全302話完結、100万字を超える長編、完読後のレビューです。
転生した主人公ゲス・エストを中心に壮大な物語が回っていきます。
当初は、こいつ、嫌いだわ、なんだこの性格は、と思えるような主人公で、まさにタイトルどおりのゲスなのですね。
でも、そのゲスの裏には、彼なりの徹底した論理的思考があり、そこからぶれない強さや信念があります。
転生先でもともと強い彼が、最強を自負しつつ、そこを目指すわけですが、学園ものらしい、多くの出会いがあります。
中でも、精霊のエアは本作のメインヒロインで、とてもいいのですよ!可愛いです。ちなみに、作者様の近況ノートにイラストがあるのでご覧ください。
感情を持たない彼女が、エストの感情を学びつつ、エストもまた彼女と行動を共にすることで、成長していきます。
一方で、これ絶対に勝てないだろうという激しいバトルが展開するのも本作の醍醐味です。エストの戦闘タイプは独特です。上述したとおり、本当に論理的です。
最終章、あかんわ、もう死んだわ、という怒涛の展開が続きます。想像を絶する敵との戦いで、エストは本当の意味で成長できるのか。そして、これまでの出会いを通じて芽生えた心の中の思いが叶えられるのか。
ぜひとも刮目してください。カクヨムコン読者選考も佳境です。応援をよろしくお願いいたします!
本作の自称「ゲス」な主人公は、序盤はめちゃめちゃ尖っています。
誰もが少しは持つ黒い部分を凝集して表に押し出したような傍若無人さで無双しまくり、主人公なのに読者の共感を拒否しているかのようなキャラクターです。
正直なところ、私もドン引きした行動が多いです。
でも、こんな敵どう倒すの!?という難題をロジカルに攻略していく戦闘パートが多彩かつすごく面白くて、それ目当てに読み進めていました。
ところがこの作品、タグに「主人公成長」とあるんですが……マジで成長するんですよ。力でなく、心が。
この話の前半を通して、無感情な精霊に感情を食べさせて人間にするというミッションがあります。
そうして人間になったヒロインを始めとした人々との関わりを通して、主人公にも徐々に大切なものが増え、そして周りには多くの仲間が集まってきます。
終盤を迎える頃には、いつの間にか主人公を応援したくなっていること請け合いです。
序盤でちょっと引いてしまった人にこそ、ぜひこの「主人公成長」を実感して欲しいと思います。
予告された完結まであと僅か、一緒に見届けてみませんか?
物語は主人公が異世界に行き精霊に出会うところから始まります。
主人公は、現実に即して物事を考え、現実に即して物事に対応・処理をする人です。
性格は「相手の気持ちなど考慮しない」「わざと嫌味な話し方をする」ので嫌なタイプの人なのかなと思いますが、実はそうではありません。
結構人の意見に柔軟で、自己の非は素直に認めたりします。どうやら主人公が持つ嫌な人間像にはなりたくないというプライドがあるようです。
なので、その行動の動機は不純であるが、とった行動の結果は正義の味方っぽいのです。
物語は、学園物で、敵が先の先までプロットされているので飽きる事がありません。
この作品は、整合性のある物語で、俺TUEEEが好きな読者様にお勧めします。
一読してみてください。