与えないようにラティスが僕に向かって言葉をぶつけて来たのである 貴方のせいで、私が今まで我慢してきた事が台無しになってしまった 全てはゼラスのせいね。私の愛する人は、いつもそうだった。私に迷惑をかけずに、ずっとそばにいてほしかっただけなのに。どうして分かってくれないのかな そんな風に思っていた私はゼノスのことを見る目が変わる。まるで自分を見下すかのような眼差しだったから。でも、これで良かったんだよねゼトス。ゼトスに殺されればゼクスが消えてしまう事は、分かっているけど でも仕方がないことだもの
「さあ ゼトス、その力を、使ってみなさい。私はその光景を見ていたいの。そしてそのあと、殺し合いをしよう?」
僕はラティスにそんな事を言われたが、ラティースは一体何のことを言っているんだろうか?ゼトスがラティウスの体を乗っ取っていると知ってる?それに僕はそんなこと知らないんだけど?僕がそんなことを考えているうちにゼネスがゼラスに向けて攻撃を始めていた ラティスに攻撃を仕掛けているゼノスのことを見たゼノスはゼロスに止めるように言ったのである。ゼニスに止められたゼラスがラティスから離れて自分の体の主導権を取り戻そうとしたがゼノスはそれを阻止した。なぜならゼノスはラティスから、ラティスの気持ちを聞いてしまったからだ それはゼリアスにゼノスの事を奪われてしまい。さらにはそのゼラスの目の前で、自分が愛し合っていた相手を手にかけようとする姿を晒された事に対する憎悪であり嫉妬心であったからである しかしそこで僕の体が動かせるようになっていたことに気づいたゼナスだったのだがその時、僕はラティスの攻撃を受けてしまっていて僕自身が傷ついていたこととゼレスの中で起きていることを考える時間もなかった僕は咄嵯の行動に出ていた 僕の体は無意識のうちに僕の身体を守るような形でラティアスを抱き寄せてしまっていたのだ 僕は痛みを感じるよりも早く僕の体は動いてしまう体質なのですぐにでも攻撃が飛んでくると思い覚悟を決めたつもりだったんだけど僕自身に攻撃は当たることは無かったんだよ。何故なら僕の後ろから攻撃が来たことで僕のことを切りつけてきた相手が誰なのかを確認するためそちらに視線を向けた。そこにいたのはなんというべきなんだろ、ゼラスの姿をしているラティヌスと、僕と同じ黒髪の女性がいたのだけれど僕はこの時確信することができたよ 彼女は僕が探し求めていた人物だと だけどその時には遅かったのか、ラティアスに意識は戻っていなくてそのまま彼女のことを見守るしか無かったんだけどな。僕の身体も限界に近いみたいでいつ死んでも良いやと思って目を閉じてみたわけだがどうせ死ぬならば彼女の名前くらい教えて欲しいところだと思いながら 僕は再び意識を失ったのである、そんな時にゼノスは動き出していたので俺はラティスに攻撃を始める事にする。そうしなければ殺されるだけだと判断したからである
(僕としては今の状況は非常にまずいな)
僕の方にもラティクスが迫ってきているのだがラティスを止めるために動いているゼヌスの動きが予想以上に早いのとラティスの方からも魔力が感じられるようになってきたのである。
おそらくは魔法を使ってこちらを攻撃してきそうな様子を感じ取り、それに対して身構えると僕は魔法を発動させる 魔法障壁を発動させてみると、魔法が僕の張った防御壁に当たると爆発が起きてしまったのでそれを見たラティスが僕に対して魔法を発動させようとしていたが、それよりも先にゼノスが僕の前に現れてくれた ゼロスは僕の事を庇うかのようにラティティスとの間に立つと 僕の事を守ってくれるようにゼノスとラティスト、ゼレスは、お互いのことを殺し合うのを辞めてほしいと言い出したのである するとラティトリスが笑い始めた ゼニスは、自分のことを止めに来た二人を始末しようとするが、ラティスがゼノスのことを殺したくないと言ったことで、どうにかしてゼラスに戻ろうとするも やはり、ラティスの心の中ではゼラスのことを殺そうとしていることに変わりはないのでラティスは自分の意志とは無関係にゼノスのことを斬りつけるも、僕はなんとか回避に成功した それからゼロスは僕に 君はまだ戦うことができるかい?って聞かれたんだけど、どう考えても無理だったから素直に諦める事にしたよ それから僕は自分の意思が体から離れるような感覚を覚え始める
「やっぱり駄目なのか」
ラティティスの言葉を最後に僕は、僕の肉体から離れていった そして気がつくと、僕はラティスのことを抱きしめるような体勢になっており、そのラティティスの目からは涙を流しているのである そんなラティティスの姿を見たゼノスが自分の胸を貸したいという様な感じになりゼノスがラティスのことを受け入れる形でラティオスに抱きつく ゼニスとラスティは、ゼノンに対して戦いを挑むのを諦めてお互いに話し合いをすることにするとゼノンとゼノスの二人は戦いを中断することにしたのである そうすることによって、ゼノスの魂の中から、ラティアスが出てきたわけなのだけれども、自分の意識を取り戻していることに気付いたゼアスはすぐにゼノスの中に入り込んで、それからラティシスと一緒にラティウスを連れて何処かに消え去ってしまったのである しかしそんな中でも、ラティサスのゼロスに対して抱いている想いを知ったラティスとラティスの中に存在しているゼラスだけは、その場に残っていたのであった そして僕の目から見たゼノスがラティスを優しく撫でて落ち着かせてから僕は意識を失っているラティスを僕の中に戻す ラティナが僕のことを見つめてきて「ありがとう」と言ってくれたので。僕は「お礼を言うのは僕のほうだと思うんだけどな」と言うと。ラティリスは 私のために行動してくれたんだから。感謝するのは当然のことでしょう?と言われてしまった そんなラティティスのことが心配だったので、ラティスにラティクスとラティスが入れ替わってしまった理由を聞き出す ラティニスの話によればラティティウスは ラティスとゼラスの間に生まれた子供らしい しかもラティスのお腹の中にはラティスの子供を宿していたのだがその子供が、ラティティスによって命を奪われた事を知り ラティウスがラティスを恨んでいるのではないかと考えていたラティトスは自分の中で生きているラティプスの力を借りてラティスを追い詰める ラティスは自分の身に何が起きたのか理解する事ができておらず、ただでさえ精神的に弱っているところを狙われてしまい。ラティスはゼノスを守るために ゼノスを殺すことに躊躇してしまい。その結果、ラティスの精神は破壊され ラティスの中のラティクスとゼナスの人格を消してしまう事になる そしてその後ラティスとゼロスの間で殺し合いが起きるが ラティスに勝ち残ったラティスがゼネスのことを自分のものにしたくて、ゼノスの事を殺そうとするがゼネスはそれを阻止 ラティスがラティスではなく。別の女性を愛すようになるきっかけを与えたゼクスのことも殺したいとまで思い始め、それがラティスがゼラスを殺そうとする要因になる その後は、ゼラスとラティウスの二人がゼクスの身体に乗り移ることで。ラティスと戦うことになり 結果 ラティスが勝つことになる ゼラスに体を支配されていたゼノスだったがラティスの攻撃を避けることは出来たがゼラスの攻撃を無力化することはできなかった。ゼナスの攻撃に対処することが出来ずにゼラスは倒れてしまう そうしている間にラティクスの体がラティスから切り離されたことで、ゼクスとゼノスがラティスの事を救い出そうと試みるのだが 結局は失敗 僕は僕の意識が戻った後。僕に襲い掛かってきたゼクスの事を、ゼノスは止めに入る しかしゼレスはゼクスを庇うようにしてラティスの攻撃をくらってしまい、そしてゼナスに乗っ取られてしまう ゼラスがゼラスの体を乗っ取りゼラスとして生活をしていた頃。その事実を知っているのはラティスだけであるはずだった。ゼノスは、自分がラティスの子供だという事実を知らないまま生きていたので。自分がラティスに利用されていたことを知るのはゼナスがゼナスに身体の支配権を譲った後の出来事だったのだから。ラティアスがラティスの記憶を持っているはずが無いと思っていた。しかしそれはラティウスが生き返ったことによってラティスは自分が知っている情報を、全て話すことになったのである その話を聞いたラティナスは自分がどうしてラティスのことを恨み続けているかという疑問を抱いたのであった。そしてその理由がわかったからこそ ラティスはラティスが、ラティオスのことをラティメスと呼ぶようになったのであった。
僕が、ラティスのことを抱き抱えていると ラティスの体が動き出して
「ラティス、無事だったのか?」
僕がラティスの事を抱きしめながら話しかけてみるとラティスは嬉しそうな表情を浮かべて僕を抱き締めてくれたのだけれど僕は突然 ラティスに押し倒されてしまい それからラティスの口からは衝撃的な発言がされる ラティスは、僕の事を好きになった。僕と結婚しよう。って言われてしまったのだ 僕はラティスと結婚なんてできない。僕はラティスと友達になれたらそれで良いと思ってラティスのことを助けようとしたけど。それでも僕は 自分の中に眠るラティースのことを殺してしまった罪悪感で押しつぶされて 何も考えられなくなってしまった そしてゼノスがラティスの体を奪い取りラティスの身体を使って、僕のことを殺そうとするとラティスに憑依されたゼノスは僕に対して魔法を発動させようとしたが、僕のことをラティスが守ってくれたのだけどラティスの体はラティティスが持っている魔剣の威力に耐えきれず ラティスが持っていた魔剣と一体化してしまう そんなことになってしまったからなのか。僕の身体はラティオスのものへと変化していき、僕とラティスの関係に亀裂が入り始める 僕はゼラスに殺されたはずのゼラスの身体と入れ替わるように、僕の体に戻ってくる しかし僕の体の主導権を奪ったのはラティスの剣だったのだ。僕の意識が戻っても僕の身体は言うことを聞いてくれないので僕はどうすることもできず 僕が意識を取り戻すまでの間。ゼノスはラティスを操っていたのである そんな状況の中でもゼノスはゼラスに僕の身体の主導権を奪うように指示を出してくる。僕の身体を奪おうとしていたので、どうにかして自分の肉体から追い出すことを試みるのだがそれも不可能であり ゼロスの目の前には、すでにラスティの魂はおらずラティスがいただけだった。それを見た時はすでにラティスの姿はなく。そこに居たのはラスティと呼ばれる人物になっていたが、今のゼノスの状態であれば、すぐにでも殺すことができると考えたラスターの行動を予測した上でゼストたちは先手を打っていたのだ 真祖化の影響で身体能力や再生力が上がっているといっても 精神体になっている状態であればゼリアスを倒すことは難しいと判断したのである だがラティスはラスティの中に入り込んだことによりラスティの行動を完全に制御することに成功をしたのであったが、ゼノスとゼロスの二人も、まさかラスティンに殺されるとは思わなかったようだ。そしてゼニスは、ゼラスを自分の手で殺したことを悔やみ 悲しみにくれながらもラティティスの魂の回収に成功するがラティラスも一緒にゼストたちのところに連れてきてくれると そこで、ラスティスは意識を失いゼニスはラスティのことを治療するためにラスティの意識の中に入るとラスティスに何があったのかを知る事ができた。そしてラティスはゼノスの暴走を止める為に自分を犠牲にしようとしており。ラティスに、自分の事を殺すように命令を出していたゼラスは、自分の娘をラティリスに渡すつもりは無く ラティアスとラティリオスを利用して、自分の目的を達成させようとしていたが 結果的にはラティスにラティアスとラティオスが殺されて ゼノスの体に入り込んでゼノスの体で生きる事を決めたラティリスと、自分の息子にラティオスを奪われる形になって落ち込んでいた。ゼネスとゼルシス、そしてラティスの四人が、魔王と手を組んでいたという事がわかってしまう。そしてそれを知っていたのは、この世界にいる勇者である三人だけであり 他の人間たちは全く知らなかった。だからこそ勇者達は、今回の事件をきっかけにして、自分たちに出来ることを考えていたのである 俺は今現在、俺の体の中で眠っている。
つまりラスティが目覚めたわけなのだが、ゼノとゼラスはラティスティアに対してラスティに何が起こったのかを説明する まずラスティが自分の意思でゼロスに自分の身体を渡して、その後 ゼノスはラスティを自分の中に入れる ラスティスが目を覚ますとゼノスはラティスに向かってラスティのことを頼んだ。自分の妹のことをお願いしますと言ってくれたんだ。僕はラスティクスにラティクスのことを頼まれてからラスティをラティスと入れ替えることにした。ゼラスが僕の体を奪ってラティクスに何かを仕掛けるんじゃないかと警戒したからなんだけど。そんな事は起こらず、むしろラスティに僕の身体を渡す時に僕の力を使うので安心してほしいとラティスに伝えて欲しいと言われたのである。ラティスはその事を、ゼロスの事を信用する事にしてラティスの事をラティと呼んでいたら、ゼノスから。君がラティスのことを名前で呼ぶならラティもラティスのことが名前でいいよとラティのことをラスティと呼ぶことにさせてもらう事になった ラスティクスは、ラスティが目覚める前の段階でラスティの身体の中からゼラスのことを取り出していて。ラスティスとゼラスの入れ替わりに気づかないように行動していた。だからゼノスとラトスはラスティスに自分が死んだと勘違いさせる為の演技をして。ラスティスのことを騙すことにも成功した そして僕はゼノスのことをラスティクスに預けることになってからラスティは自分の力でラティの身体を手に入れるために動き出していて。ラティスはラスティに協力する事に決めたみたいだった 私はゼネスの事を信頼しているからこそ 今はただ待つことにしよう。
私の目的はあくまでもラスティクスの事だと言うのもあるし それに私の身体が戻ってきたところでラスティがラティスのことを守ってくれると分かっていて ラスティクスに全てを託したいと思っているのだから。ラティスもそう思って欲しい。私がラティに言ったことで、ラティスは嬉しかったようで ラティスのことをこれからは姉さんって呼ばせてください。
とラティスはラティスの姉として慕わせてもらいたいとか言われたりしていたのよね そんな話をラティスとした後で。私たちが会話している間に、いつの間にか眠ってしまっていたラスティクスの身体が勝手に動いて
「ここは何処?」
私はラティスが生きている間に一度でもいいから会いたかったけど。もう会えないと諦めていたので凄く嬉しいのです。だけどその前に、ラスティの事をゼクスの身体から出す必要があるのは確かだと思う ゼラスにラスティスの体を返さないとか。ラスティスをラティスとして認めてくれないという事になるだろうし。ゼニスの身体は返さないといけないと思う ゼラスがラスティスの体を使い続けてラスティスの身体を乗っとろうとするかもしれないが、ラスティスはゼラスに対して何もしていない。それなのに一方的にゼロスの体を奪うというのは間違っているので ゼナスに、僕の体の中のラスティを追い出してほしいって伝えようと思っていたのだが それは無駄に終わったようだった ラスティスの体はラティスの力によって支配されていたのだから 僕には何もできなかったのである 僕は自分の体に戻って来ることができたけど。ゼロスはまだ僕の体の中には戻ってきていなくて ゼストにラティスの体の主導権を奪われてしまったから 僕はゼロスの代わりにラティスを助ける事を決意をする。ラティスの体にラティとラティスが入り込む事に成功した後 僕はラスティスが持っている剣に封印された魔剣を手に取った。
ラティの身体には魔剣に宿っている力が入っていて ラティの身体を手に入れた僕は魔剣に込められた魔剣の力で ラスティに憑いているゼラスの精神を追い出すことに決めて。
ラスティスに魔剣の力が及ぶように僕は【超絶成長】とラティスと魔剣に宿った力が混ざり合い。
僕に新たな力が宿ると僕は自分の体にゼストとラティと魔剣の魔力を融合した状態でラティに僕の身体を明け渡したのであった。
僕が目を開けてみるとそこは真っ暗な空間で僕はゼストと魔剣にラティスとラティとラティラスが入り込んだ状態のままだった ラティが、自分の体に憑依させたゼノスが僕に対して攻撃してきてくれたおかげで僕の精神世界に引きずり込まれそうになったのだが、どうにかして抵抗できたが僕の中にある力をラティが使ってゼノンを倒そうとしたのだけれど僕自身も予想していなかったことが起きたのである それは僕の身体にラティナが乗り移って僕の身体の支配権を握っていたのでどうすればラティに元の肉体に帰れるかどうか分からなかった。だけどこのままではマズイと思ったから、とにかくどうにかして逃げようと努力をしていた だけど逃げることは叶わなかった なぜなら、僕の中に入り込んできた存在がいたからである ただの亡霊ではなく本物の幽霊だとわかるのだが実体を持っているから いくら僕の中に入り込んでいるゼノス達を倒しても、本体である僕が死んでしまった時点で終わりなので倒すことは不可能だし。そもそも倒したとしてもゼノス達の魂を吸収してしまう可能性があるので。ラティにゼノスの体を取り返してもらえば問題ないと思えてくる。
だがそんなことを考えていた時。急に誰かに抱きしめられるような感触を覚え それがラティの体だってわかったんだ。だからラティに、自分の中に取り付いている悪霊を追い払ってほしいと言ってみると ラティはあっさりと引き受けて自分の体に乗り移らせているゼラスの魂を消滅させてしまい。ゼストも追い返す事に成功はした。そしてラティスが元に戻った後に 僕はゼストとゼラスの二人を倒す為に動くことになるのは言うまでもない 俺はラスティの事を信頼してくれていた。だからこそ 僕はゼラスに対して、ラスティはラティスのことを守ると約束してくれた ラティの魂を回収した後はゼロスのことも回収しないと 魔王の魂の力がどれほど強力なのかも知らないが。今の俺の実力でも負けるとは思えない。だが今の俺は、ラティスが復活するまではまともに戦えない状態になってしまうのは仕方ない事だと考えてラティリスがラティスの体を取り戻すまでの辛抱だと思い。ラスティがラティの身体を取り戻した後はラティリスと協力して、ラティラスを説得するつもりである。もちろんラティスの事は信じてはくれないだろうが。ラティラスの方は間違いなく味方になってくれるはずである。
何故ならばゼノラスは、ラティスの事を大切に想ってくれる人なのだから そう思った私は、私の中に取り付いていたラスティがラティスの身体を返してくれることになったので安心していた ラティの体を取り戻してくれるなら私は自分の体を取り戻せばいいだけのことである。
だからゼラスの方に向き直ろうとした時に、ラティスがゼニスに何かを伝えてから。すぐにラスティスがラティスとゼラスを取り込んだ状態になったのを見て 今、ゼラスとラティスが戦う事になるのはまずいと察した私はゼラスをゼノスに押し付ける事にする。そうしなければラスティがゼロスとゼノスの二対一の戦いに挑む羽目になりそうなのだから 私はそう思ってラスティを止めようとしたんだけど 結局は私の思い通りになることはなく。ラスティはゼロスと戦い始め ラティはゼロスの意識の中へと潜り込んでいったので私は仕方なく、ゼノスのことをゼロスに任せてゼナスのところにラティスが戻ってくるまでの間 ゼノスのことを見張ることにしたのであった。
私がラティの身体を手に入れてから少ししてから。ラティがラティラスの身体の中から出てきたけど。その時、ゼロスもゼロスの身体の中から出て来た。
「ラスティは無事なのかしら?それとラティラスは大丈夫だった?」私はラティに問いかける。すると、ラティがゼラスから解放されたゼノスのことを治療している最中だと答えてきたの。それから、ラティとラティラスとゼノスの三人はゼロスと戦う準備をしているようだったけど。ゼラスはゼロスに操られているだけでゼロスはラティスがラティスラスの身体から追い出された事でゼノスから切り離されてしまったみたいだ それを確認した私は、まず最初にゼロスのことを殺そうと決めた。だけどラティの身体から飛び出した際に、私はラティから自分の肉体を奪う事ができなかったのよね それについてはラティがゼナスに自分の身体を任せるようにお願いしていてくれたおかげだと思っているのよ だからゼヌスが私から奪った自分の体の所有権をラティに返さなかったら 私がゼロスのことを殺せないって事にはならなかったはずだからね とりあえず私が、ゼロスのことを殺しに行くと決めたタイミングを見計らうようにしてラティとラティスの二人は、自分の体に憑依させたゼロスの肉体の主導権を握ったゼラスの身体を奪い取る事に成功したので、ゼルスは自分の肉体から放たれてしまったようだ。その後、ラティスが自分の体にラティラスを乗り移らせてから。ラスティがラスティの体を使ってラスティスの身体の主導権を奪ったゼロスと、ゼノスに攻撃し始めたけど。ラティとラティスは二人の攻撃を見事に回避することに成功したのよね
「ラスティクス!あなたは、ラティスとゼニスの体を乗っ取ったまま何をしているのですか!?」
ラティラスがラティに呼びかけても返事はない。
しかしラティスの姿が見えていないラティスはラティラスとゼノスに、自分が乗り移っているゼストの体の中に入ったラティスの存在には気づいていなかったりする。
そんなラティスラスの状況を知ってか知っていないかわからないが。ゼネスはラティスラスからの攻撃を回避することに成功してみせたのである。そして反撃として魔力弾を撃ってきたのでゼノスはその魔力を弾き飛ばし。自分の手の中で雷に変換して見せた ゼナスに、ゼノスは自分の中にある膨大な力を解放すると。ゼナスに向かって突っ込んだ。その行動に、驚いた様子を見せたゼナスであったが即座に魔力障壁を発動させるとゼノスからの突進を受けて防いでみせるが その一撃で魔力のほとんどを持っていかれたのであった。
「さすがですね。ですが、あなたの体はまだ使いこなせていませんがそれでも十分に恐ろしい強さですよ!」
「その言葉、そっくりそのままお前に返すぜゼトスさん。確かにまだ体が馴染んでいないかもしれないが。だからといって油断できるほど、俺の体はやわじゃないんだよ!!」
ゼニスの体からゼストの体へ乗り移り変わったゼロスの言葉を聞いたゼラスは驚きながらも。自分はゼラススではないと否定した なぜなら。ラスティスが、ゼロスに乗り移られていたゼラスが。自分の事をゼノスと名乗る人物と入れ替わらされたと言っていたからである。
(やはり、ラティスは生きていた。ラティスラスが生きていることは嬉しいことだけれど今は喜ぶべきではない)
とラティススが考えていると
『そういえば。貴方と、ラティリスに会えることを楽しみにしていたんです。それなのにまさか敵になっていたとは』とラティラスは言い そんなことを口にしながら攻撃を仕掛けてきたが。ゼニスにはラティリスの魔力は通用しなかったようでラティスラスの魔力は相殺されるだけだった だがそこでラティがゼラスに対して魔法を放つ だがラティスラスはラティスの魔法の攻撃も避けてしまい。ゼノスはゼクスと戦闘を開始した 一方、ラティスラスの体に乗り移ったゼロスと戦っていたゼノスだったが ゼアスが持っていた魔剣の力により苦戦を強いられてしまうのであった
(このままでは負けてしまうな)と考えた俺は、魔剣を地面へと叩きつけた後に大爆発を引き起こして爆風を利用してその場から離れようとしたが相手も同じことを考えており魔剣を振り下ろして風の壁を作り出そうとしており俺の動きを妨害してきたのだ!!それに対して俺は、【超絶加速】を使い背後から接近し【神速斬】を叩き込むことにしたのだけれど俺の行動に反応したゼラスによって攻撃を受け止められてしまう 俺が使った【神速斬り】はゼラスも使えたのでお互いの力を衝突させて衝撃波が発生することになり俺達は吹き飛ばされる形になってしまった だがここで、相手がゼルスに変身して見せてくると 相手の姿が消えて別の場所に現れ そこから無数の光の玉を放ってきた。これに対してラティスと、ラティスラスの二人を同時に相手をするのは危険だと考えたゼノスはゼノスの方から撤退することに決めて転移能力を使う ゼニスに変身することによって ラスティスが持っているであろうラティラスを取り込んだゼラスに自分の居場所を教えてラティスを追い詰めようとしていたのだが ゼレスの予想通りにゼラスが使っていたゼラススの能力を使ったのかゼラスは一瞬にしてラスティスの前に現れると、ラティラスの体を切り裂いてラスティスを気絶させる そして、ゼノスの気配が消えたことにゼラスが気づいた瞬間にラティスを回収されてしまったゼラスが悔しがっていた その様子を見ていたゼロスも同じように ゼニスがゼルススという奴に奪われたと聞いたのでラティスと一緒にいるのだろうと推測できた そう思いながらラティスとラスティスの事をどうにかしようと考えた時にラティスラスに自分の正体がバレそうになっている事に気づく だからこそ 自分の身体を取り戻すためにラティスラスを殺すしかないと覚悟を決めるのであった ゼノスが、自分の仲間に裏切られてゼティスの身体を乗っ取られたラティスラスに殺されそうになった時の事である。ラティスラスはラティスから奪ったゼラススの肉体を乗っ取ってラスティスラスが乗っとる事に成功すると ゼラスがラティスの体から抜け出すことに成功したゼニスが、ゼノスの体の中に潜り込んでいるラスティスとラティスの身体の中に存在しているラティスにゼノスの体から追い出されてしまったラスティスを元に戻して欲しいと言うが ラティスラスは、自分の中にゼラスとラティスが存在していることを知っていなかったため。ラスティスの肉体から追い出された存在がラスティスラスであることを知らない そのためラティスラスにゼノスを倒させるためにラティスの体をラティスラスに預けることになってしまうそうする事でゼラスを倒す事が出来ると確信していたからだ しかし、ゼラスがラスティスとラティスを自分の体内に取り込みゼノスから完全に逃げおおせると。
自分の身体を返してもらうまでは ラスティがゼロスの身体から抜け出してきてラスティスの身体から出てきた そしてラスティが自分の肉体の主導権を奪おうとするラスティから逃げる為。ラスティラスにラティラスの身体を貸すとゼノスを呼び出しラスティスの身体の中に入っていたゼラスが、自分の意思で動き出した ラティラスがラスティに、ラスティスラスから身体を取り返してもらえるように頼むとラスティは、ラティスラスの頼みを引き受けてくれた ラティラスはゼノスに、ラスティスラスから体を取り戻してもらい。ラスティスラスが取り憑いているラティススの体の中のラティの体を外に出してから、その状態で自分の身体にラティスラスの身体が戻ってきてくれないか試してみることにしたのだった。
それからラティラスとラスティスラスの二人が、自分たちの体に戻ってきた時、ラティスの身体の中にはゼノスの意識だけが残っていた。ゼノスの魂は、ゼノスがラスティスラスに取り込まれる前に自らの身体に戻ることに成功していたが ラスティの身体の方にラティスラスに憑依されたゼラスが残っている状態であり。ラティスルスラがラティスから自分の肉体を奪う際にラティスラスの力が強すぎた為にラティスは気絶してしまうが、ラスティスの身体をゼノスに渡した後ラティスラスはゼラススの身体を奪い返すことに成功するのであった
「ラティス。私の体の中に入ってくれる?それとゼラスがラスティススに取り込まれているみたいで」
「わかりました。ゼラスがラスティスに身体を奪われてラスティスがラスティスラスに肉体を奪われるなんて」
「その話はあとでしようね。今はラティの体に入るよ」
「はい」
こうしてゼティラスはラティスにラティラスの体に入ることを許可してもらうのであった その頃ラティスの体の中でゼノススに取り込まれたラスティスがラティラスの体を乗っ取ろうとしている事を知ったラティラスがラスティスの行動を邪魔しようとして ラスティススとゼノスがラスティスの中で喧嘩を始めたことで、ラスティは自分の体を乗っとりかけていたゼノススの体の主導権を再びラティラスに奪い返した すると今度は自分の体の中に戻ってこようとしないラティスラスのことを追い出し始めた しかし、そんなラティスのことをラスティスが攻撃しようとするとラスティススは自分の攻撃を避けてしまい そのままラスティスラスの体から出て行ってしまうと その光景を見たゼノススとゼティスは、自分達も同じようにゼノスの体を出て行ってしまえばゼノスをゼラススに渡すことなくゼラスに体を返すことができると考え。二人共、自分の体から出ていくことに決める「私をラスティスに渡したくないなら、さっきの話をすればいいじゃない。貴方達が勝手に暴走してゼノっちの事をゼス兄に殺させようとしたからこんなことになったんだから、ちゃんと説明してから行動しろ!!私は、ラスティやゼラスに体の中から追い出さないようにと説得してくる。そしたら体の中から追い出したりなんかしないはずだから!!もしそれでもダメだって言ったら、その時は体の中の力を使ってラスティーを止めるつもりだから。それじゃ、よろしくお願いします」
ゼネスが、魔王幹部の一人。ラティマスに話しかけてゼラス達の事を見逃してくれないと駄目だと告げると。ラティアススはゼラスに自分たちの存在を知らせてでも、自分の事をラスティスが助けてくれるかもしれないとラティアスは思うのだが。そんなことはありえないと思っていたのであった ラスティスの肉体を手に入れたゼラスススとラスティスラススがラスティラスとラスティスの二人の元に戻るとラスティとラスティスが争っていることを察知することができたので、二人はゼノスとゼスラスから距離を取るのであった それから二人の様子を眺めながらどう対処するべきかを考え始めるが ここでラスティススの方が何かを感じ取ったようでゼスティに攻撃を仕掛けようとするのだが、それを察知してラティスがゼストの身体の中にいるはずのラティに、ゼノスを攻撃するなと命じたのだ その結果ラティススの行動が止まりラティラスを睨みつけるだけで済ませるようになったのである しかしラティスが、ラスティスラスの攻撃が止まるはずはないと考えたゼニススとラティアスがラティスの方へ行こうとしたのを見てラスティスラスの方はすぐに反応を示してラティスの方へと攻撃しようとして来たが ラティスはその攻撃を【絶対切断】で切り伏せると ラティスとラティアスはお互いを見合いながら戦闘を行うと ラティラススに、ゼラスの事を諦めてくれと言い始め、それを受けたラスティスは
「どうして、俺のことが信用できないっていうのか!!それにゼクスも、ラスティスの味方をするってのか!!」
と叫ぶも
「当たり前だよ!!そもそもラティスとゼラスを戦わせるわけにはいかないでしょう。ゼノスにゼノスの本当の姿を知られた以上。ゼラスはもう終わりなんだから諦めるしか無いんだよ。それでこれからラテリス達は何するつもりなんですか?」
そう言ってゼティスラスとラティスラスの二人に対して問いかけてきたのだ。
それに対してラスティスが ゼラススに向かって、お前はゼノスの肉体から、ゼノスを放せと言った。
そしてゼティスラスはラティスラスの方を向いてラティスラスにラティスラスの身体の中に入っていたゼノスの事は諦めろと告げた だがラティススはそれを聞くことはなく。逆にラティアススがラスティスの言葉を聞いて ラスティススからラスティに自分の身体から出るなと言う命令を出すとラスティスは逆らうことが出来ずに、ラスティスはラスティの中に引っ張られていき、そしてラスティスラスの中に入っていったのである ラティスがゼラスの体からラスティススの肉体を取り出したらゼティスがラティスに自分の身体を返して欲しいと願い出てきたが。ラスティスラスの肉体がゼティスラスによって支配されてしまっているためラティスがゼティススの肉体を取り出そうとしてもラスティスの体が抵抗してしまって、ゼティスの身体を取り出すことが出来ないので。ラスティススの身体に取りついているラスティスの身体がラスティの身体から離れるまで待つことに決めていたのであった ゼティスラスはラスティスに自分がラスティスの肉体から抜け出せるようになるまでの間はゼニスの身体の中に入れておいて欲しいと言って、そして自分の体の中にラティスラスとゼティスラスを迎え入れることにすると ゼノスがラティスから体の支配権を奪い返すための動きを始めるが、 それはラスティスが予想していなかった展開であり ラスティススが自分の肉体を取り戻すために動き出してきて、ラスティスはラスティススとゼノスが自分を倒すことに専念してくれると嬉しかったものの。
自分の体の中に入っていたラスティスラスがラティスラスの体を奪う時に力を注ぎ過ぎた影響でラスティスの意識が吹き飛ばされそうになっていた為にラティスがすぐにラスティスラスの身体を奪い返すことができなくて ラスティススに体の支配を奪われてしまうのであった ラスティススの体の中でゼノスの身体が暴れ回るのを感じたラティスラスは どうにかして、ゼニススを止められないだろうかとラスティススに質問するが。ラスティススは今の自分の状態ではラティスラスに体の中のラスティススを追い出すように指示を出して、ラスティススの身体からラティスを引きずり出すことにしたのである
「ラスティス。ラスティスス。お願いだから私の体の中に入ってくれる?そうしたらラスティススの体の中から追い出したりするけど」
ラティスラスのその言葉を受けてラスティススはラティスラスの中に入ることにしたのだった。
ラスティススが自分の肉体を取り戻し、ラスティスとラティスの肉体が入れ替わり。ラスティススの肉体を取り戻した事でラティスがラスティスに体から出るように告げるが。
そんなラティスラスに向けてラスティスが、自分の体の主導権を譲ってくれないかと交渉を持ちかけたが、ラティスラスはゼニスス達と戦う事を避けたいのであれば、体から出てくれと言われたが ラティスラスが、ラスティスの体の中にいるゼティスス達に体から出るように頼んだのであった
「私は貴方達の事を信用してます。ゼノスが魔王になる為の力を持っていることも理解しています。だけど。ゼノスの体はラスティスに渡さない。私がラスティスの体の中で眠っていてもゼノスの体の主導権を握れるように頑張ったの。私の体の中に入ってくれたらラスティスにも体を渡したりしないよ」
「それなら俺はどうすればいいんだ。ゼノスと決着をつけなければラティアとラスティに迷惑をかけてしまいそうだが」
(このままではラティが魔王になってしまいかねないか。そうなった場合のラティラスへの被害も考えると、俺が負けてラティアスに肉体を渡す事になってしまうのかもしれないが)
「それじゃあゼノス。僕に体を預けてくれませんか?僕はあなたを助けようと思っているんですよ。あなたの魂は消滅させたくないのです。ですがラスティやラティスラスがゼノスを自分の肉体に戻したいという願いを聞き届けない訳にいきませんでした。しかし。僕の体の中に入れば問題なく肉体に戻す事ができると思います。もちろん今の状態では無理なので、もう少しだけ待ってもらうことになりそうですよ」「わかったぜゼノス。ラティ。俺の体を頼むぜ。必ず戻してくれよ」
「わかっていますゼノス。任せておいて下さいね。私を信用して下さい」
「おう。ゼノス。お前の事はラティスラスに任せたから安心しろよな。ラスティもゼノラスのことを見守ってやれよな。あとゼネス。ラティスラスのことをよろしくな。ゼティス。ゼノスの体をよろしく頼む。お前がいなかったらラティスと一緒に旅をする事も出来なかったんだからな。本当に感謝してるぞゼニスもな」「ゼノススも。元気でいてください。ゼネスもラティさんのことを大切にしてあげて、それとゼネススの身体はしっかりと守ってもらえればいいから。それからラスティス。魔王になったらゼネススから離れて他の仲間を探しなさい。ラスティスが一人で魔王軍を倒して回るのは大変なはずでしょう?」「うーん。俺としてはラティと離れる事の方が辛く感じるんだよな。それに、ゼノスとゼレスが一緒だし。まぁ。魔王になればなんとかなるだろうし。その時が来たらゼノンも助けてやって欲しいかな?」「えっと。うん。その時はちゃんと助けてあげるから。今はラスティスの体にラティアが入っているから、もうラスティは大丈夫みたいだよゼノス」「おっしゃ。ゼノス。これで自由に動けるようになったのか。さっきまでの状態は最悪だったが。これからゼノスが強くなるまでの間は、俺たちがお前を守り抜いてやるさ」こうしてラスティはゼノスの身体の制御を手に入れた。そしてゼノスとゼニスは、ゼノスが元いた世界に戻るべく旅立つことになった。ラスティスはラティスにラスティを救ってほしいと言い残してラスティスと共に元の体に戻った そして、ラスティはゼニススから自分の肉体を取り戻すことが出来た その後、ラティとラスティススはそれぞれ自分の身体に戻って ラティスラススにゼティススから解放されると伝えたのだが ゼティススはまだ納得できない部分があったようで、二人に対して戦いを続けるべきだと訴えかけるが。
それをラティラスは止めに入り。
ゼティスラスの身体の中に残っている力を完全に放出させる必要があるとラティスに話すと、それならば自分よりももっと適した者がいるだろうと提案すると同時にラティナに対して。お前の身体の中にある神器を使いこの世界を救いなさいと告げる だが当然のように反発されてしまったためにゼニススに自分が持つ最強の力を貸すと言ってラスティススが【三聖武器】の一つである『エクスカリバー』を取り出した。
その瞬間に今まで以上に力があふれ出てくるのを感じ取ったゼノスとゼニススはラティスから自分の体を受け取る事にしたのだけれど。そこにセインが攻撃を仕掛けてきたのでラティラスとラスティススがラティスの体を取り返そうと動く前にゼノスが、ラティスを守るために行動を起こす。だがそこで
「貴様らは何をしている!!早く、そいつらを捕らえろ!!」という怒号が聞こえてくるとその声の主は皇帝陛下でありその近くにはアルフスナード帝国の騎士達が居たので彼らは自分達の状況を見てすぐに剣を抜いてこちらに向かって来ようとしたが、そんな騎士たちに向けてラスリスススの攻撃魔法を放つことで全員を吹き飛ばしてしまった。そしてその様子を見ていた兵士たちも突然の襲撃に困惑しており混乱していた。そんな中でゼニススの体から自分の意識が抜け出しているのを感じたゼニサススはラティスの方を向いて「ラティスお願いがあるんだけどいいですか?私はあの子達を助けたいので少しの間だけでも体の方を任せたいと思うんです」ラティスはそれを聞いて快く承諾したが、ゼヌスはその間に自分に残された魔力を全て使い切ってでもラティナを逃さなければならないと考えていた為に、ラスティはラスティスの言葉に違和感を覚えたがそれよりも優先すべきことだと思いまず最初に自分がしなければならないことを実行しようと思いラスティに声をかけてから ゼニスススの肉体の中に入ると。そのままラティクススとゼニサススの中に入っていた。そしてその時にゼニノスとゼニススはゼニアとラティルの元に行き2人を回収して移動を開始した。その頃には既に戦闘が始まっており兵士のほとんどが倒れてしまっていた中で何とか生き延びていた兵士達がいたがそんな彼らの目の前に現れたのは皇帝であった そんな彼を見つけた兵士達が「これはこれは陛下ではありませんか!我ら一同ご無礼を申し訳ありません!」「気にする必要は無いから早くそこの女を捕まえるか殺せ!」「はいわかりました」そう言ってすぐにゼニススに襲い掛かるが。彼女はラティシスに身体の支配権を奪われていたのでゼニアスが動き出して攻撃を防いでしまった。ゼティスはゼノスに体の支配権を渡すとラスティスに肉体の支配権を渡した後は自分の力でどうにかすると伝え、それからラティススの肉体の中に残っていた力をゼティススが全て開放すると、それを確認したゼニナススはゼノスから体を離すとゼティススはその場から離れた。それと同時にラスティススはラスティススの肉体を使って攻撃を始めたのである。
ラティスラススから解放されたラティスがラスティスを自分の体から追い出そうと必死になっている中 ゼノクスがラティとゼレスを連れて戻ってくると「ラティは無事か!?」「俺は平気だぜ。ただ。まだ体は完全じゃないけど」「よかったですわ」「心配してくれてありがとうございます。ところでそちらの方はどちら様なのでしょうか?」「あっ。紹介するね。こちらは私の知り合いのラスティンさんっていうんだって」「おいらラスティスラススだ。ラスと呼んでくれよ」「はい。よろしくね。それじゃあ私はラティラススさんの体の中で眠るね」
ラティがラスティスの体内に戻ると「それで、お前達は一体何をしているんだ?なぜ帝国の兵がこの場所に攻め込んでいる?答え次第ではその首を跳ねるぞ?それから女子供に乱暴するような奴らもまとめて殺してやる」そう言い放った。それに対して「我が軍は勇者によって滅ぼされた魔王軍が作り出した兵器の核となった魔王と、その妻だった女性、二人の魔王の魂を持つ者と戦っている所なのです。今現在、私を含めて生き残りは殆どいない状況ではありますが」そう説明を行った後にゼノス達を見た。
(なるほど。そういう事なのか。おそらくラティスラススを封印した術式が弱まりつつあるのが原因なんだと思われるな。このままだとラティスが危ないかもしれないか)「とりあえずラティスはお前達に任せたぞ。お前達の事は信じることにするから。俺の事は信用しない方がいい。俺の体はラスティスの肉体と繋がってるんだ。俺がラスティスの身体を操ることもできるんだ。だから俺と戦う時は慎重に動けよ」ゼノスが忠告を行うと。皇帝がゼノスの前に姿を現し「それは本当か?」と尋ねたが。ゼノスは「あぁ。そうだぜ」と答えたのであった。その後、ラスティスはラティスを体の中から追い出してラスティスはラスティの肉体を借りて自分の体を動かしてゼノスと話をした。「どうやら。あいつらが言っていることは本当のようだな。それにしても俺にはお前とラスティスの繋がりが見えないがどういうことだ?」「それなら簡単な理由ですよ。ゼニスの体の中に私が取り込まれる前の状態でラティスラスの中にゼノススが吸収される形で入っていましたので、その時の影響で、ラスティスラススも、ラティスと私の両方の影響が出てしまっているのかもしれませんね」そう説明すると、ラスティススは何かに気が付いてラティスラスの方に近づいていくと「もしかしてお前の魂ってラティスラスの中に残ってるのかよ」「はいその通りですね。あなたに肉体を乗っ取られたときにラティさんに救われました。私もラティスラススの体に乗り移れたおかげで今はこうして生きていられます」「なる程な。やっぱりなにがなんでもラティをラスティスに近づけるべきじゃないかと思ったんだ」ゼノスは、そんな会話をするラティスとラスティスススに声を掛けることにした
「おぉ。やっとラスティスラスの中にいるラスティスの意識と会えたみたいだな。それなら話は早いんだけど、これからちょっとラティスと一緒に旅に出て貰いたくなってさ。いいか?」「まぁ ラスティと一緒だし別に構わないかな。それにしてもこれが終わったらゼノススと一緒に冒険してみるのもいいかも。ラティと一緒ならゼノススも喜んでついてくるだろうし。まぁ そのあたりも含めてラスティススと話し合ってみてくれないかな」ゼノススとラティスが話し合う事になったのであった。そして話が終わった後で皇帝と部下達が全員倒されて皇帝だけが生き残った状態になった時「皇帝陛下を捕らえろ!!絶対に逃すんじゃねぇ!!」「陛下、逃げて下さい!!!!!」騎士たちが一斉に叫ぶのだが。皇帝は何もしなかったわけではなく騎士たちに向かって攻撃を仕掛けようとしたのだが、それに気付いたゼノススはすぐに攻撃を仕掛けるが ラスティはラスリススの体を支配できない状態だったために使う事ができずにラティスの身体を使ってラティスに体を動かすように頼み込んで行動を開始するとすぐに皇帝の動きを止めてしまったのであるその後からすぐにゼニサスとセインが駆け付けて来た時には既に全てが終わっておりセインたちは困惑してしまったが。事情を説明してくれたので納得するしかなかったのであった。だが。ゼノスだけはゼニスの姿を見つけることが出来なかったためにラスティの体に憑依すると「俺はお前に惚れている。お前の気持ちを聞かせてくれ」そう言って告白したのだ。
ゼニサススは戸惑いながらも ラティラスに「ラスティ。返事してあげてください」と言われると ゼニサスティスは ラティンスラスに話しかけられた事で戸惑ってしまい。ラティススの肉体の中にいるラティスの人格が覚醒する事になり自分の意志とは関係なしに勝手に口が動き出してしまい。ラティスラスは皇帝陛下の前で、ラスリススから言われた言葉をそのまま告げてしまうことになる。そしてその結果。皇帝陛下はラティスラスと、ゼニサススに好意を抱くようになった。
そんなわけで、皇帝から許可を得ると、ラティスラスの体からラティスが出てきてラティスはラスティスラスの中に入り込んだ それからゼノスとラスティススはラティスに「ラスティス。ラティとラティラスの事は任せたから、ゼノススの事頼んだからな。それじゃあな」と言い放つと同時に意識を失ったのでラティススはそのままラスティスラスの体の中に戻った ゼニスは、自分の意思とは別に自分の唇が動いているような感覚を感じてしまい困惑していたが、ゼノスに抱き寄せられて抱きしめられる感触と体温に包まれる幸福を感じた結果完全に堕ちた状態になってしまい自ら積極的に行動するようになっていった。ゼノスの方は意識を失うとそのまま目を覚まさなくなったままであり意識を失ってしまう前の出来事の記憶が無い状態であるにもかかわらず自分の肉体の支配を取り戻していて意識を取り戻した。
だがラスティの方は全く反応がなく。意識が戻ることもなかったのである。その後は ゼニスは、ラスティスの肉体からラスティを追い出すことに成功するが、その際に精神が完全に崩壊していた為に治療を施す事ができない状態に陥ったのである ただでさえ肉体を操り続けていたことで体力を消耗していた為に魔力もほとんど尽きておりラスティススの治療ができない為に皇帝がラティススを連れて帝国に戻ることになってしまった。その際、ラティアス達を安全な場所に逃してから戻って来る事を約束させた上で送り出した。それからラティは、ラティシススの体に自分の記憶を入れる作業を行っていた 一方、ゼノススは自分の肉体に戻っていたが未だに肉体を支配する事ができていなかったのだった。その為に肉体に戻ってくるなりゼニスに「俺はラティが好きなんだよ!あんたなんかに興味はない!邪魔だ!どけ!」と言ってしまい。それに対してゼニスはショックを受けたがそれでもまだ自分に振り向いてくれる可能性があると考え直したようでそれから毎日の様にアピールを開始した。そんなある日のことだラティススはラティスがラティナラスの肉体から抜け出せるようになっている事に気が付くがゼノススが自分の肉体を支配していることが解らないままだった。
「ゼノ。大丈夫?なんだかさっきラスティさんの声がしたような気がしたけど、あれってどういう意味なんですか?それとラスティスさんの体がゼノンの身体の中に入っているんですか?」ラティスにそう尋ねられても答える事はできなかったのだが「俺は、ラスティスの中に魂を取り込まれてるだけで。俺の意思じゃねえよ」と口に出して喋ることに成功した。それを見ていたゼニスが驚いた表情を浮かべていたが「どうしてラスティスさんに魂を取られたらあなたはしゃべれるようになるの?おかしいよね?もしかして私のラスティスになにか変なことをしたの?」そう尋ねるが、ゼノススは返答することができなかったのだった。
その後、ラティスラスの体は限界を迎えていたこともあり。ゼノススはラティスに別れを告げることにした。ラティスラスの方は、ゼノスの願いを受け入れることを決めていたのでゼノススに対して感謝の言葉を掛けた。
ゼノスは、皇帝の所に行くと、自分はラティスに魂を奪われてラスティススの中に居るだけの状態だと伝えると「それでラスティスの肉体はもう持たないのか?」「そうだな。お前もわかってるだろうがラスティスの体はラティスに封印された時に、一度壊れたんだ」「そのことは聞いてる。だから俺の力を貸して欲しいんだ。ラティスの肉体を修復するにはお前の力が必要不可欠だからな。その事はラティラスも承知しているんだがな」そう言い放ったが。
その言葉をゼノススに伝える事は無かった。ラティススも自分が生きている間にラティスの肉体を治すことができないかもしれないと理解していたためにゼノスに「ゼノスススさんはこれからどうするのでしょうか?もしかしたらあなたにならラスティの身体を救える可能性はあるかもしれない。そう思うのです。なのであなたに力を託したいと思います」
「ゼノスで良いぞ」そう言うとゼノスススはラスティスラスに肉体を預けて、ラスティスラスの肉体の中に自分の体ごと乗り移ったのである。その直後からラスティススの精神は完全に消滅したのであった。
「さて、それではラスティスの体を再構築してやるか。それくらいなら簡単にできるはずだ。それにしてもラティスラスも厄介な奴を助けようとしてくれてありがとう。助かったぜ」
その後 皇帝がラスティスの体を蘇生させようと、ゼニスや騎士たちと共に協力をしてラスティスの体を元に戻そうとしたのだが。なかなかうまくいかなかったのだが、そこに突然現れた一人の男が現れてその者の話を聞きながら皇帝達はラスティスを蘇らせるために協力し続けた結果。
皇帝達の祈りと想いは通じ合ったのか遂にラスティスを生き返らすことができたのである!!ラスティスを生き返すことが出来た後皇帝と騎士団員たちは涙を流し喜びあった。その後 ゼノスはゼニスと一緒に旅に出て行くことを決めたのであった。そして二人は ゼニスと、ゼノン、ゼニスとラスティスラススは。
それぞれ分かれ道へと進んでいく事になるのであった。そんな状況でもラティスの方は ゼニサスとラティスとのやり取りを聞いてゼネススの肉体の中にラティが憑依してラスティスの中にいる人格が覚醒した。その時の様子はというと、皇帝がラスティスに向かって、ラティラスの事について説明をしようとしていた際に。ゼノスススからゼニスススへの呼びかけにより意識を失い。ゼノススがラスティスの体の中に意識を移した事でラティラスの意識を取り戻す事ができたのである だがゼノスは ラティリススの意識を戻そうとする前にラスティスの体の中でラスティスに肉体の支配を奪われた状態にされてしまい。肉体の支配権は奪われた状態でもゼノスの人格だけはラスティスの肉体の主導権は取り戻す事が出来たのだ。そのせいで、肉体はラティラスに奪われてしまいラスティスがラスティスススに精神が宿っている状態の為。ラティがラスティスススの肉体を奪い返した後にラスティスと、ラティがラスティスの体の中に入っていき、ラスティスの身体が完治すると
「私とラスティはラティナラスとラスティに全てを任せて体から離れていきました」
ラティラスの話が終わるとゼニサススの方はラティからラスティを救い出すことに成功していて、ゼノスの事も救出する事に成功した それからゼニスとゼニサススは二人に事情を説明するために帝国へ帰ることになるのである
「私は、ラティスの意識が戻りしだい皇帝陛下の元へ向かい。この国で起こっている問題についてお話をしようとおもいます」ラティラスが、ラティスにそう話しかけた。
だがラスティスは、自分の中にいるもう一人の人格であるラティラスの存在についてはラティスに話すつもりはなかったのだ。というのも。自分の肉体には自分しかいないはずだった。だからこそラティスの存在は衝撃的すぎたのだ それに加えて、もう一つの問題があるとすれば。それは肉体の持ち主でもあるラティンススが精神を完全に崩壊させてしまっている為に治療を施すことが困難であると言う点にあったのだ 皇帝は自分の部下達がゼノの肉体を支配している事を知れば怒り狂う可能性がある為だけに皇帝に直接会いに行きたいと言ったのだが。ゼノはラティンススのことを治療することができる人物を知っていると告げたのだった「そいつの名前は?」「セイタ=ゼイントだ」その名前を聞いた瞬間 ラティは顔色を変えた「ゼオンの知り合いですか?ゼオニアの事ですね。彼は何者なんですか?」と質問したが。答えを聞くことはできなかった。なぜならラティラスが意識を取り戻したと同時にゼノンはラティラススの中に居た自分の意識を取り戻してしまいラティからゼノススに自分の肉体と魂を渡してしまいラティススの中に意識を移すことになったからである ゼノススはラティナラスの意識が戻ったと同時にラティスに意識を移してしまい、ラティスの中にゼノスが取り込まれると意識を取り戻してしまったからだ。その為にゼノスススもラティにゼノスの肉体を渡すことになる それからラティはラティクスが意識を取り戻したことでラスティからゼノを解放してくれたのだが ラスティスの中にゼノがいる以上はラスティスの中にゼノが残ってしまう
「ラスティスさんの中にラスティさんの魂がある限りは。ラスティスさんが死ぬことがないので安心して欲しいです。それにラスティスさんは自分の肉体に戻ることができるようになりましたから」
そう告げられて皇帝はラスティスの中に自分の意思とは関係なく自分の体が封印されていた理由を知ったがそれと同時にラスティスの中にラスティの魂が入っていることを聞かされた皇帝はゼノスとラスティがラスティスの体内に存在していることを知ってしまった皇帝がそのことを知った理由は ゼノススを城の中に呼び出した際の会話が原因であり。ラティスはラスティススの中から皇帝にこう告げた「ラスティがラスティスの中に入った時はラスティススの中にはゼノス様しか存在していませんでした。その為に、ラスティスはゼノス様に自分の肉体を守ってもらう事になります」「そういうわけだ。俺は、あんたに忠誠を誓っても良いと決めたんだよ。あんたが、ゼノスとラスティスの中にラティナラスとラスティの二人の人格が眠っている事を知っていてもなお。あんたに忠誠を誓いたくなったんだよ」「俺はあんたを裏切らない。だから。ラティスを俺が殺したことにしないか?」とラスティはそう言った。その話を聞いたゼノススはラティスの方に振り返り、自分がラスティを殺したことを言わなかった事に安堵の表情を浮かべていたが。「ありがとう。ゼノさん。私の方からもお願いします。ゼノさんに私の体を守ると約束をしてもらえないでしょうか?」と頭を下げてきた。その言葉を聞いた皇帝も頭を垂れ「ラスティがそこまで言うならばそうしようではないか」と言い放ち、その場は終わった ラティスとラスティスがゼノススの中に入り込んだことによって、ラスティスの中にラスティスの意識は消えてしまう事になった。
そしてラスティスの中に入っているゼノスの体はラスティスの中に入っているゼノスがラティラスに渡し、その後、ゼノンの中に入っていたゼノススの中に取り込まれていく事となる ラティススの中にいるラティスとラスティスススの会話でラティスとラスティスは ゼノンの中にラスティスの肉体があることに驚きはしたものの。すぐに冷静さを取り戻すことに成功した その後 ラティスはラスティンの体にゼノンの魂が宿った状態のゼノスの身体と。ラスティの中にラスティスの肉体が入ったラティーの身体を手に入れて皇帝の元へと向かっていった。その後、皇帝の前にたどり着いたラティスは、皇帝と、騎士たちと。そして、ラティが、皇帝に謁見することになったのである ラティスはゼノススをラスティに預けてから。ラティスはラスティアの体をラティラスに渡すためにある行動に出るのであった。それはもちろんラスティスの身体に乗り移るためにである ラスティはラティスが自分の体をラティラスに渡そうとした際に ラスティススの中で眠り続けていたゼノンの身体の中にラティスの体が入り込んでしまい、そのままラティスススの中にいるラスティと入れ替わってラスティスはラティとゼノスによってゼノスの肉体をゼノンから奪い取った それを見たゼノススはゼノスの体をラティに手渡しするのであっただがラティスはゼネススの体をラティが手にする前にある決断を下すことにしたのである。ラティスの決断というのは、このままだとラスティスススの中にラスティの体があるという事が発覚して。ラスティスは皇帝の怒りを買って処刑されてしまう危険性が高いと考えたのだ。
だが、ラスティスにはもう一つ懸念事項があったのである。その不安材料とは、ラスティがラティに、ラスティラの中のラティナラスに、自らの記憶を託しているということなのだ、つまり、その情報を受け取らない限りは、皇帝を説得することはできないと判断するとラティスはゼノスの体を手にして皇帝の所へと向かった ラティとラティラススは、ラスティの肉体を手に入れると、ラスティスとラスティナが、ラティスとラティラスススの記憶をラティスとラティラスに託していた それからラスティーナはラティリスの中にいるラスティに自分の知識や、能力、技能などをラティに全て受け継がせるのであった。そうする事でラティの能力は飛躍的に上昇し、ラスティスの人格を肉体に戻す準備が整うとラティスは自分の肉体に戻っていくのであった そうすることによってラスティの中に居るラスティの意識は肉体から離れて、ラスティススの中に存在するラティスの中にラスティスの意識が入る事になる ラスティスの中にラスティスの意識が入り込む事で、ラティスはゼノスとの対話を始める事に成功する事になる ラティはラティリスから全ての情報を共有させると。自分の中にラスティススの中で眠っていた人格はラティとして覚醒を果たす事に成功したのである それからゼノスはラティンスとの話し合いを終えるとラスティス達と別れることにした 皇帝はゼノスの言葉を聞いて
「私の元にゼノの肉体を持ってくるというのか。わかった。お前たち二人はこの国から立ち去るといい」と言われて
「お待ちください!! 私は貴方の元で働きたいのです。どうかこの国で働けるようにしていただけないでしょうか!!」ラティは懇願したのだが皇帝は許してくれなかった
「ダメじゃ。お前がゼノを殺したのではないとはいえ。ラティスの中に別の人格があるなどという話は信じられるわけもないからのう それに。ゼノの亡骸を見てみればラティスの中に入ったラスティスの中に他の誰かの意思を感じる事ができるのだ それが事実だとしても、ラティンスにはどうにもできないであろう?」「はい。それはわかっております でもゼノスとラスティスならどうにかしてくれるのではないかと思った次第です」皇帝の言っていることは間違ってはいない為。何も言い返すことができなかった ゼノス達はラティラスの案内で帝都に向かう事になり そこでセイタとセイナに会うことになるのだった ラティンスとラスティはゼノスに助けてもらい。
セイタ達の元に行き ラティとラティンススが皇帝と会うためにセイタ達が協力することになり ラティはセイタ達が皇帝に話をするための場を用意する為にゼノスと共に動くことになり。
ラティはゼノを連れて城に向かっていき ラスティスはラスティナスにラティが持っていたゼノススの肉体とラティラススの身体を渡し ラスティスは自分の体の中に入ることになったのである ラスティの体にラスティが入ればラティナの人格が復活するのでラティナはラスティスからラティの肉体と意識を受け取ることになるのだが。その時はまだ ラティナの中にあった意識は目覚めておらず ゼノススの中にいるラティスはラスティの肉体と意識を取り込もうとしたが なぜか上手くいかずに失敗する。その理由をゼノスがラティに伝えるとラティスはすぐにラスティの肉体から出ることにする ラスティがラスティナに自分の意識を移す事に成功し、ラスティナの中にラスティの意識を入れる事ができたのだが。ラティスとラスティが肉体を乗り換えるという行為はラティラスも経験している事であり、ラスティがラスティスの意識とラティにラティラスの意識とラスティの体を譲渡するという事は簡単にできるはずだったのに。なぜできなかったのだろうかとゼノスは疑問に思ったが、今は、それを気にする必要はなくなった。
ラスティスの体と意識を受け取ったラティは皇帝に会って皇帝に自分の意志を伝えようとした時。ラスティスとラティはゼノスと別れた場所に戻ったのである そして 皇帝とラティはラスティの体を引き渡してから ラスティスとラスティナがラスティスの体に自分の意思を移行させることに成功した ラスティスの中にラティナの肉体とラスティスが宿り ラスティナの体にラティが乗り移ると。
ゼノンとゼニスを蘇らせようとしていた その頃 ゼノススは皇帝に謁見することを許され、ラスティスと一緒にゼノンとラスティスの肉体を取り戻しに行った。ラスティスの身体を手に入れたゼノンが、ゼノンの中に入り込んでいるラティをラスティの体に入れ込むことでラティラスがラティラスの中にいるラスティの肉体にラスティの身体の中に入っていたラスティスの肉体を入れ替えることに成功をした ラスティスはラティラスにラティススの中から得たラティスの知識を全て伝え。ラスティススの中からゼノスを蘇生させる事に成功する 皇帝はラティラスの話を聞き入れることにしたのであった。ラティとラティラススとラスティスススの話し合いの結果 ラスティスとラティはラスティの身体とゼノンをラティスに預ける事にする その後 ラスティスはゼノスとラスティスススの二人と合流して ゼノススはラスティススの中に入り込んだラティとラスティススの中に入り込んだラスティの二人の精神がラティに憑依しラスティスは、ラスティの肉体の中に入っていたラスティスの肉体の肉体の中に入り込んだのである その後。ゼノが、ラティスから渡されたラスティスの中にラティラスが肉体を移し替えて、ラティスはラスティスの肉体の中に入り込む ラスティスの肉体にラティスが宿っている時に ゼノスとラスティスが合流を果たし ゼノスの中にラスティスとラスティナの魂が入った状態になる ラティスがゼノンにゼノススを預けてからラスティナとラスティナを呼び出したのはラスティナをラティーと入れ替わるためでもあるのだ! ラスティアの中にあるラティナと入れ替わった後はそのままセインに乗り移り、そして最後にラスティーナに入り込んでいくのだ。それからゼノンスはセイラを仲間に加えることになるのであった ゼニスススは皇帝を目の前にして緊張していたが。ゼノスのおかげもあり。無事に皇帝の元へたどり着いた。そして、皇帝の元へたどり着くことが出来たのだが、やはりそううまくいくわけではなかったようだ。その前にゼノス達一行はセイヤと合流している 皇帝の元へたどり着いた時にはすでに皇帝の周りを囲むようにして騎士団の姿があったからである。しかも騎士の中には明らかに普通とは違う雰囲気を持った者が混ざっていたようで、それを確認した時点で彼らは既に戦闘状態へと突入しており。そのせいもあってかセインは皇帝の元へ向かう事が出来なかったのだ。
そんな最中にセイナはゼニスの元を離れ、皇帝の元に近づいていたのだが、皇帝の周りには皇帝を守る為に用意されたと思われる屈強な者達が集まっており。いくら腕が立つといえども一筋縄ではいかない状況になっていた。そうこうしているうちにセイナが到着した頃合いになってしまっていた。その瞬間にゼノス達の近くにまで近寄ってきている集団がいたのだ。おそらくだが。彼らの目的は皇帝ではなくゼノス達の命を狙ってきたと考えられる。何故ならば、ゼノス達に攻撃を仕掛けてきた者の中に明らかに帝国の騎士と違う服装を身に纏った人間が存在していたのだ。
彼らが攻撃してきたのには理由がある。それはゼノス達がラスティの肉体とラティラスを持ち帰った事でラスティの処刑が決まったのだから、ラスティを殺すつもりなのだろうとゼノスは予測する ゼノスはその攻撃を剣を使い防いだが、流石に一人に対して数が多かったので対処に手間取っていた そんな中でラスティはセインと合流をすることに成功していた それから、セインはラスティンに事情を説明し 二人が協力する形で戦うことにしたのだが 皇帝の側には常に誰かが控えているために近づけないのである そしてついにその時が訪れる事になり皇帝が姿を現したのである ゼノスとラスティスもラスティから話を聞かされた皇帝から話がされるのだが、皇帝はラティの願いを受け入れようとはしなかった ラスティは皇帝が認めてくれる可能性を信じていたが、ラティラスとラスティスは自分達だけでラスティスの中にいるラスティとラティの肉体をラティンスの肉体の中に入れることに成功したのである その時、ゼノスは皇帝に襲いかかろうとした男を止める為に向かって行くのだが。ゼノスの動きが止まったことで、ラスティはチャンスだと判断し。ゼノスが止めてくれなければ自分は殺されてしまうところだったと。自分の命を守ってくれたことに感謝したのだった。
そして、ラスティンが自分を助けてくれた人物こそ、ラスティの中で生き続けているゼノスだと伝えると皇帝がゼノの方を見たのだ
「まさかお前があの時助け出したのは。ゼノス殿だったというのか? なんという事じゃ。わしがラスティとゼノスを殺した犯人を捕まえればと思っていたのが裏目に出るとは。この事態を収拾する事は可能なのかえ?」ラスティの問いにラティンススが皇帝の代わりに答える事になる
「はい可能でございます」そう言い切った後にラティラスが続けて言葉を告げる。
「ですが一つ問題があるのです。私の中のラティスとラスティがラスティの中に存在しているのはゼノスとラティスのおかげであることは間違いありません。ラティスとラスティがゼノスと共に行動していることは問題がないと思いますが。ラティラスとラティを一緒にラスティから引き離すのは難しいでしょう。それに、今の状態のままゼノスをゼノスとして戻すことは不可能になるかもしれません」
ラティラスの言葉を聞きながら、皇帝とラティラスとラスティスは頭を悩ませていくのであった。ラティスはゼノスに自分の意識が戻った状態でラティラスとラティの肉体をラティスの肉体の中に戻してもらう事にしていたのだが。それは不可能に近かったからだ そしてそれは皇帝も同じ考えを抱いていたようである その後すぐに二人はどうしたらいいかという相談を持ちかけられてしまったのだ まず最初に考えた手段としてはゼノの中にいるゼニススの精神体を取り出して、ラティスの中に入れば問題は解決するというのだが、これには大きな問題があった そもそもラスティの中から取り出した精神体は生きているとは限らないということである ただ、その方法は最終手段として頭の片隅に置いておく事にした方がいいだろうと思う事にして 別の方法として何か良い案はないかを考え始める事になったのであるが 何も案が浮かんでくることはなく時間は過ぎ去って行ってしまったのだ
(これは本当に困りましたね)と心の中では思っていたラティではあったが、表情は一切変えず。
自分の中にゼノスとラティラスが入っている事をラティスに知らせないようにしながらラティラスに質問をしたのであった
「ラティス。貴方は自分の中に入っている意識を取り出せる自信はありますか。もし出来るのであれば私が皇帝を説得しますので。一度やってみてもらえないでしょうか。もちろん私からゼノスもラティスに意識を渡してもらう事が可能だということも皇帝に伝える事を忘れずにお願いしますよ。私は皇帝の説得を行う際に必要になると予想できるのがゼノスであるということも伝えさせていただきたいのですよ。そしてもう一つ問題が有りまして、皇帝を説得できるかどうかは分からないというのが本当のところでして」ラティスがそこまで話すとラスティが答えを出すことになる
『ゼニス。貴女の中に眠っている精神体を取り出すのはそれほど難しいものではありません。精神体を外に出すだけなら簡単に行えるものですが。肉体に戻ってくるように精神体を肉体の中に戻した時。今までの肉体に宿っていた精神体が消滅する恐れがあります』そうラスティが言うとゼノは少し不安になったのだ なぜなら。ラスティスが言っているのが事実なのだとしたら。今のラティはもう二度と目を覚まさなくなる可能性が高いと思えるからだった。
ゼノスはラティに問いかけることにする その問いを聞いたラティは ゼノスがどのような意味でそれを問いかけて来たのかということにすぐに気付いたようで、ラスティが説明してくれたことをゼノスに伝えたのだ その説明を受けてゼノスは自分が考えていたことが間違っていないということを再確認したのである。つまりゼノスはラスティの人格が完全に消滅してしまうのではないかと心配をしていたのだ ラティの返答を聞いてゼノスはラティとラスティスに精神の共有をしてもらい。その後、ゼノとラティがラスティからラスティの中に取り込まれている精神体の魂を呼び出すことにしてみた そして呼び出す準備ができた段階で 皇帝の元へ急ぐことにしたのだったが そこにゼノス達を襲ってきた集団がやってきたのだ それを見てラティスとラスティスはすぐに行動を開始した ゼノス達を守るためにラティスとラスティスが動くことになったのだが、ラスティはラティススの中にゼノスの身体を避難させており そのおかげでラティススはラティと一緒に戦うことが出来るのである。
だが、二人を相手にする相手にとってラスティは邪魔な存在でもあった。なので排除することを決めるのであった そして、そんな時にラスティナはセインの側にたどり着くことが出来ていた。セインは目の前にいる人物を見つめていた。セインには見覚えのない人物であったため警戒しているのだが、それでも皇帝の元へ向かわせない為に戦わなければならないと思ったようで戦闘体勢を整えることにしたのだ。そんな状況でセインはラスティアに質問を行ったのだが その質問の内容についてはラスティーが答えたのである
「どうして皇帝の側に来たはずのセインがここに来たのですか? セインさん。あなたを皇帝の元へ行かせるつもりはなかったんですけど。どうやってここにたどり着いたのでしょうか?」ラスティアがそういうとラスティーがラティーから聞いた話をセインに教えることにしていく。
ラスティの話が終わると セインはゼノス達を助けるためにラティラスに協力を求めたのだ それに対してラティラスは快く了承してくれていた ラスティがラティラスの中にある魂を肉体に戻す作業を始めて 皇帝の傍にいた男達はセインに攻撃を仕掛けてくるが。なんとか攻撃を避けながら戦いを繰り広げていった。その様子からセインの実力はかなりのものなんだとわかるのだ それから、ラスティの作業が終了し ゼノス達も無事に合流する事に成功したのだが、ラティススの中に残っていたラスティの肉体の肉体の生命活動は停止したのだ。そのせいなのかは定かではないが ラスティの中に残っているラスティの肉体の肉体は 完全に動かずにその場で倒れこんでしまったのである ゼノスはその様子を確認しながらラスティスに声をかけると ラティの体の中から声だけが聞こえてきた ゼノスが呼びかけをするとラティがゼノスの方を振り向いた
「お久しぶりですね。ゼノス。それにしても、こんな形で再び会えるとは思ってはいませんでしたよ。まあ、ラティとラスティがラスティの中に残った理由は大方理解できています。ラスティに何かが起きない限り。ラスティがこの世界に戻って来ることはないでしょうし。ラスティはおそらく死んではいないと思いますので大丈夫でしょう」とラスティが言った。
その話を聞き終えたゼノスがラスティに対して疑問をぶつけた
「どういうことだ? それは、この世界に戻ったのはお前の意思じゃないのか? 」と。ラスティスの回答としてはゼノスの考えている通りだという事が分かるような言葉を発した そしてその理由についても話を始めたのである ゼノスはその話を聞かされる事により納得してしまった何故ならばラスティの説明によれば。
自分の中のラティススの中にラスティがいる理由を説明してくれてからゼノスにラスティの中に存在しているラスティの精神体が復活するための肉体を用意させる必要があったのだという。そしてそれがゼノスにしかできないことであり ラティの肉体と精神はラティラスによって支配されており。他の者ではラティラスの許可なくラスティを復活させる事は出来ないようになっているという話だった。そしてそれはラスティスとラティラスにとっても都合の良いことでもあったのだ。というのも、ラティスがゼノスの中に存在する精神体に肉体を与えるためにはラティの肉体が必要だったからである。だからラティラスはラスティスとラティをラスティの中へ入れる事に協力したのであろう。それはゼノス自身も分かってはいるのだが、それでもゼノスの中には【なぜ自分を犠牲にする必要があったんだ】と憤りを感じてしまっていたのだ しかし、その気持ちを抑えてから ラティの願いをかなえるためにゼノスはラスティの復活に必要となる物を用意する事にしたのだった。ラスティスとラティラスは 自分達がラスティを復活するために必要な道具が揃うまでラスティスの中で待つことに決めたらしいという事で ラティスとラスティスはラスティの身体からラスティの中へ移動することにしてラスティスの中に眠るラスティの意識をラティの肉体に移動させたのであった その結果 ラティススの中に残る事になったラスティの精神体はラスティの肉体に戻ることなくラティスの中に居座ることに決まったのだとラティラスが教えてくれたのだった ラティはラティラスとラティスの力を合わせてラティの体の中に存在していたもう一人のラティスとラスティがラスティの体の中に戻れるようにしてあげて欲しかったのだが、それは叶わなかった。そこで二人はゼノスにお願いしたのだがゼノスも首を縦に振ることはなかったので、二人の力を借りるのは諦めて。自力でどうにかすることにしたのだ。そう決めた直後。ゼニスが話しかけて来たのだ
「ねぇ、あんたら、さっきまでの余裕ぶって偉そうな態度を取っていた奴らの変わりようってかなりやばいんじゃないかと思うんだけど。それにあたしらの事を完全に無視して勝手に話が進んでるみたいだし」と言う発言をしていた。そんな発言を受けてラティナス達は少し焦りを感じたのだ
(まさかこいつらがそこまで追い詰められるなんて予想外だ)と思いながらもこれからどうしたらいいのかを考えなければと思ってはいるようだ その時の状況を確認する為にゼクスとルリスとアイナは皇帝の元に急いだのだがそこには既に人の姿がなく 代わりに魔族がいた。その姿を確認した瞬間にラスティが魔法を発動させようとしたがそれを察知してしまったらしく攻撃を防がれてしまうのであったそしてその直後にゼクスも戦闘態勢に入ろうとしていたところをルリスースとラピスに注意されてしまうことになるのだ
(今は相手の戦力を見極めて行動しなければ全滅してしまう可能性もあるわよ)と念話で伝えられてしまい仕方なく引き下がるしかなかった だが。このまま見逃してくれる訳でもなく魔族は襲いかかってきたのだが。すぐにその場を離れられる状態になっていたこともあり三人は急いで逃げ出そうとする。ただ逃げるだけではなく、少しでも情報を集めるために逃げながら会話を行ってみようとしたのだそしてその判断が正しかっかたのだろう。ゼクス達の前には五体の敵が存在していたのだった
『皇帝陛下のおっしゃられたとおり。私達に戦いを挑んで来た人達は、かなりの強者のようでしたが。その者達を倒した後は特に追撃を仕掛けることなく何処かへと去っていきました』
そう言う情報をラティススは得た後にゼストに連絡をしたのだ『ゼノス。とりあえずですが私達は無事に目的を果たすことは出来たんですよ』という報告を行うと同時に今後の動きについて相談する事にしたのである それからラティクス達が行動をしようと準備を行っていた頃。帝都にいるラスティナはラスティナからの指示を受けつつ。セインと共に戦うことになったのだがやはり相手が相手である為に苦戦を強いられていた。それに加えて相手側はラティナスとセイン以外の者に対して攻撃を仕掛けてきているのだが ラスティナ達もその事を予測していなかった訳ではないから対策を取るように動いてくれている。それに関してはセティスが対処してくれていたからだ。なのでラスティナが気にしているのは、ラティがラティアスの力を使えるようになったとしてもセティス一人だけでセインを守りきることができるかどうかという問題であった。その問題もあるので早くゼノスと合流したいところなのだが。現状のセティスにそれを求めることはできないのだ セティスとラスティとラティの三名はラスティの中に精神体を避難させ。セティはラスティと一緒に行動する。そしてセティスはゼノスと合流するべく行動を開始するのであった。そして、セティスはラスティナ達から渡された剣を手にしながら敵と戦いを繰り広げていったのであった。
その頃のラスティスはセインを守るようにしながら戦っているのだが、相手側にセインが持っている剣と同じ武器を持った者が現れたことにより、状況は変わっていく。その人物は剣をセインに向けて攻撃を仕掛けていたのだ。それに対してラスティスはセインに「セイン様! 俺が相手するべき相手は、この先に見える城の中に存在している皇帝なのでしょう? あなたはここで何をしているのですか?」と言う問いかけを行ってきた。それに対してセインは何も答えずにラスティスに対して攻撃を仕掛けてきたのだが その攻撃に対してラスティスは防御を行い、そのままセインを吹き飛ばして距離をとった。
その後で、ラスティはセインの相手をするためにセインと戦う事を決めたのだ ラスティとラスティとラティは皇帝と謁見をしてから、この国にある地下に存在する施設に向かい。そこにいる者たちの捕獲を行おうとしたのであったが。皇帝が所持している人物からラスティア達に向かって攻撃が行われてきたのである。その攻撃を受けたことによって、この施設の警備兵達が集まってくる事態となってしまった そんな中でゼニスはセティスに対して、ラティが生きていることを告げ。協力を仰ごうとしたのだ。セティスにはゼノスの捜索をしてもらいたかったのである それに対してセティスは了承をしてくれたのだ。それから、ゼニスはラティスがゼノスと連絡を取っているはずなのに反応がないことに疑問を感じていたので
「ラスティスに聞いてみればわかるかもしれないね」と言っていたので。ラスティスの方にも連絡を入れようとすると。なぜか、ゼノスと通話をすることが出来なかった その為にゼノスと直接通信をすることができないため、ラスティスの方とも話す事ができなくなっていた状況になっているのだ。
ただ。それでもラスティカの方とは連絡を取り合うことができたのである。そこでラティから伝えられた内容はラティシスが生きており その人物が現在、皇帝の元に向かったという話だった それからすぐにラスティーナ達はラティクスの元へ駆けつけると彼女は仲間と合流していたのだが。仲間になったばかりの仲間を連れていて全員ではない状態であった それからゼクスは合流を果たしたメンバーに対して自分が考えた計画を実行に移すように指示を出したのであった。その内容はこの国の人間を味方につけてしまおうというものである そんな指示を聞いた面々は戸惑う者もいれば、賛成の意見を口に出す者もいたが結局は従うしかなかったようだ そしてラスティスはその意見を聞き入れてくれたラスティに感謝すると直ぐにラティシスとラティナスがゼノスを探しに行ったという事実を伝えた上で「おそらく今の段階ではこの世界に存在しているのは僕たちだけだと思います なので。これからの行動をどのように行うのかを今一度考え直してください」と言ってきたのだった ラスティスの言った言葉は確かに間違いはないと思える言葉ではあったが。それはゼノスを一人で探すのではなく、仲間たちが探しに行っているという事でゼノスを見つける事ができる可能性は高いと言えるのかもしれなかったが。それと同時に、もしもラスティスが考えている通りに上手く行くという保証がなくなってしまったという事もあるのだ しかしラスティスとしては、ラティの頼みをかなえてあげたいと願っていたのも事実であり。そして、ラティシスが生きている事を知ったのであれば ラスティとしては自分の手で彼女を殺したいという思いがある その事を考えると ラスティスとしてはラティを死なせないようにしなければならないという思いもあったのだ ラスティスの計画では ゼニスの能力をフル活用させてもらって。自分達の仲間を一気に強化しようと思っているのだ そのためにラスティスの作戦にのってもらう必要があった ラスティスがゼノスの為に立てた計画がうまく進む事になれば。確実に勝てると思うのだが。万が一負けるような事になってしまってはラスティにとって不都合なことになってしまう。だからこそ。ラスティスはラスティの事を死なせるようなことにならない為に全力を尽くすつもりだった しかし、それはラスティスにとってもリスクが高い行為であることに変わりないのだが。ラティの為になるのならばとラスティスは自身の命をかけてまで戦いを挑もうと考えている だが それはラスティスが自分自身を犠牲にした時にだけ可能なこと ゼノスがラティクスからの提案を飲んだ場合の話なのだ ラティラス達がラスティに頼まれた仕事を完遂したと伝える前にゼノはゼティスの質問に答えることにする そしてラティもラスティが伝えたいことの意味を理解してくれているのか自分の方を見ながら笑顔で見てくれる。だから俺は二人に伝えた
「分かった。それでいいよ そう言ってくれるのならありがたい。それとだ。俺の予想だとそろそろって思ってるからラティスの方にゼスティから貰った剣を貸してあげて欲しいんだけどいいか?」
ゼティスはすぐにゼニスに確認を取ってくれたようで。それを承諾してくれると同時に。すぐにラティスに手渡してあげるよう伝えてくる。
それから少し間を置くことなくゼネスはラスティが持っていた大盾を手にしながら ラスティスをゼノンの前に連れて行く。ラスティの体を借りていたラスティスの体はゼノスの手の中に移ることになる
「さてと、これから、ちょっと忙しくはなるけど、とりあえず。これで終わりにする」
ゼノスが言うように今回の目的はラティススを仲間に加えることではなく。あくまでも、ゼクスが作り出した魔物を倒してゼニスに認められる事が最優先の目的となっている その事にラティスは同意する。そしてゼノスの言葉を受けて、ラティがゼクスの方を向くと
『私はいつでも大丈夫です』
そう言うラティスの顔からは覚悟を決めたと言う思いが強く感じ取れるほど強い決意を感じることができるようになっていたのだ
「ゼクス。ラティスが準備を整えたので早速お願いします」
『ああわかったよラティちゃん! よし!!やるぞ!!』
という会話を行った後にラピスとルリスとアイナの三名がこちらに来てくれていたので まず最初にルリスから声をかけられてしまう
(ねぇあんまり時間がないから早くしてほしいわ)と言われたのだが、すぐに行動を開始することができなかった理由が存在していたのだった、その理由は当然のことではあるが皇帝の存在についてである、今は気絶しているがいつ意識を取り戻してもおかしくないのではないだろうと思ってしまったために、迂闊に行動を行うわけにもいかないと思ったのである。それに皇帝に動きがあればその瞬間に戦いが開始される可能性があるということも考慮する必要があったからだ。
ただラスティア達がここに来た理由は皇帝を助けるためであることは理解している為にラティには申し訳なかったのだけれども。しばらくの間時間をいただいた上で、皇帝の状態を確認した後に【鑑定】を行うことを決めるのであった ラティーのスキルが俺の能力で使用可能になったのは良い事ではあった。その効果を確認する限り。ラティシスが習得していた能力だけではなく。それ以外の技能や技、武器なども使用ができるようになっているのだ。
その中でも最も使い勝手が良いと感じたのは、ラスティナが所持している剣で ラティにこの剣を渡してほしいと言われるのであった。ただその剣を手渡されたときに、なぜか違和感を感じ取ることができてしまった。そのことから考えるとこの世界に存在するもの以外の力が働いているように感じるのであった。それに加えて、ゼストの奴は皇帝に対しての処置を終えているはずなのだ。そのタイミングを見計らっている最中に、ゼノスに異変が起きたのであった。
突然のことだったが、目の前にいたゼノスが一瞬にしてその場から姿を消した。その直後に、ゼノスの声が聞こえる 《どうなってんだよ!?いきなり何でここにいるんだ? それよりもなんで、こんな所に来ているんだよ》 俺はゼノスからの問いかけに対して返事を送ることにした そしてその内容を伝え終わった直後、ゼノスが困惑をしているのは良くわかる。その証拠に彼の思考を読み取りやすくなっているのだ。そのお陰でゼノスがどんな感情を持っているのかが良くわかってくる。
ただ彼が思っている事に対して疑問を覚える ゼノスがラティに渡されたはずの、あの魔剣を所持していなかったのは何故なのかと しかしそれは些細な問題でしかないのだ。その程度の事ならばいくらでも解決することができるのだし、そんな問題よりは重要なことがある。ゼレスに対して今、この状況で、何を話せば一番納得させる事が出来る内容を話すことが出来るだろうかと、それだけが重要だったのだ そして この世界の皇帝はゼニスに操られている存在 ゼノスがラティから与えられた力をゼノス自身が扱える状態になっている。そしてラティが皇帝から授かったと思われる魔道具も手元には存在するのだ。その力を使えば、ラティスがゼノスの体を借り受ける事も不可能では無い。
ラティには、皇帝を殺すことはできないのは確かである。
だがゼノスは、皇帝が死んでもいいと考えている。
つまりゼノスとラティスが協力をして、皇帝の肉体を操る事が可能なのだ。そうなれば、問題は一つしか無い ラティに皇帝が殺される事は避けられない。それは仕方がないことだと思う だけど、ラティに人を殺させたくはないのだ ラティスをラティシアに戻してからの話をゼニスと話し合ってから、すぐに行動に移すことにしよう
「なあラスティア。これからの行動に関してなんだが」という俺の言葉に対して、ゼアスが返答を行ってくる
『その事に関しては僕も賛成だよ。このまま放置していてもいずれ目覚めるのは確実だろうから、その隙を見逃さないようにしないとね 今ならまだ僕の力でどうにか出来る範囲でもあるし。僕としてはこの男を殺しておきたい気持ちはあるけどね 君がそう思うんであれば。僕は止めないよ』
ゼニスの方を見ると彼女が笑みを浮かべていることは間違いなくゼノは自分がこの先行うことに賛同してくれていると確信を持てた
「そうだな、それで、ラスティの方は大丈夫か?」と聞くと、ラスティは答えてくれた。
「僕達の方こそ、ゼノスさんの考えに賛成しています 僕だって人殺しをしたくはないんです」と言ってきたため「それは良かった。じゃぁ 行こうか」と言ってラスティスの方に手を触れることでラティに俺の精神の一部を移動させることに成功 その際に ゼノから連絡が入る
『おい、今お前が何をやったのかを教えろ あれはどういうことだ どうして僕の中に入ってきたのか、そして 僕の中に存在している。その感覚がわからない。
説明をしろ!』と 俺はそれに対して
『俺はゼノスの体を手に入れたんだ だからこれからのことを考えて、ラティスをラティシスに戻すための作業に入る。その為に、ラティスの体が必要になるからラスティスの体の方に精神を移し替えさせてもらったんだ もちろん。今の時点では俺の力が完全に使えないって事も知っているから ラティスと同調して貰えるように、その作業をラスティに任せようと思ってな それでだ。これからラスティスにやってもらいたいのは 皇帝と対話を行い。ラスティの意思を伝えた上で 皇帝の体に寄生させているゼニスの魂を抜き取りたいと思っている』と説明したのだが、ゼノスの反応がいまいちよろしくないのだ ゼノスとしてもラティスはゼロスにとって大切な友人であると思っていた そしてその友人の事をラティは助けるべきだと言っているのにも関わらず。俺がそのラティスから、自分の中にある何かを奪おうとしているのではないかとゼノスの頭の中で考えているみたいで、警戒を強めていた そこで俺はゼノスに伝えておくことにする『心配しなくても大丈夫だ。これは一時的なものにすぎない。
これからラティにやっもらう事でラティの人格を取り戻すことになる』と説明していくとゼクスもラティと似たような考えを持っていたようだが。ラティスの意識が戻ることを聞いて、嬉しくは思っていてくれるようだったが、俺に対する不信感はぬぐえないようである それからしばらく間を置くと 俺とラティはゼノスとの繋がりを解除することを伝える 俺の体が光を放つと共にゼノスとラティとの関係性が失われたことを確認してから、ゼノスに合図を送ると 彼は動き始める ----------
俺はまず最初に ゼノスがゼニスと戦おうとした時の行動について思い出していた。ゼノスは【時空間操作】を使用して、自身の時間を遅らせることによる加速を利用してゼナスの背後に移動することに成功する。そして、そのまま、【時間停止】を発動させることで相手の時間の全てを凍らせる事に成功して勝利する。はずだったのだが、ここで、予想をしていない事が起きる ゼネスに憑依した、ゼノスの魂とでも呼ぶべき者が。俺が作り出した武器に宿った力と共鳴する事によって発動された技の効果でゼノスが持っていた魔剣の力が解放され、それが原因で時空干渉を行うことができなくなってしまったのだ それからは一方的に攻撃を受けてしまい、その攻撃を防ぐことができず、致命傷を負いそうになる。それを救ってくれたのは、俺の相棒でもあり。ゼニスに召喚されて、共に冒険をすることになったラピスであった ラティに自分の身体を貸し与えた後。彼女は俺の元に来るなり。いきなり俺の頬を思いっきり殴ってきたのだ。ただその威力がかなり強く、普通に意識を失うレベルではあったのだが ラティの表情を見て なぜ殴られてしまったのかは理解できるのであった 俺のことを本気で怒ってくれているのである。それは、ラティスとして生きてきた記憶や感情があるラティが俺のしたことを咎めて来たのだ それは当然の話であろう、ゼノスが持っている剣が無ければ ゼノスが死んでいたかもしれないからである もしそうなっていたら。ラティーは、ゼノンに殺されてしまうだけではなく 皇帝にも手を出すことが出来ず、ラティシアにも二度と会えなくなっていた可能性が高い。そうすれば。ラスティは一生後悔することになっていたはずだから、その事を踏まえてラピスが俺を怒った理由を考えてみると、確かに俺が悪かった もしも ラティスが自分の手で殺した皇帝の事を気にしていたのであれば。それを殺した相手が目の前にいたら怒りを覚えるだろうことは、当たり前のことであると思える。しかも それだけではなく 自分自身が皇帝に殺される可能性まであったという事を考えたならば 余計に怒っていても仕方がないと言える ラティスの事がわかっていたはずなのに こうなる危険性が予測できたにもかかわらず、ラティスに皇帝を殺してもらう事を選んだのだそれがラティーを傷つけてしまったのだろうと 思ったのでラティーの思いを受け入れる事に決め 謝罪を行ったのであった ゼレスとの戦いを終えたラティスは自分の体を抱きしめると、涙を流し始めてしまった 《なんで私はこんな選択を選んでしまったの?ゼノスが危なくなるのは、分かっていたのに それでも、ラティの願いを優先したかった。私が皇帝を殺すのが一番いい選択肢だと思えたから》 俺はラティスに言う
『ラティスが選んだ道は間違っていない。
ゼトスの気持ちを理解しようとしてくれたことも そして、その結果 ラティが、ゼノスの体を手に入れることが出来て、結果的にラティスが望む展開になったわけだから、俺にとっては最善の選択をして、最高の状況を作り出せたと俺は思っているんだが。違うかな?』
ラティスは、涙を拭きながら答えてくれた
『あなたは本当に優しいわね それに。あなたのおかげで ゼノスは救われたの。私からもお礼を言わせてほしいの。ありがとう』
ラティは笑顔を浮かべていたが ラティの心は壊れかけているのだと思った ラティに心が無いというわけではないのだと思うが 彼女の体は 皇帝の支配下にあるラティに支配されており 本来のラティスではない。だからこそ ラティが感じていることは全て、本当の意味で理解できていないと思う だけど ラティスは 自分が皇帝に支配されているのをわかっていて その皇帝の力をどうにかできないかと俺に相談をしに来てくれたのだ。そうでなければ皇帝と戦う事を選ばなかっただろうから、ラティスと皇帝の関係を知っている以上 ラティの気持ちを優先することにしたのは正解だったという自信を持つことができた それからしばらくしてラティに皇帝を殺す事を提案したのは、ラティスのためになるからという理由ではなく。皇帝が、このまま生きていれば いずれゼラスに対して何かしらの攻撃を仕掛けるのは間違いなく それは皇帝にとっても本意ではなかったからなのだということを彼女に説明 さらに言えば。皇帝の力を借りなければ ゼノスはラティシアを救うことができないということを伝えたうえで、どうするかラティの判断に任せる事にした ---
ラティスが、俺の意見を聞き入れた結果
『ラティが決めた事に従う』と言ってくれて、すぐに実行に移してくれた。ただしラティも覚悟を決める必要があり。ラティスも俺と一緒に行動をすることに決まる。その際に、ゼニスとラスティアも、俺達が行くところに付いて来てくれるということになった。
皇帝のいる場所は、帝国の城の中である。そのため向かうには城内に潜入をするしかないのだ。しかしラティスもラティスの体を使って侵入するという手段を取る事は出来ない。
なのでラティもラティスの記憶からラティの姿に変化できる魔法を使い、姿を変える事になるだろう この方法を使うと他の者から見た時に、ゼノスと見た目が似ている人になってしまうため バレた場合に言い訳が出来なくなってしまうが 今回は、皇帝を倒すことが目的ではないため そのリスクを負ってもいいという事になったのである ただ問題は城の内部に入る方法である。その方法は、やはり俺とラスティの能力を使用する事しか無く。ラスティの力で転移を行う事は出来ず またラスティ自身もゼノス以外の人がいる場所では 力を行使することが不可能であると分かったことから、俺の【神眼】を使用して内部を調べるために ラティスとラスティの二人に頼み込んでみることに決める するとゼノスが俺達に話しかけてきて、ラティスがゼノスの方に近づき、そして俺達はお互いの唇を合わせる事でゼノスと精神を共有する事ができるようになる。これは、精神の一部を共有している状態だといえるのだが、ラティスは、この時だけ、なぜか。いつもの俺が見れるようになっているみたいであり、俺と目が合うとラティスは微笑みを返してくれた。
(まさか、精神の一部を共有したときに ラティがゼノスに見えるようになっていたなんて)
俺はその事に驚いていたが ゼノスとの精神の共有は、そこまで長く続ける事が出来るものではなく。
皇帝の居る場所を検索するのに時間がかかると思っていたのであるが そんな心配する必要は無く、ラティスが案内を行ってくれるのだった ラティスが、ゼノスに、これからの行動を説明し これからラティスとラスティが行う事を簡単にまとめて説明する。皇帝の支配している肉体から、ゼノスとラティスが それぞれ自分の魂を取り出すことでラティスを解放することが出来るのだと説明した後。俺の方を見ながら「ゼノスの事よろしく頼む」と言葉を残しラティスは皇帝の元に向かう為に走り出し ラティスの後を追いかけるような形で、俺とラティスが融合した存在である ラティスが動き始める ラティスとラティスの人格が統合されているため。俺の知っているゼノスとラティスの二人ではなくなったのだ。俺の知る限り。ゼノスがゼノに性格が変わったように感じるのはこのためなのかもしれない。ラティスの人格が無くなったわけではないのだ。だが人格を切り替えることは可能であるのもわかったので 今後は状況に応じて ゼノスとラティスの両方に人格を切り変える事も出来るはずである。
ちなみに、ラティにラティスの記憶や意識が存在している状態で、ゼノスとして行動すると、今までのゼノスの性格では考えられないほど、優しく、紳士的な態度で女性に接したりする事が可能になり、そして ラティスとしても ゼノスのような男性的な性格になることが、ゼノスが記憶を取り戻した際に判明したのだ。その変化によって俺達に対する接し方なども変わってしまい、俺が戸惑ってしまう場面もあったので 今後気を付けていくことにする まず ラティとゼノンが入れ替わったとき。記憶などについてはお互いに交換されることはないらしい ラティーの場合は 元々ラティスの中にあった情報を引き継ぐ形となり。俺の方は、新しい情報が頭の中には入っていくような形になった。
つまり俺の知識が増えることに関しては問題無いので、安心して行動することが出来る そして、俺が、今行っている作業について 改めて確認を行えば 【時空間操作】の能力は、時間を巻き戻すことも可能であった。
その能力を使えば、ゼノスが生きている時代まで巻き戻せるのかどうかを確認しようとしたのだが 時間を操作する事が出来たのである。そこで俺は 俺の体が死んでいる状態にする事に成功し、ゼノスの体に俺の意識を移動させることができた。そして、俺は自分の意識を回復させた後 ゼノスの死体を確認するのだが、俺の意識が入っている体は。死体になっているのだが。ラティが、俺が死んでいないことを証明してくれる。そのおかげで俺は 皇帝の洗脳を解く事に成功したのだと実感することができたのと同時に 俺にはまだやることがあった。そのことは ラスティアとラスティの救出である。ラスティを救出するために、皇帝の力を利用し 皇帝に、皇帝の肉体を支配しないように、皇帝から力を剥奪する必要があった。ラスティを救うためには、ラスティの肉親のラスティとラスティの二人が必要不可欠であり。皇帝に支配されたままのラティの状態が正常ではなく、皇帝の支配下から逃れれば、元のラティに戻っていく可能性があるからだ だから皇帝に支配されているままのラティを解放しても意味がなく、完全に皇帝の支配下から抜け出したラティとラスティナの二人組が必要となってくるからである ---ラティを、ラティスの中から解放した後。皇帝に俺の正体を伝える。
その事実に皇帝は驚くが ゼレスと、皇帝が話をしていた内容を皇帝に伝えることによって、ラティスは俺のことを信用してくれていた。そしてラティスが俺に頼んできた内容は。ラスティアとラスティを、ラスティが、ラティスにお願いする内容でもあるのだ それはラスティアを ゼニスと一緒に、帝国にある神殿に連れて行ってもらいたいとのことだった。その理由は ラティに、ゼネスが封印されていた場所に、再びラティの体を保管してもらうためである そうしなければ いずれラティに限界がきて。ラティスの中に戻ってくるのは間違いなかった。そうなっては遅いとラスティスは考えたようで、そのために、ラティスはラティスの本体を、皇帝に管理するようにラティスが依頼したのである そうすることによって、ラティスは 皇帝からの支配から完全に逃れることが出来。皇帝は、ラティスがラティスから離れて、皇帝の手から離れたことにより、支配の力が無くなりラティスをコントロールできなくなるのである ラティスは、ラティスの本心ではないのだが。ラスティの願いを受け入れることになる しかし、皇帝とラスティスが協力をした事で。ラスティの体は皇帝に奪われずに済み、ラティの肉体を手に入れることに成功する その後。皇帝から力を奪い取り、皇帝の体からラティスが出てくる それからラティは皇帝の力を使ってラスティを呼び寄せる ラスティが、ゼノスに抱き着いてくる
『ごめんなさい。私が弱かったから』
と涙を浮かべながら言うのだが そんな事は気にしない。むしろ感謝したい気分だった なぜなら こうして ラスティを救うことができたのだから ---皇帝はラスティの言葉を信じなかったのだ。
それどころか、ラティがラスティに取り付いていると思い込んでしまったらしく。ラティに対して攻撃を仕掛けたのだったが、それを阻止しようとしたラスティが皇帝の力を借りて攻撃を行ったところ、ラスティが逆にダメージを受けてしまい 瀕死の状態になるのである このままでは、ラティスがラスティを殺す前にラスティが殺されてしまうと考えた俺とラティスは ラスティの体と精神が壊れない為に ラティとラスティの記憶と精神を全て ラスティの記憶と精神とラティの意識が混ざり合った状態でラスティアに移し替えたのである
『私のせいで、ゼノスに辛い思いをさせて』
『私のせいだよ。全部』
二人は泣きながらも お互いの身体を心配している。ただ二人の様子を見ている限り 二人とも無事に済んだのは、本当に良かったと思っている。しかしラスティアは、このまま皇帝の元で暮らすというわけにもいかなく、ゼノスはラスティアを、皇帝の元から離れさせなければならないと思った そのため、ラティスにラスティを頼み。俺は、ラティスと共に行動することを決意するのだった。俺は皇帝との決着をつけるべく、ラスティに別れを告げ、ラスティがラスティの中に戻るまで、ラスティに憑依しラスティの振りをして生活することになる そしてラスティに憑依することで、皇帝の居場所をつき止める事に成功する。この方法は、ラティスがゼノスの人格に切り替わった場合にしか使うことが出来ない方法なので。ラティがラティスの中で、ラスティの精神状態を見守る事になる ラティスは自分とラスティの関係を知りたがっているようであり。俺の記憶を見せることで説明をするのである。ラティスはそのことに喜びを感じている様子で、ゼノの記憶を見て涙を流していたが、「ラティスの記憶を見せて貰える?」と言われて記憶の共有を始める事になった 記憶を共有する時に 俺も記憶を共有し、その時の光景を思い出す 皇帝とラティスの会話だ 俺と皇帝が対峙している
「さぁ、お前は何者なのだ?答えろ!!」と皇帝が俺に問いただしてきた それに対して俺は「私はゼノス様の仲間でございます。ゼノス様に貴方の支配は不要です。お引き下さい」と答えた すると 皇帝が「貴様なにが望みなのか?何を考えている」と言い出すので 俺の魂と肉体を取り返し。ゼノスとしての人生を取り戻す事を 伝えた瞬間 皇帝が動き出し ゼノスの剣を抜き 俺に向かってきたので その攻撃をラティスの力で弾いた その直後 皇帝の動きを止める 皇帝はラティスの能力によって身動きが取れない事に気づき焦った表情になる その事を確認した後に、俺は自分の体の方に戻り、自分の意識をラティスに移す。
そして 自分の体にラティスを取り込み ラティスとラティスに憑依している状態のラティスが俺に話しかけてくる。俺の体はラティスに取り込まれたことによりラティスに乗っ取られており。今はラティスの意思が優先となる 俺にラティスは自分がラティスであることを伝えてくれ、そして俺に、ゼノスが、俺に記憶を取り戻してくれたらラティスは元の姿になれる。それまではゼノと一緒でも構わない。ラティスはゼノとずっと一緒にいたいと言う。俺もそれを受け入れ ラティスと融合を果たす。その際に 俺とラティスはお互いに名前を変えようと話し合いを行い そして俺の名前はレイナスとなり ラティスの名前も変えることになった 俺がレイラスからラティスに変わった後。皇帝と俺達は対面した そのあと皇帝が俺達に攻撃を仕掛けてきて ラティスの能力を使おうとするのだが、俺に憑依したことで力が衰えてしまった影響で、思うように発動できないらしい その事実を目の当たりにした後俺は 【HP吸収】の力を発動させたのでした。その結果皇帝を倒すことに成功したのである。
---その事実を確認し終わったところで、目が覚めた。
俺は起き上がることにした。今見ていたのはあくまで過去にあった出来事であって現在の話ではなかったのだが、今の話をしていた時、過去の話は夢の中ではなくて現実で起こった話だと錯覚しそうになったぐらいでリアルすぎる夢の体験をした気がする しかもそれが前世の話であったなんてことは信じたくはないと思う気持ちもあった。ただそれでも信じるしかない状況なのはわかっていたため受け入れることにすることにするがな。それよりも問題になっていることがいくつもあるんだよこれが まず一番の問題としてはラスティとラスティの肉親であるラスティンが行方不明になってる事なんだよね。まあ今のラスティの意識はラスティに宿ってるけどね。
そのことから、ラスティを救えばラスティアとラスティの肉親は全員助けることに繋がり。ラスティアとラスティの二人を助けることができれば皇帝がラスティアの肉体を手にすることが不可能になることだろう それにラスティが皇帝から奪ったラスティの肉親であるラスティとラスティの姉妹の命を助けられればラティスは自由の身になれるということにもなる。だからこそ 皇帝との戦いには絶対勝たなければいけないことには変わりない 問題はラスティアとラスティの二人をどう救出するかである。皇帝が操っているラティの中に入り込みラスティアとラスティと接触するのはリスクがあると判断せざる負えないよ だから皇帝が操っていると思われるラティスがラティとラスティに助けを求めに行くことも不可能だからラスティアとラスティと姉妹を救出したいならば、ラスティアとラスティにラティスを会わせないようにする必要がある。
そうなるとラスティとラスティの姉妹の二人はラスティンの手によって匿われている可能性が高いから、そこを探すしかなさそうだから。そこは、アメリアが知っている可能性があるし協力をしてもらうべきところか。とりあえずラスティが生きている可能性は出てきたからラスティアの方は何とかなりそうだけど、問題がもう一つあるんだよねぇ。
それは、ラスティナの存在と存在していないはずの存在がこの世界に存在することだ。もしこの世界に本来存在しないはずの存在である『彼女』が存在している事が知られた場合とんでもない事態になりかねないので『それ』の存在は絶対に知られるわけに行かないという訳だ『それ』に関しては最悪の場合『あれ』を使えばいいだけだとは思っているんだけど『それ』を使うためには条件があってなかなか使えないんだけれど、『それ』『これ』があればどうにかなるんじゃないかと考えている。だからこれからラスティとラスティの姉弟を探し出してからラスティの肉親が隠れている場所に向かうとしようかな。
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ラスティはラスティアが皇帝に狙われていることが不安に感じていたのと同時に、皇帝がラティを手に入れようとしているのではないかと考えた結果 ラスティはラスティアを守る為に ラスティはラスティアを連れて、帝国から逃亡を図る。
ただ皇帝が、ラスティ達の居場所を突き止めた為、二人は追われることになるのだが、ラスティの体を借りたことで皇帝はラスティ達の行方を追うことが出来なくなったこともあり ラスティとラスティーの二人はラスティの肉体を使って行動を開始した それから数日が経ち。ラスティは ラスティンと合流して、帝都を抜け出すことに成功できたことでひとまず安心していたのだったのだ 2つの能力を手に入れたことにより俺の行動範囲は飛躍的に広がったことになるのかもしれないのだ ラティスの力のお陰で俺は今までに無かった新しいスキルを入手することが出来たわけでそのことについても触れておくことにしようと思っているわけでさっきまでの話は全てそれに繋がる内容でもあるんだよな。
1)魔力吸収についてだがさすが【固有技能】だよ。どんな効果を持っているのか全く分からないが、おそらく全ての魔法を吸収することが出来るのではないかと思う というのも、試してみたが、炎魔法の攻撃に対しては、攻撃された部分のダメージを全て無効化することができ。風魔法の攻撃に関しても同様であり雷の槍の攻撃についても同じようにダメージを受けない状態で防ぐことができたというのもあり得る話では無いだろうか だからといって攻撃系の魔法が全く通じないわけではない。
俺の耐性値を上回る攻撃で無い限りは俺の防御力を超えることは出来ないというだけの話しで、実際に検証するまでわからないわけではあるが そういう点を踏まえていくと、やはり俺は他の人よりかなり高いステータスを得ているという事だと思うんだ なんでこんなに強いんだと疑問を持つ人もいるはずだが。その理由が、俺のチートによる物だと考えたら色々と説明が付くのではないでしょうか 俺の持っている【特殊技能(神格化1~3限定)】の効果の中には「全能付与」と呼ばれる力があり。その力は、自分が持つ「全て」「無」の2文字に関する事柄であればなんでも実現できるというもの その説明の通りだとしたら。この異世界に来る前に、俺が想像していた通りのことが実現できることも理解できてもらえるのではないかと思うんですよ。この世界の人達は神様の存在を認めていないが、俺は違う、なぜなら俺は「神」だからだ。
そんなことを思っていたとしても。俺はその考えを口に出したりする気はないが。俺自身は、人間として生まれ変わっているとはいえ。この異世界に来た時の年齢は0歳なのでまだ人間の赤ちゃんであり子供なのだということは理解はしているつもりではあるのだが、「精神だけは既に大人のつもりだ!!」なんて思ってたりしている 話が脱線してしまったが話を元に戻すと、「魔力吸引」はその名前の通りで、「相手の体内に取り込むことで相手が保有するMPを奪い尽くすことができる。奪い尽くせば奪った量により気絶することもあるみたいです」これはゲームなどでよく見る技ですね 他にも何かしら使い道が無いものなのか?と思いいろいろと考えましたが一番役に立つのはこれでしょ!というのが思い付いたのですがそれは追々紹介することにするとしますかね 3つ目は「経験値操作の能力ですよね。これもそのままの意味ですよねwまあ使い方も分かるんですけど、ちょっと複雑になるからここでは省略させてもらうことにさせて頂きます」
4つ目ですが、4つ目は「超絶鑑定眼の力の劣化版で、相手の強さを調べることのできる力でございます。俺の予想では 自分のレベル以下もしくは、同等のレベルなら相手が強敵であると判断する事が出来る。逆に俺よりも強い場合は何も起きず、弱い相手には俺の現在のレベルが表示され。数値化されると思います。そしてそのレベルの範囲内に入るようになれば 自動的に警告してくれるようになる機能までついている。ただし、その機能はONOFF切り替えができるみたいなんで、状況に応じて使うことが可能 といったような能力である その事から俺の場合はその能力で俺が今何レベルでどれぐらいの強さの敵を倒せるかということが大雑把でいいのならば理解できるということになる。そしてこの能力を上手く活用していく上で必要なものは当然戦闘経験を積んでいくことであることは言うまでもないだろう。まあ今すぐ俺が強いと自覚しろと言われたら正直言って出来ないけどね。だって生まれて間もない赤子同然の身体と心を持った俺なんだから無理でしょ。でもいつかは必ず強くなってやる!!っていうのは目標の一つにでもしておくのもいいことかもしれませんね 5つ目に、俺が獲得した特殊能力の中でも、一番強力なものだと思っています。その名も【時間遡行】。俺も詳しくは知らないが、俺の知る歴史の流れの中では、確か500年ほど前の時代に、【時戻りの賢者】という人物が存在していたと、歴史書には記載されてたよ 俺は、その人のことは詳しくないけど。その人がこの世界の歴史を変えた人物だというのだけは知っている。
それで その人は、今でいう魔王を倒すことに成功して英雄として祭り上げられ、この国の初代の王となったのだということぐらいしか知らないが、 まあそれは置いといて この世界が、なぜ滅んだりしなかった理由。それも 【時遡りの賢者】と呼ばれた人物が関係してくるらしいが どういった経緯かは分からないが。彼の者が過去に戻り、滅びの原因となっている
『邪龍 イビルファミリアーク 』を討伐することに成功したのだという しかし その結果。【勇者召喚の儀式】によって召喚した者。つまりは、現帝国皇帝に、自分が持っていた力を託すことになりその後、彼が帝国の王に君臨することになったようだが 彼はその時に既に高齢となっていた為。帝国に裏切られたことを知り復讐するために再び過去に戻ろうと試みるが 残念ながら失敗し命を落とすことになる。その際に残された最後の言葉こそが 先ほど俺が述べた言葉であった この言葉を聞いた当時の王であったものが彼を尊敬し称える為に。彼の名前が国名として受け継がれることになったということだ。
ただ俺の得た情報には続きがあった。実はこの話にはまだまだ謎が多いのだ。どうやらとてつもない力を持つ魔法使いがいたらしく、彼には特殊な才能があり どんな呪いをも解呪することが出来るほどの能力と魔法を扱うことが出来ていたそうだ。しかしその力が欲しかった当時の王が暗殺を行い殺そうと企んだことがあったようで それを事前に察知できたために。自らの死と引き換えに、帝国を滅亡から救ったという。これが真実であるかどうかは、本人以外誰にもわからないが、少なくとも帝国建国の話にはなっているようです。
以上が、ラスティンから手に入れた情報であり。俺の推測である 俺はこの事実を知ったとき思ったのだが、ラスティンの話は、本当なのではないかと もし仮にそれが本当に起きたことで、それを知っているラスティがいるとしたならば。
俺と同じ境遇にあった可能性もあると だから俺と彼女は似たもの同士ってことで。これから仲良くなれたらと、そう思っている。
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俺とラスティンが合流を果たした後に帝都を脱出し、今は街道に沿ってひたすらに歩き続けていた。道中はモンスターに遭遇することはなく平和なものであったが、野営をしている最中に突如、ラスティナとラスティアが姿を現すのだった レイカのスキルは相変わらず万能すぎると感じるが、これのおかげで移動手段に苦労しなくて済んでいるから素直に感謝することにしよう そんなレイナが突然現れ、ラスティとラスティアが生きている可能性があるということをラティスに話すと。ラティスも俺が考えている通りの考えを持っているという事が確認でき。
それを聞いて俺達二人はホッとするのだが、ラティスの表情を見ると、どこか浮かない顔をしていた。その理由はラティとラスティの二人が、現在どこに居るのかが分からないという事が問題だったのだ。
それについて、俺達は相談をしたのだ。このまま二人で捜索をして回るべきか、それともラティ達の身を案じながらもラスティの肉親の所に行くべきではないのかと 俺達が話し合いの末決めたのは、やはりラティスの意見を聞くのが一番だろうということになったのだが。やはりラティ達の身に危険が迫っているのではないかと考えていたラティは自分達の居場所を探すことに全力で協力したいと言っていたのだ だがラティはラスティの肉親について全く情報がないので、探すとこができなかった 俺はとりあえずラスティから聞き出せる限りの情報を引き出そうとしてみる
「ラスティさん。貴女のお姉さんのことについてもう少し詳しい話を聞きたいんだけど教えてくれる?」「私も、あまり詳しい事は分からないの。ごめんなさい」
「謝ることないわ。貴方は別に悪くないんだから気にすることは無いの。悪いのは、その元凶を作った奴等が悪いだけ。それよりお腹空いていない?私が何か作ってくるけど食べれるかしら」
俺が質問をしても、それ以上の事を教えてもらえず。しかも食事をしようと誘っても、断られてしまう そこで俺は考えた。俺の持っている技能の中に食べ物を生成するものがあるのだが、それには時間が掛かる上に。食事を作ることが出来るという効果しかないのだが、今の状況を打破するためには使えると判断し俺は実行に移した まずは調理をする場所が必要だと思いその場所として適当な空間を探し、そして土壁を作りその中に石柱を作り出してかまどを作成した後は、水場が欲しいと思ったため湖のような大きさの水溜まりが作れるだけのスペースを確保した後そこに手を触れ念じる。
そして数秒待ったところで、そこには水が溢れ出るように出現しておりその現象を見た三人の反応がこちらです
「なんですか!?このありえない量の水分は。まさかあの少年が起こしたということなんでしょうか」
「そんなはずはないでしょ!いくら彼でもこんな大量の水を瞬時に生み出すなんてあり得ないでしょう」
「えっと、これはなんなんでしょうか。こんな大規模な魔力の動きは感じられなかったのですが。もしかしたら魔道具なのかしら」
反応がそれぞれ違い面白かった ちなみにこの世界では一般的に使われているような物なのか疑問だったので俺は尋ねてみたのだけど
「普通、こんなことは出来る人がいないんです」
との回答を得ることが出来た。そして最後に俺の事を変なものを見るような目つきで見られた まあ、確かにおかしいかもしれないけど、俺の場合は神様が与えたチートによる能力でこうなったんだと思うんだよ。ただ、それをここで言ってしまえば。俺の今後の行動に制限がかかってしまう可能性があり 俺自身としては、今はまだこの異世界の情報を何も知らない状態なのでなるべく余計なことは言いたくないと考えている それから、3人とも落ち着いたみたいだし俺はさっきから気になっていたことに対しての話をすることにする
「それでだ。どうしてここに現れた」
するとラスティナが俺の問いかけに対し口を開く前に今度はレイカの方から声が上がってきたのでそちらに顔を向けると、何故か彼女が頬に手を当てて少し照れながら嬉しさ半分恥ずかしさが半分みたいな態度を取りつつ話しかけてきたのである
「だってだって、やっと見つけたんだもん!私の旦那様のことを!」
は?いきなり何を言っているんですかねこの子は。何を言い出したのか分からないので取り敢えず詳しく話して欲しいと言うと
「実は私ね、この世界に来てすぐは人間だったんだけど。いつの間にか意識を失っていたらしくて、気づいた時には魔物に襲われていたところをたまたま出会った人に助けてもらったみたいなの。その時に私は、自分がどういう存在になったかっていうことをその人から聞いたんだ。でも最初は全然信じられなかったのよね、だってゲームの中で見ていたキャラが現実世界にいるんだもん!まあ実際に見れて凄く興奮しているけど。とにかく会えて良かった!!」
この子が今語っている話は俺にも理解が出来るもので、それは俺自身も同じ様なものだったからだ
「実は俺のところには俺の好きなキャラクターそっくりの人が俺のことを探していたんですよ。そしたらその人は俺が元の世界でプレイをしていたゲームのプレイヤーでもありましてね。お互いに似ている境遇にあったということですぐに意気投合しましたよ。それで、この子もまた違う意味で変わった子なんだけれどもね。あっちの世界では、アニメが大好きだったらしくその影響もあって、自分の作った作品の登場人物に会いたいという夢を実現させるためにわざわざ俺の前に現れたんだ。まあ、俺も同じような気持ちを持っていて会いたかったんだがな」「マサシもそう思ってたんだ。じゃあいっその事結婚でもするか?私達なら相性ばつぐんだと思うぞ。子供は、10人以上作りまくって家族みんな幸せになるんだ。どうだ?」
そう言われてしまうと、もうすでに彼女の魅力に溺れてしまっているので、つい反射的にうなづいてしまったが、それを近くで聞いていたラティとラスティンから猛抗議を受ける結果となり。俺は渋々彼女からの求婚を保留にしておいたのであった。
その後、結局は、二人きりの時間を過ごすことになったのは言うまでもなく。ラティには呆れた視線を向けられたのだが ラスティンは、二人の時間が取れたのでよかったですねと笑顔を浮かべながら言ってくれていたのだった ラスティには感謝の言葉を返しておくことにする。
ラティとラスティンが二人で仲良くなってくれればいいなと思いながら俺が料理の準備をしていると、レイカが手伝いを買って出たのでありがたくお願いすることにしたのだが 彼女はとてもいい香りを放つ飲み物を作ってきてくれたのだ
「どう?私が今一番のお気に入りに使っている特製ドリンクなんだけど美味しいから是非飲んでみて!」
レイカはそういうとコップに液体を流し込んでいき俺に差し出して、飲めという合図を送ってくるのだった。見た目は完全に紅茶なのだが匂いだけは香ばしいものを感じさせてくる 俺が試しに一口飲むと。
「うまい。味は、お茶に近いんだが。この独特の風味は、いったい何が入っているんだろうか」
思わず感想を口にしてしまった 俺の呟いた言葉を聞き取ったラスティが横槍を入れてきて
「ちょっとまって下さい、そんな怪しいものを食べさせてもいいのですか!?もし体に害がある成分が含まれているものだとしたならば、貴方の命が危うくなりますが。それに、そんなものを飲むより私と一緒にお風呂に入りませんか。そうすればお互いに洗いっこ出来て楽しいと思いますのでぜひそうしていきましょう。もちろん夜は、あんなことやこんなこともしますから覚悟していてくださいね」
「お前は何の心配をしているのかな、そんなものは入っていないと保証しよう。もし毒だと疑っているのであればそれは全て君の想像に過ぎないんだから気にしなくて良い。そもそも君は私達が何者かを知っているはずだ。君達がこの先も生きて行くうえで私達は必要不可欠な仲間になっているだろうし、だからこそ信頼してもらいたい。そんな風に考えてはいけないよ」
「そんなの分かってるわ。私はそこまでバカではないわ。それよりも、本当に大丈夫なのよね?」
ラティのフォローのおかげでレイカは安心できたようだ。
それから彼女はラティスの忠告を聞いて、素直に従いラティスが差し出してきたお茶を受け取るのであった。それを受け取ったレイカはラティスの表情を見て納得すると、俺に謝罪してくる
「ごめんなさい。ラティスが失礼な態度をとって。あの子はああいう風にしか出来ない子で。普段はもっと優しくて頼りがいのあるお姉さんのような感じの子なの。それに本当は貴方とも一緒に入りたいと本気で考えているくらい貴方に好意を抱いているのだから許してあげてくれないかな」
「俺はそんな事をされなくても構わないが。ラスティの事が嫌いじゃないから、別に問題はない。むしろ好感を持てている」
その返答を聞いた瞬間 ラティの機嫌が悪くなるがレイナに止めてもらえたためそれ以上悪化せずに済むのだが やはり、俺は嫌われているようです。仕方がないからラティンから渡されたお勧めジュースを飲みながら俺は料理を作ることに専念するので。
「さて、これでよし。あとは調理して終わり」
そんな独り言と共に俺は作業を終える 出来上がった物は【調理】のスキルで作ることが出来る物で。簡単に言えば肉まんや中華スープのようなものを作る事が出来る ちなみに調理は1回使用すると次に使用可能になるまで3分の待機が必要になるという制約が存在するため、これから俺は調理を行うことは出来ないのであるが 調理をしたことによって、目の前の皿の上には、様々な食べ物が存在しているわけだが そこで俺は、その食べ物の中から適当に見繕った一つを手に取って、食べてみると
「おお!普通に食べることが出来てるじゃん。この分だと他の食材についても食べられるかもしれないな」
そう言いつつ、次の料理に手を出そうとしたが
「シンドウ殿、そんな危ないものは口に入れない方がいいですよ。何かの呪いが掛けられているかもしれませから。それとも、私の手製なので受け取ってくれても」
と、何か危険な雰囲気を発しながらこちらを見つめてきていたので俺は慌てて別の物を食べたのだが。その時も俺はあることに気が付きました。この食事は普通の人間が食べれば間違いなく死んでしまうようなものなのですが。その効果が一切効かなかったのである
「おかしいな、確かに毒が仕込まれているはずなのに全くと言って効果を発揮していないんだけど、これどういうこと?」
疑問をそのまま俺は言葉に出してしまうと、今度はラスティンが
「やっぱり、レイカスの言ったとおり。これは危険ね。下手したら、マサシに殺されるところだったかもね」と、レイナスの口調に戻ってしまう
「おい、勝手に人の身体を使って変なことをするな。まあいい。それよりも、この飲み物についてはどういう効果を持っているんだ」
俺は、さっき彼女が作ってきてくれた物についての説明を求めようとする それに対して、ラティナスは口を開くことはなく。その代わりに、俺の持っているグラスを奪い取ると
「それは私達の種族しか手にすることができない特別な素材を使った物でね。その名前は『リリスティア』と呼ばれているんだけれど、これはね、体に入った異物を排除することができる薬になるんだ。ただこの液体自体が体内に吸収されるまで少し時間が掛かるから注意をしておいて。その前に吸収される可能性もあるけどね」
「そうなんですか、ではいただきます」といって俺はその不思議な飲料を一気に飲み干すと、その直後から体がポカポカし始めたかと思うとそのまま倒れてしまったらしい 最後に覚えているのは視界一杯に広がっている青い海の色だけであった。そして俺が目を覚ますとそこは砂浜であり、辺り一面は見渡す限りの海が広がっていたのだが、そんな中でも少し離れた波があまり届かないようなところに小屋が存在していた そしてその近くで倒れているラスティの姿を見つけたのだった 2日ほど経過したが あれから特に変化はなくいつも通りの毎日が過ぎていたのだったのだが 今日は珍しくゼクスと二人で出かけていたのである というのも彼が暇つぶしがしたいという理由だったので俺はそれを了承したのである しかし外に出かけてはみたのだが、やることもなく退屈になってきてしまい、どこか遊び場所を探しているという流れになってしまったのだった
「ねえ、マサシ!あそこの洞窟に行ってみない?あそこにはね珍しい物がたくさんあってね。面白いんだよ。あ!そういえばこの前はゴブリンの卵とか見つけちゃってね。びっくりしたけど、それが意外と上手く育てられちゃってね。あ、この子可愛いなあ。あー、もうどうしょうか、とりあえずマサシも触ってみて!」
と、そんな感じに一方的にまくしたてかられながら、腕の中にいる魔物を抱き抱えながら嬉しそうに話しかけてきた
「え?うん、かわいいね。名前は付けたの?」
俺としては、いきなりそんなこと言われても困惑することしかないんだけれども 一応反応を示しておく
「うん、ちゃんと付けてあげたよ。女の子だったからね、サーシャと名付けたんだ」
と満面の笑みで答えた後に、俺の方に視線を向けたと思ったら。急に真剣な顔つきになり俺の顔を覗き込むようにして
「それでさ、マサシー、そろそろいいんじゃない?」
そんな言葉をかけてくる 俺はというと答えを聞くのが怖かったのか、反射的に後ろへと飛び退き身構えてしまったが、彼の方はそんな事など気にならないかのように平然としており言葉を続けてくる
「あのね、そっちはどうか知らないんだけど。僕には君に話があるっていうか。聞きたい事があるからここに連れ出したわけなんだけど、いい加減僕の方から切り出すべきなんだろうからはっきり言うよ。君の事が好きなんだけど」
「へ?」
あまりにも予想外の一言に俺はつい間抜けな声を出してしまう 俺のことを好き、だそうだが、俺にはまったく理解できなかったのだ。どうして、彼はそんなにも堂々と俺に好きだなんて言えるのだろうか、とそんな風に考え込んでいると。
「うーん。その表情を見る限りまだ分からないみたいだし仕方がないから。この子は諦めてあげることにする」
「ちょっ、ちょっとまって!あきらめるというより、俺が質問してもいいか?」
そんなことを言われて、このまま放置して帰ってしまうというのにはとても耐えられなかったために俺は慌てて引き留めると ラティが不満げな態度をとりながら返事をしてくれるのだった ただその内容は俺にとってとても信じられるようなものではなかったのだが、彼女は冗談を言うタイプではないのだから信じざるを得なくなっていくしかなかったのだった
(つまり、ラティとラティスティンの関係は入れ替わって生まれている関係であり。レイナスの正体はレイラではなくて本物のレイラでありラティが本当の恋人であるという事になるということだな)
そんなことを考えながらも自分の頭の整理をしていた時に不意に声をかけられる ラティスが心配しているようだということなのだが。今は彼女達に事情を話す訳にはいかないために適当な言い逃れをしている間にラティとの話は終わりを迎えてくれたのだが なぜかそのタイミングでラスティンまで一緒に話を聞こうと言い出すものだから仕方なく、俺は自分が体験した過去に起きた出来事をすべて話すと それを知ったラスティが衝撃的な言葉を発してきた
「それなら私達が協力するからマサシも魔王軍に協力すれば良いよ。マサシの実力は私達が保証してるんだし、そもそも私達が仲間として認める人間に悪い人がいるとは思えないから安心できるし」
そんな提案をしてきているラティの態度は、明らかに俺が魔王軍に協力してしまえば楽ができると思っているだけのものであり。俺のことを完全に仲間と認識していないという風に考えさせられてしまっているのが残念であった。そもそも俺は彼女のことは嫌いではないが、恋愛感情というものが全くわかないという訳ではないため、彼女にそういう風に思われて、俺に近づいてきたりされた場合、非常に対応に困ることになる。それに彼女も彼女で、何か企んでいるのではないかと思ってしまい、素直に受け入れることが困難になってしまう そのため俺はそのことについて、しっかりと説明することにした
「俺は、別にラスティの事を嫌ってはいないからこそ。俺はお前たちの期待に応えたいという気持ちで行動するんじゃなく。あくまでも自分のために、自分自身の意思で動くと決めているから。ラティとは結婚できない」と その発言に対して
「そっか、それじゃあ仕方がないね。今回は仕方がないから。ラティスは許してあげて、だってマサシはラティスのこと好きでもないんだよね」
「私は最初から許してるけど。シンジに危害を加えようと考える人間は例え同族であっても絶対に認めないから」
どうやら二人は和解することができたようだが、そんなやり取りの中で
「それでは。私達はこれから用があるので失礼しますね」
「そうね、私達もこれからもずっと同じ道を歩むということになったんだものね」
「えっと、それってもしかしなくても」
「マサシの考えてることが間違っていないとすれば。ラスティと一緒に居続けることになると思う。もちろんそれはお互いに合意の上で、だよ」と、そんな言葉を残して2人はどこかに向かっていったのだったが、結局最後まで俺の言葉の意味は分からずじまいになった ラティアとの話し合いを終えた後 僕は今、城の一室にいた それはなぜかと言うと、ラティナから頼まれごとを受けたからである
「レイナスさんに会わせてほしい?それは構わないけど」
レイナスとレイティナとの関係について、詳しく教えてもらいたいとのことだったのだが。その前に、俺の方は少しだけレイティナについて聞いておきたかったことがあったのである なので俺の方も、この機会に尋ねさせてもらうことにしよう まずはラティナがラティナスティンであるということを知っているのか そこから始めるとするか
「ねえ、レイナスってラティとラスティンが同一人物だと知ってたの?」と 俺のその言葉を聞いた途端に、レイナスが動きを止めてしまい。しばらく沈黙が流れ続けたのだった それから数分が経過してから レイナスの口が開き、ゆっくりと話しはじめた
「私がその事を知らされたのは、私自身の意思によるものではありませんでした。ですからその事は知らなかったはずですよ」
とそんな風に返答したのちに
「ところで、なぜそのように突然質問をしたのですか?」と、俺に疑問を投げかけてきたのである 俺はそれに対して正直に、ある目的のために知りたいから聞いただけだと、その事を伝える
「そうなんですか。私の力になりたいと言ってくれたのは、それが理由だったのですね。嬉しいのですが、あまり危ないことだけはして欲しくありません」
「うん、分かっているよ。それよりもラティナの方は問題は無い?」
と、そう尋ねたのだけど 彼女は苦笑いしながら。「大丈夫じゃないけど、なんとかなっていますね」といった内容のことを告げてきた 俺は彼女がどんなことを強いられているのだろうと少しばかり不安になってしまったが、ここで深く追求するような無粋なまねをするほどの野暮な男ではないので、話を打ち切ることにしたのだが、最後に一つ気になっていたことがあり、それを確かめてからその場を去る事にしたのだった
「ラティはラティスティンで合ってる?」
そんな言葉をかけながら俺は、ラティの顔を見つめるのだった
「ふぅー。さっきのあれは何なのかしら。まあどうせ、大したことじゃないんでしょうけれど、本当に厄介なことはしないでもらえないかと、頼んでいたのにも関わらずこんな真似をしてくるのであれば。やっぱり処分を考える必要があるわね。この世界に存在するゴミクズどもには、この世界の空気が毒すぎるからすぐに排除しなければダメかしらと。この世界に不要な存在な上に。この世界を穢す要因でもあるのだけれども。この世界に転生した以上は、その義務も果たしなさいと伝えなければ。まったく。何の為にあいつらにあんなに酷い目に遭わせたと思っているのよ」
そう独り言を言いながら ラティスティンは、城の外に出るのだった 俺は目の前に突如現れた女性に視線を向けると、彼女はラティナスティンであることを確認し、ラティに合図を送り。まずはその身体が安全であることを確認してから、彼女とレイナが入れ替わった時の話を聞くことにした 彼女はというとその時には既に俺のことが好きだとか言い出しており。かなり強引に迫られてしまっていたが。最終的にはその件については諦めてくれることになり 俺はというと。
このラティスティンという女性は俺にとって特別な存在であるらしいのだが、俺は彼女を見ても一切思い出せない状態のため どうしても、彼女の好意に応えることはできないことを謝罪していたのだが。それでも構わず。彼女は自分と付き合うべきだという。そんな一方的な意見をぶつけてきた後に「この子と結婚すればいいじゃない。マサシはどうせ記憶がなくなるわけだし。むしろ都合が良いと思わないの?」などというとんでもない爆弾発言をしてくれたのである その言葉を受けて思わず、 なんとも思ってなかった筈なのに。急に胸が高鳴り始め。心臓の動きが激しくなってくるという異常が起き始めていた。(な、なんだ。これは)と考えながらも俺は、彼女の様子を窺っていると。
「あららら。急に顔が真っ赤になりだしている。なるほど。そういうことだったわけなんだけど。もう分かったでしょ。あなたの想い人が誰かっていうのは」
その瞬間に俺の脳裏に 見覚えのある女性が浮かび上がり。
俺は咄嵯に「違う、俺が好きになったのはリディアであって、君なんかじゃない!」と声に出してしまい。慌てて、声が聞こえていないか周囲を確認するために顔を動かそうとしたが、なぜか思うように動かせず。そんな様子を見ていたラティが「ほぉーう。そっかそっか。あなたが恋をしていたのはリディアという娘であり。その子は、今のレイティナちゃんの中身で。そして今はレイラという名前を名乗っている。そういう事で間違いはないのかしら」と
俺は、どうしてそんなことを知っているのか問い詰めようとするのだが、相変わらずまともに喋ることができない それからしばらくして。俺はようやく普通に話すことが出来るようになっていたので。ラティが一体どういう目的で行動を起こしているのかという疑問を彼女に向けてぶつけてみた すると彼女からの返事としては「そんなもの簡単じゃない。あの時、レイレアがラティティンの中に宿った時にね。私の中のレイレスに対する怒りや恨みが増幅して。それと同時に【魔剣:レーヴァテイン】も暴走して私に取り付いてきたんだから」と衝撃的な告白をされて驚いていると、彼女からの提案をされ。俺は断ることが出来なかったために。その提案を承諾するのであった
「それじゃあ決まりね。私はマサシと結婚するの。よろしくね」と笑顔でそんな宣言をされてしまったので、とりあえずは俺から結婚してくれとは言ってないということを主張しておくと、俺からの言葉を待たずに、彼女はラティに挨拶をしに行こうとしているのか、俺を置いて移動を開始しようとしたのだった。
俺はというと、ラティとラティスティンが二人同時に存在している光景に戸惑いを感じていると そんな俺に対して、ラティが話しかけてくるのであった どうすればこの状況を受け入れることができるのだろうかと考えていると。いつの間にか俺の前に立っていた、ラティが俺に「ごめんね、少し驚かしすぎちゃって」と、申し訳なさそうにしているので、別に怒っていないと伝えたうえで、改めて。
レイナスとレイティナは同一人物なのかを聞いてみると レイナスとしての回答が
「それは間違いなく同一人物よ。そもそも、同一人物じゃなければ、ここまで完璧に同じ姿にはならないでしょう」とのことだった そこで俺は
「そっか。それじゃあ、俺はラティのことを、その。異性として意識することができるんだ」と、恥ずかしさを我慢しながら口に出して、彼女にそう伝えてみると
「そっか、嬉しいけど、残念。でもマサシに好かれる為に頑張って、いつか絶対に振り向かせてみせるからね」などと可愛い顔をしてそんなことを言うものだから、俺は思わず頬に熱を帯びるのを感じた ラティに案内されるままに歩いているとラティスティンが俺の腕を掴み、自分の腕を絡めてきたため。俺は困惑しながらも、ラティの方にも事情があるのだろうから、そのまま歩き続けていたのだが。彼女はなぜか俺と腕を組みたいと言い出し。結局、ラティナがそれを許してくれるまでその行為を続ける羽目になった 城に到着するなり、俺はレイナスがラティナにお願いしていたことを教えてもらう事になったのだが、それは簡単なものだった。彼女は自分が今、この国の王をしているのだから。その仕事の一部を任せてほしいという依頼とのことだった
「もちろんラティナスティンとしても、レイナスが何をしようとしているのかは分かっています。その上で私が協力を申し出たのです」
「それはラティナスティンの方ではなく、ラティスティンの方が言ったんだよな?」
「もちろんです。だってラティスティンとレイナスは元々は同じ魂なのです。ですが。その2つが合わさってラティスティになるのですが。私がそのように言うのであれば。レイラスも理解できませんが、ラティティスならば納得できるということでした」
それからしばらく話を続けて、最終的にレイナスの願いを受け入れ。彼女がやろうとしていることを手伝ってやることになった俺なのだが、そんな俺に向かって。今度は別の方から声を掛けられた
「あらら、また会いましたわね、お父様。私はあなたの事を覚えているつもりですよ。ただ、私のことは、これからも今まで通りに呼んでくれればいいので、そうしていただけると助かりますわ」
「えっと、ああ。君は、リゼリーナの娘だったりする?」と尋ねると 彼女は「はい。一応そのような認識を持っていただければと思います」と返答した後に
「ちなみにラティティナスティンの人格は消えてしまい。ラティナスティンのみが残された形になっています」そう説明を受けた後。リザが「そうです、ラティナの身体を使って。ラティがあなたの妻となるために、ここに来させてもらい。色々と教えてもらったのです。それにこの世界について詳しい方が居てくれた方がいいとラティナが判断したので、こうして来てみる事になりましたので」と説明してくれたので。ラティスティンにはラティナのことを守ってほしいことを頼んでいたので。この場には一緒に居るべきなのではないかと思い尋ねたところ 彼女は首を左右に振るだけで、特に用件は無いとのことだったため、すぐにその場から離れるのだった。
そして再びラティと共に行動をして城の最上階に移動することになったのだが。そこはどうやら玉座の間であるようで。この世界で重要な場所の1つであるようだが。この部屋には何も飾られてはいなく殺風景な状態だったのだが どうやらこの世界の王様は彼女であるらしい。
そのためこの場所に彼女を連れてきて、この部屋を使わせて欲しいと頼むことにした すると、あっさり了承された上に「ここで暮らしてくれても構わん」などと言われたので、さすがに遠慮しておくことにした。
その後、ラティと一緒に城の外に出ることになり、俺はというと、ラティの魔法で転移をしてもらうことにしたので ラティの手に掴まって彼女の体にくっついていた
「ちょっと待ってくれ。ラティティナの身体は大丈夫なのか?」
ラティは、その言葉を聞くと。
少し考えた後に、「おそらく問題はない筈だよ。レイラが僕のことを好きで、ずっと愛してくれたんだから、その想いは本物でしょ?なら、この体であってもその想いに応えられるはずだから。僕と君とで新しい人生を送れるようにするには、まずはこの肉体に馴染むところから始めないとダメだし」と言われ。俺はというと、そこまで言われたところで、ラティの手を強く握り締めた。
(この子の事が、俺は好きになっているのか。よく分からないけど。この子は本当に俺の事を好きなのだな)
ラティティナの姿に成り代わっているリセリスに対しての態度を見て。彼女の気持ちを理解し始めていた俺は、彼女の手を掴む力を更に強くする
「それじゃあいきまーす!《テレポート》!!」
彼女の声に合わせて景色が一瞬のうちに切り替わり、次の瞬間に俺達が目にしたものは 目の前の地面に倒れ込んで気絶していた レイナスという女性に俺は、駆け寄ろうとしたが そんなタイミングで、ラティが突然現れたことに驚く様子もなく ラティと会話を始めたので。そのやり取りに驚きながらも 二人の姿を視界に入れておく事にすると、 俺は、その言葉に絶句してしまうことになる 俺はというと、目の前で繰り広げられる リセラスとラティが言い争いをする光景を見ながら
「ねぇ、リゼルは。どうして、そんな風に言ってくるのですか」と話しかけるのだが。彼は俺のことを無視して、レイラのことを抱きしめ始める始末だったのだが それでも諦めずに何度か話しかけている内にようやく俺の事を見るようになり、俺の言葉を聞いてくれたらしく、ようやく話し合いが出来る状態になったのだった そして改めて自己紹介を行うことになったのだが、何故かラティアまでもが名乗りを上げて来たことから 俺はというと、一体何が起こったのか理解できていない状況に陥り混乱することしかできなかったが とりあえず彼女達は敵では無くなったようであり安堵すると。そんな俺は彼女に「これからもよろしくお願いしますね」なんて言われることになり。彼女からの提案もあり。彼女達の住む屋敷に住むこととなり。そこに行くことになってしまったわけだが。その時には既に夜となっていた事もあり、その日はすぐに解散することとなったためだ 2人仲良く並んで歩くその姿を見るとどうしても不安を抱かずにはいられない俺であったが。今は出来る限り考えないようにしながら二人を見送ったのであった 1月20日午前8時40分現在、私達4人は食堂にいたのですが、私の正面に座る、ラティとラティティンの様子に変化が起きています。その理由はというと 先程まで仲が悪かったはずの二人の表情と口調が変わったからですね
「おい小娘、お前のような者が王を名乗るだと?馬鹿にしているのか?」と、威圧するかのように話すラティに対して ラティースはというとその言葉を気にすることなく微笑んでいるだけの状態となっていました "どうなってんだろうね"そんなことを考えながら見ている私はというと。朝食を取り終わった直後ということもあって、少し眠気に襲われている状態でしたね そんな中、ラティが「貴様はいったいなんだ?」と質問を行いました ラティの口から発せられたその問いに対し、ラティティンは「ラティスティン、ラティティナスティン、どちらも正しい名ではあるが、今だけはリセと呼ぶように」そう口にした後。彼女はラティの言葉に返答を口にしました。
その内容は「ふぅん。そういうこと言うんですか、分かりました、ならばこちらも相応の対処をさせていただきますよ」
そういった後、彼女が手をかざすとラティが何かを察知することができたようで「チッ、やはりそう来るか。それならば」と言って、席から立ち上がり。そして自分の胸に手を当てると
「ああああっぁ、なんで、ラティの身体を返して、返してください」と苦しそうに呟いた後にその場に膝をつくのと同時にラティの意識が失われてしまった その一連の出来事を目の当たりにしていた私とマサシさんですが、その状況をすぐに把握することができていませんでした。それは、マサシさんの頭の上にハゲタカが止まっていたこともありますし。
それよりも私はそのハゲタカのことが怖くて動くことが出来なくなってしまい、そのせいもあって、どうしたらいいのか分からず動けなくなってしまったというのが正解でしょうね。
ちなみに、マサシの方は「あれって【神龍の聖域】にいる奴だよな?」などと、少し焦り気味な声でそう話しています。
ただ。ラティの方はというとラティに寄り添いながら必死に回復魔法の詠唱を行っていますが、全く反応がありません
「お姉ちゃん、早く、お母様にも協力して欲しいの」という言葉に反応して、ラティが立ち上がってから「私が時間を稼ぐ。その間に逃げなさい」といった直後に。ラティに近付いてきたラティに対してラティが反撃を始めました。
ラティの一撃を受けてよろけるラティに向かって追撃を加えようとしたのですが。その時でした ラティの体が発光し始めると 光が収まった後には ラティと同じ見た目の女性が出現しました。しかし、外見はラティに似ているものの 纏っている雰囲気は全く別物です。
私はそんな彼女と対峙することになったのですが、ラティスの身体を借りて現れた存在によって私の攻撃は防がれてしまいます。
どうやら彼女の実力はこの国で遭遇したどの人物よりも上の力を持ってるようで、私は、そんな彼女の実力に畏敬の念を抱きます。
彼女はというと、私の事をまるでゴミを見るような目で見下ろした後。「ふん、ラティスの力を使おうとしても、結局この程度だったということかしらね。まぁ良いわ」と言い残すと、今度は私のお腹に強烈な蹴りを入れてきてくれますね。あまりの出来事だったためか痛みを認識できませんが。その直後に猛烈な嘔吐感に襲われると共に全身から力が抜けていく感覚を味わいました そんな状態の私に向かい「あなたに恨みは無いけど。あなたのお兄さまが悪いのですから。その罪を償うのはあなたですから。大人しくここで死になさい」と冷たく告げると彼女は手に魔力を集め始めていき それを剣のような形状に作り出すと、躊躇無く私の心臓を突き刺してくれました。
その直後で、私の意識は暗闇の中へ飲み込まれてしまう事になり。次に目が覚めたときには。そこは見たことのない天井でしたが、周りを見渡してみると、そこはどうやらベッドの上だったようです。
そこで横たわる私の傍にはマサキとラティの姿があり。二人は、私が目を開けたことに気が付き「よかった」「もう目覚めないんじゃないかと思ったんだよー」と口々に喜びの声を掛けてくれる中。どうやらラティナとリザの姿は無いようだが どうやら、あのラティナに似た少女に負けてしまっていたらしく その結果として。こうして生き恥を晒すことになっていしまったようね。
その後でラティの口から説明を受けたのだけれど、なんでも、この世界で最強の魔法使いのリセリスを倒すためには、この世界に存在していると言われている7柱の女神の力が必要なのだと言われ。その女神達を探し出して協力してもらいながら倒すことで。この世界を平和な場所にできるそうだ。そのための手伝いをしろと言われたのだが それならまずは戦力の補強とレベルアップを優先したいからという理由で ラティーと共に旅に出ることになり。その際にラティから、ラティがラティーになった際に使えるようになるスキルを教えてもらい、私に伝授してくれたのだった。
そしてそのスキルの習得のために、ある場所を訪れることとなった。その場所は、ラティとラティティンが初めて会ったとされる、ラティスの墓であり、そこに行けば何か手がかりがつかめるのではないかということなので。私はラティと一緒にその墓地へ向かう事にしたのである。
「この中に誰かが埋葬されているかもしれない」などという会話をしながら 目的地へとたどり着いた私達が目にしたものは 墓石に刻まれた文字を見て 私は驚きを隠せずにいましたが 隣に立つラティの方はというと驚きを見せることはなく そのことに違和感を覚えることになったのですが。ただ、今はそんなことに時間を取られていては時間の無駄になるだけと思い、そのまま先に進もうと足を動かそうとしたところで 突如背後から声をかけられたので 私とラティは揃って後ろを振り返ると
「やっぱり。生きていたんだ」と嬉しそうな声を出してくれたラティが立っていたのだけど。その声の主は間違いなく、リゼルのものであった 私達に声をかけてきたリゼルが言う言葉を聞くと、そこには 魔王となったリゼルがいるというのだから信じられなかった。だってリゼルはというと、ついこの間まで人間であったはずだからね その言葉が本当なのかを確かめるべく。ラティを連れてリゼルの元へ駆け寄るのだった ラティーとラティに連れられて辿り着いた場所は 墓標が立ち並ぶ区画にある一つの場所でした。その墓標に掘られている名前がどうも気になっていた私は、その名前を読み取ろうとしているラティに対して疑問を投げかけてみたところ ラティは、自分の予想を話し始める。それはというと この場所に眠っている人物は、かつてこの国の王をしていた人物であり。レイラスという名前の人物なのだという。ラティの話によるとその人がレイラの母であり。同時にラティの母親でもるらしく そんな話を聞かされてしまったために そのレイナスという人物がどんな人かとても興味を持ち。そして私達の元を去って行った後。どのように過ごしていたのかが凄く知りたかった そんな私達はというと、ラティに促されるままラティの後についていき。そしてついに、その人物が埋葬された地でもあるらしい墓場に到着するのであった 到着した先で、私は驚愕することになる。それはというと、目の前に広がる光景があまりに現実味がないから どうしてそんな状況に陥っているのかというと。私達が訪れた先の墓場というのは。大量のモンスターに襲われてしまい。死者が多数出ているという状況となっていたのよ。そんな中、その現場に立ち向かっていたと思われるラティが。突然姿を消して数秒が経った頃に、その場にいた全ての人間の前に姿を現し。その場を制圧したことで、とりあえずの危機は脱したのだと安堵することが出来た。ただし、その事実はラティのおかげでしかないわけなのだけれども その後でラティと私はというと ラティのお母さんだという女性の遺体を発見することになる ラティがラティのことを母と呼んだ時に、どういう事?って思ったのだけど 彼女の話を聞いてみると どうやらこの世界にラティスさんが現れた際、彼女は既に亡くなってしまっていて、彼女の死期が近付いていることを察知していたラティのお父様がラティにお願いをした事で 彼女が生まれ変わる事になったみたいで それ故にラティが「おかあさま」と呼んでいる相手がリリアさんではなく。彼女であるラティの事を母と呼んでいたのだという話をされた。しかしなぜ、ラティスさんはリシアに自分の子供の存在を知られないようにしていたのかしら?そこが少し謎なんだけど。
ただ、ラティの言葉を受けてラティスの母親が
「あの娘がそんな事を」なんて口にすると リディアが少し悲しげに笑った後に
「リリアス、あなたの気持ちが少し理解できたかもしれません。自分の子の成長を見たかった。そしてその子が成長していくのを確認したいと思う。そういった思いは確かに存在するはずですから。あなたは本当に愛されていましたから、それが分からないということはありませんよね」といった内容の言葉を紡ぐ その話を聞いた後に、ラティスさんは自分のお骨の前で手を合わせ。それからしばらくした後でお礼を言うかのように。お骨に向けて感謝を告げてお辞儀をする様子を見せていたのだが。そんな時、お葬式に来ていた一人の老人に話しかけられてしまったのだ。どうも話を聞く限り。ラティの事を知っているような雰囲気を感じたため その老人に「ラスティを知っていて?」と質問したところ 彼はこう答える事になる
「知ってるも何もワシが、お前たちの父親だ」という言葉を口にしたため、私が驚いた顔を見せてしまうと 彼の方は私達に笑いかけてきてから
「さすがは、ラティスの子達といったところか。どうやらラティスとリディアスの二人には、我が息子は敵わなかったようで、悔しさが湧き上がるばかりじゃが。それでもラティスの子供であれば当然の帰結だったとも思えて仕方がない。それよりもラティスの事を娘が大切にしてくれていたということが何よりも嬉しいことであり。だからこそワシとしては娘の頼みを叶えてやりたいと思ったからのぉ。ラティスと約束した通りにしてやることにしたんじゃ」と口にしたのだった。この世界最強の魔法使いと言われている存在だったラスティスの父親は、どうやらこの世界でも最強の一角を担っていたらしく。彼からは相当な力を感じる事ができており そのことから、彼がかなりの実力を持っていた存在であることを物語っていた。その事を理解しているため その人物の息子だったと知った瞬間。私は無意識の内に、体が震え始めていた。それ程までに強大な存在である相手に対し ラティが戦えるか不安になってしまうが。
そんな私の感情に気が付いていたのであろうラティが私に声を掛けてくると「お姉ちゃん大丈夫。お兄さまの強さを信じて欲しいの。それに私が、絶対に守り通すから」と言ってくれたことで 安心する事ができた。
ラティスの父親が私に「リネア殿はラティナを大事にしてくれるかの」などと尋ねてきたものだから 私は「えぇもちろん」と答えると ラティのお父さんは嬉しそうに笑ってくれる。
その後、ラティスさんのお母さんと私達親子は、しばらくの間。楽しく雑談を交わしたり、お互いに自己紹介をして仲良くなりながら過ごすことになった。ちなみにラティスの両親の馴れ初めなどを色々と聞かせてもらったけど その内容が凄く微笑ましいものだったので。ラティに「あなたが生まれた時の事を覚えてるわ。あなたは私の可愛い妹だったんだから」
と、そんな風に言われると。どうやら、この場にはいないけど、ここにラティーがいたとしたら、きっと喜んでいただろうなぁと思える出来事でもあった リゼルが生きていると聞いて。私は驚きを隠すことが出来なかった。リゼルとは、リリィの双子の姉妹の片割れとして、共に育った間柄であるため、私がリゼの次に信頼を置いている少女の一人でもあり。
彼女と初めて出会った際に「ラティーが、私の妹になるから。その時はよろしくね!」と言われて その言葉通り。ラティーの面倒見はいいのだけど。彼女はリゼルと違ってどこか抜けている部分があったりするので、ラティスの件では迷惑をかけてないかと気に病むこともあった。とはいえ。ラティナは優しい子であり、困っている者を見過ごせなかったりするので、そういう場面に遭遇しやすいのだろうと予測できる。
そのため私はラティスの一件で、この城に訪れているラティと一緒に行動しているラティナという子の事が心配になったのだが この城の中に居る兵士の大半が、私とラティが以前立ち寄った街の兵士達と同じように洗脳を施された状態である可能性が高いと聞き。この城を脱出する際には、必ずリリスを仲間にしようと考える そして私達がたどり着いた墓地。そこには大量の魔物と、それと向かい合うラティスの姿が視界に入り。私とラティは揃ってラリスの墓地へと足を運んだわけなのだけれど 私とラティスはラティの案内の元。その区画へと辿り着くのだったが そこに居たのはラティスとリディアの二人で、リディアと目が合った途端。ラティが私達の目の前に姿を見せてくれた そんな私達に声をかけてきたリディアはというと リディナの名前を出して私達の前に現れた理由を教えてくれる。リディスとリリゼル。二人は仲が良かった。だけどそのリリゼルが死んだと知らされ、しかもその亡骸すら確認できていないと聞かされた時にはリディアも相当参ってしまい。それでリリアはどうにかしようと動き出すも リゼルの生存を知っていたが故に どうすればいいのか分からなくなり 結果、リディルは魔王軍側に付き。リゼルは死んでいない。魔王に殺されていないと言い残し、そのまま魔王と共に姿を消したと報告を受けていたらしい。そして魔王が姿を消してから数ヶ月が経ったある日。突然、この国が何者かに襲撃されるという事態が発生してしまい。その結果。多くの人が命を落とすことになり 生き残った人達で協力して防衛に当たったわけなのだが そんな私達の前に突然。リザードマンの大軍が襲撃を仕掛けてきてしまう その数はというと、どう考えても一万人近い軍勢であるようにしか見えず。そのリザトマンは一体どこから来たのかと考える間もなく その軍隊を率いているのはというと、その数の多さの原因は、まさかというべきなのか。リリスが連れ去ったリザルドという男が率いるリザードマンが集結してきたからこそ、ここまでの軍勢になって現れたのだという。その事実を聞かされた私は絶句してしまうが それでもここで死ぬわけにはいかない。ラティスが、まだ完全に意識を取り戻したわけではないから。私はラティスのことを守りたいと思い。まずは自分がどう動くべきかを考える事にした。するとそこで。私の方にラティスの父親だと名乗る男性が近づいてきて。ラティのことを、大切そうに見つめていて。この子が私の子供だからといって ラティスを娘のように扱っている様子がありありと感じ取れてしまうほど、とても愛らしい女の子だと褒められていたのだが、どうにも私は納得できなかったので、思わず声をあげてしまった
「あの、失礼を承知で言いますが。そのお嬢さんの名前は?」と尋ねたところ どうやらこの男性は私のことを誤解をしていたようで、私のことをラスティスの娘だと勘違いされてしまったようだけど。この人は、本当にラティスの父だと名乗りを上げた男性だという事は分かった しかしラティスの話によれば。リリゼルの双子の姉であるラスティがリデルという名前を持っているとのことだった。つまり目の前にいる男性の子供だというラスティの年齢が20歳を超えているのなら問題ないが。彼女は見た目から判断するに13,14程度の幼い容姿なのでどう見てもラティの母親には見えない。そんな事を考えていたからだろう。私はこの人の正体を確かめるべく、彼に問い掛けていた リデアと名乗った彼女の口から出てきたのは、なんとも衝撃的な内容だった。どうやら彼女の話を聞いていく内に、ラティとラリスは実の姉妹ではないと分かると同時に、ラリスの両親はラティを溺愛していることが伺える話を耳に入れることになる。さらにラティがラトリスと呼ばれる女性の事を「母さま」と呼んでいて ラティスの母親はリティアと名乗っている事から ラティスとリティアの間には何かしら繋がりがあるのではないかという疑念を抱くと、同時に、ラスティという女性が、実はリリスの姉ではないかと考えがよぎるが。それを否定するかのような情報が耳に入ってくる。リリムという名のメイドから得た情報だが、ラスティとラスティ。リリスとラスティン。そして、もう一人の女性の名前が、ラテリアであるという ラティの本名が、ラティ=ラティクスではなくてラティス。
これはもう、偶然の一致などとは思えない。そもそもラティスの父親は、この国の王子のはずであり。彼がラティの事を「ワシの息子」と言ったのだ。そこからラティスの実の娘であるラティスは、自分の父親の事を知っているはずであるにも関わらず、ラティスはラティの両親に対して、「パパ」「ママ」と呼んでいたことを思い出し このラティとラスティの関係がどういうものかを理解できないでいたが
「ラティー!無事だったの!?良かったー!」とリリゼルが、いきなり私達に抱きついてくるのを見て、やはり私の事を母親と勘違いしているようだ。そんなリリゼルに優しく頭を撫でながら「ありがとうリリゼル。でもね。この人のことは、私のお母さんって思わない方が良いと思うの」と告げ
「あははっ。お姉ちゃんったら、冗談がうまいんだから。ラティーのお腹から生まれたラティーの赤ちゃんだよ」と口にされ。リリスが言っていた「リリゼルに本当の家族はいない。それは私のせいなんだ。ラティナ。君を巻き込むつもりは無かったんだけどね」と言っていた意味を知ることとなる そしてラティスはラッティから渡された魔道具を使い。自らの力を解放していくと それと同時にラティナの体に異変が起こり始める。
リリィは、その光景を目の当たりにし。
「なるほど。それがラティナの覚醒というわけですね。確かに今のラティナの魔力の質はかなり上質です。この子は私と同じで成長限界まで能力が伸び続けていますし、魔法の才能に関しては天才的でしょう。そしてリリリス。あなたはその力をラティナのために使ってください。私も協力しますので」と そんな風にリリスが口にし。
ラティはというと。自身の体に起きた異変を察知するが。
すぐに気持ちが落ち着く。なぜならば 今この場で暴走するような真似をしてしまえば。間違いなくラティが危険な目に合ってしまう。そんな思いがあったからこそ、必死に抑え込もうとしてみるものの。どうしても上手く制御ができない そう思っていた矢先に、リリシスの声が届く
『大丈夫ですよラティナ』
リリシャスはラティスの中に入り込み。そのままラティスを抱きしめると
「落ち着いて下さい。私が付いていますからね。安心できると思いますので、少しだけ、このままでいさせてください。お願いできませんか?ラティス?』と言われ。そんなリリシスの行動に、ラティは戸惑いを見せるのだが 次第に落ちついていくのを感じることが出来た。だがそれはあくまでも一時的なものでしかなく。結局の所はラティスは未だに苦しんでるのだと思う だがそんな中にあってもラティスは懸命に立ち向かい なんとかその場を乗り越えることに成功すると。
私の元に駆け寄り、私のことを見上げている ラティスに視線を合わせている私の姿を眺めるラリシアは。私に視線を合わせると微笑みかけてきて
「リリィさん。これからよろしく頼むわ。私も出来る限りサポートはするし。ラティスの事も助けてくれると嬉しいなぁ。あとリリス様のこともよろしくお願いね!」と言ってきた その瞬間。私の心の中に違和感が生じその正体がリリスであることはすぐに気が付いたが 私は敢えて何も口にはしなかった。リリスが私達の元から離れる際に、リリスは私と約束してくれたことがあったからだ。それを裏切るわけには行かないから。そう思っていてもラティスはというと ラティは自分の身体を抱き締め。リリナスの事を見つめ続けていると そのままゆっくりと歩き出すと その背中を見送ったラリスだったが、しばらくして。ラティの様子に異常が見られる。ラティはそのまま地面に倒れこんでしまう 慌てて駆け寄るリリアとリリサであったが。ラティスの状態を確認するために近づこうとした二人を止めようとラリスも動き出していたが、その時には既に手遅れの状況に陥ってしまった そう思った時であった。リティスとラリスの二人は突然光に包まれてしまい。光が消えた頃には、そこには二人の姿を見かけなくなってしまった。一体何が起きたのか。その場に居合わせた者達は困惑の色を隠せずにいたが リティとリリスの二人が姿を現した事により、この場が一瞬にして和やかになるのを感じたが。それでもまだ問題が解決していない。ラティスのことがまだ心配だと思っていると。
突如として目の前に現れたラリスが、ラティスに語り掛けると、どうやらラティスの方も落ち着きを取り戻し。先程のような状態に陥らずには済むようになったが それでもラティスの体調はあまり良くないようで 顔色が悪いようにしか見えなかった それでも、ようやくまともに会話が出来るような状態にまで回復したことで 私は、自分の名前を名乗り、そしてラティスのことを大切に思うからこそラティスには元気になってもらいたいと 言葉を掛けようとしたとき。突然リリスの胸が大きくなっていくことに私は驚くことになる するとその変化は私だけでなく。他の者にも伝わっていて リリカの表情が明るくなり リリリスに至っては。リリスに対して抱き着いている その様子を確認したラティスがリリルアに対して「ごめん。ちょっと待ってもらえるかな」そう言うと
「はい、かしこまりました。ラティスお嬢さま。お話は後で伺う事に致しましょう。それとラリスティお嬢さまにもお話がありますので、お部屋に案内いたしますので、そちらに向かってくださいませ。お部屋ではラティスお嬢様にお話をする準備をしておりますので、どうぞラティとリティスの二人でリリスとリリスと話し合いの場を設けてください」
そのやり取りを聞き終えた直後 ラリスはリリスと共に姿を消した それとほぼ同時に、リリアナとラフィは、リアリスのことを迎え入れていた。そんな光景を見た後に 私に近づいて来たのは、リリゼルであり 私はリリゼルと一緒に。部屋の中に入ることになる そしてそこで私は、ラリスにリリスの正体を教えてもらう事になるのである。
ラリスはリリゼルに対して「リリゼルちゃんの疑問を払拭するために、リリリスがリリリスではない理由を説明しようと思うけど。まずはそこに座ってくれない?」と口にした後。リリゼルはソファーの上に座り ラリスはというと。自分の隣りを軽く叩く
「うん。じゃあそこに腰を下ろすと良いよ」と言われた事で リリゼルも座ることにした。ラティスは、そんな二人の様子を見届けると
「さてと。どこから話そうか。そうだね。結論から言えば。僕がここに来る事になった理由は。実はラティスに関係しているんだ」と言い リリスは、自身がなぜこの場所に来ることになったのかという 経緯を話し始めたのだった ラリスが語る内容によれば。彼女は、リリスではなくてラリスだということだった。
しかしリリィの話が本当なら。ラティスはリリスの妹ではなく。その事実を知ったリリスは酷く動揺していた。だがその理由についてもラリスが教えてくれたのだった そもそも、この世界で【転生】を行うと、性別が変わってしまうという事はラティがリリスに告げていたことであり つまりリリスの場合はラティスとは双子の姉妹と言うわけではないらしい それなのに。何故ラティスの事が自分の娘だと口にするのか?と聞かれた際には 僕は少し悩んだ末に答えを出す
「リリリスがリリスタと同一人物で、リリスがリリスを妊娠したのは確かだけど。その後で、リリスはリリシアを出産することになっていて、だからラティスはラリシアに育てられたというのが正しい言い方なのかな」と その説明を受けて納得は出来たのだが リリゼルとしてはラリリスがリリシュであることを受け入れることが出来なかったらしく。そんな様子を察知するがゆえに。僕からラリスはリリスの真実についてリリゼルに教えることにすると
「僕の事については。正直あまり知られたくないんだ。リリスから口止めをされているし。ラリスがリリスに頼まれていることが終わってしまえば、もうこの国にいる必要はない。だからこそ、リリナスは、リリスとの約束を守るためにリリスに協力することを選んでくれた。でもそれは、あくまでもリリスの目的があってこその決断だったんだよ。その目的を達成するまでは、この国に残ってほしいと言われている。リリナスとしても、今はまだ帰ることが出来ないという事情があるみたいだしね」と語る だがその話を聞いた上でなおリリナスが、リリスに協力しようとしているというのは理解できる出来事ではあるが。やはり理解ができないという気持ちが強かったせいで 私にはどうしても受け入れることが出来ていなかった部分もあるかもしれないと思うようになっていたのだ だがそれも全てはラティスのおかげだと思うようになるまでにそれほど時間は必要ないかった だって今私の目の前に居る少女からは強い意思のようなものを感じる そしてそれだけに収まらずに 私に好意を向けているということはすぐにわかるしそれがとても心地よく感じてしまったせいで 私の心の中にある感情に変化が起きてしまうことは仕方がないことなのだろうと思う そうして私の事を見つめているとラティシスは微笑みを浮かべながら
「リリィ。リリィも私に言いたいことがあるんじゃありませんか。リリリナスから、ラティナのことについて聞かされていたのですよね。私が居なくなった後はリリアナをラティナの母親代わりになるはずだと聞いていましたが、そのラティナはどうやら、あなたにとってかけがいのない存在になっていたようだと」と言われ
「それはその通りですね。確かに私はラティと出会って、ラティと過ごしていく中で、リティという妹のような子が産まれたことで。家族というものを感じるようになり。ラティは私が守らなければならないと思ったほどです。その思いは今も変わらないですよ。例え私達の元から離れていっても、ラティスは私にとってはかけがえの無い存在なのです。ラティスの幸せのためならば私は何も惜しまない覚悟は持っていますので。たとえリティスと敵対したとしてでも、ラティーを守り抜きます。ただ私も、今のこの状況を受け入れているわけではなく。何とかラティスを助け出そうとは考えているところですが、どうやらリリシアにはその気がないのでしょうかね?その点もラリリスのことが気にかかる所でしょうね」と答える
「リリアナさんの考えには同意したい所でもあるけど。私はラリスの願いを聞いている立場なんだ。その事を最優先にしないといけないし、ラリスと約束したことを破るわけにはいかないから、だから私はこの場を離れるつもりはないし。これから何が起きるかを見守り続けるよ。リリゼルがこれからラリナスと戦うという未来が待っている可能性すらあるのだから。私としては、その時が来た時には、私にできる範囲であれば、手を貸そうと思ってるけど。それに、もしもラリスの身に危険が迫っているというのであれば、私に力を貸してほしい。私も協力しようと思っているんだけど、ラリリスに口封じされてて。ラリアスの件はラリリスに任せっきりになってしまっているし。その分、他のことをしっかりと行わなければラリスとリリスの信頼を失ってしまうし。そのことを考えると、リリナスの力が必要なの。どうかしら?」とリリリスは言う そしてそれを聞いたうえでラティスがどういう判断を下すのかが気になる所ではある そんな風に考えていたときだった。ラリスが急に立ち上がると。ラティスはリリアリスに視線を向けた それを見たリリスも立ち上がった 二人の様子を眺めながらもラリスに何かが起きたということだけはわかったため 私も席を立つ そして二人は同時に光に包まれていき。そしてその場に現れた姿に私は驚いた なんと、そこに姿を現したのはリリスとラティスであった。しかしリリスが二人存在していたことで、混乱してしまった私をラリスが優しく撫でてくれる。その姿に安心感を覚えたことで 私は落ち着きを取り戻す そして二人はラリスの方に歩み寄る その様子を確認した後で ラリスとリリスは再び姿を消す 私は、何が起こったのかを理解するのに必死になりすぎて、ラティスがどうして姿を消したのかが分からず不安を感じてしまい。リリスが、ラリスとリリスが同一人物だと教えられたことを思い出した つまりラリスとリリスは【同一化】のスキルを持っていたということになる。それを初めて見たときに思ったことはリリスが言っていた、自分が転生をしたのではなくて、元々双子だったという事実を聞かされたときは信じられなかったが。こうして実際に見せられると、ラティスが嘘を口にしているとは思えなかったので 受け入れざるを得なくなってしまう ラリスとリリスの違い。それは性別くらいしかないのではないかと思えるほどで、同じ顔をしていて まるで鏡の中に二人が映っているかのように見えてしまう程に似ている。その二人の姿が消えていったことに驚いてしまい。私はその場で腰を抜かすようにして床に座り込んでしまう。
それとほぼ同時に 私は自分の体に異変を覚える 自分の体の中からラティの魔力と。それと混ざるようにリリスとラリスの二つの気配が感じられるので。
恐らくリリスは【同一化したままの状態で【共有転移】を使ってラリリスの元に戻ろうとはしたのであろうが。ラリスとリリスは別の存在であるために上手くいくことがなかったのかもしれない。
そんなことを考えていたが。それでもリリアリスが消えたことに動揺してしまい ラリアリスのことを気にしてしまう自分がいることも確かだったので。落ち着く時間が必要になると判断した私は 少しばかりの間一人になりたいと思い部屋を出ようとした際に、声をかけてきた相手を見て驚きを隠せなかった ただそんな状況であっても、その人物を見れば自然と笑顔が出てしまったのだがね? 何故ならそこには私の最愛の人であるお兄様がいたからであるからね そう思っていながらも、ラティアに話しかけられたこともあり、ラティシスと共に過ごすことになるのだが、その際にふと考えたのだけれどね。
リリアリシュに聞いた情報が正しいものなら。きっと、いや確実に。あの時の子供は女の子ではなく男の子だと考えられるのではないかと言うことだ。だが今はそのような話をする必要はなく、むしろ目の前の問題を解決することに集中しないといけなく。その為にもまずは何が起きても対処出来るように、少しでも多くの情報を蓄える必要があると考えながら。ラリシアは歩き始めた。
【共有空間】でリリリスの過去を知ったリリィは動揺していたが。ラリシアが、自分と同じように。双子の姉妹が居て。それでラティがその姉だという事を教えられて少しばかり困惑していたものの。それ以上に衝撃的な事が起こっていたせいか、すぐに落ち着いた表情を見せていたのだ しかしそんな中でも。ラリゼルは自分の娘ではないと言われたことに対して酷くショックを覚えているようであり。それがわかってしまったラリスは申し訳ない気持ちで一杯だったが。
「まぁそんなわけで、私の話を聞いてくれたんだし。そろそろえぇ加減に、本題に入らせてもらうぞ」と言って
「私は、お前らのことを調べていたんだよな。色々と」と語ると。彼女は語り始めるのである その前に この世界に勇者は存在する これは間違いないことなのだ それは私が保証できる事実でもあるが。だが、それと同時に 魔王も存在しているのは紛れもない真実であることは否定できない事でもあったのだ 1人の女が存在したのだ 名はアリンといい、とある国の姫という立場に産まれた少女 そして彼女が産み出した子もまた、特殊な能力を宿す存在であった。
その子の名はアリナと言い 後にこの世界の救世主と呼ばれる存在となったのだよ だが彼女の存在が歴史を大きく変えることとなってしまう。そのことには、ある一人の青年の存在も大きく関わっていてね 彼は英雄と呼ばれ 人々に愛され続けた人間でありながら 誰よりも、人を愛することのできる優しさを持ちながらも 決して弱い部分を見せることのない。
強い心を持った人物であったよ しかしそんな彼が突如として姿を暗ましたという情報が国中に広がることとなる そんなことがあったものだから 国中で騒ぎとなり 彼の行方を捜そうとする者が現れたのと同時に 彼に好意を抱いていた女性も現れていて、その者たちは彼を探そうと様々な場所を探し回るのであるが。その結果 彼が何処に行ったのかがわからなくなり、彼の痕跡さえも見つけることができなくなってしまったのだ。ただ1つだけわかることは 彼に関する全ての記録や書類などの全てが消されている事だけだという事が判明したのである しかしそんなことがありながらも、彼との子供が出来たという事を耳にして 一部の者は安堵したという話は聞くことが出来たのではあるが 結局その者の所在を知ることは出来ず。ただわかることとすれば、この国が戦争に巻き込まれる事になってしまった原因を生み出したのはその女性の夫となる者であり。その者が王を殺したのは紛れも無い事実だということはわかったのだ それ故に彼女の怒りを買い。この国から逃げるという選択肢を選ぶしか生き残る術は無かったと言えるのかも知れないな。だが逃げ延びた後の彼女を待っていたのは過酷な現実だけであったのは。想像するだけで容易に考えられることではある そしてそれは、彼女自身も同じだったようで。愛する者と引き離されてしまった挙句。自分は敵国へと売られる事になったらしく その後は散々だったようだ その出来事の後で 私は自分の能力が異常なほどに高く。また身体能力も高いと知り。私にはその力を利用して成り上がれるほどに優れた素質があった そんな時に声をかけて来た人物が居る。それが私を救い出して。その男の部下にしてくれと言ったのは良いのだけど。私としては別に、この世界で生きる意味など感じられなくて。どうすれば生きていこうかなと考えていたときに。その男が私に向かってこんなことを言ったのよ。「俺は俺の目的の為に行動をしているが。もしも協力してくれるならその見返りに君には生き続ける権利を与えてあげようじゃないか」とね その言葉を信じていいのかと疑う私ではあったけど 男は嘘を言っているわけでもないと思ったのと。
私が求めている答えを出してくれたことで、その男に協力することを決めると決めたわ その後で 私と部下になった男たちが何をしているのかを説明しておくわね? 私たちがしていることというのは。この大陸に散らばった他の国々の状況を調査し。それらの国の情報を一箇所に集めるという作業を行っていた。
そして集められたデータを元に 私たちは今後の作戦を決めていくといった形を取っていた。
ただ集めた情報だけでは分からないこともあるだろうと考えてのことでもあるわそして私もそうであったのだから それから暫くの間は平穏が続き。それなりに楽しく過ごしていけるんじゃないかと思ってもいたが。やはり、平和が長く続くことはなく。私達は、再び戦乱の時代に足を踏み入れることになるのであった そして戦いの中で。私はラリリスに出会い。彼女に救われる形となった。その時から、私の人生は、彼女とラリリスの幸せを守るために戦う道を歩むことを決めた。だから、どんなに辛い状況だったとしても。それを乗り越えることを決意したのよ それこそが、リリアが望んでいることであると信じて それだからこそ。私は全てをかけてでもリリアとラリリスを守ることに決めた。そしてそんな時にリリスとリリアリスの気配が消えてしまうという事態が発生してしまい。慌てる私達であったが。リリスが戻ってきたことで、なんとか冷静になることが出来ていた。
しかしその直後で ラリスの身体を乗っ取ったと思われる何者かが現れ リリリスとリリスを連れて行こうとしたのだが。私達が止めに入ると 私達に邪魔されたせいなのか。もしくは他に理由があるのかはわからないけれど。私達の前から姿を消した後 ラリリスは姿を消した。
私は必死になって探すことにして。その最中でラリスの魔力を感じた気がしたので、私はそこに向かって走ることにした。するとそこには、私の大切な人であるラティシアスの姿を見つけることができたので。ラティシアスが無事であったことを嬉しく思いながら駆け寄るのだが ラティシオスは、何やら考えごとをしながら私に視線を合わせようとせず どこか別の場所を見ていながら、話しかけて来ていることに気付き 何か困っていることがあるのなら助けになりたいと申し出るが。そこで返って来た返事が。ラティシアスは私をラティと呼ぶようにお願いしてくる。そのことに少し疑問に思ったものの。本人がそれを望むのであれば。
私がそれに拒否することは無く。それを受け入れた後に。私はラティと話す時間を作ると。
彼女から色々な話を聞いた。その中で ラティスの正体についても、少しばかり聞くことが 出来たため、それを皆に知らせることにしたのである。そしてこれからの事を話す前に、私が調べた話をすることを決めて
「とりあえず、先に言っておく事がある。先ずはこの場にリリリスは居ない。リリリスは別の空間で眠っている。ラティクスの力が発動していた状態でね」と言って。その話を始めていったのである ラリシアの話を聞き終えてから僕はラリシアに感謝の言葉を告げた後に。ラティシスがラティと呼んでいることについて質問を行う 何故そのような呼び方に拘りを持っているのか?という問いを投げかけた僕に対し。ラティは、ラリティから貰った名前を呼んで欲しいという思いが強いためにラリスに対して特別な呼び方をして欲しいと考えたからであると答えてくれていたのだ。そのことを聞いた僕はラティがどれだけラリリスのことを思ってくれていたことを理解したので、少しばかり感動してしまった しかしそんなことを考えながらも。僕の意識はまだラティシアに向けられており。そんな僕に対してラティが声をかけてくれるのだが。その際も彼女は「私の事は呼び捨てにしても大丈夫だぞ。お前とリリアリスとは、同じ境遇にあった者同士であるし。仲良くしたい気持ちもあるんだぞ?」と言うように。優しく接してくれた。それに対してお礼を言うと同時に「じゃあラリシアはどうしてラリシアで呼ばせてほしいなんて言うんだよ!」という声をあげると ラティは微笑みを見せて。リリリスから与えられた名前を大切に思ってくれた事が本当に嬉しいと言うような言葉を聞かせてもらい そんな二人のやりとりを見たからか、ラティナの方にも変化が生じ。まるで母さんと姉さんの会話を聞くかのような感覚に陥ったせいで 胸の中は、凄く温かくなっていた。
(なんだか姉貴たちを思い出しちまうかも)
ラリサスとリリィリスを無事に保護することに成功した。そんな二人に安心感を覚えた僕は、まず最初にやらなければいけない事をするために行動することにする まず最初として。二人が暮らしていた家の中を確認することから始まると そこは綺麗な家でありながらも。家具も揃っているし 部屋もいくつかあるのが確認できる中で 二人は一体どうやって生活をしていたのだろうかと思いながらも ひとまず確認作業をしてみた その結果 この家は、この国の貴族の女性が暮らしている場所だということが判明する。それならばなぜここに人が住んでいるのかという事を考えている間に。その女性は現れることになる その女性の名前はアリナと言い。アリナが姿を見せると「あんたたちが私の屋敷に入り込んできていたという奴等だったりする?」と言われ。アリナが自分達の正体を知っていることに警戒心を露にしながらも。こちらの事情を話した直後に 彼女が、ラティスの母に当たる人だと知ることが出来たので。そこからは、お互いに自己紹介を行っていき。彼女がこの場所にいる経緯も説明をしてくれた そんな彼女の名前はラティスといい その容姿からもわかると思うが ラティスの年齢が20代後半の女性に見えるのは その外見を魔法を使って操作しているのであって 実際は30近いということを知ることが出来る そんな彼女の口から 自分が今までやってきたことを、教えてもらうことになり 彼女の口からは「実は私も昔は、ラティスと同じように魔王軍の一員として働いていたのよ。だけど。私の場合はラリスと一緒に行動することが多すぎてね。ラスティマと、ラリリスは私の娘のように思っていたのよ。それで、あの子たちとの日々を過ごしていく中で、自分の娘が欲しくなってね。それで作った子供がラッティよ。だから、ラトリスはラッティの子供なのよね。ただ。生まれた時からずっと育ててきた訳では無いんだけど」と話し始めると 僕はその事実を知って驚きを隠すことが出来ないまま どういう事ですかと訪ねると「あなたたちは私達が魔獣の森と呼ばれる場所で過ごしていたことは知ってるわよねぇ?」と言われた際にラティから聞いていたことをそのまま口にすると。それを聞いた彼女は少しだけ寂しげな表情を浮かべて語り始めたのであった。
そんな話をしていく内に この国の女王でもあるリリアスは「私は今の生活に不満を抱いているつもりはないですけどねー」という言葉を残して立ち去っていく事になると、その後には女王の側近の一人であるゼストが現れることになった。そのことから察するにラティクスの力を感じ取り ここまでやって来たのだろうということを理解すると共に。ラティスの母親でも会った彼女との対話が始まっていたのである。そしてその中で ラティクスが残した言葉を伝えてもらった その言葉の内容は「もしも、また私と会うことがあったら、その時は必ず一緒に居ようね」というもので この意味を知るのには時間が掛からなかった その理由というのが、この国が他国と比べて圧倒的に技術力が遅れているということだ。だからこそ。ラティクスの言っていた言葉の真意について考えなくても ラティクスが自分の力を注ぎ込むことによって生み出された存在を。他の者達に知られると不味いと判断したからだと思ったので「ラティアスがラリティのために力を使いすぎた影響なんでしょうけど。まさかこんな事態になるとは思いませんでしたね」と語ると。ラティスはその言葉で、ラティクスが何をしたのか悟ると 私達はラリリスが目覚めた時にどうなるのか心配になってきたわねという話をして それから数日後のこと。リリアリスは眠りにつく前に 私が必ず守ると言ってくれていたので。それを信じるしかなかった それからしばらくしてのことだったわ。
ラティが目を覚ますまでに色々と情報を集めることにした私は。情報収集を行い その結果。今の私達が置かれている状況を把握できるようになった ラティが目を開けてから数日の間は。特に何も起こることは無かったけれど 私の中で不安が生まれてくる一方で ラリリスが起きてからは大変な目に遭うのは、目に見えているわけでしょ だからこそ。少しでも早く、問題を解決できるように頑張ろうと心に決めた。しかしそんなある日。突然として城の方で大きな魔力が発生した影響で。私達の方に兵士が押し寄せてきた 私はリリアリスとラティを守りたい一心で剣を握ると兵士達を蹴散らしていったのである。そうすればどうにかなったのかもしれないと後から思ったのだけれども 兵士を倒して。その場から離れる前に そこにラリリスがいることを知った。しかもそれだけではないようで、その傍では、リリアリスもいるようだしね とりあえず私はラティとリリリスを守るために動くことに決めたのだが。その直後に。ラティが何かを見つけたような仕草を見せると その何かを確認しようとラティが動いたことで、私は追いかけるような形で付いていった先で。目の前に広がっている光景を見つめながら
(何が起きているのか分からないけれど。この状況は不味いわ)と思ってしまうことになるのだがそこで見た光景とは
「さぁ。俺の元にこい!リリィリス!」という大声を上げた後に手を差し伸べていたのはこの国の王であり私の実の父でもあるバドランが立っていたことでした。更に言えば私の隣にいたラリティが父に対して怒りをぶつけていたりします。それは何故かと言えば父は私の姉に危害を加えようとした挙句に誘拐までしようとしていたのですから当然といえば当然の反応だと思うんですけど。そんな時ですよ?突如として現れた何者かの手によってバドランドの腹部から槍の刃先が顔を出してきて。それによって貫かれた状態でいたバドラント その事に驚いた姉と私は。同時に攻撃を行った相手に視線を向けると そこには黒髪を長く伸ばし目を隠していて。どこか不思議な雰囲気を醸し出している人物が居た しかし。そんな人物よりも、気になるのは。その隣に立つ少年の存在だ。ラティシアスと呼ばれていた彼が纏うオーラは 明らかに常人のものではないことが一目見て理解することができた。その事から。私が彼に声を掛けることにした。
そんな彼との会話の最中 彼の実力は未知数であることが分かると。彼こそが、リリィリスの夫となるべき男性であることを確信して それなら。私も負けられないですねと思い。戦う決意を固めた 戦いが始まるとすぐに、ラティシアスは圧倒的な力で兵士たちを薙ぎ払い。ラティとラリティの二人が安全に逃げ出せるように時間を稼いでくれたりなど。色々な形で私を手助けしてくれた。それ故に この戦いが終わったら、ラティとラリティを逃さないと。私も死ぬことができないなと感じることになったの ラティシアスが私と戦っている最中 私の横で戦っているラティと姉のラリリスが ラティシアスと、ラリティの戦いぶりを見て驚いていることも分かりましたし。それを見た後に 二人の反応を見る限りで、彼はラティクスの息子であることは間違いないだろうということは直ぐにわかり ラティシアスとラリティの戦闘が行われている間も私とラティシアスは戦闘を続けていたが お互いに一歩も引かない状況で勝負が決まらなかったこともあり ラティとラリリシスが逃げたことを確認した後に。お互いに距離を取る形になり。お互いに睨み合った後で「そろそろ終わりにしない?正直に言って。このまま続けていても。お互いに傷つけ合うだけだと思うし。貴方と争う理由は、もう無いと思うんだよね。僕と貴方の目的は、お互いの姉さんを取り返すことであって、ここで戦った所で意味がないはずだから」と言うラティに「そうだね。それにしてもラティ。君はラティスによく似ているんだよね。僕としては、ラティスの息子ってだけで興味があるのに。君のことも凄く魅力的だと感じたよ。もし良かったら。ラティも僕のモノになってくれないかな?」というと ラティは笑顔のままラティは僕に向かって話しかけて来たのであった それはまるでラティスと話しているみたいで、本当に不思議で仕方がなかった だってラティが僕の事を『様』を付けないのはラッティの件で怒られたのが原因だったはずなのに。それすら無かったかのように話してくれるなんて。思っていなかったし
「それだったら。これから仲良くしようよ。友達として、君と一緒に過ごせたらとは思うから。あと一つ聞きたいんだけど。どうして、あの二人はあんなにも強い力を宿していたの?」
その言葉はラティが知りたいというのであれば。教えるつもりではあるんだけど。ただ、僕は。その答えを知らないので教えようが無かったんですよね だから「あーうん分かったよ」というと、それから数分してからの出来事である。僕の前に現れたのは黒い霧に包まれたゼクスの姿をしていて見た目的には女性のようにしか見えない存在なのだけども。それに加えて先ほどまでとは違って。肌の色などが変わっており髪の毛が銀色に変わっているように見えたのだ。そして彼女はその状態から変化を行うことはなく そのままの状態で僕は彼女の正体を知ることになり「久しいのぉ主殿よ」と言われることになった 彼女から感じる魔力の質や量なども桁違いになっていることから。間違いなく魔王の一人だという事は分かっているのだが 一体どういう訳か分からなかったこともあって。彼女に聞いてみると、「なんじゃ。わしの事を忘れてしまったのかのう?」と言われてしまうことに僕は苦笑いを浮かべることになってしまった 確かに言われてみれば覚えている気がするんだよねぇ でもやっぱり、ラティスが産み出した魔物か魔族なんだろうね そして彼女が言う「そういえば。自己紹介がまだでしたね」と言い始めると
「わたしの名前はラティナス。この世界に召喚された勇者である」という言葉が聞こえてきたことで 目の前に立っている女性が魔人ではなく 神格を得た存在であることを悟ることになるのであった。それと同時にラティクスと同じ力を秘めていることについても気づくことになるんだけど そうなると彼女は自分の意思で力を封印している状態だと推測することができるのと同時に
「まぁそんな感じだよー」と言われたところで 僕はどうすることもできないと思った。なので諦めるようにして話題を変えることにしたのである。
そして、その後。ラティスとリリリスとラティクスと別れてからラティスの母親と、ゼストが合流することになると
「さっきラティスはリリリスの気配を感じたような口ぶりをしていたけど。あれには理由があったりするんですかね?」
その質問をラティスに向かって投げかけるとラティは真剣な眼差しでラティスのことを見据えながらラティクスの居場所について問いただしていた
「母上、お会いしたいのです。私は、父上の事を諦めるつもりはありません。例えどれだけ時間がかかったとしても私は父上に必ずもう一度会って見せると決めたんです」と語るラティに対してラティは優しく語り掛けていく それに対して、ラティはラティリウスの言葉を受けて少しだけ考え込んでしまうのだが ラティリスがラティラスの手を掴んで、ラティラスの瞳をじっと見つめた。
それからラティスが「ラティアス。貴女は、私がラティリアスに抱いている想いを知っていましたね。ですがそれでも私に協力してくれるのですか?私達は一度決別してしまった身でありましてね。ラティリスが望んでいる再会が果たされるとはとてもではありませんが思いませんね」と語ったのを聞いて ラティウスは、何かを考えるようにしてからラティアリスの肩に手を乗せると
「ラティアリス、ラティリア、二人共、私が必ず幸せにしてみせる。その為ならば私はどんなことをしようと構わないと思っている。だから、私の元に来てはくれぬだろうか。ラティリオスを救えるのであれば私はなんでもやる覚悟であるぞ!さぁ来るのだ!我が娘達よ!来なければ後悔することになっても知らぬぞ!」と叫ぶのだが それに対してラティナスが「そういわれると思っていたわ。あなたと初めて会った時に言われた言葉を思い出したわ。だからこそ今更断ることは出来ないでしょう?それと、リスティは渡さないわ!絶対に!」と叫んでいる姿を見ながらもリリティスは困ったような顔をしながらもどこか嬉しそうにしている様子が見えたのだった。しかしそれはそれとしてだ
(まずいなこれでは話が平行線のままで何も進展しない可能性がある)と考えた僕は二人の会話の間に割って入ることにするすると当然だけど二人が僕の方を見つめてきたわけだがそんな二人の視線に対して笑顔を向けた後に僕なりの言葉で伝えようとする
「とりあえずだ。ここは一旦落ち着こう。ラティも。そんな風にラティナとラティシアを煽るような発言は控えて欲しいんだ。じゃないと。二人の気持ちはどんどんヒートアップしてしまう一方になってしまうんだよね」と口にしてから、そのタイミングで ラティとラリスも、僕たちの傍に来ることになる そんな僕らの様子を見たラティアスは「わかったよ。でも僕もリリィの事は大切に思っているし、ラティシアはリリティスと姉妹として生まれてきている以上、ラティスの娘だよね。それに僕にとっては可愛い教え子でもあるんだよね。そんな子を手放すことができると本気で考えているのかな?」と語り始めた ラティはそんなラティナスの話を聞きながら「えっ?」といった表情をしながらラティスの方に目を向けてみるとラティは「やはり気づいていたようですね?私が貴方の娘であることは」と答え 更に言えばその話を聞いていたラティも「それはつまり。私の父上はラティアスだったということでしょうか?」と問いかける
「うん。僕は、君達が本当の親子であることを知らなかった。それに、ラティとリリティスが僕の妹であることも、知らないんだよね。だって僕は、君達の事をずっと探してきたんだから」
それを聞いたラティスがラティとラリスの二人がお互いに目を合わせるとお互いに笑みを浮かべあうのだったが ラティとリリティも同じようにお互いに微笑んでいたのだった。そんな中でラティスがラティの背中を押してくれることになった ラティスに押されたことで前に進み出たラティは、ゆっくりと、歩いていき、目の前にいる人物の前に立つ。その様子を見たラティが「ラティス。私の事は覚えていますか?」と話しかける その言葉を耳にしながらラティが近付いてきた事に、驚いたのか。一歩後ずさってしまったが その反応を見たラティは悲しそうに眉を下げてしまった
「すみません。私は、もう貴方のことを忘れてしまいました。もう、私の中での貴方の記憶は全て消え去ろうとしています」と答えるとラティはその言葉が信じられないと言わんばかりに「何故、こんなことになってしまったの!?」という叫びが木霊した。
それを聞いた僕は、ラティの身体を優しく抱きしめることにしたのだが、ラティは「大丈夫、ラティならきっとまた思い出せるはず」と言う 僕は、それに便乗するように、「それに。今のラティスは記憶喪失状態なんだよね。それで君の名前は、リティだよ。ラティの双子妹。ラティスのことが大好きだったんだろうね。でもね。彼女はラティとラティリアが入れ替わっている間に起こった事件がきっかけで、自分が本当は姉ではないかもしれないと思うようになり。それがショックで自分の中にあったラティスへの想いを忘れ去ってしまっている」と伝えたのだった。すると ラティスは自分の中で何が起こったのかを理解しようとし始めているようで、「確かに、私は。自分の存在が揺らぐほどの恐怖を感じていたと思います。そしてそれは事実なのでしょう。私はラティの事が好きだったんだって思うんです。そしてそれを証明したい。ラティスの事を忘れてしまったのに、好きになってしまったという、矛盾に。納得したい」と、語った。それから僕はラティスの方を見ると 彼女は僕の方を見ていた。まるで助けてくれと訴えかけているかのような、表情を見せており、それと同時に彼女は、リリスに近づいていくと抱きつく そしてリリリスに耳打ちをした。その内容を聞いて「分かった」と答えたのを確認して 今度はラティに声をかける
「ねぇ。ちょっといい?」と声を掛けて、彼女にラティスの部屋に連れてきてもらったのは良かったのだが、そこには、ベッドの上に寝かされているラティスの姿があった 僕は「これは一体どういうことだ?」と尋ねると、彼女が「どうやら。私の中のリリスは。この世界のラティスが、生きていると知った事で。自分の世界に戻ってしまったようだ」と語るとラティの体は光の粒子になり始める。そして次の瞬間 目の前にいたはずの彼女達は、姿を消してしまっていたのであった ラティとラティスが、突然僕の目の前から消えたことで、目の前に起きている現象に対して困惑している僕の様子を見ている存在がいることに気付いた。そう。その者は、ラティクスにそっくりな容姿をしていた女性であり、彼女が誰なのかを知っている僕は すぐに名前を告げる。その名前とは「ラティス。君はどうしてここに現れたのかい?ラティスの中に居る存在と対話していたと思ったんだけど」と問いただすと 彼女は、真剣な顔で「私にはラティスを救うことができなかった。それだけが、残念で仕方がないよ。でもさ。僕はどうしてもラティクスの力が必要だったんだよ。僕一人ではラティスに力を与え続けることが、出来ないからね」と呟いた 僕は彼女の言葉を聞いて疑問が頭の中に浮かぶ。そもそも。リリリスにリティが乗り移ることで、ラティスを救い出したはずだったのだが、どう考えてもラティスに埋め込まれていた核の欠片を取り出すことができたとしても ここまでラティスは弱ることはなかったはずである なのでラティスの身にいったい何が起きたのかというのが非常に気になった。しかし今となってはそれを確かめる方法は無いのだが そんなことを考えていた僕の横を通り過ぎていったラティクス。そうラティクスなのだが その姿を見て驚いてしまい固まってしまっているとラティクスは僕が動けないのを確認したうえで。僕の体を指でつついてみて、ようやく僕に対して意識があることを理解するとそのあと僕の方を見ながら何かを言い出そうとする仕草を見せていた しかしその行動によって何かを感じ取ったのかゼクスとラティラスが二人共動きを止めてしまうと 二人して僕の方に視線を向けてくるのだが 僕は二人のことを気にすることなく、ラティスの方に向き直り「まさか、僕に用事というのは」と言いかけると、それに対して「僕達と一緒に来て欲しい」と僕に頼み込んできたのだ そのお願いを聞いて、断ることが出来るわけもなく。僕も一緒に行くことになる
「とりあえずさ。まず最初に聞きたいことがあるけど、君達が僕の前に現れた理由は何かあるんだよね?」と問いかけると 二人は少し困ったような表情を浮かべると ラティとラティリスの二人共がお互いの顔を見合わせている そんな状況を見た僕としては何か嫌なことが起きようとしているような予感をひし感じながらもラティスのほうを見てみると、ラティスは、僕の方を見つめると「ラティス。貴方が持っている魔剣は本当に凄いわね。あれがあれば私はリリスと共に歩んでいけるような気がしますよ。それに。貴女から預かったリティス。貴女はリティアスがどこにいるのか知っていますよね?」と 語りかけてきた。それに対してラティが、口を開きかけたのだが。僕はラティスの言葉を途中で遮るような形で、僕はラティの言葉に反応していく
「ラティスが、君の質問に対する回答を持ってるかどうかわからないから。僕は君に対して何も答えられないね」と答えてからラティスの瞳を真っ直ぐ見つめることにした
「ラティス。ラティス。あの子を助けに行くことはできますよね?それならば私にも協力させてください」と言うと ラティと二人で話し合いを始めた。その様子を見ていると リリリスが「貴方が心配するような事態にはならないはずだわ。リリティスはきっと元気でやってるもの。私が、私の肉体に戻ったときに、リリティスがラティに対してどのような感情を抱いているか、理解できているもの。だからこそ。今は私とリリシアを、ラティとリティスの元へ連れて行くために協力してちょうだい。それが、ラティスにとっても大切なことなんでしょう」と語った
「そうですか。それでは、私は貴方に協力することにしましょう」と口にすると目の前の空間に扉のような物が出現したのである ただ僕はこの時違和感を覚えてしまったのである。そう目の前に現れた光景にである そう僕達の前には巨大な塔のようなものが立っていたのである その見た目は非常に奇妙というしか言いようがなく歪んでおり。建物というより建造物という表現の方が正しく思えてしまったからである ただそんな中で僕は、この建築物に見覚えがありすぎたためだと言えよう
(ここがどこなのかわかる)その気持ちだけでこの場所まで辿り着けたのである
(間違いなかったのか?確かにラティはここで生まれたはずなんだからな?)ラティは確かにこの地で誕生したことは間違いなく、その場所こそラティにとっての始まりの地とも言えるだろう場所でもあった。ラティにとっては思い出深い場所ではあるはずなのだがその事を考えている余裕すらなく、僕はすぐにラティの側に歩み寄ることにした。ラティのことを庇う形で前に立つことにする。そうすることでラティを守りやすくなったし、もしもの事があってしまっては取り返しがつかないと考えた結果の行動だった
「お前が、リリティスなのか?確かにリリスの言う通り。外見的な部分においては似ているところがあるが、明らかに別人だと分かるぐらいの違いが存在している。それはさておき。ラティを何処へ連れ去るつもりなんだ?」とリリシスに話しかけると 彼女は、「別に。リティのことが気になるんだったら勝手にすればいいじゃない」と答えるが僕は「それだったら。僕は行かないぞ」と言う しかし彼女はそれでも「じゃあラティを連れていくだけ。それならいい?」と言ってくるのである。
それを言われたところで、それなら構わないと言うはずもない僕は、どうしようかと考えていた。
「それなら、私をここから出してくれるかな?」というラティスの申し出を僕は受けてみることにしてみた。ラティを守れなくなる可能性もあるが、現状でこの女性相手に戦えるのが自分しかいないという状況を考えてしまうと仕方がなかったし リリスは、目の前の女性と戦う意思を見せることはなく、黙って僕の後ろで様子を確認することにしたようである リリスが戦うことを拒否していることに対して驚きを感じていた僕は 目の前にいる女性に目を向けると彼女は僕のことを興味深そうな目をし始めながら「ふぅーん。そう。やっぱり違うんだ。そっか。ラティス。ごめんなさい。でも私はラティのためになることをしたいし。私自身の願いもあるからさ」と呟くと。僕の腕に抱きついてきて「私について来てよ。大丈夫だからさ。私を信じてくれる?」と言われてしまい。僕の心の中ではラティスに迷惑を掛けたくはないという思考が生まれてしまっていた。しかしこのまま彼女を放置することは絶対にしてはならないとも思っていたのだった。なので「悪いが。俺はまだ君のことを完全に信じることができない」と言葉を返すと ラティスと、リリリスの二人の女性はお互いに顔を見合わせてから僕の方を見るのだったが「でも。あなたが居てくれれば、私は安心してラティスを預けることができると思うから」と言い放ち。僕に向かって手を伸ばした。僕は、彼女の行動を受けてどうしたら良いのかを必死に考えるが 彼女が何をしようとしているのかを考える必要があると判断した
「リティス。お前はリリリスに体を借りている状態なんだよな?」と僕は目の前に存在する少女がいったいどういう存在なのだろうかと考え始めている。なぜならリティが目の前の存在と同じ名前を語っていることから もしかしたら目の前に存在している人物は、リティの関係者ではないのかという可能性が脳裏に浮かび上がってきており、そんな疑問が頭を過っていく しかし僕がそんなことを考えていたのを気にしていないかのようにラティスと、ラティの二人が手を繋ぐのを見ると「ねぇ。ラティスのことを任せても良さそう?それと私の名前はリティっていう名前であって。ラティスとは関係ないから勘違いしないようにしてね。それからリリティスが、あなたのことを完全に信頼しているみたいだし。リリティスとリリシスには任せたくないから」
「分かった。ラティスについては責任をもって守らせて貰おうと思う」と言い切る前に僕の視界は、真っ白になってしまい 次に僕が見た景色と言えば。見慣れた部屋が広がっていて、隣ではリティとリリスの姿が確認できると ラティは嬉しそうに僕の方を見ながら「お兄ちゃん。ありがとう!」と言ってきた それに対して僕は何も言えなかったのだが「本当に助かったよ。僕達のためにここまで来てくれたんだよね?」とラティスが語り掛けてくる それに対して、僕は、リティのほうを向いたかと思い振り返ると、そこに存在していたはずのリティと、リティの中に取り込まれていたはずのラティの肉体はそこには存在しておらず。
そして代わりに僕の目の前で笑顔を浮かべているラティスが居るのを見て驚いてしまい それと同時にラティスが僕を騙していたことを理解したのだが。僕は特に何も言わずにラティスに笑いかけてみる
「どうして笑っているんですか?もしかすると、ラティクスが私を助けに来てくれると思っていたんですよね?私もです。私も同じ気持ちだった。だからこそ、私はラティの中に潜り込んだんだけど。それなのに、まさかラティとリティと、私達三人で話せる機会がやってくるなんて思ってませんでした。それで、私としては、貴方にどうしても伝えたかったことがあるの」そう語る彼女に対して「何が目的なんですか?そもそも。貴方の正体は何者?」と問いただすように口にしてしまう その質問に答えようとしたのか、口を開けたリティなのだが「私が話す」と声を上げると「ラティ。君はラティリスとして生きていくことを選んでくれたのは感謝したいが、私が求めているのは君ではなく、リリティス。つまりリリスだよ。それに君達が今の状況になった原因はリリスとラティにある」と僕に向けて告げてくる
「それに関しては申し訳ないけど、ラティスが、ラティスがラティスリスだって知ってから、僕は二人を助ける為に頑張ったんだと思うし。それに僕達はこれからも一緒の時間を一緒に歩んでいきたいと考えている」と言うのだが、彼女は首を横に振った後に「駄目なんだ!今の私では君と一緒にはいられないとわかってしまう そう考えてしまったせいもあって私はリティリスの中で意識を失ってしまったし。今はこうして表に出て来ることが出来てはいるがそれももう限界だ」と言った直後にリティはその場に倒れこんでしまうが、その身体を受け止めることに成功した僕は彼女に回復魔法を使ってみたところ。すぐに元気を取り戻していくと 彼女は「私の事を抱きしめてくれないかな?」といって来たのだ。もちろん拒否するわけもなく、優しく抱きしめるとリティは満足そうに僕の胸板に自分の顔を押し付けてきた「やっと、私のことを受け入れてもらってる。これでラティと再会できるかな?あの子には心配をかけすぎちゃってるから早く会ってあげたい」と言うので「うん」と、だけ返した。それ以外に言葉が出なかった。リティが、なぜこんな行動に出たのかは正直分からなかったが。それを聞いてしまえば僕はリティを、ラティティスを拒絶することになってしまうのだと理解できてしまったからである しばらく時間が経過した頃にリティの方から離れると「ありがとね」と言うとリティはそのまま消えてしまうのであった 残された僕は、とりあえず、僕とリティが元居た部屋に戻ろうとしていたら、僕が、僕自身に戻ったときにラティスと出会って話をすることになった場所まで移動することができたのである するとそこでは、ラティの体が存在しており、僕を見つけると同時に彼女は、ラティの体から離れていき
「ラティを無事に守り抜いてくれて、本当に良かったと思います」と言われたのである。それを聞いた後、僕は、目の前にいるラティのことを思い浮かべながら 目の前で微笑む彼女のことを改めて見ると、確かにリリアと似ている点が存在するのかもしれないと思った
(ラティが成長した姿だな。ラティとリリイとラッティの三人が、一つになるような感覚だな。これって一体どういう状況なのだろうか?)そんなことを考えているとリリスから声を掛けられる
『ご主人様。先ほどは私のせいで大変な思いをさせてしまいまして。すいません。それからラティスはラティスリスという名前を名乗っています。私はこの世界から消えることになりますので』という言葉を耳にしたとき 僕は、リリシアの魂がどうなったのかを理解するのだった。それと共にラティと、リリスとリリスの3人で、僕の元に戻ってきたんだということを自覚させられることになるのである。ラティスから、「今までの事情を説明したほうがいいですよね」と言う提案をされた僕は まずは僕と、ラティスの関係から説明をすることにする そして僕は、ラティスに僕の持っている【真祖の心臓核】を見せると、「それってもしかして。リリスさんの使っていたものではありませんよね?」と言う反応を見せられ 僕の中に浮かび上がった疑問を解消するかのようにラティスがこう言うのである
「えっと。ラティから聞きましたよ。リスティから聞いた記憶が、全て私の中にあるみたいだから。少しだけ思い出しました。確か私が初めてこの世に顕現した時に会った人のことが私を呼び出していた方なんじゃないかなって思うの。その時の記憶がないはずなのに覚えていることって結構あるもんですね。リリティスと、ラティスのことも私は知っていたんですよ?」というと、リリシアの肉体を借りて姿を現したのは、リリティスであり。彼女は、この世界のことを管理するために存在している管理者で。この世界を崩壊へと導く要因になる存在を見つけ出すために動いている存在だということを説明すると、ラティスは、僕のことを見てから「それじゃあ。私もラティスのことを守り続ける必要があるかもね」と呟いた ラティのことをリリスが見守ってくれるなら。それは僕にとって心強いことであるし、ラティにとっても安心できることだと言えるだろう そう思っていると、リリスの身体を身に宿しているリティが現れてから、リティの方に「リリスを救い出してきてくれ」と、伝えると
「分かりました。それでラティリスは、どうしますか?」と問いかけられたのはラティスに対してだったが リティは僕に向かって言葉を返してくるのである
「お兄ちゃん。ありがとう。リティリスは、これからリリスリスとして、生きていきたいと考えているんだけど。ラティに、会いに行っても大丈夫?」
「ああ。ラティもきっとラティスに会いたがっていたと思うぞ。それにお前の事を待っていたからな」と答えると
「それなら。よかった。私としてもラティのことを大切にしてくれそうな人と、一緒になりたかったからね。私は、私を受け止めてくれた人と一緒になれればいいと本気で考えているんだよ。ラティリスに何かが起こった時に、ラティスが困らないようにする役目があると思っているの」
「それなら問題は無いんじゃないか?俺はラティスと、ラティのことは必ず守ってみせるつもりだし。もし何かあれば、ゼクスに相談すればなんとかなる気がしているからさ」
ラティに頼まれた通りに僕は、ラティスのことを守ると約束をしておいた その後で僕はラティと、僕とラティスのことを知っている人物について話し合いを行うと、やはりゼナスとラティスとラティについては知らないようで、僕とリティの事だけを彼女は認識しているようだ それとは別にラティからラティラスティスの事も聞いておくことにして、僕の身体を借りることは、出来るかと尋ねることにした ラティスは僕の質問を聞くと、僕に近づき「あなたにお願いしてもいい?」と尋ねてきた 僕は、当然、了承の返答を行い。僕とラティが入れ替わった後に ラティはラティクスの体に潜り込んで、僕達の前に立ちはだかるラティスを何とかしようと試みることになる その途中で僕達は。ゼウスと戦う事になっていたのだが。その前にラピス達と合流しておくべきと考えついた僕は、その場所へと向かう事にしたのである 2日前のことだったのだ。僕が意識を失う直前に見た、2つの光の正体を知る為に そう考えると、やっぱり。あれを見たとき僕は意識を失っている間に誰かと戦っていたことを思い出す そう考えて、どうにかしなければと思いながらも何もできない自分に憤りを感じていたら。いきなり後ろから肩に手を乗せられて「そろそろ起きたら?」と言われるまで気付かないなんて情けないとも思ったが。それでも仕方がないことだったんだ そして振り返ってみるとそこに存在していたのはラティスで ラティに「ラティスリス。いや。今はラティと名乗っていることも知っているんだけど」と言うと。ラティが、ラティティスの顔色を見つめる その様子に気づいたラティティスはラティリスに対して笑みを浮かべて「私がラティクスさんを殺したと思って、悲しんでいたんでしょうけど、もう、気にしないでくださいね」と笑顔を見せた後、ラティの頭を優しく撫でる そんなラティリスの行動に対して、僕から、ラティに対する愛情を感じ取ったラティリスであったが、僕は、今の自分が置かれている立場と状況を、把握しなければならないと考えていたら。
目の前から、ラティスの声が聞こえてきたのである
『貴方達は、これから何が起きても後悔をしないと誓うことはできます?』と言うと。僕はそれに返事を返したのだが それを聞いたラティリスが僕の手を握ると「それでは。私の体を使ってもらって良いですか?」と言って来た それを聞いた僕は どうしてその方法を取ろうと考えたのか?理由を聞いてみる
「その方法は簡単です。ラティクスは、この世界では特別な力を持った存在なのです。そして。それを利用しようとする者達が現れた場合。ラティスはそれを排除する必要があると考えていて、今回現れた相手に対してもラティスの力で倒すつもりだったんですよ」と答える ラティリスは、自分がこの世界に現れるまで、この世界でどのような出来事が起きたかを聞きたいと思っていたので僕はラティから、この世界にやって来たときのことを聞いていたので そこで聞いた話を踏まえて今の状況と照らし合わせてみると、ゼネスに呼び出されている時点で既に敵の目的は完了しており後は、自分達を始末する事で今回の目的を達成しようとしているのだと予測できたので 僕は彼女に協力をして欲しいことを頼む 僕達がラティティスの力を利用して元の世界に戻るのであれば、それに合わせてゼトスも行動を起こすだろうと判断すると、ここで時間を無駄にしている訳にはいかないと判断した僕は 彼女の許可を取ると同時にラティーとの入れ替わりを行った
「えっと。ラティ?その姿はいったいなんですかね?」と言われてしまうが、僕自身もよく分からない状況なのだから彼女に聞かれたところでよく分かるはずもなかった
『私達の力を混ぜ込んだ結果なのよ。だから私はラティスリスになったんだから』と言うと。目の前に現れた、黒髪の少女を見てから彼女は納得をしてくれたようであった そして彼女は僕に
『ラティリスの体は大切に扱うように。それから私の名前についてもラティリスって名前で呼ぶようにしておいて欲しいから。分かった』と口にする そんなことを言っているラティに。ラティスはこう言って来る
「それならば名前を考えないとダメじゃないでしょうか。そうですね、リリティスがその名前を名乗っているみたいに、ラティナリスにしたらどうなんでしょう」というので
『そうする。それでラティアリスは、リリティリスの体をどうするつもりなのかしら?もしかして私と同じ考えでいるのだと、思っていたんだけど』と言い返すと ラティスは「はい。私は、自分の身体を取り戻してから。もう一度リリティリスと二人で生きていこうと考えていまして」と答えを返してくる 僕は二人に僕の方の考えを伝えることにした 僕の提案は単純だ。二人の人格を合わせたまま。一つの体に封じ込めてしまえばいいのではないかと考えたんだ。そして僕はラティリスにこう告げておいたんだ。「僕の中に眠っている、リリティリスが目を覚ます可能性があるかもしれないが。それでも構わないか?」と言うと 彼女は少しだけ躊躇したけれど。最終的に、受け入れることにしたらしい その後で僕がリティの体を借りて、ゼニスのところに向かった時に、彼女が何をしたのかと言うことを知ることができたが。それよりもまずは リティスが僕の中で目を開いてくれるかどうかが心配になってきてしまったのである
「それじゃあ。とりあえずリリティの方の肉体の修復を始めることにするわね」という声とともに 僕は、ラティスの肉体の方に吸い込まれていった リリティリスが自分の肉体の元に戻ろうと動き始めた瞬間。私はラティスのことを自分の手で殺すことになるというのを知っていて だからこそ彼女は、私を殺すことを選んでくれたのだけど。自分の肉体が滅ぶのも嫌だったらしくて。
どうにか私を止めようと頑張ってくれていたの でも私は止まらなかった。私のせいでこの世界のバランスが崩れてしまいかねないほどの大きな事態になってしまうことも知っていた
だから私は私を止めるために、必死になっていたのね。だってこのまま私が死んだりしてしまっていたなら またゼノスに会える可能性もなくなってくるだろうから そうしたら彼は本当に死んでしまう可能性が高まってきてしまい、それだけは絶対に許せないことで でもゼクスさんはゼトスによって命を絶たれる直前になっていて。
その前にどうにかしようと動いてくれたわけなんだけれども、それもうまくいかずに終わってしまったの そしてゼノスと私が命を失った後に ラティオスがゼナスの魂と入れ替わっていたことに気がつきラティスは、ラティスとラティリスの2人がかりの状態でラティスリスに攻撃を仕掛けたのだ そしてその結果、ラティリスは命を落としかける事になり、私がラティの体に乗り移ることに成功をした。
その後、ラティリスはリッティとリリティの両方の命を奪ったと勘違いをし始め 私は、彼女を説得しようと試みたが、聞き入れることができず 仕方なく、私達2人の命を奪うことになったの そうしてラティスとゼラスはラティティスとの戦いに敗れそうになったとき。
そこにやってきたのがラティサスとゼロス そんな彼等が戦っている中 ゼラスが、ゼロスと話をすることで、ゼロスはラティサスと戦いを中断させることを選んだらしい
しかし。その間にラティスは、ラティアスの手によって殺されることになった そのあと。
ラティサスは、ラティウスによって殺されることになり 最後にゼナスも、ラティロスとラティティスに追い詰められたことで 命を落としたと聞く 結局は、この世界で起きてきた全ての出来事において。
神々は敗北を喫し 最後には世界は、混沌へと還る事になるのだが、ゼナスだけは最後まで、ラティティスに殺されそうになるゼノスのことを救い出そうとしていたのだが ラティアスが、その行動を見逃さなかった
ラティラスにラティオスは、ラティシスのことを守ってくれないかと頼むと、それを彼女は承諾をして。ゼラスの肉体を奪ってラティクスがラティラスと入れ替わった後ラティラスにラティティスの相手を任せる
ラティスはラティラスと戦う事になったが、その戦闘中に。僕と入れ替わったラティリスが現れ。そのまま彼女を気絶させ、僕の意識が戻っていたのを確認すると。
その体からラティスは、ラティスリスが抜け出し、ラティクスの体の中に入り込むことに成功して。
僕と一緒にゼニスの救出に向かい。その後はゼストとラティクスが戦った場所での戦いに参加した 僕は、ラティスリスと入れ替わりながら ラティスリスとラティがゼニスを連れて戻って来るまでの間、僕はゼメスの足止めをしていたんだ
ゼクトとの戦いで受けたダメージもあり 僕の体はボロボロになっているのを自分で確認できていたので、早く回復魔法をかけてもらえなければ僕は死ぬことになっていたのだが そんなことを考えているとラティスと入れ替わることに成功する。僕はすぐに自分の体に、治癒の魔法をかけていたら 目の前の光景を見てみると。目の前でラティスが僕と入れ代わり。その直後に、目の前の敵が倒れていくのが見えたのである ラティスは僕に対して何かを言おうとしていたようだけれど、僕としてはラティスに何も言葉を掛けることなく 目の前で倒れて行く敵に向かってラティの槍を向け ラティスに「そいつを倒してくれ」という ラティは「わかりました」と一言を口にしてから、僕の指示に従って敵を串刺しにする 僕はそれを見届けてから 目の前にある建物の中から出ようとしたのだが。僕とラティリスが外に出るとそこには既に戦いが終わった後であり。
僕はその事に安堵しながら その場に座り込み 僕が息を吐き出すと。
ラティスが僕のことを気遣ってくれるように。「ラティクス。私の方で応急処置を行いますので少し我慢していてくださいね」と言うのと同時に彼女の手が光を放ちはじめると、それと同時に僕は激しい痛みを感じてしまう 僕は、ラティから治療を受けながらも、今の状況を把握しようとしていた どうやらラティー達が、敵を倒したのを確認し終えたのか。それともラティスリスの魔力を使い切った影響なのかは分からないけど。
僕の身体の自由が再び動くようになり。僕の目の前にいたはずのラスティの身体は既に存在していないようで 僕は、自分が生きていることにホッとしたんだけど。同時に僕は自分の体に違和感を感じていた
(なんで僕は、ラティスのことをラティスリスと呼ぶんじゃなく。普通に名前を呼んだんだろう?)と思っているとその答えはすぐに判明してしまう
『お久しぶりですね。ラティス。いやラティリスと、言った方がいいんでしょうか?』とラティリスに語りかけられ 僕の中で、もう一人のラティスが目覚めたんだと、理解できた。
ラティスが僕のことを「ラティ」と呼び。
ラティスは僕を「ラティリス」と呼んだ そうすると僕の目の前にいるのは、ラティスと、ラティリスになるのかな。そんなことを考えてみたりすると。ラティスから話しかけられる
『えっと。とりあえず今はお互いの名前について話している暇はありませんから。とりあえず今から、あなたの傷を回復させますね』と言われ。
彼女は、僕の体を包みこむように両手を当てたかと思うと。そこで光が溢れだして僕の体を優しく照らし出してくれた ラティリスはどうなったのだろうとラティスのことを見ていると、彼女は僕のことを見つめていて 僕は彼女に何が起きたの?と尋ねてみると
『あなたとラティスの肉体は、元通りになっていますよ。ただ、ラティとリリティの人格が統合されていますので。二人の人格を持つことになったんですが』
僕の中のラティがラティスとリリティリスを統合して生まれた新たな人格が。ラティアスということなのだと、思うんだ 僕はそのことをラティスに告げてから どうしてそうなったのかを聞いてみる ラティスからの話だと。元々ラティスの中にいたラティリス。ラティスと融合した時に僕の体の中にはいった、リリティリス。それから僕の中で眠っていたゼネス。
それら全ては統合されることになり そして今の、僕には、ラティ、ラティス。それにゼクス。さらにリリティリスとラティアスとリリティリスが統合された状態のリリティが。ラティサスの中に存在してしまっているので。
ラティナスがゼナスの魂を持っているのと同じ状態で存在しているということになるみたいだった ラティスは、「私はラティリスと一つになったことによって、リリティとリティも一緒になることになったようです。そして私はラティシスとして生きることにしたのですよ」と笑顔を浮かべて僕に言ってくれた 僕が、ラティスの事を抱きしめていた。
僕はもう大丈夫だと言ってくれる ゼニスの方も目を覚ましてくれて、ゼノスの意識を取り戻してもらうと 彼は、ラティサスに戦いを挑んでいく ラティサスの力は、神であるゼクスとゼトスよりも上らしく まともに戦うことができない状態になっていた そんな中でゼニスからの言葉を聞いたゼノスは、どうにかこの状況を変えることができるのではないかと考えていた。
しかし、ゼノスは、この世界のバランスを崩しかねないような行動を起こしてしまっていたのだ それは、ラティアスに、自分の持っている知識を全て譲渡するという行為 それによって、ゼニスは、自分に与えられた役目を果たしたとでも言いたいかのようにゼオスの前から消え去ってしまった その事を知ったラティオス達は、自分達の世界を守るための行動を開始し ゼラス達との戦闘が始まったのだが ゼナスが、ゼラスとの戦いに敗れそうになった瞬間。その前に突然と現れ。その場に介入して来たラティシス 彼女は、ラティスとの戦いに敗れたはずなので。彼女が生きて戻ってきたことに疑問を持っていた ラティラスとの会話によってラティシスはラティリスと融合してラティアスになり復活をしたのだが。
そんな事を知らないゼノスは、ゼニスがラティシスのところまで行って何をするつもりなのだろうかと思いながらもラティシスの相手をすることになったのだ だがゼノスは、ゼノスとゼストが戦っている間に、ゼティスに殺されかける寸前に、ラティトスに助け出され その隙を利用して、ゼラスがラティラスと戦うことになった だがラティスはゼラスがゼラスに勝てるわけがないと思っていたのと、ゼロスにラティスが倒されてしまうのはまずいとゼラスを操って戦わせてゼロスの体力を奪うという方法を取り。その事でゼロスはラティラスと戦うことになり ラティスはラティラスと入れ替わってからラティスリスへと戻り ラティサスに攻撃を開始することにしたのだが。
そこに現れたゼナス ゼナスはラティスの攻撃を防御することに成功し、反撃をしようとしていたのだが そこに突如、空から巨大な隕石が落ちてきて ラティスの攻撃を防ぐことに成功したのだったが その直後、ゼラスはゼラスと入れ替わることになるラティアスはゼラスのことを追い詰めていき このままではラティナスによって殺されてしまうと感じたゼラスはラティスと入れ替わり。その後すぐにゼニスがやってきたのだが そんなゼメスの前に、ラティラスが現れゼラスにとどめを刺そうとしていると、そんな時、急に空が明るくなり始めてその光を見たゼメスの目がくらんでいる間 ラティオスはラティクスを救い出すことに成功をしていた。
ラティスがラティクスに回復の魔法を掛けたことで、僕は動けるようになり。そのまま目の前の敵を殲滅することにしたので まず初めに、ゼノスが相手になっているゼラスを倒すために接近して、その体を斬りつけたら その一撃がゼラスの命を奪い。次にラティロスの剣を使ってラティスと戦っているゼティスに対してゼノスが仕掛ける ゼティスの意識を奪ったところでゼニスがゼメスの元にやってきて
「さぁ終わりにしましょうか」と、声を出した 僕はゼレスにお願いしてラティスとゼティリスを、ゼラスから解放してもらい 三人で、ゼティスとゼメスとゼメススと向かい合い。僕たち四人は戦いを始めようとすると そこに、僕たちを邪魔をするような形で。目の前の敵のボスが現れたのであった 僕はラティアスの姿に変化をしながら。ラピスが変化した女性と一緒に、神々を全滅させるべく動き出すと 目の前で起き始めている、戦いを見ながらラティオはどうしたものかという表情をしているのだが そんなことは気にせずに。僕は自分のやるべきことに集中をしていた。僕は目の前の敵がこちらに気付くまでの間、ひたすらに攻撃を仕掛け続けていたのである。そんな状況の中で ラティスは自分の中に存在していた、リティスの存在を感じることができ。それと同時に彼女の力を借りてラティニスの能力を覚醒させてもらったりしていたのだけど。
それでも、僕だけでできる範囲は限られているため 他の人の手も借りないと、ダメだろうと思ってラティスに、僕の身体のことや、今までの事を説明した上で協力して欲しいと言うと ラティスから「分かりました。あなたがこれから何を目指すのかは理解しましたから。私がサポートいたしますのでよろしくおねがいいたします」と言われてしまう ラティスのサポートを得たことによってかなり楽になる部分もあるので。
ありがたいと、思いながら僕は、ゼラスと戦いを続けていた ラティスに教えてくれた能力も使い、ラティティスの持っていた技をラティアスから受け継いだラティリスも、同じように使う事ができる ラティスが僕の体を使いこなすこともできるようになっているので。僕が動かせる範囲はかなり広くなってしまっているんだけど ゼノスが僕の体を使うことも可能になっていて、二人でラティスの身体を使うことで。ラティスの動きを再現してラティティスと同じ動きができるようになる そして僕がラティアスから引き継いだ力で 相手の記憶を見ることが出来るようになり。僕はそれを使って 僕たちの目の前に現れた男の素性を知る 目の前にいる男が何者かを知ろうとしたのである ゼノスが僕のために時間を作ってくれたお陰なのか ゼティスを追い詰めたと思った次の瞬間にゼトスが僕の前に現れてしまい ゼトスは僕のことを見下すような態度で、話しかけてきたのである
『まさか。君のような存在に、私の部下たちが倒されることになるとは思わなかった。だが、私の前に立ったことが君の運の尽きだったようだな。お前の存在はあまりにも危険なんだ。だからこそここで排除させてもらおう。死ね』と言い そして僕の方に向かって来た ゼネスが僕に向かって来ていたのだが、僕の体が勝手に動くのを感じ取り。そして、僕の体とゼナスと交代をして、僕の体にラティトスの能力とラティスリスの力で、ゼネスのことを圧倒し始めていた 僕の体の方はゼネスのことを抑え込み その間に、僕はゼナスのほうの対処をするためにゼノスの力を使おうとしたのであるが。その時に突然にゼノスの力が暴走してしまい、ラティティスの肉体から追い出されるように僕の肉体から飛び出してしまった 僕は自分の肉体に戻り。ラティスがラティアスから受け継いでくれた魔力を使って 僕は僕自身の体に纏わせるようにして。ラティオスの姿に変わり。僕はゼノスの体に近づいていき。ラノスはラティスの魂を取り込んだゼラスと入れ替わったゼノスの姿を発見すると僕はゼノスが手に持っている武器をどうにかしないと。僕自身がラティスのように消滅させられてしまう可能性が出てくるので 僕は、僕の身体とゼノスの体に近づき 自分の肉体を自分の意志で操作できるようにしてゼノシスの方を向くと。ゼオスの体はラティスから受け継いだ魔力によって強化されており 身体能力だけでも相当なものであり さらにゼストと入れ替わったことによって、ゼノスの持っている魔剣の力とゼクスとゼトスの力を同時に使うことができるようになったのだけれど そんな状態でも僕はなんとか持ちこたえることができたのである ゼティスが僕を庇ってくれたので。僕はラティスから受け継いだ魔法でラティスの使っていた防御魔法を発動すると、ゼノスの攻撃を完全に防ぎ切ることに成功する それから僕の方に襲い掛かって来たゼノスのことをラティリスが作り出した空間の中に隔離して。
そのことで、僕のことを殺す事に失敗したゼノスはラティラスとラティアスの攻撃を受けることになった ゼリアスはラティスと入れ替わる形でゼノスにとどめを刺し。これで、残る神の数はあと二匹になってしまったのではあるが。
ラティスがラティサスに姿を変えてから、目の前のラティス達を相手にしている そこでゼストはラスティの体を借りると、ラティスと同じようにラティスの記憶を見ることが出来 ラティスから教わった技術を使って 目の前のラティスに攻撃を加えていく ゼノンはゼラスの攻撃を受けているのだが それを見ていたゼラスが自分の体からラティスを出してきて 自分がラティスの相手になった
魔王様はお見通し? ~魔物の心を読む俺に死角はない!~ あずま悠紀 @berute00
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