王宮は燃え、残された王族は双子の王子の片割のみ。あの日一体何が起こったのかーー。本作の舞台は中世風で、魔術師などが登場しますがWEB小説にありがちな能力バトル系でなく古き良きハイファンタジーを感じさせる作品です。
若き王が右腕の魔術師とともに国を導くという大筋や内政、策謀などは戦記物や大河小説が好きな自分にはとても刺さりました。
しかし、この作品のタグにもあるように登場人物達を揺さぶるのは他者への思い。愛憎にほかなりません。愛の果て、憎しみの果ての結末がどのように行き着くのか気になって最新話まで読んでしまいました。
肉欲に溺れたり拒まれたり立場がそれを許さなかったり、生々しく苦々しい。恋慕と葛藤、そういった感情がよく描かれているなと思いました。
作品の雰囲気というは根幹は、炎と氷の歌シリーズに近いと思いました。あそこまで血生臭くはないですが。
最初はタイトルで合わないかな?と思っていたのですが面白ろかったです。
最後に一言、作中のえらく拗らせてるあの人が、どんな風に自分の気持ちを受け入れて腹を括っているのか、早く続きが読みたいです……