第一話 幼馴染百合 後編 『桜子のいびつな愛 』〜快楽と鞭、ネコとタチ〜
私は重い瞼をあけ、周りを見渡す。私は何をしていたのか、しばらく思い出せずにいた。どうやら私の部屋のようだ。
声を出そうとするが、うまく出せない。自分の口に何かはめられているようだ。
体を動かそうとするが、動かせない。自分の体を見ると私は裸で、縄を手と足に巻かれていた。意味もなく大きな音を立ててみる。
「あれ?透ちゃん、もう起きたんだ。もっと眠り込むはずだったのにな。」
おそらく隣の部屋にいた桜子がエプロン姿のまま音に気づいてやってきた。桜子の声を聞いた瞬間、私は夕食での出来事がフラッシュバックした。私は睡眠薬でも飲まされていたのだろう。なんでそんなことを。あまりの出来事に頭が働かない。
「起きたんだったら、そろそろ始めようか。透ちゃん。」
始めるって何を?と言おうとしたが言えるわけもない。声を出そうとしても空気が漏れる音がするだけだ。
「何を始めるかって?お仕置きだよ。透ちゃんは今日自分が何をしたかわかる?私以外の人と話したよね?」
「ダメだよ。私以外の人と話したら。私だけを見ないと。だから、お仕置きね。」
そう言って桜子はバッグから鞭を取り出した。
「豚のお肉って美味しいでしょ?なんで美味しいかわかる?鞭で叩かれてるからなんだよ。豚は叩かれることが好きだから、叩かれれば叩けれるほど幸せになって美味しくなっちゃうの。今から透ちゃんのことも美味しくしてあげるね。好きだもんね、鞭で叩かれるの。」
私は恐怖で首を必死に横に振る。何を言っているのかよくわからない。私が愛した桜子はもっと可愛かったはずだ。少なくともこんなことをしない。
「鞭で叩かれるの嫌なの?」
桜子は悪魔じみた君の悪い笑顔を貼り付け、私に聞いてくる。当たり前だ、鞭で叩かれたい人なんてほとんどいない。異常な性癖を持っている人達だけだ。
私はまた首を横に振る。
「ふーん、嫌なんだ。嫌ならやめてあげようかな。」
桜子は鞭を床に置いた。
「確かに、最初から鞭はかわいそうだもんね。まずはアメをあげなくちゃ。」
裸体を晒してる私の上に桜子が跨る。そして桜子は私の髪を優しく触った。
「透ちゃんの髪、綺麗だね。艶も良いし、手入れが行き届いてる。」
わたしの髪にキスをして、手を離した。
次に私の顔を桜子は触った。
「透ちゃんの顔、綺麗。誰よりもかっこいいし、誰よりも可愛い。」
桜子は私の鼻を噛む、ぴりっとした痛みがはしる。耳を触る、目をなぞる、そして唇をそっと触る。そして顔中にキスをした。
普段の桜子に、されたのであれば私は泣いて喜んだだろう。しかし、今の桜子にされても、喜びよりも悲しみが勝つ。
私は自分のことをまともじゃないと思っていた。そして、桜子への愛が世間でよく語られている愛よりもいびつだと思っていた。桜子になら何をされてもいいと思っていた。
しかし、私はまともだったらしい。今の私は桜子を愛する気にはなれない。なれないはずだ。
「ねえ、透ちゃん、今日はおばさんたち帰ってこないよね?たっぷりお仕置きしてあげるね。」
桜子はいつの間にか鞭を手にしていた。私の顔を二回、優しく叩く。それから、私の胸を三回強く叩いた。赤い筋が胸の上に浮かび上がってくる。
私は痛みと恐怖で泣いていた。諦めた。もう、どうしようもない。桜子にされたことを受け止めるしか。
桜子は私の( )にいきなり指を入れた。指を乱暴に動かす。身体中を不快感が覆う。涙が止まらない。私の口から口輪を外した。そして、私に口づけをし、舌を入れてきた。
私は桜子の下を強く噛んだ。桜子が短い悲鳴をあげた。
翌朝、鳥の声に起こされ、目を覚ます。
私は部屋を見渡す。ベッドの上には腕と足をガムテープで拘束され、失禁し、眠っている桜子の姿がある。
結論から言えば、私は桜子に勝った。舌を噛み、驚いて仰け反ったところを、なんとかなれと、拘束された腕で思いっきり殴った。桜子はベッドの横にある学習机に頭をぶつけた。どんな反撃をされるかと思ったが、桜子の行動は私の予想とは違うものだった。
「ひ、ひっぐ、痛い、痛いよ〜」と子供のように泣き出したのだ。
私は驚いたが、今がチャンスだと思い、学習机の上からカッターを取り出し、腕と足の縄を切った。
そして、泣いている桜子の元に行き、顔を手のひらで思いっきり叩いた。
桜子はより一層激しく泣き始めた。私はまた、桜子の顔を叩いた。
さらに、叩いた。
それから落ちていた鞭をとり、桜子の腕を叩く、そして服をカッターで切り裂き、裸に剥いたあと、また鞭で叩いた。
桜子は泣き止まない。涙でぐしゃぐしゃになった顔に私はキスをした。
そして桜子に鞭と快楽を一晩中与え続け、完全に心を屈服させた。
どうやら、私はまともじゃなかったようだ。痛みに泣いている桜子を、今まで見てきた中で一番可愛いと思ってしまったのだから。
「おはよ〜、今日も仲がいいね。」
モブが話しかけてくる。桜子は顔を赤くして
「もう、やめてよ。付き合ってはないってば〜。」と顔を赤くして答えていた。
服の下には無数の鞭の後が残っている。
「以上が幼馴染百合の話となります。いかかでしたでしょうか。」
百合マイスターが話を終えた頃、ちょうど日が登ってきた。マイスターが反応を求めても、王様は何も言わず、ただ百合マイスターを見ていだけで何も言わない。。その表情は困惑一色だった。王様は、展開についていけん、とりあえず寝ると言い百合マイスターを帰らせた
どうやら1日目は無事に処刑を免れることはできたようだ。
百夜百合物語 〜毎晩百合の話をすることで王の処刑を免れよう〜 東雲綺狂 @sakotaya
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