魔王様は落第寸前! ~魔族に転生したけど、勉強が苦手だから人間の国には行きたくないんです。だからお城でのんびり暮らしていこうと思います。あと、可愛いメイドさんも欲しいなぁ~~~っ!?~

あずま悠紀

第1話


「俺はお前を救いたいんだッ!!!!!」――俺の声が届いた時、「魔王の娘」の瞳が大きく見開かれ、その頬を一筋の水滴が流れたように見えた。

それはきっと、錯覚だ。だけど確かに感じたんだ。今度こそ、間違えないと。

******

「え?あれ?どういうことだ?」

目の前にいる黒髪ロングヘアーの少女の顔を見るなり、思わずそんな疑問の言葉を口にしてしまうほど混乱する少年――田中浩平(たなかこうへい)。しかしそれも無理はない。なにせ突然見知らぬ場所に転移して来たと思ったら、いきなり自分が「異世界の魔王を倒した伝説の勇者」だとか言われた挙げ句に、自分の事を「父上」とか呼ぶ変人女が現れたのだ。いくらなんでもこの状況について行けなくてもしょうがない。

だがそれでも浩平はまだ理解できない部分があるのか首を捻っていると少女が声をかけてきた。

「ふむ。なるほどのう。まさかそちのような者が勇者とは驚きじゃったわ」

「あ、あんたが喋ってるのか?っていうか本当にお前何者なんだ?どうして俺の名前を知ってるんだよ」

少女が流暢に話す言葉は日本語ではなく、おそらくどこか遠い国から訪れたであろう外国人のものだというのは間違いないはずだが何故だろう、何故か彼女が日本語で話していることを理解している事に戸惑いを覚えると同時に浩平はさらに尋ねると、

「妾の事については後回しにするがよい。今はそれより大事な事があるのでのう。それにしてもまさか妾を倒す為にここまでやってきたものがおるとは予想外であったがのう」

と言って笑みを浮かべながら浩平へと近づき両手を広げて抱きしめようとする仕草をする少女に対して浩平は思わず身構えるがすぐに思い出す。

「そうだ、思い出した!お前確か俺の元いた世界に居たよな!」

(こいつは以前、俺の家に勝手に入り込んでテレビやらゲーム機なんかを持ち出したあの変態痴女の親戚じゃないのか?)

という疑問を抱きながらも少女を見るとやはり以前家に押し入ってきた金髪ロリババアと同じように黒いゴスロリドレスを着ていて背中からはカラスみたいな真っ黒の翼が見えるがそれよりも目立つ物があったのだ。それが頭の左右についたまるでネコミミを思わせるような尖った耳なのだが、それを目にすると浩平はあることを思い出し慌てて口を開いた。

「あーっ!!!」

そしてそれを見てようやく思い出す事ができた。

(こいつアレじゃないか!?そういえば昔読んだネットのサイトの

「勇者召喚したらなぜか魔王が出てきちゃいました~!?~【第2部】勇者様の性奴隷になりました」って

「え?ど、どうしました勇者さま?」

「ちょっと黙れ!!」

唐突に大きな声を出す自分に驚くメイドの少女に向かって叫びつつ少女の方を見てみるとやっぱりそうだ。間違いなくこの女の子には心当たりがある!!というか絶対に知り合いだ!でも名前が出てこないけど誰だったかなぁ?と思い出そうとしていたのだが。

(くっそ!せっかくいいところだって言うのに出てくるなんて最悪だよちくしょおおおっ!!!俺まだ名前聞いてないし!!っていうか名前覚えてるのが当たり前だろ!?あんなに毎日遊んでやってたの忘れるはずねえだろボケェエエッ!?マジでふざけんなよクソガァッ!!!俺の人生がかかってんだからもっとちゃん

「あ、もうよいぞ?」

しかし、怒りに任せたまま叫ぼうとしたところで不意に少女からそんな言葉をかけられると同時に彼女の姿がかき消えてしまったのだ。そのあまりにも突然すぎる事態を理解できず呆然としている浩平の前で、

「ええ!?あ、あああなた今そこにいた方どこに消えたんですか!!」

そんな浩平とは対照的に今まで見たこともない光景を前に驚愕の声を上げる猫獣人のメイドがいた。だがそれに対して答えられるほどの冷静さを持ち合わせていない浩平は目の前で何が起きたのかを必死になって考えていた。するとその時だ。

――ドクンッ 心臓が激しく脈動し始め、体が急激に熱くなりはじめたのを感じると体から一気に力が抜ける感覚に襲われてしまいその場に

「おい大丈夫かいアンタ?」

崩れ落ちる浩平を支えてくれる男の腕が見えた気がしたが今の彼には答えることも出来なかった。そして薄れゆく意識の中で、自分がこれから何をするべきなのかを考えるも思考は纏まらずやがて浩平は完全に気絶してしまったのであった。

*****

***

目が覚めると見慣れた部屋の天井と心配そうな顔を浮かべる

「うわああっ!!ごめんなさあああいいっ!!」

浩平の目に飛び込んできたものは泣きべその表情をした銀髪ロングヘアーの少女の顔でありそんな少女を見た瞬間浩平は反射的に謝っていた。

――ドォオオン

「え?ええ??い、いったいなに?ええ??」

ただいきなり土下座しながら大声で謝り始める浩平に訳がわからず戸惑っている 目の前のメイド姿の女性だったが彼女は少しの間困惑するもすぐに落ち着きを取り戻す。だが、そこで彼女は自分の胸の奥にある違和感を覚えたのだ。

「あ、あれぇ~なんだかさっきよりなんだか苦しいような」

と言って不思議そうにしている少女の事をじっと観察するように見ている浩平。

「あのぉ、さすがにそんなに見られるのって恥ずかしいん ですけど」

顔を真っ赤に染め上げていく少女を見つめながら改めて思う。目の前にいる少女の容姿は美少女といっても差し支えないレベルだと、そして、そんな彼女を一目見て、浩平はある事を理解した。

(なるほど。これはきっと夢に違いない)

つまり、これは悪夢なのだと彼は思った。というのも浩平がこの少女と会う時はいつも何か問題が起きる時だからだ。なので浩平はこの世界に来る前の記憶を呼び起こしてみて気がつく。

自分が勇者と呼ばれるようになってしまって、異世界の魔王を倒した時に自分が勇者として崇められようとか、そういうのは絶対にゴメンだと思いつつも

「勇者よ!我を倒してくれ!」とか言われる度に断っているのだがそれでもめげずに言い寄る勇者志望のバカ共がいるんだよな。しかも全員女の子とかありえないし!俺はホモじゃねえって何度も言ってんだろうがボケカスクズがあああああ!!!と内心で激しくキレ散らかす浩平だったりする。ただ今回に関しては違うようだが

(だけどこんなかわいい子に襲われるとかどういう展開?俺が勇者になったせいなのか?それともこれってアレですか?よくある異世界転生ものでチート能力もらった結果、俺最強じゃね?みたいになったら調子乗った主人公達がヒロイン達を殺しまくるパターン!?)

という不安を抱きながらも浩平はある可能性にたどり着く。

(っていう

「ひゃっ!」

突然の悲鳴と共に少女の声に驚いてしまうもすぐに目の前にいる少女を見るが彼女は自分のスカートをたくしあげていて、それを目の当たりにして浩平の頭が一瞬だけ真っ白になった。だが、すぐに目の前の現実を受け入れて慌てて止めようとした浩平。だがそれより先に彼女の口からとんでもない言葉が飛び出たのだ。

「ちょ、ちょっと待ってください!そ、それはダメェっ!」

(へ?何?なんのこと??)

少女が言っている意味がよくわからないままとりあえず目の前で行われている事

「や、やっぱりだめですよ!」

(な、なな、なんだ!?どういう状況だこれ!?一体、

「な、なにしてるんだ?」

混乱した浩平の声を聞いてビクッと体を跳ねさせるように驚く少女。すると浩平の顔を見て頬を朱色へと染まっていく。その様子を見る限り嫌がっているようではあるが

「え、あ、あうううううっ!!」

声にならない声を上げながら涙目になりながらも必死になって浩平に向かって叫ぶ。

「ゆ、勇者さまああっ!!」

――ピョーンッ 少女は勢いよくジャンプしたと思った瞬間、そのまま空中で綺麗に一回転をして浩平の腹部の上に跨ってきた。その際の感触が心地よいと思える

「おおうっ!!」

浩平が歓喜とも取れる声を上げた次の瞬間、自分の体に少女のおまたが接触したことに気づいて慌てて離れようとするも

「むぐっ!!」

今度は自分が寝ていたベッドに押し倒されてしまう。そしてそれと同時に視界の端に少女が手に持っていたものを見つけてしまった浩平。それを見て浩平は確信する。

「ふむ。どうしたものじゃのう。勇者様がここまで積極的になるなど妾としては嬉しい誤算であるぞ?」

「あ、あなたは誰なんで すか?」

「そう言えば名乗っておらぬかったの?ならば改めて自己紹介させて頂こう。妾は魔王の娘、エルミアと言う者じゃ。気軽にはるかさんと呼ぶがよいぞ?」

と満面の笑みを浮かべている。しかし、その表情にはなぜか狂気

「なっ!そ、それが本当なら早くここから出してください!今すぐあなたを捕まえて牢屋に連れていきますから!もう私は逃げられませんよ!」

(なにい!?なんだこの状況!?まさか、こいつまさか本当に

「何を馬鹿なことを言っておる?それに今更逃がしてなるものかえ」

(うわぁ~すんごい笑顔なんだけど!?っていうかヤバいよ!マジで貞操の危機を感じるんだけど!?ど、どうにかしないとマジで終わる!!!)

なんとか逃れたいと思うが、目の前のエルミアという名の少女が馬乗りになって浩平の動きを封じている為 何もできない状態で。

そしてついに、その時が来てしまう。

「それでは行くぞえ」

「え?」

そして、目の前の少女の手が自分の首筋に触れたと感じた直後、浩平は目の前の少女の首元で小さな光が生まれると同時に意識を失ってしまった。

浩平は目を覚ました時には見覚えのある部屋の中に居た。

だが以前とは違いその部屋は窓の外から光が入ってきていない事もあって部屋の中が暗く見えるのだ。

そしてこの部屋は間違いなく浩平の部屋だと確信したのだが以前とは違う点もある。まず最初に感じたことは自分の手がなぜか誰かの手で拘束されている事だった。さらに足の方も同じだ。そして手は何かで縛られているような感覚があって動かす事ができない。

(くっそ、動けねぇ!!というかこの体勢は一体、というか俺どうして

「ん~っ!!」

いきなり隣から聞こえてきたそんな女の子のような可愛らしい悲鳴が耳に入り浩平は焦ってしまう。

声の方を向いてみるとそこには銀髪ロングヘアーのメイド服姿の少女がいた。しかし、そんな少女もなぜか腕を背中にまわされて縛り付けられている状態だったのだ。そんな状態のメイド服を着たままの少女に密着している浩平だったが

――ブォン 突如自分の体の周囲に白い炎のようなものが現れ、自分の手を包み込む。だが不思議と熱さは全くなく逆に暖かく感じるのだ。そして、その炎のおかげで少しずつ暗さが無くなり周囲が見えてくるようになった。すると

「これは!?」

自分の目の前で驚愕のあまり大きく口を開けながら硬直している銀髪ロングヘアーの少女が居る。しかし、それも当然の事だと言えるだろう。何しろ少女の体の周りには真っ黒に染まっている無数のナイフらしきものが突き刺さっているのだから だが、それだけではない。少女の周囲だけではなく浩平の周りからも同じような黒いナイフが突き出していており

「ひいいいっ!!」

その光景を見て浩平は絶叫してしまった。そして、同時に自分の体が自由に動かせるようになっていたのもわかった。そして

「お、お願いします!どうか助けてください!!」

涙を流しながら懇願する銀髪少女の姿があった。そんな彼女を見た浩平は

「だ、大丈夫です!安心してください!!今すぐ私が助けてあげま

「ほぉ、なかなか元気がある奴じゃないか」

突然聞こえた男の声。聞き慣れないその声に反応するように振り向いた瞬間浩平の顔色はみるみる青ざめていく。そこに居たのは魔王の娘と名乗ったエルミアと呼ばれる少女と同じ容姿をした金髪の男であり――ゾワッ

「なんじゃ。貴様らまだ生きておったか。しかも二人揃ってか」

目の前に立っている男の放つ殺気に思わず息を飲み込みつつ、浩平はすぐに悟る。自分はおそらく死ぬことになるだろうと

「だがしかし残念だったのぉ。もう少しだけ遅かったならお前達は死んでいたであろう」

「う、嘘ですよね?私達はまだ死にたくないですよ!!」

「それは無理というものじゃ」

絶望のどん底に落とされたような顔をしながら助けを求めるような目で見つめる少女に対して無慈悲に言い放った。

「さあ勇者、そろそろ我を倒しに来るといい」

「え?」

「なんだ、気がついていなかったのか?これはゲームなのだ。我が作り出したこの世界でお前に勝つことができたのならばここから出ることができる。つまり、我に勝てばこの女を好きにする事ができるのだ。もっとも負けたのであればこのままここで死ぬまで暮らすことになるがの。ちなみにこのゲームをクリアするまでここから出ることはできないぞ?」

魔王の言葉を聞いて目の前にいる魔王を名乗る少女をまじまじと見てしまう。目の前にいる少女からは威圧感や覇気などは一切無く、見た目だけならば普通に見える美少女でしかない。

(だけど俺の目の前でこんな大げさに言っているってことは絶対に罠に違いない)

「おい勇者よ、早く始めるとしようか。それともその気は無いとでも言うのかい?」

魔王がニヤリと笑ったのと同時に

「や、やります!やらせてください!!ですから私の仲間を助けてください!!」

「良い答えじゃな勇者。さあ始めようではないか!!」

そして始まった戦闘 勇者は攻撃を開始するが、相手は避ける様子が無い。

「なんで、なんで当たらないんだよっ!!」

勇者の攻撃が当たることは無く空を切るばかりである。だがしかし勇者も黙って攻撃を受け続けているわけでは無かった。

相手が自分を攻撃しようと構え始めたタイミングで攻撃を仕掛けたりと 徐々に追い詰めて行き、 そして、ついに一撃を与えようとするも、寸前のところで避けられてしまった。だが、そこで相手の異変に気づいた なぜならば今までの相手は全て回避した後に隙が生じて反撃をしてくる。なのに

「どういうことだ。何故貴様は逃げようとせんのだ? 勇者の問いに対する返事はなく。

「もう諦めてもいいんだぞ?降参した方が身のためだと思うがの?」と笑いかける

「冗談を言うなっ!」と言い返し、さらに勇者は攻撃をするが またもや寸での所でかわされてしまう

「そ、そそそ、そんな、なぜですか?」と魔王の目の前にいる少女が動揺した表情を見せながら問う。それに対して魔王が答える

「くっくっくっ。この程度の実力しか持ち合わせていないという訳じゃろうな。いや、この程度で十分だったというべきかもしれんな。なにせこれから殺される運命だというのにもかかわらず、目の前にいる娘を救えると思っているような愚者だからのう」

そう言った直後に魔王が勇者へと視線を向ける

「勇者よ。貴様に最後にチャンスを与える」と言って指をさすと同時に

――バキィッ!! 何かが折れる音が響く

「ぐあああぁあぁっ!!!」

勇者は突然全身を襲った激痛によって悲鳴を上げてしまい地面に崩れ落ち、悶絶しながら転がっていると

「貴様には失望した。もはや我の前に立ち塞がることは許さん。故にもう一度だけ聞く。我の質問に正直に答えてはくれぬだろうか?今からでも遅くはない。素直になるのじゃ」と その言葉を聞き勇者

「あがぁああっ!」と叫び声を上げてしまうが痛みは収まることはなくそれどころかますます酷くなる一方で

「どうしたのじゃ?早く言わねば死んでしまうぞ。それでも良いのかえ?」と聞いてくる。それに対して「嫌だ!絶対嫌だ!死にたくなんか無い!」と叫ぶも魔王は「くっくっくっ。なら仕方あるまい。そのままゆっくりと楽にしてやるわい」と剣を取り出した直後 突如勇者の腕から大量の出血が起こると共に腕全体が膨れ上がり骨が露出し始めた事に気づく だがそれと同時に痛みも無くなりようやくまともに喋れるようにはなるのだが既に勇者の意識は無くなっており完全に白目をむいている状態である そして再び目を覚ますも

「こ、今度は何だよ!こ、これ、一体何なんだよ!?」自分の体が先程と同じように無数の刃物で貫かれていたのだが更には腕も切断されており上半身の皮膚が剥がされているような状態だった。そんな状態で倒れている勇者の頭上から「ふむ。まさかとは思うたがやはりダメだったか。これで貴様はこの世界ではもう生きてはいけんだろうな」という言葉と共に首根っこを掴み上げられ持ち上げられる

「貴様を殺す前に一応名前ぐらいは教えておくとするかな」と

「私はエルミア。魔王の娘としてこの世に生まれた魔族」

そして「だが今はもう違う」と付け加え

「今の私は魔王様の部下でメイドだ」

と続けた後

「ではさようならだ」と言うのと同時に勇者の体は一瞬だけ宙を舞い、次の瞬間には真っ二つになっていた その後

「お、お願いします、助けてください。私はただメイドになりたいだけです」と震えた声で訴えるが

「はっはっは!いい加減諦めたらどうかねぇ?」と嘲笑される。

そんな状況を見て浩平は

――ドクンッドクンドグンッ 自分の体に激しい熱が

「ひいっ!!ひいいぃっ!!」と悲鳴をあげながら体を仰け反らせる。同時に体が痙攣し始めるも その様子を見かねたエルミアが魔王に話しかけると、それを待っていたかのように浩平は意識を失ってしまった。しかし、意識を失ってからも浩平の体に変化が起きており、まるで内側から肉や内臓を食い破ろうとするように暴れ回っている。そして

「ひ、姫様、申し訳ございません」と口元を抑え吐きそうになるも堪え、どうにかして浩平の体を拘束している縄を解く すると、その瞬間浩平の体の表面に無数の傷が現れ、それが瞬く間に広がっていく。そのあまりの光景を目の当たりにし、その場にいる全ての人間が驚愕してしまう

「はっはー!こりゃ凄いなぁ」と愉快そうな声を出しつつ魔王は浩平の元へと近づき、その姿を見てみるとそこには人間と呼べる存在の姿はなかった。体の表面が真っ赤に発光し始めている。その様子はとても普通の人間の体だと思えず

『うおぉぉおぉぉっ!』と絶叫した後 その勢いのままに周囲の木々を押し倒しつつ走り始めた。しかもそれだけに留まらず、森の外の方に向かっていったため

「お、おい!待て!!」と呼び止めるが、すでに遅かった。森の中を走り抜けていくその姿は完全に化け物にしか見えず すぐに追いかけようとするも、あまりにも速く移動しているため 魔王ですら簡単に追いつくことができないほど

「クソッタレが!!なんなんだよアイツ!!おいエルミア!!」

「はい」

「あの馬鹿を止めるために急いで向かうぞ!!」

「畏まりました」と言い残してからエルミアは自分の部屋へと向かった

***

それからしばらく経ち

「ぜぇ、ぜぇ」荒々しい呼吸音を立てながら浩平は走っていると、いつの間にか目の前に大きな建物が存在していることに気がついた。そして、それを見た瞬間に

(なんだあれ?)と疑問を抱きつつも、何故か無性に気になってきた。

(とにかくあそこまで行くか)と走る速度を上げて行き建物の前に到着した直後に扉を開けて中に入ってみることにする すると中には大勢の子供達が居たため、

(え

「わ、あぁ」と思わず驚きの声を上げると 一人の少女が気付いたようで、声をかけられてしまう

「あ!君だれ?新しい人?」と嬉々とした様子で近づいてくる。

そしてその子の後ろから

「あ、ずるぅ~い」と言ってもう一人の少女が姿を現し

「ねえねぇ、どこから来たの?」と言って質問してきたが「あ、え、えっとぉ、あはははは」と苦笑いを浮かべてしまうと 二人の少女は不思議に思ったのか「「?」」と同時に首を傾げるも その時になって初めて他の人の目線に気付き

「な、なんだよ」と少しだけ怖くなりながらも言ってみた しかしそんな

「なんじゃ、そんなに怖い顔をしおって」と目の前にいた少女に声をかけられた事でさらに恐怖が増し

「うおっ!!誰だよ!?」と叫んでしまう しかしそれに対して「妾は貴様らの言うところの魔王じゃが?」と言われても当然理解できるはずもなく ただひたすら困惑するばかりだったがその直後 魔王と名乗る少女の背後にある物が視界に入り込む それは剣の柄で魔王はそれを手に取るとその先端が光輝き始めた直後に振り下ろされそうになったところで「ちょっ!?まっ!?いきなりは勘弁してくださああぁぁあぁいっ!!!!」と叫んだ だがそれでもなお

「安心しろ、一瞬で終わる」と冷淡な口調で言われる だがそこで浩平はハッとした顔を見せ、

「あ、そうだ!俺の質問に答えてくれたなら命は保証します!」と叫び出すと、その言葉を聞いたせいか魔王が

「貴様は何を言ってるのだ?この状況がわかってないのか?貴様の命は既に終わったようなものだ。ならばせめて楽にしてやるだけだ」と言ってくる そして、それと同時に振り下ろした しかし間一髪で回避に成功するも「チッ、外したか」と悔しそうに舌打ちをし再び攻撃を仕掛けてくる だが、それも全て回避に成功。

そんな事を繰り返そうとしていた時だった

「くっくっくっ。どうしたのじゃ?逃げる事しかできないのか?」と笑われてしまい、それに対して浩平はイラついた様子を見せると

「いやいや、ちょっと考え事をね」と言い返しながら魔王の動きを観察する すると浩平の目

「ふむ。なにを考えているか知らぬが無駄だぞ。貴様に勝ち目はありはしない」

「くっくっくっ。そういうお前こそ。なんだよその力は。ただの力押しじゃ無理なはずだ。なら別の力を使えば良い。それぐらい簡単なことだと思うけどねぇ」と挑発するような態度をとるが魔王は特に反応を見せなかった

「まぁ、良い。そっちの方が面白そうなので乗ろう」と笑う 直後、動きを止めたかと思うと次の瞬間に浩平へと襲いかかる そして再び攻撃を回避すると、今度は魔王の蹴りが顔面に命中するも

――バシィィッ!! 魔王は「ほぉ」と声を漏らしながら

「今のを避けるとはなかなかやるではないか」

「あ、ありがとうございます」と答える だが内心はかなり焦っていた。

今の攻撃は今まで戦った中でも最強と言っていい程の一撃だったからだ。

それをまともに喰らえばただでは済まないだろうと思っていただけに 今の一撃は確実に避けたかったというのが本音だ

「どうやら我のことを舐めていたようだがこれでわかっただう?次は本気で行かせてもらうぞ?」と言った後に再び攻撃を繰り出してくる だが今回はさっきまでの一撃とは大きく違っていて速さだけでなく威力までも格段に上がっており避けるだけで精一杯だった そんな状況が続いていた最中 突如浩平がニヤリとした笑顔を見せ「な、なんなのだ。その余裕に満ちた表情は。なにか狙いでもあるというのだろうか」と言うと浩平はこう

「いーから、さっさと終わらせればいいじゃねぇか」

と軽く流す

「クッソが!もう許さねぇぞテメェ!!」と魔王は怒鳴り散らすと先程よりも速いスピードで迫り来るも浩平はそれに合わせ 剣がぶつかり合う 直後、周囲に金属が衝突する甲高い音が響き渡ったが

「んぐっ!!」魔王の顔は痛みのせいで歪んでしまった

「あ、あれは痛いよねぇ」と呟きつつ浩平の方に視線を向けると、その腕からは血が滴り落ちており明らかに骨に異常があるように見えた すると魔王はその痛みによって思考が鈍ってしまい判断能力が低下してしまったのか

「こ、このままでは不味いな。とりあえずこの場を離れるとしよう。まだ手はある」とその場を離れようとするも「させっかボケが!!」と浩平が大声で叫ぶ そしてその声に驚いている魔王に追撃の刃が向けられるがギリギリの所で魔王が身を捩らせ直撃は免がれ

「な、なぜ、こんなにも速く動く事ができる」と驚愕しながらも距離を取った魔王は魔王の瞳には映らなかった何かを見て その隙を突いて浩平は魔王に接近し

「終わりだよクソ野郎!!」と叫ぶと渾身の一撃を放つ 魔王の腹には深々と剣の刀身が突き刺さったかと思った矢先 魔王の腹部に穴のようなものが現れ、それが徐々に広がっていく。するとそこから鮮血が大量に吹き出したかと思いきやその体は地面に倒れる

「ぜぇ、ぜぇ」荒々しい呼吸音を立てて膝をつくも魔王の様子を確認する すると魔王は完全に息を引き取っており、死んだのだと確認した後でゆっくりと魔王から離れるも魔王の方へ近寄って行き剣を振り上げる すると

「待ってください!!」エルミアの制止の声が聞こえた事に気付くと その声に従い

「何の用だ?」と問い掛ける そしてエルミアが説明しようとした時、不意に誰かが部屋の中に入ってきた。その人物が部屋に入ってくるなりに「あーっ!魔王さま死んじゃってるじゃない!!」と驚いたように言いながら駆け寄ると「おいこら起きなさい」と何度も魔王の頬を叩き続けるも「おいこら、こーのバカ魔王!早く起きて!!」と叫んでも起きる気配がない そればかりか、その様子を見ていた少女が「あの~?もしかしてですが」と言い出しエルミアもそれに同調するように「はい、魔王さまは一度死んでいます」

「「えぇぇぇぇぇぇっ!?」」と二人同時に驚きの言葉を上げる そしてその後で魔王が意識を取り戻し、

「はっ!?妾はいったい何をしておったのじゃ?」とキョロキョロし始める すると魔王が「あれ?そういえば妾ってなんで生きているの?」と聞くと少女は

「そりゃあんたが死にかけたから私達三人の力が共鳴しあって蘇らせたって感じかな?」と簡単に説明すると魔王は

「おぉぉぉ!!流石じゃな!」と喜び始めたのだが少女の方は不満気な顔をしながら「いや、全然すごくないし。そもそもアンタが油断してなければこうはならなかったんだからね」と文句を言い始めると、魔王が申し訳なさそうな顔をしたのと同時に

「ご主人様、この子誰ですか?」

「ん、俺のメイド」

「いやだからそう言う事を聞いてるんじゃないですよ。誰なの?」

「こいつは俺の元奴隷」と答えると少女が「え?奴隷って、つまり私のこと?いや、確かに私はこの男の奴隷だけどさ。まさか、そういう趣味があったの?」と言い出すと「いや、違うって。別にそういうわけでもないって」と否定するが魔王が「あ!でも、貴女もさっきコイツに殺されてたじゃないか。なのにどうしてそんな事が言えるのじゃ?」と不思議そうにしていると少女が

「あぁ、それはね。魔王さまは知らなかったみたいですけどこの世界はね、私達みたいな奴等が作り出した世界でそこに住まわせているの」と言い放つと 魔王は「ふむ。それで貴様は何者なのじゃ」と言う すると少女は

「あぁぁぁっ!!自己紹介がまだでしたよね!?すみません。私はアリスと言います」と言い出したところで魔王が突然慌ただしくなり

「すまんのぉ、妾の名はミルキーと言うのじゃ」

「うん、知ってる。まぁとりあえず私がどういう存在なのかはまた後日話すとして」と話を切り上げようとした

「いやいやいや、ちゃんと説明してくださいよ」とエルミアが言い出すが魔王とアリスはそれを無視しつつ、これからどうするかを話し合った結果。まずはこの空間から抜け出さないと話が進まないという事で一旦外に出ようということになったのだ。そして浩平が扉を開けて外に出ようとしたが魔王と魔王の側近の少女が動こうとしないので振り返りながら声をかける

「お前等来ないのか?」

「妾はここで少し休憩をしていく」

「そうそう、もう少しだけここにいたいし」と二人が答えた

「そうか。んじゃ行くぞエルミアー」

「あ、はい。分かりました」

二人は部屋を出るとそこには巨大な機械があり、

「あれ?これってもしかしなくても」と呟くと浩平はすぐにそれを操作しようと思い手を伸ばそうとするも途中で止め

「これは俺がやってもいいか?どうせ壊すつもりなんだろ?」と言うと魔王が「その通りじゃ。頼む」と頼んできたのを了承すると、それを見た浩平はニヤリと笑みを浮かべ

――ドッゴォンッ!!! 爆発音と共に巨大な兵器が崩れ落ちていくと、それと同時に浩平達はその施設から脱出した

――それからしばらく歩いた浩平は辺りがすっかり暗くなっていたことに気が付く

「おい、魔王。そっちの方向で本当に大丈夫なのか?」と不安そうに尋ねるも、それに対して魔王

「あーっ!!そっちじゃないのじゃ!!こっちの道じゃ」

魔王の指示に従って進んでいくと、 やがて明かりが灯されている家を発見するも

「いやいや、なんか普通過ぎるっていうか」と呆れたように言うも「何を言うか!こんなボロ小屋が良かったら妾の家に泊まるが良い」と言われてしまった。

「うーん。でもな、さすがに女の子の家に行くとか緊張するというか、色々マズいだろ?」

するとアリスが浩平に近づいてきて、その服の袖を掴んで引っ張りながら「うわぁ、凄い綺麗ですね」と呟き始める そして魔王の方は家の前まで到着すると「どうぞ入っていいのじゃぞ」と言ってきたのを受けて浩平とエルミアは中に案内されると中は案外広かった。そしてエルミアはその外観とは打って変わり、内装が綺麗な事に驚きつつ室内に視線を向けると魔王は「とりあえずそこに座って良いのじゃ」と言いつつ、座布団の上に座るように勧めてくる それに従い座り出すも魔王は何かの紙に筆を走らせ、それが終わるとそれを

「ほれ」と言いつつ二人に手渡してくる だが二人共首を傾げ、お互いに視線を合わせる

『これは?』

同じ言葉を発すると、 するとアリスが

「あぁ、この人はこう見えても文字を書く事に関してはピカイチですから安心してくださいね」と言う そして渡された紙を見てみると それは履歴書のようなものだったらしく、名前欄にはミルキーとあり、年齢性別生年月日などを詳しく記載されいる。その他にも学歴なども記載されていたりとかなり本格的な物になっているようでエルミアの方が気になったらしくその部分に触れていた。

浩平はそれを見て魔王を見ると目が合ってしまい、すぐに逸らすとエルミアと同じように気にしていた事を思い出し、質問を始める事にした。その時に

「その胸、何か入れてるだろ?」

と魔王に対して問い掛けると魔王は顔を赤くさせ

「な、何を言っておるんじゃ!そんなの入っとらんのじゃ!!」と言い出すもエルミアは魔王の胸に手を伸ばすとそのまま揉み始めると魔王は恥ずかしそうに

「え、え?なんで急に触って来るの?しかも、え、なんで、い、いやん。や、め」

魔王の体から力が抜け、ぐったりとするも、魔王の顔からは赤みが引きつつあった それを確認した後で、エルミアの方へ目を向ければ

「やっぱり何も入っていないみたいですよ」と笑顔で答えるも

「いや、あのさ、さっきも思ったんだけど、なんでそこまでして知りたいんだよ?」と言うも

「え?いえ別に」と答えられ、魔王は「お主らは変人なんじゃな」と小声で言い始めており

「ま、取り敢えず、飯にしよか。今用意するのじゃ!」と言い出してきた。

すると台所に向かい「待っておれ!」と言い残し、しばらくしてから魔王が料理を作ってくれたのだが魔王の

「ふぅー。今日一日、疲れたのぉ。ま、お腹空いたであろう?」と言った後に魔王が食事の乗ったお盆を持ってきた その皿には おにぎり、味噌汁、漬け物に焼き魚 どれもこれも日本食である事に浩平達が驚くも魔王がそれを食べるよう促してくると三人は その食事に箸を伸ばして口へと運ぶ すると美味しいのだが魔王は「ど、どうじゃ?」と言い出すもエルミアが「え?とてもおいしいですよ」と言い出し、魔王が嬉しさのあまり泣き出しそうになると魔王が「そうかそうか」と微笑むが魔王は魔王の事を良く思っていないのかエルミアの口からは

「いやいやいやいやいやいや、このご飯超ヤバいんですけど!?」という声が上がり それに対して浩平は思わず笑い出しそうになったものの堪えるとエルミアの方を見る

「あぁ、それは俺が作ったから」

「な!?ままま、まさか、ご主人様って料理まで作れるようになったのですか!?ってかもう完璧過ぎますよね!?あぁっ!!さっき食べたのって、ご主人様の手料理だったんですよね!?いやぁ、なんていうか今まで馬鹿にしてごめんなさい」と言う それを聞いた浩平は何も言えなかった。そして同時にアリスが苦笑いをしている理由を理解する

――そしてその後で、ようやく落ち着きを取り戻すと、 魔王と

「それでじゃ、そろそろ話をしても大丈夫か?」と言われるも 浩平とエルミアはまだ混乱しているため、 魔王に事情の説明を求めようとするとアリスも魔王が説明すると決めたのであれば問題は無いと口にするも、エルミアだけは「いやいやいや、全然良くないですよ。そもそも私、その話についていけてないし」と言うと、 浩平が説明を始め、まずはここが何の世界なのかという事と なぜ浩平はここに来たのか、どうして浩平はエルミアと共に魔王の側近に殺されなかったのかを説明し、アリスが疑問を口にすると浩平は魔王に目を向けた するとアリスは魔王の耳元に近づくと「あれ、まだ話していなかったんだね」と声をかけると魔王がビクッとして体を震わせる。それを不思議に思いつつも魔王の方を見ると「い、いつから気付いておるのじゃ!?」と聞かれた それを受けてアリスは

「うん。初めからだけど?」と当たり前かのように答えを出すと魔王の表情は固まった――その光景を見た浩平は「いやいやいや、俺がおかしいのかな?」と思い始めたところで魔王に質問を行う

「まず一つ聞いていいか?」

「う、うむ。なんでもいいのじゃぞ」

「その口調、どう考えても無理があるだろ?」と聞くと魔王は その言葉を聞く

「あー、これか?」

魔王は自らの頭を指さす

「う、うむ」

「これはな、こ、こうすれば妾のキャラ付けにもなるかと思ったんじゃ」と魔王の言い分を聞けば、その隣にいたエルミアは呆れたように「うわぁ」と声を上げるも魔王

「な、なんじゃ。なにか悪いか?」と言い出すとアリスは魔王を宥めるようにして 魔王をなだめつつ

「あぁ、魔王がこうなってしまったのは 全て僕のせいでもあるのです」と言い始めると その発言に対し浩平は「い、いやいやまぁ、魔王はお前のペットかなんかなわけ?」と問いかけると

「えぇ、僕は魔王のお世話係を勤めさせて頂いておりました」

――そう言われ、その答えに疑問を抱きつつ「魔王ってのは何歳なんだ?見た目的には高校生ぐらいにしか見えないんだが」と尋ねると魔王が 魔王「ふん、魔王の年齢は乙女の秘密じゃぞ」と言うも アリス「ちなみに私は永遠の十六歳ですが」と言われ、それを聞いて魔王がアリスに飛びつき

「アリスちゃんだけには言われたく無かったぞ!おぬしだって十分若いであろうが!」と言い出す すると

「な、なんだかよく分からない会話が始まったぞ」と呆れたように言うと

「なんじゃ!魔王である妾に何か不満でも有るのか?」と 魔王に文句を言われるが浩平が「うおっ、なんだよいきなり抱き着くなよ。それに俺は女に興味が無いって前に言わなかったっけ?」と返すと魔王 魔王「なに!?そうなの!?妾の体はダメなのじゃ!?」と涙目になって叫ぶ

「い、いやその、別にそういう訳じゃないんだけどな。い、一応男だから女の子に興味を持つのは普通っていうか」と慌てているとエルミアが「え?でも私とか見て何も感じないって言ってませんでした?」と言ってくるので浩平は

「い、いや。そりゃ、あの時は、まぁ」と返答するしか出来なかった。

それを聞きながら魔王は落ち込む 魔王「そんなの嘘じゃ。絶対に何か感じるはずじゃ。例えば、ほれ、この膨らみを見てみろ!この胸を見てどう思う?ほれほれほれほれほれ」

と魔王は自分の胸を見せてくるが、浩平は無

「いやそれならエルミアの方を見てみろよ」とエルミアの胸を見る様に魔王に伝えると それを聞いたエルミアは顔に手を当て「え、え?ご、ご主人様。そんなに見つめられたら照れちゃいますよ。あっ、もしかして胸の事を言ったからって私の胸が気に」と言うも、

「おい魔王、その辺にしとかないと本当に嫌われても知らんからな?」と忠告をしておくと魔王はすぐに 魔王「ふっふっふ。もう嫌われたも同然だ。どうじゃ?もう愛想も尽きたか?もう嫌いになったであろう?そうじゃ、それで良い。それが正常な反応じゃ」

魔王の悲痛な想いを聞かされるも、エルミアは「いえ、そんな事はありません。私はずっと前からあなたの事を」と言いかけるも 魔王が「そんなのは信じられるもんか」と言うとエルミアは困ったような笑みを浮かべていた――それを見る浩平だがエルミアは

「魔王、あんたは勘違いしているみたいだけど私は」

と言いかけた所で浩平が 魔王に向かって「え?お前の事が好きになった奴がいるわけ?」と口を挟むと エルミアが「えっと、その」と困惑した様子で それを見た魔王は「やっぱりそうなんじゃないか!?」と言い出すものの浩平がアリスの方を見るとアリスがため息交じりに魔王の方を見ており アリスは アリス(まぁまぁ魔王も落ち着いてよ)

「なんじゃ!?」

アリス(魔王、君に足りない物、それは)

「足り無いものはなんじゃ!?金か?」

アリスは少し考え込み、そして魔王に告げた――

魔王「お金か?まぁそれも無くはないがそれよりももっと大切な事があるじゃろ」

アリスは笑顔で アリス「魔王には愛が必要です!!」

「なっ!?あ、ああい!?なんじゃそれは?」

魔王が驚き、アリスが アリス「まぁそれは後で分かるでしょう。では」

とアリスが手を振ると魔王は意識を失いその場に倒れこむ アリスは浩平に目を向け「さて浩平、そろそろ行きましょうか」と言い出す

「行くってどこにだよ?」と聞き返すとアリスは魔王に手をかざすと魔王の体の周りに黒い魔法陣が展開されると浩平の体に異変が起きる すると魔王の体がどんどん小さくなり浩平より身長が低くなると浩平は

「いやいや、待て待て、一体何が起きてるの?」と慌て出す するとエルミアが「ご主人様。大丈夫ですか?」と声をかけてきてくれ「おぉ。ありがと」と返事をする すると魔王の服は消えてしまい裸になってしまうが魔王の体は完全に幼女のそれとなっており 浩平がそれを見ないようにと魔王を抱きかかえるとアリスが微笑み アリス「浩平が可愛いって思えるぐらいにまで可愛くなりましたね。まぁ、これからの事もあるので仕方が無いんですけどね」

浩平「いやいや、ちょっと意味がわかんないんだけど。つーか俺、魔王が好きだなんて一言も口に出してないぞ?」

魔王の服装が消えた瞬間 浩

「魔王、お前が俺の事が好きだなんてな」

浩平が魔王の肩を叩くと、魔王は「なっ!?なぜ知っておるのじゃ!?まさか、心を読む魔術を使ったのか!?それとも最初からバレてたのか?」

魔王が動揺するも 浩平が魔王の手を握ると 魔王はビクッとしながらも 魔王「あ、いや、その」と言い出した 浩平が魔王に近付くとアリスが アリス「いやいや。そんな事はしなくても私が教えますよ」と言い始めると アリスが説明を始め、浩平に聞こえないようにとアリスは小さな声で話し始める アリス「まぁ魔王には元々の加護の力もあって魔力操作の能力を持っているのですよ」

アリスが小声で言うと魔王はコクりと首を傾げ アリス「魔王、あなた浩平の傍にいる為に自分の力を使おうとしてるのですよ」と言うと魔王は恥ずかしいのか俯くと魔王の瞳からは一筋の涙が流れ出していた。

それを聞いていたアリスがニヤリとした表情を見せる アリス「でも安心して下さい。その力は私の力で封印させてもらいましたから」と魔王の頭を撫でると魔王は泣き崩れるようにしながら 魔王「え?なん、で?」

魔王が不安そうに言うがアリスは「あぁ、別に大した理由じゃないんですよ?ただの独占欲ですよ」

すると魔王は驚いた顔をしていたが、アリスの言葉を聞いて納得はしていなかった。

しかしそんな時だったアリスの背後を巨大な火柱が襲いかかり炎の中から魔王と浩平の前に立っていた人物とは――その人物は先程浩平と別れたばかりである聖騎士アレスである。

――浩平が目を見開き驚愕すると同時に 魔王をアリスの後ろに隠れるように身を屈める その行動を見て魔王は驚く 魔王「ど、どうして、貴様が?」

魔王の問いかけに対し、勇者が立ち上がり魔王の方を見ながら 勇 者「お前が魔王か?確かに弱そうだな」と言うと魔王は怯えている 魔王「わ、妾が弱い?」

すると魔王は勇者が構える姿を見てアリスの方に視線を向ける アリスは浩平に対して「この人なら、ま、なんとかなるかな」と言い出す 浩平はその言葉を聞き、魔王の目の前に立つ 魔王「こ、浩平、助けてっ」と震えながら浩平に言うと

「なに、すぐに終わるからよ」と言いながら拳を構えていたのだ――すると浩平の背後に居たエルミアは呟く エルミア「魔王に優しくないですね~。まぁ、ご主人様にお任せしときましょうかね」と言っており、そんな浩平の行動を見て勇者は呆れた様子を見せながらも 勇者「魔王だからと言って問答無用だ。覚悟しやがれ!」と言い放つと駆け出そうとするが 魔王に気を取られてた為 足元にあるナイフに気付かず 足を踏みつけてしまう――すると床を突き破って現れるかのように出現した黒に染まっている無数の剣が突き出すように出現する。そして魔王に向かって一斉に突き刺そうとする。そしてそのまま剣達は

「え?」と言った感じで動きが止まる。

それと同時に勇者の周囲に存在していた武器達がまるで時間が止まったように空中で静止してしまう その状況を目の当たりにしたアレスが目を大きく見開くも アリス「なるほど」と何かを悟ったかの様な口調になる そして浩平もこの状況を見ており、冷や汗を流しながら「なんだよコレ」と言うも状況は把握しており魔王を守るべく前に出るが、それに合わせるようにしてアリスも前に出てくる 浩平はアリスの横を通り過ぎる際に「悪い、後は頼む」とだけ伝えアリスは無言で笑顔を見せた。

そしてアリスとすれ違う時にアリスが何かを言っている事に気付き浩平は振り向くとアリスが魔王に耳打ち

「魔王。今、あなたの力が解放されているはずです」と言うとアリスの耳には黒い魔結晶が出現しており、そしてその魔結晶が魔王に近づき アリスが魔王に耳打ちしている姿を見た浩平だったが、そんな事をしている間に勇者の周りから現れた無数の黒い槍のようなものが迫ってきており アリスは笑みを見せ アリスが勇者に向かい「お待たせいたしました。私のご主人様は魔王を助けるために動いてくれました。感謝してあげてくださいね」と言いながら浩平はアリスが魔王を連れて後ろに下がり アリシアスも「はい。私のマスターが来てくれるまでの時間稼ぎ。よろしくお願いしますね」と言うと

「おいおいおい。まじで待ってくれ。さすがにあれはまずいっての」と言うもアリスとアリシアスは笑い「大丈夫」と言い、エルミアもアリスの隣に立ち浩平に向けて

「そうそう、大丈夫だってば。それよりさっさと行かないと」と急かす エルミアは続けて

「さっきの黒いやつ、浩平がさっきのやつを使ってる時と同じ力みたいだし、多分どうにかできるよ」

するとアリスは アリス「エルミア。浩平さんにあまりプレッシャーをかけないで上げて下さい。浩平さんの魔法、暴走気味なので」とアリスが苦笑いを浮かべながらエルミアに言うも浩平が魔法を発動させる――魔法名を唱え

「――空間切断――」

浩平が手を前にかざすと魔王の周りに出現している魔法が消え去り 浩平が振り返り魔王に笑顔を浮かべ「もう、だいじょぶか?」と言うと魔王は目に涙を溜めつつ「うんっ」と言うもアリスとアリスは アリス「いやいや。まだ完全に終わってませんよね」と魔王に声をかけ、それを見ていた勇者は魔王の方へ歩き出し魔王は 魔王「え?」と困惑 すると浩平が勇者の方を見ると浩平は目を細め

「お前は、誰だよ」と言い出した。それに対して勇者は「お前こそ誰なんだ?」と言い返した瞬間に勇者が浩平の腹部に

「うぐっ」と浩平の身体に痛みが生じ

「な、何が起きた?」

勇者「俺の攻撃が見えなかったのか?まぁいい、死んどけよ」と攻撃を加えようとした瞬間、浩平がニヤリと笑みを見せる

「そう簡単にやられるわけにはいかねぇんでな」と浩平は右手を振り下ろすと勇者の体が突然燃え上がる。

すると アリスが アリス「はい。浩平の勝ちです」と告げ、それに続いてアリスとアリスが アリス「ご苦労様。後始末は全て私がしておきますから」

と言うと魔王とエルミアも「「ご主人様。ご無事で」」と言うも浩平は何も言わずに気絶した

「ん、ここは」

魔王が目を覚ますと魔王はベットの上に横になっていた 魔王「妾、どうなったんじゃろ」と体を起こす その時 魔王の体全身が悲鳴を上げ

「いぎぃ、な、な、なぜじゃ!?なにが起きてる?」

と体を抑え始めるも浩平が部屋の中へと入ってくる 浩平「あぁ。目覚めたのか?おはよう」

と浩平は爽やかな笑顔を魔王に向けると魔王は体を震わせながら 魔王「き、貴様なにしたのじゃ!?なぜ、あんな事が起きておるのじゃ!?」と声を上げる それを聞いた浩平は

「あぁ、まぁ。色々とな」と歯切れの悪い回答をした。その表情を見て魔王は恐怖に怯え

「こ、怖い、のじゃ」と震えていた 浩平が椅子に座り込む魔王の方を見ながら

「まぁ、そんな怖がるなよ」と言うが魔王の表情を見て少し焦った様子を見せる

「わ、妾の魔力、全部吸い取っといて、そんなにあっさりと言われても信じられるわけないじゃろうが!!」と大声で言いながら涙目になっている 魔王「い、いつから妾が狙われていたの?」と不安そうに問いかけると浩平は自分の頭を掻きむしりながら「あぁ~。その、なんだろうな」と言うと魔王の目からは一筋の涙がこぼれ落ちる 魔王「わ、妾の魔力、欲しいなら妾がやる。だからこれ以上何もしないで」と涙を流すと

「い、いや、そういうつもりじゃないんだが」と困っている様子を見せた浩平だが、

「そ、そうだ。腹減ってないか?なんか食いに行くか」と提案すると 魔王が首を左右に振ると浩平は立ち上がり 浩平「分かった。じゃぁ何か持ってくるから」と部屋を出て行こうとするが 魔王は立ち上がり、魔王「こ、こっち来るな!い、行くな!」と震えた口調で叫ぶと

「お、落ち着けよ」と言うが魔王は「こ、殺されたくないの。こ、こっちに来ないで!」と言うと

「は?誰が殺すんだよ?そもそもお前を殺す理由がないし、そんな度胸もねぇよ。ま、飯くらい自分で食えるだろ?待っててくれ。適当にもってきてくれるよう頼んでくるからさ」と浩平は扉に手をかけるが魔王は怯えており

「だ、誰か来たらどうするの?わ、妾の事殺そうとするでしょ。それに妾の力も奪おうとするし」と言うと 浩平は溜息をつくも浩平は呆れたような顔をして魔王を見るなり

「なぁ、俺はこの世界の人間でもなければ、お前らの味方でもないぞ?」と問いかけるが魔王は震えた声で言う 魔王「ど、どうしてなの?」

「それはな、まぁ。ちょっといろいろあってな。とにかく安心しろ。それにもしそんな奴が現れたら、そん時は全力で戦うまでだ。まぁ今はそんな事気にすんなって、それより」

浩平が言葉を止めていると魔王が不思議そうな表情をすると浩平は真剣に

「俺は勇者じゃない。そしてこの世界に来て数日しか経ってないけど、この世界で生きる覚悟を決めた」と魔王に伝えると魔王は言葉の意味を理解できず混乱した様子を見せていたが 魔王「こ、殺しに来ないという事は信用しても大丈夫なの?」と魔王は問い掛けると浩平は笑顔で「あぁ。大丈夫だ。それより俺がここに居ると変な雰囲気になるの分かるか?」と言うと 魔王「な、なんとなく」と答えると

「そう。多分俺のせいだと思うが、俺と関わりがあると思われないようにして欲しいんだよ。とりあえず、しばらくはここに匿ってくれると助かる」と話すも魔王は何やら難しい表情をしており 魔王「で、では何故妾を助けるような事してくれたの?それにその力は、一体、どうやって手に入れたの」と尋ねると

「さすが魔王様。頭良いな。ただ、あんまり詮索されると話さない方がいいと思うし、それにお前をここで守ってくれって頼まれちまったからな。まぁ。俺自身に危害を加えてくる奴が来た場合だけど」

と説明するも魔王はよく分からないというように困惑しており 魔王「よく分からぬが、助けてくれるという事なのか?」と恐る恐る言うと浩平は魔王の目の前に行き、笑顔を向ける 浩平「当たり前じゃん。こんなか弱い子見捨てたら男として最低だからな」と笑うと魔王も

「ありがとう」と一言言うと浩平は笑みを見せ 浩平「んじゃ、食事取りに行かないとな」と言うと 魔王は首を傾げ 魔王「食事を、一緒に?」と魔王は聞くも浩平は笑い

「そりゃそうだよ。さすがに一人で行かせる訳にいかないし」と言うと魔王は俯き小さな声で言う 魔王「あ、ありがと」と魔王が礼を言うと「どういたしまして」と笑いかける 浩平は部屋から出て行き魔王は一人になった瞬間 先程までの浩平とのやり取りを思いだし体がガタガタと小刻みに震え始めた

――――――――――――

「はぁ~」と浩平は盛大にため息を出しつつ自分の部屋に帰って行ったが 浩平「やばい。完全に失敗した」と浩平は独り言を言い出すとアリスとアリシアスは苦笑いを浮かべ「どうしたの?」とアリシアスが浩平に声をかけてきた。

浩平「えっと、あの魔王に勇者の事について聞こうとしたんだが。なんか完全に怯えられた」と言うとアリシアはクスリと笑って「そりゃそうでしょ。普通は怖がられて当然」と言うが浩平が言う 浩平「いや、俺、勇者なんだけど。勇者に狙われてるらしいって伝えただけなのに。いやぁ、あれは完全にビビッてたな」と言いながらベッドに倒れ込むと 浩平は少し笑みを作り 浩平「あいつの事が少し気になってるのかもな。勇者じゃなくて」と呟く すると浩平は天井を見上げ目を細め 浩平「いや、違うな。もっと別の理由があったはずだ。なぁ。そうだよな」と虚空に向かって話しかけると 浩平「まぁいい。とりあえず飯を食べてから考えよっと」と言って部屋を出ていった。それからアリス達と一緒に朝食を取り終える。その後、アリス達に頼みごとをし部屋に戻った 部屋に戻り浩平は窓を開けると 浩平「ん、風が気持ちいな。もうそろそろ出発の準備を始めないといけねぇし。早く戻らないと。あ~、どうするか」と考えるも特に答えが出ず浩平は諦め 浩平「とりあえず。勇者と魔王に会ってから考えるしかないか」と言うもどうしたら二人が納得するだろうか。と考えてはいるも答えは一向に出ないが一応。自分が勇者だと伝えてみた方が良さそうかなと思い始めていた。浩平は窓枠に足を掛け 浩平「んじゃ、ちょっくら出掛けてくる。あ、そっか。ここ二階だった」と言うなり窓から飛び降りると、空中で一回転した後地面に綺麗に着地をした。それを見た魔王は「す、凄いのじゃ」と言ったが

「あぁ、そういえば、まだ名乗ってなかったな。俺の名前は高峰 浩平。気軽に名前で呼んでくれてもいいぞ」と伝えると魔王は少し驚いたような表情を見せたが

「う、うん。よろしくなのじゃ」と微笑むと 魔王「それでどこにいくのじゃ?」と首を捻る すると

「あぁ。少し知り合いに挨拶でもしようと思って」と浩平は答えると魔王は 魔王「お主。何者じゃ」と言うが浩平は頭を掻いて誤魔化そうとするもすぐに観念して 浩平「俺?あぁ、そういやまだ言ってないっけ?まぁいっか」と言うと魔王の目の前まで歩き 浩平「改めて自己紹介しようか。名前は、え~と。なんて言ったっけ?確か俺の本当の名前が浩太だと思ったんだが、いや、俺の親がつけた名前が」と考え込んでいると魔王が口を開く 魔王「まさかとは思うが」と不安そうな表情をする魔王に対し浩平は満面の笑顔で「そうだ。俺は異世界転生したんだよ。まぁ、ちょっと色々あって記憶が一部欠落しているんだ」と言うが、浩平は内心不安になっていた

「さっき、お前が襲われていた時、咄嵯とは言え。お前が魔王だという事を知っていたのにも関わらず俺はお前を殺そうとは思わなかった」と話し出した途端に浩平は真剣な眼差しになり、それにつられ魔王もまた表情が硬くなっていた 浩平「いや。正直、殺せるチャンスはあったのかも知れないけど。それをしなかった。いや、できなかった」と続けると 浩平は真剣な表情のまま 浩平「なんでだろうな。お前の泣き顔を見て。なんとなく助けないといけないような気がして」と話すも魔王は何も反応せず、黙って浩平の話しを聞いて

「あぁ。あともう一つあるわ。お前、なんか俺の知っている誰かに似てたんだよな」と口にすると 浩平は少し寂しそうにして「だから、助けようとしてしまったのかもしれない。結局はそれも無駄だったわけだけどな」と言うと魔王は小さく息を吸い込んだ 魔王「わ、わからぬ」と震えた声を出すと 浩平「俺には、その言葉だけで十分だよ」と言うと 魔王「お、教えてくれ」と魔王は懇願する様子を見せると浩平は困ったように頬を掻き

「それは出来ない。ただ。これだけは言わせてくれ。俺は絶対にお前を傷つけるような事はしない。お前を泣かせたりもしないと約束する」と魔王に伝える 魔王は涙をこぼしながらも浩平の表情を見ながら真剣に聞き入っていた。

そして、浩平の表情を見るなり、何かを理解したように「そなたは、妾の味方ではないのか?」と聞くと浩平は 浩平「まぁ。味方じゃないけど、敵でもないな」と答える 魔王「な、なら」と言葉を紡ごうとすると浩平が遮るように「俺にも事情があってな。今はまだ話せない。だが。一つ言えることがある。それはお前に悪意は持っていないということだけは分かって欲しい」と言うと魔王は「わかったのじゃ」と返すもやはりどこか不安な様子であり

「さ、そろそろ。戻るか。また会いに来るよ」と言い浩平は立ち去ろうとすると魔王が慌てて声をかける 魔王「ま、待つのじゃ。妾の事は妾で守る。じゃから妾の側に居て欲しい」と嘆願するが 浩平「ん?なんか変な感じだな。悪いけど、今の魔王様を守る奴がいないからな。まぁ、勇者の件もあるから暫くこの城に厄介になろうと思ってたんだが。どうしたもんか」と悩んでいると魔王は 魔王「まてまて。妾も魔王なのじゃ」と焦っていると浩平は 浩平「まぁ。そういう訳でだ。しばらくは一緒に居るつもりだからよろしく頼む」と言って部屋から出て行こうとするが、その前にアリスに用事があることを思い出す 浩平「おっと。忘れるところだったが。おい。アリス。俺の着替えとか用意してくれないか?」と頼むとアリスは「えぇ、いいわ」と承諾してくれたが魔王が 魔王「えっと。アリスというのは?」と聞いてくると 浩平「俺の従姉妹で、メイドをしている女の子なんだ。後で紹介するよ」と言い浩平は部屋から出て行くと、魔王も浩平の後ろ姿を見ると、ふとあることに思い当たり魔王は少しだけ悲しそうな表情を見せ「あれでよかったんじゃよな」と言う 浩平は部屋から出て来るとアリシアに「少し城の外に行ってくる」と言い、アリスも連れて城を抜け出そうとするも 浩平は途中でアリスがついてきてないことに気付くと辺りを見渡しているとアリスを見つける。

しかしアリスは見知らぬ女性と話している最中だったので、浩平はその場から離れようとしたが

「あっ!!浩ちゃんだ~~~」と女性がこちらに気付き浩平に抱きついてこようとするも アリシアが即座に間に入って阻止

「もう。邪魔」と言われながらも浩平の腕を掴み自分の方に引っ張るアリシアに浩平は「助かった。ありがとう」とお礼を言うと、女性の方は「む~。なにそれ。私の浩ちゃんに馴れ馴れしく近づかないでよね」と言い出すも、それを聞き浩平は苦笑いを浮かべていると 浩平「あんたも誰なんだよ」と言いながら少しだけ距離をあける 浩平は目の前の女性に見覚えがあった。というよりも魔王と一緒にいた女魔族の一人 確か、名前は

「私はメイリー。で。私達の姫さまの専属魔導師なの」と名乗る 浩平「魔導士なのか。それで、なんで俺に話しかけてきたんだ?」と言うと

「だって~。姫様には浩ちゃんが必要だし、浩ちゃんもきっと姫さまの力になるよ」と答えられるが、それでもなお疑問符しか浮かんで来なかったが

「そうそう。ちなみに浩ちゃって何者なの?」

浩平「俺か?勇者だけど?」と答えると 浩平(あぁ、しまった)

浩平が勇者である事を教えるべきか悩んでいたが。魔王の正体を知っている浩平にとって下手な事を言ってしまえば 目の前

「そう。あなたが勇者。なら。ここで倒してあげる」と言われてしまうが、すぐに 浩平は「ちょいまち。少し待ってくれ。確かに。俺が勇者ではあるんだけど」

と言うと浩平は考え始める 浩平「えーと。とりあえず俺が言いたいのはだな。俺とお前が戦った場合」と前置きをした上で話を続ける 浩平「俺が勝ったとしても、俺は勇者として。つまり、魔王を倒す存在で、それをすると俺は元の世界に帰れるわけだ」と言うが

「そうなの?」

浩平「そうだ」と言うが浩平は内心不安になりつつあった。もし、仮に自分が勇者

「なぁ。俺って、魔王を倒した後はどうなるんだ?まさか。本当にこのまま、ここに残らないと駄目なのか?」と質問する浩平だが、それに対して答えは「多分ね」と言われると浩平は頭を掻き始め

「マジで。そんな事になっちまったら。俺、元の世界で居場所無くすじゃん」と呟く そして、浩平は自分の状況について改めて考えるが まず、魔王を倒して元の世界に帰り、勇者が居なくなった後に残った世界がどういったものになるのかを考えていく。勇者は魔王を倒し、世界を平和に導く。

魔王を討伐する事が最終目標の為 勇者はそれ以外の行動は基本的に出来ない。つまりは 魔王が

「妾と婚姻関係を結び共に暮らせ」と言って来た時。浩平はその誘いを断れば魔王を斬った罪で捕らえられてしまう。

浩平の実力なら魔王一人ぐらいなら何とか出来るかも知れないが魔王の戦力が不明な上、他にも仲間が居る可能性を加味すれば魔王の提案を受けるのが一番得策かもしれない。しかし

「そもそも。あいつに好意があるか無いかもわからねえ」と悩みだす 浩平「魔王の気持ちなんて知るわけないし。というか」と内心思う

「それに俺は勇者なんだから、いずれは他の国や村にも行って。そこで人を助けないとならない」と思うと

「いやいや。他の国に行くなら俺一人でもなんとかなるし、それに、もしも魔王を倒した後の俺の事まで心配する必要は無いだろう」と 浩平が頭を抱えているとメイリーは

「浩ちゃん大丈夫なの?」と聞かれるも「ああ。少し考え事をしていただけだ」と答えると

「そう。何かあれば。私に相談して良いからね」と微笑まれるが、その笑みは作り物めいたものを感じ浩平は 浩平「ありがとな」と言うと浩平は城の外に出る為に歩き出し始める。するとメイリーが浩平に

「ところで浩ちゃん。これからどうするの?」と聞かれ浩平は「まぁ。取り敢えずはこの国に暫く厄介になろうと思ってな」と言うと

「ん。分かったわ」と言って立ち去ろうとすると浩平は思い出したかのように 浩平「おっと。一つだけ教えてくれ。俺の荷物とか、着替えとか持ってたりしないか?」と聞くとメイリーは「あっ」と言って自分の持っている鞄の中を探ると

「あった!これだよね」と手渡された 浩平「おっ、サンキュー」と言い受け取り。そのまま城の外に出る。外にはアリシアとメイド姿のリリアナが待機していて、二人とも何故かこちらに向かってくる そして、アリシアがいきなり抱きついて来て、そのせいでリディアナは倒れこみ「いたたっ」と小さな悲鳴を上げるが 浩平「うぉおおいっ!?ちょっと。お前、急に何やってんだ!」と焦っていると

「浩平さん。申し訳ありません。少し。甘えてしまいました」と言い浩平から離れる 浩平「お、おう。それは別に構わないんだか」と言い浩平も立ち上がる アリシアが浩平の方を見て

「私達は浩平さんのお世話をする係りに任命されましたので」と言いアリシアが続けて

「それと先ほど魔王様が、私達に会いたいと申されていますので」と続けるが浩平が「あぁ、それは。今すぐじゃないといけないのか?」と聞き返す

「浩平様。あまり遅くなりますと、また迷子になってしまいますよ」とアリシアに言われるが 浩平は城の中で魔王に会うよりもこの国の外で会った方が気楽だし。そもそも、あの女魔王が俺のことをどの程度把握しているかが分からなかったので 浩平「魔王。お前の城に行こう。でだ。少しばかり頼み事がある」と言うとアリシアは「はい」と答えるが 浩平「ただ。俺と一緒にいる奴がいてな。こいつは人間だから。あんまり城の中に入れてほしくないんだが。そいつは俺の仲間って事で入れても良いかな?」と言うとアリシアは首を傾げ「えっと。分かりませんが。魔王様は構わぬ。と仰られておりました」と言われ

「なんじゃ、妾に会いに来たのではないのかえ?」と魔王は不思議そうな表情で浩平に尋ねるも、それに関しては浩平は苦笑いを浮かべて誤魔化すとアリシアは小さくため息をつく アリシア「それでは行きましょう」とアリシアが言い三人で移動を始める 浩平はアリシアの隣に並ぶが。ふと気になる事があり。横にいる少女に「おい。さっき、俺の事を勇者とか言ったよな?あれ、なんなんだよ?」と問いかけると アリシアがこちらを見上げ「え?浩平さんの事を知らないんですか?魔王退治の英雄ですよ」と言われ 浩平は困惑しながら 浩平「いや、待ってくれ。俺、勇者なのかもしれねえけど。そんなの知らないぞ」と言うと、アリシアは驚いた顔をしながら「なっ。なら、何故、浩平様が勇者だって解るのですか?」と言い それに対して魔王が「簡単じゃ。浩平の纏っておる気配。それが勇者のそれそのもの。というだけ。それぐらい。妾にとっては造作も無いことよ」と答えるが

「それならば何故。魔王様の配下に浩平様を迎えなかったのでしょうか?」と言う疑問をぶつけられた瞬間に魔王は口をつぐんでしまい黙ってしまった それを見ていたアリシアは浩平に小声で耳打ちするように アリシア「実は魔王様は勇者の力に怯えておりまして。ですので、極力勇者の力は使いたくないんですよ」と説明を行うと それに対して浩平は「なぁ、もしかして、俺のステータスとかさ。見せられないような内容なのか?」と聞かれ

「なっ。なんのことか、妾にも良く分からないのぅ~~~」と言われてしまうが その様子からは嘘をついているようには見えず。むしろ本当の

「なぁ、俺が言うのも変だけど。正直に言ってくれ。魔王は。俺の事を恐れているのか?勇者である俺を」

浩平がそう質問すると、魔王は顔を逸らしてしまう 浩平「俺としては。出来るなら。お前と戦いたくはないんだけどな」と浩平が呟くと、突然後ろから誰かが走って来た

「待ってぇええええええ!!お願いします、待って下さい」と泣きながら浩平に向かって走ってくる女性に対して 浩平は思わず立ち止まると「お前、確か」と口に出す。目の前の女性は勇者

「わ、私は!あなたを倒す勇者として召喚されたはずなのに。全然戦えなかった上に。しかも魔王を倒せるだけの力があるかもわからないし。それに魔王を倒して元の世界に帰った後も、きっと居場所なんて無いから。もう、こうなった以上は、魔王様に一生尽くすしか無いんじゃないかなって思いまして。で、出来れば。せめて。私の願いを叶えてくれる勇者が居ればなぁと」

女性は涙目になりながら訴えかけると

「そんなに気にしなくて良いのに。妾なんて」と魔王が

「でも。このままだと本当に。どうすれば」と困った様子を見せてる姿を見て浩平は頭を掻いていると。女性が

「あの。魔王を倒してしまった後はどうするのですか?そのあと勇者様はどうするつもりなのですか?もしかしたら帰る場所も無くなっているのかと思いまして」

その言葉を聞いた浩平は「なぁ?もし良かったらだが。一緒に来ないか?」と提案する

「な、何を言い出してるのですか?」と言われるものの 浩平「俺は勇者だが、勇者になった経緯もあってな。色々と大変な人生送ってきたわけなんだが。お前さえ良ければの話だが。これから俺の旅に付き合ってくれないか?」と言うと魔王が驚いた顔をしていたのだが、すぐに元の余裕のある笑みを見せてきて「ほほう。まさか、我に挑むというわけか。まぁよい。面白いものが見られるかもしれないからのう」と言ってきたがそれに対してアリシアが間に入り込み頭を下げてきたのだ。アリシア「私からもよろしくお願いいたします」と言ってきたが。それに反応してかリリアナもこちらにやってきた リリアナは無口ながらも「お願い」と言ってきたのだ それに対しアリシアは アリシア「ええ。構いませんよ」と言いアリシアは浩平の方を見るが リリアナが少し残念そうにしているように見えたので

「なぁ。リリアナも一緒で良いかな?」と言うと「はい」と答えられ「おいっ。お前。いい加減に諦めるのだよ」と魔王は少し怒っているが、アリシアが「まぁまぁ」と言うと、魔王はアリシアを見て少し嬉しそうにして、魔王に手を引かれる アリシア「魔王様。それでは私達は失礼させていただきます」と言うと、その場から姿を消したのだった 残された浩平は二人を見送ると「じゃあ、行くか」と言うが「うん」と返事が帰ってきた それからは二人で城下町まで歩く。そして、アリシアは何かに気付いたらしく。急にこちらに向かって来る男達に浩平の背中に隠れるように

「ちょっと。あんた達何なの?」と聞くと「へえ。このガキ俺達が怖くないらしいぜ」と言って男が近づいてきて。浩平の腕を掴み「さっきの女とどこに行くんだ?」と聞いてきてくるので

「なぁ。あんたは何を勘違いしているんだが知らんが。こいつ。女なんかじゃないぞ?」と聞くと 男は笑いだした。浩平「ん?」と思って見てみると確かに、その女の格好をしている奴の性別は明らかに男のように見えるが リリアナは特に恥ずかしがったりしているわけではないので。その女が、その格好をやめて普通の姿に戻る。リリアナが普段通りに戻ってしまった事により、その男が固まっていた その光景を見たリディアは「ぷっ」と吹き出してしまった その瞬間。男の一人が、怒りだして。剣を抜き出した。

それを見て慌てて逃げようとするも 浩平「おいっ。そこの。危ないだろう」と言い。剣を抜いて、斬りかかってくるその男に対して、蹴りを放つ するとその攻撃

「ぐはぁあああっ!!」と叫び声をあげて転がってしまう。

浩平「なっ。なんで、俺に襲いかかって来る?」と言いながら その倒れた男達が起き上がる前に。リリアナは浩平の背後へと回り込んだのだが その浩平の背後には、二人の男が既に武器を構えており 浩平は咄嵯の判断で「やばい!」と焦ると同時に その背後で「な、なにするんですか?」と言う女の声が聞こえる

「くそっ。このアマ」と、その男達二人が言うと浩平は女を突き飛ばして。自分も後ろに下がる そこに一人の老人が現れる。

そして「この国の法を犯したのであれば、この私が許さん」と言うが それに対して男達は慌てだしてしまう

「そ、それは違うんです」と言われ。

その言葉を聞いた、浩平は安心しながら

「爺さん。そいつらが悪いわけじゃねえよ」と言うと 老人は「ふむ。そうなのかね?」と言うと「そいつらは」と浩平が言いかけたところで 魔王が現れて。魔王はその倒れている男たちの前に立つと 魔王「お主等、先ほど。我が城の者に危害を加えようとしてたじゃろうが。それが許されると本気で思っておるのじゃ?」と、静かに語り掛けると「す、すいませんでした」と謝罪を行い、その瞬間。その男たちは消えた 魔王「まったく、面倒なことをしでかしてくれたのう。さっさと出て行け」と吐き捨てると魔王も消えるのだった その様子を見つめていると。魔王の配下らしき者達が来て 魔王城から出てきたアリシアを見つけると「勇者のアリシア様ですよね」とアリシアに確認をとるが アリシア「ええ。そうですけど」とアリシアが答えると、「実は、我々があなたをお呼びしました。勇者であるあなたがいれば魔王を倒すことができると信じておりまして。魔王を倒せる可能性があるのは、やはり勇者であるあなた以外にいないのです。どうか、お願いできませんでしょうか?」と頼み込んできたのだ アリシアは戸惑いつつも「あの。実は。魔王を倒す為のアイテム。勇者しか持っていないはずなのに。何故、あなたたちが持っているんですか?魔王を倒した後の事は。私は。考えてはいませんでしたが」と言う その言葉を聞いた配下のものは驚き戸惑う

「なっ。魔王様を倒せる者が現れたというのに。倒さなかったのか?それで、どうして?その魔王様に従おうと」

「そんな事。出来る訳がないでしょう。あんな、恐ろしい方に従うなんて。私たちが従うのは。あくまでも。あなただけです。アリシア様」と、一人が言うと、他の者もそれに同意をする アリシアは困惑しながらも「でも、どうやって魔王を倒すつもりですか?」と聞き返すと

「それは、魔王城に眠るという。伝説の剣を使って倒します」と言われてしまう アリシア「魔王城は今どこに?」

「魔王城の場所は。魔王の側近のみが知ると言われている場所。魔王様にすらわからない場所にある」とアリシアに伝える アリシア「そう、なら案内して」と魔王城の中に入る事を

「えっと。アリシア様は勇者であるとはいえ、女性に魔王城の中に入って貰うことは、できないかと。それに今は、勇者殿を仲間に迎えるのが一番」と言うが、魔王が魔王城を探索する事を認めてくれた。

魔王の配下に連れられてアリシアは魔王城を進むが、そこは真っ暗であり

「おい、本当に大丈夫なのか」と言うものの。

「はい。任せて下さい」と言うが信用ならない。

暫く歩いて行くが何も変化がなくただ真っ直ぐ進んでいる

「アリシアさん」と話しかけるも返事が無いのに気づく どうしたものかと考えていると。突然に光が目の前に出てきて「おっ、どうした?」と言われる

「あぁ。光か」と言いつつ。光の方を見ている

「なぁ。ここは、一体。どうなってるんだよ?」と聞くと 光は「ん?ここは。魔王の作った。ダンジョンだな」と言われる

「えっ?」と驚いていると。魔王が姿を現して

「お主には関係のない場所。だから気楽にしてれば良い」と言われる それから、更に奥に進んで行くが。

相変わらず何もなく、歩いているだけだった だが魔王の気配を感じ取ってアリシアは身構えるが 魔王「おいっ。勝手に動き回られても困るのはこっちなのだぞ」と言う アリシア「あの。勇者の力って」と言うが「お主なぁ。人の話を聞いとるの?」と言われてしまう アリ

「ま、待って。話を聞いてください。魔王の話に答えたいと思うけど、あの、私の質問にだけ」

と言ってきた事に「ほぅ。少しは話の通じる相手がいるとはのう」と言ってきたのだ それに対してアリシアが反応を見せるも アリシアは「それなら。あなたの目的を教えて欲しいわね」と問い返していた すると、今までは適当に対応していた感じだったが 魔王「我の目的はなぁ。世界を恐怖で埋め尽くすことなんじゃよ。この世界には我以上の化け物など存在しないからのぉ」と言い出すので、その話を聞いた浩平とリリアナは動揺してしまう。この少女の正体を知っている浩平にとってみれば尚更の事だろう

「そうやって。嘘ばっかり」と言いだすと

「ほう。この世界で我より強い者はいない。つまり、この世界の人間共は我が滅ぼそうとしていることもわかるな?」と言う アリシアは黙って「そんなの」と言うも

「さぁ。無駄話はもう終りにするぞ」と言うと「あははっ。やっとか。この時を待ってたんだぜ」と言う声と共に何かが降ってきた 浩平はそれを見て「なんだこいつ」と、思わず口に出る そして、アリシアの方へと振り返った瞬間。その男は一瞬で距離を詰めてきて。殴りかかる 咄嵯に浩平がガードをしてその拳を受け流す 浩平「くそっ。いきなり何を」と

「はっ。お前も勇者とか名乗る奴なんだろうが、この程度か?」と言って来たが 浩平「なっ、俺がこの程度の実力だと思うか?」と言うが、その男に対して「な、なんですって?」と言ってくるアリシアに対して 浩平「まぁ、とりあえずはだな。こいつを倒してからだな」と言って、男の方に視線を戻したのだが。その男の背後を取った者がいた その者の攻撃を浩平は防ぐが、攻撃の主を見ると。

「あら、この子中々ね。この魔王軍の幹部候補になるのかしら」と言いだして、その女性は魔王の姿を見た その魔王の姿を見て、浩

「な、ななっ!?ま、まさか」と言いかけると 魔王が「ほれ。お主等は早く帰れよ」と促すが「しかし」と言いながらも帰って行ったのだが。その後を追いかけるようにリリアナが走り去っていく

「あーららっ、逃げちゃいましたか~。まあいいわ」と呟いていたがその者はすぐにリリアナを追い掛けて行くのだった その様子を眺めていると、男が近づいてきて。

男の攻撃を受けて、吹き飛ぶと同時に。

浩平「くっ、やっぱりか」と言葉を漏らすと、「おいおい。今の攻撃を受け止めやがるのかよ」と言う すると、男の背後に現れたリリアナによって蹴り

「くっ。てめぇもなかなかやるじゃねえかよ!」と言いだしてくるとリリスは続けて攻撃を加えようと仕掛けると「ちょっと待ちなさいよ!」という女性の声とともに魔法が放たれ、その攻撃は避けられるのであった。そこで男は姿を消してしまったのである リリアスは警戒しているのを魔王が制して来たのである そして浩平たちの方を向いたが「お主等も、あまり無茶をするでないぞ」と言うと

「あの」とアリシアは言葉を発し、それを遮る形で魔王は 魔王「ああ。勇者の力を使えるのが自分だけと思っているような愚か者は嫌いなんじゃよ」と言うとアリシアの背後の空間が歪み始めた。

「ちょっ、おまっ。こんな場所で」と言うと。

魔王「安心せい。この空間から外に出たらすぐに終わるじゃろ」と言い残して消えていったのであった。そして残されたアリシアに魔王城の外で待機をしていた者が集まり「お迎えが遅くなり申し訳ございません。さぁ、帰りましょう」とアリシアを連れて行こうとした時に、リリアスがアリシアの前に現れて「アリシアちゃん。また、遊びに来るね」と言って立ち去ろうとした際にアリシアは「ええ。私、もっと強くなるから」と答えるのだった。

それから数日が経つ頃 アリシアは訓練を欠かす事無く続けながら魔王城に通っていたが 魔王「アリシア。今日は何用だ?」と言うと アリシアは「はい。そろそろ、あの場所に連れて行って貰えると思いまして」という 魔王「ほぅ。あれを使う日が来たというわけか」

アリシア

「はい。ですが、まだ使い慣れてはいないのですが」

魔王「ふむ。それならば。少し、お主に付き合ってくれるかな?」

アリシア

「もちろんです」と答え そして、浩平たちが戦っていた時のように戦闘が始まる。それは魔王の一方的な展開だったが アリシアは「う、嘘。そんな」と、言葉を発するが

「おぬしもまだまだ弱いな」と言われてしまい 更にアリシアに攻撃を仕掛けてくると、アリシアはなんとか防御に成功するも魔王はアリシアの頭を軽く撫でる

「これで、わかってくれたかの?」と言うと、魔王はその場を後にした 魔王城にてアリシアは自

「アリシア様、いかがなされました?」

「えっと、大丈夫だから心配しないで下さい」と言うがアリシアは、少しだけ寂しげな雰囲気を見せていたが

「そうですか。では」と言うだけで他の者たちは特に気にする事もなく アリシアは一人でいる時間が多くなってきていた

(私が弱かったのが原因なのはわかるけど。だけど、少しぐらい話を聞いてくれても良かったのに)と思っていた。アリシアは、自分が強ければ魔王を倒しに行かないでも済むのではないかと。考え始めていたのだが 魔王城にある魔王の書斎では魔王は本を読んでいたのだが 魔王の配下「魔王さま。お疲れでしょう?お飲み物は如何で?」

魔王

「んっ。あぁ。貰おうか」と言うと魔王の前には紅茶が置かれる。

そして配下の一人は、そのまま出ていこうとするも、そこにアリシアが現れ アリシア「お、お姉さま。お願いがあるんだけど」と 魔王の配下は驚いた表情を浮かべるのだが 魔王「ほぅ。お主にお姉さんと呼ばれるのは不思議な気分ではあるが、良いだろう。なんだ?」と言うと アリシアは嬉しそうな顔で「私の剣になって」と言いだす 魔王「なるほどな。確かにその願いは聞いても良いのだが。ただ、条件は付けても良いな?」

アリシア「どんな条件なの?」

魔王「そうだな。我の側近として共に行動してもらう」

アリシアは魔王に頭を下げると アリシア「ええ。よろしくね。お姉さま」と魔王に言いだすのである 魔王はその様子には笑みを見せると「ああ。こちらこそだ」と言い、二人は固い握手を交わすのだった。

「お姉ちゃん、あの勇者達と戦うんでしょ?」とアリシアが魔王に聞くと、魔王は静かに目を瞑って そして再び目を開くと、

「あの者達に負けるようでは、この世界を我が滅ぼすのも近いかも知れぬからのぉ」

「そうよね」

「アリシア。お主も少しは、自分の力でやってみるがよい」と言われてしまう。だが、その言葉でやる気を出すと、その日から訓練を始める事にした。

その次の日には、アリシアは、いつもよりも多く汗を流すようになっていた

「よし。もうちょっとね」とアリシアが言うと魔王は

「なんじゃ。アリシアはもう限界か?もう少し鍛えないと、この先、辛い思いをするぞ?」と言われる アリシアは「いえ。このくらい平気よ!」と言い出すも。

「まぁ、お主ならそうじゃろうな。なら、お次は実戦といくか」とアリシアと魔王は次の日に手合わせをすることになるのだが。

翌日。魔王がアリシアの部屋に入ってくると、そこには着替えを終わらせたアリシアが待っていた。

「お姉ちゃん。待ってたよ。さぁ、早速やろうじゃないの」と笑顔を見せるアリシアに対し、

「ほぅ。元気が有り余っているようだが。それで、どれ位の力を持っているか、見させて貰うとしよかのう」

「ええ。任せて」と言うもアリシアと、その対戦相手は互いに構えを取る そして魔王と手合わせを始めたが、その強さは圧倒的にアリシアが上回っており

「くっ。なかなか、やりよるではないか。この短期間で、これほどまでの実力をつけるとは」

「ふふんっ。当たり前でしょ。だって、お姉さまとの手合わせで実力をつけてるんだもの」

「なるほどのぉ。しかし、やはりこの世界の魔王の実力は侮れんようじゃの」と言うと、 魔王は一瞬の内にアリシアとの距離を詰める そのスピードは、まるで目に止まらぬ速度で移動してきて その一撃を受けたアリシアは吹き飛び壁にぶつかる その衝撃は強く、その痛みで意識が途絶えかけていたが。その痛みに耐えて立ち上がるアリシアは、その痛みが和らぎ、 そして、アリシア

「ま、負けたのね。やっぱり、強いわ。お姉さまは」と声を漏らすが、それでも悔しいと言う感情よりも、お姉さまとの訓練が終わってしまったという喪失感の方が大きい

「お主はまだ、幼いから仕方ない」と優しく言葉を掛けてくれる

「ありがとう。お姉さま。私頑張るから」とアリシア 魔王

「うむ。これからは、毎日のように特訓を行うか。覚悟しておくのだぞ?」と言うと、アリシアは「うん」と嬉しさのあまりに泣きそうになるが、ぐっと堪える。その様子を見た魔王は微笑ましい気持ちになる アリシアは魔王から、あの時の約束通り。

「アリシアは我と共に来て欲しい」と言われ 魔王城に住めるようになるのであった そして、アリシアが魔王城に住むようになって数日後 アリシア

「あの、勇者が言ってたことだけど。お兄様達は本当に魔王軍を倒す為に動いてるの?」とアリシアが疑問を抱くと、

「うむ。間違いはないはずなんじゃがな」と答える 魔王はアリシアが強くなるまでは戦いに参加しないように決めていた。

魔王は、あくまでも妹の為に行動しており、それが例え魔王

「なんじゃ。そんなことを、まだ気にしておったのか?」と言うと アリシアは「だって、心配だもん」と言い返すと、魔王は「そうじゃな。あやつらが、この世界に干渉してくるのは確実じゃが。それまでに、この世界をどうにかしなければ、どうしようもないのじゃがな」と答える アリシア

「ええ。そうね。だから早く力を付けないといけない」と言うと 魔王「うーん。焦ることはないのじゃ。それに、アリシアは十分に強くなってるのじゃから」と言うも アリシア「そうかしら?」と言う 魔王

「ああ。あの程度の者であれば、簡単に倒す事ができるようになると思うぞ?」と言うと、魔王の言葉を聞いた魔王の部下は慌てだす。

そして、慌てて「ま、魔王さま。そ、それは少し、アリシア様に厳しくないかと」と言い始める 魔王

「ふむ。そうかの?」

「そ、それは。まだ、アリシア様には」と魔王は言葉を濁す 魔王「なるほど。わかった。確かに。それはアリシアの実力ではないし、無理させる必要はないか」と魔王 魔王の配下「そうですとも。アリシア様。魔王さまも、あれです。その辺りの事は理解していますので」と魔王の側近は言うと アリシアは、納得がいかないと言った感じだったが、すぐに魔王は「さてと、おぬしに頼みがあるのだが」と言葉を放つ

「んっ?なにかな?」と首を傾げるアリシアに、魔王は自分の配下の者に、「こいつを、しばらく面倒見てやってはくれぬかな?」と言うと、 その者は驚くような表情で魔王に「ど、どういう事でしょうか?」と尋ねると魔王はすぐに「なに。この娘は少々、危なっかしいところがあるからな。そこでじゃ、しばらくの間。我の配下の者が護衛としてついてくれる事になったので、安心して欲しい。何かあれば、我に相談してくれ」と言う

「えっと、それって。私が、このお城に住んでも良いってことなのかしら?」と確認すると 魔王「うむ。そういう事になるの」と答える

「あ、ありがとう。でも、どうして?」と聞くアリシアに、魔王は「うーん。特に理由はないが。この城にいる間ぐらい、ゆっくりしても構わないと思っただけ」と言うと、アリシアは笑顔を見せ アリシア「そうだったの。あぁ。よかった。これで、心置きなく訓練に専念できるわ」とアリシアは嬉しく思うのだった

「はっ? 俺が何を言ったって? ただ単に、あいつが、お腹が減ったとしか言ってきてなかっただろ」と浩平が不思議そうな表情で聞く アリシア

「いいえ。違うんです。お父さまは『アリシアの様子がおかしい。もし、お主に、この世界を滅ぼされたくなければ、アリシアの元に行け』とおっしゃられて」と

「はぁっ!?」と言いだすも、アリシアが嘘をついているようにも見えない。

そもそも、こんなにも必死になって頼んできてる奴がいるのにも関わらずに

「なぁ、アリシアさんよ。俺は魔王じゃないんだよ」と言いだしていた アリシア

「そうでしたね。お姉さまに言われてますよね。ご迷惑かけてすみません」と言いながら頭を下げるアリシア。

その様子は申し訳ないという態度を前面に押し出しながらの謝罪なので 流石に罪悪感がこみ上げてきたのか。浩平は頭を下げているアリシアに視線を向ける アリシアは顔を上げるも

「お兄ちゃんが魔王さんを倒して欲しいって、お願しているなら、私は行くけど」とアリシアの言葉を聞き、思わず浩平は笑みを浮かべた。

(なるほど。これが、魔王のやり方ってやつか)と内心で思っているも 魔王「いやいやいやいや。ちょっと待て。ちょっと待とうぜ。アリシアちゃんよ」と言い出してきた アリシアは驚いた様子で、その魔王を見るが、浩平は笑いそうになるのを我慢する。そして魔王は話を続ける 魔王「お主は、お兄ちゃんが魔王だと思っているんじゃろうが、実はの。魔王はこのお兄ちゃんじゃぞ?」と言い出す 魔王「いやいやいやいや。お兄ちゃんじゃないから。絶対に違うから。断じて違うから」と否定するものの。アリシアには魔王が言いたいことが分からないようで「何がですか?」と聞いてきたので 魔王「お兄ちゃまは魔王。魔王の素質がある。だから魔王になれと言っているんだ」と言うと

「あのね。アリシア。俺は普通の人間だよ。なんの才能も能力もない。ただの凡人」と答えると、魔王はニヤリとした笑みを浮かべる 魔王「まぁまぁまぁ。そう言わずに。とりあえず会ってくれよ」と言うも、浩平は断るも アリシアは

「えっと。私なんかじゃ、力になれるか分かりませんが。私も同行させて貰えないかと思っています」と言うアリシアの言葉を聞いた瞬間。

「えっ?」と言うとアリシアの顔を見ると、アリシアは アリシア「ダメでしたら諦めて帰ります」と真剣な眼差しで見つめる。

その目を見ては「分かった」と答えるしかなく、浩平は アリシア「わ、私を連れて行かない方がいいですよ。足手まといになりかねませんから」と言うが 浩平「いや。大丈夫」とあっさり答えると、浩平は魔王の方を見ながら

「ところで、魔王。さっきから気になっていたんだけど、俺に頼みがあると言っていただろ。その頼みってなんだ?」と言うと、魔王が「い、いや。我は別に、頼みごとなんてしておらんぞ」と言うも魔王の額から汗が流れる

「おい。アリシアに頼むとか何とか言ってたが。どういう事だ」とアリシアに聞かれ 魔王「あ、あれはのぉ。そいつに頼むのも面白そうだから冗談半分でいっただけだぞ」と焦りつつ魔王は言葉を返した 魔王「ほれ!お主だって言ってたではないか! アリシアの様子が変だから、心配だとかなんとか!アリシアの様子を見てくるだけでも良いから来て欲しいとかなんとか!そんな感じの事を言うていただろう!」

と慌てて言う魔王の言葉を聞いた浩平は何も考えていないような表情で、そんな事を口走っていた事に気がつき。冷や汗が流れ出したものの、「へぇ~そんな事を思っていたんですか?それで?まさか本気でお願いしますとか思ってるわけないですよねぇ?」と言い始める その言葉を聞いてアリシアは不安な表情をする中、アリシアの様子を見た浩平が慌ててフォローしようと思い始めた。その時である――魔王の目が一瞬だけ輝きだすも、すぐに戻るも。今度は魔王の側近

「魔王さま」と魔王の耳元で小さく呟く そして魔王は慌てるように、魔王「あ、い、いや。これは、その」と答えると、アリシアと視線を合わせられずにいた アリシアは「あの」と言って、言葉を発すると、

「な、なんでも無いぞ? 本当に何もないか?」と言う魔王に対して アリシア「そ、そうなんですか?」と答えるも

「えっ?マジで? 魔王は本当にアリシアと会うだけでもいいから一緒に来て欲しいとか、そう言ったのか?」と聞き返すと 魔王「う、うむ」とアリシアは困った表情を浮かべるも

「本当に、お前の妹の為に会いに来て欲しいだけだったのか?」と再度尋ねると アリス

「そ、そうだったんですか!?えっ?えっと、ごめんなさい!」と言うと頭を下げる。その様子を見た浩平だったが――内心では(えっと?えっ?)となっていた。

だがすぐに冷静になると――

(あぁ。そういうことか。そう言えば。こっちの魔王。妹大好きっ子って設定だったな)と思う中で――魔王が「あぁ。そいう事だったのだ。この馬鹿娘めがぁぁぁあああ!!アリシアと会う為に来たなどと言えるはずがないであろうが!!」と言うと側近がすぐに近寄り 側近「あぁあぁあ。魔王さま落ち着いてください」

魔王「おのぉーーれえぇええええええええええええ!!!」と叫んでいる魔王を横目に。アリシアと会話を行うも 魔王「えっ?そうなの?お兄さんがこの世界の魔王で。魔王の配下さんたちが。お城の中で働いているって事?それともお城にアリシアちゃんの友達として入り込んでいる?」

アリシア「はい。私の友達になってくれました」と言うアリシアの言葉に、浩平が「お、おぅ。えっと。アリシアは今どこにいるの?」と聞くと 魔王「うむ。そうじゃ。アリシアよ。今頃は何をしている?」と言うとアリシアが「はい。今ですね」とアリシアが答えようとしたところ、浩平が魔王に向かって拳を放つ その行動に魔王は驚くも、浩平の攻撃を避けようとせずに直撃を受けてしまう。その結果、魔王が吹き飛ばされてしまい、魔王が壁に叩きつけられていく

「ちょっ。まっ。えっ?アリシアさん?俺、魔王を殴っちゃいましたけど。まずかったですかね?って、魔王。起き上がらなくなったんだが」と困惑していると、アリシア「だ、大丈夫です」と言うも。少しだけ表情が曇っているように見えた。

そして、浩平が振り返り、アリシアを見るが、浩平はアリシアの様子がいつもと違って見えていたのでアリシアの顔をジッと見続ける

「えっと。アリシア」と名前を呼ばれたのにも関わらず、返事もしなければ、顔も合わせずに俯いたままだった。その姿をみて、魔王を殴り飛ばしてしまったのがいけなかったのだろうかと、浩平は心配になりながら、どうしようかと考える。そんな中で、魔王の身体がピクピク動くと、やがて立ち上がる

「いやぁ。いきなり、攻撃してくるなんてな。アリシアの彼氏よ。お主は、お姉ちゃんに似ておっかなそうに見えるが、実はそうでもないみたいだのう」と言いだすと、浩平も「いや。その言い方だと、俺が怖い人間みたいなんだけど」と言うも魔王は「お姉ちゃん」と言うと、浩平が魔王に視線を向ける。

魔王

「そうじゃろ。貴様の目の前にいるお方は、我が愛しの君 アリシアのお姉ちゃんじゃ。まぁ、妾も会ったことはないがの」と言うも アリシア「お、お兄ちゃん!?」と言われて

「お兄ちゃんじゃないって、何度も言ってるよな」と呆れる 魔王「アリシア。もうよいのじゃ」と言い出すと アリシア「えっと、でも」と言い出そうとすると 浩平「んっ?」と疑問を抱く 魔王

「なんじゃ?」と言うが 浩平「いや。なんでお主がアリシアの言葉を止める?」と言うと

「お主。何を企んでおる?」と聞くが魔王は笑うだけで、何一つ答える事はしない。その様子からして何かしらあるように感じられたが、浩平は特に気にする事はしなかった。それよりも

「それで、俺に用事があるんじゃないのか?」と尋ねると魔王がアリシアを見るが、その瞬間にアリシアは視線を外してしまい、魔王もそれに気がついて苦笑いをする

「いやいやいや。ちょっとまて」と浩平が魔王に向けて言うと

「何がじゃ?」と首を傾げる魔王に対して

「何がじゃないだろう。どうしてアリシアの様子を見るために、わざわざ来たんだ?」と言うと魔王も笑みを浮かべる 魔王「だからそれは冗談半分だと言っておろう」と答えると浩平は何も言わずに、ため息をつくと、そんなやり取りをしている間。何故か魔王の側近だけが無言のまま動かずにいたのであった。

そんな時――扉が開かれ 側近

「魔王さま。勇者と名乗る者たちが現れましたが。いかがいたしますか?」と告げる 浩平は思わず魔王の方を見て。どういう事?とばかりに問いかけるように見ると アリシアもまた、驚いたような表情をしており、2人ともが固まっていたのである――

*

***

*

***

2人が硬直してしまうほどの人物が現れたのだが、「あの~アリシアは分かるけど、お前たちまで固まるような事があったりするわけ?」と聞く

「ふむ。そうだな。お主の質問に答えるのであれば。魔王は確かに魔王と名乗っているのではあるが。魔王と勇者は別の存在なのだ。魔王とはこの世界に出現するとされる災厄の象徴のような存在であり。勇者とは魔族から人類を守り、人族に仇なす者を倒す存在であるからこその呼び名だ。つまり、簡単に言ってしまえば魔王は倒さねばならない対象なんだよ」と魔王は言うも

「な、なるほど。って言われてもさっぱり分からねぇんだけど?」と浩平は答えるも 魔王はアリシアの方を一度見つめると、魔王は側近のほうに向きなおり

「で?勇者どもはどんな奴らが来ているのだ?」と問うと

「はっ!人数は5名程です」と答え

「たったそれだけでか?他の者はいないのか?」と聞かれると

「はい。他にはおりません」と答えられる その言葉を聞き魔王は浩平を見ながら、「アリシアよ。悪いが、ここで少し待っていてくれるか?それと、アリシアの彼氏の事を頼みたいのだがよいか?」と言い アリシアが黙ったままうなずくの

「アリシアが了承してくれるのならば、俺は構わないがな」と言う そして魔王は部屋から出て行き 残されたアリシアたちは、お互いに視線を合わせたがすぐに魔王が戻ってこないことを確認すると浩平の方に視線を向けてきた その視線を感じ取り浩平は

「いやいやいやいや。その視線は俺が怖くて見てたとかそういう訳でもなく、なんか意味があって視線を合わせてきたんだろ!?」と言うと アリシアが「あっいえっ!」と言って慌てる 浩平はアリシアの反応に困ってしまうも。とりあえず今は話を逸らすために、別の話題に持っていこうと思い。口を開く 浩平「しかしだな。まさかアリシアと一緒に居る時に勇者が訪れる事になるとは思わなかったんだぞ?」と言って アリシア「そうですよね」と言うも――

「ってかさっきアリシアの姉さんと会った時の会話を聞いていて思ったんだけど、やっぱり勇者が来たのには何か目的があると思うんだけどなぁ」と思うのだった。

すると、魔王の側近が現れるなり 側近「お前たちがアリシアの知り合いだったんだな」と言う 浩平「えっ?いやまぁ。アリシアと知り合いだったかと聞かれたら違うとは言えないが」と言うと側近がアリシアの事を見るとアリシアはうなずきながら アリシア「私を襲ってきた人達を退治するためにお兄ちゃんは駆けつけてくれたんです」と言ったのだったが、側近は「ふむ。なるほどな」と納得しているのが気になる アリシア「ところで、お姉さんが言っていたんですけど。お姉さんと、私の兄が戦うことになったのは偶然ではなかったみたいだって言いますけどどういう意味でしょう?」と言うと 側近は少しだけ考えるも、「あの方が言うことの意味はまだ分かりかねるが」と言ってから 側近「我々にとって都合が悪いからだろう。だからこそあの方は戦いを避けようと考えていたはずなのにだな。何故、あの方の考えに反してしまったのだ?」と言い出してしまう。

その話の内容から浩平もようやく理解ができた

(あぁあぁあ。あっちの世界での俺の行動が原因でこんな状況になったって訳なんだろ)と思ってしまう中で――どうしたらいいのかと考えている時。部屋の扉が再び開かれると同時に、扉の向こう側から光りが入り込み室内全体を照らされていくと共に扉の前に1人の女性が立っていた。その姿を見た

「おい、ありゃ誰だよ?めっちゃ美人なんだけど」と言うと、魔王も「ん?そういえばそうじゃのう。魔王城の中に入り込むことができる人間と言えば勇者しかいないが、お主。この女性を知っておるのか?お姉さんと言っていたようだが、魔王と何か関係がある人間なのかのう」と言うと、浩平はアリシアを

「なぁ、お前はあいつの顔に見覚えがないの?」と言うと アリシアは考え込んでいたが。アリシアはハッとするように思い出したような顔をすると、突然 アリシア「ま、魔王のお姉さんです!!」と言い出す 浩平「えっ!?って、お前の言っていることは本当なの?」と言うも アリシア「間違いありません。あれは魔王です!!私も何度か見たことがあるんですから間違えたりしませんよ」と力強く宣言するのだが、それを聞くも魔王もアリシアもお互いを見合っていたので「えっと。お姉さんのほうは魔王だと分かっててお城に入ってきたのかな?だとしたら俺もまずくない?」と考えると、浩平は思わず冷や汗が流れてしまう アリシア

「お姉ちゃんは私がここにいる事は知っていると思います」と答えると魔王は 魔王「おぉ。そうかそうか。ならば心配することは無い。お姉ちゃんと会うのは初めてだが、アリシアの彼氏がおるのだから問題ないじゃろ」と言うと、魔王が浩平を手招きしてくるので近づく 魔王「アリシア。これからアリシアの彼氏にお姉ちゃんを紹介するが大丈夫じゃろうか?」とアリシアに向かって確認を取るが アリシアは首を傾げて、どうしてそのような事を聞いたのかよくわからないとばかりに首を傾げるのであったが、浩平もまた同じようにどうして紹介が必要なのだろうと考えてしまっていると、浩平の考えていることを察してくれたかのように魔王が説明してくれる 魔王「うむ。まぁアリシアにとっては、初めて自分のお姉ちゃんに会うわけで、しかも相手は魔王だからのう。いくら魔王の眷属ではないとはいえ緊張しすぎないようにしたいというわけなのだ」と言われて、確かにその気持ちは分からなくはないと思ったのである

「それでだな。お主の名前と顔を見せて欲しい。まぁ、偽名を名乗ってくれてもかまわんのだが。お主の正体を明かす事で、何かしらの問題が生じる可能性もあるからのう」と言う 浩平「まぁ、俺の場合は別に名前とか素性を隠したいわけではないんだけどな」と言うと アリシア「そうなのですか?」と不思議がるのであった。


* * *


***


* * *

***浩平は魔王に言われて仕方なくアリシアの前で正体を隠すことなく素のままの姿を披露する事にしたのであった。

そして、浩平が姿を見せるとアリシアと側近が同時に驚き固まってしまっていた。

そんな2人の様子を見ながらも「なんで驚いてるんだ?って思うんだけどさ。アリシアが俺の素顔を見ても、そこまで驚いた表情を浮かべていない事が疑問だったりするんだよなぁ」とつぶやくとアリシアが微笑みながら「そんなことはないよ」と言ってくれたが。そんな言葉とは裏腹にアリシアが少し引き攣ったような笑みを浮かべている気がしたので、「う~~~ん??なんか違和感あるんだよなぁ」と思いながら魔王を見る 魔王「なにか?」と首を傾げると 浩平「いや。なんでもねぇけど」と返すと 魔王「ふむ。とりあえずアリシアよ。アリシアの知り合いである。そこの男性に自己紹介をお願いしても良いかな」と言うと アリシアが慌てて「わ、私はアリシア。アリシア=エルヴァッシュ」と名乗ろうとしたのを魔王が「あー待ってくれ」と言って遮り アリシア「えっ?」と驚くも――

アリシア「でも」と言うも 魔王「いや、待ってほしい。名を名乗る必要はないんじゃよ」と言われる。

アリシア

「えっ?」と戸惑い 魔王「お主にアリシアという名前を教えた人物が居るなら話は別じゃが、そうでないのであれば、名を教える必要はない。そもそもお主ならアリシアという名前は本名ではないか?」と言うとアリシアがコクリとうなずく 魔王「であれば、教えてくれ。そいつは一体何者なのかな?」と言い放つと アリシアは困惑しながらも アリシア「あの人は」と言い始めた所で 魔王の側近が現れる 魔王の側近「アリシア殿はどこに行かれた?」と質問するとアリシアは魔王の方を振り向き助けを求めるような目を魔王に向けるも――「ふむ。答えられないのであれば仕方ないかのう」とあっさりとした感じで言うのだった。

魔王の言葉を聞き、魔王の側近はアリシアをジッと見つめてくるがアリシアは何も言わずに視線をそらすと魔王が代わりに答えるように口を開くのであった 魔王「ふむ。おそらく、勇者に会いに行ったんじゃないかのぅ」と魔王が言い切ると 側近「なっ!勇者だと?」

「それは真ですか!?」と驚愕の声を上げ、アリシアも目を見開き驚きを見せる。そんな中、魔王は平然とした態度を見せているが、内心ではアリシアに対して、嘘つき呼ばわりされていた。

そして、魔王側近は「すぐに追います!」と告げ、その場から離れようとするのであるが 魔王「あぁ待て待て。その必要は無い」と側近を引き留めた

「しかし!」と言うも魔王は気にせずに「そうそう」と言い出し――アリシアを見ながら 魔王「お主も勇者と話をしてみるがよい」と言う 側近「なぜ勇者がここに来ていることが?」と問いかけると魔王の側近が「アリシアと行動を共にしていたのですから勇者が来るのは必然でしょう」と当然の事を言った 魔王「いや。そもそも勇者が来たのは、偶然ではなかったらしいぞ。勇者と会えたから良かったがの」と言うと側近はアリシアに近づき「アリシア。お前が言っていた事は本当なのか?」と問う 魔王の側近が「いやいや。まずは勇者の所に向かうのではなく。私の元に訪れて、私の所に訪ねてきたと言うのが正しいのだろう?」と言うと アリシアは側近が話しかけて来たことを無視するかのように無視していた 側近が「ふむ。アリシアよ。私の元に来ると言うことは、やはり、私と会うために来たのか」と言うとアリシアが

「違う。お姉ちゃんに会いに来たわけじゃない。浩平に会いに来てきた」と言うも側近は「私のところにも来るということは私の眷属となるために訪れると言うことであろう?」と自信満々の発言をするがアリシアは無反応を貫き通し。浩平は

(こいつの勘違いは治せない病気みたいだな)と思案し、魔王の方を見ると魔王も浩平を見ており 魔王「まぁ。勇者のところには行ってもらう。アリシアの実力を見せてやる良い機会だ。そこでどのような会話がされたのか報告させてもらう」と魔王が言い放った 浩平「なるほど。俺がアリシアと行動を共にするようになったのも魔王様のせいと言う事か。って、俺にどうこうできる話じゃねぇからどうしようもないけど」と嘆くも 魔王「まぁ。細かい事は気にするな。勇者の所には向かうとしよう」と言うと魔王の側近が魔王に近づき耳打ちをする 魔王は「ほう。面白い事になったのう。だが、アリシアも成長したということだろうか。それに勇者も興味をそそられるのう」と言う 魔王の側近が「魔王。私も同行しても?」と言うと魔王は「好きにしろ」とだけ言うのであった 魔王城から出てアリシアは浩平に案内され、勇者がいる場所まで移動するのだが 浩平は「で?アリシアって何者なんだ?」と聞くもアリシアは

「お姉ちゃんとは姉妹弟子みたいな関係だよ。お姉ちゃんは元々勇者として旅に出ていて、私はまだ見習いだった頃に、たまたま同じ場所でお姉ちゃんは勇者をしていたんだよ。まぁ、そんなことは置いておいてさ。浩平さん。この扉を開ければ勇者の所に辿り着けると思います」と言う 浩平「ん?ここに入る必要があるのか?ってか、こんな狭い通路しかないの??」と言うとアリシアが不思議そうな顔をして首を傾げて浩平を見つめるのだったが、それを横目に見た浩平はアリシアに「いや、なんでもない」と答え、気を取り直して歩き出すのであった そして――浩平

「えっと。これ通れるんだよな?」と言うも、「はい。普通に進めば問題ないはずです」と言われて、恐る恐る進むが。あまりにも狭すぎて足を踏み入れるだけでもやっとという状態でありながらも奥へ進んでいるのであった。そして少しばかり歩いていると光が見えた為か少しばかり歩調を早めるのだが。その先にあった光景をみた瞬間思わず絶句してしまう そこには巨大なドラゴンが居座っているのであったが ドラゴンは寝転びながら欠伸をしているだけで何もしていないように見えたのだが――浩平は目の前にある大きな壁のようなものが見えず通り過ぎようとしたところで、浩平は後ろを振り返ると背後から誰かに押されるようにドンッという衝撃を受けて前に倒れ

「痛ってぇ」と言いながらも立ち上がろうとした時、ドラゴンの視線に映り込んでしまい浩平はすぐに逃げようと試みる 浩平はドラゴンに背中を向けたまま走り出しており。そのまま振り向かずにいると

「待て。俺は何もせん。落ち着かないのであれば出て行くがいい」と声を掛けられて、ようやく止まると 浩平「あぁ悪いな。いきなりだったんで驚いただけだ。あんたが何かしてくる気配もなかったしさ。だから警戒したわけじゃない。ただ、俺の知り合いが、あのデカい壁にぶつかりそうになったんだが?」と言いながら浩平は振り返ると。アリシアが呆然とした様子でこちらに向かって歩いてきていた アリスがアリシアの方に視線を向け

「アリシアよ。あれは?」と問い掛けるとアリシアが答えようとしかけた所で――

魔王の側近が現れ 魔王の側近「魔王。アリシアが例の男性を連れ帰ったのですが。如何いたしますか?」

魔王「ふむ。丁度良い。少し話をさせてもらおうか。お主ら。こっちにくるといい」と言うので、アリシアと共に魔王と浩平が向かい合わせにテーブル席に着くのであった 浩平と魔王の視線は互いに睨み合っている 魔王の側近が魔王の前に座り。アリシアは浩平の隣に座っていた 魔王「それでだな。そこの男性よ。名前はなんと言うのだ?」

浩平「俺は浩平。佐藤浩平」

「アリシアに魔王に、そこのロリババア。お前らも何者なんだよ?」とアリシアと魔王の方を見ながら問うと魔王の側近が「おい。私は魔王様の事をババアと呼んだか?」と怒るも魔王の側近は「まぁよい。とりあえず、そこの男性が、アリシアの姉に会いに来たと言う事だったよな」と話題を逸らすとアリシアは「はい」と言い、アリシアの回答を聞くなり魔王は笑い出し――

魔王「そうかそうか。勇者に会うのであれば、アリシアも連れて行くがよい。そうすればアリシアはお主と一緒にいられる時間も増えるからのぅ」と言うのであった 浩平「ふーんっ。俺としてはありがたいけどよぉ~っ?なんか怪しくないか?」と言いつつ、アリシアに目を向けるも浩平の問いかけを無視してアリシアは何も言わずに黙り込んだままだった 魔王側近が苦笑しながら口を開きだし「魔王よ。あなたはこの男性を高く評価しておるようだが。それならば、尚の事この方の正体を知るべきでしょうな」と言うと魔王の側近の発言に対し、浩平は何を言い出しているのかと言わんばかりの顔つきをしており魔王に至っては面白そうな表情を浮かべているだけだったのである アリシアは困惑したような感じになっており。魔王は相変わらず微笑んでいるだけ。そんな中で魔王の側近だけは真面目な感じを出しており――真剣な雰囲気

「アリシアはお主について、何と申し上げておったかな?」とアリシアに声をかけて、アリシアの返答を待っていた 魔王の側近の質問に魔王は頬杖を付き、ニコニコとした表情をして浩平の方を見て――アリシアは魔王の言葉に答える

「私が浩平さんの事で知っていることは全て話してください」と アリシアの言葉を聞いた魔王側近が「ふむ。ではまず最初に。貴殿の名前は浩平。年齢は十七歳で職業は勇者。現在はアリシアと同じく、魔王討伐のため勇者パーティーを組んでいる。間違いはないでしょうか?」と言うと魔王が笑い出したかと思った矢先に「勇者じゃと!?」と叫ぶと浩平の顔を凝視していた

「その反応だと勇者と会ったことがあるのか?なら勇者の名前を教えてくれねぇか」と問いかけると魔王側近は「その者は、勇者の事を知らぬようですね」と言うが。そんなことを言われたって、この世界の常識とか全く分からないし。ましてや勇者についても知らないため説明を求めようとするも「その者の名を聞きましたね?ならば後は、ご自分で確かめるべきでしょうな。さぁ行きなさい!」と言われてしまい。半ば強引に外へ放り出される形になるのであった 外に出された俺は、どうしようもない状況に立たされる羽目になっていたのである。何故このような事になったのか?と言えば簡単なことで、目の前に現れた女性に対して、勇者の名前を聞けばよかっただけなのだ。だが、その女性は目の前に現れて早々に、訳の分から

「この世界を救いに来たんでしょ?」と言い出して 俺には何がなんだかわからない状態である

「はぁ?」と素の声が出るが

「いやいや。君には勇者の素質があるって事だよね」と言ってくるのだけど そもそも勇者とは、どのようなものなのか?と聞きたくなるも、目の前の自称女勇者が言うには「異世界召喚によって勇者として選ばれた」と言う話らしく、それが真実かどうかを疑い始めたところで、いきなり攻撃された挙句に、勇者が俺の事をどう考えているかは、さっぱり理解できなかった。

どう考えても、こいつが言ってる事が、本当だって事がありえないんだけどな 勇者の事も勇者と言う職業が何か?と言うのも一切聞かず

「とにかく。この世界に来て貰うからさ。さっきまで居たところに帰れるかどうかは、私でも保証できないから、自力で何とかしてよ」と言う そして自称女勇者が魔法を発動させ、足元に黒い渦のようなものが現れて、そこから手が出てきたので俺は悲鳴を上げてしまったのだが。すぐに腕を掴まれ、引き込まれそうになると

「ちょっと待ちなって」

と声が聞こえてくると同時に――

俺の腕を掴んだ手が、力を込めてきて そのまま俺を、無理やりに引き摺って行こうとしていたのだが

「おい!お前、俺を拉致する気かよ!!」と叫びだす すると

「それは、どうかしら?さすがに貴方みたいな弱そうな人を、無理矢理に連れて行くのは良くないんじゃないかな?」と言い出すも――俺は自分の事よりも、むしろ

「えっと」と言いながら俺を助けてくれた人の方を見るが、そこには黒髪の少女が立っている。そして少女が何か言おうとしたところで――

「あら、お嬢さん。あなたが連れて来るのですか?」と言うのだった

「あ、あはは。そういうつもりじゃないんだよ?私は」

と黒髪の少女が言うも、目の前の女性は俺を見定めてから「ま、とりあえず私達の拠点に行きましょう。そこで話をしましょう」と言うと目の前の女性が消え去り、目の前にいたはずの女の子は何処にもいなかった 突然の出来事すぎて混乱していたが、どうにか正気を保つようにしていると

「お、おい。今の奴らは、なんだったんだ?」と聞くが

「あ、あの人達が言っているのが私の仲間ですよ。それより怪我はありませんか?」と言われたが。正直なところ「全然大丈夫なんだけど。それよりも、俺に一体何をさせるつもりなんだよ?」と疑問をぶつけるも

「あはは。そんな怖い顔しないで下さいよ。ちゃんと説明しますから」と言われてしまうのであった そして案内されるがままに歩いていき――しばらく歩くと 巨大な城が目に入り そして城内へと入って行くと

「おかえりなさいませ。魔王さま」と出迎えられる 俺は内心「えっ?」と思っていると

「うん。ただいま。彼が例の男性だよ」

と言いながら魔王と名乗る人物が奥の部屋に向かっていった 魔王と名乗った女性の後に俺が続く形で、後を追いかけて行くのであったが、途中で一人の執事が近づいてくると「お荷物を預かりに参りました」と言われると俺のリュックサックが勝手に浮かび上がると 魔王が「それを持って、私の部屋に」と言い残すなり奥の方へ歩き出してしまったため、俺は慌てて追いかけると魔王の後を追う それから歩いて

「魔王って、あの女の人が魔王でいいのか?」

「そうだな」

俺が魔王と聞いて最初に思ったことは。あの金髪の女が魔王だと思っていたのだが、違ったらしい。

「ちなみに。あの人は人間で、俺の事は、どういう認識なわけ?」と尋ねる

「アリシアが姉に会いに行くという話を聞いた時点で、お主は、ここを訪れただろう?」と

「ああ」

「ならばアリシアは魔王に狙われても不思議ではないのだ」

「いやいや。それはないだろ」と言いつつも俺は思う アリシアは魔王が居ると言っていた しかし、そのアリシアの知り合いと言う人物に魔王の側近がいる事から、俺は魔王と会う事になるなんて思っても見なかった。魔王と対面する前に、俺を騙そうとしたのかとも考えたが、俺を引き摺り込んだりなどを考えれば。それもおかしいような気がする そうこう思っているうちに部屋に到着するなり 魔王「それでアリシア。そこの男性を紹介してもらえないか?」と言い出したのだった アリシア「はい。私が浩平さんの事で知っていることは全て話してください」

浩平「ふーんっ。俺としてはありがたいけどよぉ~っ?なんか怪しくないか?」

魔王の側近

「その者の名を聞きましたね?なれば後は、ご自分で確かめるべきでしょうな。さぁ行きなさい!」

アリシア

「魔王よ。あなたはこの男性を高く評価しておるようだが。それならば、尚の事この方の正体を知るべきでしょうな」と言う 魔王

「その者の名を聞きましたな?ならば次は、貴様が自らの目でしかと確認すべきだ」

浩平「アリシア。お前の姉に会うために、この世界にやって来た」と言うと魔王の側近と魔王は興味深そうな顔をして、こちらを見てきたため――俺はアリシアの姉に会う前に魔王と出会ってしまったのである 俺は魔王とアリシアと一緒に魔王の側近と向かい合うようにしてテーブルを挟みながら

「まず初めに魔王様には申し上げねばならないことがございます」と言うも魔王の側近の態度を見て 浩平「おい。なんか偉そうな感じじゃねぇか」

アリシア「まぁそうですね。この方が魔王様なので」と言うも魔王の側近は表情を一切変えずに 魔王の側近「お主らの言葉遣いに問題があると申したのです」

魔王の側近

「この方の前では下手な発言は慎むように」と 浩平「なんか魔王の関係者は俺を敵視するような視線を向けてきてばかりいるんですが、それはどうしてでしょうか?」

アリシア

「多分。勇者だからですね」

魔王の側近「貴殿。魔王の配下となりたくはないのですか?」と俺に対して尋ねてくる 浩平「そんなこと言ってないだろ?それとも魔王の側近のあんたからしたら勇者は仲間にならないって言う設定なのかよ」と言うと――

魔王の側近「その通りです」と答えられたため アリシア「ですが勇者として召喚された者ならば勇者となるので、魔王軍に所属する事は無いです」と言う 浩平「じゃあさ?もし仮にさ?もしもだけど?勇者を召喚するような儀式があるのであれば、それに俺が参加したら勇者になれるのか?」と言いつつアリシアを見る アリス「残念ながら勇者は異世界の人間だけです。勇者の力は異能と呼ばれる力であってスキルではありませんので、そちらの能力とはまた違うものになるかと思われます」とアリスに言われてしまうも 俺は――

浩平「まぁ俺には関係ない話なんだけどよ」と答えるも 勇者と聞いた魔王の顔色が変わると――

「勇者の力を得たいのかね?」と言い出した 浩平「いや?そういうわけじゃないけどな。勇者ってどんなもんなのかと思っただけだ」

魔王

「勇者とは何なのか?」と質問を投げかけられても――

俺が知るわけもなく 困った顔を浮かべていると――魔王の側近は「勇者と言うのは特別な力を持つ者であり、そして、それを行使できるのが勇者なのだ」と言い出してきたので 浩平

「なんだよ。結局は異世界召喚によって選ばれるだけかよ」と俺が言い切ると 魔王

「異世界召喚とは?」と聞き返して来たため

「俺もよくわかんねえんだけどよ。何か異世界から人を呼ぶ魔法とかがあるらしいんだ。んで?そいつらは勝手に呼び出されて勇者に選ばれちまうからよ。俺みたいに普通の高校生はさ?異世界で勇者になりたくなるのが普通なんだぜ?」と言うと アリシア「召喚されたのなら異世界召喚の勇者なんじゃないのかな?」とアリシアに突っ込まれてしまい。そして俺は頭を悩ませてしまったのである

「まぁ。どうでもいい話だし。別にいいだろ」

魔王「ま、待て!!異世界から呼ばれる人間と。この世界で生まれ育った人間はどういった違いが出てくるのだ?」と急に俺の話を食いついてくる魔王だった。すると魔王は興奮気味に話し始める 魔王「異世界の人間。それは勇者だ。ならば、この世界の人間が勇者と成り得るのではないか?」と言うも

「そんな都合の良い話はねぇってば。何回言えばわかるんだよ!!」と言うも、しかし――それはある事がきっかけで変わったことを思い返すことになるのだが。そんな事を知らない俺は呆れた顔をしながらアリシアを見たのだが――アリシアも苦笑いしながら俺を見つめてくるだけであったのだが――

アリシアの姉に会うために魔王城を訪れたのだが。そこで待っていたのが、金髪の女性であり アリシアと同じ名前を名乗る少女が姉であることを告げるなり俺は目の前の人物を見る 金髪の長髪に緑色の瞳をした少女だった。背格好を見ると年下に見えるほど小柄な体格をしていたのが印象的で。アリシアの年齢は十六才ぐらいだと聞いていたため。目の前の少女は十五か六と言ったところだろうかと判断するも 目の前の少女とアリ

「姉様は少し変わっているところがあるので気をつけてくださいね?」と言われても「あはは」としか返事ができない俺だったが それでも「まぁとりあえず会わせてくれるんだよな?」と尋ねると「はい」と言われたので――案内してもらうと、そこは書斎のような場所へとたどり着くと――

そこには一人の少女がいた アリシアーシェと名乗る金髪の少女の妹である彼女は――こちらに気づいたのか振り向いて――そして、いきなり抱きついてきたのだ!俺は驚いているも――どうにか正気に返るなり俺はアリシアから紹介された少女の容姿について考えるも。外見だけを見れば間違いなく美人さんと言えるほどの可愛らしさがあった。そのため。俺は一瞬ドキッとする。そんな感情

「えっとアリシアのお友達の方はどちら様なのですか?」

アリシア

「彼は浩平と言いまして。私達を助けに来てくれたのです」と 俺に話しかけてくれたアリシアだが。アリシアとアリシアの双子の妹の会話を邪魔しない為に、静かにしていた 浩平「あの。アリシア」

アリシア

「はい。どうしました?」と聞かれたため。俺達は今から姉の元に向かうので。一応。この世界に来た目的を伝えたのだが――アリシアからは

「お兄様がお越しになっているので大丈夫ですよ」と言われてしまっても、やはり俺としても心配になってしまって仕方が無いので、一緒に行くと言うと。魔王が付いて来ると言う 魔王

「勇者。お前の目的はわかった。しかしだ。魔王を倒すためにこの城にやって来たのだろう?魔王を倒し終えれば帰るのか?」

浩平「ああ」

魔王の側近

「それは、つまり。魔王が倒されるまでは帰らないと?」

浩平「その可能性はあるだろうな」

魔王の側近

「ふむ」と考え込んでしまうも、俺はその様子を見ながら、俺の背中に隠れるように立っている双子を見るも 魔王が「魔王と会うと言う事は死を覚悟していると言う事で間違いないのだよ?」と言うも

「その通りです。私はこの方に命を救っていただいたので」と言うとアリシアが アリシア「この方が居なかったら死んでました」とアリシアが答えると

「アリシアの恩人が相手であれば我も戦わない」と言われるなり――魔王の側近から敵意を感じなくなっていたのだ そして――アリシアと共に俺の姉がいる部屋に辿り着く アリシア

「失礼します。姉さま!」と言うも部屋の中からは何も聞こえない事にアリシアは不安を覚えつつも部屋に入る――そしてアリシアに続きアリシアが部屋に入ると。そこにいたはずの浩平の姿は消えており アリス『浩平』と呼ばれたことに反応してしまいながらも声を出した本人に視線を向けるも――そこに居るのは金髪の少女だけだったため困惑した顔をして、俺はアリスを見てしまうと アリス「魔王様にお願いをしてみてください」と言うも 浩平「おいっ!アリス。説明しろっての!!」と言いつつ俺はアリスを見てしまう アリシアは姉と話す際にアリスを頼ることがあるためアリスのことは知っているものの アリシアの口から聞くまでは、このアリシアに似ている女の子のことを思い出せずにいたため 浩平「アリスは俺の事が好きなのになんでお前はこんなことしてくるんだ?」と俺も不思議そうな顔をしてしまう 魔王の側近「魔王よ。どうした?」と言いつつ、魔王の元に戻ると。

魔王「アリシアの恩人である勇者殿に頼みがある」と言い出す アリス「魔王。その方ならば可能でしょう」と魔王の言葉を聞いてもいないアリスに対して魔王の側近が何を言おうとしているのかを察すると――

魔王の側近「勇者殿には是非に魔王軍の一員になっていただく」と言い切ったのであった

「魔王軍?」と俺が呟いているも。魔王の側近は話を進めることにしたらしく 魔王の側近「魔王軍とはこの世界にある魔王を信仰する者たちの集まりでな。そして魔王とは、その世界に魔王が降臨すると宣言される儀式の事なのだが、その儀式で、魔王が異世界から呼び出した人間の事を勇者と呼ぶ。魔王軍に所属している勇者と言うものは――異世界の人間と言うのは異世界に干渉することができるという事なのだ」と説明されるが 俺としては意味が分からずにアリスを見る アリスは黙ったままで何も語ってくれないため――

アリス「勇者の力とは異能です。それは浩平様の世界でも同じなんですよね?」と質問を投げかけられると 俺は

「まぁ、俺達の世界の奴も異能を持っている」と答えるも――アリスに アリス「異能を持つ人間は、それとは別に異世界の人間は勇者の力を得る事ができる。勇者の力を異世界召喚の際に得ると言うわけですね」と言われてしまう 浩平「じゃあさ。俺がこの世界を異世界召喚した際にこの世界にやってくる異世界の人間は、皆勇者になれるって事なのか?」とアリスに言うが、アリスに言われている内容で大体の事を理解した俺はアリスを見てみる 浩平「それじゃあさ?勇者になれるって言うのも納得だな」と言ってみると魔王に 魔王の側近

「勇者の力はスキルとは違う。しかしだ、召喚時に異世界から召喚された勇者が勇者としての力を発揮してしまう事には変わりがないのだ。つまり、こちらの世界で召喚された者は勇者となりうるのだ」と言われたため 浩平は少し考えた後で 浩平「でもよ?それはおかしくねえか?だったとしたならさ?異世界召喚された際にこちらに来ることになるから。それは俺達が異世界から来た人間だって言ってるようなもんじゃないのか?」と聞き返すと魔王は

「うっ!?まぁ、確かに。そうかもしれないが、勇者として呼ばれた人間にも、勇者と成りえる可能性があると言うだけだ」と答えられたので、とりあえず。俺は異世界の人間が、異世界からやって来たと言う証明が出来なくなるのではないかと尋ねてみると――魔王の側近から

「勇者と呼ばれる人間は異世界から呼び出された人間だけなのでな」と言われてしまったのである そして――俺は魔王の側近との話を終えてから、魔王の部屋を出て行った。そして、アリシアから アリシア「すみません。浩平」と言われてしまって。どうしようかと思ったので 浩平「あー別に良いけどよ。俺はアリシアと一緒にいるだけで楽しいから問題無いぜ?」と言うも。

「それで、これから、俺はどうすればいいんだよ?」と聞いてみると。アリシアが アリシア「魔王軍に所属すると言う話は無しになったのでしょうか?」

アリシアは申し訳なさそうな顔を浮かべるも、魔王の側近はアリシアに謝られるのが心苦しいようで 側近「魔王軍は、こちらの世界に存在する人間ではないので問題はありません」と言っていたが。俺は少しばかり気になることが出てきてしまう

「そもそも魔王軍に居るのは、この世界で生活している人達と変わらないと思うんだが、何でわざわざ危険な場所に身を置こうと思わないのかね?」と俺の疑問はもっともであり 浩平は「この世界にいる人間は平和に暮らしているんだろうから危険だから魔王軍に入らないというのは間違ってるんじゃないか?」と言ったのだが 魔王側近から 魔王の側近「この世界で生まれ育った人ではない。この世界には存在しない者達が集まっているからだ」と アリシアは「浩平。私達は貴方に守られています。ですが」

浩平「俺の世界の人間は違うのか?」とアリシアーシェの発言を遮るように俺は言った。そして、魔王の側近からも説明を受けて俺はある事に気づく。この国で暮らす人々と暮らす魔族と魔王軍の面々。そこには大きな差があった。魔王の側近もそれを気にした

「そうだ。魔王の側近は気にしていない。いや気にしているのだろうが、魔王様は気にしてなどいないだろう。魔王の側近もそれに救われたのだろう」と言われたが 魔王の側近から「しかし、貴殿達と魔王軍の人間を一緒くたにして考えるべきではないのかもしれぬ。だが魔王様を崇拝しているこの国の者どもからすれば、魔王様の敵に回る存在は全て魔王軍と一括りにしているのだ。そのため――この国の人間に危害を加えなければ、こちらから手を出されることは無い。だからこそ、我々は魔王軍がこの城に滞在していることを許してしまっている」と――俺達は知らなかったが――

アリシア

「姉様は、昔から自分の意思を貫くために周りを巻き込むのが得意ですから」と言われてしまっては仕方が無いのだが――魔王軍に所属することを断っている俺としてはどうする事も出来ないと思っていた。そこで俺とアリシアは一旦家に帰ることにしたのだが、その際アリシアとアリスが二人とも俺の家までついてきたのであった 俺は家に着くなり自室に戻るために二階に向かうと。アリスが俺を呼び止める アリシア「待って下さい浩平」

浩平「どうした?何か用でもあるの?」

浩平は何だろと思いつつアリシアを見てしまうもアリシアが俺に向かって微笑みかけてくれる。アリシアの顔はやっぱり可愛かった 浩平「で、俺に話があるって言うのは?もしかして、またキスしたいって言うのは無理だぞ?」

アリシア「そんな事を言っていたら本当に襲われてしまいます。今日はその様なことを聞きたいのではなく」とアリシアが言い切る前に。浩平の背後で俺を呼ぶ声 アリシア「姉様?」とアリシアが不思議そうな声を出すも。俺の背中から聞こえる声で俺はアリシアに視線を向けると――俺の背後にいた人物を見た瞬間に俺は驚きの声を上げる事になる。そしてアリシアが俺の背中にいた人物が誰なのかを知っているのか俺に声をかけてくると――アリシアが驚いた声を出した アリシア「どうして此処に?」と言いつつも。俺の背中で震えていた女の子

「ご、ゴメンね?お邪魔かな?わ、わたし帰るね?浩平君とアリスちゃんの事は、そのお、応援してるから!」と言い出すと――階段を駆け下りていった。その様子を見送る事しかできなかった俺は アリス

「あ、姉様が。まさかあんな顔をするとは思いませんでした」と少し顔を赤くしていたアリスは アリシア「浩平のバカ。あの子泣いてたのよ?」と言い出すと俺は「えっ?」と言うしかなかった 俺は突然の事に呆然としていたが。アリシアはアリスと俺に説明をする為に俺の部屋に移動すると――アリシアは話を始める 先程の女の子について説明をしなければいけないと言うアリシアの言葉を聞いて、俺も理解したが、それよりも、俺にとっては衝撃的だったのは、その女の子の名前は小春と言う事らしい そしてアリシアが何故その少女を追いかけようとしたのかというと、その子の父親がこの城の料理人で。アリスの知り合いだったようだ アリシアが「あの娘ったら、いつも浩平にベタベタするから、私が怒るとすぐ逃げて行くんですよ」と愚痴っぽく言ってくるも。俺的には、アリスに

「なぁ?なんで、お前の妹なんだ?妹が出来た事なんてないぞ?」と言うと。アリスは何故か苦笑いで答えてくれた アリス「それは、浩平様と初めて出会った時に。私が助けましたからね」と言う言葉に俺は思い出した。

確か、最初に魔王と戦ってた時に――

アリス『さすが勇者です!』と笑顔で俺の手を引っ張った金髪の少女がいた事を――俺は、それを思いだすと同時に一つの事を思い出す 浩平(あれってこの子が魔王の側近に絡まれてるのを助けたんだったよな)と考えてしまう。しかし 魔王の件で色々と面倒な事になったのは間違いないが。俺としては悪くなかったと思って

「でもまぁ、可愛い子は良いよな」と言うも。アリシアに頭を叩かれてしまう アリシア「私がいるでしょう」と アリス「そうですよ!アリシアよりも私の方が浩平の事が好きなんですから。私は浩平の為ならば何でも出来るので、いつでも言ってください」と言われて 浩平「それじゃあ早速お願いしようか?」と言った直後 浩平「うおっ!?」と悲鳴をあげると 目の前にアリスの綺麗な顔があり、思わず後ず去りしてしまうも アリス「ダメです」と抱きしめられて アリスに膝枕されて頭なでられた そして――暫くしてからアリスが離れて行ってから。俺は立ち上がる

「さっきの小春の態度が気になるんだよな」と呟くと。アリスとアリシアは同時に首を傾げており。二人して同じような仕草をして

「さっきの小春の様子おかしかったもん」とアリシアが答えると

「でも浩平さんを慕っている気持ちは同じはずなのに」

アリスは困り果てた表情を浮かべながらも考え込んでいた

「確かに、普通なら俺の事が好きになってもおかしくないだろうし。でも俺のどこに惹かれたんだろうな?」と言うが アリシア「分からないけど。多分」と言ってから アリシア「あの子の浩平に対する好意は凄いから。私にも分かるくらいに」

アリシアはそう

「あの娘の行動力は異常だと思うんだけど?」と言われた時だった コンッ♪コーンッ!!という音共に扉が開かれる音が聞こえて来るなり アリシアはビクつきながらも。すぐに剣に手を伸ばしている姿を見てから。俺はゆっくりと窓の方へ近づくと窓を開くと――小春の姿が目に入り俺は驚いてしまう

(こいつ!?マジか!?何考えてんだよ!?窓から入るって危ないってレベルじゃないぞ?)と思いながら、窓を開けた事で俺はあることに気づく 浩平(あれ?小春の奴なんか怪我してねえか?)と思いつつも――俺はどうしたものかと考えると、アリシアが近づいてくるので、俺が先に動くべきかと考えた瞬間。俺より先に

「何をやってるのですか?浩平様と私の大切な時間を邪魔しないでくれませんか?小春様?」とアリシアの口から聞いたこともない冷たい声で言われるが、それに対して――「あっ」と何かを思いついたような反応をしたアリシアーシュに対して俺が嫌な予感を覚える中アリシアが言うと――俺の腕を抱き締めるように絡めてくる。

そして俺の耳に唇を寄せて「こんなところで大胆ですね」と言った途端に――アリシアは小春を挑発するように俺にキスしてくる姿を見せつけるかのように――舌を入れてくるのである 俺はアリシアがここまで積極的だと思わなかった。そして俺自身に戸惑いがあったのかもしれない 小春が唖然となり

「嘘だよね?私に、そんな事する訳がないよね?私には見せつけてくれてもいいから、それだけは許さないから」と言われても。俺は何も出来ない アリシアに腕を奪われて。さらに胸も押し付けられているためだ。だが。ここで問題が起きたのだ。アリシアが離れていくと アリシアは自分の唇に触れるなり「これが私の浩平への愛」とアリサにキスされた頬を見せびらかすようにすると 小春が悔しそうな顔をした直後に。泣き出してしまったのである。その光景を見てアリシアは満足したように微笑むも。俺はどうすることも出来ずに「どうしたらいいんだ?」と呟くと――

アリ

「どうもしなくて構いません。それより、今は」

浩平は小春が去っていく姿を見るしかなく。

アリス「アリシアが浩平様に、このような事を仕掛けてくるとは思いませんでした」とアリシアがアリシアに問いかける アリス「もしかして。姉様は浩平様のことが?」とアリスがアリシアに言うが アリシア「さぁね?どうかしら?少なくとも、あの子を浩平が泣かせたのは事実よ」とアリシアは少し怒っており 浩平「とりあえず。追いかけよう」と言い出すも アリス「いえ、今追いついた所で、きっと何も変わらないと思います」と言われて俺は

「そうかもだけど。このまま放って置くわけには行かないだろ?それに――あんな女の子が一人泣いてたらどうにかしてやりたくなってくるだろ?」と口にすると アリシアが微笑みかけてくれる。それはアリシアに微笑まれたら大抵の男は落ちるだろうと思えるほどの可愛らしい笑顔だったのは言うまでもない。だが俺としては、先程のアリスの言葉を聞いて、もしかすれば、この世界にいる間だけでもアリシアと一緒に暮らす事になるかもしれないと思っていたのだが 俺はこの時忘れていたのだ。魔王と言う存在がいることをそして俺は忘れていた。アリスと小春の関係を――アリスにとって魔王は、家族同然のような相手であることを――そして小春の事を妹として見ている事を――

そして浩

「おい、待ってくれ。俺は――」「分かってます。ですが」

俺はアリスが小春を妹の様に接していた事を アリス「私はあの娘の為にも、浩平さんを――浩平さんは、私を救い上げてくれた人だから。あの娘の為でもあるんですよ」とアリスに言い切られてしまう。それでも俺は、俺は――俺はアリ

「なあ。お前に、お前にそんな事をして欲しいなんて、俺は――」「分かってます」

俺はアリスの事が大好きなんだ。例え、その想いが届かなかったとしても 俺は俺を救って貰えたアリスに――俺は 俺はただ、俺はアリスが幸せで居てくれたらいいと願っていただけだと言うのに。

――そのはずだったと言うのに――俺に優しくしてくれたアリス。俺を助けてくれたアリシアと。そして俺の事が好きなアリスを守りたかっただけなのに――

どうしてこうなったのか分からないが――俺の目からは自然と涙が流れ始める。俺はアリシアとアリスの事が好きだからこそ。この世界でアリシアやアリスを守るつもりだったのに。それなのに、俺

「なぁ?教えてくれよ?俺は一体どうしたら良かったんだよ?なぁ?お前達はいったいどうしたいんだよ?」と言いながらも 浩

「ああもう!うるさい!!」と叫び 浩

「分かった!お前達二人が納得できるような結末を用意する!ただし」と言ってから俺はアリシャアに抱きつく形で抱きしめると頭を軽く撫でるなり「これは絶対に叶えて欲しいお願いがある」と言う アリスはその言葉の意味を察したのか「任せてください」と言ってくれて。俺の顔を見上げる アリスは目を閉じてから言うのだった。その表情は覚悟を決めているようで アリ

「はい。喜んで受け入れましょう」と。そうして俺は

「悪いけど。二人共、暫くはここにいてもらえるか?」と言う するとアリシアとアリスは「うん。いいよ?」と答えてくれて俺は安堵の溜息と共に「助かる。じゃあ、早速だが」と俺にはまだ考えなければいけない事があるので、俺は小春を追いかけ

「待ってくれ!」と呼び止めるも。小春の足を止められずに追い付くことができない アリスが俺の手を握ってから言う アリス「私に任せてください」と自信ありげに言われたため 浩

「任せるが、無理するな」と答える 浩

「俺はどうしたら良いか分からねえんだよ。頼むから一人で勝手に決めるな」と呟く 小春「なに?」と振り返る小春の姿が見えたが アリ「捕まえました」とアリスの声が聞こえたので俺が後ろを振り向くと、そこには両手を掴まれている小春の姿があり、アリシアが小春に向かって話しかけた直後 アリス「小春様。貴方は何を望んでいるのです?私はアリシアほど甘くないですからね?正直なところ――これ以上付き纏われるなら斬り捨てる事も視野に入れています」と言う すると小春は何も答えず走り去って行った直後 アリシアもアリシアで俺の手を引いてきた直後。アリシアはアリシアの方で困ったような表情で俺の事を見つめてきて「ごめんなさい。あの子も大切な私のお友達なのですが」と言う そして俺の腕を掴むなり自分の胸に引き寄せてきた瞬間。そのまま胸に押し付けられる形になるのだった――柔らかい感触を感じるとともに 俺は動揺するが。それよりも、アリティアの方の表情の方が気になってしまって仕方がないのだ。そしてアリリアは真剣に考え込んでいるような

「あの子は何を思ってあんな事をして来たんでしょう?でもあれでは私がアリシアと同じ感情を抱いていると思われても可笑しくはないですよ?もしかして本当にそう思っていた?それとも私の気持ちを知っていると?だとすれば」と考え込む中 浩平がアリティアに声をかけようとするが

「浩平様。もう少しこのまま」と言われてしまった俺は黙って従う事にしたのだった。すると、小春が立ち止まり――

「はぁはぁ、ようやく止まって」と言った矢先――小春はいきなり頭を下げてきたかと思うと謝罪してくるのである 小「すみません。ちょっと冷静さを欠いていました。さっきも、アリスに謝られてしまいました。それにしてもアリシ――」「その話は、また後で聞きますから今は落ち着いて下さい。それで?先程まで何処に行こうとしていたんですか?」と問い詰められて小春が口を閉ざしてしまう。その様子に呆れ果てつつも「別に責めるつもりは無いですが」と言ってからアリスは自分の方へ来るように言うとアリシアの方へと連れて行く 小「あの、どういうつもりですか?」と言われたアリスは笑顔を見せるばかりで答えようとしてくれない 浩平達が部屋に戻る最中。アリシアが唐突に立ち止まると同時に口を開いたのだが。その内容は衝撃的な物であり。なんというか俺はどうしたものかなと考えている中で。俺の耳元で言うようにしてきたので俺としては驚きを隠す事は出来ず

「おい、お前、何を」と言いかけた時に、それを遮る形でアリサは俺の口に手をやり「声を出さないでください」と言い出した アリサ「浩平。これから私は貴方に隠し事します。それはきっと怒ってしまうでしょう。もしかしたら許せないかもしれない。それでも私は、私の願いを叶えるためにも、どうしても浩平にだけは隠しておく必要が出てくるんですよ」と俺にだけしか聞こないような雰囲気を作りだすも 小春はアリシアが何を言い出すのか警戒した様子を見せて――だがアリスもアリシアも、お互いに

「ふふっ」と微笑みあい。その様子に疑問を抱きながらアリシアが俺の耳に唇を寄せてきて アリシアは俺の唇を奪い「んぐぅ!?ぷは」と唇を奪われてから解放されて――俺は顔を赤くして見下ろしてくるアリシアに視線を向けた直後に――アリシアは小春に向かって言い放つ――「アリシアの邪魔をするなら、浩平様。今すぐに、ここで私達の前から消えてください。それが出来ないと言うのであれば。貴方はアリス様を不幸にしようとしている」とアリシアに言われた小春は、俺とアリスの顔を何度か交互に見た後にアリスが口を開く――「私は貴女を許してあげる事ができません」と。

「待ってくれ、アリシア。どうして、お前はそんな言い方ばかり――俺が悪かったんだ。俺が小春を追い駆けようとしたら。あいつが逃げるもんだからついな。悪い」と俺が慌てて弁解するようにすると アリスは首を横に振り アリス「違います。浩平さんのせいじゃないですよ。私が、アリシアの味方をしたくなっただけですよ」と言うのだが――アリシアもアリスの言葉に対して アリシア「小春のやったことは全て許される事では無いと思います。それでも、あの子が悪いわけでもないんですよ」と言う

「どういうことだ?」

俺は訳が分からなくなってアリスを見るが。アリスは悲しげに微笑みを浮かべると。何も言わずに

「分かりました」と小声で言ってから俺と小春を一度引き離した。そして――俺はアリシアが言い放った言葉が信じられなくて思わず立ち上がってしまう アリシアが言った言葉を、俺は受け入れられなかったからだ。

アリシアは「私はアリシ――「違う。そうじゃねえだろ!」――そう、ですね。ごめんなさい。私とアリシアと小春様の問題なのかもしれません。浩平さんを巻き込んではいけない問題なのは分かっています」と言うのだったが。俺は納得できない。俺は

「俺に、話してくれよ」と小春の方を見て「頼むよ。お前の力が必要なんだ」と懇願するも 小春は俺の

「俺はお前達の為に何かできることはないのかよ」と叫ぶ だが、俺には小春やアリシアの手助けができることは限られていて――結局はアリシアやアリシャの気持ちを変える事ができず。アリシアは、自分が間違っているのかと不安になり、小春もアリスとアリスの幸せを優先した結果の行動に戸惑う

「浩平。あのね。これは私の独り言だから気にしないでね?」と俺にしか聞こえないように囁くアリシアだが、俺は、アリシアの話を聞いてやる事にした。すると、アリシアが俺にだけ分かる様に語り掛けてきた内容は――アリシアがこの世界に召喚された理由は、この世界を創造した神と敵対していた勇者をこの世界に連れて来させるためであり、アリスと小春は勇者を連れて来るために呼び出されたとのことだった。

そして俺達の前に現れたのは俺をこの世界に連れて来た男であり。その男は俺にこう話しかけてきた 勇「お前が魔王か?確かに弱そうだな」と言い放ってきた直後 魔王は「わ、妾が弱い?」と言ってしまったため 勇「だってそうじゃん。お前、全然強くねえじゃねえか」と言う 勇「俺の力を欲しがっているようだが、悪いがお前なんかの手に渡してやる気はない」と言ってきたため

「なに?」と言うと 勇「そもそも、何で俺なんだよ。他にもいただろうが」と。すると勇者は「俺はさ、お前よりも強い奴を知ってるんだよ」と すると俺と小春はお互いに目を合わせる。俺達が、お互いの正体に気づいたのは同時だったのだ。そして小春が「ねぇ、あんたの名前は?私、あんたが誰か分かったんだけど?」

「俺もさ、お前の考えてる奴が俺もわかったんだよ」と言いつつ俺がアリシアの方を見ているとアリシアは小さく「はい」と答えたため。アリシアが答え合わせをしてくれた

「俺の考えてる通りか?」と聞くと。小春が「えぇ。間違いなく、こいつが」と言い掛けた時に、俺達は小春の声を聞き流したのだが。目の前の勇者が

「そうだよ。こいつらが俺の仲間を散々痛めつけてくれたみたいだし。そっちの女は俺の妻を傷物にしようとしてるからな。絶対に許せねえからな。俺が始末してやる」とアリシアを睨みつける。

「おい、待て!なんでお前がアリシ――「うるさいなぁ。ちょっと待っててくれないか?」とアリシアに声を掛けようとしたがアリシアは勇者の方を見ると アリシア「あーそうでしたね。すっかり忘れていました。そう言えば貴方って、あの子から逃げて来たんでしたね。それに、あの子は私のお気に入りですのでね。これ以上ちょっかいを出さないでくれませんかね?」

すると勇者はアリシアの胸ぐらを掴む 勇「おい、アリシア。てめぇは、俺に喧嘩を売ってんのか?俺はな、てめぇと違って女に手を上げたくない主義なんでね。今ならまだ、お前を許す事も出来るぜ?だが、次は無いと思っとけ」

すると小春が「アリシアは悪くないもん!!悪いのはあの子が勝手に――」「アリサ様。もう良いんです」アリシアに抱き締められた状態で、小春がアリシアの事を庇おうとした時だった。小春の背後に、突然に姿を現したのは

「あれ?もしかしたら。貴方って」

「ん?」

俺は目の前にいる人物に見覚えがあって思わず声を出してしまう。だが俺の反応を見た人物は少し不思議そうな表情を見せた後に「へぇ~君。僕に会ったことがあるのか。僕のことを君は知っているのかい?ならさ、君の身体で試させてくれると助かるかなぁ」とニヤッとした顔で俺に近づいてくる。するとアリスが小春を守るようにして アリス「私もアリシアも浩平さんの邪魔はさせないから!!」と言い放つのだが――俺はこの時、アリスの言葉に対して違和感を覚えることになる。なぜなら、今の言い方だとまるでアリシアがアリスを守ろうとしているように聞こえたためだ。するとアリスはアリシアの腕の中に居る小春を引っ張り出して

「ほら、行くよ」と言うと、アリスが小春の手を引っ張った途端に「きゃあっ!?離して下さい!」と声を上げたかと思うとアリシアは、すぐにアリスに掴まれていない腕で殴り掛かるのだが。アリシアが殴ろうとした手を握り止めてからアリスは言う――「貴方では勝てませんよ」

アリスに言われて小春が「アリス、離して!」と暴れ出すが、小春は拘束されているのもあってアリスから逃れる事が出来ずに「小春ちゃんが可哀想」とアリシアがアリスに向かって言い出した

「おい、お前、小春は俺の大事な家族だぞ!」と言うとアリスは冷たい視線を向けながら アリス「そうですね。だけど今は私と浩平さんの二人きりの時間ですよ」と言うが――小春に俺の大事な

「おい、ふざけんじゃねえぞ!」

俺は思わず怒鳴り付けてしまった。

アリシア「あら、怖いわね。小春様を人質にとっているんだからもう少し強気な態度を見せても良いのに。それとも貴方の大事なお仲間を傷つけちゃうのが一番効くのかし――!?」

小春「ひっ!?な、なにするの!?私は関係なっ!?」と言いかけた小春に対して、アリスは自分の頬に拳を叩き付けると同時に

「なっ、何を!?」とアリシアが驚いた様子を見せ、俺も驚いていた。小春は俺の家族だと言ったのに、アリシアもアリスも関係ないと切り捨てようとしたからだ。そしてアリシア

「お待ちください。浩平さん、お願いがあるのですが」

とアリスが小春の手を引き、自分の方へと寄せようとするも アリシアは小春を奪い取ろうとアリスに蹴りかかるが、俺がすぐにアリシアの前に立って、蹴ろうとする足を止めると――

「俺の家族が人質になってんだろ?だから俺がアリシアの邪魔をしてるのは当然の事だろうが。小春の身に何かがあった時に後悔するなんて嫌だから。アリスがどうこう言おうが俺は止める」と言う アリス「分かりました。アリシア。今回は、小春さんを連れて行くことを許します。だから諦めてください」

アリシア「分かりました。浩平さんの言うとおり、人質になっている人を連れて行ったところで何も出来ないので。私は諦めます」

とアリシアが納得した事でアリスはホッと安心していた。だが――アリシアが俺にだけ聞こえるような小さな声で

「ねぇ、アリシアス様」と囁いてきたため アリシ「その呼び方やめて下さいね」と言うが、アリシアがアリシアの名前を知っていたことに俺は驚く。俺は小春にだけ聞こえないように、こそっと「お前、どうして、アリシアの名前を知ってんだ?」と聞いたが――

小「知らないよ」と言われてしまい。俺は小春が嘘を言うとは思えないため。小春も知らなかったようで。そしてアリシアもアリシア

「そうですか」と返事をするだけで終わる。ただ、その後――小春には聞かせないように俺はアリシアから耳打ちされ、その言葉の意味を知ったことで 俺は愕然としてしまう事になる 俺はアリシアスが何を言ってきたのか分からないが、とりあえず落ち着くまで時間をおく事にしたのだったが。しばらくして落ち着いた頃を見計らい話しかけることにする――というか。そもそも俺の予想が正しいならば。こいつは絶対にこの世界に存在してはいけない存在のため俺はすぐに話を聞いておきたかったからだが。俺の方を見るアリシアを見て俺は何も言わずに、まず小春が何かをされた痕跡がないかどうかを確認していく

「小春が無事なのは分かったけど。やっぱりアリス達の目的は分からなかったんだよなぁ。俺を異世界から召喚するために俺を連れ戻すために俺達の世界に連れて来たのは分かってんだけどさ」と呟くと小春は俺に近寄ってきてから 小「うん。その事は私も分かってた。それで、私はずっと浩平と一緒に居たいから、アリシアの言う通りにしてたんだって」

と笑顔で答えてくる。そんな風に言われたら俺も「そうだな。俺だってお前とは離れたくないし。お前と別れる事になるとしたら俺は絶対に泣く」と言うと 小春は俺の顔を見ながら「私も泣いちゃうかも。浩平に嫌われるって思ったら、凄く不安になってきた」と寂しそう

「俺が小春を嫌うわけないって。俺が小春を嫌いになった事なんて今までに一度も無いだろう?」と俺が言って頭を撫でると「えへへ。そうだよね。ごめんね、変なこと聞いちゃって」と言い

「別に謝ることじゃないさ。俺の方こそ。お前と小春が俺から離れていった理由を考えても分からなかったんだ。俺の方こそ悪かった」

と俺が謝った時

「まあでもなあの小春の奴は、絶対にアリシア達に騙されてるから助けないとな」と言ってアリスを見るとアリスは真剣な表情で言う――アリスから告げられた事実を知るまでは――なにも知らなければ俺は今の言葉に対して普通に反応していたのだが――だがしかし、アリスの表情からは余裕が無いため――つまりそれは――もうすでにアリス達は俺を騙すつもりはないということでもある――そう思っている間にも俺は頭の中で必死に考えていたのだ。今更になって気付いたのだ。なぜこんな当たり前すぎることが気が付かなかったのかと自分自身を責めてしまうほどの大失態である――もしもだ。小春だけが狙われているのであれば話は分かる だけどだ。勇者とアリサ

「おい、お前さっきから誰と話してんだ?俺の仲間に手を出してみろ!こいつを殺して、てめぇも殺してやる!!」

浩平「ああ、悪い。ちょっとお前に頼み事があるんだ。ちょっと黙っててくれ」と浩平は冷静を装いながらも勇者の胸ぐらを掴む 勇「ああん?お前がなにしやがる!離せ!」と勇者は暴れ始めるのだが、俺は離さない。なぜならば、このまま放してしまえば間違いなくアリシアは殺されると直感で分かったために。アリシアを助けるための策を考えていたのだった 浩平「頼むから静かにしててくれないか?今すぐにここから出て行って欲しいだけだ。それと俺の大切な人達に二度と関わらないでくれないか?」と冷めた口調で言うと、俺は胸ぐらを掴んだまま、森の中へと引きずっていく そして森の奥の方へと向かう――その間も暴れ続けているのだが、それでも俺は決して離さなかった

「は、はなし――」

浩平「うるさいぞ。今ならまだ、まだお前を見逃してもいい」と言うが 浩平がアリシアを連れて行く理由はそれだけではない。浩平はこのアリシアの正体を知っているからこそ連れて来たのである。もちろん、それを口で説明するよりも直接見てもらった方が早い。だからあえて浩平は何も言わずに アリシアを連れていく 浩平「おい、アリシアはどこに向かってんだ?」と俺は問いかける。アリシアには、俺の魔力を使ってアリシアの姿を俺の視界の中に入れることができるようにしてもらったおかげで俺は、アリシアがどんな状況に陥っているかを理解しているために。だからこそ焦っていた。だが俺の問いかけに対してアリシアは答える アリシア「私の部屋に」

とアリシアは答えた。そしてアリシアが部屋に入って行くのが見えた 俺は部屋の中に入る――そこには鎖によって縛られ、拘束されていたアリシアの姿があった

「ふぅーやっと、帰ってこれたか。まさか、ここまで時間がかかったとは」

と一人の男が声を上げた瞬間。扉の隙間から覗いていた俺は 男を殴った すると「はぁ、お前がやったのか?」

浩平「ああ、そうだけど」

「何がしたいのかしらねぇけど、邪魔だ。死んどけ」と言うと同時に俺に向かって剣を振り下ろしてきたが 俺はそれを避ける――

アリシアス「どうして!?私を助けたりなんかしたら、また――浩平さんを巻き込んでしまいますよ!」と言うと 浩平「お前のせいじゃない」

「なに、意味わかんねぇこと、ほざいてんだ!?死にやがれ!」と言うと俺に攻撃を繰り返ししてくる――だが、その全てをかわすと 俺は「そろそろ反撃させてもらうわ」と言い、俺は男の顎に向けて蹴り上げた――

「ぐはっ!?」と男は倒れこむと

「おい、テメェ、俺が本気出したら一瞬だと思ってるみたいだが。調子に乗るなよ。本気でぶっ殺してやるよ」と言い放つと アリシアが「どうしてですか?私を助けに来たというのですか?」と聞いてくるが俺はアリシアの方に振り返る

「そんな訳あるはずないだろうが」と言い返す アリシア「じゃあ、どうして私に構うのですか?」

「俺の家族が囚われてるからだよ」と答えるが

「家族?貴方の家族がこの世界に居るとでも言うのですか?私が調べた限りではまだ確認出来ていませんが」と不思議

「そうだろうさ。だけど俺は、あいつの家族の顔を俺は知っている」と言い。俺は拳を握り締めながらアリシアに近づく。だが、俺は途中で立ち止まる――そう。この世界に居なくても。俺はアリシアに教えなければいけないからだ。アリシアを絶望させるために。俺はアリシアの前に立つ

「この世界に来れば。必ず会えるだろうから。だから俺を信じろ」と言うと

「何を言ってるんですか?」と呆れられたが俺はそのままアリシアの前に座ると小春は心配そうな顔を浮かべて近寄ってくるが アリシア「ダメです。近寄らないで下さい。巻き添えになりますよ?」と言うも 俺は小春を止める。

「大丈夫。小春も俺の友達だから」と言うと 小春は嬉しそうにしながらアリシアに近寄るとアリシアを後ろから抱きしめる

「これでいい。だから安心してくれ。俺は、絶対に約束は破らねぇからよ」

と俺は言うとアリシアの頬に手を当ててからアリシアの顔を見る そして

「お前に嘘はついてないし。隠し事をしていたのも確かだ。だけど、俺は絶対に後悔なんてしないし。俺はお前を救い出してやるよ」と言ってアリシアの顔を見るとアリシアの目から涙を流し始める

「お前を泣かせちまったのか。ごめんな、ごめんな」と言いながら頭を撫で

「アリシア。お前の名前はな」

と俺が言ったところで「待ってくれ。俺達にも説明しろ」と言われてしまい。

「はぁ~もう、面倒くせぇな」と思いながらも俺は小春と二人で話していたことを話した 小春「えっとね。その前に浩平は、この世界の人間じゃなくてね。異世界人って呼ばれている人達の一人なんだって、そして私もその異世界人の一人」と小春は簡単に話すと

「そうなのか?」と勇者達は驚いた様子だったが俺は小春の言葉に付け足す様に言う――ちなみに、俺がアリサ達に異世界からの召喚された事を打ち明けたのはこの時が初めてだったが――異世界召喚についてだけは打ち明けなかったのだ――だって信じられるわけないだろ?俺は普通の高校生だったし、普通に過ごしていただけのはずだし異世界から来たとかって言う証拠も何もないんだからな――だけど異世界召喚に関しては異世界召喚した当人であるアリサが実際に見てたらしく信じてもらえると思っていたから正直に告げる事に決めていたんだよ――

そう思っていたから俺が召喚された事を伝えたら驚かれたわけで――だけどさすがに魔王が目の前で殺されたのを見ていただけに誰も

「魔王が勇者より強いんじゃ仕方ないか。魔王だしな。魔王様だしな。そりゃ魔王様なら勇者を殺す事も容易だろうな」と言っていた――アリシアは魔王じゃないけどな まあ、勇者の事はどうでもいい。

俺「そうだな。とりあえず、俺達が元の世界で暮らしてきた日常をお前等に教えたら信用してくれるんだろうな?」

勇「当たり前だ」

小春「だったら、まず浩平の家に連れて行ってあげる」

アリシア「ええ、是非お願いします」と言うので、小春と俺とアリシアで家に向かう

「でかすぎんだろ?」

勇「いやいやいやいや。俺の実家よりもでかいからな?てめぇの家はどれだけ金持ちなんだっての?」

浩平「ああ、普通だけど?」

「マジかよ?どんだけ金持ちだよ」と勇 アリシア「あの?浩平さんのお父さんは社長をしているのですか?それにお母さんが大女優?そして妹は売れっ子モデルで」とアリシアが言ってきて俺はため息をつくと アリシア「あれ?違いました?」

「違うな。親は二人とも公務員で、俺は学生」と答え

「はあ?公務員?お前が?嘘だろ?てっきりお偉いさんの息子かなんかだと」

浩平「嘘はついていないぞ?ただ、両親共、普通の一般人だけど?」と俺が答えると 勇「お前みたいな奴になんでこんな立派な家に住めてるのかさっぱりわからねぇんだけど?」と不思議がっていた アリシア「それはきっと。浩平さんは神様に愛されているからではないでしょうか?」

「そんな理由はないと思うけどな」

と、適当にアリシアの話に合わせる そして家の前に着くとアリシアが驚きのあまり口をパクパクさせて

「浩平さんのお宅ってまさかとは思いますが」

とアリシアが俺の家に案内すると。そこには「ここ、俺ん家で」

と説明するも「まさか、まさか」と驚いていた そして俺はアリシアを連れて自宅

「ただい――うげ!?」

玄関には妹の美優の姿があった――そして俺を見つけるなり「おかえり」と挨拶してきたのはいいのだが、俺の後ろのアリシアを見た途端 目をキラキラさせながら

「誰、その子?紹介して」と聞いてきたのであった 俺は小春とアリシアを自分の部屋に連れていく

「おい、勝手に入るぞ」

と言うと返事がないから入ったら

「あ、あんた。また私に隠れて浮気?それともまた、別の女を?」

といきなり怒られ、俺は呆れながら言う

「お前の考えてるようなことは絶対しない。この人はアリシアさん」と紹介した アリス「アリシアです」

「それで、どうしてアリシアさんを私の所に連れ込んだのか教えて」と腕を組みながら怒っていて 浩平は事情を説明すると納得したが、「そう。それならいいわ」と安心していた。それから少し会話をして

「さて、俺が留守の間、何が起きてたのか説明してくれ」と言うと

「分かったわよ。でも先にご飯にするわよ。食べてる最中に全部話すわね」と

「おう頼むぜ?」と言い俺も席に座り料理を食べるのを眺めつつ小春の隣でアリシアも一緒に食べ始める――なぜか知らないうちにアリシアは懐いていた――俺はアリシアに質問をしながら食事をし終えると 食事中に俺は勇者達から魔王の事を聞き出す事にし俺は勇者達に聞くことにした――魔王を倒したあと勇者達がどんな扱いになるかを気にしてたから聞いたんだ。そして俺が気にしてる理由を話す 勇「はあ?ふざけるなよ。俺達はお前等の国を助けるために戦ってきたのに」

浩平「その通りだな。そもそもお前等がちゃんとしていれば俺はここに来ずに済んでいたのだから」と俺が

「まあ、そう言う訳だ。お前等は処刑される覚悟を持ってるだろうから気にしなくてもいい」

と言い切る 勇「はぁ~?何を勝手に言ってんだよ!誰が助けてくれなんて言ったよ。俺達は自分達の意思でお前等に着いていったんだ。だから俺等をお前達の国に渡せばどうなるのかなんて解ってたんだよ」

浩平「ふぅ~ん?だったら、なんで逃げ出そうとしなかったんだよ」

勇「逃げるなんて考えも無かったし。仮に逃げたとしても捕まるだけだろ?なら、お前に助けを求めれば何とかしてくれそうだったしな。それに俺は元々魔王を倒そうとか思ってなかったしな。そんな事をすれば魔王の怒りを買って殺されちまうかも知れなかったしな。まあいくら魔王が化け物染みてても一人で何百人も相手にすることは出来ないだろうからな?」と勇が話すと他の仲間達もうんうんとうなずいているのを見てアリシアが驚くと 浩平「魔王は強いよ。確かにあいつは一人で百人の兵士を余裕で皆殺しにしたぐらいだし強いんだけど、それでもたった一人だ。いくら強いと言ってもそれだけだった。あいつを倒す事なんて不可能じゃねえんだからな」と言うと勇者達が唖然としているのを見つつも俺は続けて「それにだ。例え何十万の兵士を引き連れて攻めてきたとしても、こっちだって数十人規模で戦えば十分に勝つ可能性はあるんだし、そこまで絶望的でもないんだがな」とアリシアに教えるように言い、そしてアリシアも何か思うことがあったのか真剣な顔つきになっていた 浩平「それよりも、そいつ等どうするつもりだ?」

と俺はアリシアに聞く

「とりあえず、私の方で責任をもって面倒見ます」と言い出してくる 勇「はぁ~、まあ、別に俺も文句は言わないけど。俺は一応国王の息子なんだ。それなりの処遇にしてもらえるとありがたい」

浩平「はあ~。しょうがねぇか。で、お前はどうしたい?」

と俺はアリシアを見る アリシア「えっと、とりあえずは私が魔王である事は黙って貰えませんか?」

勇「俺達はもう戦うつもりは無いんだ。だから魔王様を討伐しようってわけじゃねぇ。まあ、そのなんだ、魔王を騙って暴れようって言うなら話は別だけど?」

浩平「魔王様がそうしろって言ったのならば、俺は止めねぇぞ?」

とアリシアに確認すると アリシア「いえ、私はそんな事は一言たりとも。あの時は、もう何もかも諦めていましたから」

「だそうだ。ま、もしこの国が滅びたら俺達でどうにかするか」

アリシア「ありがとうございます」

勇「で?本当に、俺達を解放してくれるんだろうな?このままこの城に置いてくれてもいいんだぞ?」

「それは俺が許さない。お前等に俺の大切な人達が殺されるかも知れないからな」と怒りを抑えながら言う 勇「それはどういう意味だ?」

浩平「俺の家族が勇者によって殺された可能性があるからな。それを俺は忘れない。たとえ勇者だろうと容赦はしない。それがお前等でなくてもな」

アリシア「え?」

とアリシアが戸惑った顔をするが、アリシアに俺が家族が全員殺されたことを説明した。もちろんアリシアの正体についても アリシア「そんな事が?」

「ああ、魔王軍のせいでな」

アリシア「申し訳ございませんでした」と頭を下げてくるアリシア 浩平「気にすんなって、アリシアさんが悪いわけじゃないんだからな」

とアリシアを慰めるも

「浩平のせいだよ?」と小春に注意されて落ち込む俺

「悪い、小春」

小春「うむ、浩平君、小春にもお礼して?」と小春は俺の腕を掴み自分の胸に抱き寄せて俺の顔に胸を押し付けてくるのを俺は慌てて振りほどきながら離れると「やめろ、恥ずかしいから」と俺が言ってくると 小春「いや?」と上目

「いやじゃないけど、いきなりは駄目」

小春「分かった、分かった」

「で、話戻るが、お前等のこれからの処分についてだが」とアリシアの方を見るとアリシアは何を言うのかさっぱり分からない様子だ 勇「ああ、俺は特に何も求めはしない。今までの行いで、俺のしたことが許されるはずがないだろうからな」

浩平「は?何を言っている?」

勇「は?」

浩平「何を言ってる?許されるか許されないかを決めるのは俺と、お前の仲間、それとアリシアさんだけだ」と俺

「そうそう。アリシアさんには、ちゃんとお仕置をしないとね」と小

「浩平さん、お仕置ってまさか私みたいに!?あれ以上されたら体が持たないです!」と言うアリシアを無視して小に聞くことにする。

小春の能力は治癒能力なのだがその力を使いすぎてしまうため体に激痛が発生するというのだ そのせいなのか最近小春の様子がおかしくなってきているのだ小春が言うには痛みを感じなくなってきているらしい。そこで小春の能力を抑える為に小に頼んで作った腕輪を渡したのだがこれが小春にとっては負担になるらしく毎日苦しんでいるようだ その証拠に最近では夜中によくうなされた声で目を覚ます事があるからだ――そして小から聞かされるアリシアのお仕置きの内容を聞いた俺は勇があまりにも哀れ過ぎて勇の肩を叩き

「勇者殿、俺はあんたの事好きだぜ」と言うと勇が嬉しそうな表情をして 勇「本当か!俺はてっきり嫌われてるんじゃないかと思ってたが」

浩平「いいから早くアリシアを連れて行ってこいよ。俺はアリシアと話があんだから」

とアリシアに部屋に戻るように促すと、俺がどうしてこうなったのかを話し出す。まずは魔王の件だ。俺の予想では魔王が召喚されているはずだからなと説明すると 勇が信じられないと言った感じで俺の話を聞きながらも、俺から少し距離を取る。どうやら勇者も少しだけ信じ始めたようで、俺に対して警戒をしている

「ま、無理もねぇわな。でも、お前は魔王を倒しても勇者のままでいたいか?」と聞くと勇は少し考え込み 勇「俺は、いたくないかな?それに勇者の称号なんて要らない」と言うと他の仲間達がそれに続いて

「俺も」「私も」と勇に同意する。俺は少しだけホッ

「よし。これで決まりだな。勇者様のお願い通り勇者を辞めることにしますか?」

勇「いやいや、辞めるのは良いが、その魔王を倒す旅をするんだよな?」

俺は勇者達の顔を見て、お前等はどうしたいんだと聞く すると仲間達は魔王を自分達の手で倒して元の世界に戻りたいと言うと

「はあ~」と溜息をついてから「しょうがないか」と言い

「ならさっさと倒して来なさい。それで、倒した後は、勇者を辞めれば良いんだろう?」

勇「え?あ、あぁ」と言い戸惑いつつ

「俺は魔王を倒した後の事は何も聞いていないし。俺も勇者の旅に同行しようとも思ってなかった。だけどな?アリシアさんを助けようとした勇者の行動は俺にとって凄く印象的でな。俺が手伝わなきゃと思ったんだよ」と笑うと 勇「えっと、つまり手伝ってくれるって事でいいのかな?」

浩平「ああ、そういう事になるな。ただ、今から行くのは無理だし、それに魔王城まで行くと結構な日数が掛かるしな」と悩ましい顔で言いだすと アリシア「私が転送魔法で送りますよ?」と 勇者達「え?」と驚いた顔をしているのをよそに俺は「それは有難いな」と言うとアリシアが微笑みながら「浩平さんの為ならば当然のことです。浩平さんには命を救われましたし。それに」と途中で言葉を濁すも俺はその続きを聞く前に「なら、準備ができたなら行こうか。すぐに出発するんだろう?」

とアリシアの手を握り引っ張ると「はい。行きましょう」

そして俺とアリシア、小春、それにアリシアが勇者達の前から消えた。

それから数日が経ち勇者達は浩平に言われた通りに魔族国に行くことになった。そして、浩平達はというとアリシアが用意してくれた家に来ていた 小「ここどこだろ?知らない場所?」

と辺りを見渡

「とりあえずは安心してくれ、魔王がアリシアにかけた呪いのせいで記憶を失ってしまったから。ここにいるアリシアと小は俺が引き取った子だから」と小春が混乱しないようにアリシアと小春に説明を行うと小春はすぐにアリシアに懐きアリシアに頭を撫でられて笑顔を見せていた。一方、アリシアの方はどうしたらよいか分からないと言った感じで困ったような笑みを浮かべていた 勇は浩平達から話を聞いて、自分の行動の結果が、アリシアと小春を苦しめてしまった事に気づき申し訳ないと思いながら俯いていた そんな勇に気づいた浩平は「とりあえず飯を食おうぜ?腹が減っているから気が滅入るんだ。食って気分を変えよう」と言う

「そうだぞ。勇。ほら」と言って俺はテーブルに料理を出し始める

「これと、これも美味いぞ?」と皿に取り分けて勇の前に出していくと、勇が俺の方を見ながら困惑した顔をしていた

「食べないのか?」

勇「あのな、浩平?本当に俺達を許してくれるのかい?」と泣きながら言う 浩平「許す?俺がお前等を?」

勇「だって。俺はお前の大事な人達を殺してしまった。俺に復讐しても仕方がないはずなのに、それをせずに俺と普通に接してくれた。お前が魔王を倒してくれたから俺はまだ生きていられるんだから」

と涙を流し続ける

「そんな事を言ったらアリシアさんの時だって。アリシアさんに罪はないのはお前が分かっているだろう?」とアリシアを見る。アリシアが悲しげな顔をするが 勇「しかし、俺は君の命を救った恩人にとんでもない事を。魔王を倒してくれなければ死んでいた身なんだ。こんな情けのない男が生きているべきじゃあ」

浩平「ふざけんな!」と俺が怒声を出すと勇が驚くので、アリシアと小春が不安そうに俺の顔を覗き込んでくる

「お前は誰よりも強い心を持っている人間だと俺は思う」

と真剣な表情で言うと、俺のその雰囲気から冗談ではないと感じたのかすまないと言うように黙る

「お前は俺に何て言ったんだ?」

勇「俺はお前を信頼している。これから一緒に戦ってくれる男だとな。だからこそ頼んだ。俺がこの世界を魔王の手から救えるように」と真剣な目つきで俺に言う。俺はそんな勇の言葉に感動しつつ。俺も同じように返すことにする

「勇、お前がこの世界を救うのなら俺がそれを支えよう。それが俺が勇にした約束だ」と笑いかけると勇は嬉しそうに 勇「俺も君と一緒に魔王を倒せると信じて戦う」と握手を求めて来たので俺は手を差し出し「よろしくな」と俺と勇が握手をした瞬間だった。急に地面が激しく

「地震!?」とアリシアが叫ぶ 浩平は揺れに耐えながらも、「勇、これは何かあるな。アリシアは小春を守ってやれ」と勇と、アリシアに声をかける。

そしてアリシアは浩平と離れたくないといった感じだったが浩平がアリシアの頭を抱き寄せると小春を優しく抱き締めた 小春が不思議そうに俺とアリシアを見ていたのは無視だ。

浩平は勇がアリシアを守ろうとする意志を感じたからだ。勇が小春の手を握る。小春の方もそれに応えて勇を安心させるかのように手を握った。

その様子を確認した後、俺は地面に座り込み様子を見ることにする すると勇

「あれは一体?」と勇は驚き

「うーむ。ま、取り合えず様子を見るか」と言うと勇者は小春を連れて家から出たのを確認した後 浩平「おい!大丈夫か?」

アリシア「え、はい」と立ち上がる 小春「私も、もう大丈夫です」と起き上がるのを確認する

「小春の力を使ってアリシアと小が無事なのが分かってたしな」と言うと小が首を傾げていたので気にするなと言う。

それから暫くしてから浩平とアリシア、それに勇達が家を出ていくと 俺はアリシア達に家の中にいるように指示をする 勇「お、俺は?」と戸惑っていたが俺は 浩平「ちょっと見てくる。危ないかもしれないから中にいろよ?」と言い外に出た。

「どうなっている?」と言いながらも俺は家から離れていく。

俺達が家の外に出た直後だった。激しい音を立てて建物が崩壊を始める。その建物はどう見ても先程の施設のようだ 俺がその建物を見て「やっぱ魔王が居たか」と呟く 勇者「浩平。やはり知っていたのですか?」と聞いてきたので俺は勇の顔を見て言う

「ああ。だが、アリシア達が危険な目に会う前に片づけられたからな」と言うと勇者達は驚いた顔をして 勇者「い、今なんて言いました?まさか」と言う 俺は何も言わずに建物の方に近付くと「勇者よ。ここから離れておれ。邪魔になるだけだからな」と言う 俺は建物を軽く手で押す。それだけで建物が粉々になり崩れ落ちるのをみて勇者が驚いた顔のまま 勇者「こ、浩平は、ま、魔王なのか?」と呆然と立ち尽くす。他の仲間も驚いて固まっていた。そんな勇者達の方を見ると 浩平「違うわ。ただ、俺は魔王の力を封印されたんだよ。それで魔王の力に対抗できる勇者を探していてアリシアさんをみつけた」と言い 勇に「俺がアリシアさんを助けたいと思った理由は魔王をどうにかしたかったんじゃなくてアリシアさんを助けたいと思っていたからだよ。勇と同じだ」と微笑みながら言うと勇が 勇「あ、あぁ。俺も君のように強くなりたい。そして俺が君の代わりを務めたいと思う。俺に剣を教えてくれないか?」と 真剣な目を俺に向けていたので 浩平「いいけど。その前に勇に一つ頼みたいことがある」

勇「ああ、なんだ?」

浩平「勇はアリシアを守りたいと願っているよな?」と 勇者「もちろん」

浩平「それなら勇者を辞めてもいいか?」と聞く 勇は驚いた顔で俺を見てきたので 浩平「勇者は人族の王だろ?なら、その王にならなくても良いってことさ」と説明する アリシアは、勇の行動が俺

「俺は別に構わないぜ?勇は今までずっと苦労してきたし。好きなことをやって生きて行って欲しいと思っているから。俺としてはお前に付いて来て貰えれば嬉しいし」と言うと小春が、俺とアリシアの間に入ってきて 小春「駄目ですからね!浩兄が行く所には私も行くんですから!」と言った後 アリシアの背中に隠れた小春が涙目になって「浩兄行かないよね?」と見上げてくる小春を見ながら俺はため息をつく。そして小春を引き寄せると頭を撫でてから言う 浩平「わかった。じゃ、小春には俺が料理を教えるから。小春には家に帰ろうな?」と言うと

「嫌だもん。帰らない」と俺にしがみついてきて言う

「アリシアの呪いは、どうせ俺にしか解けない。なら俺が責任を持つ。小春にも手伝わせる。その代わりアリシアが、小春を守るんだぞ?それが守れないのなら連れて行くことは、しない」と言うとアリシアが

「わかりました。私が小春ちゃんの面倒見ます」と言ってくれた 浩平「よし、これで決まりだな」と 俺の言葉に勇が納得できないという表情をして 勇「そんな勝手に決められて」

浩平「い、ゆ、勇?この国の王が勇じゃなきゃ困るのは誰?俺の知ってる限りではこの世界に勇者は三人。つまりこの国で一番偉い人は誰?ってことだ」

浩平「俺は魔王を討伐したから、この国からの依頼はないはずだ。だけどな。勇は勇者だからこの世界の希望。それは変わらない」

浩平「でもな、勇はアリシアと小の保護者でもある。お前は俺が助けた二人の親代わりにもなるだろう?」と言うと 勇が嬉しそうに笑顔を見せてくれた。俺がアリシアと小春に料理を手伝えと言う理由を話すと二人は嬉しそうに料理を作り始める。

そして夜中になっても料理が終わりませんでしたwww 浩平達を見ていたエルミア達や魔王達は複雑な心境になっていたのだが浩平だけはいつも通りで魔王達やエルミア達の方を向いた時に「あっそうだ。エルミア様、あの馬鹿共の処罰を決めてもらえないでしょうか?」と言う 魔王「うむ、そ奴等は我が許せんな」と言い放つ。

勇者一行の四人の首元を氷で固定していた 聖

「貴女は誰ですか?」と言うが 浩平「んー。お前らが勇者として召喚した魔王の知り合いだな。俺がここに居る以上、お前らの処分を俺に任せてくれるかな?」

魔王「浩平。お主はどうするつもりだ?」

浩平「うん。あいつ等を許すことは出来ないが。それでも俺はお前の味方で居てやりたいとは思う」

浩平は、勇を、ちらりと見ると。勇者の瞳は輝いていた。

勇は「俺は浩平の手伝いをしよう」と言う

「い、ゆ、う。ありがとう」と言う 魔王は「ま、待て!勇者よ!お前が居なくなった世界など滅んでしまえばよいのだ!何故わからん?」と言う 勇「い、ゆ、う。いなくなるとか言わせないでくれ。それにな。魔王、浩平に手を貸すなと言われた時点で俺は既に負けてるんだよ」と言うと浩平が嬉しそうに笑い勇の方に手を伸ばし「そうそう。これからは、い、ゆ、うと呼んでもいいか?」

勇「あ、あぁ、俺は浩平と呼ぶからな」と笑いながら握手をした。

アリシア「あ、あれは何をしているのですか!?まさか私の浩一様を奪うつもりですか!?絶対にさせませんから!」と言うが小春も勇者の腕を握り締めて離さない。その様子を見た勇者の仲間達が慌てるなか魔王だけは全く動じずその様子を見守っている アリシア達は勇を連れて自分達の家に戻っていき、小春と一緒に寝かせることにした。そして勇者達が眠っている間、俺達は話し合いをしていたのである程度まとまったところで皆で風呂に入ることにしてお湯を張りに向かった時だった アリスは浩平を呼び止めて言う アリス「浩平さんは、どうして勇様の為に行動しているの?」と聞いてきた為、俺は少し考えて 浩平「俺は俺が出来ることをしていきたいだけだ」としか言えないな。俺は自分の出来る事をやって行きたいと思ってはいるが、まだ力が無いことも事実だ。だが、だからこそ力を手に入れないと行けない。

アリス「そっか。やっぱり私は浩平さんが好きだな」と言うとアリシアと魔王の方を向いて何かを話し始めた 小春「ふぇ~。眠たいのに眠れないよぅ。ねぇ、浩兄。なんのお話してたの?」

浩平「ああ。アリシアの呪いを解くために必要な事を考えていたんだ」

アリシア「そ、そんな。私はもう大丈夫なのに」と 俺の体に体を押し付けてきた。アリシアの顔が真っ赤になっていて可愛らしい反応だった。小春も俺にしがみついてきていたが アリシア「だ、ダメですよ!」と叫ぶ アリシア「私だって。本当は一緒に入りたかったけど、小春ちゃんの面倒を見ないといけないので、浩平さんに背中を流すくらいしか出来ませんけど」と悲しそうな顔になる 俺はアリシアの顔を見ながら微笑み

「アリシア。俺達は仲間だろ?もっと気を使わずに言ってくれよ」と言うとアリシアも微笑み返してくれた そして俺達が風呂に入る準備を始めたとき小春が「私と小春の二人だけで入るよ。二人で浩兄のお背中を流してあげるの」とアリシアとアリシアについて行こうとする聖を引き止めた 俺はそんな小春に微笑みを浮かべ「じゃ小春にお願いするよ」

「じゃ、俺達は先に入っているか」と魔王達に声を掛ける。俺は魔王の服を脱がせると俺の目の前にいる美少女の姿があった 浩平「お前、俺よりも小さいのか?」と呆然と呟くと魔王が 魔王「何を言っている?これでも浩平の倍以上あるわ!」と言い放ってきた。

「おぉ。そうか?なんか悪かったな」と言うと「ま、気にしてはおらぬ」と顔を背けてしまった。俺はそんな魔王の様子を見ながら苦笑すると俺は後ろにいた勇に声をかける 浩平「じゃ、先に俺が入っているな」と 俺はゆっくりとお湯につかりながら考え事をしていると、アリシアと小春が入って来て「じゃ、私達も入ってくるね。ゆっくり休んでいて」と 二人は、俺の背中を流してくれていたのだった。アリシアも背中を洗い始める そして俺はアリシアの方に振り返ってアリシアを抱きしめる。

アリシアが恥ずかしそうにしながら「ひ、浩平さん?どうしたんです?」と言った瞬間にアリシアを強く抱き寄せてから唇を重ねるとそのまま舌を差し込みアリシアの口内に侵入していき絡めていくと、次第にアリシアが蕩けた表情になっていく 俺は唇からアリシアを解放して耳元に囁くと「俺はな、お前が好きなんだ。だけどな。お前には好きな奴がいる。だから俺とは友達でいいんだ」と言って離れようとする俺だったがアリシアが離れてくれない 俺は優しくアリシアを押し倒し、「おいおいwいきなり襲ってくるなんて意外だぞ?」というと頬を膨らませている

「さっきまで俺の事を避けてなかったか?」と言う俺に アリシア「あれは。小春ちゃんの手前、浩平さんの事が大好きですとは言えないじゃないですか。それに、こんな風にキスしてくれるとは思っていなかったので」と言うアリシアの頭を撫でてあげて「お前の呪いを解けて本当に良かった。それとな、アリシア。俺の気持ちが変わってなければ付き合って欲しいと思っている」と伝え

「俺を男として見て欲しいんだ」というと、アリシアは涙を流し始めてしまう 俺はそんな様子をただ見ているだけしか出来なかったが アリシアは起き上がって俺を見つめて涙を拭いながら笑顔で「浩平さんはずるいですね。こんな告白の仕方があるんですか?」と言うと俺を力強く押し倒してくる。俺はそんなアリシアの肩に手を置く アリシアは俺の上に乗

「浩平。私のこと嫌いですか?」というアリシアに「いや、むしろ好きだ」と言うと、アリシアが嬉しそうに笑って「浩平が、その、そういうのに興味が無かったことは知っているんだけど。私がずっと好きだったって知ってます?」と言われ俺は困ってしまう。正直言って女の子にモテるタイプではないと思っていたからだ。だから

「えっと、ごめんな?」と言う しかしアリシアは、嬉しそうに笑顔になり俺を見てから「今晩は覚悟してくださいね」と言うのだった。

アリシア「小春はどうします?」と聞いてきたが「小春にも悪いし俺達は出よう」と言う俺の言葉に素直に従いアリシアと共にお湯から出て行った。

そしてアリシアが脱衣所に行き 着替えを持って来る前に アリシア「私は諦めていませんから。今は小春がいますから何も出来ないかもしれませんが」と言い放つと脱衣所のドアを閉めたのである。

小春とアリシアと3人でリビングに向かう

「んっ、ふぁーーーー」大きなあくびをして体を伸ばす小春 俺の隣に座っているアリシアが俺の事をジーッと見てきて アリシアが小春に聞こえないように小声で俺に伝えてきた アリシア「私はいつでも受け入れてますからね」

アリシア「あっ、そ、そうだ!今日は、この家で皆で寝ましょう。そうした方が楽しいですよ」

小春「そうだよね。三人一緒が楽しいと思うよ」

「うーむ。確かにそれも悪くないかもな」

「あっ!俺もそっちが良い」

と勇者が賛同していた。俺達は皆の了承が得られて皆が安心していた

「あ、あの!そ、それでですね!そ、その」アリシアが急に緊張し始めてしどろもどろになっていると 勇が立ち上がり 勇「それじゃ、アリシアは俺の部屋だな」とアリシアを連れていった 小春「じゃぁ、私は浩兄と一緒にお布団に入るからね」と腕を組んで俺を引っ張っていく

「わかったよ。俺は、もう疲れてるんだ。早く部屋で休むか」

俺がそう言うと小春は「うん」と言いながら微笑んでくれて小春は俺の手を握ってくれる 小春は少し不安げだった為、俺は小春をぎゅっと抱きしめると小春が

「浩兄。もう、浩兄を離さないよ」

小春「浩兄が何処かに行っちゃったから凄く怖かったの」

小春「でもね。浩兄のお嫁さんになれなくても、私と家族で居てね」と泣き出す小春に俺は強く抱きしめることしか出来なかった。そして、しばらくして落ち着いてきたのか俺から離れてくれる

「小春。俺は、お前と、ずっと一緒にいる。絶対にだ」と小春に誓うと小春は、満面の笑みを見せて 小春「浩兄は優しいな。大好きだよ」

と小春が抱きついて来た為、俺は小春を強く抱擁する。

「おぅ、俺も大好きだぞ。愛してるぜ」

俺はアリシア達の部屋に足を運ぶ 俺は部屋の前に立ち止まって扉を開くと勇者だけが既にベッドの上で座っていた 勇が俺に向かって笑いかけてきたが何故か勇者は服を着ていなかったのだ 勇者「こないのか?」と言って手招きをする勇者をスルーしてアリシアの元に向かい

「おいおい、なんだよwアリシアと仲良くしてたんじゃねぇのかよ?」と言う俺に対して 勇が「お楽しみ中だって思ってたんだが違うの?」と真顔で言う。俺は勇を無視して アリシアの元へ行き俺の方へ引き寄せてから膝枕をさせて髪を撫でながら

「勇に何を吹き込まれたかわかんねぇけど、俺はそんなに性欲は無いぞ」と言うとアリシアがクスリと笑みを浮かべていた そして俺はアリシアに

「明日になったら帰るんだし、俺と二人だけで一緒に過ごそうな」と言うとアリシアが目を丸くしてから顔を赤くし「ひ、浩平さんが、そ、そんな大胆な発言をしてくるとは思いませんでした。そ、そ、そうなんですね。浩平さんも私と、お、同じで良いんですか?」

と聞かれたので微笑み「アリシア、二人だけの時間を楽しもうな」と言うと アリシアの顔が真っ赤になって恥ずかしがりながら アリシア「よ、宜しくお願いします。わ、私を浩平さんの、だ、大事な人にして下さい」

と言い俺にしがみついてくる。俺が頭を撫でてから頬を優しくなでてあげると

「アリシア、俺は君が側にいてくれればそれだけで幸せだ」と言うと俺をアリシアが押し倒して俺の耳元に唇を当ててから耳元で「わ、私の浩平への気持ちが変わらないように」と言って俺から離れた。

「俺も同じ気持ちさ」

「あ、あの!わ、私の気持ちは変わりませんから。す、捨てないでくださいね!」と言われた 俺が何を言いたいのかわからず?という表情をしているとその様子を見ていた小春が笑っている様子から察することが出来てしまったのだが。俺は苦笑しつつ「大丈夫だから心配しないでも、俺はお前達を捨てたりなんて絶対に無いから」と言う俺だったが本当に不安そうにしている様子だったので抱き寄せて小春と同様に額を合わせてあげて、「アリシアも安心してくれ。これからもお前を大切にすると誓おう。お前達が居るだけで俺は幸せなんだ」と伝え安心させるとアリシアに笑顔が見られた為に俺はアリシアに口付けをしてアリシアを押し倒すと首筋に

「俺はお前を愛している。アリシア。お前の全てを受け入れるから」と伝える アリシア「はい。わ、私も、あなたが好きで好きで仕方ありません」

俺達はお互いの唇を求め合うのだった。

「んっ、んーーーーーー」と大きく息を吐いて背伸びをしながら 朝起きたら目の前に美少女がいた 昨日は結局、俺の部屋には戻ってきておらず、リビングに泊まっていたのだ。アリシアは起き上がって着替えを始めている

「うーん。なんか、まだ体が怠い感じだな」と言って俺が起きたことに気付いたらしく俺を見つめてニコッと微笑んで アリシア「おはようございます」

「アリシアか。俺よりも早起きなんだな」と言うと「いえ、浩平さんが起きましたから。私、浩平さんに何かをしてあげたかったので」

「俺の為にそこまでしてくれたなんて、本当にありがとう。アリシアは優しい子だから、きっと俺の事を助けてくれたのはアリシアの為でもあるだろう」と言うと アリシア「浩平さん。私ね。今、とっても嬉しいんです。私のことをちゃんと女として見てるって言ってくれて。それが一番うれしくて」

「当たり前じゃないか。俺は男として、お前のこと好きだからな。まぁ、小春のことも好きなんだけどな」と言うと、なぜか嬉しそうにしていた

「俺は今、どんな格好しているんだ?」と言う俺の言葉に反応するように アリシアは俺を見て笑顔で俺を指差してくる。俺はそれを見て自分の姿を見て愕然とした そう。裸だったのだ アリシアは俺が着れるサイズのシャツと短パンを出して渡してくれる

「悪いな。それとありがと」

アリシア「ふふっ、浩平さん、凄く素敵ですよ」と言われるが正直に言えば凄く恥ずかしかった。とりあえず着替え終わってからリビングに戻ると勇者が朝食を作っていた 俺の姿を見るとニヤッと笑い「お似合いだと思うぞ」と言ってきた 俺は苦笑しながら勇者の横に立って

「手伝うか?」

勇者

「じゃぁ頼むよ。俺が作ると何故か黒焦げになってしまうんだ」と料理下手なのかと思った。俺はとりあえず玉ねぎのみじん切りをして貰ってる間に他の準備をした そして、アリシアが作ってくれた食事をテーブルまで運ぶ。皆で楽しく食べていたが 小春

「今日、帰っちゃうんだよね」と小春が言い出した為 俺は「また会えるよ」と言い、小春に

「それに今日じゃないかもしれない。俺達が、この世界で暮らしても良いって思えた時に遊びに来ると良いよ」と提案をすると 小春は少し悩んだような仕草をしたが俺の目を見て 小春「わかった。今日はこの家で過ごさせてもらうよ。皆で過ごせる方が楽しいもんね」と了承を得たのだった 食事を終えて皆がゆっくりし始めた頃に俺は「俺、ちょっと散歩に行ってくる」と言うとアリシアが「あ、あの!私も一緒に行きます」と言われて俺達は二人で外に出る事に決めた。俺は、ゆっくりと

「俺の故郷に来てくれてありがとな。おかげで少し気分が楽になれて良かった」

アリシア「浩平さん。私も楽しかったです。浩平さんが、ここに来てよかったと言ってくれた事が私は凄く嬉しいんです」

アリシア「浩平さん。もう二度と私は浩平さんから、離れたりしません。浩平さんを守れるように強くなる努力を続けていきます」と言った後でアリシアが俺の腕に抱きついてきた アリシア「ずっと、一緒なんですよね?」

「おぅ。いつまでも側にいるよ」と言って俺は優しく抱きしめたあと頭を撫でてからキスをしてから 俺達は再び歩き始めるのだった―――――――

そして俺は城に戻るなり勇に声をかけた後に勇と一緒に街をブラついている時だった アリス王女が走ってこちらに向かって来た アリス王女は勇に向かって話しかけてくる アリシア(こ、浩平さーん。ど、どうしましょう?)

(は?どうしました?まさか魔王に見つかりました?でも勇なら余裕では?

「えっ?見つかったのか?やべぇぞ勇!!魔王は強いから逃げるしかないだろ!?よしっ逃げよう!!」)と言うも既に魔王は勇の後ろに居たが魔王は笑顔で勇の首を掴み上げて持ち上げる 魔王はそのまま腕を振りかぶると地面に向けて勇を投げつけるが勇者も剣を抜いて受け止めるのだが威力が高かったようで勇者は地面に叩きつけられたと同時に勇者の手から武器が飛んでいく

「ゆ、勇者!大丈夫か??」と駆け寄ると意識を失ってるのか返事がなかったのだ

(えっと~これどういう状況ですかねぇ?なんで魔王と戦ってないはずの勇を勇者様がボロ雑巾になって気絶してんだよ?あれかな?もしかして魔王と戦う

「違う。それは無い」って俺の心読まれてるぅぅぅぅぅぅ!ってそんなことは、どうでもいい。このまま放置しておくとマジで死んじまうぞ 仕方がない。俺の全力で回復魔法をぶっ放すか

「勇。今助けるからな」と言うと勇が光に包まれていく アリシア「あ、あのー。そろそろいいかしら。その人を治療しないとまずいと思うの」と言われた。確かにアリシアがいる前で言うことではなかったが。俺の魔法の事を知っているのはアリシアだけなのだ。アリシア以外に言うつもりもなかったから当然だがアリシアの事も話していないし話す機会もないと思って黙っていたんだが こうなったらアリシアには言っておくべきかもしれないなと思いつつも勇の怪我は治っているはずなので後は目を覚ましてくれるのを待つだけだし、そのまま寝かしておこうということになった ちなみに目を開けても魔王の顔は見せない方がいいだろうとの配慮で顔を隠させていたりもする その後しばらくすると勇が起きたのだが 勇「ここはどこだ?お前は確かアリシアーとかいう奴に捕まって、俺の嫁になるとかいわれて、そこから俺は気を失っていたようだが。俺は助かったのか?」と聞かれたので俺は、とりあえず俺達の世界に来た時の記憶とアリシアが言った言葉を思い出せと言い。俺はアリシアの気持ちを代弁して「あーーー。とりあえずアリシアは、あんたのことが好きで結婚したいからと何度も言っていたが?」と言う アリシア「な、何勝手なことを言ってくれるんですか。私は浩平さんとけっ結婚なんかしないんです!」と言いつつ抱きつく 俺に言われたから照れながら言っている様子だったが 俺は気にせず「いーや、するね。あいつの目が真剣そのものなのは俺にも伝わっていた。アリシアもまんざらでもなさそうだしさ。とりあえず俺はアリシアと結婚するつもりではある」と言ってアリシアの肩に手を回す

「それに俺にはお前達が付いててくれるんだ。寂しくなんて無いさ」と言うと勇者がニヤニヤとした表情を浮かべているのに気が付き「なんだお前、言いたいことがあるならはっきりと言え」と勇者に問いかけるとアリシアは頬

「いえ、何でもありませんよ。アリシアさんと末永く幸せに過ごしてくださいね」と言われるが俺とアリシアは首を傾げるがアリシアは真っ赤な顔になりながら勇者の口を手で押さえつける 俺はそれを横目に見ながらもとりあえず勇者を睨みつけておいてから「とにかく勇者よ。アリシアとの結婚を認めて貰う為に勝負だ」と指差すもアリシアからは止められてしまったのだ そういえば小春の姿が無かったことを思い出して探そうとするも目の前に大きな胸を押し当てるように小春は飛び込んできて小春「お姉ちゃんとは別れて来たよ!もう帰ってこなくていいって言っておいたから心配いらないよ?」と言っていたのだ とりあえず俺は苦笑しつつ頭を撫でてから「それじゃ帰ろうか」「うん♪お帰りなさいませご主人様。ご飯にする?」と言うもんだから苦笑しながらも答えてやったのだ「もちろん小春を食べさせて頂きますとも」「じゃぁいこっか」「おぉ」「じゃぁお姫様に報告に行こう」と言うので俺は勇者と共に謁見の間へと向かった そこには既にアリスがいた。魔王と魔王側近は少し離れて俺達を待っていた。俺は勇者を指差してアリシアに勇者を仲間にした事を改めて説明し

「だからこれから一緒に暮らす事になったんだ。それで今晩は俺の部屋で過ごすけど文句はないな?」と聞いてみる アリシア「え?今浩平さんは、わ、私と、け、結婚するつもりでいると仰って下さいましたが?」と言うと勇者と魔王が凄く驚いていたが俺は

「俺は小春と結婚する事しか考えていない。そして勇者とアリシアと三人で暮らすって決めてるからな。俺にとって一番大事なのはこの世界じゃなく小春って存在だけだからよ」と言うも勇者は、この野郎!このやろーー!と連呼しながら俺を殴りつけようとするも簡単に避けられてしまい悔しがった様子を見て俺はニヤリとしてから アリシアの方を見てから

「そういうことだからよ!文句があるか!?アリシアよ」と言いつつ親指を立てる。そして小春の方を見て「どうしたんだよ」と言いかけた時に背後から声をかけられた。

俺達が振り向くとその人物に驚いたのだ。その人物はアリシアの父親であるアリウス王子であった。なぜ彼が、ここにいるのか分からないが 彼はアリシスの親父だと聞いた事がある

「おい。アリシアよ、どういうことだ。貴様のような男を我が愛娘の夫になど出来ん!帰れ!!」

「ちょっと待ってよ。お父さんは私の事、嫌いなんですか?」

「違う。大好きだよ。だからこそ認めたくないんじゃないか」と

「だったら何も問題ないじゃないですか!なんでダメなんです」

「それは、お前を愛して止まないからだろう」とアリシアとアリウスが会話をしているのを聞きつつ 俺は勇に向かって「お前、アリシアの事好きだったりするか?もしなかったら俺に任せてくれてもいいんだけど」

勇「なっ!?いきなりな、何を言ってるんですか?」と困惑気味だったので「あー。分かったよ。好きでもないのに結婚しろと言って悪かったな。でも安心してくれ。お前の嫁は、もう用意してある」と俺は勇者の頭に軽くゲンコツを喰わせると勇者が「痛ぇ!このやろ」と言いつつ勇者は立ち上がり「好きでも無いのとか言われて俺が黙ってる訳ないだろうが」と俺に剣を向けてくるが「落ち着けよ」とだけ俺は呟いてアリシアの方を向いた

「アリシアよ。勇が好きなのか?もしそうなら勇と結婚してやってくれないか?」

アリシア「浩平さんは私が他の男性と結婚してしまう方が嬉しいですか?嫌ではありませんか?」と言われてしまい

「そりゃ嫌に決まってるだろう。好きな女を取られちまうんだぜ?それでも俺の思い違いかもしれないが、さっきから勇の事が好きなように思えて仕方がない。アリシアが俺と結婚できないというのなら仕方がないからアリシアが勇と結婚したいと思っているならアリシアが俺の許婚のままで勇は俺の仲間でいいじゃないか?どうだ?納得してくれるのか?アリシアが、もしもアリシアが本気で勇者と、結婚してくれるなら、こんなに幸せなことはないし、勇者が俺達の家に来ればいい。勇は魔王を倒すために戦ってきたが今は平和な世界にしているのも事実だし。勇は魔王に負けないぐらい強くなってきてくれてる。どうだ?」と俺はアリシアと話をしてみた 俺の話が終わると勇者が涙を流し始めてしまって勇「俺、勇者なんか辞めて浩平について行きます。そして俺を浩平の部下にしてください。俺が一生かけて浩平を守り抜きますからお願いします。どうか」と言うと 魔王の側近は慌て始める アリス「な、なんで勇者を辞める事になってるんですか?浩平さんにはアリスと婚約したんですよ?浩平さんの妻になりたいんでしょう?なんでですか?意味分かりません。なんでですか?教えてください」と詰め寄られたため 浩平「えっと。その~なんていうかな~」と考え込む

「俺がアリシアと一緒にいたいと思えるのはアリスやアリシアが傍にいるからだ。

俺がアリシアと離れたくないのはアリスの事もアリシアと同じ様に大事に思ってて。アリスは俺に優しくしてくれたんだ。アリシアも俺に優しいが。アリシアは妹みたいな感じなんだ。俺は皆が大切なんだよ。それに俺に好意を寄せてくれる人達が沢山いてくれる事が嬉しくってな。アリシアが勇と幸せになれるのが一番良いし、勇だって悪い奴じゃない。勇者として魔王を倒してきたから分かるが。

勇者の強さなら十分だ。魔王より勇者が強くなれば誰も魔王に戦いを挑もうとしなくなると思うしな。だから俺はアリシアの願いを聞くことにした」と言うと アリシアが涙目になりながらも「浩平さんの気持ちは、とても嬉しいです。浩平さんがアリスと仲良くしてくれれば幸せになれると思います」

魔王の側近「しかし、そうなると困るのは我々魔王軍ではないでしょうか? 魔王を倒した者を魔王が倒した場合と勇者を倒した魔王が魔王を倒すのは話が違ってくるはず」と心配そうな顔をして聞いてくるとアリシアは笑顔を見せて「魔王を倒して頂けたのであれば魔王の側近の任を解き。アリシアが王となり魔王軍を再編しよう。魔王軍と勇者軍は仲良しになりました。これから仲良くやっていこう。と」と言う アリシアの言葉を聞いて「それではアリシア様に負担がかかるのでは無いでしょうか?」と言い出したためアリシアは首を振り「いえ。私は浩平さんと共に生きていくと決めているんです」と答え、俺の手を取ると俺もアリシアの手をしっかりと握り「そうだ。魔王の側近は勇者である俺の側近に、そしてアリシアの婿である勇者も魔王の側近にしたらいいんじゃね?」

魔王の側近は困惑したが勇者「なるほど!そうすれば勇者も魔王も仲間として一緒に行動できるってことか。それは素晴らしいアイデアだと思う。是非とも俺を側近にしてください!」

アリシアは、しばらく考えるも魔王「アリシアよ。この者は信用に足る人間なのだな?」

アリシア「ええ。彼は信頼できる仲間で私にとって家族の様な存在だわ」

魔王の側近「アリシア様が信頼されると言うことは、この者も勇者と同じく心強い戦力になるということですか?」

アリシア「そうなるはずだよ」と言いつつもアリシアもアリシアの側近も魔王も困惑する様子だったが俺の方を見るとアリシア「これから、どうするつもりなの?」

「あぁ~アリシアは、もう城に帰らないんだろう?」と聞くとアリシアはコクリと頭を下げ「そうよ。だから私も浩平さんと一緒に居たいと思っています」と言うので俺は

「魔王が俺達の国で暮らし始めたとしても、お前が城から出る必要は無くなってしまうよな? 俺は、お前さえ、この世界で生きててくれて、お前の元気な姿が見られるだけで十分なんだよ」

「浩平さん!それは本当ですか?」

「ああ!俺達は恋人同士だからな!当たり前じゃないか。俺にとって一番大事なのはこの世界じゃなく小春って存在だけなんだからよ!」と話を終えると小春は俺の背中に飛びついてきて泣き出してしまった

「こ、怖かったよぉ。本当に怖かったんだから」と言って俺の首にしがみ付いてきた小春を抱きしめながら頭を撫でていた すると魔王は少し落ち着いたようで

「すまない。勇者も浩平殿が認めた者ならば私も信じてみよう」と言い出した

「よしっ!じゃあ俺達は家に帰るから。後の事はアリシアと側近達に頼んだぞ。あと勇者よ。小春に手を出したら許さないからな」

と俺が言うと勇者「俺、絶対に手を出しませんから安心して下さい」と言い出し俺の胸元に顔を埋め泣いている小春を見ながら 勇者「俺と、ずっと、こうしていられればいいんですけど」と勇者

「んー。それも一つの選択だろう。でもな。俺は好きな女の子の笑顔を見てるだけで幸せなんだよ。

それに好きな人が傍に居るっていう事が何よりも嬉しい事だし。好きな人の為に、好きな人と一緒の空間で時間を過ごす事の幸せを感じられるのが俺には凄く心地良い事でもあるから」と話すと勇者は涙を流して俺の胸に寄りかかって来た。俺は小春の頭をゆっくりと何度もなで続けていた 魔王軍の城に戻ってきた俺達をアリシア達が出迎えてくれていて。俺はアリシア達に向かって「俺の仲間は俺に任せてくれ」とだけ告げて勇者達を連れて自宅に帰った 俺は自宅に帰ってきた勇者と魔王達を引き連れて自分の部屋に転移した

「まずは、これを飲んで落ち着いてくれ」と俺が勇者達に向かって飲み物を出すと 勇者は飲み干した後に勇者「ありがとうございます。落ち着きました」

魔王も勇者と同様に一口飲むと魔王「なっ!?体が軽く感じる」

アリシア「浩平さんの作るお酒や食べ物は凄いんだから」

勇者「これが浩平が作った料理や飲み物なのか?美味しい。それに浩平と初めて会った時の事を俺は覚えていない。でも何故か浩平とは昔会っているような気がする。そして俺は君を守ってあげたくなる。不思議だよ。でも浩平の事を知るにつれて君のことが大好きになってしまった」

勇者が急にもじもじしながら言ってきたため俺は

「おいおい。俺の嫁と付き合う前から惚れるなよな。俺の女は一人だけなんだからさ」と俺は苦笑いをしつつ答えると アリシア「ふーーーーーーっ!!!!!」

「おいおい。そんな怒る事無いだろ?」と言うとアリシアはアリシアの側近に何かを話していたようだが何の話をしていたのか分からないし、そもそも何を言ったのかも聞こえなかった。そして暫くすると勇者もアリス達も風呂に入った後、就寝する事となった。ちなみに勇者の部屋は俺の隣に作っておいた為。勇者達も寝室に入る事になった。まぁ俺もアリス達も同じベッドだが気にしない事にしている 翌日になると朝ご飯を作ってあげ、勇者の装備を買いに行くことにして。

皆と一緒に買い物をするために家を出発した アリシア達は普段着ではなく外出用の服装を着ており、皆で手を繋いで歩いて行く 俺は昨日購入した装備品を取り敢えず勇者の装備を整えてから、いつもの服を魔王

「浩平の、その格好も良いが魔王として振る舞うには少し目立ちすぎるのではないか?そのローブで良いと思うのだが」と言われてしまい。俺と魔王はお互いに似合ってるか見せ合いっこをする羽目に そして俺は勇者の所に行き、アリシアの両親に手紙を書くことにした。俺の両親は、きっと俺のことを理解してくれるだろうと思うし、もしも俺が死んでしまった場合は、その時に考えればよいだろう。とりあえずアリシアのお父さんが魔王だった

「うむ。これでは勇者に殺される可能性が高くなるのではないのか?」と俺は勇者の目の前でアリシアの親父さんの手紙を読み上げて、勇者の反応を見ようと思い読み進めるも、勇者は何も反応を示さなかった。それどころか「そう言えば。この魔王様は浩平殿に好意を寄せてるんですか?」

魔王「い、いや。別に好きとか嫌いとかは関係無くて。私が勝手に慕ってるだけだから。浩平殿に危害は加えないよ。浩平さんに嫌われたくはないしさ」と言うと、勇者は魔王に抱きついて「分かりました。俺も浩平さんが好きだ。愛してるからな。浩平を傷つけないでくれると助かる。俺と浩平さんの邪魔にならない限りは俺も浩平さんの事が好きだ。浩平さんの優しさに、俺は惚れている」と話し 魔王「浩平さんの事が好き」と言うと俺に目を向ける魔王 アリシア「な、なにやってるのよ!」と慌てた様子で言うも勇者がアリシアの手を掴みながら「大丈夫。アリシアの事が大切で大好きだって言ってるだけですよ」と言うとアリシアが恥ずかしそうにする中 勇者は魔王を抱き寄せて「俺の大切な人の大切な人なら、やっぱり大切な存在だ。この魔王は敵ではない」と魔王を強く抱きしめていた

「えっと、あのなぁ。お前は俺の嫁の彼氏だろうが。だから俺が困った時だけは助けて欲しいんだよ」と頼むと勇者「もちろんです。任せて下さい!いつでも浩平さんの助けになりますから!それに俺の方が年上なんだから困っていたら遠慮なく甘えていいんですよ」と答えられたため、なんと答えればいいのやらと困りつつ 浩平「なぁ。お前に聞きたいんだけどさぁ~~~~~~。お前ってロリコンじゃないよな?」と俺が質問をすると勇者は首を傾げながら勇者「そうだけど」と言うも 浩平「魔王がロリだって言ってたよな?」と尋ねると 勇者「魔王が浩平の事が気になるから見に行ってもいいかな?って聞いてきたんで許可を出したけど。魔王が可愛いのは当然だと思う。だからロリだと思ってる。俺は子供も好きです」と言い出した。そこで俺は

「なぁ。もし俺の両親が居なくなって俺だけがこの世界に取り残された場合。俺は、どうすれば幸せになれるんだろう?」と相談した。俺の言葉を聞いた勇者は 勇者「浩平さんだけじゃありませんよ。俺は、浩平さんと一緒に居るアリシアさん。アリシアさんの傍にずっと居られる貴女が羨ましいとも思います。アリシアさんだけではありません。俺が今まで出会った中で貴方が一番好きな女性だと確信を持って言えるぐらいに俺は貴方の事を愛しています」と言ってくれたので嬉しく思ったが 俺は勇者の肩をポンと叩いて

「お前には悪い事したな。お前に俺の事を託して死んじゃうかも知れないんだよ。俺は小春を残して死ぬつもりは無い。だから俺が死んだら小春を守ってやってくれ」

俺の言葉を聞くと勇者「俺に出来る事なんて限られている。でも、それでも俺は小春ちゃんを守る。だから俺を信じてくれないか?」と真剣な表情で言ってきたの

「ありがとう」と俺は笑顔で返した

「ねぇ。二人だけで何の話をしてるのよ」とアリシアが不機嫌そうな声を上げていた 俺「ごめん。何でも無いよ。俺達の家に一緒に行こう。今日から此処が俺達の家で、俺達は家族で夫婦で婚約者同士なんだから。

それと俺達が帰って来るまでは家を空けないようにしてくれ。もしかしたら俺の家族が遊びに来るかも知れねえからな」と笑顔で言うと 魔王は涙ぐみ「浩平さんの事を絶対に幸せにしてあげる。絶対に」と言ってアリシアと一緒に家に戻って行った そして俺は勇者の方に顔を向け直してから

「俺が魔王とアリシアと出会って間もない頃に勇者に言われたんだ。俺の大切な人を苦しめたり泣かせたりしたら絶対に許さないぞ!と言ったんだ」と言って勇者を見ると勇者も俺の方を見て「分かっています。俺は絶対にそんな事はしませんから安心してください」と返事をしてきた 俺は勇者を連れて街に出ることにしたのだけれど。その途中俺は街の人達に囲まれてしまったんだよな。まあ何があったかを説明するけどさ まず最初に現れたのは冒険者の集団で「あんたが浩平さんなんだね!私達が守ってあげようじゃないか!!」といきなり言い出してきたので俺は無視しようとしたけどさすがに見過ごせなかったようで、とりあえずは落ち着くように言うも一向に収まらないばかりか、「何なのよ、あいつ等!?ちょっとは落ち着きなさいよ!!浩平の気持ちも考えずに、いきなり押し掛けてくるなんて迷惑にも程があるわよ!!」と言う言葉に全員がビクリとして動きを止めるも 俺「ありがとうございます」とだけ伝えて皆に解散するように促すとアリシアと一緒に外に出て行くも勇者が付いて来てくれた為、そのまま二人で武器屋に向かう事になった 武器屋のオヤジに勇者を紹介した後は、しばらく会話を楽しんだ後に防具店に向かい鎧を買って貰うことにした アリシア「この鎧を浩平に装備して欲しい」と言われて買ってあげた

「これは俺が装備した方が良いのか?」と聞くがアリシアが装備して欲しいと言われるままに装備した。

「よし、これで準備完了。後はアリシアと一緒に俺の両親に会いに行くだけなんだよね。それで、さ。俺の両親はどんな奴なのか教えてくれるかい?正直な所を言えば、まだ会わない方が幸せなんじゃないか?って思う。でも勇者が言っていた事を覚えている。魔王を敵に回せば俺は確実に命を落としてしまうからさ」と説明するとアリシア「大丈夫。もしも何かが起きたとしても私は浩平を助ける為に戦うから心配しなくていい」と 俺は魔王と別れてから家に帰り着いて直ぐに勇者を紹介しに、勇者の家に向かった

「勇者。今、良いかな?」

「浩平か?良いよ、入れよ」と言う勇者の声を聞き

「おう。じゃあ、お邪魔するぜ」と声を掛けてから入っていくと、俺の目に飛び込んできたものは 銀髪の美少女の胸倉を掴んでいる姿であり、思わず呆気に取られてしまっていた 俺は勇者に近寄り事情を聞いてみる事にした。すると、こうなるに至った経緯を説明された それは、昨日勇者が勇者の部屋に戻った直後だったらしい 部屋に戻るや否や魔王に詰め寄られたらしく、その際に「貴様、魔王たる者、人間の国に行かないとはどういう事だ? 妾が貴様の代わりに人間共に恐怖を与え、支配してやっても良いのだぞ?それが望みなのだろう? 貴様は何を企んでいる。答えよ!」と問いただしてきた

「魔王が魔王城を離れるわけにはいかない。それなら俺が勇者である以上。勇者が勇者の国に居なければいけない理由にはならないのか?」と言うと

「ふっ。勇者などと名乗っている割には随分と情けない話だな。この程度の国を支配する程度ならば勇者が出張るまでも無いと言うことであろう」

勇者は黙っていると、更に続けて魔王が喋ったそうだ。勇者は「そう言われても仕方が無いかもしれない。だけど俺にだって守りたい人が居る。その為に魔王城に篭るわけにはいけないんだ」と話す

「ほう。魔王に逆らうか」

「そう思われるのは当然だな。俺には魔王が言った言葉は理解出来ない部分が多いからさ」

魔王がニヤリと笑みを見せるも、それには気が付かないフリをしたようだ 魔王「ふん。確かに魔王の言葉を理解しろと言っても難しかろうな。だがな。貴様にも、それなりの覚悟はあるのじゃな?」

「俺に覚悟?」

「うむ。貴様の両親が生きているかどうか分からんが、仮に生きていたとすれば。貴様の両親に会う前に魔王城から逃げ出したくなるような事が待っておるかもしれぬという事よ」

「そっか。そこまでは考えてなかったけど、俺の親が生きているとは限らないんだもんな。魔王の言葉が本当かどうかは分からない。ただ。それでも俺は会いたいと願うよ。もし会えなかったとしたら。その時は大人しく引き下がるよ」と答えると魔王が笑い出す 魔王「クッハッハ。貴様のような男に出会ったのは初めてだ。貴様なぞ嫌いでは無いな。貴様、魔王城に住み着くつもりはないか?魔王城の傍に家を用意するから、そこで暮らさんかね?」と突然の提案

「えぇー。いや。でも。うぅ~ん。まぁ。うん。少し、時間をくれるかな」と困った

「そうじゃな。時間はいくらでもやろう。勇者よ。貴様が勇者を辞めたいと言えばいつでも止めるぞ」と答えると 勇者は苦々しい表情を浮かべると同時に俺を横目でチラっと見てきて「辞めれるのであれば」と答えた。

そして魔王は「さて。では。今日は帰るが勇者よ。魔王城で貴様に会える事を楽しみにしているぞ」と魔王は立ち去った

「魔王は俺の事をどうするつもりなんだろうか?」と疑問を投げかけるも 勇者「俺に分かると思うか?」と質問を質問で返され 勇者「なぁ。俺は、あの人の考えている事がよく分からねぇんだ」と愚痴られた。

「勇者は魔王の事を嫌っていないみたいだけど?」と聞くと 勇者「俺は浩平以外の人間を好きになれない」と告白される 俺は「はぁ。そういう話は止めてくれよ。俺はまだ勇者と魔王を天秤に掛けて考える事が出来ないんだからさ。今は勇者と一緒に居れば楽しいから、もう少しだけ一緒に居てやりたい。だから俺は魔王の申し出を受けようと思っているんだ」と話すと 勇者「俺は勇者じゃない。浩平と一緒に居られる時間がもっと欲しくて魔王の申し出を受けた」と告白されてしまった 俺は勇者に何も答えることが出来ずにいた。俺は勇者の言葉を聞いていただけだし 俺「まあ。なんだ。とりあえずさ、家まで送ってくれないか?」

勇者「ああ、そうだな。送るよ」

そして勇者に案内されて家に向かうと、そこには魔王が立っておりアリシアが抱き着いたまま離そうとしない 俺とアリシアと勇者は話し合いを始める事にした 俺はアリシアを抱き上げ膝の上に乗せながら「おい、アリス」と呼ぶもアリスが離れようとしなかった為、アリスも抱きしめたまま「アリス。とりあえずは座ってくれないかな?」と話しかけるも首を横に振られてしまい アリスの頭に手を乗せ優しく撫でていると少しずつ落ち着いてきたようで 俺から離れる事はなく、ずっと腕の中に収まったままで ようやく落ち着いたところで話をする事になったんだけど 勇者と魔王がお互いに挨拶をし合うと勇者が

「浩平のご両親ですか?はじめまして」と言い、それに対して「はて?貴殿は一体誰なのだね?」と父親が言うと 勇者が一瞬だけ寂しげに見えたが直ぐに表情を変えて「俺の名は佐藤浩平。この世界とは違う世界の勇者です」と言うとアリシアとアリシアに引っ付いている

「アリスちゃん。可愛いね」と言いアリシアを愛おしそうな瞳を向ける

「俺はお前が勇者だと知っている」

「は?どういう事だ?」

「勇者召喚は魔王だけが使える特別な魔法。俺は勇者召喚された勇者だ」

「なるほど。つまり、俺は浩平のお父さんで、この子は浩平のお母さんって事か。浩平の年齢からして。俺達の息子って事で良いのかな?」と確認してきた 俺は魔王に勇者を紹介する事を伝えた 魔王は、さすがに俺の家族には勝てないようであり「ふむ。分かった。魔王の言う通りにしようではないか」と了承 そして勇者とアリシアが俺達の

「浩平。アリシアをよろしく頼むよ」と父親からお願いされ「もちろんですよ。絶対に幸せにしてやります」と言うと父親は「良かった。アリシアは、うちの娘は美人なのに、まったく男が近付いてこなくて、ちょっと心配していたんだよ」と話し始め 魔王が口を開くも「余計なお世話だよ。おとうさんのバカ!!」と言われ落ち込む そして、それから勇者とアリシアを俺の家に泊めさせて貰う事となった 翌朝。勇者は「さっそくだけど、俺がこの世界に呼ばれた本当の意味を魔王が説明してくれるらしいぜ?聞いておいた方がいいだろ?多分、勇者として召喚した事の意味を知るのは今しかないだろ」と言われて渋

「そうか。なら、教えてくれるか?それと、どうして今になって俺を呼んだんだ?」

「今だからこそ。浩平は知るべきだ。今だからこそ浩平は勇者なんだ。俺だって知りたかったけどな。今だから聞けるんだ。だから教えてやる。勇者を勇者足らんとしている理由が浩平を浩平として生かす為に必要だから」と真剣な表情

「ふむ。そういえば言っておったが、貴様らは別の世界から呼び寄せているのじゃったな。それは貴様らの力が必要と言うわけではないのか?」

「違うよ魔王。俺たちは異世界に呼ばれるのを望んじゃいなかった」

「なるほどのぉ~。ではなぜ?」

勇者「俺が答えた方が良いだろ?俺の両親は事故で死んでしまったらしい。事故と言うのがどんなのか分からないが、俺の母親は俺を守るように庇って死んだらしい」と説明を始めた 俺は話を聞きながらも何かを考える 魔王が話し始めると「貴様の母親は勇者である貴様を産んだから死ぬしかなかったと言う事なのか?」と問い質し始めた。俺は話を聞く事に集中していた為 魔王の問いかけに対し

「はっ!くだらない。実にくだらなすぎて反吐が出る」と答えた

「なっ!」魔王は絶句して固まってしまう 俺は話し続ける「そもそも、それが真実なのかどうかは疑わしい。そんなのを信じる程。俺は単純じゃないんでな。ただ、それが本当なら、それこそ、くだらなすぎる。そんな事を言ったら、全ての親は自分より子供を優先して当たり前なんだからな」と答える

「確かにな。それならば、それこそ浩平が言っていた事は間違ってはいないな。貴様が勇者だから貴様がこの世界で生き残る術を教えると、そういう事であろう」

俺は「そうだ。そして勇者は、この世界では、どの様な理由で殺されても仕方が無い。だから、俺が俺を殺す。だから勇者を勇者足り得る存在にする為だけに、こんなふざけた名前を付けている」

魔王が納得すると勇者も「そういうことだ」と答えた そして俺達は話し合って決める。もしもの時は俺も一緒に死なせて貰う事を約束する 俺と勇者はお互いの手を握ると俺達は誓い合った そして俺はアリシアに「大丈夫だ。俺が必ず守る」と言って頭を優しく撫でてやると、それに安心してくれたのか泣き出し始めた

「なに泣いているんだ?泣くなって、まだ早いんだからな。それに俺は生きて、アリシアと幸せになるつもりなんだから」と言って抱き寄せ、暫く

「勇者、悪いな。俺はお前に隠し事をするつもりだった。けど、今は無理みたいだ。全部を曝け出す事に決めたよ」と言うと勇者は「俺はお前に惚れてしまったようだ」と言われる。俺も、つい笑みが漏れる。魔王や魔王軍。魔王城の皆、そして、アリスや、その両親の前であっても、俺は全てを打ち明ける覚悟を決めた。俺は、自分の全てを話し終えると、魔王に 魔王に俺が元の世界に戻りたいと言った時の話をする。俺の話を聞いた魔王は黙ったまま俺を見て「貴様の言いたい事も分からんでもない。だが、それでも妾が人間を許す訳にはいかぬ」と答え、

「まぁ、許す気も無いくせに何を言う気にもなれんよ。好きにしろ。俺が俺の為に生きるだけだ。例え、魔王が相手でもだ」と言い放ち

「ふむ。浩平。本当に、あの時。殺さなくてよかったと思うぞ。あれで殺してたら、妾も貴様に恋をしていたかもしらん」

「おいおい。物騒なことを言い始めるんだから困ってしまうよ」俺は笑うも笑いながら涙を溢れさせていて止まらず涙を流し続けるとアリシアは、ぎゅっと力強く抱き締めてきてくれて、「ごめんなさいね、ご主人様は私と一緒にいて幸せ?」と不安そうな声で聞いてきた為、「ああ、幸せだぜ?」と答えると同時にキスをしてやった 俺の言葉を聞いた魔王の奴が微笑んでいたのだが俺の見間違いだろうか?と思った瞬間に「なぁ、魔王。少し聞きにくいんだけど良いかな?」と言う 魔王が無表情で俺の事を見るなり「良いが?なんだ?遠慮せずに聞くが良い」と言われたため質問をしたんだけど。質問の内容を聞いて驚いたよ。なんたって、こいつ等は魔王を倒す為に

「なぁ、お前は人間を、この世界の生物全てを皆殺しにするつもりなのか?」と言う質問に 魔王「は?馬鹿なの?この愚か者めが。人間を全て殺してどうするというのだ?そんな事をしても、また人間に滅ぼされて、同じ歴史が繰り返されるだけだというのに、この馬鹿者が。いや、これは魔王の器を持った浩平が人間を絶滅させようと考えていると見てよいか?」と怒られる。魔王の奴に 俺が言葉に詰まっていると魔王は「やはりそうであったか」と言われてしまい俺は「あはは。はははははは。はーはっはははははは。魔王の奴。本当に何も知らねぇんだ。はは。ははははははは」と狂ったかのように笑ってやり。俺の異変に気付いた勇者が俺に駆け寄ってくる 勇者の行動に魔王は勇者の方を見つめると「勇者。貴様はこの者を裏切るつもりではないだろうね?浩平が何をしようとしているかは余は知らぬが。浩平は勇者だ」

勇者が何かを言おうとするのを手で遮り

「魔王の旦那、俺は、もう。勇者は嫌なんだ。俺は俺でしかない。誰かが望む勇者でいたくは無いんだ」

勇者は悲痛な表情を浮かべて魔王を見ている。俺は、そ

「俺は浩平。浩平って言うんだ。だから勇者で居たくない」

勇者は「そうか、それでいい。それが浩平の選択か?」と言われてしまう。

「俺は勇者の力を俺に返す。そして、もう一度最初からやり直す」

「そう、浩平がそれでいいなら構わないさ。それが正しい選択なのかは分からないがな」

「魔王の言う通りかもしれないな。俺に魔王の力がある限り。いつか人間は俺の事を魔王と呼ぶ。だけど、俺が、魔王の力が無くなるのなら、誰も俺を浩平と呼ばないなら。魔王が消え去るまでは魔王のままでも良いのかも知れない。俺は俺であり続けれるなら、俺を偽る事だけはしない。勇者を偽ることは、したくなかった。けど、勇者は偽りの存在だったんだよ。俺にとっては、勇者は呪いと同じなんだよ。だから魔王の力は俺にとって邪魔でしかない。俺は俺だ。勇者なんかに頼らない」

勇者「それは違うだろ?それは、浩平が浩平として生きる為の必要な事だろ?それを、俺のせいにするなんてのは間違っている」と勇者に言われる

「それは分かっている。分かっていても、俺は浩平になりたいんだよ。勇者じゃない俺として生きていたかった」と答える 魔王は黙って見ているだけだった 魔王は俺に対して何かを言うわけでもなく ただ俺達の会話を聞いていた。そして、

「分かった。ならば浩平はこれから勇者を封印し。勇者の称号を永遠に封印すると誓うか?誓わねば。魔王としての力を持つ者として貴様を殺す」と魔王が言う 俺は勇者を抱きしめると「俺は俺自身のために生きたいから勇者の力が欲しい。勇者の力と勇者の名声と称号はいらなくなった」と勇者に言う 勇者は、ただただ泣き続けていた 勇者「俺は、浩平と共に生きるために生きる。俺の願いは、たったそれだけなのだから」と俺

「俺は俺の好きなように生きていく。ただ俺の隣に勇者がいてくれるのなら、勇者が俺を支えてくれるのであれば。俺は迷わない。勇者、俺は勇者の力を返したい」と勇者に伝えると勇者は俺の胸に手を置くと「勇者が消えたとしても。浩平には魔王の力がある」

「ああ。そうだな」と言う 魔王は自分の腕にある刻印を見て「魔王の力は魔王の力と言う事なのか?」と問いかけるので「ああ、そうだ。その腕の紋章こそが証だ。そして魔王は魔王城にいる魔物全ての頂点に立ち君臨し続けているのだから」と俺は魔王の問いかけに答えてやった 魔王「なるほどな」と言って自分の身体を見ると「妾が王だ」と言ってきた。俺は「そんな事は関係がない」と言うと魔王は楽しそうな表情をする。そして「ならば我は浩平に仕えるとしようかのぉ~。この魔王は、浩平の為だけに戦うとしよう。なぁに簡単な事さ」と言い 俺は笑いながらも

「はは。そうしてくれれば嬉しいけどなぁ」と答える

「勇者様ぁぁぁぁ!お久ぶりです!」

突然声を荒げて一人の女の子が現れ勇者に向かって叫ぶも俺以外の三人共驚いていて言葉を失っていたが俺は苦笑いを浮かべていたら勇者が俺に「なっ?こいつがアリシアの言っていた友達なんだぜ」と言ってくれたおかげで俺以外全員状況を理解する事が出来たらしくアリシアだけが不思議そうな顔で見ていた

「勇者さんのお仲間の方がどうしてこちらに?」とアリシアが言う 俺「アリシア、その娘の名前はミルキーでね、昔に一緒に旅をしていた仲なんだよ」と答えてやる アリシアも俺の話を聞いて思い出してくれたようで「あっ、もしかしてあの時、一緒に勇者様に命を助けて貰ったっていう子ですか?」と言うと

「はい。勇者様に命を救って頂きました。勇者様には本当に感謝しています。そして勇者様が困っていると言う話を耳にして駆けつけてきたのですが。この方達は?」と聞いてきたため俺が「うん。実は俺の彼女達なんだけど、ちょっと訳があってな」と言いつつ説明をし始めた

「は、初めまして。私はこの方の、恋人であるリリスといいます。私達がこの世界に呼ばれた本当の理由は、この世界に存在する邪神を倒す事で、その為に勇者に呼ばれてこの国に来たんです。この人は、この世界を救いたいって、そのために頑張ってくれている優しい人なんですよ。どうか、勇者さんの力になってあげて下さい」

魔王とエルミアもそれぞれ自己紹介をした所で「え?勇者様にこの国の王女様?それに、そちらの方は、まさか。この世界で最強の存在と言われている龍の長と言われる。大精霊の巫女のリリィ様では?も、申し訳ございません。私、大変失礼な真似をしてしまいました」

「いやいや、良いのですよ。勇者様の、その、大切なご友人なのですから」と俺が言う

「いえ、本当にすいませんでした。それと、勇者様の身に、何か大変なことが起こったとかで心配になり駆けつけた次第です」と話す 勇者が「俺は無事だよ。でも。魔王と俺の二人っきりにしてくれないかな?」と俺に言ってきたので俺も「じゃぁ、少しの間。みんなと遊んできてもいいか?」

魔王が俺に抱きついてきて「行かぬ。余は浩平と一緒に居るのだ。離れたくないの」と子供みたいに言って甘えるのを見た俺は微笑ましく感じて魔王

「よしよし」と言いながら頭を撫でると魔王は俺の腕にしがみつき嬉しそうにしていた。

魔王はずっと俺の側にいる事を望むが俺としては困った事に勇者は今すぐ旅に出るつもりのようだったので「仕方ないか」と呟く。

「どうするんだ?」と聞いてみると「俺は、すぐにこの世界の人間を滅ぼそうと思うんだ」と言う 俺「おいおい、そりゃ、あんまりな話だぜ?そんなの。この世界の人間にだって、それなりにいい所があるだろうに。まあ、勇者の世界には俺やお前のような異世界から来た奴らがたくさん存在しているらしいけど、俺は、こっち側の奴等が好きになったんだよ。お前はこの世界でも魔王として君臨し続ける事を望んでいるのか?」

勇者「俺の望んでいることは、浩平が幸せであってくれれば。俺はそれで満足なんだ。俺は今まで、浩平の事を知らずに好き勝手してきたから、今度は浩平の為に行動したい」

「俺は俺だ。確かに、今の俺は過去の記憶を持っているだけの別人に過ぎない。だけど俺は俺の生きていく道を進むよ」と俺は勇者に言った。勇者は悲しそうな顔をしたが何も言わなかった。魔王は何も言い

「浩平よ。お主は自分が何者か分からなくなっているのではないのか?」と俺の心の内を読み取って問いかけるかのように話しかけてくる。だから俺は、「そうだ。だがそれが何か問題なのか?俺は自分自身を見失った。なら、もう一度自分自身を探しに行くしかないんだよ」と答える 魔王「ふむぅ~っ。なるほどのぉ。確かに。それも、また一つの答えかもしれんのぉ」と俺の考えに賛同してくれたがアリシアは、ただただ困惑しているだけであった 俺は魔王城を抜け出してから街に向かうと街の中に入ると同時に俺は衛兵に呼び止められてしまう。

「待てぇー!そいつは指名手配中の魔族じゃないか?」と一人の男に声をかけられたので振り向

「誰だ。俺が魔族のわけがないだろう」と返事をして睨みつけるも相手はかなり強そうなので「悪いが。俺を捕まえる前に、俺の正体を確認してからにした方がいいぞ」と言うと「ふざけるな。大人しく連行されてもらう」と言われてしまい 俺は「はぁ~」と溜息をつくと「俺と勝負するか?俺は負けないけど、負けたら。素直について行くよ」と言ってやる。すると 衛兵

「へっ?なっ?まっ、まじか?ほ、ほんとだな?なら。かかって来い!」と言うといきなり斬りつけてきた 俺の予想だと

「こんなガキが魔王を?ばかじゃないの?」と言われつつも俺に軽くあしらわれるはずだった。そして

「さすがは浩平だ。俺に勝っただけはあるな」と言ってくれる。俺にとってはそれだけで十分だった。俺の力が欲しいのならあげるだけ。俺は、もう疲れてしまった。

魔王に力を与えると言うと、アリシアは泣きそうな顔で「お兄様は勇者さんと共に生きると決めたのに。なぜ?」と魔王に訴えかけようとしたが、その言葉

「浩平は。自分の為だけに生きると約束してくれたのだ。我はそれに応えたまでの事」と俺の意思を尊重してくれる魔王はアリシアの言葉を無視していた 勇者 アリシアは「お兄様が。自分の意思ではなくて、自分の為に生きると決められたからこそ。私のお願いが通じると思ったのですか?」と訴えると

「ああ、そうかもな。我は自分の願いが通らなかった事は一度たりとも無いからな。浩平の事も、自分一人で何とか出来ると思っていたのだが」と言うと

「違うわよ。私はお父様に言われたわ。もしも浩平に何かあった場合は、私が責任を取りますって。私に浩平のお世話を任せてくださらなければ、浩平のお嫁さんになれると思っていましたのに」とアリシアが文句を言うと勇者は驚いた顔をしながら

「え?なに?なんなの?」と混乱していた。すると魔王はアリシアに聞く

「貴様は浩平の婚約者と言う立場でありながらも、その程度の覚悟しか出来てはいなかったと言う事なのかえ?」と魔王が言うと アリシアは黙ってしまったが魔王はさらに追い討ちをかけて

「浩平の婚約を認めてくれても良いはずなのだが。それなのに貴様が勝手に浩平の邪魔をすると言う事は、魔王たる我に対する宣戦布告とみなし。我が全力を持ってして。潰してやってもよいのだぞ?」と

「なっ?なにを。あなたが。この私に?冗談ですわよね?」とアリシアは魔王の言葉を聞いて焦っている様子であった。それに対して魔王は「くっくっ。笑わせるでない。貴様如き。我が本気になれば一捻りだ」と言う アリシア

「そっ。そう言う意味ですか。お父様があなた達と接触する事を嫌がっていた理由が分かりました。しかし。どうしてそこまで私を敵視するのです?」

「ふん。それは浩平の為じゃな。浩平に危害が及ぶようなら。容赦なく消し去ってしまうつもりだ」と魔王は断言した 魔王「それにしても、お主は面白い。魔王に恐れもせずに物を言いおった」とアリシアを見て感心するように言う アリシア「当然ですよ。私はこの方の妻になるのですから。他の女なんてどうでもよかったのよ」

「ふっ。どうやら少しは成長していたようだな。だが、それでも、この我には、どう足掻いても勝つことなど出来ないがな」とアリシアに告げてやるとアリシアは悔しそうな顔を浮かべながら俯いていた 勇者「え?も、もしかして。魔王を、俺が倒せば。俺の世界は平和に?」と言う勇者に対して俺は

「そうかもしれないね。俺は、この世界に呼ばれて来た人間だから、元の世界に戻れば俺は消える事になるだろう。でも俺は別にそれで構わないんだ」

「どういうことだ?」と聞いてくるので俺は「この世界に来た事で、たくさんの出会いがあった。俺はこの世界で生まれて。そこで暮らす人間達の姿を見てきて、好きになった。この世界に召喚される前も。俺は一人きりだったから。俺の事を必要にしてくれて、俺のそばにいると言ってくれた女の子も居る。だから、俺は。この世界の為に戦うと誓ったんだ。その俺の大切な仲間である魔王に力を授ける事くらい、俺にはどうって事ないんだよ」と答えた。勇者はその俺の話を聞き終えてから言う

「お前って。本当に凄いやつだな。俺にはお前のように大切な人はいなくて、ずっと勇者として、みんなを守っていかないといけないと考えていた」

「勇者である事に疲れているのかい?」と問いかける俺に勇者は少し寂しそうな表情を見せてから答えてくれた

「俺の両親は、俺がまだ小さい頃に亡くなった。俺はその時、まだ十歳だったが。親父が「これからはお前の母ちゃんと姉さんと一緒に俺が勇者として頑張ってやるから心配すんな」と笑顔で言うものだからものすごく嬉しかった事を覚えてる。それからはずっと二人三脚で生きてきた」と話始める勇者 俺はそれを真剣に聞いていたが。そんな時。アリシアは「お父様の気持ちが少し理解出来た気がします。だから私達はお母様に内緒で浩平を勇者にしてしまった事を謝るべきだと。だから許してほしいと頼んだんです。お兄様の人生を台無しにしてしまっても構わなかった。ただ浩平に幸せになって欲しくて」と話す 俺は「いいんだよ。俺の人生なんて。元の世界に戻る方法があれば帰るけど。今は帰ろうという気持ちもない。それに俺にとって、お前や魔王の存在は大きな心の支えになっているんだよ。俺も、こっち側の世界の事が好きになってしまったから。もう帰れないと思えば。俺の帰りを待つ人の事を考えても、こっち側の世界の人達の為に尽くせるように生きて行こうと思うようになった」と言う そして俺はアリシアに向かって

「俺には、お前が必要だ。俺には家族と呼べる存在はお前しか居ないんだ」と言うとアリシアは泣いてしまい 勇者はそんな妹の姿を見ながら

「そう言えば魔王。今、こっち側の世界は大変な状況なんだぞ?」と言うと

「なんじゃと?」と魔王が聞き返すと勇者は

「実は、浩平に勇者の資格があると認められた日に、こちらの世界で魔物を統べる王を名乗るものが現れて」と 俺は話を途中で止めて「ちょっと待ってくれないか?魔物の王と名乗るものが現れた?」と問い詰め

「あ、ああ。その。俺が魔王を討滅すると言う話は知っているよな?」

俺は無言で首を横に振った

「あれ?そうなのか?浩平は知らないのか?」と聞くので「その前に、その王様は何を企んでいるんだ?」と質問をした 勇者は「分からない。そいつの目的は、魔族を殲滅する事らしい」と答える 魔王は俺の方を見つめ「なるほどのぉ。奴も動き始めたか。だが、魔王を倒すなど不可能に近いと言うのは分かっておるのか?それに。あの男には我も手が出せんのじゃぞ?」と疑問に思ったことを聞く 俺は

「確かに。あいつに勝てるかどうか怪しいからなぁ」と言ってやる アリシアが突然立ち上がり アリシア「お父様が負けるわけがないわよ!絶対に勝つわ!」と叫んでいるアリシアを見て 勇者が不思議に思いながらも「なんでだよ?だって魔王だぞ?」と言ってくる アリシアは怒りながら勇者に言う アリシア「なんでって。そりゃ。お父さんが最強の魔王ですから!」と言い放った。それに対して勇者が「へぇ~最強ねぇ~」と言っている姿が見えて

「おい!なんでそこで信じない!」と言った後 魔王を見て勇者に言う「お前さ、自分のステータス画面で確認すれば良いじゃないか?」と伝えるも

「どうやって確認するんだ?」と勇者が言ってきたので「えっと。メニュー開いてみて」と教えると勇者が「メニュー」と唱えると目の前にメニューが表示される 勇者は驚いてから俺に聞く

「お、おおお?これは何だ?もしかして、浩平も出来るのか?」と聞いてきたので「ああ、そうだよ」と答え 魔王も驚いたような顔で「ほう。我と同じ事が出来るとはな。しかし何故、こんなにも差が生まれてしまったのだろうか?まさか魔王の座を譲る為に、お主は我と戦おうと言うのではないか?」と聞かれたので

「俺は、そんな面倒くさい事は嫌いなんだけどな。俺が言いたい事は、魔王って簡単に倒せる相手なんじゃないかって」と言うと 魔王が「うむ。ま、浩平の言っている事も間違っていないかもしれぬな」と言う 俺は魔王を見て言う「でもな、そう言う魔王って大抵の場合。倒して下さいって言わない限り倒せないんだよ」と言ってやった。そうすると勇者は「なるほど。そういうシステムなのか。分かった。じゃあ俺はお前がこの世界に来てくれるまで待つ事にしよう」と宣言された 俺はそれを聞いて魔王を見ると 魔王「浩平は勇者と共に行動するべきなのかもしれないの」と魔王はそう言ってくれた。俺はその言葉の意味を考える 勇者は「浩平も魔王も、この世界が好きだと言うならそれで構わない。俺には俺の考えがある」と言って立ち去ろうとした

「ちょっと。待てよ」と言う俺に

「どうした?」と勇者は言ってくるので俺は

「お前も俺の仲間にならないか?」と提案するが勇者は

「悪いな。俺は仲間になることは出来ない」と断った 勇者「浩平、アリシア、魔王。これからも頑張ってくれ」と言うとその場を去って行った。

アリシア 勇者が去っていく姿を寂しそうな表情をして見つめていたアリシアに

「アリシア大丈夫?」と問いかけると「あっ、はい。私は平気です。それに浩平も居るから。平気です」と返事をするアリシア アリシアは勇者が去った場所を眺めていて

「やっぱり、お兄様の事を心配されてたんですね」

「うん」とアリシアに言う 俺は「ところでアリシア、その。お腹が空いたからご飯が欲しい」と言うとアリシアは「分かりました。ではお持ちしますね」と微笑んで

「今日は特別に私の手料理を食べさせてあげます」と自信ありげに言うので俺は期待に胸を膨らませながら「アリシアの手料理?楽しみにしている」と嬉しそうに答えた そう言えばこの世界に来て、ずっと寝ていたので何も食べていない事に気づく 俺は「アリシア。俺はずっと、ここに来るまでは眠っていた」と言うとアリシアも「えっ?浩平様が?」と驚いていた それから食事を持ってきてくれたアリシアと一緒に部屋の中で食事を済ませることにしたのだが。何故かメイド服を着用していたアリシアを見てから

「可愛いよ」と言ってから「いただきます」と食べると

「かっ、かわっ。可愛っ。そんな、お父様から貰った大切な服を着てる時に、そんな事を言われたら」と言い出すので 俺は不思議に思ってから言う

「別に。その格好は俺の前でくらい、恥ずかしい事ないだろ?俺しか見てないし。それに、その。俺の為にその服装にしたんだよな?」と言うとアリシアは少し顔を赤めさせつつ答える アリシア「は、はい」と言うと 俺は「ありがとう」と伝えた。アリシアは「そ、その。似合ってますか?」と照れながら聞いてくる

「ああ、もちろんだよ」と俺は答え アリシアは

「そ、そうですか。お、お世辞だとしても嬉しいです」と言ってくれて俺は、お世辞ではなく本音だと心の中では思っていた。俺は、しばらく二人で食事をしてからアリシアは俺の横に座っていて俺に体を預けてきたので頭を撫でてやっていると 魔王が部屋の扉を勢いよく開けて入ってきて「おいっ、アリシア!」とアリシアを睨みつけてきた アリシア「な、なんでしょうか?」

魔王はアリシアに近づいていき「なぜお父様が、貴女にプレゼントをした物を着ているの?どうしてなの?ねえ、説明して頂戴?」と言われてしまい 俺は「おいおい、いきなりなんだ?お前達は、そんなに仲が悪いのか?」と魔王に言うと魔王は俺の方を見て 魔王「当たり前でしょう?お父様に、このような汚らわしい生き物を渡してしまうなんて」と言い放った 俺とアリシアは目を合わせてお互いに「「酷いな」」と言ってしまうと魔王はさらに怒り始め 魔王「お、お父様は渡さないからね」と言ってアリシアに指を指してから部屋から出ていった。その後 アリシア「ふぅー怖かった」と安心している姿を見て俺は魔王は一体何を考えているんだ?と思っていた そう言えば俺も魔王にお土産買ったんだったと思い出して魔王が帰って来るのを待つ

「魔王~」と俺は呼んでいた 魔王「なんじゃ?我を呼ぶ声が聞こえたのじゃが?誰か居るのか?」

俺は魔王が帰ってきたのを確認してから魔王のお土産の品を魔王の前に出した 俺は魔王の耳元で「これ」と言うと魔王は「え?」と驚きながらお土産品を見てから言う 魔王「そ、それは!?我が昔、大好きだった物ではないのか?まさか、我は夢でも見ているのか?幻か?それとも何かに化けてるのか?どれなのだ?」と混乱していたので

「現実。だから、受け取って」と言う 魔王はお土産物を受け取り、涙を流して 魔王「お、覚えててくれたのだな」と言うのを聞いて俺は

「だって。魔王って意外と甘党だって言ってただろ?」と魔王に言いながら抱きしめるのであった

(完)

最後までお読みくださり有難う御座いました この作品は一年程前に、ある企画に参加した際の作品となります。(詳しくは『第1回 ラブコメイラストバトル!』というイベントにて、僕が参加した作品になります)この作品には挿絵を入れようと決めていました。僕はこの作品を書くまでに絵を描いておらず練習をしたいと、思いましたので、とりあえず文字のみで挑戦してみた次第です。

この話の内容は、よくある感じの王道系異世界召喚もので。王城に連れて来られてから色

「あ~~!ここどこだよ!何が勇者だよ!魔王ってなんだよ!意味わかんねぇよ!しかも何だよこの剣!全然使えねぇじゃん!くそっ。魔王を倒せって無理ゲーすぎるだろう!俺は勇者とかじゃないんだよ!」と言って俺がイラつき、壁に向かって思いっきり剣を投げつけると

「おい。お前は何を叫んでいるんだ?もしかしたら、こっちの言葉が理解できないんじゃないか?おい、勇者!」と言う。その言葉に俺は「うるせぇなぁ!分かってんだよ!そんなこと!」とキレると王様らしき人物が言う「そう怒鳴るでない。ま、勇者殿が怒る気持ちは分かる。だが。これは決定事項なのじゃ」と申し訳なさそうに言ってくれるのだが。

「ふざけるな!こんな、こんな、わけのわからない状況で、はい分かりました。とはならないぞ!」と反論する俺 それから王様っぽい人が勇者である俺に言う。

国王様「勇者様、魔王を倒せる可能性がある者はあなたしかいないのです。どうか。この世界の為に戦って下さいませんか?」と言うのを俺は無視して叫ぶ

「誰がするかっての」と言った後 勇者は走り去って行ってしまう 国王様はため息交じりの笑顔を見せて呟いた「やれやれ。勇者があの程度では先が知れているのぉ。しかし。この世界が、いつまで持つのじゃろうか?まあ良い。ワシにはまだ娘達が居るからのぉ」と言う 勇者は森を走り回りながら考えていた。何故、俺だけが呼び出されたのか? そもそも勇者って何だよ? 俺は普通の学生なのに。魔王を討伐しないといけない?魔王を倒すと元の世界に帰れたりでもするのか? 俺は「くそっ。考えても仕方がない。まずはこの世界で生き抜く事を考えるしかない」と言って森の中で野宿をするために道具を探していた そうすると俺の前には見たことのない生物が出てきて、それを見た俺は

「おい。もしかしてこれが、魔物?俺を殺そうとしてないか?」と言うが襲ってきたので、それを

「はい、残念」と言い切り 一撃の下に倒したのを見て「うん。やっぱり。思ったより簡単に殺れる。なら。問題ない。」

と言ってから。夜になるまで待とうと決める。そして夜になった頃 俺は寝る事にした 翌日。目が覚めたので起きると、目の前に巨大なドラゴンが現れて俺は言う

「おはよう。いい朝だね」と すると、巨大で真っ赤な炎に包まれたドラゴンは、その炎を俺に向けて吐いてきたので避けた後に「あぶなっ」と言うと また、ブレスを放ってくる。俺は、この

「ちょっと、タンマ」と言っても、止まってくれず。

俺は逃げるのに精一杯になってしまう。そんな事を繰り返して、なんとか逃げ延びて木陰で休んでいる時にふと思った。

あれ?そう言えば、あのドラゴン。どうして、俺を攻撃して来たのかな?普通だったら人間が居ても見逃したりしないのかなぁ?と考えていた しばらく考え込んでから俺は考えるのを一旦辞めにして、再び街を目指す事にした。そうしているうちに日が暮れ始めたので、急いで街に向かうと門番がいたので話しかけてみることにした。ちなみに門の近くにあった大きな石の上に乗っているから不審者では、ないはず 門番さん「おや?旅人かね?」

勇者「え?はい。実は旅をしているんです」と言うと 門番「おお、それは良かった。今はこの街の近くに魔物の大群が出ていてね。危ないんだよ。だから君は、すぐに引き返してくれ。私はこれから見回りをしなくてはならないんだよ」と言われたので俺は「そ、そうなんだ。大変だね。」と伝えると 俺は街に入ろうとすると、止められて。「ちょ、ちょっと。君」と言われてしまい 門番が

「その。その格好はなんだ?」と質問してきたので「その服の事ですか?」と返すと

「ああ、その服装。どこで売っている?どこで手に入れた?」と凄い迫ってきて。俺も困っていると、後ろの方で、もう一人の男性が近付いてきて、俺に

「すみませんが」と話しかけて来て「この国で、お会いしたことはありますか?」と言うので「え?は、はぃ」と答えてから思い出してみるが会った記憶がなく 俺の反応を見て男性は続けて「失礼ですが、お名前を聞かせてもらえますか?」と言うので

「俺は佐藤 浩平といいます。」と言うと 男性は驚いていて 男性「やはり。私の知っている人と、同じ顔なのですが、貴方は違う世界の人なんですね?」と言われて

「はい。そうみたいですよ。俺の世界とはまったく違った場所から来たんでしょう。」と俺が言うと

「そうでしたか。では、少し話を聞いていただけませんでしょうか?」と言われてしまう。それから俺と男は、どこか落ち着いたところで話しましょうという事で、近くの酒場に入り話を聞くことにした。男の名前は山田と名のった 話を聞き終わったのは、すっかり暗くなってしまったのと明日の準備もあるので、早めに休むことに それから数日が経ち。ついに、俺の旅立ちの時が来るのだった。俺は、あの時の男性の言っていた

「もし。私が、あなたと同じ立場で、こちらに来てしまうと知ったらどうしますか?」という言葉が、どうしても忘れられなかった。だからこそ、この国の人達のためにも魔王を倒したいと決意していた。そう思えば、きっと魔王も倒しやすくなるはずだと思っていたからだ。

「よし。頑張るか」と独り言を言うのだった。

次の日の朝。

準備を終えた勇者が城を出て行こうとする所へ一人の女性が勇者に「お父様をお願いね」と、声をかけると 勇者「え?えっと、誰?」と言ってから、女性の事をじろりと見て 勇者は言う「悪いけど、俺は忙しいんだよね。それにあんたに頼まれなくても俺は勝手にやらせて貰うよ。俺には、この世界を救わないといけいないんだ。だから邪魔だけはするなよ。」と冷たく言い放つと女性は悲しげな表情を見せつつ涙ぐみながら 勇者「だから、そんな顔してもダメなものはだめだ」と言ってから立ち去ろうとしたが振り返り「お前が本当に、こっちに迷い込んだら、ちゃんと助けてやるさ。約束は出来ないけどね。じゃあね」と言うとその言葉を聞いた女性は安心していたのであった

「さてと、この城を出る前に。魔王を倒して帰る方法を探さないとな。その為には、とりあえず。冒険者登録しないと」と考えながら歩いていくが城門が見えてくると「おい、そこの小僧」と呼び止める人物が現れたのである

「ん?俺のことか?」と言うと。その人物は「おう。そうだぜ」と俺を呼び止めて俺を見るなり

「ほぉ。なかなか強そうじゃねぇか?」と言うと俺は、ため息交じりに「そういうあんたこそ」と言うと、その男はニヤリとした笑みを浮かべて俺を見て「俺の名は、ガイスだ」と名乗ってきたので俺は言う

「それで。何か用か?俺は、急いでいるんだ」と言うと 俺は王都から出発してから数日間、魔物との戦闘に明け暮れていた。だが。その戦闘の最中に俺の持っていた剣が突然、壊れてしまい。俺は仕方なく素手で戦っていたのだが 勇者として鍛えられてきたおかげで、そこまで苦もなく

「まあ。この程度なら楽勝だよな」と思ってはいたが、油断はできないので常に気を抜かずにいた。そんな事を考えつつも俺は魔物と戦い続けていた そうして、魔物と戦う事を続けていたある日。ようやく、目的の森に到着したのである 森の入り口まで来ると 勇者「やっぱり、こっちの世界の森の中の方が自然が多いような気がする」と思いながらも中に入って行きしばらく歩いているとゴブリンを見つけた ゴブリンを見つけて 勇者は、「はぁ。やっぱり、魔物は、気持ち悪さが先に来るな」と思っているとゴブリンは「ウギャアァー」と雄叫びを上げて俺に向かって走って来ていたので「仕方がない」と言い。

「おい、化け物。相手になってやるからかかってこい!」と言って構えるのだったが。

その時、目の前の茂みの中からオークが出てき た。しかも三体も同時に現れて「くっ、面倒臭い奴らが」と俺は思いながら二体を殴り倒すと残り一体に狙いを絞って拳を振るうも。それをかわされ、蹴りを入れてみるも それさえも回避されてしまう

「くそっ。素早いやつめ」と俺は思うが、

「まあ。これなら倒せるだろう」と俺は思った そうしている間にも ゴブリンとオークが襲ってくるが俺の攻撃を避けまくっていて攻撃が出来ずにいると。ゴブリンは背後から俺を狙って短刀を振り回して来るが、それすらも、何とか避けていく しかし。そこで 横から棍棒が襲ってきた 勇者は「まずい」と焦るも避けきれず直撃を食らってしまい吹き飛ばされて地面に叩きつけられるも、なんとか立ち上がり 勇者は

「まったく。次から次に。もう良い加減にしてもらいたいんだけど。こいつら」と苛立たしく思ったものの。俺は目の前の敵に集中する事に 勇者の攻撃をオーク

「ブホホッホー」と鳴き声を上げると、手に持っている大金槌を振り回し、勇者を攻撃しようと振りかざし、俺は後ろに飛び退き避けるが 地面に当たる度に土煙が舞い、勇者の姿を確認できないが、すぐにオークは 俺がいる方へ向きを変えると勇者はオークの後ろにいて 勇者は素早く懐に潜り込み。そして。

腹に一撃入れると、あまりの威力のせいか。吹っ飛んでしまう。勇者はすかさず追いかけて追撃しようとすると オークが起き上がり「ぐほっ。グオォ」と怒りの形相をして俺の方へ駆け出してくると勇者は 勇者「やばいっ」と逃げると オークは

「おのれ、ちょこまかと」と言うと再び 勇者を追いかけて走るが。また、俺の姿を見失うも オークは勇者の方を向いて、走り出すと 勇者「くっ。こうなったら。一か八か、これで仕留めてやるか」と腰にあるナイフを取り出して投げようとするも 勇者は

「あっ。」と声を出す 勇者の手からナイフが離れて落ちて行ってしまう オークはそのチャンスを逃さずに勇者に迫り、 大きな金

「ブホホッホ、俺様に歯向かった事を、後悔しながら死ね」と言うと 勇者「マジかよ。俺、ここで死ぬのかよ」と思った時

「危ない!!」という声が聞こえたので後ろを振り返ると 少女「はああああああああ」と 少女の声が聞こえると俺は振り返って見ると。そこに、さっきの女性が槍を持ち、その穂先に魔法陣を展開させていた 女性「はあああああああ」と叫んでから 俺がオークの後ろで呆然と見ていた時に、女性は叫ぶ

「はああああああ」と言うと。女性の身体が光だし。その光が徐々に強くなり始め。

やがて。それは巨大な光の

「ああ」と言うと。女性の全身に白い衣が装着されていき。背中に白い翼が現れていて、頭には天使の羽の付いた帽子を被っていて 勇者の瞳に映ったその女性の容姿は。美しい金髪の少女であり。その手には白く輝きを放ち続ける神々しい杖が握られていた。それは、まるで天使のように神々しさを感じる そんな彼女の登場により俺は助かり。オーク達は怯え始めると、俺が彼女に近寄り「あ、ありがとうございます」と言うと彼女は優しく微笑む それから俺は、彼女と会話を交わすと。どうやら、彼女は魔王の娘で、魔王を倒す為にこの世界に来たと言っていた。だから俺と同じように異世界からの転移者の可能性があると俺は思ったが

「なるほど。それで魔王を倒すために俺に協力してもらいたいと」と聞くと彼女は「はい」と答えると 俺も「わかりました。出来る限り協力させてください」と言うと彼女が

「私はルシエルと言います。どうか私と一緒に戦ってくれませんか?」と言うと俺は「わかった」と答えてから俺は言う

「じゃあ俺はヒロ。よろしく」と言うと ルシエルは言う「え?どうして。貴方の名前は佐藤なのに。苗字があるんですか?」と言われて 俺は「うわ。しまった」と思わず口に出してしまっており 俺は慌てて口を閉じるが、どう言い訳するか考えていると。どう

「え?どうしたの?」と不思議そうな顔で言うので 俺は言う

「実はだな」と言って俺は、こちらに来てからのことを話した。するとルシエルは「そうですか」と悲しげに俯くも。

俺も「だけどな」と言ってから。俺は言う

「こっちに来てから。ずっと戦い続けだったんだ。それも。強い敵ばかり」と言うと 魔王の城では魔王の配下である悪魔や魔女。魔族など。この国に来るまでも。

色んな魔物達と戦ってきた事を言うとそれを聞いた、この国の人達は驚くも、 俺は、この世界の常識を知りたかったのである そして 俺の今までの経緯を説明する そして、そんな話を聞いていたアリスは「お兄ちゃん。頑張ってきたんだねぇ~」と言うと。

俺は「おい。俺は別に頑張ったわけじゃないからな」と俺は、少し慌てながら否定するのであったが。それを見たアリシア姫様はクスッと笑うのであった。

そして 俺は思う

(そういえば。こんなに

「俺の話」なんて誰かにするの久々なような気がする)と。

そう思っていると 俺は、改めて自己紹介をして。

俺自身の事も説明してから。俺が何故、ここを訪れた理由。

つまりは、この世界で何をしたいのかと言うのを説明し。俺の目的は この世界に蔓延る悪の根源の魔物を討伐する事だと話すと。

それを聞いている内に。アリシアも何か感じるところがあったのだろう。

そして 俺の説明が終わってから。しばらく黙り込んでから、しばらくして、何か考え込んだように、しばらく沈黙が続くが、やがて。その静寂を破るかのように、ふと。呟くように。そして何かを決意するかのように

「お母さまの無念は私が晴らしてみせる」

俺はそれを聞き「お母様のって。確か」と思いつつ、聞いてみると、やはり魔王の娘である事を話すと。さらに詳しく教えてくれたのは。魔王には 母親がいると。だが。それは人間との間に子供を作って産み落としたのではなく。魔物との間に子供を作ったらしい。そう。それが

「ダークエルフの女王と、人間の男の間に生まれた。その子こそが私の本当の父なの」と そう語ると。さらに続けて、

「私は。魔王と血の繋がりこそないものの。魔王と対になる存在であり。その実力を認められたからこそ、こうして勇者召喚の儀式によって。呼び出された。だけどね。本来ならば私は魔王として、この世界に君臨しなければならないはずなんだけれども」と言ってから 俺は「どういう意味なんだ?」と言うと。それを見ていたミルキーさんが。俺に対して 俺に向かって言う「それはです。勇者様は恐らく。本来の勇者様ではないと思うのです。そもそも。普通に考えてみましょう。普通の人間である勇者を、いくらレベルを上げたとしても。ここまで強くなるのは。あまりにも不自然すぎませんか?」と言われるも。

それを見ていた俺は。俺の事をよく知っている人物ならわかるのだろうけど。残念ながら今の俺にとってはわからないので、俺自身にはなんとも言えなかったが。俺

「でも。現に強いですよ」と言うと アリスは、それを聞いて「いやいや、そんなことはないと思いますよ。お兄ちゃ」と言うも。それに俺は 俺が思うに。こいつらだって十分過ぎる程に異常な存在である事を俺はわかっていたのである。まぁ。こいつらに関しては俺自身が一番おかしいと思っているのは当然の事なので。特に思うこともないんだけど とりあえず。今は目の前の問題を片付けないとダメだと思ってから俺は「それよりも。あの魔王をなんとかしない」と魔王を見ると魔王は未だに硬直したままで、動きが止まっていて どうすればいいかと考えていた時。ルシエルが言う「あれは。魔王の持つスキルの一つ。《呪縛》という物よ。本来は相手に自分の言葉に逆らわせなくするものなのだけれど。今回は違うわ。完全に精神支配されて。相手の意志を完全に封じ込めてる」と言われてしまうが

「しかし。俺は平気みたいだけど」

と言うとルシエルは、困った表情をしながら

「あなたは、その勇者の証を持っているでしょ。それは、相手のスキルに対する抵抗力を高めているみたいなの」とルシエルが説明するが しかし、それは。あくまでも推測であって。

あくまで、仮説に過ぎないため、確実なものとは言えず。だから、このまま何もしなければ。俺に殺される可能性もあるのかもしれない 俺は。それは、どうしても嫌だったので。仕方がなく。仕方なく

「はああああ」と叫び声を上げると。俺は叫ぶと俺の手が輝きだし、光を放ち始めると俺の手から光が放出して 俺は、そのまま 魔王の方へ向かうも 俺は光を放ちながら、そのまま真っ直ぐに進み続けると、魔王の方まで近寄って 魔王の前に立つと。その瞬間 俺は

「魔王!!」と叫ぶも 魔王が

「グオォオオオ」と吠えるが

「魔王」と再度 俺は叫ぶが、

「グルルル」と言いながらも 俺は無視された感じになり

「チッ。これぐらいで」と 舌打ちをするも。俺がもう一度叫ぼうとしたらルシエルに「待って下さい。これは一体、どうなっているんですか?」と言われたが。ルシエルは知らないが 俺は。この勇者の力が使えなかった時に。色々と検証した結果。どうやら勇者の力は発動させる事が出来るようだが。一度。勇者を発動させると一定時間の間。その効果が発揮し続けるようである。だから。俺は、この力を有効的に活用する為の方法を考えていたのだ そして俺は この能力を利用して 俺自身の意志ではなく。強制的に魔王を動かそうとした すると 俺が放った 俺

「魔王。聞こえてたら。今すぐに、その拘束を解きな」と 魔王

「ぐぬうう」と言ってから。魔王が俺を見て 魔王

「き、貴様。何者だ。この我に何をするつもりだ」と言うと

「あ?別に、あんたが邪魔だから。殺しに来てんだよ」と言うと魔王は 魔王

「クフハハハッ!面白いな。だがな。無駄な足掻きだな。例え。どれだけ強い力を持っていても。お前程度では我が娘は助けられないし、倒せもしないぞ」と魔王は言うも 俺が、ルシエルが見ている中で、アリスに向けて 手を向けると、俺は言う「俺の妻を傷つける事は許さない。もしも、俺に攻撃してきた場合は」と俺は、少しだけ魔力を高めると。

俺が、魔王と対峙する姿を見ていたミルキーとリリアナが、少しだけ警戒心を抱き始めていて そんな様子を気にした、アリシアが二人に対して、俺達の方を指差すと二人は「え?まさか」「もしかして」と言っている中 すると、突然として。二人の足元に魔方陣が出現すると「なっ!」と驚いてから。

二人が動揺している姿を見ながら、俺は魔王をに視線を移してから言う 俺

「さあ。そろそろ決着をつけさせてもらうとするかな」と俺は言い出すと

「ほざけ!!雑魚風情が、我を殺せると思うのか?そんなことは絶対に不可能」と言って 魔方陣から魔法を発射させて、それを俺に向かって飛ばしてくると 俺は「悪いな。俺は、こう見えても負けない男なんだよ」と言って。

「魔王。これが本当の全力だぜ。食らいやがれ」と言ってから俺は手をかざすと

「喰らえ」と言うと同時に魔王は黒い鎖によって拘束されるのである 俺は、それを見ながら「ふん。これで、もう終わりだな」と言うと 魔王が俺の方に近づいてきて「ふふふ。この程度の力でこの俺がやられるわけがない。確かに。この鎖から逃げ出そうとしても無理そうだが。だが。この程度の拘束など」と言うと魔王は手に魔力を集めるも 俺は、そんな魔王に

「無駄な事するんじゃねえよ。てめぇの事は調べたんだからな」と俺は、言って。俺のこの能力は相手が、その行動に移す前に対処出来るからこその絶対的な力を発揮する 俺は「てかさぁ。その力は封印させてもらってんだから、そう簡単にはいかないんだよ」と言うと魔王は俺に対して、俺が使ったこの勇者のスキルに対して何か疑問を抱いているような反応を示していた そして、魔王は「何を言っているんだ。お前のその能力に、何か秘密でもあるのか?」と言うと俺はそれに対しては答える事が出来ないでいると それを聞いていた、アリシアが俺に

「お兄ちゃんは、勇者様の力を自由に使える訳じゃないよね」と言ってくるが 俺はそれに、「どうしてだ?」と言うと アリシアは、俺の目をジィーっと見つめると アリシア「だって、そんな事をしていたのならば。お兄ちゃならもっと早く、この状況を終わらせる事も出来たはずだもんね」と言うのだった

「ふふふふふ」

と不気味な笑い

「おやおや。これはまた随分と無謀な事を言うね君も。僕達には到底。太刀打ちできない存在だって事を知らないみたいだけど。君は自分が弱いと勘違いをしているみたいだね」と黒装束の男の一人。つまりは、魔王の部下であろう奴が、目の前にいる少年を舐めたように言うが。しかし、少年はその発言を無視して話を続けようとする しかし、それは、あくまでも無視をされればされただけ腹が立ったのだろう

「おいおい。無視して話をしようなんて。生意気だな」と声に怒りを込めて言う しかし、少年は何も答えずに。さらに続けて

「お前らは、ここで死ねばよかったのに。なんで生き残っているんだ」と少年は目の前に立つ黒装束を睨みつけながら、そう口にするも。

その瞬間、少年は背後に現れた影の槍により背中を刺されると血を吐いて倒れこむ しかし、その光景を見た少女は、自分の妹が殺されたのだと気付くと

「うわあああ。私の大切な人が。死んだー!!」と泣き叫び

「そんな馬鹿な。いくらなんでも早すぎるだろう」

と驚愕しながら言う それも当然の話であると思えるほど。あまりにも、あっけない出来事にその場にいた誰もが言葉をなくして 言葉を失うほどの衝撃的な展開 それに、そもそも、こんな事になると予想できた人物は一人しかいない それこそが

「ふむ。なかなか面白いな。こいつは俺様を楽しませてくれるようだな」とニヤつきながら笑っている魔王本人であり 魔王は少年の元に近寄り。

「貴様に質問がある」と言うと 魔王の後ろの方では、ミルキーは、慌てて「ちょ、ちょっと。何してるの?」と心配するように声を掛けていたのだが。魔王が振り返りミルキーを見てみると。その表情は恐怖で怯えきっていた そんな表情をしていたのだから、仕方がないとも言えた そんな、ミルキーを気にも留めないように魔王は、口を開く

「お前が、あの少年の仲間なのか?」と魔王は尋ねると

「えっ!?いや、私は違うんだけど」と言うが。魔王は

「それは嘘だな」と即座に言い放ち。

「なぜだか分かるか?」と尋ねられて 魔王の迫力に怖がってしまったミルキーは

「な、なにが」と震えながら声を出すが。魔王はそれを無視して、再び

「あいつと貴女の間に共通点はあるのか」と魔王は、問い掛けてきて ミルキーは「私と彼の間に共通したこと?私が彼と出会った時も彼は瀕死の状態だったから」と言うと

「ふぅん」と言い。魔王は興味なさげにミルキーの話しを聞いていた 魔王は「それで?」と先を促そうとしてきた

「な、なに?」と魔王の言葉の意味が分からず聞き返すミルキー

「まだ分からないか。俺はこう聞いてんだよ」

魔王はミルキーの肩を掴む 魔王「俺様の嫁になれと言っている。だから、一緒に来るんだ」

と魔王がそう言った後に、その場の全員が固まってしまい。

そんな中。一番最初に我に返った、アリシアが、ミルキーを守るように立ちはばかる

「や、やっぱり、そうなんじゃないかと思ったけど。ダメ。ミルキ―だけは、絶対に渡しません」と アリシアがそう口にすると

「な、なにを。こいつ」

魔王がミルキーの方に目を向けると、ミルキーは顔を引きつらせており。そしてアリシアに対して、「ど、どういう意味なの」と小声で呟くと。

「どういう意味も、お前が気にする必要などないだろう」と アリシアは、「いいから。離れて」と言うと 魔王も引き下がらず。魔王が「お前ごとき。すぐにでも消せるが」と言うも それでも、なお、引かずに、アリシアはミルキーに手を出そうとしている魔王の腕を掴んだのだった

「あなたに。そんな事は出来ませんよ。魔王。だって、今。あなたの力が使えなくなっているんですから」とアリシアが自信ありげに言うと。

魔王は、不思議に思い。少しの間だけ考え込んでいたが。すぐに

「なるほど。俺の力を知っているのか」と冷静な判断を下す しかしアリシアはそんな魔王に臆する事無く アリシアは「魔王。私は貴方に恨みも何も持っていないけれど。ただ一つだけ、これだけは言わせて」と言うと 魔王はアリシアを見て

「ほほう。この我に対して物申すと言うか。ふふふ。これは良い。さあ、話してくれないか?その続きをな」と言うと。アリシアは「魔王は知らないと思うから教えてあげます。私の能力は【勇者召喚】です」

魔王は自分の部下である、魔王四天王の二人が勇者の能力を使い。自分達を殺しに来ようとしていた事を知らなかった。その為、その情報を聞いた魔王の顔から笑顔が消え去り。

「ほお。勇者が召喚されたとな。それがどうした」と余裕を取り戻した魔王は言う アリシアはそんな態度をとっている、魔王に対して、「いえ。貴方達は、その勇者に負けてしまうと思いますよ」とはっきりと言う 魔王はそんなアリシアの挑発に苛立ちを覚えたのであろう「この我に勝てるだと?」とアリシアに向かって怒号を放ち始めると。魔王の威圧を受けて。ミルキーは腰を抜かすも アリ

「はい。そうです。魔王さん」と言うと 魔王の配下達が「なんだこの女。舐めた口をきくな」「調子に乗るんじゃない」とアリシアに向けて怒りを向け始めていたが 魔王は、「ふふ。まぁいい。なら試させてやろうじゃないか。俺に勝つと言うことが。果たしてできるかどうかをな」と余裕な笑みを浮かべている だが、しかし。魔王は、内心で焦りを感じていた。

魔王城にて

「この力は一体」と自分の身体から感じる、圧倒的な力を。まるで、何かを封印されていたような感覚を覚えながらも。魔王は、自分の

「この程度の力では。俺には、通用しないぞ!」と言うものの。しかし、目の前の少女には全く歯が立ちそうになく思えてきていて。それこそ本当に自分が殺されかねない程に危険な存在であると。魔王の本能が危険信号を出していた。

そこで、魔王は 自分の配下の魔族達に、アリシアを殺すよう指示を出すが アリシアは、その攻撃を避けながら。魔王の側近である、黒装束の者達を倒していた その動きを見ていた他の黒装束の者が

「おい。あれをどうにかできないのか」と言うと。それにたいして

「あんな奴に構うな!それよりも早く」と。

もう一人の黒装束の男も、仲間に加勢

「ふふ。私の大切な人に、これ以上。触れさせないから」とアリスは言ってはいたが

「あの子達、かなり強い。私の援護を頼むわ」とミルキーがアリスの耳元で言うと

「ええ。もちろん」とアリスは返事をする。ミルキーが魔法を唱える準備をしている間に。

魔王は「くそが」と吐き捨てると、魔王が手にしていた剣を、地面に向けて突き刺し、周囲に魔力を放つ すると周囲は光に包まれていく。その光景を、目にするアリシアだったが その光景に気を奪われてしまっていたせいで、背後に回り込んだ敵に気づいていないと気付いたミルキーは ミルキー「危ない。アリシア!!後ろ!!」と叫ぶも 魔王はニヤリと笑い 魔王「かかったな。お前らの動きを封じたぜぇーーー!!!」

魔王の策略により ミルキー以外の、周囲の者は全員拘束される結果となる。そんな中。アリシアがミルキーの目の前に現れる 魔王がミルキーを捕まえようとして近づくが。

魔王の手はミルキーに触れる前に弾き飛ばされていた

「貴様は誰だ?」

「私?私の名は、アリシア」と答えると。

「アリシアだと。ふふ。貴様は勇者の知り合いのようだな」と魔王はアリシアを見るなり笑みを浮かべる そして魔王は、「俺をコケにした罪は償ってもらうぞ。死ねぇーー!!」と言ってはいるのだが。何故か、手からは何も出てはおらず。

魔王は不思議そうな顔をして

「貴様。何のつもりで俺の攻撃を防いでいる?」と尋ねるが。

ミルキーはすぐに、魔王の攻撃を防ぐ為。アリシアの盾となり。その攻撃を受けた ミルキーが倒れる姿を目にし。魔王は「はっ!?」と驚きの声を上げると。その瞬間。今までの魔王からは考えられない行動に出た

「こいつらは関係ないはずだ。やめろー!!」と言うと同時に魔王が放つ光の玉が消え去っていたのだった ミルキーは倒れこんだ状態でありながらも「大丈夫?」と言いながら立ち上がろうとするが。

「ぐっ。ダメかも」とミルキーが弱気になっていた それを見兼ねていたのかアリシアがミルキーに手を差し出すとその手が淡く輝きだし、回復させていったのであった それを目の当たりにしていた魔王は自分の手を眺めながら困惑していて、「なっ」と言い放ち。そんな様子を伺いながらも、「まだ戦うつもりなんですか?」と魔王に言い

「お前はいったい。なんなんだよ」と 魔王は戸惑った顔を見せながらも、「お前は、いったい」と言うが

「私はただ、守りたかった。だから戦った。貴方のように」と呟き そしてミルキーの傷が癒えると ミルキーが立ち上がり

「アリシア。あんたが戦ってくれるのなら」と言うが

「ええ。勿論よ。私があなたを守ります」とアリシアは口にすると

「もういいだろう」と声を出してくるが それは、勇者であり、この世界を救ってくれる者でもある男の姿 勇者がそこには居たのだった 勇者は「二人共無事か?」と言うが 勇者の前に立つアリシアも魔王も互いに目を合わせるも言葉を発さずに勇者に意識を向けるばかりだが、そんな様子を見て、勇者も困っているのか頭を掻いているだけだった。するとアリシアが勇者に対して話しかけてきて「勇者様でよろしいですか?」と言うと

「ん?ああ」と言い それに対して魔王も続けて

「お前も勇者か」と言い放った

「ああ。そうだ。勇者だが」と勇者は魔王に対して答えを返すが、そのやり取りを見て、アリシアが魔王に、「勇者様に対してお前とか言うな」と怒鳴っていた すると魔王も

「ふん。うるさいな。俺だって好きで勇者に向かって話しているわけではない。俺はこいつが嫌いなんだ」と言い出したのを見て アリシアも魔王に対して「貴方が私の好きな人を傷つけようとするなら。私はあなたに敵対する事になる」と言うが 魔王はアリシアを見て、「お前は、俺の味方じゃないのか?」と口にしていたが

「私の大切な人は。あなたのことを嫌っていましたよ」

魔王はそれを聞いて「はぁ?」と首を傾げていたが そんな

「俺を嫌うだと?」と言う魔王に対して。ミルキーはその通りだと言ってしまいそうになるところをなんとか堪えていたのであったが、そこでまたもやアリシアはとんでもない事を口走ってしまう

「私はこの人が好きだもの。そんな事を言ったら当然でしょうけど」と言ってしまったために魔王はさらに苛立ちを増させる一方だった――そんな状況で アリシア達がいる部屋に一人の男が入ってくる 男は「ここにおられたか。さあ行きましょう」と告げるものの。魔王はその人物を見ると急に取り乱し始めた。その姿をみた勇者や勇者の部下達は驚いたような顔をする中 その人物は「ふふふ。そうですね。こんな場所に長居する必要などないですよね」と言っていたのだがその

「待て。今すぐここから立ち去れ」と魔王が必死な形相をしながらその男を止めようとしたが その人物が指を鳴らして合図をすると魔王の周りに黒い穴が現れる

「な、なんだこれは。」魔王がその言葉を口にした途端にその黒い穴の中に吸い込まれていき。勇者は魔王に助けを求めるが。魔王の叫びが響き渡る

「アリシアァー。俺を置いていくなよ。アリシアー」と言うも虚しく。その空間に飲み込まれるようにして姿を消したのである

「ふふ。残念でしたね。アリシアさんは私が頂きましたよ」と言い。アリシアを連れていこうとするが。しかし、そこにアリシアが立ち塞がり

「この方は私の大事な方です。この方に手を出さないと約束してください」と言うと。

「ええ。いいですとも」

「ふふ。じゃあいきますよ」

「ちょ、ちょっとまて。そいつに何も手を出すな。そいつは」と何かを言いたそうにしている勇者にアリシアが近づいてくると「安心しなさい」と言ってきて、アリシアは微笑んでいた

「おい。アリシア!本当にお前なのか?」と心配する魔王にたいしてアリシアは「ええ。そうだけど。何を言ってるの?」

魔王の配下たちは「あいつが本当にアリシアちゃんの友達のアリシアちゃんなんだ」という会話をしていたのである。そんな中。その黒装束の者たちの目の前にも魔王が現れたが、すぐに、先ほどまでのアリシアと同じ、その圧倒的な強さを見せつけると。黒装束の者は怯えだしていた。それを見たミルキーは、「こいつも、かなりの力を持っているみたいだな」と言っていると ミル

「アリシア。君は本当に」と魔王が言っているとアリシアは魔王の手を握りしめながら「もう大丈夫だよ。勇者様は私達が守るから」と言い。勇者の方を見る 魔王は勇者を見ながら、「おい、貴様。絶対に、あのアリシアを取り戻すんだぞ。アリシアは必ず、俺のところに戻ってくる。必ず」と言う

「わかっている。任せて置け。それより貴様のことはなんて呼べば良い?」と勇者が尋ねると 魔王は少しだけ考え込んで

「俺は魔王だ。お前らの知っている、魔王ではないかもしれないが。俺は、この世界に転生された、本当の意味での魔王であり、魔王軍の頭として君臨をしている存在」と魔王が名乗ると。勇者はそれを聞き、「魔王で魔王か。なる程」と答えると。勇者が、魔王に「これから、俺たちはどうする?」と言うと。魔王は、自分が考えていた計画を、魔王に説明を始めたのであった アリシアとミルキーは二人で部屋の中で話をしていたのだが

「ミルキーって名前可愛いよね。ミルキーミルキーって」とアリシアはミルキーの名前を連呼するとミルキーもまんざらでもなさそうな顔をしながら、「なんだよ。別に普通だろ」と言い出すが。ミルキーの耳が赤い事に気付いたアリシアはミルキーを抱き締めるように近づき「ふふ。照れてたの?」

「なっ。何すんだよ。アリシア!」と言いながら アリシアから離れようとしてみるが、アリシアは逃さないように抱き着いてみせたのだが、ミルキーの身体が震えてることに気づくと。アリシアは、「ミルキー?」と聞く

「怖いなら。私が一緒にいるよ?」と言うと。

「う、うんん。平気だ。俺、お前と一緒に戦うよ。だから、ずっと、そばにいるぞ」と言って、ミルキーをぎゅっと、力強く抱きしめ返した

「嬉しいよぉ~~!!」と言うとアリシアも涙を流していた そんな時だった――――城の扉が壊されるとそこから勇者が現れて「いたぞ」と言ってきた勇者に対して。アリシヤとミルキーも「来やがったか」と思いながらも剣を手に取り構えて見せると勇者が「二人共戦うのをやめてくれないか」と言い出して来るも。ミルキーが「冗談抜かすな」と言い返す アリシヤは黙ったまま勇者を見つめていた ミルキーが勇者に向かって攻撃を仕掛け

「ふざけるんじゃねぇ。こっちには魔王の配下の奴らもいる。このまま、魔王を放っておいたら大変なことになるかもしれねえって言うのに。それを知ってて見逃せるわけないだろう」

勇者に向かって斬りかかっていった だが勇者は冷静にそれを避けると同時に、「お前ら二人が戦う理由もないはずだ。それにアリシアを取り返したくないのか?」と問いかけて来て

「そんなのは簡単さ。私はアリシアの親友だから。親友を助けるのは当然の事」と言う

「そんなの、俺は関係ねー。俺だってアリシアと仲が良い」と口にする。

そして二人はお互いに顔を合わせて アリシアとミルキイは笑っていた そして、二人の戦闘が始まり。激しい攻防が繰り広げられていたのだが、その様子を見ながらもアリシアはミルキーを応援していた すると、魔王が、「俺だって。こんな事をしに来た訳じゃないんだけど。邪魔をすると言うのなら容赦しない」と言う すると、ミルキーは

「お前、まだ、あんな事を言ってるなら。俺は許せねぇ」

ミルキーが攻撃をすると魔王がそれを軽く避けていくも。

魔王はその一撃で理解したのだ。この世界では自分が強い方

「なるほどな。ここは、お前らが守ってきた場所か。だったら、なおさら。アリシアを取り戻しにいかなければならないようだ」と言い 勇者の方をみると、アリシアも同じように勇者を見て「あなたに任せておけば。私は大丈夫だから。早く、アリシアを救いに行ってあげて」と言い ミルキーの肩を叩き。アリシアは微笑むも 魔王はそのアリシアに対して「なぁ、俺とアリシアはお前にとってどんな関係だったのか、教えて欲しいんだ」と言うと。アリシアは「貴方と私は恋人同士で。結婚までしていたの。だけど。私が死んだ後、貴方は一人になったけど、貴方は強く生きて行けたわ」

「俺が、一人で?お前が生きていたから、お前がいなかったら俺は駄目になるところだった。俺はアリシアが死んでからも。お前がいないだけで、生きる価値すらも感じなかったんだ」

「それでも貴方の心の中に私がいたという事は忘れていないはずよ」

「それは、そうだが」

アリシアが魔王の言葉を聞いて。涙を堪えきれずに「お願い、もう、行かないと、時間がなくなるの。アリシアを助けて、お願いします」と言い出した為。魔王はすぐに

「分かった。アリシアを必ず取り戻して見せよう」と決意した そこで魔王はその場を離れようとするとアリシアが、「ありがとう。それと魔王、私はあなたが大好きでした」と告げてくる その言葉を聞いて魔王が振り返り。魔王は思わず。その場で立ち尽くしてしまう。その光景を目にして、リリアスは唖然としながら、「え?」と言い。魔王の顔を見て「ええ?」と声を荒げるも。魔王は自分の顔を手で隠すように触り、その場に立ち止まってしまった 魔王「そ、そんな馬鹿な事があるか。どうしてなんだ」と泣き崩れてしまったのである アリシアは魔王の姿が見えなくなったのを確認すると「アリシアはね、貴方の事を愛しているんだよ。私の分も、幸せになって」と言うとミルキーも「あぁ、そうだ。お前の分まで俺達は生き続けてやる。アリシア、安心しろよ」と言う ミルキーも「アリシアの願いだもんな。俺達で魔王を倒す。あいつを倒して俺達が救ってやるよ」

そう言い切るとアリシアとミルキーがお互いの額を当て合って笑い合っていた。しかし、アリシアが苦しそうな表情をしだし

「アリシア?」とアリシアはアリシアの体から光が漏れ出していく

「ごめんね。アリシアはそろそろ限界みたい。ミルキー。アリシアの身体を守ってくれる?」

「わかった」とミル

「魔王は絶対に死なせないで、もし、死んだりした時は魔王は封印する事にしたい」

「そんな事が出来るのか?」

「できる」と答えると。アリシアは、魔王の所へ飛んで行くのだった。残された者達は呆然となる中、アリシアは、先ほどの戦いの場に戻っていた そこには倒れている勇者とその仲間達の姿が見えた

「あれ?ミルキーだけじゃなくて。皆いるじゃん」と言うものの、「ちょっと待て、まさか、こいつらに殺されたとか言わないよな」と言うがアリシアは無言を貫くことにした そして、そのアリシアが魔王に近づくなり、魔王は驚きながらも、「アリシア!?」と言う アリシアは、無言を貫き。魔王の手を握る

「どうなってる?何故だ」と言いながらも、「なにがだ」と聞き返すと。

『私の名前は、リリアスです』と言いながら、姿を現した その瞬間にアリシアが、『私の恋人が目の前にいるんです』と告げると魔王は驚いていたがすぐに我に戻り魔王の側近達に指示を出すのであった 俺はアリシアの頼みを聞くと、すぐに勇者の元に向かい攻撃を開始していたのである ただ俺の攻撃をかわしながら勇者が言うには、こいつは本物の勇者ではないという事だったが俺にはよく分からなかったが 勇者を名乗る男が勇者と名乗るなら本物ではないのかと思いつつ

「なら倒しても問題ないだろう」と言った そして、勇者と名乗る男は言うのだが「君は僕を知っている筈だよ。君と僕の仲は深いはずだ」と言われてしまうが 俺は、勇者の名前など知らないので「知らん」と言うと 勇者を名乗る男の瞳が赤くなったかと思うと。

勇者と名乗る男の目つきが鋭くなっていき、俺を殺そうとするような目つきになりだしたのである そして勇者は、剣を手にすると俺に対して剣を振りかざしてきて それを回避すると同時に勇者の背後に回り込み、首を掴み締め上げるも、抵抗してきたので勇者が「うぉぉぉぉぉ」と言いながら剣で俺の脇腹を刺してくると、そのまま押し返されて距離を取り 傷口を確認をして、どうなっているのかを調べようとしたが、どうにもおかしい事がわかってきてしまった

「これは一体どういう事だ?」と呟く 確かに、血が出ているのに痛みを感じないし。

そして傷口を確認してみると傷がなかった そんな俺の様子を見て「やはり。この程度のダメージではダメだったようだな。貴様をここで葬らせてもらう。アリシアをこれ以上悲しませてはいかないのでね」と言ってきた

「そんなことさせるか」と言ってから勇者に向かっていくのだが 俺は、相手の力を利用して投げる技術を駆使して相手に反撃をさせないように立ち回ろうとしたのだが。相手もそれを察したらしくて、「小賢しい奴め」と言ってきたと思ったら。相手が剣を手にするのだが、その手の動きに合わせて剣を持つ手を蹴飛ばし

「武器がなければ戦えないだろう。さっさと降参すれば見逃してやらないでもないが」と言うも勇者を名乗る男は、剣で自分の足を切り落として

「なめるなよ、人間風情が」

剣を地面に刺し立ち上がると「僕は負けるわけにはいかない」

そして俺に向かって剣を振り下そうとするも俺は、勇者に向かって飛び込むと勇者の腕を蹴り上げ、剣を落とし

「これでもう動けまい」と口にすると、俺の首を狙ってくるのを感じたのとほぼ同時に俺は後ろに回避をするのと、それと同時に勇者の顔に何かを投げつけるのだった

「何を投げたんだ」と言い出す勇者だが、その言葉を無視して「動くな」と言い出した その言葉で勇者

「くくく、こんなもの効くものか」と笑ってみせるのだったが 俺は「どうだかな。その前に一つ質問に答えてもらおうか」と問いかけた

「なんだ?」と聞いてくる勇者に「俺に勝ったと思っているのか?」と言うと「ああ。そうだ」と答えた

「そんなに、アリシアを救いたいのか?」と聞くと。「当たり前の事を聞くな」と答えられる そんな会話を続けていると 俺は手に持っているものを握りつぶしたのを見て「それがなんだっていうんだ」と言う

「お前が知る必要のないものだ。もう喋る必要はないぞ。アリシアの気持ちを踏みにじるような真似をするなら、お前の命はない」と

「なっ」と驚いた表情を浮べると、俺は勇者の顎に掌底を食らわせると。吹き飛ぶ そして、「まだ終わりじゃないからな」と言って、追い討ちをかける為に追撃をしようと動き出したその時、「やめて!!」とアリシアの声が聞こえて振り向くと同時に、「魔王!」と呼ばれ 俺は、アリシアの言葉に従うかのように、アリシアがいる方へ駆け出したのだ すると俺の横を誰かが通り過ぎるのだった

「ミルキーか」と名前を呼ぶと「魔王、大丈夫か」と聞かれた

「問題ないが」と言いかけた直後。

勇者の拳を受けてしまい。

「ぐぁぁぁぁぁ!!!!あっ、アリシア。お前なのか」と言い放つと。アリシアから「違う。私はアリシアだけど。アリシアじゃなくなった」と返答が戻ってくる 俺は何が起きているのか理解できずにいると、魔王はミルキーが抱き抱えてきたのだった

「ミルキー。俺が、お前を抱けなくなったら困るか」と笑いかけるとミルキーが

「あ、あたりまえじゃないか」と言うと 俺は魔王からアリシアを受け取る アリシアの体に触れるも、「なんだ、お前ら俺を騙していたのか」と言うと 魔王が

「それはちが」と反論しようとしたのだが アリシアから

「あなたが望んだからよ」とアリシアから言われるが、アリシアはアリシアで俺を騙して 勇者を殺せと命じたのは魔王の方だったはずなのだ

「魔王!お前の仕業なのか」と魔王を指差すのだが。アリシアに魔王は、「魔王が魔王と名乗ってるなんて思わないよね」と言われてしまうと

「そんな馬鹿なことがあるかよ!!」と言い返すしかなかったのだ そうこうしている間に勇者が復活し始めてくるのが見えたので、「まずはあいつを殺すしかないな。ミルキー頼めるか?」と言うとミルキーも同意したので俺はその場から離れて行く

「行かせん。お前の相手は僕だろ?」と言うので。「そうだな。じゃあ決着をつけようぜ!」と言うのである それから数分後にミルキーと合流し、「こいつを倒すの手伝ってくれ、アリシアのためでもあるからな」「そうだね。こいつだけは許さない」と言い出し二人で攻撃を始めたのである、その様子に気付いた勇者が慌てて逃げ出そうとするけど逃しません。逃げる方向先を読み攻撃を仕掛けた、

「な、なんで、こんな事ばかり起こるんだよ」と文句を言いながら俺達の攻撃を回避する勇者 そして、俺は、「いい加減認めろよ。アリシアが苦しんでいる原因を作っている事を」と言う ミルキーは、「そうよ。あんたが死ねばアリシアが元に戻るかもしれないでしょ」と言うも

「アリシアを戻すだと?笑わせてくれるな。アリシアがあんなになったのは。俺の責任もあるはずだ。そんな事でアリシアを元に戻せると言うのか?それとも、この僕を倒して。お前達はあの時の力を取り戻すとでも言うつもりなのか?」

俺が、アリシアを抱き抱えると。ミルキーが俺の手を掴み

「ねぇ、私に考えがあるんだけど聞いてくれる」と言うので

「言ってみてくれよ」と言うと ミルキーが「私がこいつと戦っている間に逃げられないかな」と言い出したので。「やって見ないとわからないだろ?」と伝えると「やってみればわかるよ」と笑顔で言うミルキー そのやり取りをしているうちに勇者の攻撃が始まってしまう。

その攻撃をなんとかかわした しかし勇者が

「どうだ?諦めたか?貴様らが何を企もうが無駄だ。今度こそ、貴様らを皆殺しにしてやる」

「アリシアに魔王と呼ばれたくなければ。さっさと消えなさい。勇者を名乗る男よ」と言うと 勇者が黙るので、俺は

「俺が勇者に負けたらお前はどうするつもりなんだ?俺達が負けるのがわかっているのなら。最初から仕掛けるべきじゃないのか?」と言う そして俺は続けて

「それと、一つ聞きたい。何故俺をそこまで邪魔をするんだ?」と疑問を投げかけると。

勇者と名乗る男は「ふん。理由などない。ただの気まぐれにすぎない」

「ふざけるな。そんな理由で殺されかけてたまるものか」

「まぁ良いだろう。今回はこの辺で引かせてもらう」

そして勇者と名乗る男は、姿を消すのだった 俺はその事に安心し 俺は勇者がいなくなったのを確認すると、急いでアリシアを連れてこの場から離れるようにした 魔王城に辿り着くも、魔王と魔王側近のリリアス、エルミア、ミルキーの4人で会議を行う事になったのだった 魔王が「それで、どうして、浩平がここに居るのかな?」と言いながら睨んできて

「その。魔王が心配だったから、戻ってきた」と正直に答えたら 魔王「えっと。嬉しいような嬉しくないよう。うぅ」と言い出す

「それよりもさっき、変なことを聞いたんだが。アリシアがどうとか、言っていたんだが。どういう事だ?」と質問すると 魔王「あ、いや。それね。ちょっと、この子が」と自分の娘を差し出してくると。アリシアと同じような容姿をしていたのだ

「どういう事だ?」と再度質問するのだが

「だからね。私のこの子は、魔王とこの世界の魔王の娘って事になるんだよね」と言う

「どういう意味なんだ?」

魔王は、「うん。つまりね。この子のお父さんは、私と同じで勇者に呪いをかけられてたのよ。その時にこの世界に連れて来られたみたいなの。この世界でその呪いを解除する事が出来そうな人物を探していたの。そしたらアリシアが見つかって。この子なら、きっと、魔王を封印出来ると思うからお願いして連れてきたんだよね」と言い 俺が、「待てよ。魔王を封じるとかそんな事はさせたくないんだが」と言うと 魔王が

「アリシアに危害は与えないように約束するから。それに魔王を倒さないかぎり。またいつか勇者が現れてアリシアをどうにかしてしまうかもだし」と言うと

「わかった。だが、俺は納得してないし。俺とお前のアリシアを交換しようなんて考えてもないぞ。あくまでも、魔王に会わせる為だけに来てやったんだ」と言い切る 魔王が、「そうね。それはわかっているけど。浩平には少し協力して貰いたくて、今回の話を持ち掛けたの」

俺は、アリシアの顔を見ると

「お父さまが困った時に助けて欲しいの」と言われると、断る訳にはいかないのであった。その日は、一旦引き取り明日になった 次の日の朝になると、俺は、城の前で待ち合わせをしたのだったが、何故かミルキーまでついて来たのだ。俺達二人は城の入口の前に立つと「なぁ。魔王に会いに来たのに、魔王は居なくないか?それに側近も誰もいないじゃないかよ。本当にここが魔王城なのかよ?お前騙されてるんじゃないのか?」と疑っていたが 俺は、「ん~、多分な」と答え 暫くの間、辺りを見渡していると、「あれかな」とアリシアが何かを見つけたようだ、「何を見つけんだ?もしかて魔王でも見つけたのか?」と言うと「ちがいますよ」と言って近づいていく先に何が有るかと言うと見慣れない格好をした人間が一人立っていたのだ 魔王はその人物に近づくなり、「おはようございます」「やあやあ、待っていたんですよ」と言い

「ところでこの人間は誰ですか?」

アリシアが「彼は。この前話しませんでしたっけ?」と言い

「そうだっけか?」と言い返していると 魔王が突然

「あー!思い出した!確か。ミルキーさんが勇者様に頼まれた人じゃありませんか!」と手を叩きだすと

「勇者様?ミルキーの知り合いなのか?」

俺は首を傾げながら、聞くも ミルキーが ミルキー「あぁぁ!!忘れた!勇者だよ。あいつの名前は、確か勇人だったわ。私と浩平の仲を割こうとしてた。魔王を討伐した勇者だよ。なんでこんな所に居るの?」

俺は「勇者って、お前の事を助けてくれた奴だろ?お前とは関係ないじゃないかよ」と言うと ミルキーは、「だってあの勇者様は。この国を滅ぼすつもりらしいよ。だから私も戦うのを協力していたのよ」と言う

「なるほど。それは、魔王を倒すためだけに。お前は利用されたと言うわけなのか?」と確認するが。ミルキーは「まぁそんなところ」と答えるので 俺は「とりあえず。お前はアリシアと一緒に、部屋に戻っていてくれ」と言うと

「大丈夫ですよね?」

アリシアが不安がるのを見て、「当たり前だろう。魔王と俺に任せていけばいい」と言うと。アリシアは「は、はい。それでは任せますね」と言い残すも。俺にアリシアを任せたのは失敗なのかもしれなかった なぜなら、俺は

「ミルキーと決着をつけてやるぜ。アリシアに勇者の相手をしてもらう為にもな」

ミルキーが「へぇ。良いよ」と言うと。お互いの武器がぶつかろうとも。その瞬間、ミルキーは、転移で避け 俺の視界からは消えるが。気配でわかるので。剣を構え

「ミルキー覚悟しろ」と言うと

「あーもう。仕方ないわね。とりあえず今は引いてあげるよ」と言って消えた それからは魔王に会うために城内に入ると魔王が目の前に現れたのだ

「やあやあ、久しぶりだね」と挨拶してきた魔王に対して「お前のせいで大変迷惑を被ってるんだよ」と言うも魔王が苦笑いを浮かべていたのだ。そんな表情を見ながら

「なんで俺達が戦わないとダメなんだよ」と言うと

「それに関しては悪いと思っているんだけどね。あの子を救う方法が無いんだよね」と言うと

「どういう事なんだ?」と聞くと

「う~ん?簡単に言えばさぁ。あの子を殺せば、全てが解決するんだよ」と軽く言うので

「ふざけてんのか」と言うも

「まぁ、ふざけては無いんだけどさ。魔王が復活すれば呪いの効果が解けて元に戻るかもしれないんだよね」と言うので 俺は、頭を悩ませるが。魔王を殺すという事は考えていなかった。なので「仮に、俺が勇者と戦うにしてもだ。お前が手を貸すと言う事はないだろうな?」と質問すると

「さすがの僕でも、この世界を敵に回す気はないからさ。浩平に力を与える事ならできるよ」と言うので 俺はその言葉を信じる事にして「わかったよ。力を授けるなら、今くれ」と言うと

「え?良いの?」と聞き返してきて。そして「ならさ。浩平が魔王の呪いを解いてほしいんだ」と言われ

「それは俺の力じゃ無理だ。だから俺はお前に頼みに来たんだ。お前なら出来るはずだし。それに、この世界を滅ぼしたくないなら。俺を勇者に負けさせてみせろ。それで話はつくだろ」と提案すると

「ふぅぅぅぅぅぅぅぅ」魔王は深い深呼吸をし

「よし。決めた。まず。この世界の全ての魔族の力を結集する。そしてこの世界の全てを消滅させるんだ。その後で。アリシアを魔王に戻そうと思う。それで良いかな?」と言い出す 俺が、「ちょっと待て。この世界に生きている生物を全滅させた後に、お前が魔王になるなんて。無責任過ぎじゃないか」と文句を言うと 魔王が、「この世界に生き物は不要だと思うんだよね。この世界で生きても意味がないし」と言い出すのだった 俺は、「どういう意味だ?まさか。この世界の人間も殺すつもりか?」と言うと

「そうだよ。この世界で生きている者は邪魔でしかないからね」と言うと

「お前ふざけているのか?」と言い放つと 魔王は「うん。別に浩平と勇者との戦いを邪魔されるより。こっちの方が効率的だしね」と笑っていたのだった 俺が魔王の言葉を聞き「それだと。アリシアとお前との約束が守れないだろ」と言い返すと

「そうだね。浩平が勝てば、この世界を救えた事になるけど。でも。勇者に負ければ、アリシアちゃんも死んでしまうかもだしね」

その言葉で、魔王の気持ちを理解してしまったのである。魔王はこの世界を滅ぼそうと考えているのだから当然だ 俺は、そんな事を許すわけには行かないと思いながらも。この世界の人間も守る必要があると思っていたのだ。しかし、それだと。俺が死ぬだけで終わってしまうし。それに勇者と戦わずして勝つ事も出来るのだと思ったら

「わかった。だがな、アリシアと勇者の戦いだけは認めろよ」と言うのであった 魔王は少し困ったような顔をして

「まぁ。それは認めるよ。この世界で生きている存在を全部消して、アリシアが無事ならばの話だけど」と言うので

「俺が死んだ場合はどうなる?」

魔王が「それは、浩平が勇者に殺されてしまうからね。君が生きていても変わらないけど。ただ、浩平が勇者に殺される場合のみ。アリシアの命を助ける事が出来るんだよ」と言うのを聞いて。俺は「ああ。そうかよ。なら絶対に俺は殺されるわけにはいかないな」と決意を固めた その日はそのまま話し合いを終えたのだったが。次の日にまた魔王が現れた。今度はアリシアではなくミルキーの方で

「あぁぁぁ!勇者様ぁ!」と言いながら、俺達の前に現れたのだ 魔王は勇者の姿を見つけると俺の事など忘れたように、「おぉ!勇者!生きていたんですねぇ」と言うも勇者は 勇者が剣を抜き、「貴様!何のつもりなんだ?」と言うと魔王は、「あぁ。すいませんね。実はこの勇者が。アリシア様の呪いを解く鍵なんですよ」

魔王はアリシアを連れてくると、アリシアは涙を溜めて、「勇者様。私は貴方を騙してまで助けて貰おうとは思っていませんでした」と泣き出してしまったのだ そんな姿を見ていた魔王が「あぁぁ。やっぱり、アリシア様じゃ無理ですよ。アリシア様を殺して魔王を復活させましょう」とアリシアを説得しようとするも勇者が止めるも

「いいえ。私は勇者様にも迷惑をかけてまで生きたくありません」と言うなり アリシアは勇者の胸に抱きついていた 勇者は戸惑いながら、俺に「どうして?」と言うも。俺は「いや、俺に言われても」としか言えなかったのである 魔王の側近は勇者の耳を引っ張り「おい。この馬鹿。この前と違う展開じゃないか。なんでだ?」と言うと魔王は「だってぇ。アリシアちゃんが可愛かったんだよ」と答えていた 魔王側近が「あはははは。確かにあれは、俺もヤバいな。思わず見惚れちまったぜ」と口にしていると勇者が「あぁぁ!魔王め!余計な事を」と言うと 魔王は俺に向かって、「それじゃあ、僕はこれで。勇者に倒されて死んじゃえよ」と言うと魔王は姿を消した 勇者はため息をつき、「魔王に操られて。可哀想だが。俺が必ず、元に戻してやるから安心してくれ」と言ってくれた 俺としても魔王に操られていただけならば、アリシアは助かるのならば良いんじゃないかとも思ってしまうのだが そんな甘い話では無かったのだ 魔王城での生活が始まって一週間が経つと 魔王から、「さぁてと。それでは始めようじゃないか」と言うなり。魔族たちが現れて一斉に魔法を発動させると

「なんだ?この感じは」俺達は違和感を感じたのだ ただ、その時には既に遅く。勇者以外が全て眠りに落ちていったのだ

「おい。魔王!一体何をした!?」

魔王は「いや、別に何も?」と言うも、俺も魔王に騙されないように警戒しながらも 俺だけが意識を保ち続けていると、魔王がアリシア

「アリシアよ。お前は魔王となる資格を得た。よってお前に魔王の座を譲り渡す事にしよう」

魔王は、そう言い終えると俺を見てきたので

「なっ」と言いかけた時だった 勇者「ま、待ってくれ。俺は、俺はまだ戦えるんだぞ」と立ち上がろうとするが、全く動けず 魔王は「あはははは。これは呪いの効果です。この世界の者全員にかけたので」

と答えると 魔王「あー。勇者。君がこの世界の全てを滅ぼす為に動き始めるからだよ。浩平は勇者と戦う為に動いてるんだけどね」と口を開くのと同時に、勇者の表情が一気に暗く

「そ、そうだったのか。すまない。浩平よ。本当にすまん」と言って勇者は頭を下げていたのだ そして、魔王の表情も険しく

「魔王として、お前に命令する。お前はこの世界の全ての者達を殺し、世界が救われる為に行動しろ」と告げられる 俺は、それを承諾する事もなく、拒否すると魔王に殴りかかったのだ

「悪いな。魔王」と言い放った後に、拳をぶつける 魔王の頬を殴ったはずなのに。なぜか俺の身体が動かなくなった。俺は自分の状況が理解できずにいると 魔王「いや。さすがに魔王といえどさぁ。殴られっぱなしなのはムカつくな」と言うなり、俺は思いっきり蹴飛ばされた 蹴りの衝撃によって地面に転がるもすぐに体勢を整え、俺は立ち上がり 魔王がこちらに手をかざしてくる前に、俺の全力パンチを放つが 簡単に受け止められてしまい 俺は「なんで?どうして?俺の動きがわかるんだ?」と言うと 魔王「僕が君に与えた能力があるだろ?それに僕の加護の力もあるしね」と言い、そして 俺の攻撃を簡単にあしらい、俺は吹き飛ぶと 魔王「ほい。終わり」と言われ、俺は壁に叩きつけられると 壁を突き抜け、外に転がり落ちた 俺はなんとか起き上がり「ちくしょう」と言い放ちながら、その場から離れる そして、俺は「どうすりゃ良いんだ?あいつを」と考える

「とりあえず今は様子見しかないだろ」

そう判断した。勇者に「大丈夫か?」と言われ 勇者「いや、問題ない。すまない」と答えると 勇者は「いや。魔王は、俺に任せてくれ。必ず倒すから。そして魔王を倒してくれた暁には俺の剣をお前にくれてやるよ」と笑っていたので、

「なら、任せるわ」と言い、アリシアとアリシャの方を見ると、二人が何か話していた

「二人とも、もう戦うしかないの?」と聞くも アリシア「はい。覚悟を決めるしかないかと」と真剣な顔だった。俺には二人の気持ちを理解する事は出来なかったので

「わかった。なら頼む」としか言えず アリシア「わかりました」と言いながらも、勇者の方に歩き出すも アリシア「勇者様。私も戦います。浩平と一緒に」と言い アリシアの瞳を見て、勇者はうなずくと「なら行くぞ」と走り出した

「アリシア。勇者の邪魔になるような事したら、許さないからね」と言うもアリシアは

「わかってます。絶対に邪魔なんかしません」と答えるも心配だったので 俺はアリシアの後を追い、「絶対に勇者の邪魔にならないようにするんだよ」

と言い残して勇者の方へと走って向かった 勇者の方もアリシアが後ろから付いて来ていることに気付き、一瞬、

「アリシアさんは危ないので下がってください」と言ったが

「勇者様。私は戦えるようになりたいんです。どうか戦いの場に連れて行って下さい」とアリシアがお願いをする その姿を見ていた魔王は、「おぉ!やっぱり勇者が勝った時の保険としては良い子ですね。あははははは」

と笑っているだけだった 魔王が高笑いを上げているので、アリシアに「どうするつもりなの?」と聞いてみたが

「とにかく。足手まといにはならないから」

と言うも、

「アリシア。勇者が君を守りきれないと判断したら、俺は君を助けられないかもしれないから。それだけは絶対に約束して欲しい」と言うも

「はい。わかりました」と答えたのである 俺達は三人同時に魔王に向かって駆け出し、魔王と戦闘に入るが 俺はアリシアを庇いながらの戦闘で、なかなか魔王に近づくことが出来ずにいた 魔王は、俺達の攻撃を受け流し続けていた 勇者が魔王に向けて攻撃を放ち、俺も同時に攻撃を繰り出そうとするも 魔王は、「無駄だ」と言うも勇者の攻撃を受けた後で 勇者の攻撃が効いてないとばかりに手を前にかざすと――

魔王「ははは。魔王の本当の力を思い知れ」と言い放つと、勇者が「しまった」と声を出すも遅かったのだ 勇者「こ、こんな力が」と言うも魔王が「お前が今まで戦った敵よりも圧倒的に格が違う」と言う その言葉を証明してみせるかのように魔王が腕を振るだけで勇者が吹っ飛び 俺達にも衝撃波を飛ばすと、「アリシア!アリシア!しっかりしてくれ」と呼びかけるが返事はなく アリシアが倒れたままで、「おい。アリシア」と体を揺するが動かないで

「魔王め。ふざけんな」と俺は怒りを爆発させるも 魔王の余裕は変わらず、俺は、そのまま吹き飛ばされてしまったのだ 俺の身体は、かなりボロボロになっており 俺が起き上がれずに倒れ込んでいるのに、アリシアは「勇者様。私の事なんて構わずに、逃げてください」

と言うと、

「アリシア!何やってんだよ!なんで勇者を守れないんだよ!」と怒りを露にして叫ぶも 魔王「あはは。勇者。この程度の強さで俺を倒すつもりだったのか?」

と言うも勇者は何も答えず、ただ立ち上がろうとしているだけだ。その行動も限界にきており

「ちくしょう」と

「俺の負けだよ」と言い放ち、俺の目からは自然と涙が流れてきた。そんな俺を見た勇者は 勇者「まだ終わってはいない。魔王を倒して、平和を取り戻し、アリシアを元の世界に帰そうじゃないか」と立ち上がると 魔王は、「アリシアを元の世界に戻せないのに?」

魔王の言葉を聞き。俺は、「どういうことだ!?」と魔王に掴みかかろうとしたが 魔王の側近が俺を止めて、「アリシアの事は残念だった。でも仕方がないんだ。アリシアは元々、こちら側の世界の娘だから」

「それって、アリシアが魔族ってことなのか!?」と魔王に問い掛けると 魔王は、無言のまま

「さぁ?僕に聞かれてもねぇ?」と言いながら、ニヤッと笑う魔王だったが――魔王の後ろに人影が現れ、突然の事で反応が遅れてしまい。気が付いた時には既に首根っこを引っ張られ、連れ出されていた 俺の前に立っていた魔王がいなくなると、「大丈夫ですか?浩平」と言ってくれた

「ルリアさんか。助かりましたよ」と頭を下げると アリシアの方を見つめるのだが、 そこには誰も

「いない?どうして」と不思議に思っていると、「アリシアなら、ここにいますよ」と言ってくれたのだ 魔王の側近も「あぁ。確かにいる」と言って

「どこに居るんですか?」と問いかけると

「アリシアは浩平の中に。ずっと」とルリさんは答えたのだ 俺は、その言葉で理解してしまい

「俺は、俺は、アリシアを殺したのか」と言い泣き始めると、魔王は「殺した訳じゃない。浩平。お前ならわかるだろ」

魔王が言い放った直後。俺は、いきなり頭の中で色々な記憶を思い出していく。俺は頭を押さえながら

「魔王の呪いの力。これが発動していたせいなんだろ?俺は」と尋ねると、勇者はうなずく そして、「浩平は俺が倒したと思ってた魔王を倒した。それはお前の能力だった。そうだったのか?」と聞くと 魔王は、「お前。馬鹿か?あの時、俺は生きてるよ。まぁお前に倒される直前。俺の魂の一部を浩平に渡したけどね」と言ってきたため 俺は、

「俺の能力は。相手の中に潜んでしまう能力で、アリシアとアリシアの能力を封印する事でアリシアが消えてしまうのを食い止めようとして、俺の中へと取り込んだ」

俺は、俺の身に起きている出来事を話した 俺の話を聞いて、魔王は、俺の方に歩み寄ってくると、俺の肩に優しく手を置き「すまないな。辛い事をさせてしまって」と言うも、俺は涙を流して 魔王「本当に申し訳ない」と深々と頭を下げられたので、俺は驚きながらも、少し安心感が湧いていた そして、魔王が俺の前からいなくなり 魔王が去った後の俺達はというと、魔王の側近と

「お前、魔王なのに弱いな」と言うと 魔王「うるさいな」

側近「あはは。そうだね。もっと強くなって欲しいな」と

「はい。強くなりますよ」と答えると、二人は俺の事を見て、クスっと笑った。

俺はアリシアがいなくなった事を受け入れる事が出来ずに、俺の感情は壊れかけていて

「俺には無理です。アリシアがいない世界で生きるのは」と 魔王「あはは。その気持ち。俺ならわかる。だからこそ俺が浩平を守るから」と言い アリシアの事は諦めるように言われ、勇者も同意するように「浩平には悪いが、もう終わった事だから。今更どうにかなるもんでもない」と言うも 俺は納得できず、俺は

「アリシア。どこ行ったんだよ」と言いながら泣いていた すると、俺の近くに居たのは、アリシアとアリシアに化けていた魔王の側近の二人だった 魔王の側近「勇者。私達が何とかしてあげましょう」と言うと

「魔王さん」と俺が言うと 魔王「アリシアの件で魔王さんはないでしょう。魔王と呼び捨てなさい。私は魔王軍のトップで貴方とは格が違いますから」と言うも、魔王の側近は、「あはは。気にしてないと思うよ」とフォローしてくれた 俺が、「俺はどうすれば良い?」と言うと 魔王の側近「とりあえず、今は休んでください」と言われたため。素直に従う事にする 俺はアリシアとの思い出を思い浮かべていて――俺はいつの間にか寝ていたようだ 目が覚めるも、何も変わっておらず、部屋の中に魔王の姿もなかったので 部屋の外に出ようとするも鍵は開かず、俺は壁を思いっきり殴りつけるも、壁には傷一つついてなかったのだ 俺は「くそっ!」と悔しそうな表情を浮かべるも――

俺の手の中から光輝く物が出現している事に気付き、「え?これって、勇者の持つ聖剣と同じ力を感じるぞ!?まさか!この聖剣ってアリシアなのか?」と驚くのであった

***

<<side>>ルリア達

「な、なんだよ。あれ?」と目の前で起きたことに動揺しまくっている浩平とアリシア。その二人の前に立ちふさがっていたのは魔王軍幹部であり魔王の部下でもある アリシアに成りすましていて魔王の側近と呼ばれていた男なのだが、見た目があまりにも違いすぎるため アリシアに変装している男が魔王だと気付けずにいた だが、そのアリシアの姿をしている男は、自分の身体を見渡すように見て

「この姿もなかなかいいな。でも浩平に気付いて貰えなかったら嫌だな」と寂しげに呟くと 魔王「あはは。大丈夫だよ。すぐに気づくから」と笑う魔王 魔王の側近「あーあ。早く戻ってきてよ」と苦笑いで返すので

「魔王さん。お願いがあるんだけど」と俺が声をかけると 魔王「魔王さんですよ」

魔王「魔王さんですか。わかりました」

「魔王様」

魔王「うん。わかればいいですよ」

魔王の側近と俺は顔を合わせる 魔王の側近「魔王さんだって。あはは」

「なんか、俺の知ってる魔王と雰囲気違うんですけど」と困惑してしまう俺だったが アリシア「私の事は覚えてます?」と言われ

「ああ。もちろん」と答えた 魔王「ほぅ。浩平は、そんな事まで知っているのか?」

魔王の言葉に魔王の側近は、「へぇ~。凄いな。僕の事を覚えててくれるなんて」と笑顔で俺を見ている アリシアに擬態してた魔王は、元の姿に戻り 俺に話しかける

「俺、あんたに会ったことあったかな?」

魔王「うむ。会っている。魔王城の地下深くにある部屋に、このアリシアと共に幽閉されていてね。君たち勇者が来るまでの間、暇でね」と魔王が話し始めた

「あの部屋。そういえば」

魔王「その通り。浩平。君のお母さんも、この魔王城に住んでいた」

「え?それ本当ですか?」

魔王「あぁ。間違いない。浩平の両親が住んでいた家は。この魔王城の中にあったんだよ」と答える

「そうだったのか。でも、なんで?それに母さんも、ここに?」

魔王「それは僕にもわからない。浩平のお父さんは浩平が幼い頃に、病気で亡くなっているんだ。その後。お姉さん夫婦が家に住み始めてね。だから、あの家の管理人は浩平のお婆ちゃんになるのかね」

「ふむ。俺の親父は」

魔王「浩平が産まれてすぐ亡くなったらしい。だから君は両親の事を殆ど知らないはずさ。僕も同じさ。浩平やアリシアと同じように記憶がないんだ。僕達は同じ存在さ」

魔王「ただね。浩平の記憶だけは、なぜか消えなかった。それが浩平の能力である『封印』の力だと思う。封印された力はアリシアによって解除されていた。だけどね。アリシアがいなくなってしまった事で。アリシアの能力が浩平の頭から封印されていた記憶を呼び起こしてしまったんだろう。浩平が忘れてしまった記憶はアリシアに関する事だけ。後は普通に暮らしていたのだろう。それでアリシアの力が解放されたから、封印されてた他の能力も蘇った」

アリシア「私達の能力は?」

魔王「アリシアが浩平の頭の中に入ってしまう能力だ。だから、アリシアは消えた訳じゃない。浩平が封じられてた力を、アリシアが自分の中で制御できるようになっただけだ」

アリシアは納得してないような表情を浮かべているが、魔王の話を聞き続けると 魔王「それと。今の勇者は誰だ?」と聞かれ、俺は少し考え

「確か勇者じゃない」と答えると 魔王「なら、お前だな」と指を刺してきたので、「何の話をしているのか?」と首を傾げると 魔王「アリシアが目覚めた今。もう浩平がやる必要はないんじゃないか?お前に勇者をやってもらうぞ」と急に言われてしまい、「は?」と間抜け

「俺に勇者になれと?」魔王「うむ。そうだ。お前が勇者として世界を救った後に、アリシアの魂は、浩平の中で生き続けさせる」と提案すると 魔王「そう。アリシアは死んでいないからね。まぁ、浩平の能力があれば死ぬことはないからね」と笑って アリシア「うううう。私が生きてても。良い事ないよ。みんな死んじゃう」

魔王の側近「まぁまぁ。僕は賛成かな。この勇者なら問題ないだろうし」と側近に言われるも

「いやいや。いきなり過ぎませんか?」と言うも、魔王は微笑みながら俺を見て 魔王「今の世界には、勇者が必要だからね。浩平にしか出来ない事だよ」と言うも、「魔王の癖に人望あるのな」と魔王が少し羨ましくなったが 魔王「あはは。そうだよ。私は強いから」と自信満々に胸を張るも

「じゃなくて。魔王なのにって意味だろ?」

アリシア「ふふん。私は?」

魔王「あはは。アリシアはね。アリシアは」と困った顔をして側近の方を見るも 魔王の側近「僕は、魔王さんの眷属になっただけで、別に仲間ではないんで」と言い放つと アリシア「私は、どうなるんですか!?」と叫ぶと 魔王「えっと。ごめんなさい。わかんないかも」と魔王が言うも アリシア「もう良いです。私。もう戻ります。浩平さんも行きましょう」と言い残して立ち去ってしまうのであった

***

<<side>>ルリア達 俺達はというと、アリシアと別れた場所に

「魔王さんは、どこに行ってしまったんでしょうか?」

ルリアが、心配そうな顔をしながら言うと カタリナが「きっと無事だろう。アリシアの事も任せたと言っていたからな」と話すと、「とりあえず、一度町に戻って態勢を整えてから、再度魔王城に戻らないと」とグランが言ってくるも、「ううん。魔王城は駄目だ。あそこは魔王がいる場所だ」と俺は話し

「え?」と戸惑っている皆を見渡してから、「魔王の側近と名乗る男と、今から会いに行く」

「ちょ、ちょっと待ってよ。どういう事?」とリーザは困惑気味で聞いてくると 俺は、「あー。そう言えばまだ言って無かったか」と

「アリシアの事、ありがとう。魔王の側近が助けてくれたようだ」

俺はアリシアが生きていたと説明するも、 ラカムは、アリシアの事が心配なのか。浮かない表情をしていたが、アリシアが助かった事に安堵していた

「それと、俺の母親が魔王城に囚われていたと聞いた」

オイゲンは、「なんだと?それは初耳だぜ」と驚き、「それは本当なのか?」と俺に向かって言い出すのであった

***

<<side>>魔王の側近

***

僕の名前は、サタン。この魔王の側近にして最強の力を持っていると言われている。

そして僕の隣にいる、この男は 浩平。浩平と呼んでるけど、彼は普通の男の子。

この子だけが、特別な人間であり。この子はこの世界で一人しか持てぬ『勇者』の力を持っていたりするんだよね。

あ、でも、本人は自覚してないし 僕の方でも説明したけど。浩平自身が勇者だって事は理解していないと思う。でも僕達魔族は、この子に忠誠を誓う事を決めている 何故、この子が勇者だとわかった

「え?魔王って勇者と相打ちで死んだとかって噂じゃないのか?」

僕がこの世界の真実を話すと。魔王の側近であるはずの、勇者浩平が僕に尋ねてきた

「魔王は確かに死んではいない」

浩平「魔王の側近なら知ってるんだろ?俺がなんで、こんなに弱いか教えてくれ」

魔王の側近のはずなのだが、浩平は自分が弱い事を気にしていて、魔王の側近に尋ねるも、その強さを実感出来ていないようだった だから、魔王城での戦いの時も勇者の力は発動しなかった だから魔王の側近の僕が、「それは無理。浩平の力は封印されているし、その力を封印している術者も分からないから」と言っておく

「それじゃぁ」と落胆して肩を落としている浩平だったが、「ただね。浩平が、アリシアを助けに行った事で分かった事があるんだよ」

魔王はアリシアが死んだと思っていたから、浩平が勇者だって気付かなかったみたいだし この子は、この世界を救ってくれる唯一の存在なんじゃないかと思っている。だから浩平の願いを聞き届けてやりたい気持ちもあるけど、僕の目的は――この子を成長させる事だ 勇者である事を知った上で。この子を育て上げないといけないんだから 魔王を倒す存在だからね

***

アリシアとの会話で色々と情報を聞き出せた俺は――魔王城にいた魔王の側近に会いに来ていた。その

「お?来たのか?」と言われたので 俺も「ああ」と返事をして「そうか。なら付いてきなよ」と言われるも、そのままスルーして、俺の後ろについて来るように歩いていく すると、「おい!」と俺に呼び止められるが無視して歩くと「まぁいいか」と言われてしまうも、俺は側近の案内の元、とある部屋に入る 部屋の中に入ると、椅子に座らされて「お茶を出そうか?」と言うので、「そんな暇はないぞ」と俺は答えておくと 側近は「じゃぁ。手早く済ませてしまおう」と話し出した 魔王の側近の話は長いのだが。まぁ聞いてみるかと思い聞く

「君が勇者なのは間違いない事実だけどさ。僕が調べた結果。勇者の能力である能力を発動出来るだけの力が浩平にはない。それが勇者の力を持っていても発揮できない理由だよ」と説明されて納得してしまう部分もあった。

ただ能力があるだけで、使い方すら解らず。また発動させれれば凄いんだけど、全く使えなかったからね~。

そもそも、アリシアが死んでなかった事で判明したんだけどね!俺の母親までいるとは思わなかったよ それで能力の説明を受けて、少し考えてから口を開くことにしたんだ

***

<<side:アリシア>>私達が向かった場所はと言うと、「こっちだっけ?」と私が迷っていると ルリアちゃんに

「えっと、そ、そうですよ?」と答えると、「ふむ」と考え込んだ後に アリシア「えっと、もしかして道に迷った?」

「はい」と即答されてしまい、「ごめんね。私のせいで」と謝ると アリシア「いえ、私が悪いんです。私の記憶が無いせいですし」と悲しそうな顔をしていた。私が覚えているのは ルリアが「大丈夫です」と声をかけてくれ、アリシアの手を取り

「きっと。見つかりますから」と言った後。私は気になって聞いてみた。ここはどこですかと?すると、「ここはね」と言いかけた時に、「あの、も、もしかして?」と誰かが

「アリシアさん。もしかしたら、貴方のお兄さんの所に行けるかもしれません。魔王城の城下町です。そこです」と言い出すのであった。

するとアリシアが嬉しそうにして「良かった。私達だけ置いてかれちゃうのかと思ったよ」

ルリアは「えっと。魔王軍の皆さんは、浩平さんの居場所を知っているんじゃないのかなって」と

「ええ。知っているかもしれませんが。まずはこの辺りを探しましょう」と歩き出すのであった そして俺達が来たのは、ルリアが魔王城に迷い込んでいた時。最初に

「ええと、もしかして。ルリア?」と言う女の子がいて、「あれ?君は」とルリアも見つめていた。どうやら二人は顔なじみのようだったので 俺は、アリシアと一緒に隠れて様子を見ていたのだけど、この二人も何かあるような気がする。

それにしてもアリシアは、本当に何も思い出せないらしく、記憶が戻った時の事も考えると あまり無理に話を聞くのは、アリシアの精神上も悪いかと思う。

なのでアリシアには、「少し散歩でもするか」と誘うと、俺はアリシアと町の外に出ていた。すると

「うーん」と困り果ててるルリアを見て アリシア「どうしたの?ルリア」とアリシアが言うと ルリア「はい。えっと。アリシアさんの知り合いかもしれない人がいまして。その子と話をしようかとも思ったのですが」と言い出し、ルリアはどうしたらいいのかと悩んでいた。

「あ、ルリア」と俺の方に近づいてくると ルリア「えっと、どうしましょう」とルリアは言ってから、俺に意見を求めてくるも、正直言う

「俺にもわかんねぇ」としか言えなかった

***

<<side>>ラカム 浩平達と別行動を取っていた俺達は、一度。魔王城に戻って態勢を整えて、再び魔王の城に 行くために魔王城に足を運ぶ事になった 浩平が魔王城に囚われている可能性があると話すが、「浩平の事を考えてくれる人達がいるのはありがたいよな」

オイゲンは嬉しそうにしていたが、「魔王ってどんな人なんだ?」とラカムが尋ねてくる 俺は、「うーん。見た目は可愛いけど、怒らせたら駄目だと思う」と伝えると「え?女なのか?」と驚いていた。俺の言い方で性別が分からなくなったのか

「あ、魔王って、男の子だよ。一応は男なんだよね」と言っておくも ラカム「なんで疑問系になるんだ?お前、魔王を庇ってんだろ?魔王を庇うってのもおかしな話しだぜ」と言われてしまった 俺は、「魔王を殺さないのが条件だったんだよ」と答えるも、「魔王は魔王でも勇者を殺す魔王だぜ?」と俺に告げる 確かにそうだ。魔王を倒すのが勇者なのに。倒さずに保護しろと言われたんだから。普通は魔王

「勇者を倒す為に戦ってきた相手なのに。おかしいだろ?」と言われてしまうが、「うん。確かに魔王は俺を殺しに来たし。今でも殺されても文句言えない立場にいるとは思ってるんだけどね。だけどアリシアの命を助けてもらった恩があるからね」

アリシアを助ける際に魔王が邪魔してきたが、それを蹴散らしたのが魔王の側近。そして側近の言葉を聞き入れる形で助けてくれた そしてアリシアを助けた事により。この世界に隠された勇者の秘密。その勇者としての力を解放する方法を知る事が出来た だからアリシアを助けに行ってよかったと思っている。そしてアリシアは助かったのだが、魔王の側近の話を聞いている限り。この世界では、俺の

「勇者の力は封印されているからね」と側近に言われて納得してしまう所があったのだ だが封印されていて使えないはずの力だったが、浩平がアリシアを助けたおかげで。浩平の力だけが使えるようになっている。つまり 浩平の勇者としての力は、勇者の能力である『解放』を使えるようになったというわけなのだ。ただそれだけじゃなくて 俺は浩平

「魔王を倒せと言われてたんだよ。だから俺は勇者の力を持っていても使えなかったんだよ」と伝えてから 魔王の側近の話を聞いている限りで、勇者の力を解放しないと勇者としては使えない。その事を知ってからは、魔王を倒して勇者の力を解放する事を目標にしている事をアリシアに伝えると アリシアは、「なら。その事を魔王に伝えた方がいいのではないでしょうか?」と言われるも 俺は「それは難しいかもな」と苦笑いで答えておいた。それは魔王からアリシアを助けに行った事に関して

「感謝しますよ。浩平。まさか私の命を助けに来るなんて思いもしませんでしたよ。ですが」と言葉を濁されてしまったので、俺はアリシアの救出に成功したが。この世界の仕組みを理解していない俺は「なら」と言い出した時に アリシアが口を開くと アリシア「私は浩平さんのおかげで助かりましたけど。他の皆はどうでしょう?」と言われてしまうと、それも難しい。俺の事情は理解してくれているが 俺は「多分だけど。あいつらは、アリシアの事を気にかけている。俺達が助けたとしても」と答えると アリシア「私なら大丈夫だよ。だって浩平は私に良くしてくれたし。この国の人だって私を受け入れてくれてるんだし」と言うのであった

***

アリシア「大丈夫だよ。私ね。魔王と約束したの。魔王に会えば思い出せると思うんだ。私は何をしようとしていたか。それがわかればきっと。今より強くなれるはず」と笑みを浮かべながら私に伝えてきた

「そうか」と言いつつ、魔王の側近と会話をしている浩平を横目見ていて アリシア「どうしたの?」と言うも、私は、「いえ。あの方は優しいですね」とつぶ

「私達を魔王に引き渡したり。利用したりせずに」と言うと アリシア「えっと、ごめんなさい。私は、そんなつもりで言ったんじゃないんです。私を助けてくれたんだもん。悪い人じゃないのも知ってます」と言うと アリシア「だけどね。お姉ちゃんに頼まれていた事は、魔王を倒しに行く事で、魔王は倒してはいけないんですよね?」と言うと

「はい。貴方はもう大丈夫だとは思いますが。念のために忠告をしておきます。今の貴女の願いは叶えられません。この世界の真実を知ってしまう事になるからです」と アリシア「やっぱり、まだ私。自分の名前も覚えてないの。でも大丈夫ですよ。私が魔王に会う事で全てわかるのであれば」とアリシアさんが決意に満ちた表情で言うのであった

***

<<side:???>>浩平さんは、アリシア様が攫われても追いかけなかった 私が言うよりも早く、浩平はアリシア様に付いて行ったからね。私も慌てて後を追ったが

「くそ! 間に合わないか」と呟きながらも走り続けた。

するとアリシアは、魔王城の中に入っていったが そこで待っていた人物に、私は見惚れていた。なぜなら その女性は、アリシアとよく似た顔立ちをしていたが、違う。まるで女神のような美しさを持った女性がいたからだ そしてアリシアが

「えっとね。アリシアのお友達かな?初めまして。アリシアのお母さんだよ。娘を助けに来てくれたんだって?ありがとう」と言われてしまって、どうしたら良いか分からず

「えっと。お母さん。記憶を失っているみたいです」と教えてくれたが 私は言葉を失っていた。こんなにも似ている親子が存在するのだろうかと 浩平「あんたが、アリシアの母さんなんだろ?俺の事は、どこまで聞いた?」と言うと 母親「うーん。浩平君のお父さん。君の父親から聞いてるのは、君は異世界から来たんだって? だけど、アリシアとそっくりだし。もしかして君は」と アリシアが何か言いかけた時

「おい!」と声をかけ

「何者ですか? この場にいる資格のある存在には見えないのですが?」と魔王の側近は言って来た 浩平は、アリシア母を背にして「なあ、こいつはお前達にとって敵なのか?」と尋ねると 魔王の側近「ええ。魔王様の敵に違いありません」と言い切るも、魔王の母親は何も語らずに黙っているだけでいた

***

<<side>>??

「えっとね。浩平のおじさんがね。お父さんが来てるよ。でも来られないの」と言われてしまったので、どういう事かと尋ねたら

「おじさんは、別の所に用事があるんだって。それでお父さんが言ってたのは。今は、此処に来れないの」

と悲しそうな表情をするも。少ししてから、気合を入れ直すような顔をするアリシア。

「あ、でも浩平さんがいれば安心だね」と言われてしまい

「アリシア殿。魔王に会いに来たんですよね?」と聞くと「あ、はい」と答えるのを見てから「分かりました。では」と魔王のところに向かう事になり そして魔王の前までやって来た時に 魔王が浩平に向かって、アリシアを襲わないように注意するように言うと 魔王は浩平に対して「なぁに。勇者の力を手に入れた浩平に、そう簡単には勝てんからな」と言ってから「ま、とりあえず。今日はこれくらいにしようじゃないか。勇者の力を手に入れた浩平と話すのも悪くないしな」と言い出してくる アリシアの方を見るも 魔王は浩平にだけしか話しかけていない。私は諦めて退散する事にした アリシアが「浩平。また会おうね」と言った後に浩平と一緒に外に出ていくのを見送っていた ***

「浩平。浩平よ。我もアリシアを襲っては駄目とは言わないが。もう少し大人になってはくれぬのか」と困った口調の魔王だが 浩平「ああ。悪い。ついさっき、魔王から聞いちまったんだ」と言うと 魔王「ほう。ならば答えてくれるだろう?なぜ、あの子が襲われないように注意してたのだ?」と言われてしまうのだが 俺は、自分がこの世界に召喚された経緯を話す事になったのだが、その際にアリシアを庇うための行動だったとも伝えたうえで説明したのだが その話を聞いた時の反応だが、「ふむ、そうだったのか、我が娘と、その側近であるあの子は、勇者を探すために呼び出した子でね。本当は勇者の力など必要ではなかったのだ。だからこの世界に呼ばれた時は本当に驚いたものじゃがな。まさかこの世界に来る途中で殺されてしまうかもしれない危険を犯して来たとか、しかもそれを我の娘のために来るとか信じられなかったがな」と言い出した時に「あれ?勇者が殺されるかもだったのになんで殺されずに済んでるんだ?」と思い。質問をしてしまうと「浩平は勇者が何故封印されていると思っておるのだ?」と聞き返されてしまうも 浩平「勇者が死んじまえば、こっちの世界はどうなるんだろうな。この世界の人間は」と言うのを聞いた魔王が笑い出してから「くっくっくっ。浩平よ。やはり浩平を呼べて良かったよ」と魔王に言われてしまう

「は?勇者の力を手に入れても、勇者としての力を解放しないと勇者としては使えないんだぞ?」と言うと魔王は笑い始めてから 魔王「浩平。勇者の力はな。勇者自身が死んだ時点で、解放されるんだよ」と言うと、俺は「そうか、俺は魔王の思惑通りだったというわけだな」と言うと 魔王「だが浩平。魔王を倒したとしても勇者の力だけは解放できないからな。勇者の力を取り戻せる可能性は低いぞ?」と言われるも、俺は

「それは分かってた。俺はアリシアのついでで助けに行こうとしたわけじゃないんだ。魔王を倒すのが目的でもない」と アリシアの事は確かに気になった。だけど俺の目的はこの世界をどうにかしたいと言う気持ちで動いてはいない 浩平「俺は、魔王に、アリシアの両親に、俺達の家族について、俺達が暮らしていた世界での事、それにアリシアが狙われている理由を教えてもらいたかった。だから助けに行かせてもらったんだ」と言うも 魔王は、俺に近づき、いきなり胸

「浩平さん。あなたのおかげで思い出しましたわ!私は、貴方が好きです!私の想いを伝えて良いですか?私はずっと前から、あなたの事が好きだと言いたいと思っていたのです!私は浩平さんの事を愛しています!」と言い出してきて。魔王からキスされそうになった所で俺は反射的に後ろに飛び下がりながら避けると 魔王は「そうかそうか」と嬉しそうにするのだが、「お前の嫁なんだろ?」と言うと 魔王「何を言っているのやら、浩平。我の本当の妻は」と言うなり魔王の妻らしき人が姿を見せると そこには

「あら?アリシアは、まだ魔王城に来てないの?お腹空いたんだけど?」と言う魔王の母親が そしてその後 アリシアの両親が姿を現すも。なぜか魔王城にいた。

どうやら俺と別れた後。魔王の城に行くと言っていたらしい アリシアはアリシア母に会う事で全てを思い出して 記憶も戻り 自分の力を取り戻したのであった アリシア母が姿を現してから。

アリシアは魔王の母親を見てから俺の方を見て 俺が記憶を取り戻すまでの経緯を説明した アリシアが、アリシア母の方に近づいて行き、挨拶を交わし始めた頃。

「うーん。アリシアちゃん。魔王さんが大好きなのは分かるんですけど。浩平君がいる前で魔王さんが大好きなのを伝える必要はないと思いますよ?」と言うと アリシアは「へ? あ、い、いえ。そ、そんなんじゃないんです。あ、い、いませんよ?そんなんじゃないんですから」と言って顔を赤く染め上げる そんな様子を見ていたアリシア父が「なあ? この人、魔王さんとアリシアちゃんは似てない気がするな」と呟くと魔王の母親が口を開く

「アリシアが産まれたのは。アリシアの力が暴走してしまった時です。その時に私は、アリシアの中に居て、魔王の力で守られていたんです。だから私は魔王城にいるんですよ。私は、元々。魔王の力によって生まれた存在です。アリシアの体の中で、ずっと見ていました。アリシアが産まれる所も、アリシアの成長していく姿も。アリシアは覚えてないかも知れませんが。私が目覚めたのは最近なので」と言うと 魔王の母が、アリシアを大事にしていると言う事を知ることが出来た そして アリシアが魔王の傍に行ってしまった後で。アリシア父だけが残り。

「魔王殿。一つだけ聞いておきたい事があるんだ」と言われて魔王は、アリシア父の方を向いた後 魔王「ん?何だ?我の知っている事であれば教えても良いが」と アリシア父が「浩平君から話を聞きました。アリシアが召喚されて来てからアリシアの力を抑えようとしていたそうですね?なぜ、そこまでして魔王城に閉じ込めるようなことをしていたんだ?私には、どうしてもアリシアを、わざわざ異世界に呼び寄せるまでするような子とは思えないんだ」

魔王は少し困ったような顔をすると「なあ。勇よ。我がこの世界にやって来た時のことは知っておるか?」と尋ねる 勇者「ああ。一応。魔王がやって来た経緯は知っている」と答えると

「ふむ。なら我はこの世界に来た理由は言っておこうか。まず。勇者である貴様には、言っておいた方がよかろうから」

勇者「うん?どういう事だ?」と勇者が不思議そうな顔をするのを見た後に アリシア母「あの時はね。この子がこの世界に呼び出されたから」と答える

「アリシア。この子は魔王の力を宿しているのでね。魔王の力の器になる為に、アリシアは召喚された。アリシアの力は膨大でね。魔王の力を使って抑えきれなくなってしまった時に、魔王の力を使う事で。その膨れ上がった力で、魔王城を護る事にしたんだ」

と説明すると勇者が驚いているのを見ていたのだが

「だが。アリシアをこの世界に呼ぶ必要はあったのかい?」と聞かれた魔王は勇者の方を見ると 魔王「アリシアはな。アリシアが勇者を好きになっていた事に、嫉妬を覚えてしまったのだよ。その時にアリシアの心は乱れに乱れたのじゃ」

勇者「あ、アリシアが?勇者である僕を?」と言うと アリシア父は「勇者殿が魔王に倒された時の勇者の力の解放条件にアリシアの力が必要になってしまったからな。だから魔王は、魔王城で保護をしていた。という訳だったのか」と言い出す 勇者は、「それじゃ。魔王の本当の妻は」と呟いているのを見ながら魔王は 魔王「魔王の力は。この子を守るためにある」と言うと勇者の方は見てなかった魔王が突然勇者の方に振り向き。睨みつけるように

「だが勇者よ。この子の気持ちを弄ぶような真似は許さない。アリシアは、魔王の力のせいで。勇者を倒せない。だが勇者は違うのだ。勇者の力を手に入れたこの男に勝てる勇者など存在しない。もしも、この男の事を愛してしまう前に殺せていれば、勇者と結ばれず。アリシアの恋も終わったかも知れないが。そうならなかったのだ。ならば我はこの子を全力で守るだけだ。この子には幸せになって欲しいのだ」と アリシア「お兄ちゃーん。お母さんが呼んでるから。一緒に行くー」と言うと 勇者は、魔王の言葉を聞いて、納得はしていなかったのだが。勇者である俺の目の前で、アリシアに対して危害を加えようとしても返り討ちに合うだけだろうし。俺に殺される可能性の方が大きいと言う事だけは理解できたみたいだ。

俺は魔王に「魔王は、魔王として、自分の世界を守るために、この世界に来ていたんだろ?」と言うと 魔王「ああ。この世界を侵略しようとした事は、ただの一度として無いよ。我がこの世界に来る前にあったのはな。ある理由で戦争が起こったのだが。それを終わらせるために魔王軍を派遣しなければならなくなったのだがな」

浩平「それは?」と聞くと。魔王は答えてくれるのだろうか?と不安になっていると アリシア「私が産まれて、暴走を始めたんですよ。その時にも。私は殺されかけていましたから」と言ってきたが俺は 浩平「おい。それは、お前が原因なんじゃないのか?」と言うも――アリシアに睨まれてしまって何も言えなくなるとアリシア母に 魔王母

「あら?そうかしら?別に私は、娘が暴走を始めてしまっても。特に何かしようとも思って無かったけど?」と言ってから笑うも――俺は笑い事じゃないと思うんだ。

だが俺が思うよりも先に魔王の母が「だけど魔王が必死に止めてくれたから。この子が死ぬ事も無かったんだけどねぇ」と言っていたので、まぁ良いかなと思ってしまう俺がいたわけで。そんな事を思っていたのだが――そこで

「そうそうそうそうそうそう言えば、浩ちゃんは、アリシアの事を守ってくれたそうでぇー。本当にありがとうね」と言われたので どうしようかと思っている俺だったがアリシアは嬉しかったらしく。俺の腕を組んできてから、「浩平君は、優しいの!」なんて言われてしまう始末である ただ俺がどうするかと考えている間に、アリシア母は魔王と話し始めていたようで魔王母の声は聞こえてくるわけなんだけれどもな。その内容はと言うとアリシアについてでもあってだな。アリシアが召喚された時の話について語ってくれたのである。そして俺とアリシアの関係についての説明をしてくれない?と言うと「今はダメ!今は何も教えてあげられないわ!もう少ししたら教えてあげる事が出来るようになるかもしれないけれどね」と言われると俺は、これ以上追求する事を諦める事にして。その日の夜になり。俺は一人になった時に考えていたのだ 魔王城の中での生活が始まった翌日となり、朝食を食べていると勇者が来たりして面倒事になる可能性も考えられた為。朝のうちに

「アリシア。俺達は別行動を取った方が良いんじゃねえか?お前は俺と離れるの嫌かもしれんが。それでも魔王達から離れるって言う手も有るような気がするがどうすんだ?」とアリシアに尋ねると

「そうですね。浩平さんの傍を離れるのは心細いんですけど。浩平さんが居てくれれば安心出来るので」と言い出して 魔王「浩平は、私と一緒に居るべきではなかろうか?どうであろう?浩平?」と言われて

「あーそうだな。アリシアの事が好きなのなら、傍にいた方がいいんじゃねえの?」と言うと魔王は嬉しくなって抱きついてきたりするもんで 魔王は、「そ、そうなのか?浩平。そ、その我を選んでくれても良いぞ」と言ってくるのであったな。するとだ

「あーはいはーい!!姉様!私が一緒に行きますからね!?」と言ってくるアリスの姿があるとだな 勇者「お邪魔するよ。君達に聞きたいことが有るんだ」と言ってやってくるなりだ。何とも言えない空気になってしまうのだが 勇者がアリスの方を見て 勇者が口を開く

「君の姉さんだよね?」と言ってアリスの方を見てきてだな。それで俺は察するんだよな 俺は勇者を睨みつけてやったぜ

「い、いや。ちがっ!そういう意味で言ったんじゃないから!」とか言い出してきたが 俺はスルーしてやる

「お主がアリシアを嫁にするのなら。勇者の力を持った者じゃないといけないからな」と言い出すので アリシアは恥ずかしくなってしまったのか顔を真っ赤にして俯いていた そんなアリシアを見た勇者は 勇者「アリシアがこんな顔するのは珍しいね」と微笑みかけるのだが、その笑っている笑顔に裏がありそうな気がしたのは、何故だろう?と思ったのだった 勇者が「そういえば君。僕の名前を呼んでくれなかったね?」と言い出してきたから 浩平「あんたは、勇者であって勇者ではないからな。名前を呼ばれても反応出来ないのは分かってもらえるだろ?」と言うと

「君が何を言っているのかわからなくなってきた」と呆れられながら

「そういえば。君の名前。浩平だね?君の事は少し調べさせてもらっているんだ。浩君と呼ぶべきかな?」

俺は少し不機嫌になると 浩平「ふざけてんな。勇者」と言う

「おっと。僕の事は呼び捨てか。勇者と呼びなさい。僕は勇者である。それ以外の何者でもない」と アリシアは、勇者の方

「ふむ。勇者殿か」と呟いてから、何かを考えるような仕草を見せると、俺に近寄ってきて

「浩平さんは、あの方とは仲良く出来ませんよ」と言ってから俺を離してくれるので、ちょっと助かった気分である。だがしかしだ。勇者の方を見ていたアリシアは、突然勇者が俺に向かって攻撃してこようとする気配を察知したので俺はアリシアの前に出て 勇者の攻撃を防ぐと 勇者が舌打ちをしてくるのを俺は見逃さない。

「君は勇者の力を防げるのか。それならば」と再び俺に剣で攻撃をしてくるので アリシアが

「駄目です!!」と言うのと同時に、

「我に任せるがいい!」と言う声と共に俺の前に出て来る者がいたがそれは魔王だったわけであり――魔王はそのまま俺に斬りかかろうとしていた勇者に魔法を放ち攻撃したせいで、辺り一面が焼け野原になる

「なっ!魔王だと?馬鹿などうして、この場所にいる!」と言った後。魔王の方を見ると 魔王は「ふん。ここは魔王城の中だよ?」と答えると、それに答えるようにアリシアの母 魔王母は 魔王母「私は娘のために。この城を作ったからね。私の城でも有りこの城でもあり。だからここに私がいても何らおかしくはないのだけれど?」と言い出すとアリシア父が 魔王父

「うーんとね。私は魔王と勇者の戦いに興味があってさ。だから魔王のお母さんにお願いをして魔王城に案内してもらったんだけど。それがまずかったかな?」と呑気に喋りだすも。俺の事を魔王がじっと見てくるのに気づくと、俺は勇者に目線を戻す。勇者は、アリシアの事を魔王の娘だと思い込んだのか?勇者の表情が変わるのがわかると俺は警戒を強めるとアリシアが、勇者の後ろで

「勇者様。この人はお兄ちゃんの大切な人ですよ」と言ってくれたのだ 勇者は俺から視線を外す事もなくアリシアの事を見るだけで動かなかったのだが 勇者は「浩君。勇者が二人になった場合どうすればいいかな?」と言うと 浩平「魔王。俺の事を守ってくれ」と言うと魔王は嬉しそうに俺の前に出て来て、勇者と俺の間に立つと「我が浩平の事は、命に代えても守る」と真剣な眼差しで、俺を見てきたので 浩平「任せるぞ」と一言だけ告げるのであった。そしてアリシアは アリシア「浩平君は大丈夫。きっとなんとかなるよ」と言ってくれていたのだが。

俺は、勇者の方を見ながら

(こいつは強いな)と思っていた アリシア「そう言えば、浩平さんが戦うところは初めて見ましたね。浩平君は、どんな戦い方をするのですか?」とアリシアに聞かれてしまうと

「俺?普通に戦っているけど?」と俺が言うと。アリシアは俺の手を掴むと アリシア「私も戦う。二人で戦えば負けないと思うの。だから協力しよう?私も一緒に戦う!」とアリシアが言うので俺は困ったような気持ちになりながらも アリシアの頭を撫でてやる 浩平「わかったよ。それじゃ。勇者との戦いは一緒に戦おうな」

「君達が何をしているのかわからなくて混乱してしまうんだけど。勇者に勝つつもりで?」とアリシアの母

「うん」と俺が言うと、アリシアの母 魔王母が 魔王母「あら?それはどうかしらね?確かに、浩平君は普通の人とは違った雰囲気を持っているけど。あなた達の力では浩平君とアリスが協力してやっと勇者と同じぐらいじゃないかしら?それでも勇者に勝てると思って?勇者の強さがどれ程のものなのかわからないと、判断が出来ないのよね。それでも勇者は強く。今の貴方達には敵わない相手である事も事実よ。私としてはね?そんな無茶な戦いは、やめておきなさいって、言ってしまう所なのよ」と口にするも

「アリシアは俺と一緒に戦ってもいいと言ってる。だから。一緒に頑張れるはずだ」と俺が口にすると 魔王「うむ。勇者殿。浩平と戦うのであれば、お主にも死んでもらうことになるかもしれんが。良いかのう?」と言ってくれると

「えっ?」勇者の方から戸惑いの声が上がり

「いや。流石に。そこまでする必要はないでしょう?ねぇ?」とアリシアの方を向いて話しかけるも、アリスがアリシアの後ろに立ち「姉様。お爺様に迷惑をかけてはダメじゃない?」と言われてしまうの

「そ、そんな!僕だって浩君と一緒に居たいんだよ?だから」と慌てている アリシア「お婆様の言いつけを守らないと、浩平さんに嫌われちゃいますからね?」と微笑みかけると勇者は泣きそうな顔をして「浩君ごめん。一緒には居れない」と言って去って行くのであった。

俺は魔王に向き直ると魔王が俺を見てニヤリと笑い「アリス。勇者を追い掛けてやってくれないか?」と言ってきたが、魔王の側近がそれを止めようとして、「いけません」と注意するが、アリスは魔王の方を見ると

「お爺様。浩平さんをよろしくお願いします。姉さんをお願いいたします」と言って走り出した。

アリスは、アリスの両親の方に「私は勇者を追いかけますから、浩平さんが傷付いたら、癒してあげてくださいね」と言って走っていく 魔王「勇者。待っていろ。すぐに追いつく!」と言ってから俺の事をじっと見ると 魔王「お主もついてくるがいい」と言うと歩き出す 俺は、アリシアの方に手を伸ばし「アリシア行こう」と言ってアリシアが手を取ると 魔王が「浩平」と俺を呼び

「なんで俺の名前を知っているんだ?」と聞き返すと魔王は「我に、そんな事はどうでも良い。我についてくればわかる」と言うので

「わかった」

「ふぅ~んっ」と気怠い返事をする俺に対して

「お主な。もっとやる気を出して欲しいの」と言うと魔王は先に進むのだが、その先は玉座の間の奥で。俺は疑問を抱きながらもついていくと。そこは 魔王「ほれ、見てみるがよいっ」と指差された場所を見て俺は驚いた。何故なら 俺の両親が立っていたからだ 俺の両親は笑顔でこちらに近づいてきている。

「おかえり浩平」

「大きくなったね浩平」と言って俺の事を抱き締めてくれていて 俺が「親父。それと、あんた」と言うと

「久しぶり。元気にしてた?」と言われたが俺は「あんた。あんたに会った記憶が無いんだが?」と言うが。俺が両親に会うための儀式は、俺をこの世界に呼んだ儀式の事らしい。俺の場合は違う方法で呼ばれた為に俺は召喚されていない事にされて。この世界に来る事はできなかったそうだ だが。勇者の方は勇者をこの世界に呼ぶ際に、アリシアの父。俺からしたら祖父に当たる存在と、アリシアの母。俺の叔母にあたる存在を呼び寄せる事に成功したので アリシアと俺の関係を知っており。

魔王と勇者が知り合いである事を不思議に思っているのだが、俺は、俺をこの世界に送り込んだ存在の

「俺の祖父母。名前は覚えてないがな」と言うと

「魔王。貴方がここに来るなんて思っても見なかったわ」と俺の母親らしき人物が魔王に言う

「それは我のセリフだ」と言うが魔王の言葉を聞くと母親が笑った後

「それで浩平。そちらの女性はどちら様なのかしら?」と聞いてくる 魔王は「あぁ。彼女はな?我の息子の許嫁だよ」と言うと 魔王の妻は俺に向かって「私は貴方の母親の。この世界で言えば浩平からみての曾祖母に当たります。この度は息子共々宜しくお願い致しますね。勇者さんも娘をどうか、末永くよろしくね?私達はもう行くわね?」と言い残すと同時に姿が消えた

「まぁ」と言いながら母親の姿を探すようにキョロキョロとしていた 浩平 魔王と勇者が睨み合うなか、俺はアリシアの母を見送っていたが。母親は俺達がいる方とは逆側に走って行った 魔王「それでは、勇者を追うとするか」と言い放つ 浩平「アリシアの親父さんが俺に何の用があったのかはわからないけど、あの人達に任せるさ」と俺が呟いているとアリシアの母が行った方向に走っていた魔王の妻の足が止まると 魔王「さっきの娘。どうやら向こうの世界に行く準備ができたようだな」と一言漏らすと

「さっさと行くわよ」と言って俺の手を掴み 魔王「おぉ、そうだな」

と答えるのだった。俺の体は光輝き始めて

「なんだこれ?一体なにが起きてるんだ?」と俺が口にしていると 魔王「心配するでない」と言ってから魔王と勇者が手を繋いだ瞬間に 光が強くなり。俺の意識も途切れてしまったのであった。そして、目を開くと目の前にいたのはアリスだったが。

「ここは何処だ?」と口にすると。アリスが

「私にも分からない。でも浩平さん。ここってもしかしたら。異世界かもしれませんね?」と嬉しそうに話してくれたので。俺は「そうかもしれないな」と答えたのであった 俺達が立っているのは洞窟の中のような感じの場所なのだが。

アリシアの母が居た空間とは違い。暗くて何も見えないのである。

「真っ暗ですね」とアリシアが言うので俺は、懐中電灯を取り出して照らすと、俺達の前には、俺が元いた世界の日本という国の街並みが広がっていたのである。

俺は「あれ?」と口にすると、アリシアは

「これは夢ですかね?」と言ってきたのである。

俺とアリシア

「「えぇ~~~!?」」と驚くとアリシアは俺の腕を掴むと アリシア「とりあえず。歩いてみましょう?」と言う 俺とアリシアの後ろで アリシア母「ふむ。この世界には魔物はいないようじゃな」と言う アリシアは、いきなり現れたアリシアの母とアリシア 俺は「なんでアリシアのおばちゃんと一緒なんだよ?」と小声で聞くと 魔王「うむ。我にはわからんが。おそらく、アリシアの母と我。二人揃って勇者に会いに来たのではないか?」と言うので 俺は「へぇ~。アリシアの親父が勇者なのか」と言うと アリシア

「うーんっ。どうなんでしょう?私のおじい様は、お兄様達と違って普通の人でしたよ?」

魔王「うぅ~ん。勇者が普通なんじゃよ。それに勇者と魔王には子供がいないからのう」と言ってくれるので 俺は「へぇ。それってどういう事なんですかい?」と聞き返すのであった 魔王「それこそ、浩平君と同じじゃな。浩平君の場合は。普通の家庭環境の中で育てられたから、こんな風になった訳じゃよ。だから、勇者も同じような感じじゃろ?違うかのう?」と言うので

「確かに。俺も普通の家庭で育てられましたからねぇ。でも、親父とあんまり似ていないんだよねぇ」と答えるとアリシアも同意するかのように アリシア「私も。お爺様に似ているような?似ている気がしないのですが?お婆様の方が似ていませんか?」と言う 魔王の側近は二人のやり取りを聞いているだけなので黙っていたのだが 側近(やはり親子なのか)と魔王の側近の心の声は一致するのだが二人は知らない 俺はそんな話をしていた最中だが何かがおかしい事に気づく アリシアーシェ「浩平さん?大丈夫ですか?」と不安そうな表情を見せるのはいいのだが。俺は違和感を感じると俺は自分の手を見て驚いたのだ!それは、明らかに小さい子供の手になっていたからだ!それも3歳児ぐらいの大きさになっている!その事実を自覚

「なんでだ?」と口を開くと魔王の側近が

「恐らく。この世界に馴染める為だと推測できます。お気に召されなければ、すぐにお戻しいたします」と言ってくれたので 俺は「お世話になります」と言うのだった。俺は頭を下げるが、アリシアの方を見ると、俺と同じように幼児化していて

「どうしましょう?」と困り顔を見せてくれるが、俺は頭を悩ませていた 魔王の側近が魔王に向かって「勇者が居ないぞ?」と言うと 魔王「勇者ならばお主の横に居るではないか?」と微笑んでいた 魔王の側近も横にいるアリスの事を凝視してから「なるほど。そういう事ですか」と小さく呟くと魔王に対して。魔王の側近は魔王

「お前はいつも突拍子もない行動を取るものだから頭が痛くなるのだが。今回の場合は少し違うだろう?」と問い掛けられて魔王は笑い出すのだが、「はははっははっはは!」笑ってから真面目な顔をして 魔王「そうだな。だが、今回に関してはこの世界に勇者は必要無いと思っただけだ」と言い切るので側近も理解を示してくれたのか 側近(まぁ~仕方が無いですよね?)と思っていた 俺が困惑している時に、突然背後から声が聞こえてきたのだ。

浩平「誰だ?そこにいる奴!」と言うとそこには、アリシアがいたが、先程までと違い、背丈が伸びていて大人バージョンに変化しており、髪

「俺はアリスだけど?どうかした?」と言うのだった 俺はアリスをじっくりと観察した後にアリスと視線を合わせてから質問をしたのだ 浩平「あんたがアリスなのか?」

アリシア?アリス「あんたは?」と言われるが魔王の側近が間に入るように出てきてからアリスの目の前に立つ 側近(勇者よ。この少女は貴方に惚れていますよ)と思いながら説明をし出したのだ。この世界では魔族は人間よりも成長は早くて寿命は遥かに長いことを説明した上で「つまり、この子は貴方の事が大好きなんですよ」と話すのだが俺にとっては初耳な情報だらけなので戸惑ってしまうのである。だが、それを見ていた俺の体は、勝手に動いて

「そう言うことなら俺はお前を信じる。だが、もしも裏切った時には、覚悟してもらうぜ」と口から出てくるとアリシアの体を借りた存在の瞳が赤く染まると「裏切りなんて絶対にありえないよ。信じてくれてありがとう」と言ってくるのだった。

浩平とアリシアが話している際に 浩平「アリシアが大人になってるんだけど?」と疑問に思うと アリシアは嬉しそうに俺を見つめてくる 浩平とアリシア 浩平「アリシアの見た目から年齢を逆算すると20歳以上になるわけだよな?でも、この世界の年齢は俺達の世界とは違うんだよな?」と言うと魔王の側近は

「こちらの世界での人間の平均年齢は18歳です」と言い放つ 浩平はアリシアをじっと見てからアリシアの肩を叩くと 浩平「なぁ?俺が分かる?」と言うと「えぇ、分かりますよ」と言う 浩平は嬉しそうにアリシアの手を掴んで「そっか。わかるか」と嬉しそうに笑う 浩平「俺は今。子供になっていてな?何が原因かわからなくて困ってるんだよ」と口にするとアリシアが「そうなのですか?」と言う アリシアの外見は16歳くらいの姿で大人の時とは違い可愛らしい雰囲気がある 俺達は、お互いに自己紹介をする為に名前を交換すると、アリシアに俺の名前を教えるのであった 魔王はアリシアの母親に 魔王「勇者の能力は?」と尋ねると。アリシア母は

「魔力が桁違いに強くなっています。そして魔法が凄い速度で使えているわね。そして、身体能力も上がっているので、下手に戦えば私も負けてしまうわね」と言う 俺達が話をしているとアリスは「アリシアの母さん」と話し掛けたので俺は驚く 魔王の側近は、俺達の様子を見てから 魔王「さて、勇者。アリシアよ。二人とも。ここに残るか?それともこの世界を救う旅に出るか?どちらかを選んでくれ」

と魔王の側近はアリシア達に問うとアリシアが魔王の側近に近づき手を繋いで「この人と一緒に居たいです」と真剣な眼差しで答えを出すと、俺の体を乗っ取っている浩平は嬉しそうに微笑むと俺の頬が赤くなる感覚を覚えると浩平が「俺もだ」と言って俺の口でアリシアと唇を重ねる

「ちょ。ちょっと待った。今のは何?」

俺の声に反応してか、アリシアが真っ赤な顔をしながら「こ、これって、恋人同士がするキスじゃないですか?」と言うが、浩平も「そうだ。俺が本気になればこの世界で一番好きになった女の気持ちを手にいれる事は容易いんだよ。だから俺とずっと一緒にいろ」と言う 魔王の側近が二人の様子をジッと見つめていたが、アリシアと浩平は恥ずかしかったのか 浩平とアリシア「「じろじろ見ないでください!」」

と魔王の側近に言い放った 浩平が「で、あんたの名前は?」と聞き出す アリシアは魔王

「我は魔王 リリィ=ルクスシアじゃ。よろしく頼むぞ。アリシア。勇者浩平。魔王浩平」と言うと魔王は、勇者浩平の頭の上に軽く手を乗せて、撫で回すのであった。魔王は「それじゃあな。勇者。娘を任せたぞ」と言うなり消えていく 魔王の姿が消えるのを確認した後に、俺は元の姿に戻るのだが。アリシアは、まだ俺の事が好きみたいで。甘えるような仕草で俺の腕を抱きしめていた。魔王が居なくなるのと同時にアリシアのお母さんとアリシアの体に入ったアリスが姿を消してしまうと俺は慌てて

「アリシア?」と声を掛けるが、返事が

「なーん」と子猫のような声で鳴いた。

浩平がアリシアを抱き抱える

「どうしたら良い?」と俺は困り果てていた 浩平が困り顔でいる中。魔王が姿を現すと「うぅ~ん。魔王が勇者と旅に出ましたか」と困り顔をしていた。側近は、そんなアリシアを見てから「とりあえず。お疲れ様でした」と労うとアリシアも、笑顔を見せるとアリシアが魔王に向かって抱きつく 魔王は「おやおやまいったな。まあいいか。おぉ~い。浩平。勇者は魔王城に置いていくからな」と言うとアリシアの背中をぽんっと叩いてアリシアが離れ

「えっ?」とアリシアは驚きの表情を浮かべた。浩平が

「おい!俺は勇者なんだろ?そんなのありかよ?」と怒ると魔王の側近が「仕方がないんですよ」と答えると魔王の側近は俺に視線を向けてから俺を指差してから 魔王の側近「だって、貴方の体の中にいるのが、魔王の娘の体を借りてますけど。アリシアなんですから」と呆れた様子を見せていた 俺は、そんな魔王の側近に対して文句を言い始めるのだが、俺の意思に関係なく 浩平「俺がアリシアを連れて行けば問題無いはずだ」と口を開き始めて俺は「おい。勝手にしゃべるな」と口にするが 魔王

「残念だが。それは無理だろう?」と笑い出す 俺はアリシアの体を使って魔王に「どうして?」と質問をする 魔王は「浩平の体にアリシアが憑依しているが、お前にはアリシアの記憶が無いだろう?それが理由だ」と説明すると 浩平はアリシアを見ながらも、アリシアの頭を抱え込んで 浩平「アリシアの事は大切にしてやるからな。安心してくれよ。絶対に離さないからよ」と言いつつ、アリシアを抱っこした状態で

「これからどこに行く?」と魔王に質問をした 魔王は、そんな二人を温かい目で見ていた。それから魔王は側近と相談をした後に 魔王

「まずは、アリスの世界に向かうとするか」と言い出してきた。俺が「俺が行って大丈夫なのか?」と言うと 魔王は微笑みながら俺を見ていた。アリシアの母親は「アリシアを頼んだわよ」とだけしか言わずに姿を消した。アリシアも俺と一緒ならどこにでも付いて行きたいと言ってくれたため、アリシアは魔王の側近と、この世界を留守にする事になった 俺は、アリシアと魔王の事を心配する 浩平「二人だけで、この世界をほったらかしにしても良いものなのか?」と言うと 魔王の側近が俺に近寄ってくると俺の手を握ると「勇者様は私の事が信用できないのですよね?」と寂しそうな瞳を見せてきたのである。

俺が困っている中で アリシアが魔王

「私がこの人と行く。だから貴方は気にしないで、この世界に残りなさい」とアリシアが言うと 魔王の側近が、少しの間を空けてからアリシアを見ていた。

魔王

「そうだな。アリシアの言う通りだ。お前はこの世界の王だ。この世界を頼むぞ。それに、もし。魔王の力を持つ者が暴れた場合に止めれる者はアリシアだけだから、任せるから。しっかりと守り抜いてくれ」とアリシアが魔王の言葉を聞くと、アリシアが俺の顔を見上げながら微笑んできた。

アリシア「浩平が魔王を倒した後なら。私も、この世界に戻ってきますからね」と嬉しそうに言い出す 浩平「わかった。約束だぞ」と浩平はアリシアを下ろして頭をポンっとすると アリシア「うん。必ず戻ってくるね」と言って俺達を見送るのだった。俺は、この世界でアリシアと魔王の二人が暮らしていく事を願うばかりだが、浩平として生きていかないといけないと実感をするのであった。

そして、浩

「魔王とアリシアは、今頃何をしているかな?」と独り言を言うと。アリシアの母親が姿を現して俺の横に座る 魔王の母親「アリシアちゃんなら大丈夫よ。あの子は強い子だから。きっと幸せになるはずよ」

アリシアの母はそう口にしながら、魔王の側近の方へと向かい。二人で仲良く話をしながら歩き始めて行く。その姿を見送った後に

「浩平さん。私は今。どんな感じですか?」と俺の体が動き出して、自分の姿を確認するために鏡のある所まで向かうのであった。

俺達は家から出てから魔王の側近と一緒に、この世界を守る為にある場所に向かっていた。魔王の側近が「もう少しです。頑張ってください」と言い

「えっ?」

魔王の側近「ほら、もう着きますからね」と言うと魔王が「ここは俺の領地の一つでもある場所で、俺が管理している世界だ。まぁ~。今は魔王なんて呼ばれているから。俺の事を知る者はほとんどいないだろうけどな」

浩平「魔王って何人くらい居るんだよ?」と俺が尋ねると 魔王の側近「私で3代目ですね。1代目の魔王が亡くなり、2代目の魔王の側近をしていたのが私なんですよ」

魔王の側近が微笑みかけてきて、浩平も微笑んでいた 浩平「そっか。魔王にも色々と事情があるんだよな。魔王の力が覚醒する前に死ぬとかあるもんな」

「それで魔王の力を引き継いだ訳か?」

浩平「そう言えば、浩平さんにお話しをしておきます。今のあなたが知る情報よりも。魔王の力について知っておいて欲しい事があるんです」

浩平「俺が知っていていい内容か?」

浩平が疑問をぶつけると 魔王の側近は首を傾げて不思議そうに俺

「魔王って、元々が魔族ではないんだろ?」と言うと、側近は驚き

「どうしてそれを?!」と聞き返すと 浩平「魔王の城に行って、魔王に会った時に教えてもらったんだよ」

魔王の側近「なるほど。そういう事でしたか」

魔王「おい。お前がペラペラと喋ったのか?」

魔王の側近「はい。いけませんでしたか?」と微笑むと 魔王は「まあいいか」と苦笑いしていた

「そんなことより、俺はその事を知りたいんだけどな」

魔王の側近「申し遅れましたが。現在の魔王は、元人間の少女でして、魔王城にいた時の魔王は先代の魔王の魔力を受け継ぐ前に亡くなってしまい。代わりに魔王を継いだというわけですよ」と説明を受けるのだった。

俺はそれを聞いて、アリシアの体を操っていたのが魔王の側近で、俺にアリシアを任せると決めた時点で魔王の役目を降りるつもりだったんだろうなと考えていた 魔王の側近「そして、アリシアは、貴方に託したいと願っておりまして。貴方が勇者になったと聞かされて喜んでいましたが。本当に貴方が勇者になって、アリシアを任せられる人物かどうか見定めさせてもらいました」

魔王が魔王側近を指差しながら「こんな奴だが、俺が選んだ男で。魔王が務まる器を持つ人間なだけはあるからな」と誇らしげに語ってくれ

「そんなに、魔王の側近は凄いやつなのか?」

魔王側近「ふっ。私のことはどうでもいいじゃないですか。魔王様、浩平様はお強く、とても良い方だと思い。私の主に相応しいと感じていますよ」と笑顔を見せていた

「そいつは良かった。俺は、魔王の側近は魔王が大好きな変な趣味の持ち主なんだと思っちゃったからな」と言うと魔王の側近は笑い出し 魔王の側近「失礼しました。まあ、浩平様なら安心できると思い。貴方にアリシアを託そうと決めていました」と言うのだった 俺はアリシアの事が心配になり、魔王に聞くと。

魔王「大丈夫だよ。魔王の側近である俺の側近の傍に居れば。危険に晒される事もないはずだ」と答えるのであった。

そんな話をしているうちに、大きな湖が見えてくる 浩平「これがアリシアが言ってた湖か?」と質問すると 側近「はい。そうです」と返答があったので。

「そうか。じゃ、さっきも言ったが。お前は、ここでアリシアを守っててくれよ」と言うと 魔王の側近は魔王の顔を見ながら「御心使いありがとうございます」と嬉しそうな表情を見せていた。

そして俺は湖の方に歩いていくと「アリシア!!」と声を上げる

「あれ?」

側近が不思議に思って

「アリシア様。どうしてここに?」と口にして近づいてくるのだが 俺は目の前のアリシアを見ながら「どうして?アリシアなのか?でもアリシアは小春ちゃんとこの世界に残して行ったはずなのに。どうして?俺は夢を見てるのかな?」と言い始めると アリシアは、そんな様子を見てから。ゆっくりと歩み寄ってくるのだが 浩平「なんで?なんで?どうしてだ?」と呟くと、アリシアは浩平の体に抱きついてきた

「ちょ!ちょっと!?アリシア。これは一体?」と言うと アリシア「会いたかったよ。私。ずっと待っていたんだからね」と言うのであった。そして俺も

「そうだよな。俺だって、ずっと会えなかったし。こうしてまた出会えた事が嬉しいよ」と微笑んでからアリシアを抱っこしていた 側近「えっと。どういう状況なのですか?」と言うも、俺にはアリシアしか見えておらず、側近を無視していた アリシアは浩平から離れようとせず アリシア「私は魔王様に言われた通りに、魔王城に居るとね。私が大切に育てていた薔薇が急に枯れちゃってね。悲しんでいたら、そこに現れた勇者と名乗る人が『俺が君の願いを叶えてやる』って言い始めてね。それから私は気がついたら、この世界に連れてこられていて。浩平の事を待っている間に、私の体の中にいるもう一人の私に話しかけたら『この世界を頼む。私が死んで、私の記憶を引き継いでしまったアリシアがいる。この子の力となってあげて欲しい』と言われたから」と言って泣き出す アリシアの涙は止まらず アリシア「だから、私はこの世界に戻って来れたんだよ」

浩平は困惑しており 浩平「つまり。アリシアの中に入った別の誰かによって、アリシアはこの世界に帰ってこれたんですね?」と口にするのであった。

魔王の側近「はい。そう言う事だと思いますよ」

アリシア「そう言う事になると思うわ」と口にしてから俺から離れると、魔王の側近に近寄っていく 魔王の側近「ん?」と首を傾げるも、アリシアの顔

「貴方のおかげで、やっと会えたね。これからは、私もこの世界で一緒に生きて行くね」と話し掛けると魔王の側近は驚いた顔を浮かべていたが嬉しそうに笑みを見せるのであった。魔王の側近も微笑んでいた。

すると浩平のお腹が鳴り出して 側近「おっ!ご飯が出来たみたいですし。戻りましょうか?」と言うも、アリシアが首を横に振って アリシア「今日だけ特別に作ってあげるね♪腕によりをかけて作るんだぞ!」と満面の笑みで言うのだった。それに釣られて浩平は笑顔になるのだった。

「アリシアの料理は楽しみだな。どんなのが出てくるんだろうな」と言うと、俺の体が動き出して「美味しいのをお願いします」と言うと、俺の腕を掴んできたので。そのまま歩き出したのであった。

浩平「俺達の世界の食べ物を食べたり、見たりしてないから分からないんだけど」と口にしながら歩くのであった。

魔王の側近が魔王に 魔王の側近「魔王様は、この異世界をどうやって作り変えていくつもりですか?」と質問すると 魔王は考え込みながら「まずは、俺が知っている範囲の世界から作り変えて行きたいと思ってる」と答えると側近が納得するように「なるほど。確かに魔王として、そうしないと魔王軍を作る意味も無くなりますもんね」と話すので魔王は微笑んでいた。

浩平はそんな二人を見ながら

「二人は何の話をしているんだよ」

アリシア「きっとね。魔王さんが、今の魔族の人達をどうにかして助けてやりたいと思っているの。浩平と一緒に、その魔族を助けようって考えてたんだよ」と言われ。俺は「そっか。それで、どうしたら、今の状況を変えられそうなんだ?」と聞き返すと。アリシアは困りながらも「うん。今の魔王軍の人達を救わないと駄目なのは分かっていて。魔族を差別しない国を新しく作るとか、色々な方法はあるみたいなんだ。けど、今の魔族達を見ていると、自分達は悪い存在ではない。そう思っているような気がしたから」

浩平はアリシアの説明を聞いて、少し考え込んでから「なぁ?もしだけどよ。アリシアや俺が勇者の力を手放したら。どうなるんだ?」と聞いてみると。アリシアは驚き

「どうして?浩平が、そんなことを?!」と驚く 浩平「魔王の側近が言っていたんだよ。魔王の役目を引き継ぐとな。俺達は今よりも強い敵と戦い続けるだろうな。そして、魔王の側近のように魔王の補佐をしなければいけない立場になってしまうと思うんだよ。魔王は魔王の側近に任せればいい。俺は、勇者の力が無ければ、ただの人間に過ぎない。なら、俺は人間を守る側にいたい」と伝えるとアリシアは涙を流し始めるので 浩平「俺は、人間を守りたいんだよ。俺は人間を救いたいんだ。お前に出会って。俺はお前の笑顔が大好きになった。アリシア。俺がお前を守れるように強くなる。だから、待っていてくれ」と言うと。アリシアが浩平の胸に飛び込んできた

「おぉ!おおお!!」

浩平「大丈夫か?」と慌てていたが。魔王が笑い出し「お前らしいよな」と言うのだった。側近も呆れていたようだが、「まあ、良いじゃないですか」と言い「魔王の側近。この子もお前と同じだな。優しい子だよ」と言うと魔王の側近は「はい」と微笑むのであった。そして

「なぁ?アリシア」

アリシア「なーに?」と甘える感じで話してくる

「いや、なんでも無い」

浩平は何かを伝えようとするのだが、それを飲み込むと「それより。早く帰らないと飯が出来てるんじゃないか?」と言うので。

魔王の側近「そろそろ良い時間になりましたね。アリシア様が、お料理がお上手だと言っていたのを思い出しまして。私とアリシア様で、魔王城から出るときに持って出た食材を使わせて頂いておりました」と言うと。アリシアは嬉しそうにするの

「そうだったのか。アリシアの手作りのご飯を食べるのは初めてだから、楽しみだよ」と言うと。アリシアが笑顔を見せてくる 魔王の側近「魔王の側近としては複雑な気分ですが」

浩平は、アリシアに抱きかかえられながら「そんなことは、もう止めてくださいよ。俺の彼女なんだからさ」と言うと 魔王の側近は苦笑いを見せていた アリシアは嬉しそうに浩平の頬にキスをするのを見て 魔王の側近は笑顔を向けてくるので、俺も魔王の側近に向けて微笑んでいたのであった。

それから俺が、アリシアを抱きかかえて部屋に入ると。小春ちゃん達が嬉しそうな顔を浮かべていた。

「んっ!?小春の格好が変じゃないか?」と言うと アリシア「小春ちゃんね。浩平のことが心配すぎて。小春ちゃんも浩平の部屋で生活しようって。私が小春ちゃんに相談したら。浩平の家に泊まることにしてくれたんだよ」と言うと。小春ちゃんは恥ずかしそうな表情をしていた。

俺は「小春ちゃん。ありがとう」と頭を下げると。

「ん~!可愛い!本当に妹にしてあげたくなるぐらいだ!」と抱きついてみると。小春が嫌がった表情を見せたのだった。それを見た魔王の側近は驚いて「えっと。魔王様に言われた通り。私が作った料理を用意しております」と言ってテーブルの上に並べ始めたのだ 俺はアリシアから降りて 浩平「ありがとうございます」とお礼を言うと、アリシアから「魔王さんにも言わないとね?」と言われてから、俺はアリスに頼んでから俺達の世界の言葉で魔王に話し掛けるのだった。内容は簡単なものだったからすぐに伝わったらしく。魔王は微笑んでいて、側近は安心していたのであった 浩平も食事を取り始めてアリシアを見ると。凄

「うまいな。アリスも手伝ってくれたんだな」と言うと。アリスが照れて俯いていた。俺が微笑んで頭を撫でると。嬉しそうな顔をしてくれていた。すると、俺の肩を叩く者が現れ。振り向くと、そこに魔王の側近が立っていたので「ん?」と反応すると 側近「私の作った料理を食べていただけないんですかね?」と悲しそうな表情で言ってきたため。

「いただきましょう。魔王様。この人、料理だけは一流だから」と言うも。魔王は、どこか不満気な様子だった。アリシアも料理を美味しいと感じて「美味しいね」と口にすると

「この世界の料理って。こんなに美味しいものばかりだったんだな。それにして、小春は、いつもの格好に戻っているが、良かったの?」

と聞くと 小春は嬉しそうにしながら「はい♪浩平先輩が帰って来ると信じて、私は、いつ帰って来ても良いように着替えなどは準備しておりましたので」と笑顔で言うと、アリシアは「流石だね。私もそうしようと思っていたけど出来なかった」と口にするとアリシアも微笑み「私には出来ない事を簡単に出来るのが小春の良いところですね」と話し掛けながら、自分の世界に戻るのを忘れたかのように。楽しそうに食事を楽しむのであった。

食事をしている時に。魔王がアリシアに「勇者よ」と話し掛けると。勇者と呼ばれたアリシアは少しだけ驚いた後に

「はい。なんでしょうか?」と答えた。

魔王「アリシアには、浩平の世界の言語を教えてくれないか?」と話すと、俺は驚き。

「え?どういうこと?」

魔王は真剣な顔で「お前達は、まだ知らないかもしれないけど。今のままじゃ。俺達の世界は滅ぶ可能性がある」

アリシア「そうですよ。貴方達人間は勇者という存在を作り出させ、自分達は安全な場所で勇者に頼る。そうすることで、勇者を利用してきたじゃないですか。だから。自分達の過ちを認めないで勇者に頼らないと何もできない人間なんかより、勇者の俺の方が。人間を救おうとしているのですから。人間を滅ぼすなんて。そんな馬鹿な事を言い出さないでください」

俺が、この世界で生きて行こう

「俺が、この世界の人間になる」

アリシア「え?」

浩平「勇者に守られる必要も無いから。アリシアが守る側に回る必要は無い。アリシアを危険な目に合わせるのも申し訳ないし」

アリシア「ううん。大丈夫だよ。私が、浩平を守っていくんだもん。浩平を傷付けるような人間を浩平が守りたいって言っても。私は守れないから」と言うも、浩平が首を横に振って 浩平「大丈夫だよ。だから、お前は自分の好きなようにして良いんだぞ?」と微笑むが、それでも納得がいかないようなアリシアが困り果てている姿を見兼ねてなのか。

アリシア「浩平がそこまで言うなら仕方が無いけど。浩平も。無理しないでよ」と言いだすが。俺はアリシアの手を握る

「ああ。分かったよ」

浩平「アリシア」

アリシアは少し頬を赤らめて「何?」と答えると。俺に寄り添い。

「俺と、ずっと一緒にいてくれないか?」とプロポーズすると。アリシアは泣き出したのだ アリシア「いいの?本当に。私を選んでくれるの?」

俺が「当たり前だろ?アリシアの事は大好きだ」と言うと。アリシアは「わ、私も大好き!」と言うので抱きしめる。そしてアリシアと俺の関係は、また変わったのである。

俺は魔王城に泊めてもらい。次の日を迎えるのであった。

アリシアに抱き枕にされて朝を迎えてから、ゆっくりと起き出すと。アリシアが寝惚けながらも「浩平おはよう。好き。浩平大好き」

「ああ。俺もだよ」とアリシアの唇を奪うと。俺から離れなくなった

「おいおい」と苦笑いをしながら、俺は魔王達に「おはようございます」と言うと。魔王は呆れていた アリシアは「浩平は今日は何するの?」と聞かれたので

「そうだなぁ~。魔王様に挨拶をしに行ってから」と言いかけると、アリスが部屋に入ってくると。

「魔王様は、アリシアの呪いを解きに行きますよ?」と教えてくれた。

そして俺が朝食を食べたあと。俺達は、まずは魔王に会いに行くのだった。

俺が「お久しぶりです。昨日からお世話になっております。」

「元気にしておったか?我が城に来たときとは随分と成長したな。それにしても、そなたがこの世界の言葉を理解できているようで良かった」と微笑んでくれていたのだ 俺は「アリシアから学びました」と言うと。アリシアが得意げに微笑んでいたのだ

「まあ、それは良いのだが。実は魔王としてやるべき事が出来たのでね。しばらく留守にすると思うのだよ」と言ってきていたが。俺は「魔王様が不在でも俺の国はどうなりますか?」と思いを聞いてみた。すると魔王は俺の顔を見ながら「浩平よ。お前はこの国の王になりたいのか?」

浩平「いえ、正直。面倒なので遠慮したいのですが」

「ならば問題無いではないか。アリシアは勇者だから、しばらくはこの国に滞在してもらうし、浩平にはアリスをつけるから。この国は任せておくが良い」と言うので、アリスも嬉しそうだった。アリシアは、そんなアリスを見てから。

「魔王さんは、これから何処へ行かれるので?」と聞くので。

「んっ?アリスを鍛え直さねばならぬのでな。その準備があるのだよ」と言うと アリスは、嬉しそうな表情をしながらも「よろしくお願いします」と言うも。アリシアとアリサも行く気でいた

「あの。アリシア様は解りませんが。アリサちゃんは、浩平様と一緒に居ても大丈夫ですか?」と心配した表情をしていたので

「んっ?俺は大丈夫だと思う。浩平も俺達が守るって言っているから」と言うと。魔王の側近が

「私が行きましょう」と名乗り出るも 魔王「ダメだ」

魔王の側近「しかし。魔王様に何かありましたら」

魔王「魔王としての責務を果たすだけだ」

魔王の側近「はい。分かりました」

魔王の側近「浩平殿は、こちらで待っていて貰えますかな?」と言われて俺は

「俺は、アリシアとアリサに同行させていただきます。俺はアリシアを守る為に。浩平が俺を守ります」

魔王

「ほう~。なるほどな」

魔王の側近「えっと、では私と共に行動されるのでしょうか?」と言われて 俺は、ただうなずくだけであった。それを見た魔王側近も、どこか照れた顔をして「私に任せて下さい」と言ったため。アリシア達はアリサにアリシアを乗せてもらって。空を飛びながらアリスと、特訓をすると言っていたのだ。そして俺が一人になると

「浩平君~♪遊びに来ちゃった」と小春が現れた。小春が来ることを予想してなかったわけではないが アリス「あら?小春様ではありませんか」と言うアリスの言葉を聞く限り、アリス達はまだ小春の存在に気づいていない様子だった 俺もアリスの方

「小春は、俺の世界に来るつもりなのか?」と聞くと。小春は嬉しそうにしながら 小春「だって、もう離れないって約束してくれたでしょ?」と嬉しそうに話してくるので

「ああ。確かに」と言うも。俺としては小春を連れてくる理由が無かった為。俺が一人で居る事を伝えると 小春「そうね。今は一人みたいね」と言うも。俺は「小春は、この世界に留まるんだろ?」と小春に尋ねると。

小春「そうね。この世界は、私には辛いから、浩平くんがいるこの世界にいたいわ」と笑顔で言うと。魔王が突然

「なに!?」と驚いていたが。アリシアから連絡が入ったようだ。魔王が通信を終えると 魔王「アリシアからの連絡だと。お前が浩平の所にいる小春は。俺の知る人ではないらしいな。小春と申すか。お主が、本当に勇者なら、この世界から去ってもらう必要があるな」と言うと 勇者「お前が、俺の仲間にした浩平に。魔王を裏切れと命じたのか!ふざけるんじゃねぇぞ!」と言い出すも俺は慌てて勇者を止めようとしたが。小春は動じる事なく勇者を見つめると「仲間?」と疑問に思っていたらしく聞き返すと。魔王は何も言わずに剣を抜き出すと。俺に向かってきたので 俺が魔王の腕を掴み押さえようとすると 小春の蹴りが飛んできた事に気づいたので腕を放すと。魔王の腹目掛けて飛び込む形で突っ込んできたのだ

「あぶない」と言って魔王を受け止めると同時にアリシアの声を聞き取ると

「浩平?聞こえる?大変よ」と言われ、急いでアリシア達の所に戻ろうとするものの。それを見ていた魔王の側近が、いきなり殴りかかって来たのだ

「危ないだろうが。急に殴って来るなんて」と言うも側近が「その手をどけてください。貴方が、本当に魔王を救ってくれたのは分かっております。だからこそ。私の手で」と言ってきたので、俺は手を話す事は無かったが。俺は、魔王を庇うように立っていたので。俺は側近に、後ろ向きのまま話しかけた 浩平「あんたも。この世界の人間の被害者ってところだろうな。だがな、俺も、この世界の魔王なんだ。悪いが。俺の邪魔をするような奴には容赦しないからな」と言うと魔王は「良いのか?」と聞いてきていたので 浩平「ああ。魔王は俺じゃないし。俺を慕って来てくれた奴等を守らなきゃならないから」と魔王の事を気にしつつ言うと。魔王が「浩平」と一言言うだけで 魔王は、何も言えなくなっていたので。俺はアリシアのいる場所に戻り。アリスにも説明をして、アリシアは「わかったわ。任せておきなさい」と言い アリス「小春さん。浩平様は私の物ですからね」と言い放つと 小春は「わかってるよ。浩平君は、渡さないもん」と言うと アリスが微笑み「良い覚悟ですね」と言い出すが。俺は、アリスが本気で斬り

「アリシア様の呪いを解くんですよ」と怒っていた。アリシアも「私は別にいいんだけどなぁ~」と言っているが。俺も「呪い解いたら一緒に風呂入る」と話すと「解った。解いたよ」と言うと アリスが呆れていたが。小春もアリシアも「一緒にお風呂入りたい」と言うと。アリスも「浩平様なら問題ありませんが。お二人もですか?」と言うとアリシアが「うん」と答えていた。

浩平「じゃあ。とりあえずは、アリシアがアリサに乗りながら、空を飛んで。そのあと。俺がアリシアを抱いて。小春が俺に乗る」と提案

「でも。アリシアちゃんが、アリシアちゃんでなくなるの?」と聞くと。

浩平「俺の記憶は、アリシアがアリシアの体で俺を受け入れてくれるのであれば問題無いよ。それと、俺と一緒の時にアリシアと俺の子供を産むとか。俺の妻になる事も了承してくれる?」と聞くと アリシアは嬉しそうに「はい」と言うも

「あの。私がこの世界での浩平の妃になってもいいんですか?この世界に、居られるかどうかは分からないですよ」と言うも。俺はアリシアの手を握ると 浩平「何言っているんだよ?居てくれなければ困る。それに、小春も居るしさ。まあ。これからどうするか決めるとしてさ。まずは呪いをどうにかしようぜ」と言うと

「はい」と嬉しそうにして答えてくると 魔王が突然現れて、「俺の出番か」と言うとアリシアを見て 魔王「貴女が、魔王の娘であり、この世界の魔王と言う事は理解している」と言うと。アリシアは「それがどうしたと言うのです」と言うも 魔王の側近「アリシア姫は、この世界を敵に回すつもりなのか?」

アリシアは

「浩平がそう決めたから」と言うと 魔王の側近「なるほど。ならば仕方が無いが。しかし魔王よ。今すぐ、この者を連れて行ってください。これ以上この者達と接触する事は危険すぎます」と言うと。魔王は「俺に任せて貰おう。浩平は、これから大切な会議に出るために城に戻るから。その前に」と言うも。魔王の側近が魔王を掴んで引っ張ろうとしていたので。アリシアは「私も同行します。この者をこのままにするわけにはいきません」と言うも。俺は「アリシアは残って欲しい。アリシアはこの世界に残るか?残る気はないのなら連れていく意味は無いし。俺と居て欲しい。もし俺の所に来るのなら。その時に、一緒に行こう」と言うと アリシアは嬉しそうにしながら

「私。浩平と行くよ」と言う そして俺とアリシアだけ先に部屋から出て行き。魔王は小春に説得されて連れて行かれ。俺達だけが残った部屋にアリサが現れたのだ。アリサも俺を見ると泣きそうな顔になり

「浩平だよね?」と言うが。俺はうなずくと。俺にしがみつき。そのまま泣かれて俺は抱きしめてあげた。そしてしばらくしてからアリサに俺達の世界について説明をすると 俺達が話し合いをするために城の会議室に向かう事になった。そして向かう途中アリサが俺の腕を抱きながら アリサ「浩平と、こうするのも初めてだよねぇ?」

俺が「確かにそうだな」と言って アリサが抱きつく力を強くして俺にくっついてきたのであった 俺達が、会議室に着いて。扉を開けた直後に魔王が現れてきて――

魔王

「浩平よ。久しいの」と言い出したのだが 浩平は

「久しぶりですね。それより、小春は元気にしていますか?」と聞くと 小春が俺の横に立ち。笑顔を見せて。「浩平君♪会いたかったよぉ」と言うと 俺は「俺だって。会えて嬉しいんだぞ。それで魔王よ。今日は何用か?」と聞くと 魔王が少し間を置いてから

「我から一つ提案なのだが、そち達は。お互いを理解しあった方が良いと思うのだ」と言い出すので俺はため息を吐きだし 俺は、「あんたが言いたい事の意味は理解できるけどな?それは必要なことなのか?」と尋ねると。アリシアも呆れた様子だった。

だが 勇者であるアリシアの父であり、先代魔王でもある人物が口を挟む形で話し始める。アリシアの父親は魔王の側近からアリシアを引き剥ぐような形でアリシアを連れて行った後、アリシアを連れ戻そうとしてきた勇者と戦って殺されたらしいので アリシアの父親には複雑な感情があるようだったが アリシアの父が「私としても不本意だが。アリシアを返してくれないか?私はもう引退した身だが、娘の安全を考えると、やはりな」と言ってきた。

俺とアリシアが目を合わせると 魔王が「それでは決まりという事で良いかな?」と言い出していたが 浩平は

「ああ。だが。俺はお前達のやり方を認める気はないがな」と言い放っていた。

アリシアが魔王に対して

「お主は何故にこのような方法を取る?」と問い詰めるも 魔王が「お主こそ、なぜ浩平を手放そうとするのか?その理由を聞かせて貰えないだろうか?」と聞き返すので。アリシアは、浩平との今までの事を語り始めたので。魔王は 魔王「ふむ。そんな理由が有ったのじゃな。すまなかった。浩平。まさかお主の気持ちを考えず。勝手にこの娘を連れて来てしまった事を許して欲しい」と言うと。浩平は「魔王よ。あんたも被害者だから、このアリシアの件はこれで終わりにしておくが、今後は。俺の大事な家族に迷惑を掛けないでくれると助かるな」と言うと 魔王が「わかった。以後気をつけると約束しよう」と言うと 浩平が

「アリシアを俺の元に返してくれたら今回の事を水に流す」と話すと アリシアが「父上」と言いかけるが、アリシアは俺の方に顔を向け。

「お義父さん。私の父はあそこにいる、魔王のはずなのですが。私が知っている人物ではないのです」と話し始めると 小春やアリスまで驚く中で。

小春「でもでも。あれって間違いなくアリスさんのお父さんじゃない?」と言われてしまい 浩平としては、何が起きたかわからないような状態だったのだが 俺はアリサに「アリスさんの父親の姿に変化してる?」と言うとアリスが、自分の父親を見た事があるかのように話すのを聞いているので俺は小春達に聞いてみた 俺は「あのアリス様のお父上は、あの人なんですか?」と聞くも アリスの母から聞かされた話は本当のようだと思った瞬間でもあった そして、アリスが魔王の側近から何かを聞き出していたので側近の話に耳を傾けるしかできなかった 俺は側近から

「浩平様。アリシア姫を連れ帰るために戦った時、勇者はどのような戦い方をされていましたか?」

と質問されるも 俺「俺は、戦っていないから、知らないんだけど。でも小春ならわかるはずだ。アリスの父親の勇は強いって聞いたが、アリシアを攫うのが精一杯だったみたいだけど?」と話すも。

小春も驚いた顔を見せつつ

「うん。浩平君の言っている事は間違いないよ?でも、私も知らなかったけど。今のアリシアちゃんのお父さんって、アリシアのお父さんと違うんじゃない?あの人の魔力量。浩平君の世界の人間の物じゃ無い気がしたから」と言うので。

「小春が言う通りだ。あの男は、異世界からの迷い人だったんだ。そして。あいつは勇者としての力を与えられてはいたが、人間としての力は弱いんだよ」と小春と俺が話し合っていた。そんな中で、アリスとアリシアが真剣な表情をしていたのを俺は見ていたのであった 俺「おい。アリシアの父親は、本当に魔王だったんだよな?」とアリシアの肩を掴みながら尋ねると 魔王が「そうじゃ」と言い切るも アリシアが「いえ。浩平が、お義母様に話していた事は真実ですよ。浩平の世界で魔王と呼ばれていた人物は、確かにアリシアの父親と似てはいましたが。別の存在です」と言い切るも。アリシアが、その言葉を言い放った時に魔王の顔色が変わった事に俺は気づくと。

魔王の側近が「魔王よ。どうなさるのですか?」と問いかけるも 魔王が「浩平。すまないの。どうやら、お主には隠し通せなかったようじゃ」と言うと。魔王の側近がアリシアとアリシアの母親を見て

「どういたしますか?」と問うと。アリシアは、小春とアリシアに顔を向けると

「私達。二人に嘘をつくわけには行かないよね?」と言うと 小春は「そうかもね」と答えた後に。

俺は、二人の話を聞いていた そして魔王が「我が。浩平を騙していたことをお詫び申し上げる。実は。この世界に召喚した者達を勇者としてではなく。魔王討伐のための尖兵として使い潰しては魔王軍の戦力にするために使っていたのだ」と言い放つと アリシアの母親が「そうですね。私があなたに教えた情報に。魔王城が有る場所を魔王軍が攻め込んでも、魔王は魔王城の自室から動かない。魔王の実力は本物。と言う事が書かれて居ましたよね?」と言うと。

俺も、小春もアリスまでも驚いてしまった 俺「それは、つまり。俺がアリシアを守れるように育てて欲しかったから、この世界に来てから。ずっと俺の近くに居させてくれていたって事か?」と尋ねると。

魔王が「そうなのじゃ」と言い切ってしまうので。俺は

「それならそうと早く言ってくれた方が良かったのに」と言ってしまう 小春もアリスもアリシアでさえ

「そうだよぉ~」と言っていた。そして 魔王が「我としても言い出せなかったが。勇者達が命を落とし。アリシア一人が生き残った時の事を考えればな」と言ってきた。

俺は「それでだ。どうしてアリシアの父親は。俺の世界に居たんだと思うんだ?」と聞くと アリシアが「浩平が言ったとおり、私の父親には勇者としての力は殆ど有りませんでした。それでも私とアリシアが生き残るには、アリシアの父親に頼るしかなかったのが、本当の理由ですね」と答えてくれた。

俺は魔王に近寄り

「まぁ、それは俺も同じだよ。俺だって力なんて持っていないしな。だからこそ、お前に頼らざるを得なかった訳だが」と言いながら魔王を優しく抱き寄せてから

「お前はお前で辛かったと思うから。こればかりは、お互いに責められる事では無いから気にしないでくれ。俺がお前の立場でアリシアを託さなければいけない状況に立たされたとしたら。俺は同じ選択をすると思うからな」と言い 魔王を抱き上げ「部屋に戻って寝ようか?」と言い出すも アリシアは、アリシアの母親がアリ

「浩平様?アリシアはまだ妊娠できる身体になってませんよ?お腹の子供を育てる準備ができておりませんよ?それに、お二人は愛し合っているんですよ?まだ正式に結婚した訳ではないんです。それなのに。お部屋に籠るなんてダメですからね!」と言われるのだが。俺は苦笑いするだけで済ませる事しかできずにいた。

そして、俺達は魔王城を退散する形で立ち去ることにしたのだが。俺の傍を離れようとしなかったアリスを連れて行き アリサとアリシアが、俺について来る事になったのだが。

魔王の側近が、俺に向かって「アリシア様がご一緒でなくても宜しいので?お連れになりますよね?お連れにならない場合は、私共が責任を取らなければいけなくなりかねず。困ってしまいましてな」と聞いてくるのだが。俺が「大丈夫なのか?」と尋ねてみると 魔王が「構わん」と言い切ってくれたのと 小春が

「魔王様もアリシアちゃんのお母さんもいるから。問題はないと思います」と話してきた。

そして 小春に「魔王さんも。お城に帰りたいって言ってるから」と言うと 小春は、「浩平君がアリシアちゃんとお付き合いするのは構わないって言ってるよ」と言うので。魔王の配下に案内されるがままに、魔王の城まで戻って来た。俺はアリシアとアリシアの母親に

「今晩、アリシアと一緒に過ごさせてくれないか?」と頼むと 魔王の側近から、俺にだけ聞こえる声で「どうやら。勇者に勝ったそうですな。アリシアは、あの男の嫁になる運命に有った。だからなのかもしれんな」と言い 俺は「そう言う事なら」と返事を返していた 小春とアリスの二人がアリシアの両親とアリシアを先に部屋に戻しに行く事に 俺とアリシアが、俺の部屋に向かいながら歩いている最中で、アリシアは嬉しさを隠しきれていない感じだった。

そんなこんなでアリシアの手を握りつつ。部屋に入ると。

「なあ。アリスと二人で居るときはどんな話をして過ごしているのか聞かせて欲しいんだが?」とお願いすると アリシアが顔を赤らめつつも

「うん。良いよ」と話し始めてくれる アリシアはアリスと出会ってから。毎日のように俺の事を話し合っていた事を話してくれていたので。

アリシアは、アリスとの思い出を語り続け。夜まで過ごす事になっていた。俺は、アリシアとの話を終え。俺の膝の上に座りながらも俺の腕を抱きしめ。気持ち良さそうに眠っているアリスの頭を撫でていた。

俺「幸せだ」と呟くと アリシアは、アリシアの母親の膝枕をしてもらいながら「私は浩平に抱かれてるのが一番の幸せなんだけど」と答えるので。俺は微笑みながら。俺は「そうだな」と答えた 俺はアリシアの頭を再び優しく。アリスが起きないように気をつけつつ。ゆっくりと撫でていくのだった 小春とアリスは、小春が持ってきたゲームをしながら遊んでいる姿を見る事になるとは思いもせずに アリシアとアリシアの母は、俺の隣に座って俺の肩に手を置きながら俺にもたれ掛かっているアリシアを見守りながら。俺はアリシアの髪の毛の香りを楽しみつつアリシアを眺めるのであった。

アリシアが眠ってしまった後は。アリシアの母がベッドに運んであげて そのまま一緒に眠る事にした。そして、その日の夜に、アリシアが「おはよう。私の大切な旦那さま」と

「おはよう。アリス」と挨拶を交わすと アリシアの両親が「アリスの相手は誰なのじゃ?」と言う質問に対して 俺は少し考えた後 アリシアを抱きしめながら「この子は、アリシアって言うんだよ。魔王と勇者の間に産まれてしまった。アリシア。魔王の娘なんだ。だけど、俺が魔王を倒してしまったから。魔王に娘として殺される心配は無くなった。これから、俺は。アリシアを俺の彼女として迎えようと思っていて。この子を俺のお嫁さんとして、迎え入れても良いかな?」と アリシアとアリシアの母親に伝えると 魔王が「それは良かった。我も賛成ですぞ」と言い放つので。俺は、二人

「ありがとうございます」と言い。アリスの方を向いてから

「俺は、お前を愛し続けるよ。絶対にな」と言って。アリスを引き寄せて、俺の頬に唇を当てる 俺はアリスの唇を奪い返すように。アリスが息苦しくなったので離すと。俺はアリスの頭を手で抑えつけ。舌を入れてしまう程に濃厚に絡み合わせ。俺はキスを止めると。アリスの顔が真っ赤になっていて、俺の方を涙目で見てくるので 俺はアリシアと魔王と母親を見てから

「二人に紹介しておきます。この子が、この世界の魔王を俺の力で封印した子なんです。そして、俺の愛している。妻でもあるんです。なので、二人の事は家族だと認めています」とアリシアが言った後にアリシアに口づけを交わした。

俺の行為と、アリスの姿を見て。魔王がアリスを「アリスよ。我に顔を見せておくが良い」と言うので。

アリスは魔王の前に行くと。魔王が手を差し出して

「この男。天川浩平の妻になったアリスよ。我の姪であり。娘の婚約者でも有るのだな」と言って。アリスも魔王に抱きついてから「叔父上、叔母上の姪で有るアリシアの姉で有るアリスと申します。魔王である叔父の魔王殿を浩平様のおかげで、助けていただいたのですが。その時に私が魔王の血を受け継いてしまいました」と言い切ると魔王が涙を流し始めた 俺「アリシアを嫁にしたいって、言っていただろう?」と魔王に声をかけると 魔王がアリスに向かって

「アリシアが愛し合い。お前を産んだのならば。我は祝福しよう」と言ってから 魔王が「勇者は?」と言ってきたため。俺が「勇者には、俺が勝って魔王を倒してからは、勇者の称号を捨てて、俺の仲間になっているんだ」と話すと魔王が驚いたような表情を浮かべ 魔王「勇者は、勇者で居続けたいと望まなかったのであろう?」と言うため。俺はアリシアを見ながら

「俺がアリシアの父親に勇者を辞めさせて欲しくないと言ったらな。俺の望み通りに、アリシアの父親は俺の望む事だけを考えてくれているみたいだ」と答え 俺「まぁ、色々と複雑なんだけど。簡単に言うと。俺とアリシアは正式に結婚してから。アリシアが魔王の力を持っていても。俺との子供を作り。産んでくれるのであれば構わないと。魔王も許してくれるよな?」と言うと。

アリシアは、アリシアのお母さんに抱きしめられながら泣き出してしまう 魔王は「アリシアは浩平に惚れているからな。仕方がない」とだけ言ってくれた。

俺は、アリシアが泣くのを落ち着かせる為に。魔王と母親に任せて俺は、アリスの相手をする事にしたが。アリシアも魔王と母親も部屋を出て行ったのだった。

俺はアリシアを泣かせてしまって。どうすれば良いのか分からずに 俺「すまない。俺が悪いよな。魔王に頼む前に、ちゃんと伝えるべきだよな」と言いつつも 俺はどうしたら良いのか分からなかったので ただひたすらにアリスを撫でるだけで時間が過ぎて行くだけだった それからしばらく経ってから。

落ち着きを取り戻したアリスが俺の方に振り向いてきて

「私ね。嬉しいんですけどね。浩平君の子供を授かる事が出来る身体じゃないんですね?それに、私達はまだ籍を入れてないし。結婚式だってして無いんです。それなのに、いきなり赤ちゃんの話は早すぎですよ?」と言われたのだが。

アリスは嬉しさを隠すかのように微笑み

「だからね。もう少しの間だけでいいから私とイチャイチャする時間をくださいね?」と可愛らしい事を言われるがまま 俺は、可愛い事を言われているのだから我慢

「俺の事を嫌いにならないか?」と不安になりつつ アリスに聞いてみた すると、アリスが「浩平君は、私の事が嫌に成ったのですか?」と言うので。俺も焦り気味に「そんな訳が無いだろ。アリスの事を嫌っていたら、俺は、ここに来てはいない」と本音を言うと

「うん。分かっていますよ。ただ。ちょっとだけ意地悪したくなっちゃいました」と笑い出すのだった アリスは、小春ちゃんと仲良くなったのもあってなのか、小春ちゃんと同じ雰囲気を纏うようになっていた。それがまた俺にとっては心地良い空間を生み出してくれる 俺はアリシアに視線を向けながら、

「アリシア。魔王の娘としてではなく。一人の女性として、俺に好意を持っていてくれるのは凄く分かる。だけどな。お前が魔王の娘で有る限り。勇者の娘という事で俺と一緒になれないのも理解は出来ている。だが、俺はそれでもお前と一緒に居たい。俺と結婚して欲しい。俺の傍にずっと居るんだ」とプロポーズの言葉を告げると アリスは俺の胸に飛び込んできて

「はい。喜んで。あなたの妻にして下さい」と俺にキスをしながら答えるのであった。

そして、アリシアも部屋に入って来て俺の隣に腰をかけると

「あの時は、ごめんなさい。お母様に甘えすぎていて。私は、あなたの奥さんになりたい。お願いします。」と

「あ~。その件についてはだな。別に謝って欲しいわけじゃなくてだな。魔王を倒した後に俺に抱きついて来たときがあったと思うが。あれは俺を好きになってくれていたんだよな?」と 俺は少し恥ずかしくなりながらも アリシアとアリスを見てから聞くと 二人は俺を見つめながら。お互いに顔を合わせ。二人で俺に

「はいっ」と言い切った後 俺も照れながらも二人に抱きつき

「俺も好きだ。二人共、大好きだよ」と言い。俺は二人の唇を奪う 二人にキスをしながら俺は二人に囁く

「二人の唇を奪っていく。俺は悪い男なんだよ」と言い 俺は二人に何度も深い濃厚な大人の口づけを交わした 俺達は、三人での熱い時間を過ごしたのであった 俺は朝から魔王の娘アリシアとアリシアの叔母で有あるアリシアの母親と。

三人だけで過ごす甘い時を過ごしてから朝食を済ませると。俺は 二人を連れて屋敷を案内しつつ 二人に色々な話をしていた 俺「そうだな。俺はな。勇者に勝って魔王を封印した後は、仲間になった人達を家族のように扱うつもりだし。その辺りは俺の嫁であるアリスやアリシアと変わらない」と話ながら歩いていると。俺に寄り添っているアリシアは俺の腕を掴み

「浩平君、アリスが、アリスが変なんだよ」と言う 俺が「どういう意味なんだ?」と言うと

「なんか、こう。アリスとアリスの母親との距離が近いような感じで。アリスが二人に嫉妬しちゃって。私の方が、先に浩平くんのお家に引っ越して来てたから、その分アリスは出遅れて悔しかったんじゃないかな」と話し

「そっか」と言うとアリシアも何かを言いかけたのだが、言葉を飲み込むように俯いてしまうため。俺は頭を撫でてやり、二人に聞こえないように「安心しろよ。お前が一番大切だから」と言ってやった 俺が二人の頭を優しく撫でている光景を眺めて微笑む魔王だったが 俺の方に向かってきている女性を見つけて、一瞬、険しい表情を見せた魔王がすぐに普段通りの魔王の顔に戻してから話しかけてきたのだった 俺も魔王の変化を感じ

「俺の目の前で誰かが死ぬのは見たくないな」と呟いていた

「ああ。そうかも知れぬな」と魔王が俺にだけ聞こえる程度の声で返事をするなり。俺は、勇者が歩いてくる方角を向く 勇者が俺達に近寄ってきて「天川浩平、アリシア。アリシアのお母さん、おはようございます」と言い、軽く頭を下げてくれたので。俺達も同じように返してから 俺「おはよう、アリシアのお母さん」

俺も魔王の事は気にせずに、アリシアのお母さんの方に顔を向け挨拶をしたのだが 勇者「浩平殿、この女性は?」と言われてしまった

「こいつは俺の妻になる女だよ。名前は魔王だ」「えっ?」と言う勇者に対して俺は苦笑するしかなく「俺達が昨日倒したはずの魔王の娘でもあるんだぜ?」と言うと勇者も驚きの表情を見せるものの納得していた。

そんな勇者に対し魔王は冷たい視線を向けるも、特に反応せず勇者との会話を楽しむ事にするようだ そして勇者と別れた後は魔王城に戻る事を伝えたのだが、何故か魔王まで付いてきたのは何故なんだろうか?まぁ理由はわかるけどな?だってな?この人はな?アリスを溺愛していてだな?俺とイチャイチャする姿を見ると娘が取られた気がするからだろうさ。アリスが幸せそうなら問題ないとばかりに黙ってるだけだから

「魔王様がどうしてここに?」と勇者が言うので。俺は勇者に説明をすることにした「実はね。勇者が魔王を倒しに行ってる間だけなんだけどね。アリシアとアリシアの母親が魔王として復活をして、勇者が来るまでの短い時間でアリシアに世界の半分を支配しろと言っていたんだが。まぁ、俺は勇者には勝って欲しいと思っていたんだけど。結局、アリシアの父親が現れてくれなかったら勇者は、死んでしまったんだけどな。で、その後アリシアの父親はアリシアに俺と夫婦になるって事を許してくれていて、俺は、その時アリシアと結婚させてもらうつもりだったからね。でもな?俺の両親は反対すると思ってたんだけど、アリシアのお父さんは俺の事を良く知ってくれた上で、アリシアの父親に認めてもらいたかったら魔王を倒すしかないよなって言ってくれてるから。魔王に認められた俺としては、勇者には負けて欲しくはないんだよね」

「なるほど。魔王様を倒さないために浩平殿がアリシアさんのご両親と話し合い、アリシアさんと魔王の娘アリシアさんと、その母親のアリシアさんを婚約者にした訳ですね。それでしたら、私が魔王城に行こうと思ったのですが、魔王城は魔物に支配されていると聞きました。それにアリシアさんが居る場所を教えて頂けますか?」と言い 俺はアリスの方を見るが 俺に見られたアリスが「うん。私にも教えて」と言い出したので アリシアが「アリシア、お前はここに残れ」と冷たく言うがアリスが泣きそうな顔をしながら。俺の方に振り返り、「アリスだけ仲間外れは酷いよ?それに私はね。浩平君の一番で在りたいから。お母様達と一緒に行きたいの」と言い出すのだった 俺は少し悩んだのだが 俺「俺と魔王、そしてアリシアとアリスの四人で行くのはどうだ?」

俺が

「俺は、アリシアの事を誰よりも好きだからね」

俺が魔王の手を握ると魔王は俺に笑顔を見せてくる 魔王がアリシアに手を向けて「浩平は我のだ。貴様に渡せるはずもなかろう」と言う 魔王が俺に手を差し出してきた 俺も魔王の手を取り 魔王が手を振り払うも俺とアリスは離さずに握り合い

「俺がアリスの事を幸せにするよ」と魔王に言い放つと魔王は嬉しそうな顔になり 俺の背中に飛び乗ってきたアリスも「浩平君、大好きです」と言いながら抱きついてきて。

魔王「我がいるというに浮気をするつもりか」と言いながら俺の耳元に口を近づけ

「二人共好きならば仕方ないではないか」と言い出し。魔王の唇を奪い 勇者「う~ん、これは流石に見てはいけないような」と思いつつも、その場から動く事が出来ず、その場に立ち尽くして、呆れたように溜息を吐くしか出来なかったという出来事があり。それからしばらく歩くこと数分後

「うわっ!すげぇーでかい門があるんだな」「確かに凄い門構えだな。こんなでかくなくてもいいような気もするがな。しかも頑丈そうだしな」「あぁ。ここまで大きな扉は初めて見たかもな。凄い技術だな」などと感心した表情で話していた俺たちは中へと入って行ったのだった。

「おい、お前たち。どこから来た?ここは魔王城の正面入り口なのだぞ?勝手に入るとはどういう了見だ」

俺達はいきなり現れた男に声をかけられると アリシアが「あなたは、確か執事長のセバスチャンでしょ?」と言うと

「あはははははは。私を知っているのか。まぁ、そうだろうな。俺は、セバスチャンと言う名前ではないからな。俺は魔王軍の幹部であり。魔王直属の配下で、魔王親衛隊のリーダー。そして、四天王の一人でもある者。名をアックスと言う。以後よろしく頼む」

そう自己紹介してくれた 俺はアリシアを見てから「こいつを俺の仲間にして欲しい」と言うとアリシアが驚いた顔をしていると アリシアが「あなた、魔王を裏切るつもり?」と言うので 俺はアリシアの肩に手をおいて

「魔王に俺の嫁が殺されたって話はしたよな。だからな、魔王に復讐をしようと思ったんだよ。でもさ、俺はアリシアを幸せにしてあげようと思ってさ。そのために、あいつに協力して魔王を倒そうと思たんだよ」

俺の言葉を聞き アリシアが「そっか、わかった。私は何をすれば良いのかな?」と言ってくれたので 俺「アリシアは、俺の隣で戦ってくれたら助かる」

アリシア「うん、分かった」と言いつつ 俺の腕に絡みつく 魔王「待ってください」と言いながらアリシアの反対側

「浩平君は、私の婚約者なんですよ」とアリシアも俺に抱きつき 俺の両側で俺と腕を組んでいる二人の美少女。俺は、そんな光景を見ながら苦笑を浮かべる事しかなかった。俺の左右に密着しているアリシアとアリシアの母親が。俺の腕を引っ張って「どっちとキスしたい?」と聞いてくる

「もちろん二人ともですよ」と言うと二人は「嬉しい」と喜んでくれる 俺とアリスが二人で腕を組む形で魔王が真ん中に。そして俺の両隣を三人が並んで歩く姿。そしてアリシアのお母さんの見た目は金髪のロングヘアーで美人な人だ。そして、この人はアリシアの母親なので、かなりの

「アリシアちゃん、お母さんのおっぱい飲んでみますか?魔王様のは小さいと思いますけど」と冗談を言っている。それに対してアリシアは

「うん!」と答えてしまうのだった。それを見ていたアリスが涙目になっていたが「アリスも大きくなったら飲むんだぞ」と言うと「ほんとに?じゃ今飲ませてくださいね♪」とアリシアのお母さんに言われていた 魔王「我のが小さいだと?」

「お前が小せえんじゃねぇーよ。お前の場合は、大きすぎなんだよ」

魔王「ぐぬぬ。だがな。アリシアは胸の大きい女性が好きだと思うのだが、浩平は巨根が好きなんじゃろ?」と言い出した。魔王のその言葉を聞いた俺 魔王が「なに?お前は我に、娘をやらないと言っただろ?」と言い出して 魔王が俺の事を見つめていると 魔王「我も魔王ではあるが、娘は絶対に譲らん」と言うと俺と魔王は睨み合い、お互いが火花を散らしていた 俺はアリスの頭に手を起き優しく撫でると、アリシアが「浩平君、抱っこして」と言われて。アリシアをだき抱えるとアリシアは俺の胸に頭をスリ寄せ甘えてきた すると、アリシアが「私も抱いて貰っても良いですか?それと魔王様も一緒にどうですか?」と言い出す 俺 魔王が俺の側に近寄ってくるのをアリシアは魔王の手を強引に掴んで俺の所まで引っ張って来た。

俺「おぃ、お前ら俺がアリシアを抱いてんだからさ、お前らはだき合うぐらいなら、許すけどさ。俺とアリシアの間に入ってくんなよな。邪魔だよ」と俺が怒るも魔王は 魔王「仕方あるまい」と納得して アリシア「は~い。わかりました」

とアリシアが笑顔で返事をする。そのやり取りを見た俺の両脇にいる二人は

「魔王が可愛いく見えてくるなんて」と驚いていたが。まぁ仕方がない。俺はアリシアを抱いたまま。魔王に手をかざし。「転移魔法」と叫ぶと魔王城の地下へ。

アリシアは驚きつつも「ここが魔王城の地下なんだね」と言うと。

魔王が

「よく、我が魔王城に戻ってきた」と言うとアリシアが「あなたは、なぜ魔王として君臨しているんです?」

「魔王とは魔族の王であり、魔界を支配している者の事を言うのだ。我ら魔王は代々引き継がれるものなのだ」と説明する

「なるほど。それで何故私達に?」

「魔王の敵である、勇者と人間。それにお前達が、我の娘である。アリスをさらったからだ」

「はっ?お前の娘のアリス?何のことだ?俺は魔王軍の幹部で、魔王を殺そうって思ったんだけど、それがどうした?」

「魔王の娘と知らずに。連れて来ていたと?」

「そうだ。俺には妻がいるからな。俺の妻が殺される原因となったのが、魔王だから。だから、魔王を殺したい」

魔王が少し悩んだ表情を見せながら「う~ん、確かにそうだな。だがな。それを許すとお前達、人間は。これからも魔王の居ない魔王城を乗っ取ろうとするはずだ」と言うとアリシアが

「それは大丈夫ですよ。私達が魔王様を倒しますので」と言うと 魔王が俺とアリ

「俺が倒せば問題ない」と言い 魔王「我を舐めるなよ」と言い

「なにがだ?アリスを返せよ。そして、俺に謝罪しろ」と言うと魔王は笑いながら 魔王「断る」と一言。

「俺の大切な仲間が傷ついて、死んでいるかもしれない。なのに謝るどころか、殺してやると言っている相手に、なんで俺の嫁を差し出せるんだ?」と言うと魔王が俺の前に立ち

「貴様に魔王を名乗る資格は無い。我こそが魔王。そして貴様に、貴様にだけは魔王と呼ばれることは無いのだ」と叫び 俺に攻撃してくるが、俺は全てを避け

「なぁ~アリシア、こいつの動きを遅くできないか?」と聞くと アリシア「できるよ」と言うので俺は魔王の足を蹴りバランスを崩して、地面に倒れる寸前に俺は魔王の腕を足で押さえつけるように蹴り上げ 俺は魔王にマウントポジションを取りながら、俺は殴り続けた 俺「なぁー。魔王、このままだと。死ぬぜ」と言いながら殴っていると魔王の目の色が変わった気がした瞬間だった。突然魔王の姿が変わると、そこには俺が今まで戦ったことのないほどの巨大な魔物がいた。その姿に驚く俺たちだったが。俺だけが何故か落ち着いていた。俺以外の皆が慌てる中 魔王の声が聞こえる 魔王「我は、まだ死にたくはない。この姿を晒すことで、お前と対等になれたと思っているのだがな。だが、我はまだお前と戦うつもりもない」と言うので俺は

「俺も戦う気はなかった。俺は、ただ話し合いに来ただけ」と言うと 魔王は首を傾げて 魔王「ならば。早くここから出せ」と言うと 俺は「いいだろう。お前ら。全員で外に行くぞ」と言うと。アリシアは アリシア「浩平君は、魔王さんを殺すつもりじゃないの?」と俺の腕を掴み 心配そうな目で見つめて来た。

「あぁ、違うよ。こいつを外に放って終わりにするんだよ」と言うと。魔王は焦っていた。俺はそんな事を気にせずに魔王の腕を掴んだ状態で「俺の転移魔法は、魔力が続く限りどこまででも飛べるんだよ。アリシア、悪いけど。魔王を運んどいてくれ。俺は、アリシアのお友達を助けてくるからさ」と俺は言い。

俺はアリシアにアリシアと

「小春、勇。この場は頼むぞ!」と言うとアリシアもアリシアの母と一緒に

「わかったわ」と言い残し姿を消した 残された二人は慌てていたのだった。

小春の悲鳴を聞いて俺は小夜の所へと走ると 小夜は全身血だらけで倒れていて。意識が無いようだった。そして勇は小夜を抱きかかえて座り込んでいた 小雪は小春を抱きかかえていたが泣きじゃくりながら何か話していた。そんな状況の中 俺は冷静に

「小夜に回復魔法を使っても、ダメなのか?」と言うと。勇は俺の言葉に無言でコクリとうなずいていた その行動を見て、小雪と俺で

「私が助けます」「俺が助けて見せるよ」と言いつつ。二人同時に詠唱を始める

「我求める。女神の小指にて傷つき苦しむ者への癒しを、ここに発動させる。ヒール」と言うと同時に二人の手は光り輝いて。光が消える頃には小雪の手の中には、白い肌に戻った小春が横になっていた

「浩平君。凄いね」と言いながら涙をためて微笑みかけたが 小春の顔色は戻らずにいた そこでアリシアのお母さんがやってきて アリシア母「私の体液を飲ませてください。私達は魔王様と同じように体中に特殊な液体を流せるんです。それがきっと効果があると思いますので」と言ってきたので

「わかりました。お願いします」と アリシアのお母さんに、小雪が小夜の口に自分の口を押し付けて流し込む。俺も真似をするが小雪は、小春の手を両手で掴んでいたのだった。

小夜「ここは?どこ?」と目覚めた小夜の目線に合わせて俺もしゃがみこむと

「小町ちゃん?」と言い。俺が返事をすると小町の瞳はうるっと潤んだかと思うと 大声で泣くので俺は、その体をそっと抱きしめると。安心したかのように泣き止み 俺を見つめていたのだった。

そして、落ち着きを取り戻した頃にアリシアのお父さんが来て「君たち三人には辛い現実を突きつけなければならない」と言うと

「どういう事でしょうか?」とアリシアの父に聞き返した。

アリシアの父親は「小夜さんは。魔王の子を身ごもってしまったんだよ」と話すと。小雪は俺の手を握りしめて涙を流しながら「私のせいで。本当にすみません」と言いながら、

「どうして?こんなことになったの?」と アリシアの父が、アリシアの母親の事を話し始めてくれた。

その話は。今から約100年前に遡る話だと言う。

100年前に魔王が現れ、人類が窮地に立たされていた頃。勇者とアリシアの母親が恋に落ちてしまう その時、魔族側の魔王は人間に対して戦争を起こし。魔王と勇者が協力して 人間の国を滅亡させた。しかし、魔族は、力をつけてしまい、また戦争が起きる事を危惧し。二人は別れることになってしまう。

それから、10年が過ぎた時。再び魔族の侵攻が始まった。魔族の侵攻が始まると、魔族は勇者の妻と娘を人質に取ると脅して。魔王は妻と娘の命を取る事は出来ない

「我が魔王の座を降りる代わりに。人質を解放しろ」と言う。魔族は魔王の条件を受け入れて。勇者は魔王になり そして妻を連れて人間界に戻ってきてしまった。妻には人間との混血を知られたくないと言う思いから。勇者が隠し通す事に決めたのだと教えてくれた。俺が疑問に思ったので聞くと 勇者「妻には、普通の女の子として、幸せに生きてほしかった」

魔王「妻の妊娠が分かっていたからな。それにお前がもし死んでしまった時に。妻は一人きりで寂しい想いをしたくなかったんだろうな」と二人が話してくれていると。俺が小町に

「なぁー小月はさ。子供を産む事について、抵抗がある?」と聞くと

「うん。あるよ。だって自分が望まない人の子供だよ?でもね。私と浩平さんの愛の結晶なら愛おしく思えるの。浩平さんとの子供は、欲しいかな」と言うと アリシアの父親「君は浩平氏と、結婚するつもりなんだね」

「そうです。私はこの人と添い遂げると決めています」

魔王「お前の気持ちはよく分かるが。残念ながらお前達と浩平氏では種族が違う。そして浩平氏は、お前の両親を裏切った。それを許されるのか?」と聞かれ

「私も許せないよ。浩平君に捨てられれば、きっと立ち直れなかったかもしれない。けど。それでも、好きな人だから一緒にいたい」とアリシアは力強く言うのだった。

魔王「我に勝てたら。お前を娶らせてやる」と言うので アリシアは立ち上がり「分かりました」と言い アリシアの両親は心配して「大丈夫なのか?お前が負ける事なんて、今までに無かったが。今回の相手は魔王なんだよ?」と止めに入るが アリシア「私を信じて。今までとは違う。今回は必ず勝つから。絶対に勝って、そして。もう一度貴方の元へ帰るから」と言うとアリシアは、アリシアの母に アリシア「母様、大丈夫。信じていて」

「行って来るね」と言いながら歩き出す。魔王の元にたどり着くまでアリシアは、一切の攻撃を受けることはなく。無傷で到着すると。魔王が「我を倒しても、もう遅い。この子は死産だな」と告げてきたのでアリシアはその言葉を無視して魔王の首に手をかけると

「そんな事をしても無駄だと言う事が分からぬか。我を殺せばその子は死ぬぞ。どうせ貴様らは我を殺して、この子を救いたいなどと思っているのだろうが。この子を助けても、結局は殺されるだけだぞ」と叫ぶと

「そんなこと、わかってるよ」と一言つぶやくと

「な、何をする。この手をどけろ!」

魔王の言葉を無視しながら、そのまま手に力を込めると。

アリシアは目を瞑り「小春は、絶対に助けてみせる」と声に出してから「はぁぁぁーーーーーーーー」と言うと同時に、 魔王は苦しみだすと。

小雪と小月は小春を抱きかかえながら

「魔王が、魔王の体が。小夜ちゃんに吸い込まれて」

小春「えっ?」と言うと。魔王は 魔王「な、なぜ、その女の中に、封印されなければいけないんだー」と叫ぶと アリシアは、ゆっくりと手を開き 魔王は息絶えていた。

小夜は自分の手を見て驚き、俺の方を見ると

「浩平君は知ってたの?」と言うので 俺は

「知らなかったよ。小夜を助ける為に、何か方法がないかなと色々と考えていたら。思いついたんだよ」と小夜に伝えると 小夜は、「ありがとね。私の願いを聞き入れてくれて、これからもずっと、よろしくお願いします」と泣きながら俺に抱きついてくるのだった。小春も小雪と小月に抱かれて嬉しそうな顔をしていた。

魔王の討伐が終わると。勇が「みんな聞いてほしい。僕のお父さんとお母さんが。君たちを騙していて。本当にごめんなさい」と言うと 小雪「騙されていた事については仕方ないですよ。それに今は小夜の件もありますし」と伝えると 小春は、勇の頭を抱きしめて。

「うぅーわーん」と言いながら泣いた。俺

「それで?お父さん達は?」と聞くと 勇は辛そうにしながら「実は、お父さんとお母さんは、僕達が生まれてから、すぐ後に魔族の侵攻があって。お父さんが戦っていたんだけど、お父さんも力不足で。お父さんは、小雪達のお父さんに助けてもらって、無事だったんだ」と言うのだった。

俺は、勇が嘘を言ってるように思えなかったし。その言葉を信じることにしたので

「それじゃ、小月の両親を探すか」と俺が言うと。小雪が 小雪「小春の両親に先に会わせる方がいいんじゃない?」と提案してくるので 小春が 小春「そうだね。そっちの方が嬉しいかも」

俺達は、小春が目覚めた事で、少しばかり浮かれてしまっていたが、冷静になって考えると

「勇者さん。魔族側に、あなたのお仲間がいたはずですが?」と俺が尋ねると 勇者「あいつ等は死んだ」と一言だけ言った

「そうですか、わかりました。それでは俺達は帰りますね」と言い残して城へと戻ろうとすると。小夜は俺の手を握る 俺「帰ろう」

小夜「わかった。帰ろうか」と二人で手を繋いで城に戻ろうとしたが 勇者が 勇者「待ってくれ。小夜は置いていってくれないか?このままだと魔族のスパイ扱いされる」と言い出した 俺には訳がわからず。アリシア

「何故、浩平君をそこまで信用しないの?貴方も見たでしょ?今の浩平君ならどんな魔族の敵だって倒せるのよ?」と言うも俺は苦笑いを浮かべて 俺

「なるほど。そういう事ですね。でも俺には小春も居るので、ここに残ります。それに魔王の娘を放置するのは、さすがのあなたでもまずいでしよ?」と言うと勇者は何も言わずに俯いたままでいると魔王の娘であるアリシアが

「勇者さん。ごめんね。私がもっと強ければ」と言った 勇者「アリシアのせいじゃないさ」と答え

「浩平さんは本当に何も覚えていないの?」とアリシアが不安げに尋ねてくるが。何の事だかさっぱり分からない 魔王

「記憶喪失になっているのだから当たり前だ」と言い魔王が近付いてきた。俺は警戒心を強めながら。

魔王

「そんな緊張した面持ちになるな。別に殺しはしない。浩平氏と話をさせてもらえないだろうか?」

俺は勇者を見る 勇者「僕はいいと思う」と許可をしてくれたので。俺も勇者になら任せても良いと思ったので。俺は勇者に任せることに決め 魔王

「感謝する」と一言言い、魔王はアリシアに視線を向けると、 魔王「我を恨んでいるだろう?あの日、魔族の侵攻を止めることが出来ず。お前の母を死なせてしまったのだ」と言うと アリシアは涙を堪えて「恨んでなんかいないよ。私はお母さんの分まで幸せになる。貴方は、これから私を守ってくれれば良いから」と言うので魔王は膝まづき 魔王「我が命にかけて誓う」と言うとアリシアが アリシア「魔王としてではなく。一人の少女として。アリシア個人として貴方の命は預ける」と答えると。魔王は「約束しよう」とアリシアに手を差し出すとアリシアがその手を取り。

「貴方に私の名前をあげる。私の名前はアリシアよ」と言うの

「さっきから気になっていたけど。なんで魔王は俺の事を、浩平さんって呼ぶんだ?」と言うと アリシア「あっ、それは。私から話すね。浩平君のフルネームは佐藤 浩平なんだよ。だから魔王が浩平さんって呼ぶ理由だけど。浩平さんは魔王なの」

俺「はい?えっ?ちょっと何を言っているのか、わからないんだけど」

アリシア「えっとね。魔王の力を使える人が浩平さんなの」

俺「どういうことだ?」

アリシア「だから。魔王を使役する事ができる人」

俺「魔王を使役する?えぇー意味わからん。アリシアは知っているのか?」と質問をする アリシア「えっーとね。私の話よりも、浩平さんの両親の事が知りたいんだけど」と言われて アリシアに両親や俺の生い立ちを話すと。アリシアの顔色がどんどんと悪くなっていく。

俺「どうかした?」

魔王に聞こえないように小さい声で話し掛けてみたものの返事がなく。小春が 小春「大丈夫?」と声を掛けていると魔王が小春に

「小春殿。小春様とお呼びしてもよろしいでしょうか?」

小夜は俺に寄り添いながら 小夜「この子は小夜なの」と言うと 魔王は俺に目を向けた後で小夜に向き直り。俺達に対して敵意がないことを伝えると小夜と話し合いをして納得をすると

「それじゃ帰るか」と皆に声を掛けるが。小雪だけは 小雪「この国を放っておくわけにはいかない。私は残るわ」と言うと。小春も 小春「私も残って小雪姉ちゃんを守るよ」

「それなら、俺は勇者と魔王とで魔族の殲滅をしておくよ」と伝えた

「小雪はどうする?ここで待つか?」と尋ねると 小雪「うん。ここに残る」と言うのだった。アリシア

「私は浩平君と一緒に行くよ」と言って俺の腕を掴むのだった。俺「どうすんよ?魔王?こいつらを一緒に連れて行くのか?」と聞くと 魔王「その方が戦力的にも問題がない。しかし我はこの者達に敵対心を向けてはいないのだが。そのように怯えられなくても良いのではないか?」と言うが小春は魔王の言葉が嘘であると見抜いたようで俺にしがみついてきながら 小春「お父ちゃんの力は凄く強いから、魔族には絶対勝てないし。それに、この人は魔王を殺さずに、従えたんだよ。そんなの信じられないもん」と震えながら俺に伝えると魔王はため息をついて 魔王「わかった。確かに今の状態で魔王だと名乗らないほうがいいのかもしれぬ。小春殿は魔族の侵攻について聞きたいのであったか?」と言うと小春は 小春「魔族達が攻めてきたのは。勇者達が魔王の力が欲しいの。それに、勇者達の親が魔王だったの。それで、自分達は勇者の子なんだと自慢をしていたらしい。それで、魔王を封印して魔王の血を手に入れたいと思っているみたい。それと、勇者の力は魔族にとって魅力的らしくて」

魔王「そうか。その件は我ら魔族側の責任でもある」

「そう言えば、どうして魔王は魔族なのに人間の世界に来ているんだ?」

魔王「我は浩平氏と争うつもりはない」と言うと。アリシアは

「お父さんも。魔王と戦うのは反対していたの。ただね。お父さんは、人間側の勇者の力と魔族の力を手に入れて。自分の勢力を広げていきたいとも言ってた」

俺「それで?」

アリシア「魔族の力を使って人間に恐怖を植え付け、力を見せつけてから侵略したいとも言ってたの」と言うのだった。俺達はその事を聞くと勇者の方を見たが 勇者は何も言わずに下を向いてしまった。俺が

「とりあえず、俺達は戻るよ。そろそろ時間的に戻らないと間に合わないからな」と伝えると 小夜が何か思い出したような

「浩平さん、そろそろ学校に戻らないと、みんな心配しているんじゃないの?」と聞いてくるので 俺は「あっ!そういえばそうだった」と言い、俺達は魔王城へと転移で戻り。アリシアは俺達の家へと戻ったのだった。俺達は急いで学校に戻るために走ると勇者は魔王城に残ると言うのだった。

俺「そうか、わかった」と一言伝え。俺は学校へと戻っていった。そして小月と合流して 俺は勇者との話とアリシアが魔王の娘だと説明をする事に決めると。

「実は勇者から面白い話を聞いたんだ。俺の父さんは魔王だった」と説明するも 月影が

「はぁ?お前の父は、お前じゃないか?」と言ってきたので。

「あぁ、そうなんだけど。俺の母さんは父の部下でね。父さんから俺を預かっているって感じで。俺も母さんの事を母親だと思ってたんだよ。俺も小さかったし、あまり覚えて無いんだけど。俺が、この世界に来るときに勇者の記憶を覗いたら。俺の母さんも、勇者が魔王の娘を妻にしたくて俺を勇者の所にやったみたいで。俺の母さんも、魔王の娘と勇者の恋物語に憧れて勇者の妻になったらしいよ。だから俺と小春の母は同一人物になるんだ」と答えると 俺のスマホが鳴

「もしもし?」

魔王

「私だ。浩平さん。今何処にいる?」と電話を掛けてきたのは魔王でした。俺の両親は、やはりこの世界で暮らしていたようでした。

「魔王城にいますよ」と答えると。

魔王

「少しだけ、話を出来ないだろうか?」

「はい。わかりました」と答えて。魔王が居る部屋に転移した。

俺「お待たせしました」

アリシア

「私も来たけど、大丈夫かな?」

魔王「構わない。浩平氏を呼んでくれたのだろう?ありがとう」

アリシア

「浩平さんのお役に立てて良かったです」

「二人だけで話さなくて大丈夫ですか?」と気になって言うと 魔王「いや、もう話は終わっている。これからも頼むな」と頭を下げていた 俺「こちらこそ。これから宜しくお願いします」

俺も頭を深く下げて部屋から出ていったのだった それから数日経って、やっと学校の奴らが戻ってきたので、小雪

「さて、今日は皆でご飯を食べようと思うんだけど。どこかに食べに行くかしましょうか?」と俺と小春以外の皆に声をかける 小春が俺の側にきて 小春「あの~。私も行きたいんだけど。良いかな?」と言うので。小夜が小春を抱き抱えて小夜の目の前まで運んでから下ろすと小夜が「はい。いいよ小春ちゃんおいで」と笑顔で答えてくれる 小春は「えへっ、ありがとう小夜姉ちゃん」と嬉しそうに答えるのを見て、微笑ましく思っている俺達なのである。俺が小夜に近づき、小夜の前に座ると。小夜は小月に合図を送ると小月から連絡が入り、どうするかを聞かれたので

「それじゃ行こうか?どこにする?」と言うと小春が「うーん、浩平お兄ちゃんは、どこが美味しいとか知ってる?」と尋ねてくるので。俺は、この世界の食べ物を詳しく知っておらず。俺が住んでいた場所も田舎だったので特に有名な物はなく

「ごめんね、知らないんだよ。だから、小雪と小月に任せる事にしよう」と言うと 小雪は小月に目配りをして、小月は小雪に向かって軽くウィンクをするのだった。すると小夜は「えっと、私の知り合いがやっている。レストランに行かない?小春にも、きっと楽しいところだと思うよ」と言うので 小月はアリシアに連絡を取ってくれて、アリシアは小雪と一緒に来てもらえるように手配してくれたようだ 小雪「小夜、小春ちゃん。お昼前に出発するわよ」と声をかけると。小春はアリシアの所に行き、アリシアに抱っこをしてもらうのだった。

そして

「浩平君は、こっちに来て」と小夜に呼ばれて小夜についていくのだった。着いた先は洋服店で 小夜に案内されるままに中に入って行くと色々と服を見せられると小春は気に入ったようで 小春「これが良い!」と言うのだが。

小夜は「小春にはちょっと大きいんじゃない?」と言うと。店員が出てきて小春に「サイズは合ってますよ」と伝えるので。

俺は

「すみません。俺も何か着替えたいのですが」と言うと。小夜とアリシアの二人が小夜に「ねぇ?浩平君も何か買ってあげない?せっかくなんだから」とアリシアは小夜に向けて言うのであった。

小月と小雪は外で待つ事になっている。

俺は試着室で、サイズが合わなかった。ズボンを脱ぎ捨ててから、新しい制服を身に着けた後に。

アリシアが「おぉ~。浩平さん、似合うじゃない。でも、ネクタイを緩めたほうが良いんじゃないかしら?」と言うので。アリシアに言われた通りに、シャツのボタンを外すのであった。俺「これくらいでどうでしょう?」と言うと アリシアは俺の首元を見てきて アリシア「あぁ、そうそう、そんな感じで良いんだよ。うん、格好良いぞ」と俺を褒めてくれているのであった。そんな感じで過ごしている時に 魔王「小雪殿は居られぬのか?」と店に現れ。

「あら。こんにちは。お父さんは用事で出かけていて、まだ帰ってきていないんですよ」とアリシアが話す 魔王「ふむ。まあ、良い。我は少し、小雪殿に会いたくて来たのだが。出直そう」と残念そうにして店を立ち去ろうとしたので。

アリシアは小春を連れて。俺達は小月

「私と二人でご飯でも、どうでしょうか?」と言うので 魔王「それは助かるな。しかし、その、小雪殿がいないのであれば。我も浩平氏を誘っても問題ないであろう」と言い出し。俺の腕を掴み

「さぁ浩平、共に食事を楽しむのだ」と引っ張って連れ出そうとするので 俺は小雪を呼び。

小雪

「魔王様はお父さんと話がしたいんです」と説明をすると。俺は魔王の耳の近くで「ここは、二人きりの方が」と言うと 魔王「それもそうだな」と言い。俺と小雪、小夜と小春の四人で食事を楽しんだのである。魔王と小春を会わせないほうが良かったかも知れなくも思った

「それでだ、お前は俺達に何をさせる気だよ」と勇者の胸ぐらを掴んで俺は怒鳴るので勇者は 勇者「俺は、お前を倒せるほどの力が欲しい」と言い出すが 俺

「そうか、それなら俺を殺せば解決だろうが。何が目的なんだ」と聞くと 勇者「確かにお前を殺しても。この世界は変わらないのかもしれないが。お前を殺せば俺の気持ちが変わるんだ」

「俺が魔王の娘だから。お前は惚れてるのか?」

勇者「違う!俺はお前に助けてもらったからだ!」と言って。勇者が抱きついてくる 俺

「うぜぇよ」と勇者を振り払うが。また、しがみついてきたので 魔王「おい、俺の息子から離れろ」と言うので 勇者は「親父だって、この世界の人達は好き勝手してるじゃないか」

「だから、それが間違っていると教えようとしてるのが俺だとしたら。お節介だと思うだろうが」と答えると。

「お前は何の為に生きているんだ?」と言われる そして「答えたら離してくれよな?」と聞いてから答えた 勇者は満足したらしく。手を離すのだった。そして城に戻り。部屋に戻ると アリシアが待っていた。アリシアの方を見ると小春を抱いており、小雪の姿も見えたので安心をした 小雪「もう、浩平君のお母さん。心配していたんだからね?」

母さんは本当に優しい人なので。きっと、俺の事を本気で考えてくれていたんだと思う 母さんとは連絡を取り合っているものの、あまり話さないしね。母さんの話も少し聞いただけだし。それにしても魔王の娘だとは言えど 娘に甘い気がするんだけど、どうしてなんだろうか?と

「えっと、ごめんなさい。ところで今日はどうしたの?」

小春「えへへっ、遊びに来たよ」

小春「ほら、今日で浩平お兄ちゃんは学校に行ってしまうでしょ?寂しくなっちゃうからさ」

小月「僕も一緒に居るからさ」と俺の横に小月が来る 小月は小春の面倒を見る為に居るようだけど。

母さんも「小夜とアリシアさんと一緒にいるわね」と。小月が居るので小夜が気を使ったらしい 小月は「今日はね。僕は小春と一緒に、ずっと遊んであげれるんだよ」と言う

「それじゃ、俺も小月や小夜達とも一緒だから。小雪もアリシアさんも居るし大丈夫か。何かあれば電話してね。小春」と言うと嬉しそうな顔になるのだった。そして皆は俺の部屋に集まってきたのである。それから、しばらく皆で話をしてから。そろそろ寝るかとなり、皆は俺の部屋から出て行った。小月は、そのまま俺のベッドに入る。俺は部屋のソファーで寝ることにした。部屋は、そこそこ広いが。やはり狭いので窮屈だが。俺は、なかなか寝つけずに起きていた。小春も隣に居て。何故か。小夜は小春に「小春ちゃん。私はお姉ちゃんなんだよ」と言っていたのを思い出してしまうのだった。

俺の朝はかなり早いのである。学校に行く準備をして、家を出てから。コンビニに寄ったりしながら。小雪の会社に向っている。俺の通っている学校の寮からも、近いので便利な場所にあるのだ 小雪が迎えに来るまでは時間が空くので。暇潰しが出来ないかと、小春と散歩をしているのである。公園に行くと、ベンチに一人の少年が座り込んでいる 俺「ん?君も俺と同じ学生なのかな?この近くの高校の生徒?」

「あ、あぁ、君は誰だい?もしかして、同じクラスの生徒かな?名前は知らないけどさ」と言われてから 俺「あぁ~、クラスメートでは無いんだよね?実は俺は転校生なんだ。よろしくね?」と言うと「あ~あ~、そういうことなんだ」と言いながらも立ち上がり握手を求めてきてくれる 俺達は少しだけ話をしていると小夜が来たような感じを受けた。どうやら迎えに来てくれたようで、「じゃあね」と言う彼に俺は手を振った後に別れを告げてその場を離れると彼は去って行くのであった

「今の子の名前は知らないけどさ。名前を聞く前に何処かに行ってしまったみたいだな~。もう少し会話を交わしたかったけれど仕方がないな。とりあえずは友達になれそうかもって思えたから嬉しい限りだよ」と思っている

「それよりも早く小雪に会いたいんだけどな。さっきの小夜の反応的に間違いないはずだ」と小夜に小春が居る事も伝えるように頼んであるので 俺は待ち合わせ場所に着くも、小夏は来ていなかった。どうやら俺の方が少しばかり遅れてしまったようだ。待っていると小夏は走って俺の前にやって来た

「お待たせ。小夏、遅いから置いていこうかなと思ったけどさ」

小春「おにいちゃ~~」

小春は

「小夜が、まだ来てないみたいなんだよな。でも 小雪が小春に小春を任せているわけだし」

小雪は仕事中なのだが。俺は小雪の仕事中に仕事をしている。つまり、小雪が仕事をしていて忙しい時に、俺の世話をする小春を代わりに小冬が面倒を見ている感じだ 小雪「浩平君は、いつの間に小夏に呼び捨てされるぐらい仲良くなったの?」と聞かれるので。「小夏には悪いが。まだ会って、少ししか経っていないぞ?」と俺は言うが 小雪

「嘘だよね?小春と仲が良いから」

「あはは、俺もそう思っていた所なんだよ。小夏の面倒も見ているからってのが大きいんじゃないかな?」と話すと。「ふぅーん。それで小春は私と遊んでくれる?」

小春「おねえちゃ~ん。あそぼ、いっしょに、ごはん食べよ?」と小春は抱きつく 俺「小雪。そっちに仕事は回していないはずだろう?小雪にだって自分の時間が必要だと思うが?」と注意するが 小雪

「良いの。今は小春の相手をしたい気分だから」と言うので 俺「そっか、なら俺とデートするか」と誘うと小雪が「それって良い考えだね。小夏には連絡しておけば良いと思うよ」

「そうだな。それじゃ、小夜を呼んで来るよ」と言うと

「おぉ、二人とも。ここにいたのか」と言うと。

小夜「ごめんね、小夜は遅くなってしまって」

小夜「それにしても、二人きりの時間を大切にしてくれてるのが分かると小春を預ける判断は正解だと思う。ただ小春も寂しがる時があるから気にかけて欲しい」

「任せておいて」

小雪

「ねぇ、それでこれからどこに行こうとしているの?」と 言われるが、別に行き先は決めていないので「ん?まぁ、特には考えてない。適当に歩いていくだけだしな。それで?どうしたんだ?」と聞き返す 小夜「それなら、三人でお昼を食べに行こうよ」と言うが 俺「なら、俺が作ろうと思ってたんだが」と言うと 小夜

「え?作れるの?」と言うので「簡単なものなら、ね」と返事をしたのだが 小春「なら、みんなで作るのはどうかな?」と小春が提案すると。俺達四人は、料理が出来るので「それは、良い案だね」と俺が言う そして買い物をして帰ると俺の部屋に向かうと。皆で、ご飯を作るのだった。小春が俺と離れる事を嫌っているせいもあって。結局、今日は一日俺が面倒を見る形になるのだった。

「今日から、しばらく学校に行く事になるんだ。その間は、誰かに任せてあるし」

小春「えぇ~、嫌なの。小春も一緒に学校に行く!」と 言い出すので 俺「分かった。でも授業は、しっかり受けるんだからな?」

小春「う~、分かってるけどさ。寂しいなぁ~」と甘えるように 言って俺にしがみ付いて来た 俺

「大丈夫だ。寂しくならないように。俺が居るじゃないか」と抱きしめると「うん、ありがとう。大好き、お兄ちゃん」と言われる 小春は俺の膝の上に座ってテレビを見ながら楽しそうにしている 小春「あれれ~?お兄ちゃん。また小春を見て鼻の下を伸ばしてないかにゃ~?」と悪戯な表情をして言ってくるので

「ん?小春に言われたくは無いな。ほらっ、こっち向いてみろよ。頬っぺた膨らませて可愛らしい」と俺の方を見させてくるので「ぷにゅ、えいっ、えへへっ、やっぱりお兄ちゃんは、かわいいね。好きっ」と言ってきてキスをしてくる 小雪は

「ほらっ、もう行く時間だよ」と言い 俺は「じゃあ、行かないきゃね」と玄関に行き 俺「小春、お留守番頼むな」と言うと 小春は泣き出しそうになる 俺「そんな顔しないでくれよ」と困っていると 小春は

「あ、あのね。お兄ちゃんが居ないと寂しいし。小春ね。怖いんだよ。でもね。我慢するね」

「ん、偉いぞ」

俺は、小春が何をして欲しいのか分かっているので頭を撫でてあげると。小春は嬉しそうな顔をしていた。

小春「あはは、じゃあ行ってらっしゃい。おにいちゃん」

俺「ああ、行ってきます」と言い。皆と一緒に

「いってきま~す」と言うと家を出てから小春が見えなくなるまで見送ると 小夜

「小夏はどうするつもりなんだろうね」

俺「ん~、あいつも来たいみたいだからな。連れていっても構わないとは思っているが。俺達と居る事によって小夏にも迷惑をかける可能性もあるんだよな。どうしたものか。まぁ、小夏の意見を尊重するが」と俺が悩んでいると 小夜

「私は小夏にも、こちら側に居て欲しいかな」

小夜

「私は小夏にも幸せになってもらいたいとは思ってるんだよ」

「小夜の願いは俺も一緒だ」と言いながら俺は手を握り 小夜「そうだよね。じゃあ。私達は、私達のペースで頑張ればいいんだよね?」と 聞いてくるので「あぁ~、そういうことになる。俺は皆で協力していくつもりだから。一人だけが犠牲になればなんてことは、間違ってもいる。でも、もしもの場合は。小夜や、他の人達が狙われるかもしれないから、一人で逃げてくれ。これは小夜にも頼んでいるが、もし、小夜が囮になったとしても。俺は助けにいかないぞ」と言うと 小夜「浩平君には、何か作戦でもあるの?」と 言われてしまうが

「いや、何も無い。小夏に危険が及ぶぐらいなら、逃げるさ」と言うが 小雪

「それは駄目だよ」

小雪

「小夏に危険が及ばないなら、浩平君も危ない目にあう必要はないから」と言われ

「小雪が危険な目にあった場合は。もちろん俺が守るさ」と言う 俺は「とりあえず。この事は、今は置いておこう。今すぐどうにかできる話でもない。それより小夏の事を、もっとよく考えたいと思うから」と言って歩き出した 小夏も学校に一緒に登校しているのが当たり前になっている 教室に入ると、すぐに俺の所にやって来たので「昨日ぶりだな。元気にしてたか?」と話しかけてきた 小春

「おにいちゃ~ん。会いたかったよぉぉぉ。むぎゅー」と言うなり抱きついてきていたので、小春を抱きしめている。小春は嬉しそうにしているが少しばかり

「苦しい。息が出来ないよぉぉ」と言うが離そうとしなかったのである。それを羨ましそうに見ていたのか分からないが、小冬は後ろから抱きしめてくるが、「おねえちゃーん。ちょっと痛いかも。お腹も当たってて、苦しいから少しだけ緩めて?」と言うも。

小冬が離れようとはせずに。逆に締め付ける力が強くなるので、仕方なく俺も諦めて小冬と遊んでいて。チャイムが鳴ると同時に担任の人が入ってくると 先生

「あ~、転校生が来るので仲良くするように」と言った。クラスでは騒いでいる者もいれば興味無さげな人もいる。その中で、俺はと言うと。

「小夜。お前は、どんな人だと思う?」

小夜

「浩平君と同じ異世界の人じゃないかな?勇者とか」

「それなら嬉しいんだがな」と話をしていると。小夏が入ってきたが小夜が言っていた通り女の子だった

「はじめまして。小夏の姉の小夜といいます。よろしくお願いします」

「え?マジ?俺の事を知らないの?」と言うが

「え?知らないけど?だって、まだ会って間もないのに。知る訳無いじゃない」と 言うので。

「あ、うん。そっか」と返すと「ふぅ、なんか疲れたわ」と 小春に言う

「おにいちゃんに失礼だよ。それにしても美人さんなんだからさ」と怒る小春に「ごめんごめん」と謝り「え?俺が悪いのか?」と思っていると小夜に

「ほらっ、もうホームルームが始まるよ」と言われたので「分かった」と返事をする すると、隣の席の小夜と目が合うが「小夏ちゃんと姉妹なのに髪の色が違うね?」と言われる 小夜

「あっ、うん。双子で色違いだけど。私が黒に近い茶色で小夏は赤っぽい茶なんだよ」と説明すると「そういえば。お姉ちゃんの方が胸がデカイね?」と余計な一言

「おい、小夏。小冬に殺されるぞ?」

小春「大丈夫だ。問題ないよ」と 言い小夏は

「小冬のお陰で命拾いをしたようだな」と 言い「小春こそ、おねぇのおかげで助かったんじゃん。」と言う すると 小春「小夏。私に喧嘩を売ってるの?」と 言い争いになり始めたので

「あ~、二人とも。その辺で止めような?」と言うと

「「分かった。おにいちゃん」」とハモってしまうのであった。それから授業が始まり。お昼ご飯になると、小夜と小春の二人で食べ始めるので

「なぁ、一緒にご飯でも食うか?」と言うと

「良いの?」

「いいの?」と言う小夜達と食堂で食べる事に するのだが、小夏はお弁当で、俺は、おにぎりを握って持ってきていて。小夜達も同じようだった。そして小夜の弁当は小夜のお母さんが作ると小雪から聞いていた。小雪の料理は凄く上手で 俺の作った奴より美味い そんなこんなで、俺達三人は小夜の隣に並んで食事を取っていた

「やっぱりさ、同じクラスで友達がいるってのは違うんだろうな」と言うと小夜は微笑みながら「そうかもしれないね。でも、良かったの?小春にお兄ちゃんの所に行きたいか?みたいな聞き方して」

「ん?まぁな。あいつは俺が居ない時は寂しがっているみたいだしな。だから、俺が家に帰って来た時には、思いっきり甘えて来るから、あいつには笑顔で過ごして欲しいんだよ」と答える

「なるほどね。妹想いなのね」

「そりゃあな」と言うと

「私も小夏の事、好きなんだ」

小夏「えへへっ、おにいちゃん。愛されてるね」

「小夏。いつの間に」と俺が驚くと

「えへへっ、ついてきた。おにぃ。小春お姉ちゃんは私の物だから、あげないからねっ!」と言うと

「はい、どうぞ?」

小夜が俺と手を繋いだまま。自分の膝の上に座らせて小夏に 見せつける すると小春は頬っぺたを膨らませて「ずるい」と拗ねていた。

俺は、それを眺めつつ「はぁ~。お前は、また、そんな事をやってると。皆に見られるだろうが」と言うと 小雪

「はぁ~、浩平は小春にだけは甘いのね」と言い 俺達は、いつも通りに過ごしながら学校の授業を受けていく 小夜と小夏の二人は成績優秀だが 俺は全くもって駄目だ

「小夜と小夏は勉強得意なんだよな?」と聞くと

「うーん、まぁ。人並みぐらいだよ」

「まあ、お姉ちゃんは、それなりに」と答えると 俺は

「ははははは、俺は頭悪いんだ」と言うと

「私も頭がそこまで良くないよ?」と小夜が言ってくれたが 俺は頭をかきながら

「いやぁ、俺は、ちょっとばかり特殊なんだよ」

と困った顔で言うと 小春は、「でもさ、異世界に行ってきたんでしょ?だからじゃない?私は行ってなかったし。でも、異世界に行った人は皆 賢くなるのかなって思っていたよ。私は、そう思ってたから、小夜のテストも満点だったし。浩平も当然 そうだと思っていたんだけど」と言い 俺は 小夜に「小夜の答えを見せてもらってもいいか?」と言うと 小雪「ちょっと!浩平」と言って止めるが 小夜は俺が見せた方が良いと思ったのであろう 小冬が「浩平。小夏に迷惑かけたらダメだよ」と言ってくるので 俺は「あぁ~、分かってる。別に俺は迷惑をかけても構わないさ」と言うが

「は?なっ、何を考えてるんですか」と小雪は驚き 小冬も「ちょっと、待ってください。どういう意味なんですか?」と 聞いてくるが

「あ~、俺は、お前らが思っているよりも馬鹿だぞ?」と言う

「嘘ですよね?」と言われても俺は「いや、本当だって。小春は俺が、ここに戻ってくる前の事は知らないから。今の状況がおかしいと思ってんだろ?」と 言うが小夏は何も

「浩平が小春と同じ異世界に行く前から小夏の事は好きだった」と言う 小春は、それを聞いて「そうなの?嬉しいけど、ごめんなさい」と断る

「あっ、気にしないで。たださぁ。おにぃはさぁ。優しいよね。誰にでも優しくてさ。小春だけじゃなくて小冬のことも好きだもん」と言う すると小冬が

「あのさ、おねぇが浩平さんの事が好きな理由も分かります。私も好きですから。おにぃちゃんが居なくなるのも嫌ですし。この気持ちが何なのか分からないので」と言うと小夜が

「そっか、分かった。少しだけ時間をくれるかな?これから先も、おねぇと一緒に居たいからさ。それとさ、もしかしたらさぁ。小冬は本当に恋をしているのかも知れないよ?」

「えっ、そっそれは。どっ、どういう?」と 慌てる姿を見た小冬は恥ずかしくて黙ってしまったので代わりに 俺が説明する事にする

「えっとだな。まず最初に言わせて貰いたいんだが。俺ってば異世界ではハーレム野郎とか言われているんだよな?」と尋ねると 全員から冷たい視線を送られてしまい俺は困ってしまうのだが とりあえず話を戻す事にする「俺はな。基本的に女の子が好きだけどな?でもさ。女の子同士でイチャイチャしているのを見ても。全然平気なんだぜ?それこそ百合って良いんじゃね?って思える程に。だってさ。可愛いと思うからさ。男に負けずに女の子が頑張っていてる姿がさ、可愛らしく思うわけなんだ」と言うと全員が呆れたように見つめてくる そして小夜だけは納得するようにうんうんと言っていたのであった。小夜だけが、なぜか、そう言っていたのだ「それに俺は、女嫌いではないし」と言うともの凄く驚いたような顔をされてしまうのであった 小夏が言った

「あぁ、確かにさぁ。おにぃは、そんな事を言うかも。だってさ。おにぃ。昔っから私達には優しかったじゃん?私がいじめられて泣いていると

『泣くのを止めないさい。男の子が、こんなことで泣いちゃいけないよ』

とか。色々と面倒を良く見ていたし。それに、おにぃの子供の頃は結構。やんちゃだったでしょ?私がさ おにぃは、小さい頃から女の子が大好きって知ってたんだから」と 言われたが「は?俺って。子供時代は割と普通だったはずだぞ?お前らに暴力なんて振るったことは無いぞ」と 反論するが、何故か、皆に白い目で見られてしまうので俺は

「あっ、でも、一つ。心当たりがあるとすれば。俺って子供の時に友達と、その友達が大切にしていたゲームキャラを奪い合ってケンカになってな。俺は友達にボコボコにされた上にゲームも取られたんだけど、その時に親父にも殴られた記憶があるんだわ」と言うともの凄い勢いて小夜が立ち上がり机を思いっきり叩きつけて怒り出したのである 小春が必死に取り押さえようとするのだが中々上手くいかなく 小夜はそのまま部屋を出ていってしまったのだが小雪はすぐに戻ってきて 俺の前に来るなりいきなり殴ってきたのである。小夜はその行動を止めるために小夜を抱き寄せようとしたが間に合わなかったらしい そして小夜の代わりに小雪は殴り返そうとするものの小雪まで抱きついて来る結果となり そしてそのまま二人でもつれ合うように倒れ込む形になるのだが そこにタイミング悪く俺達の元に小夜のお母さんと妹達が来ると慌てて二人を止めた そして俺は二人に支えられながら立ち上がれるようになると すぐに二人は頭を下げ

「娘達を助けていただいてありがとうございます。それで怪我は大丈夫でしょうか?」と言う 俺はまだ殴られた痛みはあったが。なんとか我慢出来る程度の物だったので

「はい、問題ありません」と返事を返すと二人は安心してホッとしたようだったが。俺が小春と小夜の頭をポンッと叩いて

「おい、もう止めておけ」と声をかけると小夜が泣き出してしまったので俺は、どうすればいいか分からなくなってしまい。俺も涙を浮かべる事しか出来なかった。そんな時。小夜は泣き疲れたようで眠りについたのである 小夏「あれは、私達が中学に上がったばかりの頃の事。おにぃは小学四年生ぐらいだった頃の話」

俺と妹達の日常が始まった 妹達は小学校三年生から五年生の3年間、俺は6年生になったばかりであり 俺は学校が終わると毎日、妹達を迎えに行ってから一緒に帰る生活を過ごしていた 俺と小夜とは学校が違うため、朝は一緒に学校に行っていた。妹達は俺よりも早く登校する事は滅多に無く。

「行ってきまーす」と言う元気の良い挨拶をしながら出て行ってしまい 俺が家に帰る時間までには絶対に帰って来なかったのは当然の話で そんな生活が始まって暫くたった頃、小春の担任の先生に俺の事を頼まれてしまう事になる 俺は小春に何かあったのかと思って急いで学校に向かい すると俺の目に飛び込んできた光景に愕然としてしまう。

それはクラス全員からの酷い虐めを受けている妹の姿が目に入ってきたからだ 小春は教室の後ろの隅で一人寂

「お兄さん、助けて下さい。皆は小春が嫌いなんですよ」

小春は今年になってから突然。学校で孤立してしまい、皆から避けられるようになってしまったと聞かされていた 小春は見た目だけは本当に美少女なだけに クラスで男子からは絶大な人気があった だからこそ小春を嫌う女子が多く、それだけではなく、それを面白がって男子も加担するようになり、今では誰も手出しできない程の虐めのターゲットとなってしまっていた 小春は、ただ黙って、やられるままにされてしまっていて、俺は、どうにかしないとと思っていた しかし小雪から「おにぃちゃん、小春ちゃんの為に無茶しないで。もし、また小春ちゃんに危害を加える子がいたら私も、おにぃちゃんに嫌われたくないから、何も出来ないから」と言われてしまい 俺も「小春をこれ以上傷つけないでくれ」と頼むくらいの事しかなかった それでも、俺の知らない間に小雪から「私に任せておいて」と 小夏に言って貰えたらしく。小春は無事に学校へ通うことが出来るようになった ある日、俺は学校の図書室で勉強をしていた時の事だ 俺はテスト前の勉強をしていると「浩平くん。ここ、わからないんだけど」と声を掛けられたのだ 俺は

「どこが分からないのか教えてくれ」と言うと小夜が

「あ~あ、邪魔が入っちゃったよ」と言う 俺は「あぁ、ごめんな。俺は今日中に覚えないといけないから」と言う

「別に気にして無いよ」と言う 俺と小夜に気を使って小夜は、どこかに行ってしまった。俺は テストに向けて集中力を高めたいから。今は誰にも邪魔されないようにと願う 小春も最近よく、放課後に遊びに誘われるらしいのだが。俺は、俺の都合で小春を巻き込みたくなくて 最近は、ほとんど誘われることもなく、むしろ一人でいることが多いらしい 俺は「よし!この調子なら明日のテストで良い点が取れそうだぜ」と 嬉しくなりテンションが上がるのであった。しかし、小春も 俺と同じように嬉しい気分になっていたのであった 翌日になり、いつものように俺は迎えに行くために小春の学校へと急ぐのだが

「浩平、ちょっと待ってくれ。小春は少し遅れてから向かうみたいだから。先に俺達だけで小春と会わないと駄目らしいんだよ。小冬も行くけどさ」と友達から言われたのである 俺が少し不安になっていると小冬が 小冬は「おにぃちゃん。私が傍にいる。私が守ってあげる」と抱きしめてくれたのだ。本当に可愛い妹だなと思う そして、俺

「俺のせいで小冬が危険な目にあったりしたくないしな。でも。心配だよな」と 呟くように言うと小春の妹二人が「おねぇちゃんが危ない時は、私が命を賭けても守るから大丈夫だよ」と励ましてくれるのだが やはり、俺は落ち着かなかった。俺が落ち込んでいる姿を見ていたのであろう 二人は、いきなり俺をぎゅっと抱き締めると「大丈夫。大丈夫。私は絶対に離れたりなんかしないから」と言ってくれたので俺は心底ほっとしたのだった そして俺は小冬の後を追うように 小春の元へ向かうと小春のクラスメイトと思われる男達に 囲まれていて、どうやら男達は俺を見てニヤついている

「おいおい。なんでお前みたいな冴えない野郎がいるんだよ?」とか言ってきたのだ。それに対しての小雪は怖がっているように見えたのだが

「私のお兄ちゃんだけど。何?」と言うのだ 俺は内心ハラハラしていたが平静を保つために平然としていようとしたのだが いきなり殴りかかってきた一人の少年に対して拳が当たる前に腕を掴み取る事に成功したのだが次の瞬間に他の二人の蹴り技をまともに食らい俺は吹き飛んでしまい地面に叩きつけられてしまったのだ。小夏と小秋が、それぞれ一人ずつを相手にしたようだが全く歯が立たずに二人揃ってボコボコにされてしまったようで俺の近くに倒れている妹達を見つけると俺は慌てて駆け寄ったのだ。そして意識が無い

「小夏、小春を呼んできて欲しい。それと先生にも知らせてくれないかな?」

「うん。分かった。おにぃちゃん。お願いね」と言うと走って校舎に向かっていった 俺は俺で、目の前で倒れたままの三人を見るなり、俺の中で怒りがこみ上げてきて 俺は妹を守る事が出来なった事に苛立っていた 小夏が戻って来ると俺は小夏が戻ってきた事を確認すると、すぐに「小夏の能力を見せて貰えるかな?俺はお前達を守りたいからな」

俺が頼むと小春が 小春が 俺達の周りに結界のようなものを張ってくれるので俺は小雪達を連れて学校から抜け出すと近くの喫茶店に入り小春

「どうしておにぃさんは小夏を助けたの?」

俺は妹達を助けてやりたかった事を話すと 小春は「小夏には悪いけど小雪はともかくおにぃさんは馬鹿だと思うよ」とはっきりと言うのだ 俺は小夏にも言われてしまうと「ははっ」と笑うことしか出来なかった。そんな俺を見た小夜は「おにぃは小夏が言った事が正解だとは思っていませんよね」と俺の気持ちを読み取ったような発言をする。俺は思わず 小夜を見つめてしまうと

「小春と小夜の能力は特殊過ぎるので その力は悪用された時の被害は大きいと思います」と真剣な顔つきで言う 俺は妹の二人に自分の能力を説明

「それで俺の力が何か知りたくて 俺は今まで色々と試してきたんだが、 どうしても発動させることが出来なくてな」

すると小夏が「じゃあさ。私が教えてあげようか」と言うと小春が小夏を制止するように手を伸ばすが 小夏は「まあまあ」と言いながら

「これはおにぃさんの力だからね おにぃさんが自分の力を知れば上手くコントロールできるようになると思うよ」と言うと俺の前に立つ

「おにぃさんは自分の力を把握してるのか分からないけど、私の力は全て把握しているはずだよ。お兄ちゃん。お兄ちゃんの能力を教えてくれる?」と聞いてくる 小春も小秋も同じ表情で見つめてくるので俺は覚悟を決めて

「俺に使える能力があるならば使うつもりはあるぞ」と言うと 俺は小夏に自分の体の中にある力を感じる事を教えられてから実践してみた 俺も、もちろんだが妹達もこの感覚を知るのは初めてらしく 俺達は、しばらくの間。無言になって考え込んでいたのである。

俺達が何も答えられなかった理由は簡単な事で 全く分からなかったからだ ただ妹達が感じた事を話してくれる内容を聞いている限り。この能力の本質が分かってしまったからだろうと思ったからでもあるし もしこの力を悪用されるとなると本当にヤバイ事になるかもしれないと考えたからだとも言えるのだ。それは、この力は、ある意味 万能であり あらゆる物を操る事ができるという事を知ったからである。例えばの話ではあるが。空気の中に漂う

「水分」「水蒸気」や、あるいは目に見えないほど微細なものや微生物やウイルスなどの細菌など。この世界にあるありとあらゆるものを操作することができるのではないかと考えると恐ろしい事になってしまうと そんな事を思いつつ俺は「これを使えば俺は小夏に勝つことは絶対に不可能だって分かるんだよな」

小春が俺の言葉を聞くと驚いたように俺を見ると小夏は俺の顔をジーと見てくる。俺が、あまりにも怖い目をするので小春が「あの。まさかとは思うけど小春と勝負しようと思っていたんですかね?」と言われてしまう 俺は正直に言うと「そうなんだが」と答えてみると 小春が「おにぃちゃん。この力って危険ですし。私でも使いこなせないと思いますよ。下手したら暴走してしまう可能性もあります」と言うので 俺は妹達を守るために使おうと考えていたのだが、それを口に出した 小夏が俺の顔を見ながら 小夏「ねぇ。おにぃさんはさぁ。小春の言ってる通り この力は本当に危険なんだよ。使い方次第で人を傷つける事も可能になる。それにお兄ちゃんは小春達を守る為にって考えてそうだけど。小春達の安全を優先するのなら使わない方が良いと思う」と言われる 確かに、妹達の安全を考えていれば 使わない方が良いのだが 俺の考えも小夏の言っている事も正しい事は分かっているので、俺はどうしたものかと悩んでいると俺が考えていた事と同じことを考えていたのか

「お兄様は小春の言う通りにして下さいませ」と俺の考えていることを全て読んでいるかのように、まるで俺の心の中を覗いたかのようなタイミングで言い

「お兄様はこの力を使わずとも十分に戦えます。この力を封印し、自分を高めるために修行に時間を費やした方が効率的ですよ」と言ってくれたのだ。俺は素直に感謝しつつ「ありがとう。俺も、お前の言う通りだと思う。この力で小冬が傷付くところは見たくないしな」と言う 小冬が少し照れくさそう

「でも、私の能力では小春と小秋を助ける事は出来ませんでした」と少し悲しげに俯く 俺は小冬の手を握ると「小冬は頑張ってくれただろ?それだけでも凄いことだ。小冬も良くやった」と頭を撫でる。俺は少し恥ずかしくなったのである それから小春と小秋の話を聞いていた 俺と妹達は一緒に行動することにした 俺と小雪が、それぞれ二人に付きっきりの状態になると決めた 小夏は少し寂しいらしい 俺は「小冬。頼むから一人で危険な場所にはいかないでくれ」と真剣に話す 小冬「おにぃちゃんに言われなくても一人で行く気はないから大丈夫だよ。それよりおにぃちゃんも、あんまり危ない所には行かないで欲しいな。心配だからね」と微笑みながら言われた 俺としては心配されていることに嬉しい気持ちもあったが 小冬に心配させてしまった事に関しては申し訳ないという気持ちもあったのだ とりあえず学校に戻る事になったのだが小冬の能力を使って俺達は誰にも見られずに学校まで移動する事にしたのだった 移動した時に俺はふと思い出すのだが 俺が小春達の通う学園の生徒だと知られてしまえば また騒ぎが起きるんじゃないかと思ってしまう。

「小春。小雪。お前達に迷惑をかけてしまうかもしれない。ただでさえ 俺は小春の通っている学校に勝手に入ってしまっているんだ。これ以上、騒ぎを起こすわけにもいかなくなった」と言う 小春は「小夏の話では問題無いみたいですよ。それに、おにぃさんが妹と会うために学園に侵入したなんて知られたら大騒動になっていたかもしれませんよ。まぁ、私は おにぃさんの事が好きな人がいても別に構わないんだけどね」と冗談混じりに言ってくるので 俺は「小夏と小春と小秋が もしも恋人を作るとするなら。小春達を幸せに出来るような男にしろ」と言ったのだ。

小春は俺の発言

「何で?」

小夏は俺の行動に呆れた様子で俺を見る 小秋はクスリと笑っているのである

「小春達が恋人とか彼氏を作ろうとしても良いけどな。俺よりも強い人間にしろ。もし弱い奴を選ぶのであれば。小夏が認めた奴だけにしろ」と俺は、ちょっとした説教じみた事を言った 俺は学校に着くなり妹達を連れて職員室に行くと先生方に伝えたのであった 俺は妹達を安全な場所に移動させると「先生」と呼ぶと 先生が俺を見て駆け寄ってきた

「どうかしたのですか? 」

俺は先生の問いに対して答えずに「俺の友達の 女の子二人が襲われました。今から 俺の仲間が その子達を助けに向かいます」と伝えて学校から飛び出して走り出したのである 俺は俺が持っている中で最速の移動方法で街に向かったのであるが。途中で ドラゴンに遭遇してしまい戦う事になる 俺は 小夏の時のように手加減して倒すつもりでいたが 小春と小秋にも手伝って貰う事になってしまったのである そして俺が小夏に頼んで ある物を出して貰い、それを使った事により あっさりとドラゴンを倒すことが出来たのだ 俺と小春が戦った時は「風魔法」と小夜と初めて出会った時に使っていた武器「レイピア」とで、かなり苦戦させられたが、この力を使い始めてからは楽

「俺は、この力の本当の能力に気が付いていないだけで実は、まだまだ 色々な事が出来るんだろうな」

と呟きながら 俺は妹達と共に助けに向かって行ったのである 俺は小夏から「これを使えれば、かなりのスピードが出るはずだよ」と言われて手渡された物があった それは、小夏と小春が、俺のために用意してくれた「ゴーグル」という道具だった

「おにぃちゃん。これは私からのプレゼント。その力を使えるのなら、そのゴーグルを使う事で、もっと遠くが見えたりするよ。それに私との小春の力を込めた。小春の力は小春と小春に抱き着いている人の能力を強化する能力なの。それと小秋は私の能力で生み出した炎の塊で攻撃が出来るんだ」と説明を受ける

「この力が使えるようになったのも、きっと二人のおかげだから、俺のほうこそ感謝している。この力で絶対に皆を守るからな」

俺の言葉に小夏も小春も小秋も 嬉しそうな笑顔で答えてくれた 俺達が、これから向かう先にある街。そこでは妹達が襲われている可能性があるため急いで向かっている

「おにぃちゃんは本当に優しいから大好きだよ」と小夏が言ってくれた

「お兄様が妹達を守ろうとしてくれているから、妹達はお兄様が好きなのでございますよ」と小雪が微笑む 小春「うん。小雪姉さんと同じかな。おにぃちゃんの優しさが伝わってくるから好きだよ」と 俺は小夏が俺の事を心配してくれていた事を この時に理解したのである。小冬や小秋は、いつも俺が何かをしてあげようと行動するたびに喜んでくれていて、それが嬉しかった。

「俺は小春と小夏に そんな風に思われていたのか。それは良かった。俺が守りたいのは大切な人達だから」と言うと小夏や小春だけではなく。何故か小春と小秋にも抱きつかれた。

「なんでだ?」

小夏

「お兄ちゃんだから 抱きしめたくなるんだよ」と照れながら言う 小春

「私も そんな感じなのかも」

小冬「わたくしも、そうでございます。お兄様が、あまりにも可愛かったものですから。思わず」と言ってくる。

俺には、この意味がよく分からなかったのである。可愛いと言われても俺は普通の顔立ちだと思っているし、特にモテるような外見をしているとは思えないからだ 俺が小春達に聞いてみる「小冬は、どうなんだ?」と 小冬

「そうですね。妹達を守る と言って下さるお兄様の気持ちが嬉しいのですよ」と言う 俺が小冬に聞く「それじゃ小夏はどうなんだ?俺って、そこまで良いようには見えていないだろうに」

小夏「おにぃちゃんが妹達の気持ちを考えてくれるのが嬉しいから」

小春「おにぃちゃんが おにぃちゃんだって思う。それだけが重要なんだよ」と言う 小冬「小夏の言う通りです。それに、小春も、同じような理由です。それに、お兄様は とってもカッコいいんですよ。小春のお兄様への気持ちは変わりません」と頬を赤

「小冬。小春。俺も二人を守ってやりたいと思ってるぞ」と笑顔で言うと 小雪は、俺の顔を見つめたまま何も言わず 少しの間だけ、そのまま見惚れてしまったのだ

「あの~。俺の顔に、なんか付いているか?ずっと、見てるよな」と俺は苦笑いを浮かべる 小冬「いえ。何でもございません。ただ、とても素敵だと思いまして」と言う 小夏「小雪姉さん。やっぱり分かるよね」と小夏は小冬を見ていたのだ

「何を二人して納得しているんだよ。俺は どこにでもいるような普通な顔の男の子でしかないんだから」と言うと 小

「小春はおにぃさんの妹でしょ?おにぃさんに、お似合いだもん。それにおにぃさんは凄く優しくて、頼りになって それに強いからね」と褒められたので俺は少し照れたのだ

「まぁ。俺が強い理由は分からないが、お前達は、まだ学生だし、色々と遊びたいとか勉強を頑張りたいって思いはあるかもしれないが、ちゃんとした相手と恋愛して欲しい。俺よりも強くなって お前らを守れる男になってから 付き合ってくれれば嬉しいな」

と俺が言うと 小夏は 少し考えて「うん。私は、それでも構わないけど。でも、小春達は、おにぃさん以外とは付き合いたくないと思うよ。おにぃさんは小夏と 結婚するんでしょう?」と小夏に言われて「俺は別に構わない。それに俺は、まだまだ未熟者だから もっと鍛えないといけない」と答えたのだ 小春「そうだね。小春達は、おにぃちゃんと小夏が一番好きだから 他の男の人に興味は無いかも。それよりも 小夏の彼氏が出来たら、まず最初に紹介するの 」と笑う 俺が「あぁ。楽しみにしているよ」と笑顔で返すと小夏も笑っていたのである 俺が小冬の家に到着すると小雪から連絡を受けていたのか。小夏から

「小冬姉さん。ありがとう」と言われると小雪の所へ案内される そこには、もう一人 俺達が会いに来た少女。魔王がいたのであった 俺と妹達は助けに向かうと 俺の目の前では妹達を襲った者達を捕らえており 既に縄を縛られ 捕まっている状態になっていた 俺は「この子達が、今回の騒動の主犯なのか?随分な事をしてくれる」と言った瞬間に魔王が立ち上がり小春と小秋は驚いてしまう 小冬だけは平然としていたのだが。それも無理もない事で。俺以外の人は気付いていない事だったからだ。

この場で一人だけが、この状況を理解して冷静に対応していたのである

「ふっ!ようやく気が付いたようだな。我輩が本物の魔王だとな!」と言い放ったのである。

そして小夏も「お兄様と私以外は、誰も気づいてはいなかったと思いますよ」と言ってきたのだ。俺は呆れながらも、「そんな事は今はどうでも良いんだがな。この二人が今回の騒動の原因なのか?」と話しかけた 小冬「はい」

「そうみたいだな」

「小夏。お前は、どう思っているんだ?お前達からすれば 小春と小秋の大切な友達が 俺の大切な妹の友達を傷つけた事になるんだが」と話すと 小夏は、ゆっくりとした動作で 倒れている二人の元へ向かう

「何をするのか知らないが 俺も手伝うぞ」と俺が声

「ううん。大丈夫。この二人の傷跡が残らないようにしてあげるだけだから」と 言うと 二人は小夏を見てから驚き 小夏に向かって

「貴女。いったいなんでこんな所に居るの?まさか。本当に魔王なの?」

「お姉さん。私は本物だから安心して。そして 私の名前は小夏だよ」と言う

「えっと。小夏って誰?あっ!!確か、私が勇者様に倒された時にいた娘だったんだ。私、覚えてますよ。その節は、本当にすいませんでした」と謝り出した 俺の時と同じように また「なんで、ここにいるのか」と聞かれて説明をすると、すぐに

「小夏さん。お願いします」と頼むので 小夏は「うん。分かってる」と言って 小春と小秋と同じ処置をするのを俺は確認し終えてから「小夏 よくやったな。これで、もう二度と小春や小秋に、手を出そうとする事はないな」

小夏は「当然だよ。私は小春お姉ちゃんや小秋の為になら、いくらだって協力できるよ。だからおにぃちゃん 心配しなくても、おにぃちゃんの為でもあるし。それに私の好きな人達のためにもなるから、小春お姉ちゃんと、この子の願いを聞いてあげてるだけだよ。だから 私に任せて欲しい」と言う そこで、俺が口を開く前に。アリシアが

「そう言えば。あなた達を助けに来たって言っていたわよね。それなのにどうして。こいつらが、こんな酷い目に合っているの?」と聞く 俺は、その時に初めて、まだ名乗っていない事に気がついて

「すまない。俺は小春の兄の。神月 真と言う名前だ。君に名前を聞けなかったからな。俺は小夏しか見ていなかった。すまなかった。俺の名は 神崎 浩平と言う。よろしく」

アリシアは「そうですか。私は、アリシア。アリシア・アシュリーと言うので。よろしくね」と自己紹介をしてくれていた

「それで 君は何で此処に?」と俺は、改めて聞いたのである 小夏は「実は、勇者様が、この世界に帰って来たって話があって。だから勇者の力が目当てだと思ってたんだけど、違うのかなって思ってた」と言うと俺を真っ直ぐに見つめてきたのだ 小夏は、俺に近づいてくると、頬に手を当てて、「ねぇ。私にも、何かをくれる約束はどうなったの?」と言って 俺は、一瞬 言葉が出てこなかったが「それはな 俺は、あの時は知らなかったんだよ。俺には俺の目的があったから、それが達成されて初めて 小夏に会いに行ったんだよ」と言うが 小夏は「そうだったんだね。でもさ やっぱり、ちょっと悲しかったかな」と寂しそうな顔をして呟くのである

「悪かった。でも、これからも俺は妹達を守り続けるから。それを約束しよう」と言うと 小夏は嬉しそうに「うん」と微笑む そこに 魔王が現れて、小春達を抱きしめると泣き出してしまったのだ 俺と妹達は、いきなり現れた魔王に困惑しているも 小雪が俺に近寄ってくると耳打ちをしてくる

(どう言う

「訳あり なのかしら?事情を聞き出す為にも とりあえず、連れ帰る必要があるんじゃない?)

(それもそうだな)と小雪が俺から離れると「あなたは どうして泣いているのか教えてくれないかしら?それとも言えない理由なのかしら」と聞くと魔王は、ただ泣くだけで答える事が出来ない それを見ていたアリシアは「もしかして、記憶喪失になっているんじゃないかな?」と言っていた

「そうだな。魔王は魔族の王みたいなものだもんな。きっと 人間に負けたせいか、何が起こったかは分からないけど。自分に関する事を全て忘れてしまっている可能性があるかもしれないな」

俺は少しだけ考えてから「俺の妹が三人とも同じ場所に保護されていたから 一緒に連れ帰ろうとは思っていたんだ。この世界では 人族は弱い者いじめをするような連中しかいないんだ。それに俺は、自分の妹達の為なら何でもするつもりだ」と言ってから 魔王の手を掴むと「少しだけ、我慢していてくれよ」と言って 魔王を抱きかかえてしまったのである 俺は 魔王を連れ帰り、俺の妹達に紹介するのであった ただ魔王は、小雪と小冬を見た時に涙を流してしまい「何故?お前達は無事で。我が妹達は居なくなったのだ」と嘆き アリシアを見ると「その娘も。魔王なのか?」と聞くので、俺は

「いや。魔王ではないな。彼女は普通の人間の女の子でしかない。だから魔王とか関係なしに。この子達は俺にとっては大切な家族であり。守るべき相手なんだ。だから俺と一緒に暮らすのを許してくれるよな?」と言うと魔王も理解を示してくれたのだ 魔王は

「我輩の知り合いに頼んでみるが。この国で暮らせない事だけは 分かっているのだな?」と言ってから 魔王の側近に指示を出すと 小春と小秋を連れて 一旦。城に戻ろうとした時だった。俺のスマホに小冬から連絡が入ったのだ 小冬に どうしたんだと問いかけるが返事がない 俺が

「もしや。何かあったのか?」と不安になりながら声をかけると「おにぃちゃん助けて!!」と叫び声で返してきたのである 小春が「どうしたの小冬」と言いながら 小冬が映っている画面に近づき、俺にも見せてきて

「これはまずいことになったね」と俺の顔を見てくるのであった 俺のスマホの画面の中では 小春達を誘拐しようとした奴らが、縄で縛りあげられた状態で転がされているのが映っているのである 魔王と俺は、小雪が転移してくれた場所で話し合いを始めることにしたのである まず 最初に、この場に居た者達を一人も殺さずに生け捕りにする事ができた事を喜ぶべきだろう。

そして この世界の事を魔王に説明をし終わる

「そんな事になってたんだな。まさか、魔王を倒した人間が生きていたとは驚きだった。それにしても我輩に会おうとしているって事は やはり、我輩の力を求めているという事で間違いはないのだな?」と聞く 俺は「魔王が、どんな人物かは知らないが 俺としては。小夏も俺の家族として迎え入れるつもりだったのだが。もしかして、迷惑だったりするのか?」と質問する

「そんな事はありませんよ。むしろ、こちらからも頼みたいくらいで」と言う 俺は不思議に思ったので 聞いてみる事にした「それはどういう意味なんだ?」

「そのままの意味ですよ。私と小夏と私の側近で、あなたの妹の捜索を行う事にしたのです」

俺としても願ってもいない話で、断る理由などあるはずもなかった。俺は魔王に向かって手を差し出し握手を求めた 魔王が手を握り返した瞬間。俺が魔王の腕を引く 俺が何をするかと言うと。俺は魔王に口づけをしていた 魔王は驚いた顔を見せたが 俺は唇を離すと「これからもよろしくな。俺の愛しい妻さん」と言ったのである すると、アリシアの笑い声が大きく響き渡った

「あらあら。本当に仲が良いんですわね」と言う 俺も つい調子

「まあな。俺は、可愛いもの好きなんでな」と冗談交じりに答えたが、本音でもあるのだから嘘はついてはいないと思う 魔王も

「ふふ。ありがとうございます。私も 貴殿の妻に相応しく頑張ります」と答えて笑みを浮かべた 小夏の方はと言うと「もう。おにぃちゃってば。本当におにぃちゃんは 小春のお兄さんだったら良かったのに」と言われてしまう

「そうだな。俺と小夏が本当の兄妹になれたらいいんだけどな」と言って頭を撫でてあげると「うん。私だって 小春のお姉さんになりたいって思う事もあるし。だからさ 私は小夏ちゃんと姉妹になれるように協力して欲しいの」と言われる 小春が 俺に「真さん そろそろ 私にも、この人の事を紹介してほしいです。私のお義姉さんのお母さんみたいだし」と言ってくる 俺は、小夏に魔王の事を説明してもらい「なるほど。魔王と勇者って関係だけど、仲良くしてもらえるとありがたいな。それと アリシアと、この小雪も 俺と小夏にとっては家族のようなものだと思ってもらって良いから」と言うとアリシアは微笑み 小雪は恥ずかしそうにしていたのである。

小夏は「分かったよ。これからよろしくね。おねぇちゃん」と言って アリシアも「そう。あなたは妹になるわけなのですね。よろしくお願いしますわ」と言ってアリシアは、小夏を抱擁し頬にキスをして アリシア「妹になった証に名前を付けてもいいかしら?」と聞かれ 小夏は嬉しそうに「うん。いいよ。名前をつけて」と言っていた そこで、小雪と、小雪の使い魔達が小春達を抱きしめていた 魔王と俺が話を始めた頃に 魔王城に戻って来た 小雪が俺の側に近寄り、小夏を見ながら俺に囁く

(ちょっと。あなたが名前を付けた方が良いと思うの

「うん?そうだな 名前をつけないといけないのは分かるんだけど 小夏は、まだ幼いだろ?名前を決めるのには早すぎるんじゃないのか?」と聞くと小雪は首を横に振りながら言う

(それは違うと思います。名前は、その名前を持つ者に一生つきまとい続ける呪縛のような存在でもありますから。だから早いとか遅いではなく、自分で考えた名前をその子にあげるべきなんですよ。私のようにね)

(確かに それもそうかもな

「そう言うことならば、仕方がないよな。それじゃあ 魔王と、俺の知り合いの子と、俺の妹達も呼んで相談してみようか」と言うと 小夏達は アリシアの所に向かった

「小雪の言い分は理解できるけど、小夏の名前に関しては やっぱり小夏自身で決めるべきだよ」と俺が言うと

「そうですか。残念ですね」と言う小雪 俺とアリシアが小雪と話している間に 小春とアリシアが 小夏を連れ出して 魔王の元に向かっていたので 魔王とアリシアに、小夏の名前を魔王に決めて欲しいと伝えた 魔王は「我輩が決めても良いのなら 決めたいところではあるが」と悩んでいた

「別に 構わないけどな」と俺は言った それから 小冬は俺の横に座っているので 膝の上に座らせて 俺が小冬を甘やかしていると、そこに 小夏を肩車しているアリシアがやって来た 俺は、魔王に小冬を渡して 小冬が「だぁれ?」と言う

「私?私の名前はね アリィっていうの」と言いながら 小冬の頭にチュッとしたのだ それを見た小春が、「私も!」と言いながら 小秋に抱き着き、同じようにキスをした 魔王が呆れた様子で「おい!我の前で、堂々と何やってんだよ」と言いながらも、魔王の表情はとても柔らかくなっていた 俺も 魔王とアリシアに挨拶をするのであった 小雪とアリシアに、この場にいた者達の紹介を簡単に行う事にしたのだ まず 小雪 小雪「初めまして魔王様 私は小雪といいます これからもよろしくね」と自己紹介を行う 魔王もそれに

「よろしく」と答える 次に 小冬と小春の事を説明すると、アリシアも 魔王と同じ反応を示していた そして 魔王に 小冬達の事も紹介した

「そうなの?それで?あなたはどうするつもりなの?」と聞く 魔王がどう答えたかというと「我が、面倒を見るしかないであろう。ただでさえ、こやつ等は、この世界では狙われているからな」と言ってくれたのだ そして アリシアも「そうですね。それなら私が、魔王城に、この子たちを連れて行って保護する事にしますわ。だから 魔王さんは気にせず。勇者としての生活を送ってください」と言ってから「もちろん 私の側近の子たちも連れて行きますから 問題なんてありませんよね?」と聞いてきたのだ 俺は

「アリシア 魔王の気持ちも考えてあげてくれ 魔王も、小雪達に 何かしたいと思っているはずだぞ」と言うと魔王が「うむ。そうだな 小雪と小夏 そして この二人の娘に贈り物を与えないといかんな」と話すとアリシアが「えっと。その。そういう意味ではなかったのですが 魔王さんが良ければ。一緒に この世界の観光に連れて行っていただけると嬉しいです。私達だけで、出かけても大丈夫でしょうか?」と聞くと魔王は「うむ。わかった」と言って魔王が転移魔法を使うために呪文を唱え始める 小雪とアリシアが魔王の方を見つめてから 俺に話しかけてきた

「お義兄さん。魔王さんは、優しい人ですね」と 俺はそれに笑顔を見せつつ「あぁ 魔王が優しい人で良かった」と答えた 俺は 転移魔法の事を思い出す

「そういえば、俺達が、この異世界に来て 最初の頃。俺は転移のスキルが使えなかったから。俺一人で魔王に挑んだよな。もし俺一人だけだった場合。今 ここに居る俺の家族と出会えなかったんだな。なんか 感慨深いな」と俺がしみじみと言うと 小夏が「そうだよねぇ おにぃちゃ あの時、私のために 戦ってくれたもんね。小春ちゃんのお兄さんが、この世界に居たんだもんね。運命を感じちゃうよね」と言うと小春も、「本当ですよね。この世界に来てから ずっと、おにぃちゃに守ってもらってばかりで。いつかは、小夏ちゃんも小雪ちゃんも、おにぃちちゃんに負けないような大人になりたい」と言うと小雪は「あらあら。この子たちは、おませさんなんですね。まあ、でも。そうね。あなた達は、真さんの大切な娘なのですから これから先、あなた達が幸せになれるように頑張ってくださいね」と言って小夏と小雪の頭を撫でた すると小夏は照れて顔を

「えへへと笑っていた」のである。

そんな話をしていたら魔王の 詠唱が完了したようで

「準備はできた 皆 私に付いて来なさい」と言って、手を前につきだしてから転移を発動させた すると、俺の身体は 魔王が作り出した空間に移動した

「あれ?ここって?」俺が そう言うと魔王は「ここは 我らが暮らしている城だよ」と言うのである 魔王が住んでいると言う 城は俺が知っている城とは全く違っていて。まるで ヨーロッパの城のように感じてしまうのは、何故だろう?

「さて。お主たちを我が妻達と 小春に、小冬、それと、この世界で暮らして行く小夏と小雪。

後は 我の嫁にするために召喚された お主に託されている少女達を、我の部屋で匿わせてもらう」と魔王が言うとアリシアは少し困った顔になり「あの。その前に、私の事を紹介してもらえないでしょうか?私は アリシアと言います。真さんの許婚です。それと私の使い魔を紹介しますね」と 魔王が俺に視線を向けて「お前は、この者を知らぬのか?」と言って来たため 俺は

「あぁ 知らない。初めて会う女性だからな」と答えてアリシアを見ると「ふーん。おにいちゃん 浮気するの?私と言うものがありながら?」と頬を膨らませる小春 魔王「ははは。おにい おぬしの事を しっかりと見ているようだな 小春は」と言うと小春が俺の背中にくっついて来たので、魔王に向かって

「俺の妹の小雪は 俺の事を理解してくれる良い妹だよ」と話すと魔王が笑いながら「小雪は。この世界の管理者だそうだぞ つまりは 神の使いだ。しかも かなり偉いんだが そこのところはいいのか?」と言うと俺は魔王の言葉を聞き。小雪に確認をしてみた

「そうなのか?」と言うも 小春と小冬が「違うよね?」と

「神様ではないけど この世界を創っている神みたいなもの」だと教えてくれた 俺は、小夏を見てから小夏に聞く

「小夏はどう思う?」と小夏は考えながら口を開いた

「私も小春ちゃんと同じ意見かな」と話すのだった それから、アリシアと アリシアに着いてきていたリリアスとエルミアを紹介されたのである 俺達家族が

「よろしくお願いします。魔王さん」「よろしくね。魔王さん」と言うも 魔王からは返答がなかった そして 部屋に向かう事になったのだが。魔王が転移させるときに 転移先の場所を指定していないらしく迷ってしまった しかし 運が良いことに偶然にも城の一室に着いた そこは アリシアの部屋であった。アリシアは部屋の中に入りベッドの上に座ると 隣を手で叩いてから

「座ってくれませんか?」と言ったので 俺は小夜を抱えて 隣の席についたのだ 俺達が座るのを確認してから、俺

「小春は俺の隣で寝かせるよ。今日ぐらいは俺に甘えても良いと思うからな」と言うと 魔王は納得してくれたようで、何も言わずに見つめるだけだった 小雪「小雪よ。よろしく頼む」

小冬は俺にしがみ付きながら小声で挨拶しただけである それから魔王の膝の上にいる小夏を魔王から預かる事にした そして小夏の目線に合わせてしゃがんで小冬に

「俺は、君の兄になる 真だ。君も、今日から俺たちの家族になったんだ だから これから、よろしくね」と言うと 小雪が 小冬の頭を抱きかかえ「小雪です」と挨拶をすると小夏も

「小夏」と自己紹介を行う 小春「小雪ちゃん ずるい。私も」と言って俺の胸に 抱き着き 俺の顎に自分のアゴを擦り付けるようにして

「私の名前は小春」と自己紹介をする 俺は小春の頭を撫でると 小冬は羨ましそうな顔で、俺と小雪達を見るのだ アリシア「あらあら みんな、可愛いわね。私がお世話をしてあげるから。大丈夫よ。任せておいて」と言うと小雪が

「そうね。アリシアさんなら安心ね」と笑顔で言うのであった 小雪は「そうだな。アリシアなら、お母様として相応しいだろうな」と答えるのだった 俺はアリシアが、どうして母親になろうと思ったのか疑問を持った

「そう言えば アリシア 魔王と結婚したから。俺の子供を産むつもりはないんじゃなかったの?」と質問してみるもアリシアは苦笑しつつ

「私だって 結婚したばかりだから。すぐに、子供ができたりしたら嬉しいんですけれど。でも、魔王さんが、まだ早いと言って 結婚をした日に。私に、子種だけを頂いただけなんですよ」と言って魔王の肩に手を乗せるが魔王は何も答えなかった 小雪「それで。真さん 私達に聞きたい事が、あるんでしょ?」と 俺に問いかけてくる小雪に 俺はアリシアの胸を見ながら アリシアに話しかけると アリシアが 恥ずかしそうに 顔を赤くしながら 魔王に何かを言い出すと 俺の方に身体を向けた 俺は、そのアリシアの

「えっと その。実は。私 妊娠しました」という言葉に驚き 俺は 小夜に「ちょっと、ごめんな」と謝ってからアリシアのお腹に触れてみると 何かを感じた 俺の直感が働いたのだ。何かを。そう。これは小夜の時と全く同じ感じがしたのである。だから俺は アリシアのお腹から手を離す事ができなくなってしまった 魔王が俺の様子に気づいたのであろう。アリシアのお腹を触っていた俺の手を取る

「それは、小春や小夏のような。小冬の時に、感じる事ができる 魔力が その子には流れているんだよ。それ故に その子の体内に居る子は。真さん 貴方の子なのですよ」と魔王が説明するも俺は困惑してしまった。なぜなら

「そんなバカなこと ありえないだろ。俺は この世界に、来てからも。ずっと一人で ずっと小春 小夏 小冬と一緒に暮らしていたんだ。小春達以外の女の子と そういう事はしていないんだ」と反論すると魔王は「確かに。真さんと、小夏ちゃん達の三人だけでずっと過ごしていたはずなのに どうして真さんが、その子の事を感じ取れるようにまで成長できたのかが不思議なのですよね」と言うとアリシアも「それにですね。その小雪ちゃんの時に 生まれた赤ちゃんは。私の使い魔に、なっていたようなので その子が大きくなったとしても 人間の赤ちゃんの姿ではなくて」と話すと小春達は不思議そうにして聞いていた 俺は魔王が嘘を言っているとは思えなかったのである。だが俺自身は本当にこの世界に、来てからも一人で過ごしてきたはずだと思っていたからだ。小春達以外に誰も居ないし。俺自身が異世界に召喚されて勇者になった事も誰にも言ってはいないしな 俺が悩んでいる姿を見ていた魔王は 俺の頭に優しく手を置くと「おぬしは。今までに多くの人を助けただろう?それも その者達の中に小夏と同じようにお主の事を大切に思ってくれる者も 沢山いたことじゃろう。お主が気が付いていなかっただけでは、ないのか?」と言われると小雪が魔王に「そうです お兄様は優しいですから」と言うので

「まぁ。お前達が言う通り。俺のスキルの中には鑑定と隠蔽がある。そのせいで俺が気が付けなかったことが 多かったかもしれない。それと、この子の父親は。俺の知らない者なんだが。この子が俺の子だと分かった以上は 責任を持って育てる。それだけだよ」と言って小春と小夏を見た後にアリシアを見ると

「うん わかった。お父さんだと思っていいんだよね」と笑顔で言ってくる 俺は「そうだな 小夏 お前の妹だよ」と答えて小夏と小冬を見る それから アリシアの事を考えて「ところで、アリシア?お前 俺との子供を宿しているから、しばらく動けないだろう?俺の転移の能力もお前がいる限り使うことはできないからな。しばらくは、アリシアの部屋にいるしかないよな」と言うと魔王は「そうだな お前は、どうするつもりなのだ?」と言うと俺はアリシアを抱きしめてから「しばらくの間。俺も一緒に、アリシアとここにいようと思うんだけど。ダメかな?」と言うとアリシアは俺を見上げて微笑みながら 俺の頬を撫でながら「ありがとう。あなたが側にいてくれると。私は嬉しいから、私は賛成しますよ」と言ってくれたので、俺は魔王を見て「そういう事なんで、少しの間だけど。俺のこともよろしく頼む」と言うと魔王が

「あぁ おぬしも。ここの住人だ。何も気にすることはないさ。この城の一室を使ってもらう事になるけどな」と答えた その後から部屋を出ることになったのだが 部屋から出た直後に魔王が 小夏に 何かを言うとそのあと 魔王城の中を探し回ることになり やっとのこと見つけた部屋にたどり着いた 部屋の中では小春達三姉妹が寝ていたので静かに部屋の中に入ると小夜を抱いて布団に入る事にした 俺は眠りについた小夏を見ながら考えごとをしてしまう

(なぜ。小雪は、自分の娘を産んですぐに亡くなったんだろうか?)と考えてしまった そして朝になり起きることになるも、いつもなら先に起きていて起こしてくれるはずの アリシアがいないことに寂しさを覚えると同時に俺は慌てて部屋の外に出る事にしたのである 部屋の外では魔王とリリアスが何

「二人とも 朝食を用意してあるからのう」と言い出すとリリアスは

「あの。お姉様に何かあったんですか?」と聞いてくるも「リリアスよ。小夏の様子を見てからでも遅くはないからのう 今は ゆっくりと食事をしてからで良いだろう?」と答えるのだった 魔王は食事が終わった頃に口を開いた「リリアスよ。お主から見て小夏の様子は どんな風に見えているのじゃ」と話し始める それに対して

「そうですね。お父様の話を聞けば聞くほど。とても、愛されていたという事がわかります。だから、お亡くなりになってしまわれて悲しかったのでしょうね」と話すも魔王は「ふむ。それは仕方のないことだ。わしも悲しい気持ちになるが。それでも、この世界の神である女神様からの願いもあったのだ。それならば やれるだけのことはやろうと、わしは思っていたからな」と言ってから「だがな もうすぐ 小夏は、この世界で生きることに対して 希望を持つことも。生きていく理由も 失くなってしまうのかもしれなくてのぅ」と呟き それから「だからこそ リリア お前は小雪の娘として、そして魔王として、しっかりと小夏を育ててくれればよい。小雪の事は忘れても構わん お主にしかできないことも。小雪が残した。リリスとリリイ 二人の娘のことを見守っていってくれればいいのでな」と言うと魔王が俺の方を向いたのだ 魔王「すまないな。勇者よ。お主の事は信用できる男と認めてはいるが 小雪が、お主に残してくれた。この世界を救ってもらいたいとは思っている。しかし お主の能力は特殊すぎて、小春達のようにはいかぬのでな」と言われてしまう 俺は 魔王の言いたいことが何となくだが分かってしまうのである 俺は、その事を考えないようにしながら「わかってる。俺だって 魔王に迷惑をかけるつもりはないからな」と言うと 魔王は俺の言葉に納得して、それ以上は、小夏が元気になるまでの間は魔王城に滞在することを許すのであった。俺は小春達に 小夏の様子を話した後。魔王に頼み込むと 魔王も俺の頼み

「わかった。お前のスキルの事を。小夏にも使わせよう」と言うと 俺は アリシアと魔王に頭を下げた。俺はアリシアと魔王に感謝をするしかなかったのであった。それから、俺は小春の頭を撫でると魔王に 小夏は「どうなるんだ?」と不安になりつつも魔王に質問をしてみるも「心配は、要らぬぞ。小春も、よく知っているはずだ」と笑う魔王 俺は、その魔王の話を聞いていて、ある事が思い浮かぶのである 俺は 魔王が俺が質問したことに対して答えてくれたのは もしかしたら 魔王が俺に、気を使ったのではないかと そう思ったのだ。俺が

「なるほどな。確かに そうかも知れねぇーな。魔王。小春達は これからどうすればいいんだ?」と聞くと魔王が俺を指差すのである 俺は 小夜に小春を任せることにした 魔王は小夜に小春が魔王としての使命を全うできるように鍛えて欲しいとお願いしていたのを俺は見ていたからである 魔王は リリィに 小夏を連れていくように指示を出すと魔王は俺の方を向いた

「真さん 貴様には 小雪とアリシアの件も頼んだのだし。わしからも一つ 頼まれてもらいたい事があるのだが 構わないかのぅ」と言うので俺が「えっ 別に それくらいは問題無いけど」と返事すると 魔王は「ありがとう それで、真さん 小雪が死んだのは お前さんのせいでは無いのじゃ」と言われるので 俺は「いや そうは言ってないんだけど。確かに あの時の俺は 小夏を助けようと必死だったからな」と答えて俺は続けて「そうなのか?でも俺も、アリシアが殺されたと思ってしまったしな」と答えると魔王

「その通りだ 小雪の奴が、殺されておらんと言うのに 勘違いしてしまったからこそ お前さんも小夏に優しくしてくれていたわけだろう?」と言うので 俺は

「ああ 俺は。自分が この世界に来たことで小夏には 辛い思いをさせているし。それに俺が助けてあげられなかったばかりに、アリシアも亡くなってしまって、俺自身にも後悔があったからな。それに俺自身も 俺なりに出来る限りの事をしたつもりだったし」と言ってから「魔王 俺のスキルの中には隠蔽があるのは、知ってるか?鑑定の上位互換のスキルみたいなんだけど」と言うと 魔王は 俺のステータスを見てから「ほう お前さんの隠蔽スキルの中にアイテムボックスもあるのか!これは面白いものを見せてもらって感謝しかないわい」と言うと魔王城を出てから小夏の様子を見てから街に向かうように言われたのだ 俺は、そのまま小夏に手を振られて部屋から出ていく時にアリシアの方を向いて小夏に何かを伝えてから立ち去った後に俺は、リリアスの元へ向かうのである。そしてリリアスがいる部屋に入るとリリアスがいた。その部屋に入ると、すぐにリリアは口を開くのである。そしてリリアに言われるままにリリイ達も集められる事になったのである。そこで リリアに言われるまま リーザ達を集めて話し合いをすることになったのだ。それからしばらくしてからリリアから「浩平君も、私達と同じように能力が封印されたので。このまま一緒に魔王様の元へ戻ろうか」と聞かれたので俺はリリアスと小夜に「悪い。先に、戻っていてくれるか?」と伝えると リリアスと小夜はお互いに顔を見合わせてから「わかりました」と言うと魔王城へと向かっていった。俺は、魔王と話をする事にした。俺は、魔王と話しながら考えていたのは小夏のことである。小雪が生きているのは、小夏も知らない事実であり。俺は魔王に小夏について、もう少し時間をかけたい事を伝えたのである。そんな時、魔王からの提案を受けて。小夏の事を、小夏に気付かれないように 俺と魔王で面倒を見る事を決めた。俺の隠し通せる自信もないので、魔王に小夏の事を伝えると

「そういえば 勇者よ わしも 小春達の事は お前に任せているが。お主の能力があれば。お前さんは 小夏を救えるかのう?」と言われた。俺は「多分 俺には出来ないが 方法ならある。ただ 小夏の体力とかの問題もあるから 今は言えないが 何とかしてみるさ」と言うと魔王は「わかった。今はお主を信じる事にしよう。だが、お主も小春達と同様に。自分の力については 十分に理解していると思うので 無理な事はするんじゃないぞ。小夏の為にも 小雪の気持ちを考えてくれても良いのではと、思ってしまったからのう」と言うので俺は魔王の言葉を聞き入れて 俺が持っているスキルの一つに小夏の状態を回復する為に使う為に、回復薬を作り出す事にした。その事をリリアスに伝えると「なんですって?」と驚いていたが。それでも、俺の考えは間違っていないと思っていたので。魔王もリリアスも同じ意見だと思うも。小夏が、まだ 幼く、幼い小夏は。俺の力を制御できない可能性が高いと伝えてから。小夏の体を回復させてから、小夏の体の事を詳しく知るために。俺は小夏を連れて

「そうだな リリイやリリスを俺の仲間にしたいんだが大丈夫かな?」と言ったら。リリアスは「リリイちゃん達なら きっと仲間になってくれるわよ?」と言ってくれていたので俺は二人を呼びに行くことにしたのだ 俺は リリイやリリスの部屋に向かったのだ。二人を呼ぶために部屋に入ろうとする前に念話で連絡を取る事にしてから俺は部屋の扉を開けたのだ すると そこに立っていた人物を見ると俺は固まってしまうのである そこにはリリイや、そしてリリーの姿があったのだ。そして俺は、「なんで お前らが居るんだよ」と言いつつ二人に近づく 俺は二人に対して何故いるのか説明を求めるものの二人は特に何も言わなかったので俺もそれ以上は何も聞かない

「リリィは、これから俺が話す内容を知っているが。リリイ お前は、知らないはずだが?」と言うと リリイは、首を傾げていたが、それでもリリイに確認をとると「えっとね リリイも。この世界に召喚されてね。その時 お父様は、この世界の真実を教えてくれてたから 知ってたの。それにお姉さま達が居なくなったので。寂しくてね。この世界に来てくれた人達と会ってみたかったから」と理由を説明した。

俺としては、これ以上 追及するつもりはない。リリス達を連れて来ていない時点で もう、ある程度のことは察してはいたからだ。それにリリイは 今の言葉に嘘はついていなかったので

「リリスは 知っているんだな?」と尋ねると

「うん。リリスさんに、聞いたの」とリリスに、視線を向けた。リリスは「私は リリィさんと一緒に、この世界に来て。リリィさんは 私に「これから 一緒に行動しないか?」と言ってくれたので。それで 行動を共にしてるだけですよ。まぁ 本当は、魔王様にも誘われていたのですが。私の役目は。あなたのサポートだったので。魔王様には断りを入れています。だから。あまり 怒らないであげてください」と言うと リリィも、「ごめんなさい。お母様に言われていたから 言えなかった」と言うので。俺は「怒ってはいないが どうして、ここに来た?」と聞くと。

「リリイちゃんのスキルを、お兄さんにも使って欲しいと言われて。お兄さんに お願いされれば。お兄さんに従おうと思って」とリリィが答えると俺は

「なっ? それは、どういう意味だ?」と俺が聞き返すと

「う~ん よくわからないけど。でも リリアさんもリリイちゃんと同じ意見だと思ってね」と言うので俺は「ふぅーん。とりあえず。魔王が待ってるから 行くか」と三人に言い魔王の元に向かわせるのであった。

俺は、部屋に戻りリリィのスキルを使いながら魔王と話し合った。

俺は、リリィに俺の能力を使えるようにする為に必要な事を伝えた。

まず 小春の事である。俺は魔王から、リリィに小夏を助けられる可能性があるから、一緒に来るように言うと、魔王城の近くにある村まで転移魔法を使って連れて行くことになった。俺は魔王城を出てからリリィとリリイに、小夏の事を説明するのであった。それからしばらくして 魔王がリリィの所にやってくる

「勇者 準備は整ったから。そろそろ リリイの所に行ってもいいじゃろう。わしの方も お前さんの嫁の居場所はわかっているしな」

俺は魔王とリリイの3人で、小夏の所に向かうことにしたのだ。そして俺はリリイに小夏に何をするかの説明をするのである。

俺の能力は小春に使った時とは違い、対象が1人だけなのだが。それでも、魔王から与えられた力で何とか出来るかもしれないと考えたからである。その話を聞いてリリィも魔王も、協力をしてくれるらしいので。俺は、早速 小夏の

「あ、パパ。ママ。帰ってきたの?」と小夏が出迎えてくるので「ああ 小夏 ちょっと 用事があって出掛けていたんだ」と俺は答えたのだ。すると小夏は不思議そうな顔をしながら俺の顔を見ていて

「小春ちゃんの様子を見に行ったんでしょ?」と言うので 俺は 小春の名前が出てきた事で動揺してしまうのである。俺は「小春ちゃんの?」と聞き返した。小夏は「だって 私が倒れた時に 小春ちゃんが来て それから。私 ずっと眠っていたんだけど。小春ちゃんは 心配してくれているのよ。だから。小春にお礼がしたくて」と言うので 俺は小春が、この魔王城にやって

「おい。勇者よ。小春は、まだ生き返ったばかりなのに。そんなに無理をして良いと思っているのか?」

と魔王に言われるも。俺は「小夏に、小春に会いに行こう。そして 小春に、小夏の姿を見せたいんだ。それから小春を、俺のスキルで、蘇らせるから」と伝えるのである。リリイも魔王も、俺の事を 止めなかった。むしろ。俺の事を、信用している感じではあったのだ。そして俺と小夏は、リリイがいる村の前までやってきたのだ。そこでリリィから「リリイ 浩平君の事を、よろしくね」と頼まれると。

リリイは、

「はい 任せてください。小夏様は、絶対に、浩平君に任せてます」と力強く返事をしていた。そんなやりとりの後 俺達は魔王城に戻っていった。そこで 俺が「小夏の事を頼むな」というと 魔王から「当たり前のことだろう。わしが娘を助ける事に 反対する事などありえんわい。わしに 小夏を救えないわけがないだろう。小春も救えるのに。小夏は救えなくて。小春は救えるなら。当然の事だよ」と言ってくれていたので 俺も安心したのだ。その後、魔王が小夏に小夏には、しばらくの間ここで過ごす事になると告げると小夏も理解してくれたのだ。リリイも

「小冬も、この世界で生きているのよね。あの子も、きっと 小夏の事が大好きになると思うの」と言うので俺はリリイに

「小冬の方は大丈夫か? 小夏は俺の力を使えば助けられるが 小冬の方も何とかしてやりたいとは思うが。ただでさえ あいつは。俺に対して不信感を持っていたのが。それでも、何とかして。説得はするつもりだが 今は、難しいかもしれねぇーな。今は リリイとリリイが信頼している者達しか ここにいないのが、問題だけどな」と俺は、リリイに相談すると リリイは

「そうね 確かにリリイは、まだ小冬に会ったことはないけど。リリスは、会っているはずで その時の様子を見る限りだと。小夏様と、仲良しになれたみたいです。だから 多分 大丈夫じゃないかしら?」

俺が思っていたことを 代弁してくれたかのように 魔王に言われてしまったので俺としては。少しだけ嬉しかったのだが。それでも俺は「そうだな きっと大丈夫だろうな。俺もできるかぎり 頑張るさ」と言ってリリス達のところに向かうのだった。ちなみに俺は 魔王の娘達や。アリシアの妹には俺の仲間

「ラフィーネ」を紹介した 最初は警戒していたみたいだが しばらく話をしていくうちに打ち解けていった。それから 数日後に魔王から。リリイに伝言を頼まれて「勇者。今すぐにでも お前さんの力で小夏を蘇生させたいのはやまやまだが 残念なことに。もう少し時間が必要だ。それと。これから、リリイの所にリリス達が来てしまう。だからな しばらくは リリイと一緒に、この城の中で過ごしてくれ」と言われたので俺は、魔王に

「魔王よ すまないが。俺は 小夏を連れて、今からある場所に行ってくる。そこならば、安全だと思うしな。それに小春を救う事もできるからな」と言い

「それって何処なんですか?」とリリイが尋ねてきたので 俺は

「リリイと会う前にいた場所だよ」と言うも リリイ達は、よくわかっていなかったが。リリスとラフィに、説明を任せることにするのであった。俺は、魔王にリリィと一緒に小春の元に向かってもらうことにしたのだ。俺は、リリィの転移でリリス達がいる村に向かっていた。その間 リリス達とも、自己紹介をしたりして楽しく話していたが。リリス達に俺の能力で小春の事は、どうなったかと聞くとリリスは

「私達も、浩平さんのおかげで助かりました。でも リリイさんのお母さん。リリィさんは もう亡くなっています」とリリスが答えるので俺は

「あ、そっか お前らの世界では、そういう設定なんだっけか?まぁいいか その話は 後でするとして お前らは この世界に来てから どれくらい経ったんだ?結構経ってるような気もするが」と言うと リリスは

「そうですね 私とリリィは、リリィのお母様に、拾われてから3年ほどが経ちます。その間に色々と 大変な事がありまして。まず お城の中では、私達以外の人達が全員殺されてしまって それがきっかけで。皆、魔王軍についていきました。それで、お城が魔物に占領されてから1週間ほどが経過した時でしょうか リリィと私は。他の皆さんを探しながら旅をしていました。そんな中で 偶然にもリリイさんと出会い一緒に行動する事になったんです」

俺はそれを聞きながら。やっぱりかと思ったのである。俺は、自分の力のせいで 多くの人を死に追いやってしまったんだな。でも、仕方がなかったんだと自分を納得させながら歩いていた。

そしてリリスに

「リリィの母親の名前は何て言うんだ?」と尋ねるとリリィが

「あ、ごめんなさい。言い忘れていたけど。私のお母さん。名前がないみたいなのよ。だって、私が物心ついた時には既に 死んでいましたから。お墓を作ってくれたのは お兄様なのよ」と答え

「あー。それは悪いことを聞いたな」と言うと。リリスが

「ううん。全然、気にしないでくださいね。リリィも。お姉ちゃんのことは好きですよ。だから」と 答えたので 俺は安心しながら

「そろそろだな」と言って立ち止まるのであった。そしてリリスは、何かを感じ取ったのか

「お城に 誰かが来るみたいです」と言ったのだ。俺は、小春達か?と思っていたが リリンから念話が飛んできたので

『おい。浩平 俺様達が来たから。後は任せて お前は先に帰れ。俺様と、お前の部下は後から行くから。あ、あと。あの村に行くんなら 俺とお前が出会った森を通るから』

と言われ俺は、リリィの転移で 魔王の元に向かったのだ。それから、俺とリリィが

「「ただいま」」と戻ると。そこには、魔王とリリスとラフィーとラフィがいたのだ。俺は早速 リリィのスキルで小夏を生き返らせるために行動に移した。魔王は、「勇者 小春は、こちらに任せてくれ 小夏の事も含めてな。それと 娘をよろしくな。頼む」と言うと 小夏が魔王の所まで走ってきて「パパ。ありがとう」と言って 泣き出してしまい。それを魔王が慰めてあげていたのである。俺は小春を蘇生させるためには。俺が魔王から授かった力で蘇らせなければいけない。なので 魔王とリリィに頼んで。俺は小春に 触れる事なく。小春を、スキル【魂の記憶

「転生」】を発動させる。俺はこの力を使えるのは。今回が初めてだったので 少し心配だったが上手くいって良かった。俺の力で小春を蘇らせる事ができた。それから俺達は、リリイが言っていた村に行きそこで小雪に会った。そこで、リリイと俺とでリリィの父親の事を話したりしている中でリリイに

「ねぇ。どうしてお父さんは あなたを助けたのかな?」と聞いてみると 俺は「さぁーな ただ 俺はあいつに助けられて ここにいるわけだしな。それに、今はもう あいつはいないんだろ?」という会話をしながら 歩いていると ラフィから

「あのねー」と言われ「どした?」という感じで見るとラフィから意外な言葉を言われたのだ

「お兄様はー。多分 助けたつもりはないと思うよ?助けられたと思ってるのは 多分、リリア達だけじゃないですかね」と言われたのだ 俺としては意外だったのだ。何故なら俺はリリィの父が助けてくれたと信じていたが 助けたつもりはなかったと言われるなんて予想すらしていなかったからだ。俺がリリイの方を見ると少し寂しそうな表情をしていたのだがリリィは、俺の方に近づき俺の腕を掴んできたのである。そして俺を見つめてきて俺の唇に優しくキスをしてきたのだが。その瞬間に俺達の視界が歪み

「「えっ」」と言ってしまったのだ。俺は「また、リリィに会えたから。これで終わりか?」と思い リリイの方を見るも そこには誰もいなくて「リリィ。どこに行ったんだよ?リリイ???」と言うと

「リリイはー」と言うので俺は

「リリイは 今 どうなってるんだ?」とリ

「わからないけどね。多分、お父様と会ったんだろうね。多分だけど 今はー」とラフィーが言ったのと同時に俺は意識が遠退いて行ったのだ。俺は、気を失った。気を失う直前「今はね。きっと、ラフィーとお話をしてるよ」という言葉が聞こえてきたのであった。俺は目が覚めると、リリスやリリイやラフィーやリリイの父親や 小冬やリリィの妹や。アリシア達やミルキーとリリン達やラフィン達がいるのを確認しながら、リリイの事を考えていたのだった。リリイが生きている事は嬉しいはずなのに。なぜか素直に喜べない自分が

「俺は、最低だよな。せっかくリリイを助けれたって言うのに。なんで喜んであげられなかったんだ」と考え込んでいる俺を見てか。リリスは俺の頬に手をあてて微笑みかけてくれている そして リリィは、俺が目覚めた事がわかったのか抱きついてきた。俺は「よかった」と言うも内心では複雑な感情が渦巻いていた。俺は小冬に話しかけると 小春とリリイは同一人物で記憶を失っていなかった。それから俺は、皆から色々な質問を受けたりしながら、これからの事を相談

「俺は 小春と一緒に行きたいが リリィ達はどうする?」と皆に伝えるも。

皆から 付いていきたいと言う声が多くあり

「それじゃあ。小春。俺達は もう大丈夫だから ここでお別れだけど。いいか?」と言うと 小春も「私も、もう行かないとね」と言って、魔王の城で小雪達に会うために戻る事を決めたのだ。そして、魔王から リリィには、ある物が渡されリリス達にも 同じものを渡して

「これがあれば連絡を取り合えるぞ」と言っていたのである。俺は

「リリス達とは 一旦ここで、さよならになるけど。必ず、戻ってくるからな」とリリス達に言って。

「それじや。小春の元に向かうか」と言い 小春の方に向かい歩き出すのであった。それから俺は小夏に小春を蘇生させてあげた事を感謝された。俺は、リリイに「なぁ。本当に、俺達が行ってもいいのか? 小春の元に行って」と言うと。小夏が「お姉ちゃんが。勇者様に会いたいと 思っているんです。私は、お姉ちゃんのお願いを聞いて上げたいから。お姉ちゃんの側にずっといたいんです」と答えるとリリスが

「そういえば 私と小夏ちゃんが出会った時。リリィさんは もう既に、亡くなっていましたよね。お墓を作っていただいてありがとうございます」

リリイがリリスの言葉を聞き「あぁ」と答えた後。俺とリリス達だけで行くことに決めてリリィやリリイ達は残ることになった。リリン達も「我は残る」と言ったのである。俺は リリイの転移魔法で、魔王城に戻って来た 俺とリリイは魔王から、この指輪を貰ったのだ。このリングで念話が繋がるらしい。

そして俺が

「小夏は どこにいるんだ?」と尋ねると。魔王は「地下にある。牢屋の中にいるはずだ」と言われたので俺は リリス達を置いて急いで地下に向かったのであった。そして 小春と小夏を救って

「さてと。後は小冬と小夏を連れて 小春とリリィの元へ急がないとな」と言うと小冬は、首を横に振り「違う。小春お兄様は、まだ生きておられるのですか?それに リリィお姉さまが、小夏お兄様に化けていて 小夏お兄様が殺された事を知ったお兄ちゃんに復讐されてしまうかも」と言ってきたので俺は、小冬の手を掴み「俺を誰だと思っている?小春のスキルを使えば どんな事が起きたとしても俺は、絶対に小春を見捨てたりはしない。それに小春もリリィと同じ スキルを持っていた。小夏のスキルで 小夏の体に乗っとれるようなスキルだとしても。あいつならそんな事はしないよ。俺は、小春を信じてる」と言ったのである。俺はリリンに念話で

「今から。小冬と小夏の事と。小春を蘇生させる事を小雪に念話をしてくれないか?」と頼み。リリンから念話が届き小雪の声を聞いた後に俺は 二人に念話を送ったのである。それから俺はリリィと 一緒に転移をして。リリイは 魔王の所に向かっていったのだ。俺とリリィで まず最初に小春の元に向かったのである。

俺とリリィはリリスとリリウから念話があり。魔王の元に来ていた。リリリからリリィが生きていた事に喜んでいた

「リリィ。無事でよかった」と魔王がリリィに声を掛けた後。魔王は リリィとリリウを呼んで。小春について話し合った。そして俺は小春を助ける為に必要な情報を得るために。魔王に小春について聞いたのだ

「魔王 小春が生きているとわかる前は どうしていたんだ?それに どうやって生き返らせたんだ?リリィは知っているみたいだけど。リリィが小春に生き返らせる為に何かをしたって訳でもないよな?」と聞くと。魔王は「まぁーな。小春が死んだのを知って 私はすぐに、娘を生き返らせようとしたが無理だったんだ。そこで 私は娘を蘇らせる方法を探すべく世界中を探し回った。そこで、この世界を統べる者がこの世界には存在しない。つまり、私が世界の理を書き替えれば、この世界に存在する全ての者達を救う事ができるかもしれないと思ったのだ。

だが。私の力では書き変えるのは不可能だったのだ。そこで 私は。リリィが転生してくるまで待つことにしたのだ」と言って俺とリリィの方に視線を向けた。それから俺達は、リリイと合流したのだが。リリン達やラフィン達もいる事に気づいて俺は「なんでいるんだよ」と言うと。リリンは「ラフィンさんに言われて、来てしまいました。すみません」と言いながら頭を下げてきた。俺は「リリィにリリウも。それにラフィにラフィンに。皆が来てくれたって事は、俺に協力してくれると思っていいのか?俺としては 助かるんだけど」というと話してなかったラフィは 自分の名前を言った。

するとリリアは自分の名前を 言いながら俺の元に近づいてきて

「お父様。私の名前を覚えていてくれたんですね」と言うので 俺は

「忘れるわけないだろ?俺は 一度だってお前の事を忘れられないくらい大切な人なんだから」と言って抱き寄せた。リリアは嬉しそうな表情

「それで リリアとラフィンには悪いんだが リリィと二人で 小春を探してもらえるか?」と頼むと二人は了承してくれたのである。

リリリィはリリリに案内されてリリリの作った空間の中に入ると そこに小春と小夏がいたのであった。小春は俺を見て泣き崩れ 小夏は「どうして、助けてくれてたんじゃないの?リリィお姉ちゃんと私達を置いて一人で逃げたりして 許さない」と言って攻撃してきたので俺は「落ち着けよ。小春」と言って。

「俺は逃げてなんかいない。俺が魔王とリリィ達と 別れた時は、魔王城に戻ろうとした時。リリィ達が来て。リリリィが魔王に頼んでくれたんだよ」と言うも

「でも お姉ちゃんが殺されていたなんて。聞いてないよ。それに私達だけじゃなくお姉ちゃんにまで嘘をつく必要あったの?」と言われてしまった。俺は小夏に「俺は、小春とリリリィが生きている事は、知っていたんだ。小夏も生きている事もな。俺が生きている事は小夏にも教えてなかった。

だから。悪かった。だから 俺を殴るのは 少し待ってくれ」と小春を説得すると同時に小春も納得したのか 攻撃をする事をやめて「じゃあ。何で、お姉ちゃんも生きている事を私達に言わなかったの?」と言ってきてきた。

俺は小春を宥めつつ

「それは リリィもリリイもリリシアもリリスもリリィリリスも俺の仲間だからだ。小春や小春も知らない 仲間である事を教える事で 俺が小春やリリリイの味方になった事を伝えるためだよ」と言うと。

「本当に、小春達を大事にしているんだね」と微笑みかけてきたのである。それから俺は リリリイが魔王の娘だと言う事と 俺がリリィやリリイ達のスキルを全て受け継いでいる事を教えて

「それと 俺とリリリィと小春が、魔王城に行った時に 俺を庇って 小春の姉の小夏と リリイと リリリが殺された。その後で リリィと小春は魔王と戦っている最中。俺は、魔王と会話をしながらリリリィを救おうとしていたら。リリィを殺せば、小春の蘇生の魔法を発動させる事ができなくなると言っていたのを聞いて リリィを救うためにも 小夏とリリイは 魔王によって、リリィが死ぬより酷い目に合わされると思い その場を離れようとした際にリリィが魔王の隙を突いて 俺に攻撃を仕掛けようとしていた魔王を攻撃したが、俺は リリィと小春の蘇生魔法で復活したから 俺を蘇生させたリリィが殺されるかもと、思い急いで その場を離れたんだ」と言ったのであった。

俺は小春に説明を終えた後に 小春に俺を蘇生させる前の状況を詳しく聞いていた。

「そっか。お姉ちゃんもリリィお姉ちゃんもリリスお姉ちゃんも、みんな 死んじゃった後だったんだ。私も小春も死んでたはずなのに、どうしてだろう」と呟くと

「リリリイは 小春と小夏が生きていたことを 知らなかったんだろう?」というと答えてはくれないと思ったが質問をしてみたのだ。しかし小冬が 小夏の体を乗っ取っているからなのか、「わからない」と言ってきたのである。そこで俺は、ある可能性を考え付いたのだ。

「まさかな」と呟いた瞬間に小夏の体が光りだし「なんですか?これは?私の体の中に入ってくるような変な感覚ですわ」と言うなり目を覚ましたのである 俺は目の前で起きた現象に驚いたのだ。俺の想像通りの結果が起きた事について考えていたのだ。そしてリリィ達は状況を理解していないらしく俺を見てくるのだが、まずリリリイとラフィーとラフィネはリリィの元に駆け寄っていた。次にリリアはリリイ

「お母様 良かった」と言って抱きしめていて、リリリィも小春の所に駆けつけて小春を優しく抱き寄せて「大丈夫よ。もう安心して。あなたを傷つける奴はこの私が絶対にさせない」と言うも リリシアだけは冷静だった「リリスお姉ちゃん 私も、お母さんのところに行きたいのだけど 行ってもいいかな?」と聞いてきたので リリンと リリリが「今、この空間の外では 大変なことになってるよ 今外に出たら。君たちも殺されると思うけどいいのかい?」と言うとリリシアは 首を横に振り。「そんな事は どうでも良いのです それよりも リリスが心配で 早くリリスのところに行かないと 私は」と必死に言うので。

俺はリリシアをリリィの元へと連れていき。俺はリリリイに「リリィ 小雪はどうしているんだ?」というとリリィは。

「今は眠っているわ」と言い 俺の方に近づき「それより 小春の方は 大丈夫なの?」と小春に気遣いの言葉をかけると

「ありがとうございます。私は リリィさんの愛の力で生き返ることができました。私は、まだ力が回復してないせいか。意識がはっきりしていない状態なんです」と小春は答えるとリリィは 小春を抱き寄せるも「私は 小春を愛している。私が生きている間は。私が責任を持って、小春を守ってあげる」と優しい声で言うも小春はまだ本調子じゃないようで。すぐに疲れ果てて眠ってしまった。それから しばらくしてリリィも眠りについてしまい。ラリリィが 二人をベッドまで運び寝かせたのである。そこでリリィの体に宿っているラリリィは 小春に対して。自分の娘に転生する前のラフィンだった頃の話をしたのだ。

「私は、昔 リリィとしてこの世界に転生する前に。別の世界で人間だった頃に、勇者に裏切られて 奴隷になってしまった事があって。そこで リリィとラフィンとリリスと出会い、リリスとは恋仲の関係になり結婚したんだけど。私は リリリイやラフィやラフィニアと一緒に暮らしていくうちに 幸せを感じていた。その頃からラフィンが。リリィの中に入ろうとしていた。ラフィは リリリイにリリィと私達家族を守る力がない。だから私に全てを任せて欲しい。と言うの」と言い。「そして。ラフィンの魂はリリィの肉体へと入っていき、リリィは私達の力を受け継いだ最強の能力者となり。魔王と戦う事になったの。それからは、浩平の想像の通りだよ」とラリリィが話すと俺はラリリィの頭を撫でながら。

「よく頑張ったな。俺のために、リリィの為に、皆の為に 俺と会うために、今まで本当にありがとな」というと

「うん 私ね 浩平と出会えてから本当に幸せになれて、こんな私を受け入れてくれたことが本当に嬉しかったの。でもね。私ね。リリリに嫉妬して。自分勝手だとわかっていても。リリリに対して。リリリイの事が羨ましくて、妬ましかったんだ。だからね。本当は私。小春に酷い事したくない。あんなに小春が大好きで リリィお姉ちゃんに可愛がられていた小春だから。それに リリィの事も大好きだって言ってた。リリリイもそう 私よりもリリィに懐いていたの。それもあって。私は。小春の心を壊してしまえば、小春はリリィの事しか見れなくなると思っていた。本当にごめんなさい。小春。私のせいで あなたを苦しめてしまって。本当にごめんね。私を許してくれなくて良い。それでも お願い。謝らせて」と涙ぐみながらも 必死に訴えると。

小春は涙を流して「うぅん。許すよ。小春。あなたの事を嫌いになったりなんて しないよ。ずっと友達だよ」と言って小春の手を両手で握りしめていたのであった。すると、ラリリィの体が輝き出し。俺の腕の中には 俺がよく知っている姿になっていた。俺はラリリィが小春に向かって「小春。もう、一人で抱え込んだら駄目だからね。小春。小春の事を大事に思ってくれてる人達がいるんだから」と言って俺の方を見ていた。

「お帰り ラリリィ」と言うと

「ただいま」と答えてきた。そして小春の方を向くと。小春の体を抱きしめ「おかえり。小春。また 私に可愛い顔を見せておくれ」と言うと

「ラフィちゃん リリリお姉ちゃん」と二人の事を呼んだ小春に 二人は「何?」と言うと

「ありがとう」と小春が口にすると。

二人が泣いていたのであった。

俺は、リリリィと小春と別れを済ませてから 魔王城に戻っていくと。魔王と側近達が集まってきて。「さぁてと 準備が整ったみたいだねぇ」と魔王が言うと。魔王の側近が「お前達が集めた精鋭部隊の数は5000名程になったな?魔王軍の中でも上位の部隊だ。これで魔王様の計画を邪魔する者共は全て排除する事が出来るだろう」と言うと 魔王は自分の城に戻り始めるなり俺を見てくると魔王城の最上階に行くように言ってきた。その時に俺は疑問を抱いたのだが

「なんで魔王自ら行かないんだよ?部下に任せるのか?」と思ってしまうのだが。答えてくれるかわからないため聞く事を辞めた。そして、俺は最上階の部屋の扉の前に立つなり扉が開かれて中に足を踏み入れた瞬間に俺の首筋に剣を当てられてしまったのである。しかし、「動かないで!動くようならば首を跳ね飛ばす」と言われてしまう。俺は仕方なく動かずにいると、目の前に居たのは。小雪の姿であり。

「あなたを拘束させてもらう」と言葉を口にしてきた。そこで俺は、ある仮説を立ててみると

「まさか、お前は。いや 貴女様は。魔王様なのですか?」と問いかける前に「今さら何を言っているの?私は、正真正銘 貴方の妻にして元勇者であるリリリイよ」と言うので驚いたのだ。そして魔王はリリンの体を乗っ取り、ラフィとラフィニアが憑依していると聞いているが。ラフィ

「違う。私の体は。もう既に 小雪のものよ」と言い放つなり「さあ、無駄な抵抗をやめろ」と首に当てていた剣を引くと 俺はすぐに回避して 俺は「どういう事なんだ?」と言って。「おい 魔王様 一体。この世界のどこに」と言葉を紡ごうとした瞬間に 魔王は魔法を使って俺を吹き飛ばしてくるも俺は空中に飛ばされる。しかし すぐに俺の近くに移動してくる。そして魔王が 小春の体に入っている

「ふむ この体の使い心地はなかなかにいいのう。リリィよ これからよろしく頼むぞ。それと。わしの名は魔王じゃ」と言うも

「おい 小雪を返せ」と俺は言葉を放つと

「はて 誰の事かはわからぬが。この体はお主の愛しい妻の小春と言うものらしいが。この体なら 今頃は、リリリイとラフィにラフィーがこの体に乗り移っておるわい」と言うも。小雪が乗り移りをしたはずのリリリイが姿を現して

「小春ちゃんには悪いけど。小春ちゃんの記憶や性格とか全部コピーしてあるのよ」

「ラフィがね リリリィの力をフルに使うのに必要なのは小春ちゃんの魂なの だから 今は、リリィに宿っているリリリイの力でこの世界を支配させようとしていたの」とリリスとラリリイも姿を現す ラフィは小雪の体にラフィが乗っかり リリリイとリリスはラフィの肉体を使い。

リリィの人格が小雪の体にラリリイの意識が小春に乗り移り 小春とリリィとリリリイとリリスの5人が俺に

「覚悟を決めなさい」と言われると同時に

「うっ!」っと声を出すと 俺は気を失い倒れてしまうのであった!!それからしばらくして目を覚ますなり周りを見ると誰も居ない状況だったが、少しすると「浩平君。目覚めた?」という声がしたので振り向いてみると。そこには リリアナの姿があった。「ああ 目が覚めたが。ここはどこだ?あれからどうなったんだ?」と 俺は ラフィリスが言った通り リリリイの能力でこの世界を支配する事ができたと言う話を聞いていたのだ。それもあってか 魔王軍がこの世界の全てを統一するために動き出したという話をしていたのだ。そしてラフィもラフィニアスに宿りながら、小雪に自分の

「この体を返して欲しいんでしょ?だったら、この世界に居る全ての人を倒して 力を認めさせな」と言っていたと教えてくれたのである。

そんな会話を交わしながら歩いていくと。

リリィの部屋が見えて

「私は、小春さんとリリリィちゃんの所に 行ってくるから」とラフィリナは部屋に入ろうとするので。ラリリィから

「私達も行くわよ」と言われていた事を俺は思い出して。「ラリリイ達も来るんだったら一緒に行こう」と言うと

「ええ」と言い「それでは、小春の様子を見に行ってみましょう」と言うラフィに「おう」と言うと 俺は、小春に異変が起こってないか心配になり。ラリリイ達の

「小雪さんの所へ行く」と言う意見に反対するわけでもなく ただ付いて行っただけなのだが、この時。ラリリイが言っていた事に耳を傾けていなかったばかりに大変な事態になるとは思ってはいなかったのだ 魔王城の玉座の間で戦いが起きていたのは言うまでもなかったのかもしれないな ラフィンにリリスにラフィに俺の仲間達は、それぞれがそれぞれの力を駆使しているのだが、相手の魔王の部下達を倒すことは出来てなかったのだが、それでもなんとか凌ぎ切る事が出来ていたのは確かだが しかし相手の方が人数も多く実力も向こうの方が圧倒的に上回っているため劣勢に立たされていたのだが。それでも仲間達が必死になって頑張ってくれたお陰もあるのだろうなと思うのだよ。だけどな

「ぐぬぬ このままだと不味いですよね?」と言うのだよ 俺は、「くそったれ!こんな奴等に」と歯を食いしばりながら言うも。その時にアリシアの方を見ていると、何か違和感を感じるんだよな。すると「浩平様 私を信じてくれましたでしょうか?」と言われてしまったんだよな?どういう意味だ?と疑問を抱いてしまうのだが「私を信じるだけで大丈夫ですよ」と言うんだよな。その発言に何が何だかわかんなくなってきたんだけどさ?俺を騙そうとしていたりするんじゃねぇーのか?そう思う時もあったが、まぁ、信じた方が良いような気がしたんだがな? そしてアリシアは詠唱

「炎を操るもの。汝の名はサラマンダー 我が呼びかけに応じ姿を現わせ」と言うと、俺の前に 赤い髪の色をした男が突如として現れたんだよ。こいつは、前に見た事があるような感じのする男なんだかなと思いながらも。俺は警戒をしつつ見ていた。しかし「貴様が我を呼べるほどに成長していたとは。褒めて遣わす」と言ってきやがる その言葉を聞いたアリシアは。俺の腕を引っ張ると「さぁ、私達でこいつを倒してしまいますよ」と言う それに続けて「はい」と返事をしてくる 俺は、この状況を理解したくなかったが、理解しないと いけないよな 俺にこの男は 俺達に攻撃して来ても可笑しくないだろうからな 俺は身構えて「おい 俺になんのようなんだよ?この野郎!!」と怒りをぶちかましてやろうとしたが。俺の拳が届く寸前で俺が吹っ飛んでしまう。

俺は、「ちぃ」と言って、体勢を立て直すと「ほぅ。なかなかに早い身のこなしをするものだ。面白い」と余裕ぶっこいて言ってるので、本当にイラつくよな しかし俺になんの用なのかが気になってしまうので、話を聞いてみようと「てめぇは、なんで俺の目の前に突然現れて俺を吹き飛ばしたりしたんだよ?」と質問をぶつけてみる。しかし答えてくれる事は無く。「ただ。我の邪魔をしようとする者が居たら倒すように。命令されていたから」と言う 俺達が邪魔をしているみたいな言い分なので、気に食わなかったので、「誰がてめぇらの邪魔なんかしているってんだ。勝手に決めつけてんじゃないぞ!」と怒声を放つも。聞く耳を持たないかのように、「ふむ。どうやら死にたいようだな」と言うと、魔法を発動させるので、俺は避けようとするが。足を踏み込むことが出来ずに、そのまま直撃を受けてしまう。それにより

「くっ!この力は?」と思ってしまう この

「力が抜けてるような感覚は何なんだ?」と思わず呟いてしまう そして「あはは。これは、私の魔力と貴方の持っている力を吸収する力。これで貴方の攻撃も通じないし。私にも攻撃出来ないでしょう」と言われ。さらに「私のこの剣の技が貴方に通用するかも」と言って剣を抜いてくるのである。俺は咄嵯に後ろに飛ぶと。

俺は「くっ」と言いながら。「なんて デタラメなんだ」と言ってしまった それからというもの俺は 何度も攻撃を仕掛けるも、すべて受けられてしまう しかも この 小娘が 小春の体に入っているせいもあってか 身体能力が高いから 尚の事 手を出しにくい状況になっていたのであった。それからして。「ははは。もう 限界に近いみたいね」と言って またも あの剣を使ってきて 俺は 避ける事しか出来なかったのだ。この状態のまま戦っても負けると判断したのは言うまでもない そこで この場から逃げる事を選択した俺は 小娘の背後から近づき 羽交い締めにしたのであったが。その時だった 俺の手から小春の体の感触が無くなっていくと

「あらら 私に触れられると思ったの?残念でした~」と声がするので後ろを振り返ると リリスとラリリイの姿が見える ラフィが小雪

「おい リリィの人格が乗っ取られていると聞いてきたけど。ラフィの体は、小春ちゃんの体にラフィが乗り移っているけど。この体なら問題無いはずだわ。リリィが乗っているラリリイの肉体がラフィが乗り移った体だから」と小雪 ラフィがリリィ

「そういうことよ。私がラフィちゃんに宿る事ができるのは、この体ならね。だから安心して任せなさい。魔王は倒したいんでしょ?」とリリィ

「ええ もちろん」と言う小雪とラフィ 小雪とリリィ

「わかったわ。リリィの意識がある間に終わらせてしまうわ」と言うなり。リリィの体が青白く光り出すと、俺にラリリイを憑依させたまま リリスがリリリイをラフィニアスに乗り込ませると、小雪がリリスとラフィニアス

「私は、ラリリイに乗り込んで。ラリリィに乗り込んでいるのはこのリリリイ 小春さんに乗り込めているのはリリス そして、ラフィニアに小雪さんと私が乗ると。ラリリイに乗り込んだのはリリスに乗り込む。つまりリリスが憑依する事になる。これが私達の最終手段よ」と言う そして 魔王軍の兵士達が俺達に一斉に向かってくるのだが それを見越していたのか リリスに乗り込んだリフィが

「お前達はここで消えてもらうから」と言って魔法を発動させ

「炎を司る者 汝の名は サラマンダー 今ここに我の声に応え姿を表さん 炎を操り この世の全てを燃やすもの。今 その力を示せ 我の魂を対価として 我の前に姿を現わせ 炎龍」

と言うと、空から火を纏う竜が姿を現す。その姿を見た兵士は恐れて その場から離れると、炎を吐き始め、周りにある建物を燃やし尽くし始める。すると リリスは リリリイに

「小雪 ラフィーネを頼むわよ」とリリリイに

「はい リリリイに任せておいて下さい。そして小雪 リリス 気をつけて。このリリリイの体を乗っ取っているのはリリィです。なので ラリリスに乗り込んでいたのはラフィリスという事で間違いないと思われます」と言ってラリリイが

「そうなのよね。でも、リリィを救えるかどうかは私達次第」と話すのであった

「それでは そろそろ決着をつけますよ。皆さん 良いですか?」と言うと 皆が同時に返事をして。俺達はそれぞれの持ちうる最大の力で魔王に挑んでいく。その前に 俺にはある作戦を決行しないといけないなと思う事があり。それは。小春が使っていた。刀を使う事なのだが この世界では武器は貴重だし、なによりこの世界の技術が進歩していれば。その技術を欲してしまう輩も出てくるのではないだろうか?と考えると。小雪

「浩平 あんたは本当に優しい人ね。確かにその考えはある意味正解なんだけどね。ただね。魔王の側近も強いから、一筋縄じゃいかないし。ましてや。私達が使う剣が折れる事を想定すると。そう考えるのは妥当じゃないかしら?」

その言葉に「まぁ そうだな。だけど この俺の体を使えばどうにかなるだろう」と言うと 小冬

「そうですね。だけど 私達の方が強いと思いますよ。私と浩平さんの二人で戦った時が1番良かったと私は思うんですよ。だけど 今の浩平さんの力を持ってしても勝てなかったと言う事を考えてしまうので」と言うのである

「そうだな。それに俺一人で戦っていたとしても。あの力の源となっている小春に勝つのは難しいと言う事がわかっている。あいつを封印する事さえできれば。問題は解消されるのだが。まぁ それも難しいと言う事だけはわかる。だからこそ。小春の体を利用して ラフィニアスに乗り移って俺達の力を取り込もうとしている魔王を倒す事に全力を注ごう」と俺は言ってから 炎龍を睨み付けると。俺達に攻撃してくるが。炎龍の放つ攻撃を炎の壁で防いでから俺は、「おい!俺達が相手だ!かかってこい!」と言ってやった。それに対して ラフィが俺の方を見ながら「貴方。随分と変わったもの。前はあんなに強くて怖い感じの人だとは思わなかったのにね」と話しかけてきた。俺が「あの頃とは違うさ。俺は大切な人達を守る為に戦う事を覚悟したんだ」と言うも。リリスとリリスに乗っかっている リリリイが

「私達の為に戦ってくれるのは嬉しいのですが。無茶しないで欲しいんです。貴方は私にとっては大事な家族なのですよ」とリリリイに言われてしまったので俺は「悪い。俺はどうしても許せない奴がいる。そいつが俺の家族を奪ったんだよ。俺に妹がいた事は覚えているんだが 俺は両親の顔は記憶にはないし そもそも顔を知らないんだよ。妹の写真を見せられた時は正直 俺に似てなくて 俺とは血が繋がっていないのではないかと思えるほど 似ている部分がなかったから、俺はあまり似ていなかったんだよ。そんな両親が事故で死んだんだ」

俺はそんな話をしている時に。炎龍の

「おいおい 話がずれているぞ?戦いの途中で話し込みながら 会話するのは関心しないな。お前達は俺達魔王軍に対して怒りを抱いてはいても 本気ではない。違うか?」と言われてしまうも 俺は気にせず「ああ そうだ。俺は、もう復讐するつもりはなかったけど 俺は小春のおかげで思い出せた。自分の本当の名前と両親の事を。だから俺は、魔王の側近である貴様らを許すつもりがないから 今ここで倒す」と言うと。炎龍は

「はっ そうかよ。そう簡単に俺を倒せると思ってんのか?」と言ってから俺は「小春 俺に力を貸してくれ」と叫ぶように

「はい。分かりました」と言ってくれたので 俺はリリスからリリリイへと乗り移り。俺の体を使って ラフィニアスの憑依するリリリイとリリスに乗り移る。リリスに「この剣の技をお前が使え。俺と小春の力は俺が使いこなす」と言い残すと 俺の意識とリリスの精神が融合され。俺と小春が融合した。その姿を見たラリリスは ラリリイとラフィニアスの力を解放して、リリスと小春

「おい 俺の体の主導権を返せ。リリス」と言うと 小春

「いいえ 私よ。リリス 私の体は私が守るから大丈夫。心配してるのなら 私もラフィニアに乗り移らせて欲しいのだけど」

「いいわ。わかったわ」と言って ラフィと小雪

「ちょっと 何で ラフィニアに乗り込んでくるわけ?」と言う小雪に

「別に構わないじゃない。私がリリリイに乗っ取っても」

「まぁ それなら良いけど」と答える小雪は リフィがラリリイ

「ふぅ~。これで安心しました」と嬉しそうにしていると。魔王軍の兵士に リリスとリリスが 小春が使った刀の剣技を連続で放ち続け リリリスは リリスとラフィニアスの力で放った ラリリイ ラフィニアスの刀の剣撃を放つと その二つの力がぶつかり合う そして。ラフィニアスに乗り

「リリス。俺の合図に合わせろ」

「ええ 分かったわ」と答えたのを確認した そして。俺は刀を天高く構えてから振り下ろす

「雷神」と言うと 天空より光が降り注ぎ、その光を受けた者は 一瞬にして 意識がなくなる程の衝撃を受けて、その者の周りを雷が走り回ると言う物凄い威力なのだ すると 炎龍は

「こんなバカな事が!?ありえねぇよ。くそがぁぁ」と叫んでいたが。すぐに俺達は

「どうだ?これが リリスと小春 そして小雪の力を合わせた一撃なんだ」と自慢げに語るのであった すると リリス

「あら 炎龍 貴方の負けみたいですね」と笑顔で言うと

「ふざけるな。お前達人間ごときに 俺が殺られるはずはないだろうがぁ」と怒鳴るが 俺は、「ははっ そうか?お前は今、その力を使おうとしたのは間違いないよな。お前は 今。この世界に存在してはならない者だと言う事に間違いない。その力を使える時点でお前はこの世界で異質であり、お前の存在はあってはならない。俺と小春の両親は殺されたんだ」と言うと 炎龍

「黙れ ガキが!調子に乗ってんじゃねーぞ」

俺は「俺と小春の家族の命を奪い 小春の体を乗っ取った罪は重い」と言って。刀を構え直す そして「小春 行くぞ」と言うと 小雪

「はい。私はリリリイちゃんと一緒に」と言ってから ラリリイ

「はいっ」と言って俺の後を追いかけてくる。それを確認すると

「それじゃ 終わらせるか。俺達の因縁を。魔王軍。俺は絶対に貴様らを赦さない」と言うと。俺は炎龍のいる場所へ飛び込み。ラフィが ラフィニアス 小雪 ラフィリイが後を追うようにして駆け抜けていく 炎龍は「貴様らがこの俺に勝てると思うのか?たかが人間の小娘と小坊主と幼女と餓鬼だぞ?」と言うが。俺は無視しながら炎龍に向かっていく ラフィと小雪が 炎龍を追い詰めた瞬間。俺は ラフィと小雪の攻撃を刀に集めるイメージを思い浮かべる。炎龍の攻撃を防ぎながらだが。

俺はラフィと小雪から力を吸収し。その力を使い ラフィと小雪の刀から、力を集めた刀を振り上げると

「はあぁぁぁぁぁ」と雄叫びをあげながら 俺は、刀に全ての力を集めて

「断空!!」と技名を言うと 炎龍は「バカめがぁ」と言うと

「俺の勝ちだと言わせて貰うぜ。はははははははは」と高笑いしていたが。その刹那 断空が発動すると 俺と小春とリリスが 一つの肉体に宿った時。俺が放つ攻撃は全ての敵を貫く。まさに一筋の閃光となるのだ。俺が

「断 空」と言うだけで 炎龍は

「ははははは。俺がやられただとぉぉ。ぐぎゃああ」と叫ぶも。炎龍は断空の衝撃波により 粉々になり 跡形もなく消えたのである。そして 魔王の側近の2人は逃げようとした所。リフィが「逃すと思いますか?魔王軍の幹部を」と言うと 2人とも「ひっ」と小さな悲鳴をあげてから、その場に留まるのだった。俺達は小春の方を見ると。俺達は元の姿に戻っていた 俺は小春を抱っこしたまま、魔王の妻である。炎の龍姫ラフィニアの元へ行くと ラフィニアが「よく来てくれたわね。私も浩平とリリリウスとリリスに会えて良かったわ」と笑みを浮かべていた ラフィニア

「あなた達が勇者とその仲間ね。私はラフィニア。私と炎龍を倒したんだから。それなりの実力はあると見て良いわよね」

俺「ああ そうだな。それにしてもお前があの魔王の娘とは驚いたが」

小春「ラフィニアスさん。お母さんは何処に行ったんですか?」

ラフィニア

「アリシアは先に行かせたわ。それと貴方がアリシアが探していた 私の旦那の知り合いだったなんて驚きだったわ。まさか、こんな形で再会できる日が来るとは思わなかったけど」と言うので 小春「お母さんとラフィニアスさんはどんな関係なんですか?」と聞くと ラフィニア

「そうね。魔王城にいた時は 私はラフィと呼ばせてもらったんだけど。

ラフィと私の夫は恋人同士になったけど。

お互い、種族が違う事を理由に 結ばれてはいけないと言う理由で。私とラフィはお互いに想い合ってはいても結ばれることはなかったわ。でもラフィに子供が出来たと言う話を聞いてからは、ラフィと連絡を取る事は辞めておいたから。私には、子供がいない。ラフィには沢山の子供がいたのだから」と教えてくれると 小春「お父さん。そんな過去があったんだ。それで魔王さんと結婚した後に 子供を身籠って産んで。それからは魔王さんとの間には子供はいないって訳ですね?」

ラフィニアス

「そう。そして。この子の名前はラフィよ」と嬉しそうに小春の頭を撫でていると。俺は「お前がラフィニアの本当なのか?見た目は全然違うし 名前も違うんだな」と尋ねると ラフィニア

「そうね。私は、自分の名前を偽っているわ。本当の名前は別にあるのよ。それは私の父である炎龍から 私が貰った名前よ。炎龍と私の名前を合わせてラフィニアと名付けたのよ」と言うと。小春が「そうなんですか。お父さんが名付け親なんだ。炎龍が付けたのか」と言ってから

「ラフィー。私の事も呼び捨てで呼んで欲しいかな」と言う その光景を見て、俺は微笑んでいた。炎龍を倒し、魔王の側近を倒してから3日間ほど魔王軍の本部に滞在して。魔王軍が今後どうしていきたいのかを聞くことになったのだが 小春に俺達の目的を話したら、小春は俺達に付き合うと言ってくれたのだ 3人一緒にいたいと想っていたらしく。その為にも俺達は協力するべきだと思い。まずはラリリスを救おうと考えていた矢先の事であった ラフィニスも「それなら、私たちに任せて下さい」と言われてしまい。俺も任せた方が良いと判断してから 炎竜を倒した後、数日が過ぎていたのだ リリスとリ

「ラフィニアス様」と言うと。俺達の様子を見に来たリリスが、ラフィニアスに声をかける ラフィニアスは ラフィニア

「リリス。ラフィニアス様なんて呼ばなくて良いのよ」と笑う リリスは「いえ その様なことは出来ませんよ」と言うと ラフィニアス

「いいえ 貴方はこの国の為に尽くしてくれたわ。私はラフィの生まれ変わりであり。私が魔王を継がなければいけなくなった。その事で 貴方を苦しめてしまう事になったわ。ごめんなさい」と言うと、ラフィリスが ラリリイとリリイは「「ラフィー」」と言うと、ラフィニアスに駆け寄り

「会いたかったです。ラフィ。ずっと」とリリイは言うと。リリイもラフィニアスに抱き着くと ラフィニアスはラフィニアスは涙目になって「リリス ありがとう。貴方はラフィの願いを叶えてくれました。感謝しています」と言い リリス

「いえ 私は当然の事をしたまでです。この国を守れなかった私の責任はあります」

「しかし 本当に よくやってくれた。この国の皆が君に感謝している」と言う リリス

「それならば、良かった」と言うのだった ラフィニアが俺と小春を呼び寄せると、魔王軍について詳しく説明をし始めたのである

「魔王軍は元々は、この世界を牛耳り。人間を奴隷のように扱っていた 魔族 吸血鬼。巨人 悪魔 ドラゴンなどが支配していたわ」と教えてくれる 小春が「この世界には元々。人間しか住めないんだね」と言うと ラフィニア

「そうね。人間以外は排除するように命令が下りた。元々 人間とその他の魔物は 住む場所や生きる環境が違ったのよ。それが次第に人間達は 魔物を恐れ始め 人間同士の争いが始まった」

ラフィニア

「最初は些細な言い合い程度だったが 徐々に大きくなり 最終的には戦争に発展する」と言うと ラフィニアは悲しげな表情をするのだった 俺は

「それで?どうなったんだ?」と聞き返すと ラフィニア

「魔王様が動き出して 戦争を始めた人達を止めに入り。話し合いを始めるが。戦争をしたい者同士での話は平行線のままで終わらなかった」

ラフィニア

「魔王様の優しさは伝わってたはずなのに。何故だか 人間は自分達の意見を変えるつもりがなかったみたいだったわ。そこで、魔王様は仕方なく、他の種族も巻き込んでしまう。

その当時 争っていた魔王軍四天王は、炎の魔王と水の魔王 光の魔王だった。そして闇の魔王と 大天使の魔王もいたわ」と言うと 小春が「魔王に 四天王に。天使もいるんだね。凄く強いんだろうね」と言うと ラフィニア

「確かに強かったわ。そして魔王様に勝てる者はいなかった。

だけど魔王軍の中で 最強の力を誇る者が4人いると恐れられた者達がいる」

ラフィニア

「魔王と四天王。そして勇者 神の子と呼ばれる少年と 聖女の乙女。

私と魔王の子供達。その6人の力を束ねても勝てるかどうかはわからない。それだけの力を持つ者も存在していたわ」と言うと。小春は 小春

「それで?その後 勇者に倒されて その後は?勇者の事は知っているんですか?」と聞くと ラフィニアは

「勇者が死んでからは平和だったわ。そして今に至るまではね」とだけ言って話を締めるのだった 小春が

「それで?その魔王の子供達と お母さんと魔王さんは 何の関係が?あるんですか?」と聞くと

「私達が それぞれ 炎の魔王と水の魔王を封印したのは知っていますよね」とラフィニアは話を切り出す

「ああ」と言うと

「その時、私と夫は炎の魔王を封じたわ。それは、私が望んだ事じゃない。夫の意志が強かったのもあるけどね」と寂しそうな顔をして

「私と夫は炎龍の討伐に向かっていて 炎龍は私の命を奪うために現れて、夫の身体を貫くはずだったの」と言うと。

「ラフィ。あの時は本当に申し訳ない」と炎龍がラフィニアスの前で土下座をした ラフィニアス

「あなた。顔を上げなさい。私があなたの側にいたばかりに。私は、私は。私のせいで」と泣き始める 小春が俺の顔を見てくるので。

俺が小春とリリィの方を見ると。二人は無言でうなずき。ラフィーニアに歩み寄ると、二人同時にラフィニアスを抱き締める ラフィニアスもラフィニアを強く抱き寄せて。二人で泣いている。その姿を見た俺と小春は ラフィニアスとラフィニアスの夫がどれだけ仲が良いのか。愛

「もう 離れちゃ駄目だからね」小春とリリスは優しく。ラフィニアスに声をかけている ラフィニアス

「ええ もう二度と離さないから。私に家族を与えてくれた炎龍。私の大切な人を殺そうとした炎龍。私の目の前に現れた炎龍 私は。炎龍を殺した炎龍を許さない。許す事はしないけど、私は貴方を憎みたくない。今は貴方を愛しているから」と言うと ラフィニアスとリリスにリリスと小春は涙を流していた。ラフィニアスとリリスが俺達を見る。

ラフィニアスはリリスと小春が 炎の巫女と炎の姫だと知る。リ

「初めまして。私は炎の巫 娘でリリスです。ラフィニアス様。この子は炎の巫 孫のリリイです」

ラフィニアス

「お母様 ご挨拶が遅れました。私はラフィニアと申します。以後 よろしくお願いします」

ラフィニアスは涙を流すも、すぐに 微笑むのだった 俺は小春

「ラフィニアス様。これから、私達はどうすればいいんですか?リリィは炎の神子なので リリは 光の女神としての力も持っているみたいなんです。リリは 女神の力を使いたいようなのです」と言うと リリイは俺達の方に駆け寄り。俺に抱き着くと。俺の腕の中から光が溢れだすと その光に包まれていくのであった リリイの頭上に光の輪が出現していて、背中から白い翼を羽ばたかせると ラフィニアスの傍に行き ラフィニアス

「リリちゃん。私と同じ。神の子の力も覚醒したんだ。私にはわかるのよ。貴女は まだ本当の力を目覚めていないわ。貴女は炎を司る力も秘められているの。その力が目覚めた時 炎龍様と この世界の脅威となるかもしれない。気を付けて」

リリは真剣な表情で「ラフィニアス様。わかりました」と答えるのである 小春とリリスが、俺達の元へと戻ってくる リリス

「それじゃ ラフィニアス様 私達は ラフィニス様に 用事があるので 失礼しますね」と言うと。ラフィニアスが ラフィニアス

「ラフィニス様に? ええ わかったわ。それならラフィはここに残るわね」と言うと

「リリイ 行くよ」と言ってリリイは俺と一緒に リリイがラフィニアスを指さすとラフィニアスは光輝く。ラフィニアスは眠りにつくのだった ラフィニアスが眠りについて数分が経つと ラフィニアスが起き上がり ラフィニアが ラフィニア

「ありがとう。久しぶりにラフィに逢えた気がするわ」と嬉しそうにしている リフィニア

「そうですね。私にもラフィの温もりが はっきりと分かりました」と言うと ラフィニアは

「それで?私に何か話があったんでしょ?」と言うのである 俺はラフィニアの前に座り込み。深々と

「魔王軍 この世界を侵略しようとした理由を聞かせて欲しい」と言うと ラフィニアが

「そう言う事なのね。でも、これはこの国の人達の為にも知っておいた方が良いわね」と言い。説明を始めようとする すると、アリシアとラフィーナが「ラフィ様 私が説明をしても宜しいでしょうか」と言うと ラフィニアが笑顔で「ええ 大丈夫よ」と言うと。二人は魔王城にあった地図を広げる 魔王城は、元々大きな山の中にあり。そこをくりぬいて作られている

「私と旦那は この世界の創造主であり 神々の導きで魔王となり。人間との争いに終止符を打ったわ」

ラフィニアが

「魔王軍の中には 人間や魔物と仲良く暮らそうとする者も存在していたわ。そして 勇者が召喚される前は平和だったわ」

「それが?」と言うと。

「人間と他の魔物が共存出来る道を探していたの」と言うのだった 俺は「それで?」と聞き返すと ラフィニア

「勇者は異世界から来た者で 魔物と人間の橋渡し的な存在だったの。そして 勇者はこの世界で死んだの。それが理由で勇者の生まれ変わりが魔王軍を滅ぼす為に立ち上がったの」

「ちょっと待ってくれ。それじゃあ、今の勇者は。違う人物なのか?」と言う

「ええ、私達の子供。炎龍の息子 魔王は勇者に殺されてるはずよね?」と聞くも小春も首を傾げて困っているようだったので 小春の代わりに 小春が俺の方を見てきていたので、俺が口を開く事にした 浩平

「そうだな。今の時代に生きる勇人君は。俺達と同級生なんだぞ。小春だって知っているだろ」と言うと リリスは 俺の後ろに隠れるように回りこみ 小春の手を取り、俺

「リリスさんってば可愛い」と言っている リリイは自分の手を見つめてからラフィニアに手を差し出し「握手をしてもらえませんか?」と言って ラフィニアはそれに応えて握るのだが。何故かリリスが慌ててリリイを引き剥がすのだった。そしてリリイの顔色が悪くなっていた。その光景を見てしまったリリスは悲しそうな顔をしていた。それを見てしまっていた俺達は心配そうな顔になるのだった ラフィニアも「どうしました?体調が悪いですか?」と言うが

「何でもないですよ?私は少し席を離れますね」と言い残して走り去るのだった

(やっぱり 記憶があるんじゃないの?)と思っていると 魔王の子供達が顔を合わせて

「何でリリィの魔力を感じるんだよ」と魔王の息子である魔王に言われるも俺は意味がわからずに困惑していると。魔王が続けて話してくる 魔王の側近に近づき、魔王は小声で言う 魔王「何だよ?何で急に現れたと思ったら こんな所に」魔王は不満そうな顔をして側近を見る。魔王の言葉に、魔王の側近は何も言わずにただ魔王を見ているだけだった)と 小春 小春は、私服から巫女装束に着替えていて。俺も戦闘服を着ていた。リリイに案内された先は小さな社の前に来ていた 俺達4人はお参りをする事にした 俺達の願いが神界に届いたのか?

「神様」と呼びかけるとお祈りをしている俺達の背後に光が満ちてきて、「浩平君」「小春 小春姉ちゃん」「お兄ちゃん!リリス」

俺とラリスとリリスと小春の声と

「あれ?皆、どうしてここにいるの?」と勇人が言って リリス「いっちゃん?久しぶりね。元気にしてた?それとごめんなさい」と言ってリリスは小春の事を気にかけていたようで抱き着いていた リリス「リリィは私の妹の 光の女神としての力を覚醒させる為なの」とリリスは事情を説明するのであった ラフィニアとリフィニアは俺達に挨拶をする 俺は

「なるほどな。そうだったんだな。しかし 俺が勇者だと バレていたんだな。それより。リリイの事を知っているみたいだが どういう関係なんだろうな」と言うとリリスが俺の腕を掴みながら

「えっとね。えへ」と言う ラフィニアが

「ラフィは、ラフィニア様はラフィちゃんのお母様なの。私もラフィニア様には感謝をしてるのよ。ラフィちゃんが居なければ、ラフィちゃんは産まれてこなかったもの。本当にラフィちゃんには助けられたの」と言うと ラフィニア

「そうよ。ラフィニア様のおかげで。私は大切な人を二人失ったの。だから、私はこの世界に復讐したい気持ちも有るけど。ラフィニアスは私とラフィニアス様の子供。私はラフィニアスを護る事にするわ」

俺はリリスから離れてラフィニアスの元に向かう ラフィニアに近づいて俺は ラフィニアに抱き着く

「俺の娘 ラフィニアスは俺達が責任を持って育てるから。安心してくれ」と話すと ラフィニアが「ありがとう」と言って微笑んでいた 俺の胸元ではラフィニアスは寝ていて俺はラフィニアスを抱き上げてからリリイに預けて

「俺は魔王城に向かってくる」とリリイに話しかけてから。

「小雪さんとリリアさんの事が心配なので」とリリイにお願いする

「わかった。気を付けて行ってきてください」と言われ 俺は「おう!」と答えてからリリイの肩を叩くとリリイは「ええー。お兄ちゃんと行きたいよ」とリリイは泣きそうになる 俺は「リリイ。お前は炎龍と戦えるくらいに強くなったんだ。それに炎神の力も手に入れたんだろ?なら 問題無い。俺より強くなってるさ」と俺がリリイを慰めるも、ラフィ

「それはそうよ。炎龍はリリイちゃんの炎龍よりも 力を持っているわよ。それでもリリイちゃんは行くつもりなの?」と言う リリス「そうそう。それにさ。魔王城には、この国で最強と言われている ラフィニアスがいるんだよ。その強さは私なんか足元にも及ばない」とリ

「リリス。そんな事はありませんよ。ラフィは貴女を尊敬していましたよ。そして。私達は貴女の事を 娘の様に思っていました。そして ラフィニアは ラフィニアスに貴女の話をしてくださいました」とリフィがリリスに言うとリリスがリフィの所に行き「お母さん お父さんは何処にいるの?」と言うが リフィは答えられず

「ラフィニアが言っていたでしょ?ラフィニアスが魔王城に居るわ」と答えると ラフィニアスは「そう 私達も行きましょう」と言い出すのである 俺は「そうだな。ラフィニア。魔王城の場所を教えてくれるかな?」と言うとラフィニアは、地図を広げて説明を始めると、そこには、この世界で知らない者はいないとされる山の名前が書かれていた。この世界で最強の山とされていて 俺が知っている中では、ラフィニアスしか越えられなかった山なのだが、俺とラフィニアが一緒に魔王城に行く事になって 小春が、魔王と話を付けてくれた 魔王は、小春やリリイ達と共に行動すると

「よろしくね。浩平君と小春さんだっけ?」と笑いかけてくるのだが。

(あれ?)と思ってしまう俺にリリイが抱き着き離れないで リリイ「もう!私が先にお話ししたかったよぉ~。ずるぅ~ぃ」と言って拗ねるのだった

(うぐぅ~

可愛過ぎるんですけど)と思うのだが「じゃあリリイ 頼むよ」と言って頭ポンッとするのだ リリイの

「えへぇ」と言う笑顔を見てしまうのだった 魔王は

「勇者様の武器を見せてもらえる?」と聞いてきたのだった 俺は魔王に言われるままに、腰に装備していた、聖剣と魔剣を渡すと

「これは?見たことの無い武器ですね。こんなの初めて見ます」と言うので俺は

「ええ まぁ。普通の人間が作った武器ですからね。それで魔王城に向かいますか?」と 聞くと魔王は俺の方を見ながら「浩平君のステータス見せてもらってもいいですか?」と魔王に言われたが 小春「私の彼氏ですよ」と言われるも 魔王が「小春ちゃんが、そこまで言う相手なら、ステータスを見せてもらうから」と言うも 俺の許可を待たないで言う 俺と小春とリリイ以外の人達も俺と小春の側に来たが 小春「私の許可もなく、勝手に見るなんて 最低だと思います」と言うと

「でも小春ちゃんは、いいって言ったじゃない」と言うと小春が睨む 小春は何かを思いだしように手を叩く 小春「確かに言いましたが。私は自分のステータスを見れるんですよ。それを見た時に思いだしたんです。この人は見ようとすれば他人のも見れちゃうのよって」と言うと 魔王が慌てる

「そっか そうなんだよね。ごめんなさい」と謝ってくるが 俺は「別に良いですよ。気にしてませんし」と言うも、俺の視界は魔王によって奪われてしまった そして小春の声も聞こえなくなると 俺の前には 魔王と魔王の側近の姿があった 魔王 魔王「貴方達のステータスを見てしまった事は、申し訳なく思うわ。本当にごめんなさいね。ただね 私は浩平君と小春さんの事を もっとよく知りたかっただけなの」

魔王の側近「魔王様 仕方が無いのです。あの方は神が創った最高神なのですから。魔王の力とは比べ物にならないほどに凄いのです」と言う 魔王 魔王「それもそうね。本当に私は失礼だったね。ただね 私のスキルで見させてもらったんだけど 魔王が倒せるかと思ったよ。魔王の魔力の100倍以上の力を感じとっちゃった。小春ちゃんが怒った気持ちもよく分かるよ」と言う 魔王が魔王城に俺達を連れて

「どうぞ。こちらへ」と言うので俺達もついていく事にすると 小雪 小雪は、魔王とラフィニアを見て ラフィニアに「あら ラフィニア お久しぶりね。元気にしていますか?それと 初めまして ラフィニアの友達のリリアよ」とラフィニアの肩に軽く触れていた。

ラフィニアは、リリアと少し会話をしてから「はい お姉様 元気にしております。お姉様のお姿を見れて嬉しいです」と言っていた。

小春

「小雪小雪の旦那さんに触りすぎ」と怒るが 魔王に小雪の事が見えないらしく。「ん?えっと。貴女がリリアの妹のリリイね」とリリイの頭を撫でる ラフィニア「ええ そうね。お兄様の妻として、ここに来たの。よろしくね。ラフィニアさん」と話すと魔王も「よろしくお願いします」と返すのだった 俺がリリスとリフィと話しているとリリイが「リリイだよ」と話しかけると魔王も「よろしくね」と話す ラフィニア「私は ラフィニアと言います。魔王の娘です」と言うと魔王

「ラフィニアの事は知っていますよ。ラフィニアと私の娘リリィは仲良しなんですよ」と魔王が嬉しそうに話すとラフィニアも嬉しそうにするのだった。

俺達が歩いて行くとリリイは、俺の膝の上に乗るのであった 魔王「着いたよ。此処が魔王城」と言われて中に入るが誰もいないのである。魔王は「えっと。確か。この部屋だったかな」と言うと 魔王城の中に突然大きな空間が現れると 魔王「あー これだ」と言うのである そこには巨大なクリスタルがあり 魔王は、「リフィ リリイ。ラフィニアにリリア。ちょっと待っていてね」と言って一人で入っていく 暫く待つ事になり。皆は、ソファーに座ったりしていたが、何もすることが無く。俺はラフィニアを抱き寄せているのだが、小雪はリリイとラフィニアと一緒に話をしていた。リリスはラフィニアの手を握っていたが、俺の近くに居た。リリイは俺と手をつなぐとラフィニアとリリスを交互に見て、リリスもリリイの隣に行って話を始めた 小春とリリイは楽しそうに会話を楽しんで

「小春」と呼ぶが返事がない。もう一度呼ぶが、やはり返事がなかった。気になって小春を見るも 俺の方には目もくれずリリイ達と話しをしている 魔王が戻ってきて

「浩平君 こっちに来てくれる?」と俺を呼ぶ リフィが俺の腕を掴み「浩平は行かない方がいいわ」とリフィに言われたので 俺はリリスを見ると。リリスは「浩平。行ってきなよ。リリイちゃんもいるし大丈夫だからさ」と言われたのだった。俺はリリイの頭にキスをして。魔王についていく

「リフィ ありがとう。小春の事を頼むよ」と言うと リフィは笑顔で俺に微笑んでくれたのだった

「浩平君は リフィの事が好きなんだよね?」と言うのだった 俺は「ああ」と答えて。リフィが「リリイは、貴女の事が好きで好きで。毎日のように リフィの話をするのよ」と言うので「へぇーそうなんだ。それは知らなかった」と答えながら歩くと、

「あれ?小春は何処に行ったんだ?」と言いだす俺に魔王が笑いかける「ふふふ もうすぐ会えるから」と言いながら進む魔王 俺は、この先には何があるのか分からずに進んでいくと広い場所にたどり着く 魔王「この先に小春ちゃんがいるわ」と言うのだが、そこに小春はおらず、俺の前には大きなスクリーンが現れ

「浩平さん!逃げてください!」と言う声と同時に映し出されたのは小春の泣き叫ぶ姿が映されていたのだ 浩平「小春!何が起きてるんだ!」と叫び走り出そうとするが、足を止めてしまう。すると俺の周りには魔法陣が展開されており。その先からは、一人の男が出てきたのだ。そして男は

『ようこそ!我が世界へ!』と言ってきたのだった。そこで意識を失ってしまう。次に目が覚めると見知らぬ場所にいた。俺は慌てて周りを見渡すが人影もなければ明かりもない ただ暗闇の中俺はいるだけだったのである

(どうなってるんだよ?それに此処はどこだ?)と考えていると、後ろの扉が開かれ 小雪「あら?目が覚めたのね」と言い、入ってきたのは魔王と小春。小春は、目を腫らして、涙を流して泣いていた

「小春!!大丈夫か!?」と言った俺だったが次の瞬間、俺は地面に押しつけられ、身動きが出来なくなると

「なっ なんだこれ」というと

「無駄だぞ。これは俺のスキルで作ったスキル無効結界だ。お前を殺さないように加減はしている。今のうちなら許すが。それ以上は容赦しない」と 俺の体を押さえつけるのが一人ではなく。何十人も現れ。抵抗する暇すらもなく。俺の体を固定したのだった。そして俺の周りを囲むように大勢の人が立っていた 小春「浩平君 助けに来たよ。だけど間に合わなかった」と言う小春の声だけが聞こえていた 俺を取り囲む人達は皆仮面を付けており、顔が分からない すると小春が近づいてきて

「貴方は誰なんですか?」と聞いてみると「俺は 神だ。この世界に神は1人だけだ。神に逆らうな」と言うと俺を抑えつけてる者達に合図をするように命令を出していた 俺は必死に動こうとすると体がビクともしなかった。

「くそ 小春 逃げるんだ」と言うも、小春の反応はなかった。そして俺を抑える力が強くなり「大人しくしろ」と言われるも。俺の口は塞がれていたのだった。すると小雪が現れた 小雪は俺の方に近づき、俺の顔を撫で始める

「小雪 やめろ。触るな」と言うも。小雪は無視していた 俺の頭を掴むように持つと「小春 よくも やってくれたね。小春は、自分の命を顧みず。貴方を助ける為に。ここまで頑張ったんだね」と言い出したが、小雪の体は怒りの感情が溢れていた。それを感じ取ると

「お姉様」と言い小春は、俺から離れる 俺は離れていく小春を見つめるしかなかった すると目の前の神様と名乗る男が

「お前達は、俺の事を知っているようだな」と言うと 魔王と側近は黙って俯いてしまい、魔王の側近も魔王と同じように悲しそうに下を向いていた 小冬

「貴方のせいでしょ?どうしてこんなことしたの?」と言うと魔王が小冬の前に立ち 魔王「小春を助けようとしたのよ。悪いと思ってない。だって私にはこうすることしか出来ないじゃない」と言うと。魔王の側近は

「私も同じ気持ちでした。魔王様。魔王として生まれても私達のような存在には何もできません。だから、せめて。私達の大事な娘だけでも救おうとしたんです。ですけど。この方はそれを望まなかったのです」と言うとその言葉を聞いた勇者は「ふざけんじゃねぇ!!」と言うと魔王達に殴りかかった

「てめえらだけはゆるさねえ!!!」と言って殴り続ける勇者だが それを側近たちが止めるのであった

(やべぇ あいつの拳は本気でキレたらヤバいな)と思い俺はなんとか小春の方を向くと 小春が涙を浮かべながらも、笑

「ありがとう。浩平君の為だよ。気にしないで。それに浩平君は死なせない。絶対に」と力強く話すのだった 魔王は小冬に「リリイをお願いできるかしら?小冬」と言うと小春も一緒にリリイに抱きついて、俺と小春を見比べてから、 リリイ「リリアと相談してから決める」とリリイは話す 魔王「ごめんなさい」と謝ると、俺に話しかけてきた 魔王「リリイ ラフィニア。ラフィニアの妹。それとこの子はリリアの娘です。私の代わりにお願いします」と言い残し姿を消す魔王。それと同時に俺を押さえつけていた者達も消え去ったのだ。俺はすぐに小春を抱き寄せようとしたが、またすぐに魔法陣に拘束される 俺の体を押さえつける力が強くなっていき苦しくなる 小夜が魔法陣の中に入ってくるなり俺は、「止めてくれ!俺は死ぬ気はないんだ!」と言うと俺は何かで口を覆われるが声が出せなくなってしまったのだ。そのまま小夜の

「貴方がやったことは許されない。でもね。浩平。リフィさん。ラフィニアさん。リリイちゃん。それに。リリアちゃんは 貴女に感謝しています。それは本当ですよ。」と言うも俺は小春を見る事しかできなかった。俺を殴った奴らは小春を見て、泣き崩れたり。小春に謝罪をする者。その場で小春を抱き寄せて泣く者 様々いた

「俺は何もしてないし 何もされてないぞ」と言うも

「もう 分かってますから」と言われて。俺の意識は薄れていった 俺は目を覚まして起き上がろうとするも、体に激痛が走る。そして俺は痛みに耐えかねてベッドに横になったまま動けなかった。俺は

「ここは何処だ?」と言い出すと

「浩平 目が覚めたんだね」と言うと

「良かったぁー」とアリシアが俺の手を握る。

俺の手を握っていたのはリフィとラフィニアで。俺は、ラフィニアに「あの後。どうなった?」と聞くと。

ラフィニア「あのあと 浩平は気を失って倒れたのよ。私は魔王様の命令で、貴方の世話をするよう言われてるの」と言うと 俺は「リフィと小春とリリイと小冬とリリアさんは無事なのか?」と言うと。

リフィが「大丈夫 リリスも無事よ。安心して」と言う 俺が安心していると

「浩平君。体の方は大丈夫なの?」と言う小春。小春は心配そうな顔をしていた 俺が「まだ全身に激痛はするが問題ないと思う」と答えると、小春は安堵の顔をして、

「無理はしないでね」と言うと小雪が入って来た 小雪「小春ちゃんはね。浩平君の為に、この世界の人達を敵に回しても。貴男を守りたかったの。そんな優しい子なんだ」と嬉しそうに話し始める小雪に「俺は小春を泣かせたり。悲しませてばかりなんだよ」と呟くように答えると。

「貴方が死んでしまったと思った時にね。小春が、凄い泣いてたんだって。小冬が言うんだけどね。それにね」と言ってきた 小雪「私とラフィニアスは、その件に関しては小春に口止めされたの。小春は、自分が犠牲になるだけで、世界を救う方法があるはずって。だけど。本当は、私達が居なくなれば。誰も悲しみの連鎖に囚われなくてすむんじゃないか。それが私が考えた方法だっと言ってたのよ?その話を聞いた時なんて思ったのか分かる?」と言われても答えられずにいる俺だったのだが、「分からないよ。俺はバカだからさ」と話す俺に対してリフィリアとラフィニアさんは微笑み。

「幸せだなって感じたかしら?私とお母さんも同じ気持ちだわ」と言い出して俺は驚いた顔になりながら二人を見上げると「うん♪私も嬉しい気持ちでいっぱいだよ」と言ったのだ それから俺は寝ていた間の出来事を聞き始めたのだか「何が起きてるか全然わからないんだ」と言うと「とりあえず、私の話は終わってるから後は リリィが説明してくれるはずだけど、今は出払っているみたいなんだよね。それに魔王軍も全員で動こうとしたみたいだけど、魔王様に止められたの」と話し出した 俺が「なんで魔王様が」と思っていると「私達は、浩平と話し合いたいことがある。リリイとリリネは、小春の傍にいてあげて欲しい」と言われたらしく 小春は「お姉様 お姉様と会いたいよぉー」と叫んでいた それを聞いて小雪は「今度。お城に連れて行ってあげるよ」と優しく言って小春の頭を撫でていた 俺は体を起こして周りを見ると ラフィニア「お母様。小春に会わせたくないので。少し席を外してくれませんか?」と言う 小春「お姉様 どうしてですか?」と言っているも、俺は小春の手を掴みラフィニアに「悪いが行ってくれないか?」と言うと小春を部屋の外へと連れて行く リリイもラフィニアと一緒に部屋から出て行き2人っきりになると俺は、小春に謝ろうとした瞬間だった「ありがとうね。本当に助けようとしてくれたんだね」と抱きしめてきたのだ 俺が「当たり前だろう?大切な仲間だもんな。お前には沢山助けられてるんだからな」と言うと、「助けられるばかりで。役に立てない自分が嫌いです。ごめんなさいね」と言い出すのだった 俺が慰めているも小雪が来て「もう大丈夫かな?」と言い始めると、俺がうなずくと

「浩平君。貴方は、私に力をくれたの。貴方がこの世界に呼ばれた理由を教えましょう」と言ってきて俺は、耳を傾ける 小冬

「貴方は、異世界から呼び出されるの」と話すと 俺は「それってどういう意味なんだ?」と言うと

「浩平君は勇者じゃないの。浩平君はね 英雄なのよ。」と言うと 俺が驚き

「英雄って、ゲームとかに出てくるやつか?」と言うと

「えぇ。その通りです。そして私も英雄です。リフィリアもそうです」と言われてしまうと 俺は言葉が出なかった。そして俺の頭に「俺には才能があるかもしれないが、この世界を救えるほどの能力じゃない」と言う言葉が出てくるも

「浩平君は、自分の能力を過小評価しすぎです。もっと自分を信用して下さい」とリフィリアは、いつもよりも強い口調で言うも俺は「それでも 俺はこの世界を救いたいとも思ってない。俺はこの世界を平和にしたくて勇者になったわけじゃねえし。俺が欲しいものは全て手にいれて。守りたい物だけを守れたら。それで良いんだよ。俺の命が狙われてるんなら俺は死を選ぶ」と言うと、リフィリアがため息をつくも「貴方は変わらないのね。でも、貴方は勘違いしています。浩平君は、勇者なんですよ?魔王を倒した貴方に人々は感謝している。魔王を倒されたことにより魔物達も大人しくはなったのです。魔王を討伐した貴方を殺そうとするのであれば、私達に敵はいないんです」

小雪は、真剣に話すも俺は納得できずにいた 俺の事を過大評価する小春にもイラつきを感じてしまった 小春に、俺に「力を与えてくれてありがとう。私を守ってくれてありがとう」と涙を流していたのが印象的であった 小春が俺の事を心配していたのも分かってはいたが。俺は、俺に力を与えてまでこの世界を、そして小春を守りたいとも思わなかった。俺は、「俺に力を与えたのが間違いだ」と言うも 小雪「私はね。後悔していないの。だって、私は浩平君のおかげで。この世界の人達と知り合えたんだもん」と

「そう言えばリリイが俺と初めて会った時に、この世界で知らない人と会った時は気をつけてと言っていたんだが?」と気になって聞いてみると「そうですね。私は、リリイちゃんのお母さんリリアの妹に当たる者だからね。それにね リリイちゃんは元々、こっちの世界の出身なのよ。それに私はリリイちゃんより前に浩平君にあった事もあるのよ」と言うも思い出せずいる中 リリスが入ってきたのだ。俺は警戒心を強くしたが。そんな俺の様子を見てクスっと笑いだすとリリスさんは何も話さずにただ笑ってるだけだったのだ 俺を拘束している魔法の拘束が強くなっていることに俺は気づいていたが。今の俺では解除する事ができない

「俺を解放しろ」と叫ぶと「ダメよ。だって解放したら貴方は逃げるでしょ?」と微笑んで言う 小雪は、リリシアさんとラフィニアさんが居ないと知ると、小冬と小春に小雪の部屋へと来るように伝える リフィニアは「私は ここに居ても構わないのでしょうか?」と言うと小春が「もちろんだよ♪」と言い出して俺も「別に構わん」と言い放つ リフィニアは、リリネさんと小春に挨拶をしていた。

小雪は「小春は、まだ体が辛いでしょ? 小冬は小春をお願いね。リリィちゃんとリリネスは何処にいるの?」と質問すると 小春「お姉様達はね。今は、ラフィル大陸の方へ調査に出かけてるんだ。」と言うと「そっか。小雪もついていけばよかったね」と言う ラフィニアは、「お母様。私達が留守の間 大丈夫なのですか?」と心配していたのだ

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魔王様は落第寸前! ~魔族に転生したけど、勉強が苦手だから人間の国には行きたくないんです。だからお城でのんびり暮らしていこうと思います。あと、可愛いメイドさんも欲しいなぁ~~~っ!?~ あずま悠紀 @berute00

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