自称「ゲス」な主人公の、成長を描いた物語

本作の自称「ゲス」な主人公は、序盤はめちゃめちゃ尖っています。
誰もが少しは持つ黒い部分を凝集して表に押し出したような傍若無人さで無双しまくり、主人公なのに読者の共感を拒否しているかのようなキャラクターです。
正直なところ、私もドン引きした行動が多いです。
でも、こんな敵どう倒すの!?という難題をロジカルに攻略していく戦闘パートが多彩かつすごく面白くて、それ目当てに読み進めていました。

ところがこの作品、タグに「主人公成長」とあるんですが……マジで成長するんですよ。力でなく、心が。
この話の前半を通して、無感情な精霊に感情を食べさせて人間にするというミッションがあります。
そうして人間になったヒロインを始めとした人々との関わりを通して、主人公にも徐々に大切なものが増え、そして周りには多くの仲間が集まってきます。

終盤を迎える頃には、いつの間にか主人公を応援したくなっていること請け合いです。
序盤でちょっと引いてしまった人にこそ、ぜひこの「主人公成長」を実感して欲しいと思います。
予告された完結まであと僅か、一緒に見届けてみませんか?

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