第9話 G’sこえけんってなんだ?

「G’sこえけん」音声化短編コンテストなるものがやってますね。


 ポッドキャストやオーディオブックなど、声を使った媒体を、私は毎日利用しています。声を使ったコンテンツって昔からありますけど、ポッドキャストが普及し始めたのは2004年らしいです(Wikiより)。


 それ以来、ポッドキャストの利用者数は年々着実に増え続け、これからも増える見込みらしいです(適当に検索した結果より)。


 スマホがあるので、いつでもどこでも、動画のコンテンツを楽しめるわけですが、音声だけのコンテンツって、また違った利点や魅力がありますよね。


 テレビ(ストリーミングでないもの)や新聞(紙面のもの)など、ジリジリと衰退していく媒体がある一方で、音声のみを使った媒体はこれからも伸びそうです。


 小説も、オーディオブックで朗読されてるのを聴くと、また違った趣があります。数年前、家族四人で、15時間くらい車で移動したことがあるのですが、子どもの暇つぶしのためにロアルド・ダールの「マチルダは小さな大天才」のオーディオブックを車内で流したんですよ。映画「タイタニック」でヒロインを演じたケイト・ウィンスレットが読み手でした。


 ケイト・ウィンスレット、さすが大女優で、むちゃくちゃうまかったです! 「マチルダは小さな大天才」は、家族みんなで映画を見たこともあるし、本も読んでいたので、すでに知っているストーリーだったのですが、ケイト・ウィンスレットの名演技で、車内は笑いの連続。映画よりもオーディオブックのほうが、ロアルド・ダールの文章のうまさが生かされますし(そのまま読むわけなので当然ですね)、会話文などは、目で読むよりも耳で聴くほうが「生きている声」として楽しめました。


 物語って、元々は口頭で語り継がれるものだったのだと思います。オーストラリアの先住民の物語も、何世代も超えて口伝で物語を継承してきたそうですし、平家物語も、琵琶法師が日本各地を巡って口承で伝えてきた語り本ですよね(そうでないものもあるそうですが)。物語を声で伝え・伝えられることは、とても自然なことなのでしょうね。


 なので、声で聴かせる小説、書いてみたい〜! と思っていたら、カクヨムの藤光さんがエッセイで「G’sこえけん」について面白い考察をされていました。(リンク:https://kakuyomu.jp/works/16816927860566699380/episodes/16817139555302308171#end


 以下、ピンポイントで抜粋します:

「G’sこえけん」のサンプルを聴いてすぐピンときました。「これは理性ではなく、官能に働きかけるコンテンツだ」と。ヤバいやつですよ。ハマる人はハマるでしょうね~。


 ↑ なんと! 官能に働きかけるコンテンツですって? それは面白そう! と思って、私も「G's こえけん」のサイトをのぞいてみました。


 結果……。衝撃的でした。ものすごく場違いなところに来てしまった感がすごかったです。例えば、こんなコンテンツ発見:

【耳かき/添い寝/吐息】娘のままじゃ、お嫁さんになれない! 朝から夜までいっぱいお世話して上から下までたっぷり癒してあげるね♪


 うわああああああ。見てしまった! 妄想エロの世界を。これはヤバいですね。美少女のかわいい声で、耳元に「ふー」っと息をかけられたり、「おやすみ♡」と囁かれたりするのでしょうか。お世話って、どんなお世話……?


 このコンテンツ、「娘」「お嫁さん」「お世話」「上から下まで」等々の言葉のチョイスから、対象読者はけっこう年齢層上のような気がするんですが、どうでしょう。女性用にも似たようなコンテンツがありそうです。美少年にイケボで「好きだよ」と囁いてもらったりとか。きゃあああああ。


 個人的には、こういうコンテンツのほうが、ストレートにいかがわしいコンテンツよりも恥ずかしく感じてしまうのですが、なんででしょうねぇ。おっさん・おばさんの中に住み続ける、少年・少女のイケナイ妄想を、うっかりのぞいてしまった気持ちになります。妄想の幼さに対する恥ずかしさ ×エロの恥ずかしさで、恥ずかしさ倍増というか。似たような妄想を自分もしたことあるから恥ずかしいんですかね。ぎゃ〜。


 でもまあ、「G's こえけん」の中にもいろんなコンテンツがあるようなので、アイディアが浮かんだら挑戦してみたい気もします。「回転寿司屋のプリン」的な、ちょっと変わり種も拾ってもらえるかもしれないし。


 純情癒し系に対抗して、破天荒なツンデレ系とか、もういっそ、ヒロインを子猫やハムスターみたいなかわいい動物にするとか。ああ、落選確実なアイディアしか浮かばない……。純情癒し系美少女なんて、オラには書けない。


蛇足:

声で伝えるコンテンツは、目で読むコンテンツとはまた違った魅力があると思いますが、日本語って表記が楽しめる言語だなと思います。


例えば「姉さんを喜ばす」と「姐さんを悦ばす」では、意味が全然違いますし、「一応」と「イチオウ」では、ニュアンスがだいぶ違います。ひらがな、カタカナ、漢字と、三つの異なる文字を使い分ける上に、同音異義語が多いからこそ、表記の仕方が大事で、そこから豊かな文字表現が生まれているのでしょうね〜。

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