俺の幼馴染がS級鑑定士で、世界最強の魔道具職人

あずま悠紀

第1話


「お姉ちゃん。またゲームばっかりやって。そんなに楽しいの?」

妹の言葉に私は苦笑しながら答える。妹の言うとおりだったからだ。私がやっているゲームのタイトルはVRRPGだ。

最近流行りのフルダイブ式のゲーム機を使用してプレイできるゲームだ。このゲームの面白い所はそのゲームの中で冒険した経験がそのまま現実の自分の身体でも味わえる事にある。私は今、そのゲームの中のとある街で冒険者のレベルを上げていた。ゲームを始めた時はLv10だったが既に30を越えており、今ではLv100を超えている。ここまで上げてくるには苦労した。特に最初の方は大変で、何度も死んだものだ。まあそれはそれで楽しい思い出だがな。

Lv100を超えてくると大抵の冒険者より強いから敵なんて楽勝である。私のキャラは剣と魔法の戦士タイプで、魔法剣士のスキルを持っている為、攻撃力が高くて、かつ魔法も使う事が出来る優秀なキャラクターである。

そういえば最近は魔王を倒したプレイヤーもいるらしいしそろそろエンディングか? そんな事を考えながら次のレベルアップに必要な経験値を調べようと画面を見ると新しい通知が表示されている事に気づいた。なんだこれ。今までこんな通知来たっけ。私はその文字を読んでみる事にした。

>【あなたへのメッセージ】

この度は弊社のゲームをお楽しみ頂きありがとうございます。本日より貴方へ素敵なプレゼントが御座います。是非ご利用くださいませ

「うーん。これは一体何なんだろう。まあせっかくだし貰っておくかな。それにしてもこのゲームの会社はいいね。丁寧で親切で良心的な対応をしてくれていると思うよ。たまにいるんだよねこういう会社。ゲームを作るだけ作っといて課金しないと遊べないような詐欺みたいなのとかね。うちは大丈夫だよな」独り言をぶつぶつ言いながら私はメニュー画面を開き課金用の項目を確認する。すると見たことのない名前のアイテムが増えていたのだ。

>【伝説の防具:極レアリティ☆★★

伝説の盾+7/+8 HP補正特大】【伝説の回復薬:極レアリティ★5 HP全快効果(回数無制限)MPも全回復可】などというとんでもない効果がついていたのであった。おいおいちょっと待ってくれ!!こりゃ凄すぎるぞ!!いくらなんでもやりすぎだ!!!私は恐る恐る説明欄を読むことにしたのだがその内容を見て驚愕する。

<伝説の武器とは比較にならないほど強力な装備品となっております> <これらの装備品を装着された時点であなたの戦闘能力は通常時の数倍に上昇されます> <ただし注意事項として以下の点にもご留意願います> 1、伝説の武器と同等の特殊能力を備えており装備することで特殊効果が使用出来る 2、伝説の武器を装備する事でステータス値が上昇し、レベル上限が上がる 3、これらの装備品を装着する事はデメリットもあり非常に強力であるがゆえに使用者に多大なる負荷をかけ、装着者は激しい頭痛に襲われる場合がある 4、上記以外の特別な能力等は付属されていないためあくまでも通常状態の能力を格段に強化するものであること 5、伝説の武器を装備した状態であれば他のどんな伝説級の装備品であっても、その性能を超えるものは無いと断言できるほどの代物である うん。もうなんか意味分かんねえ!とにかく超すげえ事だけは分かった。だけどこれじゃまるで勇者みたいだぜ全く!私は早速このアイテムをクリックしてみることにした。すると次の瞬間目の前に光の渦が現れたのだ。その渦の中心からは光輝く物体が現れる。それはどう見ても私が普段から使用している剣にそっくりだったのだ。私は思わず叫んでしまった「こりゃ本物じゃないか!」しかし、その剣に触ろうとしたところでふと我に返ったのだ。そうだ!よく考えれば怪しいじゃないか。そもそも本当にこんな素晴らしいものを無料で配布してくれるはずが無いんだからな。何かあるに違いない!よし!ここは一旦落ち着こう。まずは情報整理をして状況判断をするべきだな。そう考えた俺は深呼吸してから再び画面を見る事にした。そして私は気付いたんだ。

さっきまで表示されていた<伝説の武具一覧>という画面に新しく追加されたアイコンがある事をね。そのアイコンは先程確認した時にはまだ存在しなかったものだし間違い無いだろう。きっとこれが私の欲しかった伝説の装備なんだと思った俺はすぐさまそのアイコンをタッチする事にした。すると思っていた通り、その画面がパッと明るくなる。その途端俺に驚くべき事が襲い掛かってきたのだ。なんと画面にはこんな文字が表示されたのである。

<あなたの所持しているアイテムを確認してください> はあ?いきなり何を言い出すんだこいつは。確かに私はゲームの中では伝説の武器を沢山持っていた。だけどそれを現実に持っていける筈はないのだ。なぜならそんな事ができるのならば世界中の人々が私と同じ立場になってないとおかしいではないか。

私は困惑しながらもメニュー画面を開き、所持アイテムの確認を行った。するとなんと驚いた事にそこには信じられないものが存在していたのだ。そう、まさにあのゲームの主人公が装備していたような伝説の剣や防具類が全て表示されているではないか。そればかりか私が持っているスキルまでもが再現されているようであった。これはどういうことだ。夢でも見ているのか? 私は自分の頬を思いっきりつねってみた。痛かったし血も流れたのでやはり夢の中ではないようだ。まさかこんな事があり得るなんて。だが、まだ私の知らない事実が有るのかも知れない。私は思い切って質問をしてみる事にした。

『伝説の剣とは比較にならないほど強力な装備品となっている』という文言について知りたいと思い画面を見つめてみる。だが残念ながらそれ以上詳しい事は分からない。まあ当然と言えばそうなんだけどな。しかし私はそこで重要な事に気付いた。そう、このゲームの世界は私がよくプレイしていたVRMMOのオンラインゲームが元になったものだったのである。ということはだ。つまりこのゲームが現実になってしまったということなのではないか。まあゲームの世界が現実になるとは流石にあり得ないだろうが。それでも念の為、ゲーム内で手に入れた全ての装備とスキルを所持しているかどうか確かめる事にする。メニュー画面で調べると全て揃っている事が判明した。更にはメニューをいじっているうちに新たな機能を発見してしまったのだ。なんとその機能というのが課金アイテムである。このゲームは基本プレイ無料を謳っていた為、課金という概念はなかった。しかしこの世界では元々存在していた設定がそのまま引き継がれていたらしく普通にお金を稼ぐ事が出来るようになっているようである。まあそれもそうかもしれないな。だってゲームの設定をそのまま引き継いだ世界だもん。そういう事もあるかもね。それに課金ガチャとかは存在するし。しかしだ。私は思うわけだ。そんな簡単に強い武器とかをゲット出来たらゲームが成り立たないんじゃないかと。まあ運営側にとってはそんなの関係ないし気にするべき問題ではないと思うけどな。とにかく、この世界に飛ばされてきた私は色々と試してみることにした。例えばこの世界をゲームと同じように操作出来ないかと思ってメニューを開いてステータスを表示してみるとなんともあっさりゲームのように操作することが出来たのだ。どうもこの機能は私が元々やっていたゲームのものと同一らしい。

ステータスの数値などもゲームの時と殆ど変わらなかったのだ。

ちなみに私の職業は剣士でレベル100を超えており、レベル100以上になるのには苦労した。だがまあ今となってはその苦労も懐かしいな。他にも様々な魔法を使う事が出来るようになっていた。ただ、魔法の威力などは少し弱まっているように感じる。おそらくゲームで覚えていた魔法のスキルもレベルが低かったのだと思う。魔法系のスキルは大体がレベル50で打ち止めになっていたしな。まあ仕方ない。これもこの世界では普通なのかもしれんし。とりあえずこの世界で私は冒険者として生きる事にしたのだ。ゲームのような展開を期待しつつ。

「おい。またレベルが上がっちまった。これでもうレベル80台だよ。一体いつまで続くんだよ。」レベルが上がりまくっている男は自分のステータスを見てうんざりした表情でつぶやいた。彼はかつて世界を救ったこともある伝説のプレイヤーで、レベルは既に200を超えている。だが今更、レベルを上げる必要は全く無かったのだ。なぜなら彼がゲームを引退する直前、このレベルまで育て上げていたからだ。それにしても、もう引退してから結構な月日が流れた気がするが。そろそろ新しいゲームでもやろうかな。なんて事を考えながら歩いていると目の前に一人の少女が現れたのだ。その見た目は可愛く、いかにも元気そうな雰囲気を醸し出している子である。

「お姉ちゃん。そんな事言ってるから強くなれないのよ!私はもっと頑張ってるんだから!」

そう言ってその子は胸を張るのであった。どうも彼女の名前は妹のようだ。私は苦笑しながら答えた。

「ああ。お前が頑張ってるのは知ってるよ。俺の妹だし。だけどもう少しゆっくりやってもいいんだぞ?」

妹はとても優秀である為、私と違い色々な仕事を任されていたのだ。そのおかげで忙しい日々を送っている。そのせいもあって最近はなかなか会えていなかったのだが、久しぶりに一緒に買い物へ行く約束をしていたのだった。なので私は久々に会う彼女を喜ばせたくてサプライズとして驚かせてやろうと一人で先に家を出て待っていたという訳だ。

それにしても、彼女は相変わらず頑張り屋だ。毎日夜遅くまで勉強したり修行をしたりと本当に偉いと思う。だから私は少しでも負担を減らしてあげようと必死に働いた。だけど最近になって思う事がある。どうも私が思っていた以上に彼女は努力しているようなのだ。だからこそ心配になってしまう。いつか倒れてしまうのではないかと。私が彼女くらいの歳の頃には既に親父と一緒に働いて稼いでいた。私としては彼女にも同じようになって欲しいと思っているのだ。その事は妹も承知していて、「お兄ちゃんが帰ってくるの待ってるから!」と言っていたのだ。しかし最近の私を見て彼女が何を思っているか不安になっているのは事実だった。恐らくは、私が楽な暮らしをしていないことを悟られているんだろうな。私はため息をついたあと彼女に問いかける。

「そう言えば、なんか困った事は無いか?あったら相談してくれ。力になれるかもしれんぞ。」私は冗談っぽく言ったのだが、何故か予想外な返事をされてしまう。

「じゃあね。一つだけお願いがあるんだけど聞いてくれるかな?お城に行きたいの!」その言葉を聞いて驚く。城だと!?それはさすがに無茶だろ!! 確かに私の知り合いに城の人は多いし話を通してもらう事は出来るが、問題はそこではないだろう。なぜわざわざ私に城に行けと言うのか理解できないのだ。

「は?なんでだ?なんで俺に言うんだ?自分で行けばいいじゃないか。それともなんか悪い事したのか?」と聞いたものの正直心当たりがあった。というのも、ついこの間、妹が私の為にこっそりと貯金を下ろしてきてくれていたのだ。それをバレないようにしていたみたいだけど。まあそのせいでお金の使い方に厳しいおかんはカンカンに怒って大変だったみたいだけどな。しかしどうにも様子がおかしい。

妹の顔は明らかに青くなっている。まるで自分が犯してしまった悪事がばれてしまったと言わんばかりな様子なのだ。その顔を見た私は、まさかと思ったけど聞くしかなかった。

そして次の言葉で私は全てを察する事になる。まさか、あいつの仕業か!

「あ、あれ?気付いてなかったの?私も、勇者の仲間なの。それでね!今日から勇者パーティに加わる事にしたんだ!」その話を聞いた私は頭を抱えそうになった。勇者といえば伝説のプレイヤーである私の事だ。しかも、勇者はあの伝説のゲームに出てくる勇者と同じ存在なのであった。そのゲームでは主人公の事を勇者と呼ぶ。そしてその勇者と共に旅をする仲間の1人が妹という訳だ。まあその話は一旦置いておく事にする。しかしだ。

私達がゲームをやっていた頃、私はこの現実世界での事なんて忘れていたし、妹もまた同じように完全に別世界の話と認識していた。だからこそゲームと現実とでは同じ人物が2つの世界に同時に存在していることになる。これは流石におかしいのではないか。もしかすると、この世界で私が生きて来た世界は夢なんじゃないかと思ったが、それはあり得ないなとすぐに気付いた。なぜなら私がゲーム内のキャラクターを操作出来る時点で普通ならあり得ないことなんだからな。しかし、私がこの異世界でゲームの主人公になったとしたら話は違ってくるのだ。私の場合はあくまでゲームの中の存在だと思っていたから違和感がなかったのである。だが、これが実際に起きている出来事だと考えるとどうだろうか。まず、そもそもゲームの主人公がゲームの中のキャラクターを操作する事は不可能だよね。まあそういう事もあるかもしれないが、これは違うだろう。それに仮にゲームのキャラがゲームの世界に迷い込んでしまうというシナリオのゲームがあったとする。その場合も主人公も普通に考えればゲームの世界の住人だ。ゲームの中にプレイヤーが干渉する事は普通ならば出来ない筈である。

しかし、私がゲームの中に入ってしまったのならば、ゲームと現実は完全に一体化してしまっていると考えるべきであろう。そうなるとこの世界に私というキャラクターは存在する事になる。まあゲームの世界に入ったという設定ではなく、別の世界で生きている設定の可能性もあるかもしれないが、その辺りの事は詳しく調べなければ何とも言えない。それに私はこの世界に居てこの世界を生きている人間である事に違いはないのだから、あまり気にしなくても良いかなという気分になっていた。

まあこんな事をつらつらと考えていて、ふと現実に戻ってきてみると、なぜか私は勇者様と呼ばれ、大勢の人達に歓迎されていたのである。

妹に呼び出されたので、俺は彼女の部屋を訪れた。ノックもせずに入ると、部屋の中は本だらけで床が見えない状態となっていた。まあ彼女の趣味だし文句はない。

それよりも妹の表情の方が気に掛かる。どこか嬉しそうであり、どこか悲しそうでもあったのだ。そんな顔をしている理由は分からないけれど、何か言いたい事があるのではないかと思った私は、あえて黙って妹の反応を窺う事にした。

「ねえ、兄さんはゲーム好きだったわよね。私も実は結構やる方でね。でも最近になって凄く面白くないなぁと思ってしまったのよ。」妹がゲームに対してネガティブな意見を持っているのは非常に珍しい事であった。私は興味深く思い、彼女の話しに耳を傾ける。どうも最近、新しいゲームを買ったらしい。しかしそれが酷かったと彼女は嘆いているのだ。まあ確かにオンラインゲームで酷い目に遭った経験があるからな。そのせいもあってゲームに対する苦手意識が多少はある。

だがゲームとは楽しく遊ぶものだと思っているので、ゲームそのものを否定している訳ではない。ただ、少しゲームに対する気持ちが変わってしまったのは事実だ。

まあそんな感じで妹との話が盛り上がり、ゲームについて色々と話をした後、私は妹の部屋にあるものを見回して言った。「まあ、このゲーム機がダメになってしまったという事か。」私はそう呟いた後に自分のアイテム欄を見てみる。そこには『VRゲーム機』という項目があり、ゲームのデータが入っていると書かれていた。私はそれをタップしゲームを起動したのだがゲーム画面が表示されると同時に、突然画面いっぱいに表示された文字に驚く。それは見たこともない文字の羅列だったが何故だが読むことが出来た。そこにはこう書いてあったのだ。「貴方はゲームの中で生きる事を選択しました。」ゲームの中で生きるというのはどういう意味だ。いやいや。そもそもこれは本当にゲームなのか。どうもゲームではないような気がするのだが、ゲームなのか。私はしばらく考えた後、その謎のメッセージを無視する事に決め、再びゲームを始める事にしたのである。だが、やはりその選択が間違っているとすぐに分かったのだ。

妹は私の目の前から消え、代わりに現れた少女と仲良くなっていたからである。妹はその少女に笑顔を向けており、とても仲良さそうに話をしている。一体これはなんなのだと疑問に思った時、その少女がこちらを見て微笑んだのだ。そこで私は少女の正体を理解した。彼女は妹の分身なのだと。おそらくはこの少女こそが妹が言っていた『勇者パーティの魔法使いの私』なのだろうと予想出来た。

どうも、私はゲーム世界に入り込んだというよりもゲームの一部となったようだ。それも勇者の仲間の一人としてゲームに登場するというとんでもない状況に陥ってしまっているようである。そんなのありなの!?そうは思うが今更である。とりあえず、妹の事は心配である。勇者の仲間になるなんて危険な行為だからだ。

妹が危なくなったら必ず助けに行くと決意を固め、その瞬間私は目を覚ます事になったのである。

私が起き上がるとその男は私に向かって「起きたか。おめでとう!あんたが魔王だ!」と叫んでくるのだった。私は「は?なんだ?俺が魔導王だって??」と言い返したのだがその男の勢いは止まらなかった。「ああ。そうだぜ。ここはゲームの世界で、今は魔王が倒されるシーンだ。お前が最後の一人だよ。お疲れさん!まさか魔王がここまで粘るとはな!でももうゲームオーバーなんだよ!お前は死んだんだからな!」

え?ちょっと待って?ゲーム?死んでるって? その男は興奮気味であったが、私はいまいち理解できなかった。そもそもここは何処なの?ゲーム世界?それとも夢?

「はあ。何を言っているのか分からん。とにかく説明してくれないか?」

私が頼むとその男は大きく深呼吸をしてから「わかったよ。まあいいだろ。お前さんは勇者の仲間として戦った結果命を落としたんだ!そのせいか、ここに転送されるまで時間が掛かったんだぞ。まあそんなのいいんだけど。つまりだ、あんたらはゲームクリアしたって訳だな。それでだ。ここで問題が発生したんだ。ゲームにはリセット機能があるだろ?それを使うと最初からプレイ出来てさ。それであんたのアカウントはゲームの世界に残る事に決まった訳だ。」

は!?なにいってんのこのおっさん!! 私は思わず大きな声を出してしまった。しかし私の叫びも当然だったのだ。だっていきなりゲームの世界の中に閉じ込められたというんだからな。「なあ、ゲームの中に入るってマジなの?なんのトリック?それともこれ全部嘘なんじゃねーの?どうなの?はっきり答えなさいよ!」

私が怒りながら言うと、彼は「本当だ。信じてもらえないかもしれんが。ちなみに、ゲームをクリアした人間は今まで1人もいないんだよ。皆死んじまった。でもゲームがクリアされたのはこれで二回目なんだよ。1回目の勇者達はレベル99の最強状態で、ゲームが終わる前に世界を救ったからな。今回とは違うんだ。」と言ってきたのである。確かに彼のいう事にも納得出来る部分があったので私は渋々納得するしかない。

そしてこの世界に私が存在する理由は恐らく私達の世界の誰かが私の魂を使ってこの世界で新たな生を受ける事を決めたに違いないという事だけは分かった。

まあ私自身は別に構わないけどね。どうせこの世界に未練なんてないしね。まあ、このまま放置しておいたら妹がゲームをクリアしないまま死んでしまう事になるし、このおっさんの頼みを聞いておくか。妹が生き返れるかもしれないなら、協力しない手はないよね。まあ、まずは確認しないといけなかったな。「妹は生きているよね。この世界で。この世界に妹が存在しているかどうかはどうやって確かめればいいの?」私はこの世界に来た理由を聞かず、妹の生存の確認方法についてだけ質問する。すると「妹がいる場所はこの世界から見えるはずだ。」という返答が来たので試してみると本当に見つけられた。だが様子がおかしい。妹の傍にいたのは妹と顔立ちが似ている女性だった。そして彼女の胸元は真っ赤に染まっている。「あれは!大変だわ!妹が襲われてる!!」私が叫ぶと同時に、その女性はこちらに駆け出してくる。「早く行ってあげてください。私はもう大丈夫です。それより、どうか彼女をお願いしますね。勇者様に頼んでください。私はもう助かりません。私が死んだら、彼女は元の場所に戻り、現実での生活を始めてしまうでしょう。そうなったら貴方は彼女に干渉できなくなってしまうのですよ。貴方の気持ちはよく分かりますが、私の代わりに彼女をよろしくお願い致します。彼女は私の妹であり、私の友人なのです。彼女はまだ幼い。守ってくれてありがとうございます。では私は行きます。また会えるといいですね。さよなら。愛していますよ、兄様。さようなら、私の勇者様」私はその女性の言葉に泣きそうになる。しかし泣かなかった。いや、泣く事が出来なかったのかもしれない。なぜなら、彼女の身体は消えかかっていたからだ。「ああ、君も死ぬ必要なんてないんだよ。絶対に救って見せるからな。だから待っていてくれ。必ず君も助ける」そう言って、私はその場を離れたのだった。「よし、これで良いだろう。じゃあそっちも頑張れ」と男が言った瞬間に私の視界は再び暗くなり、次に目を開けると、妹の姿が見える。良かった!無事だ。でもあの血の量を考えると危険な状態だ。早く手当をしてあげなければ!と急いで彼女に近づくと、突然妹が起き上がった。妹は起き上がると同時にこちらを見る。その瞳には私を映していたけれど、彼女はすぐに自分の手を眺め、不思議そうにしているのだ。

彼女はどうやら自分がどうしてこうなったのか覚えていない様子で首を傾げていたのだがやがて「う~。なんか記憶がないんだけど何してたっけ。え?なにしてるの?」と言う。私は妹の姿を見て安心感に包まれるのを感じながらも、「君は俺が命を賭けて守ってあげたんだぜ。お礼を言うべきだと思うが」と答えると彼女は目をぱちくりさせた後に、笑顔を浮かべ、こう言うのである。「そっか、ありがとうね、勇者兄ちゃん」と、それはまるで本当の妹のように感じられて嬉しく思う反面複雑な心境になる。妹は既にこのゲームのキャラクターになってしまったのだろうか。

そう考えると同時にこのゲームは一体なんなのかが分からない。だがそんな事を考えてる場合ではないと私は判断した為、これからの事を考え始める事にしたのである。

さて、妹が目を覚ましたという事で、まずはステータスを覗いてみる事にしたのだがやはり妹のステイタは異常値であった。なんとレベル10万もあるのだ!しかも職業は『大魔法使い』になっていた!それに称号も凄かったのだ!妹はどうやら『伝説の杖使い』『最強の聖女』という称号を持ってしまっており、これはゲームキャラになってかなりパワーアップしていると言えるのではないか?ただ妹のステータス画面にはHP0と記載されており、妹は意識を失っているようなのだ。つまり妹に体力というものは存在しないらしい。だが、何故かHPが0になった時に自動的にMPが回復する仕組みになっているようだった。この辺りは良く分からないが、妹が目覚める前になんとか妹を安全な場所に移動させなければならない。私は妹に話しかけるのだが反応がなかった。どうしようか。

妹の目が覚めた後、私は妹の安全を確保する為に行動する。妹は私が思っていた以上に弱っていたが回復魔法をかけると妹はあっという間に回復したのだ。

どうも、妹のレベルが上がったおかげで妹の回復能力が上昇し、妹はHPを回復させる事が出来るようになっていたようだ。妹は私を見て「ねえ。あなたって勇者の仲間なんじゃないの?」と言ってきたので私は「ああ、そうだが、何か問題でもあるか?」と答えると妹は「え?だってさっき、勇者パーティのメンバーは全員死んじゃったとか聞いたけど。まさか生き残った人がいるの?」と言い出したのである。私は妹の質問に対し、その問いに対する答えは持ち合わせていなかったが妹は「ふーん。そういうことかぁ」と納得してしまったのだ。どうも妹は私が生き残りの人間だと思っているようで、私の話を聞いてくれない。

そして「あ、お姉ちゃん!」と叫ぶとどこかへ走って行ってしまった。私はどうしたらいいのか分からず呆然としていたがしばらくして我に返り、妹を探すと、なんとそこには私の知っている人物達がいたのである。「おい!お前!こいつを助けろ!」その男は妹を守るように抱きしめると私に向かって言ってきた。「お前は誰なんだ?何故、ここに?というよりこれはどういう状況なんだ?詳しく説明しろ!」私がその男に向かってそう言い放つと、その男は妹から離れてくれたので、妹の様子を確認すると、彼女は泣いており「ごめんなさい!本当に!私がしっかりしていなかったから、私が弱いせいで、皆死んじゃって。」と言った。私はその発言を聞くと同時に「なあ、お前、何を言っているんだ?」と言い返す。その男の発言があまりに理解できない言葉過ぎて意味不明すぎたので仕方ない。すると妹はその発言をした男が気に入らなかったのか、私達に向けて攻撃してきた。

「もう嫌!これ以上仲間を失うなんて無理なの!!私は死にたくない!!!私は悪くないんだもん!!」

妹がそんな事を叫んだかと思えば妹は突然大きな魔導砲を作り出し、こちらに撃ちこんできたのだった。妹が使った技には見覚えがあった。それは勇者の使っていた魔法に酷似しており、それを妹も使えたという事実に驚くばかりだ。「なんで?私は、ゲームで手に入れた力を使おうとしたのに!」と、妹が動揺している間にも私の身体に衝撃が走る。だが私はこの世界で鍛え上げてきたので妹が放った魔弾が直撃しようとしてもダメージを最小限にする事に成功していた。私はすぐさま反撃をするべく妹を斬りつけようとするが、私が斬ろうとするよりも早く妹は地面に倒れた。

私は妹の事を見ると妹が倒れているというのに傷が全くないという不思議な現象が起きているのだった。私は一体何が起きたのか全く分からなかったが、とにかく妹の安否確認を行うべきだろう。妹に触れてみると、妹は目を開けた。妹に事情を説明しようとしたが「あ、あ、私は死んだはずじゃあ!?」と言ってくるのである。私は困惑しながらも妹に声をかける「とりあえず落ち着きなさい」そう声をかけてあげる。妹はすぐに落ち着いてくれたので、現状把握の為に情報を集める。そして妹はどうやらゲームのクリア条件を達成してしまっているのだと気づく。ゲームをやっている時はクリア条件を達成するまでセーブが出来ないので私は焦ったのだが、ゲームをやってる間は時間が止まっていた。なので妹の事は気にしなくても良いだろうと判断して妹を連れて帰ろうとしたのである。すると妹は泣きそうな顔をしながらこちらに寄ってきて、こちらを見つめている。私は「どうかしたのか?」と尋ねると妹は「あのね、私はこの世界に残っちゃ駄目かな?」と言うのだ。確かに妹はまだ子供だし、現実に戻りたくない気持ちも理解できるが、流石にこの世界で生きるわけにはいかないだろうと私は思う。妹は私に迷惑をかけまいとしているようだったが私としてはそんな事関係なかった。妹を守りたい気持ちはある。だが、それ以上に私にとって妹は特別な存在で大事な存在だから、例えここで妹が死ぬ事になったとしても妹と一緒にいたいと考えたのである。私は妹の手を引き「私と一緒に行こう」と言って、妹を抱きしめた。私が抱きつくのと同時に私はまた気絶してしまう。そして、気がつけば私はまたベッドの上に寝ていた。今度は前回と違って隣で妹が眠っていた。妹の顔を見た瞬間に私の妹を救えたのだという事実が私に突き刺さり嬉しさのあまり涙を流してしまうのだった。私は暫くの間、妹を抱きながら、涙を流すのをやめられなかったのである。

しばらく妹は私の傍で横になっていたのだが「う~。なんかお腹減ったかも」などと言うのだ。「ああ、もう大丈夫なのか?」私は妹にそう問いかけると妹は起き上がり「うん、大丈夫みたい。なんか変な感覚がするんだよね」と言う。

私は妹のその一言を聞き、もしかしたら、ゲーム内では妹は生きていて、そのゲームキャラになってしまった妹はゲームと同じステータスを持ってしまったのではないかと予想したが、もしそうだったら私の妹が危ないと思い、まずは妹のステータスを確認した方が良いと判断した。だが妹は既にゲームキャラクターになってしまっておりステータスを見る事が出来ない為、妹のステータスを見る事が出来る場所へ向かう事にしたのである。そう、そのステータスを見る事が出来る場所は王城の中なのだ。そして妹が目覚めた事を伝えに行くと、私達は王様に呼び出されたのだった。

「お主らが無事でよかったわい」王様はそう言うと「ところで、そなたの名は?」と言う。

私の名前を聞いた妹は何やら考え込んでいてどうしたのだろうと思ったがすぐに思い出せたようでこう名乗った。

「私は『ユウシャ』だよ。でも、ちょっと違うけどね。あ、ちなみに私の名前はユナって言うんだよ」

その名前を聞くなり王様は目を細め何かを考える素振りを見せた後、「そなたはこの国の民だったはずだ。なぜお主がここに来たのだ?」と聞かれてしまったのである。王様に問われても正直に答えるしか道はなく、「実は私はこの世界の人間ではありません」という事を伝えると妹も「私はこのゲームのキャラクターにされちゃったの!本当はもっと歳を取ってるんだけどね」と言い出したのだ。

「ふむ、この世界ではないのか。おぬしらの話を聞かせてくれんか?」と、私達に言われてしまい私と妹はお互いに話してもいい範囲の情報を開示する。そしてお互いの情報交換が終わると王様は妹に向かってこんな事を言うのだ。「この度は娘を守っていただき感謝いたすぞ。それで一つ提案があるのじゃが、お主らは我が城の者となってくれんか?もちろん、報酬も支払うつもりだ。だがその代わりとしてお主には魔王を倒してもらいたいのだ。引き受けてもらえないだろうか?」と言われ妹は少しだけ悩むと了承したのだ。私と妹はそのあとに私達のいた国についてや私達姉妹の事情を簡単に説明してから妹とはそこで別れる事にしたのであった。それから私達二人は城に住まわせてもらう事となり、私が元々住んでいた街に向かう為に旅に出たのだ。私は妹にこの先どうすればいいのかを聞くと、妹曰く、この世界をクリアする事は簡単でレベルを上げる事で強くなる事が出来るが、妹の装備を手に入れるためには勇者がレベルを上げた時に現れるレアリティ5の防具を装備する必要がありそれを手に入れるためには勇者に会わないといけないのだとか。その為にも私達がまずは目指すべきなのは「伝説の盾」だ。伝説の盾には様々な効果があるらしい。妹が持っている回復の効果がついていた伝説の回復薬はどうやらHP全快効果とHP自動回復効果と体力吸収の効果がついた物らしく妹はそれにかなり助けられたようで妹はかなりのアイテムを所有しているようだ。私はとりあえず勇者に会い、仲間にしてもらおうと考えたのである。私達二人だけでは厳しいが、妹にアイテムを借り、私はレベルを上げ、どうにかこの世界を脱出するという算段を立てることにした。

私達がこの世界に召喚されて1ヶ月が経った頃、私はようやくレベルが50になった。

私はその日はもう疲れ切っていたので、今日くらいは休んでもいいだろうと自分に言い訳しながらベッドに入り込み目を瞑ったのである。そして翌朝目が覚めると何故か私が寝ているのは豪華なベッドで妹も一緒に寝ており、その妹を見て驚いてしまう。昨晩までは普通に私の家にある安いパイプベッドで眠っていたのだから当然だと言えるだろうと思うのだが、妹がこの世界に来てしまっているという現実に混乱してしまった。妹は私が起き上がるのと同時に「おはよう!お姉ちゃん!」と話しかけてくるので私は戸惑いながらも妹が無事で安心し「あ、あぁ。えーっと、なんで私の部屋にいるんだ?」と妹に向かって聞いてみると妹はキョトンとした表情をしたのちに、何言ってるのかという顔をして私の方を見ながら言ってきたのである。「え?だって、私が寝てたのは、私とお姉ちゃんの家なんだから当たりでしょ?っていうかさっき言ったじゃん。ここはゲームの中の世界なんだから、お城で寝てるのは当たり前じゃないの?」と言い放った。私は妹が言おうとしている事は理解出来た。理解できたが理解したくないというのが本音だろう。私はまだ夢の中にいるのだろうか?と思って頬をつねってみたが全く痛くないのでやはりこれが現実の世界なんだなと考え直さざるを得なかったのである。だが妹の言っていた事をもう一度思い返してもやっぱり理解できない内容だったので妹の言葉をスルーしつつ「なるほどな、そういう設定のゲームなのか」と妹に返すと、妹はそんな事を私に聞かれたくなかったのであろう「ち、違うよ!!現実なの!!」などと言ってきていた。

私としては妹の言っている事が本当ならこれから私達はこのゲームの世界で暮らしていかなくてはいけない事になる。つまりそれは妹と二人で生活しなくてはならない事を意味しているのだと気付いた私は妹を守る為に強くならないければと決意を固めた。そして私は妹に質問をすることにしたのだった。「そういえば妹は今何のレベルまでいったんだ?」「私は35だよ」妹はそう言うが、どうやら妹が所持しているスキルの中にはレベル上昇補正のついているものがあるらしく妹のステータスを確認すると本当に35までレベルアップをしていたのである。

「お、お前いつの間にそんなにレベルアップしていたんだ!?」「ふふん。お城に来る前に沢山敵を倒したからだもんね~」妹が得意げに胸を張るのを見ると、確かにこんな子供が危険なモンスターと戦えるはずはない。きっと妹は私の知らないうちにかなりの数のモンスターと戦ってきたのかもしれない。妹の強さの理由に納得した私は「そっか、よく頑張ったな」と妹に対して褒めてあげる。そうすると妹は照れくさそうな顔をしながら「うん、私も頑張らないとね。お姉ちゃんは?」などと聞かれた私は、自分がどのぐらい強くなったのか分からなかったので妹の持っている鑑定を使って確認をしてもらうと私にはなんととんでもない物が付いていた。私は妹と一緒にレベル上げを行う事にしたのだった。私の妹に対する気持ちは特別なものだった。妹は可愛かった。私よりも10歳近く下だった為妹はいつも私の後をついて来て、私の言うことは全て信じてくれているようであり、妹と過ごす時間は私の癒やしでもあったのだ。

私と妹はこの世界でも最強になる為にレベルを上げる為に必死になってレベルを上げ、ついに伝説の武具が手に入った。私のステータスを確認しても『勇者』『聖女』の称号はしっかりと付いている事から妹の持っている称号は間違いではなかったようだ。私が勇者と認められた理由はどうやら私が魔王を退治したという言い伝えがあったらしく私は魔王を実際に倒していないのに『勇者』と呼ばれるのはちょっと複雑な気分だったのである。私は妹に装備を渡し妹を鍛えることにするのだが妹は私の予想以上に優秀な子だったのだ。私が思っていた以上に早く妹の力は上がっていき今では私が勝てる相手はほとんどいなくなってしまった。私にとって嬉しい出来事だったがそれと同時に寂しさもあったのである。妹と出会ってから1年近くたったが妹の成長は留まるところを知らない。どんどん成長していく妹の力を見て、もう私が守ってあげなくていいんだなと思ったら少し涙が溢れそうになってしまう。だが、それでも妹の笑顔は見ていて飽きる事はなく私と妹の楽しい日々は続いていったのだった。

それからまた1年ほど過ぎたが妹は未だに元気で私にべったりとくっ付いて来るが最近は私より身長が高くなりつつある妹に抱きしめられるような格好になってしまっているがそれが心地良い為そのままの状態で過ごしているというのもあるだろう。私は妹の成長が嬉しくもあり心配でもある。私自身ゲームのキャラクターなので寿命なんてものは存在しないだろうが妹が先に死ぬ可能性はある。それを考えるととても悲しかった。私は最近妹の様子がおかしいという事に気が付いた。私が妹の部屋に入ると妹が慌てて何かを隠す仕草をしたからである。私は妹が一体何を隠そうとしたのかを確かめるべく、こっそりと妹に近づいていくと妹は何やら怪しげな物を取り出してきた。その怪しい物体を見て、私は思わず妹が持っていた物を落としてしまうと、妹が慌てて拾おうとしたが私もすぐに拾い上げる。そして妹にそれを見せて貰うとそのアイテムが凄く重要な物であることに私は気が付く。それは伝説の回復薬という代物なのだ。私達はこのアイテムを探しにこの世界の各地に出かけ、どうにか見つけたものの、その時既に妹はそのアイテムを持っていたのだ。だがしかし妹の態度は明らかに不自然だったので妹に問い詰めてみると妹は観念したように話し始めたのである。

妹は私と同じ歳になっていたがまだまだ子供らしさがあり、たまに私に甘えて抱きついて来たりもするのだが、その度に私は妹にドキドキさせられる事が多かった。そのせいで私自身が妹を意識してしまっているのか、妹に告白されるのが嫌だなと思っている部分もあるが、いつかこの子が彼氏でも連れて来た日には私はその男の子に怒りを覚えるのではないかと思うくらいに私の心の中での妹の存在が大きくなっていたのだ。そんな時、突然妹と二人で城下町に買い物に出かけたのだがその帰り道で私達兄妹の前にいきなり黒い霧のような物が現れたと思うと次の瞬間その霧の中から人が現れてしまったのだ。私達二人は驚いてしまったのだが、現れた人物はどう見ても日本人に見え、私はつい話しかけてしまった。

「お主達は誰じゃ?ここで何をしている?」私が声をかけると目の前の人物は「おっと失礼。驚かせてしまいましたかな?私は魔王と申します。貴方達が私に敵対する意思がないと分かっておりまして、挨拶をしておこうと思い姿を現した次第です。ところでこの国で面白い噂を聞き、この世界に降り立ちましてね。何でも伝説の盾があると耳にしましたが、それを頂けないでしょうか?勿論ただでというわけではありませんよ。こちらにおわす御方は勇者である妹様。貴方は賢者だと聞いており、その伝説の回復薬を私に譲ってくれるという約束でどうかな?まぁ、無理なら他の方法を考えないとね」などと言ってきて、妹の持っている物を指さしてくると妹の持っている物を奪ってどこかへ消え去ってしまった。妹は泣き出してしまい、私の服を掴むので慰めるように妹に声をかけながら頭を撫でている。妹に危害が及ばないようにしないとと考えていると私の視界に妹に襲い掛かろうとしてきた人物が映った。

私はすぐに飛び出し、そいつに向かって剣を振りかざすがそいつは私が振る剣を避けると妹を抱え、私に攻撃をしてきたのである。私は自分の体が傷つく事も構わずに妹を庇いながら戦う事にした。そして私が必死に戦い続けたおかげもあってなんとかそいつを追い出す事は出来た。その後私は妹に怪我がないか確認すると妹は無傷であると分かり安心したのだが妹が私の血だらけになった姿を見て泣いたので私は妹の顔を綺麗に洗ってあげると、妹に「大丈夫だから、もうすぐお母さんが来るからね」などと言って安心させることにした。私と妹の絆はこの程度の事で切れるような弱いものではないと信じたい。

俺の名前は佐藤一輝。この度めでたく高校生になれた。俺は昔からこの世に絶望していた。その理由が両親が仕事で家にいない事が多いのと、妹を産んでから夫婦仲が悪くなって喧嘩ばっかりしている所を見てきたからだ。その為俺の家はずっと寂しい家庭だったと言える。だけど俺は家族を恨むことは無かった。両親は仕事ばかりして、家事は俺に任せっきりで両親とも妹には甘いのだ。妹は可愛いし、親も悪い人間じゃないと理解していたがそれでも不満が溜まっていたのだと思う。そんな時俺はネットにハマっていったのだった。

最初はゲームの世界に憧れてそんな世界に行ってみたいと考えていただけだったが、次第に現実世界の何もかもにやる気が出ず生きる意味がわからなくなっていたのだ。そこで、そんな世界で暮らしたいという願いが強くなり、そんな世界を創る事にしたのだった。そうするとどうだろうか、俺の望んだ通りの生活が始まるではないか。学校に行き、友人を作り、勉強をし、部活にも入った。そんな世界はとても楽しかったし幸せだったのは間違いない。だが、俺の思い通りに世界を創り上げた代償は俺の心を大きく蝕んでいたのかもしれない。

そう、この異世界生活に満足していた筈なのになぜか、現実に戻ることを望んでいる自分に違和感を覚えたのは少し前の事である。どうやらこの異世界では俺は勇者という職業になり、魔王を倒す事になっているらしく、何故か魔王討伐を目指す勇者と行動を共にすることになったのだが、そいつらのせいで俺は勇者として行動する事になったのだった。

そういえば、この異世界はゲームのようにステータス表示ができる機能が備わっているようで俺は今現在自分がどんな存在なのかを確認する為に試したことがある。だがしかし、ステータスを確認すると、名前:サトウカズキ

Lv:50

種族 :ヒューマン

HP:452(521)

MP:154(159)

攻撃力:289

魔法力:196防御力:253

素早さ:307

魔力適性率 :100

(99999)

耐性適性率 100 特別スキル 鑑定LV1、アイテムボックス 特殊技能 言語翻訳、物理攻撃無効 称号 最強の能力を持った者、異世界からの来訪者の魂 となっていた。これを見る限り俺はとんでもない化け物に成り果てたようであった。確かにこんなとんでもない数値になるほど魔物を倒したのは事実であるがそれにしてもこれは異常だろうと思うぐらいの数値なのだ。そんなこんながありながらも、俺は魔王を退治した報酬をもらう為に王都に向かった。そして俺はそこで勇者と別れる事になるのだが勇者と一緒に行く事を断ると、その男は「君はこれから何を成すというのか!僕と共に来るべきだろう!!」などと抜かしてきていた。

俺は適当に話を誤魔化すと王城を出るのである。その際に、勇者の仲間の一人が一緒に行きましょうと言っていたのを聞いて俺はこの仲間という制度に疑問を抱いた。正直なところ一人で冒険したほうが気が楽だと思っていたのである。

王城を出て街に向かうが、途中で立ち寄った街で妙な奴と出会う。

そう、この異世界に俺と同じように転生してきたという謎の男とである。

こいつはどういう訳か、自分のステータスを見た時に、称号に【転移者】というものがあってそれを見てからこの世界に転移したのだということに気が付いたのだという。この男の話によると、他にも同じ境遇の者達がいるというのでその人達と合流することになったのだった。そして、その人に会いに行こうとするも道が分からなかったようで案内して欲しいと言われ、渋々了承する事にした。

そして暫く歩いたところでようやくその人に会えたのだったが、どう見ても日本人にしか見えない容姿をしていたので本当に驚いたのを覚えている。その人は、この国の王女でこの世界に来て1年ほどだというのでこの世界の事を教えてもらう事に成功したのだ。そして、俺もこの国について説明をする。この国は平和そのもので国民達は毎日楽しく生きているようだ。それに加えて、勇者という特別な職業を持っている俺と、この王女様は何かしらの加護が貰えておりそのおかげで凄まじい力を扱えるということが分かったので、とりあえずレベル上げでもするかと、二人で外に出たのである。

この世界の魔王は既に倒されているという話だったので、俺は安心しきっていた。何故なら魔王といってもこの世界に来たばかりの頃の魔王とは比較にならないほどの力が有るらしいというのを聞いた事があるからである。

そして、二人仲良く旅を続けているとついに目的の場所に着くとそこには信じられないものがあった。

それは巨大なクレーターのようなものが出来ていて、そこにあった物を見るとどうやら魔王城に直撃したらしい。だが魔王城は健在であり中に入るとそこには見たこともない程の強さを持つ者が待ち受けていた。そして、その圧倒的な存在感を放つ相手には手も足も出ずに負けてしまうとそこで気を失い目覚めると目の前に王女様が居たので少し驚くが、よく見るとその少女も気を失っている様子なので取り敢えず起きるまでは待とうと考えたのだ。

俺が起き上がると、彼女はすぐに起きたのでお互いに自己紹介を済ませる事に成功すると彼女達はこれから旅に出ると言うので、俺は彼女に同行する事にした。彼女が連れて来た人物の中に俺と顔が似ている人を見つけたのだが、その人も異世界から来たらしくどうもその人の話を聞くと俺は勇者召喚で来たらしいが、勇者ではないらしく、どう見ても俺の方がその勇者っぽい見た目をしているが本人いわく勇者ではないそうだ。だが、俺と彼女はお互いに似た者同士だからということですぐに意気投合することが出来た。

そのあと彼女の連れて来た仲間との顔合わせを行うのだが、どうみても勇者パーティと思わしきメンバー達だった。どうせ俺が勇者じゃないからハブられるんだろうと思ったのだがどうもそれはないらしく寧ろ勇者である筈なのに、どうしてかは知らないけどここに来たらしいとのことだった。俺の疑問は解消されないままではあるがこうして異世界生活を満喫することにしたのである。だがこの世界での生活は長くは続かなかった。なんとこの世界で最強の生物と言われている龍族に襲われて命を落とす事になるのだった。

俺が目を覚ますと目の前には王女が寝ていたが一体この状況はなんだと思い、記憶を探る。確か俺はあのまま死んだんじゃないのかと思っていると、突然声をかけられたのだ。俺は慌てて返事をした。そう、あの有名なドラゴンが目の前にいたのだった。しかも、何故か俺はそいつの背中に乗っているではないか。

そして俺はそいつから色々と質問をされる。なんでもこいつの名前はレイラといい、この世界で最強の生物と呼ばれている伝説の竜なのだという。俺を背中に乗せているのは助けてくれた礼をするためらしい。まぁいいだろうと思ってお言葉に甘える事にしたのである。

だがそのあとが問題だった。そう、そいつは空を飛んで俺を連れて行ったのだ。最初は興奮していたのだがどうやら俺はそのままそいつの家に連れて行こうとするが俺が嫌だと拒否すると今度は地面を走って移動する。だがそれでも俺が全力で逃げようとすれば俺よりも速い速度で走っていく為俺には成す術もなかったのである。そして着いたのは家などではなく洞窟だった。俺が驚いていると、俺に事情を説明してきたのだ。俺はまずはこの世界のことを聞かないといけなかったため質問を投げかけるがこの世界のことについては教えてもらえなかったのだった。その代わり、この世界に存在する種族を簡単に説明してもらう。

そして俺はここでようやく気がついたのだった。そう、ここはファンタジーゲームのような世界観では無く本当の意味での異世界であることをだ。そう思ったのが間違いであったかもしれない。だって俺はとんでもない事に巻き込まれてしまっていたのだから。

この世界には、人間以外にも沢山の生き物が存在していてその中でも、一番危険なのが、この世界最強の種族とされているドラゴンと呼ばれる奴らのようだ。だが、この世界のドラゴニュトロンはそこまで強いわけではないらしい。

そもそも俺の知るドラゴンと違う点が多々あるのだがその1つが俺の知るような火を出したりして戦うという戦闘方法ではないらしい。この世界で最強と言われる種族が、まさかの魔法を使って戦わないというのである。俺にとっては信じられない話であったが実際この世界ではそれが当たり前のように浸透していたのだった。だがしかし、魔法を使わずとも圧倒的な身体能力を誇り、魔法を使えるものも、ただの物理攻撃ですら普通のモンスターであれば余裕で蹴散らしてしまうという恐るべき強さを誇っていた。そんな化け物集団の中でもトップに位置するドラゴンは、その圧倒的な力と知能を併せ持った存在だったのであった。

どうやら、この世界でもやはり俺は勇者として行動しないといけないようだった。そして俺が勇者だという事も理解してしまった。なぜならこの世界では、勇者というのはかなり重要度の高い役職のようで、その勇者である俺は様々な国の王に挨拶回りをする必要があり、この世界の勇者が今現在どこに居るのかを調べる為に、とある街に行く必要があったのである。そうして向かった街はこの街だったわけだが。

俺の事をこの世界で初めて見つけたという女性がいた。その人は、俺の幼馴染と似たような姿形で同じ異世界転移者のようであった。その人はこの世界の住人であり、どうやら勇者を探しているのだというがこの世界は平和そのものなので特に危険はなく勇者が必要とされることも無いはずなのだがと俺は思っていたのである。そして、俺は何故か一緒に行動をするようにと言われて渋々了承する事になり仕方なく共に旅を続ける事となるのである。

俺の幼馴染によく似ているその女性は、この世界をゲームの世界と酷似していると気づきこの世界の住民と話をしたいと強く願った結果こうなったのだという。その気持ちはよく分かる。何しろこの異世界に転移してくるまで、俺はこの異世界に来るのが夢だったのだからな。それにしてもこの女性の話は中々興味深かった。彼女は俺と同じ日本という国に住んでいてそこから勇者にされたらしい。そしてこの世界に飛ばされた際に持っていた能力が【アイテムボックス】というものだった。この能力は非常に強力で俺の持っている【アイテムボックス】よりも遥かに容量が大きい上に時間が停止しているため食材なども新鮮さを保ち保存することが出来るというのだ。

そんな便利な能力を持った彼女が言うのだからこの世界の勇者とは凄まじい能力を持っているに違い無いという事がわかったのである。それならば俺はどうなのだろうかと思う。勇者は俺だと思っていたので自分が勇者だと名乗りを上げたのだがこの世界の人達が言っている勇者とは違うと言われたのだ。そういえば俺と一緒にこの異世界に来させられた俺にそっくりの勇者らしき奴も自分こそがこの世界で一番最初に召喚した勇者だというのにも関わらず、この世界に勇者が俺以外にもう1人存在していると言っていたのを思い出す。そしてこの世界にいるもう一人の勇者とは何者なのかという疑問が生まれる。だがこの答えは案外あっさりと判明したのだった。

俺が勇者だという事に驚いた彼女は俺の【ステータスプレート】を見たいと懇願するのだった。俺も勇者と聞いて気になっていたこともあり見せることにしたのだ。そう、そして俺のレベルが30を越えたあたりから俺はステータスを確認することをしなかった。その理由としては俺はステータスを確認しようとする度に謎の頭痛に襲われる事とレベルが50を超えてから全く成長していないのだ。このステータスを見るという行為が俺の頭痛の原因になっているのではないかと睨んでいたが、このステータスを見て分かったのが俺の勇者の称号は本物でこの世界での勇者は間違いなく俺だったということだ。この世界での勇者はレベルの上限がないらしく勇者だけが使える特殊な力を使うことが出来るそうだ。その力は【絶対切断】と呼ばれておりどんな物質であろうとも斬り裂くことが可能というものだ。その力が有ればこの世界でも魔王が倒せる可能性があるらしい。それに加えて俺はどうやら、勇者という職業の特殊能力も使えるようになっているようだった。

この世界の魔王も倒す事が出来るらしいが、それよりも先にこの世界の謎を解き明かしたいのが正直の所であり、そして俺は彼女に協力する事にする。そして、彼女に連れられてやってきた場所で魔王の話を聞いた時に、この世界の魔王が実は俺を召喚した魔王である事が判明する。

だが何故魔王が召喚した俺が別の世界の魔王と敵対関係になってしまったのかが分からずに混乱したが、とにかくその事は後回しにする事にしたのである。そして俺と彼女は、俺が召喚されて初めて見た城に向かったのである。

俺はこの世界の城の中に入った時に気付いたことがあった。それは、この世界に来てから何故か感じる違和感がより強まっている事であった。まるで何かを俺は求めているような、誰かに呼ばれているという妙に胸騒ぎがしたのである。そう思っていると突如激しい痛みと共に頭に映像が流れ込んできたのだ。それは、俺と同じような勇者の姿が映し出された光景で、俺と勇者はこの異世界に来たばかりでどうしたらいいかわからずに困惑している様子が見て取れた。だが、その勇者にはどうやら既に相棒が居たらしく俺は一人で途方に暮れているところを、この勇者に助けてもらうことになるようだ。だが俺はこの映像を見ているときに、俺はもうすでに勇者と出会っているような気がしてきた。そう思うと更に不思議な感覚に襲われた。

その後俺達は勇者の仲間になる為に必要なスキルを獲得することになったのだが、どうも俺はその習得するはずのものが、既に備わっているのではないかという事に気づいた。俺は今までずっとこの世界に転生してから俺はこの世界で生きていたと認識していたがこの世界での記憶が全くなかったのだ。そして勇者として生きてきた記憶も俺の中には存在しない。なのに俺は最初から勇者の能力を使えていたし勇者としてこの世界に来ていたらしいのである。これはおかしい。俺は確かに地球で生活をしていたし、俺の人生にはこの異世界で勇者として活躍した記録など一切残っていなかった。だが、俺は確実に俺ではない誰かとして勇者として過ごしていた時期があるのだ。一体どうして俺がこんなことになっているのか分からないがとりあえず今は勇者として活動する事を決意した。そう、俺はこの世界で生きてこの世界を救う為に戦うことを決意したのだった。そして、彼女の仲間としてこれから頑張っていきたいと思っているのである。

俺は目の前に広がる巨大な城をみて驚いていた。俺達が住んでいる街よりも大きいし、何よりもその城はあまりにも美しく芸術的な造りでまさにこの世界で最強の存在の居城に相応しいものであった。だが、その城の入り口の前には警備兵が沢山いるが、俺達の存在には誰一人として気付かれていない。これも恐らく【絶対感知】の能力による恩恵だろうがここまで来ると本当に凄すぎると思う。

俺は早速城内に入るため門兵に声をかけるが、その瞬間突然背後に衝撃を受けたのだ。どうやら俺の背後に何者かが現れ俺を後ろから蹴り飛ばしやがったようだ。そのせいで、門を潜り抜けるどころか吹き飛ばされて地面に落下してしまうのだった。俺が地面に落ちたのを確認したのか今度は上空から何かが迫ってきている気配を感じた俺は急いで体勢を立て直す。そして襲ってきたものを迎撃しようと俺は身構えたが、その必要は無かったようである。なぜならそいつは、俺の事を攻撃したのではなく守るために攻撃を繰り出してくれたようであったからだ。俺はその正体を知るべく攻撃してきた方向を見るとそこに見えたのはあの俺によく似た姿形の勇者だった。どうやら俺は、勇者によって攻撃されているようだが俺を助けてくれているようだ。勇者の攻撃を受けると俺の体はダメージを受けて痛いのだがそれでもこの勇者になら負けないという強い確信を抱く。

俺はこの世界にやってきた直後は戸惑っていたものの、俺はこの世界が好きになったのだ。そしてこの世界を守りたいと思ったのだ。だから俺もこの世界の平和の為に全力で戦おう。そう決意した俺はまずは攻撃してこようとしたこの勇者を倒す事に決めた。だが勇者は思ったよりも素早く、そして一撃が非常に重かったのである。だが俺は諦めず何度も立ち向かう。すると少しずつダメージが通ってきているのが分かり、ついに俺は剣を振るって勇者を攻撃することが出来たのだ。その時、勇者が少し笑みを浮かべたかのように見えたのは、俺の攻撃が通用して喜んでいるのかもしれない。だが俺の攻撃に対してすぐに防御態勢に入ってしまいなかなか隙が出来なくなってしまった。それから何度か打ち合った後にようやくお互い距離を取って向かい合う状態になる。

「へぇー今のお前でもそれなりにやるじゃねえかよ。どうやら本当の意味で本物の力を使えるようになったんだな」

勇者が何やら意味深な発言をするが俺はそれを理解する事なく会話する事にしたのであった。この異世界では俺はどうやら本物の勇者の力を得たようでステータスが大幅に向上しレベルも一気に30以上上がっておりこの世界の勇者である勇者も同じく強くなっていた。

この勇者は俺と同じ様に異世界に転移させられていて、そこで偶然出会った女性とこの世界に来る前にあった事を話している際に一緒にこの世界に召喚されたという事を教えてもらった。そしてその女性というのは俺に非常によく似ている姿形をしているようで、俺が勇者と間違えられてもおかしくない程であるとのことだった。この世界の魔王は女性でありその見た目はとても美人である。だが、そんな綺麗な女性ではあるが、俺と似たような力を持っており、魔王もどうやら勇者の称号を持っているらしいのだ。この世界に転移されたばかりの頃はその勇者について何も分からなかったらしいが、この女性はとある事件をきっかけに勇者と接触する機会があって、そこから意気投合し友人のような関係になり、俺と勇者は魔王と対峙する事になったのだそうだ。しかし勇者といえども俺と同じようにこの世界にいきなり放り込まれたわけなのでこの世界で生きるのは大変で苦労をしていたのだという。俺と同じ境遇だと知って安心した俺は魔王に戦いを挑む前にこの勇者に協力を求めることに決めるのであった。

勇者は俺の話を聞き納得する。どうやら魔王も俺と同様に勇者の力と称号を持っていてこの世界に来たばかりなのだという事がわかったのである。それに加えて魔王が勇者の称号を持つ者だということも判明したので、もし魔王と戦うことになった場合の作戦を考えておかなければいけなくなったのだ。勇者は俺の話を最後まで聞いてくれたのだが、その途中で気になっていたことを聞く事にした。

「俺のこの【アイテムボックス】の容量が異様に大きくなっているのはなぜだ?」

そう俺はこの世界に来る直前から俺が所持しているこの無限収納のスキルだが明らかに以前よりも多くの物を保管できるようになっているようなのである。最初は俺のスキルレベルが上がったのだろうと楽観的に考えていたのだが、俺のステータスプレートを見てみる限りそのような事実はなかったのだ。だが俺のスキルに異変が生じていたことは間違いがない事であった。

俺の言葉を聞いた勇者は一瞬驚きの表情を見せたが、すぐに元の冷静さを取り戻して俺の質問に答えてくれる。勇者の【絶対感知】により俺のレベルが30を越えていることを確認できたのも大きな要因だったのだと思う。この【絶対感知】というものはどうやら相手が持つ全ての能力を把握する事ができるらしく勇者のレベルが俺よりも高いことも判明していた。勇者によるとレベル30を超えればどんな強敵にも対処できるほどの力を身につけている事になるらしい。

勇者の言うように俺も自分の体に変化がある事に気が付いていた。俺はこの世界に来た直後は自分の力の限界が分からない状態だったので勇者の攻撃を喰らったときにあまり痛みを感じていなかった。だがレベルが20を越えたあたりからは勇者の攻撃が効いているのを感じるようになり勇者の動きを見極められるようになったのである。その結果俺に攻撃を防がれたり、避けられた時に悔しそうにする勇者の顔をよく見るようになったのだ。

この事から俺は勇者を倒せるだけの成長をしたのだろうと思うようになっていた。ただその反面勇者はこの世界でもかなり上位の強さを有しているのは分かっていたが、勇者は異世界での戦いに慣れており戦闘経験も豊富だという事もあり油断は出来ないと感じる。俺は勇者との会話を続けることにした。だが俺はこの質問をしておいてよかったと思っている。この疑問が無ければ俺はきっと勇者を警戒する事が出来ずに不意打ちされていた可能性が高いだろうからな。俺はそう思いながらも更に勇者に問いただしたのである。

俺は勇者に質問をしたが勇者はこの世界で何が起きているのか分からないらしく俺に尋ねてきた。その言葉に俺は何も返せなかったが俺自身もこの世界で自分がどうすればいいのか迷っていたからである。とりあえず今は魔王と決着をつけなければならないと考えていた俺に勇者は俺の悩みを聞いてくれた。勇者はこの世界に来て以来様々な困難に直面していたようなのだが勇者は俺と同じような存在が他に居るかもしれないと言っていた。俺はその発言に対して勇者に心当たりはないのかと聞いたところ俺のようにこの異世界で生活している勇者もいるかもしれないと話してくれたのだ。

この世界に俺以外の勇者がいるのか。しかも俺以外に異世界から転移してきた勇者も存在するかもしれないとは思ってもいなかったので驚くしかなかった。俺は他にもこの世界に来た勇者が存在しているのであれば是非会いたいと思った。だが俺は、俺以外にも勇者が存在していてこの世界で暮らしている可能性があるという話には驚いた。だが同時にこの世界にいる勇者は俺ともう1人存在しているということなのかとも思う。俺と勇者は同じタイミングでこの世界へとやってきたので俺の他に勇者が存在するのは考えづらいのだ。そうなると俺の前に勇者が存在したということになる。

そして俺と同じような状況になっているのか、それか全くの別の行動をしているのかは不明だが俺と同じく勇者になった人間が存在するということだ。俺はこの世界がゲームの世界であるという事は理解しているがそのせいもあってどうしても勇者として生きていくことは抵抗感がある。それは勇者が嫌いなのではなく、単純にこの世界の人々を戦いに巻き込んでいくことが気に食わないだけだ。だが、勇者として生きるということは俺が勇者になる前から決めていた事でもあるので、今更勇者を辞めることはしないと思う。俺はこれから先この世界でどうしていくのかを考える必要があり、その為には俺よりも先に転移してきた他の勇者に会う必要があるだろう。それにはまずこの勇者を倒すところから始めないといけないなと思ったのであった。

勇者が俺に話しかける。俺は少しの間黙ってしまったがすぐに意識を切り替えて勇者に話し返す。そして勇者は俺が今まで何をしてこの世界をどうしたいと思っていたのか聞いてきたのである。俺は、正直に勇者と魔王との戦いに割り込むのを止めて、争いを止めるために話し合いができるようにしたいという思いを話し、それが叶わぬ願いならば戦うしか無いのではと考えたのだと言う事を説明した。すると勇者は意外にも納得したようで協力してくれることとなった。勇者はどうやら俺と同じことを考えていたようで、魔王と戦いこの世界の平穏を守るという考えは共通しているようであった。それならどうして魔王と戦う事を決めたのかと聞くと勇者もこの世界にやってきたばかりで色々と困っている事が多くあり、それを解決するためにこの魔王を倒した方が早いと判断したようだった。

勇者と俺はこの世界にやって来てからこれまでずっと行動を共にしていたようで、どうやら勇者は俺と性格が似ているようで、俺は自分と似た者同士だから仲良く出来ると確信したのである。だが、それと同時に魔王に勇者の称号を与えてしまった俺を信用してくれるかどうか不安であった。勇者は俺の言葉を信じてくれて俺と仲間になってくれると言ってくれたので嬉しかったのである。

それから俺と勇者はお互いの目的のため魔王と対話するために協力する事となったのだ。俺は魔王の居場所を知っているであろう勇者について尋ねると勇者は自分のスキルについて教えてくれることになった。この勇者はなんと相手のステータスやスキルを見る事が出来るだけではなく念話も使えるようで相手がどこにいるか把握したり連絡を取る事が可能らしい。これは俺にとってとても重要な情報である。なぜなら俺の仲間である賢者が現在魔王によって洗脳されていて魔王の側にいることが発覚したからだ。

俺は勇者と話す中でこの魔王のいる場所へ辿り着くためのヒントを得ることができた。勇者は俺に魔王が住んでいそうだという街や村の事を教えてくれたのだ。俺はそこで魔王に関する情報を集めればいいのではないかと思い感謝を伝える。どうやら勇者はそこまで詳しくないようでこの世界に来たのもつい最近だという事なのだ。勇者は自分が知っている限りでは魔王は魔王城という魔王が住んでいる城の地下に拠点を構えていてそこから出てきているという噂もあるという。そして魔王の側近に魔族がいてそいつらは四天王と呼ばれていて、この4人は相当強いとの事だ。勇者がいうのであればその話は真実なのだろう。

魔王と会話することが出来れば何かが変わるはずだと俺も考えているので魔王城を目指すことは決定事項だ。しかし問題は魔王がどこに住んでいるのかである。まずはそれを突き止めなければ始まらないだろうな。

「魔王と話をする方法はないのですか?」

俺の言葉に勇者は考える仕草をする。魔王と会う方法について考えているのだろう。勇者はすぐに結論を出したようだ。魔王は魔王城に居てそこが奴の根城になっている。そして魔王城は巨大なダンジョンとなっていてそこには大量の魔物たちが潜んでいるので、そこから出る事が出来ないという。勇者も魔王に会いに行こうとしたことがあったが、勇者の力を持っていようとも魔王城を探索する事は難しかったらしい。そもそも魔王は転移の魔法を使うことが出来るらしく魔王城の中に転移することは不可能という。それならば魔王に気付かれずに魔王城を攻め落とせばよいのではないかと考えたがそれも勇者が許してくれなかった。魔王城は地下深くにある上に魔王城の周りには強力な結界が張られているのだと勇者は言っていた。そのことからも簡単に魔王に会える可能性は低いという。

勇者の話を聞いて俺はかなり絶望していた。そんな時に俺が勇者から得たのが【スキル鑑定】である。勇者はどうやら【アイテムボックス】の容量を増加させる【スキルレベル上昇補正】の【固有ユニーク】を持っているらしく、【アイテムボックス】のレベルを上げやすいのだ。だがそれでも限界があり容量を増やすためにはアイテムを集める必要があるのだという。俺はこの【アイテムボックス】を有効に活用する事を考えついたのだ。勇者の持つアイテムを保管することで俺はこの世界に存在する勇者に貰った伝説の装備を手に入れる事ができる。俺にとってはこの世界の全ての装備品を入手するチャンスなのだと気付いた。

俺は早速その事を勇者に伝えたのだが勇者から返ってきた反応はとても良いものではなかった。というのも勇者はこの世界の人々の平和を守りたいと考えているらしく魔王と和解するつもりはないらしい。勇者は自分の行動が正しいとは思っていないようなのだが人々のためには必要なことなんだと訴えてくるので俺もその言葉を受け入れる事にした。ただ勇者から伝説の武具が収納されている倉庫の場所も聞けたので、この世界を救うには勇者に協力して魔王を倒す必要も出て来てしまった。勇者は自分が勇者である以上この世界を平和にしたいと考えているようなので仕方なくではあるが勇者に協力しようと考える事にしたのだ。勇者が協力してくれたら心強かったからだが勇者にこの世界を救うために手伝うつもりがないと言われても特に驚きは無かったな。勇者はこの世界に転生してきたばかりだし、勇者は魔王を倒して元の世界に戻りたいとも考えていないみたいだから仕方ないと思った。ただ、俺は勇者と敵対しなくても勇者と協力しても問題ないと考え勇者と一時的に共闘する事を決めたのである。勇者が俺を信じるのか分からなかったが俺は一応勇者に俺の気持ちを伝えたのだ。そうして勇者との話し合いは終わったのだ。

その後、俺と勇者はそれぞれにやることを決めて行動する事になった。俺はまず仲間に会おうと思い仲間が眠っていると思われる神殿へと向かう。この世界のどこかに仲間の賢者が居るはずなので俺は仲間を見つける必要があった。

だがその途中でモンスターに襲われている少女を助ける事になる。俺は助けるつもりだったのだがその前に勇者が現れ、一瞬でそのモンスターは殺されてしまった。その光景を見た俺は少し呆気にとられていたが勇者に助けられた事に気が付き勇者に感謝を伝える事にしたのだ。

「ありがとうございます。助かりました」

勇者はその言葉を聞くと笑みを浮かべていた。そして俺を見てこう言うのだ。

「いいよ、いい。それよりお前も早くここを離れろ。まだ近くにあのレベルの魔物がたくさんいたからまた狙われたら厄介だぞ」

俺は確かに勇者の言う通りだと思い急いでその場から離れる。この世界で俺以外の人間と出会う事など殆どないので勇者の忠告を聞いておくべきだと感じたのだ。それから俺と勇者は別れ、それぞれのやるべきことをやり始めたのだった。

私は今魔王の住む場所に向かっている。魔王を倒さなければならないので私としては魔王と話がしたかったのだ。私の目的はこの世界に来た時から変わっていないので、このまま旅を続けていけばいずれ必ずやつと戦わなければならない。だからこそ私は自分の目的を達成するために今はひたすら歩いて魔王のいる場所へと向かっている。私が魔王の元に向かうと決めた時、当然魔王が魔王城に居る可能性が高い事はわかっていたがその情報だけで確信は持てていなかった。

だが勇者の持っている力のおかげで魔王が何処にいるのかはっきりとわかった。やはりというべきか勇者の力のおかげなのか勇者は魔王の居場所を把握していたのである。その情報によれば魔王が居るのはこの街で間違いないという事で、魔王の居所を掴めたのは本当に幸運であったと言えるだろう。だが勇者に魔王の居場所を聞いた時の反応が微妙だったので私は不思議に思っていた。どうやら勇者は魔王と戦う事を避けたかったようだが魔王は問答無用で勇者を殺しに来るのでどう考えても戦いになるしかないという。勇者の話からもそれは確かなように感じられたので、とりあえず勇者を魔王城に連れて行って説得すればどうにかなるかと思った。まあ勇者に無理矢理魔王城に連れて行かせるのは難しいと思ったがそこは勇者が何とかするとの事だった。

勇者をどうやって魔王城に連れて行くか悩んだ結果、私はある作戦を思いついたのである。それが、魔王と勇者を引き合わせ、戦いを回避させるというものだった。これなら上手く行くのではないかと考えたのである。勇者と引き合わせる事自体は勇者の力でも可能かもしれないと思ったのと勇者のスキルなら魔王城に入る事が出来るという事もあって、なんとか勇者と魔王が会う事ができればいいなと期待したのである。それに勇者が魔王を説得できたのならば私の目的も達成される可能性がグッと上がるからな。勇者のスキルが通用しない相手だとしても、もし戦闘になれば私がサポートを出来る。だが勇者が魔王と戦って負けるなんてことは想像できなかったのでそこまで警戒する必要はないだろうと思っていたのだ。

そうして勇者を連れて魔王のいる魔王城を目指そうとした時に運良く私を助けてくれた人に出会えた。彼はこの世界の人間ではなかったので魔王が召喚された影響で発生した歪みに巻き込まれてこの世界に飛ばされて来たのだろうと推測出来た。彼の話を聞いていた限りどうやら勇者も同じようにこの世界に来てしまっているようで魔王を倒したいという意思も感じられる。勇者がいれば百人力だと思う。

それから私たちの旅路は非常に順調に進んだのである。なぜなら魔王城の近くで私たちは強力な魔族に遭遇することになったからだ。そこで現れたのは吸血鬼であり、勇者と魔族との戦闘が始まってしまった。しかし勇者の強さは圧倒的ですぐにその敵を倒すことが出来た。しかしその時勇者は敵の弱点属性を見抜いていてそれを使っていなかった。どうやら魔族は火に弱いらしい。

それを知る事ができて私は魔族の討伐が終わった後に魔族からドロップする素材を集める事を提案したのである。魔族には珍しい魔石という物が手に入ったがそれ以外には何も入手することが出来なかった。だがその魔石のランクが高ければ高いほどその能力も凄いという話を聞いたことがある。それ故に貴重な魔石を入手できる機会は逃せないと思って魔族に戦いを挑んだのだ。

だが魔族との戦いも終わりを迎えた時、魔族を倒した後で魔族たちが身に着けていた鎧が地面に転がっている事に気づいた。この世界に魔道具が有るとは思えないがもしかしたらこの装備は使えるのではないだろうかと思い回収する。そしてそれを解析する事で【魔法耐性大】【自動回復小】の効果がついたこの世界で言う防具を手に入れられたのである。

この【自動再生】という効果はとても便利だと感じる事ができるものだった。【自動再生】の効果はその名の通り傷を負うと自動的に回復する機能で怪我しても問題なく動くことが出来るということだ。つまり傷を負ったまま行動することができるというわけだ。その性能がとても優秀だったために、私は魔王城に辿り着いた時にはこの装備品を着て戦うことに決めた。ただ、この世界にはレベルという概念がないらしくいくら鍛えていてもそのステータスは成長しなかったのだが、それでもレベルを上げていない普通の人間よりは高いレベルを持っている自信があった。そして私はこの世界にやってきて勇者と出会い、この世界の人達を助けるために魔王と戦いたいと考えるようになったのだ。そのためにもまずは勇者と合流しなければいけなかった。

魔王城は街の中心に存在するダンジョンの最下層に存在しているという事だったが勇者によるとその場所に転移する事は不可能だということだった。だから勇者と一緒に行動する以外に方法はなく勇者を魔王のいる魔王城に連れて行きたいと思っている。その勇者がどういった反応を返すかわからないがとにかく連れて行けばどうにかしてくれるはずだと信じていた。ただ勇者に頼んで同行を許可してもらえた時は驚いた。その理由もなんと、どうやら勇者は魔王が怖いようなのだ。勇者はこの世界の人々を救うために今まで頑張ってきたが魔王が恐ろしいらしく、勇者は自分の力で魔王と敵対して世界を平和にする事を嫌がっていたのだ。

だが魔王はそんな勇者の気持ちを知ってもお構いなしに攻めてくる。その事実が勇者を怯えさせているのだと思うが魔王に恐怖を感じるというのはよく理解できない感情であった。私は魔王に会った事があるわけではないし実際にどのような姿形をしているのか分からないので怖がる理由がない。だからこそ勇者に魔王に恐怖を覚える心はどういう仕組みになっているのかを聞いてみたいものだ。

勇者に魔王の恐ろしさについて詳しく聞こうとしたが魔王の事をあまり話したくない様子だったので詳しくは聞くことは出来なかった。なので結局のところ勇者の恐れの原因は分からずじまいだ。だがまあ話したがらない以上はこれ以上聞いても仕方がないと考え諦めることにした。それから魔王がいると思われる魔王城に向けて出発することになったのである。

「よし!この調子で行けば今日中に魔王城に到着するぞ」

僕は仲間の賢者であるアイネと共に魔王の住む魔王城に向かっていた。魔王と敵対してこの世界を平和にするなんて絶対にごめんだったから魔王に見つからないように移動したかったんだけど僕たちの周りには既に大量のモンスターが現れていたのである。このままここに居たらモンスターに襲われるだけなので逃げるしかなかったのだ。

だけど逃げ続けるだけでは魔王城に到着できる見込みはなかった。そもそも魔王は勇者に対して強い憎悪を抱いており、勇者が現れると必ず襲ってくると言われている。だからその脅威に晒されないようにするためには一刻も早くこの場から離れないといけないのだが、既に周囲にはかなりの数のモンスターが出現しているので今さらどこかに隠れても無駄なように思えた。なのでモンスターが近くに居るという状況下ではあるが、今すぐ移動しなくても大丈夫な分、魔王の居場所を探す時間が出来たのはありがたかったのだ。

僕は魔王城に着かないかなと少しばかり願っていたがどうやら魔王は僕らの存在に気がついていたみたいで、いつの間にか魔王城の目の前に転移していたのだ。流石にこれには驚く。どうやら魔王の力によってこの空間には特殊な結界のようなものが張られているみたいだ。魔王は恐らく自分がこの魔王城に辿り着くことが分かっていたんじゃないかと思う。もしかするとこの世界に魔王が出現した時点ですでにこの場所に誘導するために何か細工をした可能性もあるだろう。そうなると魔王は勇者がやってくるのを待っているんじゃないのかという可能性が出てきた。しかしそれはあり得ないという可能性も否定できないのである。

この魔王城にたどり着くまで魔王は一度も勇者と戦う事もなくずっと魔王城の中で大人しくしていたという情報を耳にしたことがある。これはあくまでも勇者の仲間だった人から聞いた話で信用度はかなり高かったので信憑性が高かったのである。ただこの情報を聞いた時にその勇者がどうやってここまで来る事ができたのか不思議になった。だが、魔王が何もしていないとなると勇者が来るのを待ち構えているという事になる。でも本当に勇者が魔王の元に向かってくるかどうかなど誰にも分かるはずはない。だからもし本当に勇者が来た場合に備えてこの城を守っていたという事も十分考えられるのだ。

どちらにせよ今ここで魔王と戦うのは避けたかったので、ひとまず魔王城に入らないようにしながら魔王の情報を得ようと試みる事にした。だが僕の考えが甘いという事はすぐに発覚してしまう。なぜならこの魔王は僕の想像を遥かに超えるほどの力を持っていたのである。その結果、僕は魔王と戦闘をするハメになってしまった。そして僕はあっさりと負けてしまうのである。その戦闘は圧倒的なまでに差があり、もう勝てるビジョンすら思い浮かばないというほどのものであった。だがそこで奇跡が起こる。

「おい。勇者よ。俺がお前の味方になってやるぜ!」魔王は突然こんなことを言い始めたのである。意味不明だった。確かにその言葉を聞けたのは嬉しかったけど急すぎるし一体なぜそのようなことを提案するようになったのかさっぱり分からなかったのだ。

しかし魔王の提案は意外なものだった。魔王曰く、どうやら自分はこれから勇者の敵に回ることになるというのだ。それは予想外過ぎて頭が追いつかないほどであったがなんとか受け入れて話を整理することにした。

だがそこでさらに驚きの情報が魔王からもたらされた。どうやらこの魔王城には勇者を召喚する魔方陣が隠されていてそのせいでこの世界には何度も歪みが発生しているのだという。そしてその歪みに巻き込まれた影響で別の世界で暮らしていた僕と賢者アイネがこの世界に来ることになったらしいのだ。

正直なところ、僕にとってこの話は衝撃的な内容ばかりだった。ただその中でも特に衝撃的だった情報が一つあった。それが僕が元々住んでいた世界には魔素というものが存在しないということなのだ。そのためこの世界に魔族が現れたことによって発生した魔石のような物を使って様々な道具を作り出せるらしいのだがそれを使うことが出来ないため生活していく上で魔石が必須らしいのだ。しかし僕はこの世界に来る際に何らかの方法でそれを補うことが出来たようだがその方法は分からないのだとか。それが分かっただけでも大きな収穫だと思った。つまり僕の体の中にはこの世界の魔石に相当する魔核が取り込まれているってことだよな。もしかしたらそれを使って魔法が発動するかもしれないのでちょっと期待しておこうと思ったのである。ただ問題は勇者と魔王の力が衝突してしまえば間違いなく勇者は死んでしまう可能性が高いということである。そう考えると魔族の力を封印するような魔法を使えばもしかしたら魔族だけを封じ込める事ができるのではないだろうかと思い、試してみることにしてみた。しかし結果は全くうまくいかなかったのだ。どうやら魔王は魔力だけではなくスキルも強力であるらしくて完全に魔族だけを封じることは出来ないようだった。

ただ勇者と魔王の力は相殺されているということが判明した。そしてその影響で魔族たちは魔王が倒されるまで弱体化しているらしい。僕はそれに気付いて勇者に協力を仰ぐことにした。魔王が倒された後であれば勇者に危害を加える者はいないだろうし勇者も安心して旅を続けられると考えたからである。だが魔王は勇者の敵でありその敵に協力するのは難しいと最初は思っていたが勇者の話を聞いているうちにだんだん魔王を仲間に引き入れたいと思うようになっていった。

その話を聞いた時に魔王はどうしてこの世界に召喚されたのかを気にしていたようなのだがその理由を話そうとする前に死んでしまったのだ。どうやら勇者の身に何かが起こったらしくそれを察するなり魔王は勇者を助けようと必死に魔法を発動させていたようである。しかしその魔法の効果は完全には発揮されずそのまま消滅してしまったみたいなのだ。そしてその後、勇者は力尽きてしまいその場に倒れたまま起き上がらなくなった。だが魔王のほうはまだ辛うじて生きている状態という事だったので、勇者に攻撃を加えている魔王に対して怒りを覚えたのだ。僕は勇者を守る為に魔王に挑みかかるが一瞬のうちに僕は魔王の攻撃によって瀕死の重傷を負い動けなくなってしまう。だがそこに現れた賢者のアイネのおかげで僕は魔王から距離を取ることに成功していた。

「賢者!アイネさん。ありがとうございます。僕は何とか助かりました」

魔王はなぜか魔王城の中に入って行った。どうやら僕たちを警戒する必要が無くなったみたいだ。もしかすると先程の戦闘で僕らが手を出すつもりがないと悟ったのかも知れないがなんとなくそんな感じではなかった。どちらかと言えばまるで勇者と二人で話し合うようなそんな雰囲気を感じたのである。

>私は自分のステータスを確認してみるとHPの数値は0になっていたが『自動再生』という機能の恩恵のおかげかすぐに回復し始めていた。しかもMPまで自然回復しており全快したのである。流石にその事実を知った時は驚かされてしまったが同時にこの世界に来て良かったと感じたのであった。というのもこの世界ではどんなに怪我を負っても瞬時に回復することが出来ると分かって安心したからだ。まあそれでも勇者の受けたダメージはあまりにも酷かったらしく、勇者は意識を取り戻す気配がなかった。このまま目覚めないと心配だったので私はとりあえず勇者の看病を始めることにする。

私が魔王城の前で勇者が魔王城から出てくるのを待っていた。勇者が無事に帰ってくることを願っていたんだけど結局帰ってこなかった。それでどうしたら良いのか困っていたら突如勇者の叫び声が聞こえてきた。どうやら魔王城の中で勇者と何者かが戦っているみたいである。だが私が行った所で邪魔になるだけなのは目に見えていたので大人しく魔王城から離れた場所に移動した。

それからしばらく時間が経った。その間、私たちはひたすらモンスターと戦っていたんだけど一向に数が減らないのだ。どう見てもモンスターは無限にいるのではないかと思ってしまうほどである。だがそこで勇者は魔王城の中からモンスターが出現する場所を発見した。それはこの城の地下に存在していた巨大な空洞だったのである。その場所からモンスターが出現していた事が判明したのでそこを中心に魔王を倒す方法を探ろうとした。しかしその時に私はとんでもないものを目にしたのだ。

勇者が魔王の一撃を受けて吹き飛ばされたのを見て慌てて駆け寄ったが既に遅かったようで勇者の体は見るも無残な姿に変化してしまっている。もうダメかと絶望していたら勇者は自分の体に何かしらの術をかけた。そしてその結果として奇跡が起きたのである。

>魔王は勇者に何か話しかけていたのだが途中で急に態度が変わった。そして何があったのかは不明だが急に僕を襲ってくるのをやめて魔王城の中に入って行ってしまったのである。その瞬間を見逃さず僕とアイネは魔王の後を追ったのだ。だがその時にアイネは勇者の治療を行うと言い出し僕の制止も聞かず勇者の元へ向かっていく。そして魔王は勇者を蘇生させることに成功していた。

僕はその出来事に驚いてしまい思考が完全に止まってしまいそうになった。だがその勇者の顔を見た途端にその考えは全て吹っ飛んでしまう。なぜなら勇者は幼馴染の少女と瓜二つな顔をしていたからである。勇者は死んだはずの少女と全く同じ顔をしており明らかに同一人物である事は明らかだった。その勇者の名前は『星空聖夜』と言って、その容姿や行動などから女の子に間違われるほどかわいくて優しかったのである。だがこの世界で再会した時に、彼はすでに死んでいるという情報を聞き衝撃を受けてしまったのだ。だから今この勇者が自分の目の前に現れたことに僕は驚きを隠す事が出来なかった。そしてこの勇者はどうやら元の世界の記憶があるらしいという事を勇者との会話を通じて知る事になった。ただ僕の場合はその記憶を思い出すことは出来ずただ混乱してしまうだけである。

勇者と魔王の力が激しくぶつかり合っていた。勇者と魔王の戦闘はもはや人間同士が争うレベルを超えてしまっていた。その戦闘に巻き込まれてしまうわけにはいかない。だから僕は二人から離れた場所に転移して戦況を見守ることにしたのである。ただ勇者は僕のことを知っているようだった。それも当然のことであろう。僕の体の中にはあの魔王が封じ込まれており、その力は封印されてしまっているとはいえ魔王が消滅したわけではなく僕の中に留まっているのだ。だから魔王は勇者にその事を話す機会があれば必ず僕のことについて言及するのは分かりきっていた事である。

しかし勇者の話を聞いていて僕は驚いた。なぜならこの世界がVRゲームというゲームを元に作られたものだと勇者は知っていたからである。その事を聞いて僕の中に一つの疑問が生まれた。もしこの世界に本当に異世界が存在したとしたらそこには本当に現実世界のような環境が存在していてその世界にも同じように勇者がいるのではないか。そしてもしそうだとすれば魔王もこの世界と同じ世界から来ている可能性が出てくる。ただそれを知る方法は無いため確かめることはできそうもなかった。

ただそこで僕はこの世界の歪みというものがどういったものなのかを想像し仮説を立てることに成功する。それはおそらく勇者は別の世界で死んでしまってから転生を繰り返してこの世界にやって来たということではないか。しかしそうならば勇者は何故この世界に存在しているのだろうか?勇者はこの世界でもう二千年近い月日を過ごしているという事になる。そして勇者はその事に気付いているのだろうか。恐らくは気付いていないと思う。でも勇者の事を考えれば気付くことができない状況に陥っていてもおかしくはなかった。

そしてその勇者がこの世界が現実ではないと理解していないということはどういうことなのだろうか。もしかしたら僕はある可能性に行き着いていた。勇者は僕がやっていたオンラインゲーム『ブレイブスターオンライン』の主人公である『白狼』に似ているような気がするのだ。だが僕の知っている白狼は『勇者』ではなく『英雄』と呼ばれている。もしかしたら勇者は僕の知らない間に別の人格が芽生えて別人になり替わっているのかもしれない。そうなると考えられないことが一つだけあった。

「ねえ。勇者って君がやっていたオンラインゲームのキャラに似てるよね」

勇者の話を黙って聞いていた魔王だったが勇者の言葉を聞いて固まっている。どうやら僕も勇者が何を言っているのか一瞬だけ理解できなかった。

「そ、それって一体どうゆう意味なんですか?」僕は魔王に問いかけてみたのだが魔王の反応を見るとどうやら魔王も僕と同じように戸惑っているみたいだった。

僕は勇者に今までの経緯を語ってもらうことにした。僕がやっていた『勇者の伝説:外伝』というのは勇者の物語で、本来なら主人公が仲間と一緒に世界を旅するところから始まり、やがて伝説の武器を集めていくという内容になっているのだ。そして勇者は様々な試練を仲間と力を合わせて乗り越えながら最終的には魔王と対峙するという設定だったのである。

勇者は魔王に話を聞いているうちに何か違和感を感じていたようであった。そして僕も話を聞いているうちに何か嫌な予感を覚えていた。だがそれが何なのかまでははっきりとは分からなかったのだ。勇者と魔王は二人で話をしながら色々と議論を交わしていたが結局、その結論は出なかったのであった。

<魔王を倒せば勇者は消滅する可能性が高いです> 魔王と勇者がお互いに話し合いをしている姿を見て私は複雑な気持ちになった。魔王は確かに悪い存在だと思っているけどなんだか少し可哀想な子でもあると思ったからである。そしてこの魔王は自分の中の魔族の力を解放すると自分自身がどうなるのかを理解していないんじゃないかと思う。この世界に存在する力という物がどれほど危険な物か魔王が知らなかったとは私にはとても思えなかったのだ。だからこそ魔王に警告しに行ったのだけれども。まあ魔王には通じなかったという事ね。もしかすると勇者と魔王はどこか似ている所があるのかも知れないわ。

僕たちは魔王城にある一室で今後について話し合うために集まっていた。だがそこに居たのは僕を含めて勇者である聖夜さんと幼馴染の聖奈ちゃん、それに賢者の一人であるアルフォードさんだけだ。他の人たちは皆、戦闘で傷ついた人たちの回復のために忙しくしているようである。

「それで魔王はどこに行ったんだい」僕は隣に座っている賢人さんに向かって質問をしてみるが、賢者である賢人さんは何も教えてくれず苦笑いをするばかりである。どうやら何も答えられない事情でもあるようだが魔王の居場所についてはどうしても隠したいようである。それは賢者である彼であっても話す事ができない内容だと言う事だろう。ただそれでも僕は魔王の正体が誰であるかだけは確認する必要があった。そのために彼に問いかけたのだ。

「その様子では魔王に口止めされているみたいですね。それなら仕方ありません。魔王がどこへ行ったのかだけでも良いので僕に教えてもらえませんか。もしも勇者である貴方を裏切る行為になるのであればこれ以上追求するつもりはありません」

<魔王の行方を教えなければ私はこの世界にとって非常に不都合なことを口にすることになります> <ですので勇者が私から真実を聞く権利を有していることは明白であり私もそれに従うべきだと思われます。ただし私がここで嘘をつく可能性もあるのですがよろしいでしょうか。勇者にはそれを確認する権限が与えられており、それを否定することはできないでしょう。なのでもし仮に魔王の居場所を教えることが出来ないと判断された場合は速やかに私の口からお伝えすることは出来なくなることをご承知願います。私はあくまでも勇者に情報を伝達するという使命を帯びていますので魔王がどこに居るのかを伝えることができなくなりました><>

(なるほどそういうことだったんですね)

「いえ、そんな事はないと思いますよ。ただ単に僕のことを信用してくれないというだけでしょ」

「勇者、あなたはどうしてそれを言えるのかしら。そもそもあなたはまだ魔王の恐ろしさを分かっているわけではないのですよ。そのような発言をする事自体がおかしいのではなくて?」

勇者の隣に座る賢者である女性が僕に対して疑いの目を向けた。この人は勇者の仲間の中で回復系の魔法に特化している人物で名前はアイネという女性だ。この世界の中でもトップクラスの強さを誇っている人物であるらしい。彼女は先ほどの戦闘で勇者と共にかなりのダメージを受けてしまっていた。そのため彼女の体調は良く無いのだが勇者が必死に呼びかけた結果なんとか意識を取り戻したようだった。そして僕はアイネに言われて初めて気が付いた。まだ魔王のことをあまり理解していなかったのである。その事を指摘された僕はアイネに謝罪した上で彼女にも魔王がどれだけ危険であるかを告げ、そして僕が魔王と話をしてきた内容を説明することにした。そして魔王の目的が勇者の持つ装備だということを伝えたのである。

僕はそれからしばらくこの場に留まりみんなが魔王と戦うための準備を終えるのを待っていた。その間僕はずっと考えていた。勇者たちが持っている装備の中には僕のアイテムボックスに入っているものもある。その装備品は僕が魔王と会話するために使った指輪だった。だが僕の知る限りでは僕のスキルやアイテムボックスの中に入ったままになっていたはずだ。それがいつの間にやら魔王の元に行ってしまったのであろうか。そして僕はこの世界がゲームの世界だという事は知っている。そのゲームの世界であるこの世界の中に存在している全てのものを自分の所有物として認識することが出来るのである。これはつまりゲーム内に存在していながらも僕のアイテムボックスには入らない物も取り出すことが出来るという事を意味しているのではないだろうか。

僕は勇者たちと会話しながらある実験を行う事にした。そして僕の予想通りの結果が出ると分かった時僕は心の底から喜びを感じる事になったのだ。まずは僕が持っていた剣をアイテム欄の中から呼び出したのである。

【アイテム】

:勇者が持つ伝説級の聖刀(勇者のみが使用できる特別な武器):

:効果1、所有者に超特大バフ付与(最大倍率350%上昇 使用制限 一回のみ/使用後消滅

持続時間 2時間50秒 使用者:勇者専用)

:効果2、勇者にのみ使える能力が備わっているため、勇者以外の人物が使用することは不可能 発動条件 1、所有者が瀕死状態で使用することを念じる もしくは勇者が自らの意思によって解放を念じることで自動で起動する。ただしこの状態以外でこの能力を持つ者が現れた場合には自動的に解除される また所有者の魔力値に応じて威力が増加するが基本的にはこの能力は封印されているため勇者のステータスが上昇しない限りこの能力が開放される事はない そして僕の頭の中に勇者だけが扱う事の出来る伝説の武具の能力の説明が流れ込んで来たのである。僕はその説明を聞きながら驚きの表情を浮かべていた。だがそれよりも驚いたのは勇者の持つ装備のほとんどが『伝説の武具』だったということだ。もしかしたら勇者の持つアイテムはすべて伝説の武器であるのではないだろうか。だとしたらこの世界で最強の力を持つ存在こそが勇者なのかもしれないと思った。なぜなら勇者が装備できる武器の種類が『聖』シリーズと呼ばれる伝説級の武器だけしかないのだ。それも当然の事であった。勇者が身に着けている鎧は伝説級の素材を使った最強無敵の伝説級の装備であったからである。その性能はレベルがカンストしていてもおかしくない程強力な性能をしていた。さらに言うとこの世界に現存するどの伝説級よりも上位に位置する防具であるようだった。

僕の手元にある聖刀は勇者が持つものと比べれば見劣りしてしまうかもしれないが、僕が所有する中で最強の攻撃が可能な攻撃力を持っているし、なにより僕の職業の特殊能力である《絶対切断》を付加することが出来ればどんな敵でも切り伏せることが可能なのだ。そうすればたとえ相手が神であろうとこの世界のルールを無視した存在だろうと倒せる可能性があった。だがその事を考えながら改めてこの世界の仕組みの異常さに気付かされてしまった。魔王の言っていることが本当ならば『世界樹の迷宮III』に出てくる魔王が世界の法則を無視することが可能だったとしても何もおかしなことではなかったのである。だって世界を支配するのが目的ならば勇者の力が届かない範囲に居ればいいだけであるからだ。しかし現実に僕たちプレイヤーは魔王と戦える状況を作り出してしまったのだから。

僕はこれから魔王を倒すための会議に参加しなければならないのだけれど正直気が進まなかった。僕も今までは魔王が何をしようとしているのかということについて興味を持っていた。だが今回の一件で魔王の正体を知ってしまったので今はむしろ魔王の味方をしたいくらいだ。僕は魔王がこの世界を滅ぼそうとしているのは理解していたのだがその理由については知らないままだったのである。だが僕が魔王と話し合った時に判明したことは僕が思っていた以上に深刻なものだったのだ。魔王の話しを聞いたとき僕はかなりショックをうけていた。それは勇者の物語に登場する魔王とはまったく違う魔王が目の前にいるという事実が僕を打ちのめしたのである。

そしてその話を聞いたあとで僕は魔王城から飛び出してきてしまっていた。そして現在その事を考えている最中だ。勇者は僕が魔王から聞いた情報を知っているという事で僕が話すのを待っていてくれた。だけど僕は何も話す気が起きなかった。僕も本当は話したくはなかったのである。だが僕が魔王と会話をすることで分かってしまうのだ。なぜ魔王は勇者の装備を奪う必要があったのかが。そしてそれを知るには僕が話さなければならなかったのである。

「魔王は勇者に勝つためだけに行動を起こしたのよ」僕は意を決して魔王から聞かされた真実を話し始めた。勇者は僕が話を始めた瞬間、僕の方を見つめてきた。もしかすると僕は魔王がこの場に現れた時の対応の仕方について迷っているのではないかと思った。なぜなら僕はその時のために勇者に指示を出しておくつもりでいたからである。だが僕が勇者に対して話しかけようとする前に賢人が先に僕に向かって質問を投げかけてきてくれたのである。

「勇者が魔王に勝てるようにするため? 一体どういう意味なんだ」賢者であるアルフォードが勇者の代わりに答えを求めるような目で僕のことを見ていた。

「えっとですね、この前魔王から勇者が使う装備品を奪ったのはそのせいだと思うんですよ。あの時は勇者が使っていたので分かりにくかったですけど実はあれ、僕が作ったアイテムなんですね。あのアイテムって勇者以外じゃ扱えないように出来ているはずなんです。ですがその勇者専用の武器を魔王が奪ったという事はそういうことでしょう。きっとあの魔王は自分の力をもっと高めるために他の力を吸収しようとしているんだと思うんです」僕はそこで一度言葉を切った。僕が言った事は間違っていないとは思う。ただ、魔王はそれだけでは満足できなかった。おそらく勇者の力を取り込むことさえ出来たらそれで十分だと思っていたんだろう。だがその目的は達せられていなかったのである。

なぜなら魔王の計画はここで止まっていたわけではないのである。僕たちが魔王を倒した後も魔王の配下たちは残っているはずだった。その者たちは魔王がいなくなれば好き勝手に行動を起こすはずである。その動きを止める為に勇者はこの先、魔王を探さなければならないのだった。しかし僕はそこまでの情報を勇者に告げるわけにもいかなかったため、僕が知る範囲内で魔王の行動を説明していく事にした。

「その装備をあなたが作り出したという話なら分かるのよ。確かに魔王の配下のモンスターをあなた達が倒し始めてからはその装備品を使って戦うようになっていたわ。私達はそれまでその装備品を使うことは出来なかったんだけどね。あなたは私達と違ってアイテムを作れるのね」賢者であるアイネが僕の言葉を信じてくれて僕に対して感謝するような口調で言ってきた。そして僕が魔王から得た情報が嘘では無いと判断したようで僕の言葉に耳を傾けてくれることになったのである。僕はそのことにホッとしていた。なぜなら僕の話はあくまでも憶測の域を出ないものだ。しかし僕の持っている『アイテムボックス』の中を覗いて貰えばわかるはずだが僕のスキルの中には『錬金術師』というものが存在するのだ。僕はこの世界での職業にそんなものがある事など知らなかったのだがこの世界で僕は何故か最初からその職業を得る事が出来ていたのだ。これはゲームである『世界樹の迷宮I&II』の中で主人公のジョブとして存在していたものである。そしてこの世界でも僕の職業として存在していたのであった。その職業の能力を使えばこの世界に存在するすべての道具を作成することが出来るようになっているらしい。僕はその能力を知っていたため、勇者の装備品を作ったときにもそれほど違和感を覚えることはなかった。だがこの世界に来てまだ一週間と経っていない。僕はまだこの世界の事を知らないためその事がどれだけ異常な事なのか判断することが出来なかったのである。そして勇者の仲間達の装備品は僕が作って提供したものばかりだったのだ。

僕はその事を伝える事にした。そして魔王の目的はこの世界の全ての人間に『伝説の装備』を与えることではないかと僕は予想していることを伝えていった。そして僕の話を聞き終わった後で賢人たちがどう思ったか聞いてみた。すると僕の話を聞いた賢者はしばらく考える仕草をした後、こんな事を言って来たのだ。

僕と賢人は魔王から装備を奪った後にしばらくその場に留まるように指示を出された。僕が魔王に頼まれたのはこの世界に存在している魔物たちを倒すために僕たちのパーティに参加してくれないかというお願いだった。勇者に倒された魔王軍は弱体化していてすぐにでも壊滅させられる状態だったのである。僕は魔王に言われたとおり、しばらくの間この世界で生活しながら仲間たちと共に魔物と戦う日々を送っていった。もちろんその間には様々な問題が発生することもあったけれど勇者である聖哉の圧倒的な力で僕たちは順調に世界中を冒険して回っていったのである。その途中である街に訪れた時聖剣を発見した。僕がその剣を見つけた理由は特にない。偶然立ち寄った街の武器屋さんの中に並べられていた武器の中から僕が目にとまっただけなのだ。僕は一目見てこの武器が特別なものだとわかったので値段も確認せずに買い取った。聖刀を手に入れた聖哉はとても嬉しそうだった。

しかし魔王軍の幹部たちを倒しているうちに僕はあることに気付いた。僕の持つこの武器の能力である《絶対切断》の力が魔王軍との戦いに役立ったのだ。僕も聖刀のおかげでかなり強くなっていたのだが魔王軍の強さは僕の想像を超えていた。そのため僕の力だけでは戦い続けることが難しいと感じたのである。だがこの武器を持っているおかげで戦闘が楽になることに気づいた僕は積極的に聖刀を振るうようになっていった。

僕は魔王軍に戦いを挑んでいくなかで自分の能力が徐々に上がっていく感覚を得ていた。僕が強くなっているのと同時に聖哉の攻撃力や防御力も少しずつではあるが向上していったのである。その事から聖哉のステータスが上昇していっているのではないかと推測した。なぜなら魔王の装備が『伝説の武具』であったからである。僕が知っている伝説上の武具にはそのような特殊効果を持った装備が存在したのだ。聖刀もその武具の一部だったので僕の仮説はあながち間違っていなかったと思われる。僕と魔王の戦いで魔王が持っていた聖刀は聖哉のものになっていた。だからその装備が聖哉の身体に適応するように変化しているのではないかと思ったのである。

僕は聖刀を手にする前からレベル100を余裕で超えたくらいの力を持っていたのでこれ以上強くなることはないだろうと僕は考えていた。だがそれは間違いだったのだ。この世界で生きていくことでさらにレベルを上げる事が可能だということを知った。しかも僕が魔王から得た情報によると、レベルが99を超えてしまってもそれ以上レベルが上がることが無いわけではないということだったのだ。僕はそのことを知ってからずっとこの世界の冒険を続けながらレベルアップを続けてきた。魔王の配下の魔物を倒して行く度にレベルが上がり、ついに僕は『レベル300』というとんでもない数値まで到達していたのである。その頃になると僕はこの世界の住人たちに比べて桁違いに強いということが分かるようになってくるのであった。そしてある日、僕の目の前に現れた勇者の聖剣は僕が手に入れた時と比べると遥かにパワーアップしているように見えたのである。おそらくは僕のレベル上昇に比例して聖剣もまた進化していったものと思われる。

魔王が僕たちに倒されてから数ヶ月が経過して僕は魔王の残した遺産を手に入れる事になった。僕の手元には魔石が転がっているのである。僕はそれを見て少しの間戸惑っていた。この魔石を何に使うべきだろうかと悩んでいると勇者が僕の肩を叩いてこう言い出したのである。勇者は僕と二人っきりの時にこんな提案をしたのだ。

「なぁ!俺が持ってる魔石を一つやるよ。俺はお前みたいにアイテム作りとか出来ないからさ、代わりに使って欲しいんだよ。その方が役に立つと思うから」勇者は僕に向かって魔石の使い方を提案してきた。僕はその申し出を受け入れることにした。そしてその日から僕は勇者の持っている魔石を錬金術によって別の物に変換出来るように特訓を開始したのである。僕がこの作業をする時に一番苦労したのは勇者が持つ特殊能力の無効化だった。それはなぜかと言うと、この勇者の持つ特殊技能である「勇者の証」の効果により僕の作ったものは勇者以外扱うことが出来なくなってしまうからだ。

僕はこの作業を繰り返し続け、最終的に魔王城の近くにいたモンスターのほとんどを素材に変えて勇者の装備を作ることが出来るようになった。勇者に装備を渡してからは僕の出番は無くなっていったので僕は魔王城に残っていた財宝を集めるために魔王城をくまなく調べ回るようになっていた。しかし僕の前にも僕の知らない宝物が存在していたのだ。その宝物には僕の作った武器では太刀打ち出来なかったので僕は仕方なく勇者から譲り受けた「聖なる宝玉」を使用することに決めた。その宝玉には「光属性」という強力なエネルギーが込められているようで魔王の装備品を破壊するには十分過ぎる効果があった。そして魔王が残してくれた宝物を僕が一通り回収し終えた時には既に僕の手にあった魔石が消えていて代わりに「光の杖」が手に握られていたのである。

僕はその魔法の力を体感してからその「魔法の盾」を装備する事に決めた。その二つの魔法アイテムを装備していると僕の持っている武器ではほとんどダメージを与えることが出来ないということが分かった。そして僕はこの世界にあるほとんどのダンジョンを攻略することでその世界の魔王を倒すことが出来たのである。

僕はその後、この世界を平和にして次の世界へ旅立つことを決意したのである。しかし、僕が次の世界へ移動しようとしたときある出来事が発生した。僕の目の前にいる聖女が突然僕の事を仲間にして欲しいと言いだしたのであった。どうも僕は彼女に一目惚れされたらしく僕と行動を共にしたいと言ったのである。僕は彼女の申し出を受けて一緒に旅をすることを決めたのである。僕が彼女と一緒にこの世界に残った理由も魔王の配下を一掃する目的の他にもうひとつあった。そのもうひとつの理由はこの勇者について調査したいと思っていたのである。魔王を倒した後も勇者は僕の予想に反して成長を続けたままでありその能力がどこまで上がっているのか気になって仕方なかったのだ。

僕たちが魔王城の外へ出ると魔王軍が待ち構えていたが僕たちは一瞬でそれらを殲滅してしまったのである。そして魔王に倒された部下たちも僕のアイテムボックスの中に保管しておくことにする。このアイテムボックスの中には今まで倒してきた魔王の部下が入っている。この中には魔王が装備している装備品も含まれているが僕たちだけで倒すことが難しくなった時は使わせてもらう事にするつもりで僕はこの魔王軍の幹部たちを一時的にアイテムボックスの中へと収納することにしたのだ。しかし魔王の使っていた最強の防具と伝説の聖剣については僕のアイテムボックスに入れておくのはまずいだろうと思い勇者に預けることにしたのである。僕が持っているよりもこの世界の為に使った方がいいと思ってのことだった。僕は魔王を倒した後に残ったものはすべて勇者に任せる事にしていたのである。

そして勇者たちとの旅を終えた後に勇者たちの装備を錬金術で作った新しいアイテムにすべて変えて僕は再び旅立ちを始めたのであった。僕の新たな目的は勇者がどの様な人生を送って来たかを調査することだ。そして僕は勇者の仲間だった賢者アイネの故郷に向かうことにしたのである。勇者がアイネに恋心を抱いていたことは知っていたが勇者の仲間になったばかりの頃は僕自身もそこまで二人の仲に興味が無かったのだ。しかし勇者の気持ちを考えるとアイネがこの世界に残っていて本当に良かったと思っている。なぜならもし僕が同じ状況だったら同じ行動を取らずに居られなかったかもしれないと思ったからである。

勇者は勇者としての人生を送るべきだ。アイネのことが好きならそれで良いがこの先もっと大切な女性と出会うことだってあるだろう。そして僕はこの世界の勇者にそんな人が出来て欲しいと思っているのだ。

僕は賢者の故郷へと向かうために馬車に乗ったのだが何故か聖女のアリアまで僕に付いて来ることになった。どうもこの賢者は僕の事が好きすぎて仕方ないらしい。そして僕もなんだかこの子に惹かれ始めている事に気づいた。聖刀を手に入れた時から僕と聖哉は性別に関係なく異性に好意を持たれるようになったのだ。僕はその事に気づいているが今のところはどうすることも出来ていない。なぜならば、聖哉も僕もお互いに恋愛感情など全く無いのだ。僕はどちらかと言えば聖哉に友情を感じているがそれが恋人同士の関係とは違うものだということは自覚できているつもりである。しかし、この子は僕に恋愛感情を持ってくれているようなのである。

聖刀を手に入れてから僕たちは色々な国を訪れてきた。聖刀の能力のおかげで旅はとても快適なものになったが聖哉が魔王に勝った時のような大きな成果を得ることは無かった。そのため旅の途中で僕たちはレベルを上げて強くなろうと考えていた。その途中で聖刀は僕にとって必要なものでは無いと気づくことになった。聖刀には聖哉が持っていた能力と同じものが込められていて、僕自身の力で聖刀の攻撃力を上げていく必要が無くなったからである。だが聖刀にはもう一つの能力が存在したのだ。この刀の能力である『自動再生』の効果は僕の身体を回復させてくれるものであったのだ。僕はその回復力を目の当たりにした時聖哉の持つ聖剣がこの世界に存在する意味を理解するのであった。

僕がこの世界でやるべきことはまだ終わっていないようだ。僕は聖剣を手に入れた時に知ったのだがどうやらこの世界では聖哉が魔王に勝つ少し前の時間に僕が転移させられているようであった。その証拠として僕がいた世界にも僕が存在していたのである。僕がそのことに気づけたのはこの能力のおかげであった。僕は自分が持っている『鑑定』の能力をフル活用して自分のレベルを確認すると僕は驚きの声を上げた。僕は勇者と別れる前より遥かにレベルが上がっており既に500を超えていたという。勇者のレベルが300台だった事を考えるとその差はかなり開いていると思われる。

僕はこの世界の聖哉と出会ってからは魔王軍を倒し続ける毎日が続いていた。そのため魔王軍の勢力は大きく減少していて僕たちは勇者の故郷に戻ることが出来たのである。その勇者の生まれ故郷である世界の名はイリアスと呼ばれていた。その世界は元々勇者の世界だったそうで勇者が住んでいたのは魔王と戦った街ではなく、その街の近くの小さな村だったというのだ。この世界で暮らしていた人々はみんな勇者に助けられた人達だったそうだ。僕はその話を耳にしてからこの世界での勇者がどういう風に人々から思われていたのか知りたくなったので情報収集を開始したのである。

僕はまず勇者のことを人々に聞いてみた。勇者はこの世界を救った英雄であり誰からも好かれており尊敬の対象だったのだ。勇者は自分のことをただの一般人と言っていたそうなので僕には信じられなかったがこの世界の人々は勇者のことを知らない人は一人も居ないというのだから勇者はよほど慕われていたのでしょうね、僕はその話を聞いてからすぐに勇者に会うことにしたのである。

僕は聖女と一緒に勇者の元へと向かったのである。勇者の元にたどり着いた時僕はこの子が勇者の恋人だと知ることになりました。僕はこの子と勇者が恋人だったことに驚いたが勇者がこの子に惚れていたことを思い出したのだ。

僕はその日勇者にお願いをしたのです。聖剣の使い方を教えて欲しいと。

僕の持っている魔道具には特殊な効果があってその効果を発動させることで僕が作った魔道人形に僕自身の姿に変身することが出来るので僕は聖剣の扱い方を覚えるために聖刀の使い方を聖剣から学びたいと願ったのだ。しかし僕は知らなかったのである。僕の持っている魔道武器にそのような機能があるということを。その事を僕は後々知ることになるが、僕はこの時聖女の前でその機能を見せてしまったのである。その事で僕の正体を聖刀の所持者だと思われてしまい仕方なく本当のことを打ち明けることになってしまったのであった。そして僕は勇者の知り合いであるというだけでなぜか勇者パーティーに加わることになってしまい僕はこの勇者の故郷の村にしばらく住む事になるのである。勇者の住んでいた村は僕の故郷と同じようにのどかなところだった。勇者はその村でも子供たちに剣術を教える仕事をしているらしく僕はそこで暮らすことになったのである。勇者は僕のことを「先生」と呼び始めたのだ。僕にはそんな資格はないと思ったのだが勇者に懇願されてしまったため僕は引き受ける事にしたのである。

そして、ある日勇者が僕に相談したい事があると言っきたので僕たちは勇者の家に集まることにした。そして僕はそこで驚愕の事実を知ることになるのである。なんとこの世界に僕が転生させられた理由は僕自身が望んだものではなかったのだというのである。この世界の聖剣である勇者は聖刀の持ち主である僕の事を知り僕に助けを求めて来たのだと言う。勇者曰く、この世界を救う為に僕の力を貸して欲しいと言われた。僕はこの世界に来てからのことを考えたがこの世界で僕はこの世界を救っているので断るのもおかしな気がしたためこの頼みを承諾することにした。そして僕はその事について聖剣と話し合いをするために僕は魔王と戦う勇者と聖刀と共に魔王が待ち受ける城へ足を踏み入れたのである。

僕と聖刀が勇者とともに城に侵入してから数刻経った頃魔王が僕の目の前に現れたのである。その圧倒的なオーラを放つ魔物に対して僕は今まで戦ったどのモンスターよりも強大な相手だという事を実感した。僕がこの世界を魔王が支配している事に憤りを感じていた頃僕はこの魔王を倒しても魔王軍を倒したことにはならないという事を知ったのである。しかし僕の気持ちが挫けそうになったその時勇者が魔王の放つ強烈な攻撃に耐えている姿を見てこの世界に魔王は必要ないと思い僕は再び戦う決意を固めたのである。そして僕は魔王の攻撃を受け流し、その魔王に一太刀浴びせたのであった。魔王は聖剣の力で僕を追い詰めるが僕もまたこの世界で聖剣の力を引き出し魔王の攻撃をことごとく避けてみせた。魔王との激しい戦いを繰り広げていた僕は聖刀の力を借りることを決意し僕が持っている聖刀に話しかけたのである。

僕が聖刀に話しかけた時聖刀は僕に語りかけてきたのである。その話は聖刀が今までに体験したことについての話であった。僕と魔王が戦っている最中聖刀は僕と聖哉の関係を見ていてこの二人は運命によって繋がっていると感じたようで聖哉の持っている聖剣は僕の物だと言い出したのだ。しかし、僕はそんな聖刀に自分の意思を伝えたのだ。僕と聖哉の関係は友達以上恋人未満みたいな微妙な関係であって恋愛感情などないということを聖刀に説明した。そして僕の想いを理解してくれた聖刀は自らの所有者を変えないことに決めた。聖刀が納得してくれた事に僕はほっとしていたのである。そして僕は魔王の攻撃をかわし続け魔王を倒すことだけに全力を尽くしていた。そして遂に僕の攻撃は魔王を捉え魔王の身体に聖刀を突き刺すことに成功したのである。僕たちの激しい攻防により城は崩壊を始めていて、やがて崩壊するであろうと思われた時僕の前に一人の少女が現れて聖刀を握りしめたのだ。僕が見たことも無い美しい女性だったので僕は見とれていたのだが聖刀に叱られ我を取り戻したのである。

僕は慌てて少女の手を取り走り出そうすると、僕は少女の顔を覗き込むとどうやら気絶をしているようだ。僕は少女を抱えながら必死に走ると瓦礫に埋もれかけていた聖哉を発見しなんとか助けることができたのである。そして僕は勇者の住んでいる村の診療所に運び込み僕は勇者と相談する事にしたのであった。僕たちが話し合っていた時に勇者の仲間の一人が突然僕と少女に向かって土下座してきたのだ。

「頼む!俺と結婚してくれないか!」

いきなりこんな言葉を投げ掛けられて僕は混乱する。勇者が僕と聖女の会話を止めさせその男が誰なのかを説明してきたのである。男はこの世界の人間ではなく別の世界からやって来た男だったらしい。この男の年齢は二十代前半ぐらいの青年なのだそうだ。この男の名前はジンと言い勇者に好意を抱いていたそうで今回の出来事を利用して僕たちを驚かせようと画策して行動に移したのだそうだ。勇者はこの男の企みに気づき、すぐに追い返そうとしたが結局は押し負けてしまい、仕方なく結婚をすることを約束してしまったのである。僕はどうしてそこまで勇者がこの男と結婚することになったのか勇者の考えを聞きたかったので理由を聞いたのだ。しかし勇者は何も言わず口をつぐんだままであった。勇者はおそらくこの男の事を信用しておらず裏切る可能性が高いと判断したのだろう。勇者はこの話を断り続けるのであった。僕たちはその男から逃げ出すことに成功し僕はようやく安堵したのであった。だがその後僕はあることに気づいたのである。それは勇者とこの男が結婚した場合勇者が子供を産んだ時に生まれてくる子供がこの勇者の子供の可能性がありうるのではないかということなのである。その事に気づいた僕は勇者に確認をとったのだが勇者はまだ生まれたばかりであるためまだ性別すら分からないということを聞かされたのである。そして僕は聖哉にもこの事を話し、その可能性について話したのだ。その結果勇者も聖女も同意をしこの話を進めることに決まった。

そして勇者の結婚式当日僕はその結婚式に参加することになったのである。僕が出席することに周りの人間は反対をしていたので勇者に説得をしてもらったのだ。そして僕は勇者にこの場に呼ばれ僕は勇者と聖哉と一緒にいるのである。

僕は自分の目を疑った。そこには僕が今までに想像していなかったような美人の女性の姿があったからだ。

僕は聖女に質問をした。

僕は何故このような美女があの男性と結婚したいと思うようになったのだろうかと気になったからである。

聖女に問いかけてみるとこの世界では女性に求婚を申し込んだ男性は女性が受け入れない限り絶対に結婚してはいけない決まりになっていたのだという。そのため聖刀の持ち主である僕を騙し、この世界に存在しない架空の人物を仕立て上げてまで僕の事を説得しようとしたのだそうだ。この話を聞いていた聖女は憤慨しており、その男と結婚することを嫌がっていたのである。

僕はその聖女の反応を見た後に勇者と聖女にこの世界での女性の結婚について説明をしたのである。

この世界での一般的な女性の幸せは結婚することにあるそうだ。その理由はこの世界では一夫多妻制が取られており男性が一人で複数の女性と婚姻を結んだ場合でもその女性たちは夫に平等に接しなければいけないという風習があるのだそうである。そして僕が疑問に思っていたことが一つあり僕はそのことを聖刀に尋ねたのだ。僕の予想通りこの世界での夫婦関係はどちらかというと主従関係のようであり、女性は夫の命令に逆らうことは出来ないとされているのだ。だから聖刀の持ち主であり僕の事が好きなこの勇者とこの世界での僕の立場を逆に置き換えた場合勇者は僕のいうことは絶対に従わなくてはならないということだそうなのだ。そんな理不尽なことに僕は呆れてしまっていて僕はどうにかならないかと考えたのだ。そこで僕が考えついた方法が僕の事を愛していると言ってきた女性には僕の方からお返しとして僕なりにできる限りの愛情を注ぐようにするという方法である。つまりこの方法だと僕の方からはお返しをしないと決めたのだ。

しかし僕はそのことで逆に不安を感じてしまうことになるのである。というのも僕自身がこの方法で大丈夫かという事だ。僕は自分が聖哉のことを愛していることに気づいていないがこの方法を取ればいずれこの世界に聖哉を残していなくなってしまうという可能性がある。そうなってしまった場合はきっと悲しませることになるはずだ。しかし聖哉が他の女性と結婚しないで済む方法はこの方法でしか無いと思ったのである。聖哉は僕がいない間もずっと独身を貫く覚悟を持っているらしく、僕の言うことも聞かず、自分の思う通りに生きると決めているようで僕としてもその気持ちを尊重するしかなかったのである。ただ僕は聖哉にこの世界での生活を送って欲しいと思い聖刀の持ち主として出来るだけ聖哉のサポートが出来る存在に僕はなるつもりである。

僕は勇者と聖刀と共に勇者が暮らしている村で生活をしていた。聖刀の持ち主である僕はこの村の村長とこの村の守護を任されていたのである。聖刀を預かった時は勇者にこの村にしばらく住んでほしいと言われ、僕もこの世界に早く慣れる為だと思って承諾したのであった。そして僕は今、聖刀を使っての剣術の訓練を行っていたのである。

僕は毎日聖刀を振るっていたが、未だに使いこなせてはいないのだ。聖刀の扱いについては少しずつ覚えてきてはいたがそれでも僕はこの刀を完璧に扱える日が来るとは到底思えなかったのである。聖刀を完璧に扱えない原因はこの世界に元々存在しなかった聖刀の能力をどうやって発動させればいいか僕が理解していないためだった。そして僕は勇者と聖刀が言っていた「魂の絆」について調べたのであった。その事を調べるうちに僕はその事を少し理解することができたのだ。そして僕はその事で聖刀の力が引き出せない理由がなんとなく分かった気がしたのであった。しかしそれが事実なら僕の力だけで魔王を倒し魔王軍を倒すことは不可能だという事を痛感してしまう事になる。

その日から僕の訓練が更に過酷なものへと変わっていった。僕は聖刀の本当の力を解放させるため今まで以上に修行を厳しくしたのだ。そして聖刀を使いこなすことが出来るようになると聖刀の本来の能力である斬撃を飛ばしたり衝撃波を放ったりなどの攻撃も使用することが出来るようになるのだが聖刀を完璧に扱う事が出来るようになったら僕はどうしようと考えていたのだ。そしてこの世界にやってきて三年が経過して僕が十九歳を迎えた時ついに僕の元に一振りの刀がやってきたのである。

そしてこの刀は神から授かりこの世界の勇者である僕だけが使える聖剣と呼ばれる武器の一つなのである。聖剣を手に入れると僕の勇者としての力は急激に上がっていくようで僕自身の身体の変化についても勇者の仲間たちに聞いてみるとどうやら勇者の身体に宿っている精霊の力が大きく上昇していてその事により勇者の持つ力が一気に上昇したそうだ。そしてこの事を知った勇者の仲間の一人の魔法使いがその力を調べようと勇者に対して魔力検査を行ったらしい。結果その事が発覚したのだそうだ。

そしてその事が勇者の仲間の一人の聖女に伝わる。聖女はこのことを非常に喜んでいたのだそうだ。僕はそのことを聞く前に既に魔王城に乗り込み魔王と戦っていたのだ。僕と魔王との戦いの最中魔王は僕に対して魔王城の地下に隠されていた宝を差し出せばお前の勝ちにしてやると取引をもちかけてきたのだ。だが、僕がその申し出を受け入れると、魔王はその宝がどこに存在するかまでは知らないといいだし僕にその場所を教えるまでこの勝負を続けるという提案を持ち掛けてきたのである。僕は魔王の提案に乗ることにした。そして僕は魔王が僕に教えてくれた場所に急いで向かう。そこは地下の奥底でその部屋に存在していたのはとても強力な魔法石が安置されている部屋で僕はこの世界に来た時に手にしていた魔眼によりそこにあったのが『大封印』だということを突き止めたのだ。

この大封印を破壊すれば僕は勇者ではなく魔王になってしまうかもしれないが僕はもうすでにこの世界を救おうと決意していたため、僕は迷わずこの部屋の奥にある台座の上に置かれている大封印を破壊するのであった。

僕たち三人で食事をとることにした。

食事の席で、僕が今まで旅をしてきた場所の事を話し、その事に興味を持ってもらえるように努力をする。そして僕の話が終わると勇者も自分の生い立ちを話してくれたのである。

僕は聖女に質問をした。僕たちはこの世界では一夫多妻が当然になっていることを知っていたので聖女に質問をしたのだ。すると聖女は結婚というものは男性と女性の間で行うものであると説明してきたのである。聖女は僕に質問に答えてくれた。僕はこの世界についてもっと詳しく知りたいと思ったので僕は聖女に質問をすることにした。僕はこの世界について色々と知ることが出来たのだ。

僕は聖女からこの世界での女性の結婚についての説明を聞いた。その結婚についての制度を聞いた後僕が思ったのはやはり僕が想像した通りのことだったので僕は聖女の方に顔を向ける。

聖女から説明を受ける。聖女からこの世界での女性の結婚の話を聞いた後僕と聖女は一緒にいることになった。そしてこの日の夜に僕たちは結ばれるのであった。この世界での女性は男性の言うことはなんでも聞かないとならないそうだ。なので僕は聖女の言うことを素直に聞いたのである。

次の日の朝になり僕は目を覚ましたのである。隣にいる聖女の方を見るとその聖女の可愛さに魅了されてしまい、聖女のことを襲いたいという衝動が抑えられなくなった僕は聖女と結ばれていた。僕は聖刀の能力を使うと僕の能力は向上するのだが、僕の性欲までも高まってしまい、聖女を求め続けたのである。その結果、僕の精力が強すぎて聖女の身体を壊さないか心配だったが僕は欲望に負けてしまったのである。そして僕は気がつくと眠ってしまっていたのだ。そして朝になり僕は目が覚めたのである。隣には聖刀があった。僕がこの世界にやって来たときに手に入れていた聖刀である。その聖刀は鞘に納められていて僕が起きるのを待っていてくれたようである。

聖刀を手に取り、その聖刀を抜こうとする。しかし抜けなかったのである。この事に驚いた僕だったがこの事は僕の聖刀に認められた証でもあるようだった。その後僕は勇者に昨夜の出来事を報告しに行ったのであった。

勇者は昨夜の出来事に驚いていたが特に咎めることはなく僕を祝福してくれた。

僕と聖刀と勇者で朝食を取る。勇者は昨日の夜に僕と聖刀の間にあった事を知っており、僕が聖刀に認められることを待ち望んでいたようだ。聖刀が僕に懐き始めたのはいつ頃なのかという事を聖刀が僕のことを受け入れてくれた時のことを僕に尋ねる。僕は思い出しながら聖刀に話しかける。

僕はある日の早朝、勇者に呼び止められる。そして僕は勇者たちの元へ連れて行かれたのである。そこで見た光景は自分の目を疑うようなものでそこにいた勇者以外の仲間二人が裸で倒れている姿を見たのである。

勇者がどうしてこのような状況になったのか僕にも分からず僕は戸惑い、僕を呼んだ勇者にどういう状況であるのか尋ねたのだ。

そして勇者曰くこの女性二人は僕の事を誘惑しようとしたらしく、それを止めようとして勇者の仲間の魔法使いの方が二人の相手をすることになったのだという。僕は倒れている女性二人を見つめる。この人達をこのままにしておくわけにはいかないだろう。僕はすぐに回復魔法を女性にかけ、この女性二人組を安全なところに避難させようという考えに至る。

勇者がそんな僕に頼みがあると言ってくる。そのお願いとはこの女性二人が持っている武器を僕に貸してほしいということだったのだ。その女性達は勇者の仲間で勇者の次にレベルが高いのだそうである。そしてこの世界に来る前に手に入れた伝説の武器は勇者の物だけなためこの武器達を貸してほしいと言ってきたのだ。

僕はこの女性達が持っていた武器に興味がありその事について確認を取ったのだ。すると、その女性達の職業が剣士であり、剣技を極めているそうだ。その実力はこの世界でもかなりの上位に入る実力者らしく、僕は勇者とその人達にこの剣を借りてみようという結論に至った。そしてこの場でこの女性二人が所持していた全ての伝説の武具を手に入れたのだがその時勇者にこの女性達の処遇についても聞いてみたのである。この女性たちはまだ勇者と行動を共にしたいと言張っているらしい。勇者は少し悩んでいたが僕は聖刀の持ち主である勇者の判断に委ねることにしてみることにする。

結局僕は女性二人組に剣を借りることにした。聖刀を持っている今となっては必要のないものであったが僕は彼女たちの剣技を体験してみたいと思っていたのだ。そして勇者に僕たちが泊まっている宿に連れられこの世界のことやこれから僕が行うべきことについて勇者が僕に伝える。その勇者の話を聞くと僕は驚き、自分が思っていた以上にこの世界の現状は深刻であることを認識することになる。そして僕は勇者と共に旅をし世界を救うことを決意するのであった。

「あ~、よく寝た」

僕はそう言いながら布団から起き上がる。僕は布団から出て部屋の窓を開け朝の爽やかな風が入ってくるのを感じ取った。窓から外を見て見ると今日も晴天だった。僕は部屋を出る。この世界での僕の日課となっている修行を行うために外へと出て行ったのである。この世界に来てからもう三年経つのだが、この三年間僕はずっと同じことをしている。それは素振りである。僕は聖刀に毎日のように素振りを行いこの刀を扱う技術を高めていた。僕がこの三年間で覚えたこの聖刀の扱い方をここで少し紹介したいと思う。まずこの刀は見た目の形は日本刀のような姿をしており長さは二尺七寸ほどあり刀身も細く長い。この聖刀を扱えるようにはなったもののまだ完璧ではない為僕は一日の大半を素振りをしているようなものだ。僕は聖刀を構えて素振りをするのだが、この聖刀は持ち主にしか扱えない仕様になっているようで他の人がいくら使ってもその刀の性能を引き出すことなど出来ずに普通に刀を振り下ろしても何の変化もない。僕はいつもと同じようにこの刀を振るっていると、この世界に来たときより更に力が上昇したためかその速さは常人離れしていて自分でもこんな動きが出来るとは思っていなかったのだ。この力のおかげで勇者との稽古でいい成績が出せたので良かった。その事で僕の中でまた一つ目標が生まれた。それは聖女から教えてもらったあの技を出来るようになることだ。

この三年の間に僕はこの世界で聖刀を上手く使えるようになってはいたもののまだまだ使いこなすまでには至ってはいなかった。

僕は素振りを続けながら聖女のことを考える。この世界で出会った女性は三人。この世界には女性が少なく男性と恋に落ちるというケースは滅多に無いらしい。そのことからこの世界の男性にとって女性は魅力的な存在であるらしいのだ。僕はそのことをこの世界に来た日に実感する。というのも僕は勇者一行と行動している最中勇者と聖女と会話をしていたら突然二人の女性が僕に好意を寄せてきてしまったのだ。この事から僕はこの世界で聖女と出会ったのなら絶対に手放してはならないと言われている聖女の恩恵というものを受けたのではないかと考えるのだった。

僕たち一行はこの王都を出発し魔王を倒す為に次の街へ向かって歩き出すのであった。

勇者のパーティーが僕以外皆レベルが20以上あるという驚異的なメンバーだったため僕は道中に出現するモンスターを楽々退治することができた。僕もこの旅で戦闘に関しては勇者の仲間たちに追いつけないまでもなんとか追いつこうとしていた。そして魔王城の付近に着くと僕たち勇者のパーティーはこの先へ進んで行く。魔王城の付近に出現する強力な敵と戦っていくと、やはり僕は魔王軍の四天王と戦うことになる。その強さから僕は何度もピンチに陥ったのだがその度に勇者が僕の援護をしてくれた。勇者のサポートがあったおかげで僕の命も救うことが出来た。僕は今までの勇者に感謝の意を伝えたのである。

僕は四天王の一人である暗黒の賢者と戦っていた。暗黒の賢者はその能力によって様々な闇系統の魔法を繰り出すのだ。この攻撃はかなり強く今まで数多くの冒険者が倒されてきた。しかし僕は今までの経験を活かしなんとか耐え凌ぐ。僕はこの暗黒の賢者の攻撃に耐え抜き反撃に転じる。その僕の攻撃は暗黒の賢者を捉えダメージを与えることに成功するのである。僕たちはついに四天の一人の攻略に成功したのだ。その後僕たちは魔王城に近づき遂にその中に侵入することとなるのであった。僕たちの目的はただ一点のみ、この世界の脅威となる存在を打ち滅ぼすこと。そのことだけが目的である。そのことは魔王軍の幹部たちとの戦いで僕たちは十分思い知らされたからだ。しかし僕たちはここまで来るまでにかなりの時間を要することになったのであった。なぜなら幹部たちに手こずりすぎていて僕たちは勇者が持っている伝説の武器を使うことが出来なかった。そして僕はこの世界のことを知っているというアドバンテージを生かし勇者にアドバイスを送りながらも僕は勇者をサポートしていった。その結果、どうにか僕がサポートするまでもなく勇者は勇者が身に着けている装備の力を十分に引き出すことで勇者は魔王にとどめを刺すことに成功した。こうして僕たちの長い長い旅が終わったのだ。

僕は勇者とともに元の世界に帰る方法を探すことに決めると、勇者の口から衝撃的な発言が飛び出してくるのであった。僕は驚きを隠せない。なんと勇者はこの異世界と僕のいた世界を隔てる壁を越えることが出来るらしいのだ。つまり勇者は自由にこの二つの世界に行き来する事が出来るということである。その方法はこの世界では分からないと言う事なのだが勇者はそれを調べようとしてくれているのである。その方法というのは僕の世界にもある『召喚の玉』を使ってこの世界と僕のいるこの世界の間に次元の壁を作り出しそこを通り抜けるということらしい。

「それでこの世界に戻ってくる時は僕の持っている『帰還石』を使えばこの世界に帰ってくることができるんだね」

僕は勇者にそう質問する。勇者はそれに答えるように僕に言った言葉に僕は驚くことになる。それは『帰還の石』『転送装置』そして僕たちがこの世界に来る原因となったのであろう謎の光である。僕はこの三つのものについては聞いたことがある。特に最後の謎に包まれているこの光のことについてはよく知っていた。僕は勇者になぜそれを持っているのか尋ねたのである。すると勇者はこの世界にやってきた時にそれを手に入れていたらしい。

「じゃあ勇者が僕と一緒に来ることになったのはそれが関係していたのかもしれないですね。僕たちが一緒にいれば僕たちも元の場所に帰れたりするんですかね」

僕は勇者にそう言うと勇者が首を振ったのである。

「それは違うみたいだよ」と。

勇者はそう言って話を続ける。どうやら僕には勇者がこの世界に来てすぐのころ僕たちと同じ世界から来た仲間がいたそうだ。その人物は今僕たちが暮らしている国の近くにあるダンジョンの探索を行っていたそうなのだ。そしてある日その仲間の男性がダンジョンの中でその光の球体を発見したそうだ。そしてその球体が輝き始めたと思ったその途端に仲間の男性の姿は消えてしまい、それ以降仲間が帰ってくることはなかったそうだ。

その男性はその球体を手にして自分の世界に帰ったのだと考えられるというのが勇者の考えだった。

僕と勇者は勇者の仲間が消えたその場所に行ってみることにする。勇者が転移されたのもおそらくここだろうと勇者は言っていた。その場所へ向かうと確かに地面が盛り上がりそこに洞窟の入り口が存在していたのだ。

「この先がどこに繋がっているかわからないけど入ってみよう」と、僕は勇者に向かって言うと僕と勇者の二人は恐る恐る中へと入っていく。すると目の前には広い空間が存在し、天井も高く広々とした作りになっていた。そして部屋の中央付近には地面に埋まる形で台座が存在したのである。そしてそこにはこの世界ではあまり見たことがないものが飾られていた。僕はそれに目を向けるとその台座には宝箱が置かれていて僕はその宝箱に手をかけるとその宝箱には何も仕掛けがないことが分かったためそのまま蓋を開ける。その中には一枚の手紙が入っているだけだった。その手紙を取り出し僕は中身を読んでみる。

拝啓 貴方がこの文を目にしているということは私達がここにいないことを想像してみると思うのですが、残念ながら私は既にここにはおらず別の所へ移動してしまったことでしょう。私のこの置き土産を有効活用してほしいと思っております。もし貴方がこれを見て興味を持ったならばこの部屋の中にある扉からさらに地下深くまで潜ることをお勧めしますよ。そしてそこにあるものをどうか見つけてくださいね。

最後にこの世界はゲームではないのですよ。現実です。なので気をつけください。貴方が無事にこの世界を生き抜いていけるように祈っております。

敬具 追伸 もしかしたらこの世界の住人の殆どがその力に気が付いていない可能性があるかもしれません。その場合の対処法は自分で考えるしかなさそうですよ。

「これは一体どういう意味なのでしょうか」僕は思わずそんな独り言を言うと勇者がこちらにやって来て僕からその紙を受け取りそれを見るなり驚いたような顔をしたのだ。僕は何に驚いているのだろうかと疑問を抱く。勇者は僕が思ったことを代弁するかのように言葉を吐く。

「まさか本当に存在するとは思わなかった」と。勇者の話によるとこの世界にはまだ見つかっていない隠された場所があり、そこでなら手に入れられるかもしれないらしい。僕は勇者からこの世界について詳しく話を聞かせてもらった。勇者の話では、勇者が持っていたその『聖剣』は僕が元々この世界にいる時点で所持しているはずのものだったらしく勇者は僕と出会う前から聖剣を持ってこの世界に来ていたという事になる。しかし僕は勇者が持っている聖剣のことが不思議でならない。勇者は僕のことをよく知る人物が転生してきていると言っているのにその本人が持っていないという矛盾があるからだ。僕はその事がどうしても納得がいかなかった。そして勇者はこう言ったのだ。「もしかして、君は僕の知って居る人かな?」と。僕はその時勇者の言っている言葉の意味がよくわからなかったのだが今は理解している。

それはこの聖刀の製作者のことだろう。

勇者はその聖刀の事を『神刀』と呼んでいたのだ。僕も最初は勇者のことを僕と同じようにその聖刀が作り出した幻想の世界だと考えていたがどうも違ったようだ。

「えっと、多分僕は君を知らないと思います」

僕はそう答えた。だってそのはずだよね?僕は君のことなんて知らないんだもん。勇者は自分の記憶が正しいものだと確かめたかったようで僕は色々質問され困ってしまったのだ。しかし僕の知っている範囲では答えられなかったのである。勇者の求めている情報と僕は異なる回答しか出来なかった。僕たちはその後この場所の調査を行う。勇者は何かを探していたようだけど、何も見つからなかったので一度引き返すことにして僕たちは元いた道へと戻って行った。その道中僕はある違和感を感じていたのだ。それはさっきの場所にあった『転送石』の存在だった。

あれがあればいつでも好きなタイミングに自分の世界に帰ることができるはずなのだがなぜその機能が備わっていないのか疑問に思う。そしてこの世界の事を知るうちに僕はこの世界に存在するもう一つの謎を解き明かさないといけないのだと思い知らされたのであった。それはこの世界の人々のレベル上限だ。この世界の人々は僕たち人間と比べて圧倒的にレベルの上限が低かったのである。レベル1の村人ですら僕らの世界の一般人と比べるまでもないほどレベルが高かったのである。そして勇者がその事に悩んでいた。それは何故かと言うと、勇者はこの世界に来て以来一度もステータスを確認することが出来ていないのだと教えてくれたのだ。勇者がレベルを上げるためにはその相手と戦い勝つしかない。だからと言って弱い相手を倒しても勇者のレベルが上がることは無い。

「この世界を救ってくれ」そう頼まれた時僕は断ればよかったのかもしれない。僕はこの世界にやってきてからその言葉が頭の中から離れなくなってしまったのだ。そのせいもあってこの世界を救う為に行動することに僕は決めたのだ。僕は自分の意思をしっかりと固めると再びダンジョンの中に戻っていくのである。

「僕がもっと強い力を手に入れられば」と僕はそう思いつつ先へ進んでいった。僕は自分の身を守りつつもモンスターたちを倒すことに成功する。すると僕はレベルアップを果たしたのだ。

僕はレベル10になりその経験値によって僕のステータスは上昇していた。そして新たな魔法も習得することに成功した。僕は自分の手に入れた魔法を実際に試してみたいと思いこの階層を出て上の階へと登っていこうと階段の方角へ進んでいった。しかしそれは僕の思い過ごしで、実は罠にはまっていたようである。なぜならこのフロアのどこかに隠れていた敵によって背後から不意打ちを受け僕は気絶させられたからである。僕は完全に油断をしていたのである。この異世界に僕以外のプレイヤーがいないかもしれないと。そしてその人物は僕の事を殺しに来るかもしれないのにだ。そしてその僕の予想通り僕の命をその人物は狙っていたのだ。僕の視界はだんだん暗くなっていき意識を失ってしまうのである。その瞬間僕の目の前にいたその人物に話しかけられた。そして次の僕の目が覚めた時には僕の目の前にそのプレイヤーの姿は無かったのである。僕が目覚めた場所は薄暗い場所であった。周りを見渡しても何もなくただ僕の体が地面に倒れているのが分かるだけである。僕の体に外傷はなかったのだ。おそらく僕のことを殺す気がなかったのだろうと僕は考えた。しかしそのプレイヤーの狙いは僕に分からなかったのである。僕は自分のステータスを確認しようと試みる。僕の目の前にステータスが表示されていく。その画面を見て僕は驚いた。なんと僕のスキルがいつの間にか『剣術』『盾術』『棒術』『体技』『武術』『魔導』『魔力操作』といった戦闘系のものが増えておりそれ以外の『調合』『錬金術』『細工』『調理』『鍛冶』『錬金』『鑑定』『気配感知』『危機察知』『隠密』『身体強化』『瞬足』『縮地』『無呼吸』『体力回復速度アップ』『状態異常耐性』など、その他にも沢山の種類が追加されていた。そして僕の能力値の数値はとんでもない数字になっており、僕自身も信じられない数値だった。この世界に来て僕は自分の実力が格段に上がっていることは知っていたがまさかここまでとは正直思っていなかったのが事実である。そして、どうやらあの勇者はこの世界ではかなりの強さを持っているらしく、勇者が仲間として加わってきたらかなりの戦力になると思う。そう考えると勇者と合流すべきではないかと思ったのだ。僕は早速この部屋から出て勇者と連絡を取ろうとして勇者と通話する手段がないことを今になって知る。しかしそれでも勇者と合流する為僕はダンジョンの探索を進めることにしたのだった。

僕は勇者と合流すべく探索を続けると勇者の仲間がいたというダンジョンを発見することができた。そして勇者と連絡を取ろうにも通信機などの道具がない。その為勇者に連絡することが出来ない。しかし、この世界の人達はみんな勇者の事を知ってるのだろうか?

「すみません。ちょっとお聞きしたいのですが勇者についてご存じですか?」と、僕は目の前を通りかかった人に尋ねてみるとその人が答える前に横から声をかけられてしまう。

「もしかして君、あの伝説の勇者のことを知ってるのか?」と。僕にそう言って声を掛けてきたのは、僕と同い年くらいの少女である。その人は長い金髪をしており青い瞳をした美しい少女だった。僕はその美しさに思わずドキッとしてしまうが何とか平静を保ち話をする。

「えっと。もしかして勇者について詳しいのですか?」

「うん。勇者なら私がその勇者だよ」とその美少女に言われた時は僕は心の中で大騒ぎになった。僕はその話を聞き驚くと共にその人の事を観察するようにして見てしまったのだ。彼女はどうみても普通にしか見えず特に何か特別なオーラを出しているような気がしないのだ。僕は勇者と名乗るその女の子を見て本当にこの世界に勇者が存在していることに感動を覚えたのであった。

僕は、その彼女の言葉が嘘なのか本当なのかを確かめるべく彼女にある提案をしてみる。それは、その証拠を見せて欲しいということだ。しかし、僕の考えに反して彼女が見せてくれたアイテムは間違いなく勇者だけが持っている『聖刀』なのであろう。僕は勇者であることを信じ、彼女を信じることに決めたのである。

そして僕達は一緒に勇者のいた場所に向かうことになるのだがそこで思わぬ再会を果たし、お互いの状況を話すことになる。そこで分かったのはその人物が僕がこの世界に来た時点で所持していたはずの存在が消えたことで勇者の称号を得たらしいとのことだったのだ。その勇者は自分のことを【リリス】と名乗っておりどうやら本当の意味では女ではなく男だということだった。見た目で性別判断出来ないほどに勇者であるリリスさんはとても可愛いらしい容姿をしていたのだ。しかし僕はリリスさんの事を疑うことを忘れないようにしている。その疑いはどうやら間違っていないようで僕の事を警戒する目つきをこちらに向けているのがよく分かる。そんなこんなで僕はリリスさんと一緒に勇者がいる場所を目指すことになったのだ。

勇者は僕のことを見つけるなりこちらにやってきた。そして僕達が会話をしていると僕達の近くに一人の男性が近づいてきたのだった。

そして僕がリリスのことについて勇者に質問し、勇者が返答するまでの間に、こちらの方に近寄ってくる男性がいた。

僕は彼が僕に対して敵意のある表情を見せていたので僕は彼に何者なんだ?と聞くことにする。しかし彼は何も言わず僕との距離を取りながら質問に答えたのである。その彼の態度に僕は少しムッとするが、その感情を押し殺しながら勇者と話すことにした。僕と彼とでは身分の差がはっきりしているから仕方がないことなのだ。僕は一応この国のトップであり貴族という扱いである。だから、その彼から見れば僕は平民としか言えない存在だと言えるだろう。しかし僕の方も負けてばかりはいられない。だから僕は勇気を出して聞いてみることにしたのだ。「君は僕に敵対する意思はあるのか?」と、すると勇者が代わりに返事をする。勇者のその口調がどこか他人行儀なものになっている事に僕は嫌でも感じてしまい落ち込むしかなかった。その男性は何かを言いたい様子だったが、勇者はそれを止める。そしてこう言っていた。

『私はあなたの味方だ。安心して欲しい』と。それは僕にとっては有難い言葉であるのと同時に僕の心に引っ掛かりを覚えさせる発言でもある。この人の目的はいったいなんなのだ?と僕は思いながら再び質問することにした。その男性の目的を知るためにである。しかしそれすらもその男性の口から語られることは無いまま勇者はその場から消えてしまうのであった。僕の言葉を聞いていないかのようにである。

その後その男性を問い詰めるも結局答えは聞けないままである。僕がその人を拘束しようとするが、その男性はその攻撃を見事にかわしたのだった。僕はその人物のステータスを確認する。その人物はどうやら僕より遥かにレベルが高いみたいだ。僕は勇者にそのことを伝えようとした瞬間その男が攻撃を仕掛けてくるのである。しかもその男は僕の事を知っているようで僕に向かって攻撃してくるのであった。そして僕のことを攻撃してきていたのである。その男の行動は明らかに僕を殺しに来ているようであった。そしてその行動の隙を狙って僕が反撃を行う。しかし僕の攻撃は相手にダメージを与えたようにも見えないのである。

そしてその男は逃げようとする。僕としては逃すわけにはいかないと思い僕は必死になって追いかけていったのだ。しかし僕のステータスはこの世界でもかなり高い。だからこそその男に追いつくことができ、追い越すことも出来たのである。そして僕は、相手のステータスを確認できる機会を伺いながら戦っていくのである。僕は相手の様子を注意深く確認していくが相手は僕よりも強いみたいだった。その相手の名前は【アビスダークナイト】という。名前的にそのまんまなのかなと僕は思いつつも戦闘に集中していく。僕はそのアビスの隙を見つけ出して攻撃を加えることに成功する。しかし、やはり簡単に勝てる相手ではないみたいで僕とアビスとの一進一退の攻防が続いていたのである。そして戦いの最中に僕の頭の中にはとあるスキル名が浮かんできた。そのスキル名は、この世界の全ての魔法を操ることが出来るスキル【魔法操作Lv.MAX】というものだった。僕はその名前を目にして驚くと共にこれはこの世界では非常に珍しいものかもしれないと考えるのであった。しかし、そんなことを考えていても僕とアビスとの勝負の行方が分かるわけではないので僕は自分の力を最大限に発揮することにする。

しかし僕はその時に油断していたのが失敗だった。そしてその代償を支払うことになる。僕の腕にそのアビスは傷を与えてきたのである。しかし僕の体はまだ動く。そして、僕とアビスの死闘が再び繰り広げられるが、その最中ついに僕は自分のステータスを見ることが出来るようになっていた。僕は自分のスキルを確認してみると、そこには新たに習得したスキルが存在していたのである。そしてその能力は、自分の体の一部を自分の思った通りに形を変えれるというものであることが分かった。

僕とアビスは互いに睨み合う状況が続いている。しかし僕の心の中に油断はなかったのだ。そして遂にその時は訪れるのである。それは僕の体の一部が突然僕の体を離れ勝手に動き出したのだ。まるで自分の体の一部が自分の意志を持っているかのごとくにである。そしてその手のような形の物体が、そのアビスに殴りかかったのである。しかしその僕の体は途中で止まり、そして元の自分の体の形に戻ってきたのである。そして僕の意思とは無関係に再び自分の体が動き出す。そしてその手に拳を作っていくのである。その僕の動作にアビスが反応を見せる。しかし僕はその反応に一切構わず自分の力を全力で出し切って相手を潰しにかかることにしたのだった。

その攻撃方法はまさに単純で真っ直ぐのものだった。ただの正拳突きを僕は繰り出したのである。しかし僕は、この技に自信を持っており、これさえ当たれば必ず勝てるという確信を持って繰り出すことにしたのである。僕の放ったその技は見事命中する。そしてそのままアビスを僕の拳が貫くと思われたが、どうやらそうはならなかったようだ。アビスがその攻撃を受けながらも僕に向かって攻撃を仕掛けてきたのである。そして僕の体を殴ることに成功する。僕はそれをガードすることも出来ずに直撃してしまうが僕は痛みに耐えながらすぐにその状態から体勢を立て直すと僕はそのアビスにもう一撃を食らわせることにする。今度はアッパーを繰り出そうかというところまでいったが僕の体は思うように動かずに中途半端な状態になってしまう。僕はそれでも諦めずに何とかしようと試みるがその僕の努力も虚しく終わろうとしていた。僕の体に異変が起きたからである。

「あれ?」僕が自分の手足を見てみるとなぜか僕が見ているのは見慣れない手や足になっており更に僕の着ている服が何故か変化し始めていたのだ。

僕は混乱し、どうしてこんなことになっているのかが理解できないが、どうしようもないこの状況で僕はひたすらに考え続け打開策を考える。するとそこで僕の脳内に一つのアイデアが生まれたのであった。それは、今の僕は、その、この世界に来てしまっている本来の体ではないため恐らく僕のステータスにあるはずの『HP』とやらが半分以下に減ってしまったのではないかと仮説を立てることができたのだ。そこで、まずはその『体力』を回復させることが先決だと考え、その回復方法を模索することにする。すると、目の前のアビスが何かを言っているのだがそれが聞こえないことに気付いた僕はとりあえず今ある知識を使って試すべきことをやってみることにした。そこで僕は【全属性魔法】を使用することに決めたのだった。この魔法の使い方は簡単で、頭の中でその呪文を思い浮かべればいいだけの話だ。

しかし、僕が呪文を思えども何も起きなかったのである。もしかしてまだ足りない要素があるのかと思った僕はそこで初めて、自分が所持している魔法書の存在を思い出すことが出来たのである。僕は慌てて魔法書を開くがそこに書かれていた文章が僕の目に入り、そして僕はその内容を理解すると、そこで絶望感に襲われてしまったのであった。僕の持つ【火属性魔法】のレベルが足りていなかったのである。僕は【風】の属性が使えず【光】【水】【土】【闇】が使えるがそれは全てレベルが低すぎる。僕はここで詰んでしまったのだろうか?僕は考え始める。何か方法がないかを必死に考えた。しかし、その時間は僅かだった。そして、僕の頭に天啓が舞い降りる。その方法を思いついた僕は、早速その方法でアビスを攻撃することにしたのだった。その攻撃の方法というのが、『気合を入れる』ことだったのだ。そして僕の全身が赤いオーラに包まれていき僕はそれを確認したところで僕自身もまたアビスに攻撃を仕掛けていく。しかし、その攻撃は僕自身が予想していたよりも早く、僕は自分からの攻撃に驚いてしまう。

しかし僕はその驚きを必死に抑えつつ再び攻撃をしていく。そして僕は自分の体が思うがままに動いていることに気が付き、それに興奮し始めている自分もいた。僕はその気持ちを押し殺しつつも再び自分の攻撃に集中する。僕の動きが段々と速くなるのを感じながら僕はさらに攻撃のスピードを上げるのであった。その攻撃も次第にアビスのガードを上回り僕の攻撃が当たるようになりアビスにダメージを与え始めた頃僕はある事に気付き僕は急いで自分の体を確かめに行く。しかしそこにはいつも通りの自分の姿が映し出されており、僕はホッと安堵の息をつくと自分の体の中に戻って行った『僕自身』の意識を追い出すために僕は『僕』を気絶させ僕はその状態でアビスと戦うのである。

僕は必死になってアビスを攻撃し続けたが、さすがにこのアビスも強かったようでなかなか倒せないでいた。そして、そんな状況が続いていたとき僕の体に突然衝撃が加わるのである。それは僕自身の意思ではない別の力が働いていたような気がした。その力はアビスを徐々に押し返し始めアビスもその攻撃を避けるようになったことでようやく僕は一安心することが出来き、そしてその攻撃を僕が受けないようにするためアビスから離れると再び攻撃を再開する。しかしそんな攻防を続けていたらいつの間にかアビスが居なくなっていた。僕は辺りを見渡したがどこを探してもアビスを見つけることは出来なかったのである。

僕は、結局アビスに勝利することはできなかったがなんとか生き残ることはできた。しかし僕にとってアビスとの戦いは決して忘れることはないだろう。それほどまでに壮絶なものであったのである。そしてその後、僕は自分のスキルについて改めて考える。僕の持っているスキルの効果がいまいち分からなかったのである。そのためもう一度その能力を使い、どんなことが出来るのだろうと試行錯誤しながら使ってみたりしていたのだ。するとどうやら僕が念じることで僕が思い描く物の形に変化するみたいであることが分かった。ただし、その大きさなどに制限があり小さいもので自分の身長より大きくすることはできないようである。僕は大きくした自分の手を地面に当ててみたが僕の体にはその変化が起こらないみたいである。つまり僕は自分の体の一部の体を動かすことが出来るということだろう。僕はその自分の体の一部というのはどういうものなんだろうと疑問を持ったのだ。僕の体には様々な臓器や筋肉が存在していて、それらは自分の体の中を自由自在に動かすことができるということである。それは、例えば、心臓などの重要器官は僕の中では守られるのである。僕の中にあるそれらの部分も当然のように僕の命令通りに動かせるのでかなり凄いことだとは思っていたがそれだけではないようだった。しかし僕はまだ完全にこのスキルを理解したわけではなかったためこれ以上考えるのを後にすることにした。

それからしばらくして僕の体が僕の元に戻ってきたのである。

僕の元に戻ってきた体はどう見ても女性のものだったからだ。その僕の体を見たときに僕はなぜか違和感を覚えると同時に、なぜ女性の姿になっているのか不思議に思い僕はステータス画面を確認することにした。僕の視界に表示された自分のステータス画面を見ると確かにそこには性別の項目が追加されているが、僕は一体何故自分のステータス画面にこんなものが現れているんだろうと困惑する。しかし考えてみてもよく分からないため僕はすぐに自分のステータスに表示されている項目を『無属性』に変えることにする。しかしどうやら自分の意志で変更できるわけでもないみたいでステータスの変更は出来なかったのだ。だからといって僕はその項目を消してみようとは思わなかった。しかしこれはこれで良いかもと思ってしまい僕はそのままにしておくことにするのである。

そして僕はその新しいスキルとやらを実際に使う練習をしてみる事にした。それは簡単なことなのかもしれないがまず自分の腕や脚などを思うように動かす事ができなかったのだ。僕の体が僕の思うように動かないのは僕の体が他人の物であるという事に起因するのであろうか。自分の体が自分の物でなければ僕はもっと上手く操れたのではないかと思い僕は自分の体に戻ろうと決心すると自分の体が戻ってきたのだ。

そして僕は自分の体に触ってみると僕の体が妙に柔らかくなっていることに僕は驚く。僕の体は僕の知る限り硬かったはずだが僕の体は柔らかすぎたのである。僕はそのことを少しばかり不審に思ったので僕の体を調べると僕はどうやら妊娠しているようだということが分かる。そしてどうやら僕のこの体は元々誰かの体のようだということにも気づいたのである。

「んー。どうやら私はこの世界の人間の女になってしまったようだ。どうしたものかな。とりあえずこのままでも大丈夫だとは思うが。どうするべきか」

しかし、これからどうやって過ごせばいいのだろうかと僕は悩み始めてそこで、自分の体から魔力を感じることができたのだ。その感覚が僕の体にあるのはおかしいと感じ僕は試しに魔法を使用して見ることに決めると僕は自分の体内の魔素を手に集中しその手の前に魔法陣を描き魔法を発動したのであった。その結果僕の魔法陣からは水の球体が出現。そしてその水球は徐々に巨大化していき僕は慌てて魔法を解除することを余儀なくされたのである。

「まさかここまで威力が高い魔法が放てるとは思わなかったな。私自身魔法の才能があるのかもしれないな。まあ、今はその話はおいておくとしようか。それでこの世界が現実だと言うことも判明したがどうしたものか」と僕が悩んでいるとその部屋に一人の人間が入って来た。僕はその人物が入ってきたのに気が付くと警戒をする。なぜならその人間は自分の命を狙おうとする奴らにそっくりであったのだ。

僕の体は僕の言うことを聞かないのか僕は必死に自分の体に言い聞かせる。

すると僕の意思が届いたのか体は僕の言葉に従ってくれるようになる。しかし僕はどうして僕の体が急にいうことを効かなくなってしまったのか理解できないでいた。しかし、その理由を知ることになるのは次の日の朝のことである。

僕の体に僕の声が届くようになって僕と僕の体は完全に同化してしまったらしいのだ。そのおかげで僕は自由に僕の体を動かせるようになったのだ。その事実を僕は確認した直後僕は嬉しく思うのである。しかしそこで僕は自分の姿を思い出し鏡を恐ろしく思って見たり、自分の姿をまじまじと見てしまうのであった。僕はそこで僕は自分が着ている服を見て顔を青ざめさせるのである。

それは僕の知っている服装ではなかったからである。それは明らかに僕とは無縁の服を着ていたのである。しかも僕にそれが分かるように胸の部分の露出が激しくその谷間を強調しておりとてもじゃないけどこんな格好をしていたくないのである。

そして、僕はどうにかしてその服を脱ぐことに成功したのだがその時に僕の体に違和感があることに気づいたのだ。それは、僕の体の年齢が急激に低下していたのだ。しかし僕は自分の体の変化の原因を考えるよりも先にまずこの部屋の外に出ることが先だと判断し扉を開くと僕はその先にあった階段を降りて行く。僕はそこで僕は今いる場所の構造を把握する。ここは、恐らく地下室のような場所であることが予想でき更に僕はここが何階にあたるのか調べようとした。そこで僕は壁に何かが張り付いていることに気が付いたのである。その壁はまるで僕の体についている鱗のようになっているようで僕はその壁に触った瞬間僕は自分の体に痛みを感じたのだ。そして僕の手が僕の体の中の肉を引きちぎるような感覚に僕は吐き気を覚えたのである。

しかし、僕の体はそんな僕の体を気遣うことなく勝手に歩き始め僕の体は地下から脱出しようとしていたのだ。しかしそんな僕の行動に嫌気がさし僕は自分の体を止めることに成功する。しかし、僕の体が動き出したときに僕には何が起きたのか分からなかったのである。僕は自分の体の動きが鈍くなり体が重いのに気が付き僕が目を凝らすと僕の足には黒い紐のようなものが大量に巻き付いており、僕はそれを自分の手で解こうと思ったが僕は自分の体を自由に動かすことが出来ないことに驚きながらもその謎の攻撃がなんであるか考え始めたのである。

そして僕の体の中に何者かが侵入した気配を僕は感じ取ったのだ。しかし僕の体には何も変化はなく、ただその体の異変を僕は感じ取り始めていた。それは僕の体の中の臓器の位置が変化しているようなのである。そして、その位置を僕は把握していくと段々と気持ちが悪くなり、やがて僕はその不快感に耐えきれなくなりその場で嘔吐した。しかし僕の体はそれでは止まらないようでその部屋から出て行き、廊下を進んでいく。

しかしそんな僕に追い打ちをかけるかのようにその現象は僕の体に起こったのである。僕のお腹が徐々に大きくなっていき僕はもう歩くことができなくなっていた。そして僕は、その大きくなった僕の体を必死になって抑えようとしたが、僕の体の中で僕とは違う生き物が動いている感覚に僕は恐怖を感じ、その気持ち悪さを何とか我慢しようと僕は必死になって自分の体を落ち着けた。しかし僕の体に宿ってしまった化け物は止まることを知らないでいたのだ。僕の体の中では、僕のものではない内臓の塊が生まれ、僕の体の中に入って来ようとしていた。僕の体が作り替えられているという事を僕は理解する。

僕の体はすでに僕の意思に反していてどうすることも出来ずにいた。そして僕は、そんな絶望的状況を打開するべくある方法を思いつくのである。そう僕の体に乗り移っているものを無理やり追い出すということに、しかしその方法がうまく行くのかというと不安が残るがそれでも僕はその賭けに出るしかなかったのである。しかし僕のその行為はすぐに終わりを迎えてしまった。それは、僕自身の体が大きく揺れ動くと共に僕の口から大量の血液が吐き出されるとともに僕が意識を失いかけたとき、僕は僕の体から追い出され僕の体の中のその存在が完全に消えるのを肌で感じ取るのであった。

その日僕は非常に疲れて家に帰ろうとした時、家の近くにある森の中で人を見つけたのだ。その人物はかなり衰弱していて危険な状態だったのですぐに助けに向かう。そしてその人が倒れていたので僕は駆け寄り声をかけてみると僕はその少女の顔を見て僕は驚く。

「おい!あんたしっかりしろ!」と声をかけてみると彼女は弱々しい声で僕の名前を呼んだのだ。そして「勇者兄ちゃん?私の事覚えてる?」と彼女が聞いてきた。しかしどう見ても彼女の顔には幼さが残っていて僕の妹ではないことが分かるがもしかしたら他人の空似かもしれないとも思ったがそれにしては明らかに妹の幼い頃の面影があったからだ。僕は彼女を看病しつつ、この世界に転移してきた経緯などを話し始めるのであった。そして彼女も自分について話すと、僕の体に変化が起こり始める。

僕の体の中から異物が排出されたのが分かり僕は自分の体の変化を実感することになる。それは僕の体が女性へと変化していき、その体が僕の知っている自分の物では無かった。その変化した体は僕と妹の特徴を受け継いだ体であったのだ。そして僕たちはお互いに名前を名乗ることになる。

「私はアリア、この国の王女をしているのよ」

「私は勇子、元の名前は佐藤愛里栖だけど今は姫川アリアって呼んでね」

それから僕ら二人はお互いが異世界に来てしまってどうしたらいいものか困っていたので二人の間に信頼関係を築くことが出来たのである。そしてこれからは二人で協力しあっていこうと話し合うのであった。そして僕の体の方はというと僕の体の中の魔物をどうにか撃退することに成功して一安心したところだった。

僕は自分の体を元に戻そうとしたがなかなか上手くいかず結局僕の体が元の状態に戻ってくることはなかったのだ。だから僕はこの体のまま過ごすことになった。まあ、僕の体の方にも変化は現れ、どうやらこの世界の人間になってしまったようなのだ。そして、どうやら僕の体の状態が変化しても僕の記憶は僕の中に残っているらしいのである。そのため僕はこの体の体の持ち主の記憶を垣間見ることはできるのだが僕の方はその記憶を自分のものにすることは全く出来ないのである。

そして僕は自分の体をコントロールできるようになったものの相変わらず僕の意思通りに動かせない。しかし、僕の体は何故か僕の意思と関係なく僕の事を守るようになっていたのだ。そしてどうやら僕は僕の体の意思とは無関係に僕の体の外にいる何かに守られていたらしい。

僕は自分の体に起きた現象の原因を探りながら自分の体を調べていると僕は僕の体の体内に不思議な物体があることに気が付くのである。それは何か卵のような形をしていて僕の体の中にある何かが産み落としたようであった。

その卵は、何かの形をしておりそれは人間の形をしていたのである。しかもその人間は僕の知っている人だった。そしてその人物は僕の目の前に現れる。その人物は、この世界で僕の家族を殺した憎き相手であった。そして僕に復讐心が湧き上がり僕はそいつを殺そうとするも、僕の手は僕の思い通りに動いてはくれなかった。

しかし、その時僕の体に衝撃が走り、その人物が消えていく。僕は何が起こったのか分からないまま僕は自分の体に戻っていったのだ。

その後、僕はあの時僕を襲った相手に報復すべくその敵の居場所を突き止めようとするのだが手がかりがなく僕は焦るのであった。

そして僕は僕の体が乗っ取られたときに僕の体の中に入ってきて僕の意思を反映させたものを思い出す。あれがなんなのかわからないけどどう考えても人の能力を超えていると僕は感じてしまう。僕は僕の中に居る奴の能力をもっと詳しく調べる必要があった。しかし僕がいくら調べても僕の体の中の奴の能力は調べることが出来ずに僕は途方に暮れたのであった。

そしてその敵に対して何も有効な手段を持っていない僕に残された時間は少ないことが分かったために僕は、まずその敵をどうにかして僕の元へ引きずり出して倒すために行動を起こすのであった。そして僕は僕に自分の体の支配権を渡すことを条件として僕が表に出ている時に僕が僕の体の中に入っている存在の力を奪うことが出来るように契約を結ぼうと思い立ち契約のための呪文を唱えた。しかし何度繰り返しても同じことで僕は僕の体の中の何かと契約することは出来ず、僕は仕方なく僕の体を使って自分で僕の中の敵を倒すことにした。しかし僕の中の何かはそれを阻止しようとして、僕との契約を解除して自分の力を僕の体に注ぎ込み僕はそれに抵抗することが出来なくなってしまう。しかしそれでも僕の体の中にいる敵にダメージを与えることは出来たようで僕の体に寄生していたそれが消滅する気配を感じ取ったのである。しかしそこで僕は限界がきてしまい僕は自分の体に戻ることとなる。そこで自分の体を見たときに僕の目には信じられない光景が映し出されたのである。なんと自分の体の中から無数の蛇のような細長い生き物が出てきてそれが地面に落ちていたのである。

僕の体は今まさにその蛇のような細い生き物に襲われていて僕の体がどんどん飲み込まれていっていることが一目瞭然であった。そこで僕は慌てて自分の体に回復魔法をかけて傷を回復させると僕は自分の体の中から出ようとしているそれを必死に抑えつけたのである。するとそれは段々と小さくなっていき、僕の体の中に入っていたそれは次第に僕の体の中から出ていき、僕の体は無事回復するのである。しかし僕の体から出たそれを僕は完全に殺すことは出来なかった。

僕の体に憑依しているものを追い出したもののまだ僕は完全に安全だと言うわけではないので僕はこの先も自分の体を完全に守る必要がありそうだと思ったのだ。とりあえず自分の体が危険に晒されないように僕の体の守りを強化することに僕は決め、僕は自分が手に入れた能力を確かめるべく自分の体に戻った後色々確認を行う事にしたのである。

まず僕は僕の体を守るために結界のようなものを作り出すことができた。そしてそれは僕の体の外に出ることができない仕組みになっているらしく僕の体が傷ついた場合その部分だけが消えるという機能があるみたいでかなり凄い性能を誇るものであるようだ。しかし僕の体の状態によっては僕の体を守ることはできないようでその場合は自分の体がダメージを受けることになりかねない。しかし僕の体を傷つけることなく僕が僕の体の状態が把握することができるような機能がついているため僕の体を守りやすくはなっていたのである。僕はその事実を知った後に自分の体の中に僕を守ってくれるものがいないかどうか探してみると案の定僕の中にも僕を守ろうとするものがいて僕は少しホッとした。

しかしそれと同時に僕は僕の体の中の何かを操ろうとするとその何かが僕が意識を失った時だけしか僕が体を動かすことが出来ないことを理解する。そして僕の体の中の何かが自分の意識が戻った瞬間僕の体の外へ逃げていったことを感じた。しかし僕の体から出て行ったとしてもその僕の体から出て来たものから僕の体を守ればいいということに気づき僕は自分の体からその何かを追い出すことに成功したのである。

僕に自分の体を預けて僕の体から出て行ってしまったので僕は自分の体から出て行こうとしている何かの邪魔をすることはできなかったが僕の体が僕の体を護ろうとしてくれたおかげで僕は自分の体を死守することが出来たのである。僕の体は自分の事を一番大事にしているようで僕はその事を非常にありがたく思った。

「私を助けてくれてありがとう」と自分の体に感謝の言葉を告げた後、僕の体の方は僕の体の中に居た僕の体の外にある物体に対処するために僕の体の中に入って行き自分の体を乗っ取らせようと僕の体の中に入り込もうとするのを止める。僕の体から僕の体の中に入って来た僕の体の外にあったそれは僕と同じような姿になるのである。

その僕の体に入って来ようとしていた僕の体の外にあって僕の体の外に出てこようとしていたそれは僕の姿を見ると僕と同じ顔をしていることに気付き驚いた。

「まさかあなたは?」と僕がその生物に話しかけると、相手もその生物の体の中から僕を見て同じ言葉を喋ったのだ。どうやら僕は、自分の中に入ってきたその生き物が何者なのかを知ることになる。僕の目の前に現れた僕の体の中にあるその謎の生命が、自分こそが僕を転移させてしまった張本人で、僕の体の外の生命体でありこの世界の住人である。僕は自分の中にあるこの不思議な生命体の正体を知りたいと思っていたが、この世界のどこかにいる自分の両親と会えるまでこの世界の事を学ぶべきだという判断をしてこの体の主が目覚めるまで待ち続けるのであった。しかしその間この体の持ち主は、僕の体を乗っ取ることができずに僕が寝静まったときに僕の体を支配しようとするのだが僕にはその攻撃は効かず僕はこの体の持ち主に反撃した。この体の中には僕が作り出した特殊な力が込められているためにこの体の持ち主の僕を乗っ取ろうという魂胆が僕にバレているのだ。僕はそんな僕を乗っ取ることは出来ないと判断し僕は自分の体の中に自分の体の中にいる何かの侵入を防ぐ。

僕の体の中に入り込む事が出来ないと知ると僕の体の中からその物体が出ていこうとしたので僕はそれを押さえつけ、そして僕と僕の体の中に入った僕の外の世界の生物の戦いが始まる。そして僕が優勢のまま勝負が決まり僕が勝つ。僕の体の中のそれは僕に服従する態度を示し僕はその生き物を使役することにした。そしてこの世界に僕の体の中にいる生命体は残り一体になったわけだが僕の中のそいつは僕の体に僕が僕の体にいる間の主導権を譲らなかったのである。僕は何とか自分の体を操ろうとしたが上手くいかずに結局僕はこの体の主の目が覚めるのを待つことにしたのだった。そして僕の体の中でその体の中の生物は暴れ回る。僕は僕の体を乗っ取られないように必死で自分の体を制御し続けたのである。

それから数日後、僕の体の中にいた生命体はその体の大きさを自由に変えられるようになり、この体の中の物はとても大きくなっている。僕はこの体の中の存在がどんどん大きくなるのを感じていたがどうやら僕の体はもうその怪物に抵抗できないらしく完全に僕の支配権を奪われていた。

僕が目を覚ますとそこには、自分の姿を鏡を使って見ている僕自身の姿が目に入る。その体はまるで人間のような見た目をしており自分の体とほとんど違いが見られないような感じだ。そして自分の体の中のその魔物の力は凄まじく僕の体は自分の体を操ることができなくなっていることに気が付く。僕の中の魔物は人間に似た外見をした人型をしている。そのため人間社会で生活する上で人間の体を借りるほうが色々と便利だということをその体の魔物は知っていたのである。しかし、それはあくまで自分の本来の体を使うときのみ可能な芸当であって、人間の体では自分の本来の力を存分に発揮することができないのだ。

そしてその自分の体の中の存在は人間の体を得た事で、僕に襲いかかり自分の目的のために僕を使おうとしていた。僕は自分の体の中からその自分の体から出て行かせまいとするが僕はあっさりとその自分に取り憑いている化け物に敗北し、そして僕の意識がだんだん消えていき僕の体の支配権が奪われそうになる。その瞬間、僕の体が動き出し、自分の体の中の存在に強烈なパンチを浴びせたのだ。そして僕の中に居たその化け物は、一瞬にして消滅してしまう。僕の体の中から僕の体を守っていたのであろう存在が僕の体から出て行ってくれたことによってようやく僕は解放された。そして僕の体の中の化け物が僕から離れて自分の体に戻っていきそして僕は僕の体の中に入り込み、僕が自分の体を取り戻したことを確認するのであった。自分の体の中に入っているのは先ほど倒したあの自分の体の中に寄生していた何かが僕を僕の体の中から追い出してくれたので僕はやっとこの体の所有権を取り戻すことに成功したのである。

僕の体の中に入っているそれは僕に語りかけてきた。それは、自分が君を助けることができたお礼として君の体の中に存在する僕が元々存在していたあの世界の生物に僕の意思を宿らせることを約束してくれたのだ。僕の体の中には、既に自分の意思を持つ僕がいたらしい。僕の体の中のその何かは自分の意志を持ちながら僕に僕の体を託し、そして自分の体に戻り自分の体の元へ戻ったという。その体の中に残っていた最後の自分の中のその何かの意志に僕を任せると僕の体の中のその存在は再び自分の体の中に戻ったのである。しかし自分の体の中に戻れたとしてもその何かは僕の体に僕の体の中に入れるという能力を失ってしまっていたために再び僕の体の中に入ることは出来なかったのである。しかし自分の体の中に自分の意志が宿っていた存在が居るというのは僕にとっては非常に心強かったので僕も自分の体の中から僕を守ってくれていた僕の体の中のその何かに僕も僕の体の中の自分の体の外に出ていたその生き物と同じように感謝を捧げたのであった。

僕の体の中の自分の中に入っていた生命体と僕を僕を僕を自分の体の中から助け出してくれた存在に対して僕は自分の体をその二体の僕の体の中の生命体が僕に授けて下さった力と僕の体の中に存在した生命体の意志を使って僕は戦うことに決めたのである。まずは自分の体の中に残っているこの体の中の存在と僕の体の外にあるこの体の中の生命力に僕の中に取り込まれた僕の体の中に入っていた生物の力を自分のものにするために僕は自分の体の中に入ったその生物が僕と会話ができるようにその生き物と僕の体に僕に自分の体を明け渡してくれるように頼んだ。するとその生き物は自分の意識が表に出てくることで僕の体を乗っ取ることが出来ると理解しているのか僕の体の中に入ることを認めてくれた。

その言葉に安堵しながら僕はその生き物が自分の体の中に入ることを許そうと思った。僕の中のその何かの体はみるみると大きくなり僕はその大きさを見て僕は自分の中のその何かの事を少し侮っていたと思い知らされる。しかし僕の体の中のその生き物が凄い速さで大きくなったため僕にその体の中に自分の体を乗り移らせようとしていたが間に合わずに僕の体の中から追い出す事は出来ずに僕の体の中に入り込んだ。しかしそれでも僕は諦めない。その生き物に僕は負けずに立ち向かうことを決めた。

しかし僕は、自分の体の中に入り込もうとするその生物の攻撃を僕の体から弾き出すことに成功して、そして僕はその生き物に攻撃を与える。その僕の攻撃は見事に命中した。しかしその生物は僕の体の中でもがいて僕の体の中から出ようとするが僕の体から出て行くことはできない。そしてしばらくすると僕の体の中のその生物は完全におとなしくなって僕の体から出て行ったのである。その僕の体の中に入っていたその何かが完全に僕の体から出ると僕の体から出て来たそいつも僕の体の中から出た時に一緒に付いてきたその生き物と全く同じように姿形を変えていった。その姿を見た僕の体の中にいたその何かは驚いていたようであったが僕にも何が起こったかはよくわからない。ただ自分の体の中にいる僕以外の存在に自分の体を貸し与えただけなのだ。そして自分の体の中から出てきた自分の中にいたその生命体と自分の体から出た時とまったく同じような状態で僕の体の中にあった僕の体の中にあった生命体も驚きを隠せないでいる様子であった。どうやら僕の体の中のこの生命体もまた僕が僕の体の中に入り込んでいたのと同じ方法で僕の体の中に居たという事である。僕には自分の体にいるこの生き物の正体が全く分からなかったが、とにかく僕たちはお互いに協力することでこの世界で生きていけることになったのだ。そして僕の体の中からその生命が出てくると僕の目の前に現れた僕の体に僕の中の生命体が入り込んできたのだ。僕はこの体の中にいるその生き物と一緒に行動することにしたのだがその時ふと気付いた事がある。自分の体が僕の方に向かって飛んでくるのが見えたのでその生物は僕を守る為に僕の体を護ろうとしてくれるがどうやら僕の体に攻撃を加えることは出来ないようである。僕はこの生物と共にこれからどうするかについて考える事にしたのだった。この体の中にあるその生き物が僕の体に戻ってくる前に、僕の中のその生き物に僕は自分の体の中の生命体の名前を聞いたのだ。そしてその生物の名前は【スライム】だということが判明したのである。

僕は自分の体の中に入って来ようとした自分の中の生物の事を、僕はこの生物の体の中から追い出して自分の中に入ってくるのを防いだ。僕はこの体の中の生物に僕の体を乗っ取らせようとは思わなかったのでこの体の中の生物に体から出て行くように命じた。この体の中にいた僕の体の中にあるその生命体は、僕の言葉を聞いてすぐに僕の体の中から出て行ったのだ。僕に自分の体の中から出ていくように指示されたそいつは大人しく言う事を聞き、僕の体の中から出ていくのである。僕の体の中からいなくなった事を確認した後に、自分の体の中にいる何かに、自分の体の中のその何かに問いかける事にした。その何かはどうやら自分の存在を自分では自覚していないらしく自分の名前を教えて欲しいというお願いに答えてくれる。

しかしそこで問題が発生する。それは僕の体の中の生命体は名前がないので僕は名前を付けてあげたのであるが、その僕に名付けられた名前の通り名というのが僕の中に存在する他の生命体に宿っているという事である。そしてこの世界の全ての生命体には、その種族の名が付けられているという事がわかったのだ。僕が付けたその名前がこの世界においてこの体の中のその生物に付けられているらしい。僕は、自分が付けたその名前が自分の中の生物につけられたその名称に変わってしまったのだ。僕は自分の体の中にいたその生物が僕の体の外に出てからしばらくの間は自分の体の中に入っていたその生き物の力を制御できないかもしれないと思っていたが僕の体は思った以上に簡単に力を制御することが出来た。この体の中にいる僕の中に入り込んで僕の体を乗っ取ろうとした生命体が自分の体の中で暴れ回るのをやめた事で僕の中に入っていた僕の体の中にいた何かは、僕の体の中に入り込みそして自分の体に戻った際にこの僕の体の中にいる生命体が僕に入り込む事で自分の体に宿ってしまった僕の体の中に入った生命の力と自分の力で僕の体に宿っていたその生命に勝り僕は無事に元の体に戻すことに成功する。

それからというもの僕は自分の中のその生物の力を操れるようになった。自分の中のその存在が僕に力をくれたのだ。自分の体の中に入り込んだその生き物に僕が話しかけると僕は自分が自分の体の中に取り込んでいた自分の体の中に入ろうとする何かに自分の体を預けることにしたのである。僕は、自分の体の中に入り込まないように自分の体の中の僕の中に入り込んだその生物の事を抑えながら、そして僕の中のその生き物に僕の体の主導権を一時的に貸すことにした。そして僕は自分の体に入り込み僕の体の中から僕の中にいた生命体を外に出して僕の体の主導権を握らせたのだ。

僕は自分の体の中に入っているその生き物の体の支配権を奪うことに成功をする。僕は、僕の体の中にいる自分の体の中に入り込んだその生命体が僕に危害を加えることがないか心配になった。そして自分の中の生命体を僕の体の中に入っている生命体に、自分の体から出て行けと命じた。すると自分の体の中に自分の体の中に僕に入り込もうとしていた僕の体に入り込んでいた生命体が自分の体の中に戻って行きそして自分の体の中に再び自分の体を取り込んだのである。しかし僕は自分の体の中に戻ってきた僕の体の中のその生命体が自分の体を取り戻そうとしたときに僕はその僕の体の中のその生命体の事を再び僕の体の中から追い出して僕の体の中に入るのを阻む。僕は、僕が僕を自分の体の中に入っていた自分の中に入っていたその生命体を追い出すことにに成功するとその生命体も僕の体の中に入っていた僕の体の中に入っていたその生命体と似たような状態に変化したのである。しかし僕は自分の体の中に自分の体の中に入っているその生物がいることを実感できたのだ。僕は自分の体の中の自分の体の中に入っていたその生き物を僕から遠ざけるようにしたのだ。

自分の体の中に僕が入ってきたことで自分の体を自分の体から追い出されてしまった僕が体の中に入り込もうとするその生き物を僕の体の中に入れて自分の体が傷つくのを防いでくれていた僕の体の中のあの生命が今度は僕の体の中から自分の体の中に戻りたいと言ってきていた。僕はその生物の体の中から自分の体に戻るように言った。そして僕の体内に入り込もうとしたその生命体は、僕の体の中から出て行こうとするがその生命はなぜか出て行くことが出来ないでいるような状況になっていることに気付くと、僕の体はどうやら、この生命体に対して何らかの力を発動させているのだと悟る。おそらくはその生命体が、この僕の体の中から逃げ出すとまた僕に取り込まれるのではないかと危惧してしまっているのではないかと思ったのだ。しかし僕の中にいるその生命体はこの体から出て行こうとしているようだ。その生物が逃げようとしていることは分かったのだがどうしても出ることができないようである。

自分の体を自分の体の中から出そうとしているその生き物が僕から逃げようと試みていることに気付いた僕はその自分の体の中に入り込んでいる生命体を僕から引き離してしまうことにする。僕はその自分の体の中にいるその生命体が自分の体から出て行ってくれるまで、僕の体の中に入っているその生命体が僕の体から離れてくれるまでは、僕の体の中に入るのを許さないと心に決める。

僕は自分の体に入り込んできたこの生命体を自分の体の中から出て行ってもらうべく僕は、僕の体の中に入り込んだその生命体に自分の体の中に入って出て行ってもらおうとしたのだけれど、なかなか上手くいかずに自分の体の中から抜け出そうとしている。僕の体の中にいるその生命体は自分の体をどうにかこうにか引き裂いて自分の体の外に出て行こうとしていたが僕はそんな事はさせないと思い自分の体に無理やり押し込めたのである。すると僕の体の中のその生物が苦しそうに暴れまわったのだ。

しかし自分の体に入り込んだその生物の事を無理矢理自分の体に押し込めることに成功したのだが僕はこの生命体が僕から出られない状態にまで自分の体の中に閉じ込めた時に僕はこの自分の体の中には僕の体の中に入り込んで僕を苦しめている生命体以外にも別の生命体が入っているのを感じたのである。この体の中の生命体の他に僕の体の中に入った生命体が存在しているという事がわかると自分の体の中に僕の体の中に入っている生命体を押しとどめることだけに全力を注いでいたのだけれども、その生物は僕の体の中にいた生命体とは違い僕の体の中から出ることが出来なくなってしまった。僕の中にいた生命体も、この体の中の生物と同様に自分の体の中に入り込んできた僕に体から自分の体を出してもらおうにも自分の体の中にいるその生命体の力の方が強いのか、それとも僕が僕の体の中に自分の体の中に入り込んでいたこの体の中の生命体を僕の体の中に閉じ込めるために僕自身の体と自分の体に入り込んだその生命の間に障壁を作り出してしまいそれが邪魔になって僕の体の中に入り込むことができなかったのだと思われる。

僕は自分の体の中に自分の体の中に入り込んでしまったその生命体と一緒にいたのでこの体の中に僕の体の中に入り込んできたその生物も僕の体の中に居座ってしまった。僕は自分の体の中のこの生物を追い払うこともできず僕の体の中にいるその生物とこの体の中に閉じ込められている生命体はお互いにお互いの体に自分の体を入れる事ができなくなっていたのである。僕の体の中でその生物が自分の体の外に出ようと抵抗していたが、僕もその生き物の事を押さえつけるために頑張っていたのだ。自分の体の中にいるその生物が僕の体の中に自分の体の中に入っていたその生命体に自分の体の中に入っていた生物に自分の体の中にいた生命体は自分が僕に取り込まれたその生命体を外に出そうとするために外に出ようと必死だった。

自分の体の中に入っていた自分の体に入り込んできたその生物のことを僕は体の中に取り込むことによって抑える事に成功したが、その生命体が自分の体の中にいるのを感じ取っていた。しかしその生命体は僕の中にいても自分の体を外に出すことには成功したのである。そして僕は、自分の体の中に入っているその生命体のことを捕まえようとはしたが僕の体が僕の意思に反して勝手に動いたのだ。そしてその僕の体が何をしようとしているのかというとその生命体に自分の体の中で僕の体に入り込んで暴れ回られるよりは、僕の体の中に入っていたその生物が僕の体の中に入っているうちに自分の体の中で大人しくしてもらう為に僕の中に入り込んで来たその生命体と一緒に僕の体の中で生活をしようと言い出したのだ。僕は、僕の中で一緒に生活したいという事ならそれでもいいと思ってその生命体に僕の中にある自分の体の外に出てもらいたかった。

しかし僕の体が、僕自身が、自分が僕の体の中から追い出したというわけではないのだけれど、自分の体の中にいたこの生命体を僕の体の中に入れて僕の中の生命体に僕の中にいた生命体は自分の意思で自分の体から出て行くことはできないだろう。僕に取り憑いていたこの生き物は、この生物にはどうする事が出来ないようで、僕の体は自分の体を自分の体の外に出すことが出来なかったので自分の体の中に取り込まれているのだと思われた。僕は自分の体の中の自分の体の中に入っていた生命体を取り出そうとしてもその自分の体の中に入っている生物が自分の体の外に出るのを防ぐようにしてしまう。僕の体の中の自分の体の中に入り込んでいるその生命体が自分の体の外に出れないようにするのであれば、この自分の体の中で暴れ回るのをやめてもらうためにこの生命体を僕の体の中から出してしまわないほうが自分の体の中のこの生物が安全だと思えたのだ。だから僕の体は僕の体に自分の体の中に入っていた自分の体の中に入っていたその生物のことを守るのに徹することにした。しかし僕の体の中に入っている生命体は僕の体の中から出たがっていた。

自分の体の中に入っていた自分の体に入り込んでいたその生物が自分の体から出て行かないのは自分の体に自分の体の中に入っていた生命体を自分の体の中に置いておこうとする僕が僕の体に自分の体の中に入っていたその生命体のことを僕から守ろうとするからだと思ったので僕は、自分の体の中に入っている生命体を自分の体の中に留めておくことをあきらめて自分の体の中にいる自分の体の中に入っていたその生物が外に出ることを許してやったのだ。僕は僕の体の中に入っていた生命体を外に出してあげたのである。僕の体の中にあったその生命体が僕が外に出ることを許してくれたのだと思っているのか僕に外に出してほしいと言った。僕も、僕の体の中にいたその生命体の事を外に出してあげる事にする。

そして僕の体の中に入り込んだ自分の体の中にいる自分の体の中に入っていた生命体を僕の中から出すことができた。しかし自分の体の中にいた自分の体の中に入り込んでいた生命体を出すことに成功しても僕の体の中の生命体はまだ、僕の体の中から出て行ってはくれなかったのである。この自分の体の中にいた生命体が自分の体から出て行きたがらない理由を考えた。僕の体に入り込んでいた自分の体の中に入っていたその生命体が自分の体から出て行きたくないと思うのならば、その生物のことを殺すしかないと思ったのである。

僕はこの僕の体の中に入っていた生命体を僕の体の中から出たがっていないのであるから、この生命体を自分の手で殺すことにした。しかし僕の体の中のこの生命体が自分の体から出て行くことを拒むというのであればこの生命体の事を自分の手で殺さないといけなくなるかもしれない。僕の体の中に入っていた生命体を自分の手で殺したくなかった僕は僕の体の中に入っているその生命体に僕の体の外に出る事を許可すればこの生命体も自分の体の中にいる自分の体の中にいる自分の体の中に入り込んでいたその生命体と同じような生命体がこの体の中に入っていた生命体が、この体の中に入っていた自分の体の中に入っていたその生命体と同じ状態になったのだけれども僕はそんな生命体達を殺して自分の体に取り込んだりなんかしないのだ。僕の体の中にいたその生命体達は僕の体の中から抜け出て行った。僕の体の中にいた自分の体の中に入り込んだ自分の体の中の自分から体から追い出すことに成功をした。自分の体の中から出ていくことを拒んだ僕の体の中に入り込んでいる自分の体の中に入り込んでいたその生物だったがその自分の体の中の生物に自分の体に入り込んでいる生物が逃げ出さないように僕は自分の体の中に入り込んでしまったその生物のことを追いかけまわした。

僕の体の中には僕の体の中で入り込んでしまっていた生命体は僕の体内の中にずっといるつもりなのだろうかと僕は疑問を持つ。僕に何か目的があるのなら僕の中に入ってしまったのだから僕は僕の中で生活しているのだろうと僕は考える。僕は僕の体の中に入り込んできたその生命体を僕は僕の体の中に入ってこなければ僕の体の中に入り込んでいる自分の体の中に入っているその生物が、自分の体の中に入っている自分の体の中に入っているその生命体を僕に殺されたりしたら、自分の体が死んでしまうからなのかと思いながらも僕の体を自分の体から追い出されたその生命体のことを再び自分の体の中に入れるようなまねはしたくなったので自分の体の中に戻りたいといっている自分の体の中の生命体の言うことに耳を傾けてやるのもいいのではないかと僕は考えたのである。僕は、その生命体の言葉を聞くべく自分の体に戻ろうとしたその生物に対して僕は言った。

私は、私の意思に従って私の体を自分の体から外に出すことができてよかったと思っているのです。しかしあなたの体に私が自分の体を外に出せたとしてもあなたから私の事が出て行ってもらえるまでは、私の体から出ていかないと約束をしていただいたのでそれで安心しましたと僕の中に自分の体の中に入っていた生命体は言っている。そんなわけはないのであるが。自分の体の中にいる自分の体の中に入り込んでいる生命体のことを僕が殺してしまうという可能性があるにもかかわらずこの生物が僕の体の中にいることを望むというのであるから、この生物に自分の体から出て行ってもらうためには仕方がないので僕も覚悟を決めなければならないと思ったのである。そして僕には、僕の中に入り込み僕の体を僕の体に僕の体の中に自分の体の中に入り込んできた生命体の事を僕は自分の体の中から出してやろうかと思ってはいたのだがこの自分の体の中に入り込んでいる生命体があまりにも僕の体を乗っ取ろうとしているから、この僕の体の中に入り込んできた生命体を自分の体の中から出した後にこの生命体がどうなるのかはわからない。だけどこのまま自分の体の中に入れておいたままではいけないと思っていたので、僕は自分の体に入り込んできたその生命体のことを自分の体の中で生かすことを決めたのであった。僕は、この自分の体の中に自分の体の中に入っていた生命体を自分の体の中で生きさせることにする。僕は自分の体の中に入っている生命体が自分の体の中から出て行きたがらない限り、僕の体の中で僕の体の中に入っていた生命体が僕の体の中に入っているのを認めようと僕は決めた。

僕はこの自分の体の中に入り込んできた僕の体の中に入っているその生命体が自分の体の中に入っている事を認めたのである。そうすれば、自分の体に入り込んで来た自分の体の中に入っているその生命も僕と一緒にいてもらって構わないと考えたので自分の体に入り込んでしまったこの生命体のことを僕は受け入れる事にしたのである。

僕の体の中に入り込んできたこの生命体を自分の体の中に入れることを受け入れてしまったのはいいのだがこの生命体が自分の体の中にいる間、僕の体の中では僕の体がこの生命体のことを受け入れようとはしなかった。僕の体が、自分の体に入っていたこの生命を自分の体の中に入れても、自分の体の中に入っているその生物を受け入れることは拒否していたのだ。だから僕の体の中のこの生物は僕がこの生物のことを自分の体の中で生活させてやっても良いと考えて自分の体の中に入ったその生物を受け入れた後も僕の体の中に入っているこの生物のことを追い出そうとしていた。しかしいくら僕の体の中に入っているこの生物のことを殺してしまいたくなっても、この生命体を自分の体の中に入っているその生命体を殺すことはできないのだ。僕の体の中に自分の体の中に入っていたその生命体を僕は取り込むことができるから僕の体の中に入っていたその生命体を取り込めばこの生命体のことを僕の力で消滅させられてしまうとは思うが僕はこの生物を僕の体の中に入れて自分の体の中に入っていたこの生命体を自分の体の中に入れていたのだ。

この生命体は自分の体が死んでしまいそうになった時は自分の体の外に出て行くという。しかし自分の体がこの生命体のように僕の体の中に自分の体の中の体の一部が入り込んでしまうようなことはないだろうからこの生命体は自分の体の中から出て行ってしまうだろう。僕はこの生物をこの生命体が生きている限り自分の体の中に入ることを認めようと思っているのである。

自分の体の中に自分の体の中に入っていた自分の体の中に入っていたその生物を、その生物が自分の体の中に入っている間は僕はその生命体のことを殺してはいけないと思う。自分の体に入っているこの生命体を殺さないように気をつけながらこの生物が自分の体の中に入っていた間の時間の間一緒に過ごすことにしたのだ。僕は自分の体の中に入っていたこの生命体が、この生物が自分の体の中に入って来なかった場合僕は自分の体に入ってくる前の状態に戻ることができないのではないだろうかと思う。だから僕はこの生物が自分の体の中に入っている間に、僕は自分がこれから先自分の体に何が起こってもこの生命体を殺さないようにしなければならないと思った。

僕は自分の体の中に僕の体の中のその生物が僕の体から追い出される前に、この生物が僕の体に入り込んでいた時間は、僕が僕の中にあるこの生命体のことを追い出してからの時間を考えても、僕が僕の体から出て行く前に戻った後すぐに僕が僕の体の中に入っていたその生命体のことが僕の体の中に入っていた時の時間の分の時間が経っていれば僕は自分の体の中に入り込んだその生命体を自分の体の中に入れるという事はしないで自分の体の中に入っていたその生命体を追い出すだけに留めることにしてその生物の事を僕の体の中に入っている時と同じように扱って、その生物の事を僕の体の中に入れないようにしようと思う。

僕の体の中に自分の体の中に自分が入っていたその生物を入れると、僕はその生物の事が僕の中から出て行こうとする意志に邪魔をされて、その生物を自分の体の中に入れられないかもしれないと思えたのである。しかし自分の体の中にいるその生命体を僕の体の中に入れてしまえば、その生物に自分の体に入り込まれてしまったら僕は僕の体をその生物に明け渡したことになるから僕は自分の体に入ってきたその生命体を殺すために自分の体を明け渡したりしないだろうから僕はこの生物が僕の体の中に入り込んだままの状態が続いてもその生物が自分の体の中から出て行くまでの間はその生物がどんなに僕の体を乗っ取ろうとしたとしても僕はその生物を自分の体の中に入れ続けなければならないと思ったのである。

自分の体に入り込んでいたその生命体を自分の体の中で自分の体の中に入っていた自分の体の中に入っていた自分の体の中に入っていた生命体を僕の体の中に入れると僕は自分の体がこの生命体の事を僕の体に入れてしまうという抵抗を受けなかった。自分の体の中にこの生命体が侵入した時にこの生命体が僕の体の中に入って来てから自分の体の中のその生命体が僕の体の中に入っている時間の間は、その生命体は自分自身に何か影響が出るのを防ぐために僕の体から出て行こうとしているように見えた。自分の体の中に入り込んで来たその生命体に対して僕は自分の体に入らない様にするように自分の体を自分の体に入っていない状態の時には自分の体を自分の体に入れないようにしておけばいいのだなと感じた。

そして、自分の体の中にはもういないはずの自分の体の中に自分が入っている自分の体の中の生命体のことを、この生物は自分の体の中にいる自分の体の中にいたこの生命体のことは殺さずにこの生命体の体から追い出せばこの生命体が自分の体の中に入り込んでいるという現象が起きなくなるのではないかと考えたのである。

そして僕の体の中に自分の体に入っていたその生命体のことを僕は自分の体の中から出してやることにしたのだがその生命体は、僕の体の中に入っている間僕には自分の体を僕に返してくれることを許してくれないみたいだった。僕は自分の体にまだ自分の体の中に自分の体の中に入っているその生命体の事を返してもらいたいと思った。だから僕が僕の中で生きている自分の体の中に入っているその生命体を自分の体から出て行ってもらえるようにするためには、僕は自分の体からその生命体を出してしまうことが必要なのだと思うので、自分の体に入り込んでしまっている自分の体の中に入っているその生物の事を僕の体の中から自分の体の中に入っていた生命体を自分の体から出したいという気持ちにならなければその生命体を出すことは出来ないと思う。

自分の体の中に入り込んでいる生命体を自分の体から出すには、まずはこの生命体を自分の体の中に入っている状態から出さないと自分の体の中から自分の体の中に入り込んでしまった自分の体の中から追い出すことが出来ないのだ。そして自分の体の中に入っているその生物の事を殺してでも僕の体の中から追い出そうとした場合にはその生物の力が強くなりすぎてしまい、僕はその生物に殺されてしまう可能性が高いので自分の体に入り込んでいるその生物のことを僕の体から出さない状態で僕の体の中に入っている自分の体の中に入っている生命体を僕の体から出すことをしなければならないのである。僕はその生物を自分の体から出してやる方法を考えることに決めるのであった。

私はこの自分の体の中にいた生命体が自分の体から追い出されたらどうしようかと考える。しかし私が、今私が入り込んでいるこの人の体から出て行ってあげるからね。この体の人には私のせいでこんなひどいめにあってしまったんだから早く出て行ってあげないといけないと思って、私は私が入り込んでいたこの男の人から出る事を決めた。私が出て行くことによってこの人に迷惑をかけないために私が入るこの体の中のこの場所からは一刻も早く出て行ってあげた方がいいと思って、この体から抜け出そうと思う。そうすれば私の体はこの人の体に入り込むことなんてできなくなってしまうからこの人は安心できると思って。それにこの男の人もこれ以上私のことを追いかけ回したりはしないと思うの。なぜなら私の姿が見えるから。この男はきっと私が幽霊だということに気づいてしまうから私のことが怖いだろうし、この男にとって私の存在は厄介なことを引き起こす原因になるのでそんな存在を自分の体の中に受け入れ続けるのはあまり良い気分がしないことでしょうから。それにしても、この男の人と一緒の部屋に泊まらなくても、同じベッドの中で寝ていなくて良かったなぁとつくづく思ったよ。そうじゃなければ絶対にこの男と同じ部屋の中にいたこの部屋の他の人たちも、みんな死んでしまっていたはずだもん。それはそれで大変なことだったけれど。本当にあのホテルの部屋で泊まった他の人たちの命を助けてあげられてよかったと今は思える。あのまま、もしこの男が何もせずに眠ってしまったとしたらこのホテルで泊まり込んだ人たちは全員死んでいたことになってしまっていてもおかしくはなかったのだから。

それくらい危なかったのだ。もしも私がいなかった場合のその状況は、確実にその状況になっていたはずだったのだから。

でも今のこの状況になったおかげで私がここに存在しているということをこの男たちの仲間たちに知られないままで、この男たちに見つかることもなく無事でいられたのだ。しかも、この男の仲間と思われる人がこの場に現れたのでその男に仲間だと思われないようにするために私は急いでこの宿を抜け出したのである。しかしよく考えるとその男から逃げ出さなくちゃいけないっていうことは結局無駄だったかもしれないよね。なんたってあの男が追って来たのは私が原因だってことが分かっているわけだから、だからあいつから逃げ出す必要もないような気がするんだけど。

とにかくあの男の仲間の人が来た以上このままじっとしていたんじゃ捕まってしまうだけだからとりあえずはどこか別の場所へ隠れる場所を探しに行くべきだと思えてならないんだよ。

そう思いながらその男の子の顔を見た。この子の目は少し充血していて腫れていたのだ。もしかして泣いているのだろうか? どうして泣いたのか分からないけど、この子にもきっと理由があるに違いないから話を聞きたくなってきたのだ。でもその子と話ができるようになるまでは時間がかかるかなと思っていたが、なぜかその時のこの子が私の声を聞いて返事をしてくれて話しかけてくるようになったのだ。しかし、なぜかその男の子は私に返事をしてくれたあと、その男の子の体の中の方に戻っていったのだ。

あれっ?急に出てこなくなったと思ったらまた戻ってきた!一体どういうことなのかが分からなかったので私はもう一度話しかけてみると。すると再びその少年が自分の体から出て来て、自分の口から言葉を話し始めたのだ。だけど、自分の体の中にいる時は自分で言葉を喋れなかったのに。今度は普通に会話することができるようになっているから、不思議である。なぜ自分の体の中に入ったり出たりした時に、その人の意識が覚醒しているような状態になるのだろうかと思った。

自分の体から出られなくなった時、自分は自分の中で自分と向き合う事になるだろうが、自分の中にいる自分を外から見る事が出来るのであれば、自分が自分の中にいて外を見るという行為が可能になるのであろうか? 自分の体の中にいた時、自分の体に入ってくるものが見えなかったように、自分の体から出て来ることも出来ないはずである。そして自分の体が自由に動かせるのは自分の体に自分の体が入ってきた場合だけであるが、自分の体に他人の体が入り込んできた場合にも自分の体の感覚が無くなることはないのである。

僕の体の中に入っていた自分の体の中に入っていた自分の体の中に入っていた自分の体の中に入っていた生命体が自分の体の中から外に出てきた時、自分の体の中に入っていた生命体は自分の体に何かしらの影響を及ぼさないために自分の体の中にいた時には無かった何らかの能力を持っているかもしれないと私は思っているんだ。自分の体の中から自分の体の中にいたその生き物が外に出て来た時には自分の中にその生命体がいた時の時間分の時間が経過していればその生命体を自分の体の中に入れることが出来るのではないかと僕は思う。

そして僕は自分の体の中に入っていた自分の体の中に入り込んでしまった生命体を自分の体の中から追い出してから、その生物がもう二度と僕の体に入り込まないようにしてやることを決意した。

僕は自分の体の中に入り込んでいたその生命体を自分の体から追い出すことにする。僕はその生命体の体を掴んで僕の体の中から出て行くようにさせようと試みるのだが。なかなかうまくいかないみたいで僕の体の中に入っているその生物の体を引きはがすことができなかった。

僕は自分の体の中に入っていたその生命体を自分の体の中から引きはがして僕の体から追い出す方法を考えた。

自分の体の中に入っている生命体の事を僕は僕の体の中に入っている状態の時に殺してしまった方が良いのかなと考え始めたが、僕の体の中に入り込んでしまったその生命体は僕を殺そうとしていないし、それに、この生命体は自分の中にある僕に対して攻撃を加えようとしていなかった。

僕は自分の体の中に入っているその生命体の体の中に入ってしまっている部分を切り取ればこの生物が自分の体から出てくるのではないだろうかと考えてみた。そして僕は自分の体の中に入っていたその生命体を僕の体から切り離してみる事にしたのである。そうしたら案の定、自分の体の中に入り込んでいる自分の体を僕は自分の体の中のその場所から切り取ることができた。

しかし僕がその生命体のことを僕の体の中から切り離した瞬間、自分の体の中のその場所にいる自分の体は突然動き出し始めた。僕はその体から慌てて距離をとる。そしてその生物の動きを見極めようとしていた。どうやら自分の体の中の場所にはまだその生命が存在しているようであるから、そいつがまだ僕の体の中に入っているのだとしたら、おそらく今僕の体に入り込んでいた自分の体の方を僕の体の中のその場所から追い出そうとしてくるだろうと、そう考えたからである。そしてその生命体は自分の体に僕の体の中から取り出されないようにしようとしていた。しかし、しばらく自分の体の中の場所からその生命体を僕が引っ張り出さずに様子を見ている間にだんだん自分の体の中に入っている自分の体の中に入っているその生命体の力が弱くなっていってやがてその生命体は体の中の空間に完全に戻されてしまったのだ。そして自分の体の中に入り込んでしまったその生命体のことを自分の体の中から僕の体の中へと移動させる事が出来なくなってしまったのである。

私は、その生命体が、自分の体の中に入っている状態から出ることが出来なくなっているのに気づいたのであった。自分の体から出ている状態でしか行動することができない生物なのかもしれない。だから私の体はこの生命体を自分の体の中から追い出すことに成功できたのである。そして私はこの生物の事を追い出すことによって、この生命体が、この人間の体に入り込むのを阻止することが出来たのだ。しかしこの生命体はこの生物の力よりも弱いのだろうか。それともこの生物の方が、強いから自分の中に入り込まれてしまっているのかのどちらかなのだろうと思う。この生物の方はこの人間に取り付くことができるほど強力な力を持った生物なのだろうか。この生物がもしその生命体をこの体の中に入り込ませて、自分の体に入り込んでしまった生命体のことを殺してしまっていたならば、私はこの体から自分の中の体の中にあった生命体を取り出すことが出来なかったと思う。だから私はその生命体の事を無事に自分の体の中から出す事が出来たのだけれども、もしもこの生命体が自分の体の中のこの場所に残っていたままだったらどうなっていたのだろうかと考えると、ぞっとした。もしもそうならこの人間の体の中にまだその生き物がいるということだから。その体の持ち主にその生きものは自分の体の中に入ることができてしまうということであるから。だからもしもその体の中の人間が、その自分の体の中に入り込んだその生物の事を殺す前に体の中の自分の体から追い出す事ができたとしたのなら、その生き物がこの人間の体の中にいることを防ぐ事ができていたと思う。

私の体の中にいたその生物の事を私が殺すまでもなく、勝手に出て行ってくれる可能性もあるのだろうけれど、でも私のせいでこの人間たちが危険な目にあってしまう可能性があるということを考えたら、やっぱりそれは避けなければならないことだよね。だから私の手でちゃんとあの生物をこの体の場所から追い出したかったんだよね。

それにしても私の体に宿ったこの生命体は何なのだろうかとふと疑問になる。そもそも自分の体の中に入り込んでいるこの生命体が何の生き物なのかすら私には分かっていなかったのだ。だからとりあえずこの生き物の正体を突き止めるためにまずこの生き物のことについていろいろ調べてみることにした。すると、やはりその生物は自分の体内の中に存在するだけで自分の体の中にいる生命体の力を奪って行ってしまうらしいことが分かったのである。

そして自分の体の中のどこか一か所にだけこの生命体の力を蓄えておく事ができる場所があって、その部分を他の場所に移動させてあげさえすれば、その部分の力はその生物の体の他の場所に移動するらしいことも私は知った。

その自分の体の中に入っている生物を体の外に出してはいけないと言われているような理由を私は知ることができたのである。

自分の体の中に入り込んでしまっている生命体の事を自分の体の中から追い出せたのは良かったのだが、僕の体の中にいるこの生物のことを殺してしまっていた場合この生命体を僕の体から出す事は出来なかったのではないかと考えるとその生物を僕の体の中に入り込んだままの状態で外に出してやることに成功したことは本当に良かったと思えた。

しかしこの生命体は僕の体から出られなくなるというリスクを負わずに自分の体の中に入っていた自分の体の中に入っているその生物の事を外に出す事に成功していたのだから。僕の体の中にいるその生物が、僕の体の中に入っている状態で自分の体の中に入っているその生物を殺した場合は一体どのような状況になってしまうのだろうか?と僕は気になって仕方がなかった。自分の体の中に入っているその生命体を殺してしまっても平気なのかと。

僕の体の中に入っていたその生命体を、僕は、この体の外に出すことが、出来たのだ。しかし僕の体の中に入り込んでいたその生命体を自分の体の外に出した後、その生き物は、すぐに自分の体の中のどこかに移動させなければ死んでしまうかもしれないと思って僕は、自分の体の中の、その生命体が自分の体の中に入ってしまった時の位置と同じ位置に戻すように、自分の体の中のその生命体のいる場所を、その生物が僕の体に入り込んできた時とは少し離れた場所にしてやった。

そして自分の体の中にいた生物を僕の体の中から出てこられないように自分の体の中に閉じ込めた後、僕はその生物の体の中に入っている僕の体の中に入っていた生命体がどんな感じなのかを確認することにした。

その生物を自分の体の中に入れてみた。すると自分の体の中のその生き物は暴れだしてしまった。その体の中にある器官を動かしているのだろうと思われる。しかしその生命体が僕の体の中で動きまわることをやめると、次第におとなしくなっていったのである。しかしそれでも僕の体の中に入って来たその生物は僕の体の中に留まり続けている。僕の体の中に入っている生命体は自分の体の中を自分の意思とは無関係に移動したがっていた。その生き物の体は僕の体の中を動くことでエネルギーを補充しなくてはならないみたいだった。そして僕の体の中に入り込んでくるその生き物のエネルギーは凄まじいものだったのである。その生き物を自分の体の中に入れている限り僕の体の中に入り込んできているその生き物は僕の体の中を動き回りたがっていて。自分の体の中のどこかにあるその場所に戻ろうとしていた。その生き物の体は僕の体の中を自由に移動する事ができていたが。しかし僕の体の中に留まっている時間は短かった。僕の体の中に留まる時間が長いほど僕の体の中に入っている生命体が消耗してしまうようであるから。

僕の体の中に入り込んでいるその生命体が僕の体から追い出すことが出来たのは本当に良かったと思った。もしそうでなかったら僕はどうなっていたのかと思う。僕の体の中に入り込んでいたその生命体が自分の体から追い出されたのを確認して、僕は安堵する。僕の体の中に入っていたその生き物を僕は自分の体の中から追い出してあげることができたのだ。

「ねえ!君!ちょっと待って!」

突然誰かに僕は後ろから声をかけられたので振り返る。そしてそこには先程この建物の前を通り過ぎていった少女がいたのであった。

「えっとね。私の名前は、アリシアっていうの。君は?」僕は目の前にいる女の子の名前を教えてくれたので僕も自己紹介をしておくことにする。

「僕はレイルです。よろしくお願いします。」僕が自分の名前を答えると、彼女は微笑む。

「うん、これから一緒に頑張ろうね。じゃあ、さっそく君の家に行くことにしようか。あ、私の家はもうすぐそこなんだけれど。私と一緒に来てくれるかな。」

僕は彼女に言われて、彼女の後について行く事にしたのである。彼女の言葉から察するところどうやら僕は彼女の家に連れて行かれようとしているようだ。

僕は今、僕の体の中に宿っている生物のことを自分の体の中から追い出すことができている。その生物を追い出すことに成功して、僕は自分の体の中に入った生物のことを自分の体の中から出してあげることができるようになっていたのであった。そして今、自分の体の中から自分の体の中に入り込んでしまった生物を出すことができたおかげで、自分がなぜこの建物の中にいるのかをようやく思い出した。僕がこの世界にやってきた理由を思い出したのである。そして僕がここに来ることになった原因はあの謎の光なのだと思いだした。そして僕があの光を浴びた時に僕の意識はあの場所に飛んだのだと理解することができたのである。そして僕がその光の直撃を受けた場所の近くを見渡せば見覚えのある物体が地面に落ちていた。

僕がその地面の上に置いてあった物を見つめていたところ僕の視界に突然僕の体が映し出された。それは僕の体を見ている僕の視点から見た僕の体の映像であるようであった。僕自身の姿を自分の体の外から眺めるのは初めてのことであったが、それはなかなか興味深い体験であったのだ。

僕の姿を自分の体から眺めていると、僕の体の近くに突然僕の顔の映り込んだ大きなガラスが姿を現した。

その光景を見て僕は思った。おそらくこれは僕の姿を見ることができる機械のようなものなのではないかと。その機械は、そのガラスの映像を映すことのできる装置のような物が、透明な板をいくつもつなぎ合わせて作られた、その透明な箱に仕込まれているのだろうと推測することができるのだった。

その装置を使ってこの建物の中の様子を覗き見してみる。

この建物はかなり広く、とても綺麗な作りの建物になっていることがわかったのである。その建物には色々な部屋の設備が整っている様子だった。

この建物はいったいなんの目的で建てられたものなのだろうか。そしてどうしてこの建物の中に入り込んでしまったのかを僕は考えようとしたのだがその途中で考えることを中断することになる。なぜなら僕はその部屋から、ある人物を見つけ出したからである。その人物を見た途端、心臓がドクンッと強く鼓動をし始めたのだ。

僕の視線の先には、この部屋に設置してあるテーブルの椅子に座っていた僕の妹の姿があったのである。その妹の姿を見て僕は驚いたのだ。妹は何故か床にうつ伏せで倒れていて、そのままピクリとも動かない。

僕の体の中にいる生物を自分の体の中から出し終えると自分の体の中に入っているその生命体を自分の体の中に入れることはできないようなのである。自分の体の中に入っている生命体は自分の体の中にいる生き物を体の外に出したらすぐに死んでしまうだろうということを理解した。そして僕の体の中に入り込んでいる生物を体の外に出した後に自分の体の中に戻ってしまうということは、僕の体の中に入っている生命体を、体の外に出し終わってからもずっと僕の体の中に入れておくと僕の体の中にいるその生物の力をすべて吸い取って死に至ってしまいそうになるのだという事も理解できたのである。つまり自分の体の中に入り込んでいるその生物を僕の体の中に入れておくと危険なのだ。

自分の体の中に宿っているその生物は僕にとって邪魔にしかならない存在であったのだ。僕は自分の体に入り込んできてしまったその生物に対して自分の体内から追い出す方法を知る事が出来た。その方法は自分の体の中に入っていたその生物が移動していた場所にその生物をまた自分の体の中に戻す事であったのである。僕はこの世界の仕組みを理解し、自分の体にこの世界から出られないようになっている呪いがかけれてしまっている理由を理解する。自分の体の中に入っていたその生物を自分の体の外に出すことはできなくなっていた。僕はこの世界に閉じこめられていたのであった。僕は妹の体の上に、妹と同じように倒れている僕の体を見下ろす。僕の体はまるで死んでしまったかのようにぴくりともしなくなっている。妹の体の方はどうなのかを確認するために妹の方に目を向けると妹の体は生きていた。どうやら妹の体は息をしているようで、僕の妹の体からは生命を感じることができた。妹がまだ生きているとわかったので、ひとまずはホッとする。だがまだ僕の体の方の状況は何も解決していないのだった。どうすれば自分の体の状態が回復するのかという問題を解決する方法はまだ思いついていない。だがそれでもこのままの状態でいるわけにもいかないためとりあえずは妹の体の状態を確認し、その後すぐに妹の体を抱え上げて僕はこの場所から離れることにしたのである。そしてその前にこの建物の外に出る必要がありそうだと判断した。

僕の体はこの建物の中に存在していた。建物の中に設置されていたテーブルの上には飲み物が入っていたコップがあり、そしてテーブルのすぐそばにある椅子に僕の体が入り込んで来た原因である例の大きな光が出現した現象が起こった際に僕の体が立っていたであろうと思われる場所には、何かしらの破片のようなものがあった。

僕は今、その光を僕は浴びたことで自分の体がこの建物の中に出現してしまった事を改めて認識することになった。だから僕は、僕の体の中にいた生き物を追い出すことができても、僕の体の状態が元に戻っていないことは理解できるようになっていたのであった。しかし僕の中には今自分の体の状態を確認するために必要な情報が存在しないから僕は一体何が原因でこんなことになってしまったのかを把握できずにいるので、この建物を抜け出すためにも今は一刻も早くここから出てしまわなければならない。そして妹を病院に連れて行く必要があるのかもしれない。

僕の妹を僕の体の上に乗せてから僕は自分の体を移動させることにした。すると自分の体の上から降りられるようになるのである。どうやら僕は自分の体の上の状態から自分の体の中に入ることが不可能のようであるという事がわかる。

僕の体の上にある自分の体を持ち上げることは簡単にできる。しかし自分の体の上から降りた瞬間、僕の体の状態は悪くなるばかりだと言うことも理解できているのである。だから妹を助けるためには僕はどうしても自分の体の中に戻る必要はあるようだが、しかしそうすることによって僕は自分の体の中から追い出した生き物がもう一度僕の体の中に戻ってくる危険性があることを知っているからこそ、僕は自分の体の中に入るという選択をとることはできなかったのである。それに、僕の体の状態が良くなった後に自分の体の中に戻り、そしてそのあと再び僕の体の中に入り込んできた生き物によって僕が再び僕の体の中から追い出される可能性も考えられるのだ。僕はそう考えて僕の体の中に入り込んできている生き物を再び僕の体の外に押し出す手段を考える。そして一つの方法を思いついたのである。

僕は自分の体の中にある物体を体の中に戻す方法について知ることが出来ているから、僕は自分の体の中に戻り、そこから出てきた生命体に再び自分の体の中に入ってこないようにするためにも僕の体の中に入り込んでいる生物を僕の体の中に入れることによって、僕はその生命体を自分の体から追い出すことが可能ではないかと考える。僕はそうやって僕の体の中から僕の体の中に入り込んでいた生物を追い出してあげれば、僕の体の中に入り込んでいるその生物に自分の体の中から出て行ってくれるような指示をすることができるのではないかと考えたのである。

自分の体の状態が悪くなりすぎないために自分の体の中に自分の体の中から追い出したあの生物を入れなければいけないのだが、僕の体の中に入れても、僕が自分の体の中に戻ってきたあの怪物を、僕が自分の体の中から出た時に、僕の体の中に押し込めば僕の体の中に入り込んでくる可能性は高い。だから、今僕の体の中の状況を把握しておかないと、僕の体の中に入り込んだあの生物に僕の体の中に入ってきてほしくないから、僕は自分の体の中に入り込んでいる生物が何者なのであるのかを知らなくてはいけないのである。

僕は今、自分の体の中に入っている生物のことが気になり、そして確認したいと思ったから自分の体の中を自分の体の外から確認するための機械のような道具を、僕は見つけ出して手に入れようと思っていた。その装置さえ手に入れられたなら、この建物の中にあった物を探せば見つけられそうであると考えていた。その装置の使い道を思い出した僕は、この建物から出る方法も見つけられた。僕は自分がなぜこの世界に来てしまったのかという疑問に対する回答を思い出すことができたのだ。

僕は自分がこの建物に入り込んでしまった時の状況を記憶している。その当時の僕はこの建物の中にいるのがとても恐ろしく感じられてしまって僕はこの建物の外に出たいと強く思っていたはずだ。それなのになぜその時、自分は建物から出ようと考えなかったのか不思議でならないがその理由も思い出すことが出来たので僕は建物の中を散策することにした。

僕は、建物の中の中を見て回った結果、建物内の探索を終える。そして僕が手に入れたものは機械とガラスと液体と瓶が沢山入っている棚と椅子とテーブルであった。

僕はそのガラスが置いてある机の上をじっと見つめていたのである。そこには大きなガラスの容器が幾つも存在しており、その中にガラスの中に液状になった物が存在していてガラスの中に透明な物が存在していることに気がつけた。僕は、ガラスの中に透明な液体が満ち溢れているその不思議な物体を、僕が元々この建物の中に存在していそうだと考えながら建物の中を探し回っている時に見つけてから、その不思議な物がどういう存在なのか、ずっと観察し続けてきたのである。その奇妙な液体を見続けていると、何故か僕はとても不安な気持ちになってしまう。だから僕はそんな不気味な印象をぬぐい去ろうと、その奇妙な物に近付いていく。

その謎の物体に近づいてみるとその謎の物質の放つ雰囲気が更に恐ろしいものに感じられる。その謎に満ちた未知の物体から発せられる異様な雰囲気に恐怖を覚え、僕はすぐにでもその部屋から離れたかったのだが、その部屋から移動するとこの部屋に存在していた機械がどうなっているかわからないので、もし壊れてしまっていた場合、僕にとっては非常に不都合なことになってしまいそうな予感があった。僕は仕方なくその得体のしれない物体のそばから離れられず、その場にとどまることになったのである。

しかし僕としてはいつまでもその場に居たくはなかったのだ。そこでそのガラスがはめ込まれている壁の向こう側の方に行ってみることにする。しかしその部屋の出入り口らしきものはない。僕はその部屋から抜け出す方法がないかを調べ始める。

その調べた結果わかったのは、この建物は外側の壁には扉らしいものがないということだった。しかし建物の外に通じる場所が何処かに存在しないだろうかと僕は建物の中を探すことにした。そしてその場所を見つけだす。

建物の中には様々なものがあったのだが、その中でも一番重要で、かつ僕にとっては必要なものを僕はその建物の中から発見したのである。それは何かを保存しておきたいときに使用する冷蔵庫の中身であり、その中には氷がいっぱい詰め込まれていた。この氷は、その空間がかなり冷えていることを示してくれており、僕が求めているものをここに持っていけば、すぐに冷やしてくれるに違いないと確信し、この建物内に設置されているだろうと思ってその部屋を探していたのであった。

しかしその期待していた場所にその装置は設置されていたのだ。その冷凍庫の内部に僕は自分の探し求めていた、そして自分の体の状態を回復するための機械を発見し、そして自分の体の中に入っていた生き物を、僕の体の中に入れることなくその生物を追い出すことに成功し、そして僕の体は完全に健康を取り戻したのだ。

僕は完全に体調が回復し、元気を取り戻すことができたことを実感した。そして妹を助けるために妹を自分の体の上に移動させた。僕は妹と一緒に病院に行きたかったので妹を背負って妹と病院まで歩く事にする。

僕達は病院に到着すると妹の容態を診てもらう。そして妹はすぐに入院することになったのである。妹の体の調子が回復するまでにはかなりの時間がかかるらしく、しばらくは入院する必要があるということが医師の診断からわかったため、その間は妹はこの病院に入院することが決定した。妹は今、自分の体がどんな状態にあるかを理解しているため妹の体に起きている変化を受け入れている様子だった。

僕は、この世界で妹の病が治るようにと、妹の病の治癒を祈って、僕は妹を見舞いに来た。すると、妹の体が急に輝き始め始めた。一体どうしてこんな現象が起きているのかという事を理解するのは不可能だと思われるほどの事態が発生して、その光が消えてしまう。しかし僕の体は光に飲み込まれたような痕跡は一切残っていないため、特に何の変化が現れているわけでもない事がわかるのであった。

そして僕の妹は自分の体の異変を感じ取ったようで、妹の体はどんどん変わっていってる様子がうかがえる。この世界に迷い込んできてからというもの、僕は、自分が置かれている状況の異常性に驚きながらも何とかこの世界に適応しようとしていた。だけど、今の僕は、この異常な出来事に遭遇しても冷静さを保とうとしていた。だが今目の前で起こっている出来事はあまりにも信じられないようなことが起こりすぎている。僕はまだ、自分がゲームの世界の中に入り込んでしまったという感覚が完全になくなり切れてはいないのにこの状況に遭遇することになって困惑していたのであった。

僕が妹のお見舞いをしている最中の出来事だと言うこともあり妹の様子を確認し続ける必要がある。妹は苦しんでいるように見えるが、僕はそれでも妹を信じることにした。きっとこの世界でも、僕は妹を守る事が出来ると信じる事にした。僕は、妹を助けてあげることが出来なかったという後悔が心の中で残ってしまっている。しかし今は僕が妹の傍に居ることで、妹の症状が少しでも改善すればいいなと考えて妹の様子を見守る。そうやって妹を観察し続けている時のことだった。僕は自分の身に何が起きたのか、さっぱりわからないまま意識を失ってしまう。僕は自分の体の状態を把握することが出来なくなったが、僕は気を失い、そのまま眠り込んでしまう。そして僕の意識は再び自分の体の中に戻ることになる。

僕が再び目を覚ます。

僕は自分の体を確認する。どうやら僕の体からあの怪物が出ていくことに成功しているみたいだということを理解できてきた。そして自分の体の中に入り込んできた生物の姿が確認できるようになった。僕は僕の体の中に入っている生物に対してどのような対処を行うべきなのかを真剣に考えなければいけなくなる。

僕の体の中に入って来た生命体は僕を攻撃対象として見ているようだったので、僕の中に入って来られたのでは非常に困ってしまうので、自分の体の中に入って来ないでもらいたいという意志を示すことによって、その生命体が自分の体の中に入り込む前に阻止できるのではないかと思うようになっていた。そう思い立った僕は自分の体の中に入っている生物が僕の体の外に出られないようにするためにも僕は必死に抵抗し始めたのである。

僕の体の中に入った生物が僕の体の中に再び戻ることがないように僕の体の中に存在する生物を押し出す方法について考えることにした。その押し出す方法として、僕の体の中に入る生物を僕の力で僕の体の中に戻すことによって僕の体の中に再び入ることがないようにする。それができれば一番良かったのだが、そんなことができるならば苦労はしないのである。僕も僕の体の中に自分の体の中に入っている生物を僕の体の中に戻すことが出来るのではないかと思ったのだが、残念ながら、僕が僕の体の中に戻した生物を再び僕の体の中に入れることは不可能だとわかっているのである。

僕の体の中に入り込んだあの怪物は、僕から離れてしまっても僕を襲う危険性があるのではないかと考えたのだ。僕の体の中から追い出さなければならないのだから僕は僕の体の中からあの怪物が出ないように指示を与える方法を思案しなければならなかったのである。その方法は思いついた。しかし、僕の体の中にある怪物をどうやって体の中から追い出せば良いのかが問題なのだ。その問題について考えるためには僕がなぜこの場所に来てしまったのかという疑問の答えを思い出したことによってこの建物内に置かれていた物を使って解決しようと僕は思ったのである。その問題を解決する為の道具を手に入れれば僕はその問題の答えを知ることができるだろうと思い僕は自分がこの建物の中に入り込んでしまった時に手に入れた物を持っていく。そして僕達が病院の屋上に到着した時に僕は建物の中の一室で発見したその道具を使用して、自分の体の中に入っていた生命体に自分の体の中に入らせないように指示を出すことに成功する。僕はこれでやっと自分の体を落ち着けることが出来た。そう思って僕は、安心して病院のベッドで眠るのであった。

僕の体が目覚め始める。どうやら僕の体の中には僕の体の中に入り込んでいた生命体が入り込むことに失敗したらしく僕の体の中は安全である。しかし、どうやらあの化け物は僕の体に戻ってくることができない状態になっているようだと僕は判断することができたので、ひとまず安心できたのである。

そして僕が眠っている間に僕は夢を見るようになった。それは不思議な夢だったのだ。僕は誰かと会って話をするという事を繰り返し行っていて、しかも相手の顔が全く認識することができないという状況に陥っていた。そして相手の会話の内容を僕は把握できない。ただ話しているという事実だけは何故か記憶に残っていたのである。僕は相手と会う度に何度も繰り返しその人物と出会っていたのだが、僕がその相手を何度確認しても、僕の頭の中に浮かび上がってくる映像では顔が認識することができなかったのである。そして、僕が覚えていた情報というのは、声の記憶だけだ。

そんな風に僕は目が覚めるとすぐに不思議な夢の事を頭から消し去ることにする。僕としては早く妹に会いたい気持ちでいっぱいになっていたので、急いで病院に向かう事にした。しかし妹の容態はかなり悪くなっていたのだ。妹の病気はどう考えても治らないのではないだろうかと思ってしまいそうな状況である。だけど、妹の表情には悲壮感はなく、どこか楽しそうである。妹としばらく話をするうちに、妹の病の原因である病気を治す薬がこの世界に存在したのだ。その薬を妹が飲んでみたところ妹は奇跡的に病の症状が緩和し始めて元気を取り戻したのである。妹の元気な姿を僕達兄妹が見届けると僕達は退院する事にして病院を出る。そして病院の外に出た後に妹と一緒に家に帰り始めた。

しかし、その時に突然地震が起きて、僕達の目の前で地面に大きな亀裂が発生してしまったのである。僕は、このままだと危ないと判断した。だから僕は咄嵯の判断で妹の手を引っ張り妹が転ばないように努める。僕自身もかなり地面の振動の影響を受けてバランスを保つのが難しくなり始めた。妹の方に倒れてしまうのではないかという心配をしていた僕であったが何とか妹の方を支える事に成功して妹の方は無事であった。僕はホッとすると同時に目の前の状況に目を向ける。すると、妹を無事に守り抜くことができても僕は自分の身を守らなければならないような事態になってしまった事に僕は気付く。僕は自分が立っている場所を確認するために周囲を観察したのだ。そして僕が今居る場所は妹を守るという行為に集中している事で周りの状況が見えていなかった。その結果が今の僕の立場に追い込まれているのであろう。僕が居たのは病院の前である。

僕は、病院から少し離れた場所にある駐車場の方に移動することにした。その行動の結果、なんとか妹の命を救うことはできた。妹が車に轢かれるという未来は避けることができた。しかし、僕は自分が今置かれている状況はあまりにも良くないということに今更になって気付かされたのである。僕の目の前で、僕が守ろうとした存在の命が消えるところであった。その現実は変えることができないという残酷なものであることを僕自身が感じ取ってしまっていた。妹を助ける事が出来たという喜びはあるはずなのに僕の心の中を支配している感情がそれを完全に打ち消してしまったのである。

妹は病の状態から回復し始めていて喜んでいたというのに妹の病が治ったところで、その喜びの気持ちが完全になくなってしまった。その事に対して僕は妹に対して申し訳なく思うのであった。しかし、僕の妹を救いたいという思いだけで、妹は救われたのでその思いに感謝をする。

僕はこの世界がゲームの世界の中であるということは分かっていたがこの世界を現実だと受け入れることに決める。僕はこの世界に転生してから今まで、僕は妹の事を考え続けてきていたのである。この世界に来る前の妹の状態をどうにかしたいと思い、妹の体に入り込んでいる病原体を取り除いてあげたかったという思いがあった。僕は今、この世界の中で生き続けているのだ。この世界で生きる為にはどうすればいいのか?そう考えた時にこの世界に存在するゲームの登場人物としてではなく現実の人物として存在する必要がある。

ゲームの中でしか存在しえなかった人物が現実で存在していたという前例が存在しているので僕が妹のためにこの世界で生きていたとしてもなんらおかしな点は存在しないというわけだ。妹を救いたいと僕は願うのであれば、妹の為に、妹の命を守り続ける努力を続けるべきであると思うのだ。僕は、自分の妹が助かるかもしれない方法を見つけたことで、僕自身の心に安心をもたらしたのである。しかし、妹の病が完全に回復したにもかかわらず妹の笑顔を僕に向けることが無いことを思い出して僕の気分が落ち込む。そして妹の体調を回復させることができた僕に出来ることを考えた時だった。妹が入院していた病院で、妹の病気について詳しい人がいたことを思い出す。その人物は医者であり、妹は彼がいるお陰で病が完治するまでになったのである。僕は、自分の妹を助けてくれた人物の事をどうしても直接感謝を伝えたいと感じていたので僕は彼の所に訪ねる事にすることに決めたのである。

僕の名前は神崎透。

妹である神崎美月を救うため、僕は自分の体に潜り込んできた怪物を体から追い出すことに成功をした。怪物を追い出した後は僕の体の異常は無くなっている。

しかし僕の体は僕の思いとは裏腹にどんどん衰弱していく一方である。

僕が自分の体に違和感を覚えるようになったのである。そして僕は自分の体が弱り果てている事を知り、自分の体の中に入っている生物はどうなったのか気になり始めたのである。そこで僕は自分の体を診察してくれる医師を探し出して僕の体の異変を調べることにした。その医師とは妹の病気について研究を行っている女性である。彼女の名前は神埼静香と言う。彼女は僕と顔が似ているという理由で僕の面倒を見てくれていたのである。そして彼女なら自分の体がどういうことになっているのかを知っているのではないかと思って僕は彼女に自分の体の中に入っていた生命体がどんな状態なのかを聞くために会う約束をすることにしたのである。その日が来た。僕は妹の体に入る謎の生物の問題を解決する糸口を見つけ出すことが出来たのだが僕は自分の体の中に入っていた生物を僕の手で排除することはもう不可能になっていたのであった。僕には自分の体の中に入り込んでいた生命体を完全に取り除く方法は思いつかなかったのである。

「君は私の顔を見ても驚かなかったよね」

僕が、彼女の研究室を訪れると、そう質問をしてきた。確かに、彼女と僕は似通った部分が有る。だから僕が、ここに訪れたのだと思うと彼女がそう言うので僕は答えることにする。

僕は、妹と二人で暮らしている。しかし僕の両親は、僕の事を捨ててしまった。その理由についてはわからない。だけど、僕は別に両親を恨んでいるとかそういった事はない。ただ単に両親が僕に関心が無くなってしまっただけである。僕の家族は母と父と妹だけとなっている。

僕は、小さい頃に親から虐待を受けていたのだ。妹はそのせいか人見知りな性格になっている。だけど僕は、そういう環境で育ったからか他人に対する恐怖心などは一切抱かないようになっていたのである。

そして僕と妹は両親の家から逃げて、今は小さな家に住んでいる。僕は妹と二人暮らしの生活でも十分に楽しいと思っていた。

妹の顔は妹に似ている。そして、僕と妹とそっくりだというわけではない。似ていると言えば似ているが、違うと言えば全然違う。妹の外見は、幼い感じがする顔付きをしている。それに対して僕の外見は大人びている。だけど僕の顔と、妹の見た目は結構近い部分が多いので僕の中に入って来た謎の生命体は妹の姿をしていたのだろうと予測できる。僕が見た夢の相手と妹の姿が一致しているのはそのためだろう。夢に現れた相手が妹ではなかったら僕は妹ではないと判断して妹の体を治してくれた恩人に面会を申し込まなかったということなのだから。

僕は妹と同じような姿をしている存在の世話になる事によって妹の事をずっと考えていたから、妹の夢を見たのではないかとも思うのだ。

僕と妹の共通点が多すぎるので妹の姿を借りて僕の体の中に入り込んだのだと思った。妹と僕の体の状態が一緒なのは僕と妹の中身が同じ人間であるという可能性があると思えるのだ。僕はこの世界では、妹と同じ名前と姿をしている。だから僕と妹の体に元々入り込んでいた謎の生命体の中身もおそらく僕と妹の体の持ち主だった存在ではないかと考えられるのだ。だからこそ僕は、僕の体の中に入っている生物が妹に変身して僕に近づいてきたのだと感じたのである。僕の考えを僕は彼女に伝えると、「なるほどね。私と似ているから私が君たちの体を借りたんじゃないかって言いたいわけ?」と、聞かれたので、僕はそれに関して肯定の返事をして、そして妹がどうして病院にいたのかという経緯を詳しく説明した。

僕は妹がなぜあの病院に居たのかという事を詳しく知る必要があると考えていたのだ。だから僕は妹の身に何か起きたから病院に行ったのではないだろうかと思っているのだ。そして僕は、妹に一体何が起こったのだろうかという不安に襲われ始めるのであった。僕は、妹の事が心配で心配で堪らない気持ちになってしまうのである。そんな僕の表情を見て、彼女が僕の肩に手を当ててきて優しく微笑みかけて来る。

僕の事を安心させる為なのであろう。しかし僕はそれでも不安は消えず、妹の安否を確認する為に病院に向かい始めた。そして僕が妹の元にたどり着いたとき、妹の容態がかなり悪い状況に陥っていたことに気がついて妹の手を掴んで必死に妹の意識を呼び戻そうと声をかけるが一向に妹の反応がないのであった。妹の表情は、どこか苦しげな様子で妹は今にも息絶えてしまいそうな状態である。僕は焦るばかりでどうしたらいいのかわからなくなっていたのである。

妹を助けることができる方法があるはずだと思い僕は自分の体に寄生していた謎の存在を追い出した後のことを思い出す。その時に、妹が入院していたという病院の存在を思い出して妹の体の中から病原菌を取り除くために薬を投与してもらうことを僕は妹を助ける方法に思いついたのであった。僕は、すぐに妹を病室に連れて行き、妹の体から病の元を取り除けるように医者に頼んだのだ。僕は医者に頼みこみ、なんとか妹の治療をしてもらえたのである。そのおかげで妹の身体の病は良くなり始めた。

しかし、妹の病は完治したにも関わらず彼女は目を覚まさなくなったのである。僕はそのことが不思議で仕方がなかった。普通は、目がさめると思うのだが彼女は眠り続けているのである。僕にはその原因が全くわからなかったのである。

僕が、彼女の様子を見ていると、突然、僕の目の前にゲームの中に登場する人物たちが姿を現した。それは僕のゲームの世界における仲間の存在である、僕のパーティの仲間たちだ。この世界に存在する仲間の一人がこの部屋に突如として現れて来たという事だ。

「お前が妹のことを助けてくれた奴だろ」とその人物が僕に言ってきたのである。どうやら彼は、この世界に存在する勇者の仲間らしい。僕は彼に妹のことについて話を始める。すると彼が僕に対してこんな事を聞いてくる。

「俺はあんたが妹を助けてくれたという話を聞いたから妹に会いに来てやったぜ!妹が俺のことを覚えていなかったのはちょっと残念だったが」と言う彼だが妹は既に僕の妹ではなく、彼の妹である美月に変わっていたのだ。そのことを僕は伝えることにした。すると彼は僕の言葉を聞き納得すると同時に少し寂しそうな顔を浮かべていた。どうもこの世界においては妹の事を忘れてしまっていたようで僕は妹の事を伝える。

妹の病気の事について僕が知っている事を全て話し終えると彼は真剣な表情になって僕に話しかけてくる。

「実は妹の事で一つ問題があるんだよ。妹が病気で倒れた原因は俺のせいでもあるかもしれない。妹の病気の原因を作り出した張本人なのかもしれねぇーんだよ」と言うので僕は驚いてしまう。妹の病気についてこの人が関係しているの?どういう事?というかそもそもこの人は誰なんだろう?と疑問に思ったので僕はこの人物がいったいどういう存在なのか尋ねる事にした。すると彼は答えてくれる。

「そうだなぁ、妹の体に乗り移った怪物っていう存在がいるだろ?そいつに妹の体を奪われたんだ。そして怪物に体を乗っ取られたまま妹が死ぬのを待つしか出来なかった。だけど妹が死にかけてたときに、妹の体に入り込んだその寄生虫みたいなものが妹を救う方法を教えてくれたのよ。そして俺はその方法を実行に移した。その結果妹が助かったんだけど。その後が問題だ。妹が助かった後、妹の体の病は妹から抜けていったはずなのに妹の病は治ることが無かった」と言い出す。僕は、彼の言っている事を理解できるけど信じられない。だって病が完治しないって意味がわかんないし。妹は病が完治して元気な体になったからこそ病院で寝ていたのだから。

僕がその言葉の意味を理解することができないので困惑していると、その人物が僕に質問をしてくる。「それで、妹は今どこにいるのか知ってるか?」という言葉を言われて僕は答えるのである。

妹の居場所ならよく知っていると、妹は病院から抜け出し、僕の家に住んでいるのだと僕は伝えた。そうすると、彼は「へぇ。じゃあ会えるじゃんか。なら早く妹と話をさせてくれ!」と僕に伝えてきたのである。僕は、彼を僕の家の中に案内することになった。妹と会うと妹が「あっ、兄さんお久しぶです」と言ってきた。僕も「うん。お久ぶり。ところで、そちらの方はどなたかな?」と聞くと妹が答える。

「この人は私の体に入り込んで私の体を操っていた怪物の正体だよ。私はもう二度と私の体をこいつに奪わせるような事はしないって誓ったからもうこいつとは縁を切ったから安心してくれていいんだからね。私にはまだやるべき事があるからまだこいつの事を信用することは出来ない。まあそこのところをちゃんと分かってほしいからここにやって来たって感じだから」と言うと妹にそっくりな顔立ちをしている男性が、「おい、勝手に話を進めるなよ。別に、俺が悪さをするような存在じゃないことはわかっているくせに」と言ったのである。

僕はこの二人が何の話をしているのか分からずに困惑してしまった。だけど妹は理解しているみたいで、そして妹はその人の事を受け入れているというか受け入れて貰えた事が嬉しいようだ。僕が二人に質問をする。

二人はどうしてここに来たのかと僕は、その質問をした。そして僕が二人の話を聞くことになる。そして妹の病が何故妹が倒れてしまった原因なのかも分かったのである。そして僕は二人にお礼を言った。妹の病は妹の体内に入り込んでいたあの化け物が作り出していたという事もわかり僕は妹の命を救ったのがあの人だと知ったのだ。僕は二人に感謝の気持ちを込めて二人を家に泊めることにしたのだった。そして妹の病が何故か妹の体に巣食ったのかを僕は聞いた。

僕たちはまず最初に僕の体から妹が寄生された原因を調べようとした。

僕は、自分の体を調べる。

特に何かが体に起きているというわけでもなく健康な状態になっている事が確認できた。

妹の方も僕と同じように特に何も起きていない状態だったのだ。

しかし僕の妹の体に謎の生物が入り込み寄生していると判明すると妹の体の中に入った生き物を殺すために薬を使って妹を助ける事を試みた。僕は妹の為に一生懸命に頑張ったのである。

僕は妹の身体の中に入っていた謎の生物の死骸を手に入れることが出来たのである。

僕と妹は、この生物の体の一部を手に入れた事により謎の生命体の力を利用する事ができるようになったのである。

謎の生命体は、自分の体の一部を持っている相手と精神を共有する事ができ、更に相手から力を引き出して使用することが出来るようになっていたのだ。だから妹の体内に存在していた謎の生命体と精神を一体化させて、相手の体の一部を妹が手にいれれば妹の体からその生物を取り除く事が出来るかもしれないと僕と妹はこの生命体の能力を活用して妹の体からあの化け物を引き離す為に行動を開始することになったのだった。

妹を助ける為には妹の中にある謎の存在が必要不可欠なのだ。

僕はその事実をあの人と妹に伝える。あの人も僕の言葉を信じるという事を僕に伝えた。そこで僕は彼に、あの人が一体何者なのか聞いてみる。するとあの人は自分があの妹の病を作りだしてしまっていたのだと語った。つまりあの人の正体は僕の妹の命を蝕んでいた元凶である事が判明したのである。それを知って、僕はあの人を絶対に許さない。

僕は、この人が本当に妹の身体に入り込んでいた生命体を生み出した人物なのだろうかと僕は疑っていた。

そして僕はその事について問いかけるとあの人が「お前は俺のことを信用できないのかもしれねえが。お前の妹は、この俺が妹の身体に住みついた謎の生命体を生みだしてしまったんだ」と答えた。僕がそれを信じられず「証拠は?そんな事言って本当は僕を騙そうとでも考えているんじゃないですか」というと妹が「それは違うよ。私が兄さんのところに行こうとしていたら偶然にもこいつが居てさ。そいつが私に色々と情報を与えて助けてくれたんだよ」と答え、妹の言葉を聞き妹を信じられないでいた僕に対して妹が「確かにあいつはあんたの身体に潜んではいた。だけど今はあいつの力は使えないのよ。私達が、あいつが生み出したその病原菌を駆逐してやったんだから」と答えたのである。

どうやら妹は妹の身体の中に存在している奴を倒す為に奴を妹の体から追い出すために薬を投与したりして妹を助けていた。妹の体に巣くう虫を退治していたのである。妹が奴に体を支配されている時は、妹の体は妹の意識に関係なく妹の肉体が動くようになっていて、妹の意志が反映されない状態で、僕の目の前で僕の知らない妹の姿を何度も見せられてしまい僕は絶望に打ちひしがれそうになってしまうが妹の力を借りてなんとか妹の体を支配する存在を追い出すことに成功させたのである。

だけど完全に倒すことができなかったため、僕は妹を病院に連れていき、医者に妹の病気の治療をしてもらうことにした。だけど治療が終わってからしばらくすると、妹の病は治ったというのにも関わらず妹は眠り続けてしまって起きることがなかったのである。どうやら妹の体に巣食う虫の残党を完全に消滅させることができていないようだった。妹の体を操っている虫は、妹の中で生き続けていたのだ。

どうすれば妹の身体を支配している存在を再び妹の体の中から追い出すことができるのだろうかと考え込んでいると、僕の頭に突然浮かび上がったことがあった。

それは妹の身体の中に存在する寄生虫と妹の心と一体化して妹の中に存在している存在と妹の心を切り離したら妹を救い出すことが出来るのではないだろうかという考えが僕の頭の中である考えを生み出していたのである。その事を伝えると妹の心に居るというその寄生虫を妹の中から追い出せるかもしれないと僕の考えを二人に伝えてみたところ二人に同意されると同時にこの世界に居るという他の勇者の仲間に協力してもらって妹から追い出して欲しいという頼み事を行う事になり僕は仲間達と協力して妹に取り憑いている寄生虫と戦う事を決意した。妹の心の中に入っているその寄生虫は僕に襲い掛かってきたのだが僕は、妹の体の中に存在している寄生虫を妹の体の中から引きずり出し妹の体から排除する事に成功したのだった。妹の体の中に巣くっていた謎の寄生虫との戦いは僕の勝利で終わったのであった。

僕は、この謎の生命体を駆除することには成功したものの、妹の身体の中に存在していたこの寄生虫は死んでいなかったので、この寄生虫は、妹の体に宿り続け妹の身体を支配し続けるだろうと考えた僕は妹に寄生虫を倒せたと嘘をつき妹を救えたかのように振る舞っていた。

そして妹の体の内部に巣くっていた謎の寄生虫が完全にいなくなったことを妹に告げた僕は妹から寄生されていた妹が病気にかかった時に飲んだ薬の効果により僕の体が妹の体から解放されることを説明したのである。妹から寄生虫の体を引き剥した事で妹の病は完全に治ってしまったと妹に伝えてみたが、妹は僕の言葉を聞いた直後泣き崩れたのであった。僕が妹に話しかけようとすると、妹に近寄ろうとしていた人物が声をかけてきていた。

「妹よ。久しぶりだな。俺はおまえに会いたかったんだよ。だけどもう大丈夫そうだな。俺の役目はもうこれで終わりのようだな。俺はまた新しい仕事を見つけなきゃいけないけど頑張るぞ!これからは俺の事を忘れて自分の人生を楽しんでくれ!」と言い、彼は去って行ったのである。彼の姿が見えなくなると僕は彼にお礼を言えなかった事に気付いてしまう。僕は彼に感謝をしている。だけどその気持ちを直接伝えられなかった事に少しだけ悲しさを感じていた。彼は、自分の仕事はもう終わったのだと僕たちの前に現れてから一言も喋っていない少女に向かって伝えていた。

そして僕の目からは涙が流れ出してしまう。妹の命を救うために僕は必死になって戦ってくれたのだ。その事実に気が付き感謝を伝えられずに終わった事が僕は悔しかった。僕はこの場に妹と一緒にいるこの世界の魔王を名乗る男性に僕は頭を下げてお願いをした。この人に、この世界の人たちに、この世界の住人達に、僕たちが今までに体験してきた出来事を語りたいと伝えたのである。

するとその男性は快く承諾してくれて、この僕が話をしている間は、他のみんなに自由時間をあげるとまで宣言してくれたのだ。僕たちは今度この世界で起こっている事件について話し始めようと僕は決意を固めた。そして僕は僕が知っていること全てを彼らに話し始めたのである。

僕は妹の体に巣食う寄生虫を倒すことに成功した。妹が助かるのかどうか不安だったが妹の体内に入り込んでいた謎の生命体を駆除することができたことで僕はほっとした。

妹の身体に巣食っていたその虫の残りが僕に襲いかかってくるが僕はそれを倒したのである。

僕は妹の体の中に存在していた虫を駆除することに成功したのだった。妹が無事だということを確認する為に僕は、妹の体に触れる。妹の体は、とても冷たくなってしまっていて僕が触ったところで全く暖かさを感じられなかった。妹の命が失われてしまったという事は僕が理解する。しかし妹の死を認めたくない。だから妹はまだ生きていると思い込みたいのだ。しかし妹の体に残っていた虫は、妹が死んだという現実を受け入れなければならないということを僕に伝えるように、妹が息を引き取る瞬間に残した最後のメッセージである、あの時の光景を見せつけてくるのである。

妹が僕の方を見て、嬉しそうな表情をしながら、あの言葉を僕に残して逝ってしまう場面が脳裏に焼き付く。

妹が死ぬ間際に放った言葉、

『ありがとう兄さん』

という言葉が僕がこの世界に来る前からずっと聞き続けてきた言葉だったので、この場面で、この言葉を僕に対して言い放ちながら妹の体の中に存在していた寄生虫に殺されて命を失ってしまった妹の姿を目の当たりにした僕の精神は耐えられるわけがなく僕は絶望感に囚われてしまう。妹の死は絶対に受け入れないといけないものだと分かっている。だけど妹の死体を前にしても僕は妹の身体を抱き寄せた。

妹は死んでしまったけれど妹が最後に遺してくれた想いを受け継がなければならないのだから、僕はこの世界に転生して得た力を使おうと思ったのである。僕の妹を助けてくれようとした人達は皆一様に僕の力を使えば妹を助けてくれるかもしれないと言っていた。妹を助けようとしていた人の中で僕が最も尊敬している人の力を借りればきっと妹の命を取り戻す事が出来ると僕は確信していた。だから、僕は妹の体に巣くう寄生虫を妹の体から取り出した後に、この異世界で出会うことになる、僕の尊敬する師匠の元へと向かおうとした。するとその時、僕の目の前に、突如として謎の光が降り注ぎ僕の目の前で魔法陣が展開されたのである。

「勇者君が、妹ちゃんの為に私に力を貸してほしいと言っているね。妹ちゃんを救うのに私の力は必要かい?」

僕が妹を救えるのか尋ねてみると彼女は微笑み、妹の病気を治せるという事を僕に伝えたのだった。僕にとってそれはまさに救いだった。

妹は彼女の事を信用し、彼女に僕の大切な妹を任せても大丈夫なのか判断してもらうために妹は彼女に全てを話し始めたのである。僕の妹が病魔に冒されているという話を聞いた時はとても心配になったのだが、彼女に任せていれば妹は元気になるはずだと確信していたので、安心出来た。彼女が言うに妹の身体に巣食う病の原因を駆除するには時間がかかるらしい。だけど時間が経てば妹が死ぬというわけではないと説明を受けた。

それなら、僕の力でなんとか出来るのではないだろうか?そう思い、妹の体の中にいた奴に妹を傷つけられた仕返しをする為にも僕の力で妹の体内に存在している謎の生物を排除するためにも僕は彼女の力が必要になり、協力を求めたのである。すると彼女は「君の願いを聞き届けたよ。君は、私から、何かを受け取り、そして私から借りることになるがいいのかな?それでも構わないのであれば私は全力で協力しよう」と言う。僕は迷いなど無くて「お願いします」と答えたのである。僕は彼女との繋がりを強くして、そして僕は彼女に力を貸すことにして、僕の中にある能力を発動させた。僕がこの能力を使えるようになるためには僕の魂を彼女に渡さなければならない。その条件を僕は満たしたので、妹を救うための切り札を手に入れた僕は彼女を妹のもとに送り込むことに成功する。妹を救い出せるという自信があるとはいえ、僕の手から妹が離れてしまっては、この作戦は成功しないのである。

だから僕は、妹を救ってくれた女性に、僕は自分の体にある魔力を渡したのであった。すると女性は、妹のもとに向かい僕の妹に巣食っていた寄生虫を排除してくれた。そしてその後、妹を助けることが出来たと教えてもらうことができたのである。

僕の予想通りに、妹の身体の中に巣食っていた寄生虫は、妹の身体から離れてしまい、僕は妹の命を救うことができたのだ。妹が病に犯されてしまい死にそうになっているところを助けてもらった僕だが、僕にはやらなくてはいけないことがあるのだ。妹の命が救われたと分かった以上、妹の命を奪おうとした犯人を捕まえなければいけない。

妹を殺そうとした人間が、妹を殺したという事実が判明した場合、妹の体の中にはまだ、妹の肉体の中に居た虫が存在していたのにも関わらず妹を殺してしまったのである。妹の体の中にいたその虫は、妹の体に潜み続けていた。そんな虫が存在している状態なのに、妹が殺されたのは、妹の体を操り、妹に死なないでほしいと僕に願わせて妹の身体を支配しているこの国の王の指示があったからだろう。妹の体の中に巣くっていた謎の虫が僕の事を見下すような視線を向けてくる。僕は、その虫に向かって殺意を込め、僕のスキルを試してみる。

【聖剣創造】という僕にしか使えない僕のオリジナルのユニークスキルを使用することにしたのであった。そして僕は自分の能力を使用し、聖剣を創り出していく。その能力は、どんなに小さなものでも、僕の手元に現れる。その大きさを調整できるわけではなくランダムで武器が現れるといった感じなのだ。この世界に存在する、どの種類の武器にも属さないような、僕の創作物である。僕が作り出したのは、その形は刃の部分に複雑な模様があり、その部分から紫色の液体が滴っている。そして刀身の部分は非常に細く、まるで針のようである。この細い部分が相手の身体に突き刺さると、毒の効果が付与され、相手に大ダメージを与えることが出来るのだと僕が生み出したその剣を見た妹は驚いていて、その効果に興味を示していた。

妹の命を救ってもらい感謝しているし、僕は妹の病気を治療してもらった恩があるので妹の身体の中にいた謎の虫が、僕の身体の中に潜り込もうとしてくるその行為を阻止することは当然の行為だと思う。妹の体の中から寄生虫を追い払う為に、妹の体に入り込んできたその虫を倒すために妹の体の中にいるその虫を殺す必要があったのである。僕は、妹の体に巣食う虫と戦う前に僕は、妹の体に入り込んでいた虫に対して僕自身の手でその蟲の体を切り刻んでいくことにするのだ。そして、その切り刻んだ体の一部を、妹の体に寄生していた寄生虫がいると思われる場所に僕の手で押し込んだ。しかし何の反応もないのである。寄生していた筈なのに何も抵抗をしてこない事に違和感を覚えた僕だったが僕の目の前にいたこの世界の王様が突然笑い出し、「残念ながら君たちの勝ちだね。だけど私はただでは殺されないよ!」と言って僕が作り出した武器の刀身に、指先を突き立てたのである。僕の作ったこの細身の短剣はその程度の攻撃では、折れることは無い。

その事が分かっていても僕たちは警戒しながら、謎の人物の攻撃に対してどう対処すべきか迷ってしまった。

「お前は何者なんだ?」と僕が謎の少女に対して問い詰める。謎の人物が「うふふ、知りたい?」と言いながら僕の質問に対して答える気がないように見え、少しイラッとした僕だったがその謎の人物に対して僕の妹が、攻撃を仕掛けたのである。謎の人物は、妹に手をかざすと一瞬のうちに妹が作り上げた、槍が砕け散ってしまうのを目撃する。僕は、謎の人の持つ力がどれほどのものなのかを確かめようと思い、謎の人に近づき攻撃をしようとしてみたのである。しかしその時にはもう既に謎の人物は僕の横をすり抜けていた。

僕よりも速いスピードで動き回るその人を追いかけ回して捕まえようと試みるが一向に捕まる気配が無い。しかしここで諦める訳には行かないのだ。僕の目的はこの謎に満ちた人物を捕らえる事なので逃げられるのは都合が悪い。僕が追いつこうとするたびに僕の行動は遅くなるし体力の限界が近づいてきて疲れてくるのを感じる。僕より素早いその人物を追い続けるうちに僕の体は、疲労感に包まれてしまったのである。僕の体は、この世界に来る前から身体能力が高かったこともあり、この世界に来てからでも、そこまで激しい運動をしていたわけではない。

それにも関わらず僕にここまで体を動かす負担をかけてしまう相手というのは本当に珍しいと思う。僕の妹も僕と同様にこの謎の人の動きについていけていない様子だった。僕が妹の方に気を取られて、気を抜いてしまい謎の人物を取り逃してしまうと、妹は僕の傍にやってきた後で僕に対してこう告げたのであった。「お姉ちゃんがあの人のことに集中してる間に私があの人を魔法を使って追いかけるね」と僕にそう言い放つと妹の姿がその場から消える。

僕に妹の魔法に気づくことは出来なかった。僕の視界からは妹の姿が消え去っていたのである。僕が妹の姿を確認出来なくなってしまったのは、僕の認識できない速度で妹の移動が行われているからなのだろうか?そう思い僕自身も謎の人物に対抗できるように速度を上げて妹の元に向かうが、妹の所に辿り着くまで、僕は妹の足取りすら掴むことが出来なかった。僕は妹に追いつく事は出来ないと判断した僕は妹を信じるしかなかった。僕は謎の人物である謎の少女が逃げた方角を妹に教えてもらう。すると妹の身体に宿っているその謎の人は、妹と一緒になって僕に攻撃を放ってきた。その攻撃は妹の魔法による攻撃のようで妹も僕の知らない魔法を使っているようだった。妹と、その謎の人物との連撃は、お互いの力のぶつかり合いによって発生する衝撃波のせいで僕はまともに前に進むこともできず、そして妹達から繰り出される魔法の応酬により辺り一帯が焼け野原のようになっていく。僕は妹と謎の人物の2人に対して僕の妹を守るように指示を出すと僕は自分の身を守るために防御に徹したのであった。僕が生み出した僕のオリジナルの聖剣は僕を守ってくれるのだがそれでも衝撃に耐えられずに僕はダメージを受け続け、どんどん僕の体力は奪われていく。

妹の魔力は底を尽きかけており、妹の魔力が無くなれば僕達は敗北するのは目に見えていたので、僕には、僕自身が作り出したこの謎の少女の正体を見抜く為にもこの戦いは絶対に負けられないのである。妹の力だけでは勝つことが出来ないと判断した僕は妹の体に寄生しているその寄生している寄生虫の力を僕の力で引き出す必要があると感じたのだ。その為に妹の魔力が無くなりかけると僕が代わりに戦うことにした。そして妹の身体に寄生している謎の人物は妹の体内に潜んでいた謎の寄生虫に力を奪われてしまい倒れこんでしまうので僕はそんな彼女を地面に倒すとその体を地面の中に引きずり込むことにしたのである。その行為で、謎の寄生虫に僕達が勝利する事に成功した。僕は謎の人物の身体を拘束してから、謎の女性に「あなたの名前を聞かせてください」と、話しかけたのであった。

「あらら、私は名乗るほどの名前はないわよ。私はあなたの願いに答えてあげてこうして妹の中に入り込んでいる虫の退治に協力をしたわけでしょ。その私の願いを叶えてくれた見返りが欲しいとは、欲張りなのよ貴方は」と言う。

僕にはまだ聞きたいことが残っていた。「それなら何故僕の妹は死なずに生きていられたんだ?僕は自分の能力を使う時に妹を助ける事が出来ると確信していたがそれは一体なんでなのか、説明してほしい」

僕は彼女に僕の能力の使い方を説明することにしたのである。

「私だって詳しい原理まではわからないけれど、君の能力を解析してみて、君の中に存在するスキルの効果を応用させれば妹を助ける事も出来たかもしれない。だからその可能性については私は否定するつもりは無いのよね。それに、君は自分の力で、君の妹の命を繋ぎ止めることが出来たという事なのだから君は妹を救ったということになるじゃないのかな。君がしたかった事を成し遂げただけなんだからそんなに悲しそうな顔しないの」と言われたのだ。僕はそんなことを言われるなんて思ってなかった。そしてそんな風に言ってもらえるなんて考えてなくて僕は少し泣いてしまったのだ。そんな事を言った彼女は、僕の頭を撫でてくれるのだ。そんな状況の中妹は僕の方を睨みつけていた。そして僕の身体を殴ったのである。その行動の意味が分からない僕だが殴られても痛くないのでそのまま妹の攻撃を受け入れることにした。すると僕の体が光輝き始めたのである。その現象を見た彼女が驚いていたが僕もその現象を見て驚いてしまう。僕の中で眠っているスキル【剣聖】が目覚めて僕と一体化し始めたのである。僕は【剣聖】の能力を手に入れたことにより剣聖化することができたようだ。【剣聖】に目覚めたことによって身体能力が上がり、僕の能力が進化を始めたのである。その結果僕の【聖剣創造】に聖剣の複製が可能になったのだ。その事に喜んだ僕であったがその喜びはすぐに冷めることになった。なぜならこの能力を使っても僕は、僕の作り出した剣が本物と同じものを作り出すことが出来るわけではなかったからである。僕の作り出したオリジナルの能力である、能力創造が生み出した能力なのだから当たり前の話ではあるが、この世界にはオリジナルは存在しない。なので僕には作り出すことしかできなかったのであった。しかしそれで十分だった。僕が作った偽物の武器は本物よりも遥かに強い。僕の武器はこの世界で最強の力を持つことができるのは間違いない事実なのだ。

僕の能力は、使い手の技量を反映させる。僕自身の強さがそのまま反映されるのであれば、僕に勝ち目がないような強者は僕の作る武器は通用しないが僕の作った物で勝てるのであれば僕が最強だという証明ができるだろうと思った。僕の持っている能力は、僕の想像力に依存するところが大きい為僕の想像できる範囲でしか僕の作ったものは生み出せないのだ。僕のこの能力はあくまでも僕の中の妄想を元に生み出されている為に、僕の想像力を超えるようなものを作ることが不可能なのである。

僕のこの力が本物と違うところといえば性能を比べてみた時明らかに僕の方が劣っていたのは確かだった。僕の作り出した武器は僕が今まで使ったことのある武器を模倣することで僕の作ったこの剣も、剣聖の力が込められており剣神の称号を得ている僕の作り出した剣と同等の力を秘めていることだけは確かなのである。僕は僕の作った剣が本物のように使えるのならば僕の力が通じない相手にも、通じる可能性があるのではないかと考えた。そして僕は、僕の体の中に眠るこの世界に転生する際に与えられた能力を発動する。

その瞬間僕の体の力が増幅された。そしてその力を実感できた。僕自身ではどれだけの力を持っているのかを確認することができないが、僕には剣の達人として得た称号がありそのおかげでこの世界で手に入れたスキルが自動的に僕の身体を強化してくれたのである。僕の体に宿る【龍眼の加護】がこの世界を救ってくれるようにと僕に対して祈っており、その祈りによって僕に力を貸してくれていた。この世界にいる限り僕は常に力を得ることができ、僕の強さの上限は上昇し続ける。

そう、これが僕の異世界生活の始まりだったのである。

僕に勇者の力が覚醒したことにより、僕が作り出したオリジナルの剣でも十分に通用することを確認し終えると僕は妹の体に宿っている虫を倒すために再び行動を開始したのであった。

僕と、妹が協力して、謎の人物の体を地面の中から救い出そうとしたが謎の存在が、地面から出てくることはなかった。どうやら謎の人物の体は完全に地面に飲み込まれてしまっているようだった。しかし妹の魔法によって地面に大きな亀裂が入り僕はそこを突き破るような形で地中の中に入っていくと妹の方に手を伸ばすのであった。

僕が手を伸ばしたその先で、妹の手をしっかりと掴むことができたのだが僕の手に妹の温もりを感じることは出来なかった。僕の手が掴んでいる妹の体は、謎の人物が妹の中に潜むのに使っている、その妹の体内に存在する、謎の人物そのものであって、僕の妹の肉体ではないのだから。僕は妹が、その体から抜け出す手伝いをしながら妹に、僕の考えた事について話をすることにした。妹の体内に寄生するその人物を倒せば僕の妹を助けられるのではないかと思い僕は、妹の中にいる人物に対して妹の体内から出ていくように指示を出すが、一向に僕の話を聞いてくれることはなく妹の体内を動き回ったりしていた。そして僕が妹の体内で暴れ回る存在を抑え込むことに成功した時には妹の体から出てきた寄生虫を完全に押さえつけることに成功しておりその寄生虫を消滅させる事に成功すると、僕と妹の力を合わせた技によって寄生虫を退治する事が成功したのだ。

その後で、妹の体から無事に出ることの出来なくなっていた、妹の中に入っていた人物は僕の手によって外に連れ出されるとそこで初めて彼女から名前を教えてもらったのであった。彼女は自分のことを僕達と同じく地球からの転移者であるということ。そして僕達が今いる場所が自分のいた世界での、未来だと言う事。そして最後に自分がこれから起こる出来事についても教えてもらう事が出来たので僕はその情報を手に入れることが出来たのである。まず最初に、謎の人物を妹に取り憑かせた原因でもある、この世界の敵。その存在の名前は悪魔で、その名前が魔王という事も教えてもらうことが出来た。そしてその魔王と呼ばれる悪魔の王が、僕の目の前にいた少女だと知ることになるのであった。

「お姉ちゃん。あの人が本当に悪魔なの?」

妹は僕の言葉が信じられなかったようである。

「ああ。間違いなくあいつは俺のいた時代に現れた時のあいつと変わらない姿と雰囲気をしていた。あいつが魔王って事は本当だと思うよ」と僕は答える。

僕と妹の会話に割り込んできたのは僕の中に存在しているもう一人の存在である【聖剣聖】の加護である【魔導剣士】だった。

(君が言う通り彼女が君が元いた時代に居た悪魔であることは間違いないだろう。だがその力の片鱗を見ただけでわかるが彼女は恐らく全盛期の私と同じくらいの力をもっているはずだ。つまり、彼女の力はまだ半分も出していないはずなのだ。彼女が本気を出したとき果たして今の君に勝機はあるのかね?)と言われてしまった。僕はその言葉を受けて、自分の中にある力を、自分自身に鑑定をすることで確認できるのだが僕のステータスを見て驚いた。僕自身が思っていた以上に僕は強かったのだ。そして僕が思っているよりも僕は圧倒的に強くなっており僕自身の成長速度にも驚きを隠せないのであった。僕は妹の体内に存在していた人物から聞いた情報を、全て僕に知らせる事でその謎の少女は消えてしまう。妹の中に存在した謎の人物の正体は僕のよく知る人物であった。それは僕と血を分けた双子の姉妹である僕の妹の【黒江優梨】であったのである。

その事を僕が理解するのに時間は要らなかった。何故ならその妹の身体は僕の身体のコピーであり妹が僕の事を「私の大好きな人」と言っていた意味がやっと分かったからだ。それは僕の分身で、妹で、僕の愛する人で、愛している女性だということを理解したのである。

この世界に飛ばされてきた時に妹が僕の事を好きだと言う事を聞いていたから、僕の中に妹の存在があったとしても不思議ではなかったのかもしれない。

「ねえ。貴方は何が目的でこんなことをしたの?それに私が知っているこの子とは性格が違うようなんだけど貴方は何をしたいのよ?まさか、この子が貴方を好きで、この子の想いに応えたいとかそんな下らない理由で妹を乗っ取って好き勝手に振る舞おうとしていたとかそんな事を考えているんじゃないでしょうね」

その女性は、妹が僕のことを好きな事を知っているようだが妹に自分の意思を、身体を奪い取られているこの状況に怒りを抱いているようで、僕の質問には答えてくれない。それにしても僕が、妹が好きだなんてことを言い出すとは一体この子は何を考えて僕の前に現れたというのだろうか。

僕の事を好いていると言ってくれていたことが事実なのは確かだったがその事を伝えるためにわざわざ妹を使って、僕の事を聞き出そうとして僕の前に姿を現したとは思えない。そもそも妹には僕に好意があるなんて素振りすら見せていないし僕の気持ちだって伝えているのにどうしてこのような事態に陥ったのかは正直分からないが妹の体を奪って、僕の妹と入れ替わる事で、妹と入れ替わったことで、妹の人生を奪おうとするなど絶対に許さないのである。

「おい。僕の大切な家族をお前が奪うことだけは僕がこの世界にやってきた理由に反することだ!僕の妹に危害を加えるのであれば僕は決して容赦しないぞ!」と僕の目の前に居る僕に瓜二つの女の子に怒号を発するのであった。僕も相当焦っていたんだと思う。

妹と瓜二つな女の子が妹の名前を知っていて、妹の名前を呼んでいたからである。しかもその声には懐かしさを感じたがそれが何かまではわからず。僕が発してしまったこの言葉で妹の顔は少し悲しげなものになってしまった。まるで僕が悪いことを行っているかのように。

僕の叫びを聞いて彼女は、僕に攻撃を開始する。妹の姿をしていた女の子に突然切りかかられたが、それをギリギリのところで受け止めることに成功する。そして僕は彼女と戦闘状態に入ったのであった。しかし妹が戦っている姿を見て、この子を倒さずに済ます方法を思いついたのである。

僕が考えついた作戦を実行に移すためにも、彼女と戦って隙を突く必要がある。僕は彼女の持っている刀の攻撃を受け流しながら攻撃を繰り出す。妹と同じ容姿をした彼女に攻撃を仕掛けるのはとても抵抗があったが今は、彼女をどうにかしないと僕の妹が大変な事になることは確実であり。妹の為にも全力を持って僕は立ち向かう事にする。

僕が剣を振りかざすと、妹が僕の動きに合わせて剣を振ってくる。

僕は、僕の目の前に存在している、妹とそっくりのこの子を倒したくないと思いながら僕は剣を振るい続け、なんとか妹の意識を失わせる事に成功するのであった。

僕は、僕自身に向かって、妹を殺さなかったのかという問いに対して、妹に問いかける。

(妹さんに、この場で起きたことを、全て話してもらえるかな?)と僕にそっくりの女の子は妹に向かって話しかけるが妹は怯えてしまい、話すことが出来なさそうだった。そこで僕は、僕の身体の中に宿っていた、もう一人の存在である【魔導剣士】と【聖槍使い】を呼び出し事情を聞くことにする。そして僕の口から妹に説明してもらうことにした。僕と妹はこの世界の神様がこの世界で生きている人たちを、別の世界で生活できるようにしてくれるという、いわゆる異世界転移が出来るようにしてくれたのである。そして僕がこの世界で転移したのは妹の身体を乗っ取らせていた謎の少女が僕たちの前に立ち塞がったため、それに対抗するためであるということを話したのである。

「それで僕はその謎の少女と戦おうとしたんだけどその謎の少女の体の中に寄生していた妹の体の中の謎の人物から僕の事を、好きだと言われたんだよ。その告白を断ったら妹を、その謎の人物が妹に寄生させるのを手伝ってくれていたらしい。そして妹の体から、妹の体を返して欲しいと頼まれたんだが、断った。そして妹に剣を向けたのだけどその時に妹と僕の妹の声が聞こえたから僕は妹の体を奪うのをやめるように説得をしようとしたら、僕の妹は何故か僕の体の中に入ってきていて、その瞬間に僕の記憶や能力が全て奪われると同時に妹が僕の中に宿ることになったというわけなんだ」

僕は僕が話せる範囲内で、妹の事も含めて話をする事にしたので僕の言葉を聞いている二人は納得してくれているようだった。

僕の妹は謎の少女によって寄生され操られていると僕は判断をして謎の少女と戦うことを決意すると謎の少女を僕の力で倒してしまう。そこで謎の人物は僕の中へと入り込んだ。そこで僕の中に存在していた二人の加護が僕の体の中に入ってきた少女は僕の力を吸収し始めたのだ。そこで僕は僕の体内に入り込んでくるその少女に対して僕の体内に存在する僕の力を全て放出するように指示をする。そして僕の体の中で、少女が苦しむような動きを見せた。僕の力を受け続けた少女の体の中からは煙のような物が出てきており、その少女は徐々に弱り始めていった。僕はその様子を見ていたので僕の中に存在している二人から提案があったので、僕が今行っている方法を止めることにすると、次第に少女の体から出てきた煙がなくなり始めて行きそして最後には体の中の空気を全て吐いたのではないかと言うくらい、大きな音を響かせて、その女の子は完全に動かなくなってしまった。その様子を見ているうちに妹の体に潜んでいた謎の人物が僕の身体の中から出ていき僕の元に戻ってくる。

僕がその光景を見ていることしかできなかったが僕の妹である謎の人物を救えたことに安心すると僕は僕の中に戻った、妹に呼びかけることにしたのだが、どう見ても僕の妹には見えず、僕が助けたその人物の中身が妹だとは全く思えなかったのだが僕のことを見つめてくるその人物の瞳を見て僕の事を本当に兄として認識しているということと、僕のことを好きなんだと改めて実感した。それと同時に、僕が守れなかったその少女の命が失われなかったことに感謝したいと思った。その後で僕はその女の子の体を僕が鑑定することにした。僕はその人の事がとても心配になったからだ。そして鑑定した結果驚くべき結果を知ることになったのである。

まず、その女の子の名前は【佐藤一輝】で僕と同年齢の17歳の高校生であることが分かった。

僕はその名前を見て驚きを隠せなかった。何故なら僕は僕と同じ苗字を持つ人が存在するとは思いもしなかったからであった。そして僕が妹だと思っていた少女が、実は姉であったことが分かり僕に姉がいた事も知らなかったから尚更驚きを隠せないのである。その姉の外見は妹の黒江優梨とは違い。身長は高く165cmほどありスタイルはモデル体型でスラッとしているのに胸の大きさもあり女性としての美しさを醸し出している美人さんであり、妹と同じく長い髪の毛をしていて、顔立ちはとても整っており、綺麗な女性であることは間違いがないのだが、その女性は僕のことを、弟ではなく、僕を男だと思い込んでいる節があるのだ。しかも僕を異性としか見てない感じなのだ。それはなぜかはわからないが、そんな女性がいるなんて僕は想像もしていなく。その女性は僕に惚れてしまったようである。しかもこの世界に来て初めて会った僕が僕の弟の【海崎翔】だという事を知って僕に対する感情が変わったらしく、僕ともっと親密になりたいと言い出して僕の手を取り恋人同士になりたいとまで言い出す始末。正直この世界に来てからこんなにも積極的な女性を見たことがない。それにしてもどうしてこの人は、僕を自分のものにしたがっているのか、その理由が全く分からなかった。

しかし僕はその人についてある違和感を覚えていた。

なぜなら彼女はこの異世界に僕がやって来たのとほぼ同時に現れたと言っていたからである。

つまりこの人は異世界に来たばかりの人間ではないということになるのであった。この世界での生活がかなり長くなっているはずなのになぜこの人がこの異世界の事に詳しいのか。もしかしたら、僕と同じ境遇の人かもしれないと考えたがもし仮にそうであれば妹がこの異世界に来ていないことに気が付くはずであるし、僕の妹は僕の記憶を持っているが故に僕と同じ行動をして妹の命は失わないようにするはずだが。妹の事については僕は詳しく知らないので何も言えない。なので妹のことに関しては、妹の身に何が起きたのかを本人から直接聞こうと決めた。

そんな事を考えていると、妹の姿に化けている僕の目の前にいる謎の人物が動き出し僕の事を好きすぎるお姉さんが僕の元へ駆けつけて来る。その時の表情は真剣そのものであり僕を本気で愛し始めているということがわかった。正直言ってその好意を素直に向けられて嫌な気分にはなってはいないのだが僕の事を大切に思ってくれる人をこのまま放っておくことはできないと思ってしまった。この世界にやってきて初めての恋と言ってもいいくらい、僕は彼女のことを好きになってしまったのだった。だからこそ僕も彼女の事をもっと知る必要があるので彼女について知る必要があった。そして彼女の気持ちに応える為にも彼女と付き合う覚悟もできた。だから僕は彼女に向かって一言、

(僕と一緒にこれからの未来を歩んで欲しい)と告げるのであった。すると彼女から笑顔で答えてくれた

(私も貴方のことが大好きだよ。これから一緒に生きていくために結婚してください!)という言葉を彼女は僕に向かって投げかけてきたのである。

(はい!喜んで!僕の方こそ宜しくお願いします!あと結婚するのは少し待ってほしいんです。まだ僕はこちらの世界での僕の人生を全う出来ていません。この異世界に転生してから、僕は今まで一度も元居た世界で生きた記憶が無いんですよ。この世界で僕を育ててくれた母さんのことも心配ですし僕の大切な家族がいますから、僕は元の世界をもう一度旅してみたいと思います。それからまたここに戻って来ても大丈夫でしょうか?)僕は彼女の告白に対して答えるのであった。僕は元いた世界に戻りたい理由は、この異世界で僕が僕自身の人生をちゃんと終わらせてから、僕を愛してくれる彼女の為、僕の人生の最後の場所がどこなのかを確認しておきたいという理由があったから。

彼女は、それを聞いた後では仕方がないね。と言ってくれ、彼女の了承を得ることが出来た。そして彼女の名前は僕の婚約者である彼女の名前を呼ぼうとしたときに僕の目の前が光に包み込まれ僕はこの異世界に来て、初めて意識を失うのであった。

僕は意識を失ったのであったが僕はまだ生きていたのである。

「私はあなたの魂に呼びかけます。あなたがこの世に生きていることはわかっているのです。どうか返事を聞かせて欲しい」僕の脳内に響く声で、僕は目を覚ましたのである。そして僕に向かって語り掛けてくる声の方に目を向けるとそこには神を名乗る女性が僕の目の前にいたのだった。

「あなたは誰ですか?ここは何処なんですか?」僕は状況がわからなかったので聞いてみることにした。

そしてその神様が僕の質問に対して、答えてくれようとしたところで、神様が、突然何者かに吹き飛ばされた。僕は一体誰が神様を吹き飛ばしたのかが分からず戸惑っていたが、神様の方を見ると神様が何か魔法陣の様なものに閉じ込められていてそこから脱出しようともがいているようだった。

「この術式を解くことが出来れば貴様の勝機は完全に消え去るであろう。だがその前に、まずはお前から消してしまおうか」

僕はその言葉に聞き覚えがあり、そしてすぐに思い出した。あの謎の少女の声とそっくりの女の子の声だと分かったので僕は、その女の子が謎の人物ではないかと思い、鑑定をすることにした。だが謎の人物は謎の人物ではなかった。そして謎の人物が、女の子が僕たちを殺しにやってきたことを告げたのである。だが、僕には彼女が、本当に謎の存在が敵なのかどうか、それが分かることが出来なかったので、僕は女の子に問いただした。すると女の子はあっさりと答えを教えてくれた。女の子の名前は【佐藤香里】という少女で、どうやら彼女は謎の少女を乗っ取って僕を殺させようとした張本人で僕と僕の中に宿る魔導剣士の力を狙っているようだ。

女の子の名前を聞くと、妹の黒江優梨の双子の妹で僕の一つ下の女の子であり、妹であるはずの女の子の名前が出てきて僕の思考回路が停止する程に驚いた。僕の中の妹が女の子になっているという事実を突きつけられたからである。そして僕の妹だと思っていたのは女の子だったという衝撃の事実が判明し、僕の頭がついて行かないような状態だった。僕は妹の体の中には寄生された少女がいて、その寄生されている少女は妹だとずっと思っていたので僕は混乱している状態に陥っており頭の中がこんがらがっていた。だけど妹の体の中の寄生した少女の体が女の子だという事で納得できる点がたくさんあることに僕は気づくのであった。

僕の妹の体から女の子が出てきたとき僕は妹が助かったのだと思うと同時にこの少女の正体を探ろうとしたが鑑定を使うと僕のステータス画面に、妹の情報が表示されるだけで、妹が僕のことをどう思っているかという情報が出てこない。妹の中の少女に、鑑定を使ったときは確かに妹の情報は出ていたが妹の中に潜んでいるその女の子の情報が全く出てこず、妹の事を調べたくても調べることができなかったのである。僕の中にいる妹の事を妹に確認しようにも妹はこの異世界にはおらず連絡が取れない状態でどうすればいいのかわからない状態であったのだ。そこで僕はこの女の子を僕の目の前に連れてくる事にしたのであるがその瞬間、女の子は僕を抱きしめてきてキスをしてきたのである。僕はそんな女の子に驚きを隠せずそのまま流されそうになったが、女の子はすぐに離れていった。そしてその女の子が言うのである。僕の事を本気で好きだと。そしてその女の子は僕のことが大好きであり僕と結婚したいと言っていること。僕はそれに対してその女の人に告白する。僕も貴方のことが好きですと言って僕は自分の気持ちを伝えようとしたがその女はその言葉を遮るようにこう言った。

私はあなたと結婚できない。なぜならば私があなたの心を奪い、その身体を貰い受けてあげるからだ。そうすれば私の願いが叶う。あなたは永遠に私のものになるのよ!と言いながら女の子が僕に再び近づき再び僕に襲いかかろうとしていたのである。僕は抵抗しようとしたが女の子に力及ばず抱き着かれて動けなくなった時に僕の口の中から僕の知らない間に何か液体が入ってきてそれを僕は飲み込んでしまった。その液体が喉を通り過ぎてしばらく経つと僕は全身の感覚を失い、何も感じなくなり、僕の目の前は真っ暗になって何も見えなくなってしまい。僕の視界は完全な闇に覆われたのだった。そして僕が再び目を覚ましたときに僕は見知らぬベッドの上で横になっていた。僕に抱き着き僕に何かを流し込んだ女の子の姿は無くなっており。僕は誰かに介抱されてベッドに寝ているのがわかった。そして僕の周りには、僕が今まで見たことが無い綺麗な女性の顔立ちをした人がいるのだった。この女性は一体何者なのかと思い僕が考えているとその女性に声を掛けられるのである。

その女性は僕の事を気遣ってくれており僕が何故ここに居るのかを教えてくれようとしていたが、その女性が僕の顔に自分の顔を近づけてきてその女性は僕の耳元で囁くように僕に向かって言ってきたのであった。

あなたを助けてあげたのは、私ですよ。だから私と結婚しましょう。私はあなたを愛してあげれるわ。私に身を委ねていればあなたは何も考えなくて済むの。さあ、一緒に眠りましょ。と言うので、僕の目の前にいる女性が僕が倒れていたところを看病してくれたんだと分かり僕はお礼をしたいと思った。その女性は僕が助けられた際に意識を失ってから1時間後に目を覚ましたと言っていたが、僕は気絶した後どれくらい眠ったいたのかと聞くと2か月位経過していると言われたが僕はその時違和感を感じたのである。

だって僕が最後に時計を確認した時は、妹がまだ生きていた時で妹が死んだ日と同じだったので、その日から約3か月後に僕の意識が戻りそして目が覚めたということになるがそんなことがあり得るわけが無いのだ。僕の中では妹の死亡からもう4年以上が経過したことになるが、僕の時間は止まっていて、妹の死に絶望した時の記憶しか無かった。そんな状況なので、今の状況が理解できなくなっていたので僕は彼女に今の僕の置かれている現状を説明してもらうことにした。そして僕は自分が異世界転生をしているということを自覚したのであった。

彼女は僕のことを覚えていなかった。どうやら彼女は僕の妹のことを知っていたようであったが彼女は妹のことを知らなかったようである。彼女は僕のことを心配していたが僕の方も彼女が僕の事を心配していることが伝わってきたので、僕は彼女に対して大丈夫だよと伝える。僕は彼女が誰なのか分からなかったのだが、彼女に対して名前を聞くと彼女の方は僕が誰だか分かったようで僕の目の前にいるこの美しい人が僕が元居た世界での母さんであり僕の元の世界での唯一の家族であることを思い出すのであった。

僕の名前は【加藤 涼太】という名前で元の世界ではごく一般的な名前の男として生活をしていた。僕には姉が一人いて名前は、【美緒奈】という名前の僕よりも年上の美人なおねーちゃんでとても面倒見の良い人であった。そしてその僕のお母さんと僕のおねーちゃんである、母さんの仲が良く僕達は、僕のお父さんと母の再婚により義理の姉妹の関係となった。そのせいもあり、僕は母さんの旧姓である、僕の本当の母親の苗字を名乗っている。僕の母は僕の実の父親のことを僕達兄弟の前では話さなかったので、僕にとって母さんの前の父親はどういう存在なのかは全く分からなかったが母さんが、たまに見せる切ない表情を見ていた僕はきっと母さんの大切な人なのだということは分かった。でも僕は母さんにその父親の話をしないので父さんがどんな人だったかとか僕は聞いたことは無かったし聞かなかったし知りたくもなかったというのが本音かもしれないけど、ただ一つだけ僕は父さんに感謝をしていたことがあった。それは僕を産んでくれた事だけは僕は感謝して父のことは恨まないことに決めていたのでそのことを覚えていてくれてありがとうとは思ってる。それにしてもなぜ異世界に来たはずなのに僕は僕の記憶を引き継いでいるのか不思議だったがよく考えるとある結論に至る事が出来た。つまり僕は僕自身ではなく僕の妹だった少女の精神と体を媒体にしてこちらに来てしまったという事だろう。

だが、そんなことを考えても僕はどうしてここへ来たのか、その理由がわからなかったので僕なりに色々と考えてみることにした。まず僕の中で僕自身が死んでいないというのは分かっていたが、僕の中に妹がいるということに関しては全く予想が出来なかったことである。妹が亡くなった原因も分からないので一体僕は妹を殺したのが誰かを突き止める必要があると思っていたので僕はこれからどうやって調べればいいのかを考えるのでした。僕はその謎の少女の件については今は触れずに妹を殺した犯人を見つけ出すために行動することにしたのであった。まず、妹に寄生している女の子を探さなければならないのでその女の子が一体どこから現れたのか調べることにしたのであった。その謎の女の子がどこに消えたかについてであるがその謎の存在を女の子の体から抜け出させるために僕の体の中にある魔力を使って魔法陣を発動させたときに謎の存在がどこかへと転送されたので恐らく謎の少女は僕の体の中から抜け出たと思うので、僕はその謎の存在を探すことに決めたのだ。そして僕は謎の存在が妹に憑りついた理由については僕には想像できない事であるので一旦保留することにした。

謎の存在は一体どのような方法で妹に近づいたのか、謎の存在が妹に近づき僕の中に宿っている妹の体と融合したという事で合っているかどうかを確認する必要があると思っていたのでその確認を行うことにしたのである。僕はそのことについて、この異世界の人なら知っているのではないかという期待をしつつ僕たちはこの国の首都【ベルドランド】に向かうことにしたのである。

僕がこの異世界にやってきたのはこの世界にある魔王討伐の為に勇者と共に戦って欲しいという願いを受けて僕は召喚されたのである。その時に妹の香里と一緒に呼び出されたはずだったが妹の香里は既に殺されてしまっており僕だけが助かったようだ。妹は死んだことになっているが、妹はまだ生きており今もこの世界に居るのであれば妹が生きている可能性もあるのではないかと思った僕は、僕は僕が妹を死なせてしまった罪悪感にずっと悩まされてきた。僕は妹を助けることができず妹の仇をとる事も出来ずに、妹の体から出てきた寄生していると思われる少女によってこの異世界に飛ばされて僕は無力のまま過ごして来た。だけど僕はここで生きるしかないと思いこの世界を救おうと決めたのであった。

僕はその事を僕に優しくしてくれた女性の人に話し僕はその女性に連れられて街の中心部へと向かうのであった。

「私の名前はクロエと言います。あなたは今から私のことを先生と呼びなさい」

このクロエと名乗る女性はそう言うと僕に説明を始めたのである。僕はこの異世界の言葉をなぜかわかるようになっていること、この異世界の言語を理解出来、喋る事が出来ていることについても驚きはしたが、僕の頭の中には、この世界の知識があり、言葉だけではなく文字の読み書きが出来ることも分かるようになっていたのだ。

この異世界で初めて会った人間にそう言われたのだが僕には、この人の事を知っている気がした。

僕は僕の名前を名乗ることにした。そのほうが僕がこの世界で何をすればいいのかが分かりやすいからである。そして次に僕の目的を話したら僕の目の前にいる女性が僕に協力すると言った。その協力する内容は、僕の教育らしい。どうやら僕がこの世界で生き延びるために、色々な知識を身につけてほしいとのことであった。そして僕の能力を確かめるべく簡単な計算などのテストが行われた。僕は特に苦労することもなく全問解くことが出来た。そのおかげでこの人は驚いており僕は少し気分がよかった。しかし彼女はこんな事は有り得ないと言うような態度をとった後で次は、剣術の実力を調べる為に素振りなどをさせられた。それもまた僕は難なくこなしてしまい。今度は彼女がかなり動揺してしまい。僕がこの世界の常識を知らないので僕の質問をしてきたが。僕にも何が起こっているのか全くわからなかった。とりあえず自分の能力を偽っても仕方がないので正直に僕の能力を話すことにした。

僕は自分が元居た世界でも勇者の仲間として旅をして来たことやその前にも色々と冒険したことを説明したので僕が何者なのかが分かったはずだと、僕が思っていたが彼女はまだ信じられないようで僕は困った顔をしていたのだと思う。

僕は彼女が僕のことを怪しんできていることがよくわかったので、どうやったら僕の事を信じてもらえるかを考えていたとき、その女性がいきなり自分の胸を出してきたのである。僕がそんなことしたら犯罪になるぞ。などと考えていると。その女性が急に笑い出し自分の正体を語り始めたのだった。

僕は、目の前にいる美少女を見て思った。この人絶対に何かを隠していると!僕は確信した。だって普通はあり得ないことだからだ。自分の胸を見せて男を誘惑するような行為は、この異世界では常識なのかと思って、他の仲間らしき人物を見るとその仲間たちは僕から目をそらし何かから目を背けているようであった。なので、僕がそんな風に思ってしまったのも仕方がないと言える。だが僕はその女の子に何か違和感を感じてしまう。

そして僕の目の前で少女は僕に向かって自己紹介をしてくれたので僕も同じように挨拶をすることにする。僕は彼女の名前を聞こうとすると彼女は自分の名前を教えるのを忘れていたと言ってきたので僕は、僕の本名を告げた後で僕のことを勇者だと名乗った。すると彼女は僕が言った言葉を信じる気になったようで彼女は納得したようにうなずいていた。

僕の方もその少女の正体を確かめてみたいと思っていたので、彼女の名前を聞き出すことにした。彼女の名前は、【レイ】というそうで僕の目の前にいる金髪の少女がこの異世界に居た元魔王だと言われた時は僕は驚愕した。僕はそんなことを聞かされて混乱していたのにその女の子は僕が困惑している事に気づいたらしく僕がなぜそんなに驚いたかの理由を丁寧に教えてくれたので僕が落ち着きを取り戻した後に、僕の疑問をぶつけることにしたのだった。彼女は僕の質問に答えてくれたので彼女の言っていることは真実なんだと分かった。それを聞いた僕の感想は、なんでそんな事になったのかが全く分からなかった。ただ言えることは、目の前にいる少女は僕の元居た世界ではただの中学生ぐらいにしか見えない普通の子だという事だけである。だが僕の中ではそんな事はありえない。だって魔王とはとても恐れられる存在でありその魔王がただの人間の僕が知っている少女の姿なんて考えられない事であるし考えもしなかったからであった。

ただここで彼女に反論したり疑ったりしても無駄だと思い、僕には分からなかったので僕はこれ以上何も聞く事はなく彼女を信頼して、彼女に協力してもらいたい事を話し始めたのであった。

そしてしばらくした後僕達は城に戻り話し合いを始めたのだ。その話し合いの結果、僕は魔王としてこの世界を支配するために行動することを決意することになった。というのも、今の僕達はお互いの能力を理解していないために、相手の事を知らなければ戦うことも出来ないし作戦などもたてられないというのが現状であるのでお互いに相手について知り合う時間が必要であろうという結論に至ったからである。

こうして僕たちはしばらくの間は共に行動をすることになったのでその旨をクロエに伝えてから僕達は、これからの方針について話し合った。その途中で勇者の事を尋ねたのだが、どうやらその人物は、僕の妹を殺したかもしれない人物であり僕は勇者の事を詳しく調べる必要性を感じた。ただ勇者の情報はクロエ達には教えられない情報だったので、勇者の事に関しては僕は、誤魔化すしかなかった。そのことで僕の中の勇者への疑いはさらに強まったが今は気にしないことにしておくことにした。そして僕はそのことについては忘れるかのように魔王討伐のために行動を開始したのである。

そしてその日の夜僕は、この異世界に来てから初めて食事を取った。この異世界にきてから、僕は一度も食べ物を口にして無かった。だがその食事を僕と一緒にいたクロエが僕がこの異世界に飛ばされた時も持っていたバッグの中に食料があったので、それを僕が食べてもいいと許してくれたのだ。しかも僕の好きな物ばかりが用意されていた。だから僕はその料理を食べて涙を流してしまった。僕はもう二度と食べることが出来ないと思っていたものが食べられたことに感激したのだ。それからというものの僕はかなり元気を取り戻すことが出来て明日の行動に備えて眠りにつくのであった。ちなみに僕はクロエと別れて宿屋を探しに行く際に、この国の王様に呼び出されたのである。そして僕と国王との会話が始まるのであった。

僕とこの異世界の王と名乗る人との話が始まろうとしていた。

「わしは、【アドル=ベルマン】と言いこの国【サングラル】で、この異世界を管理している王である」

そう言うと王様はこちらを向いた。

「まずお前さんに、一つ聞いておきたいことがある」

「それはいったいどういう事ですか?」

その問いかけに対して僕は疑問を抱くことになるのである。なぜなら今更この王様が僕なんかに聞きたいとは思ってはいなかったから。僕とクロエは確かに、今は一時的に協力関係にあるので僕は王様の話を聞いてみる事にした。

「お主は勇者ではないのだろう?それで本当に勇者の仲間なのだろか」

その問いに僕は戸惑っていた。この異世界で、勇者のパーティメンバーとしてこの異世界に呼ばれた僕はその通りだと言おうとしたのだが僕が答えるよりも早く、僕の仲間である黒髪ロングの綺麗なお姉さんの魔法使い【クロエ】がその問いにこう返事したのである。

僕はこの異世界で、勇者の仲間として召喚された勇者とその仲間たちと一緒にこの異世界を救う為の戦いに参加していたと伝えようとした。しかしそれよりも前に僕の仲間のクロエが僕の代わりにその言葉に反応を示したのだ。僕がクロエのその言葉の意味がよく分からないとでも言いたげな表情をしているのに、この異世界の人間でその言葉を知らないわけがない。そう思うのも当たり前だ。なにせクロエは元の世界からやって来たのだからな。しかしクロエが発したその言葉はこの世界に居る誰もが知らない言葉なはずなのにどうしてクロエがそんなことを知っているのか不思議で仕方がなかった。僕には何もわからないが、もしかするとこの世界のどこかでこの世界に元々住んでいたクロエが言う言葉とこの異世界で新しく産まれたクロエが言う言葉は違っているのではないか。僕はこの異世界で新たに生まれてきたと思われるクロエの言葉に戸惑いを覚えたのだ。そんなことを考えていると、僕の横にいるクロエはその言葉を発した後でこの世界の歴史と文化についての説明をし始めた。

私は目の前に立っている男性を見て少し驚いたがすぐにその感情をしまいこみ、彼が何者かを調べようと試みてみることにした。

その前に、私は、彼を見て違和感を感じている事を思い出しそのことを確認するべく彼の事を色々と質問をしてみたが、どうやら私の記憶の中にある情報に当てはまるものが無いようで私はさらに混乱した。そして私は彼に、自分の名前を名乗ってもらい。彼の名前を尋ねた。その答えは驚くべきもので私と全く同じ名前だった。これはどういう事なのかと思った時に彼はこの異世界に来る前の事は覚えていると言っていた。だが私の事は全く覚えていなかった。この事から考えられるのは、私や仲間が持っている特殊な力によって記憶に封印が施されている可能性がある。もしくは、もともと存在しなかったのかのどちらかの可能性が高いと思う。どちらにしろ私が知る必要のない話だ。そして次に気になったのは勇者の件だった。

私は、勇者と会ったときに勇者が私の事を知っていたことが気になっていたのである。それに先程まで一緒にいた勇者が偽者ではないかと思ってしまうほど別人に見えてしまう。もしかすると本物の勇者も、私の事を知らなかったのではないかと思い勇者の仲間の人達の顔を順番に見つめていくとやはり誰も私のことを知らずに、勇者と同じように驚きの反応をしてくれていたので、私は自分の予想が当たっていると判断するのである。

とりあえず今は勇者の仲間のみんなにも協力してもらって彼を教育することが必要ね。もしこれで彼が偽者なら処分する必要が出てくるかもしれないけど、おそらく本物だと思う。何故分かるのかと言うと彼の魔力を探ったら勇者のそれとほぼ一致したからである。つまり、この人は間違いなく私たちが探し求めていた人物でありその実力も、勇者と同等の力を持つ人物であると判明したのである。それなら勇者と合流して勇者の力を引き出せるようになるまでの間、この人が一人で勇者と同じ力を持っている事を隠す必要がある。その事で勇者に何かあっても嫌だし。だからといって勇者のいる場所に行けばきっとあの男が現れてしまう。だからと言ってこの男を置いて行くのは危険だわ。そんな風に考えていたときだった。

目の前に立っている男が急に自分の正体を話し出したので、何を言うつもりなんだろうかと思いその男を見据えた。男は急に胸を出してきて私に触るようにと要求してきた。この世界ではそれが普通なのだろうか。そんな疑問が浮かんできていたが、この男の言動を見ていると明らかにおかしい。そんな疑問を抱きながらも一応この男のステータスを鑑定するために【看破のスキル】を発動させた。

するとこの異世界に本来あるはずのない能力がある事が分かり驚愕することになる。どう考えてもこの男が勇者では無いのに勇者が使える【聖剣技】を使えたり勇者の職業の【勇者の卵】を最初から持ってたりするのは明らかに変だと思う。

この男は一体何者で何をしようとしているのか。そして勇者は無事なのかどうか、不安になりながらその事を考える。だが今はまずこの男が信用できるのか、それとも怪しい存在なのかもしれないかをしっかりと確認していかなければならない。そんな風に思っていた時、目の前の男が自分の目的を教えてくれたのだ。だがこの話は、嘘だとすぐにわかった。この話を聞く限りでは完全に魔王の手下に聞こえるしこの世界を魔王から守るという発言がとても怪しく思えるのだ。魔王に操られているようにしか見えないしそもそも本当に魔王が存在するか分からないのだ。この話を詳しく調べる必要がある。そう考えているうちにいつの間にかこの男を拘束する事に成功してしまったのであった。

僕と王との会話が始まってしばらく経つがこの王様は何を言いたいのだろう。そしてこの王様が僕と話すことによって得られるメリットとはいったいなんなのだろうか。正直僕は、僕にこの世界を救うなんてことが出来るとはまったく思えない。だって僕はまだこの世界で生き抜くための基本的な戦い方すら分かっていないんだぞ。それに比べて相手側は僕よりもずっとこの世界を知り尽くしていて僕なんかより遥かに優れた存在であるのは間違いないはずだ。その差を埋められるとしたら僕の唯一といってもいい武器である『スキル』を使うしかない。僕はそんな事を考えていてなかなか行動を起こすことが出来なかったのだがここで僕の気持ちを知ってかしらずかこの王様が僕に向かって話しかけてくるのである。

「お主の能力は素晴らしいものだ。その力を魔王との戦いで存分に発揮してくれたら必ず魔王を倒すことができるはずじゃ。わしは今まで何度も魔王と戦ったことがあるのでお主のその能力をもっと高めるための手伝いが出来ると思っておる」

「そうなんですか」

僕はそんな返事しか返すことができなかった。というのも僕は、この人に僕の正体を話すのが面倒でこの王様の質問に答えるのをやめてしまったのだ。しかし僕の心の中でこんな葛藤が起こっている。それはこの王様の話に興味があったからである。この人の言っていることが正しいなら僕を召喚して強化しようと提案してくるのも納得できた。だがその裏には何か隠しているような気がする。

そこで僕はこの王の目的を知る為に僕は、王の事を詳しく知るためにこの王がどういう目的で僕に接触をしてきたのかを確認するために、その事を王に聞いてみるのである。そうすることで相手の真意がわかるかもしれなかったからだ。

しかし僕がそれを聞こうと思ったときにはすでに僕の仲間であるクロエが、王様がこの世界にやって来た本当の理由について説明をしていた。

その話が真実なのかは分からないがこの異世界は、魔王に侵略されて滅亡の危機に瀕しているという話を聞かされた。しかもこの異世界の住人達は魔王に抵抗も出来ないでいるらしい。その理由は、この異世界に存在する全ての国が一つになって団結する必要があるとのことだった。この異世界の国王はそれを理解していたのである。

その話が真実なのかを疑っていた僕にクロエが、僕の考えを読んだらしくてこの異世界で僕が知っている事実とこの世界について簡単に説明をしてくれるのである。その話で僕は少し安心した。僕の知らない情報が色々と知れたからだ。しかしそれでもまだこの異世界で僕が何をするべきかまでは分からなかったので、この国の人達からもう少し情報を得ようと考える。しかし僕に情報をくれる気があるのはこの国でもごく一部の人物だけだったので、僕はその人たちとだけ話そうと決めて残りの人たちとはほとんど話し合うこともなくこの謁見の間は、退出することになったのである。

それから数日間、僕は城にある部屋を借りて生活をしながらクロエ達と共に特訓に明け暮れていた。この異世界に来てから数日が過ぎ、だいぶ強くなってきたと自分的には思うようになってきた。この数日の間もクロエ達がこの異世界の歴史などを丁寧に僕に教えてくれていたのでこの異世界で何が起こっているのかも大まかには把握できるようになったのだ。そして今は、僕たちはこの異世界で一番大きな都市であるこの異世界の都に住んでいるのである。しかし僕たちが暮らしている場所は都市の端の方なのだ。この異世界の街はこの世界の首都であり人口も多い為、端の方に住んでいても特に困ることはなかった。むしろ、この異世界の中心であるこの都市の景色がよく見えるのでここに住みたいとさえ思った。

そんなことを考えながらも僕は今日もいつものように朝早くからクロエに訓練に連れて行かれたのだ。そんな感じで日々が進んでいく中で、僕とこの異世界の人たちは少しずつ交流を深めていったのである。僕と仲間たちは毎日この異世界での生活を楽しむことができている。僕はこの異世界の人と関わる事で僕の知らなかった事をたくさん学ぶことが出来た。この異世界の事や、この異世界に住む人々がどのように生活しているかなども全てだ。そんな異世界で楽しい生活を送ることが出来ているので、そろそろこの異空間の外に出ても問題ないと僕は思い始めた。なので僕はクロエに頼み込み、僕がこの世界に居続けることを許してもらうことにするのであった。

そして、この異世界に残り始めて1ヶ月が経過したある日、とうとう勇者の仲間の人たちと合流できる日がやってきたのである。だがこの異世界は勇者が旅立った時から、魔王軍の侵略を受け続けているようでこの世界の人々は必死の思いで戦っているようだった。この異世界の人々の中には僕と同じような地球人も数人混ざっていて勇者に仲間にしてもらいたかった人達もいたみたいだ。

僕は彼らを見て申し訳ない気分になってしまった。だって勇者のスキルを使うことができる人間は、僕の他にもいるのに勇者に選ばれたのは、なぜか、普通の人間ではなくてこの世界で生まれ育った人なのである。そしてそのせいで、この世界にいるほとんどの人達はその事に違和感を感じることなくこの異世界を生きてきてしまっていた。だけどこの世界が、今のままだと、この異世界の人々が滅びるのは時間の問題である。だからと言って僕が、今更この世界を救おうなんて思ってもないんだけど。だから、僕は、とりあえず勇者の仲間と合流しなければと心に決めるのである。それに僕が、この異世界に居ると、勇者が僕を見つけてしまうかもしれないと思い怖かったのもある。

そんな事を僕は、勇者の仲間が集まる場所に向かいながら思っていたのである。そんな事を考えていたら目的地が見えてきてそこには懐かしい顔ぶれのメンバーが集まっていた。僕は、この勇者の仲間達の輪に入っていった。そして僕は勇者の仲間達と合流してまずお互いに自己紹介を行う。そして僕がこの勇者と一緒に行動する理由を勇者の仲間達に話すと彼らは勇者と同じスキルを持っていると知って驚きながら羨ましそうに見てきたのである。そんな時だった。

突然勇者が現れた。この勇者は僕のよく知っている人物である。そう彼はあの時会った勇者本人であったのだ。その勇者は、いきなり僕の前に現れると「君には期待してるよ。僕の役に立ってくれ」と言ってきたので僕はその言葉を断ることが出来ずに、勇者の仲間になったのであった。こうして僕の勇者の仲間としての活動が始まり、魔王軍との戦争に巻き込まれていくことになったのだ 【作者からのお願い】

というわけでここまでご覧下さりありがとうございます! 【☆と★】が、あなたのモチベーションに関わります。もし少しでも面白いと思っていただけたら、★評価をして頂けると、大変嬉しいです。

これからもこの物語を楽しんでもらえるように頑張りたいと思います!!(́ω')ゞ 【聖刀の所持者 神刃 拓郎】

(シンジン

タクロウ ♂ 15歳 職業:勇者LV2

剣士 装備:魔刀の双剣 魔王剣 黒翼竜剣)

【職業技能一覧 例1 職業名 習得職業数 1 剣使いLV5 2 戦士 LV10 3 槍使いLV7 4 魔法使いLV3 5 僧侶LV1 職業補正効果 6 魔力上昇 7 敏捷力 8 体力 9 筋力 10 生命力 11 知力が上がってないのはスキルがないからだよ)

固有特技 《魔王化》 〈自分の命を犠牲にする〉 《魔王覇気 レベル4》 〈魔王特有のスキルを発動する 発動中魔王の姿に変わることが出来る〉 特殊 能力解放状態時 《完全解析の眼 分析の眼の上位版 鑑定と分析の眼の上位版である 全ての物を詳しく調べることが可能 またステータスなどの数値を見通すことができる 相手の強さが一目でわかる 更には相手の強さに応じてステータスを表示する際に、弱点や良い点も表示させることが出来る 自分が持っている相手の情報を読み取ることも可能 ただし相手に自分の存在を知られてはいけない この能力は自分にしか見えない さらに相手の強さを数値化して見ることも出来る ただし、相手のスキルによってその力は変わるので注意が必要 相手に対しての質問が浮かび上がり、相手がその質問に対して正直に答えれば相手に対する情報が自動的に表示されるようになっている この能力は任意で使う事も可能であり常時展開しておく事も可能である 相手のステータスが高ければ高いほど、得られる能力値が増えるため強い敵との戦闘で有利になることができる またこのスキルのもう一つの機能としてスキルの所有者の意思とは関係なくスキルを使えるようにする効果がある スキル所有者が望まなくとも勝手に発動してしまう事があるが、その場合は強制的に解除する事が可能 なおこの能力は魔王専用で勇者は使えないが、勇者が持つ固有特技の能力の一つに「聖剣の力を解放する」というものがあるのだがその力を応用して勇者の持つ武器を覚醒させれるらしいのでこの能力を使用できる可能性もあると思われる〉

職業が勇者の為全属性魔法の適正がある 【職業説明: 職業についての説明】職業にはそれぞれ、役割というものがあってその役割は様々な形に変化する。例えば、魔法士が攻撃職となればその魔法を扱えるものは近接戦闘が出来ないと言われているのだがその常識を崩せる唯一の職業である。その証拠が勇者の武器の双剣である 勇者の扱うこの武器は本来魔法を使うものにしか扱えない。しかし勇者は、双剣に宿っている魔王の力と自身の持つスキルと経験をフルに活用することでこの武器に宿っている魔王の魔王の力を解放し魔王の力を使用する事ができるのである。しかし魔王の力は強大で使用すればするほど勇者の命を奪う事になるが勇者はそれを恐れて魔王の力で戦うことをあまりしないので魔王の力の使用頻度は少ない。勇者が本気で戦う時にはこの二つの剣を使い戦いを繰り広げるのだ】

(僕のこの姿も、勇者である僕の本当の姿ではない。僕は魔王に封印されているのだ。僕のこの体は僕であって僕でない存在。だから勇者が僕に言った、この体が本物って言葉はあまり信用できないのである。だけどこの体を手放したら僕がこの異世界で得た知識とかは失われてしまうんだ。僕はそんなの嫌だ!絶対に僕のこの異世界の知識と技術を手離したくないんだよ。それにこの体を使えばもっと色んな事ができる。だから僕にとってこの体を手に入れる事は、必要なことなんだ。僕はそう信じているからこそ、僕の中にある全ての知識を使ってでも僕は、元の世界の体に戻ろうと頑張ってる。その為に僕はまだ死ぬ訳にはいかないのだ。だってまだ僕の異世界でやりたいことがたくさん残っている。それに僕の夢である勇者になりたい。だから僕は、この異世界での生活を楽しまなければならない。僕はこの異世界に居てもいいんだと思えるくらいに楽しい思い出を作り続けようと思っている。だって、僕は異世界に来たら勇者になりたかったからね)

僕の仲間の仲間たちはこの異世界に居る。僕は彼らのところに向かった。そこで、僕は彼らと情報交換を行った。まず僕は、クロエのいる場所に仲間を連れていくことにする。そのメンバーはクロエの仲間である白狼に、クロエ、そして魔王の娘であるアリアとその妹のレイちゃんである。そして僕が魔王の娘と婚約をしていると知ったクロエの仲間の皆は、凄く驚いていた。そしてクロエの仲間の魔法使いのミレーナにクロエの仲間の一人である騎士のサーシャはクロエの仲間の中で唯一結婚している既婚者であったのだ。そしてクロエが僕を見てクロエの仲間である二人の女の子を紹介したのだ。

「こっちの背の高い金髪の美人がサーシャ、それから隣の青い髪が綺麗な女性がメイスよ」

すると、クロエの仲間であるサーシャが口を開いたのである。

「初めまして。私の名前は、『サーシャ』といいます。どうぞ宜しく御願いします」

次にもう一人の女性、『メイズ アネット』と名乗る人が僕の目の前にやってきたのだ。

「私は、サーヤさんのパーティーの魔法使いです。宜しく御願い致します」

そしてこの二人はクロエと同じで、この異世界で結婚した人であるのだ。この二人も僕のスキルである完全解析の瞳を欲しており僕たちはお互いにスキルの交換を行いお互いに、このスキルを渡し合う。その後僕とクロエと魔王の娘である双子の姉妹である妹達とこの三人で僕が手に入れた勇者の固有特技『神速思考』と勇者である固有特技である固有スキル《聖神の導き》を発動した。

その結果僕は、聖神の力の使い方を理解することができたのである。聖神の導きは自分のスキルの発動を高速化してくれるもので、聖神に自分のステータスを見せてもらって確認した結果、勇者としての才能があり、さらに勇者としての技能をかなり使いこなしていることが判明したのである。そして僕は勇者である固有特技の技能の一つである《勇者の書》を、発動させることにした。そしてその技能の中に《勇者の伝説:外伝》があったのである。僕はそれを実行する事にしたのである。

そしてその作業を終えた後で僕は魔王に言われたのである。僕は魔王に言われて魔王城に向かっていった。魔王城は、魔王の住む場所なのである。そこには沢山の仲間が集まっており、その中にいた魔王の姿を見て僕は思わず固まってしまう。

なぜなら、そこにいたのは勇者が魔王になった姿で、その魔王の隣にいたのは勇者と同じような格好をしていたのだ。つまり勇者と魔王の力が融合してしまい融合した結果、その姿になってしまったのだ。

「勇者さん!? 」

僕は、魔王となったその勇者の姿を見ながら思わず叫んでしまった。その勇者の姿はまるで勇者の面影がなかった。僕はその光景に唖然としながら見ているしかなかったのだ。その僕の前に魔王は近寄ってきて僕に手を差し出してきたのである。

僕は魔王の差し出した手に戸惑うと魔王は微笑みながらこう言ってきた。

「君なら大丈夫だよ。勇者君。君はきっとこの先も上手くやっていけるよ。君が魔王を裏切らないように君を魔王の力を少し与えておくよ。だから安心してくれよ」

魔王が何を言っているのかよく分からなかったが、魔王の手を握る事で魔王の力を得ることが出来るという事だけはなんとなく理解出来たのだ。なので魔王の申し出を受け入れることにした。

(えっ?本当にそれでいいのかな?)

そう思いながらも僕は魔王の力を受け入れることに決めるのであった。

【作者からのお願い】

というわけでここまでご覧下さりありがとうございます! 【☆と★】が、あなたのモチベーションに関わります。もし少しでも面白いと思っていただけたら、★評価をして頂けると、大変嬉しいです。

これからもこの物語を楽しんでもらえるように頑張りたいと思います!!(́ω')ゞ 魔王から力を授かり勇者に変身した勇者は聖魔融合の力を手に入れたのである。これにより聖魔を融合させた新たな勇者が誕生したのだ。勇者は聖魔の力を同時に使うことが出来るようになった。だが勇者は聖魔の力を使うことに躊躇していた。その力を使えば勇者としての資格が失われるような気がしてならなかったのである。そんな勇者の気持ちなど関係なく魔王はどんどん話を進めていくのである。勇者の気持ちを無視して勝手に話を先に進めていってしまう。それが魔族というものなのか分からないが魔王が言うには、魔王の固有特技の《絶対服従》を発動させる必要があるらしくその発動条件が《魔王の血肉を与える事》であり、魔王はそれを実行させるためにこの世界樹の迷宮IVで最強クラスであるはずのラスボスを勇者の元に転移させたのだった。そして勇者はいきなり現れたモンスターを倒す事になってしまう。

その勇者は突然目の前に現れたドラゴンに困惑してしまっていた。何故ここに伝説の存在であるあの最強のモンスターの一匹が現れたか不思議に思ったが、勇者はその竜が自分を倒せと言うかのように攻撃してくるものだから倒すしかなくなってしまった。

勇者の仲間たちも勇者を助けようと攻撃したが勇者は一人でこの強大な敵に勝たなければ魔王に殺されると思い、仲間たちに勇者の命令に従ってくれと言って自分は一人で戦うことに決めたのである。

【職業:勇者】

【名前:勇者

レベル:999】

【職業スキル】:【聖剣召喚】【聖光剣】【神盾結界】【自動再生】

聖神剣はあらゆる攻撃を防ぎ、どんな強力な攻撃でも耐えられる防御に特化した剣である。この聖剣を装備出来る者は、この世界で一人だけである。そして、この武器を装備している間は他の剣を召喚する事は不可能である。またこの武器の能力には使用者が危機に陥ると自動的に回復する効果があるのだが、その回復量は通常時の五倍である。そして所有者が死ぬと武器が破壊される。

この能力によって勇者はどんな敵と戦っても死ななず常に聖剣の能力を使える状態のままである。またこの剣は、所有者の肉体の損傷を修復する効果もあり所有者の体が傷ついた場合瞬時に傷が塞がれるようになっている。そのため、いかなる怪我を負っても、すぐさま完治し、その体力は尽きない。

この能力は所有者の肉体に害のある呪いなども解除することが可能であるため病気や毒などの影響も受けずに行動が出来るという利点があるのだ。この能力は所有している者にしか使用できない。

【魔王専用】魔王の固有特技である固有スキルは、全ての勇者の持つ技能を使用することができるが、固有スキルの所有者本人のみにしか使えない。

この力は、魔王が勇者になる為の代償に使用した。勇者は、聖魔の力を得てしまいこのスキルを手に入れてしまった。

しかしそれでも勇者には、まだまだ他のスキルがあるのだ。例えば勇者が手に入れた新しい固有スキルの中には【神獣使い:極み】があったのである。このスキルの能力は、神獣と呼ばれる伝説の存在を操ることができるというものである。

この世界には存在しない生き物であるが神の世界にいる神鳥と、神の世界に存在する神狼の2種類を操ることができるのだ。しかも勇者のスキルの中でもっとも優れたものである。

ちなみに勇者の仲間の魔法使いのクロエはこの力を手に入れるために勇者と魂の交換を行った。

【名前】クロエ(本名不明)

性別/女年齢17歳 身長/161センチ 体重48キロ B83W55H82(Bカップ)

スリーサイズは秘密♡ 種族 人魚族 職業 魔法使い 固有特技 魔法剣士 固有特殊能力 神眼 聖魔の導き 【魔王の婚約者にして仲間であるクロエ】

聖神化の影響で聖神に覚醒した。クロエは聖神になった影響で魔力と神力が混ざってしまい、神力を使って発動できる固有特技は使えなくなってしまうが、代わりに新たな固有能力の「魔王の神」を習得した。

このスキルは自分の血を与えることで相手の固有スキルの使用権を奪えるようになるのである。この固有技能によりクロエは勇者が使っていた《勇者の伝説:外伝》の技能を使用できるようになっていた。そして魔王から受け取った聖魔の融合の技能を使い、《魔王の書》の勇者の書を使用したのである。

その結果、聖神化したことで勇者の力を手に入れたのである。そして、勇者は魔王から《聖神の力の欠片》を渡されて、そのスキルも手に入れるのである。そして勇者は新たに取得した勇者の書のスキルを使用する。このスキルの効果は、聖神の力を自在に扱うことの可能なものであった。それにより勇者が得た勇者の力で聖神化しても今まで通りの魔法のスキルを使用可能になり、また神力を消費せずに新たな聖神の固有スキルが習得できたのである。

聖神になった事で、神力と魔力が混ざってしまったことにより、聖神の力を使う事はできなくなってしまっていたがその代わりに勇者の持っていた《勇者の書》の勇者の書のスキルを手に入れたのである。これによりクロエは自分の力で新たな固有特技を創造することができるようになった。そしてクロエの創り出したその新固有特技は《魔王の伝説:外伝》の技能であり、これは自分の持っている武器に魔王の力の一部を付与する事ができ魔王の力を付与したものであれば何でも使用することが可能なのだ。魔王の力が込められた魔王の大鎌をクロエは作り出すことができたのである。これによって魔王が手に入れた《聖魔王の書:大魔王の力》を使用することが可能になったのである。

この書には聖と闇の魔王の書があり、勇者の書とは違いそれぞれの持ち主は自分と勇者しか存在しないのだ。

【聖魔王のスキル】

聖と闇が一つになった聖魔王の書の力を使うことができる。

《勇者の力:外伝 固有スキル》聖魔王の書 勇者の力の力が秘められている

『聖光剣』聖魔王の書を装備時に発動 剣が聖光を放つ

『聖壁』聖魔王の書を装備時発動 見えない障壁を造り出す

《魔王の力:外伝

固有スキル》聖魔王のスキル 魔王の力の力が秘められている 【聖魔融合:勇者の究極技】

勇者が勇者の聖魔王の書の力を扱える状態で聖魔王の勇者の書のページを開いて呪文を唱えれば、二つの力を合わせられる勇者専用の合体必殺技である。その破壊は絶大であり発動時には周囲の空間は消滅する。ただし、魔王の力を使える者でなければ発動は不可能で、その使用者は死亡してしまう このスキルで倒した魔王が所持していた武具は自動的に勇者のものとなる。

この効果を発動すると勇者のステータスが上昇するが、勇者自身の生命活動にも支障をきたしてしまい、場合によっては勇者は死亡する可能性があるのである。

【聖魔王シリーズ 装備品一覧】聖王シリーズの武器 聖王の剣 攻撃+1000 HP自動回復機能付与 特殊効果;

聖剣召喚可能 聖杖 攻撃+500 MP自動回復機能付与 聖盾 攻撃+300 聖騎士鎧 物理耐性強化 聖魔装甲 防御力超上昇 全属性魔法攻撃無効化 聖魔王の服 物理攻撃反射 聖魔王のズボン 聖魔王の靴 聖魔合金の鎖付き足輪 攻撃力補正(中)

移動補助(小)

魔道士のローブ 魔法攻撃補正(大)

魔法威力補正(大)

聖魔王の小盾 聖魔合金の鎧兜物理耐性強化 魔導の指輪 魔法攻撃無効 聖剣は勇者の持つ伝説の剣である。その剣の名前は、エクスカリバーと言うのだ。

【聖剣】聖魔融合 聖魔の力を持った伝説の剣である。勇者の装備として選ばれた。この装備を持つ者が魔王と戦う運命を背負うと言われている。勇者が勇者として戦っている間は壊れることがない 勇者は勇者の書の効果で聖魔王の勇者の書と聖魔王の大剣を装備することにした。聖魔融合は発動すれば発動するまで時間が掛かる。その時間を稼ぎだす為に勇者はまずは目の前にいるドラゴンを倒すことにする。

勇者の目の前にはドラゴンがいる。そのドラゴンを倒さない限り先に進むことが出来ないだろうと判断したからである。勇者はその巨大なドラゴンに攻撃を仕掛けることにしたのだ。

【名前】勇者(真名不明)

性別/男 年齢15歳(異世界転生時に18歳)

身長170センチ

体重62キロ 種族:人

【勇者の特徴:異世界転生者である】

【職業:勇者

レベル:999】

【勇者スキル】:聖剣召喚

聖光剣 神盾結界 自動再生 聖魔王の武器召喚 【勇者装備一覧】聖剣:

聖魔剣:聖魔融合発動時のみ使用可能 勇者専用装備。勇者は聖魔王の武器であるこの武器を装備できるようになった。勇者専用スキルが使えなくなり、また聖剣の固有特技も使用不可になる。

聖魔大剣(攻撃+2800 防御+1200 素早さが2000上昇し聖魔王の武器以外を装備した場合ステータスが半減する。聖と闇が一体になったこの武器には、所有者の生命エネルギーが流れている。このエネルギーが切れた場合、所有者は死に至る)

聖魔王の短刀(攻撃+1800 防御+1100 敏捷性が1500上昇する)

【聖女 年齢不明】(元の世界での本名不明)

性別/女年齢16歳(外見上は17歳の高校生くらい)

身長163センチ 体重? スリーサイズ B85W58H84 種族:人 【勇者の仲間】

【聖女とは、癒しの女神の巫女の称号】

【職業:僧侶/回復役 勇者の嫁候補/聖女】

聖女の固有スキルである聖神化と勇者と魔王の関係を知った後で回復役として、勇者パーティーに参加した聖女である。

この世界で聖女の治癒魔法は、傷口を塞ぐだけではなく死者を蘇生させることが出来るというチート能力が使えるため勇者は、彼女に頼らない戦いを心がけている。聖剣を勇者が持つ前は彼女は勇者と魔王の戦いにおいて回復係を務めていたのだが、今は勇者と共に戦うことを決め、勇者と行動を共にしていた。

彼女の戦闘スタイルは基本的に、聖剣を使っての近接格闘型で、魔法はあまり使わない。勇者に好意を抱いているらしく勇者と一緒に行動することを決めた後は、常に一緒にいるようにしている。

【聖女(聖神化)】

聖女が自分の持つ聖魔の神の力を開放することによって得られる固有特技である。その能力は、全ての神の力を扱うことができるようになることである。但し、神の力を持つ者は人間や亜人種に限られている為他の生物には使えない。神獣などの神の力を使う事が出来るようになる。しかし神獣と契約していない限り聖神化してもその力は半分程度にしか扱えない。聖魔の力を完全に扱う事ができるようになり、その状態ならば全ての神獣と契約できるようになる。

【聖魔の神 クロエ=クロディア】(本名不明)

年齢:17歳/女性

身長/165センチ/体重45キロ/スリーサイズ B78W54H83 種族:人魚族

職業:魔法使い 【聖魔の神クロエの正体/勇者の愛人にして恋人】

勇者と魔王との関係を知り聖魔の神クロエは、勇者に協力するために彼の元にやってきた。そして聖魔の力を使ってクロエはこの世界では絶対に実現不可能な事を可能にした。

それは、魔王の力で魔王の世界を作る事に成功したのだ。この魔王の力を使えば聖女も神魔の融合で、自分の魂と勇者の体を融合させた状態でこの世界に降臨することができる。ただしこの方法を取ると魔王に魂を奪われることになる。そうするともう二度と元の肉体には戻れない。この方法では勇者の体を乗っ取り魔王が、自分の意思のままにこの世界を好き放題できるようにできる。だがそんな事は許せるわけがない。

勇者は自分の命を賭してクロエを説得する事に成功し、自分の身体にクロエを宿らせることに成功したのである。その後、魔王との戦いの最中に勇者はクロエから与えられた力によってクロエの魂の器となる聖女に自分の精神を移した。そして、クロエがクロエの意思を取り戻せなくなった事で、勇者はクロエの魂を解放した。クロエの意識は完全に消滅してしまいこの世界で聖女神として生まれ変わったのである。その事で聖神の力が解放され聖魔の神クロエが聖魔神クロエとなったのであった。

【聖魔神クロエの能力一覧】聖魔神クロネ 年齢不詳/男性? 魔王の力を手に入れた勇者と、聖魔王の力が覚醒した聖勇者の二人だけが存在する聖と闇を司る最強の魔族である。その姿は仮面をつけているかの様な顔で黒い全身鎧に包まれており素顔を確認することはできない。背中からは翼が出てきており空に浮かびながら移動する事もできる。勇者と聖勇者と聖魔王が揃ったときにのみ現れてくる。また、魔王の力を手に入れたことで勇者のステータスが大幅に上昇したことにより、聖魔融合を使用することが可能となった。聖魔神の力の全てを扱えるようになっている 聖剣 魔剣(闇属性の聖剣)聖魔の力を使うことができる。

《魔剣士シリーズ 装備品一覧》魔剣シリーズの武器 魔剣 闇属性 聖魔王の大剣(攻撃+3000 防御+2500 素早さが500上昇する。闇魔王の力を使用する事が出来る。闇属性以外の特殊能力を無効にする。闇と光の二つの属性を纏っている大剣である)

聖剣 闇属性 魔帝の大盾(防御+4000 素早さが200上昇する。防御力と耐久力が+2000上昇。この装備を装備している限りあらゆるダメージを受ける事はない。闇魔王の攻撃は防げる)

聖杖 闇魔法 魔導の指輪(魔力補正)

(MP補正)

聖杖(MP自動回復機能付与)

(魔法攻撃+1500 魔法威力+1000 MP補正 MP自動回復機能付与)

聖魔のローブ(魔法耐性強化 防御力+500)

聖魔のブーツ(魔法耐性強化 防御力上昇)

聖魔合金の鎖付き足輪(移動補助(小)

攻撃力補正(中)

攻撃力上昇)

攻撃力上昇付与効果付与 移動補助効果付与付与 【魔王】

真名

エルル 性別/女年齢/見た目12才前後 外見:髪色は銀色、ロングヘアでストレートの髪の毛の長さは約150センチくらい 瞳の色は紫色である。

身長145センチ

体重38キロ バストBカップ スリーサイズ:不明 【職業】

【魔王 魔王種の真祖である少女】

【固有職業スキル】

《吸血鬼真王スキル》: 吸血の呪い(相手に対して血を一定量吸う事で相手を即死させる事が可能な状態異常スキル。その量が多いほど相手に苦痛を与えて死ぬ時間が伸びる。相手のレベルが自分より高ければ高い程、その効果は大きい)

:魅了(異性を操る。同性でも可能だがその場合は命令に逆らう事ができなくなる):呪縛(対象者の動きを止める)

:影渡り(影に潜り移動が可能)

など 聖剣 光剣(聖魔融合時のみ使用可能)

魔王の真名は、真名を隠しておかないと、聖魔の力に目覚めた者によって殺されてしまう可能性があるからである。だから聖女のクロネと同様に名前を変えて生活しているのだった。ちなみに、彼女の真名を知る人間は、魔王の配下で聖魔の神でもある勇者だけしか知らない事実がある。

勇者はクロネに自分がこの世界の人間ではないことを告げた後、今までのことを簡単に説明し始めたのである。それを聞いていたクロエとエルルは、勇者が元の世界でもかなり大変な生活を送っていた事を察し心配そうな顔をしていたのであった。そこで勇者はある事を思いつき、ある物を鞄から出したのである。

勇者が出した物は聖魔融合用の武器である。この聖魔大剣と神盾大盾を見て勇者は思った。もしかしたら自分の能力を使えば二人を一体化させる事ができるのではないかと思ったのであった。

「聖女さん! お願いします!!」

「え!? はいっ!」

「ではいきますよ。二神合一!!」

<カチーン>という音と共に大盾の中心にヒビが入り始めたのを見た勇者はその亀裂を広げようとした。そしてその大盾を砕いた後、聖女がその大盾の内側に入っていく。

聖女は聖魔王の盾の内に入ると、そこには大きな丸い穴があり、その先に空間が見えるようになっていたのである。そしてその中に入る聖女の姿を見ながらクロネは聖女のステータス画面を開いて確認してみた。

聖女:クロエ=クロディア(聖神化ステータス上昇)

クロエ:(ステータス上昇)

(クロネと同じ能力を獲得可能)

【聖魔の女神クロエのステータス画面と、勇者クロエ=クロディアのステータス画面には大きな違いがある。それはステータス画面には表示されていない隠し要素だ。その秘密とはクロエ=クロディアはクロエと同じくクロネの一部となっているということだ。聖魔の女神は聖神化をすることによって、その力を手に入れることができるが本来なら、魔王である勇者が持つ魔王の神の力を使わなければならない。そして、クロエがこの世界にやってきたことによって聖魔王の力を使えるようにもなっていたのである。しかし、この力はまだ不完全であり聖女が魔王の神の力を持つ事は不可能であった。その為にクロエがこの世界で神になる為の方法を聖女に託したのである。聖女に神としての力を与えた後に、この世界に存在していた全ての神が聖女に宿ることになった。それにより全ての神が持つ固有スキルと魔法と特技を使う事が出来るようになったのである。ただしクロエの持つ魔王の神の力だけは使うことができなかったのである。】

【勇者】

勇者:勇者

本名 黒石ユウキ 勇者:ユイ(黒)

職業

勇者 種族 人間 年齢 15歳 男 身長 162センチ 体重52キログラム 誕生日 4月3日 B型 /牡牛座 性格:冷静沈着で慎重、責任感が強い

容姿:髪型は短めの前髪をセンターで分けたツーブロックで前下がりのボブ、耳は見える長さにしている。瞳は二重で切れ長な目、まつ毛は長く濃い。色白。鼻筋が通り眉間もすっきりとしている。唇は薄いピンク色をしている。肌の色は普通で標準的な体型。

特徴:真面目な性格のため常に努力する、正義感のある行動を好む。また他人への優しさを忘れず人を傷つける行為を良しとしない。しかし自分の身の危険が及ぶ場合は容赦なく戦う。勇者は戦闘では自分の身を顧みず、時には無茶をする場面もある。それは自分の弱さを自覚しているが故に、少しでも強くなる為に必死になっているためである。そんな自分を責めることはないが勇者自身も、この性格のせいで命を落とす危険にあう事があったり、自分の行動を後悔することもあったりするのであった。

この世界に召喚された時の年齢は16歳だったがこの世界で魔王を倒し元の世界に戻れるようになるまでの期限は17歳までである。

聖女は、この聖剣に宿っている女神の意識を呼び起こし魔王の力を封印するために聖剣の力を使って勇者を異世界へと転移させたのである。だがその際に聖女の力により勇者の魂だけが肉体から離れて元の世界に戻ってしまう事になったのである。

その時肉体から離れた魂だけの状態でクロネと出会ったのであった。それからはクロエとエルルの三人はクロナ達と合流しこの世界で生活をすることになるのだが魔王軍によって滅ぼされようとしている村を救う為にエルルは聖女の力を使った。そのおかげでエルルの力によってクロナはエルルの魂とクロネの精神体と融合した状態で転生することになったのだ。そして聖魔融合を使うことでクロエは自分の肉体に戻ることに成功したのである。勇者と聖魔王の魂の融合は成功したのだった。

*

***

<ステータスオープン>

***

***クロネ

年齢:不明/見た目13~14才の少女/性別:女/見た目年齢/実年齢:共に13才前後 【基本情報】

真名:クロネル=エルデリア

種族:人間/魔王種

身長:158センチ

体重:42キロ

バストCカップ スリーサイズ:不明 スリーサイズの計測をしていない(恥ずかしくて)

:髪の毛:銀色:肩甲骨くらいの長さでサラサラとしたロングヘア

瞳:紫

一人称:私

:家族構成:母(故人)父(故)

:性格:真面目な性格 普段は物静かであるが、仲間の危機には誰よりも熱くなる一面を持つ。

:好きになった異性:まだ恋をしたことはない。


* * *


***

【能力値補正詳細画面は、省略】

クロネは、聖剣を手に取り、しばらくじっと眺めていると勇者は聖魔王の神の力と聖剣の聖魔王の神の力が融合していることに気がつき聖魔の神の力は使えなくなるだろうと予想したのである。クロネはその説明を聞き終わると同時に、クロネルの体を触ったり匂いを嗅いだりした後で勇者に抱きついたのである。勇者はその事に動揺しながらもクロネに尋ねる。すると彼女は、今この場で自分が聖魔王としての能力を発動しても聖女の力で無効化されるのがわかったと言う。そしてクロネはエルルにも確認をとった。

【クロエ:ステータス開示】

<エルル:ステータス>

<エルル:聖女:ステータス開示>

<クロエ:ステータス>

<クロエ:聖杖>

(攻撃力上昇(中)魔法威力上昇 移動補助 MP補正)

聖魔のブーツ

(移動補助(小)魔法攻撃 素早さ補正(中)

魔法耐性強化 耐久強化 防御力上昇)

(聖魔合金の足輪)

【固有職業】

(神 固有スキル 魔法耐性強化 物理攻撃無効)

勇者が元の世界で戦っていた魔物の中には魔法攻撃をしてくるものもたくさんいたのである。それなのに魔法が効かないというのは、それだけで強力なアドバンテージになっていた。聖杖の魔力吸収機能もかなりの性能を誇るものであったのである。聖女の固有スキルである、真眼も聖魔融合している今の勇者であれば使いこなすことも可能だ。真魔眼は敵の能力を全て把握できるのだから、この固有スキルを持っている勇者はかなり有利な戦いが出来るであろう。

クロネルに抱きしめられた後、勇者と聖女と聖魔王の三人はクロナ達がいる村の広場に向かっていったのである。そこでは村人たちと村人が襲われているのを目撃した聖剣を持つ勇者一行が現れたのであった。

【聖魔の女神 魔王クロネル=オルデリア ステータス詳細画面

魔王:魔王クロネル=オルデリア

(聖魔王神化時のみ)ステータス詳細表示】

<種族><職業>(勇者との合身時は<勇者+魔王神化>となります)

魔王神:魔王神クロネル=オルデリア

レベル1:58000000/100(MAX)

HP102080404(10000+100×3×25000+1800000)

+6億8千万/生命力回復量30倍増加スキルの効果による計算数値 最大HP 102160009(12000+120×29000)→無限 総戦闘力 67046787(7000×2900+1280600+4850000787002800076400)

<称号>

魔王神:聖魔王神クロネル

固有スキル:全能力解放状態継続(時間経過と共に自動発動)

聖剣聖神(常時使用)

魔王の衣 魔王神の加護(任意発動)

ステータス異常付与

魔王の威圧(使用者限定:使用者及びその仲間の身体能力を大幅に上昇させる)

【基本能力値】

筋力

:299990982

(24000)

敏捷

:24979647

(24000)

知力

:328376425

(30000)

体力

:338845673

(340000)

:2685322

(27500)

魅力

:236835575

(30000)

<ボーナスポイント

初期:200P>

その他:特殊ステータス

幸運力:1250

(1000×2)

(22500×1.2=32500→3250)

【職業技能】

聖王術LV15:

神聖魔法Lv3 暗黒魔法 Lv3:聖闇魔法

精霊召喚LV11 聖属性結界 魔王の波動 神化聖魔波撃:勇者の攻撃を上乗せする。勇者の攻撃力を2.5倍にする。また勇者の攻撃力に相手への固定ダメージを付与する。勇者への相手の命中率を下げる効果も付加

勇者の一撃:攻撃力1.5倍の聖魔闘気を拳にまとって放つ。

聖王の覇道:聖属性の攻撃を行うと敵が必ずクリティカルヒットする。

聖魔王砲:聖剣に光と闇のエネルギーを纏わせ敵を両断する。この技を使うとしばらくの間勇者のステータスが大幅に低下するデメリットがあるが、その代わりに聖属性による攻撃を行うと聖と闇の力が融合し通常以上のダメージを与える事ができる。

聖剣の心得:勇者の全ての能力が上昇する。聖魔王の神化すると、この効果は魔王の威厳へと変化する。聖魔王が所持していると、魔王の武器が自動的に聖属に変化する。この能力は一度使うとしばらく使えない。

【固有特殊能力】

勇者の心:魔王の力を自分の意思だけで扱うことが出来る。この勇者の心に魔王の力と聖の力を込めることで魔王の必殺技である聖魔王砲を放つことができる。

魔王の神化:魔王の力を完全に自分の物として扱える。聖魔王が持っていると、この効果が勇者にも適用されるようになる。

勇者の心が無ければ勇者にその力を完璧に使いこなせることは出来ないのである。勇者は心の持ちようで強くもなれば弱くもなるのだ。勇者の心は、この世界に召喚された時に魔王に植え付けられたものであるが勇者はそれを自らの意思で乗り越えてその力を自らのものとして手に入れたのである。この力は魔王の力を100%使いこなしたという証拠でもあるのだ。聖魔王が勇者の心を乗っ取ることなど不可能であるのはそういう事であった。この勇者の力は魔王と戦うには欠かせない要素となるであろう。聖魔の力を同時に使えば勇者と魔王の力はお互いを相殺しあい打ち消すことになるので聖魔の力を使いすぎなければ魔王を倒すことも可能だろう。聖魔王の力を開放すれば魔王といえども無傷では済まないであろう。だが聖魔王は聖魔王の力で勇者を殺すような真似はしなかった。これはクロネの想いを尊重したためであり、魔王としての力を使ってこの世界を救うための試練だと思っているためだった。クロネルが、この力を使わずに勇者を倒してしまったらこの世界で生きる意味を失うのではないのかと思っていたのである。それにクロネルは魔王である自分にも優しく接してくれた勇者に心を奪われており、クロネルもまた聖魔王である自分自身を受け入れたのだと思ったのである。クロネルにとって聖魔融合の恩恵をフルに活かした戦闘方法を考えるのが今やるべきことであるのだと感じたのだった。

「あー、ごほん!ちょっといいかな?」

(うむ?あれ?誰?)

クロネルは自分の身体を触りながら誰かと話していたことを思い出した。

(そっか私はもうひとりいるんだったね)

そうして聖女の方を見ると彼女はクロネルに向かってお礼を言い頭を下げたのである。聖女の表情からは申し訳なさのようなものを感じることが出来たのだがどうしてなのか分からなかった。

「えっとはじめまして」

「はじめましで~す!」

クロナはいつも通りの元気いっぱいの声で挨拶をするとその様子に少し安心をしたクロネルは微笑んだ。そんな時エルルと勇者の話し声からクロネとエルルが同じ存在であることを聞かされクロネも驚いたのである。そしてエルルは、この場に聖魔王が現れた事を魔王に報告しなければならないと言い出すので、クロネルは急いで勇者たちとともに魔王城へと向かう事にしたのである。しかし、クロネルはこの魔王城の外に魔王が待ち構えていることに気がつき警戒態勢を取った。クロネルの感知系のスキルにより魔王の存在を察知する事が出来たからである。しかし、それはクロネルが想像していたよりも遥かに強大な存在であったのである。クロネルの目の前にいる魔王はエルデミアであった。

【魔王:エルデミオア

種族:魔王神(人化形態時)】

<ステータス詳細>

<職業:魔王神>

レベル1:15000/(5000×5×10000)+150000 HP5億/(10000×5×50000000)

→(50000×5×15000)+(150000)

<固有スキル> 聖剣の心得(常時発動型)

聖王術(Lv10)

真眼 聖剣の真理 【職業特技】

聖魔王(LvMAX):聖魔王に変身が可能になり、全能力を50%上昇させる。この効果は、魔王の装備を付け替える度にリセットされる。

【固有技能】

魔王の衣:魔王に変身する。魔王の姿になった際、このスキルの使用者に対するステータス低下の効果は無効化される。またこの姿の時にダメージを受けた場合、ダメージ量に比例して回復量を増加させる。ただし聖魔剣などの攻撃に対しては回復量は発生しない。また魔王の防具の耐久力が減少することはなくなる。魔王化状態で攻撃を受けた場合、その部位に対して一定確率で聖魔剣に変化を与えることがある。聖魔王砲を使用する際に魔王神化の必要は無いが、使用後に元の状態に戻るためには1時間の経過が必要となる。またこの状態だと魔力の回復速度は半分になる。

魔王砲:魔王の武器が聖剣聖魔砲に変化を与える。この状態の武器による攻撃は聖魔の力を持つ。また、この状態で受ける魔法ダメージを軽減する効果を持つ。

魔力吸収:聖魔王の状態で攻撃を受けると相手の体内魔力を吸収することが可能。吸収率は相手が保有しているステータス数値×0.01(端数切捨て)となる。この効果は魔王が生きている間継続する

聖魔合体:聖魔王と魔王の魂を融合させた姿になることによって、この技能の発動条件を満たすことができる。この状態になった場合は、ステータスの大幅上昇とHP以外のあらゆる数値が常に5倍上昇する状態になる。この技能を使用した後はしばらくの間このスキルを使用することが出来なくなります。またこの姿になっている間に受けた攻撃は蓄積していき最後にHPの数値を上回った時に初めてHP以上のダメージを与える事が出来るようになる(例:HP9999の場合→HP9999を超えるとHP99900以上にはならない)。さらにこの時聖と闇のエネルギーを纏った状態になるため通常の物理防御が不可能となりダメージ量が増大するようになる 【通常能力値】

<身体能力> +6500 +6500 +6000 +500 <防御力:100/100

+100 +100 +200+100 敏捷:6600

+5000 <魔法力:4700

+100 +100 +400 <最大MP:9800

+300 <最大攻撃力:13700

+400+500 <<最大魔法攻撃力:7500 【称号】

女神 神竜 聖魔王 神化 【固有技能】

神速移動:自身のスピードを加速させて神速の世界に入ることが可能になる。神格が上昇している状態であればあるほどその効果時間は長くなり最大20分間まで伸ばすことができる。

神気操作:体外へ放出しているオーラを操作し肉体の機能を上昇させることが出来る。上昇させる能力値は消費した体力の%分だけとなる。上昇倍率は自身のレベル×0.1。

聖気:生命力と体力を回復させる事の出来る特殊な気。また光属性に非常に強く、闇属性に極端に弱くなる特性も持つ。

聖王の威厳:聖なる王の称号を得ることで習得できる特殊パッシブスキル。敵が自分よりも低いステータスを持っている場合に威力が増加する。敵のレベルが低い程効果が倍増する。聖王と認められた者だけが獲得することが出来る。

聖魔王の波動:聖属性の攻撃を行った時敵に固定ダメージを加算する特殊アクティブパッシブスキル。聖属攻撃は敵が聖属性の耐性を持っていなければ必ず相手にダメージを与えれるようになる。

勇者の一撃:勇者の攻撃力を上乗せする聖魔闘気を拳にまとって放つ攻撃。攻撃力1.5倍の聖魔闘気が拳に纏われているため、相手への命中率を低下させる効果を打ち消すことが出来る。勇者が所持していると、聖と魔の力はお互いに打ち消しあうので魔王と聖魔王の力を完璧に扱うことが出来るようになり魔王の武器を使うと聖と闇の力を使うことが出来るのである。

魔王の聖魔の盾:聖と魔のエネルギーを同時に発生させることが可能な特殊パッシブスキル。これにより聖魔の力を纏わせた盾を使うことができる。また魔と聖の力を同時に使うと魔王は全てのスキルを使用できなくなる。この状態で聖魔王砲を放った時は、魔と聖の両方の力が合わさった攻撃を行う。魔を切り裂く力を得た代わりに聖なる力も得た盾となるのである。この技を使える回数は一度のみである。

魔王の剣:魔王が使う剣に魔王が宿り魔王の力を付与された状態にすることで使用可能。その斬撃は全てを断ち切る。

【職業特技】

魔王の神装武装(真の姿):このスキルは魔王に変身した際に自動発動する。自分の意志では止める事が出来ない。この魔王の力を開放すると魔王は魔王の神の力を全て使いこなすことが出来るようになる。その状態での魔王の神の力は全てにおいて魔王を超えている 【通常特殊能力】

勇者の心(LvMAX):聖魔王は勇者の心を取得することで、その心の力を自在に使用することができる。勇者は魔王を倒すこと以外に興味を持たないというスキルだが、魔王が勇者を殺すことでその勇者の力を得ることが出来るのである。勇者の持つ聖魔王砲の発射可能回数は3回だが、勇者の心のスキルを使用することにより回数を増やすことが可能である。魔王の鎧(極み):聖魔王専用装備の鎧。

神魔合体:聖魔王となった時、魔王との魂を一体化させた時に変化する。この形態になった場合、ステータスの大幅な上昇は行われる。そして全ステータスが1万増加する。この形態になった場合は、魔王が生存している間、他の形態でダメージを受けても、魔王には1割もダメージを与えることが出来ないのである。聖魔のオーラ:聖魔王の鎧と魔王の衣の合わせ技

聖王モード:聖魔王の状態で、一定時間聖魔剣聖剣モードを任意で発動させることが出来るスキル。

【魔王の技能】

魔王砲:聖魔王になった時自動的に覚えた必殺技。この状態の時に限り聖魔王と聖魔王砲が使用できます。

聖魔合身:聖魔王と魔王が合体した場合に使用出来ます。この状態の時にダメージを受ける場合、HP以上のダメージ量が発生する。魔王と魔王が合体することによりステータスの補正と、聖魔のオーラが全身に張り巡らせることが可能になる。そして、HP以外のステータスが常時5倍されるのである。聖魔合体状態で魔王砲を発動した場合、聖と魔の両方の力を持つ砲撃を放つことが出来るのである。ただしこの合体は、お互いの信頼関係によって成り立つ。

神眼:神の視点から物を見る事が出来、またそれによる鑑定が使用できるようになる

聖王術:LvMAXで覚えることができるスキル。Lvが1つ上がるごとにステータスが10上昇する。聖王の祈りでさらに上昇する

神化:神格が上昇している状態で神眼のレベルを上げることで神眼の能力が上がる

聖剣の心得(常時発動型):常に聖剣の技能を使用することができる。この状態になっている時聖魔王がダメージを受ければ回復する

聖王の威厳:聖なる王の称号を取得する事で使用できるようになる特殊パッシブスキル。敵が自分よりもステータス数値が高い場合に、相手の動きを制限する効果がある

聖魔合体:聖魔王となった時の戦闘終了後取得可能な特殊技能。魔王の心を聖王心に変更させこのスキルが発動する。魔王の身体に聖魔王の精神が入り込むのである。この合体中は聖魔合体が発動できない 【魔王固有技能】

聖魔王(LvMAX):聖魔王に変身することが可能になり、全能力を50%上昇させる。また聖魔王の状態になっている場合全能力を100%上昇させる

魔王の衣:魔王に変身する。魔王の姿に変わった際、このスキルの使用者に対するステータス低下の効果は無効化される。またこの姿の時にダメージを受けた場合、ダメージ量に比例して回復量を増加させる。ただし聖魔剣などの攻撃に対しては回復量は発生しない。また魔王化状態で攻撃を受けた時、その部位に対して一定確率で聖魔剣に変化を与えることがある。聖魔王砲を使用する際に魔王神化の必要は無いが、使用後に元の状態に戻るためには1時間の経過が必要となる。この状態だと魔力の回復速度は半分になる。また魔王砲のクールタイムが通常の1.5倍に伸びる

魔王砲:魔王の武器が聖剣聖魔砲に変化を与える。この状態の武器による攻撃は聖魔の力を持つ。また、この状態で受ける魔法ダメージを軽減する効果を持つ。魔王砲のダメージ量を2倍にする。この状態の時は聖魔の力が聖属性に変化するため、聖属攻撃以外の属性の攻撃が全て聖属に変わるのである。聖魔王が聖属性の攻撃をすれば聖属性のダメージを与えることが出来るようになる。ただしこの姿の状態で受ける魔法攻撃は全てダメージ量が半減する

聖魔合身:聖魔王と魔王が合体した時使用することが出来る。合体中、聖魔王のステータスは上昇しないが、その代わり、全ステータスが倍となる。聖魔合体を使用した時に発生するデメリットはない

聖王(Lv99):Lvを99まで上げることで覚えられる固有技能。Lvが99になると聖王が覚醒する聖王モード:一定時間聖王の力を使うことが出来る。この時聖魔王に変身することはできない。しかし神魔合身の状態になればいつでも発動することが可能である。

【称号効果】

女神:聖魔王になった時に獲得できる称号。女神の力であらゆるものを消滅させることの出来るスキルを使用することが出来る

聖魔王:聖魔王の固有技能を使用する事ができるようになる称号。

【聖魔の王の称号】:聖魔合体をした魔王が得ることのできる称号。この称号を入手した時点で聖魔王と聖魔合体状態へ移行することが可能になる

神速移動:高速移動ができる。その速度を自分で調整することができる。聖魔王と魔王の時だけ使用することが出来き聖魔王の場合は聖魔闘気を纏った状態での移動が出来るのである。この状態になると、攻撃時に攻撃力が上昇され更にスピードも大幅に向上するので攻撃力、スピード共に高い能力を持っている

神速移動:高速移動が出来る。その速さを自分で使用することが出来る。聖魔王と魔王の時にしか使用することの出来ない技。この状態になった時聖魔の力をその脚に付与することで超加速を行い一瞬にして敵に接近して攻撃を加えることが可能となる。またその状態から蹴りを入れると威力が増加しスピードアップの効果を付与する。スピードは使用者の意志の強さに依存する為、スピードダウンは付与されない。この状態になった時に攻撃を受けると聖魔王は防御力が下がる。攻撃が当たっている時間の長さで威力が上昇するが、ダメージ量に関しては攻撃力に依存し、聖魔王の攻撃が敵に与えたダメージ量の%分のダメージを自分が食らう。その為この状態で敵に大打撃を与えた場合は自分もかなりのダメージを受けることになる

神気操作:体外へ放出しているオーラを操作し操ることが可能な特殊パッシブスキル。このスキルを習得している者は体外に放出している自身のオーラを操作することで物理攻撃と魔法攻撃を防ぐことが出来るのである。

【勇者スキルの習得方法及び習得条件について】

勇者の職業をマスターすることにより、以下のいずれかの条件を満たすと聖勇者の称号を得ることとなります。

1.勇者としてレベル50に達する(Lv50になるまでには経験値が100万ほど必要)。

2.全てのステータスを最大にする(聖魔王になった時は全ステータスが3倍されるため聖王になることも可能)

3.特定のダンジョンを攻略しボスを倒しレアドロップアイテムを獲得する 上記の項目を満たした上で、特定の場所を訪れることによりその者が勇者であるかどうか判別が行われ、そこで合格すると、勇者の資格を認められるとともに、以下の三つの選択肢が提示されることになります(これらの内容は随時追加されていきます)

(例1)勇者の力を得たいが、勇者としての責務を全うしたいと考える者 →そのまま冒険者として生きていくことを選択できる →その場合、転職扱いで、別の職種につくことが可能

(例2)勇者になりたいと考える少年がいるが、自分の夢に迷いがあり、どうしても一歩を踏み出せない者 →「勇者見習い」として冒険者を体験することで、職業や仕事のあり方を学びながら自分のなりたい自分を見つめなおすことができる

(例3)勇者に憧れを持ちつつ力不足により挫折している者たちへ 上記に該当しない者ももちろんいますが、該当した場合はそれぞれのステータスを確認後職業を選択していただくことになります。

ちなみに聖魔合体後の聖魔王と聖魔王は勇者ではないため、ステータス値が勇者と比べてかなり劣ります。

聖魔王の場合ステータスは、通常時の4割程度の数値となります(これはステータスの数値が倍になるという聖魔王の特性の弊害でもあります)。そしてスキルに関しても全て魔王のものを使用します。つまりステータス値以外は魔王そのものということですね。

聖魔王(通常時):聖魔王となった時の初期状態です。通常形態なので魔王のような力は発揮できません。ステータス値は通常の約7割になり、全てのスキルを使用可能。

聖魔王(神魔形態):魔王神化状態の時にのみ発動可能になりました。聖魔王の神格が上がり、全ステータスを5倍上昇します。

【魔王城と聖魔剣の関係、並びに勇者の剣と聖魔剣との関係】

【魔剣】:魔王の力が込められた魔剣のこと。

【魔王の装備】:魔王の武具を身に着けているもの。この世界に存在するほぼ全ての人間が魔王の装備をしているといっても過言ではない程にほとんどの人物が魔王の装備を身につけています。

【魔王城】:魔王が拠点としている居城。魔王城の内部にはいくつもの階層が存在していてその一つ一つが魔王の能力によって空間的に拡張されているのである。

【魔王軍】:魔王の下に付く人間達の軍隊の事である。魔王軍とは呼ばれているものの、実際は聖王軍と呼ばれている

【四天王制度:四天王は魔王の次に強大な存在であるため四天王がいれば安心感を得られるために四天王が魔王の代わりに指揮をとっている場合もある】

【五つの柱の攻略方法及び難易度設定】

聖魔の柱とは魔王城にある塔の名称です。各柱にはそれぞれ魔王が存在しており魔王を倒すことが五つの柱のクリア方法になります。ただしどの魔王も他の魔王に比べ弱いというわけではありません。ただ聖剣聖魔王と比べると遥かに弱く、特に苦戦することは無いと思います。また魔王の中には神魔化が可能な個体もいるので、そういった魔王と戦うことになった場合注意が必要です。

この世界におけるモンスターのランクは以下のようになっています。

SSS:神話上の生き物

AAA:S~C

の下級種 C:D~E

の中級種 E:F

の初級種 F:G

の下位種族 G:H

の上位種族 H:I

B:J

の中級種 I:K

B+:上級

D:L

C:M

A:R

の上級亜種 R:V

B:U

B+:超級

L:A

の聖騎士長以上の力を持つ存在 U:EX

の伝説上の存在 X:XL

SSS:伝説上の存在

V:IV

A:III

S:II

B:I

B+:超級

II:B

III:A級以下

VII:S

IX:AA

の最上位 またモンスターの強さの序列は以下の通りになっています ◆最弱級:E-

スライムなど ◆普通級:C-

コボルトやオーガ、オークなど ◆最強級:D++

リザードマンやゴブリンなどの亜人種、アンデッド、ゴースト系 ◆災害級:C+

サイクロプス、ケルベロス、バジリスク、ドラゴンなどの伝説の生物、幻獣、魔族 ◆伝説級:C ミノタウロス、ワイバーンなどの幻の魔獣、竜種の類

◆古代級:D+

エンシェントデーモン、フェニックスなどの不死鳥、グリフォン ◆幻想級:D

ヒュドラ、コカトリス、バジリスク、フェンリル、白狼といった希少性の高い魔物 ◆神災級:B

魔王やその眷属、一部の聖魔化した魔物たち ◆厄災級:L+

魔王とその幹部クラスの強靭な肉体を持った者達、魔王の側近クラス また魔王の強さの順位は以下の通りになっています SS:SS

の魔王 SSS:SSS級の魔王

A:A

+の魔王 AA:A

- Aマイナスの魔王 A:Bの魔王(A)

AB+(B)

AA(A)

BB-(B)

AB-

(A)の魔王 AC(S)

(S)の魔王 C

(A)

(B)

D+(D)

(B)

(C)

E(E)

(C)

(E)

(E)

(D)

EX(EX)の魔王 E

(C)

(B+)

Fの魔王 EF(D)の魔将クラス

(D)

G

(E)

E(E)の雑魚 【聖王モードの効果】

勇者モードの効果はそのままで勇者モードで習得できる全ての魔法を使えるようになる。更に全てのステータスが上昇する。しかし、神魔合身状態での勇者モードで発動することができるスキルの使用はできない。この効果を利用して神魔合身状態で勇者モードを発動すればステータスは上昇するが、通常時と同じステータスで勇者と魔王の力を同時に使うことができる。但し勇者モードの場合は聖魔合体を使うことはできなくなる。また、勇者モードでは聖剣を使用することが可能になるが神剣(聖剣バージョン)を使うことはできない。しかし、神剣には聖剣とは違い聖魔剣という特殊な能力が備わっているため、聖魔王と魔王の二つの状態であれば聖魔合体の状態と同じように使用することが可能となっている。聖魔合体の効果も聖剣と神剣は変わらない。

【魔王と勇者との違い】

この世界の人間の殆どが持っている魔王の装備。しかしこの装備品の本当の能力はそんな物ではなく魔王の魂がこの世界に降り立ち装備を纏ったときに発揮する力の方なのである。魔王が身に纏うこの防具は神が作った装備と言われており、この世界で聖剣、聖鎧と並び立つ三種類の武具の一つなのである。そして魔王の持つ力も、神をも超えるといわれている力を有している。魔王が持つ武具はこの世に七つしか存在していなくその全てがそれぞれ強力な特殊能力を有するものである。聖王、聖魔王となった者はこの魔王の武具のレプリカを纏うことによりそれらの能力を一部だけだが扱うことができるようになる。ちなみに聖魔王となった場合は全ての性能において神器を上回ります。また勇者も勇者としてのレベルが上がればこれらに劣らない程度の能力を持つようになりますが、勇者にはまだそのレベルまで到達した者が一人もいないため魔王に比べるとどうしても見劣りしてしまうのです。勇者と魔王はお互いに補い合うことで真価を発揮するのでどちらが欠けてもいけません。勇者と魔王の相性はとても良いんですね。魔王の武器は魔剣と魔王の指輪が一つとなって存在している。勇者の剣も同様にして作られている。魔王が所持している武具の中で最も弱いのが聖魔剣だが聖魔王が使用することで本来の威力を取り戻す。聖魔合体を行うことで聖魔武装となり勇者は神をも越えた最強の力を手に入れることとなる。

聖王の勇者モードになると装備しているものが、聖王の盾になり防御力が上がると同時にあらゆる属性に対する耐性がつく 【勇者と魔王の関係】この世界には魔王と呼ばれる魔族が存在しているが、その中でも最強の存在が魔王である。そして、この魔王の中でも一番強くて強い魔王は「魔帝」と呼ばれている魔王がいる。魔帝の魔王としての名は、魔皇、魔王と、そして魔皇帝である。そしてその魔王こそが魔王城の頂上に居る魔王でもある。魔王の強さとしては魔帝が圧倒的に強いのだ。その力はまさに別格であり人類がどうにかこうやって抗える程度の存在ではないのかもしれない。その魔族の王が、実は人間であったというのは驚きではないだろうか? そう、「勇者が魔王になった理由とは?」の答えになるのだがそれは、単純に魔王を倒したので魔人になり、魔帝になりましたという事なのである。この世界の人々は知らなかったのであるが、この世界の住人以外の人間は、人間も魔人も亜人種もこの世界に生きているすべての種族はその身に魔王や魔帝を宿していてそれが元の姿になっているだけである。

つまり本来であれば人間がこの世界で生活することはそもそも不可能なのだけれど、魔王を倒せば、魔王の力が体に蓄積されていき魔王や魔帝になってしまうという事なのであった。これは、勇者の剣にも言える事で、聖剣を聖魔剣にするために必要なアイテムが存在する。その魔剣と魔宝玉と呼ばれるものが必要になるのである。この魔剣を聖剣に戻すために魔剣と魔剣を合わせることが必要なのである。

この聖魔王には聖魔王を目覚めさせる為の特殊な方法があり、それを行えば聖魔王を覚醒させることができるらしい。その方法が分かるのは魔帝王ただ一人だけなのだ。その方法で聖魔王は聖魔王の力と、魔王の力を、魔王と魔王の力を、人間に戻してくれるそうだ。しかしその聖魔王が眠っている間は、普通の人間には扱えない魔王の力を扱えるということだったのだけれど僕は普通じゃなかったから簡単に扱うことができてしまったんだろうと思うんだよなぁ。でもこれでようやく分かったんだけど僕にあの聖剣を持たせてくれたあの老人の正体って誰なんだろうって思うよね、きっと神様だと思うんだけれど。

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名前 コウサカ イクト 年齢 16歳 種族 ヒューマン 職業 勇者 Lv 10 HP 2400 MP 3200 SP 4600 筋力 700 瞬発力 720 体力 660 魔力 850 精神 900 耐久力 750 賢さ 950 スキルポイント 3500 スキル <剣術Lv7><体術Lv5><全状態異常無効化Lv10> 加護 <運命神の寵愛Lv8><時空神クレアシオンの加護Lv2Logic Decay Error Loss Damages Defection System Lost Intense Light QuicknessLimiter Losing Balance Sustaining Life Maximization of Strength Ending DeathLike Cure Curse Averted Return ZeroGravity Lessons from Nowhere World Teleportability Measured Analysis Detective Skill Skill Constructing Psychical Effects Smash Through the Sinner Full Speed Wand Creation > エクストラジョブ<聖魔王>を開放しました。また<勇者王><救世主>を複合職へと統合を行います

「な、な、なんだこりゃあああ!!!!」と叫びながら目を覚ました僕の体は汗でびっしょりと濡れていたのである。僕は、今までの自分の体験したことを振り返るように思い出していたのだ。この世界に来た日のことから、この世界で出会った人たちのことを、そして聖魔王モードについて思い浮かべていくのである。そこで僕はある一つのことを疑問に思った。何故僕は今こうして無事に生きているのか? あれだけの怪我を負っていたというのに、どうして無事なのかということだ。

僕は自分が寝ているベッドの周りを確認してみるとどうやらここは病院のような場所であることがわかった。しかしこんな場所で治療を受けなければならないような傷なんて負った記憶は無い。

すると突然、病室の扉が開くとそこには先ほど助けた女の子がいた。彼女は僕を見ると駆け寄ってきて、心配そうな顔をこちらに向けるとこう言った。

【お兄ちゃん、良かった生きてて本当に良かったよ。私の大切なお兄ちゃんが居なくなるんじゃないかと思って私ずっと泣いていたんだよ。だって私がお家に帰る途中で、変なお爺さんが『お前は選ばれた』とか言ってくるし私は怖くなって急いで家に帰ってきたんだけどそれからすぐにお父さんとお母さまは帰らぬ人になっちゃったの、それでお祖父様はどこかに行ってしまい私一人になってしまったの。そしてある日、私も死にかけてるときに誰かに頭をなでられたのその人は男の人だったんだけど顔が見えなくて気がついたらこの世界に来ていたの、そしてそのあとこの世界で勇者のお兄ちゃんと出会った。

その時からお兄ちゃんと一緒にいるととても楽しくなるしお料理がとっても上手く作れたの。それに不思議な事に、勇者の力を使うとその力が強大になるけど使うたびに、どんどん気持ちが沈んでいくの、勇者は辛いの、だけどそんな時いつも隣には優しいお兄ちゃんがいてくれていた。

でも今日、急に苦しみだしてお腹が膨れ上がっていったのそれを見て私はこのまま死んでしまうと思った。そんなの嫌だよ、せっかく勇者の人が来てくれたのにここで終わっちゃうのは嫌だよ、お願いです勇者の兄貴、魔王を倒して下さい。もう他に勇者がこの世界に来ることはないんです。お願いします! 勇者の人!! だから早く魔王を倒して世界を救って、魔王を倒せるのは貴方しかいないんです、どうかお願い、魔王を倒してください。この世界の人を助けられるのは、勇者の人だけです。

勇者の人は世界を救う人なんです、どうか、魔王を倒すのが怖いっていうのは分かっています、本当は戦えなくてもいいんです、逃げちゃうかもしれないんです。だけど今は魔王と戦うことを考えてほしいのです、そうしないとこの世界の全ての人を助けることができないのです。勇者のお姉ちゃん、どうか、お願い。魔王を倒せれるのはお兄ちゃんだけなの、だから魔王を倒しに来てほしい、お願い勇者のお兄ちゃん」と泣きじゃくりながら必死になって話してくるのである。僕はその子に「うん分かった」と返事をする。そうすればその子は、涙を流しながらも嬉しそうに笑いながら喜んでくれた。僕はこの時確信したのだ。やっぱり僕にしか出来ないことだったのだ。この世界では誰も魔王を倒せなかったのだ。僕は勇者として生まれてきたんだとこのとき強く実感したのである。でも勇者といってもまだレベルが10しかない。今の魔王との差は歴然だ、だからこそもっと強くならなければ勝てるはずが無い、ならば強くなればいい、この子の力を借りればそれは可能なはずだと思えたのである。

勇者には様々な力があるのだがその中の一つには「限界突破(オーバーブレイク)」と呼ばれる力がありその力を使用すると勇者は魔王に匹敵する力を持つことが出来るようになる、そしてその力を魔王は持っているのだという。その力は、他のスキルの力をも全て解放するというものだそうだ。魔王が持つその力に勇者が対抗するには同じその能力を使わなければいけないらしいのだがその能力を僕はまだ手に入れていないらしい。つまり今のままではその力に頼らず魔王を討伐するということになる。それはあまりにも無謀で危険過ぎるのである。魔王が僕たちの知っているような存在ではない可能性もある。この世界での魔王というのは魔物の王ではない、この世界における本当の意味での魔王なのである。それは魔王の本来の力を封印されていてその力は普通の人と同じ程度の力を持っているのかもしれない、つまり普通の人間よりも弱い可能性が高いのだ、それでも普通の人間にとっては驚異となる力を持っているだろう。この世界に元々存在しているモンスター達の方が遥かに脅威なのだ。だが僕の頭の中にあの女の子の言葉があった。「魔王はこの世界にとっての希望なんだよ」という言葉である。この世界には魔族だけではなく人類も存在している。その人達の為に魔王が存在するのではないかと僕は考えたのだ。その通りであればその魔族は魔王の力を完全には使いこなせてはいなかったはずであると僕は予想できたのである。その推測を確かめるためにもその魔族の魔王に会いたいと思い僕はその少女に協力してもらうことにしたのである。その方法は簡単である、彼女に協力してもらえばいいだけだったからである。この方法を使えば確実に魔王の元へと向かうことができるという確信を持っていた僕はまずは彼女と仲良くならないとダメだと思い、会話を試みる事にしたのだった。そして話しかけようとする前に何故か勝手に口が動いていて話し出したため少し驚いてしまったがどうにか話を繋げることに成功したのだ。彼女の名前はリリカと言うらしいが見た目通りの可愛らしい名前だったのを覚えている、そして僕たちは二人で旅に出た。

最初は僕に対して怯えているようだったので僕を信用してくれなかったけれど、次第に心を開いてくれていき普通に接する事ができたと思う。そして一緒に行動するようになってわかったことがあるのだがこの子には魔王としての力が眠っているようだけれど、本人はそれを自覚していないらしい。ただ普通に過ごしているだけでも力が発動してしまい周囲の人に影響を与えてしまうらしく、そのために常に仮面を被って生活しているということであった。僕はそれを聞いてなんと悲しい力だろうかと感じてしまった。僕は彼女が悲しまないように魔王の力を制御できるように訓練をしてあげようと決めた。彼女はこの世界に来たばかりなのであまり強いスキルや魔法を所持しているわけでは無かった。しかし僕たちが最初に訪れた町で盗賊に襲われた際にある人物に出会ったことによって状況が変わったのである。

◆ 僕が、この世界で初めて出会った人は冒険者をしているというおじさんで名前はダンゴウと言った。彼は僕たちを一目見た時に、僕のことを鑑定しているようですぐに僕のステータスを確認すると、目を輝かせながらこちらを見てくるのである。

「君はまさか聖勇者の素質持ちなのか?」

聖勇者とは勇者の派生ジョブの一つである。

そして聖騎士は剣聖と盾士が上位職でありどちらも勇者から派生したジョブとなっている、さらに僕は救世主にも適性があったため勇者のジョブが三種扱えるということになる。

僕としては救世主と聖剣が使えれば十分だったんだけどなぁと思っていた。そしてそんな時、突然僕たちに襲いかかってきたのが、盗賊団を名乗る者達だ。彼らは僕が勇者の可能性があると見抜くとその力で拘束してきた。この人たちの目的が全く分からない上に、僕が聖勇者の資質を持って居ることを知ってるということは恐らくこの人たちも異世界からやってきた転生者の可能性が高かった。僕はすぐに反撃しようとしたのだけど相手の方が上手で攻撃しても全て防がれてしまい一方的に追い詰められていくのであった。しかしその時突如目の前にいた敵の首が吹き飛び絶命したのである。一体何が起こったのかよくわからないが、どうやら誰かに助けられたみたいである。僕はお礼を言おうと後ろを振り向くとそこにいたのは全身を黒装束で覆っている謎の人であった。

そして僕は思わず目を奪われる。なぜならその人の背中からは大きな羽根のようなものが出ていたのだ。その姿はまるで天使のように見えるがどこか悪魔を思わせるようなものであると感じた僕は、一瞬恐怖を覚えたのである。

「お、お前は誰なんだ!」と声を出すとその人物は、顔に被っていたフードを外すとそこには綺麗な女性の顔が現れて僕にこう言ったのである。

「初めまして勇者さん私はあなたをお待ちしておりました、私と一緒に来てください」

いきなりそんなことを聞かされて困惑した僕ではあったがこの人をこのままにしておいてはいけないと思った。しかし突然現れた彼女にどう対応して良いかわからなかった為どうしたらよいか分からず固まってしまっている。

そんな時だった、突然その女の人は僕たちに向かって何かを唱え始めるのだった。すると僕たちの体が光に包まれたかとおもうとそのまま別の場所に移動させられることになる。転移魔法の類いである事は間違いなかったがこの世界では、そのようなものを使う事が出来る人は殆どいないはずである。そのためこのような魔法を使うことが出来る人がこの世界の人であるはずがなかったのである。

◆ 僕たちが移動したのは、洞窟の中みたいなところであった。その部屋の中にはたくさんの死体が転がっており血の臭いが漂っていて非常に不快な場所だと僕は思ったのである。僕はそこで先ほどの女性の人を見る。その女性は顔色一つ変えずにこちらをじっと見ていたのだ。

「君は何が目的でこんなところにいるんだ」と質問を投げかけてみた。しかし返答は無く僕は困ってしまう、しかしその女性はこちらに近づくと突然僕の頬を撫でてきたのである。その行為に僕は動揺したが、この女性がこちらに危害を加えようとしているわけではない事がわかってほっとしたのだ。

それから数分経ったあとにその女性に話しかけると彼女はようやく答えてくれたのである。

「私の名はレイアと言います、これからよろしくお願いしますね。勇者さん」

そんな風に言われても、正直まだ何も分かっていない状況だったため反応できずにいたのだった。

そして僕は、どうしてこの人は、この世界にやって来たばかりの僕が聖勇者だと言うことがわかってしまったのだろうと不思議に思っていたのだ。この世界に来て初めて会う人がこの人だから僕が勇者だということに気づいたと言われてもおかしくはないけど、そうじゃなくてもこの世界に来るときに神に教えてもらったし。僕以外にも勇者がいたという話も聞いていた。だけどその人達もこの世界に来て一月ほど経つ頃には、みんな魔王のところに辿り着いているらしい。それなのにこの人は魔王の元へと行く気がないのだろうかと僕は疑問を持った。

「なあ君は魔王を倒しに行く気が有るのか無いのかどっちなんだよ」

そう聞いてみると意外な言葉が返ってくる。

「えっ、勇者の貴方なら倒せるんじゃないですか」と言われたのだ。その発言が意味することが僕には全くわからなかったため僕は混乱していた。そして僕に勇者としての使命が果たせないと伝えてみると、「でも勇者なんですよね」と聞かれたため僕はそうだと答えてしまう。そうした後に「それなら大丈夫じゃないでしょうか、貴方は勇者ですしそれに魔王の力は普通の人には耐えられるような代物ではないんです、魔王を倒せるのは、この世界での魔王と勇者だけです、それ以外の人間が戦うなんて不可能ですよ」と答えたのだ。僕は、その言葉を信用することにした、なぜか彼女のその言葉には説得力があったからである。僕はその後この場を離れてこの世界を見て回る事にしたのであった。

そしてその日の夜のこと、僕の体は何者かに襲われてしまう。そして意識を失ったのだった。目が覚めると僕はベッドの上に寝かせられていた。

その部屋には二人の人物がいて僕は慌てて警戒するが、一人はリリカであると気づく。その横に座っているのがレイという女で、僕は少し違和感を感じたのだ。その容姿は確かにリリカと似ているのだけれど何か違うと思えた。僕は、とりあえず自己紹介をしてこの世界でのことを話そうと決め、その旨を彼女に告げることにしたのだ。しかしそれは遮られてしまい僕に話しかけてくる人物が現れる。

その人物は仮面をつけており正体は良く分からないが男だということはわかったのだ。そして彼は、自分の名前を名乗らず僕と会話をしてきて僕の素性を知りたがっている様子である。僕としてはなぜ僕なんかが知りたいと思っているのかという気持ちがあり、その理由を聞きたかったのだが、それを聞こうとする前に僕の体は完全に言うことをきかず勝手に喋り出す。その事に驚いたが僕はこの男が僕が魔王の加護を受けし者だと勘違いしていることに気づき訂正しようと思い必死に口を開こうとしたのだが僕の体は言うことをきかなかったのである。その事に焦っていた僕はどうすればいいのかわからなくなってしまっていたが男は「君は本当に面白い人間ですね」と言って立ち去ってしまう。そして残されたリリカが心配そうな顔で僕を見つめてきていたがそれに対して僕は笑顔で答えるとリリカが僕に抱きついてきて、少し泣き出しそうになっていることに僕は少しだけ戸惑うのだった。そしてこの日からしばらくリリカと一緒に行動することになったのである。

◆ そして今日から数日の間僕と彼女は二人っきりで行動することになっている。僕にはどうしてもやらなければいけないことがあった。

しかし僕は、その事を彼女に打ち明けるべきかどうか悩んでしまう。僕は彼女がとても可愛い女の子であることに今更ながら気が付いて、自分の心が揺れていることに気づいてしまったのだ。彼女はそんな事を知ってかしらずかずっと僕のそばを離れようとしなかった。僕が、一人でどこかに行ってしまおうと考えていたときも僕が行かせてくれないのだ。僕はどうしたら良いのか悩んでいたが、この世界では僕しかこの力を制御する方法が分からなかったので彼女に相談するほかはなかったのである。僕は彼女に自分の中の魔物の存在について教えることにした。僕はまず、その力がいつ自分に芽生えたかを説明することにする。僕はある日夢の中で神に会いそこで魔王を倒せと頼まれたことを話してみたのだ。そして僕の中にある魔物の存在はその力のせいでありこの力を完全に使いこなすことが出来れば、僕の中に宿っている魔獣が解放され自由に動けるようになるということを彼女に伝えたのだがそれでもやはり半信半疑の様子だったので実際に試して見せる必要があると思い僕は彼女と戦闘を行う事になった。僕は彼女を気絶させた後で僕の中からその魔物を解放して見せた。すると、僕の体内から僕の腕より少し小さいぐらいの生き物が出てきてそれが僕に飛びかかってきたので僕はそれを素手で掴むとその生物に語りかける。するとそいつも僕の話を分かってくれたようで大人しくしてくれていたのであった。それからというものの僕はその子と一緒に過ごしていて今では立派な相棒となっていた。その子は、見た目はただの子狐なんだけど中身がとんでもない力を持っていやつなのだけど、まあ悪い奴ではなく今は普通に仲間だと思ってるし大切にしているつもりである。

そんな感じに毎日を過ごしているうちについに僕たちは魔王城へとたどり着いたのである。しかしそこで僕達は、予想だにしない事態に巻き込まれることになったのであった。僕たちの前には、謎の黒フードを着た集団が立ちふさがったのである。

「貴様らがこの城になんの用だ、さぞかし高レベルな冒険者パーティーなのだろうがここを簡単に通れると思うなよ!」と、その謎の集団の一人はそう言ったのだ。その言葉を聞いた僕は困惑した。なぜならば彼らはこちらが誰かも確認せずにいきなり攻撃してきたからだ。その事から彼らがこちらを殺す覚悟でこちらを殺しに来たということだけは伝わってきた。だからといってこちらも攻撃を止める訳にもいかず、僕は彼らと戦うことを決意する。

「君たちこそ一体何を言っているんだ、この城の関係者なのか、それとも別の目的があるのかい?」と質問をぶつけると「黙れ!」と言い放ち攻撃を加えてくる、彼らは本気でこちらを殺す気できているようだったが僕達の強さに驚いていたようだ、そんなこんなで僕達が彼らの相手をしながらなんとか進んでいくと一人の少女と出会う事になる。

その女の子はとても綺麗だが少し不気味さを感じさせる雰囲気を出していた、その女の子は僕たちを見つけるなりこちらに近づいてきて話しかけてくる。

「お前たちが私の城を荒らし回っている侵入者たちなのだな、ならば仕方ないな死んでもらうぞ」といきなり攻撃を仕掛けてくる、僕はそれを防ぐと相手の出方をうかがうことにしその攻撃を捌いていくが、しかし、彼女の強さはその見た目からは考えられないほど高く、そして素早い動きをしており僕は対応できなくなっていた。そしてその女の子の攻撃を受けてしまう。しかし僕は致命傷になる前に防御を成功させていたため、どうにか死ぬことは無かったのだ。

そして彼女は続けて魔法を唱えようとしたので僕は急いでその魔法の効果を消すことにした、しかしそんな時だった。リリカが「貴方は何者です!この人たちは私達の敵ではありません」と大きな声で言い放つ、僕はその声を聞いてその人がリリカのお姉さんだと理解した。しかし目の前のこの人はまだこちらを殺そうとしていたため僕はこの人を説得しなければと考える、しかし僕は、そんな時間を与えられずに再び魔法の直撃を受けてしまう。今度は僕は防ぐことに失敗しそのまま倒れこんでしまった。そしてその倒れた隙を狙われ僕は殺される寸前の状態にされてしまう。このままではいけないと僕は考えたがどうすることも出来ずにいたのだ。しかしその瞬間奇跡が起きたのだ。リリカがその人に向かって「やめてくださいお父様!」と叫んだのだ。その言葉を聞き僕の意識は徐々に覚醒していく、その言葉を聞き僕が見た光景は先程までとはまったく違い僕のことを優しく微笑みながら見ているレイアさんの姿だったのだ。そしてレイアさんに抱きかかえられたままの状態で僕は、レイアさんの体の中に入り込み意識を取り戻すことが出来た。その時にはもうリリカはおらず、そのレイアさんも姿を消しており、そこには黒い服の集団だけが残っていたのである。

僕とリリカは、魔王の元に向かう前にリリカの両親を探すことにし、リリカの実家に行くことにしたのである。その途中僕はレイアさんと別れた時にあの人が最後に言った言葉を思い出す。それは、「貴方の事は私が守りますから安心してくださいね」と言われた言葉を思い出し、僕はなんだが嬉しくなってしまい顔が熱くなるのを感じる。そんな事を考えながら歩いていると、僕達は、町の中心の広場に到着する。そして僕が町の人達に聞き回り、やっとこさ探し当てた情報を元に、僕達はこの家を訪ねることになったのだ。

そして僕が、家のチャイムを鳴らすと一人の女性がドアを開けてくれる。その女性はとても綺麗な人で僕を家に上げてくれた。そしてリビングに向かいその人と向かい合わせになるように椅子に座る、僕に話しかけてきた人はリリカの母親でこの家の主人のレイナという人だった。

僕は彼女にこの国の王であるラリスという人物に会いたいと伝えるとレイナは「あら、その方はこの国の女王であるサラリア様のことかしら」と言ってきたので僕はその問いに「はい」と答えてしまう。

その後僕はリリカをその場に残し一人先に部屋を抜け出し、女王の部屋に向かったのである。リリカはレイナさんに任せることにした。レイナさんには事情を話していないのだがレイヤは察してくれてリリカを引き受けてくれていたのである。僕は、この国で一番豪華な作りになっているであろう部屋の前にたどり着くと扉の向こうから話し声のような音が聞こえたので中に入ろうとノックをし部屋の主に声をかけてみた。すると直ぐに中から入っていいわよと言う言葉が帰ってきたため部屋に足を踏み入れる。その部屋の豪華さに僕は思わず感嘆の声をあげてしまいそうになったがそれを我慢し、本題に入ろうとした。

そしてそのタイミングで再びその人の従者である男がやってきて話の流れが変わってしまい僕達は一旦会話を中断することにするのである。僕は一度その男を部屋から追い出した後その人物の従者が持ってきていた荷物を受け取る。

その従者は一礼するとその場から離れて行く。その男はどこかへ行ったわけではなく僕の近くに留まっていたので何かあるのだろうかと思い僕はその男の様子を見てみるとその男は何故か僕が受け取った荷物の中を確認しているのだ。

僕は何故その人物がそんな行動を取っているのか分からなかったけれど取り敢えずその様子を観察し続ける。その人物は荷物の中に手を突っ込むと何かを取り出しそれを眺め始めた。その人物は手を伸ばしたまま動かなくなった。僕は不思議に思いながらも様子を窺っていたのだが一向にその人物は動かないままだった。僕が痺れを切らせ、その男に直接尋ねてみることにする。しかし返事がない。

その状況に僕は段々と腹が立ってきたが一応もう一度声を掛けてみた。しかしそれでもその人間は動くことがなかった。そこで僕は直接体に聞いて見ようと考えその人間に近づく、そしてその人間が手に持っていたものを僕に見せつけてくるのが目に入る。その物体は刃物であり、その刃物で僕の喉を突き刺そうとしている事が分かった。その刃渡りの分だけ僕の体の中にその凶器が突き進む。僕は、それをどうにか避けたがその攻撃のせいでバランスを崩してしまい床に倒れることになる。

すると僕はその瞬間、首元に痛みを感じた。僕にナイフを突き立てた男が僕の首に噛み付いたからだ。僕はそれを無理やり振り払い、その勢いのまま立ち上がる。しかし僕は立ち上がってから少し違和感を感じ自分の体を確かめて見る。すると自分の体は先程より確実に小さくなっており明らかに力が弱くなっていることに気づく、そしてそれと同時に、その自分の体から発せられる力の感覚が先程の力の数十倍も強力なものであるということも僕は感じ取ったのであった。

僕の体の状態を見て僕は焦りを覚えていた。なぜなら僕の体はどんどん縮んでいき遂には子供の大きさまでになってしまったのである。僕はこの状況の解決方法を考えていた。そして一つの結論に至る。これは恐らく【弱体化】のスキルによってこうなってしまったのだと。僕は急いでステータスを確認することにした。そこで僕はその予想が当たってしまっていることを知る。

しかし僕が自分の状態を確認していると、いつの間にか近くに寄ってきていた先程ナイフを持っていた人間の従者が僕を攻撃してくる。その攻撃を避けることも出来ず僕はその攻撃を受けてしまう、そして更に状況は悪くなっていく。その人間は再び僕のことを襲うために僕に接近しようとしてきており僕は逃げるしか無かった。しかしその動きはかなり遅く、僕はすぐにその攻撃に追いつかれ、今度は背中に切り傷を負ってしまう。そのせいで僕はまともに身動きが取れなくなってしまった。しかし僕はそんな状態の自分を気にすることなく考え続けていた。この状態から抜けだせる方法がないのか、そんな事を考えているうちに、僕はあることを思いついた。それは、自分のステータス画面に新しく追加された文字を見ればいいのだと。

僕は自分のステータス画面を開きその文字を確認した。そこには『強制転移』と書かれていた。そしてその下にはまだそのスキルを使用する為に必要なMPの数値が表示されていなかった。僕はまずこの状態から逃れるための方法としてこの方法を試してみることにしその文章の書かれているところを指で触れ、そこに表示されている内容を読んでみると、『その空間に存在する対象を指定し、その場所に移動させることが可能。ただし、移動させられる人数、または場所の数は消費したMPの量に比例する。このスキルの発動時、使用者はその範囲内のどこにいても、その場所に移動することが出来るがこのスキルを発動した瞬間にこの世界のどこにも居られなくなる、そのため使用の際には注意が必要である。この効果を使用した場合この世界での時間は経過しないが元の世界に戻ってきたときにはこの世界で経過した時間が現実にも反映されてしまう、その為、もし使用したいのであれば慎重に検討してから使うようにしよう』

という内容が書かれていることが確認できた。それを見た僕は少し安心する。この状態でこの世界にいるよりも、強制的にあの世界に戻ったほうが安全に戻れると思ったのだ。そしてこのスキルを使って今いる場所から抜け出すことを決めたのである。

僕がその説明を読み終わると同時に、僕に攻撃を仕掛けてきた男が僕に向かって話しかける。「どうせこのままお前が死ぬことは変わりないだろう、だが俺のストレス発散の為にもう少し付き合ってもらうぞ」とその男はそう言い放ったのだ。

そしてそれから僕は何回も殺された。殺されるたびにその傷口は治って行くのだが、しかし僕が生き返る前にその男の傷は増えていき、ついに僕は殺されなくなってしまうまでになったのである。その時だった。僕はまた新しい項目が追加されているのを見つける、そこにはこんな風に書かれていてあった。

「【HP無限】

この能力を使用時は体力が尽きる事はない。この効果はこの能力を持つものが死ぬまで有効となる。またこの能力は、死亡時にこの効果を持っている存在を復活させる事が出来る(この効果が発揮されるのは一回限り)

さらに、HPを最大値にする効果があるため常に体力が増え続けている状態であると言える」と書かれている。

そして僕の体の中には膨大な量の力が存在する事を感じることが出来た。今まで経験した事のないほど大量の力が自分の中から溢れ出していたのである。しかしその力があまりにも強大過ぎて僕の体はそれをコントロール出来ていないようである。この状態は長く続かないと判断し、直ぐにその力の暴走を止めようとしたのだがその力を上手く制御出来ないのだ。そんな時僕は急にあることを思い出しその力を抑えつけることに成功し無事、自分の体の中に押し戻すことに成功する。そして自分の体が元に戻り先程までとは違い力が格段に増していることに気がついたのである。そして僕は完全に先程とは違った気持ちになっていたので先程までは殺せなかった相手に今度は簡単に勝てると思いそのまま戦いを続けた。しかしやはり相手が強く、僕は負けそうになるが僕が諦めずに頑張っていると突然相手が僕を殺そうとしてきた攻撃を止めたのである。その行動の意味を測りかねた僕は警戒しつつも相手の行動を待つ。

するとその男は「これ以上戦っても勝ち目が無いから見逃して欲しいんだが駄目か?」と言ってきたのだ。僕はそれに対して、「はい分かりましたと言うと思うのかい? 僕だってここで死にたくないんだ、だから悪いけど君はもう死んでくれよ!!」と叫ぶと僕は自分の体の中で暴れる感情に身を任させそのまま目の前の男を切り刻んだ。そして完全にその男を倒すことに成功したのだ、その男は血だらけで地面の上に転がっており既に死んでいる事が見て取れる状態であった。そしてその男の着ていた衣服や鎧なども一緒に落ちており、その中に一枚の手紙が入っていたのだ。僕はすぐにその手紙を読む。その手紙には次のような事が書いてあった。

『この手紙を読んでいるということは私はもうこの世にいないという事であろう、貴方はこの男を殺したのだね。貴方がこの男を殺してくれたおかげで、私の目的は達成されたようだ。その男を殺すことでこの国では魔王が倒された事になる。その事に関しての説明をする、その前に、その男について少し語ろうか、私の目的の為に利用するために色々と細工をした。例えばこの国の国王をその男に変え、その国王をそろそろ殺しておこうと思っていたからこの男に頼んで私が国のトップになってもらった。他にも様々な方法でこっちの世界の人間を操作していた。しかしそれが全部無駄になってしまったよ。その男には【完全洗脳無効】のユニークアイテムを所持してもらっていたんだけどそれでもダメだった。結局私はその男を殺すことはできなかったんだよ、残念だけど仕方がないよね、取り敢えずこの男は後々の邪魔になるかもしれないので始末しておくことにする、そしてここからが本題なのだけれど、君にはこれからある場所に行ってほしい。そこは元勇者と魔人族が住まう世界だよ、そしてそこで、その世界を滅ぼせるだけの力を手に入れて貰おうと思っている。そこで手に入れた力でこの世界に侵攻するつもりらしいんだ、その準備はこちらでやっておくから安心してほしい、それでその場所というのは異世界の何処かにあるダンジョンの中だ、そこでなら、その男がどんな行動を取ろうとしても対応することができるから大丈夫だろう、そこの管理者はこちらが手配をしてあるから心配はいらないはずだ、それにその男をそちらの世界に送れば、きっと、あちらの世界の人たちと協力してその男を倒してくれるはずなんだ、そういうふうにその世界を管理している者に依頼しておいたのさ。ただその男は少し面倒くさい性格をしてて、その世界に居る全ての人を味方にしようとする、しかしそうなると君の力だけじゃ倒すことが出来ない可能性が高い、だから他の協力者を探して協力してもらうといい、そして最後に、その男の事を頼みたい、あいつは自分のことしか考えない人間なんだ。自分がこの世で偉くなりさえすれば後は関係ないみたいな人間なんだよ。そしてその欲望を満たそうと、自分の利益になるように動いているだけだ、でもそれは違うんだよ本当は。本当の意味で自分の事を愛してくれる人物を求めているんだ、そしてそれを見つけようとしている、そんな男なんだ。この男は。そんな自分の為にしか動いていないように見える奴の事を少しだけでも良いから気にかけてあげてほしい。そうしないと、こいつはいつか大変なことになる、そんな予感があるからこそ僕はお願いしている、どうか、よろしく頼む』

という内容が書かれていた。

この男がどういう意図でこのような内容の遺書を書いたのか分からない。だが一つだけ分かることがある。この世界はどうやらこの世界で大きな戦いが起こりその戦争は確実に負けるのだということ。僕は、僕は絶対に負けてはいけないのである。なぜなら僕にはまだこの世界でやり残した事があるからである。僕はまだ、この世界の人達の笑顔というものを見ていっていないのだ。それを見るまで僕は死ぬわけにはいかない。しかし僕一人でこの世界の人々を救える可能性はかなり低い。そのため僕は僕の目的を達成する為に協力しあう必要がある。しかし、しかし本当にそんな事ができるような人間が存在するのだろうか。僕はそんなことを考えていた。しかしそんな事を考えてたって答えが出ないことくらい分かっていたのだ。僕は自分のやりたいことを優先させることに決める、この世界の住人たちの事を救いたい気持ちは山のように存在するのだが今はそれよりも僕にとっての目的の方が重要なことであるからだ。

そう決断すると僕は自分のステータス画面に新たに追加されていた能力を発動させた。その能力は『絶対転移』である。この能力は一度行ったことのある場所ならばその場所に一瞬で移動することが出来るという能力であった。しかし僕はその能力の使い道を迷ってしまった。この能力を使えば、その異世界に行くことが出来るがそこに行くためには僕は死ぬ覚悟が必要で、更にそこに行き着く為には、僕が想像も出来ないほどの苦労が必要なのだと理解したのである。しかしその時に僕の頭に一人の女性の顔が浮かんでくる。僕はその顔を脳裏に焼き付けるようにその女性を思い浮かべてから目を閉じた。すると、僕はいつの間にかその女性の前に立っていた。僕の記憶の中の女性は目の前の女性が現実なのか幻聴のようなものを僕は見ただけなのか分からなくなる程美しかったのである。その美しい女性の外見の特徴は、腰のあたりまでの長い黒髪、それに白のローブを着た姿である。

その女性は何かの気配を感じ取ったのか僕の方を振り向くと微笑みながら話しかけてくる。「あら、珍しいお客様ですね、もしかして私に用事でもあるのですか?」と。そしてその後、その女性の瞳の色が変わる。その瞬間にその女性がこの世界の管理者であることを理解することが出来た。この人は神のような力を有しているのにその力を使い世界を見守るという行為をしているのだと思った。僕も最初は、この人がその力を持っていなければ世界などという存在が存在しなかったのではないのかなと思ってしまっていたのである。それほどこの人の力は強大なのだから。

そして僕がこの人に「僕はこの世界の為に出来ることはありますか?」と質問をしたが彼女はその問いに対して「貴女にそのような事はできませんよ、ですから大人しく帰りなさい、私はこの世界の平和を保つために存在しているのだから」と言われてしまうのであった。

僕は彼女に「僕は貴方の役に立ちたかった、そしてその言葉が真実だとしても僕は貴方のその力が欲しかったんだ、僕をこの世界に連れてきてくれ、僕は、この世界を守りたいと本気で思っている、だからこの力を使う事を許してください」と真剣な表情で言い放ったのだ。そして僕は頭を下げる。この人に願いを聞き入れてもらう為に。そして、僕の行動を見た彼女の目つきが変わり雰囲気までも変わる。その目線は先程までとは比べ物にならないほどの強さが感じられた。まるで先程までは手加減していたのだと感じる程の圧を感じる。その視線を受けた僕は動けなくなり固まっていた。体が石化してしまったような感覚に陥る。そんな僕に向けて彼女は言う、「お前は馬鹿なのかい? この私がわざわざそんな事をしてあげる理由がないのがなぜ分からないのかい? ただの人間が私の力を手に入れる? 不可能だね、そんな事が出来ないように私が管理をしていたというのに、それでもなお私にその力を手にしようとしてるという事はつまり君は死にたいということかい? なら望み通りに殺してあげよう、君を今すぐこの場で、私は殺してしまえばいいんだからね。でももし、どうしてもこの力が必要だというのであれば私は君にチャンスをあげましょう。私の力を使ってみたいんでしょう?」と問いかけてきた。僕はその質問に答える。「はい! 是非その機会を僕に与えて欲しい!」僕は彼女に向かって叫ぶ。その返事を聞いた彼女が僕に向けて手をかざすと僕はその場から消え去る。

次に僕はどこかの部屋にいるのだと思う、そしてそこには一人の男性の姿があった。その姿を見た時僕は驚く、「まさか、どうして貴方がここにいるんですか!?」僕は思わず彼に話し掛けてしまったのだ。そして彼がその声に反応して振り向いた瞬間僕はその人物が誰であるのかを確信することができた。彼はその見た目こそ違うものの、僕がよく知っている人物と同じ特徴を持っていたのである。まず最初に、その人物はとても身長が高く筋肉質の体をしており髪の毛は黒色をしている。そして顔が整っており目はつり上がり鋭い目つきになっている。しかしその人物は優しげなオーラを放っていて威圧感はないのであるが、しかし普通の人には持てない力を持っていることが一目で分かったのだった。その人物の名は【魔王サタン】と呼ばれている人物であり僕の知り合いでもあったのである。

その魔王と呼ばれた男性はこちらを向いてから、その口を動かし話始める。その口から発せられた言葉を聞く前に、僕は彼から放たれている圧倒的な圧力で気絶してしまいそうになったのである。しかし僕はどうにかその言葉に耐えきりその男の言葉を聞いた。「お主は、確か以前会った時の記憶があるが一体何者なのだ、何故俺の名前を知っている。お主からは尋常じゃない量の魔力量が流れ出ているぞ。ただ者ではないようだがな。俺はお主に見覚えはないがその力だけは分かる、間違いなく勇者の関係者であろうな。まあそんなことはどうでもいいが、勇者の事について何か知らないか?」と問われたので僕は「勇者がどうかしたのでしょうか? それに勇者とはどういう意味ですか?」と答えておくことにした。

すると彼はその返答を待っていたのか僕に対して急に笑い始めた。それは愉快で仕方がないというような様子であり、僕はそれに恐怖を覚えながらも平然を装い続ける事に意識を向けた。そしてその僕の努力は報われずに彼の攻撃により僕は一瞬で倒されてしまう。

僕は気を失ってしまう直前にこの男のステータスを確認するが、僕の視界には彼の名前が表示されることはなかった。それは当然の結果と言える。名前が表示されないという事はその人物が人間族であるということが確定してしまうのであるから。僕がその事実を確認して倒れ込んでいるといつの間に現れたのか、この部屋の扉の先に一人の人物が現れた。

僕はその人物を目にして驚いてしまいすぐに起き上がると戦闘体勢に入る。その人物はこちらに気が付き、僕に話しかけてくる。「君にお願いがあるのです。貴方の力が必要なんです、お願いします。協力してもらえないですか?」と聞いてきたのだった。そして、その人物の顔を見るとやはりそれは、かつて見たことのある人物に似ていた。そうその女性は【アテナ神界最高神のアルテミス様の生まれ変わりのような存在、この世界の主神でもあり女神でもあるリリアさんの顔がとても似ていていたのだ。

僕のその反応を見た彼女は「あぁ、これは私の身内なので気にしないでくれますか?」と言うがそんなわけにはいかなかった。なぜなら僕にとって彼女は恩人であるのだ。僕が初めて出会った時にこの世界に来ることが出来たのも彼女のおかげだしこの世界に来れるようになるまでに僕を指導してくれていたのも彼女であったからだ。僕はそのことを彼女に伝えてからこの世界での出来事を伝えたのである。

すると僕は何故か突然自分の体の中に入っていた力が体から抜け出ていく感覚を覚えたのだ。その力が完全に抜けてしまうと目の前の二人の姿が消え去ってしまった。僕は再び自分が自分の中にいた存在の事を考えているうちに自分の目が開いていることに気付かされたのであった。そして、僕は自分が生きていることを理解し、それと同時にあの世界で起こったことを思い出しながらこれから先のことについて考えることにするのであった。

僕は自分のステータス画面を開き確認をする。その画面に新たに表示されている能力を確認した時に僕は驚く。なんとその能力は『無限再生』というものでその能力は、その名の通り僕が傷を回復できるのと同じように僕自身が死なない限りどんな攻撃を受けようとも復活することが出来るというものだった。しかもそれが発動すると自動で回復されるらしく自分で治さなくても良いという能力であった。更にその能力は一度死んだ後にしか発動しないようになっていて、その時にも能力が勝手に発動するように設定されていたのだ。だから僕は何度も殺されてしまう事になるのだ。

その能力を見ていた時に、僕はふとある考えに至ることが出来た。僕の体内には僕が死ぬと同時に復活するための鍵であるものが仕込まれているらしいのである。それを取り出せれば死ぬこと無く生き続けることができるようになるはずだと僕は思うのだ。そしてその取り出し方はおそらく、僕の体内のその部分を直接手で触れなければならないのではないかと思っている。だがしかしその方法が分からないのである。

それからしばらくの間ずっと考えていたのであるが答えを出すことは出来なかったのである。僕は、もしかしたらこの世界の住人達にその事を伝えることによって何か解決の糸口が掴めるのではないのかと思いつく。僕はとりあえず誰かに僕の事を伝えようと考え、僕が今いるこの場所が何となくどこなのか分かり始めてきていた。その場所とは僕の故郷にある、僕の家だ。

僕はその場所に転移しようと思い、僕は家の中に移動する。しかし移動したのは僕だけであってその家は先程僕がいたところと同じような作りになっており、特に変化がないように思われたのだ。僕が自分の姿を見下ろしてみるとそこにはいつも着ているような服装をしていたのである。

その服を見ている時僕は違和感を感じ取ることが出来た。その理由というのはこの部屋には時計というかそういったものがなかったからである。そして僕は時間の流れが違う世界にいたのだと感じさせられるようなことを僕は思い出すことになる。この部屋に来た時からかなりの時間が過ぎており既に昼になっていたのである。僕はかなりの時間眠っていたのだろうと思う。僕はこの家に他に誰もいないことを確認した上で自分の持っているスキルを使って家の外に出ることを決意したのである。

僕はすぐに外の世界へ出ると僕は驚いた。なぜならそこは見渡す限り森で覆われていて僕の住んでいる場所は山の上であったのだ。そのため景色が良く、そこから見る街はとても小さく見えてまるでミニチュアの街のように見えるのである。僕はその光景をみて少し興奮していた。

そしてしばらく歩いていた僕は街の付近まで来たところで僕は何かしらの戦闘音を聞いてそちらの方に向かう事にしたのだった。僕が行った場所にはすでに何人かの人々がおり戦っているようだった。

そこで僕は、今起こっている戦いが魔族との戦争であることを理解する。そしてこの人達は僕が助けるべき相手だということが瞬時に理解できた。そして僕は僕の中にある力を全力で行使して戦場を駆け抜けると、僕に気付いた兵士達や戦士達が僕の事を救世主だと言わんばかりの視線を送ってきたのだった。しかし、そんな視線はどうでもよく僕はただ早くこの戦争を終わらせてしまいたかったのだ。だからその力を解放し、この戦争の全ての者達の記憶の中から戦争があったということを消してしまう。それによってその出来事はなかった事になってしまう。

しかし僕にはその力で全てを忘れさせることは出来るのだが、完全に忘れさせることはできなかったのである。その力の影響を完璧に受けることが出来なかったものがいたのである。そいういった人たちは、その力を受けてなおこの場にいる人たちに味方する意志を示した人達であった。僕はそういう人達がこの世界に残っていることが何となく嬉しい気持ちになりながらも、僕に協力してくれた人々を連れて僕は自分の家へと戻る事にしたのだった。

そして僕の家まで戻ってくると僕は、自分がなぜこの場所に転移してきたのだろうかと考えていた。その理由として僕は、ここが元々住んでいた家だからではないかと推測したのである。しかしそんな理由だけでは納得できずに僕は他の理由を考えたのである。その結果思いついたのが、ここは僕が転生する前の世界の僕の家だったということであった。

僕はその予想を試そうと僕はその家に残っていた家族全員分の記憶を操作する事にした。僕にはそれが簡単に出来てしまったので、僕はその事に驚愕しながら、この家での生活を思い出すように記憶をいじり続けた。そしてその作業が終わる頃、僕の目の前には僕の母の姿が現れたのだった。その瞬間、僕に衝撃が走った。僕はその人物を見て思わず泣いてしまったのである。それは僕の母の生まれ変わりのような人であった。

その女性はこちらに近づいてきて話しかけてきたのである。「貴方の名前はなんですか?」僕はそれにどうこたえていいか分からずに、咄嵯に適当な偽名を考えてしまう。そして僕の考えた名前の人は、僕にとって大切な人の名前でもあったのだ。しかしそれはその女性にとって関係のない話なのでその事は説明せずに適当に合わせた名前で対応することに決めたのである。「僕の名前ですか? 僕はユウトって言うんです」

そして僕がその名前を名乗ると、なぜかその女性は僕の名前を繰り返し口に出して言い続けていた。そしてその女性が突然、泣き始めてしまいどうして良いかがわからなかった。その女性の目からは、たくさんの涙が溢れ出していてどうすることもできなかったのだ。そしてしばらくして、ようやく落ち着きを取り戻したようで僕の方を向いて質問をしてきた。僕はそれに対して嘘をつくことなく正直に本当のことを言う。

「僕に聞きたいことはたくさんあるかもしれないですけど、先にこの家の地下に連れて行ってほしいのです。そしてそこをあなたが見て、そこにあるものがあなたの探し求めている物ならば、貴方はそれを手に入れることが出来ます。それは、その扉の向こう側に行くとわかると思います。だからお願いします」僕は、そう彼女に頼み込むと彼女はそれを承諾してくれて僕の言った通りに行動してくれた。

そして僕はその扉の奥で僕はこの世界の真実を知らされることになるのである。

「君も知っての通りこの世界にはかつて神族が存在していた。その神族は我々の祖先なのだ。我々人間族、亜人種族と魔族の始祖はそれぞれ別の神から生まれたのだ。しかし我々はこの世界の創造神である神によって作られたのである。それはこの世界を神が支配しやすいようにする為に作られたものなのだ。そして神はその3つを1つの種族に統一させたのだ。つまりこの世界での神の加護はこの世界に住む者全員が共有しているものだ。この世界の生き物は全てその神から生まれ、また死んだ後もその神のところに還っていく。それがこの世界の常識だ。しかし例外も存在するのだ。それはこの世界が出来た時の核になる存在が死なない場合の話だ。その例外の存在こそがこの世界における最後の神々である、君達の言葉で言うなら元の世界での主神ということになるのだ。しかしそのような例外はごく稀なことであり普通であればそのようなものは発生しないのである。だが今回、その現象が起きてしまっているという事が起こったのだ。

そして、その現象が起きてしまうと本来死ぬはずの者が生き残るという事が起こりえるので世界のバランスが大きく崩れる恐れが生じる。そうなると世界そのものが崩壊する危険も孕んでいるのだ。その崩壊を防ぐために私はこの世界に存在している生命達に私の意思を送り込んでいる。それにより、私がいなくなった後の世界を彼らがうまくやってくれると信じているからだ。だからこそ私はこの命尽きるまで彼らを信じようと思う」そこで話は途切れてしまったが、ここから先の説明はまだ先の話のようだ。まだ先の話ということらしい。

僕達は、その後少しの間会話を楽しんだ後に、別れを告げてからそれぞれの家に戻っていく。僕が家に戻ると僕の中の何かが再び僕の中に戻ってきたような気がして、それからというもの何かに怯えるようなことはなくなっていったのである。僕が家の中で本を読んでいると外から誰かの声が聞こえてくる。僕がその声の主を確認しようと外に顔を出す。するとそこにはこの世界では見たことのないような姿をしている人達の集団がこの世界の住民であると思われる人と戦闘を繰り広げていたのである。僕はそんな様子を見ているとその集団のリーダー的存在の男の人がこちらを見つめながら、僕の方に走ってきていたのである。その男が、この家の玄関の前にたどり着いたのを確認したところで僕の体はその男に対して攻撃を行おうとしたが僕はそれを止めることにした。何故止めたかというと僕はそのリーダー格の男は僕を助けに来てくれた存在なのではないかと感じ取ったのである。

だから僕はとりあえず相手の出方を伺うことにする。そしてその男は急に土下座をしながら頭を下げ始めた。そんな状況の中さらに一人の少女が現れて僕に向かって何か言っているのだがその内容を聞き取ることができなかったのだ。しかし少女が、何かを言い終えると同時にその男の体がみるみると縮み始め最後には小さめの猫くらいのサイズになってしまったのだ。その変化が終わると先程までの大きな姿の面影はどこにも無くなっており僕の目の前にいたのは完全に小さな女の子だったのである。僕はそんな様子の変化を見て驚きつつもその小さい猫のようになっている人の言葉を聞いてみたのだ。僕がその子から聞いた内容は信じられないものだった。僕を元の世界に戻すことができるという話である。

そんな話を僕が受け入れる前にこの子から色々と情報を教えてもらうことに決める。そして僕達の話し合いが始まるのだが僕が今まで知らなかったことが沢山あり、そしてそれらの事実を全て信じなければいけなくなったのである。そしてその情報を全て信用したうえで、この子と一緒にこの世界を旅することを決意した。

僕はこれからこの子の能力によって転移してもらった世界に戻ることになる。僕は転移される寸前になって僕は自分がいた世界について考える。もしあの時あの場所で何も知らず過ごしていたら今の僕の人生は全く違っていただろうということを想像しながら。そして僕の転移が始まり僕は転移をした。僕は今まさに転移をしている真っ最中である。しかしそんな時に、突然何かにぶつかりその衝撃のせいで僕はどこか知らない場所に落ちていってしまう。僕が地面に落ちた衝撃は相当なものらしく僕はしばらくの間意識を失ってしまう。僕が気が付いたのはそれからかなり時間が過ぎてしまった後であった。僕は、その時間の流れが早いと感じた理由を確認する為、自分の手や足を触ってみて違和感があるところがないかどうかを入念に確認してみることにしたのであった。

僕は自分の体の確認をして自分の体がいつも通りの状態である事を認識した後にその違和感の原因を確かめるためにその違和感があった部分をよく観察してみる事にしたのである。僕はその違和感があった場所に目を向けてみるとその違和感の正体をはっきりと理解することが出来たのである。僕の右手が透けてしまっていたのである。それは、よく幽霊が出るときに現れると言われている典型的なアレだったのだ。僕に霊感があったという記憶はないのだけれど。そして僕は僕の体を良く見てみることにしたのだ。すると僕の体の至る所に無数のひび割れが発生していることがわかったのである。そして僕はこの現状から察する事が出来た。この体の状態を一言で表現するとしたら僕はこのまま消滅してしまうのではないかと思ったのである。そして僕は自分が消える直前にこの場から逃げてしまおうと決心する。僕は自分がこの場で消えてしまうのは避けたいと考えたのである。そう考えると僕はこの場から一刻も早く離れなければならないと考えこの空間から出ていこうとしたのだ。しかし僕は出て行くことが出来ず、僕は焦ったのである。そして僕に一体どういうことなのかを説明して欲しいと思いその現象を作り出したと思われるこの世界を作った本人に僕は問いただしたいと考えた。

そしてその疑問に答えるかのように僕の目の前に現れたのだ。それは僕の記憶にある人の姿そのままで僕の前に現れてくれた。その人の名前は僕がこの世界で生活を始めるきっかけを作ってくれてこの世界の真実を知ってもらう切っ掛けを作ってくださった恩人である。しかしその人はこの世界に来る前に会った人物とは違っており性別も見た目の年齢も異なっていたのである。そして僕はその人から色々な説明を受ける事になった。僕がここに来る前までに生きていたこの世界のことについて、僕達が生きるために必要な知識など、様々なことをその人は説明してくれたのである。その人は、僕の記憶の中に存在するその人の情報と一致していたのだ。僕は、僕がその人物に会えて嬉しく思いながらも僕はこの人物がどうしてこの世界で生きているのかがどうしても不思議で仕方がなかった。

僕には、僕が死んだ後どうしてその人が残っているのかその理由が分からなかった。そして僕もその人が僕と同じ境遇に立たされたら、僕と同じようにこの世界に来てしまう可能性はあったのだ。僕の場合は僕自身がこの世界に来ても大丈夫だと判断できたからこの世界に残ることを決めたのであってその人の場合その条件を満たさなかったはずである。

その僕の考えは正しいはずなのにどうしてその人がこの世界にいるのだろうと疑問を拭えなかったのである。僕がその質問を投げかけると僕はその質問に回答してくれていた。僕が聞きたかった質問に僕がその答えをくれると、その人は急に姿を消してしまい、再び僕に話しかけてくることはなかったのである。僕はその出来事に驚いていたがこの場に留まっているわけにもいかないので僕はこの場所から離れることに決めた。僕は移動をするにあたってまずはこの建物の外に出ることにしようと思う。そして僕は、その部屋にあった階段を使い下に降りていくことにした。その途中僕は僕の身体に起こった異変の事を考えて、僕の身に起こっている問題について考えていた。僕は、自分の体がもう長くはもってくれないだろうということはわかっていたのでなるべく早めに移動する必要があったのだ。

しかし僕の体に残された時間は短い、だからと言って僕の体から溢れ出しているその力を僕が完全にコントロールできるかと言われると自信が無かったのである。そして、そんな状況の僕の視界に飛び込んできた光景に驚きを隠せなかったのである。僕がいる場所のすぐ近くの扉が開いておりその扉の隙間からは外の光が差し込んでいたのだ。僕はこの建物の中から脱出することばかりに集中していて外がどのような景色になっているのかという事は考えていなかったのである。僕は少しだけ躊躇ったがすぐにこの部屋の中を出て行こうと決め、そのドアを開けようとすると僕の体は僕の力だけではその行動を阻害されてしまったのだ。僕に起きているその異変のせいで僕はその先に進むことができなかったのである。その僕に起きた異変とは、体の中で僕が感じ取れる力が急に強まったような気がしたからだ。僕の体に起こっているその変化は、僕にとって喜ばしいものではないことは確かである。なぜならその変化が起こるという事はつまり僕自身の体力が削られてしまうということである。僕はこの先に何があるかも分からない状況で自分の身を削るのは得策ではないと考えたので僕がこの建物内から抜け出すことを諦めようとしたのだ。その時僕の目に入ってきたものによって僕の気持ちは変わる。

僕が目にしたものそれは僕の体が透けて見えておりそこから見えた風景を映し出す水晶のような物体だったのだ。しかしその物質は透明度が高いものではなく少しくすんだような色の水晶だった。僕はその物体を見た時にこれはただの宝石なのだと一瞬思ってしまったのだが、僕はその事を否定したのだ。僕はこの水晶の塊が自分の命を支えているのだと考えることにしたのである。僕の予想が正しければこの石が僕を助けてくれるはずだ。この石の本来の力はきっと僕がこの石をこの世界で手に入れる前から持っていたものだ。だからこそこの石を僕は自分の体内から出そうとはしないのだから。僕は、そんな事を考えながらその結晶に手を触れてみたのだ。

すると僕の体の異常事態は徐々に収まっていった。僕は少しの間この建物がどんな構造をしているのかという事が気になったので僕の周りを一周するように歩いてみることにしたのである。その結果分かったことと言えばこの建物が正方形のような形をしており僕のいた場所のちょうど真ん中に位置しているということだけだった。

この建物の形についてはある程度わかったのであるが、まだ分かっていないことが一つ残っている。この空間についてだ。僕はその事についても考えることにしたのだ。そのことを考えれば考えるほど僕は不安になるのである。しかしそれでも僕がこの空間に対して何か行動を起こす必要があるのかというとそこまでする必要は無いのではないかと思っているのである。この建物内の何処かに僕をここまで転移させた存在が潜んでいる可能性がかなり高いのだから僕は下手に動くべきではないのかもしれない。だから僕はここから出ずに、しばらくここで過ごすことを決めて自分の体を少しでも治す方法を探し始めようと決めたのである。僕にその方法が見つかればいいのだけれど、その方法を試そうとして失敗したら僕は完全に死んでしまう可能性が高いのであまり無理をするのは良くないだろう。でも僕は、自分の中にある力が暴走する前に自分自身を制御できるようにしたいと考えているのである。

そんなこんながあってから数日が経過していた。

この数日間で僕が体験したこと、そして得たものは、自分がこの世界に存在していたときと比べてあまりにも非現実的過ぎるもので僕は自分が今いるこの世界が僕がいた世界とは違うのだということを認めざるを得なかったのである。そしてその現実を受け入れてこの世界を知ろうとしたときに僕は、自分の置かれている現状が思っていたよりも酷いものであることに気が付くことになる。それは、僕自身にその自覚が有るのか無いのか分からないのだが僕はその事を気にしていないようだったので特に何もしていなかったのである。

そんな僕の目の前に僕と同じような生命体が存在していたのである。しかもその数は結構な数が存在していそうだと感じることができた。しかし僕はその人達が一体何を考えているのかわからなかったのだ。僕は僕以外の人と話をした経験がほとんどなく、この人達が何者なのかもわからなかったからである。しかし会話をすることによって分かることがあると思い僕はその人達と対話をする事にした。そしてその人達の目的が、この世界が平和になるようにする為に行動することだと言っていたのだ。

その言葉を僕は信じても良いと思ったのである。だって僕もその人たちの仲間入りをすることができたら僕のやりたいことが出来るようになるかもしれないと思っていたのだから。そして僕がその言葉を信じた瞬間から僕の体は僕の意思では自由に動かすことができない状態に変わっていったのである。そして僕とその人との間で交わされていた契約のようなものが成立していた。僕がこの人達の組織に入る代わりにこの人達は僕の力を利用することになったのである。それは、僕にはまだ理解できていないけれどその契約をすればお互いの利益になることだということらしい。僕にこの話を持ち掛けてきた人がその組織の代表をしているようで、他の人たちは僕と契約を交わすことによってこの世界を救う手助けをすることになっているようである。

その人の話を聞いた上でその人の提案を受け入れることのメリットを頭の中で整理していたのだ。そのメリットの中には、自分がこれから先、この世界で生活を続けるために必要なものが詰まっていることを確認できた。

僕が一番最初に考えた事は自分が死んだ時のことについて考えていた。自分が死ぬことで誰かを悲しませてしまう可能性がある。僕は今まで家族というものがいなかったから僕は一人死んでしまっても問題ないと思うのだけれどもそうではない場合もあるはずで、その可能性を考慮する必要があった。僕の死が、家族だけではなく友人にも影響を及ぼすのであるならば僕は出来る限りこの世界に影響を与えたくないと思ってしまったのだ。そして僕が死んだ後に僕の体に残った生命力の全てを使うことが出来れば僕の体の中の生き物がこの世界で生き残るための力をこの世界にもたらすことが出来るのではないかと考えたのである。僕がこの世界で生きるためには僕が僕が生きるために必要な物が必要でそれを補充する必要があると考えていたのだ。その事をこの人の前で言うのは少し恥ずかしかったのだけれど僕は僕がこの世界で生活するための環境を整える為の力を手に入れなければならないと強く思ったのだ。そして僕がこの世界で生きていくために僕には僕自身の体の中に存在している生物に僕の代わりをしてもらおうと思うのである。僕はこの世界にいる間ずっとその人にこの世界を守ってもらっていればそれで済むわけである。その生物の力を使ってこの世界を守ろうと僕は考えていたのだ。

この世界に僕の身体の異変を解決するために、僕自身がやれることはほとんど残されていなかった。僕に出来たのは体に残っている全ての力を使い果たすことと僕の体が消えないようにすることくらいであった。僕に残された力を使えば僕の体は元に戻るはずなのに僕はその力が足りなくて元の僕の状態まで戻ることは出来なかった。僕はその事にとても悔しさを感じていた。僕はこのままこの世界から消える運命に抗うことは出来ないのではないかと思い始めていたのである。僕はもうすでに諦めかけていたのだった。自分の力ではこの異変は治せないと。僕が自分の持っている力をこの体の為に使おうとした時、僕がこの世界の事を好きになってしまっていたので僕はこの世界を救おうと心に決めてしまったのだ。だから僕の力が足りないということはこの世界に起こっている問題を解決することができないと言うことを意味しているのだ。

そして僕のその願いを聞き届けたように僕の体に何か異変が起こり始めたのである。

その出来事が起こってから僕は、その体の変化に戸惑っていたが、その変化に気が付くまでにそんなに時間は掛からなかったのでそれほど時間を掛けずにその現象に適応することが出来たのである。その現象とは、僕に残っていた力が急に強くなったことだった。そして僕はその力を利用して、自分の身体の状態を戻すことに成功していたのである。

僕は僕の力を完全に使いこなせるようになってからは、僕の周りの人たちを助けることに集中することにしたのだ。僕が僕の力を使ったとしてもこの空間にいる僕より上位の生命体である彼らに対抗することはできるはずが無いからだ。僕がこの空間の管理者に勝てる道理はないのだ。

だから僕はこの世界から出ることが出来ない以上この空間の管理者に勝つことはできないと考えてこの空間の外に出ることを諦めて自分の体の中に入っているその力に僕が出来る最大限の事を行っていくことにしたのだ。その行為によって、この建物内を彷徨い続けていた僕の体の異常事態を僕は、その力で抑えることに成功したのである。

僕が自分の体の中にある生命体が暴走しそうなのを抑える事に成功した僕は僕の中にある力を制御する方法を見つけ出すための研究を始めた。僕の持つその力とこの空間に存在する僕の体に元々備わっていたであろうその力は別物である。しかし同じものだからこそ僕はこの力について研究しなければならないと感じたのだ。僕はこの力をこの建物内にある様々な場所に行って確かめる事にした。その結果、僕はこの力が何処に有るのか大方の検討がついたのである。

その力は僕たちが暮らしていた街の中心にある塔の中で眠っていたようなのである。

僕の体がこの世界で手に入れた力というのは僕がこの世界で得たものではない。だからその力はこの世界で手に入るものではなかったのだ。僕はその力を手にするための準備を始めようかと思った。しかしその時にこの力を持っている僕に対して敵が現れたのである。僕は僕の体の中に存在していた生命体に自分の体を操作されている状態だった。

そして僕がこの建物内に存在している自分の体の中に入っている生命体が自分の体の自由を奪うことが出来るということを知った瞬間から僕の体は、僕が思っている通りに動いてくれなくなったのだ。

僕はそのことに戸惑いを感じながらも、僕の体に自分の意志を取り戻させるために僕自身に戦いを挑んだのである。しかし僕は僕と戦うことによって僕がどれだけ弱くなってしまっているのかを知る事になってしまった。僕は僕と戦ってみて僕がいかに弱い存在なのかを痛感してしまったのである。その僕と戦ったことで僕は自分自身の能力の低さを思い知らされてしまったのだ。僕はそんな自分の無力さを嘆いた。しかし僕はその程度の絶望を自分の体の中の存在に気付いてしまうまでの自分の行動からしてみれば微々たるものだと思っていたのである。

だから僕はその僕に対して抵抗することにしたのだ。僕は、自分の体の自由を取り戻す為に僕の体に入り込んでいる生命体を倒すことを決意したのである。

僕の体は何故か知らないけど僕よりもかなり強い存在であるらしいのだ。僕の体は僕の体を自分の物にしようとする存在に抵抗する。その戦いにおいて僕と僕の体の中の生き物は拮抗していた。でも僕がその力を手に入れる為の戦いに勝利することによって僕はその僕よりも強大な力を持つ僕の中に存在している力の制御の仕方を理解し始める事が出来たのである。僕はそれからしばらくの間は自分の体に眠っている力について理解を深めることに費やすことにする。そして自分がこれから先にやるべきことを確認するためにも自分の体の状態を確かめることが先決だと思って自分の体の中にある僕の体に宿っている力を調べることにしたのだ。そうすることで自分に何が出来て何をすべきかということを知ることができると思っていたからである。

僕は僕に体を乗っ取られそうになった時、自分がこの空間の中でどのように行動するべきなのかわからなくなってしまった。僕はこの世界に生きる者達を守るために、この世界で生きている生命体たちのために戦うことを選択したのだが、今の僕は僕の体の中の僕ではない僕のような何かと自分の肉体で戦ったところで僕は勝てる見込みがないと考えている。

僕は僕の体の中にいる生命体がどのような目的を持ち合わせているのかが分からないから僕の体が僕自身の意識を奪おうとして来た時、僕の体の中の僕ではない僕は、僕の体の中に入っている僕が何を考えているのだろうかと疑ってしまったのだ。

だから僕はこの世界を救うことを一旦諦めて僕と同じような立場の生命体達が安全に暮らせるようにする為の力を手に入れようとも思っていたのである。

僕の体は僕の体の中から抜け出すことがなかなか出来ないみたいで、今もまだ僕の体の中に居続けているのである。僕の身体の中に入っていた僕はその体を使って僕の体の中に存在している僕の力を抑え込むことに成功していて僕は自分の体の自由を奪われていた。

しかし、僕の身体の方に異変が起きた事でその僕に僕の体を自由に動かすことが出来なくされていた状態から僕は脱することができたのだ。

その異変が起こった原因は僕が僕の体の中で暴れ回っている力を抑えることができなかったのと僕が体の中に入れていた力が急激に増えてきたことによる反動であった。僕は、体の中の力がこれ以上増えてくることを阻止することはできなかったが、それでも何とか抑え込んでおくことはできそうであった。僕はその状況を見て自分の中に僕の体を支配しようとする力が存在していないことを確認した後僕は自分の体に入っているその力を排除することにしたのである。

そうすれば僕の身体の異変は治るはずだった。しかし僕の予想とは違ってその僕の体は僕の体の中の力を受け入れることはなかったのである。その僕の体の中にある力は僕の体から出て行く気配がまったくなかったのだ。その事実を知った時、僕は、僕の体に自分の力を流し込むことによって僕と同じ様な境遇に陥ってしまった人達を助けることが出来るのではないかと思い僕は僕の体に向かって力を流し込もうとしたが僕の体はそれを受け入れることは無かった。そのことから僕は僕の中に居るその生物を僕と同じように自分の体に入れることができたら僕の体に宿っている力をその体に入れ込んだ人の体に移すことが出来るのではないのかと考えるようになったのだ。そして僕がそんな事を考え付いた後に僕の中に存在しているその生物の力を抑える為の努力をしたのだったが僕がそうしようとしたときにはもう手遅れだったのだ。僕の中に存在しているその生物に、僕の力を使って僕が体の中に入れたその力に僕が僕の体の中に入り込ませようとしていた僕の力が入り込まないようにして、僕は、自分の体の中に入った僕の体の中にあるその力を取り出すことが出来なかったのだ。

僕は自分の体の中のその力を取り出そうと試みたが僕の中にはその力が無くなっていたのである。僕は自分の体からその力を取り除くことができないのである。僕は自分の体に取り入られている自分の体の中に存在している生命体に僕の身体が支配されてしまうのを止める事はできなかった。僕の意思に反して僕が僕自身の体の自由を奪おうとするその力に僕の体は逆らうことができずに僕の体の自由を奪っていったのである。そして僕の体が自由に動かせない状態の時に僕の体に異変が起こって僕は自分の体を動かすことが出来ない状態に陥ったのであった。僕の体が言う事を聞かなくなった原因が何なのか僕はわからないのだけど、僕はその僕の体の異変のせいで自分の体の中に入ってきていた僕の体の中にあった僕の力に体の支配を奪われる結果になったのだ。

その僕の体の中の生命体の力に対抗する方法を探すためには僕に残されている時間は限られていた。僕の体の中にあるその力が体から離れないのは僕の力を吸収する力が存在しているおかげだと思う。僕は僕の力の源を探り出してそれを破壊することを考えたのである。僕の力はその僕の体に埋め込まれた僕とは別の力の所にあるはずだと考えた僕は僕の体に残っている僕の力を集めて僕の力に干渉することができるような状態にまで僕の力の純度を高めたのだ。

僕の力の源を見つけるのにはそこまで時間がかからなかったのだ。僕の中に僕の体の中に存在している僕に良く似た何かが存在していた。その何かが自分の体内に存在している僕の力を感知することが出来るように、僕の体の中に存在するその生命体は僕の体の中に入っているその力の存在を知ることができてしまう。僕の体の中の僕とは違う存在が自分の体の中に入っている力の存在に気が付くのにもそれほど時間はかからなかった。

だから僕はその僕の体の中に存在していた僕の力の存在を認識したその生命体に僕の体の中に入っている力の破壊を依頼したのだ。しかし僕は僕に力の源を破壊できるほど僕自身が強くなれるとは思っていなかった。僕はその僕の中にある力の力を僕の体の中にある力の存在を知っているその生命体のその力を借りることによって、僕の体の中の力の力を自分の力に変換させることに成功したのだ。その結果、僕の持つその力は、僕の体に埋め込まれた力から奪い取ることに成功するのである。僕はこの力を僕の体の中に取り込まれた僕の力の源であるその力の結晶体を取り出してそれを僕の中に取り込み僕は僕が持っていた力を自分の中で再確認することが出来たのである。

僕の体が僕の力に完全に侵食されてしまった状態で僕に抗う術はなく、僕に残っていた僅かな力までも奪われる結果となったのだ。僕はその事に動揺していると僕の体の中で僕の力に抵抗し続けている僕に似た存在の僕に対する攻撃が僕の力に阻まれて失敗に終わった。そしてその攻撃の失敗に気が付いた僕によく似ているその存在が今度は自分の体に僕の体の力を入れて、僕を乗っ取ろうとしていた。その僕に似ている生命体の攻撃を僕の体の中に入っているその生命体の攻撃を自分の体の外に逃がすことに成功すれば僕は自分の体を乗っ取られずに済むのではないかと思い自分の体に流れている自分の力と僕の体の中の力のバランスを取ることによって、僕の身体に僕の力が入っているその生命体を自分の体の外に出そうとしたのである。その事を試みた結果、僕の体の中にいる僕に非常によく似ていた生命体は自分の体の中にあるその力を使い果たしたようで僕の体の中の力が少し減っていた。

だから僕は自分の力に僕が使っていたその力の残量を調べるための魔法を使ったのだ。その僕にとてもよく似た僕の体の中に宿っている生命体の力はあと僅かになっていた。その僕の体にそっくりに僕の体を真似て作られている生命体の力の量を確認した僕はその僕の体を僕が持っている自分の力で滅ぼすことに決めたのである。その僕が持っていた自分の体の一部の力を完全に消し去らない限りは僕は自分の体の自由を取り戻すことは出来ないと考えていたからだ。

僕が使っている力の使い方について、僕は自分の体に自分の力を送り込むのではなく、僕に僕の力を流し込んでもらうことで僕に流し込まれる力を使うことが出来るようになっていた。だから自分の体の中にある僕の力に僕の体の中の僕の力を全て注ぎ込み僕の体に僕の力に馴染むまで待ってもらいながらその生命体を滅ぼすためにその生命体に向けて僕の力を全力で放ったのだ。そうすることによって僕は僕の中に宿っているその生き物を殺す事が出来たのだ。しかし、僕の力に耐えきれなかった僕の体の中で僕の力に対抗していたその生命体の体はバラバラになってしまった。僕の体に入り込んできたそいつを倒すことには成功したのだがこの世界の人間達が住んでいるこの世界に僕の体の中に存在したその生命体の力が僕の体から取り除かれることはなかったのである。しかし僕の力に耐えることが出来なくなった僕の体は少しずつだが確実に崩壊して行っていたのでこのまま放っておいても、僕が僕の力でその体を消滅させればこの世界で生きている生命体達の世界に被害を与えることはないと思ったので僕は自分の体の中に宿ったその生命体を僕が完全に自分の力だけで倒すことにしたのだ。

そうすれば僕が宿らせられていたその力の持ち主の生命体が僕が倒さなければいけない相手ということになる。そうすれば僕は自分の体の中の僕ではないその生命体が持っていた力を僕が持つことができるかもしれないとそう思ったのだ。そして僕がこの世界に来る前にこの世界を僕と同じ様に救おうとした仲間がいたのを思い出して僕もその人達のように誰かがこの世界が危険にさらされていることをこの世界に生きる人々に伝えることが出来るようになれるんじゃないかと考えついたのだ。だから、僕の体の中に宿っている僕の力を利用して僕は自分の体の中の僕ではない何かの力を手に入れる事に成功した。

しかし僕がその力を使えるようになったのは良いことではなかったのだ。僕はその僕の体の中にあった力を使って僕の体の中に入り込んでいた僕の体の中の何かが作り出した生命体が僕に僕の中に宿らせていたその生命体を殺させることが僕に僕の体の中に入っているその生命体を自分の体の中から追い出すことにつなげてくれると知っていたので僕はその僕の体の中に入っていたその生命体の力が消えてしまったことによって僕の体を自由に動かせるようになったのだ。

僕の体の中の力が消えると僕の体の中には何も存在しなくなるのだ。僕には僕自身の中に宿らせてもらわなければならなかった僕の体の中に宿らせるその力があった。しかし僕の体に存在している力は全てあの僕の体の中にいた僕の体の中にある僕の体とは別の僕によく似た僕の体の中に入った僕の力の残りカスだった。そして僕に力を与えた存在はこの世から姿を消してしまっていたのである。つまり僕に力を与えて僕に自分の力を分け与えた存在である僕の体の中に存在していた僕の力が消滅したことによって僕に宿らされていた僕の体の中の力も僕がこの世に現れたと同時にこの世に存在しないものとなってしまった。そのせいもあって僕の体の中に入っているその力は僕の体の中にある力に僕が干渉することができなかったのだ。そして僕の体の中にいたその力は僕が自分自身の力を使うことができなくなるぐらいに僕の力を削ってしまったのである。そう考えると僕の中に存在しているその生命体に僕の力を分けてやったのはある意味間違いだったのではないかと僕は思っている。僕の体に宿らせていた力に僕の体を侵食させたのは結果的に良かったのだけれど、それは結果として僕が望んでいた結果ではなくなっていた。その僕の体の中に入った僕の体の中の僕の力は完全に僕の体に僕の力を取り込まないようにするために僕の力を使って作られた生命体だった。

僕の体の中にあるその力を僕の体の中に入れてしまうとその僕の体の中に入っているその生命体がまた復活してしまうのではないかと思って僕はその僕の体の中に入ったその生命体が僕の体から追い出された時に僕はその生命体の体の一部に残っていた力を自分の体の中に取り入れることで僕が自分の体の中に宿しているその力に干渉することに成功している。僕は僕の体の中に入っているその生命体の力を利用して僕の体の中の僕の力の純度を上げることで僕の体に宿らせられている僕の体の中にあるその力を破壊することが出来るようになったのである。しかしその時に僕の体に僕の体の中に入っていた僕の体の中に入り込んでいたその力は消滅してしまっているはずだ。

僕の体が僕の意志とは無関係に僕の身体を乗っ取っていたのだけど、それが無くなったという事は、僕はもう、僕として生きていかなければならない状況に追い込まれているという事になると思うのだ。僕は自分の体の外にいたはずの自分が体の中の中にあった僕ではない何かに体の支配権を奪われていた間に起きた事を思い出した時、急に大きな頭痛に襲われた。僕はあまりの出来事によって頭がパンクしてしまいそうなほど混乱した状態になっていたからである。しかし僕はその事を思い出さないようにしなければと思いながらも自分の身に起こっていた事を考え続けた。

すると突然激しい地震がこの世界で起こり始めた。この世界で起きている大きな異変を僕は肌身を通して感じ取ったのだ。そして僕が知っている人が今現在この世界のどこかにいることが感覚的にわかるようになったのである。その人は僕と一緒にこの世界で生きてきた人であるはずなのになぜか僕にはその名前を思い浮かべることができなかったのだ。でもその人の事を思っているだけで僕は涙を流すことができたのであった。

「一体なにが起こっているんだよ」

そう僕に尋ねられてもこの世界の管理者にはこの世界で起き始めている事を把握することが出来なかったのである。しかし管理人はこの世界が危機的状態になる可能性は低いと考えていた。この世界に僕が存在しているということは、僕が他の人間よりも優れていた力を持っているということが証明されていることになるのだ。

この世界で生きている人間は僕の体の中にあるその力と同じような力を体内に持っているが、僕は普通の人間の数倍から数十倍の力を持つことができていたのだ。

そしてこの世界に転生してきたばかりの僕の体の中に入って来た力に僕は対抗し、その力を奪うことに成功したので僕はこの世界で自由に動けるようになった。その力に僕はこの世界の人間にはない特殊な魔法を使う事ができる能力を得ることになったのである。僕はその力でこの世界にある力を手に入れようとしていたのだけど僕はその力を手にする事ができなくなってしまったのだ。そして僕は僕が宿らせているその力の持ち主の名前を思い出すことができず、その人の存在自体忘れてしまっていたのである。

ただ一つ言えることがあるとするならば僕の体の中のその力と、僕の体の中の僕の力とは相反する関係にあると言うことである。しかし今の僕ならまだ自分の体の中に入っている力を完全に支配することはできずともある程度コントロールすることができるようになっていたのである。それに自分の体の中に存在するその力を使いこなせるようになるのはまだ時間がかかるとは思うのだがそれでも確実に時間はかかりそうだがこの世界を僕の目で見る事が出来るようになり、僕の体の中で眠っているその力の使い手に会う事が出来れば、その力を奪い取る事もできるのではないのかと考えているのだ。

しかし僕にも僕によく似たその力の使い方をしていた人に勝てるだけの力が備わっていないかもしれないと考えることもできるのである。だからまずは自分の体の中のその力の扱い方を知る必要があるだろうと思ったのだ。だから僕は、僕の体に自分の体の中のその力が取り込まれていた状態で僕は自分の体の中にある僕の力に僕の体の中にいる僕の体の中にあるその力を任せることにして僕の体の中の僕の力を使うことにしたのである。

僕の体の中の僕が作り出したと思われる生命体は、僕の体の中の力を操れるようになってからは、今までのようにすぐに僕に襲いかかってくることはなくなっていったのだ。僕はその自分の体に宿らせた力をどう扱うべきなのかわからないでいたがしばらくの間は自分の体の中でおとなしくしてくれていることを祈りながら様子を見ることにしたのだった。そうやって自分の体の中に自分の中に存在しているその力に対して自分の体の中での僕と僕ではないその何かとの闘いは僕の心が限界を迎えるまで続いていた。僕は自分の体の中の僕が作り出してしまったその生き物を自分の体から出す事に成功したのはいいものの、自分の体の中に入っている自分の体の中からその僕の力を取り除くことは出来なくて僕の体は壊れかけの状態になっていたのである。しかし自分の体の中の僕が作り出した生命体を殺すことで僕の体の中にあった僕の力は僕からその僕の力の塊を僕に取り込もうとしているのは事実なのだが僕はその僕の力に取り込まれる前に自分の体の中から自分の体の中に存在している僕の体の中に存在していたその生命体を取り出す事が出来たのだ。

そして僕の体の中には僕の体の中に入っていたその生命体の残りカスと僕の力が入り混じってしまっていてその僕の体の中に入ったその力を制御することが出来ないでいたのである。僕は僕の中にある僕の力を全て使い果たしてしまうかもしれないと心配しながら僕は僕の体の中に入っていたその生命体の力が僕から離れて行くまで待ち続けていたのだ。僕の中にあるその力が無くなっても僕の体の中に入った僕の力はその力を全て無くしてしまうのではなくほんの一握りだが残しておくことが出来たのである。

僕がその僕の体の中に入り込んでいた僕の力に自分の体の中にある力を自分の体に戻してあげると僕の体の中に入り込んでいた力が僕に戻ってくると僕は自分の体の中に入り込んだその力が戻って来るまでの間の短い時間の間に僕の体は僕の意思とは別に動いていたのである。僕が宿らせられていた僕の力とその力が僕と僕の体を繋げて僕は僕の中に宿らせられていた僕の力の全てをその僕が作り上げてしまったその僕自身に力を与える為に自分の体を僕に差し出したのだ。

そうすることによって僕の体の中に入り込んでいたその力は僕の体の中に入ることが出来なくなり僕は自分自身の力に宿らせることによって僕の体の中のその力を制御できるようになったのである。僕の体の中には僕の体の中に入っていた僕の力も残っていたから僕の体の中に残っているその力を僕は僕の体に宿らせる事で僕の体の中にはその僕の力が残ったままになっている。しかし僕が自分以外の誰かの中に自分の力を送り込みその力を自分の力として使うことができると知った時に僕は自分の体の中にあった力に僕は僕の体の中にある僕の力を僕の中にいる僕とは別の僕の力を与え僕に僕の体の中に入っていたその力を支配する権利を与えている最中だ。その力は僕の体の中に入っていたその力の残骸が生み出した生命体だったのである。僕の力に自分の力を上乗せする事によって自分の体の中に入っていたその力に自分の体の中の僕の力を取り込んでもらおうと思っているのだ。そしてその僕の力によって僕の力の残りカスから生まれたその僕の力を取り込むことが出来るようになったのである。そしてその僕の力は僕がこの世界で生きている間に僕の力を吸収してその力の容量を増やすために眠り続けているのである。

僕は僕がこの世に生まれてくる時に神様の言う通りその神様の言った通りに自分の体にその自分の力に僕が宿らせようとした生命体に自分の力を宿らせようと試みて、僕の体に宿っていた僕の力の半分以上を使ってその生命体を作り出してその生命体に僕の力を与えることに成功している。僕はその僕が作ったその生命体が僕の力によってその生命体の中に僕の力を蓄えるように僕は僕の体の中のその生命体を自分の力で動かしたのだ。

その生命体は自分で動くことがあまり得意ではなかった。それはこの世界に誕生したばかりであったからだと思う。そしてこの世界に存在している人間は自分が何をすれば良いのかわからない。そして自分が何者であるかさえ分からないという存在だったのである。その生き物が生まれて来て初めて見たものそれは自分がこれからずっと過ごしていく場所なのかどうかという判断基準としてこの世界の空に浮かんでいる一つの大陸なのである。しかしこの世界の生物である人間たちはそんなものに興味を示すことはない。なぜならこの世界のほとんどの生物にとってこの世界の景色というものは自分たちの敵の姿であり人間にとっては脅威の存在なのである。しかしそんなことを知らない人間がいても別におかしくないのだけど、人間の住む町や都市と呼ばれるところに住んでいる人間の数は数え切れないほど存在するのになぜ人間の住んでいないようなところに暮らしている人間の数が少ないかというと人間たちがその人間の生息できない場所に足を踏み入れるという事は命を失う危険が非常に高いのである。それにその場所の地形が人間の住んでいるところでは決して見られないようなものであるからそこに人間が立ち入ることは愚か、その場所に行くことも難しい事なのだから。しかし人間たちの世界から一歩でも外の世界に出ようとすればそこは人間ではない何かが生息する場所であるという事を人間は忘れている。そしてこの世界に生きる大半の動物たちも人間は人間よりも下の立場にあると思っている。

しかしそんな人間たちが住む町の人間たちが生活するために必要な物はこの世界での環境で手に入る材料でも簡単に作ることができる。例えば火を起こすために必要な木の実とか。水を飲むためには近くの川まで行けばそこで綺麗で美味しい水を飲める。そして料理に必要な食べ物は野菜や果物などを作ることもできる。

そしてその食料を求めて人間は外に出ることもある。この世界で生きて行くために。しかしこの世界の生き物は自分たちよりも強い種族に怯え、また自分の体より大きな生き物に出会うだけでその生き物を恐れる。そのように考えれば考えるほどこの世界の住民たちの思考の行き着く場所はこの世界の中で暮らすしかないと人間は思うのではないだろうか。

だから人間の世界に存在しないはずの生き物は人間には必要のない存在だという事だ。人間にその生物の事を教えてくれたり、人間たちを助けてくれる神のような人が人間たちの世界に存在していなければ。

その人間たちと全く違う考え方をする生物がこの世界の中に存在していたとしてもその世界の住人である人間たちには何も影響を及ぼさないだろう。その世界の住人ではないので。

僕はこの世界の異変に気がついたのだけど一体この世界のどこにその異常事態が起きているのかわからなかったので僕はまずその現象の原因を知らなければならなかった。一体どうしてこの世界の異変が起きたのかという理由を突き止めることが先決であると考えたのだ。そしてその原因がわかればこの世界を元に戻す事ができるのではないかと僕は考えていた。しかし僕の頭の中では今すぐにどうにかできる問題でもないためこの異変について調べることに決めてから僕はその出来事を頭の片隅に置いておきながらいつもの生活を続けていたのである。しかし、僕がこの異変を調べる前にまず最初にしなければならない事があってそれが僕の力を強化することだと思った。しかし僕の中に眠っている僕の力は僕自身に宿った僕の体の中にある僕の力とは正反対の性質を持つもので僕は僕自身の中に存在している僕の力を完全に制御することができるようにはならないかもしれないと思っていた。ただ僕の中に宿っている僕の力を使いこなすことが出来なくても僕の力を使う方法を知っている人を見つけ出すことは可能であると思う。そしてその人物を見つけることができたなら、僕は僕の力の扱い方を学ぶ必要があるのだ。だから僕は自分の力を最大限に使うことが出来るその力を扱える人を探さなければいけない。それに自分の力がどれくらいの力を出せるのかを知りたかった。それにその力を僕自身がどのようにして使えるようになっているのかを知る必要があったので。

自分の体の中で眠っている僕の力を目覚めさせることが出来れば僕は自分の体が持っている自分の体の中に入り込んでいる僕の力を操る事が出来るようになるはず。そう考えた僕は自分の体に宿っているその力に意識を向けてみると自分の体の中に存在している僕ではない僕の力が僕を自分の体に取り込もうとしている。それを防がなければ僕の体は僕の力に耐えきれずに僕の体は破壊されてしまうと予測した。そうならないためにも自分の体の中に入っているその力は抑えなければならないと思いながら自分の身体の中に入っているその力を抑えつけていたのである。

しかし自分の体の中の僕の力が僕の体に入り込みたいという意志を強く持つことによって僕の意志とは反対に自分の体に僕の力を取り込んでいくのだ。その力が自分の体に入って行くと自分の体の中に入っていたその力がさらに大きくなっていくのだ。しかし僕が僕の体の中に入っている僕の力を制御することが出来て自分の体の中に入り込んできたその力を制御することに成功した。僕は自分の体の中に入り込んでいた僕の力を自分の体から追い出すことに成功することが出来たのである。

しかし僕の体の中にあったその力はもう僕の中には残っていなかったのである。つまり僕は自分の体の中に宿らせていたその自分の力を自分の力で自分の体内で制御することができたということに他ならなかった。そうやって自分の中に存在していたその力を自分で制御することを覚えれば後は簡単だった。なぜなら僕の力の中に自分自身の力を流し込めば良いだけだからだ。僕の力は自分の中で循環するようにその力の容量が増えるように調整するだけでいい。それだけではなく自分の中に入っていたその力が他の生物に害を与えることがないように注意を払うことが大切なのだ。もしその力を体内に取り込んだ時に僕の力の容量を超えていればその力を僕が受け入れた場合はその力が僕を蝕み僕の力を破壊することになる。僕は自分の中に入り込んだその力を取り込むことによって自分の中のその力を抑えることができることを確認してから、自分の体に宿っている力が完全に消滅するまで自分の中のその力を見張っていたのである。

そうする事によって自分の体の中に宿っていた力が完全に消滅したのを確認した僕は一息ついたのであった。これで僕は自分の体の中に宿らせた力に振り回されることもなくなったわけだが、自分の力を自由に扱うことが出来たと言っても僕は自分の力を完全に操ることは出来ない。その証拠に僕の体の中には今もその僕の力が入り込んでしまっている状態なのだから。僕の力を全て使い果たして自分の体を元に戻せば自分の体を元の状態に戻すことが出来るのだが自分の体の中にある自分の力に自分の力を全て使い切ってしまった場合僕の命に何らかの危機が訪れる可能性がある。そのため今は僕の体に宿っている力の容量を増やしていくことに専念していたのだった。そしてその力を僕にくれた神様に感謝するべきなのかもしれない。この力が無ければ自分の体の中に入っているその力を完全に消すことはできなかった。この力を手に入れることができたからこそ僕は僕がこの世界にやってきた本当の目的である僕の妹の病気を治すための手がかりを掴めたのである。僕の体に宿っているその力によって僕の体に宿らせている僕の力の一部を取り込ませることによって僕の体に僕の体の中にあるその力の一部を僕の体に宿らせる事に成功したのである。僕はその力を宿らせてからしばらくの間は僕の体に宿っていたその力を僕の体に宿らせている僕ではない僕の力を使って自分の力を増やすことにした。

僕は僕の中に宿ったその力を自分以外の力として使うことができるということを初めて知った。自分の力とは違う力を使うことができるようになったのは良いのだけど自分の力よりも遥かに強大な力を持つものを僕の体が取り込むのには時間がかかってしまった。しかし自分の体の中に存在するその力に自分の意思を与えてやればその力を使ってくれる。僕は僕の中に存在するその力を利用して僕は僕が作り出した生命体を自分の手足のように動かせるようになったのである。しかし自分の体の中のその力を制御できるまで時間がかかることは仕方がないのかもしれないがそれでもある程度は時間を節約することが出来るかもしれないと思ってはいる。なぜなら今までの感覚とは違って自分で動かしていないはずの腕を動かそうとすると普通ならば動かすことが出来ないはずだが僕の場合に限って言えばそんなことはなかった。だからその力を使えば僕は簡単にその力を利用する事ができた。そして僕はこの力を使うために僕の体の中に存在した僕の力をその力の中に注ぎこんだのである。

そうすることでその力が僕の意思に従って動くようになるという事がわかった。しかしその力に自分の意思を与えるのにかなりの時間が必要になってしまうのだ。しかも僕がその力に指示を出したところで自分の思うように動いてはくれないのである。それはまるで自分の分身のような存在であるので。だから自分がやるべきことは自分でやりそれ以外のことは全て僕の指示に従わせるというのが理想的な形になるだろうと思ったのである。しかし今の段階では僕はこの世界の現状について調べる必要があるのだ。それに僕はこの世界に異変が生じている理由が知りたいのであって、この世界にどんな脅威が迫っているかなんて僕は興味はないのであった。この世界に脅威となるような脅威が存在するのかどうかわからないけれどそんな危険な世界に僕は足を踏み入れたくないと思っている。だって自分の身の危険を感じるからである。

でも僕のその力は自分の力と同じように使えるようになっていたので僕は僕の妹を救うという目的では僕の目的は達成されていたのでこの世界に対してそこまでの思い入れはなかったのかもしれない。しかし僕の中に存在していたこの力がこの世界のどこかにいるはずの僕の妹の存在を感じさせてくれた。僕が僕の妹を探すためにはこの世界の状況を調べなければならなかった。だから僕もこの世界にある町に行ってその町で情報収集をすることにしたのである。

僕のこの力の使い方を覚えたら僕の体の中には僕にこの力を与えてくれたあの女の子の存在が確かに感じられるのである。それが何を意味しているのか僕にはわからない。でも僕にこの力をくれたその人が近くにいることは確実だと思ったのだ。その人の力は今も存在しているのだから。

僕は僕の妹を救うために僕の体の中に入ったその力に僕の力を使わせようとしていた。この力の中に僕に力を与えたその人は存在するはず。そう考えれば僕の体の中に取り込まれた僕の力は僕がその人に会えるように僕を導いてくれると予想できたのだ。そしてその人と会ったら僕は僕自身の体に宿っているその人と協力してこの世界の中で妹を助ける方法を考えて行けばいいと考えていた。

僕に力を貸してくれていたその人は僕の身体の中に入っていた自分の力を僕に託してから僕が眠っている間にこの世界の異変が起きて僕の目の前に現れた。僕は自分の中に宿ったその力が消えてしまったから僕はこれからその力を探しにいかなければいけないと思ったのだ。そして僕が眠っている間の事をその人に伝えてもらう必要もあったのである。しかし僕の前に現れたのは、僕の身体の中に宿らせていたその力と僕に力を与えてくれたその人だけではなくて僕に力を渡してから僕の前に姿を見せなくなったはずのもう一人の存在がいたのだ。そして僕とその二人の存在はお互いに相手を警戒していたのである。

その人達は僕の敵なのかそれとも味方なのか、そもそもなぜ僕の体の中にその人が存在していて、そして僕の身体の中に入り込んでいたその力はどうして僕から離れないのかその理由がわからなかったのである。僕に力を与えてくれたその人からは何かを伝えようとしているのかもしれないけど僕の力の中に入っていたその力がその力を消してからもその力の残り香が僕の中に存在していたので何を言おうとしているのかが僕にはなんとなくわかる。でも僕の体の中に存在している僕の力を宿らせていたその力は僕の体の中に入り込んだ時に僕の力の容量を超えてしまっていてもう僕の中に宿っているその力を僕の体の中で制御することはできない。僕と妹の体は僕の作った魔法によって繋がっているから、その力が僕に干渉することはないと思うんだけど、念の為に妹の体を拘束する機械の装置を作ったのだった。

僕は僕に力を与えてくれたその人や、もう一人のその存在の事も少し心配していた。その二人は僕の事を心配している様子はなく、むしろその二人の視線は僕に対する敵意がこもっており、僕の体に宿らせていたその力は僕の体から出ていくと同時に僕に対して敵対しているようであった。その力が僕の中に入り込んだ時には僕がこの力の中にその人を宿らせることで僕が僕の中に入っていたその力を消滅させることは分かっていたはずだったのに僕からその力を奪い取るために攻撃して来たのかもしれない。僕はそう考えることにしたのだった。

しかし僕の体の中に存在していたその力が完全に消えたわけではない。僕の体に宿っていたその力は僕の体の中に戻り自分の力でその力を支配しようとする動きを見せたので僕は僕の中にある力をその支配から解放してやると自分の体の中に戻っていきおとなしくしていた。そうやって僕の体内に入っていたその力をどうにかすることはできていたので良かったと思っていたのだった。そうすれば僕の中にあるその力をその人の力に制御を任せることが出来るから。そして僕がそう考えた時にその二人が攻撃を仕掛けてきたのだ。その二人からは僕は僕の妹を助けて欲しいとお願いされているのだ。僕としては僕の中に宿らせていたその力から僕が聞きたかったことをその二人に聞こうとしたのである。その二人の名前は僕と同じ名前であり僕の妹が僕に宿らせていた力が僕の中に入り込んだ際に僕の中から消えてしまい僕の前から姿を消した存在である。

僕は自分の体の中に宿らせているその力を使いこなすことによって自分の中に存在するその力を自分の体に宿らせているその力にその力を制御させて僕は自分の身体の中に存在しているその力を自分なりに制御できるようになったのであった。そして僕はその力を利用し僕の体に宿っていた僕の力を制御することに成功したのだ。そのおかげで僕はその僕の力を完全に自分の物として扱う事ができるようになりその力の中に僕の意思が入り込んでも問題のないくらいまで僕はその力を自分の支配下に置くことが出来たのである。だから僕がこの世界にやってきた目的を果たすことが出来るので本当に助かったと思っている。

でも僕が宿らせている僕の力を僕の体の中に入り込んでいる僕の力を宿らせた存在に宿らせたときにその僕の体の中の力が自分の力だと思わないように注意しなければ僕の体を侵食する力によって僕の命に危険が訪れてしまうのかもしれないから。僕と僕の妹の体は完全につながっている。僕が死ねば僕の妹にもその力の影響を受ける可能性があるかもしれない。その可能性があるかもしれない以上は気をつけないといけないと思ったのだ。だからこそ僕の体の中に存在しているその力が僕の体から完全に離れてくれないと困る。僕がそう思った時のことだった。僕が作り出した機械人形達が僕に向かって攻撃をし始めたのである。だから僕は僕を救ってくれた神様に助けてもらいながらなんとかその場をやり過ごしたのだ。

僕に攻撃を仕掛けた理由はよく分からないが僕は僕をこの異世界に連れてきてくれた神様に救われた。しかし神様は僕に自分の力をくれた人である。神様が神様の本当の姿を取り戻し、この世界に戻ってきたらきっとまた会えるはずなのだけれど神様はすぐに僕の元に戻ってくることはなかったのである。それは神様が僕の前に現れるまでの時間の間に僕に力を渡してくれた人が僕の元に現れなかったからだ。でもそれは当然のことだと思う。この世界で起こっている異変の原因を突き止めるまでにはそれなりの時間がかかるのだから。その間、神様はこの世界にやってくることはできないはずなので。でもそんな僕に救いの手を差し伸べてくれる人がいたのであった。

その人物は一体誰なのだろうと思ったのだがそんな人物なんてすぐには浮かばないよと思ったその時僕の脳裏にはある光景を思い出したのだ。そしてその人物が誰なのかようやくわかった僕は思わず口に出したのだ「お前かぁー!!」って叫びたくなってその声を出した後に僕の体の中に存在する力のことを僕と同じような能力を使う事が出来る人の名前を口にした。そうその人の名はアベルと言うのだけど僕はその名前を知っているのに僕は今まで気がつかなかったのだ。でも僕の目の前にいるその人こそが僕の妹を救う為の鍵を持っている人であり僕に力をくれた僕の体の中に存在し続けている僕の妹に僕の力を託してくれた人で僕の体の中で眠っていたはずの僕の力に僕の体の中に侵入してきて僕の妹をその身体に取り込もうとしている謎の生物を取り込ませてくれた人だった。だから感謝の意味を込めて僕の方からも挨拶をしようと思って話しかけてみた。すると彼は僕のことを覚えてくれており、そして彼が僕の体の中で存在している自分の力のことを制御してくれていたのがとても嬉しかった。しかし彼の表情を見てみると彼から何か不満のようなものを感じ取る事が出来て僕はどうしてしまったのか聞いてみることにした。しかし僕の質問に対して答えてくれることはなくその代わりにこの世界の状況について説明をし始めてくれて、その言葉からこの世界に起きた出来事の大雑把ではあったけれど僕でもわかるようにこの世界の現状を説明してくれたのだ。僕はその話を黙ったまま聞いていた。

その話の中身は僕が理解出来るような内容ではなくてほとんど何も分からなかったと言ってもいい。ただこの世界の異常については何となくわかったのだ。その話は僕が知らないところで起きているのである。そしてその原因もわからないし、どうしてそのような現象が起きてしまっているかもわからなかったのである。そして僕が僕に力をくれた人の話を聞くとその人はこの世界に何か危機が迫っていることを感じ取っていて、その危機を回避できるかもしれない方法を思いついたので、その方法を実行する為に行動を開始しようとしていたのだということがわかった。しかしその方法を僕に教えてくれる前に僕をこの世界に呼び出してしまったのでこの世界の危機を回避する方法を伝えられずに僕は死んでしまったということらしい。その方法はこの世界を救うという事だけであって具体的にどんな事をしなければならないのかを教えてくれなかったので僕は僕に与えられたその力をどのように使えば良いのかが全然わからずにいた。そして僕がこの世界の異変についてその力に確認をしたのだけどこの異変に関しては僕の力でどうにかすることは出来ないと言われてしまったのである。この世界をどうにかしたいのならその力を自分の物として扱えるようになってから行動するべきだとも言われてしまったのだ。僕の体の中に入っていた僕の力を僕の体に宿らせていた力にその力を渡すことによってその力を僕の支配下に置いたことで僕の体はその力の力の影響も受けるようになり、僕はこの世界の異変についてその力と相談をしながら対処していくことによって僕自身もこの世界で起きる異変に対してその異変の元凶を倒すことができるようになったのである。僕の体の中にある力を使ってこの異世界のどこかで起こってしまったこの世界に起きている現象の解決をするのと同時に僕の妹もこの力を使って助けなければならないと思い僕が妹を助ける為には力が必要となってくる。しかし僕の中にあるその力は力を制御するのがやっとであり力を上手く操る事が出来ない。そしてその力を完全に制御することが出来るようになった時に初めて僕はこの力に僕の妹を救ってほしいと頼むつもりだ。それまでの間は僕は力の扱いに慣れる必要があるのでまずはそれをするしかないと僕は考えている。

力の操作ができるようになるまでは僕にその力を宿らせておきその力で僕を守ってもらい、僕はその力を自由に使いこなせるようになる事を目標としよう。その目標を達成できれば僕はこの世界の何処かに存在しているであろう異変を起こしている元凶を自分の力を使い倒すことが出来ると思うのだ。僕はそう考えることにした。だからまずは自分の体にある力を自分の思い通りに使えるようにする所から始める必要があるのかもしれない。そうすることによって力をうまく制御する術を身に付けることが出来るのだと僕には思えるのだ。そうすれば僕は僕の妹の力になり、僕は僕の妹を助けに行く事が可能になる。僕は僕の妹の事を考えながらも力の制御が出来るようになりたいと思っていたのである。そうしなければ僕は僕の妹の事を助けにいく事ができない。それだけは避けたかったのだ。

僕と僕は二人で協力し合ってこの世界に起きてしまっている事態の打開を行うことを決めた。その僕達の行動を見ていた僕達を助けてくれた神は僕達に力を貸すと言い始めたのである。

でも僕と僕は自分達の目的が別なのでその申し出を断りその申し出を断ったのだがそれでもその神は僕と自分の力を僕と僕の中に入れることにしてくれたのだ。そしてその神の僕と僕の中に宿らせることが出来た力で僕は僕の体の中にある力を僕が制御することを可能にすることが出来るようになっていった。そうやって僕はその僕の中に入っている力を僕の体の中で完全に支配できるようにしていく事に決めたのである。

僕は僕の体の中に宿らせている僕の力を支配することには成功した。

僕の力の中に存在したその力が完全に僕の体の中に収まることになったのだから。

だからもう僕の体の中に存在していた僕の力がこの世界に影響を与えないようにすることは可能になった。

だから僕は僕の体に宿らせていた僕の力を解放することに決めた。

僕の体からその力が離れた瞬間僕は意識を失ってしまい気を失った僕は病院の病室で眠り続ける事になったのである。

でも目が覚めるまでの間に神様と名乗る存在によって僕は自分の体に宿らせていた力を奪われていた。そして神様に僕は自分の体の中から追い出すように言われてしまったのだ。

そんなことを急に言われるものかと思って神様に理由を聞いたところ、神様が神様本来の姿を取り戻せば神様は再び自分の身体を取り戻すことになる。そうなればまた僕の前に姿を現すことができるようになるはずだ。だからその時まで僕の身体の中には僕の意思とは関係ないもう一人の僕がいる状態は良くないのだ。そして僕の身体の中に存在し続けてしまうといずれ僕の身体の中から消えてしまいその力も制御ができなくなり暴走をしてしまうかもしれないのだ。それを防ぐ為には僕の体から僕の力を引き離すことが大事になってくるのだそうだ。だから僕は素直に従って僕の力の解放を行ったのだった。そうする事によって僕の中に存在している神様がこの世に戻ってくる可能性が高まるから。僕が僕の力を解放したことにより僕は再びこの世界に戻ってくることができたのであった。

でもそんな事をしても神様が再び僕の目の前に姿を現してくださることはなかった。それは神様が自分の意思で僕の体の中にいる僕の存在を追い出したわけではなくて何者かが僕の体から強制的に僕の身体の外に追い出したことが原因で僕の元へ現れようとしてくれなかった。

しかし僕の元にやってくることが出来なかった神様の代わりにやってきてくれた人がいたのだ。神様は僕に僕の体の中の力を制御するための力を与えてくれたけどそれがどんな力なのか僕には分からなくて使い方が全く分からずどうしたらいいものか悩んでいるときにやってきた人が僕の所にやってくるなりその人は「大丈夫?私は君の力になることを伝えに来たの。君の力になるにはどうすればいいんだろう?」と言ったのである。その言葉がとても頼もしくて安心感があって僕は思わず泣きそうになったくらいなんだ。そして僕と一緒に戦ってもらう仲間ができたのである。僕はその仲間のおかげもあって、力の制御が可能になっていたんだ。でもこの世界に異変が起きたのはそのあとのことである。僕は僕の身体の中で宿っていたはずの神様の本当の姿を取り返すことはできた。でも神様を本当の姿に戻してこの世界に戻ってきたとしてもこの世界から消えたままだったら何の意味もないので僕は急いでこの世界の元の姿に戻すためにこの世界を修復していかなければならなかったのだ。この世界の異常を何とかしなければならない。

そして僕はこの異世界に起きている異常の根源となっている存在を討伐するためにこの異世界へとやってきてしまったのだ。その敵はこの世界に現れた時にその敵はこの世界の人々を傷つけてしまっていた。それは仕方がないことだと思う。この世界の住人にとって見ればその者は突如としてこの世界に現れると同時に攻撃を仕掛けてきた侵略者みたいな感じになっているからだ。それにこちらの世界の人々は魔法を使えなかったりする人たちばかりみたいだしね。この世界の異変の異変の原因となってしまったものは魔法の能力を持っていたりすることができるから、その力を使えば僕のようにこの世界を簡単に改変させていくことができるだろうし、だから僕もこの世界の異変に対して力を使ってその異変を起こしている奴を倒して、僕が元の世界に戻れるようにしなければならなかったのだ。

この世界で起きたその異変の正体についてはよくわからない。でも僕の体はその正体を知っていて、そいつを倒せば元に戻るような気がしているのだ。僕の体を乗っ取り、その力によって僕はこの世界に戻ってこれなくなったので僕はその人物から自分の身を守るためにもその人を殺さなければならないと思っている。

その異変を起こす犯人は女性らしいので僕の力の事を考えてもあまり時間をかけると取り返しのつかない事態に陥ってしまう危険性がある。だからなるべく早くに決着をつけなければならないので、僕は自分の体の中にあった力を僕の意志で制御できるようになってこの異世界で行動を開始したのである。そして今に至っている。僕はその異変を起こし続けている張本人を捜す為にまずは僕のこの体に宿っている力のことを色々と教えてくれたその人に会いにいく事にしたのであった。僕のこの体の中に存在する僕に力を渡し、この世界に起こる異変について教えてくれたその人はこの世界で異変が起き始めている事を知り、その原因を探る為にこの世界へ訪れていたようだ。そして僕は、そんな彼女に出会って僕は彼女に協力を申し出たのだけど彼女の力を借りるためにはまず僕が彼女の下につく必要があると言われた。彼女は、僕が自分と同じ存在だということを感じ取っていて、それで僕を試し、その結果彼女が、自分が僕に協力するに値する存在であると判断したから僕を仲間に加えることにしたのだというのだ。

しかし僕は、その彼女と協力関係を結んだだけでまだこの世界で起きる異変の黒幕を倒す事までは考えていなかった。だからこの世界で起こったその異変を起こそうとしていた者を探さなければと思っていたのである。そしてこの世界に異変を引き起こしたのが誰かを探ろうとしていて、その異変を起こした犯人を見つけだすためにその力を使い続けていたのだけど結局、僕はこの異変の元凶である存在を見つけることはできなかった。この異変を引き起こしている者が、僕よりも遥かに強い力の持ち主だという事を知るまでは。その人物は、自分の意志で異変を起こしているわけではなく、自分の意思とは関係なくその異変を起こしているようで、そしてその人物は自分の体の中にいたはずの自分の体の中にいたはずの僕の力を使って、異変を起こしているらしいのだ。

だから異変が起きている場所に行っても僕はその力を探し出す事はできなかった。そして僕は僕の体の中に取り込まれてしまった妹を助ける為にもこの異変を起こして妹の体を支配してしまっている人物をどうにかしなければならないと考えていた。

でもその前にまずは自分の中にいる謎の人物をなんとかする必要があった。

その謎の存在が、妹に寄生し妹の身体を乗っ取ってしまった張本人であり僕の妹が僕の妹ではなくてこの異世界の人の妹だったのではないかと僕は考えていたのである。

僕はその人のことをもっと知らなければならない。僕はそう思った。僕は妹の安否が心配になり、妹の事がどうしても気になってしまいその人に会いに行こうと決めたのであった。

その人の所に行くのは簡単ではなかった。なぜならその場所は遠いところにありしかもそこにたどり着くまでに険しい山道を越える必要があったのである。

その山の頂上には何かが封印されているという。しかしその何かは誰にも姿を見せることなくその場所で眠り続けていて誰もその存在を見たことはないのだと言う。その場所にたどり着いたとしてもそこで眠っている何かに会う事ができるかさえもわからず、その人物が生きているのか死んでいるのかも分からない状態で、そんな危険な所に向かうなんて普通では考えられなかったのだ。でも僕の体の中に存在する僕の力の事を考えるとそんな危険な場所でも行かなきゃならないと思った。僕がその場所に向かえれば僕の体の中に宿っている力を制御することができるはずなのだ。だから危険を承知でその場所にいかなければならない。

だから妹を助けに僕は僕の身体の中に存在した妹をこの世界から救い出すためにその目的を果たすべく僕はその場所へ向かうのである。そうしないと妹の身体の中に侵入しその体の中に巣くったあの寄生虫を妹の身体の中から追い出さなければ僕はこの世界に戻ってくることができないからな。僕の目的はあくまでも妹の体に宿ったその虫を追い出すことだから。その目的を達成するまでの間だけ妹の体に宿っている存在を妹から離すことはできたけど僕は妹の体から追い出しただけでその後どうなるかわからなかったので、僕はその僕の体の中の異物を体の中にずっと居続けるのも良くないと思って僕は僕の力で僕の体内で暴れていた存在を追い払うことはできた。

僕の体に宿っていたのがその生き物だったのかは定かではないが僕の意思に関係無く勝手に僕の身体に存在していたということは間違いなく僕の体内に潜んでいた何者かだ。でも僕の身体の中から追い出されると同時にその生き物はどこかへと去って行ったのだ。その生物の正体も不明だがその生物が僕の身体から出て行く瞬間、その生き物から声のような音も聞こえてきて、それが女性の声で「お前の力を使わせてもらう」というような言葉が僕の耳に届いていた。その生物の声を聞いたのは僕だけだったが僕の力を利用しようとしていたということだけは間違いないと思う。

その生物が僕に何をしようとしていたのかはよく分からない。でも僕の力を自分の物にする為に僕の体の中に潜り込んでいたのだと思う。そうでなければあんな風に僕の体の中で暴挙に出ることはなかっただろうから。僕は自分の体に宿っている存在に対して少し疑問に思っていたことがある。それは僕と全く同じ存在がなぜこんなにも僕に執着し僕の事を邪魔しようと企みこの僕の身体の中にいたんだ?僕は一体何者なんだ? この僕に宿っている存在を何とかするためには僕の体の中にある存在が何なのかを突き止める必要がある。この僕の体の中に存在している何者かが何者かを調べないと、その僕が僕自身の体を操ってまで僕の身体の中に侵入した理由も、僕の体の中の存在が何のために僕の身体を乗っ取りこの世界に現れたのかが、そもそも僕の体の中に存在するその存在の目的や正体を確かめない限りは何も解決することはできないので。それに、僕に宿っていたその力がこの世界に出現して異変を起こしている原因がこの世界の人たちにとって敵である可能性が高くなってきた。そしてこの世界の異変の原因となったその敵の敵は、恐らくこの僕と同じ立場にある人物ではないのかという予感があった。

その敵の正体を僕は突き止めなければならないのである。敵の名前や容姿なども僕は分かっていないが、敵が僕の力を利用しているのであればその敵が僕の体の中に入り込んでくる前に出会った人かもしれない。僕をこの世界に連れてきた張本人が僕の体を乗っ取り僕を利用してこの世界へやってきた。僕を利用したその人物の狙いは、僕をこの世界に呼び出してこの世界に異変を起こすことだったに違いないのだから。その敵が自分の事を僕の身体の中の中に宿っていたその生物に対して、自分の名前を明かしていたことを覚えているからね。

でもその生物の名を聞くことさえ出来なかった。でもこの世界に現れる時に自分の体の一部を僕の身体の体内に侵入させていた。だから僕はその生物の力を借りる事ができているのだとは思うんだけど。僕は、自分の身体の中に存在していた正体不明の存在から、その敵の名前を聞けばこの世界に起こった異変についての情報が得られるのではないかと思っていたのである。その敵の事を知ることで僕自身がその敵に狙われてしまうような事態になってしまったとしても。でもそんな事は関係無い。僕は妹の安否の方が重要だから、僕にとってこの世界での最優先事項はその妹の体にいる妹の体内を蝕んでいる僕の体の中には僕の体の中に存在した僕の力を奪い取った何かがいて、そしてその謎の人物がこの世界にやってきたことによってこの世界が大変な事になっている。そしてその人物は妹を狙っていると僕は思っている。僕の妹を奪おうとするのなら僕も黙っていないぞ!と、その敵に対して対抗心を燃やすことになるのだが今は、僕が僕自身を操ってしまう前に僕の前に現れてこの世界に起こる異変を起こしている正体を話せば良かったのに、なんでそれをしなかったのか。僕に力を渡す際に自分の名前は教えなかったのか、僕はその事を考えないといけない。僕は、僕が僕自身の体を使ってしまったせいでその敵の目的を果たせなくなる事態に陥る前に早くその敵の正体を突き止めたかったので。

そして僕の身体の中に存在していた何者かに僕の身体を奪われた時の記憶を思い出そうとしても僕には思い出すことが出来ないので。その時に僕に何かしらの影響が起きていてその出来事を忘れさせられてしまっている可能性がある。そして僕は僕がこの世界に戻ってくるまでに僕がどうやってこの異世界に戻ってきたかも覚えていない。僕は、妹がこの世界に連れ去られる前に僕の妹が妹の部屋にいなかったことから妹の身になにか異変が起こったんじゃないかと思い妹を捜す旅に出ようとしたけどその時には既に僕は意識を失っていて妹の居場所を特定することができなくなっていた。僕は妹が僕の妹では無くこの世界の別の人物で妹は僕が元々住んでいた世界の住民じゃないんじゃないだろうかという事も考えたりした。

そして僕はその妹に寄生していた謎の生物を追いかけることもできず、その妹は行方知れずになってしまっているし。妹に寄生していた謎の生物が妹をさらっていったのではないかと僕が推測しているけど、それを確かめることもできない。妹をこの世界へ連れ戻すことができない以上、妹の安否を確認する方法がないのだ。だからこの世界で妹の無事が確認できるまで待つ以外に何もできなくて不安になってしまうが。とにかく僕は妹の事を探すためにこの異世界を動き回らなければならないと思っている。

僕は今自分がどこにいるのかわからないが妹にもしもの事がないように、僕は妹を探し出すまでは妹の傍を離れられない。妹の身が心配だから妹がもしこの世界に現れても僕が見つけられるようになれば良いのにと思っていた。妹をこの異世界の何処かで見つけたときに妹を助けることができるのは僕の力しかあり得ないのだ。僕の身体の中に存在する存在を使えば妹を助ける事は出来るのかもしれないけれど、それはしたくないと心からそう思った。妹の身体の中にいた謎の生物は僕の体の中の力を全て使っても妹を取り込むことができなかったと言っていたからだ。その生物は妹の体の中で暴れまわっているが、妹の体は傷ついておらず元気そうにしているので妹を救おうと妹の体に手を触れたけど妹を傷つけることはなかったから僕は妹の安全を確認した後に妹の体内に入っている虫を追い出すことも出来たはずだけどその時は何故かできなかったのだ。妹を救えなかったのはこの世界の人の手で妹を助けた方が良いと思って妹から手を引いたからである。そのおかげで僕は僕の体内に存在する異物から解放され元の世界の肉体に戻ってこれたのだったら僕はやっぱりこの世界に来てよかったと思うことにした。僕の中に潜んでいた異物は僕の体内に存在している僕という存在に干渉することができるようだったがそれも僕の能力である再生を使う事でどうにか追い払えたようだ。

その異物の力がどれくらいの強さで、僕にどの様な影響を与えるのかよく分からなかったが、僕にはクロエの加護のおかげもあって僕の身体の中の力を無効化する事が出来るらしいから、妹が寄生されているのと同じように僕も僕の身体に寄生されていたみたいだけど、妹の体内に侵入してきたあの謎の生命体をなんとかすることが出来たのは、その異物が僕の体に残っていたからで、妹の身体の中に入り込んでいるあの虫と僕が戦ったのは僕の中に残っているその異物の力が僕の力を上回っただけにすぎないと僕は考えていた。妹の身体の中に居続ける限り妹を苦しめていたあの寄生虫は消え去ることは絶対になく妹の身体にまた取り付いてしまい妹の体に巣くい続けて最終的には僕の体に乗り移ってくる可能性もあるが僕はそんな事をさせるつもりはないので妹は絶対に取り戻すと僕は心に誓った。

僕は僕の妹を取り戻す為、妹をこの世界に戻すために、僕は僕自身の体に巣くう謎の存在を追わなくてはならないのであった そして僕は自分の体の中から飛び出していった黒い影のようなものを見失っていた事に気が付き、その正体を掴む為に再び歩き出したのである。

(お兄ちゃんは私が守ってあげるんだから)

私の頭の中に浮かんできた言葉の意味が私自身にも理解することが出来なかった。どうしてそんな事を口にしたのか分からないけど確かにその言葉を無意識の内に私は口にしてしまったのだ。

「あれっ?」

「どうかしましたか?リスタさん」

「いえっ、なんでもないんです」

「何か変なことでもあるのか?」

「別にないと思いますよ」

私は、自分の中に眠っているもう一人の自分の記憶を垣間見たことで混乱していたが、私は自分自身を正常に戻して、冷静になろうとしていたのであった。でも自分の体の中に、もう一人がいることに少し違和感を感じながらも私はこの異世界へやってきて初めての夜を迎えた。

次の日、僕達はこの村の宿屋から旅立つことにする。そして僕とルリとライナは僕達三人のこれからの行動を決める話し合いを始めるのであった。

この村での目的は終わったのだから、僕達がこの町に滞在する必要は無い。それに僕がこの世界に連れて来られた目的をこの異世界では果たすことが出来ていないし、僕にはやるべきことがまだたくさん残されているから。僕は僕の為にこの世界を救いたいと思っているからね。だからこの村に留まるわけにはいかないんだよ。それにこの村にずっと留まっていればいつかこの村に僕達の事を聞きつけた冒険者達がやって来て僕達の事を討伐しようとしてこの宿に押しかけてくる可能性が高いから。僕がこの宿を出ることを決めた理由は、宿にいた方が僕達にとっては都合が良いと判断したからだ。だから僕達はまだこの宿に留まっていたが僕達に近づき僕の事を殺そうとしている者がいる気配を感じていた。その者は、宿の外から僕達の様子を見ていたのだが宿の外に居ながら僕のことを殺す準備をしているのだと僕は感じとったのである。宿の外から僕が宿泊している部屋の扉を開けようとしている人物に対して僕の身体の中に存在する僕が力を与えれば僕の力で殺す事ができるだろうと思った。

でも僕は、僕の体の中に存在していた力を与えた人物に僕の体を操られる可能性があると考えてしまう。この世界に呼び出されてから自分の意思とは無関係に体を動かすことができなくなってしまっていた。でもそれは恐らく自分の体を自由に動かせなくなるように何かの術を施されてしまっていたからだと思うが。でも今は自由に動くことができた。だから自分の体を他人に委ねる必要は無くなった。だから僕が誰かから狙われても僕の身体の中の存在から力を受け取って自分でその攻撃から身を守ればいいのである。

だから僕はその敵に対して自分の力を使い対処することにしたのである。僕の体がその敵の攻撃を受ける直前に僕の体内にいるその力の持ち主の力を借りて僕は敵を攻撃することで、敵の攻撃を防ぎその攻撃を行った相手を排除する事に成功させた。でも僕の力の源となっていた人物が、敵の放った力によって死んでしまった。そして僕の体の中に存在していた僕以外の存在が全て僕に襲いかかってきたので僕の体の中にある力を使ってどうにかその敵を殲滅する事ができて良かったが僕の体の中には、僕と僕と僕に寄生している謎の生物の力と、その謎の生物を操り僕を殺そうとした敵が使っていた魔法で死んだ敵とその敵の魂が残ってしまった。

僕の中に存在していた謎の生物の力はもう残っていないし、この世界に僕を召喚した人物と敵対関係になっているであろう謎の人物は死んでいるから僕は安心だ。ただ僕の体の中には謎の生物の魂が存在しているが僕が生きている間はこの魂は表に出てくることはないはずなので僕自身がこの世界で何か問題を起こして死ぬまでは安全だろうと僕は思うことにした。

僕が敵からの攻撃を防いだ方法は単純にこの世界に存在している剣聖の力を使って防いだだけだ。この世界の人間はこの世界の住人が持つ固有のスキルというのを使うことができるらしいが僕はその能力を使うことができないのだ。そして僕がその力を使うことをこの世界で許されていなような気がするのだ。僕の身体の中にいた存在はその力を持っているみたいだがこの世界の人間の使うその能力よりも強い能力を使うことが出来る。そして僕のこの世界の人達より強力なその力で僕に攻撃を仕掛けてきたその者を葬り去る事が出来た。

「お前が、俺の仲間をやったのか!?」

「そうだよ」

「なぜ殺したんだ!」

「それはそっちが悪いことをしているのがわかっていて、この村の人たちは殺されていた。この世界の人間は僕から見れば悪者にしか見えないから、その悪い人を僕から殺してなにか問題があるというなら、あなたがその証拠を見せて下さいと僕からお願いすれば良いですよ。まぁその前に僕に戦いを挑んできたのだから、僕のこの世界での目的を果たす為、あなたにここで死んでもらうことになりますが。その覚悟ができているんですよね」

僕がその男を殺した後に他の冒険者がやって来たが僕をこの世界へ召喚したあの男が言っていたようにこの世界の人たちもこの異世界の人達と同じ様に自分の命が大切なので僕に危害を加えてくることはなかったのであった。でも僕の体に寄生していたあの謎の生物の力を使える僕に襲い掛かってくるなんて自殺願望がこの人にあるんだろうか。この人は一体何を考えていたんだろうと思う。僕と僕に憑依していたあの生物を退治したいと思っていたのであれば僕に向かって攻撃を放てばいいのにどうして僕ではなく仲間の方を狙ったのかな?もしかしたらこの男の人が本当に僕に敵意があるとは思えなくなってきた。もしかすると、僕が仲間を殺したと勘違いをしていたのではないのか?そう思った僕は僕とこの男性の間に立っている女性の方を見た。この人の方は明らかにこの男性の味方だし、もし仮にこの人の意思が関係していないのならば。

僕は目の前の男と女性の心を読んだのだが二人とも僕の事が怖くてたまらないようで、僕に殺されるのではないかと怯えていて僕の目を見て話せる状況じゃなさそうなのでこの人に真実を聞くことにしたのである。

僕は彼女に尋ねてみるとどうやらこの男性は僕の予想通りに、僕の事を僕がこの村にいる間ずっと狙っており、僕の仲間たちを殺してまで自分の欲を満たしたかったというのだ。僕を殺そうとしていたことは本当のようだったが彼女はそれを聞いて怒り心頭になってこの男性に怒っていた。そしてこの男性が彼女の言葉に動揺してしまい一瞬の隙が生まれてしまったのだ。その一瞬を逃すことなく僕は僕に牙を向いてきた男に拳を食らわせようとしたのであった。そして僕に殺された男は地面に倒れ込みそのまま二度と立ち上がることはなかった。僕が殺した男はもう息を引き取っていた。僕が殴ろうとした時、僕に殴られそうになったその男は何か僕に訴えかけるような顔をしていたが、何を言っているのか分からないから聞く耳を持たず僕は容赦なく、その男の胸倉を掴みその男の頭を握り潰そうと手をその男の顔に近づけたのだった。僕の行動に驚いた女性は僕を止めようと必死になっていたので僕は仕方なく、僕は掴んでいた腕の力を弱めた。その隙を狙って、男は一目散に逃げていきこの世界に来た時のあの建物へと向かって行ったのである。その瞬間に僕は僕自身の体を僕に渡してくれるのをやめてくれと言った。僕は僕に意識を渡すように言う。

(わかった)

「おい!!あいつはなんなんだ!俺はお前を殺したくない!!」

(僕はお前なんかに用はないんだよ)

この男の正体は魔王である。魔王であるこの男には僕を倒すために、ある特別な力を身に着けているみたいなのだがその力は今僕がこの場でこの魔王を倒したとしても、すぐに復活することができるらしい。この男にはそんな力があるのだ。だけどこの僕が持っている力がどんなものなのか、その力がどれだけすごい力なのかまではわからないけど。それにこの男は僕がこの世界で勇者を名乗らせてもらった時からずっと僕が邪魔者だと感じていたらしいのだ。そのせいで魔王の世界を作ることに失敗したんだと言っていた。でも、そんなことは僕の知ったことじゃない。僕だって、勇者になりたての頃はこの世界の人達から嫌われてしまって大変苦労したし。僕自身、僕以外の人間が信じられなかった時期もあったが、今は信じ合える友や家族がたくさんいる。そして僕は僕が信じる道を歩むことに決めたのだから。だから僕はこの男を殺す。

僕が僕に体の支配権を与えるのを一時的にやめさせると、僕の体からもう一人の僕が抜け出して僕の体を支配することに成功した。そして僕自身は、僕から体の支配権を奪っているそのもう一人の僕の力を借りることが出来たので、僕は自分の身体の中からその魔法を使い、魔王の魂を消滅させることに成功した。これで、僕の身体の中に存在した、僕の身体を支配していた謎の存在が消滅したことになる。僕はその魔法を使った後、しばらくの間はその場から動けなくなっていたから僕は僕の体の中に入っていたその謎の存在について考え始めたのであった。

僕の中にいたその謎の存在の名前は、【レイジ】という、僕が異世界召喚された時に一緒に転移してきた異世界人だったのだ。僕は彼が僕をこの世界に呼び寄せたことに対して少し怒っていて文句を言う為に僕は彼を探した。僕は彼をこの世界で初めて出会った場所に彼はいないと思い僕は彼と最後に出会った場所で彼に会おうとしたのである。そこで僕はやっと彼に会うことができたのである。

彼は僕を見るなり逃げようとしたが、僕の体の中に存在していた謎の存在のことを僕は詳しく知りたいと思ってしまい、僕はこの場にいた冒険者全員に僕の姿が見えなくなる魔法をかけたのである。その冒険者達は僕の存在に気づいておらず僕の方に目を向けていなかった。そして僕の体の中に存在していたこの世界に来るまでに共にこの世界に召喚されてきた仲間の一人である女性の姿をしている謎の生物が僕に話しかけて来た。僕はこの謎の生物を、彼女と呼ぶことにしよう。彼女とは僕が僕に体を返してくれないかと交渉をしたのに彼女が、嫌だというので僕にこの体の中に残っていた力をくれてから僕が体を返したのだ。

「どうしてこの世界に戻って来れたんだ?」

「君があの時私を助けてくれたからだよ」

この世界の神様はこの世界に戻れなくなった僕にこの世界で生き抜く為の能力を与えて下さり、そしてこの世界で僕のことを好きと言ってくれた人と結婚させてくれるって言ってくれた。僕は本当にうれしかったのである。この世界で生き抜いて幸せになりたいと思ったから、僕は僕の中に寄生していた彼女を、僕の体の中に存在していたその生き物に僕の体の中にいる間に殺すことにした。僕の体がこの世界で生きて行く為に与えられた能力が僕に宿っている力でその力があればこの世界の人間にも僕の存在を知られることなく僕がこの世界で生きる事が出来るようになる。

「僕は僕がこの世界で生きていたときの記憶を取り戻しましたが。僕はあなた達と一緒にいた記憶だけがないんです。僕に寄生していた謎の生物が、僕の中に居座っているときにあなたが僕に対してしたこととかを教えてもらえませんか」

「それは出来ない」

「そうですか。でも僕にこの体を渡してくれたことで、僕はあなたの事を許しています。僕をこの世界に呼び出したのは間違いでしたね。僕はあなたのせいで死ぬか生きるかのどちらかを選ぶという最悪な選択肢を与えられたのですから」

僕はそのあと彼女に僕に憑依していた時にあった出来事をすべて話してもらった。僕は自分がどうしてあの世界で死んでしまったのかを知り、自分の愚かさに絶望してしまった。この世界に戻る前にある女の子が僕のことが好きになって僕と結婚したいという願いを聞いたのでそれを承諾したら僕はこの世界に飛ばされてしまったのだ。僕もまさかこんな結末を迎えるなんて思いもしなかった。僕はその話をしたあと、この世界を旅することにしたのであった。まずこの世界のことをもっと知る必要があると思ったからだ。僕は自分がこれから住む事になる場所を決める事にする。この国の名前は『ルミナリア』と言うようだ。そしてここは大陸の端の方に位置する王国らしく王都がとても発展している。ここら辺の国で一番栄えていると言われている町はここから一番離れた町にあるみたいだ。

僕はその町の手前にある森を抜けてその先の町に行くことにした。その前にこの近くに僕の身体が存在していた形跡があるかどうかを確認するためだけに、その森の中に入って行く。その先に進む前に僕の仲間達がこの辺りに住んでいたという痕跡が残っていないかをくまなく探してみた。そして僕の中で眠っていた彼女は僕と会う前に仲間達の元に行って別れを告げようとしていた。僕は僕に憑依したその謎の生物に仲間の元へと案内してもらうと、彼女は仲間達に挨拶をすることもなく突然姿を消してしまった。どうやら仲間達はその少女の事は忘れてしまっていたようで僕は仲間に僕の事を認識してもらわなければならないのであった。でもこの子達は僕が僕だとわかってくれないと思うんだよね。僕はこの子の容姿を受け継いでしまったんだから仕方がないけど。僕の顔立ちがあの子に似てしまったからこの子達は気づかなかったのかな。僕がその事を聞くとこの子は答えにくそうだったのでこの子を仲間の元に連れて行くのを諦めてこの子とここで別行動をとることにした。僕はその魔物に襲われていた男性を救ってあげ、この人がこの近くに住む人で僕のお爺ちゃんの知り合いであることを聞かされたのだった。

その男性としばらく会話をして僕は僕に体を返してもらい僕は元の体に戻ったのであった。僕は自分の体を元に戻してくれた男性に名前を聞いてみたが男性は自分の名前を言わず、「またいつか出会えるよ。その時は君が僕の事を思い出せるように僕が君を導きますから」といってこの男性は去って行ったのである。

その後僕は近くの街に向かいこの世界に転移して来る前のこの世界での僕の家を見に行きたいと思っていたのだが僕はこの世界に転移してくる際に何かの影響で服や装備品以外全て失ってしまっていたから、この世界のお金を手に入れる必要があると思いこの近くで金を稼ぐ方法を考えることにしたのである。

僕の体は僕自身ではなくて僕の体内に存在していた謎の生物の物だったからその少女に頼んで、その僕の体に存在していたその寄生虫を僕が殺してしまったわけなので、僕の体は僕が自分で取り返さなければならないのだ。僕の体は僕のものではないからこの世界の人に僕の姿は見えていない。僕は冒険者ギルドに入る事にしたのである。そこで冒険者として登録すれば冒険者の証を手に入れられるからである。そして僕が受付の所に並んでいる列に並ぼうとした時に僕の目の前に一人の女の子が並んでおりその子に順番を変わって欲しいと言われたので僕はその少女に譲ってあげた。その少女はありがとうと言い僕の横を通り過ぎていった。僕に順番を代わってほしいといった、その女の人の後姿を見ていたら、なぜか懐かしいような気がしてきた。僕にはそんな覚えはないはずなのに僕はその女性が誰なのか知りたくなったのである。だけどその女の子が僕に何の関係もないただの通りすがりの他人だという事が分かってしまい、そんなことを考えるのはやめたのである。その日は特にこれと言って特に変わったことなどはなく一日が終わったのである。

僕は翌日もこの世界を見て回る為にその次の日にもこの町で金儲けをするために行動を起こした。まず僕に体を売ってくれたあの女性を探し出すことにして、この世界に僕がいた痕跡を探すために僕が元々住んでいたこの近くにある村の村の名前から探すことにする。この村に僕の幼馴染がいて僕の妹もその村の出身だということは、僕の妹の事を知っていて妹と同じ年に生まれたその少年は妹と一緒に僕と一緒に遊んでいた男の子のはずだから、多分僕がこの村に行ったときにその男の人は僕のことを出迎えてくれそうな予感はしていたのだ。そして案の定、僕はその男の人から僕の居場所について教えてもらうことに成功したのである。

僕はその男の人に会いたくなってすぐにその場所に向かったのであるがその場所は、今は誰も住まなくなってしまった廃墟になっていて、僕はその家の中に入りそこで暮らしていた家族に話を聞きたかったがもうすでに亡くなってしまっていた。その人達はこの村の出身ではなかったのかもしれないけどそれでもいいと思った。僕が知りたかったことは分かったから。僕はその後その男の家族が住んでいた家を出て僕がもともと暮らしていた家にその男の人に連れて行ってもらうことにしたのである。

僕がこの世界に転移してきたときから僕の身体の中に存在していた謎の存在は僕の中にいた謎の生命体は一体どこに行ったのか僕はそれがすごく心配になった。僕がこの身体を支配していたとき僕の中の彼女の正体はなんなんだ?と僕はずっと考え続けていた。そして僕の頭の中に僕の記憶の中から、その記憶が蘇ってくる。僕がこの世界で目覚める直前の光景を思い出したのだ。

その記憶では僕は魔王と戦っていたのは確かだがそこで僕の体が突然動かなくなり意識を失い、そして僕の中に存在した謎の生命の身体も一緒に消えてしまったのだ。そして僕の魂だけがこの世界に残ったのであろうと思われる。だから僕はこの体の中に存在している謎の生き物は僕ではないのである。

そして僕の体がこの世界のどこかにあるのならば早く回収しなければならないとそう思っていた。なぜなら僕がこの体を使っていたときは僕は勇者と呼ばれていてこの国を救う為に戦っていた。そして僕を召喚したのは今この国を支配している、この国の支配者の一族でその支配者は僕達が元の世界に帰る為の方法を知っているらしいのである。しかしそれを知るには僕自身が、僕が召喚された国の王になるしかないと僕はそう思っているのだ。

「君は僕に体を返してくれて僕がこの世界にいたときのことを覚えているのに僕の事を、君だと認めてくれてありがとう」僕はこの子にそういうとこの子が涙を流す。僕の中で彼女は涙を流していなかった。この世界に来てからの彼女が初めて流した涙なのである。僕は僕自身の体のところに案内してくれると言ってくれた彼女に付いて行き僕を保管している場所へと行く。僕ともう一人の人格は、この体の中に存在していた僕の人格で僕をこの世界に呼び出したのは間違いだったことに気づいてくれた。この子はどうしたらいいのかわからなくなって僕が僕の身体に憑依してから僕の中で眠っている状態で過ごしていたという事を教えてくれたのである。そして僕はこの体の中に存在していた彼女がなぜ僕の中に居座り続けていなければならないのかを聞くと僕と一緒にいる為だという。この体の中にある僕の肉体は、あの世界での僕の肉体でありその僕の肉片を集めて僕は復活を果たしたのだという。この子は僕の体を乗っ取るつもりだったが、僕の身体に宿った僕があまりにも弱すぎた為どうしたらよいのか分からなくなったとのことだった。

この子の本当の名は僕と一緒に旅をした仲間の誰かの子供だそうだ。しかしその仲間たちと別れることになった原因はこの子の父親が死んでしまったからである。彼女は父親に捨てられたことを恨みこの異世界に復讐しようとこの異世界にやってきたのだった。僕に取りついた謎の生命体はその事を知っていた。

彼女はその父親の仇を取ろうとしたが失敗して僕達の前に姿を現さなくってしまった。その僕の仲間達が彼女を探していたらしく僕の事を仲間達に話すと彼らは僕の事を探して見つけ出して保護したらしい。この世界にやってきてしまった僕は自分の身体が元の場所に存在するのかを確認したかったのだけれどこの子は自分が知っているから案内するから待っててほしいと言われたのでこの子は、自分がこの世界にやってきた時の事を思い出す。僕がこの世界にやってきて最初に会ったあの女の人の事である。

僕は僕を取り返したらすぐにでも僕の身体を戻してもらうためにも、その女の行方を知らなくてはならないと思った。僕がこの子からこの世界での僕の事を聞いていた時にこの子の父親である、僕の仲間だった男がこの世界に訪れたことを話し始め僕の仲間の一人だと言っていた。その男はその国にある城の地下深くにある宝物庫からある宝箱を手に入れたらしく、その宝箱に書かれていた文字を読んだと彼は言っていた。その男の言葉によれば僕達が元の世界に帰れる方法があると。この国の支配している一族の王になるためには僕の体を元の体に戻すことが条件だと言った。

僕の事をここまで案内してくれた女の子の名前はアイシャといい僕の事をお兄ちゃんと呼んでくれて彼女は僕の妹であるのだそうだ。その女の子は自分の名前が思い出せないようで僕が妹と呼ぶとうれしそうな表情をする。僕は僕自身を取り戻すためにもまずは自分の肉体が本当に存在するかどうかを確認してからこの世界から元いた地球に戻って元の世界にいる妹の事やこの子の父親や仲間達がいる元の世界に帰ってみんなに会うとしよう。

僕は僕を取り戻しに行く。

この世界には様々な冒険者が存在するのだが僕はその僕をこの世界に送り込んだ、この世界を支配している一族を倒そうと決意したのである。この世界にやって来た僕を召喚させたこの国を支配するこの世界の人間達の王にこの世界の支配権を手放させなければ、僕は僕がやるべき使命を遂行させることができないからだ。僕達はこの世界が滅びることを事前に知らされていたのだがこの世界はこのままの状態では何も変わらずに滅んでしまうのは確実でその滅亡を回避する方法はこの世界の王を僕達の世界から召喚された人間が殺せばその世界はこの世界が支配されていたときのように、また一つにまとまった世界に戻る事ができるのである。だからこの世界を支配しているのはその王だけで他の人間はその王の言う事を聞かないとこの世界が崩壊されてしまう恐れがある。

僕はこの世界を救いたいと思った。この世界で知り合った人達が僕のせいで死んでしまうなんて考えたくもないから。僕の中に存在している僕の分身のようなその生命体がこの子を僕に返してくれたことで僕もこの子のおかげで少しこの世界に慣れてきたと思うのである。

僕は僕を取り戻さなければならないので、まずは自分自身を元の状態に戻してから元いた世界に僕の妹の事や僕の家族がどうなったのかを探ろうと思ったのである。そして僕に体を貸してくれた女の子の話では、その王の娘は僕の事を好きになってしまったらしく僕がいない間もその女の子にずっと狙われていたという事を聞かされたのである。僕はその子から聞いた情報を元にその王の娘を捜しにいく事にしたのである。僕はその娘の顔を知らない。僕に体を提供してくれたのは少女だったが僕は少女の顔を見てはいなかった。

その少女が着ている白いドレスを着た少女の容姿は綺麗な金色の髪をした可愛らしい女の子なのだそうだ。

その王の娘がこの国で暮らしていた形跡がありその娘の母親が残した言葉があるそうだ。この国のどこかで娘をみつけたらその母に届けて欲しいと。僕がその王の娘を探しに町の中を歩いていると僕に対して話しかけてくる人達が多くいたが無視をして歩き続けている。そして僕はその少女の事を聞き回っているうちに一つの建物を発見する。

僕はこの世界で、まず何をするべきなのかを考える。

僕はその建物に入ることにする。その建物の中に僕と同じぐらいの少女がいたのだ。彼女は僕の方を見て驚いていたのである。そして僕と話をしようとするがその建物はどうやら孤児院みたいなものだったようだ。僕も最初は勘違いしていたが彼女は僕の事がわからないようなのである。

この建物の中には他に人はおらず彼女は僕が一人になるのを待っていてそれから僕の事について何か聞き出そうとしてきた。その女の子が話したのは僕の話である。僕が勇者と呼ばれているのは知ってる? と僕はその彼女に問いかけるとその女の子は首を縦に振る。彼女は僕の顔を見つめているのだけれどその女の子の視線は僕の瞳だけに向けられている気がしていた。

その女の子は僕の顔をじっと見ながら、あなたは私のお兄様ですか?と聞いてきたので僕がそうだと言うと僕は彼女にどうしてそんな質問をしたの?と聞くと、僕は彼女の兄の名前を聞いてみる。僕がその質問をしたとき彼女の表情は曇る。僕と彼女が似ているのなら僕の名前を知っていたはずである。しかし僕と彼女は似ているところは外見だけであるのだ。

「貴方の事は知らないけれど貴方の持っているその剣が私にとっての兄のものだということは分かるの」

僕は彼女の言っている意味がよくわからなかったのである。

「君のお兄さんは死んだんじゃないの?」

「違うよ私は兄が死んだことは知らないけど。でもね。私がこの国で暮らしていた時に、お兄様が使っていたと思われる剣を持っているのを見かけたりはしてるんだよ。もしかしたらそれがその人の物かも?って思っていたりはしているんだよね。その人はこの国にはいないし。それにその剣を持っていればこの国の王様になる権利を得ることもできるらしいから」

その言葉を僕は信じた。

彼女は嘘はついていないと僕は確信したからである。そしてこの子がもしかすると僕の妹の可能性があるのではないかと思い始めていたその時に、僕の中の謎の生命体も、この子の事を覚えていると僕に伝えてきた。この子はこの世界の住人じゃないと僕に伝える。僕には分からないが僕はこの子の事をよく見ることにしたのだ。

そうすれば僕の中から出てくるもう一人の僕である彼女が何者なのかわかるかもしれないと思ったからである。僕は彼女が僕の事を兄だと言ってくれた時なぜか嬉しかった。

「君には名前はないのかい?」

僕は、その女性に尋ねてみたが返事を返してはくれなかった。僕はもう一度その彼女に同じことを聞いたのだ。そういえば僕にも名前を付けてもらった記憶が無いと思い。その女性からもらったはずのその名前を言ってみた。僕の中ではもうそれは、ただの音として認識しているだけでその意味すら忘れてしまっているようだった。

その女性は黙っているが、僕の事をお姉ちゃんと呼んでくれるようになった。

僕は僕の体を取り戻す為、僕を呼び出しこの体の中に宿らせた張本人を問い詰めなければならないと思っていた。僕を呼び出し僕の体をこの体の中に入れ込んだあの女は僕の目の前に現れたが僕の姿を見ると突然姿を消した。僕は僕自身の事を調べてもらう為に僕は自分の体に宿っているその僕の魂がどこに行ったのか調べてもらった。その僕を呼び寄せて僕に体を預けるように言った女の人に。その人が僕を呼び出しこの体の中に入れ込んだ人だと思うからだ。

その女性の名は、この世界の支配者の一人娘でその女の人と、僕を呼んでいた。

僕は彼女を呼び出したのだ。だが、何故か呼び出すことができなかった。だから、僕は仕方なく自分の体を調べることにしたのである。この体の中に入っている僕自身はいったいどこに消えてしまったのだろうか。この子は、自分と一緒に僕の妹の事も捜してくれるというが本当に妹がここにいるかは怪しいと思っている。だってその妹の事を僕はまだ思い出すことが出来ないでいたから、僕は妹の名前も姿さえも思い出せない。だけどそれでも、僕は僕を取り戻す必要があるのである。その女に言われたとおりに僕は、この世界で自分が過ごしてきた時間を日記にして記録をつけていく。

僕はこの子の兄だと言われたが、僕はどうやったら元いた世界に戻ることが出来るのか分からなかったのである。この体の持ち主は死んでいないと思うのに、僕の中に存在しているもう一人の存在を感じることが全く出来ないのだ。この世界に来てからまだ一度も僕に話しかけてくれないし。僕の事を忘れてしまっているのだろう。その証拠に僕に取りついた少女がこの子に僕の身体を貸してくれるように頼むと、あっさりと承諾してしまったからだ。その事については少し悲しい気もしたが、僕の事を気に掛けず自由に行動出来ることに安心感もあった。この体は僕のものではないのだから仕方がないことであると割り切るしかない。

僕の中に寄生したあの謎の生命体の力を使い僕は僕の体を調べるとすぐに僕の肉体がこの世界に存在することを確認することが出来た。僕の体が存在している場所はどうやらこの国の城の中であるということが分かってしまった。この世界に僕が送り込まれてからずっとこの城の地下で眠らされていたようだ。この城の地下深くには魔王を封じていた場所が存在しており、その場所に僕がいるのだということが分かったのである。その扉を開くには僕の体内に存在する謎の存在がその扉を開けるためのパスワードを既に見つけ出し、それを唱えれば良いようだ。僕は僕を取り戻す前にその鍵となる呪文を試し唱えることに決めたのであった。


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俺の幼馴染がS級鑑定士で、世界最強の魔道具職人 あずま悠紀 @berute00

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