第4話 近道
「さっさと進め」
「は、はい」
ルナに命令されながら帰路の最中近道と言われた狭い洞窟を1列に並んでほふく前進で進むぼくらであった。
先頭がルナ、次にぼく、殿をクロエが務める。
天井から滴り落ちてくる水の粒が時折生身に当たってひゃんっ!と気になってしょうがない。
「…はぁ」
自然とため息も零れてしまう。
そもそもぼくはこういう暗くて狭い場所が苦手なのだ。
閉所恐怖症という奴だろうか、どうにも気が落ち着かない。
このままここにハマって動けなくなってしまったらどうなるのだろうか。
「なんだよその溜息は、ちゃんとしろ!クロエは大丈夫ー?」
「うん大丈夫だよお姉ちゃん!」
クロエは元気な声を出した、恐らく通り慣れているのだろう。
「お兄ちゃん大丈夫?元気ない?」
「…ちょっとこういう場所は苦手で」
幼女に心配されていては世話がない、気を引き締めなくては。
「お兄ちゃん隣みてみて!」
ふっと隣を見るとでっぷり太ったネズミ3匹がぼくらと同じように1列に並び歩いていた。
「可愛いね、わたし達の真似してるのかな♡」
「ギャ、ギャァア゛アア!!!!行っテ゛!!早く前行っテ゛!!!!!」
ネズミが苦手なぼくは半狂乱で前に突き進みルナのお尻を顔面で押し出す。
一刻も早くこんな場所から抜け出したいという気持ちで叫んだが「死ね!」と複数回顔面を蹴り飛ばされ泣きそうになった。
再就職先は盗賊でメスガキが先輩でした @kuroreba
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