第4話 魚戸ホタル上陸記念祭①
5月1日、魚戸ホタル上陸記念祭の開催当日
明け墨市、および周辺地域の市民と魚戸ホタルの友好を記念して明け墨公園を中心に様々な催し物が一日中開かれます。
太陽が昇る時間帯には魚戸ホタルたちと市民で演劇やトークショー、太陽が沈む時間帯では歌う&踊る&発光するライブショーが開かれます。
旬のホタルイカを調理したバター醤油炒め・唐揚げ・天ぷらうどん・沖漬けなどの食事ができる屋台
魚戸ホタルの音声を使った楽曲の試聴および販売スペース
抹茶、イチゴ、バナナなど様々な味の水まんじゅう販売スペース
射的、お面、輪投げなどの遊び場
中には魚戸ホタルの触腕を試食できるスペースもございます。
触腕は無調理では大人の男性の顎の力でも食いちぎりにくく衛生上の問題もあるため基本的には塩ゆで(釜ゆで)した後に煮物にされたり、干物や漬物にされます。
触腕は切らないと伸び続けて生活が不便になるため定期的に切って回収ボックスに入れ、加工食品になります。
また市立明け墨美術館では魚戸ホタルたちが描いたデジタルアート、開発したデジタルツールの展示、市民が描いた絵画の展示が前後2週間にわたって開催されます。
さて蔦凪衣文は上陸祭の取材、魚戸ホタル(みか)は市民ホールでKibiTalkアップデート情報を発表します。
他の仲間たちについては、まいはさんはホタルさんのバックアップ、トモチカさんは子供向けの演劇のキャスト、トウリさんは上陸祭を散策、景色を撮影してSNSに投稿し「いいね」を稼いでいます。
午前9時ごろ公園に市長が現れてご挨拶
「
この度は第8回魚戸ホタル上陸記念祭の開催、誠に喜ばしく思います。
私たちの町、明け墨と共に生きて早くも10年
市民と共生し、盛り上げてきたことに感謝を申し上げます。
(中略)
結びに魚戸ホタルさんを始め、お集まりの皆様へご多幸を祈念申し上げまして、上陸祭のあいさつといたします。
ありがとうございました。
」
10分間にもおよぶ挨拶のあと、取材の約束を取り付けていたため、早速取材。
彼らに対する尊敬と感謝の言葉を頂戴することが出来ました。
さらにはショーに出るパフォーマー、市内だけでなく県外、さらには国外からわざわざお越しになった方にも取材を重ね、魚戸ホタルがどのように受け入れられているか伺うことが出来ました。
取材したパフォーマーには新曲「コトノハーツ」を出して人気上昇中のイカアイドル「Sing So Swee't(シンソースイ)」のバターちゃんとノリちゃんもおり、昼間のショーを盛り上げていました。
昼食は屋台でホタルイカの天ぷらうどんを食べました。
ホタルイカを噛んだときのコリコリ感、うどんと絡む濃厚なスープ、ネギのシャキシャキ感が大変癖になり美味しかったです。
取材を重ねた後、14時30分に市民ホールに入り席に座りました。
15時から1時間30分(株)ほたるポータルの発表
まず前半で昨年開発した新製品、参加した市民とのイベント、産学連携の進捗度合いの振り返りを発表しました。
次に後半でアップデート情報が発表されます。
まず最初に一番所属歴が長い先輩魚戸ホタルよりご挨拶
「
お集りの皆様、特に人々に魚戸ホタルの文化を知ってほしかった方には朗報です。
(深呼吸)
来週の5月より電子書籍サービス"うおすたっく"を開始します。
僕たちの説話・民話・民謡を人間の言語学者と協力して翻訳しました。
ブラウザ、スマートフォン両方でご利用可能です。
さて開発者の一人である"みか"さんより機能の説明がございます。
皆様、ご静聴願います。
」
先輩からマイクを受け取り"みか"がスライドショーを使って発表
「
ご紹介に預かりました "みか"と申します。
"うおすたっく"は私たち"まどろみみっく"の説話・民話を人間の方が読むことを目指したサービスです。
文化を広めることを目的にしています。
もちろんKibiTalkに備え付けの生体認証機能と連携すれば僕たちでも利用を始めることが出来ます。
最初に20冊公開し、後で1日1冊ごとに公開します。
名前、メールアドレス等で会員登録した後に読み進めることが出来ます。
この時点では無料会員ですが、有料会員に切り替えることも可能です。
有料会員になりますと、KibiTalkの技術を使った文章読み上げサービスを利用することができます。
月額利用料は月1000円になります。
(中略:サイト構成、機能紹介)
繰り返しになりますが読んだ後に評価・感想を付けていただけると嬉しく存じます。
私からの発表は以上になります。
続けて"うおすたっく"の今後の展望を"シェル"さん、お願いいたします。
」
シェルさんにマイクを渡し発表を終了しました。
「うおすたっく」の今後の展望についてはSNSを用いた広報サービスの紹介や日本語・英語だけでなく他の言語にも手を伸ばしたときにどれだけの期間を要するかが発表されました。
17時30分、蔦凪衣文は発表後の魚戸ホタル(みか)と合流しました。
「お疲れさまでした。発表、機能の一つ一つの解説が整然としていてすごく良かったです。」とホタルさんにねぎらいの言葉を掛けました。
すると目を輝かせた後に「ありがとう」と一言感謝
夜食にレストランで一緒にホタルイカ御膳を食べた後に再び公園に行きました。
22時からのライブショーまでまだ時間がある。夜食後ホタルさんと一旦分かれ、参加者に取材しました。
21時40分、予約していた席に座りました。近くにはホタルさんを始めとする仲間たち。私はペンライトを持って準備。ホタルさんたちは生体的なペンライトを持っているので目をつぶって気持ちを落ち着けていました。
そして22時、光のライブショーの幕開け
「よっちゃん」「Salvage!!」「マーマンファッション」「プロキオン」などの魚戸ホタルにとっての定番曲、流行曲に乗せたダンスが繰り広げられていました。
ライブも最終盤になりボルテージも上昇中
その中でプロの作曲家がこの日のために書き下ろした新曲「リトルルミナス」
パフォーマー50匹で光を放って合唱した本曲はこの日一番の盛り上がりを見せました。
熱狂が冷め切らないまま、25時にライブが終了しました。
ライブを終えて衣文は感動のあまり言葉が出ませんでした。
「情報量が多い、寝てから整理しよう」と決め、ホタルさんと別れました。
魚戸ホタル上陸記念祭は盛況のうちに終了しました。
上陸祭について1話で描き切ってストーリーを進めたかったので後で細かく紹介することになると思います。
次の話は上陸祭から2週間たった後の話になります。
魚戸ホタルにも一人になりたい時間があります。
第4話は以上になります。ありがとうございました。
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