どーどーどーどーどーどー
砂漠の使徒
北海道で目撃される怪鳥
「はい! 今回我々ミステリー調査隊はここ、北海道のM市にある道道に来ています。一応説明しておくと、道道とは北海道が管理している道路のことですね。県だと県道って言うやつです。そして、この何の変哲もない道路にすごく不思議なものが現れるそうです。さっそく近所のSさんに訊いてみましょう」
「あれは、よく晴れた日のお昼に現れるんじゃよ」
「ほうほう」
「もともとここいらは車が少なくてな、だーれも通らん静かなときにいきなり現れるんじゃ」
「な、なにがでしょうか?」
「はて……鳥?」
「鳥ですか」
「羽毛が生えておって、大きなくちばしがある。じゃが、飛んではおらん」
「なるほど」
ダチョウのような、飛べない鳥なのだろうか。
「面白いことに、その鳥は……」
「鳥は?」
「あぁっ! お前さんたち、現れよったぞ!」
「ええっ!」
私達は、老人が指さす方へカメラを向ける。
道路のはるか先。
なにかが動いているのがわかる。
車よりも小さいものが、ゆっくりと。
「あれは……たしかに鳥だ」
カメラマンが呟いた。
私もカメラの映像を見る。
「これって……」
「な、鳥に見えるじゃろ?」
そう、これは鳥だ
その名前も、知っている。
「ドードーだわ」
すでに絶滅したとされる幻の生き物。
それがこの北海道に生きているのだ。
「あの面構え、歩き方を見ていると、元気が出てくるんじゃよ」
「……」
老人の言うようにドードーの目はとても凛々しく、口をぴったり閉じている。
胸は前に突き出され、足が軽快なステップを刻んでいる。
その様は、一目で自信に満ち溢れていると感じさせる。
図鑑で見る呑気な顔とは大違いで。
「堂々としてる……」
(了)
どーどーどーどーどーどー 砂漠の使徒 @461kuma
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