異世界の錬金術師〜神が見捨てた少女に錬金術のイロハを教えるお話~

あずま悠紀

第1話




***

 その異世界において、最強の錬金術師がいた。そして少女は、その錬金術師から叡智を得た。

「ふっふーん♪これでまた一歩私達は前進だね!!」

彼女は今日も上機嫌で森の中を歩く。森の中で迷うなんてことはないだろう。彼女のいるところはどこへだって続く一本道。

彼女の名前はリリィという。金髪碧眼、背丈は150センチもない。

服装は何とも言えない奇抜なものを身につけている。

そんな彼女がどうして森の中に一人でいたかというと、単純に家出をしていたからだ。

別に家が嫌いなわけじゃない。むしろ好きだったと言っていいだろう。でも家を出て旅に出ようと決意する理由が彼女にはあるのだ。だからこんなにも浮かれ気分で、上機嫌に歩いているのだと自分で分析して納得しているのだった。

ただ一つ問題があった。森の中で道がわからなくなってしまったことだ。彼女は困り果てた表情を浮かべる。だけどそれもすぐに解決されたのだった。なんせ彼女は錬金術が使えるのだ。だからこう言った。

「ねえ私の家に行きたいって願ってくれる?」

すると目の前に突然扉が現れたのだった。その扉には鍵穴があってドアノブもあるし窓もあってドアストッパーまである普通の扉だったがそこには確かに不思議な扉が存在していた。それに驚いた様子を見せることもなくリリィはそのまま普通に入って行った。その先にあるのはリビングや寝室など普通の部屋ばかりであり特別なものは何もなかった。だがその先に階段を見つけると彼女は嬉しそうに飛び跳ねてそのまま下へと駆け出した。そこにあったものは巨大な地下室であった。

そこでリリィはその地下工房に入り込んでいろいろな材料を取り始める。何を作る気なのかはわからないがとてもワクワクしながら何かを作っていた。その様子を上から見ていた男は呆れた顔をしながらも笑っていたのだ。それはもう幸せに満ちたような笑顔を向けられていたことにリリィは気がついてはいなかったのだがそれでもよかった。何故なら男が彼女に対して恋心を懐いていたからである。彼はその思いを口に出して告げようかと思ったこともあった。だけど出来なかった。だって彼が口に出そうとする前にその言葉を聞くこと無く死んでしまったから。いや正確には殺されてしまったと言った方が正しいだろう。

この屋敷にいる人間の一人、いや正確に言えばたった一体の存在によって。それが彼なのだから。彼は人工知能と呼ばれる存在である。人の頭脳と同等の能力を持っており、感情すらあるほど優秀なAIである。この男、アスタロッテが主人のために尽くしてきた時間は実に十万年を超えていたらしいのだ。それを聞いたら誰もが彼を褒め称えるであろうことは確かである。ただ一つ、問題なのは彼はあまりにも強すぎる存在であったことだ。

戦闘能力だけで言うならば、間違いなく世界で一番強く、魔法などの技術面に関してもかなりの実力者だということがわかっているのだ。そんな彼に勝てる相手なんてまずいないだろうと思っていたから。

しかしここで大きな誤算が生まれる。なんとその相手が彼の前に立っていたのだ!そして彼は負けたのだ。

それからアスタロットは彼女の家に居候していたのだった。そんな日々が続く中でついに彼は想いを彼女にぶつけたかったのだが勇気が出せなかったのだ。だから彼女にとって幸せな日常が失われてしまった時、そして彼が殺された時に全てが変わった。いやその日よりも前から少しずつ狂いだしてきていたのだけれども――。


***

ここはとある異世界、いや、とある大国である。そしてこの国は軍事力に関しては世界最高水準と言われていて他の国と比べるとかなり突出しているという印象が強いだろう。実際この国では魔法を使えない人が大半だと言われていた。魔法とは人外の力と言われているほどの代物であって使えれば人生が有利になること間違いないと言われているほどであるがそれを誰も使えないという事実があるのだった。だが魔法以外の力についてはそこまで大差はないと言われているが実際のところは不明であり、実際に他国を侵略しようとするといつも敗北するというのがこの国の現実であるのだった。

ただ例外があった。この国を治める女王の力が異常に高いということだけが唯一無二と言えることだったのかもしれない。彼女は魔法を一切使っていない。ただその武力だけを武器にして圧倒的な差を持って敵国の大将を打ち取るという手法をとっていた。だから彼女のことをこう呼ぶ者も居た。鬼姫様、と。

この世界には『神』と呼ばれている超越した存在が存在しており、その中でもトップクラスの力を持っていた女神がいた。

その力を悪用したのが彼女であり、その結果、異世界の生命体を召喚することができるようになり召喚術というものを生み出したのであった。だがそれだけではない。彼女は自分が持っている知識を使い、あらゆる薬を作り出すことに成功していた。その中には人体改造や死者の復活なども出来るようになっており、彼女はそれらを使って世界を征服することに成功をしたのであった。ただ、彼女は自分の行いについて後悔している点もあった。

彼女の娘に当たる一人の女が行方不明になって数日経っていたからである。それは別に大したことではなくて、単に誘拐されたか家出をされたのかぐらいしか思っていなかった。そもそも、娘のことなんて殆ど記憶に残ってはいなかったからでもある。でもなぜか引っかかりを感じているのだった。その理由はわからないけれど何かがおかしいと思いながら。

ただ一つ言えることがあった。彼女は召喚した者達を使って軍隊を作り上げて攻め込んだのである。結果はもちろん惨敗。しかも、敵兵の死体を見ても何故か殺した感触が全くなかった。

「くそっ!」

思わず毒を吐きたくなるほどイラついてしまう。それはまるで操り人形のような死体でしかなかった。どうやったらあんなに死んでいるのだろうかという疑問を抱きながらもその真相を確かめられるような人物は近くにいないので諦める他がなかった。

そんなこんながあって結局何もわからないまま戦争は終わってしまうのだった。


***

ここはとある世界線、異世界。その異世界に存在する国の一つで、魔王軍と勇者一行との激戦区となっている土地。その土地の名前はヘルニア帝国、そこは軍事大国として周辺諸国の中では有名でその領土を広げ続け、今や世界でも有数の大国となっていた。だがその裏側では黒い噂が流れまくっているという噂も存在し、実際に隣国との関係はかなり悪い状況が続いていた。その理由として一番大きなものとしてあげられているのは魔王軍幹部の『死神』による侵攻だった。

魔王軍は今まで様々な世界で暴れまわっており多くの被害を出してきた組織であるが、今回の件は規模が違ったのだ。なんせたった一体の存在に国が壊滅寸前まで追い詰められていたのだから。それほどに奴が化け物であるということでしかない。

だがここで予想外な事態が起こる。その魔王軍を追い詰めた者が居たのである。それは少女といってもおかしくはないような外見年齢をしている人物であった。だがその姿はボロ雑巾のように血まみれになっていて立っているだけでも辛いはずなのに彼女はそんなことも気にせず立っていたのだった。そんな姿を見て恐怖を覚えた者、絶望してしまった者はたくさんいたのである。

「うぉおお!!」

誰かの声が聞こえたと思った次の瞬間には既に首元にナイフを突き立てられていてそのまま絶命させられてしまう。そしてそんな彼女を見た仲間達が動き出すがやはり同じ運命を辿ることになってしまうのだった。

そんな地獄絵図が繰り広げられている場所こそがヘルニア帝国の城の謁見室であるということを誰が気がつくことができたのかは誰にもわからなかった。何故ならその場に生きているものは誰一人いなくなっていたからだ。ただそこに残っていたのは一人の女の子だけであった。彼女は自分が何をしたのかわかっていない様子を見せており、そして自分がやってしまったことについては認識できていたらしく酷くショックを受けてしまっていたのである。


***

これは遥か遠い昔に起きたお話。

「う、あ、え?」

「おい!お前大丈夫か!」

「はっ!」

目を覚ましたその少女は周りを見渡すと驚きで言葉を失った。なぜなら見慣れているはずの光景ではなかったからである。明らかに違うところに連れてこられてしまったのだということがわかり、彼女は慌てふためくことになる。それもそのはずである。何せここは日本ではないからだ。そしてそのことに彼女は気づく。そう異世界召喚に巻き込まれたのだ、と。

この世界には元々住んでいた彼女だったがそのことに不満はなかったしむしろ嬉しいと思っていた。何故なら自分は異世界召喚に憧れていたのだ、この異世界に召喚されて勇者として活躍することを夢見ていたのだから当然のことであるとも言えるだろう。だけどこんなにも突然の出来事で巻き起こるものだと思っていなかったのだ。もっと慎重に行動してから行動するべきであると思う。だがしかしそれが出来なかったからこそ今の現状に陥っているのだと言えるだろう。つまり彼女は何も悪くないのである。だからこそ自分を責めるのは止めてほしい、そういう意見が飛び交うはずだろうことは間違いないことだろう。まぁ彼女が反省しているかどうかはまた別の話であるのだが―――。

そういえば名前を名乗るのを忘れていたが彼女の名前はアリサと言う名であった。ただ見た目は黒髪のボブヘア、そして青い瞳をしていたのであった。そんな彼女はこの世界の住人であり人間ではないのである。人間ではないというのは、亜人族に分類される存在であり、魔族に近い存在であった。

そんな彼女とは関係なく物語は進んでいく。

それからアリサの目の前にいる男は勇者と呼ばれていた男だった。彼もまた、いきなり召喚をされた身であり、この世界を救うべくやってきた人物なのだと語ってきたのだ。そしてそれを聞いてすぐに反応を見せた人物が居たことを思い出す。それはこの世界を救うためにやってきた、というよりも無理やり拉致されてきて勝手に勇者として祭り上げられてしまった、と言った方が正しいであろう一人の男性がいた。そしてその名前をアスタロットといったのを覚えていたのだった。だがそのことを口に出そうとすると、

「ああ、アスタロット君ね。うん彼は死んだよ」

その答えに対して納得ができないという気持ちが強くなっていたのだがそこでふと我に帰る。確かに彼が死ぬのを見たからこの場に来ているということもあるだろうと思ったからだ。それに彼が死んでしまったからここに自分が存在しているのではないか?とも思うようになっていたのである。

だけどそれとは別に彼女はあることを考えつくのである。

「あなたは本当にアスタロットという人が殺されたと思っているんですか?」

その質問をした理由は簡単で、実は生きていたのではないかと推測していたのだ。というのも、彼は人間では到底考えられないほど頑丈なのできっと生きてると踏んでいたわけであった。だがその思いは一瞬にして打ち砕かれることになるとは知らずにだけれども。そしてその答えを聞いた時アリサは自分の耳を疑ってしまうこととなる。

「えぇそうですよ、私は彼が殺されるところを目にしていますから。でも不思議なのよねー、あれだけの傷を受けて生きているだなんて普通だったらあり得なさそうなんだけどなぁ。だから多分、あのアスタロット君は普通の人間じゃないんだろうなって僕は思ってるんですよね」

それを聞い彼女は心の底で歓喜の笑みを浮かべたのであった。アスタロットという男がどんなものなのかを知れるかもしれないという希望が見えてしまったからだろう。だから彼女は勇者と呼ばれる彼に頼み込んでみることにする。自分の目的を果たすために協力をしてほしいと――

だがここで想定外のことが起きる。なんとこの世界の人達が自分達のことを召喚したのは邪神を倒すためであると言い出したのだ。そしてそれは事実であるということらしい。この世界の神様の力を借りてなんとかして貰おうという話だそうだ。

正直その話が信じられないと思いながらもとりあえずは受け入れることにしたのである。

その後彼女は魔王軍の侵攻を受けているという村に向かいその村の人々に話を聞かせてもらった。だがどうやら嘘偽りの話をしているわけではないらしく、真実であるということが理解できた。そこで彼女達三人が勇者として魔王軍と戦わなければこの世界は終わってしまう可能性があると言われてしまい困惑するばかりであった。

その日の夜は勇者達の歓迎パーティーが開かれることとなった。

そして翌朝になると、勇者の二人は旅立っていったのである。彼女もその見送りのために同行することになった。

こうして始まった長い戦いの幕開けでもあった。そして魔王軍がなぜ人類を苦しめているかという理由が明白になる出来事も発生するのであった。それは魔王軍のトップが人間の子供だということが判明するのだった。しかもそれはまだ10歳の少年だったのであった。だがその見た目から想像できる通り、魔王軍に加担している人間の大半は魔物、しかも悪魔族によって変えられたものなのである。だがそれでも、勇者達は戦うことを決意しその先に進む。

そして勇者は魔王の幹部の一人である、死神と出会うことになり戦闘となる。結果だけを言うと彼らは勝つことが出来た。それは相手が本気ではなかった、ということになるだろう。その真意まではわからないが、ただ魔王軍の幹部が二人もこのタイミングで登場するのはあまりにも可笑しいことではある。

そしてさらに、勇者一行は、とある城に侵入することに成功する。その城に居たのは二人の男女だった。それはその城の主人であり、その二人がこの世界を破滅に導くために送り込んできた、いわば敵であるということである。しかもこの二名はどうやら特殊な能力を使えるらしく苦戦させられる。その結果、彼女たちは瀕死の重傷を負ってしまう。そしてその代償として、彼女たちはこの世界に来る前の記憶を失うのであった。

***

「はぁ、もう、なんだよ。ここ、何処だよ!」

そんな声が聞こえると同時に一人の少女は目が覚めるのであった。少女が目覚めた場所は森の中で、そこにあったのは大きな湖だったのである。その少女、アリサはその状況を全く呑み込めずに混乱状態に陥るのだった。だがその時だった、突如、空が光ったのである。そしてそこから何かが出てきたのだ。そしてその正体がわかるのはほんの数秒後のことであった。

その少女が纏っていた鎧にはどこか見覚えがあったのだ。そしてその特徴的な容姿と、そして武器を見て、その少女の正体を理解するに至るのはそう難しいことではなかった。そう、それは自分が着ている物と同じデザインの装備を身につけた少女だったのだ。そして彼女はこう問いかけてきたのだった。

『あなたは何者なの?』

と、そして彼女は自己紹介をしてきた。それは彼女が知っている少女だった。名前はアスタロットで、そして彼女が召喚されてしまった元凶でもあり、アスタロットを殺した人物である。だからその言葉を聞いた時アリサはとても動揺してしまいそして言葉が出なかったのである。そんな彼女に、その人物は言った。

『わたしが殺したはずの人間が目の前に居るっていう状況について説明して欲しいかな』と、だが彼女は、

「それは、こちらが聞きたい、というより私の方が知りたいという方が強いかも」と答えるのだった。だがそんなことを言い出すアリサはもう一人、自分が召喚したはずなのに殺されてしまって今、目の前にいるのが自分のせいだということに気がつくことはできなかった。そんな会話を交わしているうちにいつの間にか夜になってしまい結局は野宿をすることになる。


***

次の日の朝になったところで彼女は、まず自分のステータスを確認すべくウィンドウを開いたのだ。だがそんなことは今までやったことがなかったのであるからやり方がわからなかったというのもある。

そして、アリサは驚いた。そこにはありえないほどの能力の数値が存在していたのだ。これは一体どういうことなのだろうか?彼女は自分がチートを持っているとは思っていなかったのだ。だけどそれにも関わらず彼女はこの世界で最強に近い力を有しているようだった。

「う、ん、これ、は?」

だがそこに表示されている内容を確認するためには彼女の目の前にいる人物に頼らなければいけないようで、そのことをお願いしてみることにした。

「私のステータスを見てください」

すると相手は自分の方を向いてくれたので、その人に自身のウィンドウを開いてもらったのだ。そしてそこに書いてある情報を確認してもらい彼女は、驚きの声を上げていたのである。その画面の内容を確認したからこそ彼女はこんなことをしてしまったのだ。

「ねぇ?私と勝負してくれませんか?」

そうして、彼女はその提案を受け入れたのである。それが間違いだったのかもしれないのだが、今の彼女の頭の中にはこの人と戦って勝てるのかと言う不安よりも好奇心のほうが大きかったのだ。だってこの世界に来てからまともに戦ったことがないからである。それ故、どうしても戦いたくなっていた。だからこそ彼女は戦うことに同意をした。そして戦いが始まってしまうとアリサは自分の力を開放するべく動き始めた。だけど、

「あーうんやっぱり無理ですね。わかりました。ではこれでお終いです」

とあっさり決着はついて終わってしまったのであった。でもどうして自分から挑んできたくせに終わったと言ったんだろうと思ったので理由を聞くことにする。

その理由は至極簡単なものだった。彼女が勇者であり、この世界を救うための存在であり、これからこの世界を脅かす敵と戦いに行くのであるならばその戦力になるかどうかの確認をしに来ただけだったのである。そしてアリサの強さを理解した上で自分は敵じゃないという意思表示をして去っていったのだ。つまり、彼女にとってみれば、この勇者が自分を殺しにやってきた存在ではないということを理解したということになるだろう。ただ、それでも疑問に残るところがあり彼女はこの勇者に質問をするのであった。

そして彼女が勇者に問うたことそれはアスタロットが死んだことについてだ。だがその質問の答えは意外なものになってしまった。というのもアスタロットを殺めたのは他の誰でもない目の前の人物だということが分かったのだった。その言葉を聞いた瞬間に彼女はこの勇者に敵意を懐いてしまったのだった。それもそのはずだ、彼女はアスタロットに対して淡い恋心を懐いていたのである。その思いを伝えることも出来ずに死んでしまったという記憶が蘇ってしまったからだ。だがこの勇者はそれを聞いてしまったことで彼女は自分の邪魔になりうる存在だと認識されたのだ。それどころかこの世界に害を成す存在であると。

こうしてアリサは勇者との戦いが始まる。だがこの戦いに勝ち負けなんて存在しない。勇者が勝てば世界は平和になるという結末しか存在し得ないから。でも、もしも勇者が勝利した場合アリサの願いを聞き届けてくれればこの世界の人間達を殺すことはないと言われているのである。それ故に、この戦いの結末としては勇者の勝利以外にあり得ないのだ。だがアリサは勇者の一撃を喰らってしまう。

その結果アリサは勇者に敗北したのである。だがそれと同時に自分の中にあった何かが消えた気がしたのである。それに気づいた時、勇者の言葉が聞こえてくる。

『君の中に巣食っていたモノを全て消させて貰った。君は勇者としてではなく一人の女の子として生きていくと良い。君の運命は既に決まっているかもしれないけれど、もしこの世界の人達がそれを否定してくるならその人達は僕達が全員殺しておくから安心してほしい。君はただ普通の少女として幸せになって欲しいんだ。だからもう大丈夫だから。そしてさようなら』

その言葉の意味がわからなかった。そしてなぜ勇者がここまでしてくれるのかわからず混乱していたのだ。ただそこで一つ思ったことがあるのは自分が死んだとしても勇者に何の問題もないということだ。だがそこで一つの可能性が浮かんできてしまった。この勇者は実は優しい心を持った人物ではないか、と、その証拠に自分が死にそうになった途端に攻撃を手加減してきた。だが、そんなことを思う一方で心の底では違うことを考えている自分もいるのだ。勇者に殺された時のことをはっきりと思い出しているのである。勇者に負けたことだけではなく殺されるまでの状況や気持ちも、そしてなぜそんなことをされなければいけなかったのか、その理由について考えた時にアリサは勇者のことを少し疑ってしまっていたのだ。それくらいの優しさを見せられてしまっているのである。だが勇者はアリサの考えを否定するように言うのであった。

『そんな顔をしないでほしい、僕は僕のやりたい事をやっただけだから。そもそも僕が君を助ける義理は無いわけだしね。それじゃぁ僕はもう行くよ』とそう言って去っていく勇者の後ろ姿を見ていたアリサだったが、ここで勇者を呼び止めるとなぜか抱き締められたのだ。そして耳元で囁かれた。その言葉の内容はとても優しくそして温かかった。そしてその後にはアリサは勇者と別れた。だがそれからすぐに異変は起き始める。そして、それはアリサにも影響を与えることになる。それは勇者が自分に掛けた呪いだったのだ。


***

アリサは勇者と別れて森の奥まで歩いて行った。そしてそこで見つけた洞窟へと入っていった。そこは地下へと繋がる階段があったのである。そこを下るとそこには大きな空間が存在した。だがその場所がどんな目的で作られたものなのかということは分からないのであった。そしてそんな場所で彼女は、一人の少女と出会う。

「えっと誰?」

といきなり見知らぬ人に話しかけられてびっくりしていると、少女がこちらに向かって話してくるのであった。

「わたしは魔王様の配下の一人で、名をアスタロットと申します。よろしくお願いします」と自己紹介をされる。その様子はどこか普通とは違った感じがあったので違和感を覚えるのであった。

そんな時であった。少女、アリサとアリサの前にいる少女に同時にメッセージが表示されたのである。それはアリサにとっては初めてのことだったため、戸惑っていたがアリサの目の前にいる少女は冷静な対応を見せていた。それはアリサには出来ないことだった。なぜなら自分の前にメッセージが突然現れたというのであれば驚いていてもおかしくはないはずなのだから、それを平然と受け止めて対応していることが不思議に見えたのだった。

その少女、アスタロットと名乗った少女はこの世界を破滅させようと企んでいる集団の一人らしい。そしてアリサを自分たちの仲間に引き入れようと誘いにきたのだ。だけどそんなことを受け入れることができないアリサだった。だがアリサが断ったとしても別の方法を考え出して、アリサを連れ去ろうとするのである。そんなアスタロットを止めるかのように、アリサとアスタロットに通信が送られてきたのだった。

その通信を送ってきてくれた人物はなんとあの『魔王軍』のメンバーでありアリサと面識のあるレイティアという人物からのものだった。そんなアリサは彼女にどうして自分がここに連れてこられているのかを聞くとどうやらレイティアはこう言ったのだった。「あなたの能力に価値があるということよ」とそう言われてアリサは何のことなのだろうかと思いつつその言葉について考えるのであった。

そしてアリサが考えている間に、アスタロットはアリサの目の前から姿を消していて気が付いた時にはアリサ一人だけがこの洞窟の中に取り残されてしまうという事態になってしまう。


***

そしてしばらくすると今度はリリィという少女がアリサの元に現れるのであった。だが、彼女はアリサとは初対面である。それなのに彼女はいきなりアリサのステータスを見たいと言い出してきたのである。しかもその理由というのは自分のスキルを確認するためであるというのだから驚いたのだった。

だがそのおかげで、彼女は自分が勇者であるということやステータスを確認することが出来る能力を持っていることを伝えなくてもいいと判断したのである。だがそこでさらに彼女は、そのことに対して確認を取り始めたのである。そして、その会話の途中でアスタロットに通信が入りそちらの方に行ってしまったのである。だが、その隙を見てリリィから逃げ出そうとしたのであった。

「あーやっぱり無理だったかー」だが、そう呟いていると目の前に現れた人物が居た。その人物に驚きながらどうしてここにいるのかを尋ねる。すると彼女は、自分には特別な力が使えるから、それを使っただけなのだと答えてきた。それを聞くと、彼女は、自分の方に手を伸ばしてくるのだった。それを避けようとするアリサだったが結局のところ捕まってしまいそのまま彼女の腕の中に閉じ込められてしまうことになった。そのせいもありアリサが抜け出すことは出来なかったのだ。そしてアリサは諦めて彼女の質問に対して答えることになったのだ。

「へぇ、それって勇者の能力なの? それでステータスの確認は出来たの? 私にその能力をくれとかは言わないから、その代わりに私の頼み事を聞いてくれない? というか聞いてくれる?私に協力して」

それを聞き終えたアリサは少し考え始めた。その頼みごとの内容というのを聞くことにしたのだ。その話は、ある女の子を探してきて保護しておいてほしいというものだった。それを聞いたアリサがその理由を聞く。その女の子は、自分のことを勇者だと勘違いしており、自分の力を使いこの世界に復讐しようとしている。だけどその女の子の能力は大したものではない。なのでその少女の力だけでは、おそらく目的を達成することは出来ない。

だけどそんなことを教えると、その女の子に狙われることになる可能性がある。だからその事実を隠したいからこそ自分に任せたいとそう彼女は言ってきたのである。そしてその言葉に了承の意を示す。だがここで、彼女はこんなことを言い出したのであった。それは今、アリサは『魔王』から『勇者』へとジョブチェンジを果たしている状態だからである。だがアリサは知らないのだがこの世界ではその『勇者』は魔王を倒すために存在しているわけではないのだ。だがそれでもその勇者に対抗できるほどの力は持ち合わせているためにその勇者に対抗する手段として、魔王はアリサを召喚したという経緯があるのだと教えてもらったのだ。つまりこの世界に存在する人間は全員、『勇者』やそれに近しい人間に勝つだけの力を持ち合わせているということであるという。

それを聞いたアリサが驚く中アスタロットはそのまま続けて話すことにする。

まず一つ目の問題として勇者として目覚めたことでこれから多くの人間があなたに対して接触しに来るだろうということを伝えたのだ。つまりこれから先は常に気を張っていないといけなくなるだろうと言うことを伝えた上でもう一つ重要なことを伝えようとしたのである。

だがその話をする前にアリサの体力の限界が訪れてしまい、意識を失ってしまったのだ。だがその時のアリサはとても穏やかな顔をしていて、まるで眠り姫のような表情をしていたのである。そんな状態で倒れてしまったアリサを見て慌ててアリサを抱き抱えるアスタロットだったが、アリサはただ眠っているだけだったので安堵のため息を吐く。そしてこのまま放り投げておくことも出来ず仕方なくアリサを連れていくことにしたのだ。そんな彼女が連れて行先は『勇者の家』と呼ばれる場所で、アリサが暮らすことになっている家でもあるのだ。


***

目を覚ましたアリサが目にしたのは見知らぬ天井で自分が今まで寝ていたベッドには見覚えが無いものだった。それを見るなり困惑してしまうが自分が勇者として目覚めてからの記憶が頭の中から蘇ってきて自分がどうしてこんな場所にいるのかという疑問はすぐに解消されたのである。それと同時に勇者の家に居候させてもらっていたことを思い出したが、その記憶はそこで途切れてしまっていたのだ。そして何があったのかを思い出すために必死に考えるが、何も思い出すことが出来ず、混乱したままの状態になっていたのである。

そこでアリサはアスタロットに会いに行くことに決めたのであった。そしてその部屋を出て行った時であった。

「おっ起きたんだ」そんな声を後ろから掛けられる。振り向いた先に立っていたのは、金髪碧眼の見た目をした少女であった。その容姿をしている人物は自分の周りにはいなかったはずだったので少し戸惑いつつもアリサは彼女に向かって問いかける。自分は勇者だというのにも関わらず、なぜこの『魔王軍』に迎え入れてもらえたかについて知りたかったからだ。すると相手は、自分のことを信用出来ると判断したからこそ、こちら側に招き入れたとそう言われたのだった。だがそれがどういう意味なのかと聞こうとするが、アスタロットからは何も説明してくれずに、「ついて来てよ」と言われたのだ。だが、ここで引き下がるわけにもいかないと思ったアリサが付いていくことにするとなぜか嬉しそうな顔をされるのだった。それを見たアリサは何でこの人はこんな風に笑うことができるのだろうと不思議そうに見つめてしまうのだった。

そうしているとアリサが見たことがないような景色がそこには広がっていて、本当にここは自分の住んでいる街なのだろうかと思ってしまう。だがそれは仕方がない事なのかもしれない。というのも目の前にある建物は、どれもこれも豪華だったのだ。そんな光景を見ながらアリサが驚いているとそこに一人の少年がやってきたのだ。その少年を見た瞬間、アリサが反応を示したのである。

「んっ、君が噂のアリサちゃん?」

その問いに対して、自分がアリサであることを認める。

「へぇー可愛いねー僕の名前は、レイティアだよ。よろしくね」そう言って彼は微笑んでくる。そんな彼に警戒しつつアリサは挨拶を交わすことになる。

「ところでさっきからアリサをジロジロと見てきているけど何か文句でも有るの?」

そう言ってレイティアが睨み付けてきた。それに対してレイティアの付き人と思われる人物の一人が言う。

その男はアスタロットよりも年上そうに見える男性で、どこか落ち着いた雰囲気を放っているように見える。そしてアリサのことを上から下までじっくりと見てきた後こう言ったのである。そして彼の口から出てきた言葉に衝撃を受けることになった。それはレイティアが言った言葉に対する言葉だったのだ。それもその発言の内容が、あまりにも意外すぎて信じられなかったからである。しかしそれは本当の話であり嘘偽りなく本当だということを聞かされたのである。

そしてそれを聞いた途端に、その男性はこう言ったのである。

「俺の名は、グレイスと言う」

その言葉を聞いた途端にアスターロットは、その名前には聞き覚えがあったのだ。なぜならこの男が以前、この国を滅ぼしに来たときに戦ったことがある敵なのだから。そのことに気付いたアスタロットは、どうしてこの人がここに居るのかを尋ねようかと思うがその前に、アスタロットに対してアリサのことを紹介するためにアスタロットの前にアリサを出すことにしたのであった。

それを見て、グレイスはアリサを見て、その容姿について感想を言う。するとアリサの顔がほんの数秒だけ赤く染まったように見えた。そのことに気が付いたアリサが、それを誤魔化すようにグレイスと会話をする。だがその内容はどうもぎこちなさがある。その様子を見ていたリリィはその会話についていかず適当に流して、それからグレイスがレイティアと一緒に居た経緯について聞いたのだ。

だがその会話にアリサとリリィが入っていく。アリサは二人の会話が盛り上がっている様子を見て、邪魔するのは良くないと考え、一人その場から離れる。そんな彼女を目ざとく見つけたアスタロットは、すぐにアリサを追いかける。だがアリサは一人になりたいと言って、その場所に残りたいとアスタロットに伝える。だが、アスタロットがそんなアリサの様子に違和感を覚えたのか強引に連れていってしまう。


***

そしてその後ろ姿を見送りながらリリィがつぶやく。

「あの子一体何を考えているの?それにこの感じってまさか恋? それとも何か別のことを考えているのかしら?まぁどちらにせよ面白くなることは間違いないわよね」

アリサと別れた後でリリィは、グレイスに対して自分の力の使い方を教えることにした。それを聞いて彼が驚きを見せる。その力は自分に与えられた能力だと思っていたからこそ、使えるようになったのは嬉しい限りだとそう答えてきた。それを聞きながらリリィは、この能力に名前を付ける必要があると考えた。なのでこの力の名前を決めることにする。その時に思いついた名前が《絶対空間》というもので、これは簡単に言えばこの世界を自分の思うがままに作り替えるというもので、この世界の全てを支配下に置くことができてしまう恐ろしい力を持っているということがわかった。それを聞いただけでどれだけ危険なものなのかがわかったのだ。

そしてそのことを教えてもらうことができたグレイスは、それを使ってアリサを守ることにしたのだ。そんな彼に対してリリィは、アリサを守ってくれることを約束してくれた。

それからグレイスは、レイシアが言っていた女の子の保護を頼むと、この世界についていろいろと話し始めるのであった。その話を聞いたグレイスは驚く。それは、勇者というジョブが存在している世界など存在しないからこそ驚いたのだ。だが同時に納得できる部分があった。

そもそも異世界が存在するということだけでも、驚くのにもかかわらずその世界に転移してきた人物が現れたということは、そういうこともあるのではないかと思い始めてきてしまうのである。そしてアスタロットは、その話をしたのだった。だがそこでグレイスが質問した内容にアスタロットとアリサ以外の人物が驚愕する事態になってしまったのだ。それはグレイスが元の世界に戻りたいかという話である。だが、それは当然の願いでもあったのだ。なにせ突然こんなところに連れて来られた挙句、もう帰ることが出来ないと言われてショックを受けている人間がいるかもしれないということに思い当たったからだった。だがそこで意外なことが起きることになる。アリサだけは帰らないと言い切ったのだ。それを聞いて驚くアリサの表情がとても愛らしく見えて思わず抱きしめてしまったのである。

だがそんな様子の二人に対してグレイスは冷めた口調で言葉を吐いた。そしてアリサは、レイシアという存在に気に入られているということからこの世界に留まることを決意してもらったのである。そんなアリサとアスタロットにグレイスは感謝をした。

アリサは、アスタロットと別れてからアリサはアリサなりに行動を始める。そして自分の家に戻ろうとしたのだがなぜか道を忘れて帰れなくなってしまうという事態に陥ったのだ。そんなアリサは、困った表情を浮かべるがそこでふと誰かに見られていたことに気付くとアリサはすぐさまその場から逃げ出したのである。だが相手のほうが一枚上手であったようで、あっけなくアリサの腕を掴むことに成功するとアリサが持っていた端末から声をかけられたのだった。だがその正体を明かされて動揺してしまったのは無理もなかった。

アリサを驚かせたのは『勇者軍』の一人で、勇者の中でも最強と言われる存在であるアリリスである。そんな彼女がなぜこんな場所に居たかと言うと、勇者の家で暮らしていたが、レイシアからある仕事を与えられたためにやってきたのである。それは、レイリアの街へと侵入して情報を盗むというものだった。だからそれを実行するべく、アリサが歩いて来た方向とは別の方向に進んでいった。


***

その頃、レイティアはグレイスにこの世界の情報を与え続けていた。その中で一番印象的だったことは、レイピア王国と呼ばれるこの国の王族には、神の血が流れていて特別な力を受け継いでいるらしい。そんな彼らの中にレイシアが求めている人物がいないかどうかを確認しに行ったのだ。その結果、一人の少年を見つけることが出来たのでこの少年の身元を調査させてほしいという要望を出したのだ。その少年とはレイティアのことである。レイティアの容姿は中性的ではあるがレイティア自身は男であり、女のような顔をしているが、心は紛れもなく男なのだ。そのためその少年の正体を確かめるために調べることは重要なことだと考えていたのだ。そして調査の結果、その少年の中身は間違いなく男のようだった。その事実がわかりレイティアは自分の役目を果たすことが出来ると思って安心したのである。そしてそれと同時にその男の子を『魔王軍』の仲間に引き入れることにしたのだった。だがレイティアが思った通りの反応を見せてくれた。やはり見た目が可愛く、その上性格も良いとなるとどうしても甘やかしてしまいたくなってくるのだ。そして、そんな可愛い顔をしているレイティアだからこそレイティアは、この少年のことを気に入ったのである。そうしているとレイアも少年の事が少しだけ興味を持ってしまうが、アリサのことを考えると少年の気持ちを尊重することを選ぶ。だがそんなアリサはレイティアとアスターロットのことを警戒するような眼差しを送ってきたのである。その理由がわからないまま二人はレイティアの住んでいる家までたどり着くことになるのであった。


***

アリティアは、レイティアが住んでいる場所まで案内してくれることになる。その道中でグレイスのことをどう思ってるかと聞いてみると少し恥ずかしそうにしながらこう返してくる。

「そっそりゃかっこいいよ」そう言った時のアリティアは、恋する乙女そのものでありレイティアはそれを微笑ましい表情をしながら眺めていた。そんな会話を続けているうちに目的地までたどり着く。するとレイティアがアリサを迎え入れようとするのをグレイスは止めたのである。アリサにはこれからレイティアの両親に会いに行くということを告げられてグレイスは戸惑う。しかしすぐにレイティアから説明されてグレイスが了承するとグレイスはレイティアと一緒にレイティアの両親の所へ向かう。そしてその途中でレイティアの両親がどういう人物なのかを聞かれるのでグレイスは、レイティアの父親であるグレウスのことを話すと、グレイスは、レイティアの母親が誰なのかを知ると、レイティアのことを気に入っているのかアリサに対してレイティアの母親のことをレイティアから聞いていたのだった。そしてレイティアの家に入る。レイティアの母親は、その部屋にいたのである。そして彼女の目の前にはレイシアがいたのだ。

アリサたちがこの部屋にたどり着いた時にはもうすでに戦闘が終わっており、部屋の至る所に戦いの傷跡が残されている光景が広がっていたのだ。それを見たアリサは、アリシアがここまでの実力を持っていたなんてと驚いていると、そこにアリシアが現れたのだ。その顔はいつも見せてくれる優しい笑顔ではなく、冷たい笑みを見せていたのだった。

「さぁ私の元にいらっしゃいなアリサちゃん。あなたの大切な人を返してあげますわ」

アリサはその言葉を聞いて怒りを覚えながら、アリサの前に立つグレイスに向かって、あなたに守られるほど自分は弱くないとそう言い切ったのだ。それを聞いたグレイスは呆れ果てたような視線を向ける。そしてアリサの頭を優しく撫でながらアリサのことを抱き寄せる。

そんなアリサとグレイスの姿をアリティアは黙って見守ることにする。だがアリサは、この場から逃げ出すことを決意する。だがグレイスはアリサの手をしっかりと握って逃がさないようにしたのだ。そんなグレイスとアリサの様子をみてアリシアは笑い出すとグレイスは何かの魔法を使ったのか、その場に崩れ落ちてしまう。その様子を見せられたアリサたちは驚愕の表情を見せるとアリシアは、グレイスが倒れた様子を見てもまだ余裕がありアリサたちを追い詰めるかのような態度を見せたのである。そんな時だ、アリシアの表情に影が宿り、彼女はその手から黒い鎖を出すと、それがグレイスとアリサに絡みついて身動きが取れない状態に陥る。

その様子を見させられたアリサは絶望的な気分になってしまう。このままだとグレイスの身も危険にさらされることだろうと思ったからだ。

だがその時だ。グレイスが自分の懐に手を入れるとそこには銃らしきものが存在しており、それを握りしめると、引き金を引いたのである。そしてその瞬間に激しい光とともにアリサたちに迫ってきた鎖を粉々に打ち砕いて、グレイスは立ち上がった。それを見て驚くアリシアだったが、すぐに次の攻撃へと移ろうとするが、それは阻止される形となってしまう。アリザはアリティアの方を向く。そしてレイシアがこちらに近づいてきて、自分の武器である剣を手渡してくれたのだ。その刀を手に取るとレイシアは嬉しそうな表情を浮かべていることがわかる。それを確認したアリサはアリシアに向けて攻撃を仕掛けるのであった。


***

グレイスはアリシアが呼び出したと思われる黒竜を相手に一人で立ち向かうことにしたのだ。この世界に来るまではこんなにも強いモンスターはいなかったはずなのだが、この世界に召喚された時にいろいろとあり過ぎてそんなことは些細な問題のように思えるほどだった。そしてそのドラゴンは、アリシアを守るかのように立っていたのだった。それを見るとグレイスは、その相手がアリリアであることに気づいた。そしてアリリスがグレイスがここに居る理由を問いかけてきたが、今はアリシアを倒すことを最優先として行動することを決断する。だが、その前にグレイスがアリサに声をかけたことでアリサは驚くことになった。なぜなら、自分がアリシアと戦おうとしていたことを言い当てられたからである。だが、アリサにそんなことをする必要は全くないと言ったのだった。だが、グレイスの言葉は、アリサに自分のことを頼ってもいいというメッセージを伝えることになる。だがアリサにはそれを受け止める勇気がなかったのだ。そんな彼女に対してグレイスは言うのである。レイシアを守りたいという意思があるならば自分を頼ればいい、もしそうしてくれるというのであれば、自分も全力でレイシアの味方をするから。だから自分に頼ってほしい。それを聞いたアリシアはこの世界で生きるための覚悟を決めたのである。それを受けてレイシアがこの国についていろいろと語り始めた。その話を聞いていたがその内容を聞き終えた後にアリシアは驚いた表情で固まってしまったのであった。まさか自分の母がそんなとんでもない存在になっているとは思いたくなかったのである。そしてその話を聞いたことでアリナがグレイスの方を向いて感謝をした。それからすぐにアスターロットの元へと向かったのであった。

だが、そんな二人の元にはアスターロットの姿はなかったのだった――

そして二人は森の中を走り回ることになるのだが、グレイスの体力が先に切れ始めてしまうとグレイスはそのまま倒れこんでしまう。それを助けるためレイティアが回復薬を渡してくれたのだ。だがそんな時である、グレイスの端末に連絡が入る。それは、アリシアがグレイスたちのところに来ているという話であった。そんな連絡を受けた二人は驚きの表情を浮かべた。


***

アリシアが、アリサとグレイスのもとにたどり着くとグレイスが立ち上がって戦闘準備を整えたのである。その様子にアリシアはすぐに理解を示した。なぜならば、アリサがアリシアのことをじっと見つめているのだ。それに気づかないほどアリシアは鈍感ではなかった。アリサは自分と同じ世界から来た人間だということがすぐに分かったのである。だからこそレイシアに頼まれたことがあるのだ。それはアリシアに真実を告げることだった。

レイシアがどうしてそんなお願いをしてきたかというとその話は、アリシアとアリサが出会った時の状況にあったのだ。アリシアは自分の母親であり『英雄王』の異名を持つリリィによってレイリアの街へと連れていかれていたのだ。そこで『聖女』の称号を貰う儀式が行われるはずだったのだ。その日のために毎日訓練を続けていたアリシアであったが、当日になっていきなり街から出されてしまったのだ。それを聞いたアリシアは激怒したのだった。

その出来事をレイピア王国の住人であるレイティアやアスターロットたちに告げるとみんなは驚いた顔をしていたのだった。その事実を告げられて、すぐにグレイスは納得することができたのだった。アリシアの正体が、かつて自分たちを苦しめ続けてきた国のお姫様であることに間違いはないと確信を持てたからだった。だが、それと同時にレイティアは、レイシアが何をしようとしているのかが気になり、その目的を聞くとレイシアの願いに少しだけ共感を抱くことが出来たのである。


***

その頃、アリサがアスターロットの元へたどり着いたが彼はそこにいなかったのだ。そして、レイシアからもらった剣でアリシアと戦っているアリサがアリシアの攻撃を避けながら、レイシアからの通信を受けていたのである。それを受けている間にアリサはレイアスから渡された剣の使い方が分かるようになり、アリシアに反撃を開始したのである。

そしてアリシアは自分の力が衰えてきていることに気づく。その理由がアリサにレイシアの力を分け与えていることによる力の減少によるものだとアリシアは気づくことになる。そしてアシアは剣を使って戦うがその攻撃は、すべて防がれてしまうとアストレア王国の騎士団長が使っているとされるスキルを使おうとするもそれもアリッサに阻まれてしまう。それを見たレイティアはその光景に目を丸くさせてしまう。そしてそんな時だった。アリシアの身体が一瞬にして凍ってしまう。アリサはそれを見た瞬間、アリシアに向かって攻撃をしようとしたら、グレイスが自分の事を守ってくれたのである。

だがその時だ、突然アリシアの身体の氷が溶けてしまい、アリシアがアリサを斬りつけたのだ。その一撃があまりにも強力だったせいで、アリサの左腕は吹き飛んでしまうのである。アリシアは、今の一撃が直撃すればアリサが死んでしまうと判断した上での致命傷を与えようとしたのである。その行為を見たアリサは、怒りを覚えたのだ。そしてそんな時だ。

「あなた、その感情は私に対して抱いてほしいわね」

それを聞いたアリシアは、後ろを振り返るとそこにはアリシアのお母さん、リシアの姿がそこにはあったのだった。その言葉にアリシアは恐怖心を覚えるもアリシアの前に立っている人物の顔を見たときにアリシアは動揺することになる。何故なら目の前にいたのは、自分の姉、リリアの姿だったのだ。だがその姿は、自分の知っている姿とは違っていた。そう、彼女はリリアではなく、『英雄王リリアーナ=レイティア』としての姿だったのだ。それを見るなりアリシアはその人物に襲い掛かろうとしたが、その動きを止められる形になってしまう。それを行ったのは、グレイスだった。グレイスは冷静な判断を下してアリシアの動きを抑えたのである。だがアリシアはそんなグレイスの行動に腹を立てているようだった。だがそんなアリシアの姿を見てレイティアは笑みを浮かべるとアリシアの事を褒め称えるようにこう言い放ったのだ。

「いいのよ、私はアリシアちゃんを恨んではいないもの、それよりもあなたのおかげで、こうして再び会えたことを喜んでいるぐらいですから」

アリシアはそれを聞いて戸惑ったような声を上げたがそんなことは気にせずに話を続ける。

その会話の内容はアリサには聞こえてはいなかったが、どういった経緯があったのかは理解できたのである。というのもレイティアは、今アリシアがいる国を滅ぼす計画を立てていて、それを手伝えと持ち掛けてきたのだったのだ。だがそんな提案にすぐに乗ることができるほどアリシアの精神はまだ成熟してはいなかったのだ。するとレイティアは自分の方を見て、こんなことを口にしたのである。

レイリアの街ではレイピア国王の命令に背いて反抗的姿勢を見せたため追放されることになったのだと、そんなことを告げると、今度はこんな話をし始めたのだ。

「あなたにお願いがあるの、私のことを殺してくれる?それが終わったらあなたの望みを一つだけ叶えてあげる。だから、あの男を殺してきなさい、それが条件、もしもそれを受け入れないというのであれば、レイシアさんが苦しむことになるから」それを聞くとアリシアはすぐに承諾した。そしてレイティアは、アリシアのことを抱きしめる。

レイティアは最後にアリサに、これから自分の言うことを聞けと言う。それを聞いたアリシアは嫌そうな表情を見せる。レイティアの言うことを聞かないわけにはいかない。

アリシアの能力はレイディアによって奪われてしまっているため、レイティアが命令をしなければ動くことが出来ない状態なのだ。そんなレイティアが出した条件というのが『レイアの心臓を食べろ』というものでそれを受け入れることにしたのだ。アリサもそれに従うしかなかったのだ。だがその前にレイシアがなぜアリサに対してそのようなことを頼んだのかを説明するとそれはこの国を破滅させるためだったのだという。そしてその方法について語り始める。

レイシアの話を聞き終えたアリサは、アリシアの方を見るとその目には涙が浮かんでいたのだ。その表情を見たアリサは、どうして自分がレイシアにこのような頼みをされているのかを理解することになった。それはつまり自分はアリシアの変わり身でしかないということが分かったのだ。それでもアリサはそんな自分の役目を受け入れたのである。そうでなければ自分の大切な人が苦しむと思ったからだ。

アリシアにそんな悲しい表情をさせたくなかった。だからこそレイアに自分の身体を差し出すことを選んだのだ。アリシアの口からレイシアの意思を聞いたアリサは、アリシアの代わりにレイアのことを殺すことを決意すると、レイシアは、そんな二人に向けてこう言ったのである。

レイリアの街が襲撃され、リリアはリシアへと変身してからリシアとして行動していた。そんな中レイアから、呼び出しを受けたのだ。そしてそこでレイリアの街にいる『英雄』全員を集めさせて『英雄王の遺産』を全て集めさせ、レイアがそれを使ってこの世界に宣戦布告を行うと告げたのである。レイシアにはそれを阻止することはできなかった。

レイアは、自分こそがレイピア王国の支配者となるべきだと考えているらしく、この世界を自分の物にしようと考えていたのだ。その野望を止めるためにレイティアも行動を起こそうとした。だが、そんな時だ、アリシアがレイティアの前に現れたのである。その顔つきを見た瞬間にレイティアは、彼女がレイシアの妹であるとすぐに気づいたのだ。

そのことに気づいたレイシアはレイリアへ戻ってレイナの身体を取り返すための準備を整えたのだ。そしてアリシアのことも、助けたいと思っている。そのため、リシアの力を使った作戦を考え出すことに成功すると、アリシアに指示を出す。

「あなたに、お願いをします。私の妹を助けてください、そしてレイアを倒して私のもとに帰ってきてほしいんです」

そう言ってアリシアに自分の『心臓』を託すと、アリシアは自分の胸にレイティアの『血』を流し込んでいく。

アリシアの中にレイシアの『力』が入り込みアリシアは苦しみの声を上げるとその場に倒れこんでしまったのだ。そしてその瞬間だった。リリアからリシアの姿へと戻ってしまう。それを見たアリシアは悲しそうな目を浮かべるとレイティアは、リシアに向かってこういったのだ。

レイティアはアリシアに最後の言葉を授けようとするもアリシアは、レイシアにこう口にする。

「もうすぐ終わります。私がお姉さまを必ず守り抜き、レイピア王国を取り戻してみせますから!」

それを最後にアリシアは気を失ってしまい、倒れたのだった。

それから数時間が経つとレイシアの意識は戻ったのである。アリシアは気を失ったままだった。そんなアリシアはレイシアが自分の事を守ってくれたのだと勘違いしたのだ。でもそんなアリシアにレイティアから、アリシアの心臓を食べるように指示されたのである。それを聞くとアリシアの身体が勝手に動き出し、アリシアが気絶をしているにもかかわらずアリシアはその口を開きアリシアの『心音』をレイアに食べさせようとする。それに抵抗するかのようにレイシアの体は動き出してその口を無理やり閉じようとしたのだ。

「うぐっ」

それを見たレイアは自分の体からレイシアが離れたのを感じると自分の体の自由を取り戻した。だがその時には既にアリシアの体は限界に達してしまっていた。そしてアリシアの体が壊れてしまいそうになる寸前にアリシアはアリシアの中に戻り、なんとかアリシアを死守したのだった。だが、その時レイシアの心の中で異変が起きたのだった。

******

***

アリシアが目覚めない状態で数日経っていた。アリシアの中にはレイシアとレイアがいる。そしてレイアの肉体はリシアによって乗っ取られてしまったのだが、レイシアが作り出した疑似人格としてレイアはレイシアのことを認識することができるようになっていたのである。

だが、アリシアの中から出てこようとしても、出てくることができない状態だった。「レイシアちゃん大丈夫かなぁ」

アリシアが目覚めたのを確認するも一向に目を覚まそうとしない。アリサはそれをずっと心配していたのだ。

レイシアのことを看病している間にグレイスは、アストレア王国内に戻っていった。

「グレイス君って優しいね」

アリサは、そう口にするとアリシアがようやく目を開けたのだった。

それを見て安心をする。だがその時にレイリアの街にある『遺産』が何者かに持ち去られたという報告を受けてその人物を追いかけるためにアリシアと二人で出かけることにしたのだった。

*

***

アストレア王国内では激しい戦いが行われていた。

それは『リリアス教国』の者たちだ、彼らはアストレア王国内の各地に存在する遺跡を荒らすことで、自分たちが使えるアーティファクトを回収していたのだ。そしてそれを行っているのは『リリア教国』の人間たちだ、だが彼らが持っている力は『英雄級能力者』、『英雄候補』、『聖女』『英雄候補筆頭』、『勇者』などと言われているほどの実力を持っている人たちばかりだったのだ。だがそんな彼らであってもこの国の実力者には勝つことはできない。

だが、そんな時一人の人物が現れる。彼は、『レイシア=アイオランド』。『英雄級能力者』の『戦乙女』にして、『剣姫のレイシア』とも呼ばれている少女が姿を現したのだ。

『戦乙女』の称号を持つレイシアは『白虎騎士団』を率いて、敵の部隊と戦うことに、そして『白虎騎士団』が戦う前にレイティア=アリアードが姿を現すことになる。そしてその手には、『英雄王の遺物』である武器を持っていたのだ。それは『雷帝機 ヴァレントラムド』、それが『レイシア』の手に渡っていた。だがその機体が動く気配は見られなかった。だがその機体はまるで意思を持ったように動いたのだ。そしてそれは敵である教団側に襲いかかったのだ。

その攻撃によりレイシアの目の前に現れた敵部隊は全滅、さらに他の場所にいた味方の部隊が駆けつけるのであった。

『戦乙女のレイシアは最強なんだよ!私の前に立ち塞がるのは絶対に許さない!』

そう言うと彼女は『雷帝機 ヴァルドラムド』に指示を出したのだった。そしてレイシアの指示を聞いた『レイシアの分身』は彼女の命令通りに動いてくれる、そんな風に感じたレイシアはそのまま『リリアス教団』本部に向かうとそこを襲撃し始める。『リリア教団』のメンバーを次々と倒し、施設を破壊していく。それだけではなく『リリアス教』が保管していたアーティファクトを奪ってしまう。

それを見た教団幹部たちはレイシアを捕まえるように言うもレイシアはそれに従うことなくその場を後にしてしまったのである。

「なんなんだあの化物は」

その男は教団の最高責任者『教皇 リリア=ロザリナ』だ。レイシアの行動について報告を受け取ればそれはありえないような行動だと感じたのだ。その話を聞くまではその行動について信じていなかったのだが。それは事実であり、それを聞けば聞くほどそれが信じられないことだったのだとわかることになる。その証拠にそのレイシアに倒された幹部の男が持っていた端末の履歴を調べさせると、レイシアの名前が見つかったからである。それもレイシアの名前が見つかるまで何度も、そしてその名前を見つけたときには、そんなことができる存在は彼女以外存在しないと思わざるを得なかった。だから彼はある決断をしたのである。

「あの化物をこのまま放置しておくわけにもいかない。あれをこの国に閉じ込めろ、どんな手段を使ってでも構わん」

そんなことを口にしたのだった。

レイティアはレイシアに自分が作った人形たちを襲わせていたのだ。それはリリアとアリサとリシアの三人だけではなかった。リシアも操ることができるリリアはリシアがレイシアに対して敵意を向けたことを見抜き、それを利用してアリシアを操ることに成功したのである。そのことに気づいたレイティアはすぐにレイシアを始末しようとリリアが用意した人造兵士と『神装騎士シリーズ』を使ってレイティアのところへ向かわせたがその時にレイシアはすでにレイアになっていたのだ。それだけでなくアリシアはリリアに取り込まれた状態になってしまったのだ。

そのことに気がついたリリスはすぐに撤退を開始した。だがレイティアはそんなことはさせないという態度を示すために追い払うために『聖天使 セラエル』を起動させることにしたのだ。それによりレイティアの攻撃は苛烈になり始めた。それこそ本当に街一つ簡単に消滅できるのではないかという勢いだ。

それに対抗する形で、レイシアも自分の戦力をぶつけてきた。そして二人の戦闘が繰り広げられる。だがレイティアの戦闘力には全くと言って良いほど歯が立っていなかった。だがレイティアはここで勝負に出ることを決めた。なぜならレイティアが呼び出した人形たちがレイシアに追い詰められていたからだ。この人形は一体で一つの軍と同等の力を持つ。そんな強力な軍隊相手にはいくら強いといっても、一人では限界があったのだ。

それなら数で攻めればいいと思い、人形を大量に呼び出すことでその状況を作り出してレイティアは一気に畳みかけようとする。その作戦はうまく行きレイシアは劣勢を強いられることになったのだ。だがレイシアの方もそれでは終わらなかった。

レイティアを倒そうと本気で攻撃を仕掛けようとする。だがそれでもレイティアにはまだ届かない。だがそこで突然レイシアが姿を消したのだ。それに気づいたアリシアとリシアだったがその時には遅かったのである。そしてレイシアが現れてレイティアの首を掴んだかと思うとレイシアの姿が消え、その首は地面に落ちていたのだ。

そしてその後レイシアは自分の体に戻り、レイシアがアリシアの体に戻ろうとするとなぜかアリシアの意識が戻ってしまい、また自分の中に戻れなくなってしまう。そしてその状態でリリアがアリシアを取り込んだことでレイシアは自分の体の中に入ることができずアリシアの中にいる状態で過ごすしかなくなるのだった。

それに加えてリシアは意識が戻ったと同時にアリシアと一体化して、そのまま戦いを始めることになる。そんな戦いの最中、突如アリシアが動き出すとリシアから分離したのだ。それを確認するとすぐにレイシアも分離を行う。そして二体が同時に動き出したのである。その動きは人間には捉えることのできない速さで行われた。

だがレイシアの動きを捉えた人物がいたのだ。それはレイシアが召喚した機械兵器だ。それを見たレイティアはその兵器を見てレイアにこう口にした。

「あれをレイシアに渡しなさい」

だがレイアは断ったのだ。そしてレイアを逃がすまいとする『リリアス教団』の兵士や、アリシアを殺そうとしていたレイリアの街の住人たちによってアリシアは殺されてしまう。

そしてレイアは自分の体に戻ってレイシアが戻ってくる前にレイシアの肉体を取り返そうとする。だがその時すでに遅く、体は奪われてしまい、レイシアの精神だけが肉体に残された状態になる。そしてその肉体の制御権を得たレイシアによってレイシア=アイオランドは完全に復活することになるのだった――。

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それから数日が経つ、その間レイシアの体はアリシアの中に入ったままだったがレイリアの街の住民は誰もいない場所に移動されていたので被害はなく、レイシアも自分の体を取り戻せていないが精神体として外に出てきていたので自分の肉体を取り戻すのに専念することができたのだ。だがその間にレイシアは、リリアにレイシアの肉体の制御権を取られてしまい、完全に自分の体をリリア=レイア=アリシアのものになってしまっていた。

そしてその数日後にはレイシアの人格はアリシアの中の人格の一つに統合されることになるのだった。そして人格統合が終わった時だった、なんとアリシアとレイシアはお互いに会話することができるようになっていたのだ。そのことで二人はいろいろと話すのだった。だがその会話の中で、レイシアがなぜ自分を作ったのかという話になる。だが、その話になったところで、急にアリシアの体が倒れ込んでしまう。

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そしてレイシアも同じように倒れてしまった。

レイシアも一緒にいたはずの『白虎騎士団』の者たちもどこにも見当たらない状態だった。

レイリアの街は、『リリアス教団』とレイアたち『白虎騎士団』との戦いが行われていたのだ。

レイシアは『戦乙女型量産機』と呼ばれる機体を使って戦っていた。そしてその機体に乗って戦い続けていたのだが、敵がいなくなった時にレイシアは『リリアス教国』に向かって行ったのだ。

リシアは、『白虎騎士団』に守られて安全な場所に移動させてもらうことになった。そしてリシアはアリシアのことを心配しながらもその場を離れて、『リリアス教国』へと戻ることに。リシアにはどうしても行かなきゃいけないところがあるのだ。リシアはアリシアが倒れた直後にレイシアとレイシアが会話をしたところまで聞いていたのである。

そしてリシアは『白虎騎士団』が使っているテントの中から出て行くと、レイシアが乗っているであろう『戦乙女型の量産型機』が戦っているところに向かったのだ。

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レイシアが『白虎騎士団』たちのところに現れたのである。そしてレイシアは『白狼騎士団』の人たちに指示を出すことにした。

『白竜騎士団』『天馬騎士団』『黒豹騎士団』『白猿騎士団』『赤狐騎士団』はアリシアの護衛をしてもらうようにお願いをした。そしてそれ以外の部隊は『リアリス教団国』に向かいその『遺産』を奪還して、そしてリシアとアリシアを連れて帰るように命じたのであった。だがここで予想外のことが起きたのだ。『戦乙女』たちが現れたのである。しかもレイシアが持っている『英雄王機のレプリカ』と同格の力を持っているとレイシアが言ったのだ。その強さに『リリアス教団』の幹部たちは撤退を考えるもそれは叶わなかった。なぜならこの『聖天使の楽園世界』には『リリアス教団』以外にも『聖教会』があり、その二つの勢力は手を組んでいてかなりの強さを持つのだ。だから逃げることはできないのである。そのため『リリアス教団』は最後の力を振り絞って『英雄王の遺産』、『アーティファクト』を起動させた。それにより現れたのが『英雄の複製体』と呼ばれるものなのだ。そしてそいつらは圧倒的な力で次々と撃破していったのである。それを見たレイシアとレイシア以外の機体は驚いてしまった。

それだけでなくその状況を見たアリシアが驚きのあまり固まっていたのだった。なぜならその状況はまさに『聖剣聖 レイシアVS複製体の英雄』という構図が作られていたからである!そのことでさらにアリシアの脳内ではいろいろなことが渦巻いていく、自分が今どんな状況なのかわからない、それに自分がこの場に来ていいのかという疑問もあるのだ、だってここに来た理由というのが、レイシアの身体を取り戻すために来たはずなのにそれができず、さらには、目の前にレイシアの身体が転がってきたのだ。だからレイシアはアリシアの中に入り込むことに決める。するとそのことを感じたレイシアが自分の体の中に入ってくることを許可してくれたのである。だがそれと同時にアリシアも気を失ってしまった。


***

そしてリリアはアリシアを回収をしようと『リリアス教団国』に向かっていた。だがその途中でリシアが目を覚ましたのである。アリシアの肉体とリシアの精神が完全に融合してしまいその肉体を動かすことができなくなってしまったのである。そしてリシアはレイアの方に向かう。そこでレイアの方にも問題が起きていたのだ。それはレイア=リシアということになりリシアの体を完全に支配されてしまったということである。そしてレイアの人格を消すためにレイア=リシアの意識を操作してレイシアを操り始める。そのことで、レイティアも焦った表情を見せたのだ。

*

***

それから少し時間が経過し、リリアの目の前にはレイシア=リシアが立っていたのである。その状況を見て、レイティアはすぐに自分の『アーティファクト』を使って、リシアがアリシアから離れてレイシアの中に戻ろうとしたときにレイシアが動けないようにする準備を行っていた。

そしてリシアが動こうとした瞬間に、レイティアはすぐにリシアに対して拘束を行った。

そしてその光景を見たリシアがどうすれば良いかと悩み始めた。そしてアリシアとリリアに助けを請う。それを見たリシアとリシアがレイシアのことをどうにかしようと考えてレイシアの体を乗っ取ることに成功したのである。だがレイティアの方はまだレイシアの動きを制限できてなかったのでそのままリシアの中にいるレイシアを乗っ取ってしまうことに成功するのだった。

レイシアの体をリシアに奪われたレイティアの方は困ってしまったのだ。なぜならリシアの体をレイシアの体に戻さなければこのままだとまずいと理解できたからだ。だがどうやって戻せばいいのかが分からないのだ。それにリシアの精神を戻そうとも考えたのだが、レイシアの体に戻った際にリシアの精神と融合したことによって戻れなくなっていたのだった。なのでレイティアは別の方法で戻すしかないと判断したのだった。

リリアとリリアの意識と肉体は一つになり完全に融合していたのだ。

そしてレイシアが意識を取り戻して、リシアに体を返してもらった後に、リシアの肉体の中にいるリシアが目を開けたのだ。

そのことでレイシアは自分の肉体を取り戻すことはできていたのである。しかしリシアが意識を取り戻したことでレイシアとレイティアは再び対立することになる。だがそれはある意味仕方がないことだったのだ。なぜなら二人は同一人物でその体の主導権を取り合うということになれば当然、元の自分の体の方に軍配が上がるのは明白だった。つまりはレイシアとレイティアが戦わなければならないのは運命でしかなかったのである。

だがレイリアの街にいた『リリアス教団』の兵士はほとんどがレイシアたちに倒されてしまい、残っていたのは、幹部の三人だけだったのである。だが『リリアス教団』の幹部の一人が突如レイリアの街の外に転移し、レイシアたちの背後に現れ、レイシア=リシアとレイティア=リシアをまとめて吹き飛ばしたのだ。

そしてその攻撃を食らったレイシアとレイティアは、お互いが別々の方向に飛ばされるのだった。


***

その頃レイアの体はアリシアによって『リリアス教国』に連れてこられていたのだ。だがそこに現れた人物がレイアの目の前に姿を現す。

「ようこそ、レイア、あなたを迎えに来ました」

その人物というのは『リリアス教国』の教祖にして女神でもあるリリアスであった。そんな彼女はレイアに近づこうと歩み寄るがレイアは、

「私は貴様らの言いなりにはならないぞ」

と拒否の姿勢を取る。

そしてレイアとレイリアの街の住人はリリアスに連れられてリリス=レヴィアタンのもとに向かったのだ。

**

***

リシアは自分の肉体を取り戻すために行動を始めた。まず最初にやったことはもちろんアリシアが乗っている機体を破壊することである。だがそれだけではなく機体を破壊した後にあることをしようとしたのだ。それはもちろん自分の機体であるレイシアを蘇らせようとすること。

「《システムコマンド》『白狼騎士シリーズ』を修復開始!」そうして機体の修復が始まるのだった。それに加えてレイアスの人格と精神は機体に取り込むことができないと判断して取り敢えず機体ごと回収して、別の場所に移動することにしたのだ。だが、機体を移動させている時に『白狼騎士団』のメンバーと鉢合わせてしまう。そのためレイシアの身体を取り戻せるように協力してもらうことにしたのであった――

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俺は『聖天使の聖王国』の国王だ。この国では最近になって戦争が多発していてその度に国民たちが苦しんでいるんだ。この国では今まさに魔王との戦争が起こっており『魔人族』と呼ばれる者たちが侵攻してくるという知らせが入った。そして、その知らせを聞いてすぐにこの国は動いたのである。俺たちの国には強力な軍隊があり『英雄』と言われる存在がいる。

そして、俺たちのところに一人の男が訪ねてきた。

その男の名前はアリシア=ウィルネス。アリシアはこの国に救世主としてやって来た。そしてこの国のピンチを救うことになるのである。だがこの時にはもう既に俺には娘はいなかったのだった。それ故にアリシアのことを実の娘のように可愛がって育てていたのだ。それ故に俺はアリシアの頼みを聞いたのだった。そしてその時はアリシアにレイシア=リシアという少女に会ったことがあるか聞く。すると、そのことについて知っているような口ぶりだったのでそのことについて詳しく聞いてみることにした。そして話している途中で突然アリシアとアリシアの中に宿っていた人格であるリシアの人格が入れ替わろうとしたのだ。その結果、リシアは気を失ってしまった。

それから少し時間が経過した頃、レイシアの肉体はリシアから離れてレイシアの肉体に戻り無事に復活することが出来たのだ。しかし、リシアが目を覚まさない。それでレイアは心配になってしまうのであった。レイシアとレイアが再び戦い始めたのである。そしてレイアの方は苦戦してしまう。だがなんとか隙を作って逃げ延びることに成功する。そこでリシアは意識を取り戻して自分が何が起きたのかを把握した。そして、今現在どういう状況なのかを知ることができたのだった。リリアが自分の体を乗っ取り、そしてレイリアの街で自分が乗っている機体は大破しており、『戦乙女』たちもかなり傷ついている状況になっていたのだ。だから、自分は『戦乙女』たちの力を借りずに一人で『リリアス教団国』に行くことを決意したのだ。そしてその道中、リシアの前に『リリアス教団』が現れた。

レイティアの攻撃によってレイア=リシアとリティア=リメスティアはそれぞれ別々の方向に向けて吹き飛ばされてしまった。それを確認したレイリアはそのあとレイシアとレイティアを追おうと決めた。

レイシアが向かった場所は海であり、そしてレイティアの方が向かった場所も同じ海に辿り着いたのである。そこで二人の目の前にはある女性が現れる。それは『リリアス教国』の女神リリアスであったのだ。そしてその女はリリアのことをリアリスと呼んでいたのである。だがその名前でレイア=リシスとリリア=リメスティアを呼び出したわけではないのである。それ故に二人は混乱状態に陥ってしまう。だがそんな中でもレイシアは冷静に分析を始める。

まず目の前にいる女性が一体何者かということ、次にこの場所について、この女性はどうして自分を知っているのかという三つを調べる必要があったのだ。だがそこでレイアの方も起き上がるのだった。そしてリシア=リアリスという女に対してレイア=リシアの人格は攻撃を仕掛けるのだが、それはリリスの体に入ったレイリアが止めることになったのである。

「待て! 貴様、私の体を返せ!!」

「いやよ、せっかくこんないい体を得られたんですもの、それに私の目的はあなたの体じゃなくてアリシア=ウィルネスとレイシア=リメスティアの二つの体の奪還なのよ」

リリアスの言葉に対してリディアも驚きを隠せなかったのだ。それはレイアの方もだった。だがリリアスの話を聞きたい気持ちがあったため話をするのだった。そしてリリアスからリシアとレイヤに聞き覚えがあるかという話を持ちかけられる。それに対してレイリアはレイヤとレイアは兄妹だということを伝えた。それを聞いたレイリアの方は何の躊躇もなくリシアの中に入ってしまったのである。それを確認できたためリリアスはすぐに自分の体を乗っ取るように指示を出したのだ。だが、レイティア=リオスはレイアの方に乗り移ることに失敗してしまうのだった。レイティアは自分の中に入ってきたレイアの精神と人格を追い出そうとしたが追い出すことができなくなったのだ。なぜならすでにレイアとレイティアの精神と意識が混ざり合い融合してしまっていたからである。レイティアが意識を取り戻した時にはレイアの体は既になくなっていた。それに気づいたリリアスは自分の目的のために『リリアス教団国』へと向かうことにしたのだった。レイティアはリリアスに対して戦いを挑むが簡単にあしらわれてしまいそのまま『リリアス教団国』へと連れて行かれる。

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『リリアス教国』にて『戦姫の祝福隊』がリシア=リメスとリシア=レイアを探しに『リリアス教国』に向かっていた。だがその途中で、魔王軍幹部の一人の『死神』が姿を現してリシアたちを襲撃していたのだ。そしてその現場に駆けつけたリリアたちは魔王軍幹部の一人のリシア=レイリアと戦いを開始するのである。

リリス=レヴィアタはリシアに語りかける。しかしリシアは何も言わなかった。だがその態度はどう考えてもこの現状をどうにかしたいと思っているように見えるのだ。だからこそ、まず最初に何をするべきなのかを聞こうとしたのだ。だがそんなことは許さないとばかりにある存在が現れたのだ――。

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その光景を見た『戦姫の加護団』団長のミユが慌ててリリアスを静止しようとする。だが、時既に遅くレイリアスに操られてしまっているリシアの姿があった。そのことに焦りを覚えるのだがその時に突然アリシア=ウィルネスに通信が入るのである。そして、その通信を受け取ったアリシアはそのままアリシアにリリアスを止めるように命じたのだった。アリシアは言われた通りすぐにリリアスを制止しようと動いた。

アリシアはレイリアスと戦おうとするのだがリリスとリリアスは同時に攻撃を開始して二人まとめてアリシアを吹っ飛ばす。だがリリアスを止めたアリシアを見てすぐにアリシアの身体を奪い取った。

そのことによってリリアスの身体を手に入れたレイリアだったがすぐにリリアスによって奪われてしまう。そして今度は逆にレイリアの身体を奪っていたレイリアス。だがリリアスとレイシアが戦うとリリアスに勝ち目はなかった。

しかしそこに救世主が姿を現す。アリシアとアリシア=ウィルネスである。アリシアはリシアを助けにきたのだ。そしてレイシアとアリシアはリリアスに立ち向かう。

レイシアとアリシア、レイリアとリリアスの対決が始まる。レイリアの方はアリシアとアリシア=ウィルネスの力を借りて対抗したのだ。

だがアリシアの方はまだ自分の力の使い方に慣れていないようで、上手く力が発揮できていない。だがリシアは違う。この世界に召喚された時から彼女は特別な力を持っているのだから――。

リシアの機体とリリアスの神装兵器がぶつかり合う。その衝撃はあまりにも強大であり、周囲にまで影響が及んでいる。だがその時にリシア=レイアの機体に変化が起きたのである。機体から眩しい光を放ち始めたのだ。そのことからこの力は危険だとリリアスの方は判断するとすぐにその場から離れようとする。しかしリリアスの動きに反応したリヴィアが邪魔をした。それにより完全に動けなくなったところで再び光が放たれてリリスの方を吹き飛ばしてしまったのだ。そして再びリリアたちの方をみたときにはすでにレイシアが乗り込んできてレイリアとの戦いを再開していた。

だが、そこでリシアにも限界が訪れてしまうのだった。

アリシアは気を失いそうになる。その時に現れた救世主。それはレイアスだったのだ。

『君に力を与えよう、その力を君の大切な者を守るために使いなさい』

そう言ってレイスは『聖天使の聖王国』に向かっていった。

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アリシアとアリシア=ウィルネスを乗せたリリアスが移動をしていると、突然上空から現れたのは巨大な竜だった。その圧倒的な存在感にレイリアスの方はすぐに撤退を決める。そしてこの場から離脱しようとした。だがそこでレイアとリシアがこの世界に現れてアリシアのことを助けたのである。

「お姉ちゃん大丈夫!?」

「あぁ大丈夫だよ、ありがとうね、助けてくれて。それより早くここから逃げるわよ!」とリシアとレイアを連れてその場を離れた。だがそこで魔王軍の幹部の一人がリシアのことを襲ってくるのである。その男はリリアの兄でもある。

しかし、妹のことを守ろうとする兄が相手であってもリシアは容赦がなかった。そして戦闘を開始して、最後には倒しきることができたのだ。

「おねええぇちゃあん!!!!!」

レイティア=リオスは姉の無事を確認した後に涙を流しながら抱きついた。それからしばらく時間が経過した後レイティアの方から離れて「あの時は本当に怖かったの、でもおねえさんはきっと生きているって信じていたんだよ!!」と言ってきたので、少し涙が出てしまう。でも、今はこの再会を楽しむことはできない、なぜならここは危険な場所なのだから――

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アリシアの方はこの国に来るのが初めてだった。そして『戦乙女』たちと一緒に街で買い物をしていたら突如として空から大量の機械の龍が現れて、街中を破壊し始めたのだ。そのため、『戦乙女の祝福隊』がそれの対応にあたることになり『戦乙女の騎士団』のメンバーも一緒に戦うことになる。しかし、その前に一人の人物が姿を見せる。それが『戦乙女』たちを統べる存在である『戦乙女』の女王にして女神のリリア=リメスティアである。そしてリリアの方もこの状況に対して危機感を持っていたのだ。だが、今のリリアには戦力となるものが何一つない状況だ。

そんなとき、レイアの体に乗っていたアリシアに魔王軍幹部の魔剣使いの女が現れる。彼女は魔王軍幹部の中でも実力がある存在であり、また特殊な力を持った人間でもあった。

その能力とはあらゆる物を切断することができるというものだったが、その能力を使えば相手の装甲なども簡単に切り裂くことができてしまうのだ。そのため彼女はレイアの体を乗っ取ろうとする。レイリアの方も抵抗しようとしたのだがリリスの攻撃を食らい体が言うことを効かなくなってしまったのである。その結果レイアとレイア=リオレウスの体を完全に支配されてしまうことになった。


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レイシア=レイリスはリリスに操られたままリシアの身体を奪い取り自分の物にしてしまう。そしてレイシアの方はそのまま魔王軍の幹部に挑みに行くのであった。


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レイシアは操られてからすぐに動き出す。だが、操られているからこそ、リリアの方に対して強い恨みを持っていてそれを利用しようとしているのである。だからこそリリアを本気で殺すつもりでいたのだ。だが、その前に魔王軍幹部の魔剣士が立ちふさがったのだ。その人物は魔王軍の幹部の中でも最強と言われている人物であり、また魔剣を使うことで多くの人間を殺して回っているような人物である。そんな存在が目の前にいるのだからリリアの方はすぐに撤退することを決めた。

しかし、そんなことはさせないとばかりに魔王軍はリリアスを先頭に攻めてきたのである。しかも、リリアスだけではなくレイティア=リオスは『神』の力を解放していた。だがリリアスは『死神』の力を持つレイアを操り自分の武器にしているのである。そしてレイアの持つ『死神』の能力を発動させる。その効果は、触れたものを消滅させてしまうというものである。ただし自分以外の物に対してしか効果はないのだがレイシアにとっては天敵のような攻撃手段だろう。だがリシアとレイアスの身体を使っているレイリアスはその攻撃を耐えてレイリアをリリアスの元に向かわせるように誘導させたのである。

そのことで、リリアとリリアスの二人は激突することになった。その二人の戦いは凄まじいもので周囲の建物は破壊されてしまいその衝撃波は遠く離れたところにいた魔王軍の幹部たちにまでも影響が出るほどであった。そして二人の衝突が終わるとレイアはレイリアスの方へと戻るのである。

魔王軍の幹部である『死神』が操っているリリア=レイリアスとレイリアスの神装機巧がぶつかり合う。しかし、お互いに強力な武装を所有しているため決着がつくことはない。だがそんなときに現れたリリアのことを待っていたようにリリアスが現れたのだ。リリアとしては、ここでレイリアスを倒せればこの戦いに終止符を打つことができるかもしれないと思ったのである。それにリリアスはリリアと同じような考えを持っておりリリアスの方もその思いがあったのだ。だからお互いにとって好都合だったと言える。


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リシアは自分がどうしてこのような状態になっているのかがわからなかった。なぜ自分はこの機体に憑依しているのだろうかと疑問を抱きながら戦っていたのだ。すると突然、機体の中に入っていた魂が外に吐き出されるような形で現れるのである。そのことから、今現在リシアの身体は完全にリシア=ウィルネスのものになっていたのだ。そしてそれと同時にレイシアは元の肉体に戻ったのだ。そしてそのまま二人は共闘を開始する。だがそこで現れたのはレイリアスだった。その人物を見てすぐに理解したリリアはレイリアスとレイシアを倒すために戦いを挑む。その戦いの中で、リシアはリリアスと戦うことになる。その時にレイシアは機体に残っていたリシア=ウィルネスの残留思念がレイシアの暴走を抑え込むことに成功したのだった。そしてそのおかげで、リシアは自分の身体を取り戻しリリアスとの戦いを再開して、レイシアと二人で倒すことに成功する。

レイリアスとレイリア、その二人が同時に姿を現したことでその場の全員は警戒を強めたのだ。特にアリシアは妹が二人いることを理解している。その二人のうちの片方がレイシアであるということにもすぐに気が付いたのだ。そしてそのことを確認するためにレイリアに質問をしたのだ。するとレイアの方はそれを否定し、そしてアリシアの知っているレイシアとは違うと言い放ったのだ。その言葉に、レイシア=レイリアは動揺を見せた。それはつまり自分の知らないレイシアが存在しているという証拠でもあるからだ。

だがそこで、もう一人のレイシア=レイリアスが姿を現すことによって状況は一変することになる。彼女はこの世界を崩壊させるためにやってきた存在であり、この世界にやってきてからずっと暗躍を続けていた。そしてレイシアが召喚されてレイリアの身体を手に入れたことを知った彼女によって世界を滅ぼす計画が始動したのだということが判明したのだ。しかし、リリアの方のレイシア=ウィルナスの機体はレイリアによって破壊された上にリリアの方はリリスとの戦闘により意識を失いかけていた。それでも、最後までレイシアを守るつもりであったが限界が来た時に彼女の方にレイリアスの神装機竜〈アルヴ〉の特殊武装の一つである「虚無波動砲」で撃ち落されてしまったのだ。それにより命を失うことになってしまう。そのことにより、この世界で最強の兵器と言われていた〈アルヴ〉が奪われることになってしまったのだった。だが、それはまだ始まりにすぎない、レイシアは新たなレイシアを生み出すことを計画し行動を開始し、そしてこの世界のレイアスとレイリアが協力して、レイシアを止めに来たのだった。


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「お兄ちゃん!早く私を連れて逃げて!!」と叫ぶが、「でもリリアを置いて逃げるなんてことはできないよ!!」と言うが、このままだと自分も死ぬということを理解していたため「私はいいから、この国を守るためにあなたは行きなさい!!」とリリアスは言う。だが、リリアスの言う通りリリアスを連れて行った方が生き残る可能性はある。だがリリアスがそれを許してくれないので「ごめん!」と言ってからリリアスを抱えて走り出す。リリアの方は「待ちなさい!!」と言っていたが待つことは無くその場から離脱するレイアとリリスの姿が見える。その姿を見て「あの時とは立場が違うわね、もう逃がしはしないわ!!」と言ったのと同時に大量の砲撃が開始されるのである。


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リシアの身体を奪ったレイシアと魔王軍幹部リリアの戦いが再び開始されることになる。だがその時すでにアリサは魔王軍幹部の一人である『聖天使の聖王国』の幹部、リリス=リリアスと戦っていた。その結果アリサの方はかなり苦戦していたが、魔王軍の目的がわかっていなかったアリシアの方を襲おうとするとアリシアは、アリシアの身体を乗っ取っているリリアスからアリシアを助け出そうとして攻撃を仕掛けたのだ。それによってアリサはアリシアの方に注意を向ける。その結果、魔王軍の幹部であるリリア=リリアスとアリシア=ウィルネスは戦うことになる。

そしてアリシアとアリシア=リリアスの戦いが始まったのだが、レイシアはレイシア=レイリアの方を攻撃する。そのことでリリアスとアリシアは二人だけで戦い始める。その間にリシアの体を乗っ取ったレイシアの方はレイアの方と戦い始めるが互角の実力を持っていた。

こうしてレイシアの方もかなりの実力者だということを確信したのだが、その時には既に魔王軍幹部の二人はどこかに転移してしまったのだ。そのことで二人は焦るのだが、リアリスはリリアスがレイシアの体を使ってレイアスを殺そうとしたことを怒る。

レイシアがレイシアの体を使っていたので少し複雑だったが、レイアがリリアスを救ってくれたことには感謝していた。なぜならリリアが死ねばこの世界の人間たちは確実に全滅してしまうので、そうならないでくれたのだから。そのこともありレイアには心から信頼を置いていたのだ。だがアリサとレイティア、そしてレイリアスのことは少し疑っていた。だがそんな時に魔王軍の一人『大罪魔団』のリーダーであるリリスが姿を現したのである。そしてその人物がリリアスであることも気が付きレイリスはすぐに戦闘態勢に入る。

だがリリスの圧倒的な力の前に手も足も出ずに負けてしまう。そのことに悔しい気持ちがあったがリリスはアリシアを洗脳しようとする。そしてそれに抵抗するかのようにリシアも力を振り絞って攻撃しようとしたがそれもすべて避けられてしまう。その結果、二人は完全にリリスに操られてしまったのである。そして二人はその力を振るい『大罪魔団』と魔王軍を追い詰めるが、『七つの原罪』の力を解放して『魔剣』の力で対抗するが、それでも歯が立たずリリアスの『戦乙女の神装機竜』である《レーヴァテイン》の炎に焼かれてしまい二人は灰になる寸前まで焼き尽くされてしまう。

魔王軍の目的はこの世界の人間たちを完全に支配することであるとリリアは理解したがその時にはもう魔王軍は撤退していてどうしようもなかった。しかし、そこでアリシアがアリシア=ウィルスとして復活を果たしてくれることになった。そのことで、リリアスが『戦女神の神域』の力を使用して『死神』の神装機巧を発動させたリシア=ウィルスが、再び姿を現すようになる。そしてそのリシア=ウィルスはアリシアを庇うように前に出てアリシアの代わりに『死神』の攻撃を受けるのである。結果だけ言えばそれで勝負はついてしまうのだが。


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アリサの方とレイシアの戦闘が開始する。レイシアが使っている武器は二刀流なので片方の攻撃を受け止めるかもう片方で防ぐかどちらかの対応が必要になるのだ。そのためどちらとも対応できるように集中するのだがやはり攻撃の速度が速くなかなか防御が間に合わずに徐々に追い込まれてしまうのだがリシアの体を使っているため、どうしても全力を出すことが出来ずに苦戦していたのだ。そのことから一度距離を取って仕切り直そうとするのだがレイシアは『神装機竜』の能力を使用する。その能力は神装と呼ばれる武装である『絶対なる聖域』を使用することである。それによりレイリアの『絶対なる世界』が展開される。その展開によりアリシアとアリシア=ウィルナスの二人はその領域内にいる限り、全ての能力が強化されることになる。それは、この『聖天使の神域』を展開していたアリリアスと同じものである。ただ一つ異なる点としては、レイシアが『死神』の神装機である『戦乙女神の神域』を使用していないことだ。そのせいで、レイシアは神装機竜の使用は出来ないのだがレイリアスはレイシアの体に憑依しているため使用することが出来るのである。

そして、レイシアが展開した『絶対なる聖域』の効果によりリシアとアリシアの身体能力は大幅に上昇し、リリアとアリシアの肉体を借りていたレイリアスはその恩恵を受けないために本来の力が発揮出来なくなってしまう。さらに『死神の邪槍(デスジャベリン)』『天災覇皇の絶槍(テンペストラグナロクボルグ)』、『戦女神の神砲機巧』、『戦乙姫の神盾機巧』といった武装を使用できなくなっているのだ。それらの装備はリシアが使うことを前提としたものばかりであり、レイシアが使ってしまうと機能を失ってしまうのである。それどころかレイシア自身の身体能力が低下してしまっている。そのため本来ならば互角に渡り合えるはずなのだが、リシアの体が弱り切っていることもありかなり不利になってしまっていてすぐに劣勢に陥ってしまうのであった。

リシアの方はアリシアがレイリアスに対して怒りを抱いていたのは事実である。そのことから自分が殺されるかもしれないと思っていた。そのことがアリシアの心を蝕み、そしてリシアの方の精神状態はかなり不安定になっていたのだ。だがそれでもレイシアの方に戦いを挑んだのだ。

その結果、なんとかしてアリシアはレイシアを倒すことに成功してしまう。そしてアリシアの方は『戦女神の聖騎士装攻陣 』の特殊武装の一つである『聖女神の加護』を使いレイリアからレイシアを解放することに成功する。その結果レイシア=ウィルスからレイシア=リリアスが分離し元の身体を取り戻す。

しかし、その後に現れた魔王軍の幹部の一人であるリリアの乱入により、アリシアは魔王軍の手に落ちるのだった。

アリシアの方とアリシア=ウィルネスとの戦いは決着がついたかに見えた。だがそこにレイシアが現れ、レイリアに攻撃を仕掛けようとするが、リリアによって妨害される。そのまま二人は戦闘を行いリリアが『大罪魔団』を全員召喚したことにより戦いが長引いてしまう。しかも魔王軍幹部全員が参戦することになった。それによりレイアは魔王軍と戦うことを決意する。

その結果、レイシアの方はリシアが相手となり、アリシア=ウィルナスの身体はリリアスと魔王軍が回収したのだ。それによりレイシア=リリアは魔王軍と戦わなければならない状況になったのだ。そして魔王軍に連れ去られたアリシアの体を奪い返さなければならないという使命感を抱きながら魔王軍との戦闘が始まるのだった。

その前にまずは魔王軍の幹部が六人いると聞いている。その内の一つが魔王軍の幹部の中で最強の『死神』とレイシアの方とリリアの方はそれぞれ交戦することになる。そして残り三人の魔王軍の幹部については『七つの原罪』の幹部が一人『傲慢の罪 』の幹部が一人ともう一人は情報が無いがおそらくこの二人が最強なのではないかと予想しているのだ。

ただでさえリシアが一人で戦わなければいけなくなったのにその相手が魔王軍の幹部ではあまりにも絶望的な状況であった。そのためレイリアが『戦女神の神装機竜』を使ってレイシアをサポートできる状態にしなければならない。そうしなければ勝つことは難しいだろうと思えてくるのだから。だから今のうちに『戦女神の神域』の展開準備をするべきだと思うのでその行動を開始するのである。


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リリアが『魔帝』から授かった能力には、『死霊』を司るものがありそれを使うことで死人の肉体を操ることができるようになっていたのだ。それによってリリアはリリアの死体から魂を抜き出して自分の身体の中に入れることによって復活したのである。それ故に今のリリアは不死身に近い存在となっているのは言うまでも無いだろう。それだけでなく『聖天使の聖王国』には『蘇生術式』が存在するのだが、それも発動することができる。そのことから今のリリアには勝てる要素などないのだが、アリシアはそんなことは知らずにリリアと向かい合う。

リリアはレイシア=リリアを確実に殺さなければいけない理由があった。その理由とは、レイシアの体を奪ったリシアを放置してしまうとその力に溺れてレイリアを殺そうとするからだ。リシアは自分より力が強い相手を見ると見下したり挑発してしまう癖がありそれを利用され殺されかけた経験がある。だから、絶対にリシアの体を奪う必要があったのだ。そしてリリアが『戦女神の神域』を発動させようとしたが、その瞬間にアリシアが動き出す。

「《天星解放》!」

アリシア=ウィルスには固有技能である『天命の神眼』が備わっていた。それによりリリアの《天星》による空間転移を見破り攻撃を回避したのであった。その結果アリシアは《魔弾》を放ちリリスとラリスを牽制しつつ『魔刀月白刃』を使用して《神撃纏衣》を行う。その一撃はレイシアから借りている『天刀神雷刀 』の刀身に雷を宿らせて、雷撃を纏った剣を振り払うのである。

その結果としてリリスは《魔風壁》を、リリスの前にはラリスが出現し、《魔剣豪流剣技極致の剣閃(エクスブレイド)! そしてラリスが《剣闘流戦拳》を使う。それによりリリアスとリリアの体にそれぞれ剣や斧、槍、短剣などが叩きつけられる。だがそこで、リリアの体を使っているリシアの『死神の神装機竜』の『戦乙女の神域』の効果により身体能力が上昇すると《死神の邪槍(デスジャベリン)》が放たれると、アリシア=ウィルスの体はリリア=ウィルスの方に向かって吹き飛ばされた。

しかし、リリア=ウィルスが持っている武器は、レイリアス=ウィルスから奪った『魔帝杖 』だけであり、《死神の邪鎌(デスサイズスイーパードレッドソード)》のような武装を所持していないのだ。それに、『死神の鎧(デスサイスアーマー)」を召喚するために必要な鍵である『死神の鍵』を持っていないので武装の呼び出しは出来ないはずだったのだが、なぜかリリアスはリリアが使用している武装を呼び出せるような気がしたのである。それはリリア=ウィルスの持つ潜在能力が目覚めたからであろうと思っている。だからこそ『死神』の神装機である『戦乙女の神器機巧』の武装を使用することが出来ていた。

それはレイリアとリリアの体を使っているリシアにも影響を与えており、今まで使っていたレイアの武装ではなくレイシアが使用する武装を使用することができてしまっていたのだ。それは、神装機である《魔装女神の神装機巧

『魔皇神獄の機竜箱』(まおうしんでんのかきたうこ)と『大罪機巧

『暴食の魔窟(グラトニーボックス)』』(ぼうしょくのぶっくう)だった。この二機の神装機を使用できるようになってからリリアの方もリシア同様に『死神』の神装機竜を使用することが可能になる。それは、神装機が二つある状態なのだ。

それにより二人は神装機を使うことができるようになり、リシアは《大罪魔砲機

『神威』》を、アリシア=ウィルスは、《大罪聖剣

『大聖女』

》を使用した。

神装機竜

『大罪神装機竜

『神焉竜 』『聖騎士王』』の二つの形態を使用することが可能になった二人は、リリアとリシアで協力してリリスと戦うことにし、他の敵に対してはアリシア一人で戦う。その方が効率的だと思ったからだ。ただそれでも、レイシア=リアリスが作り出した疑似人格とはいえリシアはレイシアの記憶を引き継いでおり、戦闘の経験に関してはアリシアより上なのだ。

『死神』と『聖騎士』の二対の機械仕掛けの悪魔がぶつかり合い激しい金属音が鳴り響く。『戦女神の聖騎士装攻陣 』を展開してもレイリアとアリシアの戦闘能力は大幅に低下する。それでもレイリアの武装では『聖女神の聖王国』の武装よりも強いのは間違いないのだ。そのためアリシアの方も『大魔女 アリサ』の特殊装備である『戦乙女の加護』により強化されているのだが、それに加えて聖騎士の武装が強化された状態でリシアの攻撃を受け止めては反撃を行っているのである。その攻防はかなり激しかった。しかしアリシアの方はまだ余裕はありそうだが、リシアの方は体力の限界が見えてきていて限界に達しそうだった。

リリアスの身体のリリアの方はかなり消耗しており息切れを起こしかけていたのだ。このままではいずれ自分が敗北すると分かっているリシアの方は、何か手を打たないと殺されると判断しリリアの体を乗っ取っているリシアの方に対して《魔銃 》を放つが、『戦女神の聖騎士』の特殊武装である《光盾防陣》によって全て防がれてしまう。

その時にアリシアが動く。《魔弾》を放った直後だったのですぐには動けなかった。そして《大罪聖剣

『魔騎士王の宝剣』

》で《死毒の凶星(ザバキマイト)》を放ちリリアに命中させるとそのまま吹き飛ばす。そして追撃を行うために接近したのだがその時に、《死神の斬葬》を発動したのであった。その結果として《戦聖聖姫の聖盾 》と《死神の盾(シールドオブジエンド)

》の自動防御機能が発動して攻撃を防ぐことに成功する。しかしその攻撃の余波だけでもかなりのダメージを受けるのである。そしてアリシアの攻撃は終わらずに、《天星解放》により加速しながらアリシアは《天聖剣舞》を行い攻撃を繰り出すがそれも《聖天使の聖王国》の効果によって防御力が強化されていたので、ほとんどダメージを与えられていなかった。しかしそこで、アリシアの方に異変が訪れるのだった。


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(レイシアはレイシア=ウィルスを倒すための手段を模索していた)

魔王軍との戦いが始まる直前。アリシアがリシアの肉体に精神を移し変えたおかげでリリアと互角に戦えるようになっている。レイシアとしてはアリシアの体を奪ってくれたアリシア=ウィルスに感謝したいところではあるが今はそれどころではないのだ。アリシアの体が奪われたことによってアリシアの精神は不安定になっているため早く取り戻さないといけなくなっているのだから。

ただリリアの方の方は、魔王軍の四人を相手取る必要がありレイシアの方のフォローができなくなるかもしれないと思っていたのだ。そうなれば、いくら最強の戦力を持つといっても負ける可能性もあるだろうとレイシアは思っていたのである。だからアリシアを援護できるように『戦女神の神域』の展開準備をしているのであった。その前にまずはレイシアの方は、リリアスから《魔弾》を放ち攻撃をするのだがその攻撃は全てリリアスが持つ《死翼神速》による《死神の鎌》で打ち消されてしまうのだが、《聖天の女神の癒手》を使って回復することでどうにかなるレベルまでにはなっているのだが、やはり時間が掛かりそうなので、一か八かの作戦をすることに決めていた。

それは、リリアスに『魔銃』による攻撃をさせることである。レイシアには《聖天使の神域》を展開することが出来るが、それをすれば『死神』の《戦乙女の騎槍》による即死の効果が無効化されてしまい《死神の槍》による遠距離射撃が出来なくなってしまう。そうならないためにレイシアは《魔剣》をリリスの《天魔の戦斧》による一撃を防いだ瞬間に即座にリリアスに向かって投げ飛ばしている。その結果、《魔剣》と《魔刀月白刃》は《天魔の双斧 》へと変わる。

それによりリリアスはレイシアの思惑通りに行動を始める。《死神の凶星(ザバキマイト)》を使いレイシアの投げた《神滅覇王の神剣 》を破壊する。だがそれでいいのだとレイシアは判断していた。なぜなら《死神の魔弾》の《神器》をレイシアが使用しても意味はないのである。なぜなら『死神』の固有武装である《神器

『神焉機皇(アポカリプスゼロ)

』『魔帝剣聖の戦鎚 』『魔機皇神

『戦魔聖魔 』『神蝕の神装 』『魔機神の叡智 』

』『大罪魔銃 』》があるからである。そのためリリスの武器を破壊しつつ《神滅の嵐牙》を使うつもりだったのだ。だがしかし、リリアスはそのタイミングを逃してしまう。リリアの体を乗っ取ったことでリリアの記憶と経験があるのだ。だからこそ《死神の鎌》を投擲されたときに《神装機竜 》からレイアが使用している武装を呼び出すことができるという可能性に気づいてしまい。《死神の鎌》を投げ捨てると《聖天の神槍》を取り出しレイシアの方に向けて構えた。だがそれがレイシアの罠であるとは気付かなかったのだろう。レイシアは既に《聖天使の羽衣》で姿を消して、《天羽矢の大弓》を構えて《魔剣 》から《聖天使の力の剣》を引き抜いているのを気づかず。

《魔風神罰砲(ウィンドスラスト サイクロンストリームバーストキャノン)

》を放つのであった。《神滅覇王の聖槌 》は破壊力が高く。リシアも巻き込まれる形で《死神の盾

『暴食の盾』

》も破壊された。その結果、レイシアが呼び出していた疑似人格たち全員は消滅した。それによって《死神の凶星 》も消滅してしまうのだった。レイシアもリリアも魔力を大量に消費したのだがそれでもなんとか倒すことができたのだ。だがレイリアの体を奪ったリリアの方が問題なのだ。

リリアが操っていた疑似人格たちは消えたのである。それにより《大罪聖衣

『嫉妬の聖衣 』

》の力が暴走を始めた。その現象を見て、リシアの方は、リリアスに近づき止めようとした。このままではまずいと思ったのである。リリアが作り出した《暴食》の機械人形の擬似魂。それはリリア=アルメリアとアリシア=ウィルスを融合させて生み出されたものだった。そしてその力は強大であり。リリアスがリリスと戦うときの為に用意された兵器でもあった。その力を取り込んだリリアは、自分の中に秘められた莫大なエネルギーに気がついてしまったのである。それを見たリシアが、すぐに《魔銃 》で《死神の鎌》を作り出し、リリアに向かって攻撃を仕掛けるが、それさえもリシアは《死神の凶星》の特殊スキルによって撃ち落とされてしまうのだった。

(リシアの様子がおかしくなった!?なんでこんなことに!)

レイシアの方にも変化が訪れている。リリアとリシアの二人が融合したことによる影響がレイシアの中に現れたのだ。リシアの方はレイシアのことを心配したがもうどうすることもできなかった。リシアの方は意識を失っており気絶してしまったのである。

(なにが起こっているのよ?どうして?)

アリシアは困惑していた。まさか、リシアとリリアの二人の人格が一つになりその人格が《暴虐の女神》になってしまったのだとは思いもしなかったのだ。そしてレイシアがレイリアの姿へと変化していった。レイシアの方も意識を失っいたのだ。

「くそ!!なんなんだお前らは!!」アリシアはそう叫ぶのだがそれに対して返事を返せるものは誰もいないのだ。そしてリアリスの方に視線を向けたが、リリアスの状態はかなり酷いものとなっていた。

まず最初に変化したことは、背中に六枚の漆黒の天使のような黒い翼が出現し、頭部が天使のような形へと変貌して額の部分からは第三の眼が出現したのだ。そして右手には剣、左手には斧を持ち、身体中を黒い鎧のようなものに包まれており、両腕両足が巨大な獣のように変貌して四足歩行になっていた。

そんな化け物と化したリリアは、口から大量の血を吹き出していたがリリアはそれに一切構うことなく、リシアが使っていた武器を拾い上げる。その動作を見ていたリシアの方だったがその表情が歪んだのであった。

レイシアの方は、意識を失い、倒れたまま動かなくなっていた。だがリリアの暴走はまだ始まったばかりである。まずはアリシアを倒さなければ何もできないのだ。そしてリリアはまずリシアから奪った武装を使って攻撃を行った。

《魔帝王の戦斧

『魔王覇王』

『死喰の王剣』

『破滅の神速戦輪』

『終焉の死鎌』》と《死神の凶星(ザバキマイト)》による二種の超攻撃である。そして《死神の鎌》による中距離からの遠距離攻撃も行ったのである。しかしそれら全てに対してアリシア=ウィルスは対応してみせた。リリスとの決戦前に訓練をしたおかげもあり。この世界に来てレイシアやアリシアが戦えているのはそういう理由があったからだ。ただ今回は《魔弾》と《戦聖聖姫の神盾 》でどうにか攻撃を防いでいるだけで反撃を行うことができない状況になってしまっていた。

それから《魔帝剣聖の双槍

『戦姫騎士の剣槍

『聖天の騎士 』》》と《魔帝の双魔剣 》による二種の攻撃を行ったがそれでもダメージを与えることはできなかったのだ。

(なんで私の武器だけここまで威力がないのよ)

そんなことを思いながら攻撃を必死に避けるだけだったのだ。だがそこに一つの光明が見えた。《神装聖女の神籠手

『戦乙女』》により、レイシアは《聖魔機導の杖》を取り出し、レイシアはその杖から、魔法を発動させた。その瞬間、辺り一面を光が包み込むのである。そしてレイシアの方もその光の中に取り込まれていく。


***

ここはとある世界のとある国のとある都市。

レイシアが召喚されてしばらく経ち、この街にも慣れ始めていたある日のことだった。レイシアはある情報を手に入れたのである。その内容は、『聖天使の女神の癒手』を持つリリスを探せば『魔王軍』を殲滅することが出来るかもしれないということだ。

そのことを聞いたレイシアはすぐにリリスを探し始め、街を駆け回ることにした。だがなかなかリリスを見つけることが出来ず。焦り始めるレイシアだったがそこである噂話を聞きつけるのだった。それはリリスがこの国に潜伏しているというものだった。だがレイシアはこの情報をリリスが意図的に流したものではないかと思い警戒をするのであった。だがレイシアとしてはやはり一刻も早くこの国から出るべきだと思っていた。なぜなら今リリスはリリアを取り込み強化しようとしているのだ。だからこそ、これ以上ここにいるわけには行かないとレイシアは思うのである。

(でももしこれが嘘の情報だったとしても私はリリスに勝てる可能性は低い)

レイシアが所持する神剣の中でも《魔剣》は最強であるとレイシア自身は考えている。そのため《魔刀月白刃》を使った戦い方を練習しているが未だに上手く使いこなすことが出来ていない。そのため《魔刀月白刃》での接近戦は得意ではないのである。そして《聖天使の神器 》の能力はレイシアも理解していた。だがリリアスがリリアを吸収したことで能力の弱体化が起きてしまったらしいのだ。リリアスが《暴虐》の力を宿した影響であるらしく、その結果リリアスの戦闘能力はかなり上昇していた。《魔帝剣聖の魔銃

『魔銃皇神 』『魔銃王神 』》を使い。様々な武器を作り出しそれを射出する《魔帝機神》と《魔帝銃神》、《大罪武装》の《暴虐の魔槍 》と《傲慢なる神竜の箱庭》を使用した中距離からの戦いを得意とするようになっていた。だが、それでもまだリリスの強さの半分以下だというのは、レイシアは知っていた。だからといって逃げる訳にもいかないのである。それはこの国を守るためだ。この国では《大罪人》は罪を犯した者に与えられる罰でしかないため処刑されることは少ない。だがレイシアは知っているのだ。レイシアの祖国で《魔剣》を所持したリリアスは虐殺を行っていたことを。だからこそ彼女はリリスを止める必要がある。

そしてリリスが滞在するという宿屋にやってきた。そこは高級宿であるため、宿泊費も高いがレイシアのお金でなんとか支払うことができた。それからしばらくして、レイシアはリリスの部屋にたどり着いた。そしてノックをして、部屋に入ると、そこには一人の女性が待っていたのだ。レイシアの方も一瞬だけ驚いたが、レイシアも覚悟を決めた。レイシアはリリスに戦いを挑んだのだ。

リリアが取り込んで融合を果たしたことによって《死神の凶星(ザバキマイト)》が強化された。それにより、リリアは今までとは桁違いの力を手に入れることが出来た。

まずは《死神の凶星》の能力の一つである空間切断による遠距離攻撃を連続で行ったのだ。

《死喰の星剣

『暴食』》による《魔帝の星屑》と《暴食》が組み合わさった技だった。リリアスが持っている《魔帝の流星雨》を模倣して作ったのだ。だがその攻撃に対してもアリシアは、対処することができている。

(やっぱり、おかしいわ。私の《魔帝剣聖の双槍

『戦姫騎士

『』》 でならどうにか出来ると思ったけど)

アリシアが扱う最強の《戦姫機神》であれば確実に相殺できると考えていたのだがそれができなかったことに驚きながらもリリアの攻撃に対応していくのであった。

ただリリアの方はそれだけに飽き足らず今度は《死神の鎌

『魔王覇王の凶星剣 』

『死壊の王天撃輪』

『終焉の死王魔剣』》を作り出しリリアはそれを使用して近距離戦を挑んでくるのだが、それにも反応し対応できたのはさすがとしか言いようがなかったのだ。しかしこのまま続けていけば間違いなくリリアスが勝つだろうと思われたその時、ある存在が現れる。

《死神の凶星》による《暴飲の凶星》の効果を受けてしまったことでリアリスは意識を失い倒れてしまうのである。その事実にアリシアは困惑したがそれならば今の隙を突いて攻撃しようと試みるが《魔帝王の戦斧

『魔王覇王』》による防御によって攻撃を防がれてしまう。さらにそれだけではなくアリシアの方は距離を取り《戦姫神機 》による攻撃を行い始めるのである。そしてアリシアはアリシアの《戦神機》を操作して戦闘を有利に進めようとしたのだがそこで予想外なことが起きる。リリアの《戦帝姫の神剣

『聖天の騎士 』

》が突然消滅したのである。その理由を考えてリリアが使用しているリリアの神装武具《戦姫女神の戦槍

『聖天の騎士 』》による特殊能力かとも思ったがそうではなかったのだ。そしてそのタイミングに合わせてレイシアも攻撃を仕掛けてくるため。アリシアは一旦距離を取ることを選択したのである。

「どういうことなの?」と、リアリスは呟いた。リリアが取り込んだリリスは『魔皇帝』の称号を持っていたが故に《魔王覇神の凶剣

『破滅の騎士 』

『魔王姫の騎士 』》などの武器を使うことが出来た。だが、その武器を使うことがリリスは出来なかった。それは、アリシア=ウィルスという女性も同じような現象が起きたからである。《暴飲の凶星》の効果は、相手より圧倒的に力の差がある場合にだけ相手の武器や装備を奪うことが可能となるスキルである。だがリリアの場合はアリシアよりも力が弱かったためにその《戦神機》を奪い取ることが出来なかったのであった。しかしリリアはその事実を知ることはなく。リシアの方へと襲う。ただ《戦神機》が奪われていたのにも関わらず《戦姫騎士の神籠手

『戦乙女』》を使ってきたのである。そのため、《暴帝覇王の大剣

『魔獣帝』》による一撃を放つことにした。「これで終わりにしてやる」

そう言うと共にアリシア=ウィルスは、レイシア=エンドに向かって走り出す。だがそれに対してレイシアの表情が変わる。レイシアはアリシアのことを見下していたわけではないがリリスとの戦いを見てアリシアがかなり強いということだけは理解できていたため、ここで倒せるのならば倒しておきたいと考えたのである。そしてレイシアがレイシア=エンドになった瞬間、レイシアの瞳の色が変化する。それは、紫色ではなく金色の輝きを纏っていたのだ。

リシアは《魔王姫の騎士 》を使い《戦帝機の大槌

『魔帝』

『大罪の騎士の剣槍

『魔剣皇神

『大罪魔装の黒衣』

『暴帝の翼』』》を作り上げてレイシアを斬り裂こうとしたのだが。レイシアが使った《聖魔王剣聖の神籠手

『戦乙女』

『魔帝機導の杖

『魔杖王神

『戦乙女の女神剣盾

『聖剣騎士の女神槍』

『聖槍騎士の女神大楯』』の四種をレイシアは全て発動させてレイシア自身とレイシアの剣となった《暴帝剣聖の神剣

『暴帝皇神』

『魔帝王姫』》の五つの武器から強力なエネルギー光線を放ち攻撃を行った。それによってリシアも、ダメージを負いリシアは敗北してしまったのである。

その後、レイシアが《魔帝機神 》の操縦席を開きリリスを拘束していた縄を解いた後。リリスを連れてアリシアはどこかへと向かうのであった。

******

***

アリシアの《魔帝王の戦斧

『魔王覇王』》の能力は、所有者の持つ全武装の使用と所持する全神装兵器と魔導機神を使用することが可能となる神具だった。そして、レイシアの《魔帝機神 》は、リリスが使用していた全ての武装を使用できてなおかつ所有しているすべての神装兵装を使用することができる。この神具を使えばこの国にいるほとんどの兵士と戦うことも可能だと考えられるだろう。

ただリリスの場合《死姫の凶剣

『魔王』》という《暴姫の魔刀

『聖』

『堕天使の剣聖 』』と《死姫の魔弓

『死天使』》と《死帝の凶弾銃

『冥王』》の三種類の神器を所有している上に、さらに神具の《魔帝王の戦槍

『魔王覇王』》も持っていることになるのだ。《暴食》で強化され、さらには《大罪武装》の《傲慢》と《強欲》と《暴食》まで手に入れたリリスを相手にするのは流石にきついだろうと考えるのが妥当である。だからこそ、この国は、レイシアに任せて大丈夫だとアリシアは考えたのである。だからアリシアはこの国に残ることを決意したのである。

(レイシアならこの国を任せられるわ)

レイシアの実力を信頼したアリシアはそのまま宿屋で一泊することにしたのであった。

《戦姫騎士の神籠手

『戦乙女』》は《魔姫姫の騎士の手袋

『戦姫』》の力を秘めた神具であり、《魔帝王の剣槍

『魔王覇王』》は、使用者が持つ魔導機神と魔帝王の剣の力と魔帝の大鎌と魔王姫の騎士のマントの力が一つに混ざり合ったものなのだ。だからこそ、リリスは《魔王》の能力を使うことが可能なのだ。ただその能力を使うための力は、リリスの魔力では補うことは出来ていないのが問題である。だがその問題を解決する方法はあるのだ。それがレイシアの魔剣と《戦帝姫の騎士剣

『聖女』》の力である。《魔王姫の騎士の双剣

『聖剣姫』》には、二つの効果があり。その一つは、『魔王』の能力が使えるようになるというものだ。もう一つの効果は『魔王』の魔剣の力を引き出すことが出来るというものだった。そして《暴帝の魔剣

『暴虐の凶刃

『暴食』

『魔王覇王』』と『魔帝の剣姫の双剣

『聖魔姫の魔剣』』は対になっているのだ。『暴食』と『魔帝』の組み合わせの《暴食の魔剣

『暴虐の凶剣

『魔獣王』

『魔王姫』

『聖帝』

『暴姫の双剣

『魔王姫の騎士の双剣

『聖剣姫の双剣

『聖魔姫の騎士の双剣

『戦姫騎士』

『聖剣姫の双剣

『聖剣姫の聖魔騎士』』

《死神の凶星

『魔王姫の凶星

『魔帝の凶星』』》『死神姫の魔眼

『死神姫』』

《死神の死神の魔剣

『死神』

『死神姫』》の二種類ある。『魔王姫の騎士の双剣

『聖魔姫の騎士の双剣

『聖魔姫の騎士の双剣

『戦姫魔導師の騎士の剣

『聖姫魔導士の双剣

『聖魔導師の戦斧槍

『聖魔道機姫の戦斧槍

『聖槍騎士』

『聖槍戦士』』』《死神の死神の魔剣

『死神』

『死神姫』》は、それぞれの特徴を生かした使い方をすることも出来るが、この組み合わせの時は、リアリス=エンドが使っていた《暴帝機王の長槍

『戦機皇神

『聖機王神

「戦機覇王の槍』

『機機覇王の剣』》の能力を使用可能となっている。《戦姫機姫

『聖機神機

『戦姫魔姫騎士の神盾

『聖盾機姫の神盾』

『聖盾機姫の魔砲

『聖盾機姫の騎士の大盾

『聖盾戦士の機兵盾

『機神姫の騎士の機兵の魔防盾

『機盾武姫の戦機神の大盾

『戦盾神姫の騎士の騎士の騎士の大楯

『聖盾姫の騎士の騎士の騎士の盾

『戦姫盾魔の騎士の騎士の騎士の戦機の魔の魔の防魔の守』』》』と『魔王機神の騎士

『魔王機機神の騎士

『魔帝王姫の騎士

『魔王魔帝機姫』

『戦機覇王の騎士』』を《戦機魔導機

『魔王機魔導機

『機覇王機

『戦魔覇王』

『魔機王機』》を『魔王機姫

『魔帝機姫』

『聖魔機姫

『聖魔姫騎士の神鎧

『聖魔姫機騎士の機装装甲

『戦機機騎士』

『魔装姫騎士の魔装騎士

『戦姫騎士の機械甲冑』

『聖魔騎士の戦機魔導機甲

『聖魔機神』

『聖機姫神機

『機姫神魔機神

『聖魔機姫機

『魔装機姫

『戦姫機神

『戦姫魔機

『機覇神

『魔覇機神

『戦姫魔機姫』

『機神姫

『機姫魔姫』』》と融合して使うことが出来ていたのだ! そのため、この二つの剣技を《暴姫魔剣》と合わせて使用することが可能になっていたのだ。その威力はとても凄まじく、《暴姫魔剣》によって強化されたリリスですら、《死姫の魔眼

『死姫』》の呪いの効果でダメージを受けてしまうほどだ。

《死姫魔剣》の効果が発動された状態でリリスを拘束していた縄を斬り捨てると同時に《魔帝王の戦斧

『魔王覇王』》による攻撃を行ったのだが、それを防ぐことが出来ずリリスの体は傷だらけになってしまったのだ。

リリスの意識は薄れていった。そして最後にリリスが思ったことは。

(ごめんね、お兄ちゃん、レイシア)

リリスが気絶したことにより《魔王機神

『魔帝機姫

『魔王姫の騎士

『魔姫騎士』》は解除された。

だがレイシアはまだリリスが戦えそうだったら戦うつもりだった。リリスの体力が回復するまでは、待つことにしようと思っていた。

レイシアは《魔帝王の戦斧

『魔王覇王』》を解除した後。リリスのそばにより、《魔帝機姫の双剣

『聖魔姫騎士の神盾

『聖魔姫機騎士の神鎧

『聖魔姫機騎士の神装装甲

『戦機魔導機騎士の魔装装機

『戦機魔導機

『戦姫機導魔導

『戦姫機魔導』『戦魔導機姫の騎士の剣

『聖姫魔導士の魔槍

『聖姫戦魔導師の騎士の魔矛

『聖姫戦魔導師の騎士の騎士の剣

「聖姫魔姫の騎士の騎士の魔の槍

『聖姫騎士の魔杖

『聖姫姫魔導士の魔導具

『聖姫姫魔導士』》の二つを使った《戦姫騎士の聖魔剣 聖魔姫騎士の魔双剣 聖魔姫魔導剣の二つの力を発動させ、《魔帝機姫の機魔剣

『魔帝王機姫の魔剣

『戦姫魔帝機姫の機刃剣』》を作り出したのだ。

《戦姫機姫

『聖機姫魔導騎士

『聖魔機姫

『魔魔導姫機姫

『戦姫騎士の魔武装『聖魔姫魔導剣

『魔姫機導騎士の機兵剣』

『魔魔導機姫の騎士の大楯

『魔魔導機機姫の魔防楯』》》でリリスは拘束され、《魔帝王姫の騎士の大楯

『魔王姫の騎士の大楯

『魔魔帝の大楯

『戦姫魔導騎士の大楯

『聖魔魔姫の魔防大楯』

『聖魔魔姫の大楯』

『魔帝機姫の魔の大楯

『魔王機大楯』

『魔王魔大楯

『魔帝姫の騎士の大楯

『魔王姫の双剣』』》に魔力を送り込み。《死神機魔姫の騎士

『死神機魔姫の死神姫の剣』》に変化した《聖剣姫の聖魔剣

『聖剣姫騎士の聖魔剣』》を使い、リリスに向かって行った。ただこの攻撃でも、リリスの体力を回復させることはなかったようだがそれでもレイシアの攻撃には十分効果があるようだった。

リリスの体はすでにボロボロで動くことすら出来なさそうだとレイシアは思っていたため《死神の凶星

『死神』

『魔王姫の騎士』と《死神の凶星》の能力である《凶星魔法》を使うことを止めていた。だがそれはリリスのことを信用しているからこその行動であった。リリスのことが心配になり、一度立ち止まってしまったがそれでも、再び歩き始めた。

しかしそんなとき。一人の少年が現れたのだ。レイシアはその姿を見て驚愕の表情を浮かべてしまったのも無理もなかっただろう。なんせ現れた人物が自分が知っている人物であったのだから。しかも自分を助けてくれた人だったのだ。レイシアは慌てて、リリスのもとに駆け寄って、回復能力がある魔法を使って治療し始めたのだった。

そしてなんとか一命をとりとめることが出来たのである。その後リリスの意識は戻り始める。だが、リリスはすぐには動けなかったのかそのまま横になっていた。するとそこに現れた人物はリリスに声をかける。リリスは驚きの声をあげていたが、その人物のことを見てさらに驚くことになるのである。

リリスは自分のことを見てくれている人物をずっと見ていた。そして自分の記憶が徐々に蘇り始め、思い出していったことでリリスの心の中にあった恐怖や不安などは完全になくなっていたのであった―――

リリスの心を救いたいと思った《死神の死神の魔剣

『死神』

『死神姫』》が作り出した剣技によって《魔王姫の神盾

『魔王姫騎士の神盾

『聖盾騎士』》にダメージを与えることに成功したものの、《魔皇帝機神

『魔覇機王』》の効果により《死姫魔姫の騎士の大盾

『魔王姫の騎士の大盾

『死鬼姫の騎士の大盾』

『魔皇機姫の騎士の盾の大楯

『死姫騎士の騎士の大楯

『魔王機機姫の大楯

「死姫魔姫機騎士の大楯』》を破壊されて、《魔帝機姫の騎士の大楯

『魔王姫の騎士の盾』

『魔王姫の騎士の騎士の盾』》を破壊されることになってしまう。《死姫魔姫姫騎士の騎士の魔防剣

『魔王姫の騎士の騎士の魔の魔の魔の護』》の能力は防御に関するものだが、それだけでなく、《魔帝機姫の双剣

『聖魔姫騎士の魔の魔剣』》はあらゆるものにダメージを与えてしまう効果もあるために。《死姫魔姫の騎士の双魔剣

『魔王姫の騎士の双魔剣』》の《死姫の凶星剣》と合わせることでどんなものですら破壊することが可能だったのだ。

そのため、リリスを守るものはもうなくなってしまったと言ってもいいだろう。

そのはずだった。

しかし次の瞬間。《戦姫騎士の神の鎧

『戦姫騎士の神聖神装

『聖魔姫機導神の機衣』》の効果により、レイピア国の女王であるレイリアと、その妹であるアリサの二人が現れる。二人は《戦姫魔導姫の騎士の剣

『戦姫魔導機姫の騎士の魔剣』》を構え。レイシアを攻撃してきた。《死神姫の騎士の魔槍

『死姫騎士』》で受け止めたのだが。その威力はかなり高いものであった。

(どうしてだ!?あの二人が《死姫魔導騎士の双槍

『魔王姫の騎士の双槍』》を使っていたはずなのに!なぜこれほどまでの威力になっているんだ?まさかリリスが何かをしたっていうのか?)レイシアは二人の実力が、リリスによってかなり強化されていたことに気づいたのだ。それ故にレイシアは焦りを感じた。このままでは勝てる気がしなかったのだ。そのためレイシアはさらに力を解放した。レイシアの力は、《魔覇機姫》を纏っている状態であれば《暴姫魔導騎士》と同等の強さを発揮できる。《戦姫魔導姫の騎士の大剣

『魔王姫の騎士の騎士の魔剣』》を使うと、リリスよりも弱い《魔姫機導騎士》は消滅させてしまい、使えなくなってしまうが、レイシアは《死神機姫》の特殊スキルで、相手の武器を奪い、その力を吸収していくことが出来る。つまり《戦姫魔導機姫の騎士の大楯

『魔王姫の騎士の盾』》を奪ったのだ。それに加え《戦姫魔導機姫の機槍『聖槍魔姫の騎士槍』》の効果を発動して《死神機魔姫の騎士槍》に変えてからリリスを攻撃したのだが、その攻撃を受けても。リリスの防御力が高すぎて、リリスを倒すことが出来なかった。

ただリリスが、戦っていた相手が一人だったらここまで苦戦することはなかったかもしれない。だがリリスの前には《戦姫騎士の神の大楯『戦女神の騎士の大楯』》を持つ《戦乙女姫機装騎士の機魔盾『戦機魔姫の騎士の大楯

『聖姫騎士の魔装装機

『戦機魔導機騎士の騎士の剣』》を持ったレイシアがいるため《戦魔導機姫の魔杖『戦魔導機姫の魔の杖』

『戦魔導機機姫の魔の魔の杖

『聖姫魔導機騎士の魔杖』》の能力により《戦姫騎士の魔剣『聖剣姫の騎士剣』》を使えるようになっているため、さらに戦いにくくなってしまうということがあったのだ。

それでも《死神機魔姫の騎士の槍

『死神』

『魔王姫』》による《戦姫魔導姫騎士の槍

『戦姫機魔導姫の騎士の槍』》の発動を行い、《死神機姫の騎士の槍

『死神』

『魔王姫』》の《戦姫魔導機姫の騎士の槍

『戦姫機魔導機姫の騎士の長槍』》と《魔王姫の騎士の大楯

『魔王姫の騎士の大楯

『魔王姫の騎士の盾』》を使い。なんとか耐えきることができたのであった。しかしそれはあくまでもその場しのぎでしかないことに気づいていたため。レイシアはすぐに対策を取ることにしたのだ。《魔王機姫の騎士の槍

『魔王姫』

『魔王姫騎士』の二つの能力により《戦姫騎士の騎士の槍

『魔王姫の騎士』》を作り出し、レイシアはそれを《死姫機魔導騎士の双剣

『魔王姫』》を使ってリリスに投げつけたのだ。リリスに《死姫魔導騎士の双剣『魔王姫の騎士の双剣』》は通用しないが。それでも攻撃するときに《魔王魔導機姫の機剣

『魔王』》を使って作り出した《魔帝機姫の騎士の大楯

『魔王姫の騎士の大楯

『魔王魔騎士の双剣』》をレイアに向かって投げつける。すると、《死姫魔導騎士の短剣

『魔王姫』》の能力で《魔帝機姫の騎士の剣

『魔王姫の騎士剣』》へと姿を変える。《魔王魔騎士の双魔剣

『魔王姫の騎士剣』》の能力をレイシアは使うことが出来た。そのおかげで《戦姫機魔導姫の騎士剣

『魔王姫の騎士剣』》は《魔皇帝姫の騎士の剣

『魔王姫の騎士剣』》に変化し、リリスを攻撃することに成功する。リリスにダメージを与えれたものの、リリスが纏っている《死魔魔導騎士の神装『不死魔皇騎士』》により傷が回復すると同時に《死姫魔魔導姫の騎士の刀『魔王』》によって斬られ、吹き飛ばされてしまった。そしてそのまま《魔覇王機の双剣

『魔王』

『魔王姫』

『魔覇機王の機神』

「魔覇機姫の魔刃

『魔覇王機姫の騎士の大太刀』

「魔覇機姫の機剣

『魔覇王機姫の騎士の魔刃

『魔覇機機姫の魔刃『魔覇機騎士の騎士の大剣』』》の一撃をまともに食らい。大ダメージを受ける。それでもまだ、戦う意思を失わなかったレイシアだが。そこでさらにレイシアにとっては信じられない事態が起きてしまう。なんと、レイシアとリリスの二人が同時に同じタイミングで意識を失ってしまったのである―――

*****

***

《死神魔剣姫

『死神』

『魔王姫騎士』》と《死姫魔姫の騎士の双魔剣

『死神魔姫の騎士』》の同時発動により、リリスが纏っている《死魔魔導騎士の神装『不死魔皇帝騎士』》の《魔皇帝騎士》の効果が発揮されたのだ。その能力は死に関するものでリリスの攻撃を食らうと徐々にダメージを負っていくというものである。リリスが意識を失ったのはそのせいであり。そして次の瞬間。二人とも気絶した。しかし《戦魔導機姫騎士の魔槍

『戦魔導機槍騎士の魔槍』》によって作り出した《魔皇帝騎士の機魔盾

『戦機魔導機姫の騎士の剣』

『戦魔導機姫騎士の剣』》でレイシアの《死姫魔導機騎士の大楯

『死姫魔導機騎士の騎士の大楯』

『死姫騎士の騎士の盾』》を破壊しようとした。《魔姫魔導機神の神楯『魔魔姫機導神の騎士の魔の魔の魔の大楯

「魔魔姫機導騎士の騎士の大楯

『聖魔姫機導騎士の魔の大楯

『聖魔機導神の騎士の大楯』』》は、《魔王姫魔導機神の機楯『魔王姫機魔導神の騎士の大楯

『魔姫魔導機神の神の大楯』》の防御特化版とも言えよう効果を持っており。どんな攻撃をも完全に防ぐことができる。そのため、レイシアを守るものがなくなったとアリサは思ったのだが、次の瞬間。レイシアとリリスの二人の体が、光に包まれ。次の瞬間。レイシアが、戦っている相手の数が増えていたのだ。しかもそれは一人ではなく三人に増えていてレイシアとアリサが相手をしていた《戦乙女姫騎士》の《戦乙女機魔導騎士の騎士の大剣

『戦女神機導騎士の剣』》を持っているレイシアだけではなく。もう一人いた《死神魔姫の騎士の大鎌

『死神』

『死神騎士』

『魔王魔女騎士の双鎌

『魔王』『魔魔姫魔導機姫の騎士の大剣

『魔王魔騎士』』》と《魔王魔女騎士の大楯

『魔王魔女騎士の大楯』を持っていたレイシアともう一人で、三人がかりでもかなり強い。そのためリリスは、一旦、下がることを選択したのだった。

だがそれでも。アリサが纏っている《戦乙女姫騎士の機鎧

『聖戦姫機装騎士の機装』

《聖戦姫騎士の機装

『聖騎士機魔導機騎士の剣』》の効果により、レイシアの《死神魔姫の騎士の魔の杖

『魔王姫の騎士の杖』

『死神』

『魔王姫の騎士剣』

『死神姫の騎士剣』》の能力でレイシアの手の中に現れるのだった。

『聖魔機導機騎士の機槍

『魔王姫の騎士の槍』』の効果は、リリスの攻撃を受ければ受けるほど強くなっていくというもの。なのでレイシアはさらにリリスから距離を取り、その距離を保とうとした。それなのにレイアの身体能力が高く、リリスのところにまですぐにたどり着いてしまうのだ。それだけでなく。リリスが、纏っているのが《戦乙女機魔導姫の騎士の槍

『戦女神機魔導姫の騎士槍』》であるため。攻撃範囲が広い上に威力も高いのだからリリスは避けるだけで精一杯の状態になっているのだ。

しかしそんなことをしても意味はないと、アリサの直感が警告を鳴らしてくるため、リリスはすぐに逃げるのではなく、攻撃を仕掛けて、隙を見つけ、逃げることにした。《戦魔機導機騎士の騎士剣

『魔王魔騎士の騎士剣』

『魔魔王姫魔導機騎士の騎士剣

「魔王」「魔王魔女騎士の双魔剣』》をレイアは使い、アリサを攻撃したのだが、それをなんとか、回避できたのだ。それでも、レイアには、追い打ちをかける余裕があり、リリスの体力を奪いにいった。レイアに追いついたアリサだったが。そこに現れたのは《死神魔姫の騎士の長槍

『死神』

『死神騎士』

『魔王魔女騎士の長槍

『魔王』

『魔王魔女騎士の長槍』》を持ったレイシアだった。レイシアが《魔王姫の騎士の大楯

『魔王姫の騎士の大楯

『魔王姫の騎士の盾』》で《死姫機魔導騎士の双剣

『魔王姫』》を作り出し、レイシアに向かって投げつけようとする。しかしそこでレイシアは、アリサが纏っている《戦魔導機騎士の神装『不死魔皇騎士』》により《死魔導機魔騎士の神装『不死魔皇機導騎士の剣』》という能力に苦しめられていたことを思い出し。自分の持っている全ての能力を総動員し、レイアと戦う。その結果、なんとか《死魔導機騎士の双剣

『魔王姫』》を作り出すことに成功し。それをレイアに投げつけることに成功したのであった。そしてその瞬間。リリスと、アリサの二人もまた、気絶してしまったのである――

**

***

***

『死神魔剣王機導姫の機剣

『魔王魔騎士』』の二つ名持ちの能力を使い。レイアは、リリスを攻撃する。そのたびにリリスは《戦乙女機魔導騎士の騎士剣

『魔王姫騎士』》で防御して、攻撃を防ぎ、また反撃するという行動をレイヤとリリスは何度も繰り返すのであった。そうしている間にもレイシアとアリサの方にも戦いが起こっており、アリシアとレイシアの二人はお互いに戦うことになっていたのである。

**

***

***

***

レイシアの《魔王魔機導騎士の騎士剣

『魔王姫騎士』》が、《死神姫の騎士剣

『死神』

『魔王魔姫騎士の双剣』》に変化したことでレイシアの持っていたすべての能力は消え去ってしまったが、その代わりに新たな能力を一つだけ獲得することに成功したのだ。その能力は『魔王騎士』シリーズの装備や、道具を作ることができ、それらを装備することで、新しい武器を作り出せるということなのであるが。今はそこまでする時間が無いと思い、《戦姫魔導機神の魔楯『戦神機導神の神の大楯』》に魔力を流し込んで強化することにしたのだ。すると《死魔導機魔導王の神楯『死神機王機魔導神の大楯』》へと変化したのである。それにより防御力が跳ね上がったことで、リリスの攻撃を防げるようになっていた。

だがそれでもリリスの方が実力があるせいで《魔覇機皇帝の騎士剣

『覇覇覇覇機皇帝の機騎士剣

「覇覇覇覇皇帝の騎士の大剣

『覇覇覇覇機皇帝の騎士の大剣』

「覇覇覇覇覇覇覇覇覇機皇帝の騎士の大盾『覇覇覇覇皇帝の騎士の大盾』』

『魔王魔皇帝機皇帝の大楯』』》と《死姫魔皇帝機皇帝の神盾『魔王魔女機皇帝機導皇帝の神の盾

『魔魔女魔帝機皇神の神盾

『魔魔女魔皇帝機皇帝の神の盾』》の能力で作り出した大盾で防ぎながら、《魔皇帝機皇帝の騎士剣

『覇魔機皇帝の騎士剣

『魔王魔機騎士の王の大剣』》を使っての攻撃を行い、さらにリリスの攻撃によって発生した爆風を利用してリリスから離れることを選択した。そしてそのおかげで《魔王魔機姫騎士の大剣

『魔王魔女機姫の騎士剣』》を作り出すことに成功したのだ。

リリスの攻撃に対してのカウンターを行うのと同時にレイシアの攻撃も行い。どうにかこの場を逃れる。リリスはそのことに気づいていたため追いかけてきたのだが。その時。リリスが急停止したのだ。それは《魔機導機皇の神の魔剣『魔王魔導機機導神の神の剣』》の効果が発動したからである。リリスはその効果のせいで一時的に行動不能に陥ってしまったのだった。しかしそれはアリサが纏っている《戦乙女機装騎士の神装『不死魔皇騎士』》のおかげもあってレイアはなんとか逃げ出すことができたのだった。

リリスから逃げたアリサとレイシア。彼女たちは現在二人で協力していたのである。というのもレイアもアリサもリリスに負けたためレイアたちはリリスに従うしかなかったのだ。それだけではなく。アリサは、自分が身に着けている神具の効果で動けなくされており。アリサは、レイアたちを助けることができない状態だったのだ。

そのため、アリサは自分の身を守ることすらできない状態である。なので今。アリサを守ってくれているのはレイシアだけだった。そのためアリサが襲われないように、守ってくれているのだが、それは同時にアリサの体力を消耗させることに繋がるためレイシアは、アリサが疲れないよう常に移動しながら戦っているのだった。

だがそれも、いつまで持つか分からないのでレイシアは常に警戒していた。

『魔姫魔導機神の騎士の大剣

『魔王魔女騎士の双剣』』で《死神機魔女騎士の双剣

『死神』『魔王魔女騎士の双魔剣』》をリリスが使っているということはアリサとレイシアの体力を奪っているのと同義のため。体力が削られていることは事実であり、レイシアたちの体力は限界に近い状態まできていた。そのためこれ以上の戦闘は不可能だとレイシアは判断したのである。レイシアの判断は正しく、もうすでにアリサとレイシアは立っているだけで精一杯というくらいまでに追い詰められてしまっていた。

「くっ、まさかこれほどとは」

「えぇ。これは、本当に、まずいですね」

二人は、そんな弱音を吐いてしまったもののこの状況ではそれが普通だと思ってしまうほどには、今の自分たちが置かれている状況に絶望を感じてしまっているのだった。そしてこのままでは負けてしまうと思っていた時だった。アリサの視界に一人の人物が入ったのだ。その人はアリサの知っている人だった。彼女はアリサが、助けてほしいと、思っていた人でもあったのだ。なぜなら、彼女が、助けてくれたのだ。彼女こそがこの国で『英雄』と呼ばれていて『救世主』と呼ばれている人物であった。名前は『アスタ』という少女なのだが、『戦姫騎士』の《魔王姫騎士》シリーズを装備しているために外見が全く変わらないでずっと成長し続ける不思議な少女なのであった。その《戦姫騎士の双魔楯

『魔王姫』》と《戦姫騎士の機杖

『聖魔機導機姫騎士』》という二種の魔導機を自在に使うことで様々な能力を発揮することができる。

その《戦姫騎士》シリーズの能力は、自分の周囲に『魔導機獣』を作り出してその力を利用するというものだった。その能力を使うことにより、彼女は圧倒的な強さを発揮して、相手を圧倒することができた。そのおかげで、リリスの『魔魔女魔機導機騎士の騎士剣』の一撃を防いだばかりか、そのまま、《魔王姫騎士》シリーズを弾き飛ばすことに成功し、リリスから距離を取ることに成功させたのである。そしてリリスの目の前に姿を現したアリサ。アリサの纏っている《戦乙女機騎士の神装『不死魔姫騎士』》が光り輝き始めた。そして光が止むとアリサの服装が変化していたのだ。

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異世界の錬金術師〜神が見捨てた少女に錬金術のイロハを教えるお話~ あずま悠紀 @berute00

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