葵は中学にあがったばかりで、小説家志望の貴志くんに淡い恋心を抱いています。
葵と貴志くんの関係は、仲の良い隣人同士であり、互いに意識し合っています。
葵の貴志くんを想う気持ちは真っ直ぐで、その気持ちと言動が、貴志くんの励みになります。
貴志くんは少々自虐的なところもありますが、優しい心と勇気を持ち、だからこそ、葵はそんな彼に惹かれたのでしょう。
貴志くんが元々持っていた勇気を、葵がほんの一押しすることで、貴志くんは自身の夢に近づいていきます。
ほんの一押しが必要だった貴志くんは、その勇気をくれた幼い女の子に惹かれていき、遂には……。
本作はこのように、葵と貴志くんの関係を丁寧に紐解きながら、成長していく様子を描き出しています。
スミレ荘での二人のやり取りを、もっと読みたいと思える作品でした!
スミレ荘というレトロな名前のアパートに、小説家志望の貴志君が澄んでいます。そこに、マイペースな母子が引っ越してきて、交流が始まります。
物語の中では貴志君22歳、娘葵ちゃん中学一年生。
気弱で夢に邁進できない貴志君を懸命に励ます葵ちゃんがとても可愛いのです。可愛い葵ちゃんに助けられ、奮起する貴志君。二人の視点で描かれる、ほっこりと温かな物語です。
数年後、二人の関係に変化が訪れるようですが、その姿が目に浮びます。是非是非、大人になった二人の恋物語を読みたい!
素敵な物語が生まれる前のこのストーリーを読んでからなら、より楽しめると思います!