第8話 「飽きたさん」がやって来た
人生で初めて書き上げた長編の改稿作業を、ここひと月半くらいかけてやっています。かなり大幅な改稿で、やっとミッドポイントまで終わりました。あと半分か〜と思うと、げんなりします。
というのも、「つまんねーよさん」に続いて、とうとうやって来ましたよ、「飽きたさん」が。「飽きたさん」って打つと、「秋田産」って出ます。ということで、「飽きたさん」は、炊きたての新米のような、モチ肌色白の秋田美人ってことにしよう。
あれだけ自分の作品に夢中になっていたのに、なんということでしょう! なんであんなにおもしろいと思ってたのかわからなくなってしまいました。それはもう、まるで百年の恋から冷めた乙女のように。
恋だけじゃなくて、何事にも蜜月期があれば、ふっと冷める時期がありますよね。私は特に飽きやすいほうで、今まで何度も、自分で自分のハートをブレイクしてきましたよ。
昔から、オタクと呼ばれる人たちに強い憧れがあります。他人が何を言おうと好きでい続けるあの情熱。推し活で散財することはあっても、お金がもらえるわけでもないのに。あれこそ無償の愛。
オタクにもいろんな人がいらっしゃいますが、何十年も同じ物事や人を好きでい続けられるオタクを、特に尊敬します。それだけ長い間、飽きないって、すごいな! と。
で、自作に飽きた話に戻りますが、気分転換に新作の短編でも書こうかしら、などと思わなくもないのですよ。でも、試験前に遊びに行っても心から楽しめないように、長編の改稿をやってないと、なんかモヤモヤしちゃうんですよねぇ。
気分が乗らないときは、他のことをしたり、お休みする方法もあると思うのですが、私は「仕事」と思って乗り切ることが多いです。ノルマを設けて、「ここまでやったらオッケー」として、あとはやらない。そうしないと、罪悪感に苛まれる性分です。真面目か。
小説を早く書きたくて、早朝に自然に目覚めていたあのころが懐かしい……。最近は寝坊してばっかりですし、時間があってもダラダラしてしまいます。
でも、熱に浮かされたように夢中になっている状態を過ぎたあとに、穏やかな関係が続くこともあります。結婚はその典型的な例ですかね? 付き合って最初の半年くらいのドキドキが、結婚して五十年も続くことは、ほぼないと思います。でも、何十年も一緒に過ごすことで築かれる絆は、かけがえのない宝物ですよね。
執筆もそうだといいなぁ。たまに「飽きた」とか「めんどうくさい」とか「もう二度と書くか!」と思いつつも、細く長く続けていきたいと思っています。
みなさん、「飽きたさん」が来ることあります? 「飽きたさん」対策、もしある方はコメントで教えていただきたいです。逆に、自分の作品が永遠に大好きだ! という方のご意見も伺いたいです。
本当の話かどうかわからないんですけど、明石家さんまさんは、自分が出てるテレビ番組を観て、自分のギャグに爆笑すると聞きました。自作愛が尽きずに、ずーっと続く方、羨ましいです。
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