第7話 “カタコイ”の行方
片想いと聞いたら、皆さんは恋愛ソングや少女漫画又はその派生の何かを思い浮かべるだろう。けれど俺、
俺の男友達の、
でも、コイツ、
そして、行動に移せなく今も引きずっている、
先生と言えば
そうやって俺たちは、皮肉なことに訳アリの片想いの気持ちを伝えきれなった奴が俺の身の回りにいた。この話を、大学の卒業旅行と、称し男子5人、女子2人で旅行していた。俺たちは、予算の都合上、ホテルなんかよりもコテージがいいと多数決をして、とある県の、森林に囲まれたコテージに泊まった。近くには、大きい温泉やゴルフ場、BBQ所などのアクティビティ施設があった。時間によれば無料送迎バスがある事から色んなことに追われていた俺たちにとって、最高の場所だった。
宿泊した夜の事。俺たちは、中学生や高校生の修学旅行の夜にやるような、恋バナをして楽しんでいた。男子勢は俺以外、先の学生時代に好きだった子の話や、幼馴染についてだとか話していた。
そして、順当に進み、女子勢の恋バナの番になった。
最初に話始めたのは、
次に話始めたのは、
最後に俺の番になった。俺は、こう言った。
「俺は、正直恋愛とか、あんましわかんねぇから、こんなこと言っても怒らないで欲しいんだが、お前らの話には、一つの共通点があった。なんだと思う?。」
みんなが痛いところを突かれているのを分かっているかのように、下を向いていた。そんなみんなを見ながら俺は続けた。
「それは、自分の行動力が無かった為にとか言う、己への失念。平たく言うなら、後悔だ。だから、前に進もうとすると、その人に対して自分ができなったことへの後悔の念を勝手にその人に押し付けて、勝手に逃げて本当に進もうとしないからだ。」
俺が言い切った時、みんなは、何とも言えない顔をしていた。福元に関しては、今すぐにでも涙がこぼれ落ちそうな表情だった。それを、碧月が、心配そうに見つめていた。最近知ったことだが、福元と碧月は例の一件から、許嫁同士だとか。この二人は前に進もうとしているのかもしれない。他の奴らは、何かを悟った様子ではあった。
それから数年後。俺は未だ彼女なんていないが、アイツらはそれぞれの道に進めたようだ。碧月と福元はちゃんと互いの傷を支え合い生活している。響は、プロのピアニストになり幼馴染ちゃんと再会し上手くいき始めたらしい。颯大と希は、それぞれの恋路を酒のネタにしていて、未だ進めていない。
“カタコイ”それは、それぞれの想い、立場、価値観、夢があるからこそ出来るものなんだろう。そしてそれの結末は、二択だ。前を向き乗り越えて進む人。自分への自信を無くし、立ち止まるもの。この二択だろう。俺の大切な友達だ。どうか乗り越えて欲しい。その時、俺は思った。この道には、模範解答はないが、己の答えが出た時“カタコイ”の旅は終わるのだ。と。だからこそ、この物語はそれぞれの想いを込めて幕を閉じるのだろう。答えがしっかりと見つけたからだ。
“カタコイ”の行方 江藤渚 @IceRose234
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