『おーぐ、ほしい』 25 《最終回》
巨大赤ちゃんは、だいだら王を、しっかりと、抱きしめたのです。
だいだら王は、動きたくても、動けなくなりました。
巨大赤ちゃんのもつ、巨大な包容力は、だいだら王を、ものともしなかったのです。
『お〰️〰️〰️〰️〰️〰️☺️ 素晴らしい。』
工場長さんも、係長さんも、ぼくも、さらに、ぱんだ組の消防士たちも、みな、感嘆したのです。
だいだら王は、くしゃん、と、地面に膝から座り込みました。
それから、もともと、泣き虫なので、があがあ、泣き始めたのです。
『あら、大変、海になるわ。』
マネージャーさんは、だいだら王の前に行き、こう言いました。
『では、もう、こんなむちゃくちゃしないとお約束頂けるならば、週に2回、おーぐ、をお届けいたしましょう。お支払は、いかがなさいますか。毎月、一括お振り込みもできますし、集金も可能ですが、地獄の中は、事前の許可がないと入れません。手作りなので、今のところ、週に2個が限度です。』
すると、金髪の少女が、なにか、タブレットみたいなものを、差し出しました。
そこには、こうありました。
『おさわがせいたしました。お詫び申し上げます。だいだら王は、地獄の鬼で、大きいけれど、小学生低学年くらいの感性です。それでも、根はやさしくて、一生懸命、立派なお花畑を作っております。あたくしが、確実にお支払いたしますから、この先は、正式に、毎週、ちょっと多目に仕入れさせてくださいませんか? そこから、だいだら王にも、販売しますし、希望者も、募集します。細かいことは、『間もなく』営業担当に訪問させます。よろしくお願いいたします。ヘレナ、もしくは、弘子。または、ルイーザ、もしくは、道子』
『双子の、タルレジャ王国の王女さま、地獄の女王さま、ですね。』
少女がうなずきました。
『ヘレナさん、金儲け、上手だしなあ。ふたりは、どっちが来ても、区別付かないですけどねぇ。でも、うそは、つかないし。信頼はできる。』
『やましんさんも、そう、おっしゃるなら、お断りする理由はありません。お取引いたします。工場長さん、係長さん、頑張ってね。工場の牛員(ぎゅういん)を、増やしましょう。』
マネージャーさんが話を続けます。
『さて、では、これから、みなさんに、おーぐ、の、試食をしていただきます。だいだら王さんは、建物に入らないので、庭でやりましょう。ぱんだ組のみなさんも、消火が終わりましたら、どうぞ。やましんさんも。工場のひとも、みんなで、おーぐ、や、牛乳、チーズを出しますから、頂きましょう。やましんさんは、あとで、配達契約させてくださいね。』
プルプルプルプル。
ぼくの、電話がなりました。
え〰️〰️〰️〰️、つながらないのでは?
幸子さんからです。
さすが、ヘレナさんの魔法かな。
『おう、通じたあ。やましんさん〰️〰️〰️〰️。幸子も入りたい。女王さまも、ふたりで、行きたいと、珍しく言ってきましたよお。お饅頭も、もって行く。大量に。アマンダさんも、また、だいだら王に会いたいっていうから、連れてくよお。』
『ちょ、ちょっと待って。幸子さん。大事(おおごと)に成ってきたなあ。あのふたりが、いっしょに動くというのは、ただ事ではないけどなあ。』
ぼくは、マネージャーさんに伝えました。
『いいでしょう。こうなったら、ばんばん、やりましょう。』
人力車のおじさんも来ました。
工場の牛さんたちも、みんな出てきて、美しい、広い牧場に、綺麗なテーブルの準備を始めました。
白色に黒のまだら模様の、テーブルクロスも敷かれました。
大おーぐ、パーティーになりそうです。
🎉 🎉 🎉
おしまい
お付き合い頂きまして、ありがとうございました。
また、お会いしましょう。
やましんより
『おーぐ、ほしい』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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