俺の幼馴染がヒロインじゃ無い筈がない ~異世界召喚で、何故かクラスのかわいい女子全員が嫁候補になっててしかも僕だけが男だ。

あずま悠紀

第1話

ジャンル:異世界ファンタジー

タグ:異世界転生.主人公最強.剣と魔法.戦記.美少女.ライトノベル.ハイファンタジー.バトル

タイトル:俺の幼馴染がヒロインじゃ無い筈がない ~異世界召喚で、何故かクラスメイトの女子が皆嫁候補になっててしかも僕だけが男だ。



「おいおいマジでどうなってんだ」

 俺は坂上隼人、16歳。今日はいつもの登校日だ。みんないつも通りの冴えない話で弾んでいる。

一方で俺は、ぼっちだ。単独行動が好きで仕方がない。

 美少女のマドンナが躍る。完璧美少女。学校一のマドンナ。噂が噂。

 俺はただ黙々と無関心に帰宅する。家ではゲームを心置きなく楽しんでいる。

 小学生時代の卒業の時の寄せ書きが部屋に飾られていた。


 幼馴染はマドンナだ。モデルでテレビ出演している。話題の美少女。


 さて、あれこれ前置きしたが、つまるところ……。


 『勇者さま、こんにちは』

 それはゲームではなかった。突如、部屋を光が包んだ。

 『今、私はあなたの深層意識の中に入り込んで、話かけています』


 結果だけ言おう、俺は、『異世界に転移した』

 それこそ、最強の能力を与えられて。そして。


 「おはよう、隼人くん!」

 当たり前のように、日本一の美少女こと俺の幼馴染がそこにはいた。


 こうして、楽しい異世界世界がはじまったのであった。


異世界。その世界で俺は大暴れし、国も人も殺し尽くしてやったのだ。そうすれば、この世界で最強になるのも夢ではない。それがこの世界の真実なのだから!

「隼人君ってばーっ!」

はぁ。何度聞いてもこの声に慣れないな。俺はしぶしぶ顔をあげた。目の前にいた女の子に目線を合わせてやる。俺の幼馴染であり、超絶美人の美少女である『高坂花恋』という奴がいた。そいつの顔は怒りの色で染まっているように見えた。それもそうだろうな。こいつは、昨日の一件があってまだ俺と会話すらしてくれていない。

そんな状況なのに俺はこいつにちょっかいを出し続けるのは正直言って気が重いんだけどさ。なんせ俺はこいつと付き合ってるんだよ。

「ねぇ、隼人君?」

「はいよ」まあ、俺が悪いけどね?流石にちょっと言い過ぎたかなとは思ってます。だから、機嫌直してくれると助かるわけだが。

それに、もうすぐテストだしさ、勉強したいじゃんか。ほら、俺って一応受験生だよ?そういうことも考えて欲しい訳ですよ?なんてことを考えているうちに俺は花恋の拳骨を食らう羽目になっていたのだった。

===

さあてと、気を取り直して行くか。教室に入ると既に花恋は自分の席に座っており机の上にノートを広げ何かを書いている様子だった。俺はそれを覗き込むような形で花恋の後ろに立つことにした。

ちなみに俺はクラスでは嫌われ者だぞっと。別に友達とかいないから構わないけどね。俺は花恋の背中越しに彼女の書いている文字を見た。どうやらテスト対策をしているようだな、うん。花恋は真面目ちゃんだしね、多分今回のテストもトップ層をキープできると思うんだよね~♪えへへと、笑みを浮かべながら花恋が座っている椅子に俺は腰掛けた。当然の如く花恋は不愉快そうな顔を向けてきたのだけど、すぐに無視をして教科書を読み始めることにしたのである。だってしょうがないじゃ〜ん?怒られたら謝ろう。

しばらくすると担任の教師が現れ朝のHRが始まることとなったのだった。

そして授業が始まればいつも通りに退屈で面倒くさい時間が過ぎるだけであるのだが、今回は違う。

花恋との喧嘩によりお互い口を聞かないという不名誉極まりないことをしているからである!!うわーまじか、きついんですけど!?俺は花恋を見ることが出来ずにそのまま下を向いてひたすら板書を書き写し続けていたのだが、その時ふと思ったことがあるんだがさ。

(なんか今日静かすぎないか?)

確かにみんな静かに勉強はしていたりするんだけど、それでもこう、違和感を覚える程今日に限っては静けさが際立っていた。まるで台風でも通過しているかのような。そんな奇妙な感覚を覚えていたのである。

(まさかな、こんなことが起こせる存在はあいつしかいないんだが)

俺がその人物のことを思い出したとき、それは唐突に起きた。突如眩い光が俺達を包み込んだのだ! そして次の瞬間、俺たちはこの異世界にいたということであった。俺は自分のステータスを確認したところ、レベル2となっておりスキルには《神撃Lv.2》《剣聖Lv.3(+5/15/100)→《大魔導士LV.1》となっていた。他のクラスメイトも同様だと思われる。みんなそれぞれステータス確認をし合っているようで俺もまたそれに習うことにしてみた。

===

Name:坂上

隼也 年齢 :16歳

職業 :15

Level:2

EXP :0

力 :460(1020+120)

性 :129

体 力:721(680+50×2)

精神力:503

機 能 :15

運 :286 +40 ユニークSランクスキル 1《完全解析NewWorld

★Max →全知之書Newworld 2》 《言語変換

☆8/25/100 →異世界人語 3→異世界共通語 4→勇者言語 new 5 》 2 エクストラEノーマルスキル 201+14 《剣聖 new 10 /30 100 MAX》 201-400 《魔法才能 L

☆ MAX100 New World 7 up↑ MAX300》 201-100 【称号】

*異世界より召喚されし勇者*NEW World Sランク

「おぉ!凄い!」「隼人君もか!」「俺、めちゃくちゃ強いぜ」「これなら俺も活躍できるかも!!」「すげぇ!」

とまあクラスのみんながそれぞれ喜びの声を上げているが。まあ気持ちはよく分かるぞ。特に勇者ってところがいいよなぁ! そして花恋を見ると少し顔色が優れない様子であったのだった。

「ねぇ、私ってどれくらい強いのか教えてくれない?」と、彼女は不安気にそう尋ねてきたので俺は素直に応じてあげることにするのだった。

「ああ、いいぞ」そう言って俺は彼女に自身の能力を開示してあげてやった。もちろんこれはお互いに了承した上のことだ。だってそうじゃないと能力の比較も出来ないし。

===

Name 名前 種族 女 level 経験値 16492/100 生命力 648 魔力 471+500/700(800+50×17)

力 573(54+200+124)

物防 978 器用 855 敏捷 75 知恵 37 属性 水属性 闇属性 光属性 固有技能 剣術適性(斬 槍 打 弓 投擲闘気)

身体強化

(俊敏 腕力 脚力 体力 視力)

風刃術

(鎌 手裏剣 弓矢)New! New! 空間転移

(距離無限 視界共有 転送 位置固定)

New! 超鑑定 new! New! New! 限界突破 New! 成長速度促進 New! 経験値倍増 アイテムボックスNew 《加護》 女神テミス 世界母クレア 《契約精霊》 水霊アクア 風竜シルファニア 火精霊サラマンダー 地竜テラメイル 木精霊ドライアド 雷鳴姫ライメイ 土霊ドリアード 氷精霊フリージア 聖獣麒麟グリフォン *《特殊》 New! New! New! 花恋のステータスを見て俺が最初に感じたことは『やっぱり花恋はすごい』ということだけであった。

俺のスキルと比べてみてもこの差はあまりにも大きすぎるだろうなと感じるのだった。花恋は水、闇という2つの称号持ちで更に、その両方に特化されている。それこそまさに万能型といったところだろう。流石にこれには嫉妬せずにはいられないのだが。そんな俺の様子に気付いた花恋は俺をなだめてくれた。

花恋と俺は仲直りをしてそれからしばらくの間俺は彼女の手伝いをしてやっていたのである。ちなみに、クラスメートたちも協力してやってくれたので思ったよりもスムーズに進むことが出来た。そんなこんなで俺はレベルが上がったことにより新しい魔法を覚えることになった。どうせ覚えられるんなら花恋に使わせたかったのだけど仕方がないよね。そんなわけで俺は新しく取得したスキル『時空』を使って時間を停止してみた。俺以外は動かなくなるのだ。俺は早速とばかりに剣を振るった。それはもはや人間業ではなかったのかもしれない。なんたってこの世界最強の俺が本気で振りかぶっているのであるからね? さすがにこれをくらえばひとたまりもあるまいと思ったのである。俺は試してみることにした。

「ふむ、これは使えるかもしれんな」

こうして俺は、異世界で最強になったのであった。俺のこの力で世界を蹂躙してやる。俺はこの世界の王となる男なのだから!!そんなことを思いつつ俺は次なる場所に向かうのだった。そうこの世界で最強の俺が負けるはずがないんだから。俺はそう思っていた。この時までは、、。

===

私は高坂花恋。私のお父さんが異世界に召喚されたことで私の人生は大きく変わっていった。そして今では異世界の最強と呼ばれるほどの力を手に入れた。そんな時だ、あの男が私の前に姿を現したのは。彼は、坂上隼人君。正直あまり良い印象は抱いていなかったんだけど。

ある日のことだったかな。私が一人で歩いていると坂上君は急に現れ話しかけてきたのである。私はそれがなんだかとても嫌だったんだと思う。なぜかって聞かれると上手く説明は出来ていないけどね。とにかく彼の存在は私の中ではとても大きなものであったことだけは確かだと思う。彼の前では何故かいつも冷静さを失ってしまう。だからきっと彼とはあまり会話はしていなかったんだろうなって今になって思ってしまうの。それに、彼には何かを隠している様子だったから、尚更関わりたくなかったっていうのがある。それにしてもまさか異世界に来るなんて想像出来る訳もないからね。

だけど異世界にきてしまった以上は私に選択権はないみたい。だから大人しくついて行くしかないんだよね。それに私には何も隠さなくてもよかったんじゃないかなぁとも思う。異世界召喚って本当に何が起こるかわからなくて怖いな。そんなこんながありつつも、私たちは王国にたどり着いた。そして、私たちは城に招かれることとなる。

私は王女様に会うことになったのだけど、そこには私の親友である花恋の姿もあった。私はそこで、ある事を思い出したのである。

「花恋、あれ見せてくれないかしら?」「ん?別にいいよ〜」そう言って花恋が差し出してきたステータス画面を見せてもらった。そこには、《剣の才能(大)Lv.5(+6/25/100)

→《大魔導士Lv.1》New World Sランク》となっていた。これは、、どういうことなのかしら。私は思わず首を傾げてしまう。

すると花恋がこう話したのだった。

「あ、それね。隼人君にも見せられちゃってさ。私の方が上だったんだけど」

は!?え!?ど、どうして、そ、そうなのよ!?確かに花恋も天才だとは聞いていたけどそこまでのレベルになっているだなんて思ってもいなかったわ。しかも大魔導士、、、?意味がわからないわ、、。だってそれは勇者の称号を持つ人間が到達すると言われているレベルのもの。まさか隼人君がそれを会得してしまうなんて、、。私は頭を抱えずにはいられなかった。そんなこんながありつつもなんとか落ち着きを取り戻した私は国王と謁見することになる。

しかし王様との話し合いの最中、突如光の柱が立ち込めたかと思えば、私たち全員が召喚されていたのであった。そして目の前に現れたのは女神さまと名乗る人物。私は彼女に対して警戒心を露わにした。でもその心配はなかったみたい。

そしてその後、私はクラスメイトのステータスを確認したところ。私と全く同じ数値となっていた。ということはクラスメイト全員、勇者と同等のステータスを有しているということになってしまう、、!これはまずいわ、私達だけ特別視されることは免れないだろう。

私はそのことを理解していたからこそ不安になっていた。そんなときだった。突然クラスメイト達が騒ぎ出したのは。

『おお、すげぇぞ!』

『異世界キタァー!!』

『これで俺たち無双できるんじゃね?』

『まじかよっ!夢じゃないのかこれ?』

などなどみんな喜びの言葉を発していたけれど、よく考えてみて。みんなが異世界に来ただけで喜ぶような人達じゃないはずだし。だって今まで勉強ばっかりで遊びに行くとかしたことない人が大半だし。むしろ異世界来たら何をすればいいのか分からないと思うしね。

そして、そんな時に隼人君が現れたのである。その時の花恋の嬉しそうな顔ったらないわ。隼人君が現れてからというものの彼女はまるで子供のような表情をすることが多くなった。そんな彼女が羨ましくもあり愛おしかったのは内緒なんだけどね、、私ってば花恋の前では常に冷静であろうと努力しているつもりだったんだけど案外無理だったかも、、。まあそれでも私は花恋にとって唯一の友達でありたいと思っているし大切な存在だと思ってくれているから嬉しいなぁ〜って思ったりしたこともあるんだよね、、。なんか恥ずかしくなってきたからやめようかなぁって。まあそれは置いておくとしてだね。とりあえず今の問題は目の前にいる男の子だ。一体彼がどのような能力を所持していてどれ程の実力者なのかどうかを確かめなければなるまい! と意気込んだもののやはりというべきか結果は、、惨敗だった。

『なにこれ!めちゃくちゃ強くないですかっ』

『い、いつまでたっても追いつける気がしないぞ、こりゃ』

『俺、自信なくすな、うん』

とまあ、このように隼人君の圧勝で幕を閉じることになるのだがそんなときに隼人君はとんでもない発言をかましたのである。

『ははは!この程度でへばるとはまだまだ鍛え方が足りないようだなお主たち!だがその心構えは素晴らしいぞ!!気に入った!!!これからお前たちを我が家臣にしてやる!!どうだ光栄だろう!光輝殿の右腕として活躍できるんだ!これほどの誉れはないと思うんだが、どうだ光輝』

と、まああの隼人君の発言に驚かないものはいないだろう。そもそも私も花恋も同じ気持ちを抱いていたんだ。そんなの嫌に決まっているじゃんってね。それにあの人のことだからまた変なことに巻き込まれかねないので断ろうと思ったのだけれどもそんな私の意見は聞き入れてもらえなかったのである。そう、あの人は昔から自分の思い通りにしないと納得してくれないのだ。そういうところは本当に厄介な人である。それに、あの人が私達のことを気に入ってくれたのは事実であるのは確かだったので、あまり無下にすることも出来ず。結局私達は渋々彼の提案を受けることにする。だけどあの人と一緒だと何かが起きてもおかしくない。だからこそ、何かが起きる前にどうにかしなければと思っていたのだが。異世界に来て早々にそれは起こってしまう。あの人が私達のことを気に入らないからという理由だけで、王国兵士の方たちに私達は捕らえられてしまうこととなってしまったのである。私はこの現状を受け入れるわけにはいかなかったから必死になって抵抗を試みた。

「放してっ!!」

「ちょっと待ちなさい!!あんたたちが何を考えているかはよく分かるけどさ!そんなの間違ってるよ!」

私は花恋と一緒に兵士たちを何とかしようと試みるがそんなことは無駄に終わるわけだ。それもこれも全部隼人君が原因なんだから、彼は何がしたいのだろうか。私は彼ならきっとこの場をうまく収めてくれるんじゃないかと密かに期待をしていた。しかし、彼の口から発せられた言葉によってこの場の空気が一変することとなるのである。それはもう予想だにしていない出来事が起きたと言ってもいいのである。だってまさか彼が、あの人を殺めるつもりだなんて誰も想像すら出来なかったのであるから。だけどそんなことも全て計算済みなのかあの人は私達にこんなことを言い放つのだった。

『ほう?私に逆らうというのか、光輝よ。残念だな、せっかくお前の力になる部下が出来たっていうのによぉ』

「は、は、なにを、い、っているの?」

私は震える声を振り絞って彼に問いかけたのであるがそんな答えが返ってくるはずもなかった。

「ふむ、まだ理解が足りていないのか、ならば仕方あるまい。おい貴様、光輝のスキルについて詳しく話してみろ」そう言って、私達の前に現れたのは一人の男。私は思わず息を飲み込む。なんたって彼はこの国の王であるのだから。そんな彼は王としての権力を使って無理やりにでも私にあの男の情報を喋らせようとしているのだ。当然のことながら、そんなことに従う義務も私にはない。

「断るわ、そんなこと、貴方が自分で調べればいいじゃない。」

私は毅然とした態度を貫き、彼を睨みつけたのだけど、そんな私の態度を見ても彼は全く動じる様子はない。それどころか笑みを浮かべてさえいるのだから、きっと私達のことが可哀想だとしか思っていないんだろう。その証拠にも私の返答を聞くなり呆れた顔をこちらに向けてくる。

『はぁ〜ん、なんだと?私が自ら教えろと言っているんだ、大人しく従っていれば良いんだよ』

「誰が貴方の命令になど、、。従わないわよ。それにそんなもの知ったところでどうせあなたは私たちに危害を加えようとするに決まってるんだから。信用する方がおかしいと私は思うのよ。それにもしそんなことできっこないし。それに貴方はさっき言ったわよね。勇者と同等の力を有している、って。そんな勇者に勝てる訳ないわ。そんな勇者を殺したら今度は勇者以上の力が目覚めるとでもいうの?」

「そうだな。確かに光輝が勇者の能力を持ち合わせていたのであれば話は変わっていたかもしれぬが、、その心配もないようだから尚更心配する必要はないな。つまり貴様らがどんな行動を起こしたとしても私は痛くも痒くもない訳だ。それにしても面白いことをいう奴だな、光輝。そんな心配をする余裕があるとでも思っているというのか?』

王はそう言って隼人君を見据える。

すると隼人君は一切動揺を見せることなく。淡々とこう答えるのであった。

「ええ。俺はただ自分が一番強くなれるように努力をしているだけです。それにあなたが俺の事を気に食わないって理由で殺したいんでしょう?俺の事を殺せばもっと上のステータスになれると思っているんでしょう?それは俺の勘違いですよ。そんなことでは俺の能力値が変わる筈がありませんし」

そんな隼人君の言葉を受けて王は眉根を上げるがすぐに元の表情に戻り、口角を上げたのだった。

『ほう?じゃあお前は何がしたいんだ。お前が求めているのは一体何だというんだ?』

隼人君はそんな王になんて事のない顔をしながらこう告げたのだった。

「特に何も。ただ自分の能力を高めていければいいと思っているだけですが。まああえてあげるとすれば。俺より弱い人間に興味が無いってとこでしょうか。あぁそれから一つだけ訂正しておくので聞いてもらいたいのですけど、勇者と同等の力ってところなんですけど。勇者のステータスよりも少し強いって感じですかね、今の段階だと、でもこれから先はわからないです。だってまだまだ成長出来る余地はありますから。勇者を遥かに超えるほどのステータスを手にすることが出来る可能性も捨てきれない。」

そんな発言を聞いて王が笑うのも無理はなかった。

そしてその笑い声は止まることなく大きくなっていくのである。

『あっはっはっはっは!お前、、面白いな。いいぞ、お前を私の直属の部下にしてやる!だがその分しっかり働いてもらうから覚悟しておけ!』

「はい、分かりました、よろしくお願いします」

そんな会話が繰り広げられた後に私は解放されてしまい。その後花恋と共に牢屋へと連れられていく。私は悔しくて仕方がなかった。私は隼人君に頼ろうとしていたのに、隼人君は結局私に頼りきりになってしまったんだから。私は隼人君が居ない世界なんて考えられない。それほど隼人君の存在が大きくなっていたんだ。花恋も同じような気持ちを抱いているだろうけど、花恋の方がもっと酷いかもしれない。なにしろあの二人は幼馴染同士なのだから。花恋にとって隼人君は特別だったはずだ。そして隼人君にとっても花恋の存在は特別だろう。あの二人の絆はそう簡単に崩れ去ることはない。だけど今はどうしようも出来ないこの状況下をどうにかしないとと頭を抱えるばかりだったのである。

『くくくくく、やはりあいつらは私の思い通りに動くものだな。あの二人を手に入れるのもそう遠くはないな』

そんなことを考えているとはつゆ知らず。あの男、いや、あの方は今、とてつもなく楽しい日々を過ごしていたのだった。そう、それはもう愉快な日々だったと、、、。

〜プロローグ2完〜 俺が異世界にやってきて数日、この異世界では俺のスキルに敵うような人物は一人もいないようだった。あの王様ですら、俺の敵では無かった。正直拍子抜けするほどである。まあそれでもあの人のレベルはかなり高いようだったが、それでも俺には及ばないのだ。この世界で、この国で最強の人間はあの人かその部下だろうがあの人はもうこの世にはいない。

あの後俺は花恋たちと一緒に城でしばらく世話になった。

流石にあんなことがあったのだから王国側も俺達を放って置くことは出来なかったのである。そうして暫くの間俺達は城で過ごさせてもらったのである。

『さあてと、これからどうしたものか、この国は思ったよりも弱っちかったからなぁー』俺はそう思いながら、この世界に転移してきた時に得た地図を広げ眺めながらそうつぶやくのだった。そんな時、俺達の元に国王が現れたのである。どうにも暇を持て余して遊びに来たらしい。

そんな王と俺は将棋を指したりして、時間を潰していると、突然こんな提案を持ちかけられることとなる。

『なぁ、お前さん、俺のところで働く気はないかい?』そんなことを唐突に言ってきたもんなんだから驚いたぜ。俺はてっきり王としての仕事をサボるための方便にしか聞こえなかったが、それは間違いだったということだけは分かった。あの人は本気で俺を欲しがっているのだということが伝わってきたからである。そこで俺達はすぐに承諾をして王の側近になることになった。といってもそれは形だけのものであり、実際仕事をするのは俺だけだったのだが。しかし王はあの人の代わりにこの国に君臨し続けることに喜びを感じていることに気付く。

それくらい、あの人を慕っていたのだと言うことにも気付いたのであった。

俺は王の誘いを受けることにしたが。この世界にいるのも悪くないと思った。

それに、花恋があの人と接触することはどうしても避けたかったのだ。花恋が傷つく姿を見ることになるくらいなら。

そう思うと花恋を連れてきたことも失敗だと思えてしまうが花恋も花恋だ、この世界には危険な生物が溢れかえっており、いくらこの国の精鋭部隊がいても守り切れるとは限らないのだから。

あの人の強さが規格外すぎたせいなのかは分からないが。それにしてもあまりにもこの世界の人達は弱すぎるように感じるが。まぁとりあえず、俺の目的は強くなることだから別にいいんだけどな。とにかく、そんなことを思って過ごしてた訳だけど、ある時。そんな俺のところにとある依頼がやってきたのだった。

それは、魔族退治の依頼であり。なんでもその村の近くに住み着いているのはゴブリンの上位種のようでそれが村を困らせているという。そんな依頼を受けて討伐に出向いたわけなんだけど。そこには、一人の女の子がいたんだ。その子の名前はアイリスというらしく。どうやら彼女はその村に暮らしている少女のようである。そんな彼女がゴブリンから必死に村人を守って戦っている姿を見て、ほっておけないと思い助けることにしたのだ。そんなこともあり、俺はその村に住まわせて貰う事になった。そんな訳もあってこの世界での住居を手に入れ、生活も安定したのである。

そんなある日のこと。その村は山に囲まれた盆地に位置する村のようであった。そのためか、食料を確保することが難しいため常に食料危機に陥ってしまうのであった。そんな中でもなんとかやりくりをしているが、それもいつまで続くかも分からない状態であった。そんな状態で、俺たちは食料を提供させて貰えないだろうかと交渉したところ、受け入れてくれたのだ。それから数日後の今日は食料を提供する日であるのだ。そのおかげでなんとか食いつないでいるのだと感謝されている。そんな風に思われているんだからこちらも何かしら協力しないといけないと。俺は思っていた。

そうして、食料を渡すべくその集落に向かうこととなったのだった。そんな道中のことだった。魔物に襲われていたのが、どうみてもその子と同じくらいの年の少女だったのである。俺は咄嵯の判断でその子を助けたが、どうやらその子は奴隷のような扱いを受けているみたいだった。

そんな彼女の名はマリーと言ったが。

そんな彼女と出会ってしまったのがそもそものはじまりであったのかもしれないと俺はそう考えるようになる。そしてその日以来、俺達の暮らしに変化が起きたのは確かである。それは、、その、なんだ、。俺はその子から好意を寄せられる存在になってしまったのである。

**

『あーもう、ほんとなんなの、こないだまでずっと無視を決め込んでいたのに。最近は毎日話しかけてくるようになったわね。あの子』そんな事を呟きつつ花恋は溜息を漏らすのであった。そうして、最近、あの子が私に付き纏って離れようとしないのである。どうして?一体私が何したっていうのよ、まったく。確かに私は隼人君の事が好きだし、今でも忘れられないわ、でも私は、あの人に酷い事をされて、そんな事があってもやっぱり隼人君が一番好きでいてくれてると思うからこそ。こうして生きているんだし、私は諦めない、絶対振り向かせて見せるんだから!!そんな思いを抱く花恋だったが、そんな花恋の元に、隼人君がやって来たのである。

そうして彼はこう告げるのだった。『俺もさ、花恋の事が好きで、愛していてさ。これから先もずーっと一緒だって決めたんだ。俺の彼女になってくれますか?』

『はい!喜んで!!』花恋が即答すると隼人君は笑みを浮かべる。

『はは、花恋、そんなすぐに答えていいのか?もう少し考えたりとか、そういうのは?』『隼人君に言われた言葉だからいいんだよ!隼人君以外に私の恋人に相応しい男性なんていないでしょ?』『そうか。じゃあこれからは、一緒に幸せになろうな!』『はい、もちろんですとも』

そんな感じで二人が付き合い始めた頃、その様子を見つめている人物がいるのを二人は知らないのだった。そしてその男はニヤリと不敵な笑みをこぼしていた。

『はははは、いいじゃないか!これならこの国で最強の駒を手に入れたのと変わらないってもんだろ!これでこの国は俺の支配下だ。もう誰も逆らう事は出来まい!あの方にだって俺に逆らうことは許されないからな』そんなことを口にするその男こそが今回の事件の犯人であり黒幕である男だったのである。

〜プロローグ3完〜 俺が花恋に想いを伝えて数日経ち、花恋が無事俺の彼女になってくれたわけで、花恋も花恋で俺に対して凄く積極的になっていて、なんか前より甘えるようになってきた。

花恋にこんな風にされると正直ドキッとしてしまうのだが、俺はどうにかそれを悟られないように平静を保っている状態だ。まあそれはさておき、俺達の間に子供が出来た時の為に、子供を作る為の行為をする事にしたのだが。俺の目の前に広がっているこの光景は何なのだろう。

花恋に、この村に住んでいる女性達が集まって、花恋から色々と教えてもらっていて、みんな俺のことは見向きもしなかったけど、どうやら花恋は慕われているらしく。俺との子供を作ろうと集まった人達に指導しているらしいのだが。

『ちょっと待てぇい!!!俺達は男同士だから無理だろうがあああっっ!??』俺が慌てて大声を張り上げると周りの人達がこちらを振り向いたのだった。そうして俺の所に歩み寄ってくるのは村長とやらのおじさんと、その妻であろう綺麗なお姉さんである。ちなみに俺よりも若いのである。俺と同年代くらいか、下手したら年下に見えるが実際はもっと上の年齢で。二十代前半の美人さんであった。そんな二人が俺の側に立つなり俺の両腕をそれぞれ抱きかかえて拘束してきたのである。『ちょ、離せよあんたら』『嫌ですよぉ〜。あなた様とうちの嫁を二人きりにさせたらどんな事をされるかわかったもんじゃないのですからぁ』とそんなことを言われてしまい俺は、、どうすれば、、どうにもできずにいる俺が固まってしまっているとその時に花恋の声が聞こえてきたのだ。

『ほーん?それはつまり私の事を襲おうとしていたということなのかしらぁ?隼人君?貴方まさか私を襲うつもりなんて無かったよね?ね?ねぇ?』俺はその問い詰められ方が怖すぎて何も言うことが出来ずにいた。というよりこんな花恋初めて見たんだけど、普段の花恋からは想像もつかないくらい怒っている表情をしている。そんな様子に気付いた村長の奥さんが口を開く。

『ほほう?それはそれは、もしかしてお兄さんはこの子を襲おうとしたのかい?』『はぁぁああ?違うに決まってんだろうがぁぁ!俺達は男同士でしかも子供は出来ないからその行為は意味がないんだからな!』俺が必死に弁明していると花恋と村長の奥さんは目を見開いてお互いの顔をしばらくじっと見合わせた後に、『へーえ、、ふーーん、、そっか、そーゆーことなんだ、、へえ、そうなんですね、なるほど。』と何故か納得しだしたのだった。そんな二人の行動に疑問を感じつつも俺は花恋と一緒に家に帰るのであった。そうして俺は今現在、この国の王様に謁見していた。

『そうか、お前さん、俺が欲しかった力をその少女との子作りに使うとは中々思い切った事をしてくれたもんだな』

そんな事を口にするのはあの方であった。この国の王は彼しかいないのだ、俺はその王に呼び出され、彼の前に座っていたのである。俺としては何故この国の王がここにいるのか疑問ではあったんだけど、俺と花恋の交際が認められたことで俺は王と面会をすることが出来たのである。そうして俺がここに来た目的は一つ。

『お願いします。俺とこの子の関係を、認めて欲しい。頼むよ。俺と彼女の間に子供が出来るまでは手を出して来ないでくれ。頼むから、それだけは守って欲しいんだ』俺がそう告げると王は少し考え込んでしまう。

『分かった、だが、、、俺は別にその少女と性行為しろと言った覚えは無い。その少女との間に出来る子供の父親はその少女の夫とする』

俺はそんな王の申し出を受けることにしたのだった。その後すぐに城を出て花恋が待っている家に帰宅したのである。その道中のこと、花恋が急に立ち止まり真剣な顔付きになり。いきなりこんなことを言ってきたのだった。花恋の言葉に驚きを隠せない俺は、そんな花恋の発言に戸惑ってしまった。なんせ俺達が付き合っていることは秘密にしているからである。それなのに花恋にはバレているのだと。それにどうしてそんなことを言い出したのだろうか、そう思っていると彼女はとんでもない言葉を口にしたのであった。

『私もね、赤ちゃん産みたいの、隼人君と、、隼人君の子種が、、、私は、もう、あの人に囚われていた私じゃなくて、新しい命を作りたいのよ、、』そんな事を告げられても。とまどったもののどうにかこうやって花恋の家にたどり着いたのだ。そして、家の中に入るといつも通りな笑顔を浮かべた彼女がそこに居てくれたおかげで心底ホッとしたのだが。そんな矢先の出来事だった。その日の夜にそれは起きたのである。突然俺に襲いかかる激しい激痛。俺が痛みに悶え苦しんでいるところ花恋が現れて何があったのか問いかけられたのだが答える事が出来ずに、意識が遠くなっていきそこで俺は気を失ってしまった。

目を覚ました時には俺の横には花恋の姿は無くなっていた。それから何日もの間ずっと俺は眠ったままだったらしいのだがようやく目が冷めた頃にはすっかり体は元どおりになっており。体調の方も良いようであった。

『あ、隼人さんやっと目覚めましたか。心配したんですよ?なかなか目を覚まさないから。』俺が起きたことに気付き駆け寄る花恋。そして、俺を看病してくれていたであろう花恋のお姉さんはそんな事を口にしていた。

俺が目覚めた事に気づいたのだろう、村の住人たちが俺の所に集まってきて俺に労いの言葉をかけてくれる中で俺が起きたのを確認した村長は安堵の息を漏らすと共に。『さすがじゃな、勇者よ。あの女は本当に魔王を倒した勇者であるぞ』とかなんとか口にするのだが、、はい?いや、、俺男だから、確かにこの世界に来てから、あれだけ力も増してはいるけど。

『なにいってんのよあんた!隼人君が倒したんでしょ!私を助けてくれた時にあの人があの悪魔を打ち破ったんじゃなかったのよ?』

『いやはや、わしが間違っておるわけないのじゃが。まあどちらにせよ無事でよかったの。隼人君や。今日はゆっくり休むがいい、また明日話そうではないかの』そうして俺はその場から離れ自分の部屋に戻り一眠りすることにした。その途中で俺はふと、花恋が言ったあの人のことについて考えてみるのだった。そして翌日になって起き上がると。花恋が俺の部屋の前で待っていたようで『朝ご飯作ったの!一緒に食べよ』なんて可愛いこと言ってくれたものだから、その可愛さに俺は胸を打たれて思わず抱き寄せてしまい。

そのまま口付けをしてしまったのだが、花恋も受け入れてくれて、俺と花恋はその日一日を共に過ごしたのであった。

〜第1章完〜 俺達は無事にあの場所から抜け出して街まで戻ってくるとギルドに向かって依頼を受けることにした。受付の人は昨日のおっさんではなく別の人で、とても愛想の良い人だったが、依頼内容を聞いた途端、怪しげに微笑み俺達の方を見た気がするが、俺は見ていないことにするのであった。

俺達は薬草採取の依頼を受けることになったのだが、どうやら薬草のある場所は街の郊外にあり。

徒歩で向かう必要があったので俺達はまだ傷が完全に治っていないので、回復魔法を使ってくれたりしてくれた受付の人に別れを告げると外に出て行くことにした。花恋も俺と同じであまり人目に付くのはまずいと分かっているのか俺の後ろに付いてきたので、俺は花恋を守るようにして街中を歩いていく。

『ね、ねえ。隼人君は大丈夫なの?無理しないで?』

『あーうん、全然問題無いんだけどね。でも今はこうしておかないと花恋が俺とデートしてることバレたら大変だろ?』『そ、そうだよね。うん、ありがとう。隼人くん』

花恋と二人で歩いていると、たまに俺達は周りからの視線を感じたがそれは花恋に嫉妬してのものだと思うから特には気にならなかったが、それよりも俺は花恋に聞きたいことがある。

『ねぇ花恋、俺達は恋人になった訳だけど、これからの事を話してもいいかな』俺が花恋に問いかけると花恋は頬を赤らめながらコクリと小さく首を動かしたので俺は続けて花恋にある提案をすることにすると。『俺はね、いつか、、元の世界に戻ろうと思っているんだよ。花恋だってそう思ってるだろ?だから、それまででいいから、この世界のことをよく知る必要があると思うんだ。俺と一緒に色んなところに出かけて欲しい。どう、、かな』

俺の提案に花恋はとても喜んでいたように見えた。俺はそんな花恋の手を握ってあげると彼女は恥ずかしそうに手を振りほどくと『も、もう!そんなに照れないでってばぁ!』なんて言われてしまったので俺は笑って誤魔化すことしか出来なかった。それから俺は、この世界で生きていけるように努力しようと思う。そのために、俺は強くなる必要があると俺は確信しているんだ。

それから数時間が経過し、ようやく目的地の薬草が群生している森に到着することが出来たのだった。

「うっわぁ、凄いなこれ」俺は思わず感嘆の声を上げてしまうほどこの場に生えている草は青々していて。見ただけで効果がありそうなほどに立派なものだった。俺と花恋は早速その辺に自生していた薬草を一株抜き取ってそれをポーチの中に入れると次を探しに行こうかとしたところで、花恋が何を見つけたのか突然走り出したのである。

俺はそれを見て追い掛けることにして、その先で花恋が何かを発見したらしく『隼人君、隼人君見てみて!!』と興奮気味に声をかけてきた。俺はその先を覗き込むと、そこにいたのは、ウサギの魔物であったのだ。俺が以前討伐したことある魔物と姿かたちが酷似しているが。その魔物のレベルは20ほどでありかなり強い魔物だったのを覚えているが。俺には関係ない、花恋を守るためならばこのくらい容易いことだ。そう思っていたが。花恋が俺の制止を無視して飛び出していったのであった。そして、案の定、花恋はその兎の攻撃を受けてしまい。吹き飛ばされてしまっていた。

『ぐ、、ッ、、、』俺には今の花恋の気持ちを理解することが出来ない。俺は、花恋が危ない目に遭っている姿を見ていても立ってもいられずに花恋の元に行くことにした。そして俺は、花恋の元へ駆けつけようと駆け出そうとした瞬間だった。目の前にあの時の黒い物体が現れ。それは次第に大きくなり。そして、人型に変化していくと、俺は思わず身構えてしまった。こいつはやばいと思ったからだ。そんな俺の思いを知ってかしらずか、人型の黒い奴は俺を睨むように凝視してくるのであった。俺はどうにかこうにかその場から離れることに成功したが、それでも俺の心臓の鼓動は激しくなっていくばかりで、冷や汗が流れ落ちていくのを感じていた。そして花恋に近づこうとするが、花恋の近くにはさっき俺を襲ってきたあの巨大な魔物が居るせいなのか花恋に近づけない。それにあの人型の化け物は一体なんなんだ。なんであれほどの威圧を放つことが出来るというのだ。そんなことを考えていると。『グガアァァ!!ニンゲンメエェェ、シネ、オレガコロシテヤル』そう口にしたあの化け物が腕を振るい攻撃してきたのを間一髪のところで避けることが出来ていた。それからは何度も攻撃を繰り出してくるあの黒っぽいのだったが、花恋にだけは当たらないような立ち回りをしているようで、それがまたもやイラっと来た俺は花恋を助けようとすることにした。だがしかし、花恋は一向に助けて欲しそうではない。むしろ俺が危険に晒されて、俺を心配しているように見える。どうしてそこまでするんだ花恋。そしてとうとう花恋は俺の前に出てきてしまい。あの黒い怪物の餌食になる寸前のところである人物が介入してくれたおかげで花恋は事なきを得たが、花恋を助けたのは、まさかあの男とは、思わなかったのだ。俺はその後、花恋をギルドに送り届けた後、あの男と少し話すためにあの場所に再度訪れることにしていたのだが、俺があの場に着いた時既にその男は居なかったのであった。それからは俺の足で花恋を送り届けてあげることにしたのであった。道中、花恋の機嫌がとても悪かったのだが俺はあえて何も言わずにいたのだが、その花恋の怒りの矛先はなぜか俺に向けられており、家に着くまでの間中。ずっと俺を睨みつけてきて俺の胃を痛めさせてくれるのであった。

「はあ〜なんか嫌な予感がするのよね〜」私、神崎綾香はそう口にしながら学校への道を歩いていった。私がこんな風に考え込んでしまった理由は至極単純。ここ最近私は毎日のように夢を見るようになっていたからなのである。その内容というのも私の幼馴染である天川隼人くんに関するもので、その内容は毎回同じ。私の視点から始まり彼が死ぬ直前に目を覚ますというものだった。これが偶然であるはずが無い。絶対にあの男の差し金だと思うんだけど、彼は一体何の目的で私達に干渉してきてるのだろうか。それに花恋も花恋で彼に異常な程懐いているし、花恋にはあんな男の側にいないで欲しい。あの子だって本当は普通の人生を歩めるはずなのに、全てはあいつのせいだ!私はそう思いながらもいつも通りに登校することになったのだがそこで私はあるものを発見する。あれ?あの後ろ姿は、、隼人君じゃない?私に背を向けているためその容姿までは確認出来ないのだがその歩き方といい雰囲気を醸し出している背中を見間違える筈がなかった。私はすぐさま後を追いかけると。隼人君はとある一軒家の前まで行くとインターホンを鳴らしたのであった。私は隼人君と仲良く喋っている女の子を見て驚きのあまり口をあんぐり開けてしまいそうになったが、そこは堪えることにした。そしてしばらくすると隼人君はどこかへと消えていき。私もそれを追う形で移動を開始するのであった。そしてその途中私はスマホを操作してとある人物に連絡を取ろうと試みることにしたのであった。そしてその人物は電話に出てくれた。

『おぉー久しいのぉ、それで、用件は何じゃ?』と聞いてくるのは私の祖父であり。元総理大臣でもある。この国の最高権力者にして裏の世界で生きることを決断してしまった人間の一人である。そんな彼に対して私が電話をかけたのは隼人君のことについて聞きたかったからである。私は彼の身に何か起きてるかもしれないと思い。そのことを相談するために電話をしたというわけなのだ。『実はね、私の幼馴染である。あの人がね、どうやらこの世界のことに詳しいらしいのよ。だから一度その人に会ってみたいと思っているんだけど』『ふむ、なるほど、、わかった。あやつならすぐに見つけられるじゃろう。それとのぅ、あやつが今いるのは確か日本という国だとか言っておったかの?そこがお前さんの言う場所に近いぞい』

『え?日本に?そんなにこの国の人達はみんな日本に住んでいるっていうの?』『いや、流石に全員が日本人と言う訳ではないのだろうが、少なくともそういった連中は少なからず日本にはいるじゃろうな』

祖父は何故か日本の人たちのことをやけに詳しかった。そして、祖父は隼人君は日本に帰ってしまった可能性が高いとも言った。隼人君はこの世界がゲームの世界だと思っていた節がある。だから帰ろうとしていたんじゃないかな。と私は考えると、まず最初にやるべきことは。花恋を説得しないといけないと思う。このままではきっと花恋も危ない目に遭う。花恋がこの世界に来た理由を考えると恐らく隼人君が原因だと考えられるが、花恋を救ってくれているのは隼人君のおかげだと思うんだよね。でもやっぱり許せないのよねあの男のことに関しては、私の親友の花恋を傷付けるような行為は許されないから、必ずとっちめてあげるわ。と心に誓ったのである。

それから数日が経過した頃、俺はある依頼を受けることになった。その依頼内容は、王都から南西に行ったところにダンジョンと呼ばれる魔物が大量に生息する空間が発見されたというものだ。そしてそこには多くのモンスターが存在し、中にはレベル100オーバーも確認されているため、現在冒険者達で編成されたパーティーが複数組で調査に乗り込んでいるのだが。どうやら思った以上に苦戦しているようだとギルド職員の人が説明してくれていたのである。俺はその話を耳にして是非参加したいと名乗りを上げた。そしてそれからしばらくして俺はついに王都を出て南西に向かって出発をすることが出来たのである。道中何度かモンスターに遭遇することがあり。それらを俺は剣技を駆使して難なく倒していったのであった。そして遂にダンジョンが目と鼻の先に存在する所まで到着することに成功した。俺はその光景を見て愕然としてしまう。それはそうだ。なぜならそこに広がっていた光景は、まさに地獄絵図と呼ぶにふさわしい惨状が広がっていたからだ。そしてそんな場所に立っている俺を見つけたモンスターがこちらを視認するなり攻撃を仕掛けてきた。俺はそれをひらりと回避して。そいつを真っ二つにした。

「よし」俺はそれを皮切りにして周囲の敵を殲滅していき。ようやく俺は最深部と思われるところに到達すると、その中心部にて。俺を襲ってきたのと同じ姿をした魔物達が戦っていたのであった。そしてその中に俺は花恋の姿を発見し。その花恋が今にも殺されそうになっていることに俺は気が付き、咄嵯の判断によって俺の体が動いていく。そして、花恋を襲おうとしていた敵は俺が倒すことに成功し、その後ろにいた他の敵の気配を感じ取った俺だったが。もう俺にはこれ以上この先に行かせないと言わんばかりに魔物達が立ちはだかってきてしまい。俺はそれらと戦うしか道はなかった。だが。俺の攻撃があまりにも効きすぎてしまい魔物達はあっという間に俺が倒した数を上回る勢いで増え始めていく。俺は一旦引くことにしたが。俺は気が付いたら意識を失い。再び目を開けた時には既にあのダンジョンの中に俺は戻ってきてしまっていたのだった。

だが、俺がこうしてまたあの地獄の奥地に戻ってくることができてよかった。だってまたあの子達に会えるんだもん。そして俺は早速ダンジョン内を探索することにした。

だが、俺はこのダンジョン内にとんでもない存在を見つけてしまうことになる。それはなんとあの花恋と一緒にいた少女の姿をした精霊がダンジョンの最下層に存在しているということがわかってしまい。俺が急いで駆けつけると彼女は、、いや彼女じゃないんだが。まぁ便宜上そう呼んでおくとして俺が駆けつけてみれば、どうやらその子は一人であの魔物と戦っており。俺はすぐさま助太刀に入ることにしたのである。

だが、やはり俺だけでは力が足りないようで。俺の体には無数のダメージが入っていくのだがなんとか耐え忍ぶことには成功した。しかし、あの魔物はそんな隙を逃すわけがなく。俺は攻撃をまともに受けてしまったのである。その攻撃はかなりの威力を誇っていたので俺の体はボロボロになってしまった。だけどそんな俺の決死の奮闘のおかげで何とか勝つことができたのだ。そして俺がその戦いで消耗しきっているところであの子が駆け寄ってくるのが見えたが、俺が意識を失ったことで。あの子の呼びかけは聞こえなかった。

俺は目を覚ますと。目の前に花恋が立っていた。どうやら俺は花恋に膝枕をしてもらってるみたいで俺はなんだか恥ずかしくなってしまって顔を隠して寝ているフリをすることに。それから花恋が何かを口にしようとした時。突如、花恋の背後に何者かが現れた気配を感じた俺はとっさに花恋に声を掛けて庇うようにして俺が盾になるように前に出た。

「大丈夫ですか?怪我はない?」

俺の視界に現れたその人は女性で年齢は花恋と同じくらいだと思うんだけど、、、、あれ!?その人どこかで見たことがあるぞ、どこだ? 俺はそう思いながら必死になって記憶を探るがその女性が誰かを思い出すことは出来なかった。すると花恋はその女性の方に歩み寄り何事かを耳打ちするかのように話を始める。どうやらあの人の正体を教えてくれてるみたいだな。

「は、隼人君、どうしてそんな、嘘、だって、だって、そんな、まさか本当に、、。え?あ!す、すみません!私は神崎綾香と言います!」と女性はそう口にすると。急にあたふたとし始めて自己紹介をし始めた。

そして彼女が言うには俺に会いたいという人がいてその人の案内で俺はここまでやってきたんだとかで、それでここに来れたって言ってたけど一体誰のことなのかさっぱり検討もつかないんだけど。

「あなたと直接会うのはこれが初めてのはずですが。何故私のことを?それとここに連れて来てくださったという方とはどちらにいらっしゃるんですか?」と疑問を投げかけるとその女性から信じられないことを言われてしまう。その人物というのがこの国の元国王様だというのだ。

そんなことがあり得るのかと思いながらも実際にこの場所まで来た以上信じるしかなかったので。取り敢えずお礼を言おうとした矢先、突然俺が持っていたスマホから着信音が鳴ったのであった。このスマホが鳴るだなんて思ってもみなかったので。かなりビックリしたが通話ボタンを押したらいきなり電話の向こう側の相手が大声を出して叫び出した。そしてそれに驚いて思わず通話ボタンを切ってしまったのは致し方のないことだろうと思う。それからしばらくしてまた鳴り響く着信音、俺は諦めて再度出ることにした。「はい」『お主!!!今までどこに行っていたのじゃ!!!わしがどれほど心配していたと思っておる!!?』と怒られたんだけどどういうこと?そもそも電話を掛けてきた時点で普通わかるよね?って思うわけで「すみません、でも、今どこにいるか知りませんか?」『なんじゃとぉー!?まさか、お主、、、。おぉーわかった、そういうことなのじゃな。ならわしもお主に会いに行くことにするとしよう』と言って勝手に電話が切られてしまい、、。えーーーっと、うん、もう、、、、よくわかんない。

俺と花恋とあの子は何故か一緒に行動することになった。なんでも花恋がどうしてもって言うから断れなかったんだ。俺は仕方なく了承したという感じなのだがあの子が嬉しそうな顔をしているから別に良いかな?と、思ったりしたんだけど。

そして俺と女の子三人が仲良く会話しながらダンジョンの中を進んでいくと遂にその目的地と思われる場所に到着したのだが。そこには俺達が求めていた光景があったのだ。そしてその目的の人物と思われる人と俺達の前に現れたのは一人の少年であった。見た目は俺よりも少し幼い印象を受けつつも。どことなく大人の色気が醸し出されているような雰囲気の少年は俺達に挨拶をした。そして彼は自分が元勇者だと名乗ってきて。そして彼が俺に対して謝ることがありそれを謝罪したいと。その言葉を耳にして俺はすぐに謝罪を受けることに決めた。

「わかりました、許しますよ」俺は彼を許した、まぁ特に悪いことはされていないのだし。俺は彼を信用できると判断してから俺は彼にお願い事をした。

それは俺にこのダンジョンの最下層まで送ってくれないか?というものだったのだが、その依頼を引き受けた隼人は快く引き受けてくれる。だがその道のりは決して楽ではなく。途中で多くの敵に遭遇してしまう。俺は花恋を守りながらそのモンスターを倒し続けていく。そしてついに俺は目的の場所に辿り着くことに成功した。俺はそこであの人に再会したのだ。

俺はこの異世界でようやく巡り合うことができた懐かしい顔に思わず笑みを浮かべていた。だがそれと同時に俺の中に沸々と込み上げてくる怒りを抑えきれなくなりつつあった。俺はこの世界で俺の家族である真白さんと妹の美桜ちゃんがこの世界の人間から奴隷にされ酷い扱いを受けているという事実を知ってからこの世界に存在するすべての人間が許せなくなっていた。俺は、そんな俺を見て何かを感じ取ったらしい二人が恐る恐る俺に声をかけてくるのだが俺の怒りを静めるには至らなかったようだ。

それからしばらくして俺は二人から話を聞こうとするが二人はなかなか話そうとはしない。俺は無理矢理に二人の心を暴き出して無理やり情報を開示させることにしてしまった。

そしてその内容を耳にした俺は、そんなことがあったのかと納得しつつもそのことに一切気が付けなかった自分自身の不甲斐なさを感じて情けなくなってしまった。だがそんな時。俺にチャンスが回ってきたんだ。それはこの場においてあの人から受けた言葉。

俺のスキル《神速》を使って俺の能力の底上げをしてみる気はないかという誘いを受けて俺に断る理由は何一つなかった。俺にできることがあれば是非手伝わせて欲しいと思ったからな。

俺がこの力を使えばこの世界を壊すことも出来るだろうとこの人は言う。確かにそうだ、だけど、俺はこの世界を簡単に滅ぼしてしまうのは良くないんじゃないかとも考えたんだよ。だけどあの人はこう口にする。お前にはこの世界を壊すことが簡単だからこの世界の人間を救わないのではないだろうなと、、、。俺はそれを聞くと。やっぱりそれしかないんだなと感じざるを得なかった。俺はその話を聞き終えると。俺はあの人に向かってある提案をする。

俺はまず俺が元いた世界に帰りたいと言った。そして俺はその願いを叶えてもらえるなら何でもしようと伝えたところ、どうやら問題なく可能とのことで。その対価としてあの人は何かしらの条件を提示する。

それは俺を召喚した際に使用されたであろう魔法陣に干渉して元の世界への扉を開いて欲しいというもの。そしてその見返りとして、元いた世界での生活を支援するという条件を提示されたため承諾することに。そして俺は無事に元の世界に戻ってくることが出来たのだったのだが。その際なぜか俺だけ取り残されてしまうという結果になってしまい俺は一人でダンジョン内に戻って行くのだった。

私は高坂花恋、私のお父さんはこの世界を救うために魔王と呼ばれる者によって殺されてしまったんだけど、その魔族の手によってお父さんと同じ勇者の称号を持つ者が次々と姿を消していっていることが最近分かったんだ。そんなことをする魔族は絶対に許せないしこのまま放っておくことも出来ない私はそう決心する。だけど私がそんなことをすればきっと私を良く思っていない連中が動くかもしれないし。最悪私の家族にまで被害が出る可能性を考えるとどうにも動けなかったんだけど。

そんなある日、私はいつも通り学校で勉学に励みながら帰宅をしていたところ。突如現れた男性によって謎の光に飲み込まれてしまったことで。意識を失ったかと思うと知らない空間に立っていた。どうやらここはあの時の部屋とは違うようでそこは綺麗な庭園がある大きな建物の中の部屋のようで私は誰かが入ってくるまでそこに待機することになった。しばらく時間が経過すると私の目の前に突然現れてきた少女。彼女は私の目の前に立つと「初めましてお姫様。私は女神をやっている者です。突然でごめんなさいね、でも貴女は今、非常に重要な存在になります。なのでどうかこの私のお願いを聞いてください」と言われてしまうが当然のように私は断った。

「そんな!困ります!!いきなり来てなんですか!?そんなことをいきなり言われても、私はお断りさせてもらいます!失礼しました!」そう告げると私は彼女の前から立ち去る。だがその後を追いかけてきてはしつこく話しかけてくる彼女にとうとう私は根負けし仕方なく協力することになってしまった。だけど、その時、あの人が助けに入ってくれて。そして私を庇うように戦ってくれているんだけど、その相手というのがあの人よりもさらに強力な魔物だったみたい。私はどうすることも出来ずにあの人の身を案じるしかできないのが本当に歯痒かった、だってあの人より強いって相当なものだと思う。私はあの人を救いたくとも何もできずただ祈って見ていることくらいしかできなかった。

でもあの人の実力が凄まじいもので。瞬く間に相手の命を奪う。するとその倒した相手をあの人は回収するとこちらを振り向いた。そして私を見つめるなり笑顔を浮かべて近づいてくると「花恋大丈夫かい?」と声を掛けてくれたんだけどその声音はとても優しいものだったから私はその優しさに泣き出してしまいそうになった。

その瞬間。突然私の体に変化が訪れた。その変化が何か?というのは分からないんだけど体が熱くなるという感覚を覚えた。その感覚はまるで私の身体が燃えているかのような感じでとても不思議な感じだったんだけど。それと同時に自分の能力が向上したような気がしてならない。そして次の瞬間にはまたあの人が魔物と戦い始めるけど。今回は前回と違ってすぐに倒してしまうのでは無く少し時間をおいて戦い続けていたの。その間に私はあの人から事情の説明を受けるんだけど。

その内容は正直信じられない内容ばかりだったの。そして説明を受けた後に。私の身にとんでもないことが起き始めた。

それはさっきの体の熱さから今度は全身が痛み出し、さらには激しい頭痛に襲われたのだ。あまりの痛さに私は倒れてしまいそうになるとすぐに抱き留められた。

「大丈夫か花恋!!」俺は心配で仕方がない。

そしてその俺の行動のせいで花恋に更なる悲劇が襲い掛かることになる。それは先ほど倒したモンスターを回収した時に起きたのだ。突如俺の手の中から眩い光が発せられその光の先に見えたものは、俺が倒し、アイテム化させていたはずの魔族の姿が映し出されていて。そしてそれは驚くべき事実であった。その映像の先に映っていたのは花恋のお母上であったからだ。

だが俺が見た限りではその女性は俺がこの手で確かに殺したはずだ。それに俺は今、確かに彼女を抱きとめている感触もしっかりと伝わってきていた。だがその現実に目を疑うことは間違いではなかった。

俺の手に握られている魔剣。それはあの女性の形をしており俺に語り掛けてきたのだ。その時に俺は気がついた。俺の中に別の人格が存在しているということを、その俺の人格はあの男であり。そしてそいつは俺が持っているあの女性が身につけていたアクセサリーから出てきたんだ。俺は咄嵯に理解しそして確信する。俺に新たなる敵ができたことを。そして俺は奴と話をつけに行こうとするが俺に襲いかかってきたあの女の子達と遭遇することになる。そしてその子達はあの女性の仲間だということに俺はそこでようやく気がつき俺は怒りを抑えるのが限界を迎えてしまっていた。

そしてその三人の少女達の心を見た俺は怒りが込み上げてしまう。あの三人は自分勝手な理由で俺のことを敵とみなし殺そうとしたことに怒りを露わにする。そしてその感情を爆発させたまま三人を戦闘不能に追い込むことに成功すると俺はその場から離れるのであった。そして、俺がいなくなったあとに三人の女の子達があの三人と同じような行動をとってしまうのではないかと思い、その未来を回避するため俺は彼女たちの心を救うべく行動を始めることにしたのであった。

俺の怒りはもう止まらなかった。だからあの三人組が仲間同士で争うことを予想していた俺は、三人が喧嘩を始めようとしたところで割り込むことにすると俺の登場により、三人共俺を邪魔者だと判断したらしく攻撃を加えようとしてくる。俺はその動きを止めるために俺はまず最初に一人に攻撃を仕掛けるが、どうやらこの三人の中ではリーダー的な子だったらしく。その子の動きで他の二人が攻撃を躊躇する動きを見せたのでまずはこっちを黙らせることにする。その隙に残りの二人が逃げないように、俺は二人に向かって風魔法を放ち吹き飛ばし拘束したのだが、この二人に関してはそこまで強くなかったので問題なく対処することが出来た。これで残るはリーダーだけだ。

俺は残った一人目の子を無言で殴り飛ばすともう一人の子が俺に飛びかかってきた。だけどそれを俺は避けると同時に蹴りを腹部に入れてやる。そうして残りのリーダーを片付けることに専念している最中。俺はあの人に頼まれていたことを思い出していたんだ。俺はあの人にこの場にいる全員を助けてくれと言われたのを思い出す。だけどそんなの俺には到底できるとは思えなかったのである。だが、俺の中には怒りの感情が芽生えてしまっていることに気がつくと、その矛先が無意識のうちに俺に牙を剥き始めたのだった。俺は怒りに任せてこの世界の者達を壊す気満々になっていた。だから俺はあの人達に止めを刺すことにして最後の一人に向き直ると、、。

だけどその必要はなくなった。あの人が姿を現して、俺に何かを言いたい様子だったので俺はとりあえずこの人に従う振りをすることに。俺はこの人の指示に従いながら。俺を怒らせたあいつを仕留めることにすると、俺が放った《光柱》によって、あっさりとその人は死に。そしてあの男は地面に伏してしまう。俺はすぐに《光矢》を使い、あいつに致命傷を与えようとしたがどうやら俺はスキルが使えなくなってしまったようで上手くいかない、それにしてもおかしいな。どうしてスキルが使えるようになっているんだ。スキルの使用方法が変わったのか、もしくはこの世界でなら使用が出来るようになるのか、どちらにせよこれはチャンスだと思った俺は、すぐさま《闇刃》で斬りかかると。それは見事に命中。俺に反撃を試みたみたいだったが俺は素早く避けてそのまま逃げる。その途中であの人の意識が途切れてしまったようだ。俺の視界はあの男の意識に支配され、俺ではない俺は何かを探すかのように移動を開始していったのだった。

それから暫く時間が経過した頃に俺は意識を取り戻したが、なぜかあの人と連絡がつかず。俺は一人で行動する羽目になったのだが、何故かあの人が持っていた魔道具であの人のいる場所は特定できてしまうのでその魔石を使って居場所を確認しつつ探索を行う。だけど一向にあの人の姿を見つけられずにいた。

あの人が俺に指示を出してくる時はいつも近くにいるのに今日はいないということはあの人が何らかのトラブルに見舞われているということなのか、それともこの世界に来ていないだけなのか、そんな不安を抱えながら捜索を続けていたその時、あの男が意識を取り戻す瞬間に立ち会ってしまう。そうするとその途端、あの人の意識が再び途絶えたようで再び意識を失った。そのことから察するにあそこにはあの人だけしかいないということが分かる。

「あの野郎!!よくもよくも!!!花恋を!!!許さねえ!許さねぇえぞ!!!」と、俺は思わず叫んでしまう。するとそこに現れた俺以外の人物。そう、勇者と名乗る少女が。

「お前がやったことは犯罪なんだ。そんなことも分からないなんてやっぱり異世界人はクズだね。いい加減現実をみなよ。君はこの世界にとっては異物でしかないんだからさ。まぁ君にこの世界での居場所があるとも僕には思えないし。これから先、生きていけると思う方がおかしいと思うけど」と言って俺の目の前で転移装置を起動させ。そして、俺に告げた。「君みたいな犯罪者にはお似合いの罰を与えてあげることにしたからね」そう言うと少女は姿を消してしまった。

残された俺は呆然とすることしか出来なかったが。俺はそれでも怒りの収まらないままに、あの人が最後に告げた言葉を実行に移すため。そして俺の手で俺の花恋に危害を加えたあいつへの復讐のためだけに動き出す。まずはあの人の場所に向かうために魔導士の女の元へと向かうと、あの人の気配を探るとどうやら俺がいたあの家にいることが分かった。そして女はどうにも体調が良くないみたいで苦しんでいる様子だったので俺はその女の症状を調べることにすると、俺が触れたことにより。俺の中の力が反応したのを感じ取ることができた。どうやら俺は、この世界の人間に対してであれば触れるだけで相手の状態を調べられるらしいな。そして俺はあの男にも同じことが起きているのだろうと予測する。なのでその点も踏まえた上であの人がいる家におじゃましてみた。だがその部屋には誰の姿もなく俺だけがその場に佇んでいたのであった。

「くっそがぁああああ!!!どこに行ったんだあいつはぁああ!!」

俺はイラついた気持ちのまま、部屋にある椅子に足を乗せるとそれを勢い良く蹴飛ばすと。椅子は大きな音を立て壊れる。それを確認した俺はあの人が使っていた魔導具が置いてあった机に手を置くと。俺はあの人が残していったメッセージを確認することにしたのだ。そしてその内容に目を通した俺は怒りが抑えられない状況になっていく。

「クソッタレがァアア!!何が神は乗り越えられない試練は与えんってか!!俺にこんな理不尽な運命を与えるような神はこの世に必要ないと思わないか?」と、俺はその怒りをぶつけるべく、俺は壁に何度も何度も拳を打ち付けると、壁が崩れ去りその瓦礫が辺りに飛び散ってしまう。だがそんなのはお構い無しに俺はただひたすらに怒りに身を任せる。

俺は、自分の中に存在する別の人格に問いかけてみることにした。だがしかし、この世界ではその別の人格はスキルが使えないようだ。だがその代わりに俺は別のものを手に入れていたのである。その力は《強奪》だ。俺は試してみたくなったので、早速奪力で手に入れた力で目の前に浮遊しているアイテムボックスに干渉してアイテムを取り出してみることにする。そして出てきたのは、どうやらアイテムバッグのようなものだったらしく俺はそれを手に取る。その中身を俺は確かめるために手に取ったのだが、その見た目とは裏腹に大量の金が入っていて俺は非常に驚いた。まさかとは思うがこれは。俺はあることを確信した。

この世界に来てから俺が手に入れたこの謎の力。それはおそらくではあるがこの世界を支配するための能力ではないかと予想する。

「まさか本当にあの神様が言っていたことが真実だとでもいうつもりなのだろうか?もしそうだとすれば、とんでもない化物がこの世界に解き放たれたことになるがな。だが今はそんなことを考えている暇はない、俺はあの男を探し出して殺してやる、、そしてこの世界に俺が俺のままで存在するために、、」

私は、自分がどうして生きているのか不思議に思っていたんだよね。だってあの日私は死ぬはずだったんだよ。私のせいで。私がもっと早く行動を起こしていればよかったんだってずっと後になって後悔することになった。だけどもうそれも後の祭り。私は結局最後まであの子を救うことができなかった。私の家族を奪った男の子の幼馴染だった女の子は、とても優しい子だった。あの子は昔からいつも他人のために行動を起こすことが出来る女の子だったのを今になって思い出すと懐かしい気持ちにさせられてしまうんだよね。

その昔、あの子に救われたことのある女の子の親が私の職場に助けを求めてきて。それでその子がストーカーに付き纏われていることを相談してきたのがきっかけで、その子に危険が迫っていることが発覚した。だけどその頃の私は仕事に疲れ切っており。その問題を解決しようとしなかった。だからその女の子に何もできないままその子は亡くなってしまった。だからその事件の犯人にはとても強い憎しみを抱いているんだと思う。

それからというもの、その子の家族には大変なお世話になり。私はなんとか立ち直ることができたんだ。だから私は少しでも多くの子供達を助けたくて、教師の道を選んだんだけど、まさかそこで再会するなんて夢にも思ってなかった。

その少年はあの事件が起きる前の彼だった。彼は、自分を犠牲にしてでも誰かを助けようと動く、とても優しく、そして正義感溢れる子供だったんだ。あの子の両親から聞かされた話によると、その事件が起きたのはあの子が小学一年生の頃のことだったらしい。その時はまだ小学生だったはずのその少年は、その当時高校生ぐらいだった男性二人を返り討ちにして警察に逮捕させたという過去があったらしい。

その少年は警察に連行されても反省の色は一切見せずにむしろ逆ギレをしてしまい。最終的には刑事に向かって襲いかかろうとまでしたそうなのである。だけどそこを救ったのが私の知り合いであり親友でもあった、彼女、神崎彩華である。彼女の両親は警察の人間だったみたいで。その時は、まだ中学生でありながらもその実力で当時の上司の目に止まり異例の昇進を果たした天才児として有名な存在となっていた彼女がその事件現場に駆けつけると、瞬く間に事件を解決してくれたおかげで、被害者も加害者も、一人の命を奪うことなく事件を解決することに成功したのだ。だけどこの事件は大々的に公表されることはなく、あくまでも秘密裏に処理され、そしてこの事件を起こした二人の青年には厳重な処罰が下された。だけどその事件で助かった少女は命こそ奪われなかったものの心に深い傷を負ってしまい。心療科に通うことを余儀なくされてしまったんだ。そんな彼女は、事件以降、あまり学校には行かず。自宅で引きこもり生活を強いられることになったのだという。その話を聞いていた時、なんであの子が学校に行けなくなってしまったのか。それはその事件の被害者の遺族が原因だったということに私はすぐに気がついてしまったんだ。

そんな彼女に同情した私の旦那さんは彼女を励ましてあげたいと色々と手を尽くしたらしいが効果はあまりなく、ついには不登校気味になっていた。そしてそんな日々が続いていたある日、突然、彼女が私に泣きながら電話をかけてきた。その電話を受けたのは私だけではなくて、その当時は結婚していた旦那もいたのだが。あの子とは面識がなくどうしていいのか分からずにいたのだろう、だからこそ私はあの子をどうにかしたいと思った。だけどどうやって?と思った時に、あの子のことを気にかけ続けている友達がいたというのを思い出すと。すぐさまその子の連絡先を調べることにしたの。そして調べた結果。どうやらその子には娘がいるみたいなのだが、その子が住んでいる場所を聞いてびっくりすることになる。なぜならその家は、以前あの子が亡くなった現場と同じ地域にあったからである。どうやらその少女はあの時の事件を鮮明に覚えているようで、自分の娘のことがとても心配になっているらしい。なのでそんな話を聞けば尚更、放っておくわけにはいかないと決意すると、私は旦那に相談を持ちかけたのである。

そしてその結果。旦那がその少女の家に訪問することに決まったのだが、問題はその後だった。あの子は今までずっとその事件について触れられないように過ごして来たはずなのに。少女はあの事件を忘れていないようであり、そしてあの事件は、実は少女の命が奪われたことで幕を閉じたのだということを聞かされることになると。私は怒りを抑えられなかったのと同時に疑問を抱くようになった。その少女に何故、本当の事を語らなかったのかと。

そして、私は少女の自宅に向かい。彼女と顔を合わせると、どうにも話が噛み合わない。それは当然のことだと思うけど、少女は何故か私があの事件について何か知っていると思っているようだったのだ。だけどそれは無理も無いことであると思いながらも。まずはこの誤解を解くことにした。そしてようやく落ち着きを取り戻すと。少女はようやく私の言っている事を理解してくれたようなのだ。そして私がその事件のことについて、詳しいことを尋ねてみて、その内容について詳しく教えてもらうことに成功したのだ。その話を纏めてみると。

まずは事件の主犯は女性ではなく男性であったこと。

そしてその男性が女子高生に一目惚れをして交際関係に発展したということが事実だということを知ったのだ。そしてその二人は高校を卒業とともに結婚する予定にまで至っていたのだが、相手の女性は妊娠していることになかなか気づけずにいたせいで相手とトラブルを引き起こし、そして結果的にお腹の子供が亡くなってしまうという悲劇に見舞われたとのことだ。その男性は相手の女性のことも深く愛しており、また子供を授かることができず、不妊治療も行って来たそうなのだけれどそれでも成果が得られなかったということだったのである。

そしてその件が原因で相手の女性が自殺未遂を図ったことが、最終的に事件を大きくしてしまう結果となったそうだ。だがしかしそれでもその男は諦めきれず、ストーカー行為を何度も繰り返して相手を精神的に追い込むといった卑劣なやり方を繰り返し、ついに殺人事件へと発展させてしまったという顛末なのである。しかもその事件をきっかけにして、その男の本性が世間に露見することになった。というのもその男が犯行に至った理由は。その女に恋焦がれ、自分の思いの丈をぶつけてやりたくて、我慢が出来なかったというのが大きな理由らしい。

その女の人にはすでに恋人がおり、結婚を控えていたということを知っていながら、それにも関わらずしつこく交際を求め続けていた。しかし女の恋人はそのことを許せず。そんな男の行いに嫌気がさしてしまったのか。その男の目の前でわざと階段を踏み外して見せた。そしてそのまま男に助けを求めるように腕を伸ばし、自分の身を守ろうとしたのだった。だがその行為は、あまりにもタイミングが悪すぎた。男はそのまま女を突き落とし、さらに頭を打って死んでしまった彼女の遺体に向かって何度も何度も刃物を振りかざした。そして最後には男も後を追うようにして自ら命を絶つことになるのであった。その事件が公の場に晒されたのは、それから一ヶ月後のことだ。つまりはその事件が起きるまではその出来事を知らなかった人間は、被害者の女性も、ストーカーの加害者の男も皆、この世から消え去ってしまった。ただの事故死という扱いにされて、この一件は闇に葬られることとなったのだ。しかしこの事件の被害者となった女は一人っ子だったため。その事件が引き起こした不幸により天涯孤独となり、親戚の家を転々として生活を余儀なくされたのだという。

それからしばらくして、少女が通う学校のクラスに一人の男の子が現れたそうだ。それが高坂くん、あなたなんだよ。その男の子の名前は坂下雄介と言い。この子に関しては、あの子の父親が亡くなった事故の原因を作り出してしまった元凶の一人でもあった。彼は、その当時小学生だったにもかかわらず既に柔道黒帯の持ち主でなおかつ頭脳明晰だったことから同級生からの評判もよく。教師からも将来有望であると期待されていたほどの優秀な男の子だったというのだ。そんな彼の評判が一変してしまうきっかけを作ってしまった出来事があるのだが。彼が小学四年生の頃に起きた、あの事件こそがこの一連の事件に関わってくるのである。その事件とは。

当時小学生だった坂下くんがクラスメイトの男子数人に虐められていたのを目撃してしまうと。すぐに止めに入ろうとしたらしいのだが。その時はまだ体が出来上がっていなかったことから逆に反撃を食らい、その現場を目撃した女の子達によって先生に助けを求められたことにより。学校側からその男子生徒は退学処分を下されてしまったらしい。それもそうであろう、何せ相手は大人数のいる前で、大人相手に喧嘩を売り返り討ちに遭った挙句に、その女子生徒たちを人質に取ったと、教師たちに訴え出たらしく。結果彼は学校を辞めるしかなくなるほどまで追い詰められてしまったのだとか。

そんな彼に同情した私の両親はなんとか彼を救い出そうとしていたのだが。私の親友だったあの子もまた彼を助けるために奔走していて。だけど結局は、その行動は無意味に終わる。なぜなら、あの子がその少年と再び出会った頃には、少年の心は完全に壊れてしまい。何を言っても反応しなくなってしまったからだ。その当時のあの子の表情はとても苦しそうだった、きっと自分と重ねていたんだと思う。その女の子の両親もまた、とても悔しい思いをしているはずだと私は思うよ。そしてあの子は少年に対して何かを囁くのだが、その言葉を耳にしてもなお、少年の反応は一切無く。あの子が少年に言葉をかけてあげれば少しは心を開いてくれるかもしれないと思って話しかけるんだけど。でもあの子の言葉が少年には届くことは無かった。だってあの子は既に知っていたのだから。

あの事件が仕組まれたものだとしたら、一体誰が、あの子にこんな酷いことを行ったのだろうかと。だけどいくら考えたところでその犯人が見つかるはずもない、むしろ下手をすれば自分が加害者の立場になってしまう危険性もあったためにその可能性を考えて行動することはできなかったのだと言うのだ。

そしてあの子と少年が再び出会う機会が訪れた時。あの子は再び自分の意思を伝えたのである。あの子を責めたりしないと、その言葉を伝えようと。そして、私にはどうしていいのか分からなかった。そんな私を見かねた私の旦那は私のことを抱き寄せて落ち着かせてくれて、そして旦那さんは自分の知り合いの元に連れて行ってくれたんだよね。

そしてその人こそ。あの子が惚れ込んでいる高坂隼人君の父親でもある、私の義理のお父さんだった。あの子はあの人の優しさに触れていくうちに段々と笑顔を取り戻していき。あの人との幸せな日々を送っていた。

だけどあの子が中学生になる頃にあの事件が起きたのである。あの子が中学生になってからあの子があの男の子と出会うことはなかったはずなのに。なぜかあの子が中学生になってすぐに、あの男の子はあの子が通っていた中学校に再び現れたらしいの。そして私はそんな話を聞いた後にあの子の家にお邪魔して。そこであの子の様子を見に行ったんだ。するとそこに居たのはあの子だけではなくて、なんとそこには高坂くんの姿もあって。私はすぐに二人が再会することが出来たのだということを知るのだけど。その時にはもう遅かった。何故なら私の娘はあの少女と同じ状況になっていたのだった。

私達はお互いに情報を共有して。あの子を守ることを決めたのだ。あの子は今、辛い思いをしてるはずだ、あんなに可愛い子を放っておく訳にはいかない、そんな気持ちを抱えながらも。私は必死に堪えることにしたの。これ以上、私達が関わらない方があの子にとってはいいのではないのか?そう考えると、あの子を陰ながら見守っているだけの方がいいんじゃないかって、思ったからなんだけどね。でも旦那は私の話を聞いて、どうしても放って置けないと言ったから。仕方なく旦那の意思を尊重した結果、私も娘と同じように旦那と一緒に影ながらサポートすることにしたの。だけどそれは上手くいかなくて、、、あの子はどんどん傷ついていったの。そして、ついにあの子は事件を起こしてまでその少年のことを守ろうとするようになるの。

その事件が起きたことで娘は一時期入院をしなければならなくなり、しばらく学校にも通えなくなってしまうほどだった。その時に娘の担当医が、実は例の男の子の主治医で。そして偶然にも娘の症状についても詳しく知っておられる医者だったので。

娘の病気を治療するために娘の通う学校にやって来たというのだ。私はそれを聞かされると、直ぐにあの子のもとに向かった。

そして私が娘のそばに近寄っても何も言わず、そして無言で涙を流すばかりで、私はそのことについて触れてあげることもできなかった。その光景を見た私達はどうしようもなくて。あの子には何もできないまま、時間だけが経過することになる。そしてあの子が高校に入学してから。私の義理息子があの子の前に現れることになるのだが。

あの子が高校に入学したことで、またあの男の子が姿を現すことになる。そしてそれと同時に、あの子も事件を起こすことになり、とうとう私が守ってきたものが崩壊し始めたの。あの子は遂に我慢できずに事件を引き起こしてしまうのである。その事件をきっかけに、私の家族は崩壊してしまい、あの子とは音信不通の状態にまで発展してしまった。しかし、そんな私たちの前に突如として現れたのが、私の愛する妻であり、そして私の愛しい息子の母親でもあった、旧姓を桜宮優子という名前の女性だったのだ。

彼女の本名は桜木香織といい。彼女の夫が異世界に召喚されたことによって、私達親子の運命は大きく狂うことになった。私と彼女は、夫の失踪がきっかけで知り合い、そして恋に落ちて結ばれた。彼女の夫もまた、この世界の住人ではなく、私達の知らない世界で暮らしていた人物で。その人が異世界に飛ばされた原因というのが。この世界に古くから言い伝えられている伝承に記されていて、そのせいでその男の人は、この世界では神に背を向けた罪人として、恐れられてしまっているというのだ。

しかしそんな事情は関係なく私と彼女は互いに愛し合っていた。そしてやがて子供が生まれたのだが、夫は仕事のストレスが祟ったのか。子供を放置したまま、会社へと行ってしまうと連絡が取れなくなったというのだ。そしてその事実に気がついて慌てて帰ってきたときにはすでに手遅れで。夫と子供の亡骸はもうすでに事切れた後だったというのだ。その後の調べによるとその男の人が住んでいた家には争ったような形跡はなく、遺書なども無く。死因に関しては自殺や病死の線が極めて薄いとされてしまっていたため。事件として扱われることはなくなってしまい。男の人の遺体はそのまま埋葬され、そしてそのまま事件は解決を迎えることとなる。

彼女の夫は生前。妻のことだけをひたすら想い続けて生きて来ており。そして妻のためにも生きようと、それだけを心に決めていたというのだ。彼女の夫はその事件以来。心を病んでしまったのは確かだったが。それでも彼女は献身的に彼の看病を続け、彼の心のケアを行っていたのだ。そんなある日に私の息子が生まれてからというもの。彼女の夫にようやく元気が戻るようになり。彼は少しずつではあるが、立ち直っていったのだ。しかしそんな時だった。彼の妻は妊娠が発覚してしまい、このままでは命が危険だということになると彼は彼女を連れてどこかへ引っ越していってしまう。その後、二人は無事に結婚を果たし夫婦となり。子供が生まれることとなるのだが。そんな二人の間に生まれた我が子は女の子であった。

しかしその娘の名前は『桜宮美咲』とつけられ。その名前が示すように。生まれたその日から彼女は、ある意味。特別な力を手にすることになった。彼女が物に触れるだけで、物体のステータスを読み取ることが出来てしまうという能力に目覚めてしまったのである。これは後に鑑定スキルと呼ばれるようになるのだが。その力はあまりに凄まじく、彼女はこの国を牛耳ることができるほどの力を既に持っていたのである。だがそれを悪用することはなかった。何故なら彼女の能力は、人の感情すら読み取れるようになってしまい。他人の本音が分かってしまうために、人と深く接することを極端に嫌い、避けるようになったのだ。そのため、彼女に好意を抱く異性が現れることはほとんど無くなってしまったのだった。そんな彼女が初めて興味を抱いた相手こそが。

その少年だったのである。

私達はどうにかその少年のことを引き止めておきたいと思ったのだが。結局その願いは叶うことは叶わず。あの子がその少年に惹かれてしまった時点で、その結末は決まっていたようなものなのだが。

それから私達は少年の行方を追うことにしたのだが、それが思わぬ事態を巻き起こすことになるとは。この時は知る由もなかったのだ。

「ふむ、まだ理解が足りていないのか、ならば仕方あるまい。おい貴様、光輝のスキルについて詳しく話してみろ」

その王の言葉に私は思わず息を飲む。どうしてそんなことを聞くのだろうか、、もしかするとあの男がこの国に何かをしようと企んでいる可能性があると王はそう考えたに違いない。

確かにあの男は危険な存在であると。そう認識されても無理は無いと思える程にその男はあまりにも異質で異常で、恐ろしいまでの力を持っているのだから。そのことは私だって分かっているつもりだ。あの少年がもしその男に目をつけられたとしたら?私は自分の娘に顔向けできないだろう。あの子にはあの男だけは近づけてはいけない存在だった。それは私だけではなく他の者達も思っていたことだ。

だからその王の質問には正直に答えることが出来なかった。私は口を閉ざして黙り込む。そして王が私を責めようとしたその瞬間に、あの女の声が聞こえてきたのである。

私はあの女の方に視線を移すとその隣には何故か花恋が立っていて。私は一瞬戸惑ったが直ぐに状況を理解することが出来たのだ。どうやらとんでもない展開になりそうな気配がすると思いつつも私はあの男のことを調べることに決めたのである。あの男のことを知り尽くせばどうにかできるはずだと思っての行動だったのだけれどね。まさかこんなことになるなんて思ってなかったわよ本当に、、。どうしてこうなるわけよ一体!?私の頭は既にパンク寸前の状態ですから!これ以上考えさせてもらうとマジヤバイかもよ私!!だけどこの状況はもうどうすることも出来そうになかったからね?もう覚悟を決めるしかなかったっていうか。

とにかく私は意地になってでもこの国の王様と対話することに決めたのですよねーってそんな簡単に諦めるくらいなら最初からここに居たりしないけどね?そんな感じで私の話は続くことになってしまったのでした、、ってこれどんなオチなんだよ、、(;^ω^)

俺の名は高坂勇人と言いまして。今年の春から高校生になったばかりのピカピカッスの新入生です☆俺は昔から正義感が強かったためか。中学二年生になると同時に不良どもと喧嘩をするような生活を送っておりました。いや、まあ、あれっしょ?なんか漫画の主人公みたいに格好良くなりたかった的な?うん、今思うとかなり恥ずかしいんだが。当時の俺はかなり本気でそんなことを考えていたらしくて。そんな日々を過ごしていて中三になる頃だったかな、そんな毎日を送っているうちに気がついたことがあったんですよね。

それは、、俺は強いってことですよ。

え?何を当たり前なこと言ってんだお前って話だよな? まあでも実際さ?今まで喧嘩で負け無しなんだからそういうのもしょうがないと思わないかい?そんな風に考えると、自然と戦っている最中にテンションが上がってきちゃってさ、、そんな風に夢中になっていたある日の帰り道で。一人の女子高生がガラの悪い男達に絡まれているのを発見したんですが。そんな光景を見た時に思ったことが、ああ、これがいわゆるテンプレイベントという奴ですね、みたいなノリで俺はその子を助けに入った訳ですが、 え、なんですか?そんなの別に珍しい光景ではないじゃないかだって? 甘いな君たちは。そんなことはない。俺が中学生になってから遭遇したのはこれで5回目だったし。ちなみに1回目は小学生のとき、公園でいじめられて泣いていた女の子を颯爽と助けに入って見事その子を泣かせた悪いお兄さんたちを成敗しました。

え、自慢げに言うことでもなければ、その程度のこと誰でもやっている?そんなこと言ってたらきりが無いぞ。

現にあの時だって誰も見てなかったかもしれないんだぜ? 2回目の時はコンビニの前で酔っぱらいに殴られそうになった男の子を救けに入ったな。そしたら逆に俺が襲われかけたがな、はは、思い出すと笑いが出てくるわ。そんでその時も、、ってちょっといい加減しつこいなお前らは。

3度目のときは駅のホームにいたサラリーマンが線路に落ちそうになるのを救ったりとか、、他にも色々あるが。大体どれもそんなパターンだった気がする。

ん?なんでその程度で自信が持てるのに、その力を有効活用して悪と戦うという思考に至らないんだと聞かれたようなのでその辺の話をしていこうと思う。

そんな話をしていく中でまず始めに言わせてもらいたいのがだ。俺はただ誰かを救いたいという気持ちでその力をふるっただけだということだ。そしてそれが結果として誰かのためになるということに気がつき。それが俺の中で誇らしいという感情を生みだしていた。そんな感情を抱き始めたのがそもそものきっかけだと思うのだが。そしていつの間にか俺は、困った人がいたら絶対に助けるという信念を持ち始めるようになっていた。その結果が今の俺を作りあげた。そしていつしかそれは、ヒーローに憧れを持つ子供のような、純粋な思いへと変化をしていたのだ。そんな風に考えている間に俺はその少女を無事救出することができたのだが。

しかしそれが全ての始まりだとは、その当時は気づくことは出来なかった。そしてこの出来事をきっかけに、あの少年との出会いを果たし、、俺の異世界召喚が幕を開けようとしていたのである。そして、、

「うおおぉお!!」その雄叫びと共に、その男は魔物に向かって飛び込んでいく。その手に握られた刀を勢いよく振りかざし。まるで舞を踊るかのような華麗な動きでその男は敵を倒していく。その圧倒的なまでの実力に、その場に居る全員が目を奪われる。

「はぁはぁ、、これで一安心かな?」

そしてその男の身体からは滝のように汗が流れており。かなりの体力を消費していることがうかがい知れた。そんな様子を見ていた周囲の人達は一斉に男のもとに駆け寄っていく。

するとそこに現れた二人の人物が声をかける。その一人はこの国の王子、、この国を統べる人物にして、そしてその人こそ、僕の幼馴染である光輝だったのだ。僕はそんな光景を目の当たりにして思わず息を飲む。そして僕達の視線が合うと彼はニッコリ微笑んでくれたのだ。その顔を見て、思わず胸がドキッとするのを感じて思わず赤面してしまったが、光輝はこちらに来ることなく。他の人の治療を行っているようで、そのことに関しては少しホッとしたものの。

やはり寂しいと感じてしまった。

光輝が僕に背を向けている姿を見つめながら思わずため息が出てしまうが。それでもそんなことを考えていても意味がないことに気がつくと、気持ちを切り替えることにしたのだ。

するとそんな時であった。ふっと後ろの方から気配を感じた僕は振り返ると、そこには勇者の一人である。黒髪で短髪の少年の姿が視界に入る。

その人物はあの時僕を救ってくれた人で。確か名前は橘優斗といったっけな?どうやら彼は僕に対して興味があるようだ、何が理由で興味を持ったのかまでは知らないが、それでも何か話を聞いてみようという気になるくらいには興味があったのだ。そこで彼に話しかけてみたんだけど。

どうやら彼の仲間である。

あの金髪の女の人がとても綺麗で好みだという話題になって盛り上がったりしたのだが(笑)。まあそのお陰もあって仲良くなることが出来たのだけどね。

それからというもの、彼が僕に興味を持ってくれていた理由は分からなかったが。どうやら彼もまた、この世界に来てから変わった人間であると気づいたのである。だからといって特に気にすることは無く。普通に接しようと思ったのだけれど、そんな折に、僕達はとある場所に向かうことになった。

どうやらこれから行われるパーティーは、国王主催のもので。そこでこの国の有力貴族の子供達が紹介されることになっているとのことだ。

まあ要するに、社交界って奴ですよ、はい。正直面倒くさいなと思ったけれど。これも仕事なので致し方ないと思って。僕はその誘いを受けることにした。そんな話を聞きつつ、王都の街中を抜けて歩いて行くとやがて大きな広場に到着した。

「ふむ、ようやく到着したようだな。ここが会場になる」その言葉と同時に王が立ち止まる。それと同時に、僕達は全員足を止めると王の前に整列したのだった。

そういえばまだちゃんと名乗ってなかったなと思いつつも、王の後に続いて中に入り。そのまま奥の方に進んでいくと。そこでは、沢山の料理が並んでおり、、そして貴族らしき人達が談笑しながら豪華な椅子に腰を掛けていた。その中には見知った顔もちらほらといるが、まあ別に気にすることでもないのでスルーして。そして王の隣に立ち並んだのである。

その後ろには勇者達が並び立ち、さらにその後ろに僕達一般人が続く形になったのだった。ちなみに、勇者である彼らと話す機会など無いに等しいのであまり気にしないことにする。というか関わりたくなかったのですよね。まあそれは置いといて、、とりあえず挨拶だけでもしようと思ったので。王様の横に立っていたメイドの女の子に声をかける。

「王様、少しよろしいでしょうか?」「なんだね高坂勇人よ。どうかしたのかね?」「ええ、、王様の後ろに控えるその女性は誰ですか?見たことのない女性ですけど」「ふふふ、ああこの女のことか。こいつは私の秘書だ。普段は城に勤めていてね。今日だけは私の代理でこの場に立ってもらっているのだよ。それで、私に会いに来たのは何故なのだ?私はまだ用事があるのだがね。早く終われば話を聞く時間くらいはあると思うが、、。ちなみに私の娘を紹介することは出来そうにもないな、、なにせ私は多忙を極めているのだ、分かるだろう?」

「いや別に紹介してほしいわけじゃありませんから大丈夫です。それでは、、お疲れ様でございます。失礼いたします。それと王様が忙しくて時間が取れないということであれば仕方が無いですね、別の方を当たることにします」

「あ、あーそうなのか、、残念だが。まあ無理なもんは仕方が無いな、また暇があれば来るといいぞ」そんな言葉を貰いながらも、俺はその場を後にするのだった。

さて、次はどこに行こうかな?そんな風に思いながらも俺は街に出ていた。せっかく王都にきたので何か面白そうなものはないかなと、探索していたのだ。そして歩いているうちに辿り着いた場所で。そこは本屋だった。そこで売られている本を一冊買ってみるが。どうにも文字を読むことが出来ず。そして試しにページを開いてみたが読めないことに肩を落とす。やっぱりか、この世界の言語って日本語では無かったんだよな。異世界なんだししょうがないけど、これはきついものがあるよな。そんなこんながありながら俺はその本を眺めていたがどうやら読むことは出来ないようで落胆してしまうが、そこでふと視線を横にそらすとそこには日本語が書いてある雑誌を発見したのである。

まさかそんな場所に日本語が書かれているとは思っていなかった俺は嬉しさのあまりにその場で叫んでしまったのだが。それを周囲の人は驚いた様子で見ている。はっ!?と恥ずかしくなった俺は、すぐさまその場から逃げようとするも店員のおばさんに声をかけられる。

その声を聞いた途端に逃げられなくなってしまった俺は仕方なく商品を購入しようとレジに持ってくる。すると何故かお金を払っていないのにも関わらず本が渡されて。困惑する俺に彼女は一言こう言ったのだ。「はい?なんだい坊っちゃん。もしかして文字が分からないのかい?それはね。翻訳機能が付いているんだ。なんでそんなことをしたのかというと。この国の人達がこの国で売られてある本を買ってくれるようにとの試みらしいがね。この国は色々と特殊で、異世界から来た人がいるらしくてね。その人にお願いをして作ってもらったらしいが、、どうだい坊っちゃん読めるようになったのなら教えておくれ?」

その言葉を聞いて俺は確信を得たのであった。

どうやらこの世界で日本語が通じるようになった理由は。俺と同じようにこの世界に召喚された人が居たからであるようだ。つまり俺がここに来て、最初に召喚されていたのは日本ではなくこの異世界だったということ。それには流石に驚かざるを得ない。そして俺は店員のおばさんに感謝を述べながら店を出ていくと。今度は違うお店で服を買うことに決めてお店に向かうとそこで俺は、一人の少女を見つけたのである。それは、あの時の女の子、橘さんであることに気づき、彼女もまた誰かと話していることに気がつきその光景をしばらく見つめることにしたのだ。

するとそこには、金髪の綺麗な少女がいたのだけど。どうやらその少女は俺のことを見ていたのかこちらを見るなり手を振ってきてくれている。そんな彼女に、俺は手を振りかえすが、、すぐに後ろを振り返ると。そこには、橘さんの表情を曇らせる光景が広がっており。どうやらその女の子と何かトラブルが起きてしまっているような感じであった。

まあそんなこんなありながらも俺は、あの金髪の綺麗な子と、その子を連れ出した黒髪短髪の男を追いかけることにしてみた。まあ、気になったし。あの子が連れ出されても特に何も問題は無いので、ただ単に後をつけて様子を見てみたいだけだったのだけど。そんな風に思いながらもその後ろ姿をずっと追い続けていたのだが。そこで黒髪短髪の男は、金髪の少女と二人で会話をしていると。突然その男の姿が見えなくなったのだ。そこで俺は咄嵯に物陰に隠れて二人の様子を窺うと、二人は何やら話をしているようで、どうやら話に夢中になっているのか周りが見えなくなっているようである。

そんな二人の様子を見ていると、そこで男が振り返ってこちらを見てきたので、、慌てて隠れたがどうやらバレていないようで、その男はその場から立ち去っていったのである。そして俺は安堵のため息をつくが。そこに金髪の少女は、俺の存在に気がついたようで、こっちに向かって近づいてくると、声をかけてくれたのだ。

「ねえあなたはどうして隠れているの?別にそんなことする必要ないのに、、あ!もしかして私達が気になるから追いかけてきてたの?」そんなことを聞きながらこちらを見てくるが、そんなことはないと思いたい。そもそも俺は、彼女が何を言っているのかよく分からず、首を傾げていると。

「あー、うんそうだよね、いきなりそんなこと聞かれたら困っちゃうか」なんて呟くと。何か一人で納得してるようだ、でも、この子の言ってる言葉の意味がよくわからないんだよな。

そう思いながら彼女の顔を見てみているとそこで目が合う。するとその瞬間顔を赤くし俯いて黙り込んでしまったのだ。まあ確かに可愛いけどさ、初対面だし。別にそこまで気にするほどの子ではないし。そんな事を思いながらも、この子は一体何者なのだろうかと思っていると。

そこで彼女は、自己紹介をしてくれたのだ。

「私は、アリスティア。貴方は?」どうやらこの子は名前を名乗ってくれたみたいなので。ここで名乗らないわけにはいかないだろうと、そう思った俺は素直に自分の名を告げた。

高坂勇人です。よろしく。と、そう口にした。

まぁ正直言うとあまり関わりたくないタイプではあるけどね、こういう子苦手だ。なんか自分だけが特別だと、勘違いしている奴とか多いじゃない?そんな感じの奴。

「勇人?珍しい名前の響きだね。私と名前が似てるね。あ、ごめんなさい馴れ馴れしかったかな?」そう言われてしまうと、、、正直反応に困る。というより俺は、その、あれだよ、そうやって距離を縮めようとして来ない方が好きなんだよな。まあいいや。そう思うことにした俺は、少しばかり興味があったので聞いてみたのである。

まあとりあえずは名前で呼んでも良いかなと思ってしまうが。一応許可を貰うことにしたのである。

「ああ構わないぞ。じゃあお前のこともアリスと呼んでいいか?」

「ええ?良いわよ。じゃあ、私の事もアリでいいわよ」そんなことを言い出してきて、まあそれくらいならと、俺達はお互いに名乗りあった後に友達になったのだった。そんな出来事を思い出せば、この子にはとても悪いことをしてしまったと思って反省をするのである。

とりあえず、今度こそ俺は王城に行こうと思うんだけど、、どうすれば行けるのだろうか?そこで、目の前でメイドらしき格好をした女の人が、道案内を買って出てくれているのだ。俺達はそれを頼ってついて行くことに決める。

どうやら俺が王城に入るための通行書があるらしい。それさえ持っていればすんなり通れるようになるという。そこでまずはこの人について行って王城の前まで辿り着く。その王城に着けば。俺はメイドの人のお陰もありすんなり中に入ることができて、その先に進む。

そこには巨大な扉が立ちはだかり。それを通り抜けると。そこは豪華な部屋になっていたのだ。その光景はまさに豪華絢爛というべきで、、俺は思わず感嘆のため息がこぼれ落ちそうになるほど圧倒されてしまう。そんな部屋の内装を堪能していると。王様の秘書だという女性の方と話す機会が出来たのだ。

「私は、王様の秘書をしております。マリアンヌと言います。王様は現在公務に多忙を極めておりますので。本日は私のお相手をしてもらうことになりますが。大丈夫でしょうか?王様からは出来るだけ早めに終わらせると申されておりましたが。まだ時間が必要でございますのでもう少し待って頂きたく」なんてことを丁寧に伝えてくるのだ。そんな彼女の説明を受けた上で。俺は、はい大丈夫ですと、返事を返しておくと、そんな風に王様の帰りを待つのだった。そこで彼女はお茶を入れてくれて、お菓子まで持って来てくれた。しかもこのお菓子、かなり美味しいものでつい食べ過ぎてしまいそうなのである。そんな俺の様子を眺めていた秘書のマリさんだったが、俺のことが心配になったのか、そんなことを尋ねられたので。俺は特に問題なく、こうして寛いでいるところなのだと言うがそれでも、 やっぱり心配そうな顔をしているのが見て取れた。どうやら本当に優しい性格の持ち主らしく。まるで母親のようだと思ったのである。そしてそんなやり取りをしている最中のことだった。ふと扉がノックされた音が響いたかと思えば、そこから一人の騎士が入ってきて、、その男はこちらに視線を向けると。こちらに向かってきて口を開く。「おいお前、何の用事でここを訪れた。まさか不法侵入でもしに来たのか?まあ別に俺達の邪魔をしない限り、ここにいる人達に手を出すつもりはないが。だが俺達に見つかった以上、大人しく出て行ってもらえなければ痛い目に遭うのは貴様だ」

と、そんな脅しのような台詞が飛んでくるが。そんな騎士に対して、俺はこう答えるのであった。

俺は、ここに、この世界を救うためにやって来た勇者なんだ。俺はそんな事を言ってやったのだ。俺だって、俺に力があれば、、もっとちゃんとした形でここに訪れようとしていたんだ。こんなところで、犯罪者扱いされる謂れはない。だからそんなことを言うな。と、そう訴えかけた。そんな言葉を口にするとは、流石に思ってはいなかったのだろう。驚いた表情を浮かべる騎士はこう言ったのだ。「この国に、救いに、訪れただと、、はっははははは!!それは傑作な言葉じゃないか!なにが、この世界に危機が迫っているからこの世界に呼び出されたんだぞ。俺たちはそのお告げにしたがってここまでやって来た。そういうのにな。この世界に危険が訪れるっていうならばとっくにもう訪れているんだよ!」と、、どうやらその言葉で俺は余計に怪しまれて。そしてその男はさらに続けて。

「だいたい、そんなこと信じられるか!嘘つきが!俺は騙せないぞ?それにお前はそんな顔つきをしていないからな、どうせ偽物なのであろう?」そんな事を言い出す始末であった。まあそんな反応をされることぐらい俺もわかっていたさ。だけど、、ここで引くわけにはいかないんだよ。俺は異世界で勇者になってモテるために、異世界に来てるんだ。この世界を平和にしたいからとかそんなんじゃなくて。俺の個人的な欲求を満たしてやる。そのために、、そのためにも俺は、、こんなことで、立ち止まってられないんだよ。だからこそ俺はこの場でこの世界の王に会って。俺の言葉を信じてもらえるかどうか試さなければいけないんだ。

だけど、こんな感じではまともに相手にしてくれなさそうであるし、どうしたものかと思っているときだったのだ。そんな時一人の女性が部屋に入って来たのである。彼女はどうやらその騎士の男と仲が良いのか親しげに会話を始めるのだが、そこで俺はその人物を見て、驚きを隠しきれずにいた。そんな俺の反応を不審に思ったのか。マリさんは、俺に質問を投げかけて来るが、そんなことより。俺はその女に見惚れてしまっていた。

「どうかされましたか?」と聞かれたので、その女の顔を見ながら俺は思ったことを素直に言うことにしよう。

そう思い。正直に伝えると。そんな反応を示すマリ。まあ仕方ないだろうが。俺は素直に思った事を口にすることに決めた。

「綺麗だ」と、そんなことを呟いてしまうのは必然と言えるくらいに美人でありスタイルが良すぎたのである。そんな彼女を見つめる。その容姿はとても可愛らしく。まるで妖精のように見えてしまうほどだった。

俺は、この女性を見たときに何かを感じたのだ。それが何なのかわからないが。その美しさに思わず目を引かれてしまったので。彼女にそう口にしてしまう。すると、その彼女は頬を赤くしながら。俺をじっと見てくるので。

何となく恥ずかしくなってしまう俺。

そんな彼女を見ていても仕方ないので、話を元に戻そう。そう思い。

「あの、貴方はこの城の中で偉い方ですか?」俺はそんなことを聞いてみた。すると、その女性は俺の方を向いて笑顔を見せながら、答えてくれたのだ。「ええそうよ。私はマリー。王の妹にしてこの国の王女を務めさせてもらっていますの」なんて言葉を聞いてしまったのだ。

そう言えば王様には、奥さんがたくさん居るらしいし、俺の目の前に居るこの人が、俺達を呼びつけたという、、王妃? いや、そんなわけないか。いくらなんでもそれはないよ。うん、絶対あり得ないだろ?俺が内心そんなことを考えながらもその人にお辞儀をしてみせると。そんなことを言われて。そこでようやく理解した。どうやらここは王族しか入れない場所らしいという事に気付く。それなら尚更だ。俺はどうしても王に謁見しなければ行けないのだ。その為にはやはり、、その通行書を何とかしてもらわなければといけないと俺は思うのであった。まあどうにかしてもらえるとは思うけどね。そんな期待を込めつつ彼女の方を見るのであった。するとそこに先ほどの騎士の男が近寄ってきて話しかけて来たのである。

『おいそこの偽物野郎』

「はい?」いきなりなんの脈絡もなく罵られて困惑する俺であったが。

その男の言葉に聞き捨てならないことが混ざっているような気がしたので、問い詰めることにしたのだった。俺を、、俺のどこが、偽物だというのか。こいつは俺がこの世界に来た目的を知っているはずだし。この城の中に入ることが出来るのはこの王城に関係している者だけだということを俺は知っていた。だからこそ俺の言っていることがおかしいのである。この城の関係者でないなら。一体誰だというのだ。そう考えてみると、俺はある人物が頭に浮かんできてしまい、、それを確かめるためにも聞いてみる事にした。

「あなたがこの王城に入ることが許されている理由は一体何だ?俺と同じ立場であるということだけは絶対に有り得ない筈だし。ましてや俺のことを知らないのなら尚の事であると思うんだが?あんた、、何者なんだ?どうしてこの城に許可無く入れる?そもそも何故この場にいるんだ?」そんなことを言ってみると、、その騎士の男は俺に、こう言い返してきたのである。「貴様が、、、勇者であるなどと戯言をほざく奴でなければ俺はお前に構うことは無かったんだがな?貴様の言う通り確かに俺は、ここにいる連中と親しい関係にある。そして、こいつらと俺は友達だ。俺はこいつらの頼みを受けてここに来た。ただそれだけだよ」

「じゃあお前、、本当に、俺を騙せると思ってここに来ていたと、そう言うことか?お前みたいなのが本当に、この俺と同じような勇者だっていうのか?」

「まあそういう事になる。貴様の事情は知らんが。貴様のような下民が、俺のような高貴な人間と対等で話が交わせるとでも思わない方がいい。貴様ごときの、たかが小娘に騙されるほどの俺だとでも思わんことだな!」なんて言葉を吐かれてしまって俺が黙っていられるはずもないのだ。俺は今この騎士の男に凄まじく怒りを感じており。

その気持ちをぶつけるのだった。「ああ、、そうかい。そっちがそこまで舐めた態度を取るのならばもう容赦はしない。いい加減、俺も我慢の限界でな、俺のことをよく知らずに勝手に人を判断するのは構わないが、俺の友人を侮辱するのは辞めてもらおうか?」そう言って、剣を引き抜いてその男の方に視線を向けると。

その騎士の男は冷や汗をかき始める。

「はっ!貴様如きが俺様に勝てるつもりなの?そんなに死に急ぎたいのか?それとも貴様の実力を知らぬだけであろうが!」

俺は騎士のそんな言葉を聞くが、そんなものはどうでもいい。今はこのイラつく男に、一泡吹かせてやりたいと思っていたのだ。だからこそ、その騎士の剣を叩き折って。さらにそのまま殴り飛ばすことにした。

そうすると当然、俺に襲いかかって来たその騎士が吹き飛ばされていき壁に激突することになるのだが。俺は気にせずに次の行動に移っていくことにする。俺は、その倒れた騎士を蹴り上げて壁から離すことに成功する。だがその騎士はすぐに立ち上がり俺に向かって攻撃を加えて来る。

しかし俺はそんなものを避けるまでも無く、その拳を振り上げ、その男の顔面を思い切りぶん殴ったのである。

その結果その男は鼻血を出しながら床に倒れ込み。気絶していたのであった。それを眺めていた周りの人達も。まさかこの男がここまでやられてしまうとは思わなかったのか、俺に対する目線が厳しいものへと変わっていったのであった。

その様子を目の当たりにしてしまった俺は慌ててその騎士に向かって駆け寄ると。治癒魔術を使って傷を回復させるのである。流石にこのまま放置してしまうと可哀想なので治してやったんだが。どうやら彼は目が覚めるとすぐに意識を取り戻して周りの様子を伺いだしたのである。俺はとりあえず彼が起き上がった後に声を出すと。彼が怯えだしたのを見て。俺はこう言うのである。「俺は別にあんたを傷つけたりはしねえよ。俺はここに勇者になりに来てんだからな?まあ、だからと言ってあんたの仲間を馬鹿にした発言を許した訳じゃないけどな」と言うのだ。

そんな感じに彼に言うと、俺はその部屋から出て行こうとすると、そこに、マリさんに腕を捕まれてしまうのであった。そしてマリさんに言われるがままついていくと、、 そこは応接間であり。マリさんに連れられて中に足を踏み入れることになったのだ。そこには先ほどの騎士団の男の他には、王様とそのお妃さま、それから俺に喧嘩を売ってきた騎士、それにこの部屋の警護をしている兵士達と、そんな人たちがいる部屋に俺達は入ることに。

そんなこんなでマリさんと俺は王様達の近くに行くように言われてしまったので俺は大人しくマリさんの横に立っている。そんな俺たちに話しかけてきたのはお妃さまだ。彼女は優しい笑顔を浮かべると俺に対して話を切り出したのである。

『さっきは私の夫の部下が申し訳ないことしてしまったわね。あれは昔から私を慕っていてくれているのだけれど。少しばかり頭に血が上ってしまったみたいね。許してくれるかしら?』なんて言われたらどうしたら良いのか分からなくなってしまう。まあそんな事を言われても仕方ないかなと思ったし。何より、その騎士の男がどう言う奴なのか分からないが。あの男の発言が明らかに失礼極まりないものであったことは事実であるし、仕方がないと言えば仕方がないことなのだ。まあ俺だってその男の気持ちが全くわからない訳ではないのだ。何せ、この世界に来た時に初めて出会った人物がマリだったのだから。

この世界にやって来たときに俺は不安だらけであり、この国のことも全く知らないのに、これからどうするべきか悩んでいた時、最初にこの世界で俺を助けてくれたのは、目の前にいる彼女であり。俺をこの異世界に呼び出した張本人でもあるわけで、俺にとっては恩人のような人物でもあり、また大切な存在でもあったのだ。だからこそあの男があんなことを言ったときはとても腹立しかったのである。

そしてそれは俺だけでなくあの男にも当てはまっている事であり。あの男にとってのマリーは特別な存在であったに違いないのだ。何しろ、あいつの口から出てきた名前もマリーだし。この国に関係している女性は全てマリーという名前がつけられていたわけだ。それに加えてこの国では女性の名前が基本的に愛称で呼ばれることがほとんどらしく。マリという名前は、お姫様と同じようなものであると俺は思っていたのである。その事から考えてもやっぱり俺はその男がした行動は納得できないのだ。何よりも一番腹が立つのが、この国の王女であるマリが何も言わないのにこの国の兵士が、彼女のことを否定するのが一番気に入らないのだ。だから俺はその男が俺のことを侮辱したことは絶対に許せなかったし。今も許していないのである。

まあそれでも俺は目の前の女性が俺に話しかけてきていることを認識できたのは幸いなことだと思うのだった。

そんなこんなで俺がこの王城にやってきた理由を、この国の王妃であるらしい人に説明した。そんな俺の話しを聞いた王妃は、俺にこの王城で生活してもらうように勧めてくる。

俺としてもそれはありがたいことだったのだけど、流石にそこまで甘えることはできないと、王妃には断っておいたのである。だが王妃はその話をすると俺にある提案をしてくる。

それは俺が王城で生活する際に、俺の面倒を見てくれる人を一緒に付けてくれて構わないと言われたので、俺は素直に受け入れることにしたのであった。まあそんなことがあってからしばらくして。俺はこの王城に住むことになったのだ。

それから数日が経ち、この城の中で俺は生活をしていくことに慣れてきていた頃である。その日は俺は城の中を歩き回っていたんだが、そこでたまたまこの前俺に決闘を挑んできた騎士の男を見つけたので、俺は彼に声をかけることに。

俺に突然声をかけられた騎士の男性はびくりと身体を震わせる。その反応は普通だろう。何せ、以前俺は彼の顔面に強烈なパンチを食らわせてしまったんだから。そんな俺が急に現れたら驚くのが当然のことと言えるんだが。俺は構わずその騎士に話しかける。

「ちょっといいか?」そう聞くと、相手の騎士も俺の存在に気づいたようで、こちらを向き、そして睨みつけて来ながら口を開くのだった。「なんだお前は!なぜ貴様のような下民がこのような場所にいるんだ!さっさと失せるんだな!」そんなことを言い放つ相手に俺は冷静に対応することにした。「お前、前に会った時、俺になんか言って来ただろ?覚えてるか?」「はぁ?お前なんざ俺の視界に入れておくだけで汚いんだよ!貴様みたいなのはこの城の空気を穢すことにしかならない!」とかなんとか言ってくる相手を見ていて。正直な感想としては、こいつとは会話が成立しそうに無いし。これ以上話すだけ無駄なような気がしてきたから、もう帰っても良いだろうかと思ってきたのだが。そんなことを考えていたところでこの騎士は何かを思い付いたのか。

ニヤリとした表情になると。俺にとんでもないことをしてきたのだ。その騎士の男性は、なんとこの俺に剣を抜いて攻撃して来たのだ。

これには俺も驚いてしまうが、咄嵯に避けることができたし、俺に向かって斬りつけて来た相手が、剣の軌道を変えられずにいたのもあって俺に傷が付くことは無かったのだった。「おっ、おい。一体なにしやがる!!」俺は怒りを込めてその騎士に問いかけるが、、そんなのお構い無しに俺に向かって何度も攻撃を加えてきて、俺は防戦一方の状態になって行った。そんなこんなあって俺はその剣を弾き飛ばすことに成功する。その隙を狙って俺を殺せばこの騎士の勝利は確実なものとなるだろう。

だからそんな状況になるのを避けたかった俺は、一旦距離を取ることに成功していた。すると俺のそんな様子を観察していたこの男はこう呟くのである。

『貴様、その力を隠してやがったな?その力があるならば何故初めから出さなかったのか疑問に思ったがそういう訳だったのか、、』そんな風に言う男の言葉を聞いて、俺はその言葉に反論することにした。「違うぞ。確かにお前がこの俺に襲いかかってきたときは俺も本気で相手をしようと思った。だけど俺はお前のことが嫌いじゃないし、この城で問題を起こしたくない。そんな思いがあったのは事実だよ。だけど今ここでそれをやって良いものかどうかを考えていたところでもあるんだ」

俺が騎士の言葉を否定をするとその男は更に顔を真っ赤にして怒鳴り散らすのであった。

「じゃあ何でだ!!その力があれば俺を倒すことは簡単のはずだ!!なのにどうして俺の攻撃を防いだりした!それは俺の実力を舐めていたということだろ?なあ、そうだと言ってくれよ。」そんな風なことを言われると。何とも言えない感情が生まれてしまう。確かに俺はこいつの発言を聞くまで。

俺の持っているステータスの高さを見込んで戦いを挑んで来たのかもしれないとは考えていた。しかしこいつが本当にそうなのか分からないのが本音である。何せ俺は自分の力をあまり出し惜しんでいる訳でもないのだ。しかしそんな事を知らない人からしてみれば俺はこの騎士を嘗めてかかっており。

結局負けて当然としか思われていない可能性があるのは事実である。それにもしそんな俺の力を見せつけたとしても。この騎士の態度が改まるかはわからない。

だからこそ俺はどうしたものなのか迷っているのだ。しかし、俺とこの騎士は互いに同じ考えを持っていたようである。その証拠にこの男からは先ほどの怒りの様子が無くなり。逆に笑みさえ浮かべて俺に対して言うのであった。

『ならその力は今すぐ見せるといい、俺が手取り足とり教えてやる。まずはそこの木人形をぶっ壊すがいい!』そう言って男は近くにあった木人形を持って来ると俺に投げ渡した。俺は仕方なしに木偶を壊すことを決めるのだった。そしていざ戦闘を始めようとしたら。この騎士は俺と木偶の間に立つのである。

「おい。あんたがこの勝負の邪魔をしてどうするんだよ。これはこの俺が始めた戦いなんだ。あんたは引っ込んでいるべきだろうが」俺が文句を言うと騎士は、

『うるさい。俺の目の前では誰も死んでほしくはないだけだ。それが例えこの俺が認めた人物であっても、俺は絶対に止めてみせる。さあ、始めるが良い!』と、そんな事を言われたら、俺もこの騎士に対して少しだけイラついてしまい。思わず全力を出す事にした。

そんな感じで俺はその騎士に言われるがまま、その男の目の前では死人を出したくないと言い切る男の気迫に押され。俺はその木偶に攻撃を加えた。俺の攻撃を加えられた木偶はバラバラになってしまうのである。そしてそんな様子を見つめるこの騎士の目は真剣そのものであり。この男もまた俺のことを見極めようとしてきているのがわかったのである。

だからこの男がどんな奴であれ、そんな事は関係無く俺はこの男がこの王城で生きていけるように手助けすることを決めたのだった。


***

side:花恋 私のクラスメートに異世界召喚されたばかりの勇者様がいた。

そんな彼は私とは全く関わり合いのない人だったけど。私は彼と初めて出会った時。とても不思議な人だと思いました。だってあの人がクラスメイトを庇う姿を見て。私は凄く嬉しかったんです。そしてそれと同時に。何故かあの人のことが頭から離れない自分がいることに、私はこの時はまだ気付かなかったの。だってその時にあの人と会ってまだ1時間も経っていなかったのだし、何より名前も顔も知らない人を好きになれるほど、私はお子様ではなかった。そしてそれは、私が高校生では無くなっていた時でも変わらなかったんだと思う。

そんなこんなありまして、私はこの世界に来た時からずっとお世話になっていた王妃様に呼び出され、王妃が暮らしている部屋に訪れていた。

そこで王妃がこんなことを伝えてきた。この国の王子が、他の国に出向いた際、行方不明になったので探してきてほしいとのことだった。そんなこんなで私は王様の命令を受けて、他国へ赴き、そこで捜索を開始した。そして数日が経過しても一向に見つかる気配がないのだった。

そんなことをしているうちに、私はこの国と隣国との繋がりがあることがわかってしまうのだった。それもその国の王子と王妃様とが親密な仲であり、この王城にいる侍女さんたちの中にもその国に関係していた方々もいることがわかったのである。

そしてそのことを踏まえると、、、 私はある結論にたどり着くことができたので、このことをこの世界の神様に聞いてみることに、その結果を告げられた。なんとあの国は私たちの国と戦争をしようとしていたらしいのだ。その理由については大体予想がつくが。

それでもやっぱりその国と友好的な関係を築くのは難しいのではないかと思っていたのだが、その時の神様は言った。あの国が求めているのが、異世界の人間だとすれば。それを差し出せば良いだけの話しなのだと言うのだ。その提案を受け入れたらあの国と友好的に関係を築けるかと思ったが。

しかしそんなに簡単に行く筈もなく。そもそも私たちは向こうの世界に戻ることはできないのである。

だけど神様はそれについても問題無いと言ってくるのだった。そしてその方法を説明してくれたんだが。

まず一つはあの世界で命を落とした場合。これはこちら側の世界に戻った際に死ぬということになるらしいから。それは嫌だなと思った。だってこの世界を家族を置いていくようなことになるんだしね。だけどそうなればあの国と交渉することは難しくなるだろうと。そしてもう一つの方法としては、こちらの世界に転移できるアイテムを渡すという方法があるとのこと。こちらから向こうに行くのには問題ないが、逆の場合はかなり難しいらしい。まあその可能性にかけて、私もいろいろと行動していくつもりなんだけどさ。

ただ問題はその二つ以外には方法がないことにあるんだよね。そんな訳なのでこの話はここまでにしようと思った。そしてその後、王妃と色々と今後の対策を練っていたところで、私はふと思い出したことがあるのだった。そう言えば坂上君てどこ行ったのかな? 確か今日、この世界に呼ばれて。今は王城にいるって話なはずなんだけど、どこにも見当たらない。そんな風に考えていると私はこの前の出来事を思い出すのだった。そう言えば彼って騎士の人に決闘を挑まれていたような。もしかしたら今も訓練場とかにいそう。

その可能性を考え、私がそこに向かってみると。そこには、やはり、というべきか。そこに彼はいて、木人形相手に剣の訓練をしていたのだ。私はそんな様子をじっくり観察することにしたのである。するとどうだろうか、彼が使っている武器を見て驚いたのである。その武器は普通のものでは無いと気づいたのだ。あれはもしかしてこの国で使われている聖具で間違いないのではないのかな? そんな風に考えたのだ。すると私の目線の先に気が付いたようで、

「あーっと、俺に何か用事でもあるのか?」なんて言ってこっちに来るので。そんな彼には悪いが無視させて貰ったのであった。そしてそのまま、この男について考え込むのであった。

そう、私を異世界に呼び出したのは。

目の前の男ではなくてこの国を束ねている人物なのである。つまりは目の前で木偶人形に向かって必死に攻撃を仕掛けている男が、本当に召喚した張本人なのか。私としては疑わしく思っていたのだ。だけど今の状況を鑑みて考えると、そんなことを考えるのは失礼に当たるんじゃないかとも思えた。だからまずはそのことについて謝ろうとは思うんだけれど。ただそれをこの目の前の人物に伝える術が思いつかないのだった。

「おい!聞こえてないのかもしれんが。返事くらいしたらどうなんだ!!」などと言われてしまうと。私の口は素直で、勝手に言葉を紡いでくれるのである。「ごめんなさい。少しだけ貴方に確認したいことがありまして。先ほどの戦いの様子を見させてもらったのですが。貴方は本当に勇者なのですか?それと、先ほど私達が戦った騎士は本当に、勇者様なのですか?もしそうなら。私はその事をちゃんと理解してからでないと、貴方の言葉を信じることは出来ません!」

私の言葉を聞いて目の前の人物は困った顔をしてしまうのであった。しかしすぐに冷静さを取り戻してこう言うのである。

『貴女の言葉を信じたい気持ちはあるんですが。俺もまだ信じられないことばかりで混乱している部分があるんですよ』

そう言って苦笑いする目の前の人は、確かにどこか戸惑っているように見えなくもない。だけど、この人の言葉を全て信じることは危険過ぎると、私は考えていたのだ。だからこそ。

この男が何者なのかを知るまでは、彼の言葉を受け入れる訳にはいかないのだ。

しかし目の前の男は少しだけ悩むと。

『確かに、俺が本物かどうかは証明の仕様がないですし、貴女の疑問が解決できない以上。俺のことを信じるのは厳しいですよね。わかりました。俺はしばらくここに残って、俺がこの世界の救世主としてふさわしいかを判断してもらうのを待つとします。それで、もしそれが駄目なら。また別の場所を探しに行こうと思います。』そう言って男は木偶人形の方へと歩いていったのである。

私とこの男は、結局、何も話さずにその場を離れることになったのであった。


***

side:隼人 俺は高坂花恋が去っていった後、木偶を相手にひたすら訓練を繰り返し、俺は勇者の力の使いどころを見極めようとしていた。そしてしばらくして、俺は一つの結論に達する。それは、この力は余りに強すぎるため。普通の戦いでは使うことは出来ないのでは?という答えに至ったのである。俺はそのことを自覚して。自分の力がどれほどのものであるかを試すために。今度は魔法を木人形に放ってみる。

しかし魔法の使い方がよく分からず、俺は何も起こせずにいると、その様子を見かねたのか、近くに寄って来た一人の少女がいる。それは俺に召喚されたときに一番初めに話しかけてきた金髪碧眼の王女様だ。俺は彼女の顔を見た時。俺は何故か懐かしく感じてしまった。その瞬間。俺が異世界召喚された時に、真っ先に駆けつけてくれた女の子のことを思い出してしまい。つい彼女に俺は見とれてしまっていた。だからその彼女が俺に向けて魔法を使ってくると。つい反応することが出来なかった。そして俺の胸元で爆発が起きると。俺は吹き飛ばされ、床に倒れ伏してしまったのである。

その光景を目の当たりにしていた周りの騎士達は慌てふためくが、その王女は気にすることなく近づいてきて。俺に回復薬を使うように指示する。そしてそれからは俺に対しての回復を最優先に行わせてくるのだった。そのおかげで怪我自体は治ったが。流石に服が破れてしまったため、彼女は替えの服を用意するよう指示を出してくれるので。俺は彼女に従い別室に移動した。

そしてそこで改めて俺は彼女と向かい合うことになったのである。

side:花恋 この人と話すとなぜか落ち着くのよね。それに凄く不思議な感覚に囚われると言うか。私はそのことに凄く興味が湧いていたので、彼に質問をしたかったんだけど。その機会が中々訪れなかったの。でも、私は彼と仲良くなれたらと心の底から思って、私はこの国の王族であることを伝えることにしたの。そうしたらこの人驚いてくれたんだけど。

なんかこの人ってば私に興味津々みたいなんだもん。そんな訳で、私とこの人ってば。何故かお互い惹かれ合っちゃって。気がつけば、お互いに愛を伝え合っていたんだけど。だけどそこで、この人の名前すら知らないことに気づくのよね。だって私が彼の名前を知らないように。きっと向こうもこの世界で私の名前なんて知らないはずなのよね。そこで私がこの人に、この世界での本名を教えると、何故かこの人も驚いた顔をしていたのよね。そして私と同じ名前を名乗ったこの人をみて。やっぱりこの人のことが私は好きなんだと、改めて感じることが出来たのよ。そして私はこの世界での本当の名前を伝えた。そして彼が私のことをどう思ってくれているのかを聞くと。彼も同じ気持ちだったようで、私たちはその場で結ばれたのだった。そうして幸せな気分に浸っていると王様がやってきたのだ。そして王様は私にお風呂に入ることを勧めてくれて、この人に私の身体を洗いたいと言うことをお願いしてくれたんだけど。

この人に私はもう抱かれちゃったんだし。これ以上の恥ずかしいことをするのは、私の中の何かが壊れてしまうと思って断ろうと思っていたの。

だけど、そう言ったらこの人は王様に向かって。

「俺も花恋の体を隅々まで洗ってみたいんで、一緒に連れて行ってもいいですか?」

とか言ってくるんだもの。私がそれを聞いたとき。一瞬、頭の中に変な声が響き渡って。

私はこの人に私の体を見せるだけで、こんなに興奮してくれるんだと思うと。私の体は嬉しさで火照ってしまうのであった。そんなこんなで私とこの人は一緒にお風呂場へと向かったのだけど。その途中で私が我慢できなくなって、彼の耳を舐めちゃうと。彼が私にキスをしてきてくれたのよね。しかもそれだけで止まらずに舌を入れてくるものだから、私も応える為に頑張って彼の唇を吸い上げたんだけど。その度に彼の腰がビクビク動くのを感じて、とても可愛らしくて。私ってもっと早く、彼のこの表情を目にしておくべきだったのかもしれないと、後悔してしまうほどなの。

そんな訳で私達二人は今、湯船につかって二人でゆったりとした時間を過ごしていた。私は幸せを感じていたのだが、そんな最中、彼は突然立ち上がり、私の背後に回ると、背中に手を回してくるのだ。そんな訳で何をするつもりなのかと思っていると、どうやら背中を流したいらしいのだ。私はそう言われて、ついその提案を飲んでしまった。そんな私は彼に背を向けると。タオルで隠された私の裸身が、その視界に入ることになる。その瞬間に私は恥ずかしさで体が熱くなるような錯覚を覚えると、そんな状態でも、私はなんとか冷静を保とうとする。すると彼は私の肩に手をかけて来るのである。そうして私達の触れ合いはどんどん過激になり始めていくと。

とうとう私の理性も限界を迎えて、私はつい彼を誘ってしまったのだ。その事に気がついたのか。彼が後ろを振り向かせて来て口づけを交わした後、彼が私の首筋に顔を近づけてきて甘噛みを始めるのである。

そうすると、私の理性はついに崩れ去ってしまいそうになる。

そして彼がいよいよ私を食べようとしたときに、私達は誰かに見られているのに気がつく。私は慌てて彼に服を着せるのと同時に、彼が着るのを待つのであった。そして私は王様に声をかけて部屋に戻りたいと申し出ると。私は、部屋に戻ってくると、先ほどよりも激しい接吻を行い始めるのである。


***

隼人君と私の二人が戻って来たとき。私は二人を見て。本当に愛し合っているのだと実感できたの。そんな私に二人の関係を邪魔することはできないと思い、そのままそっとその場を離れることにする。そうすると私はいつの間にか涙を流していたことに気が付く。それは何故か分からないけど。多分。この人が隼人君の特別な人になったと知ったのと、これからは私が独りぼっちになる寂しさと、私以外の女性が隼人君に好意を持ってしまった悲しさと。その色々な感情がごちゃ混ぜになって。私の瞳から涙となって流れ落ちたんじゃないかと思えるの。そしてそんな状態の私は。一人静かに部屋の外に出て、誰もいないところで泣き続けることにするのであった。

そしてその日から。私は一人部屋で過ごすようになるのであった。

そして次の日。俺と花恋は二人で王様の元を訪ねることにした。昨日の夜の出来事を報告するためである。そうして俺たちは王の執務室を訪れる。

俺と彼女が王に会うのはこれで2回目となるのだが。俺達は昨夜のことを報告するためにこうして訪れたのだ。俺と彼女は謁見の間で王様の入出を待っており、俺が緊張していると、彼女は優しく俺の手を握ってくれて、それが俺にはとても心地よかったのだ。しばらく待つと。

ようやく俺達が入ってきたドアとは違う扉が開かれ、そこから王が姿を現すと、俺達の元へと近づいてくるのだった。そうして俺と彼女と王は向かい合うように席に座ることになると。まず先に俺が話しだすのである。

『それで、王様。俺に話とは一体何でしょうか?』

『おお、勇者殿に花恋様。実は貴殿たちに折り入って頼みがあるのです。それは、この世界を救ってほしいという願いです。その件については勇者である高坂花恋様が承諾済みです』

『王様!わ、わたしはまだその話を正式には了承していません!!その話はまた後日にでも!!』

花恋がそう言うが、王様はそれを聞くことなく、俺の方に顔を向けたのだ。俺はその視線を真正面から受け止めたわけだが。花恋はその視線を受けるなり、急に下を向いて黙り込んでしまう。そして俺が、花恋はなぜそのことについては後で返事をすると言っているのか聞こうとすると、王様が俺に話しかけてくる。

『まあ良い。それよりも。お主ら二人は。お互いのことをどれくらい理解しておるのかな?お互いに自分の事を全て相手にさらけ出してるのか?それともこの国に来たばかりの異世界人だから、お互いによく知り合っておらんと言うのか?そこんところを聞かせてほしいんじゃがなぁ。わしとしてはお主にその娘を託したいと思っておる。そのことは分かってくれるな?』

俺はそう言われたので。俺は花恋に目を向けてみると、そこには不安そうな顔で俺のことを見る彼女の顔が映っているのである。

俺が彼女を愛していて、その気持ちは嘘ではない。それは間違いなく真実だと断言できるだろう。俺にはこの世界で彼女以外に欲しいと思えていた人間などいないのだ。俺は花恋に対して愛おしいという感情しか抱けないのだ。俺は花恋に惚れているのだから。俺はそんな彼女に目線を合わせるために少しだけしゃがみこむ。

「大丈夫だ花恋。お前に何も心配をかけることはない。俺はただ花恋を愛している。俺は花恋以外を愛することなどできないし。それに花恋以外の女を抱くことなんて出来ないし、そんな想像もしたくない」

俺は正直に彼女に自分の想いを伝える。すると花恋も安心したのか。

「うん。分かったよ。それじゃ王様のお言葉に甘えて私はそのお仕事を引き受けるよ!」

そう言って花恋の方も王様の言葉を受け入れてくれたのだ。その言葉を受けて王様は満足げにうなずくのであった。そしてその後、俺達は王様と話し合いを始めた。まず初めに、何故王様は俺達に世界の救済を求めたのか、そこを聞きたかったからだ。するとその疑問を解消すべく王様から衝撃的な事実を聞かされることになったのである。なんと、王様の娘の一人を勇者にして欲しいということであった。その言葉を聞いたとき俺は驚きで声を失ってしまったのだけど。そこでやっと口を開くことができた。

しかし俺はそこで一つの可能性を導き出したのでそれを質問することにしたのである。もしかするとこの国は何か大きな問題を抱えているのではないか。そこで王様はこの世界は危機に瀕していると伝えてきたのだ。そしてその問題というのが、この世界に魔王が現れたことで引き起こされる被害の話である。王様の一人娘が15歳を迎えた時に行われる祝福の儀の時に。この世界で5人目の勇者が召喚され。魔王討伐の任につこうとしていたのだが、ここで悲劇が起きてしまったのだ。それは、魔族に殺されてしまうという結末を迎えて。その勇者の一人は帰らぬ者になってしまったのだ。その事件は俺達が来る少し前に起きてしまい、その事件が原因で、現在、その娘の心は完全に壊れてしまっているそうだ。そんな状態では儀式を執り行っても、成功する保証がないと。そのことから。その娘の精神状態を回復させるまで、この国では、この国の姫であるその女の子を預かることにしたのだとか。王様の言い分は理解できる。だけどその前に王様から聞きたいことがあったので、そちらを優先する。

そうして、俺は王様に質問をすることにしたのであった。

王様に聞いた情報を元に、俺は色々と考察を始める。まず最初に、王様が言っている、この国の王女を俺が貰っていいのかと。その点を確認しておくことにする。

「あの王様。貴方の言われる通り。私は確かに、その王様の娘さんの体を要求しました。ですが、この国で何か問題が起きているならば。私はその問題を解決するべく動きたいとも思っています。私達はここに呼ばれた時点で、既に、貴方方の国の為に戦う覚悟はあるつもりです。私は別に英雄になりたくて勇者をしているわけではありません。私は私の好きな人が幸せな日々を送ってほしい。それだけを願っているんです。そして、そのために私が力になりたいと思う人たちがいるのです。だからこそ私は勇者としての力を使うことを決めたんですよ。そんな私がその王様の娘さんに手を出しても良いのですか?」そう、俺にとっては大切な人達の為の行動なんだ。俺だって自分がやりたい事をやり遂げるためなら手段を選ばないつもりだしね。

そう思いつつ、目の前にいる男を見つめたのだが、どうやらこの人は俺を試していたようだ。そしてその試練をクリアできたからか俺を迎え入れようとしてくれるみたいである。そんな王様が口にしたことは驚くべき内容であった。なんと、王様の娘である王女様は、この城の中で引きこもり状態で生活しているのだ。その理由は、彼女が極度の男性恐怖症であるからで。どうやら彼女は、男性が近寄るだけで恐怖のあまり失神してしまうのだとか。だから俺や花恋と会う時は。花恋が同席する形でしか会えないのだという。そして王様の口からはこんな言葉が出てきたのである。

「高坂隼人殿、あなたは私達の事情を聞いて、それでもまだ。その、王女である私の婚約者候補となるか?その意思があるのかと確認をしたかったんだ。君のような勇敢で誠実で真っ直ぐな人間がこの世界には沢山いるわけではないのだ。この世界を平和にするためには。この国に生きる民のことを考えれば君みたいな人物が必要だったのさ。私達がこの国を救うには君が必要ということだ。君はその、娘に手を出そうとはしないだろう。君にはそんな卑劣なことはしないと信じているし。君になら娘を任せられると確信したからこそ君を呼んだのだ」

そんな話を聞かさせられたのであった。その王様の話は信じられるものなのか。

そう考えた俺は。とりあえずその件について詳しく聞いてみることにしたのである。

王様曰く、王様と王妃様は娘が大好きであり、娘のために行動したいと思っている。だけど王様と王妃様はそのせいか、過保護すぎるところがあり、そんな二人からしてみれば、娘の幸せが一番大事なのだと語ってきたのだ。なので、王様が大切に思う娘の相手は、自分と血の繋がった人間にして欲しいと思っていたのだが。それが叶わない状況になった。つまり娘の恋人になる予定だった男は。魔族に殺されたことによって死んでしまったのだ。だから王様達は、その男が生きているうちに。その男の嫁探しをしなければいけなかったのであるが。その男の妻が魔族の攻撃に巻き込まれて、意識不明の重症を負い。そのせいで子供が作れなくなってしまったので。その男には、その女の分まで子供を作ってもらおうと、そう考えて、次の候補者を探しておいたらしい。しかしそいつらも全員死んだという知らせが届き。その次に見つかった男達も。そいつらの親族も全員が亡くなってしまっていたらしくて。

それで、俺が最後の候補者として見つけられたという話である。だけどそれは、その話が本当だとしても。俺がその王女と結婚をする義務はないわけであって。

俺も結婚なんてする気はなかったんだけど。

そこで王様が言った言葉が胸に突き刺さることになる。それは

『君が今一番大切としている人間は花恋様だろ?』

『ああそうだ』

俺は迷いもなく肯定した。すると王様は俺に問いかけてきたのである。『では花恋様と結婚したくないのか?』『当たり前だ。あいつはまだ学生だぞ』俺はそんな風に即答すると

『花恋様は君のことが好きだと思うがなぁ。それにお主が彼女を手放してしまえば。お主のそばにいる意味がなくなるだろう?お主の側を離れた花恋様に待ち受けている未来とは一体何なのだろうか?きっと彼女にとって最悪な人生になってしまうのではないかな?だからお主らは結ばれるべきだとわしは思っているよ。それに彼女達も。お互いに同じ気持ちなのだ。だからお互い結ばれなければならない理由があろう?お主と花恋様が結婚した後にわしの姫と結ばれてくれればいいだけなんじゃよ』『は?お前の言ってることがよく分からない。そもそも、お前の娘はお前達のせいで。男性が近づくだけで怖がってしまうのに。その女にどうして惚れる必要があるんだ?』俺がそう聞くと王様はこう答えた。その女の子には。とあるスキルが付与されていて。そのおかげで彼女の周りからは常に人が集まり、愛を注がれている。しかしその愛は一方的なもので、その女の子に好意を抱いている人はいないのだと言う。そのスキルは、相手の心の中に入り込むもので。その効果は異性だけでなく同性にも効いてしまうので。王様は娘のことを心配していたのだ。だけど、娘には勇者としての才能が目覚めてしまい。それが原因で、娘の周りは男性に囲まれるようになった。そして娘はそのことに危機感を覚えてしまい、娘に群がる人間達に不信感を抱き、男性に対して警戒心を持つようになったのだそうだ。

俺は話を聞いていくうちに頭が痛くなってきた。なんという厄介な能力なのだろうと思わず頭を抱えたくなるのだけど。それよりももっと重要なことがあったので王様にそのことを質問してみる。

その王女の名前は?王様に尋ねてみるとその人は、、、、

「姫様のお名前は、如月(きさらぎ)

楓音

(ふわりん)様でございます」

その名前は聞き覚えがあったので俺も驚いたが、それよりも、、その姫の名前が可愛すぎて萌え死するところだった、俺、、。だって、俺の名前も高嶺の花から来ているんだよ、なのにその上、姫の名前まで可愛すぎるときたもんだから。これはもう運命の出会いを確信する他なかったのだ、うん。

しかし俺は疑問に思うことがある。その姫と婚約関係を結んだところで。王様の悩みは解決するとは思えないのだが、、。そのことについて俺は指摘することにしたのである。

すると王様はとんでもない言葉を口にしたのである。なんと王様はその女の子と俺の婚姻を結ばせようとしているのだと言うのだ。王様が何を言っているのか分からなかったのでどういう事かと尋ねてみたら。なんでも、その子には呪いのようなものがかけられているのだと言う。それがどのようなものなのかはよく分かっていないのだが。その呪いの影響で彼女は、男性の側に長時間いることが出来なくなっているのだそうだ。そんなわけで、俺との仲を深めさせてその問題を解決しようとしているみたいだが。正直に言うけどそんなことで俺が協力するとでも思ったのだろうか。そんな面倒ごとを引き受けるつもりなど俺にはさらさらないのに、そのことはちゃんと伝えたはずだと口にしようとしたのだが。どうやら俺の言葉は王様の耳に入ってないようである。王様の話が終わらないので。

その話を途中で打ち切るように俺は口を開いた。そして

『じゃあその問題を解決するまでにどのくらいかかるか分かりますか?それまで私は待つ必要がありますよね。そしてその問題は私が貴方達の国を助けるまで続くのでしょう。そして助けた後は、私が他の女性と結婚しても構わないんですよね?』と問い詰めると、王様の表情が凍り付いた。その反応を見て、やはりそういうことだったのかと確信した俺は、さらに言葉を紡ぐことにする。

俺はその問題の解決策について提案をしてみることにしたのである。そう、この国の王様の娘を娶れば済むことじゃないですかと。その言葉を聞いた王様と王妃様の顔は引き攣っていたのだが。俺の目の前で膝まづきながら王様とその奥さんは俺に向かってお願いをしてきたのであった。『どうか、、この国を救ってください。』俺はそんな言葉を聞きたくなくて、その場から離れた。そして城の中をうろついていると。王様達が必死に説得しているのが聞こえてきて、、その会話を聞く限り、どうやらこの国を救うのは、俺ではなく、勇者の役目らしいのである。

どうやら俺のやるべきことが決まったようであった。俺は王様達が何かを話し込んでいるのを確認しつつ、ある魔法を唱えたのである。それは《隠密》と呼ばれる魔法の派生版で、姿を消すだけではなくて声や匂いも消すことが出来る。そして気配遮断も可能になる便利な魔法である。その二つの機能を同時に使用しながら、王様の後ろへ回り込んだのである。そうしてそのまま、王様達の背後から話しかけたのだ。まず、なぜこの国を助けて欲しかったのかを尋ねることにしたのであるが、その返答はあまりいいものではなかった。

その理由として、その問題のある姫様を妻にするメリットは、あまりなく、むしろマイナスの方が多く、しかもその問題の姫様の年齢が16歳であることも大きなデメリットになっている。要するに年下と結婚するということは。結婚をした瞬間、その子は世間の目にさらされることになる。そうすれば当然、娘が好奇な目に晒されることになり。娘はその事実に耐えられる自信がないと王様は俺に説明したのだ。そんな事情を聞かされて俺は納得するしかなくて、俺は、その問題が解消されるまで待つしかないかと諦めようとしたのだけど。

『そんなことでしたらご安心ください。解決策はございます』

そんな言葉で王妃様が話を遮ったのだ。王妃様の話によると、今この国に滞在させている魔法使いがいるのだが、その者に、姫にかけられた呪いを解く薬を作ってもらうことになっているから大丈夫だと王妃様は言ってきた。なので王様は、その話を信じることにしたらしく。娘が元通りになってくれればいいと口にしていた。そんな二人のやり取りを見つめながら俺は内心でほくそ笑む。よし、これで話は決まったようだと、そう思って立ち去ろうとした時に。そのタイミングで姫が現れた。

★Max →全知之書Newworld 3》

* * *

名前:如月 楓音

(ふわりん)

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年齢:17/女 16歳の高校二年生、花恋とは同級生 【外見】

肩より少し長い髪を下ろしており綺麗な黒色をしている髪の色で、腰のあたりまで伸びているロングヘアーをしていてスタイルはスレンダーな体つきであり胸のサイズもそれなり。顔は可愛い系の美少女である。目はパッチリと二重になっていて。鼻もそこそこ高くて、口元は、小さくピンク色をしており、身長は154cm。体重は42kg 容姿が優れているのもあって学校の中では男子に絶大な人気を誇り、告白をされる回数はかなりの数に上る。また同性からも人気で、よく女子達から相談事をされたりもするが、彼女自身は恋愛に興味がなかったのでいつも断っているがそれでも何度もアタックをされて困っており、そのことを親友に相談してみるとその人は、、なんと、同じ学校の花恋だったのである。ちなみに花恋は花恋で同じクラスの男子に言い寄られておりそのことで困っていて、その花恋の親友に話を聞いてもらいたいと相談をしていたのが運の尽き、、、。お互いがお互いの状況を理解したことで意気投合した二人はその日の夜に飲みに行ってお互いの苦労を話し合うようになる。お互いがお互いの状況を理解できるということで仲が深まった二人はその後一緒に遊ぶ機会が多くなり、気づけばお互いを意識し始めていたので自然と交際を始めることになるのであった。

性格はとても明るく、優しい性格なのだけど男性恐怖症な一面もありそのこともあって男性からの好意がとても怖く感じてしまうのである。

花恋とは仲が良く休日には二人でショッピングに行くほどには親しい友人関係を築いており。

お互いに好きな人については相談をし合ったりするほどであるが花恋のことを本気で愛しているので花恋が選んだ人とは結婚したいと常日頃から思っている。


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名前:桜庭(さくらばら)

姫(ひめ)

職業:高校生 性別;女性 花恋と同じ学校に通っている少女で同じ学年の生徒である 花恋と同じく美人である。ただし彼女は、クラスの中心人物でみんなから慕われていてその人柄でクラスメイト達からの人気は絶大である。花恋とは全く真逆な性格で友達は多くて毎日楽しげに過ごしている。

彼女は自分のことよりも人のことを大事にしており誰に対しても分け隔てなく優しく接してくれるようなそんな心優しき人間なのであるがその優しさ故に自分を押し殺してしまいやすい部分がある。そんな彼女に対して密かに好意を寄せている男性も少なくはない。

花恋とは中学時代からの知り合いでその頃は普通に話す程度には仲が良いくらいの関係だったが。高嶺が異世界に転移したことによって二人の関係は変わり始めていくのであった。

【概要】

主人公の幼馴染である 見た目はかなりの美少女で、その美しさと清楚な雰囲気が合わさって彼女の周囲には多くの人が集まらせられる。

花恋曰く『天使のような女の子でその笑顔を見たらきっと癒されること間違いなし』

高嶺と中学三年生の頃に付き合い始めて高校卒業と同時に結婚をする予定であったのだが。その約束を果たすことは出来なくなりそれ以降ずっと高嶺を待ち続けていたのだが。結局、彼は戻ってくることなく、花恋も次第に彼の事を諦めるようになり、それから一年も経たないうちに別れを告げるのである。その時の花恋の様子は凄いものだったが、それを気に病んだ両親は、そのトラウマを克服して欲しいと思い、お見合い話をいくつか持ちかけてくるが、どうしてもその男と仲良くなるビジョンが想像出来ずに全部断っていたが。そんな中で出会った人物に花恋はある感情を抱くこととなる。それが、花恋にとっての新たな人生の分岐点となるのだが、そのことを本人は知らない。

彼女は彼氏がいない期間が長くて色々とこじらせてしまっているので中々素直になれないところがあるが、本当は彼に会えてすごく嬉しいと思っているし会いたかった気持ちが強すぎてついキツい言葉をぶつけたりしてしまったりと。そんな自分が嫌で仕方なくなってくるがそれでも素直になることはできなくて悩んでいるが、、そんな悩みを察してか。彼女が大好きである両親が、花恋のことを応援するために色々とアドバイスをしてくるのであった。

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「えっと、つまり、王様の娘さんに一目惚れをしてるってわけなんだね?楓音ちゃんは。」

『うん、そうなのよ。』

私の隣に座ったままの女性は、そう言って私に同意を求めてくる。私はそれに対して軽く相槌を打つことにしたのである。私は花恋、今日も学校で授業を受けている最中である。しかし私の隣の席では何故か女性と女性が話し合っていたのだ。私は最初こそ何が起こってるか理解できず困惑していたんだけど、どうやら女性の方が一方的に喋っていただけらしいので安心しているとチャイムが鳴り響いたのだけれど先生がまだ教室に来ていない。どうやらとんでもない事態になってしまったみたいである。何故なら担任の教師が急に休学することになってしまいその代理の人が来てはくれないのだと言うのだ。どうすればいいんだよ。

するとそこに現れた一人の少女がいた。そしてその人物はこの学園の中でも有名な人だったのだ。そうこの国の姫と呼ばれる人物でありこの国の王と王妃の間に生まれた一人娘なのである。彼女はこの国の王様の娘であるからして姫と呼ばれているのだが、その美貌と可愛らしさは他国に知れ渡っており。この国に来たならば一目でも見ておきたいと思う者は少なくはなく、そんな人物がまさか自分の隣に座っているだなんて誰も予想しないだろうなと思ったりしてしまうのであった。そして私がこの国にやって来た目的というのは、、その姫様を嫁にしてこの国を助けて欲しいと国王様に頼まれたからである。だけど正直その話を断ろうかとも思っていたのだけど、そういえば、最近この国を魔族の襲撃によって窮地に追い込まれており、それの対抗手段として召喚を行ったのでどうにかこの問題を解決してくれないと困ると、言われてしまったのである。要するに、その問題というのがこの姫様を妻として娶れば解決できるという訳であるのだ。だが私は姫様が苦手なので、そんなことをしたいとは到底思えなかったので断ろうとしたが。どうにもならない状況だったので仕方がなしに受けることにするしかなかったのだ。それにしてもどうして姫はこんなにも綺麗なんだろうと考えてしまう程綺麗な顔をしていて。しかも性格までいい子ときたものだからますます憧れを抱いてしまうというものである。

だけど、、だけど、だけど。、やっぱり姫様だけはちょっと違うかな。なんでこの子はこんなに馴れ馴れしく話しかけてくれるんだろうか。今までの人生を生きてきて誰かと関わるのが怖いから極力関わらないように生きていこうとしていた私からしたらこの状況は地獄に等しいものであるので。できればそっけない態度で接して欲しいものなのだけど。だけど、、この姫様はそれを分かってはくれなさそうである。だからといって姫の事を好きではないと言えば嘘になるし。だけどそれは人としてであって恋愛対象とかそういう意味ではなくてただ単に姫の事が羨ましいのだ。私には好きな人と結ばれることもなければ結婚することもないしそもそも恋人もできたことがないし、それに、、。


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花恋side

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楓音が花恋と出会って少し経った後の話、 **

「花恋、大丈夫だよ!姫様だって悪い人じゃないってきっと、、。」

花恋が花恋の部屋でうずくまっているのを見て親友である高坂花恋が励ましの言葉をかけてくれたけど。その言葉はあまり私に届かなかったのであった。なぜなら私はその日からしばらく部屋に引きこもり続けたのであった。

その数日後に。

「花恋さんいます?」花恋の部屋の前でメイドの桜子がノックをしながら呼びかけるが、反応がないのか首を傾げている。

花恋はこの城に滞在させてもらってからというもの毎日引きこもっていて花恋を心配した王様から、花恋に事情を聞き出して貰えないかという要望を受け、花恋にその事を伝えると花恋は暗い表情で分かったと言ってその日はそれっきりでおしまいとなったのである。

その後のある日のこと。花恋が部屋に引きこもってしまった原因を究明するために姫にそのことを聞いてみることに。「花恋が部屋に引きこもっちゃって理由が全然分からないの。なにが花恋に起こってるのでしょうか?」

花恋が部屋で閉じ籠るようになってからもう数日は経っているが、花恋は何も答えてくれずにずっと部屋に閉じこもっている。

「あの、多分ですけど。花恋さんには、好きな人がいるんじゃないですか?その、初恋の人で、それでショックで引きこもってるような気がします。」「え、そんなことが、、花恋に、、好きな、ひと、、?花恋に、、?」花恋はそんなことを全く言っていなかったのでその情報を聞いた高嶺は驚きを隠すことができないでいた。


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その頃、、、花恋は自分の部屋のベットに倒れ込んで泣き喚いていた。

なんであんな人に恋をしちゃったんだろうとか色々考えながら花恋は泣いたのである。そして花恋はこうも思う。もし自分がもっと大人だったのなら。あそこまで感情的にはならなかったかもしれないのだと、、 ****楓音side *

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花恋が引きこもって二日が過ぎた日。花恋に呼び出されたので彼女の部屋に行くと、そこには既に花恋の姿があったので声をかけてみることにした。

するとその途端に彼女は涙を流して大声で叫んでいる様子である。一体どうしたのであろうか。花恋がこんなに取り乱すのを見るのはこれが生まれて初めてのことであったので。花恋のことをよく知らない高嶺にとっては花恋に対して心配でならなかったのであった。花恋と会話をしていると花恋は何かを隠していたようであったが高嶺が無理矢理花恋に問い詰めると彼女は観念してくれたようで花恋はその人物の名前を告げたのである。その名前とは高嶺君の名前であり高嶺君のことについて色々と聞き出すと、花恋と高嶺君は中学の頃から付き合っていて、その当時は本当に幸せそうなカップルだったが、、。それから一年後に、二人は別れたのだという。理由は花恋は知っておらず高嶺が一方的に振ったらしいとのことだが詳しいことは不明らしい。花恋は高嶺のことを待ち続けてるらしいのだが中々帰ってくる気配がなく。一年経ってようやく帰ってきたらしいのだが、それでも彼は変わってしまったという、。そして彼が変わってしまった理由が分からずずっと不安を抱えてきたらしい。だけど花恋は彼のことは好きだと言い、そして今の関係も悪くはないのだと言ったが彼女はどうにも彼のことは忘れられないようだ。

だけど私は彼にはそんなことをして欲しくなかったのだ。私の幼馴染にそんな酷い事をして欲しくないと願ったのである。


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****楓音side ****

「ねぇ、花恋ちゃんの初恋の子ってどんな人だったのかなぁ?」と、、私はそんな疑問を口にしてみたのだが、彼女はその人物の容姿について語った後でその男の子との思い出を語り始めたのである。そんな感じに花恋から話を聞いたあとは私の質問責めは続き花恋の心の傷を埋めてあげようと奮闘しているうちにいつの間にか時間が過ぎて行ってしまうのであった。

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『隼人くーん!』「え?な、なにかな?」

『えへへっ、呼んでみたかっただけ〜♡』『そうかい。そう言えば今日転校生が来るんだけど。僕の知り合いみたいでさっき話しかけられたから。僕から色々と教えておくね?なんか色々と苦労してきた子だから仲良くして欲しいな。』

『うん、もちろんだよ!任せて!私がその子と花恋がうまく行くようにしてあげるね?』『うん、お願いね。』

とある日、私はそう言いながら隼人くんに近寄ったら花恋と会ってみたいなと思っていたのである。だけど花恋はまだ部屋にこもりきりの状態が続いているらしく中々出てこない。そんな時に花恋の部屋を訪ねて来た高嶺と言う女が私の目の前に現れたのだ。その人は私が高嶺のことを知ってることを知らないらしく。いきなり花恋の居場所を教えろだのなんだのと言ってきた。私は当然の事だけど花恋に聞いたほうが早いと思ったのだけど、その前に私はこの人を黙らせなければならないと感じたので。まずはこの人に向かって手を伸ばしてその体を拘束することにした。

だけど私の魔法によって生み出された魔力の手はあっさりと砕けてしまい、逆に私は高峰の攻撃を受けて意識を失うことになってしまったのである。そして気が付いたときには私は牢屋に囚われていてどうしようもなく絶望してしまっていたのであった。だが私は諦めずに必死になって脱出を目論んでいたが結局脱出することは出来なかったのである。

**

『高嶺君、あの子は私達と同じ日本人なんだよ。だからどうにか説得出来ないかなって思ったんだけど。でも高嶺君の話をする時は少し元気になるような気がしないかな。』「うーん、そっか、それじゃあもう少し優しく接した方がいいのかな?」『その方がいいと思うよ。だけど無理はしない程度に、ね?』「わかった、なるべく善処しておくよ。」

私はそんな会話を交わした後で自分の部屋に戻ろうとするが、どうやらいつの間にやら私は迷ってしまったらしい。なので花恋に道を聞くために花恋の部屋を訪ねるが、花恋は部屋にはおらず。どうにも見当たらないのでどうしようもない状況になった。その時だった、、

「おい貴様はそこで何をしている。まさか花恋様に危害を加えようとしていたんじゃないだろうな?」と突然声が聞こえた。それは、先程まで私の前に姿を見せなかった桜子のものであった。

私は、その少女のあまりの美しさに見惚れてしまうのである。

私はその少女の見た目は綺麗だと思うけど。なんだろう。花恋とは違った魅力を感じてならないのであった。花恋よりも年下に見えるその可愛らしい少女を見て。何故かわからないけど。心を奪われそうになる。そんな風に考えていると、、。

「何を見ている、早く失せろ、そして二度と花恋様に関わるな、次は無いぞ。」と言われたので、慌てて逃げることにする。だけど最後に一つ確認したいことがあるのでそれを問いかけてみるとその言葉を聞いた少女は一瞬顔を曇らせたように見えた。だけどその次の瞬間にはその表情は無くなっており無愛想な口調に戻ってしまった。

「何?まだ何か私に用事があるの?私に構って欲しいわけ?」そんな事を言われたけど、、まあ別に良いけど。

『私は、高嶺君の婚約者候補の一人なの。だから貴方に宣戦布告をしに来たわ。花恋さんには絶対に負けないからね。覚えといてよね。高嶺さん!』「え!?なんでそのことを、、」『いいえ?何も言ってないけど?』私は、彼女の事を侮っていてはいけないのだと再認識することになったのである。

花恋side ****

「ねぇ、どうして泣いてるの?」

花恋が泣き始めて数日が経った頃である。僕は、彼女に何故部屋から出て来ないのかを聞いてみると彼女はただ一言、、『会いたくない。顔を合わせる自信がない。』

「ねえ、君の名前って楓音っていうんだよね?僕の元の世界の友人の名前に良く似ているんだ。もしその友人が生きていれば、ちょうどこんな年齢でこんな性格をしてて、楓音の生まれ変わりなのかなって思ってしまうくらいにそっくりなんだ。君はその、異世界転移をしてくる前から僕のことを知っているって本当かな?もしも、君に会ったことがあるって言ってくれれば嬉しいんだけど、どうかな?」

その質問をした時。彼女は僕の顔を見上げて驚いた表情をするのであった。

そして、しばらくの沈黙が流れた後に花恋は僕に言う。

『ごめんなさい。私は、隼人君のことを全く知らないの、だって隼人君は私と出会う前の記憶は曖昧で殆ど覚えてないようだったから、多分私は、あなたが隼人君のことをどれだけ大切にしていたか知らないし、あなたの記憶の中の私のこともきっと全然知らない。だけど、そんな状態で私は今ここに居るんです』そんなことを言う花恋の言葉を聞いて、どうしたらいいのかわからなくなる。

『私は隼人君に会う資格はないんだってわかってるから』そんな事を言いながら花恋が部屋の外に出ようとするので、花恋が部屋の外に出るのを止めようとしたときである。花恋の部屋のドアノブを掴んだ途端、花恋が倒れたのである。

その事に気づいた私は咄嵯の判断で彼女をお姫様抱っこで持ち上げ、部屋の外へと運び出したのであった。

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「楓音!大丈夫か?」『う、うん、ありがとう。私は平気。ちょっと立ちくらみしただけだもん』私は花恋に事情を説明してもらいたくて。花恋を連れてくるようにお願いしたが、彼女が頑なに嫌だというので私は無理矢理花恋に部屋から連れ出させることにして、なんとか花恋と対面させたが花恋はやはり私に対して何かを隠そうとしている様子であった。そして彼女は私が隼人君のことについて質問すると隼人君のことについて答えてくれたが、隼人君と過ごした時のことについては一切触れず、花恋は自分がこの世界のことに詳しい人間だと言っていたのだ。その発言から私は隼人君と何かしら関係がありそうだなと思ったのだが。彼女は何かを隠しているようでそのことについて聞くことが出来なかった。

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「花恋ちゃん、もう泣かないで、僕なら心配いらないからさ。それに僕が居なくなったことで君を苦しめていたんだとしたら申し訳ない気持ちでいっぱいになるからさ、頼むよ。お願いします」と頭を下げてそう言ったのだが、そんな彼の言葉を聞いていた花恋は彼に抱きついてこう言ってくれたのである。

『隼人君、違うよ。私が泣いてたのは隼人君がいなくなったことが原因じゃないの、私のせいなんだ。私が全部悪かったの。隼人君は優しい人でいつも私のことを気遣ってばかりいてくれていて。なのに私は彼に迷惑をかけてばかりでいたから、それがすごく悔しくて情けなくて、私は彼に会いたいのに。私は彼に会わせる顔を無くしてしまった。彼が好きだったからこそ私は彼を振った。そして、彼が戻ってくるまでの間私は彼に振られた原因について考えていたんだけど。私は彼に釣り合うような人になれていないってことに気がついてしまったの。私が彼の側にいるには私は幼すぎるし。私は彼のことが好きなのに私は彼と一緒に過ごすのに相応しい人になれるのかな?なんて考えていて。そう思うようになった時からずっと私は怖くなった。

いつか私じゃなくても良いよって思われてしまう日が来るんじゃないかと思って、だからね。今は怖いの、このまま隼人君が帰ってきても私はまだ隼人君の側にはいられないかもしれない。』

『そういえば、私が隼人君に初めて会ったのって幼稚園に入る前で隼人君は私が生まれて間もない時に初めて会っていたみたいなの。それでね、私は小さい頃の彼と会ってるって聞いて嬉しかったんだよ。

私が覚えているのは、お母さんの背中にくっ付いて歩いてた隼人君の可愛い姿だけだけど。私に優しくしてくれて。でも、私はその頃の隼人君しか思い出せないの、だから私のせいで。昔の記憶があやふやになって、今の私は昔の私より成長してるはずなのにも関わらず昔の印象しかない私はきっと彼の目に映るのに相応しくない。そんなことを考えちゃうと。不安になってどうすればいいのかわかんなくなっちゃうの。でも私はこれからもっと変わっていきたいと思うから私は頑張るよ。』と彼女は笑顔でそう言い切ったのだ。

私は花恋の発言を聞き、その話の中で出てきた名前に疑問を抱く。高嶺と、、その言葉を聞いた瞬間、私の頭の中である人物の名前が浮かぶ。その人物は私の幼馴染であり。そして私が愛した人であり。私があの世界に帰りたい理由の一つとなった人であったのだ。

*

***

俺は目の前の少女を見た瞬間。心を奪われたかのような感覚に陥りそうになる。それは彼女の顔に見惚れてしまい。心を奪われてしまいそうになるような容姿をしていたからだ。だが、彼女の瞳を見て俺の心は一気に冷めてしまう。彼女の心には一筋たりとも光がなく、彼女の瞳に光が宿ることは一生無いのではないかと感じさせられるほど暗く濁りきった目をしているからである。そんな彼女を見るとどうしようもない感情に支配されそうになる。だがしかしそんな感情を押し殺しつつ彼女に話し掛けることにしたのである。

「君の名前をもう一度聞かせて欲しいんだ。僕は君のことが知りたくて、でも君と関わりを持ってもいいのか分からずに悩んでいたんだ。」

「どうして?」

『なんで?』「僕は君のことが大切で、、君を傷つけたくないから。でも、それでも。僕は君が好きだから。君の力になりたいんだ。君が望むのであればどんな協力でもするつもりだよ。」

「私の名前は、水橋楓音です。私の望みはただ一つ。貴方が幸せになることなの。貴方が私以外の女の子のことを好きでいても構わない。だって、貴方の幸せが私にとっては何よりも優先されることなのだから、、私は、高嶺さん、貴方のことが本当に大好きだったの。だからこそ、あなたが私ではない他の人を愛してても仕方ないの。私は貴方を愛してるもの。」

彼女は涙を流して、僕の事を抱きしめてきたのだ。そんな彼女に僕は何も出来ないままただと彼女に抱きしめられることを許してあげたのであった。

その後、楓音と名乗る少女と別れた後である。桜子と名乗った少女と出会い私はその少女を信用することにして話をすることにしたのだ。その少女の言うことは確かに信憑性があるものだったからこそ信じれた部分もあったのだ。私は彼女と少し話す機会を得たのである。私はそこで彼女は隼人君の妹だと教えてくれた。そんな彼女が何故私をここへ呼んだのだろうかと思い問いかけてみると。

「お兄様は私にとって大切な存在で、、貴方は私のお兄様と付き合っていたのでしょう?お兄様のことを教えて欲しかったのです。お姉様はきっと自分のことばかりを話して私のことはあまり聞いてくれないと思いますし。私は貴方が私に話しかけてくるのは正直に言ってとても嬉しいことだったから」

そんな事を言われるが私はその問いに対してどう答えたらいいのかが分からないので私は適当にはぐらかすことにしたのである。「私はそんなに大した人間では無いですよ。私の事については何も言わないほうがいいですからね?私は高嶺の花のような女性ではなくただ平凡なだけのつまらない女だと思われている方が良いんですから、私はそんなに特別な能力を持った人間では無いんですよ?私のことを過信されては困ってしまいますし、そもそも私はこの世界の人間ではないので、私の存在というのはこの世界において異物でしかないんですからね?私がこの国に滞在していられる時間は長くはないでしょうから。そのことについてあなた達に知っておいてもらいたかったから、その事を伝えたんです。

私はあなたのお兄さんのことは良く知っているから言えることがあるんですよ。お兄さんのことでどうしても伝えたいことがあったんでこうして会いに来たって言うのもあるの。

隼人君は、貴方に会えなくなってからもずっと君を思っていたからね。隼人君は君のことを大切に思っている。だけど君に嫌われているのならば。自分は君に会う資格はないからと、そんな理由でずっと君は会えない状態が続いてしまった。だから彼はこの世界で生きているんだ。隼人君は今、勇者召喚の魔法陣に巻き込まれた異世界転移の被害者だと思われている。だけど本当は違うんだ。彼は元の世界に戻りたいと願い続けていた。でも私は隼人君のことを思って、彼に真実を伝えるのを止めようと思っていた。彼がその事実を知ったらきっと壊れてしまうからね。そんな彼を見ていたくなかったから私は彼に真実を伝えないつもりだったけど。

だけど。私は彼のことが心配でたまらなかったの。隼人君は今一人で抱え込んでしまう性格になっているから。私なんかに助けを求めようとしなかった。

私達はお互いにすれ違い続けて、隼人君にあんな酷いことをしてしまったけれど、でも私達の想いは決して間違っていなかったと私は思うの。私は、私は、、彼が幸せになる姿を近くで見守っていたかった。例え、それが私が死ぬ結果になっても後悔はしないわ。隼人君が幸せに生きれるのなら、私は死を受け入れましょう、私はもう隼人君には会わない方がいいから、これ以上傷つく前に私は彼の前から消えるの。」

そう言い残して、彼女は去っていってしまった。

私にできることは彼女を見守るだけで良いんでしょうか?隼人君が幸せな人生を歩めるように手助けをすることは許されるのですか? その疑問を解決する答えなど分かるわけもなかったのだが。彼女は私に相談をしてくださった。それなのにその期待に応えることができなかったら私に価値なんてないんじゃないのかな、と私は考えてしまって。結局答えは見つからなかったのだが。

*

***

花恋から話を聞いたあと俺は、彼女の様子がおかしくなっていた理由について理解できたのであった。俺はあの時彼女に振られたことに対するショックで頭が混乱していたせいか彼女を振った原因を忘れてしまったということがあり、そのことを花恋は知っていた。だからあの時、花恋が俺に気を使ってくれていたということに気づいていたのにも関わらず俺は自分の感情を優先するために彼女の優しさを踏み躙ってしまったんだ。だから俺は花恋に謝ることにした。そして、これから先どうしたらいいのか花恋に助言を求めたのだ。

俺は彼女に今までの経緯を全て話した上で。俺は花恋の意見を聞くと俺の気持ちに整理をつけてくれるのではないかと考えて彼女に頼ったのだ。すると彼女はこんな風に話してくれた。

「私がもし隼人君の立場にいたとしたら隼人君のように振ることはできないよ?振られて当然だし。私は隼人君みたいに強くないもの。隼人君だってそうでしょ?自分が弱いと自覚した時から人は変われるものなんだよ?隼人君も強くなればいいんじゃないのかな。

そうそう。私は別に気にしてないんだけど、あの時は私が悪かったんだよ。ごめんね。私がしっかりしてればよかったんだけど、私が弱かったばかりに隼人君には嫌な思いをさせちゃったもんね。私がもう少し強ければ良かったのに。私は今でも隼人君に相応しく無いってずっと悩んでいるよ。私は私を変えたいってずっと思いながら生活をしているんだけど。やっぱり上手くいかないや。だから隼人君には私よりももっと良い相手が見つかるはずだからね。私はそんな隼人君の姿を見ているだけでも満足できる気がするんだ。隼人君と過ごしたこの1年はとても楽しかった。でも私はそんな隼人君との時間を終わらせなきゃいけないの。隼人君が私と別れてでもやり遂げなきゃ行けない事が何かは私にはわからないけど、私はそれでも良いと思ってるよ。

私はいつまでも待つから。私はいつまでも君のことを待っているよ。」

俺は花恋の言葉を聞いて。花恋がそこまで言ってくれてるんだったらと、勇気を出してみようと考えたのだ。だがその前に、俺が本当にあの人のことを忘れることができるのかどうか試そうと思うのだ。だって、今の俺はまだあの人を完全に忘れることは出来てないし。完全にあの人を思い出にできているとは言いきれないからである。

俺だって。あの人に忘れられて寂しいと感じてしまっているのだから。だからこそ、今のあの人がどんな姿になっているのか見ておきたいのもあった。それにあの人なら俺のことを助けてくれるんじゃないかなってそんな気がしたから俺は彼女のところに行くことにしようと思うのだ。あの人とは俺にとってかけがいのない存在になっていたから、俺はそんなあの人に頼ってしまおうと決意したのである。

だが俺には問題がある。俺の姿はどう見ても子供なのだ。そんな俺をみてどう思ったとしてもあの人にはきっと受け入れてはくれないだろう。そんな事を考えながらも、俺は彼女に頼みごとをすることに決めたのだ。

「私に頼みたいことってなんなのかな?」

『私のお願い、聞いてくれるんだ』「えぇ、私には叶えてあげられるか分からないからあまり頼りにされると少し厳しいかもだけど、、それでも、力になれるのであれば私はあなたに協力したいと思っているからね。」

「うん。じゃあとりあえず私の手を取ってくれる?」

『私の願いを聞き届けて欲しいの』そんな事を私は口にしたのであった。そんな私の行動に少しだけ驚いた様子を見せるものの彼女は私の言葉に従い私の手にそっと触れると目を閉じたのである。

私には魔法を扱う力が備わっていないし。魔法に関する知識もないからどうして彼女が魔法が使えなくなったのかなんて全く見当もつかないのだけど。そんな事は関係ないよね。彼女が私の事を覚えてくれているのならそれで十分すぎるほどなんだ。だって、私はこの人にとって大事な人だと、それだけで嬉しいからね。

私の名前は、高嶺愛梨。私は昔から魔法というものに興味があってね。その力を私は欲してたの。

この世界には元々、異世界転移者っていうのが存在していて。そんな異世界転移者が残したと言われる魔法の書とかがあったの。

そんな本を私も見つけ出して、その本を読むことができたのが幸いして、私もその力を使えるようになったのだ。

私の魔法で助けてあげれられることがあれば何でも協力したいと思っていたんだ。だけど私はその魔法で自分の身を危険に晒すようなことになってしまうの。

そんな事をしても意味はないと私は思ってしまっていたのだけど。私はこの国のために出来ることはあるんじゃないかと思えたのである。私はそんな風に考えてしまっていたせいで。私の命を犠牲にしてまでも。国を救うべきなのではと思い始めてしまい。私は勇者様に協力をしてもらう事に決めたのである。

でも私のそんな考えのせいで私は勇者様に危害を加えようとしたのでは無いだろうかと思い悩んでいたのだけど。私は私の行いを反省することにした。そして私なりに考えた末に、私のこの力でこの国のみんなを守ることが出来たらいいのではと考え始めていた。

私は勇者様の力を借りることにしたんだ。私達2人で一緒にこの国に危機が訪れるのなら。その脅威に立ち向かえばいいだけだし。私達は2人とも同じ世界からこの異世界にやってきたわけだし。私達の共通点はこの異世界においてとても貴重だと言えるのかもしれない。だけど私は、、、。私が今、勇者様にしてあげることは。この世界から私と一緒に元の世界に戻ることだと思ったの。

だって私はこの世界の住人じゃないから。この世界の人達が私を受け入れてくれるはずがないので。

だから私はこの世界で私だけが幸せになるのではなく、私以外の人が私と同じくらい幸せになれたほうが絶対に良いに決まっていると、そう思うようになっていたから。そんな風に考えると私が今までやろうとしていたことが間違っていたのかもしれないと私はそんなふうに思うようになってきてしまって。

そんな風に考え込んでいた時だ。勇者がこんな言葉を口にしてきたのは。

『俺は花恋が好きだ。だけどそれはこの世界での話であって。元の世界に戻ったらまた俺は花恋に告白するから待っていて欲しいんだ。俺は花恋と別れたくはないからね。俺は元の世界に戻れたら、もう一度ちゃんとした言葉で花恋に伝えたいことがあるんだ。』

「私はね。貴方と別れるのは正直に言って嫌なの。私にとっては今が人生で一番幸せだと思うんだ。貴方の側にいて貴方の笑顔を見られることが一番の幸せだと私は感じるの。でもその反面、私が貴方にしてあげられることは何も無いんじゃないかって、ずっと考えていたの。だから私は今度こそはと、そう思い始めたんだよ。私は、私が私のままで生きても許される居場所を見つけられたらいいなと、そう思ったんだよ。」

「私は自分の身勝手で、、自分の大切なものを失ってしまったけど。でも、それでも私はその代償に見合うほどのものを手に入れたから、もう、迷わない。私は、もう、、私のような人を出したくないし。私はもう誰も失いたくは、ないから、だからね。私はこの力でみんなを守りたい。だから私に協力して欲しいの。私の力は、私の身一つじゃ足りない。でも私とあなたが一緒ならば私達にできないことはそんなにはないはずだから。」

俺は、花恋が俺の事を諦めてしまったのかと思っていたんだ。でも俺が花恋のことを好きな気持ちが消えることはないだろうし。俺には彼女しかいないと俺は思い続けているのである。

花恋がそこまで思いつめて苦しんでいたのかと思うと。俺は花恋の事を助けてあげたくなった。それに俺は花恋にそんな顔をしてほしくはない。花恋には俺の隣でいつも楽しげに笑っている姿が似合っているのだ。

「花恋、俺は花恋がいない世界なら生きる意味なんてどこにもないと思っているよ。花恋がいなければ俺はただ、生きているだけの抜け殻のようなものだからさ。」

「うん、分かったよ。私も同じだよ?隼人君がいなくなっちゃったら私は本当に一人ぼっちになって。何も出来ない弱い子のままになっちゃうから。」

「俺は弱い。弱い人間だ。それでも花恋には、俺のことをいつまでも待ち続けてくれて、俺を支えてくれる。そんな存在でいてほしかった。だからこそ俺にできることは限られてくると思うけど、これからも花恋の力になりたいって。そう思うんだ。だからこれからはお互い協力していこう。それが俺達がお互いにできる最善の行動なんだ。

だから、まずはその前に俺にはやるべき事があるから。それを片付けよう。そして二人で頑張ろう?」

「そうだね、まずはそれをしないと始まらないもんね。これからどうしたらいいのかわからないから。私は、何をしたらいいかを考えてみる事にするよ。」

そんな風に俺達はこれからの方針を決めた後に俺は彼女と分かれ。俺はあの人の所に向かうことにする。彼女はまだ意識を取り戻していないようだから。今は安静にしている方が良いだろうからな。

それから暫く時間が経過した頃、俺はついに彼女のいる場所に到着したのだ。だがそこで待っていたものはとんでもない状況だったのだ。彼女が、その女性に対して暴行を加えたあとの姿であったのだ。だが俺は、その光景を見て、俺は怒りを覚えるとともに俺は、この人のことも、助けてあげたいって思ってしまったのだった。

だが彼女はすでにその女性を殺害してしまっていたのだった。

俺はその人のことが許せなくなってしまったのだ。そんな感情が沸き起こったと同時に俺の中でその人への殺意が生まれて。気付いたときには俺はその人に襲いかかっていた。俺は、俺の幼馴染を傷つける人はたとえどんな人であっても許すことは出来ないから。

俺はそんな想いと共にその人を蹴り飛ばし、俺が持っていたスキルの1つである重力魔法を発動して俺はその人を押さえつけたのである。

「お前は何がしたいんだ?」「え?」「そんなことをしたって無意味だと、そう言ったはずだろ?」「なにをいってるのかな?」「俺はあんたを拘束したから、、もう抵抗はできないはずだぞ?」「ふぅーん、私を捕まえたからってどうするつもりなの?」「え?」「私がこのまま素直に捕まったままでいることを、あなたは本当に予想していたの?」

「まさか、何か企んでいるんじゃ、、、。なら、今ここでその力を使う!」

そう言いながらあの女性はあの力を使ったのである。すると俺に異変が起こり始めて体が動かなくなり、次第に息苦しい感覚に襲われることになった。そんな時あの女はニヤリと不気味な笑い声を上げていて。そんなときだ。あの子が現れたのは。その瞬間彼女の表情が強張りを見せた。

そんなときに現れた少女の姿を見て俺は安心してしまう。なぜならそこには見慣れていたはずの姿があったから。それは俺の愛している女の子であり。花恋の姿にそっくりであったから。

「ごめんね、遅れてしまって。私が来たからにはもう大丈夫だよ?」

そんな言葉が耳に聞こえてきたと思った途端。突然呼吸が楽になり始めていく感じを覚えたのだ。

『私はあなたに感謝しているの』

私の名前は高嶺愛理と言う名前で、昔、私は異世界召喚されたことがあり。その時に異世界からやってきた男の人と恋に落ちたことがある。その人は私には眩しすぎるくらい輝いていた人で、私はそんな彼に惚れてしまい。そして彼と一緒に異世界を旅したこともあったの。だけど、、、その旅の終わり頃に。私の大好きな人は私の前から姿を消してしまったのだ。

私は彼を救いたかった。彼の苦しみも悲しみも私は知っていた。彼が私の為に命を投げ出すような真似をしていたのを知っていても。それでも私はそんな事を止めて欲しいと思っていたんだ。彼は私のために自分の身を犠牲にしようとしたり、命を賭けて私のことを守ろうとして、自分の事を大切にして欲しいと思っていたから。

そして私の大好きだった彼と再会を果たすことが出来て、私の大好きな彼は変わっていた。私は、私の目の前に現れた男の子が、昔の私のよく知る天川隼人では無かったことに私は落胆を覚えてしまう。だけどそれは私の思い違いに過ぎなかったのだ。彼は私が知っている彼で間違いなかったのだ。

私は私に危害を加えようとしていた女性を殺そうとしてしまったが、そんなとき、助けてくれたのが私の大切な人であったのである。私の愛する人が来てくれて、私は嬉しくなってしまって、思わず泣いてしまったのだ。だけど私はその後に少しばかり不安になってしまうことになるのだが、それはこの場にあの子が現われていなかったから。私達の前に姿を現す気配が無かったのである。だけど私が泣き終わった後、私がこの部屋から出て行こうとすると。私とすれ違うようにしてあの少女はどこかへと消え去ってしまったのだった。

私はその後。私が連れ出した女性が何処に行ったかを探し始めたが、私が辿り着いた先は、その女性の部屋にたどり着くことが出来たの。そこでその女性が寝ていることが確認できたから私は安堵の息を吐いてその場を離れようとしたら私はそこで、あるものを見つけて私は、この部屋の掃除を始めた。

私が掃除をしている間にその女性が起きることはなく。ただその女性が目覚める様子もなかった。そんな状態のまま私はその女性の看病を続けた。そうすること数十分が経過したときだ。やっとこの人が目を覚ましたのである。私が看病をして、数日の間眠り続けた状態でいた女性は目覚めた後にこう言ってきたのである。

『貴様は、一体誰なんだ?』と。私は何も答えられなかった。何故なら私のことはこの人が知らないからである。

私は、私のことを思い出して欲しかったが、それは不可能に近い事だと、この時悟ることになってしまったのである。そして私は、彼女に事情を説明してあげたのだ。

『私の名前は神崎綾香です。私達はあなたのことを助けたいと思ってここに来たんです。信じて貰えるかわ分かりませんが、、』

「そうなのか?私は確かあいつと戦っていてそれで意識を失ってしまったんだよな?でも、どうして私がここにいるんだ?」「私はその女性に頼まれたから貴方を連れて帰ってきたんですよ?私がその人をどうにかするまでは私と行動していてほしいと言われまして。」「そっか、君は私を守ってくれるのか?私にはとても信じられない話なんだけど。でも私にも君みたいな可愛い子を侍らすことが出来るならそれも悪くないかもね。君のような綺麗な女の子は嫌いじゃないしね。それに、私はあの女のせいで死にかけていたみたいだから、私もしばらくはおとなしくしておくことにするよ。でも君に何かしようなんて事はしないから安心してくれ」

「そうですか。ありがとうございます」私はこの人の事が心配になっていたのである。何せ私のこの力の代償に記憶を奪われている可能性があるんだものね。もし私の事まで忘れてしまったとしたら。それはすごく悲し過ぎるから。

「ねえ!俺と友達になってくれない?」

僕は何故か俺のことを好きになっているらしいこの女の子に一目惚れして。彼女と一緒に過ごす時間が楽しくなり始めていたのだ。彼女は僕の事を優しく支えてくれる。まるでお姉ちゃんが出来た気分になってくるのだ。こんな僕を本気で愛してくれる。こんなにも素敵な人に出会えたことを俺は幸せだと思うようになった。だからこそ俺は彼女を守りたいと心から思えるようになっていたのだった。

「私も貴方のことを愛していますよ」そんな風に言ってもらえると、とても照れくさくなってしまう。俺のことを本当に愛してくれてるのは花恋以外にはいないのではないだろうかと思うのだ。だからこそ俺は彼女が他の誰かの手に渡ってしまうかもしれないと思うと焦りのようなものを覚えるようになっていて、、俺は彼女の隣にいる男に対して嫉妬のようなものを覚えるようになっていったのであった。

俺は俺のスキルで彼女を縛ってしまったために、俺のスキルの効果で彼女は俺の言う通りに動いてくれるはずなのだ。だから俺に刃向かったりしたら俺は彼女の体の自由を奪うことが可能になるわけだから。俺には余裕があるはずだった。なのに俺の体はなぜか思うように動かないのである。俺がそんな感覚に陥ったのは初めてのことであり。俺は戸惑うことになるのである。

「俺の勝ちだ。お前にはもう抵抗することはできないんだから。」

「確かに今の私では貴方に抵抗することはできないのかもしれ無いけど。私は絶対にあなたなんかに屈したりなんてするものか。」彼女は俺に対して怒りを見せるようにしながら睨みつけてきていた。

「俺はお前を解放した方が良いと思う。このままの状態で居続けるとお前の体に良くない影響が出てくるだろうから。お前には、これ以上俺達の生活を邪魔しないで欲しいんだよな?」「ふざけんなよ!!私はあんたの奴隷になったつもりはないわ。あんたにそんなことを言う権利があると思わないで!」「まあまあ二人とも落ち着いて。今争う必要は無いでしょう?」

俺はこの人にそう言われることで俺の怒りが鎮火して行くのを感じることが出来た。俺はそんな言葉を聞きながら自分の気持ちを落ち着かせるのである。そう言えばあの子は今頃どうしているんだろうか?あの子はあの人のことが大好きなようで、俺のことは、あまり好ましく思ってなさそうだったからなぁ。そんな事を考えながら俺は彼女の拘束を外すことにした。すると彼女は自由になったことによって俺に襲い掛かって来たのだ。だけど俺はそんな彼女の攻撃を避けていくのである。すると彼女が俺のことを攻撃する度に彼女の動きが鈍くなり、俺の動きについてこれなくなっていくのである。

「どうした?俺のスキルは解除したぞ?」「そうやってまた私を嵌めようとしてるんでしょ?」「そんなことする意味ないだろう?俺はお前に怪我をしてほしくなくて。その拘束を外したんだからさ。それにお前をこのままの状態で戦わせたくないだけだから。その状態じゃ、まともに戦うこともできないんじゃ無いかと俺としては思うから。俺だって本当はこんなことをしたくはなかったんだけど、あんたがあんまり聞き分けが無ければしょうがないよな?」

そんなことを言いながら俺はこの子から距離を取ろうとするのだが。俺は、俺の視界の隅にある人物の姿を映すことになったのである。

「はっ、隼人さん!?これはいったいどういう状況なんでしょうか?」「花恋!えっとだなこれはだな。誤解だ!俺達は別に争っているわけではないんだ。花恋。信じて欲しいんだ。」

私は彼のその言葉で彼の話を少しだけ聞いてあげることにしたのだ。彼は私が怒っていると思っているみたいだけど。そんなことはない。彼は私を助けてくれたのだから。だけど私達の様子を見守っていた人達は私達に攻撃を仕掛けて来たのだった。だけど、私達の間に突然割ってきた人がいて。その人は一瞬にして相手の方を制圧してしまう。その光景を見ていた人々は皆一様に逃げ出そうとし始めたのである。そして私もそんな人々に混じって逃げ出そうと思っていたところだが。私の前に立っていた人物は私を守るような動きを見せたのだ。

私を守ろうとしてくれたその男性の正体はすぐに判明することになった。

『私の目の前に姿を現したこの男性は一体何を考えているのかが私には理解することができなかった。

なぜならその男の人が現れた場所は、天川隼人がいるはずの場所では無かったのだから』

私の目の前に現れたのは。天川隼人ではなく、私と天川くんが通う学校の先輩にあたる。三年の先輩である。この人は天川先輩の親友の人だったはずである。そしてこの人もまた私が知っている彼とは違う一面を持っている人でもあったのである。彼は天川隼人とは全く正反対の性格をしているのである。だけど天川隼人という人間は私が知る天川隼人であって。そんな彼は私達が一緒に暮らしているこの世界の住人では無くて。別の世界の人間のはずだと言うことは、この人が天川君であるならば、説明が付くのである。

だけど私が知る彼とは別人であるということは間違いないことで。彼はいつもクールな性格をしている。だけどこの世界で出会う彼は明るく元気な青年といった印象を抱くのである。それはきっと私の知る彼との違いなのであろうと思ったが。それはこの人が天川隼人であるという証明にしかならないのだと。私は思い知らされることになるのだった。だけど私の知らない天川君を見て動揺してしまったのは事実だったんだよね?この人ももしかしたら天川君と同じような異世界召喚とかされている可能性もあり得るし、だけど私はそのことを誰にも伝えることが出来無かったのである。それは、もしも私がその事を告げてしまえば、私がこの人と仲良くしている天川とは全く別の存在だという事がばれてしまう可能性があるからだ。

私はこの人と天川君との会話が弾む様子をただ見守ることしかできなかった。私はそんな二人の様子を見ているうちに、私と彼が恋人であることに違和感を抱かないようになるまでにそう時間を要することは無かったのである。私はこの人の事を知っているからそう思えただけで。知らない人から見れば、普通にカップルのデート風景に見えたんじゃないかと思うのだ。だからこそ、私は、その二人に話しかける事が出来なかったのである。

私がそんな風に二人を見守りながら立ち止まっていたせいなのか。二人は私の事を置いてどこかに行こうとする素振りを見せ始める。

私も早くこの場から離れた方がいいと思って、私に背を向けて歩いている彼等の背後を気付かれないようにそろり、とついていったのであった。

私が後ろから見ていることにも気が付かないまま。私を置き去りにした二人が仲睦まじく楽しそうにお話を始めたので。私は、私の存在など忘れられて。そのままその場から離れて行くことになったのであった。

俺が花恋に話しかけようとする前に彼女は俺に話したいことがあると言ってきて、花恋に連れられるようにして移動をする。花恋に連れて来られたのは俺が花恋と一緒に住んでいる家で、そこにたどり着いた俺は、彼女に案内されるがままに家の中に入る。

そして俺は家の中で椅子に座って彼女と向かい合い。俺は彼女に問いかけたのである。「それで話っていうのは?」「はい、、あのですね、私は、貴方のことが大好きで。ずっと貴方と一緒にいたいと願ってます」

「ああ、俺もだよ。俺も、君のことが好きだ。」

「ありがとうございます。それでなんですけど、私には夢があるんですよ。私は、貴方といつまでも共にいたいって言う夢があるんですよ。」「俺はその夢の手伝いをさせてもらえるなら。俺は協力するよ。俺は、お前の夢を応援してやるよ。」「本当ですか!私は嬉しいです。私は、あなたの事を愛してしまって。だからこそ貴方には私と同じ思いをして欲しくないから、だから私は、、」

「ん?どうした?何か言いにくい事があるのか?」「はい、実は私、あなたに嘘つきました」

花恋がいきなりそんなことを言うので俺は困惑することになる。「私、私本当はあなたと同級生なんかじゃないんです」

「え?どういうこと?」

「つまり、私、実は貴方より先にこちらの世界に迷い込んでしまった異世界人で。しかも勇者召喚された一人でもあるの」

「そうだったのか、、俺はそんな風に全く思わなかったんだけどなぁ。それじゃ、なんで俺はそんな君に対して特別な感情を抱いたんだろうね。俺には、そんな君を疑う余地が無いんだ。俺のことをここまで思ってくれてる女の子をどうして信じられないなんて思うんだろうか?そんなこと考えることの方が俺にとっては不思議でしょうがないんだよなぁ。俺はそんなこと考えもしなくてさ。俺のことを大切にしてくれるこの子を信じたいなって思ったんだから。そんな君を俺は信じた。それが理由だ。俺はお前のことを、信じることに決めたんだよ。俺がお前と付き合うのだって、その気持ちが変わらないから付き合ったんだ。それだけのことなんだ。だからお前は何も気にすることは無い。俺はお前の事を好きでいるからこそ、お前の事を受け入れようとしているんだ。俺は、お前と一生を過ごす覚悟を決めてるんだよ」

俺は俺の言葉を聞いた花恋が涙を流している姿を見て、俺は彼女の目元に溜まった涙を手に取った。

「俺は君を受け入れる。俺を君の恋人として認めてくれるか?」

「え?良いの?こんな私を、受け入れてくれるの?」「こんな私とはどういう意味なんだろうな?俺から見た君は魅力的な女性だ。君以外の女性が君のように振舞っていても俺は惹かれないだろうから。」

そう、彼女だけが俺の心を奪うことが出来る唯一の存在だったのだ。だから彼女が他の女と同じように接していても、俺は彼女の事を愛し続ける事が出来るだろうと思ったのである。「そう、それなら良かったわ。これからはちゃんと私の事も見てくれないかな?そして私に優しくして欲しいわ」

「そうだね。今更だけど俺は、君のことばかりを見ている余裕が今の今までなかったから。君だけを見ていればいいと言う訳でもないよね。俺は君に酷いことしてきたんだし、俺が君に出来る償いは、君が幸せになるために尽くすくらいのことしか出来ないけれど。それで良ければ君が俺と恋人になるってことで問題ないか?」

「うん、、ありがとう。私にはもうこの世界で頼れる人はいないって思ってたから。だから、こうして私の側にいて、私を助けてくれて、、だから私は隼人さんのことを、信じようって決めたの。だから私はこの世界で生きていく上で。私を救おうとしてくれた隼人さんのそばにいたい。だから私はあなたが大好きなの!」「そっか、でも俺はこの世界でやりたいことをまだ出来ていないんだ。だからそれを終えても、俺と居て欲しい。俺は、君と離れることがとても寂しいと感じてしまった。だから俺の側に居てほしいんだ。それに、君はもっとこの世界を楽しまないと。俺は、この世界に来てから、あまり楽しむことが出来てなかった。俺が楽しめるようにしてくれてたのは、君だけだから。俺は君が俺を楽しい世界に誘ってくれたような気がして。だから俺は、君にはこの世界を満喫してほしいと願ったんだよ。」

花恋は泣き笑いしながら。俺の顔に近づいて来て俺に口づけをして来る。だから俺はそれを拒まなかった。彼女は嬉しそうな顔をしながら。俺とキスをしていたのである。だから俺は、そんな彼女を受け入れた。彼女は満足すると自分の席に座り直してから言ったのである。

『私が彼の唇を奪った時。私の中には温かい物が溢れかえってくる感覚があった。私は、この人の事が心の底から好きになっているんだと気づかされて。そんな私は、隼人くんのことが心のそこから大好きで仕方が無かった』

俺はそんな彼女に言葉をかけたのである。

「ごめん。君の事を泣かせちゃって。」「謝らなくてもいいの。だって私は嬉しいと思っているから」

「俺はこの世界に来る前の記憶が無いからさ。そんな自分が情けなく感じる。だから俺にできることならなんでも言ってくれよ」

「うん、わかった。隼人くんの側に居てあげるから。私のことも構ってほしいかも。私は、隼人くんがこの世界でどんな風に過ごしたいのかが聞きたい。」

そんなことを言われても俺は特に何も考えて無かったんだよな。とりあえず俺は元の世界でやれなかった青春をやり直して見ようとか考えていたわけだけど。この世界では俺は、異世界転移者だからこの世界のルールに縛られることなく過ごせるし。だから色々とやってみてもいいのかなって思っていたけど。

そういえば俺達はこの世界ではまだ高校生だし。学生らしい青春を送りたいという欲求が、無いと言えば嘘になってしまう。

「俺も君と一緒で、この世界での人生を楽しみたいとか思ってたりする。この世界の文化に触れたいな。せっかく魔法があるファンタジーの世界にいるんだし。俺が元の世界で学んだことを活かせるような職につきたいとか考えているんだけど。そんな職業はあるの?」

俺の質問を聞いて花恋が驚いた顔をしている。そして彼女は答えてくれた。

「それは冒険者ギルドに登録するのが良いんじゃないかしら?」

「へーそんな場所があるのか、この国で俺は何をすればいいんだろうな?」

そんな会話を二人で交わし。俺と花恋の二人だけの時間が過ぎていく。俺は彼女と恋人として過ごしていけたらいいと願っているのであった。俺は彼女と二人きりの生活をしばらく続けていこうと考えている。そんな俺の考えが間違っていたと気付かされたのはそう遠くない未来であったのであった。そんな花恋と俺が出会ってから数ヶ月が経過していて。俺はその間も色々な仕事をこなせていたのであった。

そんなある日、花恋と一緒に街で買い物をした時に花恋が、俺の側を離れてしまうという事件が起きてしまい、俺は、そんな花恋を急いで追いかけるのであるが、その道中で事件が起こってしまう。俺と花恋は、何者かに襲撃されるのであった。

俺は襲撃犯の気配を察知するために神経を研ぎ澄ませていたので襲撃者の攻撃を間一髪で避けることが出来たので。どうにか怪我を負うことは免れたのである。だが、俺を庇う形で、攻撃を受け止めてしまっていた彼女の方はその攻撃によって意識を失ってしまったようで。俺はそんな彼女のことを助けるために。犯人を捕らえようとしていた。だが相手もなかなかの手練れのようで、俺と互角の戦いを繰り広げていってた。俺はこのまま戦い続けるのはまずいと思って俺は一度距離を取ることに決めて相手の出方を伺うことにするのだった。そんな俺に対して敵は、距離を詰めるように俺に接近して来たのである。だから俺は慌てて敵の懐に入り込もうとしたのだが、どうにも相手に接近するのが上手くいかないまま俺は苦戦する。相手が持っている武器が剣であるのに対して俺は木刀だと言うこともあってどうしてもこちらの不利に働かされるのだ。

俺はなんとか隙を突いて敵を追い詰めて行き、遂には俺が敵にトドメを刺そうとしたその時、突如乱入して来た男が俺に斬りかかってくる。俺がその男に反撃をしようとしたところ花恋が、目を覚まして加勢に入ってくれ、俺と花恋で挟み撃ちにすることでその男は倒れ込んでしまった。その後でその男の尋問をする事になり、そいつは、勇者召喚に巻き込まれた異世界人らしく、俺たちのクラスメイトの一人だということが判明する。そしてそのクラスメイトが、どうして俺たちを襲ったのかと問いただしてみるとその男の目的は、花恋の拉致だったのだと言う。その男の話を聞く限りではこの国に召喚されてきた勇者で。この国の姫君とも婚約関係にあり、勇者の力を利用して国を支配しようと目論んでいたようである。そんな勇者と聞いて俺は思わず笑みがこぼれそうになった。この勇者がこの国に来た理由はおそらく魔族との戦争を終わらせた勇者だと聞いていて興味本位で訪れたというのが正解だろうと思ったからである。だから俺はこの男が何故こんな行動をしてまで、この世界を支配したかったのかを尋ねたらその答えを聞いたとき。俺は笑い声が止まらなくなってしまいそうになってしまったほどだ。なぜならば、その男の主張はあまりにも幼稚な理由であり馬鹿にされまくるだろうと思うほどの理由だったからだ。この勇者は、俺が魔王討伐の際に倒したと思っていたゴブリンの王が、まさか俺が倒していたのは偽物で実は生き延びていたという事実を知り。俺のことが恨めしくて復讐したいと考えていたそうである。そして、勇者の権力を使って俺のことを殺そうと企んだとか言う話で。

そんな勇者に俺はある提案をしてみる。

「そんなくだらない動機ならお前に俺は用は無いな。俺は、お前のようなクズみたいな人間のことを信じるつもりは無いし。そもそもお前が本当に俺を憎んでいるのならばもっと別の方法を取るはずだろ?お前がやったのは自分のことを棚上げにして相手を悪く言っているだけだ。それならお前が俺のことを殺せばいいだろ。俺はお前の事を全く覚えていないのだから、そんなこと出来るわけがない。そんな事もわからないのか?」

俺は、この世界に飛ばされてから、自分と関わりがあった人達としか関わろうとしなかったのである。そんな奴が、他人に命狙われても困るってもんなんだ。だからそんな奴と関わる必要なんてどこにも無いんだ。俺と関わって不幸になるとしたら、俺が助けたはずの人間でしかないのだから、そんな人間は俺の目の前から消してしまえという話なのだから。俺には関係ない。

「まぁ俺が言いたいのはそういう事だから。さっさと消えてくれ」

俺は冷めた態度のまま勇者を名乗る男を追い出す。この男を野放しにしておく訳にはいかないが、今は俺には他にやるべきことがあるからそっちを先に片付けることにしたのである。そんなこんながあって。俺は花恋とデートの真っ最中である。彼女は俺の婚約者になったのだけど。そんな彼女を連れて歩く時は、周りからの視線が怖い。俺は彼女と一緒に歩けば俺の命を狙っている輩が、彼女に手を出さないかなと思い、彼女に俺から離れないようにお願いをする。彼女は笑顔を浮かべると俺の言葉に従い一緒に行動してくれるのであった。

そんな俺達が立ち寄った店で。店員が何か問題を起こしていて俺と彼女は揉め事に発展しそうになるのだけど、俺は花恋を守るために、その問題を解決しにいくことにした。だがそこでも面倒ごとが降り掛かって来て俺と花は巻き込まれてしまった。そんな厄介ごとの連続に俺の心はどんどん疲弊していった。そんなトラブルの連続にうんざりしている中、俺が花恋のことを見失いかけて焦った時である。俺の前に、一人の少年が現れて。彼が花恋を助けてくれたおかげで俺は彼女を失うことなく助かることできたのである。そんな俺は彼に感謝の気持ちを告げたのだったが、彼の返答は予想外のものであった。なんと俺が、この世界を救った伝説の剣士本人なのかと言って来たのである。

俺が困惑していると。花恋の方も、俺に説明を求めてくるので正直に打ち明ける事にした。

俺は異世界からこの世界にやって来ていることを話した上で。自分がこの世界を救ったという記憶が無いことやこの世界で俺がやれる事を探さなければいけないと考えていることなどを伝える。俺としてはそんな話をこの世界の人々に広められると困ってしまうのだ。俺はこの世界で楽しく生活できればそれで良いと思っているのに変な注目を集めてしまっては、元の世界に戻ったときに何が起こるかわからない。

そんな俺に対して、花恋は言った。俺がこの世界のために何かをしたいと思っていることはわかるけども、俺は君と一緒にこの世界を楽しみたいのだと伝えてくれる。だから君も俺と同じで自分のために生きて欲しいと言う。だから俺は、花恋のためになるような仕事を探してあげることに決める。だが俺は今のままでは何もできない。そこで、俺達は王に会いに行くことになったのだった。そして、そこで色々と話を聞いた結果、やはり冒険者として仕事をしなくてはいけないということが確定する。そして俺は、冒険者の仕事を受ける前に冒険者登録をするために冒険者ギルドに向かうことにする。そんな俺と花恋の前にはあの女が立ちはだかる。

「久々ね隼人。会いたかったわ。私と結婚しなさいよ」

「断る!あんたに付き合う暇はもうないんだ!」

彼女は、昔よく遊びに来ていた少女『高坂咲子』である。彼女はこの世界に来る前から、何故か俺のことが好きで結婚したいと願っているらしい。そして彼女は冒険者でもあるため冒険者としての活動に同行させて欲しいと言っているので。彼女は俺達に同行することにしたのであった。彼女はこの世界ではかなり有名らしいので彼女の実力については俺は疑わない。ただ俺にとっては邪魔で仕方なかったのであった。そして、彼女の実力を見るために依頼を一つだけ受けることになり。その結果が、俺達3人のチームでは、到底勝てる相手ではなかったと俺は判断する。しかし、そんな時に、俺はこの国に来て知り合った仲間に助けてもらいどうにか倒すことに成功するのであった。その報酬として、俺達のパーティーがB級に昇格する権利を手に入れる。それから数日後、俺達はダンジョンを攻略をすることになるのだが。ここで俺の予想をはるかに上回る敵が襲い掛かることになる。だがそれでも俺と花恋はなんとかそれを切り抜けることに成功し、そして俺と花恋はついに最終階層に到達したのであった。

俺がそんな風に過去の出来事を振り返っていたら花恋のお爺さんも俺の話に乗ってくれたようで俺と花恋の話に乗っかってくれる。そのおかげもあってか俺と花恋の馴れ初めとか俺と彼女の出会いの話とか色々なエピソードを暴露していく。それは本当に些細なことの積み重ねであり俺と彼女の思い出である。だからこそ、俺と花恋が恋人同士になるまでの経緯を話すことになって、恥ずかしくてしょうがない俺と彼女の過去を語り尽くすことになってしまった。

そのせいで、俺と花恋の会話は途切れてしまいお互いの顔を見て赤面してしまうことになってしまったのである。

俺はその日、この世界にやってきた経緯を思い出していた。俺は勇者を騙る偽物の存在によって殺されたのだと思っていたのだが、どうにも、勇者は俺が思っているよりかなりヤバい奴なのではないかと考えるようになったのである。そして俺はそんな男と手を組み、これからの生活をしていくことが怖くなってきてしまう。

「ねぇ。そんな危険な勇者が召喚されてこっちの世界が滅ぶなんて事は考えられないかな?」

俺はそんなことを考えて思わず不安を口から漏らしたのだ。俺はその勇者を何とかしないといけないと考え始めており、そんな考えを持ったのは、先日の花恋のストーカー事件で、勇者を放置していたら俺と関わった人が殺されそうになっていると感じたからに他ならない。俺の幼馴染のあの子はきっとその勇者の標的になっていたのだと思うと、俺は胸が締め付けられるほどに苦しくなるのだ。そんな彼女が、もし俺と出会っていなかったらその勇者は俺を始末しにこの世界に現れてもおかしくないと俺は考えたのである。その事を考えて俺は身震いしてしまっていた。俺は勇者が、どうしてこの世界にやってきて俺を殺しに来たのかその理由を聞いている。それは、俺に対する復讐である。そんな勇者に復讐されることは、つまりはこの世界が滅ぼされても何も不思議ではないほどの力を手に入れた可能性があるということだと思ったからだ。その危険性を考えたら俺はその勇者と関わりを持つことはリスクが高いと判断したのである。そんなこんながあって俺は、俺の師匠であり俺を鍛えてくれているこの国の騎士団長である人に、勇者と名乗る存在のことについて尋ねてみることにした。

「え?勇者を名乗る男が魔王討伐をしようとしていてそれに対抗できる手段を探しに勇者がこの国に来ようとしている?なにそれ?」

俺は、この国が勇者を名乗る男がやってくることを察知したことに驚きを隠せなかった。だってこの国は、魔王討伐にそれほど熱心ではなかったはずなのだ。それなのになぜ今になって勇者が現れて魔王を倒すなどと言い出したのだろうか?そう疑問に思った俺は詳しくこの国の人間に聞き込み調査を行うことにした。そうすれば何かわかるはずだと思って。すると俺は思いがけない事実を知ることとなる。

なんとこの世界が危機に陥るのは確定しているそうだ。なぜならこの世界の人間が勝手に魔族に戦争を仕掛けてしまったことが原因だそうだ。それも、自分達は人間であるのだから人間同士の争いならば許されるが。他の種族と争うのなら容赦しないと宣言をしたのが始まりで戦争になったようだ。その結果人間以外の亜人種を纏め上げた勢力が魔王軍と呼ばれこの世界に君臨していることになってしまう。その勢力を束ねたリーダーがなんとこの世界で最強の存在であると言われている『勇者』と呼ばれる人物なのだという事が発覚したのである。そんな勇者に対して、俺の所属する国の王は勇者に対抗するには聖剣の力が必要だと考え、そのために聖剣の所有者を探していたらしい。だがこの世界にある全ての国々が探し求めたが、見つからなかったという。

そんな中。俺はこの国の国王と話をすることになり。この国では勇者に狙われるような存在はいないということが判明したのだ。そしてこの世界の危機が迫っているという話は真実であることがわかり、俺はこの世界の未来が真っ暗であることを知り頭を抱えてしまう。俺は、自分が巻き込まれる可能性は考慮して、この世界から逃げ出すことも視野にいれ始めていた。俺にこの世界の運命は背負えない。そもそも俺は自分のために生きていきたいと考えている人間なので、自分の命の方が大事だったのである。だから、俺は、自分のために生きることを決めようかと考えていた時だった。俺は自分のステータスに違和感を覚えた。

☆9/15 100→300+200 /150 →500(上限)

*エクストラノーマルスキル

* * *

1/100《剣術》3《短刀術 2 《槍 技 6 》《棒 舞 8 +4》 《弓 4 +6》《盾 5+3 +10》

* * *

MAX*5《身体強化 10 new 12 /20》

☆2 《鑑定 20 +10 /60↑3up MAX new MAX MAX new MAX new NEW MAX》 → 【】

new MAX →《魔法才能 7 new 9 /30 100 Max〕 *ユニークスペシャルスキル 1/100【言語変換&文字翻訳 レベル1】

《異世界人補正 L 俺はそこでふと思いついたことがある。それはこの世界の人達は異世界からの召喚はできるが、逆は出来ないということに気が付いたのである。つまり、俺も、俺のようにこの世界に来ることができた人間もこの世界では希少価値があるということだ。俺はそんなことを思い出したので。俺はもしかしたらこの世界の人達から勇者と崇められて利用されてしまうかもしれないと考えたのである。

そして俺は、俺に出来る限りのことを考えることにする。俺が出来ることは何か?俺は俺にできることは何だろう?俺の武器になるものは何だろう?俺の長所は何だろう?俺に何が使える?そう考えていたら答えは簡単に浮かんできた。この世界で手に入れたレアリティの高い能力がたくさんあるのだ。俺はまずそれらを有効活用することを決める。その中でも一番有用な能力は、【異世界人の補正 レベル99999MAX×3】というもので、その効果はどんな職業であってもその上位互換になれるというものだったのだ。俺はこれを上手く使いこなせれば、勇者がこの世界にやってきても対抗できるのではないかと考えついたのである。俺は早速そのことを実践するため、まずこの国の兵士になってこの国の騎士の称号を得ることにする。それから俺に最適な役職を貰う為に色々と手を打つ必要があると感じたのであった。俺はそのことにワクワクしながらも俺はこの国を救う英雄になろうとしているこの国の人々のために戦うことを決意する。

「あのー。僕、いや、私は冒険者になりたくてこちらの国へやって来たんですけど、ここで兵士をやらせてくれないでしょうか?」

俺はその言葉を口に出してみたがどうにもこの国の王と話すことが出来ないでいた。

そんな時に俺はこの城の地下でとある儀式が行われているのを発見する。

俺はそれがどうしても気になってしまいこっそりと見に行こうとしていたのだ。その部屋に入るのは容易く、そして、その部屋で行われていることを目撃した。そこにはこの国の王がいてそして勇者らしき人物が召喚されるのを待つかのように待機していたのだ。

そしてその召喚された人物は勇者と名乗るにふさわしい風貌をしている。その見た目だけでいえば、まるで物語に登場する王子様のような美青年である。そんな彼は俺を見て驚愕の表情をしていた。

そのあとは俺がこの国の為に尽くしたいということを王に告げ、その対価として俺は俺の望む称号を手に入れることに成功したのであった。俺はそんなこんなで、この国を救うために動き出すのであった。

この世界にやってきた俺の目的は、この世界の人々を魔物から守ることにある。その目的を遂行するため、俺は行動に移す。俺にはまだ俺の知らない力が存在するようなのである。それを探すべく、俺は今日は森に来ていたのだ。俺にはまだまだ知らない力が眠っていると思うのである。だから俺は森の中にいる。すると俺が森を歩いて探索していたところ、ゴブリンが俺に向かって襲い掛かってきたのである。俺は、ゴブリンに対して手も足も出なかった。なぜなら俺は戦闘経験が一切無かったからである。それでも俺はどうにかこうにかもがいた。だけど結果は俺が無様に転んでしまっただけに終わることになる。俺はそんな俺に襲いかかってくるかと思ったその時、俺の前に何者かが現れ。そのゴブリンを倒したのである。俺が助かったのはその人物のおかげであった。その人は金髪の女性だった。その人が俺に声をかけてくる。

「君、大丈夫かい?立てるかな?」

彼女は優しく微笑むと手を差し伸べてくれる。俺は彼女の手を握りしめ立ち上がることが出来たのである。

「ありがとうございます。貴方が助けてくれたおかげで俺は無事ですよ」

「君は見ない顔だがどこの村の住人なのかな?」

「えっと、俺は旅の途中で立ち寄った者で、近くの街を目指していたら迷子になってしまったみたいです」

「そうだったのか。ここは迷いやすい場所だし、気をつけたほうがいいよ」

俺の言葉に、女性は、納得すると笑顔を見せながら俺の心配をして注意してくれるのだった。そんな彼女に俺は、感謝を告げるとその場を離れる。だが、俺はまだ完全に回復しきってないのでふとした拍子にまた倒れてしまった。それに気づいた彼女が俺を支えてくれ、そしてそのままお姫様抱っこされてしまったのだ。そして彼女は俺を休めることのできる場所に案内してくれたのである。俺はその場所で休息を取れたのだが、女性との距離感を少し間違えてしまう。彼女と一緒にいることが何故か心地よく感じられた。だが俺はこの国を守る騎士となることを心に誓っているので。俺の役目を果たすまでは恋愛をしようとは思わなかった。俺は自分の力で国を守りたいのだ。

俺の名前は 星原隼人 17歳だ 俺はこの国の騎士団に試験を受けることになりこの国を訪れた そんな俺にこの国の王女は興味を示したようだ。何故なら俺は珍しい黒髪に、瞳の色が金色でありこの国の人間ではありえない色を持っていたからだ。

「ねぇ! 貴方名前はなんていうのかしら?」

そう声をかけて来た少女の名は花恋 俺が護衛しているこの城の王女である。俺達は今二人っきりになっていたのであった。俺は、この国にたどり着いた際に身分証がないことを理由に門前払いを食らったことがある。そんな俺のことを、この花恋が俺に救いの手を伸ばしてくれたのであった。花恋はとても心優しい人で。俺はそんな花恋を尊敬しているし大好きなのだ。そんな花恋にこの国を守るために一緒に戦ってくれと頼まれたのだ 。そんなこんなで俺は花恋の頼みを聞いて共にこの世界を救うことにしたのである そしてそんな俺を、この国の国王はこの世界に魔王を封印するための聖剣があるとの情報を与えてきたのだ。だがこの世界にある国は一つしかないのである。つまりこの世界にはもう魔王軍と呼ばれる勢力が存在しておりその魔王軍が世界を侵略しているということにほかならない だからこそ俺は、魔王軍を殲滅するために旅に出ることを決めたのだ そして俺はこれから先何が起こるか分からない状況であるために、念入りな準備が必要だと感じてまず最初に、自分の能力を改めて確認することにしたのである

ステータスオープン 名前: セイハラハヤト(17)

性別

:男

種族 :人族

レベル:50/100

(上限100)

☆能力値ボーナス +50 HP1000 MP5000 STR500 INT700 DEX300 VIT200 AGI500 LUK250

☆固有能力 スキル取得経験値増加(+5MAX)

職業変更スキル レベルアップ必要経験値減少(MAX)☆スキル 1/100《鑑定10》《言語変換&翻訳10》《身体強化10》《短刀術 2 《槍 技 5》《棒 舞 8 +4》《弓 4 +6》《盾 5+3 +10》《魔法才能7》《身体加速8》《身体強化10》 MAX*3《鑑定20》《剣術10》《剣術派生技 10》《棒術 3 》《短剣術 4 》《投擲 5》《隠密 6》《罠 10》《鍵開け 4》《気配察知 6》《地図 4》《交渉 4》《礼儀作法 5》《ダンス 5》《料理 4》《農業 6》《園芸 6》《栽培 5》《木工細工 10》《彫刻 7》 NEW《薬師 7》 ユニーク☆1/100【アイテムボックス 9/100】

→【時間停止&無限容量】【スキル枠+2 80】

ユニーク☆1/100【言語変換&文字翻訳 99999】

→言語変換スキルの効果によって、俺がこの世界に来て話した言葉が自動的に言語変換されている状態 職業追加

☆職業選択画面

☆剣士 槍使い 魔法使い 僧侶 商人 鍛治師 錬金術士 踊り子 狩人 斥候 シーフ 暗殺者 魔道士 格闘家

☆盗賊 忍者 アーチャー バーサーカー

☆生産職 大工職人 鍛冶屋 彫金師 革製品加工師 家具作成師 鍛冶技師 宝石加工 裁縫 料理長 漁師 料理人 農民 畜産 林業 建築屋 土木

☆特殊職業

☆職業リスト一覧 職業

☆剣士 レベル5 攻撃+115 物理ダメージUP中。素早さUP大。攻撃力上昇効果あり。剣士系武器使用時の攻撃力プラス補正有。職業熟練度によって攻撃力向上。武器使用時に武器の性能補正小。剣士レベル×職業レベル×0.5倍。職業レベルが高ければ高いほど上昇する割合も上がる。

武器

『ロングソード』レベル3 武器レベル2×職業レベル×0.2倍

☆戦士 レベル5 防御×2 回避率10%UP。HPが20%以下になると能力低下(全能力ダウン補正有。さらに回復速度遅延補正付与)

防具 【頭】

『兜 防御力0/耐寒 防音性 耐火性』

★レアリティ

☆★★ 耐久値 0/99 特殊効果 無し。ただし装備時、ステータスアップ効果があるため無用ではない。この世界での一般人の一般的な装備である。ちなみにこの兜はフルフェイスで口元以外は露出しておらず、視界は確保できるが会話は不可能というデメリットがある。

※一般兵士や衛兵などが着用する。性能としては上等なものではあるがやはりデザインが悪いため不人気な装備である。

「うわっ!すげぇ!!なんだこりゃ!?俺の能力がこんなに増えているじゃないか!!」

俺は思わず叫んでしまったのである。そして俺が叫んだことで、近くにあった木から鳥達が一斉に羽ばたいていき。その光景を見た花恋と王様が驚いている様子が伺えた。俺はそれを見て、少し恥ずかしい気分になる。だがそれでも、嬉しい気持ちが抑えきれなくなってきている。俺はそんな自分に苦笑しつつ冷静さを取り戻したのである。すると俺の様子を心配そうに見つめてくる。

「どうしたんですか?いきなり大声を出したかと思ったら、、」

俺は心配する花恋を安心させるために笑顔を向けると、彼女に俺がこの世界に来る前に持っていた物を見せてあげたのである。それはスマホで、この世界の技術では、作れないであろう品物だったのだ。俺が、その携帯を見せるとその機能に興味を持ったようで、その機能を一つ一つ試していく。

「これは一体なんなのですか?不思議な形の道具ですが」

「俺の元いた世界の便利な道具ですよ。ただこれはちょっと違うようですね。残念なことに壊れてしまったみたいですしね」俺は花恋とそんな話をしている間に王様に話しかけられたのであった。すると王様は何か閃いたのか笑顔になってこんなことを言い出してきたのだ。だがその時、花恋の顔には疑問の表情を浮かべていたのだが、まぁ別に害のある事じゃないだろうとたかをくくり。とりあえず聞いてみることにする

「もしよかったらだけど、その道具の修理代として君達に報酬をあげさせてくれないだろうか?」王様は、そんな提案を出してきたのだ。だがしかしここで問題が起きる 。俺はお金なんて持っていないしこの世界に通貨があること自体初耳だったのだから。そう思っていたところ、隣にいる女の子はポケットになにも入っていなかった俺のために自分が着ていたローブの内側に縫い付けてあった袋の中からお金を取り出そうとしていたが。

それを王様が止めると、彼女は不思議そうな顔をして俺を見ていたが、王様の言葉の意味を理解することが出来た 。なぜならその取り出したお金がこの世界で使われている硬貨であり。俺が見たことの無いコインだったために。そのことが俺にはわかったのだ。そうして王様が彼女に説明を始める。俺はその間に少し離れたところに腰掛けると一息ついたのである。そしてそのあと、俺達の話し合いは始まった。

まずは俺達は王様からの依頼を受けることにする。その内容は簡単だ。俺達の護衛をするという内容だ。その護衛の内容は魔物の襲撃の可能性があるということ。この国に今向かって来ているという情報を事前に手に入れていたからだ。そして俺はそのことを伝える

☆ 花恋 side 〜〜 私は今、セイさんが座っていたところに視線を移す。するとそこにはセイさんの持ち物が散乱していたのでそれらを綺麗に整理整頓していった。

私がセイさんと話していると急にセイさんが立ち上がって私に背中を向けた。だがそんなとき、私はある事に気がつくと咄嵯に立ち上がり声をかけた。

「危ないッ!!!!」

その声に反応して振り返ると私の方へ迫ってくる影があったのだ。そしてその瞬間、セイは目の前の敵を排除しようとした。その刹那、 ズバァーン!!! 凄まじい爆音が辺り一帯に響き渡るのと同時に、土煙があたり一面に広がり、視界を遮ったのである。そのおかげで俺に襲いかかろうとしていた魔物の姿は見えないのであるが、その代わりに視界の悪い中。突如として背後に何者かが現れる気配を感じたのである。俺はそれに反応するかのように剣を構え、後ろを振り向いたのである。

そして次の瞬時の出来事に驚愕したのだ。何故なら俺の目に入った光景には剣を持って、振り下ろす寸前の男がいたからである。しかしその攻撃はなんとか防ぐことができた。何故なら男の持っている剣には炎が灯されていたからだ。

男は攻撃を防いだことに一瞬驚くがすぐに俺に対して攻撃を続けていくが。俺はそれらの攻撃を必死で受け止める。

『何が起きたんだ。どうして俺は生きている。いや、そもそもこいつは本当に人なのか?』そんなことを考えながら男の攻撃を防ぐが一向に隙を見せようとしない。

「チィ。お前いったいなにもんなんだ。普通じゃねえな。普通の人間じゃ俺の攻撃を全て受け止められることなんか出来ねえよ。俺が本気で攻撃すればお前は確実に死んでいてもおかしくはない。ってことはやっぱり俺の目に狂いはなかったか。お前、面白い奴だ。名前は? 」

「名前など教えるわけがないだろうが。それとお前は何者なんだ?」

俺はそう問い返すが相手はその言葉を気にせず、また俺を攻撃し始めるが、今度はしっかりと防御に専念する。だが流石に相手の攻撃を受け流すのは難しいため反撃することも出来ずに防御に専念し続けている状態だったのだ。そんな中でも俺の意識はあることに向いている

(なんなんだこいつの強さは?)俺は疑問を抱くしかなかったのである

☆ 〜〜セイ視点〜

☆俺はこの攻撃を防ぎきれるかどうか不安になっていた。理由は簡単。あまりにも相手が強すぎるからだ。このままでは負けるのは時間の問題だろうと思っているが、なかなか打開策を見いだせない。そこでふと自分のスキル一覧を見てみると新しく覚えたスキルがあったのだ。それがこれだ スキル《剣術10》 →《剣術派生技 10》《棒術 3》 →《槍技 5》《剣術 5》 →《剣術 10》 ユニーク☆1/100【スキルリスト】

《スキル習得》 →スキルを習得することが可能 スキル《スキルリスト》 →取得可能なスキルが一覧形式で表示される。《職業追加》→職業を複数設定することができる →複数の職業の経験値を取得することが出来るようになる 《ステータス補正変更可能一覧》 →職業のレベルが上がることによりステータスが上昇することが可能

※レベル5の時の補正値。戦士:攻撃力+100/素早さ−50/HP(耐久)−20/MP(魔力)

剣士:攻撃力+115/防御力×2/HP(耐久)×2/回避率UP大 物理ダメージUP小 職業熟練度によって補正値増加(レベル×0.5倍)。職業が上等な物ほど効果が高くなる。武器 ロングソードレベル3 →攻撃力×0.1/回避率上昇補正/攻撃力UP この世界に来た時に俺に授けられた能力の1つである。その能力は簡単に言うならばスキルリストというもの。俺が今欲しいと思うものが自動的に現れるのだ。そのおかげで俺はあの男の攻撃を完璧に捌くことができるようになった。俺はそんな事実を知り。さらにやる気を出すが、その瞬間。突然の激痛が身体中に走る。どうやらさっきの魔物との戦いで体力が尽きかけていたらしい。その結果、体に力が入らず、俺はその場に倒れ込む

「クッ!!このタイミングかよ。俺の直感は相変わらず正確だな」俺は痛みに耐えつつも、俺がここに来る前に受けた怪我を思い出す。そして俺の勘が言っているのである。これはもうダメだって☆

「クハハハ!!お前みたいなやつをずっと探していたんだよ。俺に一撃を喰らわせるとはやるなお前」男はそう言って、俺を賞賛するが、俺はもう既に満身創痍の状態。そしてとうとう俺が倒れると、それを確認した男は俺に止めを刺そうと俺の方へと近づいてくるが、そんな俺の元に駆け寄る花恋の姿を捉えたのだ。

「花恋!!危ない!!」俺は思わずそう叫ぶと、花恋が危険だと気づいた俺は咄嵯に声を張り上げたのである。

「俺のことはいいから逃げろ!!」

「何を言っとるんじゃお主は?ほれ。肩を貸してやろう。立て」そう言って老人が、俺に向かってそう告げてくるが、その口調はまるで孫を心配する祖父のような優しいものだった。そしてそんな状況に困惑した俺に、

「わしの名前はジン=ハーベルドというのぉー。まぁ好きなように呼んでくれれば良い」と自己紹介をしてきてくれる。そしてその言葉で俺は確信する。

この老人が俺を助けてくれた張本人であるということに。

俺は助けて貰った礼を述べると老人は、

「気にせんでも良い。それよりも今は逃げることが先決じゃ。その前に、これを渡しておくとしよう」と言って、一つの箱のようなものを手渡してくる

☆★

「ん? ここは何処だ? 確か俺はあいつに殺されたはず。って事はここが死後の世界か」

俺は辺りを見回すと、そこに広がっていたのは一面に広がる海であった。その海の水面には空の星々が映し出されているのだ。俺は、そんな神秘的な景色に心を惹かれていた。だが次の瞬間 ゴオォオオオー!!! 轟音が響き渡り、その音が聞こえた方へ顔を向けるとそこには鯨に似た姿をした怪物がそこにはいたのだ。しかもその数なんと10体以上も居たのである。そんな絶望の中。突如として頭の中でファンファーレが流れ出したのだ。

そしてそのファンファーレは、脳内に語りかけるような形でこう伝えてきた。

『スキル《全属性耐性LV10》が解放されました』

『《鑑定LV2》を獲得』

『スキル《危機察知LV8》が《スキル統合します》

〈称号:死線を潜った者 を獲得〉

固有技能成長限界突破を獲得しますか?』

『獲得しますか? YES/NO』

そしてこの質問の答えは決まっている もちろん

「Yes!」

そう答えると、

『条件を満たしたので、進化が可能になりました。種族の進化を実行しますか?』

その問いにも俺は、迷わずに

『YES!!』

と即答する。

そして次の瞬間。目の前に大きな光の玉が現れてそこから光が溢れ出る。

その光は、どんどん強くなり、辺り一面に拡散していき、俺の視界を奪い尽くしていく。俺は、そんな光景を見て、

『なんかすごいな』

そんなことを考えていたのだった。

だがしかし。俺のそんな呑気なことを考える時間は長く続かなかったのである。何故なら、その光は段々と収まりつつあったが、完全に消えたわけではないのだ。

つまりはどういうことかと言うと、 まだ目が開けられなかったので目を閉じてその光景を見守ることしかできなかった。

だがその時だ、俺の頭に声が響いてきたのである。

それは、とても澄んだ綺麗な女性の声だ 【あなたは私が生み出した世界に新たな生命を与えました】

その言葉に驚いた俺は目を開ける。

そして、俺は、驚愕することになる なんとその世界は俺の知る世界では無かったのだから そこはなんとも不思議な世界だった。なぜならその世界では俺が今までに見たことのない光景が目の前に広がっていたからだ。俺がこの世界で最初に見ることになったのは俺がこの世界にやってきたときに最初に遭遇したあの魔物達と同じ姿形をした存在がそこには居たのだ。俺は驚きを隠しきれずにいると、再び俺に対して女性の透き通った声で話し掛けられたのでそれに応答することにした。

【あなたの名は何でしょうか?】

その問いに

「俺の名は白狼真白」

【貴方が私の世界の新しい命なのですね】

「あんたが誰なのかわからないけど。とりあえずありがとうな」

【感謝をされるのは当然のことです】

そして俺は改めて周囲を確認しながら会話を続けた。そして次に確認できたことは、まずは、俺の姿形が明らかに変化していることであった。その姿を見たとき正直戸惑ったが。よく見て見るとどうやら今の俺は獣耳がついているらしい。そして手を見るとどうやら肉球もあるようだ。

「えぇい!!なんだこりゃー!!」

そんな俺の叫びに女性が微笑むかのような気配を感じた すると突然、俺が持っていた《ステータスカード》に変化が起きたのだ。《ステータス》 →名前 セイ シロガネ →種族 《人族 》 →職業 《冒険者 》

☆《Lv.80》 →HP

(耐久力)/(魔法)

→MP

(魔力量)/(物理攻撃力)

→攻撃力(物理攻撃の攻撃力)

→素早さ(攻撃の速度と命中率)

→器用(スキルと武器の命中率に補正)

→魔力(魔法による攻撃と魔力回復率)

→魔力適性(全ての系統の魔力に対する適正値)

→状態異常(現在の身体の状態を反映)

→《Lv.50》

「なんじゃこりゃあ!!どうなってんだよこれ!?ステータスがおかしくねーか?」

【《職業》の補正値は固定されているのです。よって《ステータス》は変動しません】

「なるほどそういうことか。ステータスに補正がかかってないってことはレベルが50ってことは、俺は職業補正値が高いってことか」

「あとはスキルの習得もできそうなんだけど」そう呟くと突然脳裏にリストが表示されたのである。

☆《固有能力》 →スキルリスト

「これは便利な機能だな」そうして次々とリストを確認していく。

スキルの習得方法は、そのスキル名の横に表示される説明に書かれてある。例えば《剣術》の場合。剣を使って戦闘を行えば、その熟練度が上がるということが書かれていたのである。またスキルによってはスキルを複数覚えることが可能だということが書かれていたので俺は《スキルリスト》にある、《剣士》という文字にカーソルを合わせる。

そして《スキルリスト》には《スキル名

レベル》という欄が存在しており、そこには《スキル》の熟練度と《取得可能一覧》が記載されていた。なので俺の場合は 《スキル:剣士(5)LV.1→3》と表示されているので、この5つのスキルの《レベル》を上げれば良いのだとわかったのである。

そして《スキルの経験値を取得する》を押すと、俺は自分の体に異変を感じる

「なんだ? 体が熱くなってきたぞ。まさかこれはレベルアップによるものだとでもいうのか? そんなことがあるはずが無いだろう」

【いえ。その考えで合っていますよ】

そう言い放った彼女の発言により、俺はさらなる事実に気がついてしまう

「な、なんじゃそりゃぁああ!!俺の体はどうなってしまったんだよ!!一体どうすれば元に戻れるんだ?教えてくれ!!」

そうして俺は彼女にそう問いかけると、彼女が、 【貴方が《職業》を選んだ際に私からの贈り物を差し上げましたよね?そのプレゼントの効果はご存知ですよね?】

そう言って、俺の方に指を指した彼女は続けてこう言ってきたのである。

【それが《神具》というものなんです】

俺はその一言に唖然としていた。そして、その俺の反応を見て満足したように 【貴方はこの世界では、その《スキル》や《固有技能》と呼ばれる、他の世界には存在しない、特別な能力を扱えるようになりました。つまり《ステータスオープン》が使えるようになっている筈です。そしてそれを今すぐに実行して欲しいです。その方法とは、頭の中で念じれば良いんですよ?そうやって、試しにやってみてください?》と 言われた俺は、言われた通りに念じてみたのである

「ん?何も起こっていないぞ?どうしてだよ??おい!早くしてくれ!!」

俺の発言を聞き入れてくれたようで、彼女から返事が聞こえてくる 【いいでしょう。私が手を貸すとしましょうか?】そう言うなり、急に俺は体の芯に火がついたような感覚に襲われると、全身に熱いものが込み上がってきたのだった。

「ぐわっ!!あぢい!!!なにが起きてるっていうんだ!!頼む助けてぐへ!!」俺はそんなことを叫んでいた。するとそんな最中、俺の額に衝撃を受けてしまい。俺はその場で気絶してしまうことになるのであった。そして気が付くと俺の手の中には一枚の紙切れが存在していたのであった。それはなんとも奇妙な光景であった。

俺が意識を失っている間に何かが起きているのかもしれないな 俺がその事について考えていると、いつの間にかその女性は俺の前に現れて話しかけてきたのである。そして俺が気がつくとそこには、一人の少女が立っていたのだ。その容姿はとても可愛らしく、綺麗な瞳をしていた。

だが、それよりも驚くべきは。その女の子が着ている服はどこかの学校の制服のように見えたのである。だがその服装に全く違和感がなかったので特に気にすることはなかったのだが。その子は不思議そうに首を傾げてから、

『こんにちは。私は《女神》のエルカシアと言います』

その発言を聞いて俺は驚いた なぜならこの世界には神様が存在するとされている。だが、その神々の姿を見ることができるものは極少数であり。実際にこの目で見る機会がある人間はほぼいないのだ。そんな存在の目の前に自分がいることに対して、信じられない気持ちでいっぱいであった俺は固まっていた

『どうしましたか?そんな顔をしていますけど』

俺は目の前の女性の顔を見てみる とても整った顔をしていて。俺のことを見ている瞳に吸い込まれそうになる

「な、なあ。あんた本当に本物の神様なの?いやまあ疑っているわけではないんだが。どうにも俺みたいな存在の前に姿を現せたりするもんなのかと疑問に思ったんだよな。あんたのその見た目は俺と同年代ぐらいだし、俺を騙したりとかは出来ないと思うしな。それに俺は神様を目にするのなんて初めてだから。驚いていただけだ」

俺の言葉を聞いたその女性は不敵に笑った後に口を開いた

『あら?それは嬉しい言葉ですね。確かに、今の貴方と私の姿を見ることが出来るのは、《ステータス画面》に表示されるものだけ。つまり《ステータス》が開けるものでなければ、その姿を見ることは出来ないのです。まぁ貴方ならきっと私の姿を見てくれそうだと思ったので。こうして会いに来たわけですが、それは正解でした。私の姿を見てくれたので、貴方の質問に応えたいと思います。ですが。まずは貴方がこの世界で生きていく上で必要となる情報を貴方にお伝えしますね?』その言葉と共に、俺に《ステータス》という表示が現れたのである。その項目には俺が理解できるようにと、この世界の説明が記されており。その中の一部に、俺の名前があったのである。《名前 シロガネ 種族 《人族》 年齢 17歳 レベル 1 職業 《冒険者》

☆《Lv.1》 →HP

(耐久力)/(魔法)

→MP

(魔力量)/(物理攻撃力)

→攻撃力(物理攻撃の攻撃力)

→素早さ(攻撃速度と命中率)

→器用(スキルの命中率に補正)

→魔力

(魔法の攻撃力に修正)

→魔力適性

(全ての系統の魔力に対する適正値)

→状態異常(現在の身体の状態を反映)→《固有能力》 →スキル一覧 →称号 →特殊職業 》と書かれているのであった。ちなみに、その一番下の職業の部分を見てみると《剣士 LV.1》と表記されており。その下には俺のレベルが1になっていることを示していたのである。

『どうやらちゃんと読むことが出来たようですね?貴方は私の力でこの《ステータス》という、この世界特有の《スキル》を習得することが出来るようになったのです。それと、貴方が今手にしているその紙こそが。《固有技能》というスキルが刻まれているもので。貴方だけの特別な力が込められた、特別なアイテムということになります。《スキルリスト》をタッチすれば、その中に記されているスキルを使用できるようになるはずですよ。さっきまで貴方が使用していたスキルもありますので確認してくださいね? さて。それじゃあ次にこの世界のことについて話しましょうか?まず、最初に私が言いたかったことを先に説明させていただきますが、《職業》というものについてはご存知ですか?職業とはその人の生き方そのものを表していて、その職業の《レベル》が上がれば《ステータス》が上昇し、成長速度が上昇、経験値の習得が可能になります。職業が《剣士》の場合職業補正値によって職業による能力値に補正が加えられ。さらに《固有能力》の《スキルリスト》を開くことによってその《固有能力》を覚えることが出来ます。また《職業》を極めるということは、その人がその道を極めたということになるのです。《スキルリスト》の中に存在する《剣術》を《スキルリスト》でレベルを最大にまで上げ。その後にある《剣士 LV.1》を《職業》が示す職業補正値を上昇させることで《職業》を《上級職》に昇華させていくことが可能なのです。そうすることでその《職業》が扱えるスキルを覚えていくことが可能となり。最終的にその《職業》の最高峰に到達することができれば。その《固有能力》を使うことができるようになるのです。また《ステータスオープン》を使用することで貴方のステータスを見ることが可能となるので試してみて欲しいのです。貴方はレベル1ということでまだ《固有技能》を持っていないので。《スキル一覧》に書かれているスキルを練習すれば、覚えることだって可能なんですよ? ですが。《スキル一覧》のスキル名の横に記載されている数字が熟練度というものなので。《スキルリスト》を開いてから《スキル》を《スキル》を使用し続けていれば。どんどん熟練度が上がり、最終的にはどんな《魔法》であろうと熟練度が上がることで使用が可能になるんですよ?ですからまずは、自分の体で使ってみて、それから熟練度を上げていかなければなりません。熟練度を上げていけば貴方が持っているその《職業》が得意とする魔法や技などの、様々なことが行えるようになっていき。それを《魔法剣士》とでも呼べばいいでしょうか? とにかく、《職業》には色々と特徴があります。ただ一口に《職業補正値》と言ってもそれはかなり幅広く存在しているんです。職業が示す《職業補正値》というものがあって、その《職業》の特徴が現れるというものもあれば、まったく別の特徴を持ったものがある場合もあり。

そして最後に、そのスキルが《ユニークスキル》と呼ばれていて、貴方だけが使用できる《固有技能》と呼ばれる特殊なスキルが存在するんです。その《固有技能》とはその名の通りその人個人が持つ特別な《固有技能》なんですよ。ですが、貴方はまだ《固有技能》を取得していませんので今は取得することはできませんね。そしてその《固有技能》にも、かなり強力なものが存在するんですよ?例えば貴方が《火精霊の加護》を取得していて、なおかつ《ファイアエンチャント》を使えば《火属性》の魔法を強化することが出来るんですよ?この二つの《魔法》を使用すると。火魔法の威力が大幅に上昇するだけでなく。その火を操ることもできるようになりますからね? 他にも貴方が知らないだけで。この世界には他の異世界召喚者がいます。それはこの世界に転生した人や、この世界で生まれた存在で、この世界に生きるものたちとは違い、前世の記憶を持つ人、もしくはこの世界に元々いた存在では無い人達のことを私たちは、別の世界から召喚された《召喚者》と呼びます。《召喚者》はこの世界の人たちと比べて圧倒的な身体能力を持ち。中には特殊な能力を持つ人もいるんですよ?例えば貴方が遭遇した勇者がそうだったのかもしれません。あの三人はその中でもずば抜けて強いでしょう?あれらは元を辿れば同じ人間ではなく、地球とは別の星に暮らしていた、全く別の種族の者たちなのです。そして彼らがこちらの世界で得た肉体は地球の生き物とは違うため。その能力の使い方なども違い、彼らの能力は地球人が行使した場合の能力を遥かに凌駕します。

そしてその彼らは貴方達とは違って《ステータス画面》を開き、自身の《スキル》を確認することができます。

彼らにとって、その《スキル》とは自らの努力で得るものではなく。生まれ持った天性の素質として存在します。

そのためその《スキル》を使いこなせるのはごく一部の才能のあるものに限られてしまうのが現状です。しかし、この世界において最も才能がある存在だとしても、《ステータス》の総合評価はせいぜい《C》程度です。貴方の場合はこの世界の中でもトップクラスの才能を持っているようですね。だからこそ私はこうしてここに来れたのです。これからよろしくお願いいたします。

さて、この世界での生活の仕方を説明していきましょうか。この世界でのお金の流通について話しますね?通貨単位としては日本円とほぼ同じと考えてもらって結構です。

銅貨が100円。

銀貨が1000円。

金貨が10000円。

大白貨が100000円。

という具合になっており、普通の生活をする上で必要な金額は、大白貨5枚ほどあれば充分に過ごすことは可能ですね。

さて、では次は貴方の所持している職業についてのお話をしましょう。《固有技能》の中には《レア職業》と呼ばれるものが存在します。これは他の《固有技能》と比べると非常に珍しいものとなっていて、《固有技能》の中では最強クラスの能力を有しているものもあるのだとか。

それは《固有職業》とも呼ばれており。貴方が手に入れることのできる職業の中にも《固有職業》はあるので。《職業補正値》が高ければ高い程に。《固有技能》の能力が上昇する仕組みになっています。

まず、《職業一覧》で貴方が選択することが出来る職業を確認してみるといいと思いますよ?貴方が選択できるのは主に《冒険者》、他には《騎士》《魔術師》や、《聖女》、そしてこの《勇者》などがあります。《職業》の種類によって能力値は変わりますが、基本はどれも一緒です。ですが《職業補正値》は《職業リスト》の中でしか確認できないようになってますので気をつけてくださいね? それじゃあ最後に、私が貴方のためにプレゼントを贈りたいと思います。それを受け取ると、貴方のレベルが1にリセットされる代わりに、職業が《見習い魔法使い》から変更されることになっちゃうんですけどね。まぁ仕方ないですよ。

とりあえず受け取って下さい。そのアイテムを使うのに必要なので、一度ステータスを閉じてくださいね。そのあとはもう一度、ステータスオープンをして、アイテムを使ってみて欲しいです。そうすれば私の力により貴方のレベルは1になり、新たに《冒険者Lv.1》となり、ステータスも上昇し、スキルも取得できる状態になりますので。

そのアイテムを使用するのに、MP(魔力)を消費する必要があるので。まずは貴方が習得している魔法の呪文一覧を見てください。その中で習得出来る魔法をまず習得して、それからステータスを開いてMPの残量を見てください。

《固有能力》については貴方は持っていないようなので。

《職業補正値》の《レベル1》は諦めて貰って、《固有技能》の取得を優先して頂きます。そしてその《固有技能》を取得した後に《職業リスト》で取得可能な《固有職業》を取得し、《レベル上限解放》の《レベル1》を習得した後にレベルを上げて行って欲しいのです。レベルは上がりますので、その度に職業も変えることが出来るようになるはずです。レベルの上限は100ですので頑張ってください。

あ。ちなみにですが。《固有能力》に関しては。貴方が既に習得済みの《スキルリスト》から、新しく《スキルリスト》を開いて《スキルリスト》内のスキルを選択して使用する必要がありますので注意してください。《スキルリスト》に表示されているスキルは全て、そのスキルが使えるようになりますが。《スキルリスト》に無いスキルを使用することが出来なくなるのです。そして《固有能力》に関してもその《固有能力》を使用できるようになるまでは同じで。そのレベルは《スキル一覧》で確認できる数値と同じになるのでご注意を。

「なるほど」俺は納得すると、ステータスを開いた状態で先程の花恋がやっていたのと同じようにして《固有職業》と、《固有技能》が記載された画面を呼び出した。

『固有技能』の欄を見ると。俺の持つ《火精霊の加護》の他には、2つだけしか記載されていなかったのだ。

【《初級炎魔術》LV.EXP3】【《初級火精霊魔法》LV.9/100〕 【《神撃魔法》LV.1→《剣技》】

《スキル》の一覧に目を凝らすと、確かに俺が覚えている《スキル》が記載されていた。その《魔法》や《技》が使用できるのかを確認したくて俺は実際に使ってみようと試したが、いくらその《魔法》や《技》を使用してみても何も起こらなかった。

「どうやら《職業補正値》が低いと《魔法》とかの《技》を覚えられないみたいなんだよ。それで、職業は《見習い魔法使い》のまま固定されちゃったんだけどさ。でもその代わりに《職業補正値》を鍛えたら《固有能力》は《スキル》を《魔法》として使うことができるようになるみたいだからさ。早速訓練をしたいと思っているんだよね!」俺はワクワクとした気持ちを抱きながらその言葉を吐き出すと、皆の反応があまりにも薄かったので不安を覚えて周囲の様子を伺ってみたのだが。そこには、呆れた様子を見せる者や、なんとなくだが察したとでも言いたげな態度を取る者もいたが、誰も俺の言葉に反論することはなく、寧ろ、そうするのが当然だといった態度を取り始めていた。そのことに若干の戸惑いを感じつつも、まずはこの《ステータス》の確認を終えるために、もう一度最初から確認することにしていた。

「まず最初に貴方の職業である《勇者》のことについて話させていただきますね。この職業は、貴方が持っている《称号》、、《神の祝福》、もしくは、この世界の住人が持つ《加護》と呼ばれるものによって《ユニークジョブ》から変化したものです。

貴方はこの世界では最強の存在であることは、貴方自身が一番分かっていると思います。ですがそれはあくまでも、貴方が現時点での実力であって、貴方が今以上に強くなりたいと望めばきっと貴方は更に強くなれることでしょう。この《ユニークジョブ》は生まれつきのものでは無いのですよ?貴方が勇者という称号を授かり、勇者としての使命を背負うことになれば、その勇者の職業は変化するものなのですね。それが《職業一覧》の中に記載されている《勇者》なのです。ですが勇者というのは、勇者として認められた人だけが就くことができるものであって、それ以外の人ではなれないのが普通なんですよ。だからこそ、貴方のような人がいるのは非常に珍しい存在と言えるでしょう。

それに貴方の場合だと《称号》に書かれている内容的に。恐らくは魔王を倒すことを運命づけられている存在でしょうから。その役割が終わるその時までは《勇者》のままでいると思われます。それと貴方が手に入れたその力は。その《固有能力》は《神威》と呼ばれる存在のものでしょうね。貴方が遭遇したというその存在と、何らかの関係があるのかもしれませんね?それについての詳細は、まだわかりません。しかし、いつかは解明される日が訪れることでしょう。

貴方は今まで出会った人物たちの中でも、間違いなく上位の実力者ですよ? 貴方のこれからの行く末には期待しています。どうか、その力を存分に振るい、この世界に生きる者達を守ってやってくださいね? 最後に一つ、この世界には数多くの魔族が存在するということを頭に入れてください。特にこの大陸の西側に存在する国家群は、そのほとんどが、魔物や、亜人の支配域となっている国なのです。その中でも貴方が訪れた王国だけは別なのですが。

しかし、貴方ならばその問題を解決することができるはずです。貴方が、その身に宿す力を振るえば、必ず解決することでしょう。そのために貴方のこれからの旅の目的地を少し説明しましょうか。

この《聖王国ルミリア》、そこにある、王都に向かってください。そこは現在魔物の襲撃にあい崩壊しているとの情報があるのでそれを確認するために行って欲しいと思っています。それとこれは私からのささやかなプレゼントですよ。これをどうぞお受け取りください。《アイテム収納箱》と言って、見た目よりも多くの物を入れて持ち運べる便利な道具となっています。その容量も中々に大きいので、沢山物を入れられるので是非活用してくださいね。」そう言うと目の前にいた女性は手を差し出してきたので俺はその手を取って握手をした。

それから彼女は手を握った状態から手を引き抜いてそのまま何かを操作するような動作を行うと突如として俺の前に黒い霧が発生していき。そして徐々にそれは消えていったのだがその時にはもうそこには女性の姿はなくなっていた。

それからは、先程俺達の前に現れた女の話通りに行動する為の準備に取り掛かることにしていて。俺がまず初めにやったことと言えばやはりレベル上げだろう。俺が覚えているスキルの中で使えそうなものはない。そのため俺はレベルを上げる必要があったのだが。

レベル1の状態で俺が倒せるような弱い敵が居るのかと言うことを考えた結果、ある場所に足を運ぶことに決めた。その行き先は勿論ギルドである。そこで、俺は依頼を受けることにした。俺の職業である《冒険者》のレベルは、冒険者になってから一日経てばすぐに上昇するとのことだった。

俺のレベルは《レベル上限解放》の能力があるせいなのか既に99まで上がっていたのでその必要は無かったかもしれないが。まぁせっかくレベル1の状態にされているんだからなにもせずにその状態のまま過ごすっていうのはちょっと嫌な感じだった。

「それじゃあみんなで行きますよ?」そう言って俺は仲間達に声を掛ける。俺が向かった場所は《冒険者組合》と呼ばれる場所。

そこでは冒険者が冒険をする際に必要な仕事を紹介してくれる所となっていて。そこに行けば冒険に必要な知識や、経験を得ることが可能なのだが、その依頼料も馬鹿にならない金額で設定されているのだ。その報酬目当てに、腕っ節自慢の人間達がこの世界では日々集まっている場所であるのだ。

そして俺は、花恋と一緒に、その建物の前に立つとその扉を開くと、中には、屈強な体付きをした戦士風の男と思わしき風貌の人物や。如何にも僧侶と言った格好をした金髪の少女。その他にも、ローブ姿の女魔術師風の存在。その他には盗賊と思われる風貌の男や。弓を装備した狩人の様な容姿をしている少女。

そんな様々な人種が存在しているその場所に入ると受付嬢が俺たちの方を見つめて来て話しかけて来た。その受付嬢は綺麗な緑色の髪色をしており、とても美しい容姿の女性である。その人は微笑むと。こんなことを言い出した。

「あら!今日も来てくれたのですね!」そう嬉しそうな表情をしながら、まるで自分の子供を出迎えるような感じで言葉を掛けてくるので俺は思わず顔を逸らしてしまう。

「え、あ。はい。こんにちは。今日はですね。俺が受ける事が出来て、且つ達成できるような討伐系の仕事が有ればそれを紹介して頂きたくてここに来たんですけど」

「かしこまりました。それならこちらに」

そう言ってその女性はカウンターの上に手を触れると、そこには透明な画面が表示されており。その画面をスクロールしていくようにしながら俺達はその画面の内容を眺めていくのだが。その中に一つ気になるものがあった。

【《初心者用ダンジョンのボス》の依頼書】と書かれた文字をタッチすると画面が切り替わっていたのだ。それはその画面の説明文には。

【新人冒険者の訓練の場でもある《初心者ダンジョン》の最下層のボスの討伐を依頼します。

この依頼を受けてくれますと経験値が通常の5倍入るボーナスが付くのですが。

その難易度はそこまで高いわけでもありません。ただ少しだけ特殊なのがこの依頼の期限が無いということでしょうか。

この依頼を達成した際に支払われるのは金貨100枚となっておりますのでどうぞご利用ください。

この依頼を受けられる方は下記の連絡先に直接足を運んで下さい】

俺はこの《クエスト受注板》を見ながらその画面に指を置くと、受付のお姉さんはそのボタンを押したのを確認してきたのである。

「この《初心者用ダンジョン》ってのはどこにあるんですか?そこに行かないと受けられないんですよね?」

「その《初心者専用ダンジョン》はこの国の近くにある村の近くに存在しています。

そこからは少し離れた森の奥地に存在する洞窟型の建物になっていまして。

入り口の部分には《ダンジョンゲート》と呼ばれる、魔法陣が存在していて。その中に乗ることでその先の空間に転送されて《魔物の住処》と言われる場所に出現することが出来るようになっているんですよ。その入口付近は一般人でも訪れることが可能になっていて。その周囲にはその《魔物》達に襲われる危険が有るため、あまり近づかないほうがいいでしょう。その《魔物》達は人族を好んで襲う習性を持っていますので、間違っても奥地に迷い込むなんてことはしないでくださいね。もしもその先で何か異変が起きていたとしても決して一人で対処しようとする行動を取らないことを強くお勧めします」

「なるほどな、分かったぜ」

「それとこの《ギルドカード》は常に持っていてくださいね。

この《スキル》を習得したいと願った時などに使用することで、習得が可能になるからね?それに、お金とかの引き換えも《これ一枚》で出来るし、身分証明の代わりにもなるし。

これが無ければこの国では《職業変更施設》に入ることはできないから無くさないようにしないと駄目だよ?」

俺はその説明を聞きながら《ギルドカード》を手に持つとまじまじと見つめた。それは薄い銀色のような素材で出来た《クレジットカードサイズのもの》だった。

俺はそれから外に出ると花恋と一緒にそのダンジョンに向かうことにした。その道中では魔物と出会うこともなく無事に到達することが出来たのである。

しかし、そこには《魔物》と呼べるような生物は存在しないらしく、本当にただの《洞窟》がその先にあるようであった。だがその中を探索していくうちに俺達はその先に存在する広い場所に出ることに成功した。

その場所に辿り着くまでの道程は実に単純なものだったのだが。途中で魔物に遭遇した場合はその全てを相手にしていた。その戦闘には花恋にも参加してもらっていたのだがその戦いぶりを見た感じ、彼女ならば大丈夫だろうと思う。それに彼女は運動神経もいい方なので。多少の無理はするだろうが、怪我をするといった可能性は低いだろうと思っていた。

そしてその場所で俺は《ボス》と呼ばれるその存在と対面することになる。それは全身が黒く、それでいて禍々しいオーラを放っている巨大な蜘蛛型の生き物だ。そのモンスターがこちらをギロッと見ると、糸を発射して攻撃をして来た。それを避けると、俺は花恋と二人で戦うことに決めたのだ。俺が剣を使って戦っていると後方から矢を放つ花恋の姿を見ているとそのコンビネーションは悪くないものだと感じることができた。

しかし花恋はまだその弓矢を使った攻撃は素人なのか命中率が低かったので俺は彼女を庇いながら、その巨大で醜悪な姿をした化け物との戦いを続けたのである。それからどれくらいの時間が経過したか分からない。俺達の体力は無限ではないので限界があるのだから。

その魔物を倒すまでにかなりの時間がかかってしまったのだが。

どうにか俺と花恋で協力してそのモンスターを打ち倒すことに成功していたのだった。

経験値が500ポイント加算されました。《称号勇者を《魔を統べる者》に変化しました》 《経験値獲得上昇(小)》が《経験値増加上昇》に変更されました。

《経験値倍増》を獲得致しました。《経験値二倍》を取得いたしました。

そして俺達が《ダンジョン》を脱出してからしばらくの日数が経過していたのだが。その間に俺達二人は、あの《冒険者》としてのレベルを最大まで上げていた。花恋のレベルは、現在俺の3分の2程度のレベルになっているが。その花恋は、現在その職業が、《賢者》になっており。俺達二人が《魔王》と《聖王》という職業になったことは未だに驚きなのだが。それでもこの世界の理不尽さを考えるとそのぐらいはあり得るだろうと思えてくるのだ。

それから俺はあることを花恋に伝えると、俺はその花恋の手を取りある場所に一緒に向かって行った。そこはその《聖王国ルミリア》に唯一存在する《ギルド》の存在である。俺がそこで仕事をすることになってから数日が経過しているがその数日間で《ギルド》の仕事というものにもだいぶ慣れてきていたので。今ではある程度は余裕を持って依頼を受けれるようになっていた。それからギルドの職員の人に仕事の内容を確認してもらうと、俺達はその場所に向かったのである。その場所というのは、《ダンジョン》と呼ばれている場所で、《初級ダンジョン》と呼ばれるところである。そこには俺と花恋が出会った時のダンジョンと同じものが存在していたが。そこに生息する魔物のレベルはかなり低く、花恋と共に行動すればそれほど難しいダンジョンではなかったが、花恋を危険な目に合わせる訳にはいかないと思った俺は彼女にもついて来て貰っていた。

その《初級》と呼ばれるこのダンジョンに足を踏み入れた瞬間から俺達の視界には大量の《モンスター達》が出現し始めたのだがその全てが弱いモンスターばかりで俺は特に苦労することなく、全ての敵を葬り去っていくことができた。その光景を見て呆気に取られている様子の花恋は「隼人さんってやっぱり凄いんですね」と口にしていて。俺はその言葉を苦笑いをしながら受け流すと、そのまま進んでいくことにしたのだ。しかしその先に待ち受けているのはそんな楽な敵ばかりだった訳ではないのである。

そうやって歩いていく中で、ようやく現れたのは今までで一番大きなサイズのボスと思われる魔物である。それは、体高だけで10メートル以上もある大きさであり。その外見は、まさに人面獅子と言った容姿をしていたのである。それがその巨体を揺らしながらこちらに近づいて来るのを見ると俺は少し緊張してしまいそうになるのである。しかしそれを察したのか、花恋は俺のことを気遣ってくれる。

「だ、大丈夫ですか?」

「あぁ、ありがとう、なんとかやってみるよ」

「うん!頑張ってね!」と花恋に応援して貰ったことでやる気が上がってきた。それを見たそのボスが、口から黒い波動のような攻撃を仕掛けてくると、俺はそれを回避しようと試みたのだが。

回避する前にその黒い物体は地面を溶かしながら広がっていき、そして、俺達に襲い掛かってきたのである。だが、その技は事前に《予測》によって視ることはできていた。だからこそ、その技が襲い掛かる前に、《光壁結界》を発動させて防ぐことに成功すると。俺はそのままボスの方へと駆け出して、剣による一閃を浴びせかけたのであった。

俺は《スキル》を使うことで身体能力を上げ、そしてその剣を振り下ろしたのだが、その一撃でボスが消滅することはなかった。どうやら俺が思ったよりもボスはしぶとかったようである。俺はもう一度攻撃を試みると今度はちゃんと倒すことに成功したのである。その途端、俺の脳裏に《称号英雄を獲得しました》と、《スキル》《光の剣撃》を手に入れました》という声が響いた。どうやらボスを倒したことによってその力を手に入れることが出来たようだったのだ。

「ふぅー、結構強かったな」

「お疲れ様です。流石は私の隼人さんです。あんな魔物でも倒しちゃうなんてすごいですよ」

俺は花恋のその言葉を聞くと少しだけ頬を緩めてしまった。

そう言えばまだ伝えていなかったことがある。それは俺と、彼女のステータスのことについてだ。

俺は自分のステータス画面を開きながら、そこに表示された内容を確認していく。するとそこにあったのが花恋のステータス画面だったのだ。そこにはこんなことが書かれていた。

*****【神崎花恋】

《職業》 勇者 Lv.2

(↑3UP)/151 HP 800+200 MP 2600 +400 STR 330 DEX 250 VIT 200 AGI 350 INT 450 MND 1000 《固有職》 勇者LV.1 《スキル一覧》 【剣豪術IV】

【弓聖VII】

【槍聖VI】

【魔法士IX】

【魔術師V】

【武人VIII】

《スキル効果一覧》 《攻撃力向上》+100 《魔法強化》+70 《自動体力回復》+50 《魔法消費軽減》+60 《魔法付与》 《全属性魔法適性》+30 《魔力操作》 《状態異常耐性》++20 《精神安定》 《視力超上昇》+120 《集中思考》 《並列思考》

「は、隼人さんの、職業が変わってますね、それも職業のレベルがすごく上がってるじゃないですか。それに、私も職業レベルが上がりました」

俺が花恋の言葉に反応しようとすると。彼女は慌ててその言葉を遮りながら、俺のステータス画面に映った内容を読み上げたのである。そのせいで俺の顔は一瞬にして赤くなってしまった。花恋は自分のステータスに目を落としてから嬉しそうな顔を浮かべると、そのまま口を開く。

「それにしてもよく考えてみると、私は《勇者》っていう《ジョブ》で。隼人さんは、この世界に来て《魔を統べる者》っていう《職業》になってましたよね?その二つ名通り、魔王ってことなんでしょうか」

俺がそんな花恋の言葉に返事をすることはなく。その花恋もそのことを気にはしているようだが。それよりも彼女は俺が《称号》を得たということに喜んでくれているようで。

それから、俺と花恋はその先にあるボス部屋に辿り着くと。そこからボスを討伐していったのであった。それから俺達は順調に《中級ダンジョン》を進んでいったのだ。俺達がこのダンジョンに入ってから、数時間が経過する頃になると、そのボスが姿を現すようになっていた。そのモンスター達は俺達を見つけるなり襲い掛かってくるようになったのだ。

それから俺達はその魔物達を倒しては進んでの繰り返しを行い続けていた。俺の剣が通用しなくなる相手はいなかったが、それでも多少のダメージを受けることもあったので。その都度俺達は休憩を取りながら魔物と戦って行った。

それから、俺達二人はこの《ダンジョン》と呼ばれる場所のボスを全て討伐したのだ。その全てのボスを倒し終える頃には、花恋はレベル90、俺に至っては150になっていた。これは、俺達のレベルの上限に到達したことを意味している。そして、俺がレベルがカンストしたことによりその新しい《称号》を授かることに成功していた。

それから《聖王国ルミリア》に戻った俺たちを待ち受けていたのは多くの冒険者達と騎士の姿である。俺は、そこで今回の件について説明をしたのだが。それを聞いた多くの人間が俺のところに集まって来たので。その全てに俺と、俺の妻となる人が対応するのは大変だったが。なんとかその場を切り抜けることに成功したのである。

そして俺は《上級》のダンジョンに向かうことを決意していた。《聖王国ルミリア》には、《王都アスタシア》と同じように、いくつかのダンジョンが存在するが。その中でも難易度が最も高いのが《超級ダンジョン》であると言われている。

それから俺は《ダンジョンマスター》という存在がいるという噂を聞き。その《超級ダンジョン》を目指すことにしていたのだ。しかしそれは俺の想像を超えたものだったのである。その《超級ダンジョン》が出現したと言われる場所に俺達がたどり着いた瞬間に目の前が真っ白に染まったかと思うと、次の瞬間に俺達が目にしたのはその《迷宮》の中なのだった。そこは巨大な城の中に存在する迷路のような通路であり。その先にいるであろう敵が俺達のことを待ち構えていることに間違いなかったのである。

俺と、花恋はこの世界で最強の夫婦だと思っている。しかしだからと言って《超級ダンジョン》の探索を諦めるという選択肢はない。俺と花恋で攻略すれば問題ないだろうと思った俺は、そのまま二人でその《ダンジョン》に入って行ったのである。

俺達はまず、その階層に存在する魔物のレベルを《解析》して、どの程度の実力を持っているのかを把握したのだが。どうやらその魔物は、その階に存在するどの魔物よりも格上の存在であるらしく。この《ダンジョン》を攻略出来るのは俺達以外にはいないんじゃないかと思っていたのだ。それぐらいの圧倒的な戦力差があった。そんなことを考えながらも《ダンジョン》を攻略していく中で。俺と花恋はそこで、今まで見たことがないほどのモンスターと出くわしたのである。

《種族》は、《ゴブリンナイト》と言う名前だった。それがそのモンスターのランクを示すものだとすると、どう考えても、その《ゴブリン》は《オーク》よりも強いということになる。そしてそんな強敵を目にすると俺は剣を構え、その敵を見据えた。俺は《剣術III》というスキルを所有しているのでそのスキルを使うことで、相手の攻撃を回避することが出来るはずなのだ。

しかしそんなことを思った俺の予想とは裏腹に、花恋が前に出て俺のことを守ろうとしてくれたのである。その結果、俺の前に躍り出た花恋は《ゴブリンナイト》に切りつけられてしまうが、彼女の持つ《加護》によって、彼女の体からは血が噴き出すことはなく。それどころか、まるで何事もなかったかのように、その攻撃を受けた花恋はそのまま俺の目の前に立ち塞がり、敵の攻撃を一人で受け止め続けたのである。

俺がその光景を目の当たりにして、その剣を受け止める花恋を見て、驚愕の表情を浮かべていると、その花恋から俺は《鑑定スキル》を使って見て欲しいと頼まれたので。俺は言われるがままに、《スキル》を発動させて花恋のステータスを確認した。

【神崎花恋】

《固有職》 勇者 Lv.1(↑2UP)/150 HP 900 +300 MP 2600 +350 STR 330 +10 INT 450 MND 1000 +40 VIT +200 AGI +80 《固有職》 勇者 LV.1 《スキル一覧》 【剣豪術II】

【槍聖VI】

【魔法士IV】

【魔術師IV】

【武人VIII】

《魔法系スキル》 【光魔法V】

【風魔法IV】

《物理スキル》 《武術スキル》 なし 花恋のレベルが一気に二倍にまで上昇しているのは俺が彼女を強くしてあげたおかげなんだけど。花恋のその《勇者》っていう職業は、俺の持つ職業とは比べものにならないくらいの補正があるんだな。まあ《魔を統べる者》なんて言う大層な名前の割にそこまで強くはなさそうだしな。花恋にはもっと強力な職業に目覚めてもらいたいものだ。

それからしばらく花恋は敵の攻撃をその身一つで受け続けてくれたおかげで俺の方は何の問題もなく戦えていた。

「ありがとう花恋、助かったよ」

俺はそう花恋に声を掛けると彼女は少しだけ顔を赤くしながらも、その剣技を使いこなすための鍛錬を始めた。

それからしばらくして、花恋の動きが変わり、明らかにレベルが上がる前から、戦い方が変わっていったのが分かった。俺の《解析》が使えるようになったのはいいけど、その情報を読み取ることが出来ない相手が出てきてしまった。そいつが花恋をここまでに強くした張本人なのか。俺が花恋の戦いっぷりを見ながらそんなことばかりを考えていた時。

『《解析完了しました》』

頭の中で、俺が欲しかった答えを出してくれる声が聞こえてきた。それから俺は《スキル》画面を開いてみるとそこに表示されていた内容を見た。すると俺は《スキル》画面を開きながら愕然としてしまう。そこには俺の知りたかった情報が、しっかりと映し出されていたのであった。

【魔王】

職業 魔を統べる者 全ての職業を極めた者に宿る究極の職業 レベルがカンストすることで習得可能 職業レベルが上昇することで、新たな能力を得ることが可能 また、レベルを上昇させることでその能力を大幅に強化することが出来る。ただしそのレベルに達するには相当の苦労を要する 【固有スキル《魔力吸収》】《経験値増量》《スキル強奪》《アイテムボックス》《全属性適正》《状態異常耐性》《全属性強化+3》《全ステータス+1》 俺はこのステータス画面に映っている文字を見て驚いた。なんせ俺の持っているスキルと同じようなものが記載されているので。そのことに俺は興奮を隠し切れなくなっていたのだ。この《勇者》っていう職業を、俺は手に入れてから、《ステータス》に表示される数値が異常値になっているんだよ。

俺はこの世界に召喚されてから、勇者の力を手にしたことにより《ステータス》の最大値が上昇し、その恩恵を受けることが出来たのだ。俺の場合、元の《ステータス》の平均値は250だったので、そこから50アップしていたことになる。それにプラスされて俺は今レベルが150あるわけだが。花恋の場合はどうなんだろ? 俺の《魔王》の《固有スキル》を目にした花恋が目を丸くしてこちらを見ているのだが。俺はとりあえず花恋の《固有職》である、《勇者》のレベルを確認させてもらうことにした。花恋には申し訳ないが、自分の強さを把握することは大事なことだと思っての行動だ。俺が自分の力を確認すると、 【神崎真也】

《ジョブ》 《魔を統べる者》 魔王Lv.2/100 HP 1060 +160 MP 1500 +350 《称号》 全ての職業を極めし存在 レベル上限に到達した《魔王》の《ジョブ》を持つものに与えられる称号 レベルが100を超えることで獲得する。《魔王》に目覚めた瞬間に取得される。全ての《固有職》と共有されている称号であり、レベルが上昇した時にその《固有職》に関連するステータスが上昇 この《称号》を獲得した場合。他の職業の能力を使用することができるようになる これって《聖騎士》とかの、《戦士》とかの《ジョブ》のステータスを《魔を統べる者》の能力で使用できるということだよな。そしてその効果は単純に考えれば、元の値の1.5倍になるということになり。俺も同じように、花恋もその《聖王国ルミリア》では、最強クラスの強さを持っていたんだと思う。しかし俺達は二人ともその事実を知らず、花恋に至っては自分がどれくらい強いのかも分かっていなかっただろう。そして花恋にそのことについて尋ねると

「うん!私も《聖騎士》になってみたけど凄いよね!!《聖王国ルミリア》の騎士団の人達は本当にすごい人たちだったんだね!!」と返されてしまった。花恋も自分のことをよくわかっていないのだと改めて思うと少し複雑な気分になったが、それは俺も同じかと思いなおす。俺は《スキル》の画面を開いた状態で、俺のことを見ている花恋に向けてこう言った。

「じゃあさ花恋、お互いの実力を知っておくのもいいと思うからさ、少し訓練してみようか」と それを聞いた花恋は俺の提案に対して首を縦に振ると、 俺が先に攻撃するように促してきた。

「いくぞ花恋、スキル発動!」俺は《剣術》を発動させると、《魔を統べる者》で使えるようになる剣術スキルの技を使うために、俺が動き始めると。花恋はそれを真剣な表情で眺め始めた。それから俺はその剣術を繰り出していき、何度も何度も剣を振り続けたのである。すると俺は違和感を覚えた。花恋はその俺が繰り出す攻撃のほとんどを、《聖剣術》と呼ばれるスキルを使って回避していくのである。それを見るたびに俺の心の中には焦りが生まれるのだが。

それから俺が剣戟を続けて花恋がそれを受け止めるという攻防を繰り返していったのだが、花恋が使うその剣技はあまりにも強力で、俺は何度か花恋に負けてしまい、彼女に稽古をつけてもらう羽目になったのである。しかし俺は諦めなかった。花恋に少しでも強くなってもらおうという思いが強くなっていったのである。そんな時だった花恋がある提案をして来た。それは彼女が持っている《固有職》《聖剣使い》のレベルを上げたいというものだったのだ。そして俺はそれを受け入れることにすると花恋は自分の《固有職》を発現させるために必要な《加護石》を二つ俺に見せて来たのである。

その二つの《加護石》は見た目は全く一緒だったが、《固有職》が違っていたのだ。

一つ目は《光輝なる英雄》といい。二つ目は《光輪の聖女》というものでそれぞれ効果が異なっているというのを後ほど知ることになる。俺の持っているのは《勇者》という《固有職》で、花恋の持っているものはそれぞれ違う《加護石》を所持しているみたいでそれが俺達の戦闘スタイルにとても合っていたということが判明した。

ちなみに、《固有スキル一覧表》を見ると俺が持っていたものの他に。俺達以外の人が持っていると思われるものが表示される仕組みになっていて、例えば勇者が《スキル強奪》という《固有スキル》を所有しており、その効果が、その相手が持つスキルを全て使うことができるというものだったりなど。俺の持っていないスキルが表示されていたので少し羨ましいなと感じてしまっていた。それから花恋と一緒にモンスターを倒している間に、花恋のレベルが一つ上がり《聖剣士III》までレベルアップを果たした。俺もそれを見て少し悔しい思いをしながらもレベルを一つ上げたところで今日の特訓を終えたのであった。

次の日の朝になると、花恋はまだ寝ているようなので、朝早く目が覚めてしまった俺だけが起きた。

俺は朝食を準備することにした。昨日の夜に《アイテムボックス》から取り出したパンやら野菜を取り出し、調理を始める。今日はこの村の特産品だという牛を使ったシチューを作ってみる予定なので。その材料を取り出せば。すぐにでも料理を始められるように準備を進める。そうして俺は手慣れた様子で調理をしていった。すると後ろから花恋が起きてきたのがわかった。

「おはよう花恋」

「あ、勇人くんおはよう、早いんだね。もうお手伝いしてくれる?」

そう言って、まだ眠そうな目でそう俺に問いかけてくる花恋。俺はそんな彼女の頭を撫でてあげると

「もちろんだよ、それよりもほら、顔洗ってきた方がいいよ、花恋がいつも食べてるあの牛の肉の塊で美味しいものを作るから期待してくれ。だから花恋も顔を洗いに行くついでに、薪を集めてきてくれないか?それと、俺が作っている間は、この《薬草ポーション》を食べながら待っていてくれ」俺は《薬草ポーション》を《アイテムボックス》から取り出して花恋に手渡す。

《薬草ポーション》は俺が作ったものだが、回復量がそこそこ高く。《聖薬士》という俺の職業のおかげで、俺自身が作れるようになっていたので。《アイテムボックス》の中に入れておいてあるのであった。これは以前花恋のために俺が作ってあげたのだが、彼女はあまり好んで飲んでくれないので、今回もまた飲んでくれるだろうか。

「うん、ありがとう勇人くん、私、頑張るね!!」と言って元気よく家から駆け出す花恋。そんな彼女を見送ったあと俺は手を動かしながら料理を続けていくと、いい香りをさせたスープが出来上がっていた。

「よし出来た、そろそろ起きてきた頃かな」と呟く。俺は出来上がったばかりの温かい《薬草ポーション》を持って二階に向かうとそこには、目をキラキラさせながら《聖剣士III》になった《固有スキル》を確認していたのだ。それを見てやっぱりかと思った。俺は自分の《固有スキル》について説明したあと。その《固有スキル》がどれだけ凄いものであるかを告げ、そしてこれから一緒に行動するのなら、その力を十分に生かせるような連携が出来るようにしたほうがいいだろうと話す。

俺の言葉に耳を傾けてくれた花恋は素直に俺の言うことを理解してくれたようだ。

「じゃあ、まずはこれを食べる前にステータスを確認しようか」と俺は言いつつ、二人同時に《スキル詳細》を開いてみた。そしてその《スキル詳細》画面を見てみると、花恋の方には俺が見ていない情報も表示されており。俺の方に表示されている項目と違った部分があることに気がつく。どうやらそれは職業の方の情報らしいが、そこに記載されていた職業が、今まで俺達が出会ったことがあるどの職業にも当てはまらないものだったのだ。それは《勇者》ではないのはもちろんだが。俺も《魔を統べる者》に目覚めていなかった頃の職業ともまた違っていたのである。俺の持っている勇者の《固有職》は《魔王》というもので間違いないが、花恋の持つ《聖剣使い》というのは俺の持っているものとは、全く異なるものだというのが確認できた。

そしてその花恋の持つ職業のステータスを見た俺の反応は

『は?』だった。そして俺は自分の持っている職業のステータスを確認したのだか、やはりそこにあった《聖魔を統べる者》と書かれたステータス表記とは全く別物になっているのを確認することができたのである。俺は驚きの表情をしながら、もう一度ステータス画面をよく見てみることにしたのだ。そこで俺はある事に気がついてしまう。

なんとその数値の差があまりにも開きすぎていて。俺が元のステータスに戻ったとして。果たして今の花恋と張り合えるかどうかがわからない。俺はそう思って愕然としてしまうのだが、その事実を知ってしまってからの俺の動きは早かった。

「な、なぁ花恋」と俺は花恋に向かって声をかける。

すると花恋は、《固有職》の確認に夢中になっていて俺に話しかけられていることに気がつかなかったらしく。いきなり俺に名前を呼ばれて驚いた様子を見せていた。

「えっ!?何々勇人君」

花恋は嬉しそうな笑みをこぼしていた。

その花恋の様子を微笑ましく思った俺は、少し照れくさくなりながらも、自分のステータス画面を見せると。俺と花恋では圧倒的に差が開いていることがわかってしまうため。俺は花恋と相談して、お互いのステータスを見せ合うという行為を辞めにしようということを提案することにしたのである。

それから俺と花恋はそのことに関して話をしたが。俺は、どうしても自分が弱いままで花恋と一緒に居たくはなかった。だからこそ。《スキル強奪》を発動させることを決意する。そして花恋に俺の秘密を打ち明けると、その秘密に花恋はとても驚いている様子を見せたが。花恋は優しい表情を浮かべると俺を抱きしめてくれた。

「私は大丈夫、どんな勇人くんだって大好きだよ。だから無理しないで、勇人くんのやりたいようにやって、私がその気持ちを応援する」

そう言ってくれたのだ。俺はその言葉に涙が出そうになったのだが、ぐっと堪える。俺も花恋に何か出来ることは無いのかと考えるが。今のところ思い浮かぶものが無かった。だけど、花恋を守れるだけの力は必要だと感じた俺は、俺が所持している唯一の《固有スキル》を使うことを決意し、《スキル強奪》を試すために花恋から《剣術》の熟練度を奪おうとした。

その結果。それは失敗に終わった。花恋が持つ《固有職》の力が強すぎるために俺が持つ《固有スキル》が、《スキル強奪》の効果が発揮できなかった。

それから二人で試行錯誤していくうちに。俺は《剣術》以外にも多くの技能を手に入れられ。さらに《聖魔法》の熟練度を手に入れることに成功するのであった。そして俺は手に入れたスキルの中で一番使いやすいと思われる剣術のスキルだけを鍛えるために集中的に訓練を行うことにする。そして朝から夜遅くまで、ずっとそれを続けると俺はレベルが一つ上がったことで新たに獲得した新しい能力を使いこなすための特訓を花恋と一緒に行っていくことになったのであった。

そして朝早くから特訓を開始することにした俺たち。俺の職業に覚醒したことにより《勇者の固有職》を使えるようになった俺と。俺が持っていた職業の一つである《勇者》を《勇者II》にして、それを《固有職》に開花させてしまった花恋。二人は共にレベル上げを行い、モンスター討伐を繰り返していたのである。

そうこうすること一ヶ月。その間に俺は新たな固有スキルを習得したりして《勇者固有スキル一覧表》にある全ての固有スキルを取得することに成功していたのである。しかしそれでも俺は納得がいかなかった。もっと強くなる必要があると感じていたからだ。

「勇人君お疲れ様」と花恋が俺に声をかけてくる。その彼女の額にはうっすらと汗が滲んでおり。息を乱している状態。

それに対して俺はというと、まだ余裕があり。まだまだやれますという顔をしてみせる。そして俺はそのことについて彼女に話すと

「じゃあ勇人くんのレベルを上げていけばきっと強くなれるよね?」と言われてしまい、俺もそれについては否定するつもりはない。なのでレベルを上げようと話を切り出したのだが、花恋からは「勇人君はちょっとやりすぎだからね?これ以上やったらダメだよ」と怒られたり。その花恋の言葉を聞いた村人達からも心配されたりしたのだ。なので俺は渋々とその意見に従うと、レベルを上げることは辞めることにした。その代わり花恋と共にこの村を後にすることにする。

そんな俺たちは旅立つ前に村の村長に会いに行き挨拶を交わす。その際、俺はこの村に滞在する期間を設けて欲しかったのでお願いをしておいたのだか。

すると

『そうか、お前さんたちならいつ訪れてもいいぞ』と言って、歓迎してくれたので。俺は安心することができたのだった。そうして俺たちはこの村は一旦去ることにして、その次の日の朝から行動を開始した。そうして旅の途中で出会ったあの女性達と遭遇することになるのである。

「ねぇ、お姉ちゃんこの人たち、本当に信用できると思う?」

一人の金髪の髪をした少女が、隣にいる白髪の少女に尋ねる。

「私には分からないわよ。あの男が言っていたことが本当かどうか確かめる必要があるでしょ?」

そう言いながら二人の女性が俺と花恋の元へ近づいてくる。その二人のうちの一人は、先程、男と会話をしていた黒髪の女性。もう一人の女性は銀髪で綺麗なロングヘアーをした美しい女性で年齢は二十代前半といったところだろうか。

俺は、彼女たちの格好を見ると。冒険者のようであった。それに俺はどこか既視感を覚える。俺は彼女たちに見覚えがあったのだ。それは、以前俺が《聖剣使い》の固有職を持つ勇者として生きていた頃に出会った女性たちに似ていたからである。そしてその記憶が正しければ。俺はその三人に、俺の持つ《固有職》を知られてしまっている。そのことを思い出したのである。そして俺がそんなことを考えていると

「あなたが勇者だった頃の《固有職》は《聖魔を統べる者》という聞いたことがない《固有スキル》を持っていたのでしょう。それで、私たちと会った時、そのスキルを使った。違うかしら?」

と白髪の美少女に聞かれたので、正直に俺は肯定するようにうなずいた。その態度を見た銀髪の美魔女は、ニヤリとした表情を見せながら。こんなことを口にした。

「ふぅん、やっぱり私の勘は当たったみたいね。私の名前はルミリアっていうの。そっちは妹のカレン」

そう言って銀髪の美人は妹を紹介してくれるのだが。

「あ、よろしくです」となぜか不機嫌な表情を見せる金髪の美女はそっぽを向くとそのまま俺と視線を合わせることはなかったのである。その二人の様子を観察しながら俺は思考を巡らせていった。

まずはどうして彼女達が、俺のことを《固有職》の勇者だとわかったのだろうかということだ。《固有職》に関しては一部の人間しか知らない筈なのだ。そしてその情報を漏らすことは基本的にありえないのだ。だが彼女達はそれを知っていても可笑しくはなかったのである。なぜなら、この国に存在する勇者を実際に見ていたのであれば知っている可能性が高いのだ。

だが問題はそれだけではない。勇者の《固有職》である《聖魔を操る者》の存在についてもだ。これは本来ならば知ることのできない情報だったはずなのになぜそれをこの二人が知っていたのかという疑問がある。俺もつい最近までその存在について知らなかったので。俺の持っているスキルの《聖魔法》と似たようなもので《魔を統べる者》の熟練度を他の誰かが手に入れればそれが分かるのかと思ってしまう。

ただそうなると気になる点もあった。俺が持つ熟練度がカンストしていないということが。俺は今、花恋に貰った熟練度によって、ある程度の《固有職》が扱えるのだが、《固有職》によっては特定のスキルでしか使えないものがあったのだ。例えば今習得した《固有スキル》の中には《固有武器》と呼ばれるものしかなく。それ以外のものを使用することができなかったのである。

「まぁ、そのことはいいとして、俺はあんたたちが誰なのかを知りたいんだが」と俺が口を開くと。黒髪の女性が一歩前に出てこう口にしてきたのだ。

「私はルミア。こっちの子はカレンよ」

と彼女は自己紹介してくるのであった。俺はその自己紹介を受けて警戒心を少し解いてしまった。それは彼女たちの顔がどこか優しそうな顔つきをしており、悪意のようなものが全く感じられなかったからかもしれない。

「俺が勇者の時のことを知っていて。そしてこの村にやってきたということは。俺に頼みごとでもあるってわけかな?」と俺は単刀直入に聞く。すると

「話が早くて助かるわね。そう。私達はある依頼を受けてここまでやってきた。でも、そこで問題が出てきてしまい途方に暮れてしまって、どうしようかと悩んでいるときにこの人を見つけたのよ」

そう言ってルミアは隣の黒髪の女性を指差したのだ。その彼女の容姿を見て、改めて見ると。彼女は《勇者》だった頃に知り合った女性にとても似ていることに気付かされる。その《勇者》は、茶褐色の長い髪をした女性で、俺の初恋の相手であったのだが。その人と雰囲気が非常によく似ていて。まるで姉妹のような間柄であるかのように見えた。だから俺は彼女に話しかけてしまう。すると

「もしかして君は《勇者II》で《勇者》になった女性の妹とかなのかな?」

そう尋ねてみるとその女性の表情は一変し、眉間にシワを寄せたかと思えば鬼の形相をしてしまう。

「私に双子の姉なんていない!!私は一人で生きている。家族はいない。だから私は《聖槍》の固有職を持つお兄さんに助けを求めてきたの!」

その女性は、その言葉を言うとその場を後にしてしまったのである。

「あ、あの子ったら。ごめんなさい、今の話は気にしないで。それより、話を戻しましょうか。私達の依頼のことについて話したいことがあるのよ。だから私達を助けて欲しい。依頼の内容は──

『私と妹と一緒に王都まで同行して。そして私達に危害を加えようとする輩を懲らしめてほしい』というものだったのよ」

その話を聞いた瞬間。俺はその話の内容に興味を引かれると同時に。彼女達と行動を共にしても問題ないのではないかと思い始めてくる。

というのも、もし仮に俺の正体を知られているとしたら、ここで断ってもしつこく追いかけてきそうな雰囲気を感じていたからだ。

それに《勇者II》で《勇者》に覚醒した女性に姉はいなかった。そして俺は彼女と面識があったわけではない。なので俺のことを彼女が知っていなそうだったので、この提案を受け入れることにしたのである。

しかし俺は、この女性達をこの村に残していくつもりはなかった。それはこの村の人達に俺が異世界人であるという事実を伝えないためでもあった。俺は俺と同郷の人を探し出して、この世界を救うという目的を持っている。しかしこの世界の人では俺と仲間になれる可能性が低く。そして一緒に行動するにはリスクが伴う可能性があったのだ。そのためどうしても俺は、その事実を伝えたくはなかった。

俺の考えを察してくれた花恋も同じ意見であり、俺と共に残ることを決めてくれた。そのことによって、俺は花恋と共にこの女性達の力になることを決意したのである。俺は彼女たちと共に王都へ向かうことになった。

そして次の日。朝を迎えると、その次の日には旅を再開することになるのであった。そして彼女たちは、俺に対してとある質問を投げかけてくるのである。それは何故そんなにレベルを上げようとしているのか、というもの。

俺は彼女達に向かって、自分の中に存在する《固有スキル》を使いこなしたいという気持ちがあることを伝えると、「へぇー」とその二人は俺に興味を示してくれてかっこいいねなどと言ってくれていたのだ。そうして俺達は彼女たちを連れて《転移門》を使用し、王都へと向かうことになったのであった。その道中。彼女達が《聖魔》と呼ばれる存在であることを聞かされたのである。

そして、その聖魔の《固有スキル》について説明をされたのだが《魔族固有スキル一覧表》のどこを探しても記載されておらず。《固有職》の中にも存在していなかった。だが俺は彼女達と出会った時から何か懐かしい感覚に陥っていた。そしてこの女性達をどうにかしなければという思いにかられるようになる。その理由については、後々わかることとなる。だが俺はその時にはまだそのことを知らなかったのである。

*

* * *

そうして旅をしていると俺はある異変を感じ取ったのである。俺の気配探知が反応を示していたのだ。俺はこの近くにいるはずの人物に念話の連絡をすることにした。

〈花恋?ちょっと俺の近くに来てくれるかな〉 そう伝えると花恋はすぐに俺の元に来て

「どうかしたの勇人君」

俺は花恋の問いかけに応えずそのままの勢いで彼女を抱きしめると

「え!?な、何をいきなり!きゃっ」

突然俺に抱きしめられた花恋は驚いたように顔を真っ赤にしてあたふたしていたが。すぐに大人しくなり黙り込んでしまったのである。

「はぁ、やっと二人っきりになれたな」

俺はそう言いながら、ずっとこうしたかったんだよ、と付け加えると。

「な、なに、それ。恥ずかしいんだけどっ、もうっ!!」

と文句を言いながらも嬉しそうな表情を浮かべている花恋がいたのだった。俺はその後、この場を後にすると。先程俺が感じた場所に急ぐとそこには

「あらあら、あなたたち。随分と仲が良いのね」

そう言って俺の視界に入ってきたのはこの前戦った金髪の美少女のルミアだったのであった。

そうして、ルミアとカレンの二人の冒険者パーティーは俺と花恋が暮らしている小屋の前に立っていた。この家の持ち主である俺は今、目の前にいる女性二人を睨みつけると。

「お前たちは何者だ。俺が住んでいるところに入ってきやがって」

そう言って威嚇するような口調で二人を問い詰めたのだ。それに対してルミアはこう返答してきたのである。

「私達はこの辺りを調査しにやって来てたまたまここにたどり着いただけなのよ」

その言葉に俺は少しばかり違和感を覚えるが。まあ、そういうことなら仕方ないかと思うと。俺が敵意を見せなくなると。ルミアは俺がこの森に住み始めた経緯を教えてくれるのである。

そして彼女はこう言った。

──あなたも私たちのギルドに所属する気はないかしら。その《固有職》《聖魔を統べる者》で《聖魔》を従えて王都で暴れてくれないかな? その発言を聞いて俺はつい笑いが込み上げてきた。その笑っている俺を見た彼女は俺に近づき。耳元まで口を近づけると ──勇者のお兄ちゃんを虐める奴は絶対に許さないから。私に任せて、私がお兄ちゃんを守るから と彼女はそう囁いてきたのだった。

その瞬間、俺の中で眠っていた力が目覚め始めるのを感じる。するとその力を察知したルミアが、その力は危険だと感じたのか、慌てて俺から離れる。だが既に手遅れで。その瞬間、俺は自分の中に眠っていた《魔王》の力が目覚めたのを感じたのである。その瞬間、体全身から魔力が溢れ出すと

「お兄さん大丈夫ですか!」

そう叫び俺を庇おうとするかのように立ち塞がってきたのだ。俺はルミアと花恋の間に割って入ると

「邪魔すんなよ。せっかく手に入れた俺の力を、この世界を征服できる力を手に入れられて嬉しいと思っているのにさ。それを奪おうとしているんじゃねえよ!」

と俺は声を荒げる。その怒声が効いたようで彼女はビクッと身体を震わせると。

「あ、あのごめんなさい。私達の目的はこの世界で最強の力を持つ勇者を倒すことだったんです。だからあなたのことを、、その」

その言葉で俺は理解する。この世界に勇者が居ないということを。勇者がいなければ必然的にこの世界で一番強い人間は誰なのか、それは言わずとも分かる。そうこの俺だということに。その事を理解して俺はニヤリと笑うと「そうか。じゃあ、その勇者を倒してくれてありがとうよ。これでこの世界を征服しやすくなった」

その俺の発言に、ルミアは呆気に取られて唖然とした表情になる。すると俺の背後に立っていた花恋は

「えっとね。ルミアちゃんは悪くないんだよ。その勇者を討伐して欲しいと言ったのは王様だから。ルミアちゃんはそのお願いを引き受けただけで」

その言葉を耳にして俺は怒りの感情を抱くと同時に。この女性達を利用することが出来るのではないかと思ったのだ。なので俺は、その提案に乗ってあげようと考えた。

「ふーん。つまりは王様の命令に従えばいいんだろ。それぐらい簡単じゃないか、だから俺はこの世界を救ってあげる。だからそのかわりと言っては何だけどさ。俺にこの世界の人間と仲良くさせるようにしてくれないか?」

俺の言葉に対して二人は戸惑いの表情を見せたが、とりあえず了承をしてくれるのであった。こうして俺は彼女達の仲間に加わることを決めたのである。そしてこれからのことを考えていくと。彼女達を利用しようと画策し始めるのであった。


* * *


* * *


* * *


* * *

俺は彼女たちと一緒に王都に向かうことになった。彼女達と一緒に王都へ行ったとしても俺の身元を知られないようにするためには《隠蔽工作》のスキルをフル活用していく必要がある。そのため俺はまずは王都に行くまでの間。俺のスキルを使えるようにしておこうと、俺の力の一部を解放したのだ。そのことによって《魔眼》で《偽装解除》という固有スキルを会得し《鑑定II》の《解析》も使用することが出来るようになったのである。ちなみに俺が《固有職》を二つ持っていることは伝えずに。俺が《聖魔を統べる者》で聖魔を仲間にしているという設定でいこうと考えているのだ。そのためには聖魔であるルミアの協力が不可欠になってくる。俺は彼女の協力を得ることが第一の目的だと考えている。

そして俺達が旅を続けているうちにとある村が魔物に襲われたという報告を受けることになる。そしてその村に俺と花恋が向かうことにしたのである。そうして向かった村はひどい有様になっており村人の姿は全く見えなかった。俺と花恋が生存者を探し回っている時、花恋は悲鳴のような声を上げて。

〈勇人君!!逃げて!!!〉 と叫んでいたのである。

花恋の声を聞いた俺はすぐにその場所に向かって走り出した。そうするとその村の上空には巨大な翼を羽ばたかせ、赤い肌をした竜の姿をした化物が飛んでいて。その怪物は口から火のブレスを吹き出している。そのブレスによって焼かれている村人が目に入ると俺は怒りを覚えたのである。そしてその瞬間。《魔王》として覚醒しているせいか俺の中の何かの力が目覚め始めたのである。

その感覚を感じ取った俺は。自分の右手に意識を向けると。そこには俺の《固有職》《魔王》が刻まれていたのであった。俺は自分の手に刻まれた文字を確認すると《魔剣》と《魔杖》を取り出したのだ。そして俺が《魔剣》と《魔槍》を構えたその瞬間、突如目の前にいた怪物は俺の方に顔を向けてきたのだった。するとそいつの瞳が光ったような気がすると俺は体が動かなくなってしまったのだ。そして俺が身動き取れなくなったことに驚いたのか。怪物は空高く上昇して姿を消したのである。俺は必死に体を動かそうともがくのだが、全く動かないのだ。俺はこの事態に焦りを感じているとその背後から

「あらあらどうしました?動けませんよね。その状態だと《魔王》としての力を発揮してしまいますので。あなたはしばらく動けなくなります」

と俺に声をかける女性が姿を現したのである。その人物は黒髪ロングの女性で、服装はメイド服を着こんでいた。そんな彼女を見て俺は

「君は一体」

そう質問をするが

「あらあら、私は通りすがりの冒険者ですよ。ただの《魔法使い》です。それよりもあなた。あなたの持つ力は危険すぎます。このままでは、、その、あの、、」

と、その人は言葉を選ぶように話しており。俺はそんな彼女に「心配してくれてるのか?」と声をかけると

「ち、違いますよ。あなたは危険なんです!あなたは勇者と同じぐらい危険だと判断しました。だからここで私が、その力を解放しないようにしないといけないんです!!」

彼女は大声でそういうと俺に襲いかかってきたのである。そうしてくる彼女は、俺が《魔王》であることを知っているかのように思えたが。俺はあえて黙ることにした。すると、彼女が俺の首に手を当ててくると

「私の固有スキルであなたの力を封じさせてもらいました」と言い。そのまま俺を抱き寄せてきて

「これであなたは私から逃れることができなくなってしまいましたね」と彼女は嬉しそうに俺の頭を撫でてきたのである。俺は、なんとなくこの女性なら信じてもいいんじゃないかと思い始めていた。なので俺はこの人に賭けてみる事にしたのである。

「そうか。それなら俺の願いを聞いて欲しい」俺はそう言うと

「あらあら何でしょう?叶えられるかどうかは分かりませんが言ってみてください」

その言葉に俺はこの女性の耳元で囁くと

「え!?わ、私にそれをやらせるつもりですか?」

「ダメかな?」と聞くと「まあ、いいですけど。それってかなり大変だと思うんですよ。あなたに出来るかどうか。それに、それをしたらあなた、大変なことに巻き込まれちゃいますよ?」

と不安な言葉を口にしてきたので「構わない。それでこの世界に平穏が訪れるならば俺はなんでもする」

と俺が覚悟を決めると「うーん。本当にやるんですかね。まあでも約束しますよ」そう言って女性はその場を立ち去ったのであった。そうこうしているうちに俺は《固有職》の効果が切れたのか。ようやく体を動かし拘束から抜け出すことに成功する。そうすると彼女は俺の目の前に姿を現したのだった。

「あれ、もう動けるのですね。じゃあその力を使う前に。あなたの名前を聞かせて下さい。あなたのお名前は?あとお兄ちゃんはどこに居るんですか?さっきから探してもいないから。多分近くにはいないと思うんだけど」

その問い掛けに俺は答える

「名前はまだ決めていないが、俺は勇者だ。今は仲間とともに別行動をしている」

すると、彼女の表情は驚愕の表情に変わると

「え?お兄ちゃん?じゃ、じゃあお兄ちゃんは無事なの?ねえ、お兄ちゃんが何処にいるか知らない?」

と涙ながらに問いかけてきてくれたのである。

「安心しろ俺の妹よ。俺の仲間たちが今、俺のために戦ってくれているはずだ。俺は俺でやらなきゃいけないことが出来たんだ。だから悪いがこの世界を救うのは後になる。だからもう少し待っていてくれ。必ずお前を迎えに来るよ」

そう言い残すと俺は立ち去ろうとするが彼女は俺の服を掴んで

「まって、私の名前は花恋だよ。お姉さんの名前はなんていうの?」

その言葉で俺は立ち止まると「俺は蓮。じゃあまた会おうな花恋。それまでに強くなっておいて俺と一緒に勇者を倒そうぜ」

その俺の言葉に彼女は涙を流し「うん!!じゃあいつ会えるか分からないけどお別れなんだね。ばいばいっ!」と手を振ると走り去っていったのである。俺は、その背中を見送り。その後すぐに行動を開始した。そうして王都に向かって歩みを進めたのである。俺が目指すべき場所は王都であるからだ。この世界で、勇者と呼ばれる人間がいる王都に向かうことで。俺の目的に一歩近付けると考えたからである。そして俺は王都にたどり着くためにひたすら足を進めるのであった。

俺は彼女達と別れた後に再び王都を目指して旅をしていた。俺は彼女達と共に旅をしている時に王都がどこにあるのかを把握しており。迷わずに進んでいるのだが。何故か俺が進んでいく度に魔物と遭遇しやすくなっていくのを感じていた。それもこれも全ては彼女達の所為ではないかと思い始めてしまったのだ。

彼女達は、その村に現れたドラゴンを一撃で葬り去ることが出来るほど強くなっていた。俺はそんな二人を頼るしかない状況でいたので彼女達に頼ってしまったのが原因ではないかと考えているのだ。

そして王都への道中を歩き続けて数日が経過する頃になり、とうとう王都が見えてくる距離にまで辿り着くと。その王都はまるでお祭り騒ぎのように賑わっていた。俺はその賑わいように少し違和感を覚えると。花恋が言っていた言葉を頭の中で反すうしていたのである。そうして歩いているうちに王都の門までたどり着いた。

すると王都の入口を守っていた兵士の一人に声をかけられて

「王都にどのような御用でしょうか?」

と尋ねられたのだ。その問い掛けに答えようとする俺の背後からは聞き覚えのある笑い声が聞こえてきた。そして俺は振り向かずともそこに誰がいるかを理解していたのだ。

そして、俺の視界に飛び込んできたのは。俺の仲間である金髪美少女のアリアと黒髪ポニーテールのルミアの姿だったのである。俺は、そんな二人の姿を見て驚きを隠せないでいると。そんな俺たちの様子を見た兵士が、慌てふためき始めたのである。その光景を目の当たりにして俺はすぐに察した。俺の仲間に危害が及ぶのではないかと危惧したが、二人は特に暴れたりせずに俺が口を開くまでは大人しくしてくれていたのだ。そうして俺は、自分の考えを述べることに。そしてその考えは、的中することになるとは思わずに。俺の考えを伝えると、兵士たちはその提案を受け入れてくれたのである。

「おいおい。まさか俺達と戦うっていうのか?こんなところでやり合うには勿体ない場所だろう?なにせ、ここには、お前たちが探してるはずの《魔王》様がいらっしゃってるんだからよ!!」

その男の言葉に俺は目を見開き驚くと同時に、俺が探していることを知っている存在に対して怒りが沸き上がってきたのだ。その言葉はつまり、俺を探し出すのに手間取っているということを意味しているからだ。俺は目の前の敵を倒す為に。俺は俺の中に眠っているであろう《固有職》の能力を解放する準備を始めたのだった。すると俺の中から膨大な力が流れ出していくのを感じ取ると

『主よ。この程度の奴等に能力を使用する必要は無いかと思われます』

そんな言葉を投げかけてきたのだ。俺はその言葉を無視して《魔王剣》を構えると

「俺もそう思っていたところだ」

と俺は声をかける。そうすると、俺は意識を失いかけたのであった。そうして意識が薄れていくなかで、何かを感じ取った俺は意識を取り戻すことに成功したのだが、その時、目の前の男は地面に這いつくばっている姿が目に映った。だがそれは一瞬の出来事ですぐにその現象を確認することは出来なかったのだ。俺はすぐに、もう一人の仲間であるルミエールに話しかけようと視線を向けると、ルミアはこちらを凝視しながら固まっていて。

その隣では、アリアがこちらを見ながら、口をパクパクさせていたのである。その反応を見て、俺の体に何が起こったのかを把握すると

「大丈夫ですか!?怪我はないですよね!?ごめんなさい私が油断していたばかりに」

と、そう謝罪する俺の耳に

「だ、だだ、大丈夫だよね。わわ、私が見てたよね?」

と声が届いてくると。そこで俺はようやく事の経緯に気がつくと

「すまないな二人とも。ちょっと本調子じゃなくてな。この男の言うとおり、ここに俺の求める勇者が居るみたいなんだが。どうにも居場所が分からない」

俺はそんな言葉を口にすると

「え、えっと、その、蓮君で良かったのかな?私の勘違いかもしれないけど。私のことを勇者だって呼んでいた気がしたんだけど、その勇者ってもしかして私のことじゃないですかね?私はその勇者に用があってここに来たんだけど」

とそう告げると、今度はアリアと目が合ってしまう。その目は「私のことも忘れてないよねえ」と語りかけてくるようであり。俺は苦笑しながらも

「そういえば自己紹介をしてなかったっけ?俺は如月蓮、君のことを探していた。この世界を救いに来てくれてたんだよな?本当に感謝している。だけど俺はもう仲間を見つけているから、その申し出を受け入れることはできない。それに今は俺よりも大切な仲間ができた。この世界を救うのは他の誰かに任せて欲しいんだ。俺の仲間なら必ずやってくれるはずさ。俺が保証するよ。この世界を救うための力を皆持っているんだ」

そう言うが、彼女は納得しない様子を見せると

「そっか。でもね、私の目的はあなたと一緒に世界を救うことなんですよ。その役目だけは譲れませんよ。なんでしたらあなたを倒してでも成し遂げてみせましょうか」

そう言って戦闘態勢に入り始めると

「やめておこう」と目の前の男が立ちはだかる。そうしてその男の姿をよく見てみると俺はある人物の面影を見ていることに気づくと。

「君はもしかして?まさかあの時の少年なのか?」

そう俺の問いかけに

「そうだが?俺の名前はカイウスだ。お前に倒されたのが忘れられなく。もう一度戦いたいと願ってたが叶っちまったぜ」

「悪いが。俺は今すぐ王城に向かいたいんでな」

とそう答えると

「そんなこと言うなよ?久しぶりの再会じゃないか。積る話もあると思うからゆっくり話をしようぜ」

そう言いながらもカイウスは臨戦態勢に入るが、それを止める者が現れたのである。その現れた人こそが

「やめときな。アンタにその人の相手は荷が重すぎるよ」

と言いながら現れたのは先ほど俺が見逃して欲しいとお願いしていた女性の姿であった。「あなたがどうしてこんな所に?というか何故あなたが俺の仲間を止められるんですか?」

俺の疑問はもっともなものであり、その女性がなぜ俺達の間に割って入ってきたのか分からずに居たからである。

「それはアタシがその男の関係者だからさね」

とだけ述べると。そのまま立ち去ろうとしたのである。その行為に腹を立てた俺は

「待ってくれ。まだ俺はあなたの名前を聞いていない」と問いかける。

そうすると、彼女はため息をつくと俺の問い掛けに答えてくれたのである。

「まあ、いいか。あんまり時間が無いから簡単に済ませるよ。私の名前はマリ。これで満足かい?」

そう名乗る彼女の瞳からは嘘をついている気配はなく、真実を述べていると俺は判断したので

「分かりました。それでそのマリさんとそちらの男性の関係を教えてくれますか?」と問いかけると

「この人は、昔、勇者と呼ばれた存在だった男。《聖騎士》だった人間なんだ。そしてその称号を捨てた時に《魔剣士》になった存在。それがこの人である」

その言葉を俺は聞き流さずにはいられなかったのだ。なぜなら《魔剣士》とは《固有職》でありながらも《無職》と同等の能力値を持つ存在。そして全ての魔法が扱える最強の《職業》。そんな存在が、《固有職》として存在しえるのかと俺は疑問に感じていたのである。

俺は《魔剣グラム》に魔力を流し込むが

『無駄だ主よ。既に我は主との契約を解除しており、その力は使用できん。なので我が主として仕える者はもう貴様以外に存在しない』そう語りかけられてしまい、俺はその言葉で目の前の存在が何者なのかを完全に理解したのだ。そうして、俺は、この世界に召喚されてから初めて出会った同業者を前にして、自分の《固有職》について語り始めようと試みるが

「ちょっと待てよ?《魔剣士》って言ったな?《魔王》ってお前のことじゃ無いよな?お前のジョブって《魔王》とかじゃねえよな?」

というその男の言葉がそれを遮ってきたのである。

俺は、その問いに答えるべきかどうか迷うが、俺が《魔王》だと知れれば色々と不都合なことが発生するだろうと危惧すると、この場を切り抜ける為に《魔王剣》の本来の力を開放することに。その瞬間、この空間にいる人間の全てが《固有職》の力を使うことが出来なくなるのを肌で実感したのである。俺の仲間である二人は《固有職》の能力を封じられて焦っているが。俺は《魔王》としての力を使えなくなってしまえば《固有職》に目覚めた人間はただの子供と同じ力しか持ち合わせていないのである。

「悪いが。これ以上俺に関わるようなことはして欲しくない。それに俺は今、忙しいんだ」

俺はそれだけを言い残して立ち去ると

「おい!どういう意味だよ!!」

という言葉が俺を追いかけてきたので

「言葉通りの意味だが?まさか、このまま素直に引き下がるとでも思っているのか?《魔王》ってだけでお前を殺すのには十分すぎる理由だと思うんだが。俺にはまだ他にも《固有職》の能力を隠している可能性もあるだろうからなぁ」

そんな言葉を残して俺は走り出すとその男は舌打ちをして

「逃がすわけにはいかねぇよ。お前はここで倒す。《聖槍》発動!!くらえぇー」

男が手に持っていた光の粒子が集まり出来たのは《固有職》の武器ではなく。その攻撃はあまりにもお粗末なものだったのである。俺はそれを難なく避けたのだが次の攻撃が来ることは無かった。俺は振り返り、《固有職》の力を解除してやったのだ。そうすることでその男は《勇者の加護》の効果を失うが

「クソッ!!逃げられたか!!」

と叫ぶのが聞こえる。俺はそのまま、王都に向かって全力で駆け出した。そして俺の後ろを付いてくる人間が二人いることに気づくと

「なんでお前らついて来てるんだ?もう用事は終わったはずだろ?」

俺のその問いに二人は、俺が心配なのだと答えてきたが、俺は二人のことが心底分からないのである。

そもそもこの二人はこの世界を救うことよりも大切な目的があったはずなのに。その目的の妨げになる俺の事が心配だなんて。そんなのおかしいだろと俺は思うのである。俺は二人のことを良く知らないが、そんなに俺に思い入れが出来るほどの時間を一緒に過ごしていたのかと思うと俺は不思議でしょうがなかった。

「俺なんかより大事なことがあるだろ。俺はこれからやることがいっぱいあるんだよ。それに今のお前たちの目的は、元の世界に戻ることじゃ無かったのか?」

俺がその質問をすると同時にルミアが泣きそうな顔でこちらを見て来ると

「ごめんね。本当は分かってたんだけど。どうしても蓮君のことが気になってね。だけどもう私は大丈夫だから」と悲し気に笑うのであった。

「そうか。それなら俺は先に行くよ」

俺のその言葉に二人は何も言わずに立ち止まると俺を見送ってくれたのである。

俺はそのまま真っ直ぐ王城へと向かうと、城の前まで辿り着くがそこで異変に気がつく。城門が閉じられていたのである。それはまるで何かを警戒しているかのように。そうしてその門の前には兵士が立っていたのだが。その兵士に話を聞いても

「申し訳ありませんが、今は中に誰も入れることが出来ない状態になっておりまして」と門前払いを食らう始末。しかし、その兵士達は、門の前で立っているだけであって。中に入ることは出来ないようだったので。俺は少し離れたところから様子を確認することに。

そしてその様子を観察していて、俺はある事に気がついてしまったのであった。まず俺達が戦った場所から一番近くて大きな建物の壁には大穴が開いていて。その建物の中から火が出ている。更には地面には血の跡が残っており、そこから察するに何者かが戦闘を行っていた跡がある。しかも、それは俺の仲間達とではない。別の何者かが。つまりは《魔剣士》以外の人物がこの場所で戦っていたということになる。しかし俺は疑問に感じることがあった。それはこの場での戦闘の痕跡。俺達との戦闘以外でここまで傷を負うのが果たしてあり得るのかということである。俺達との戦いで、俺達も傷を負っていたが、それでも軽症であり。重傷に至るものは一つも無かった。だけどこの現場では大きな怪我をしている者が数人いたのだ。これは俺が見た範囲での人数であるから、実際はもっと多くの負傷者がいたのかもしれないが。そんなにも多くの人が戦いの場に参加していたというのだろうか?そう考えると。俺達はあの時、完全に後れを取っていたということになってしまうのである。俺はそんな思考を巡らせていると。俺はこの現場を見たことがあることに気づくと「そうか、この光景って。前に俺が《固有職》に目覚めた時に、初めて《魔剣士》と戦った時に俺が初めて目にしたあの場所なのか?」

俺が思い出していたのは《魔剣士》との戦いの最中に突如現れ。その男を斬りつけた女。

その女の顔を今思い浮かべようとすると。何故かぼやけてしまって、ハッキリと思い出せないのだ。それどころか名前さえも俺は知らないのである。俺がその疑問を口にしようとしたところで、背後に人の気配を感じた俺は、すぐに振り返るがそこには人影など存在していなかったのである。

その行動に意味はなかった。ただ反射的に動いただけであり。特に意味がある動きではなかったが。その時俺は、人の気配を感じ取ってしまうと。俺は気配感知能力まで強化されてしまっていることに気づき愕然としてしまったのである。

俺の能力はそこまで進化しているのだと。その変化に対して俺自身は良いとも、悪いとも言える状況に陥ってしまい、自分自身が困惑している最中。また新たな人の気配を俺は感じてしまうことになる。

そうして、俺が振り向くとそこに居たのは一人の女性で。美しい容姿をした人だった。しかしその美しさを台無しにするかのような黒いローブを羽織っていて、その女性からは只者じゃないオーラが漂っており。俺の本能がこの人は危険だと警告してくる。

「お前は何者だ?」

そう問いかけると共に俺は剣に手をかけて戦闘態勢を取ると、目の前の女が俺に問いかけてくる

「貴方は一体誰?ここは一般人が立ち入っていい場所では無いのだけど?」

俺はこの女性の問いかけに対し

「答える義理はないが、まあ一応名乗ろうか。俺の名前は九条。この世界での名前は蓮と言うらしい」

と答えると。彼女は目を細め、こちらの全てを見透かすように視線を向ける。

俺も相手の瞳の奥底に眠る力を読み取ろうと見つめ返すが

『主の敵ではありません』と剣から囁き声が届くのが聞こえ。俺の頭の中には、今までの《魔王剣》との付き合い方で得た経験則により

『そういうことだと思っていいんだろうな?』と語りかけると『その通りです』と肯定の言葉を《魔王剣》は伝えてくれるので 警戒を解くことにすると女性はため息をつくと共にこちらに向けて歩き始める。

俺が《聖騎士》から《魔剣士》へ変わったことで俺には幾つかの制限が課せられるようになっているのは確かで、俺自身もそのことは自覚していたのだ。《魔王剣》は俺のことを契約者であるとは認めたが、他の人間に関してはどうなるか分からないのである。そう考えるのならば《魔剣士》が相手では俺の方が圧倒的に有利ではあるが。この世界には《固有職》というものが存在し、その中でも最高位に位置する存在である《聖魔》と、最上位である《聖魔》に匹敵する力を持つと言われているのは、聖剣と呼ばれる、特別な力を持った剣を扱うことが出来る。

《勇者》や、《聖槍》、他にも色々と存在するが、《固有職》の中でも上位の存在で《固有職》の中では最強と呼ばれている。それが俺達の世界での《固有職》と呼ばれるものなのだ。

俺は、そんなことを思い出しながらも。彼女が俺の眼前に迫ってきたことに気づくと咄嵯に後ろに飛ぶと同時に剣を抜き放った。「危ないだろ。もう少しゆっくり近づいてこいよ」

俺がそう言うと、彼女は笑いながら、ごめんね。なんて言葉を返して、俺の抜いた剣に自分の持っているレイピアを合わせると、金属音が鳴り響くと。俺の《魔王剣》と、彼女の持つ剣が重なり合うが

「おいおい、嘘だろ」と俺が呟くと。

「あら、私の攻撃を防ぐだなんて、貴方本当に何者?」と、驚いた表情を浮かべる彼女であったが、その瞬間に彼女は後方へと飛び去ると

「仕方ないか、本当はここで使いたくなかったんだけど。私にはやらなければならないことがあるのよ。そう簡単に殺されるわけにはいかないわ。さて本気を出しましょうか」と言い。その言葉と同時に俺と、彼女を中心に暴風が吹き荒れる。俺も負けじとその嵐の中を突き進む。

俺はこの場を切り抜ける為にも

「なぁ、お前の目的がなんであれ、お前が戦う理由を俺は知らねぇけど。お前を倒す理由が出来ちまった」

そう言い放つと俺は 《勇者加護》を発動させると、俺の身体は淡い光のベールに包まれ。そして《勇者加護》による能力上昇効果で、俺の身体能力が上がるのだった。

「なんだそのチートみたいな力は!!私は絶対にあなたに勝つからね!!だから死んじゃだめだよ。お姉ちゃんと約束したんだから!!もうこれ以上失うものが無いなら!!その力で私を倒してみなよ!!」

そう言って再び襲いかかってくる彼女に対して。俺も《勇者剣》を構えて迎え撃つ準備を行う。

こうして始まった戦いは、激しさを増すばかりで。お互いにお互いの力をぶつけ合い。そして俺の《魔剣士》としての力は確実に進化しており、俺はこの世界の理に近づきつつある。

俺は《勇者加護》によって強化された状態で《聖魔》である彼女と戦っているが

「ふっ、お前の攻撃に威力はあるが、当たらなければ意味がないんだよ。こんな風にな!」と、俺が言うと、その言葉が聞こえていたのか

「くぅうー!私は絶対、あんたに勝ってみせるからね」と、その言葉とともに俺は腹部に強烈な一撃を食らう。しかしそれは《固有技能 神速 レベル5》を使用して、攻撃を認識出来た時点で回避に成功しているのだが。それでもかなりの衝撃が体に走るが

「痛いな、だけど俺は止まらないぞ」

その言葉と共に俺は彼女に迫ると《勇者剣》を振り下ろした。しかしそれを難なく避け、カウンターを放とうとする彼女を見て俺はニヤリと笑うと。

俺はあえて地面に転がるように倒れ込み。そして《魔剣士》が持つ固有技能の一つである《魔導剣術 レベル7》を使用することで俺は魔法陣を展開させることに成功する。

俺が地面に転がりこむことによって発生した魔法陣。それは俺を中心として発動される《固有結界 煉獄》という魔法であった。

それは《魔剣士》が得意とする魔術の一つで。俺の持つ《魔王剣》は闇属性の魔剣であるために。光と相反する性質を持つ。つまりは俺はその魔剣の力を応用して、この固有空間を生み出しているのである。この魔剣は俺の想像のままに、俺の望む事象を生み出すことが可能であり。俺はそれを利用してこの世界において最強の魔剣士になることを望んでいる。

この世界にきて俺は、《聖騎士》に目覚めた時から。その可能性を感じていたのだ。だからこそ俺は強くなりたかった。仲間を守るために、家族を守るために。しかし、俺は強くなればなるほど孤独になる運命を背負っていた。俺の仲間達もいずれ俺から離れて行き。俺を置いて去っていくのだとそう思っていたが、この世界でもそうやって、俺はまた一人きりになってしまうのかと俺は思ったのだ。俺は俺を理解してくれた人間達を裏切りたくはなかった。そう思ってこの固有領域を生み出した。俺は俺自身が望まない限り、俺の固有技能は俺以外の人間が扱うことはできないし、《固有職》を持っていようが、俺の《魔剣士》の固有職が相手でない限り。この固有職の力が相手に奪われることは無いので。その点においては安心している。

ただ俺自身の強さに関していえば。この世界に来てからは俺の能力は間違いなく上がっていて。今の俺の能力であればこの世界を滅ぼせるかもしれないと思っているのも事実である。それこそ、俺がこの世界で最強の存在になれるんじゃないかってくらいには。俺は、そんなことを考えるが、今はそれどころじゃなくて。俺の作り出した煉獄の魔境の中で。俺の作り出した魔獣と相対している少女との戦いに俺は意識を集中させていくのである。

その少女の瞳には涙を浮かべていて。

俺はそれを見ると、罪悪感で胸が苦しくなり、俺はそんな少女に向かって声をかけようとするが。

俺はそこで思い直すと。俺はその感情を一旦押し殺して《聖魔》の少女との戦いに集中するのだった。

「くそ、この中は一体どうなってるっていうんだ。私が全力でも傷をつけることすら難しいとかどういう冗談だって話よ。この魔剣の力は一体どうなっているっていうの?」

と叫ぶ彼女の攻撃を避けながら、俺もまた

「俺の固有職は俺以外誰も使うことができない特殊なものでな。俺の意思一つでどんな事も可能となるんだよ」と言うが。

彼女の瞳が赤く輝くと共に彼女は、一瞬でその場から姿を消すと、俺に攻撃を仕掛けてくるのが視界の隅で捉えると。俺は、《勇者剣》で受け止め、そのまま《勇者剣》を振るおうとするが、それよりも早く彼女は後ろに飛んで離れてしまう。

「あんたはいったいどれだけの強さを持っているっていうの?私は、あの時よりもずっと力を手に入れたはずなのに」と悔しそうに語る彼女は。俺のことを睨みつけるが。俺は《勇者剣》をしまい。彼女に近づいて行くと

「お前の名前は?それと俺の名前は蓮だ」

と名前を告げると。彼女の顔から敵意は薄れ、戸惑いの色が見て取れる。

「えっ!?なんで名前をいきなり聞くのよ。まさか、この中に連れ込んだことで私の事を好きになっちゃったのかな?」

なんていうので、

「ふざけるなよ」と言ってやると

「やっぱりね、そうよね。うん、分かっているわ。ただ私も、貴方の名前を教えて欲しいんだけど?」

彼女は、先ほどの怒りがまるで嘘かのように穏やかな表情を見せる。

「ああ、俺は蓮だ。よろしくな。それで俺のことを倒したかったんだろう?」

そう問いかけると彼女は静かに微笑むと。

「貴方を倒すことが目的じゃないよ。私は貴方と戦いたい。私と対等に渡り合う人間がいるのなら」

彼女は、その瞳に強い意志を持って、俺のことを見つめており。

俺は、彼女から発せられる強い闘気に。俺もまた、彼女と戦ってみたいと思い。《勇者剣》を抜き放つと

「いいぜ、本気で相手になってやる。俺もお前の本気を引きずり出してやるから覚悟するんだな」

俺はそう言い放ち、剣を構えるのだった。そして、お互いが武器を構えたことにより、この固有空間内に激しい嵐が吹き荒れ始める。

俺達が戦闘を開始して既に一時間程経過していたのだが。

お互いに決定打は未だに打つことが出来ていない状態が続いていた。そんな中。俺の方には余裕が生まれてきており、その理由としては《魔王剣》の力を使いこなすことが可能になったからだ。それにより、俺が使えるようになった能力の中に。俺自身に攻撃を当ててきた相手を。俺の味方にすることができるという効果があった。これによって、俺は俺と敵対する存在の能力を一時的に奪うことが可能となったわけだが。これはあくまでも一時的なものだ。なので俺が奪った能力はいずれ戻ってきてしまうが。俺の攻撃は俺が死ぬか、相手が降参するかしないと、戻ることはないのだ。俺の持っている《聖魔》の能力と似たようなものなのだ。しかし俺は、彼女に対してこの《聖魔》の力を使う気は無かったのである。彼女は自分のことを弱いと言ったのだ。それは嘘偽りのない真実だろう。

彼女は自分の弱さを嘆いていた。それは間違いないことだ。彼女は確かに自分の非を認めて、自分の犯した罪を悔いていた。その姿を見て俺が彼女を見逃す理由は何もない。それに、彼女が俺に襲いかかってきたことも事実だからな。

俺は、この世界で手に入れた能力のおかげで強者になれたし、この世界の常識に馴染んでいきつつあったが。それは俺が望んだものではないのは確かなことである。だから、彼女からこの固有領域を消すと、彼女から距離を取るために。

俺はこの場を離れることにした。すると

「待ってよ!!どうして私を襲わないんだよ!!!私は貴方に負けたはずなんだ!!」

という声を聞いて振り返ると

「君は強かったぞ?君の負けを認めることは出来るか?」

俺の言葉を聞くと。その瞳には大粒の涙が溜まっていくと同時に彼女は涙を流した。俺はそれを見て胸を撫で下ろすと。彼女に背を向けるのだが、背後から抱きしめられて俺は

「貴方に負けたことを認めます。お願いです!私はどうすればいいんですか?私はこの国に戻ればきっと死刑は免れません。どうか助けてください。私はこのまま死にたくない」と、懇願してくる彼女を抱き留める。そして優しく背中を叩いてやり。俺の仲間にならないか?と告げるのだった。こうして俺は一人ではなく仲間を得ることができたのである。

俺達はあれから王都に戻るとすぐに冒険者として活動を始め。

俺と美月の二人だけでパーティを組んで活動していた訳であるが。

「蓮さん、今日こそはこの依頼を受けませんか?」と、依頼書を差し出す受付嬢は美人なお姉さんだ。そんな受付のお姉さんの差し出してきた依頼を受けようとしたとき。後ろから俺の服を引っ張るものがいたのである。俺がその方に視線を送るとそこには美少女と呼べる容姿をした少女がおり、その髪は銀色で瞳の色は深い青をしている。身長はかなり低く、小学生高学年程度だろうか。そして俺はこの子を見たことがある気がするのだが思い出せないでいると その女の子が俺に話しかけてきた

「れん君、おひさしぶりだよ!」と嬉しそうな笑みを浮かべて話す。

しかし、やはりその記憶は思い出せないでいた。

俺の記憶では、こんな綺麗で可愛い子供と出会ったり、会話したりしていないので。そのことについて聞いてみることに

「えっと、悪いが、どこかであったことがあるかな?それと俺は今からこの依頼を受けようと思うんだけれど」と言うと

「わたしもいくー」と無邪気にはしゃぐその銀髪を肩まで伸ばし、白いワンピースに身を包んでいる可愛らしいその子を連れて依頼に行くことにした。ちなみに、俺の現在の仲間である女性陣に、その銀髪の少女について質問してみたら

「ん〜、誰なのかしら?」「分からないのですよ〜」と、俺と同じ感想を述べるだけだったのだ。そこで、とりあえず、依頼をこなしながら考えることに決めるのだった。

そうして俺達は今回討伐クエストを受けたのだが。今回はオークを三体ほど倒すだけの比較的簡単で。報酬額が銀貨三十枚という美味しいクエストだったため。俺達以外のパーティーが受けていたので少し時間を潰してから俺達の方も受けさせて貰うように頼むとあっさりとOKを貰ったため。俺達もその魔物が住み着くと言われている洞窟に向かって行くのである。そんな時に

『れん君、わたしはね、れん君のまもりがたななんだよ!』と、突然言われてしまう。

その言葉を聞き流すのが正解なんだろうと理解していたが、俺はその言葉に返事をしてあげようと決めた

「守りがたいなって意味は分かるが、なんで守りがたな、なんじゃい」と言うと。少女が

『だって、いまはまだちいさいけど、いずれおおきくなって、せいきになって、つよくなるもん!!』と言い放ったところで。少女の体は淡く発光し始めると少女は大人の姿に変貌を遂げると。その瞳の色も赤黒く変わり始めていくと。その姿は、先程の幼女ではなく、二十歳前後くらいの女性になっていたのである。俺はそんな状況を飲み込めずに、口を開けながら唖然としていたのだ。その女性は、妖艶な表情を見せながら俺に近寄ると。俺の体に抱きついてきて。耳元で

「ふぅ」

そんな吐息を漏らすと、また体が光始める。すると今度は十代前半程度の幼い感じの見た目の女の子になるのだった。そして俺を見つめて、笑顔を見せて、

「わたしは、あなたをみまもるためにきたの。これからよろしくね」と言うとその姿も光が消えていくのだった。俺は一体何が起こっているのか?さっぱりわからなかった。しかし俺が混乱していることを察したかのように

「今は気にしない方がいいよ?いつかわかるからね?でも、これだけは忘れないでね。私もあなたのことが好きだからね?」

彼女はそう言うと俺にウインクしてくるのだった。そうして再び彼女は大人の容姿に変身していき。俺の前に姿を現したのである。俺が呆気に取られていると

「れん君はこの子の事を知らないんだよね?彼女は私の親友の子供なの。それでね、彼女は神性を持って生まれて来たらしくてね、彼女の親が育ててあげられないってことで私のところに預けに来たんだ」

そう言って来たのだが。それでもまだ俺には疑問があったので彼女に問い詰めると。彼女は観念して語り始めたのだった。

まずこの子は人間ではなく。魔神と呼ばれる種族の生き残りであることを教えてくれた。なんでもこの子は元々普通の女の子であり、人間の街で両親と幸せに暮らしていたらしい。しかしその平和は長く続かなかったのである。

ある時、その国の首都で突如大地震が起き、地割れが至る所に発生していたのである。その首都にいた人達は全て飲み込まれてしまい、生き残った人は殆どいない状態だったのだと。しかしその女の子だけが奇跡的に生きており、彼女は運良く生き残ってしまったのだという。そして彼女は自分だけ生きているのが申し訳なく思ってしまい、彼女は、その街に住んでいた人のためにも自分が出来ることをやろうと決心し。自分の力を使って、災害が起こった場所に行って復興作業を頑張っていたそうな。

そんな生活を続けていた時、一人の少年に出会う。その少年こそが、俺なのだと。そして、その時に俺のことを好きになり、俺も彼女を愛するようになり結婚したそうだ。しかしそんな彼女にも別れの時が訪れる。彼女が、俺との間に子供を授かり、それが産まれるまでには長い時間がかかり。ようやく出産の日がやってきた。

しかし産気付いた妻を、俺は心配して見に行ったのだが。その途中で、地震によって、俺は瓦礫に飲まれてしまい、死んでしまった。そしてその子供が彼女一人残されてしまったので、俺は転生し、彼女を探そうと決め、彼女と同じような特徴をした女の子を探そうとしたが、なかなか見つからず途方に暮れてしまっていたのが現状だという。そこで俺の目の前にこの子が偶然現れることになり、この子の母親の特徴を伝え、俺はこの子に、彼女を見つけるようにと頼んだのだが。俺と彼女は前世からずっと繋がっている運命の相手同士だったようで。お互いに引き合い惹かれあったのだそうな。

「という事で、蓮君とは結婚前提のお付き合いをさせてもらっています!」と元気いっぱいの笑みを浮かべて言い放ってきた。それを聞いた花恋は、俺の袖を引っ張りながら涙目になっている

「そ、そうなんですか?蓮さん、私というものがありながら他の女性とそんなことをするのは許せません!!」と言ってきて、美月は、「あぁーずるいです。私が蓮さんとしたいのにぃ」と、美月は悔しそうに唇を噛み締めていたのであった。俺はその二人のやり取りを見て苦笑いをしていた。しかし

「まあまあいいじゃないか!みんな!この子を一緒に仲間に入れてあげたまえ!」と言われてしまう。

すると彼女は

「わたしの名前はリリアナ!みんなにはリリィと呼んで貰ってるわ!よろしく!」と言うと俺達に挨拶をしてきた。俺はその言葉を聞いて

「じゃ、俺のことはれん君でいいから。リリアナは俺とどういう関係なんだ?それとどうして子供になったんだ?」と問いかけてみると

「んー?わたしは、あなたのおかあさまからうけつぎをうけているんだよ?だかられんくんとおなじことができるんだよ?それとこっちのほうが、らくちんなんだー。でも、ほんとのすがたはこどもだけどね?」

と微笑みかけてきた。そんな彼女の頭を撫でてやりながら

「それなら俺も本当の姿を見せた方が良さそうだな。俺の名前は神宮寺蓮だ。蓮で構わないから、よろしく頼むぞ。そして俺の大事な仲間を困らせてくれるなよ?」と言うと、リリアナも俺を撫でながら

「もちろん、だいじょうぶだよ。わたし、ちゃんとまもれるからね?」と言った。

そして俺は本来の姿に戻るために、自分の体に力を送り込んでいくと。徐々に体が光始めていき、やがて俺は本来あるべき大人の姿に変わると。それを見た三人が目を点にして驚いていた。そうして俺は本来の俺の姿に戻ると

「俺の名前を知っているのはあんたらの仲間に聞いているのか?」と尋ねると。

「はい。わたしたちのことを守ってくれるんですよね?それにれんくんがまもってくれて、れんくんとわたしは、けっこんして、しあわせにくらしてました」

「なるほど。そういう事情だったわけね。それで?今の状況を教えて貰えるかい?」

「わかりました」

俺はその少女の話を詳しく聞いた。この世界には魔物が存在しており、人間を襲う習性があり、その魔物を倒すことで、人間は生活を成り立たせてきたのだと。

俺は魔物と戦うことに抵抗感を覚えていたが。俺の力ならば、簡単に倒せるだろうし、何より俺は花恋を守るために強くなっておきたかったのだ。なので、その討伐依頼を俺達で受けることにし、洞窟の中に入るのだった。洞窟に入ってすぐにゴブリンが俺達に向かって襲って来たので、俺が刀を抜くと。

「俺にまかせろ!」と言い放ち

「我が名はレン!!貴様らを駆逐する者なり!我が魂に誓い、その命を奪い尽くすことをここに誓おう!!!」と叫び、そのまま俺は、一番手前にいる、二体のゴブリンの首を切り落とすと残りの一体を蹴り飛ばして壁に叩きつけて、首を跳ね飛ばすのであった。その様子を見て、他の冒険者が呆気に取られており、俺は少し恥ずかしくなっていた。そうして俺達は洞窟の奥に進んでいくのだが。その洞窟は俺達が住んでいるところとは違い、洞窟の奥行きがあまり長くなかったのである。そうして、俺達はあっけなくボス部屋に到着してしまったのである。俺はその扉を開き中に進んで行く。その奥にいたのは、なんとも奇妙な生き物がいたのである。その姿は巨大な蛙だったのだが。俺達よりも背丈が低く三メートル弱程度の大きさで、肌の色は緑色のカエルで二足歩行で歩いているのである。そのカエルがこちらを見ると舌を出してくるのである。

そしてその口から大量の液体を吹き出してきたが、俺は即座に結界魔法を展開してその攻撃を防いだ。だが、このカエルはその結界を無視して俺の展開した結界に体当たりを繰り返してきていて、その勢いを止めることが出来ないでいたが、この狭い場所では俺も動きづらいため、俺は一旦、後ろに飛んで距離を離してから。俺は空間収納のスキルを使い、この空間の中に無数の武器を展開していく。

「これは俺のスキルで作った異空間なんだ。この中にある物を自由に使うことが出来るからな。これで俺に勝ち目はないよ」とニヤつきながら俺は言ったのである。そして

「さあて、そんじゃ始めるとしますかね」

俺は手始めに槍を手にすると

「ほれっ」と一言呟き、槍を思いっきり振り回すと。それに触れたものは粉々になって消え失せた その光景を目の当たりにした、周囲の人々は唖然としていて、中には腰を抜かす者もいた。しかしそんな中でも、リーダーだけは 、勇敢にも、果敢に立ち向かってくるのだが、その剣はまるで豆腐のように容易く砕かれ、俺は、無防備になっている男に拳を突き入れる そうして男が地面に倒れた時、俺は男の頭に足を置く そして「お前はもう戦えない。だから死ね!」と言うと同時に手に持っていたハンマーで頭部を叩き潰す。男は悲鳴をあげることもなく、あっさりとその人生を終えたのだった

「弱い、あまりにも貧弱過ぎる」と、俺は嘆いていたのである。そんな時背後に気配を感じ振り返ると。そこにはリリアナが立っており、「あなた強いんだね。あの人を一瞬で殺しちゃうなんて流石勇者様なんだ」と、俺に話しかけて来たのである。俺は「リリアナ。俺にそんな大層な呼び名を付けるのやめてくれ。俺の名は神宮寺蓮で通してくれ」と伝えると

「ふーん?じゃ、じゃあ私と結婚して下さい!」と、顔を真っ赤にしなながら、プロポーズしてきたのだ。それを聞いた俺は頭を抱えてしまい、

「いやいやいや、まだ俺高校生だし。結婚できる年齢じゃないんだけど」と言うと

「そうなの!?残念。まあしょうがないよね」と、リリアナはしょんぼりしてしまう そんな彼女を見て俺は、リリアナに近づいて頭を撫でてやるのであった。するとリリアナは、気持ちがよかったのか目を細めて幸せそうな表情になる。そんなリリアナを見ながら俺は、「リリアナって、俺が昔飼っていた犬に似てるから、俺に甘えてる時って可愛いよなぁ」と思わず口にしていたら

「あー!酷いですよぉ。私はこれでもあなたのお母さまの娘なんですよ!」と、怒られてしまい、そんなリリアナの仕草をみて、俺は笑みをこぼしながら彼女の頭を撫でてやるのだった。こうしてこの場は何とか収まったので。リリアナに「一緒に来ないか?」と提案し、この国を救うために協力して欲しいと、頼むのだった。

すると、リリアナは、快く受け入れてくれたので、俺達の仲間に加わることになり。俺と、この世界では珍しいらしい金髪と青い瞳を持った美少女の、花恋と共に行動を共にすることになる。ちなみにこの国の王は、先ほどの王とは全く性格が違うそうだが。娘には凄く甘いらしく、なんでもどんな我ままなことであっても笑顔を浮かべて聞き入れているのだそうだ。それを聞いた花恋は、『ダメなお父さんだな』と思っていたようだ。まあ実際、俺もその話を聞いて同じことを思っていたが、まあ良いか。と思いながら。とりあえず城に戻っていった。そして王様は俺の姿を見て「ほう。なかなか見慣れない容姿をしているではないか。そちは本当に日本人か?」と言われてしまう。どうやら見た目のインパクトがあったせいか俺が日本人のはずがないだろうと思ったのだろうが。

一応は日本人だと答えておいたが、異世界から来たとは言っていない 俺はそんなやり取りをした後。リリアナのことをこの国に紹介することにしたのであった。リリアナのことを紹介した後。

俺は国王から呼び出されていた。その要件は魔王退治のために協力してほしいとのことで、報酬は好きなものをくれると言っていた。なので俺と花恋は、それならば、俺達が元々いた世界に戻るために必要となる転送装置の入手と使用権利を要求していた。そしてそれを手に入れるまでは俺は協力しないと言ったのだが。それでも構わないと、言われたので。俺は了承し、この世界に滞在することにし、その間はこの世界の人達と協力していくことに決めた。

それから俺と花恋は、まずはこの世界について詳しく聞くことに決め。

「じゃあリリアナから、この世界については聞いてるか?」

「はい。でもリリィの方が詳しく教えてくれますよ?」と言われたので、俺達はリリアナの話を聞くことにしたのである。そして彼女の話では、この世界には大きくわけて三つの大陸があり、それぞれの国々が戦争をしており。現在はその三つ巴状態だそうだ。だがこの世界で、俺達の元いた世界を征服しようとしている勢力が暗躍しているらしく、それを防ぐために俺達は協力していかなければならないということだ。

俺はその話を聞いた時に。『なんともはや。また変なのに絡まれたもんだな。俺は、自分のことだけで手一杯だって言うのに』と愚痴を言うと。

「わたしも手伝わせて。絶対にレン君の力になれるように努力する」と俺の手を握り締めて宣言してくれるのだが、それを見ていた王様が

「おいレン。その小娘のどこが良いのだ?この国で一番綺麗で優しいこの私でさえ、そちには釣り合わないと思うぞ?こんな貧相で子供みたいな女より私の方がいいだろう?それに花恋さんと言ったかな?そちらのお嬢さんの体形なら、私の愛人に迎え入れたいと思っているのだ。この世界に来てしまった不運はあったかもしれないけど、きっとこれから楽しい毎日を過ごせるようになるはずだ」といきなり俺の目の前に現れた。この人俺より年上だけど全然若いじゃん! 俺はそう思っていると

「何言っているんですがあなたなんかよりも。レンくんのほうがよっぽどカッコいいです!!そもそもあなたのようなおばさんに興味なんてありません!!」と突然現れた女性に暴言を吐くのである。

俺はそんな様子を見て呆れ果てるが

「お前も何言ってんだよ!初対面の人にそういう態度を取るなって何度も言い聞かせたじゃないか!!」と俺はリリアナに注意した。そうして俺の言葉に対して。「レン君こそ何でそんな事いうの!?あなたってやっぱり浮気性な人だったのね!!」と俺の方に指を突きつけてきたのである。そんな二人の様子に疑問を感じたのか、王様は尋ねてきて どうして喧嘩をしておるのだ?」と聞いてくるのだが そんな王様に向かって、花恋は、「私とれんくんとの時間を邪魔をする人は誰であろうと敵とみなしますからね!!!」と言って、リリアナの腕を掴むのだが、それを嫌がったのか、振りほどこうとして花恋の手から逃れようとした結果、勢いよく手が当たり、そのまま二人は床に転がってしまう。

「大丈夫ですか!?リリちゃん!レン君」と言いながら二人に近づくが、俺は、そんな二人の姿を見て

『この二人が出会ってしまったら、この国が滅亡しかねないんじゃないか?』と俺は心配になってしまったのである。そんな事を考えているうちに二人は立ち上がりお互い睨み合いをしていた。

俺は慌てて止めに入ったのである。そして俺もリリアナもお互いに謝り合った後。俺とリリアナとで、話をする事になり。俺はリリアナに、この世界の現状を話し始めたのである。俺は勇者ではないこと、この世界を救う気がないということ、俺と、俺の仲間の花恋の目的は、元のいた場所に帰るために必要なものを探し出すことだと、伝えて、この国の人間に協力してもらえるように説得してほしいと頼んだのであった。しかしリリアナは俺の願いを断るのである。

その理由としては、自分だけでも俺の手伝いが出来るようにすると言うのだ。確かに俺がこの世界にやって来た時は、何も分からなかった俺を助けて色々と世話をしくれたが、今は何もわからない俺がいても逆に足手まといにしかならない。

リリアナにそう言ったものの彼女は首を横に振って、役に立たないと言うことはないと言ってくれて、むしろ自分は役に立つから置いて欲しいと、お願いされてしまった。そんな彼女に俺はため息をつくしかなかったのだった。そうして話し合いが終わり、俺が王様と話をしようとした時だった。

突然部屋の中に兵士が入ってきて、「陛下!魔物の大群が我が国に攻め込んできました!早くお逃げください」と言うのだった。そんな兵士達の様子に俺は疑問を抱き、一体どういう状況なのか問いただしたところ。魔王軍によって召喚された大量のモンスターの軍団が現れたのだというのだ。そして兵士の数が圧倒的に少ないので勝てる見込みは皆無に等しいとも告げられた。それを聞いた俺は花恋を連れて避難しようとすると、なぜかリリアナまでついてくる。

しかもその表情は俺と一緒に居られる事が嬉しく仕方ないというような表情をしており。その表情を見た瞬間俺はリリアナを見捨てることが出来なくなり仕方なく同行を許した。

そうして俺達三人は城内から外に出ていくがそこで信じられない光景が飛び込んできたのであった。城を取り囲むかのようにして大量に出現した巨大な魔物の数々は一斉に城に襲いかかってくる。

そんな光景を見て俺が思ったことは この城の人達はどうなったのか? あの王の妹とかいっていたあの女は無事なのだろうか?と俺の頭の中はそれでいっぱいになってしまっていた。すると、花恋が

「私達はここにいる人達を逃がす為に時間を稼ぐわよ!」と力強く俺に言ってきたので、俺は、分かったと答え、この国を守ることにしたのであった。

俺は剣を手に取り、迫り来る敵を斬って行くと リリアナと花恋が、連携をとりながら戦うことで次々と魔物を倒して行く すると後方から「助けてください!」とか聞こえてきたので振り返ると、王様や王女様などが、必死に逃げようとしいて俺達に助けを求めているようだったので、俺は花恋に声をかけた後で彼女達の元へ走り出す。

するとそこに一際でかいドラゴンが花恋の前に降り立ち襲い掛かろうとすると

「きゃあああ!!」と花恋は悲鳴を上げ、俺はそれに気づいて

「花恋!!こっちへ来い」と声をかけるのだが

「でもそしたら皆の所に行くことが」

「お前は俺の仲間なんだ。仲間を置いて逃げたりしねぇよ」と俺が花恋に叫ぶと 花恋はこちらを一瞬見た後に「レンくんが私の為に来てくれるんなら。私はどこまででもついて行くからね」と言って俺の方に向かって来たのだ。俺は花恋が来るのを待ってからドラゴンを睨みつける。そのドラゴンは全身を紫色で覆っておりいかにも強そうな風貌をしていた。だが俺にとってこいつはただの大きな的でしかない。

俺はドラゴンの攻撃を避けながら攻撃を加えて行き。最後に大技を繰り出そうとする。だがそれは悪手だった。俺に攻撃を防がれたことで逆上してしまったようで、口から炎を吹き出して俺を燃やすように攻撃を仕掛けてくるのだが。

俺には効かない。俺が使っている魔法耐性のアクセサリーは伊達ではないからだ。だが俺にとってはこの程度の熱などたいしたことがないが、このまま俺を攻撃し続けても倒せないと判断したのか。奴はその大きな翼を広げ、上空に飛んでいく

「花恋は安全なところにいろ」と花恋に言って俺は、上空に飛び立つ

「私にも戦わせてよ!この前は途中で終わってしまって決着が着かなかったでしょ?だから今日は私の全力を見せてあげるんだからね!!」

そう言い放つと同時に 彼女の周囲に無数の光の玉が出現してそれが徐々に巨大化していくと、まるで光の龍のようになっていくのである。

そして彼女が両手を上げると

「喰らいなさい。これが今のわたしの最大火力よ。光輪華」と叫ぶと 無数の光球が次々と放たれて行く

「うおお!何だよこれ!?こんなもんまともに受けたら死ぬぞ!?くそ!ふざけるなよ!!」俺は慌てて回避行動に移るが間に合わず直撃を受ける。そうして俺は地面へと落とされていくと

「レンくん!!」

俺は地面に激突する前になんとか受け身を取ることに成功した。だがかなりのダメージを受けてしまった。それに俺は気づいていなかったが

『くそ!まずいなこれは』と思わず心の中で叫んでしまう。そうしているうちにまたもやリリアナの放った光が俺に迫って来て俺は再び避けようとした時に足にダメージを食らう

「くそったれがぁ!!!」

俺の体は傷つき体力も奪われていったが。リリアナもかなり消耗していたのである。そうしているうちにリリアナは再び俺に向かって光を放つと。花恋はそれを止めるべく

「レンくんにこれ以上攻撃しないで!!お願いします」と言って リリアナに向かって土下座したのである。そんな花恋に俺は「もういいから下がってろ。リリアナお前も少し休め。後は俺に任せてくれ」と伝えると リリアナは素直に後ろに下がり花恋の横に並んで俺の事を見つめていたのである。

『さてとここからどうするかだな。正直俺が勝つためにはあそこまで接近して倒す必要があるんだが。どうしたものかな?この様子じゃあいつら二人を庇いながら戦うのは無理だし、花恋とリリアナを俺の背後に回せば守れるかもしれないけど、そんな事したせいで俺の負けになったんじゃ本末転倒すぎるんだよな。それにリリアナだってあんな無茶したんだ。相当疲弊してるはずだ。くっ、こんな事考えてる場合じゃないな。考えないとなどうにかしてあいつらを安全に避難させる方法を!』と考えていると俺の後ろの扉が開き誰かが出てくる気配がした。

そこには、花恋の父であり、王様が立っていて 俺達の姿を見ていたのか こちらに来て「勇者様申し訳ありませんでした。我が民を助けていただいて感謝いたします。ですが貴方様には死んで欲しくないのです。ここは私どもにお任せして逃げていただきたく」と言ってきたのだ。

しかし俺はそれを断り「勇者なんかではありませんよ。それよりもこの二人を連れて避難して貰えないですか?」と頼んでみると。王は そんなわけにはいかないと言い張り、リリアナも花恋と一緒に戦いたいと申し出たのだ。

そして俺は「俺が時間を稼ぎますからその間に二人はここから離れるんですよ?もしも俺が倒れたらその時はこの国は滅びることになります。それでもいいんですか!?俺はこの国の人間に被害が出ないように戦いますがあなた方には、関係のないことだから。この場を離れていて欲しいのです」と説得を試みるがそれでも彼らは聞こうとはしなかったのだ。そうしている間にも敵の数はどんどんと増えて、ついに城の外に出てきた兵士だけでは、対応が出来なくなっていき俺の体に敵の攻撃が命中してしまう その攻撃で俺はふっとばされて壁に叩きつけられてしまう

「くっそ。ここまできて、倒れてたまるかよ」と起き上がる俺だったが、そんな俺にとどめを刺そうと魔物が襲ってくるが、花恋が身を挺して守り リリアナが、剣を構えて俺を守るような体勢に入る。俺は「リリアナ、花恋!!俺は死なないからな。安心して見てていろよ」と言うと。

「うん。待ってるよレン君。ずっといつまでも待ってるからね。必ず迎えにきてくれるって約束して」

「そうだぜ!俺達は親友だろうが!絶対に俺が生きている間に俺の元に戻ってくるって約束しろよ」と言ってくれる。二人の優しさに感謝しながらも

「ああ。絶対に迎えにくるよ。お前達が俺を受け入れてくれた時のようにな」俺は花恋とリリアナの手を取り握り締めると。二人は涙を流しながら

「絶対だよ?死んだらだめだからね。生きてる限りはどんなことがあっても。私を迎えにきてください」とリリアナ

「俺がお前に振られた時は俺の事を慰めてくれるんだろう?それと同じじゃないか?そんな泣き虫だったなんて知らなかったよ」とからかう俺。そうしている内に魔物の攻撃が俺に向かって来るが その攻撃は俺に届かず俺の前に現れたのは 魔王軍の将軍が操っている魔物のようだ しかもそいつは他の奴等とは違い 黒い霧のようなものに包まれていて異様な雰囲気を放っているその光景に俺が警戒をしているとその魔王軍将軍が「勇者様のお相手を務めることになるとは光栄なことです。魔王軍将軍のアスターといいます」と名乗る 俺も名乗ろうと口を開くと魔王軍将アスターと名乗った男が

「いえ名乗りは無用ですよ。貴方の名前は存じておりますから。それにこの場での会話は、この国の住人達に聞こえていないのでご心配なく。私が今発動させている能力によりましてね。貴方には是非ともこの国を守って欲しいと思っているものですから」と言って俺に対して何かをしようとしてきたのだ。俺はそれを防ごうとしたが間に合わず俺の中に異物が侵入してくるのを感じてしまった。それは恐らくだが、あの将軍の能力であろうと思われる だが今はそんなことを考えてる余裕などない。目の前にいる敵を何とかしなければ 花恋達を守るために俺は戦う決意をする そしてアスターが攻撃を仕掛けてくる

「では始めましょうか?私の攻撃を防ぎ切れればこの国に勝利が訪れるのは必然でしょう。私の奥義をお見せします。この技を食らえば例え魔王様を倒したと言われている貴方様であろうと。無事でいられるはずがない。さぁ私に殺される覚悟はよろしいですね?」と言ってこちらに向かって来ると 俺は「くっ!」と反応するだけで精一杯だった そして次の瞬間に強烈な衝撃が俺を襲い体がふっとぶ

「くそ!」と吐血をしながら地面に激突しそうになるところをリリアナの風の魔法が俺のことを抱きとめてくれる 俺が起き上がるとアスターは既に次なる技を仕掛けてきていた。

その手に持つ大剣を振るうと同時に斬撃が飛ぶが俺がそれを全て打ち払う すると、アスターが笑みを浮かべて「なかなかの腕前をなさっておりますね。ですがこれはどうかな!?ダークスラッシュ!!」と唱えて魔法を発動させると 無数の黒い光線を発射させたのである。だがその程度なら避ける必要すら無い俺は冷静に

「ホーリーバリア!!」と言って光の障壁を展開して防御するが。奴はその壁を見ても特に表情を変えずにいた。だがそれはブラフであったようで奴の周囲に無数の闇球が出現し そこからは暗黒球と呼ばれる闇の力を凝縮した弾丸を放ち続けるという攻撃を行い。

俺は防戦一方になり、とうとう被弾してしまう

「ぐわぁあぁぁ」

「どうやら私と貴方の力は均衡しているようですね。さぁ早く降参して楽になってくださいよ」と俺の攻撃を物ともせずに攻撃を加えてくるのである 俺はそれでも諦めずに戦い続けたが徐々に追い込まれていき追い詰められていく俺 そんな俺の姿を見ながら花恋は、必死に耐えているがそれも限界に近いようである。そんな時に『もうこれ以上時間をかけれない。一刻も早くこの状況を打開しないと俺は負けることになるな』と考えを巡らせると。

ある一つの手段が俺の中に浮かんできたのである。しかし、俺にはどうしても躊躇ってしまう部分がある それはもし仮に、上手くいったとして、それが成功した場合俺は人として生きてはいけないからだ。それにこれはリリアナや、花恋の前で行うことではないと思った。だけどこの方法しかないのか?そう思い悩みながらも俺は賭けに出ようとするが、やはり躊躇ってしまい。俺はリリアナの方に目線を向ける 俺の考えている事が伝わったのかリリアナは「大丈夫だ!レン。迷うことなんてねえ。俺たちは友達だろうが?遠慮はいらないから俺の背中を預けてくれよ」と言ってくれたのである。俺はその言葉を聞き 迷いが消えた。花恋とリリアナの為ならば俺の命を犠牲にしても構わないからな。と

「花恋!!こっちにこい」と叫ぶと花恋がこちらに近づいてきた。俺は花恋に自分の胸に手を触れさせ

「俺はもう長くは持たないかもしれないからな。もしもの為に俺に祝福を与えるようにリリアナに伝えておいてくれ」と花恋にだけ聞こえる声で言うと 彼女は少し動揺を見せたが、それでも「分かった」と一言だけ言って俺の指示に従った。俺が彼女の手に触れられるように両手を伸ばすと 彼女もまた俺に手を差し伸べてきたので、お互いの手をしっかりと握り合うことに成功する。俺はその手を握りしめ 俺はそのまま意識を失うことにすると 次に目が覚めた時には、俺が望んだ状況がそこに出来上がっており。俺の体は自由が利く状態になっており、目の前にいたのは俺が助けたかった二人。花恋とリリアナであり

「えっ!?なんで?どういうこと?何で貴方が?だって」と言うリリアナの言葉は俺にも聞こえていたが、それよりも 俺の目の前に映る光景の方が俺にとっては大事であり、リリアナよりも、今は目の前に居る二人の方が優先されるべきだと判断し

「花恋!!俺はお前を迎えにきたんだよ。リリアナも一緒に来てくれるか?」と俺の質問に花恋が「うん」と返事をし、花恋もリリアナと一緒に付いて行く事を決めてくれたようだ

「でもどうやって?あれほど強い敵なのに」と言いかけるリリアナだったが。そんなリリアナの問いには答えずに「とりあえず、ここから出ような。こんな薄気味悪い場所からはとっととおさらばして。新しい生活を俺と始めるぞ!」と言いながら俺達は城から出る 俺は二人の手を握り締めながら王の間へと向かうことにしたのである。そして 王が玉座に座っている姿を見て。俺は王の事を殴ってしまったのだ。理由は簡単である。俺に娘さんがいる事を知っていたのにも関わらず俺の娘の花恋を無理やりに結婚させようとしているからである 俺は、その事実に我慢が出来ずに殴り飛ばしてしまったのだ。俺に殴られて王は気を失い床に転げ落ちてしまう。俺は

「この国は腐ってるよ。俺の大事な家族を引き裂こうとしやがって」

俺に怒りをぶつけられて怯えていたリリアナであったが。そんな俺のことを花恋が後ろから抱きしめてきて

「いいよ。お父さんに酷い事をされたんだよね?だから怒っても仕方ないよ」と優しい言葉を花恋にかけられると 俺は泣きそうな顔になっていた 花恋もリリアナもこの国を見限って出て行こうと俺の手を取って城を抜け出そうとしてくれるが。城の出口は敵の兵達によって阻まれていて通ることは不可能な状況であった。そして目の前には魔王軍将アスターと名乗る将軍が現れるのである。俺は魔王将軍を前にして警戒をしていたのだが、アスター将軍は自分の武器を捨てると同時にこちらに向かって頭を下げてくるのだった。そんな行動をとる魔王将軍を見て俺は疑問しか抱かなかった そんなアスター将軍の不可解な行為に対して、魔王将軍アスターは、

「申し訳ありませんでした勇者様。私の主は、勇者様と花恋様がこの国から脱出する事だけは許さなかったものですから。ですが、貴方達がこの国に戻ってくることがなければ。私は勇者様に忠誠を誓いますよ」

その話を聞いて花恋は驚き「それじゃまるで私がここに戻ってきたら、お爺ちゃんと私とお父さんがまた引き裂かれることになるじゃんか!!」とアスターの言動に激怒し リリアナに至っては「魔王軍将が勇者に頭を垂れるか。だがな勇者の旦那よ。俺とこの嬢ちゃんとあんたで力を合わせればどうにか出来ないことはないぜ?」と提案する。

確かにその考えがもっともな気がするが。俺は花恋やリリアナと離れるのは絶対に嫌だし この国には俺の家族が囚われているのである。この人達を見捨てて、俺が逃げだすことはありえない。俺には大切な人たちを守るためにも戦わなければいけない時があるのだ。そう決意を秘めて、俺はアスターに対して戦うことを告げて戦闘を行う事になる。

俺の拳が魔王将軍の腹に突き刺さるが ダメージが通っている様子がなかったのである。俺と花恋にリリアナは攻撃を繰り返して魔王将軍に対して打撃を加えていったが。

アスター将軍は全く怯む様子を見せず、こちらの体力を削ってくるだけだった 俺は攻撃を受けてはいたが、なんとか立ち上がることが出来た。しかしそんな状態で、この化け物と戦っていたら俺は殺されるだけである。俺は必死で策を考えていく だがそんな時間はアスター将軍が与えてくれずに攻撃を再開してくる。そんな俺のことを助けるために魔王将軍が割って入ってくるが。魔王将軍ですら歯が立たない状況だった。俺はそんな魔王軍に攻撃の隙を与えるわけにいかないと思って攻撃を繰り返すが、それでも攻撃が全く通用しない事に焦っていた 俺が戦っている姿を見ながらアスターは口を開く

「流石は最強の勇者と呼ばれただけのことはありますね。私をここまで追いつめたのは貴方だけです。だが私には奥の手があるのでそれを使わせて貰いましょうか」と言うとアスターが突然倒れ込むのであるそして、倒れたアスターの元に近づいていった花恋とリリアナの二人が アスター将軍の体に何やら怪しい粉のようなものをかけていけば。アスターは苦しみ始め。口から血を吐き始める そうやってアスターを苦しめて苦しめて、その苦しむ姿を眺める事を楽しみ始めていたのであった そうこうしてる間にアスター将軍は、もうすでに虫の息であり瀕死の状態に追い込まれてしまっていた。

俺はアスターが死ぬ前に聞いておかねばならないことがあると思い「どうしてだ?どうして俺の娘を狙ってきた?」と問いかけてみる。するとアスターが笑い出すと 俺に攻撃されながらも俺のことを馬鹿にするように「貴方は知らないのですね?花恋様の母親はあの女狐が殺したということを」と言い出したのである。

そんな話を聞いた花恋は、今にも殺してやりたいという気持ちが抑えられなくなっていたのが見て分かるぐらいの表情の変化を見せるのである だがそんな事はさせはしないと俺が花恋とアスターとの間に割り込み

「俺の大事な花恋には手を出さないでもらおうか!!」と言って牽制を入れる。そんな俺の姿を見ていたアスターがニヤリとした顔をしたと思うと「やはりあなた方は面白い。これからの戦いに勝てるのなら私の命と引き換えにしてもかまわない。だけどもしも負けた場合には、花恋様に手を出すと誓って欲しい。そしてその代償として、貴方が花恋様に愛を伝えることも約束してください」

その言葉を聞いて俺は迷わずに返事を返したのだ

「俺が負けた時はいくらだって言ってやるよ!俺の命をくれてやることなんて簡単だ!!ただし、花恋にもしもの事があった時には、たとえお前の命であっても必ず奪ってみせる」そう言って俺達は 最後の戦いに向けての準備を整える リリアナは、花恋と二人で何かを話合っていたので、その間に俺と花恋とで魔王将軍を倒すための作戦会議を行うことにした 花恋が考えた作戦では。魔王将軍には二つの弱点があり。一つはアスターが人間であり、不死身ではないのである。だから心臓に攻撃を与え続ける事でアスター将軍を殺すことができるのではないかと説明してくれたのである。しかし俺達だけでは倒すことができないのも確かである。そこで俺は、俺のもう一つのスキル。アイテムボックスの中身を使うことを思いつく

「そうだ。アイテムボックスの中に入っている武器の中にあれを使えば、アスター将軍に致命傷を与えることが出来るはずだ」俺はその思い付きを試す為に、俺が持つ中で最も攻撃力が高い武器を探してみると、その武器はすぐに見つかり その武器を手に取った俺は、花恋やリリアナと共に。俺の持つ最高の火力を持つ技を使って魔王将軍との戦いに挑む

「花恋は俺と一緒に魔王将軍の相手を頼む。リリアナ!!俺の剣になってくれないか?俺は君の力を借りたい。一緒にあいつを倒してくれるか?」と俺の頼みを聞いたリリアナはその頼みに対して笑顔を見せてくれた 俺は、リリアナと一緒に魔王将軍の元まで向かっていくと 魔王将軍が持っている武器を奪い取ろうとしたが、リリアナによって阻止される結果となる。だが魔王将軍の方も黙ったままでは無く、俺のことを蹴り上げようとしてくるが、俺にダメージを与えることが出来なかった 俺は花恋に向かって叫ぶ

「リリアナ!!花恋のことを頼む。魔王を倒してすぐにそっちに合流するから、その時までに魔王からの攻撃から花恋を守るんだ!」と指示を出して魔王将軍の懐に入り込み、俺は拳を叩き込んだのだが 魔王将軍の体を殴ることが出来なくて、俺は困惑していたのだ

「どうして俺の力が通用しない!?こんなことありえないぞ!?」と言うとアスター将軍が

「どうですか?貴方の愛する娘は強いでしょう?貴方は娘の事を過小評価している。それは仕方がないことかもしれないが。娘が私を圧倒する力を既に持っていても、驚かれることはないですよ。娘を過小評価する父親を貴方はお持ちのようですから」と俺の心を折りにくる アスターの煽りにイラついたが。ここで感情的になるのは俺の負けになってしまう。だから冷静になり、そして俺のステータスを確認する 俺の今のステータスを確認したのだが、確かに花恋の方が高い。花恋のレベルが80を超えていたのだ。これは、花恋の強さの秘密を知った気がするが。今は魔王の事を何とかするのが先決である

「魔王!!てめえだけは許さない。俺の花恋を狙うだけならまだ許せたが。俺達を陥れようとするようなことをして、花恋とリリアナを殺そうとする。俺はお前を絶対にこの世界を許さない」俺はそう言い放つと、魔王が攻撃を仕掛けてくる

「勇者の力もまだまだですね。そんなもので私を殺せるとお考えなんですか?」と魔王から挑発された俺は そんな事言われなくても。俺は魔王将軍を殺し切るつもりなのだ 俺は勇者のスキル。アイテムボックスの中から剣を取り出した。

そんな様子で俺は、花恋が作り出した剣を持って魔王将軍に攻撃を加えていく 魔王は俺が作り出した武器を見て

「そんなものをどうやって作ったのかは知りませんが。そんなおもちゃでは私は倒せやしない。勇者よ。私と一騎打ちをしましょうか?それとも勇者と私とで勝負をしますか?」

魔王将軍は余裕綽々の態度を見せつけてきて、それが俺は気に食わなかったので、

「花恋は、俺の女なんだ。花恋に手を出す奴は絶対に許さねえ。俺一人で十分だ。勇者である俺が、この手で。貴様を殺してやる。覚悟しろ!!」

俺の言葉を聞きながら、魔王将軍の目が一瞬見開くと、次の瞬間。俺との距離がかなり近かった

「まさか私がこの距離にいることに気づかないのですね。ならば私がその首を落としましょう!!」

そう言って、俺の首を目掛けて剣を振り下ろそうとした時に俺は魔王の体を掴んだのだ。

俺に触れられたことにより、魔王の表情が怒りに変わると「勇者ごときが魔王に触れて良いと思っているんですか?そんなことが許されるわけがないじゃないですか。貴方の事は気に入りましたが。ここで消えてもらいます」

そう言った直後。魔王将軍が俺の目の前に迫ってくると俺に攻撃を入れようとしていたので、その攻撃にカウンターを仕掛ける そうすると、魔王は、攻撃をもろに喰らい地面に倒れこんだのだ。魔王は、倒れたまま立ち上がることが出来ない。それどころか、体が痺れて動けなくなっていたのだった。そんな魔王に俺は 魔王の首筋に剣を当てて

「魔王!!俺の勝ちだ。約束通り、花恋に危害を加えないと誓ってもらう」と言い放ち俺は 花恋とリリアナの元へ向かうのであった。

花恋と魔王将軍の所に駆けつけてきたのだが、そこには既に決着がついており。

俺がその場に駆け寄る前に魔王の体が黒い霧のように変化していく それを見たリリアナは「魔王が倒されたことで元の肉体に戻るんでしょうね」と言い出す

「そうなのかい?」と花恋に確認すれば

「うん、そうだね」と言うのであった。俺はそんな二人の姿を見ていて。アスター将軍との戦いに加勢しなければと思い、急いで向かおうとしたのだが。そんなタイミング悪く 俺に襲いかかってくる影がいたのだその正体は魔王の部下の一人である。魔王将軍の側近の男であった 側近が襲い掛かってきていた。俺は魔王将軍との戦いで疲労しきっていた為 咄嵯に動くことが出来ず。このままだとやられてしまうと思ったその時に、突然現れたアスターが俺と魔王軍の男の間に入る

「貴方の相手はこのアスターですよ」と言って魔王軍の側近と戦うのである そして花恋が、魔王の亡骸の前に立ち。俺と花恋。二人きりの時間を過ごすのである

「魔王を倒したわ」と報告してくれる花恋

「ありがとうな花恋。君のおかげで魔王を倒すことが出来たよ。君は俺達の救世主だ。俺にはもう君しか残されていないんだ。だから、もう俺を置いてどこかにいかないと約束してくれないか?」と花恋にお願いしてみれば、花恋は涙を流していた 花恋を泣かせてしまった事に、罪悪感を抱いてしまうが。それと同時に。こんな綺麗なお姫様がどうして泣いてしまうほど、追い込まれていたんだろうかと思う。花恋から聞いた話では、魔王に心を奪われるように愛されていたという話だ。だけど俺は花恋を愛している。だけど俺の愛している人は誰なんだろうと疑問に思ってしまった 俺は、俺の心の中で眠っている花恋の事を愛する資格があるのだろうか?花恋と付き合う事になったのに俺は。その答えを見出せていない。

俺の心の葛藤に花恋が気がつき「龍ちゃんが悩んでいること知っているよ。だって私の彼氏だもん。だけど私の愛を信じて欲しい。私の全てを受け入れてくれる人じゃなかったら。付き合ったりなんてしないよ」と言ってくれて。

俺はその言葉で安心してしまったのだ

「花恋は俺のことを受け入れてくれるって本当なのか?」と聞けば 花恋は満面の笑みを見せて「もちろんだよ!私は、私の大好きな人の全部が欲しい。そして私を幸せにしてほしいの」

俺は花恋の気持ちを知ってしまったからには花恋が満足出来るだけの幸せを与えてあげなければと思う 花恋に俺は「これからも宜しく頼む」と伝えれば、彼女は笑顔を浮かべると

「任せて!大好き」と言って抱きついて来たのだ。そんな彼女を優しく抱きしめ返すと。

魔王軍が撤退を始めていた。俺はアスターとリリアナと合流する為にアスターのところまで移動する アスターは俺の方に視線を向けると、「無事に倒したようですね。流石です。お父上殿が負けたのは残念ですが、魔王を倒された貴方のことは認めざるをえない。お見事でした」と言われて俺は嬉しかったのだ 花恋とリリアナの方にも魔王が消えていった事を確認することができたようで、これで一段落が着いたと思える。俺は花恋を抱き寄せると。そのまま口づけをしたのだ。花恋も抵抗することも無く受け入れてくれて。キスが終わると 花恋と俺は、見つめ合ってお互いに笑いあったのである。

こうして、俺たちはアスター将軍を仲間に加えることができたのだが。この後、俺はこの世界の人間に勇者であることを公表する事にした。アスターさんを信用してもいいかなと思ってのことだ 俺は勇者の証であるマントを羽織ることにした 花恋とリリアナと一緒にアスター将軍の案内を受けて俺達はこの城から出て行こうとしたのだが、魔王軍の兵士がまだいるようなので、それを片付ける事にする アスターが兵士達に向かって攻撃魔法を使って倒していたので。アスターに任せておけば問題ないなと俺は思っていた

「さあ勇者。参りましょうか?それと私達と一緒に来て下さいませんか?私達の国まで同行して欲しいのですよ。貴方を歓迎させて頂きたいのですよ」と俺の事を誘ってきたアスター 俺とアスターが話しているのに気がついたリリアナも「アスターは貴方を信頼していますから。貴方さえよろしければご一緒させてください」と言うので、俺も承諾することにすると アスターが俺達を城の出口まで送ってくれるのである

「さぁ着きましたよ。ここは私が転移できる唯一の場所です。勇者の貴方ならこの場所をご存知だと思いますが、勇者といえども、ここから別の世界へと飛ぶことは出来ないはずです。なのでこの扉を通る必要があります」

アスターに言われた通り俺はその大きな門をくぐって外に出た その先に広がる光景を見て、俺とリリアナが驚くのは、その先に見える風景を目にしたとき、俺は言葉を失う そこは砂漠が広がる土地であったのだ

「ここが私達の故郷。貴方が勇者として呼ばれた世界とは別の世界であります。そして私と勇者が戦った魔王は別次元の世界の住人でありました。私と魔王が戦っていた世界はこちら側になりまして、貴方を呼んでくださった方は元居られた世界で、私の父と戦っていらっしゃいます」そう言い出した。

どうやら俺を呼んだ張本人は異世界人で。この世界に召喚された勇者は魔王と戦う運命だったみたいだ。

「この世界に、私達が求めているものがある。それが魔王の力」と呟いている

「それはどういう事なんだ?」と聞く俺に「勇者よ。私達に力を貸してもらえないでしょうか?勇者とリリアナ殿の力が必要です。お願いします」と言いながら、頭を下げてくるアスター 俺はその言葉を真剣に考え込んでいた。

花恋が、そのアスターに

「龍太にお願いするのは止めて下さい。この人が苦しむ姿なんて見たくないんです。私はこの人と離れない。だからその話は断らせていただきます。申し訳ないけれど、諦めては貰えませんか?」と言うのであった

「分かりました。無理強いするつもりはありません。私は貴方方と敵対したいわけではありませんので、勇者よ、もし貴方の気が変わりましたら連絡くださいね」と そう言った直後、目の前の扉から黒い霧のような物体が現れると 魔王将軍の死体になった 俺は何が起きたのか分からず動揺していた すると黒い霧が消えていき、その中から魔王将軍が姿を現したのである そして魔王は俺を見るなりこう言うのだ

「魔王様が倒される前に魔王様に命乞いをし、魔王様の命を救ったお前には感謝している。しかし魔王様を裏切った罰は受けてもらわなければならない。よってここで死んでもらえないだろうか?」といきなり襲って来た 俺は魔王の攻撃を受ける前に咄嵯の判断で避けることに成功したのだが、避けたことにより俺と花恋の間に距離が空いてしまって。俺が助けることが出来ない状態に 魔王将軍から逃げようとした花恋だったが、俺が逃がすものかと思い。魔王将軍の前に立つと、剣を抜き放つ

「俺は、俺の女に手を出すんじゃねぇーぞ」と言う俺の言葉に魔王は「ほう、女を守るために戦うと?そんなに大事な者だとでも?貴様にとって、その程度の女なのだろ?」と言う魔王の言葉を聞き流しながら 花恋の元に急ごうとするのだが 俺の足に鎖が現れていて、それのせいで動きが制限されていた 俺はその瞬間、足元に違和感を感じたのだが、その正体が分からなくて困惑してしまう

「何をしているのですか?さっさと、その女の前から退きなさい」と言う魔王の声に俺は何も出来ずに 魔王によって攻撃をくらい地面に転がってしまうのであった。俺はその衝撃で体を打ちつけてしまうと、その拍子に剣を手放してしまったのだ 俺の意識が無くなっていく中で。花恋とリリアナが心配そうに見つめていた そして俺は、意識を失いかけていたその時に。俺は花恋の姿を確認できたのである

「俺は、絶対に、死なねえからよ」俺は、死ぬ気なんか無いんだからなと心の中で叫ぶのと同時に。魔王に蹴りを食らわせることに成功するのである だがその直後、俺は地面が光っていることに気がつくのである

「これはいったい」俺が疑問を口にした直後に 俺の周りに魔方陣が出現していた

「ふはは、やっと見つけた。まさかこんな所に居るとは思わなかったけど」と誰かが言っているが 俺は体が重すぎて動けなくなっていた 魔王将軍を倒した後に俺が、俺と花恋の間を阻んでいる鎖に気がついた時に、何か嫌な予感がして。咄嵯に回避行動を取ったんだけど。その結果がこれである

「君が僕に勝ったと思っているようだけど、まだ負けてはいない。だから君は此処で死ぬのだから、そこで見ておきなさい」と言う魔王が不敵な笑みを見せる

「俺は絶対に負けない!」

俺は自分の意思に反して薄れゆく意識の中で花恋の名前を叫び続けるのである するとその瞬間。俺は何者かの手に握られている事に気づく

「大丈夫か。少年。私が助けに来たよ」

その声はどこかで聞いたことのある女性の声で 俺は、助かったのかと思ったら、安心して眠ってしまったのである 俺の視界に光が戻ってくる 俺はゆっくりと瞼を開ける そして俺は見知らぬ天井を見ている事に戸惑いを覚えながらも周りを確認してみると、俺の周りを女性が取り囲んでいたのである 俺はその人達があまりにも綺麗なので、ついドキッとしてしまっていた。

「私は、女神だ」と突然俺の事を覗き込んで来ながら言ってきたのだ 俺はその発言に戸惑ってしまい「俺は死んだんか?」と質問すると

「いいや、君の魂が肉体から抜けたから、私の力で呼び戻したんだよ」

そんな事出来るんだなと思うが それより俺は気になっていたことを先に聞いておくことにした

「どうして俺は生きているのに意識が有るんでしょうか?」

俺のその言葉を聞いた女性は笑顔を浮かべると

「私が君の魂を呼び戻したからさ。まぁその代償で君に私の体を貸すことになってしまったんだけどね。仕方が無いことなんだ。だから少しの間。我慢してくれよ。」と言われたので その言葉に驚いてしまう。俺は慌ててその人の肩を掴んで揺らしていた 俺は慌てすぎていたせいで。その人を押し倒してしまっていたのである すると俺の下で押し倒されているその女性の姿は俺が良く知っている人で俺はその姿をじっくりと見つめたあと 俺はその人を抱きしめた そしてその人が俺の腕の中から俺の顔を見つめてきて。その視線で見つめられて恥ずかしくなってきた俺は顔を背けてしまったのである 俺が照れくさそうにしている姿を見て。その人も微笑んでくれて

「ありがとう」と言われ

「私は、君の事を待っていたんだ。君が魔王を倒して私達を守ってくれたおかげで。私はこうして再び、生き返りこの世界を眺めることができた。本当に嬉しいよ。私を助けてくれた。君のおかげで。この世界を救うことができたのだよ」と言うとその人は俺にキスをしてきた 俺はその感触にドキドキしてしまい 心臓の鼓動が高鳴っていくのを感じていたのである そしてその女性が俺から離れていき、俺はその人に問いかけた

「俺のことは思い出せたんですか?それと、その、あの、貴方の体に俺は触れてもいいんですかね?」と俺が言うと その人物は「もちろん。私が許しているのは君だけだし、この世界に転生してくれた、大切な人。この世界の勇者である君のことが忘れられるはずないよ。それに、私は君になら。何をされても構わない。だって私が望んだ結果なんだし」

その言葉を言われた俺はかなり緊張していて その言葉の意味を深く考えていなかったのだが、後で意味を知ろうとその人が言っていた事を思い出したのであった すると俺の目の前でその人が服を脱ぎ始めたので俺は急いで止めた 俺がその行為を止めさせると その人が「どうして?私とじゃ駄目なのかい?もしかして他に想い人でもいるのかい?」と不安そうな顔で言うので俺は違うと言いながら 俺はある人物を呼ぼうとした時。目の前の女性が「それだったら」と、何かを呟いた次の瞬間に俺と目の前の女性のいる場所に扉が現われ、そしてその扉から出てきた少女に抱きつかれてしまい そして少女に俺は押し倒されてしまう その衝撃でベッドの上に倒れこんでしまった俺は何が起きているのかさっぱり分からずに困惑するばかり

「えへっ、私の方がお兄ちゃんより強いよね。だったら良いじゃん。お兄ちゃん。私ね。本当はお姉さんよりも、ずっと、お兄ちゃんのこと。好きだったよ。だから今度こそ私と、一緒に幸せになって欲しいな」と言うと、そのまま俺の首筋に噛みついてきて

「えっ?ちょっ、待てって」俺はそんな事されると思っていなかったので。焦って引き離そうとしたが 俺の力よりも強い力で俺の首を甘噛してきている。だからと言って、このままでは俺は食べられてしまうかもしれない。だから俺はその人が着ている物を剥ぎ取って。無理やりその人が持っていた杖を取り上げて

「この変態が。離れろ」と叫ぶ すると目の前の少女は驚いた表情を見せて

「どうして、その力があるのに。私は、また負けてしまうの。嫌よ。もう、二度と貴方には会いたくない。貴方が、、嫌いなの。どうして、そんな目で見られるのよ。貴方のせいで、私は、何もかもを失ったのに」と悲しげな瞳をしながら涙を流し始めると 俺の手からすり抜けていくようにその場から消え去ってしまったのだ

「どうして」

「ごめんなさいね。その子は、私の妹でね。その力は妹が持っているはずの力なのにね。まさか私がその力を使えるようになっているとは思ってなかったから。貴方には迷惑をかけちゃったね。でもこれで良かったんだよ。私はやっと自由になれたんだ。貴方と会う前に、元の体に帰れるように頑張ってみたんだけれど、上手くいかなかったみたい。でもね、私に、生きる価値なんてないし、ここで終わりにしようと思っていたから、最後に、会えて嬉しかったわ。ありがと。」と涙ながらにその人は言った 俺はどうすればいいのか分からないけど どうにかしないとと、思っていたのだが 俺はその人の名前を呼ぶと。その人が「私はリリス。魔王様を倒した勇者君、君はこれから先、色々な試練を受ける事になると思う。それでも、負けないで。私も君のことを応援しているから」と言うと 俺の体が光り輝くと同時に目の前のリリアナが光の粒子となって消えていったのである そして俺は意識が途切れると俺は真っ白な空間で目覚めた

「ここは何処だ?確か魔王と戦って俺は」

そう思い出すと魔王との戦いの後に見た夢のような光景を思い出す

「そうだ、リリアナの声を聞いた気がした。あれは気のせいなんかじゃないよな。それじゃあ此処が噂の天国という所なんだろうか?」と俺は独り言を言っていると

「残念ながら違います。ここは精神の世界です」

といきなり俺の隣に現れた。それは金髪に水色の目をした、可愛らしい見た目をしていた女の子 その女の子は白いローブを身に纏っていて、その容姿がまるで天使のようだったので俺は思わず「君が神様?」と言うと「いえ、ただの通りすがりです」と真顔のまま言われてしまい俺は戸惑うばかりだった するとその通りがかりだという女の子は何だか不機嫌になり俺にこう言い放った

「私は貴女に対して特に用はないんですよねー。だけどね、私がこの世界に来ないと。私の上司からの評価に響くんですよね」と言ったので

「どういう事ですか?」と聞くと その少女は自分の正体について話し始めたのである。

その女の子は異世界の神であるらしくて。俺の事を気に入っている女神が俺の魂をこちらに連れてきた事を教えてくれて そして俺を気に入ってくれた女神が俺の為に、その女神が気に入った少年を気に入ってくれた女神を手助けしてくれないかと頼まれて、俺に近寄ったのだと それでその少女の名前はラミアで 俺に近付いた理由は、自分が気に入らない奴の邪魔をする為だと言っているが俺の事を助けようとしてくれた事は本当だと言われたので とりあえず俺はその少女を信じて、俺が元いた世界で、自分の家族や花恋と一緒に過していた頃の記憶が曖昧になっていて、自分の本当の年齢を忘れてしまっていたのだが、その事を聞いてみることにした すると少女はその話をすると「そんな事が、そんな事になっていたんですか。私も詳しくは分かりませんが、その現象に関しては心当たりがあります。この世界にも似たような出来事が昔あったと聞いたことがあります。だからきっとその件に関しても調べておくから大丈夫だよ」と言われてしまい。俺はホッとした

「俺が、その神とかいう訳のわからない連中が、こっちに来る前の事を全然覚えて無いんだけど、何か原因に思い当たることとかありませんかね?」

俺が真剣に悩み始めた様子を見て「その辺の話は、また今度にしますね。それよりも今は、この世界と。貴女のいる世界に起こっている異変について、解決しなければならないのですよ」

その少女は真面目に答えてくれた。その声色は優しく、俺を心配してくれるかのような声色だったのは、きっと嘘では無いと思う

「ところで、その異変っていうのは?」俺の言葉を聞いたラミアと名乗った少女は少し悩んだ顔をして「貴女になら話しても問題ないのでしょうが、まだ確証がないのです。それに私も、この世界の人間ではないのであまり勝手なことをするとまずいので、この世界の神々に任せても良いでしょうか?」と申し訳なさそうにしている様子だった 俺はその少女の顔を見て その様子がなんだかおかしくてつい笑ってしまい「うんわかったよ。その神々に俺も協力させて貰おう」と言って 俺はその神の頼みごとを了承したのであった 俺は少女に案内されてその場所にいくとそこには小さな祠があり、そして祠には鍵がかけられていた。

俺はその祠の前に立つと突然後ろの方から 誰かに肩をポンッと叩かれたのである

「えっ?誰だよ!」そう言いながら振り向くと其処には黒髪で短髪の、優しそうな表情をしている男の子が居た そしてその少年が俺に笑顔を見せてきたのである

「久しぶりだな」とその男の子が言うので 俺は「もしかして」と思い聞いてみる事にしたのである するとその少年は

「ああ、お前の考えている通りの人物だと思うぞ。」と言い出したのだ。

「それじゃあ君は」俺が問いかけようとする前に その男が「さっきからうるさいんだが。何が目的なんだ?」と俺に言って来た 俺は「えっ?」と言うしかなかったのであるがその男の姿を見て俺の目の前にいたのは俺を召喚させた張本人であり俺を殺した人物 そう あの勇者の姿であった。

「えっ?ちょっと待ってくださいよ」と俺は動揺を隠しきれずにいると

「ん?どうした?俺はお前を生き返らせてやった恩人だろ?だからもっと喜んでもいいんじゃないか?まぁ俺はもう死んでるけど」「はっ?何を言っているのか理解できないのだが、そもそもなんで俺の前に現れた?」

「そんな怖い顔すんじゃねえよ。せっかくのイケメンが台無しだぜ。」

「はっ?」

「まあ良い、俺はもう行くよ」と俺に言い残すと そのままその場から消え去って行ったのである そして残された俺は 何が何だが分からずに呆然としていたのである すると今度は何処からともなく現れたその男 そいつは俺を殺さなかった、俺を殺そうとしなかった唯一の人物であり、そして俺の命を救ってくれた人である そしてその人は「また会ったな」と言いながら俺の肩に手を回してくると「俺はお前に感謝されているから。何か困ったことがあれば、相談にでも乗ってやる」と言ってその場から離れていったのである

「待って」と俺が叫ぶが

「どうせすぐにまた会う事になるんだから」と言うと姿が消え去っていたのであった

「どうしてあいつは、俺の目の前に現れたんだ? 」と俺がその疑問を口に出していると「お主、こんな所で、一体何をしているんじゃ」そんな声が聞こえて来たのだ 俺が振り返るとそこには仙人のような見た目をした人が立っていて、その人物は「此処にはワシしか入れない筈なのじゃが。まあ良い。お主に渡しておくものがある。それはわしの力を凝縮した物で、これを使え。それはどんな攻撃からでも一度だけ、身を守ってくれる。ただし一日に一回だけだ。使うタイミングを見誤らないようにな。それを使いこなす事ができればお主の役に立つだろう。それともう一つ、お主が魔王を倒したのは知って居る。そのせいで他の世界の均衡が危うくなってきとるようでの。お主がこれから出会う者達と共に、その事態を収めてほしい。その力はお主にとって大事な力になるはずだ。それを使う時が来た時に、それを使わせるかどうかの判断は任せるが、大事にするといい」と俺に言ってきた

「俺はまだ、そんな力が自分に眠っているなんて信じられないんだけど」と言うと その仙爺さんが「いずれわかる。それが真実だからの」と言うと俺の前から姿を消したのである

「俺は、勇者なのか?本当に?そして魔王を倒して俺は死んだ?それで今は、リリスの魂だけがこの世界で暮らしている?」と俺が混乱していると「お兄ちゃん、何独り言を言ってるの?」と花恋が俺に話しかけてきて俺は花恋の存在を忘れていて、俺はその事を伝えようとしたのだが、何故か俺はその事を上手く伝えることが出来ずに戸惑っていた そんな事を繰り返していると

「はっ?」と言う言葉が聞こえたのでそちらを見ると そこには先程俺がこの世界で命を落としてしまった原因となった人物が立っていたのであった。

その少年の容姿は金髪で、綺麗な目鼻立ちをしており。背丈は低く、年は15歳くらいだろうか。そしてその子が、その美しい顔つきからは全く想像ができないような下品で卑猥なことを言い放ったのである

「あれ〜貴方は。僕の好みの顔をしているね〜」

その少年がそう言った後、突然俺に襲いかかってきて 俺が咄嵯にガードをしようとしたのだが。その攻撃を防ごうとしたら、腕に違和感を感じ、俺は自分の左腕を見て見ると そこには見たこともない、いや よく見ると俺の知っている女の子の腕が見えて 俺の意識がだんだん薄れていくのが分かると、俺は必死で 花恋の体を守ろうと、自分の体を盾にしてその攻撃から彼女を守ろうとした その結果。俺はまた死にそうになっているのだと そう感じ取った俺は。自分の意思とは関係なく花恋と入れ替わって 俺が持っていたスキルの一つに、自分の分身体を作る事ができるものがあるので そのスキルを使って 俺の姿をした人形を作り出す そしてその偽物の俺を見たその少年が その偽物を殴りつけた そして俺の体が、俺の意思とは別に動いて 反撃を始めてしまうと 俺が俺では無くなってしまったのである 俺が自分の意思に反して動く体に戸惑いを隠せずにいると、俺の分身の俺と少年の戦いが始まり 俺はその様子を見ていた するとその少年が「この女、まさか僕が欲しかった、理想の外見の女が手に入るチャンスか!」と言い出すと、その男は俺が欲しくなっていたのであろう、自分の欲望を満たすために、俺と俺の姿に化けた花恋との性行為を要求し始めた 俺は自分の分身に命令をして。その少年を殺すように言いかけたのだが その俺の声は誰にも届いておらず、俺の行動が、花恋の肉体を通じて行われることになるので、俺が花恋に対して暴力を振るっているようで その事実を知った俺は「やめてくれ」と何度も叫んでいたのであったが。花恋も俺も、その行動を止めることはできなかった 花恋の体が、勝手に動かされてしまって 俺の目の前で、花恋の胸を触られて、そしてスカートを脱がされた その時に「嫌、やめてよ!やめろ」という俺の言葉は、誰も聞いてくれなかったのである 俺は泣き叫び そして怒りを覚えながらも どうすることも出来ずに。その行為を見せられ続けたのであった その後 気がつけば花恋は気絶してしまっており、気がついた時には俺はその場に居なかった 俺には自分が何処にいたのかも、分からない状態で、とりあえず歩き回る事にしたのだった。すると俺の前には

「やっと起きたんだね?僕は待ってたんだよ?」とさっきまで俺を殺そうとしていたはずの少年が目の前に現れたのである

「何なんだ。お前」と俺がまだ警戒をしているのにもかかわらず 俺の目の前に居る、そいつが俺の服の中に侵入してきたので、俺の体は反射的にそいつを蹴り飛ばそうと足を出してしまったのだが

「えっ?どうして?」と驚いた様子を見せたのは相手ではなく、何故か相手の方で

「君が何をしようとしているのか手に取るようにわかるよ。だって、今の君は彼女の肉体を借りているだけの存在だから」と言い出した そして俺は、目の前の男に言われた言葉を思い出したのであった

「君のその能力は、君自身のものではない。君のそれは、その女性の能力なのだよ。そしてその女性が死を迎えようとしてしまっているからこそ、君は今その女の人として生き続けている。だから本来の君はもう、その女性によって殺されてしまったのかもしれない。だけど、彼女は死ぬ直前で君を召喚させ。そしてその力で、自分の魂の残りカスを使ってその女性に憑依させている状態。でもね、もうじきそれも終わってしまう。そうすれば君の存在は消滅してしまい、もう元の世界に戻ることはできない。そしてこの世界に残る事もできるけど、それを決めるのは君次第だ。ただ君は、まだ本当の意味での自分の能力を把握できていないから、その使いこなせるまでは、自分の存在を保ち続けることが、難しいと思う。だからこの世界に残ればいずれ消滅する。それを防ぐためにも。元の世界の自分を生き返らせる必要がある。そうしないといずれは死んでしまう」

「どういうことだ。意味がわからない。そもそも俺は、本当に死んだのか?確かにあのままじゃ俺は助かる可能性は低かった。それにあの勇者は。俺のことを本気で殺そうとした。でも、どうして俺の体が動かなかった?何故俺はあんなにも簡単に殺された?そもそもあの攻撃は本当にあの勇者のものだったのかという疑念がある。そして俺に攻撃を放った人物の瞳の色は紫色をしていた。でも俺は、そんな色をした人間のことは見たことが無いはずなのに。何故か俺はそいつのことを知っている。そんな奴に俺は一度会っていて。そいつは男ではなかった。それどころか俺と同性では無かった。俺は一体誰に助けられたっていうんだよ」と 俺はそんなことを考えながら歩いていると。俺は自分の体から力が抜け落ちていることに気づいて、そしてそのせいなのか。俺は地面に崩れ落ちた 俺はそんなことを繰り返しながら歩いていくと

「お兄ちゃん、こんな所で一体何やってるの?私達これから買い物に行くんだけど。お兄ちゃんはどうするの?」と 花恋に声をかけられた「ああ」と答えようとすると「ちょっとお兄ちゃん。どうしたの?」と言われ

「俺もよくわからん」と俺が返事をすると「変なお兄ちゃん」と言われた後で、俺はその女の子に連れられて、街に向かったのであった。

それから少し経つと「ねえお兄ちゃん。この辺りで、最近行方不明者が出ているみたいなんだけど、知ってる?」と話しかけてきた

「知らねぇなぁ、どうしてそんな事を聞いたんだ?」と俺が聞き返すと

「うん、その人達ってみんな男性らしいから。それで私のお父さんとかが、もしもこの先、お父様と出くわしたとしてもお母様に手出ししないでほしいって。それでその人達が行方不明になってから、お家に帰るのが怖いのよ。だからお兄ちゃんに守ってほしいのよね」と言うのである

「そうか分かった、俺がその人を守ってあげよう。まぁ俺は、一応これでもこの国の騎士だしね。その人の護衛をしてあげるくらいの余裕はあるつもりだよ」と言うと

「やっぱりそうなんだ」と言って俺についてくる それからしばらくして俺が花恋に頼まれたので、彼女と一緒にその人が居るであろう、その場所に向かおうとした時である。その道中に

「貴方達はそこで止まってください。貴方達が何者かは知らないけれど。貴方達は危険です。貴方達からは邪悪を感じます。大人しくここから出て行きなさい」と言うと「この女を拘束しろ。こいつは俺達の邪魔をするつもりのようだ」とその人がそう言うと俺は後ろから剣を突きつけられた

「やめて!この人をどうするつもり?私が人質になるからこの人は見逃してほしい」と花恋は言ってくれたのであるが、俺は何故か抵抗できずにその少女に捕まってしまっていたのである

「この女の命が惜しかったら、大人しくついてくるが良い。貴様には俺達に逆らうような力はないだろう?」と言う 俺は「花恋に手を出したら殺すからな!」と精一杯叫んだつもりだったのだが、やはり俺の口から出た言葉は自分の耳にしか届かず、花恋に聞こえていないみたいで、、そして俺は花恋と離れてしまうのであった 俺の目の前では、花恋が俺の代わりに連れ去られていく様子が見えた 俺はそれを黙って見ているだけで。

何も出来なかったのだ 俺の視界から花恋が消えた瞬間に俺は我を忘れてその女性に襲い掛かろうとしたが、俺は俺が今出せる全ての力を使って、その女の体を殴りつけた

「きゃー!」

その女性は悲鳴をあげていたが、俺は俺に襲いかかってきたその女性の首根っこを掴み持ち上げた。俺が俺の意思とは別に動いた事で、その女性は恐怖を覚えたのだろう 俺の手を噛んで逃げようとしたので 俺はその女性の頭を握りつぶしてしまった そしてそのままの状態で俺は、その女性の体を引きずり そして街の門の方に向かい始める すると門を守るように立っている二人の衛兵が俺に向かって攻撃を放ってきたので、俺が二人に対して攻撃をしようとした時に 俺の手からその女性が逃げ出してしまう 俺は慌てて後を追おうとするが 俺の目の前に俺を阻むかのように一人の女性が降り立ち

「それ以上先に行かせはしません」とそう言い放ったのである 俺の前には、黒髪の少女が俺に対して攻撃を加えていた 俺は必死で自分の意思とは反することをしていた。この体は、俺のものではない 俺は必死で俺の意思とは無関係に動く自分の体の制御に躍起になっていた しかし俺のその行為も無駄に終わろうとしている。俺の体に異変が起こったからだ 俺は自分に対して攻撃を仕掛けてくる相手の攻撃に対して自分の身を晒すことは避けようとしていたのだが、何故か俺はその相手に身を差し出す形で自分の体を守ろうとしたのだった 俺が俺自身の意思で自分の行動をコントロールできないのは。きっと何かの理由があるのかもしれない

「おいやめろ!俺は、、俺はまだやれるはずだ」と俺が自分の体に対して命令をしてみたところ、 何故か俺の体がその攻撃を受けて、ダメージを負ったのだが、、俺はその程度の痛みに耐えて、自分の体を守り通すことができたのである それからその少女に攻撃を続けさせていたところ 俺は、、俺は自分の意識が飛んでいる事を自覚していた 俺は俺ではない俺の声を聞きながら、その攻撃を防ぐ事に徹する しかしそんな事が長く続かなかったのである。その女の人は攻撃を続けるために。そして相手の動きを止めさせるために。自分の周囲に魔法陣を展開していたのだが、それが俺には分かっていた。そしてそれを利用して俺は俺自身の体を取り戻すことに成功した

「やっと取り戻せたぜ、もうお前らに好き勝手はさせないぞ」

と俺は俺が今俺を乗っ取っている女を睨んでいたので、彼女は「何?どうして私の術中にかかっていない?貴方は一体何者なの?それにさっきまでのあなたの状態はいったいなによ?」と俺のことを問い詰めてきた

「残念ながらそれは教えられないな。だが俺は、今俺自身の体に戻ったことで、俺の体を自由に扱えるようになったんだ」

俺は俺の体を取り戻したおかげで 俺自身が再び自分の力で動かせるようにまでなったのである そして俺は

「とりあえずは俺の攻撃の的になってもらおうかな」

そうして俺と花恋とこの国のお姫様と俺が、その男と戦っている時であった。俺はこの男の事を知っていたのであった その男は「あれは、もしかしてあいつなのか?まさか生きていたのか?ならここで殺しておく必要があるな」と言ってこちらの会話など聞く気がないらしく、一人で俺達の事を殺しに来ていたのであった。そして彼は剣を鞘から引き抜いて構えると 俺は俺自身の体を無理やり操ることで、なんとか俺が使えるようになるまでは その男が振るった一撃を回避する事ができたのである その男が俺に攻撃を仕掛けているのを見て俺に攻撃を当てようとしているその少女が攻撃を止める事はなかったが、それでも俺はその攻撃を受け流すことに成功をしていたのであった

「なんだ今のは。何故だ、どうしてこの攻撃を回避できた。それにお前、どうしてこの攻撃が見えていて避けられる。その技はかなりの熟練者で無ければ防げないように作ったんだ。それなのにどうしてその防御は破られたんだよ」と言って悔しがっていた それから少し経った時、俺は自分の体が自由になったことに気づき そして俺の中に入り込んでいた女の人が、俺の体から抜け出たことに気づいた

「貴方は一体何者?私達を助けてくれたみたいだけど。どうしてそんなことが出来るの?それとあなたから発せられる邪悪な力を感じるのは、なぜ?まるで悪魔に魂でも捧げているみたいな感じ」と聞いてきていたが、俺の方はと言えば その女性に聞きたい事が沢山あったのである。しかし彼女の方はといえば

「今はそんな事はいいの。それよりもまずはこの男を倒してから」と言って俺に攻撃を仕掛けてきた 俺は彼女の戦いぶりを見つつ 俺に話しかけてきていた その女性の言葉に返事をしようと思うと、俺は何故かその女性と会話することが出来てしまっていたのである

「えっと。君は一体誰なんだい?どうして俺の中に入っているんだ?」と俺はその女性のことを聞いてみると その女性に「貴方があのお方に危害を加えようとしてたから。私はその邪魔をしようとしていた貴方の体に入り込んだ。ただそれだけのこと」とだけ言われてしまうのであった 俺はその少女と共闘をすることを決めると、二人で協力することにした その女性の能力は、その女が持つ、スキルに付与されるもので その能力を使えば。俺にも使う事が出来るのだとわかったからである 俺はその女性の持っている能力をコピーすることに成功したのである そして俺達は連携をして、そいつを倒し そしたら

「貴様は、、いや貴方は、、本当に何者なのですか。その強さは何ですの。貴方は一体どこでそのような技術を身に付けたのですの。貴方がもしよろしければ私の従者にスカウトさせて頂いてもよろしいでしょうか。」と話しかけられていたが

「すみませんが。俺にはやるべきことがあるんです。俺はその人達を守る使命があるんですよ」と言うと

「貴方のお名前は?」

「高嶺 隼人って言うんだ。俺の名前を広めておいてよ。そうしてくれたら、俺がここに来たことをその人に伝えることも出来ると思うしさ」

「分かりました。ではまたどこかでお会いできる機会がありましたならば。是非ともその時はよろしくお願い致しますね」と言われてその女と別れることになった その後俺は街に戻る前に自分のステータスを確認することにした そうして俺が自分のステータス画面を確認したところ俺は驚いた MAX*5《身体強化 20 /10》と表示されていたからだった。俺はこの変化に驚きつつも、俺はこの世界で何かが変わったことに喜びを感じていたのである 俺がこの街に戻って来ると花恋が待っていたので俺は彼女に駆け寄ると「ごめんね、君が危ないことをしてたのに俺は、何もできなくて、、」

と俺は花恋に向かって謝罪をしたのであったが、 彼女は首を振って「大丈夫だよ」とだけ言ってくれた そうして花恋がこの先にあるという この国の姫のところに行こうとしているのについていこうとした時

「あ、そういえば忘れていたけど、そこのあなたは、私達の護衛をするんでしょ?」とその花恋と一緒にいた女性が俺に向かって言ってきたのであった 俺はそんな彼女達に対して、「俺の事は隼人と呼んでくれ。一応騎士だしそれなりに腕は立つから護衛くらいなら出来るぞ」と言ったのであるが

「ふーん、、でも、ちょっと不安かな。私の攻撃を全て回避した実力は認めるけど。それに貴方のその体からは邪悪の力を感じた。だからあんまり一緒に居たくないんだけど、、まぁ、仕方ないか。私と行動を共にした方がいい。その方が安全かもしれないから」とそう言われると俺は素直にうなずくしかなく 俺達は三人で行動することに決めたのであった。そして俺達は姫の元へと向かう その途中で俺は、、自分の体を取り戻せた理由がなんだったのか。その疑問をずっと考えているのであった。

俺の名前は、天川拓斗。

この国で、国王の娘に求婚するために俺はこの城にやってきたのだが、そこで勇者らしき人物を俺が目撃してしまう。

そしてその人物を追いかけるようにして部屋に入っていった女の子を、その部屋に居る衛兵達が連れていってしまったのである。そして俺は、その子の後を追うように、衛兵たちに連れていかれると、俺は、この国に召喚された、俺と似たような境遇の男の子と出くわすことになる。しかし俺はその少年に対してあまり好感を持つことは出来なかった。それは彼がどう見ても日本人にしか見えないからだ。俺はこの異世界の人間と日本にいた頃に会ったことがあったのだが、その時に出会った人間はみなこの世界の住人に特有の、容姿をしており しかし彼の見た目はまさに俺がいた地球にいる人間にそっくりだったので。

俺は彼に対して嫌悪感を抱くと同時に、少し気になっていたのだ。しかし今この状況では、彼にかまっている余裕などなかった 俺が追いかけていった先にいるはずの俺の仲間がこの世界にいない以上、俺がなんとかしなければいけなくなったのである 俺がこの国の姫である。その人の元へ向かっていると、その姫が急に走り出したのだが 姫の向かう方向には、さっき俺が見た、少女と俺と一緒の格好をしていたもう一人の男の人が居たので、姫はきっと二人の所へ向かったのだろうと判断した。それから俺はその二人がいる場所に着くと 姫が俺よりも一回り大きな男の人を剣を引き抜きながら攻撃しようとしているのが目に入る 俺も急いで加勢をしようとしたが、俺が行動する前にその男は自分の周囲に展開している結界によって攻撃を弾き返してしまった そして俺が姫の手助けに入ろうとした瞬間。

少女は男に殴りかかりに行っていて、男は少女のパンチを片手で軽々と止めてしまうと 男は「残念だけどここまでにしておいたほうがいいぜ。この子はもう戦う意思はないみたいだし。それにこれ以上暴れたら、君の大切な人に危害を加えないと約束はできないな」と俺のことを見つめながらそう言ったので俺は身動きが取れない状態になってしまったのである 俺は「なんだよ、それはどういう意味なんだよ」と言ってみると 男は「そのまんまだよ。俺と俺が大事にしている人がこれからこの子をどうにかして連れて行くだけだ」

俺はそれを聞くと姫を連れて逃げるように男に頼んでみたが、彼は「それを決めるのは君ではないはずだ」と言って取り合ってくれず 俺の目の前で、俺の大好きな人は、男の剣によって殺されてしまった それからその男が、俺の体に剣を刺してきた時に俺の中の悪魔が出てきて その男が操られている事がわかった俺はその男が操っている奴から、俺の中に潜んでいた奴を引き離すことに成功すると、俺はその男が乗っ取っていた女の人から引き離されて俺の中に再び入って来ようとした時。俺はなんとかそいつの意識を刈り取ることに成功して再び俺の体を取り戻したのである 俺は女の人の方を見ていると彼女は既に死んでおり しかもなぜか俺の腕に、ナイフを突き刺して来たのである そして「お前のせいだ。全部お前のせなんだ。お前は私が殺す」と言って襲いかかってきたので俺は慌てて逃げようとしたが 女の人が持っていたナイフが突然巨大化したので俺はその攻撃を避けられなかった

「これで、お前の大事な人が死んでいく様を見ながら絶望の中で息絶えるがいい。ざまあみろ」

と、俺に向かって言ってきていた だがその時に、俺に誰かの声が響いてきて、俺はそいつに話しかけることが出来たので説得を試みると その女の人の動きが止まり「なぜだ、私はこいつを殺しきるつもりだったのに」と言ってきて それからしばらくしてその女は大人しくなったので 俺は自分の中にいる、悪魔と話し合いをすることに決めた それから俺は、悪魔に話しかけて自分の中の力について聞いてみると、悪魔に 俺は俺が元々持っているスキルと、スキルの中に存在している、スキルの効果や効果時間などをコピーすることが出来る。と言う事を教えられた。

俺がそのことを試して見ると 俺は俺の中に存在するスキルの効果がコピー出来たのであった

「よし!これで俺は、、この世界で最強になれる。俺に敵なんて存在しないはずなのに。どうしてこんなことになったんだ。俺はまだ負けないぞ」

その言葉を発していた女は「何をしている。私を解放しろ」と言ってきていたが俺はその女に

「俺に命令できる立場だと本気で思っているのならやってみろ」とだけ言い放ってから女の首を切り落とした 俺がその女性を殺すと 俺の体がどんどん黒くなっていくのが目に見えてわかってしまい 俺は慌てて俺のステータス画面を確認してみると俺はとんでもない数値を表示していた 俺の体は限界を迎えようとしていたのだ。俺の命を蝕むかのように黒い何かが侵食していて 俺にはそれをどうにかすることは出来ないまま、 俺は俺でいられなくなるのだった。俺が死ぬことで、俺は解放されることを願いながら俺は俺であり続けることをやめることにした 俺は自分が俺であることを諦めたあとに自分の魂がどこかへ飛んでいくのを感じる

「おい。あんたのその力はなんだい?その力は俺には使えない物なんでな。少しその力を俺に貸して欲しい」

そう言われてから俺は、何かが自分の中に入って来たのがわかった

「ふーん。お前のその能力は便利そうな能力だったんだな。その能力を上手く使えるようになって、もっと俺の役にたってもらうぞ」

俺がそんなことを言われた後 その言葉を聞いたのを最後に俺の意識は完全に途絶えてしまうのであった。

俺は、俺自身が誰なのかがわからない状況に陥ってしまっていた

「ふぅー。ようやく手に入れた。あのお方の言っていた通りだ。この世界を混沌に導くために召喚された存在がいたからな。俺の手でそいつは殺しておかなければな。」

その言葉を聞いて俺は「俺はそんなんじゃねえ。俺が望んでいるのはこの世界を救うことだ」と言った しかしそいつは「まぁ。どちらにせよ貴様の存在は俺の計画に必要な駒に過ぎないんだよ。せいぜい足掻け」

俺の視界は真っ暗になり意識を失ってしまうのである 俺が再び目を覚ますと、俺の目がおかしくなっていることに気がついた なぜなら、俺は、俺の住んでいた世界で俺が住んでいる部屋で目が覚めたからである それから俺は、自分の部屋で、俺の体を確認することにした まず俺は自分の体を確かめてみることにすると 俺の体から黒い何かが完全に消滅しており。

自分の体の違和感もなく、自分の力で動くことが可能になっていたのである

「まさか。俺の身になにが起きたんだ。俺の中に入っていた悪魔とかはどうなった。そして俺の中に居たあいつは何をしている。俺はどうしたら、」

俺はとりあえず外に出てみて状況を知ろうと思って部屋のドアを開けたら そこには、見知らぬ少女の姿があり その少女の顔を見てみると、、どう見ても花恋にそっくりだったので驚いてしまったのだ そしてそんな少女に俺は話しかけようとすると、少女は俺に対して剣を振りかざして襲ってきた しかし少女の攻撃は俺の眼前で止まってしまった その隙に俺は彼女の腕を掴むことに成功した すると俺は自分の手に剣を向けられている感覚を感じてしまい。俺はすぐに剣を持っている腕を離して、彼女から離れてしまう 俺は自分の手から出血していることを理解する その血を見つめながら俺は「一体どうなってんだよこれ。なんで、なんでだよ。なんでこうなっちゃうんだよ。せっかく俺は幸せに暮らせるようになったと思っていたのに」と言って膝をついてしまう そして俺が絶望しながら泣いていると少女は「やっと効いてきたみたいですね」と言いながら俺のことを見つめてくるのだが、その少女の目は濁っていて。

まるで俺を憎んでいるような表情を浮かべていたので、 俺は少女に、「君は何者なんだ」と言って質問をしてみると

「あなたこそ。私の事を本当に知っているんですか。私はこの国の勇者ですよ。」と少女は言うのである しかし俺はその勇者に対して俺は特に興味がなく。適当に聞き流そうとしたのだけれど、少女が 俺を指差して「この国にいる全ての民草がお前のことを忘れてしまっているんですよね。それにあなたのことを覚えているのもこの世界の人じゃありませんし。あなたは、いったいなんでこんな所に居るんでしょうかね?」と言ってきた それから俺に攻撃を仕掛けようとしてきたので 俺はその攻撃を反射で避けることが出来た それから俺はこの国の現状を知りたくて俺はその少女に、今の世界は魔王に乗っ取られていることを聞き出そうとしたが、俺が話し始めると急に少女は苦しみ出して その場に崩れ落ちてしまったのである それからしばらくして 俺と姫の結婚式の日がやってきたのである そして俺の目の前で 俺は俺の妻である。その人の唇を奪い そしてそのままその人をベットに押し倒した 俺はその人の服を剥いでからその人の胸に手を這わせていくと、その人は顔を赤くして

「あっ、、」と喘いでいたのである 俺も服を脱ぎ そして、お互い裸になってから行為を始めたそしてその人は俺に愛おしそうな目線をこちらに向けていて、その人が

「ずっと貴方と一緒にいたいです。だから結婚してください」と泣きそうになりながらも、必死にそう訴えてきていて

「俺はお前が俺にどんな感情を抱いているのかは分からない。だがお前に惚れられるほど、お前の期待に応えられた記憶はない」と その人に告げると その人は「私が勝手に好きなだけです」と俺の目を見てはっきりそう言って それからその人の名前を呼んであげようとすると その人の名前は俺の頭に霧がかかったかのように思い出せない状態になっており。

俺は、その名前を思い出せないまま。その人を抱いてしまったのであった 俺がその人の中に精を放った時 その人から光が溢れ出し 俺は眩しさのあまり、目を閉じてしまったが。しばらくしてから 目を開けてみると そこにその人はもう居なくなっており その代わりに目の前にいたのは 俺がよく知っている、姫によく似た、姫の妹である花恋ちゃんがいた 姫とは、花恋ちゃんの方が年上なので姫と言うより、姫姉様と言わないとダメだろうがな

「あれ。蓮さんじゃないですか。私、どうしてこんな所に来たんだっけ。確かお父様に頼まれてお仕事の続きをしに来て。そして休憩しようとしてお茶を飲みに行って。そっか私あの時に寝ちゃったんだ。でも、なんで蓮さんの家にいるんだろう」と言っていたのだ。俺は花恋に話しかけようとしたときに、なぜか体が動かせなくなり、自分の意志では喋れなくなってしまい、声すら出せなくなっていたのである それからしばらくして俺は元に戻ったけど俺の中の何かがおかしいと感じており。それは

「あぁー。やっぱりまだだるいわ」と言う言葉を漏らすと、 俺の中に入って来ていた何かが出てきて、また消えていったのが確認できて。俺の中に入り込んでいたものがいなくなったことが分かったのだ

「はー。俺の中から出て行ってくれるのなら別に良いんだけどな」と思いながら俺は自分の部屋へと戻った そして自分の中に再び入って来た存在を確認するため自分のステータス画面を確認したのだが。ステータス画面が壊れてしまって見ることが出来なくなっていることに気がつき ステータス画面を見ることが出来ないから、ステータスの確認が出来ないままなんだよな。と、俺は思い。俺は花恋と姫姉の方に視線を戻して見ると。二人は俺に向かって「大丈夫?」と聞いてきて 二人共俺を心配してくれていて そのことが凄く嬉しく感じていたのだ。

しかし俺は二人の方を見てみると、俺は、その二人があまりにも似ているように見えてしまい その事が気にかかった俺は「俺、少しだけ体調が悪いので今日はこのへんで失礼させて貰います」と、姫達に断りを入れて それから俺は、部屋に戻り、少ししてから俺は風呂に入りに行く「なんでだ。なんでこんなにも違和感を感じるんだ」俺は、自分自身にそう問いかけてみて、自分の中にある答えを見つけようとしたが結局は、分からなかった 俺は、その後に一人で考えごとをしていて これからのことを考えた末に俺は この世界で生き抜いていくためには強くならないといけないと思った そこで俺のスキルを確認すると 《全能力超上昇》というのが存在していたのである そして俺は自分の体を見てみることにして。

自分の体の違和感をどうにかしようと思い 俺の体のステータスを確認するために自分の体に手を触れた しかし何故か、俺のステータスを確認することが出来なかったのである そしてそんな事を繰り返しているうちに 俺は気を失ってしまった 気がつくと俺は自分の部屋のベッドの上に倒れていて 俺が目を覚ますと同時に、俺の部屋の扉が開き そこには姫が立っており。そして花恋もいた そのことから俺は、自分がどれだけの時間眠っていたのかを考えることになったのだが

「お前が気を失ってから数時間しか経っていない」と、姫が言ってきて 花恋は、「お昼ご飯食べに行こう」と笑顔を見せてきたので、この話はそこまでになった。

そして俺はお腹が空いていることに気づき。俺と姫達は食堂の方に向かい。その途中にはあのメイド達と出会って、その人たちに話しかけられたのである

「蓮様。おはようございます。今日も朝早くから起きて訓練をするだなんて本当に感心します。さすが勇者様ですね。勇者様には頑張っていただきたいのですが、あまり無茶をされてはいけませんよ。それで、今日のお食事のメニューは、こちらになります。」と、言われてから俺はそのメニューを見たのだが。

どうやら俺の大好きなカレーが出てきたのである 俺は、この世界に来る前に俺の住んでいた世界のとある場所で。

その世界の料理の定番であるカレーを食べることが出来たのだが。その時に食べたのが 俺は今まで食ったことのあるカレーの中で一番うまいと思っているので 俺にとってその日は一日が楽しみになる出来事だったのである そして、その日の朝食を食べ終わった後、俺はこの世界の王から話があると呼び出しを受けて 王の執務室に向かった 王は、真剣そうな顔をしながら、俺に話しかけてきて

「貴殿が勇者か。よくぞ我が国を救ってくれ。本当に感謝する。この度は急な申し出で悪いが勇者にはこの国の最強になって欲しいのだ。どうか引き受けてくれないだろうか。勿論、相応のお返しはするつもりだ」と言ってきていて。それから王様から俺は勇者に相応しい実力を手に入れるまでは、城の一室で生活をしてくれと言われてしまい。

俺のこの城での暮らしが始まった そしてその日から三ヶ月ほど経過したある日 俺の目の前に現れた敵を倒すと 急に視界が歪んで 俺の体は宙に浮き上がりながら、どこか知らないところに飛ばされてしまったのだ そして、しばらく意識が途切れていた俺は 目を開くと そこには花恋の姿が映し出されており。俺はその人に抱きついた すると、俺の胸元で、泣いていた少女は俺の事を力強く抱きしめてくれたのだ 俺はそれからその人の肩を持ち俺から離れさせると、その人は泣き止んでおり 俺に笑みを浮かべてくれて 俺もその人に微笑むと、 俺はこの女の子が可愛すぎてついその子の頭を撫でてしまうと、その少女はとても喜んでいて 俺はその姿を見て思わず口角が上がってしまうと、 その少女は急に、俺の頭を掴み、その少女の顔の前に引き寄せられてしまい 俺の唇にキスされたのであった。それからしばらくして俺と少女は離れたのだが。その時の少女は、顔を真っ赤にして、下を向いてしまっていたのである それからその少女に名前を聞いたところ

「私は聖女と呼ばれている者だよ。貴方の名前は蓮だよね。私の名前は花恋だから。これからはそう呼んでね」と言ってくれて それからしばらくの間は花恋と過ごしていて、俺達は毎日、同じ部屋で過ごしていたのだ。

俺はこの世界に召喚されてからは。

俺と一緒に召喚されていた仲間である、クラスメイトとは会えていなかった そして勇者の力が覚醒し、そして、花恋がこの国にやって来てから。

俺と花恋と過ごす日々が多くなっていたので クラスメイトとは全然連絡が取れなくなっていたので、俺は少し寂しい気分になってしまうと。俺はいつも花恋と行動を共にしていることが多くて。一緒に寝泊まりしている部屋に戻って、二人で夜遅くまでお喋りしたり。ゲームをしたりして遊んでいると。

俺はその日も、花恋と、花恋の部屋にあるテレビで。二人でテレビゲームをしていたのだ。俺は花恋に負け続けて

「蓮君弱すぎるわよ」と花恋は俺を煽り続け 花恋に煽られ続けた結果、俺のストレスが溜まり。

俺はコントローラーを投げ出してしまった そんな時だ 俺の中に俺の体とは違う誰かの感覚を感じ取れて。それは俺の心の中に入ってくると それからしばらくして 俺が気が付くと そこは俺と姫の部屋で、 隣を見ると花恋の姿が見えたので 花恋の名前を呼ぶと、花恋は俺の方に振り向くなり、突然、

「蓮君って、私以外の女性を抱けたりする?それとも抱けるのかな?」と、聞いてきたのだ 俺が、「どうしてその話をしてくるんだ」と言うと 花恋は、俺の頬に手を触れて

「ねぇ蓮君は。もし他の女性のことを抱いたりした事があるとしたなら。私が蓮君のことを寝取っちゃうから。でも、そうじゃない場合は」と花恋は言って

「もしも私の事が嫌いでは無いっていう気持ちが少しでもあるなら」と 花恋は言うと俺の唇に自分の唇を重ね合わせて、花恋は自分の舌で、俺の歯茎の裏などを刺激してきたので、俺は、自分の中の違和感に耐えられなくなった それからしばらくして、俺が目を覚ますと、目の前には姫が俺の体に触れてきており

「ふふ。起きたようじゃな」とその言葉を聞いて俺は起き上がると、姫が俺のことを見て微笑んでいた 俺は何がなんだかわからずに 姫の方に視線を向けると 姫は、俺の体を触ってきて。俺はそんなことをされると恥ずかしくなって 俺が照れながら「なっ何をするんですか」と言うと 姫は、笑いながら俺のことを見て 俺の股間に手を当てて「元気がないではないか」と言うと 姫が俺の股間を揉み始めて そして姫がズボンを脱がせてくる そして俺が慌てていると、姫が俺のモノを口に含み。俺は快感に襲われる それから姫に口でされ続けると、すぐに俺は達してしまい。俺の下半身は白濁した液にまみれてしまい。俺は、そんな状態になっていた。しかし、まだ俺の中には、違和感が残っているのである それから俺は目を覚まして姫の寝室に向かうと。俺の目に入って来た光景は。俺達が住んでいる城の中で、一番大きな塔で。姫がそこに俺を誘い込み。それから姫が俺の上に覆いかぶさると 俺の服を姫が脱がし始めたのだ そして姫は俺の上に跨り、俺は裸になった姫の胸を見て興奮を抑えられなくなってしまうと、俺の下半身が元気を取り戻し始めるのを感じた そこから俺は姫の胸に触れると 姫は俺の手を取って、自分の胸を俺の手に擦らせて そして俺の胸の上に座るなり 腰を動かし始めると。姫の動きによって 俺は感じ始めていくと。やがて限界が訪れ 俺は姫の中に自分の精を放出したのだった →《能力解放条件》 《ステータス開示》スキルを取得 《称号取得》勇者の力を覚醒させました 《能力》全能力超上昇スキル 《特殊スキル》言語変換スキルの効果 《職業》全能力超上昇スキルの所有者の職業が勇者に固定 《称号》異世界より現れたもの 《勇者》勇者の力を受け継ぎし者の職業に確定 俺はその日の朝に起きた出来事を思い出す そして俺が起き上がった後に。

俺の隣には裸のままの、花恋が横になっていて その顔には疲れが見えていて 俺はその表情を見ながら。昨日の夜に花恋の身体に 色々とやってしまった事を思い出し。それから、俺の体は花恋の体の感触を覚えているのか。なんとなくだが。花恋の感触を思い出せば 俺の息子が反応してしまうのであった。

花恋の方はというと 目が半開きの状態で 俺の顔を眺めていたのだ 俺はそんな花恋を見ていると。とても可愛らしく見えてしまい。俺と花恋の距離感はかなり近づきつつあったので 俺は、俺達がいるこの部屋に近づいて来る存在に気づくことが出来なかったのだ そしてその人の存在は俺達の部屋の扉を開けると そこには、メイドさんの姿があったのである→☆《花音》☆→(イベント発生)

「蓮様おはようございます!!今日も良い天気ですね!蓮様がこの城にいらっしゃった時は、まさかこんな事になるだなんて思ってもみませんでしたから」と、メイドが言ってくる そして、それから数分後。この世界の王様に呼び出された俺は、そこで、王様と一緒に朝食をとることになった それから朝食をとった後は しばらくの休憩を挟んだあと 俺達は訓練場に向かい 勇者の実力を確かめるために 戦闘を行うことにした まず最初に行われたのは勇者としての能力をどれだけ使いこなせるかということで、花恋は魔法を使って戦うのだが 俺の場合は勇者の能力を使いこなすことが出来ていないということだったので。花恋と一緒に訓練する時間を増やして。それから数日が経過した頃 俺と花恋が、お互いの部屋に戻り 寝ようとしていた時に事件は起こったのである 俺はいつも通りに、布団の中に入り眠りにつくのだが 俺は、俺と花恋しかいないはずのその空間に 俺以外に誰かがいるような気配を感じ取り 俺は目を覚ましてしまったのだ俺と花恋は二人で同じ部屋を使っているので。この部屋には他の人も出入りすることが出来るようになっている しかし、今俺が見ているこの部屋には。花恋以外の誰かが存在しているのであった 俺は、俺の目の前にいる誰かに向かって話しかけてみると 俺が話した内容は。この世界で俺だけが知っている日本語で喋っているのだ そして俺がその言葉を、日本語に通訳してくれる花恋にその人物の言葉を伝えると

「その声は、やはり蓮君ね」と この世界の言葉を話し出したのだ 俺は驚いてしまい。この世界に、俺がこの世界で初めて喋ってあげたあの時、初めてこの世界にやって来た時、俺の頭の中に響いたあの綺麗な声で。俺の名前を呼ぶので。俺はつい、聞き惚れてしまった すると彼女は。

この国の王妃として君臨していたのだと 俺達を助けてくれたあの時の老人はこの国の宰相を務めていたという そしてその女性が。俺のところに駆け寄ってきて俺の顔を見るなり「やっぱりこの子は蓮君なんだわ」と言ってきたのである。その人は俺に優しくキスをしてくる そして、そのまま俺は、ベッドに押し倒されてしまうと その女性は俺の唇から離れてくれず。舌を俺の中に入れて来て俺のことを翻弄してきていた それから俺はその女性と行為に及ぼうとするが

「その先は。もう少し待って頂戴」と俺に言ってきたのである それから俺に覆いかぶさるようにしている女性の方を、俺が見ると その女性は自分の着ている物を全部剥ぎ取っていき そして俺の前で 俺に見せつけるかのように自分の身体を見せつけてきたので 俺は興奮してしまい それから、俺はその女の方と行為に及ぶ 俺と、俺の上で俺と体を重ね合わせながら喘いでいる彼女の肌は。艶っぽくて俺は彼女の姿を見ただけでも、もう既に我慢が出来なくなってきてしまって 俺は、俺の上で乱れながら、俺と繋がっている彼女に 何度も中出しを繰り返していったのである それから、しばらくして落ち着いたところで

「ふふ。私と蓮君とで。赤ちゃんが欲しいわね」と言われ それから、その女性のお腹は膨らんでいて俺はそんな姿を見てしまうと、さらに欲情をそそり立たされるような感覚に襲われてしまうと そんなことを思っていた矢先、またも俺の頭に謎のファンファーレが鳴り響き 《花恋が俺の妻に成り代わりました》と言う文字が現れて そして、それからすぐに俺の前にステータス画面が現れたので。俺はそれを確認してみた そしてそこに書かれていたのは。俺の嫁が。花恋が俺の嫁に置き換わっていて。俺が俺の目の前で寝取られて、寝取った相手を妻にすると言う。そんなストーリーだったのである 俺は目の前で起きた出来事に、動揺してしまい。俺の脳裏には花恋とのこれまでの出来事が全て浮かんできて 俺の目からは、涙が流れてしまっていたのであった 俺はそんな風に思ってしまった自分が悲しくなってしまい。その日の夜からしばらくの間。俺は誰とも話をしないで部屋に閉じこもりっきりになってしまっていたのであった。

俺は俺を慰めに来てくれたメイドさんや花恋にも 冷たい態度を取り続け 俺の心の中では 俺は、今までずっと一緒に過ごしてきて これからは幸せになると思っていた花恋を 俺と結ばれるはずだった恋人を奪われて そしてその恋人が。他の男性と結婚するという。そんなバッドエンドを迎えてしまい それだけではなくて 俺の事を、この世界に呼び出してくれた神様のような存在である王様は実はこの国の王なんかではなくて ただ単に。俺を勇者として呼び出しただけだったらしいのである こうなる事が分かっていれば俺はもっと早い段階で この世界から脱出を試みていただろうと思うほど 最悪な結末を迎える事になりました そして夜が明ける前に俺の目の前に現れたのは、王様でも何でもなくて 俺がこの異世界にやって来てしまった日に俺達に声をかけて来た あの時の老婆が姿を現したのである

「あなたにはまだチャンスが残っているのよ」と言うので俺は、何の事だと思いながらも その話を聞いてみる事にしたのだ すると、その女性は、その老婆の正体について

「私の名前は、《花子》といいます 私の名は花音ちゃんの母親でもあるのですが。あなたの彼女であった女の子は。私が、この世界のシステムに干渉し。本来の彼女と入れ替わっていたのですよ。だからあなたが気にしていた彼女が別の人と付き合っているというのは嘘だったのですよ」

と俺に対してそう言ってきたのだ 俺は、そんな言葉を聞いた時に、俺はその女性が言っていることに全くの信用性を置けないでいたのである なぜなら、その人が、俺の前に現れてから。俺は、目の前にいる女性が 俺が召喚されてこの城に来るまで。俺と一緒だった花恋の親であるという 花音がその母親であるとは到底信じられなかったからである しかし俺は、俺は。この世界にやって来る前の、現実での世界で、俺は、花音と別れたくはなかったが、花音の方は俺よりも 自分にとって大事な彼氏を俺に奪われたくないと思って 俺から離れて行き そして俺は、その日から、花音を心の中で忘れようと思いつつも。俺は、花音が俺に残した傷痕があまりにも深くて忘れられずに。俺の人生は色あせたものになってしまい 俺は花音の事を想うたびに、俺と、花音との間であった思い出を思い出し 俺の胸の中にはぽっかりと空いた穴が広がっていくように感じていて 花音がいなければ、俺には、生きている意味など存在しないとすら思うようになってしまっている程でそしてその気持ちは 俺は、俺と俺が大切だと思っている人たちと 家族が幸せに暮らすために、この世界に来たはずなのに いつの間にか、俺の周りにいる人間は。皆不幸になっていたのだ 俺と俺の周りの人間の関係を 全て狂わせてしまった原因は俺にあるのに そして、俺は俺を恨む人間達を恨み返し そして俺と、俺の周りの人間が。

幸せな未来を送るために、花音のために俺も努力をしようと思い 俺は、花音と俺が、花音が望んでいる 普通の学生カップルになれるよう 俺の、今の、能力が足りていない部分を埋めて 花音の望み通りになるように 俺はこの世界にやって来たのだけれど それは、結局。俺の勘違いでしか無かったのかも知れない そしてこの、《世界改変》は。

この世界の法則をねじ曲げる事が出来る 《世界破壊者》の力を使いこなし その力で。花音が俺の恋人にならなかったとしても 《花恋に本当の恋人が出来ていた場合》の花恋を呼び寄せる事が可能かもしれないので 俺は《神殺し》の能力と。

そして《世界の破壊者》の能力を、花音を手に入れるために使ってやるのだと考えるようになったのだ。

俺は、そんな風に考えていると。その女性が「蓮様。私は蓮様と、花音さんとの関係を知っています。花音が、本当は、貴方のことをどれだけ愛していたか、知っていますか?花音が、私にお願いをして来たんです どうか、娘である、花恋を助けてください。そして蓮様の、蓮様と花恋の関係を引き裂こうとしている。蓮様に迷惑をかけるこの世界を救ってください」と言ってきたので俺は「俺も、花恋を愛しています。この俺に、力を貸してくれるなら。協力します」と言い 俺は花恋と俺が、元の世界に戻るために必要な 情報を集めていくことにしました。それから俺が その世界での生活を始めていく上で 必要な知識を身につけるために。この城の書物庫の本を読み漁っていたら、俺が知らない言語で書かれていたはずの、その書物が何故か日本語として読めるようになり。その書物を読むことが出来るようになっていたのである。そして、それからは俺と花恋は この国を脱出するための準備を始める それから俺達は、この国に忍び込み。花恋が 自分の身を守るためと。花音が俺を守るために必要最低限 自分の身を守れるくらいの戦闘術を身につけたいと言ったので 俺は俺なりの訓練メニューを作り。そしてその訓練を 俺が二人に対して教えることになったのである。

それから数日が経ち。花恋と俺は 自分のレベル上げをするべくモンスターを倒しに行くのだが 俺はそこで《花恋が、俺の妻に成り代わっていた女性と戦闘をしている場面に遭遇する そしてその女性は。自分の子供だという 花恋とそっくりの女性と戦う事になったのだ それから花恋は。

その女に苦戦していて、それを見ていられなくなった俺は 花恋を助けに入ることになる それから俺が助けに入って、女が逃げていき、花恋に怪我がないことを確認したあとに 花恋と、それから女が、どういう関係なのか気になった俺は、そのことについて聞くことにしたのである するとその女の正体は。

花恋の母だと判明して俺は驚きながらも。何故、この女と戦わなければならなかったのかを聞くと。女はこの世界の神様的な存在であり。この女は俺と花恋の関係を知って、花恋を俺から奪い去ろうとしていたのだという事を知り 俺は、花恋から聞いた話を思い出して、 この世界にやって来てから。

俺達が幸せになるために必要な、情報収集をしていた時のことを俺は思い出すのである。そして俺は花恋が、この世界で花音という存在として過ごしていた頃 花音は花恋がこの世界にやってくる前から 花恋が、花音だった頃にこの世界にやってきていて そして花恋は俺のことが大好きで、俺と付き合いたくて仕方がなかったという話を聞いたことがあった。そして花音は俺と、付き合うための手段に 《自分がこの世界に存在する花恋という少女と入れ替わり。自分が花恋になりすまして蓮君の恋人になる》と言うことを行ったという事を知らされて 花恋が、この世界に来て。この世界の住人になりすまして、この異世界に俺と一緒に来るまでは。俺の事を花恋は好きじゃなかったということを知ってしまったのである 花恋は、そんな俺にこんな事を言ってきたので 俺にそんな事を聞いてきていた 俺は花恋から聞かされた その言葉があまりにも衝撃的で 俺が今までに、感じてきた。あの感情は一体なんだったんだろうかと思うほどで 俺の心は揺れ動く 花恋には俺の事をずっと好きでいて欲しいと思っていたがそれは間違いであったのだと思い そして俺のこの異世界に来てからの 花音が好きだと思って、この異世界の人達と付き合おうとしていた その考えは間違えであったと気付かされてしまったのであった 俺はそれから花恋に 花音の事が好きだと思って、俺は花音に優しくしてきたけど それはあくまで俺の都合の良いように、そう言う演技をして花音に接していて。それがバレた時に俺は、嫌われてもおかしくないことをやっていたんだと言う事実を思い知らされたのであった。そして花音も俺と同じような気持ちを俺に対して抱いていたということを 俺と花音が結ばれるはずだった日に花音から告白されていた時 その時に、俺が花音を振ってしまったが故に 俺と結ばれるはずだった運命は、壊れてしまったのだ。

そして、俺は俺が、この世界にやってきた時に 花音は、俺と結ばれるために俺の事を待ってくれていたと言っていたのに それを俺が信じず そして花恋は俺と結ばれたかっただけなのに そんな花音に対して 花音のお母さんである。あの女性が邪魔をしてきて、俺と花音と俺の家族の幸せはめちゃくちゃになってしまったのだ だから俺と花音は俺達の幸せのためにも あの女を倒さなければいけない そんな決意を固めて俺は。花音とともに。

あの女性が住んでいる家に向かうと あの女性がそこに待ち構えていて 俺は、戦うことになったのである 俺は、その女性と剣を交えて なんとか勝利すると。今度は花音に 俺と戦って勝つことができたら花音の願いを聞き届けると 俺はそう言いながら花音の願いを聞くことにすると

「花音が、あの人に。花音が蓮君の事を好きな理由を 花音がどんなふうに過ごしてきて。それで蓮君がどう思ったかを全部 花音には本当のことを話して欲しいの そうじゃないと蓮君は花音のことが信じられなくなるし。蓮君が花音を信じることが出来なくなったらきっと、蓮君は花音を疑うようになるから」と言われたのだ。俺はそう言われた後に 俺がどうしてそこまで、俺が花音を好きだと思える理由を、花恋に伝えたのかを聞いた すると「だって。花恋が、花恋に蓮君のことを譲ってもらうようにしたのに。花恋は。結局花恋が、この《世界》に召喚される前でも。花恋と、蓮君は、両想いではなくて。

それでも、蓮くんは、花恋のことをちゃんと大事にしてくれていて 蓮君がもし。花恋を選んでくれなくても。それでもいいかな。って花恋が思うほどに。

花恋と蓮君は、本当にお似合いで。二人が結ばれれば良いのに。って花恋も思っていました。花恋が、その話をしたら、お父さんが、この《世界》に来る前の。

この世界にいるはずのない、私にそっくりな女の子が私の前に現れて。その人がこの世界に私がやってくる前までの記憶を持っていたとしたら 私はその人を、花恋として認めます」と言い そして、俺の知らないところで 花音が、そんなことを考えていたのを知った俺は花恋から色々と聞いて その日の夜。俺は花音に 俺の知らない花音が体験していた出来事を、全て話すことにしたのである。そしてその話が終わってから花音に、花音の母さんに花恋のことを頼んでくれた事に、花恋の代わりにお礼を言うことにしたのだった。

そして俺が、自分の家に帰宅した後で 母さんが俺に、花恋が 自分が俺に惚れるきっかけになったのは俺が高校生になってからだという事を言っていたということを聞いて俺は驚きを隠せないでいたのである。俺と花恋は中学生の時に出会ったがそれまで花恋は誰とも交際をしたことはなくて、その当時は俺は花恋のことなんて全然知らなかったのだ。

俺が花恋と出会ったのは俺がまだ小学生ぐらいの頃 まだ、この異世界に来たばかりで、勇者になったばかりの頃のことだ 俺は、当時 花恋とは面識はなかったのだが ある日俺は ある男達に目をつけられて絡まれそうになったことがある そしてその男は、花恋を人質にしようとしたのである。だがしかしその時に俺は、花恋を助けることに成功し。そしてその後、俺と花恋はその男が所属していた不良グループのアジトを特定して 俺と花恋とでその男の悪事を暴いて警察に引き渡して その男は逮捕されて事件は幕を閉じた。そしてそれから俺達は仲良くなって そしてそれから花恋は俺の幼馴染になって。俺が中学に入学したときに俺は花音に出会い。そしてそこから俺は花恋を気にかけるようになり、それから花音と過ごす日々の中で俺は花恋と恋に落ちることになったのである。俺はそんな花音との出会いから、そして花音と交際を始めた時から 花音が俺に一目惚れをしていたことを知ったのであった。そして俺は俺と花恋が出会って付き合うようになった頃から花音は俺のことが好きだったということを知り。俺はその事を聞かされて それから、それから花音と、俺がこの世界にやって来るまでにあった事や。

それから花音がこの世界にやってきた後の花音との日常などをお互いに話していると夜になっていた。そしてその日から、その次の日。そしてまたその次の日。その次の日の。その更にその次の日の朝。その次の日。と俺と花恋は、お互いの話をするのである。そしてそんな日々が一週間以上続いていったのだが。

そんな花恋との生活に嫌気が差してしまったのか花音に成り代わっていた女性は 俺の目の前で自害して死んだのである。俺はそんな花音のお母さんの死を目の当たりにしてしまい 俺の心は、ズタボロにされてしまっていた そして、俺は、そんな俺の心の痛みを理解してくれなかった 俺の事を心から愛してくれていると俺が思っていた人達に 裏切られたことで 俺はもうこの世界に生きる意味がなくなってしまったような気さえしていて 俺は、花恋と一緒にこの異世界に来てからも 異世界に召喚されてからも。俺は俺を支えてくれる人に恵まれていて だから俺は俺自身の力で。俺はこの世界のみんなを守るために そして俺は花音が好きだと言ってくれるこの世界を守りたいと思い。そして俺はその思いで俺の心を必死で奮い立たせて俺はどうにかこうにか立ち直ることができたのであった。そして俺の事を心から心配してくれる花恋の言葉が。

この世界の平和のために戦う決意を固めた 俺の心を救い。そして俺は花恋と共に。

この異世界にやって来て、この異世界を救おうと思ったのだ。俺はそんな事を考えつつ、そしてそのあとで花恋から聞かされた あの女性の本当の気持ちが分かったことによって。花音にあの女性が、花音のために俺と花音の仲を引き裂きにかかったということを俺は知って。俺は花音の気持ちを知らなくて俺は花音のことを疑い。花音のことを疑うようになってしまった 花音のことを信じられなくなり。花音の気持ちを信じられなかった自分にも怒りを覚えてしまう そんなことがあった。そのこともあって俺は俺が、この異世界にやって来た時のことを思い出すのであった。

この世界で。俺は花音に振られたという辛い記憶を思い出してしまった。その辛くて苦しい思い出を俺はどうしても忘れられないでいる。花音は花音で俺のことが大好きだったのだと分かってしまったから そして、俺達が、俺と花音がこの異世界に来てしまったことで俺と花音の家族と そして花音の母と父は離ればなれになってしまうかもしれない。と言う状況になってしまい。俺と花音がこの異世界に来てしまったばかりに家族と離れて離れ離れになってしまうことになる可能性もあって。

そんな不安を抱えているせいもあるだろうが だから俺は、そんな辛い過去があったからこそ。俺のそばにいて欲しいと思ってしまう。そしてそんなことを思うと花恋は俺がこの世界に来るまでは。こんな俺でも花恋が俺の事が大好きだと思っていたのと同じように俺も俺で、俺の事が大好きでいてくれた花音は本当に可愛い子だと思って。そんな花音の気持ちが変わってしまっていたとしても花恋にはこれからも俺の事を好きでいて貰いたいと思っている だけどそんな事を思ったところで俺のそんな気持ちも。そして花音の気持ちも花音のお母さんには届かないのだろう だからこそ俺はあの人に会わなくてはいけない。あの人と話をしなくてはならないのだと思うのだ。花音の母親のあの人は俺のことが嫌いだから そしてあの人の本心を知る必要があるのだ。

だからあの人が今住んでいる家に行き。そこであの人に会って俺はあの人と話をするのである。

花音が俺の家にやってきて俺に何かを言いかけた瞬間。

俺は花音によって突き飛ばされた。そしてその直後。

その花音の行動が俺の命を救うことになったのであった。俺に襲いかかってきた黒いオーラの刃が 俺がさっき立っていたところに直撃して地面に刺さった。もし、花音が咄嵯の俺の体を引き寄せていなかったら、きっと死んでいたに違いない そう思っていると花恋が、 花恋は、自分が放った攻撃を俺が避けていることに気づいていなかったようで、呆然としていた。そして花恋が攻撃を放った先には、一人の人物が立っていて、花恋に敵意むき出しの視線を向けていたのである。

「よく俺の攻撃を避けれたな」

その人物は、その言葉を花恋ではなくて。俺に向かって言ったのである。俺は突然のことに驚いていると

「あなたが、私の愛する人を拐かす悪い人ね! 許さないんだから!!」と。

そう言ってその少女は手に持っていた槍のような物を構え直したのであった。

俺はその声を聞いたとき。この前花恋の母親が現れた時と同様に。心臓が飛び出るんじゃないかってほど驚いた なぜならその声の持ち主が誰であるか知っていたからである。俺は花恋の母親に言われたことを思い返して。花音の母は、その人が、自分の娘の元に現れたと言っていたが。

まさか花恋の母と娘はそっくりなのか!?俺は、そう思わずにはいられないでいたが。それはともかく。

花恋のお母さんが現れてからというもの、俺達のこの世界は色々とおかしな事が起こり始めている。俺はそんなことを考えながら、花恋の方を向くと、花恋はまだ放心状態だったのである。

そんな状態の花恋の姿を見て。俺はこのままだとまずいと判断すると。俺は花恋を抱き抱えると 花恋を自分の部屋に連れて行った。そして俺が部屋の中に入ると

「あ、ああ、ありがとう蓮君。蓮君のおかげで助かったよ。私はもう大丈夫」と 花恋は笑顔で言うが、その顔はとても無理をして作って笑っているのがわかってしまったので 俺は花恋をそっと抱きしめると 花恋は抵抗せず 俺の体に体重をかけてきて そして俺の胸に頬を擦り寄せてきたのである。花恋にそんな態度を見せられて、俺は花恋に俺がここにいる理由を説明しないといけなかったのだけれども。しかし俺は 俺の腕の中にすっぽりと収まっている。とても愛おしい花恋を見ていると、なんだか愛しくて愛おしくて堪らない気分になって 花恋を、花恋だけを愛したいという感情に支配されてしまい 他の女なんかよりも、花恋のことを大切にしたいという気持ちで一杯になってきて、花恋への愛しさで、胸が張り裂けそうな程に苦しくなった。

俺はそんな状態で花恋を見ると やはりまだ、少し元気がなさそうに見えたので俺は、 とりあえず花恋が落ち着くまで。花恋が少しでも早く落ち着けるようにするために、 しばらく花恋をそのままの状態で放置しておくことにするのであった。

花恋のお母さんと、その娘さんと思われる女性がいきなり襲ってくるとは思っても見なかった 花恋はその事についてかなり動揺しているみたいだし、だから俺はそんな花恋に対して、何をすればいいのかわからずに 俺はどうすることもできず。

ただただ花恋が立ち直るのを待っているしかなかったのである。それからしばらくして花恋は落ち着きを取り戻したのか俺の胸から離れて俺から離れていった。花恋はそれから俺と二人きりのこの状況に気恥ずかしさをおぼえたのか、顔を真っ赤にして、うつ向いてしまっていて その様子が可愛すぎて、花恋のことをずっと眺めていたくなるのだが 俺は、俺達の様子を観察している人物がいるということを思い出し。

俺はその人物の方に振り向いた。すると、その人物は 俺の視線を感じたのか俺の方を見て俺に微笑みかけてきて そしてその女性は、ゆっくりと俺と花恋の元に歩み寄ってくる 俺がその人の顔を見たとき。この前のあの花恋のお姉さんの 美香さんだよ。と言う言葉が頭に蘇った

「初めまして。私が如月美幸です。この子が、私の妹の花音。よろしくお願いします。それで私達は、あなたに危害を加えようとなんてしていません。この子を守るために仕方なく、貴方を試させてもらいました」と そう言うと彼女は、花音に視線を戻してから優しく話しかけているのだった。俺は彼女の方を向いてから、

「あの。俺は花音ちゃんの恋人じゃないんですけど。それに、その、花音ちゃんも、花音ちゃんのお父さんも、そして花音さんもどうして、この異世界にやってきたんですか?もしかしてこの異世界を救うために召喚されてきたんですか?」と 俺が質問をする 俺の言葉にその女性 つまり花音の母親は首を横に振って 俺の言葉を否定した

「私たちは、そんなことのために、この世界にやって来たわけではありません。私も、花音もこの世界を救う気はありません」と言った 花音の母親の言葉を聞いた花音は驚きながら母親の方を見ていた そんな花音に花音のお母さんは視線を向けて、優しい表情を浮かべたあとで 今度は花音と向き合うと 花音の目を見つめてから そして真剣な口調で、

「ねえ、花音。あなたはこの世界を救おうと思っているわよね。この世界を救おうと思っているからこの世界の人達から愛されている。だから花音も花音のお友達たちも、そしてこの世界も守ろうとしているのでしょう。だけど私はあなたの考えが間違っていると思います。

この世界で生きている人たちだって この世界を守ってくれる存在に頼りすぎていて、自分たちは何もしていない なのに、自分たちが困ったときは助けてくれるようにと、その救世主たちに頼っている でもそれはおかしいことだし、そんなの傲慢だと、そう思います。私たちのこの世界に住んでいる人たちは、何もしなくても、ただ平和に生きていければそれで良いのです。でも この世界で生きていない。そしてこの世界が、危機に瀕したときには、それに立ち向かって欲しいから。その時に助けて欲しい。その一身で、彼らは 私たちのことを異世界から召喚した。

それが、この異世界の人々の望みだとしても、この異世界の人々が 勝手に、自分たちの願いを叶えてくれ。自分達のことは、自分達の力でなんとかする。と言う姿勢でいないことが問題だと思う。だからこの世界を救うのがこの世界の住人ではないと言うことが大きな問題だと言うことに気がついてほしいの そんなにこの異世界の人々の力を借りたくないなら。自分たちだけでこの異世界の問題を解決しなさいよ!!って私は思う それに。花音 あんたはいつも言っていた。自分一人が、みんなを守るの。だから、みんなが傷つくのを見るのが辛いって そしてあなたは自分の命を犠牲にしようとした。そんな花音がこの世界に来て、 勇者にされて だから花音はきっと勘違いしてしまったのね 花音がこの世界の人を救ったら。また、誰かが自分のことを好きになってくれて、愛してくれるんじゃないか。と。そう思って。花音も、そして、他の人もきっとそうなのかもしれないけれど。この異世界の人たちが求めているのは、花音個人であって。

花音自身が、この世界を守りたいとか そう言った思いで、この世界に来たのではなかったら。きっとこの先、花音がこの世界にいたとしたら、いずれこの世界と決別するときが来るのかもしれません そのときは。私は止めはしない。

あなたはもう十分頑張った。

この世界にはあなたよりも優秀な人が多くいるの そしてあなたよりもあなたを愛してくれている人もいる。あなたはこれからの自分の人生を歩むべきだから」とそう言ってから その人は俺に顔を向けた。その視線を受け止めてから、俺はその人に問いかけた。

「あの、じゃああなたたちはどうしてここに現れたんですか?」と 俺のその質問を聞いた彼女は、「あなたたちが、異世界の人だと知って。この世界ではあなたたちを利用しようとする者が出てくるのはわかりきっているから 花音をこれ以上危険な目に合わせるのは嫌なので、その前に保護するためにこの国に連れてきました。花音のことは この国の中でなら 私が守りきることができるから 花音のこの国での滞在を許可してください それとこの子と一緒に行動することの許可をください。お願いいたします。花音の事、花音の事を大切にしてあげているこの子の彼氏の事 花音を大切に思ってくれる。

あなたのような人のことを私は信用できそうだと思ったので、花音の事を頼みたいのです。

もちろん、あなたのことを利用するような事は決してないと思っています。だからどうか、花音のこと 花音の事を見捨てずに見守っていてもらえたら そう思っていましたが、もし花音のことを裏切ったりするような事があったら。花音をこちら側に返していただければ この国に二度と現れないことを約束します。もしも約束を破られたりした場合。その時はその時に改めて 話し合いをしましょう。」と言ってから頭を下げて 花音の母親の美幸さんは花音と向き合った。それから俺は 美香さんの話をじっくり聞いてみて思ったのが その意見に対して 確かに、花恋や、この世界に迷い込んだ人たちにとっては、この世界の人達と関わるとろくなことが起きないだろうということは想像がつく。だからといってこのまま見殺しにするというのは 流石に俺が許せなかった。

それに。花恋を、花恋だけを助けて 他の人たちを助けなかったら俺は、きっとこの世界で、後悔をする。そして、そんな選択をした自分が、自分自身を許せなくなるのだろうなとも感じている そんな風に俺が考えていると。

花恋の母親は 美幸が俺の顔をチラっと確認してきたのが分かったので

「分かりました。

俺からも。俺は花恋に危害を加えないと誓います 俺も。この異世界の人が、俺を無理やり召喚したりとかしてこなければ、俺は花恋を助けるつもりです。俺のことも花恋と同じ様に大切に扱ってください そして花恋は俺の大切な彼女です。彼女を危険から守ることに協力してください」と 俺は、美幸さんに向かってそう言うと。美幸さんも、花音も嬉しそうな顔で、俺の方を見ていて。俺は二人を見て少し照れくさくなっていた 俺はそんな状況に耐えられなくなって 俺は、美桜さんに花音さんの部屋まで案内するように頼んだ。それからしばらくして 俺たちは美香さんの元から離れることができたのである それからしばらくして俺達は《初級ダンジョン》に向かった そこで、魔物を倒していき。それから花音のレベル上げのために。しばらくダンジョンの中にいた。花音のレベルが10になると その日から花音と花音のお姉さんはしばらくお姉さんの家に帰ることになった 花音のお姉さんの美優さんの住んでいる家は 花音の実家からそれほど離れてはいなかったため、お姉さんの家から学校に通うことにしたみたいだ。

美幸も、一緒にお姉さんの家に行くと言い出したが。美香はそれを断り一人で、実家に戻っていった 花音のお母さんの美幸に花音が美香のことをお母さんと呼ぶと喜ばれていたので、これからも花音はお姉ちゃん呼びのままになるようだ 花音とお別れをしたとき、俺は、俺は心から感謝の気持ちを伝えようと

「今まで本当にありがとな」と言うと花音と花音の姉ちゃんは

「ありがとう」と その言葉を残して消えていった 花音達が去って行ったあと。

美桜さんが、俺の肩に手を回してくる 俺が振り向いたときに「あの子はいい子だったでしょ?だからあの子だけは幸せにしてやってね」と言うと 花音はお母様と呼んでいたから、美香の妹なんだろうか 美優という人も美人だったけど 花音のお母さんと妹の方がもっと美人だよな と思いながら、二人のことを見送るのであった それから一週間ほどたった日のことだった 花音とその姉の美奈が この国を出ることを決めたようで この世界に来てから初めて会った日に 二人が、王城から出る前に、挨拶をしておきたいという申し出があり 俺はそれを了承したので 今現在 俺達がいるこの場所に 美那が現れたのだった この前来たときとは違って、今日はきちんと服装を整えてきている この前の服よりかはこの世界で動きやすいような格好で そしてこの前のときは俺がこの世界で持っているものの中でも一番上等な服を着ていたが。今日のこの人は、この世界では珍しい、和服姿で、この世界でも違和感がないような服装をしていた ちなみに花恋は、この国の王様と会っていたらしく、今は 俺と一緒にはいない

「この前は。私の花音が世話になったわね。私達の花音を守ってくれて 花音が無事に帰ってくることが出来たから 私はそれだけでもう、十分に満足した気分でいたんだけど。やっぱり。私は花音のことが心配で心配で、どうにか花音に会いに行こうとしていたところに、あなたが、あなたと同じような存在が、花音のことを救ってくれたことが知れたから 花音と仲良くしてくれている その事実だけで私は安心できた でもまさか花音だけではなく。この世界で生きることを決心していたとは思わなかったわ。でも良かった これでようやく花音が元の世界に帰ることができるかもしれない。花音が帰ることさえ出来れば 私も安心することができる。でもそれは。この世界の問題を解決してからの話よね。この世界の問題が解決したら、あなたは元の世界で生きられるようになるから あなたが元居た世界が、どんな世界なのかはわからないけれど。きっと、そこに戻った方が、あなたにとって良いことになるんじゃないかしら」と そんなことを言い出したので 俺はそんなことはないと答えたのだが 美香は

「そう。じゃあ。私はあなたを利用させてもらうわ 花音は私が絶対に守るから だから あなたが花音を守る必要はないから じゃあ私は行くね もうここには二度と来ないと思う 花音に迷惑かけちゃうからね。さようなら あなたと花音に出会えて良かったよ ありがとうね。私は花音と一緒に花音に救われるこの世界を守れるように。これから頑張っていくね あなたがここにいてくれて、花音が無事だったことが 私は嬉しいよ 私はもうこの世界に用はないよ だって花音がここに居ることがわかって、そして花音が元気だと確認出来たんだもん だから、これからは、私の代わりに花音を見守ってくれる人がいれば、それで構わないの 花音のことをお願いね そして、また、いつか。この世界に来てくれることを楽しみにしているわそれじゃあ」と そんな感じで一方的に俺に話しかけてきた美香は去っていった 美香の背中を見ながら 俺はまだ花音のことで何も言っていない それに俺を勝手に帰さないと言っていたが。そのことについてまだ俺は何にも話していなかった 俺は 美那を呼び止めることにした そして俺は美那に俺の考えを話し始めると

「そう、花音のことを考えてくれたの 私は花音が無事なら。それだけで十分だけど。もしあなたがその考えを持っているのであれば 花音と一緒にいるのも悪くないかもしれませんね。花音もきっと。喜んでくれると思います もし。この世界を救うことができたのならば この世界を救った後。花音にはあなたの元に行くよう伝えておくわ それが。あなたの為にもなるでしょうから でもまずは この国を救うのが先ですね 私があなたの手伝いをする 花音のためですから それにあなたが元の世界に帰ろうとしていたら 花音との別れの時に寂しくて泣きそうな顔になりそうだから あなたを一人にはしない方がいいのかなと思ってしまう そんな理由ですから。だから そんな顔をしていたら、許しませんからね。私や花音のためにもしっかりとしてください」と言われてしまったのだけれども。それでも俺の決意に変わりはなく。そして美香は納得してくれたようである。美香も花音のお母さんなんだと俺は思ったりした そんなことをしているうちに。花音が俺と美桜さんのところに駆け寄ってきて

「どうだったの? 美香お姉さまとは何をお話ししてきたの? 」と俺に尋ねてくると

「花音のお姉さんは俺に この世界で生きて行ってほしい そう言ってくれたんだ。だから 俺は花音と 美香さんの言うとおり この世界で暮らして行きたいと思っているんだ 花音のお姉さんも、花音と同じように優しい人で、俺のことも花音と同じくらい 大切に扱おうとしてくれていたから 花音も お姉さんと仲良くしてほしい 俺の大切な人になってほしい 俺を頼らずとも 自分のことは自分で出来る 立派な女性になっていてほしい 花音には この世界で自由に幸せになって欲しいんだ 俺が守りたくて守れなかった分まで この国のために尽くして、みんなに好かれて、信頼されて立派になっていたらいいなと。俺は思うんだよな 俺も頑張らないといけないなぁと改めて思うわけですよ そんな訳でして」と話し始めたところまで言ったところで 花音がいきなり飛びついてきて抱きついてきていたのである 突然の出来事にびっくりしたけど、俺はそのまま受け入れることにしてしばらくその状態を続けていたら「ありがとう」と耳打ちするように言われてしまうと俺は胸を撃ち抜かれてしまったかのようにキュンとなってしまった それからしばらくして落ち着いた頃に 俺たちは城へと戻っていった。美桜も花恋のことを見送っている最中である。ちなみに今美優も一緒になっているが。俺は二人を見ていて姉妹のように見えたのだった それから数日経った後に。この国の王城が襲撃されたのである。その日の夜中に、城の人達の悲鳴を聞き、城が魔物の群れに襲撃されていることを知り。俺達は急いで城へと向かうと。そこには既に大勢の魔物の姿があった。その中には魔物以外の生物の姿を見ることができたが。その生き物がこの城を占拠していることはすぐに分かった。俺達が駆けつけたときに。魔物達が城を制圧しようとしていたところを。俺達が助けることになったのだった。

俺と美桜は花恋にこの場にいる人の避難誘導を頼み 花音が避難させている人を一人ずつ 俺と美桜が保護しながら安全な場所まで案内をすることにしたのであった 俺達が魔物達と交戦を始める少し前に、美那も美香と一緒に合流しており 俺達の戦闘を見つめていた 俺は美那に花音の護衛をお願いすると。美奈さんが美音を守るから安心して欲しいと言い出してくれて、美音の側についてもらうことになったのだった。それから俺が美音と二人で戦うのもいいけど、ここは美桜が居た方が心強いなと美桜と相談していたところ。花音が俺に加勢してくれると言うので。美音と美那と共にこの場の人達の保護をお願いすることにするのであった。美那と美音が、俺に気づかれないように会話をしていたみたいだが なんの話をしていたのかが分からないままであった

「ごめんなさい あなたを一人で戦いの巻き込むのだけは 嫌だったから。だから 私は、この世界のことは何も知らないから、あなたに着いて行くことは出来ないの あなたが、元の世界に帰りたいと願うのならば、私は応援したい。でもこの世界の人達を守りたいというのであれば、協力したいの。どちらを選んでも 私はあなたの選択を受け入れるつもりよ。だから、私のことなんて気にせずに、自分が正しいと思うことを、思いっきり戦って来て」と美那は言い。そして続けて「でも忘れないで 私がここにいる意味を忘れずにいて欲しい 私と美那はこの国を救うために来た あなたがもしこの世界に残ることを選ぶのであれば この世界を守ってくれる存在が必要なの。だから花音には私から あなたをサポートするために あなた達の世界からやって来た勇者のサポート役としての使命を与えたのだから 私と美那はあなたを見守っているわ 私と美那の力が必要になったときには遠慮なく呼んで頂戴 私達とあなたは同じ存在ではないけれど 同じ異世界から召喚されているから あなたが元の世界でどのような経験をして。どのように考えてきたのかも ある程度は把握しているわ でも。それでも私はあなたの考えを尊重するつもりでいるわ だから。これからのあなたの活躍を期待してるからね じゃあ私は花音のことを守ってくるわね 何かあれば、いつでも力になるわ でも、無理をしないようにして あなたのことが心配でならないのだから」と言って美那はその場を離れていくと。今度は美音が「お兄ちゃん。私はあなたが元の世界で何をしていたのかとか。どういう人生を歩んできたのかという過去までは知りません。でも 私はあなたと一緒に過ごしていく時間が増えていくうちに、あなたがとても優しくて素敵な人だということを知っていきました 私がこの世界に来てから。あなたは私が不安になったり困ったりするような時はいつも。すぐに私のことを見てくれる それはすごく嬉しいことで。あなたのおかげで 毎日楽しいと感じることができて。本当にあなたには感謝しています。そして私は そんなあなたが 好きになってしまい。あなたの彼女になりたいと思いました 私も あなたと同じで この世界を守りたいと思っているんです。だから私は あなたに協力しようと決めていました ですが。この国を守るということは お父様と お母様に 危害を加えられることでもある それを あなたが望んでいるというのならば 私にも手伝わせてください 私は あなたのことが好きなんです だから私はこの世界を 守っていきたい あなたを守るためにも だから私も あなたに協力します 私も共に 戦います」と言って花音も、一緒になって戦ってくれることを決意したのであった。そして、美桜はそんな俺と花音の決意を聞くと「花音 ありがとう そしてこれからもよろしくね 私は花音のことを愛してるわ 絶対に死なせたりなんかさせないんだから それに、花音のお姉さんも言っていた通りよ 私もね これからはあなたに協力することを決めたわ」と俺のことを抱きしめながらそう言ってくれた。そんな感じで。俺は花音や美桜。そして美桜が保護していた人達とともに。魔物との戦いに挑むのだった俺は、《魔装召喚》を使って武器を取り出すと、目の前にいた魔物に対して斬りかかったのである。俺の持つ剣は普通の物ではなく。スキルを使うために必要な特殊な能力が付与されていたのだ。そして俺は、俺に襲いかかってきた魔物に向けて 火魔法を放つ。その威力は絶大で。その炎に包まれると魔物はその体を一瞬にして焼き尽くすのだった。

その俺の攻撃を見て驚いている者達もおり。その中には、美優の姿もあったのだった。俺は、俺のそんな様子に美優は、目を輝かせてこちらを見ており。俺は少し照れくさくなり、美優に目線を合わせられないのであった。そして、美音は美那と共闘していて。その動きは息ぴったりであり。二人のコンビネーションも抜群であった。そして美香は美奈さんの相手をしていた。美那もかなりの実力者なのだが、それでも互角の戦いを繰り広げるほどの実力の持ち主であった。

そんな中で俺は 俺の持っている固有武装に名前をつけることにした この剣の名は。紅焔刀と名付けた。

俺が名付けた名を口に出した瞬間に 俺の持っていたその太刀に変化が現れたのである。まず俺の手にその太刀を握っていること自体に違和感を感じなくなるような感覚に襲われ。次にその刃からは真っ赤に燃えるオーラが噴き出している。さらには刃の周りに炎のようなモノが出現したのである。その刃の形状は日本刀に似ているが 俺の持っているその武器がただの刃物だとは決して思えない 俺が念じると、まるで生き物であるかのように。その武器が生き物のように、動いた。そしてその形状を槍に変えたかと思うと次は斧へと変化した。それから俺が意識を向けるだけで、形態を変形させることが出来るのだった。それからしばらくして。美優も俺の元に駆けつけてくれていて 花音と一緒に美那を相手にしながら俺を援護するように、風属性の技を飛ばしてくれた。俺達3人がかりで 魔物達を倒せるくらいに この城の中にいた 魔物を掃討することに成功しているのである。

俺はそんな美優が無事でいてくれたことにホッとしていると。美優から抱きつかれてしまい、その衝撃で後ろに倒れ込んでしまった。俺はそんな俺を包み込むように、抱きついている美優を見てドキドキしてしまう。それからしばらく美優は、俺を離そうとはしなかった。俺は、こんな時になんだけど、やっぱり女の子なんだなと改めて思った。だって胸が結構大きいからさ

「良かった また会えて」と涙声で言い続ける。美優は俺と離れたくないのかずっとそのままだった 俺と花音が美那のところに駆けつけた時、そこには美香と美音の姿があり。美那は美音を庇いながら美音に向かって襲い掛かる攻撃を、美音と一緒に応戦していたが、どう見ても防戦一方であった 俺達が駆けつけて、花音が、美音に加勢し。その後すぐに俺が加勢すると。美那はすぐに攻撃をやめて

「あなたたち、なかなか良いコンビネーションじゃない。それに美音の魔力は相当高いのにそれについて行けるなんてすごいわ 花音は、あなたの妹だっけ?あの子のことも気に入ったわ でも。私が気に入っているのは美桜の方よ。

あんなに美しく。気高く。凛とした表情をしている人は 今まで会ったことがなかったわ。私は彼女になら 殺されても文句は言わないわね。美桜 貴女は私の愛して止まなかった人と同じ顔しているわ。美桜さんともっと仲良くなりたいわ。私のことは 美桜と呼んで欲しいのだけどいいかしら?」と言ってきたのだ。そして美音が、「えっと私は 別に 構わないですけど」と言うと、美那はすごく嬉しそうな顔をして俺達の方を向いて。「じゃあ 今から私は貴方たちのことを。家族として扱うことにするわ それでいいかしら?それと、あなたがたのことを私は信頼してるから。私はあなたの味方になることを約束してあげる」と突然言い出すので、困惑するしかなかった だが。この人のことだから裏切ることはないだろうと思っていた だから、今は仲間が増えたことだけを喜ぶことにするのだった。しかしそんな和やかな雰囲気の中 花音だけは少し複雑そうな顔で。美那のことを見ていたのであった。

俺は花音達と別れた後に 王様から呼び出されて この城の宝物庫と呼ばれる場所に向かうのだった。そこにたどり着いたときに目にした光景には思わず感動を覚えた。この国に伝わる 伝説の武器と呼ばれるものが この国に存在する全ての物が 保管されていたのだから そして その中に 聖剣が収められていたので これには流石の王様も驚き。

俺と王様との会談が急遽行われることになり。そしてお互いに情報交換をすることになるのだった。そこで俺達は この国の現状を知ったのだ。この国は この世界で一番大きく。この大陸を統べる存在であり その権力を誇示するために他国の民を虐殺していたのだ。

俺は、その話を聞いた後。その行為が許せなかった 俺はそのことを 王様に伝えると 王様は、俺がなぜ怒っているのかと聞くと その理由を知り。俺の言葉を信じることにしたのだった。そして、俺はそのことについて 協力してほしいことがあると言って 王様に話を持ちかけるのだった。それはこの国がやっていた行為に対する罪滅ぼしも兼ねて。この国に住まう人達を 守ってほしいと言ったのであった。

その言葉を聞いた王は 俺の提案を聞き入れ。この城を。この城にあるものを 俺に譲渡することにした。そして俺は この城に眠っていた《神龍シリーズ》を全て手に入れることに成功したのだった。

この《ダンジョンコアの宝玉》は 俺と花音で半分ずつ貰うことにし。残りは全て 美那の手元に渡ることになったのであった。俺は 美那に対して「これって本当に君が持って行くのか?」と疑問形で聞いてみたのだが、美那はその質問に答える前に、あるアイテムを取り出して その効果の説明を始めた。

「そのアイテムは、この世界で確認されている中で最強を誇る《結界石》というモノで。この石はどんなに強力な力を持った敵だろうとこの石を粉々になるまで破壊しなければ絶対に中に侵入することはできない代物で そしてこの中に封じ込めることができる空間も。この世界に現存するあらゆる物を封じ込めることが可能なんですよ。つまり。この石を割った者は その力を使うことができるんです」と説明していた。

俺はそんな便利なアイテムが存在するのかと感心したが。よく考えればそのアイテムの存在自体がおかしいと思ったので。もしかするとこの世界のものではないのかもしれないと思って、美那に

「なんなんだ。そのこの世界を護るための道具は?」と聞いた 美那は その問いに対しこう返答するのだった。

「これは この世界での勇者である貴方たちが手にすることができるはずがないものなの。そしてこのアイテムは 私たちの世界の神々の秘宝で。その効果は。この世の理を覆すほどの力が秘められていると言われている。

そして この中の力は 使用者の力に応じて、その力を発揮することが出来るのです 私達 《女神族の末裔》の先祖様が、そのお姿を現されたとされる日に。天界からもたらされたもの なの そして このアイテムを手にしたものは 自分の理想の ハーレムを作り上げることも出来ると伝承に書かれているの」と答えた。

それを聞いた俺は「このアイテムを使えば そんなことができるんだな 確かにそれは便利そうだ」と答えると。美那は、「ふーん この世界ではそうゆう風に考えている人もいるみたいね でも 私達にとってみれば。その程度のものでしかないの だって いくらその恩恵を受けたところで それがどれだけ凄いものだったとしても 私の一番欲しいものが手に入らないなら 意味がない だから 私の欲しいモノはこの世に二つしかないの。それは この世界で唯一無二の人 それだけよ」と言うのである。

そして美優が「その 唯一無二の人に なることはできると思うのだけど その人と 結ばれることが できない理由でもあるの?」と恐る恐る尋ねると 美那は 美優の方を見て。「だってその人が 私だけのものにならなかった時点で。この話は破綻しちゃうじゃない」と不適な笑みを浮かべて言ったのである。

俺は、そんな話をしたあとに。王様が 俺に 《転移の石板》を渡すから使うようにと言い 俺はそれを使うことにした。すると次の瞬間に。どこか知らない場所に俺達5人は飛ばされた。そこはどうも。洞窟の中に作られた村のようだった。

そこには俺達の見慣れない文字で書かれてある看板があった それを解読していくうちに。ここは異世界であることがわかり。さらに俺達以外にも 日本からこの世界に来た人間が居ることを知った。

俺達は、その村に案内されて 村長のところに案内され。その人物から。俺達が何者であるかを 知ることができたのである。それから俺は。村の住人達に歓迎されるように宴が開かれると 言われると、俺達はそれに快く受け入れ。その祭りに参加することになったのである。それからしばらくして、俺達がこの世界で手に入れたいモノの手がかりを手に入れることができた。まず一つは 俺達がこの世界で手にすることが出来る《スキルリスト》から習得可能になる技を習得することで。もう一つはお金を稼ぐ方法を知ることだ。なので 俺は《鍛冶職人》を《職業》として選択し。俺が持っていた【刀】を武器に加工してくれる人を 村人の紹介で 紹介してもらうことになるのだが、そこで。花音は鍛冶屋のお姉さんと知り合いになった。そして その人から俺に 武器についての意見を求めてきた。花音と美優が 二人で作ったこの【妖魔の剣】がとても気に入ったようだ 俺は花音と一緒に作った【大精霊の双翼】を花音と二人で見せてあげると、 二人は すごく興奮していた。その光景を見た俺と花音と美桜は、そのあとすぐに そのお店に行って。この店の店主に、この二つの装備品に似合う鞘を作ってもらうことにすると、そのお店で働いている女の子に気に入られてしまい。その子は俺達と一緒に働くようになるのだった。俺達がこれからこの世界で何をすべきかを考えなければならないのに。この村は、まるで平和で何も心配するようなことはない。とでも言いたいかのように。平穏で。ゆっくりとした時間が流れているのである。そんな中。俺は、村長から、俺が倒したモンスターの素材について聞かれたので。

俺が倒した【オークキングの牙】と【ゴブリンナイトの胸飾り】と 【ミノタウロスの角】を見せると。そのどれもがこの世界に存在することさえ知られていない 希少なものばかりだったので。この世界に存在するどの商人にも高値が付くような代物ばかりだったのだ。その素材がどれくらいの価値を持っているのか。と聞くと その値段が。とんでもない額だということを教えてくれたのだった。ちなみにその金額は俺が倒した魔物たち一体分につき 日本円で、およそ100億円相当の価値だと知ったのであった。そんな高価な物を手に入れたのに俺は後悔はしていないのだった。なぜならば。そのおかげで あの子を救うことが出来たから。それは 《神器》を俺と美那で半々に分けたからだった 美優が 俺のことを じっと見ていた。

美那が美優のことをずっと見ているのだった。俺は、そんな二人の視線を気にしながらも この村に来てから毎日 この世界で手にした 新しい能力を確かめるために この村の外に出かけて 色々と実験をしては試しているのだが、今のところは成果らしい成果が得られず。俺達は暇を持て余すことになった。俺の能力は 基本的に自分以外の人には効果がないので。一人でこの世界に存在している魔物を狩ってもあまり 有益なアイテムは得られないし。そもそも。そんな魔物がいるのかどうかさえも疑わしい。そんな時だった。俺にこの世界で手に入れた能力が 《固有職》と呼ばれるモノのようで。俺と美那の職業欄は、 この世界で手に入った力の影響で 《勇者勇者LV.MAX》と表示されているのである。そして《聖魔法》の熟練度も上がっていて 花音や花恋と同じレベルまで上がろうとしていたのである。俺は そんな花音に頼み事をしてみた。すると花音はその願いを聞いてくれて。俺はその言葉に感謝の気持ちを込めて花音の唇に触れると、その言葉を聞いた彼女は嬉しそうに俺を見ていたのである。そして俺は、美優と美那を連れて、美那と美優の2人に 俺の能力の使い方を教えると。彼女達もそれで納得してくれたみたいだった。俺が美那と美優に対して《念話》を使い 花音と美琴に対して それぞれ《テレパシー》を使うように指示を出すと 俺達4人全員が、お互いに話せる状態になることに成功したのだ。そんなこんなをしている内に 俺は 美優に対して《鑑定眼》を使ってみると、なんと彼女の種族の《ステータス》を見ることが出来てしまったのである。そのことで俺は 美沙が《魔王》で。美紗が《女神》だということが分かった。そして美沙と美月に関しては、お互いの正体を知っているということも分かった。俺が、美那のことを調べるときに 一緒に調べていたみたいで。それで分かることができたみたいである。そんな時に 俺は、美那から 俺達が手に入れた力の使い道についてのアドバイスを受けたのである。それは、 《固有職のスキルリスト》から取得することが出来きる技を覚えるというもので それをすれば、今以上に この世界で生きることに役に立つだろうと教えてもらったのである。そして俺は そのことについては素直に聞き入れることにして、美那からもらった この世界で使用するためのお金を手に入れるため。俺達は冒険者登録を済ませると。早速。冒険者に成りたてでランクがEランクである俺と花音がクエストボードを見てみるが、そこに張り出されている紙は、あまりにも簡単な仕事ばかりで しかも 依頼内容がほとんど同じで その依頼内容が本当に正しいことを確認できる手段はないのであった。それならば。と思い 美桜にそのことを確認すると。美那から受け取った この世界で生活するのに必要な最低限度の金額は貰っているらしく。それ以上欲しい場合は 自分の手で稼ぐしかないのがこの異世界での冒険者生活のようだ。俺は とりあえず自分の力を把握する意味も兼ねて 俺は自分の能力を《職業変更施設》に登録するために その場所へと向かうことにした。しかし俺はこの時はまだ知るよしもなかった。俺達の力が強大過ぎて 他の人の手に渡せば どんなことになるのかということを。そして俺達5人が、これから先も生きていくためには。力を抑える必要があるということを知ることとなる。

「ねぇ。隼人君」と美樹ちゃんが、そう言ってきたのは。俺と美那、花恋と美月、そして 美琴と美沙の5人で 村から離れた場所へと足を運んでいた時のことだった。「ん? どうしたの?」と俺はそう答えると、美樹ちゃんは、「えっとね。私は、みんなと違って《聖属性》を持っていないの」とそう言いながら、その表情はどこか悲しそうに見える。

美樹の言葉を聞きながらも、美那は美樹が《勇者》ではないと知っても。それを特別視するわけでもなく、「大丈夫だよ。美樹は私の妹だし。それに 私達って 元々この世界にいたわけではないから 別に そのことが 関係しているとか。そんなことは 無いと思うよ」と美那が言うと、その言葉を聞いた美樹は、どこか安心をしたかのように。俺達に その顔を見せることはなかったけど。それでも美樹が俺達と仲良くなりたいという気持ちが。心から感じられたのだった。それから 俺達は、俺が見つけた洞窟の中にある村に足を運ぶことになるのだが、そこは 今までに 俺達が見たことがないような場所だったので 俺達はかなり興奮をしていたのである。それから俺達は、村長から俺達が異世界から召喚された人間であることを教えてもらい。村長が俺達にくれた この世界の通貨の価値を教えてもらえると同時に、俺達が持っていた あのモンスターたちのドロップアイテムについて説明を聞くことになったのだった。それからしばらくして。村長から 俺達が倒した魔物達の素材を売っている商人のところへ行こうと言われた俺は、俺達は村長と共に村を後にして 商人が住んでいる町へと向かうことになる。

俺がこの世界で初めて訪れた街の名前は【トコトン村】と言う名らしい。そこで俺は まず。村長から この町に居る《鑑定士》と呼ばれている その町の商人の中でトップの人を訪ねろと言われ まずは俺がその《鑑定士》に会うことにすると。俺が《転移》を使い その人の元に 《瞬間移動》で移動すると。そこで待っていたのは 一人の老人で、彼は 【マシロ】と名乗る女性に会わせてくれると言って 俺のことを案内してくれたのだった。

俺がマシロさんから 渡されたのは。この世界で流通しているお金の種類と、 その価値と、 俺達の世界で使われている貨幣がこの世界で使用できるかどうかを 確かめて欲しい。ということで その作業を行うために マシロさんの家に招かれることになった。ちなみに。俺と美沙と花音の三人で この世界にやって来て すぐに行ったギルドでは、俺は【E】の花蓮は【F】の称号で、美沙は【G】のままだった。ちなみに 美桜と美優が持っている【SS】の【固有職】と、花音の持つ【S】の《聖剣エクスカリバー》のおかげで。美桜は【A】。美優は【B】。美琴と美月は【C】になっていた。ちなみに花音も美那と同じく 美桜と美優の二人とは兄妹だということもあり、姉妹であるからか2人とも同じ《勇者》になっている。俺の場合は。この《勇者LV.MAX》というのが、どういう意味を持っているのか、俺にはいまいち分からないが。それでも花音たちのように、この《勇者》の職業を2人も持っていれば おそらくこの世界でもそれなりに有名になれるのではないかと。そんなことを考えながら、俺は その町に辿り着くまでの道中に マシロさんの家でお茶を飲むことになったのだが、そこで俺は 衝撃を受けるような出来事に遭遇することになる。その話をしようと思ったら。その前に。俺は自分の目の前にいる、白衣のような衣装に身を包んでいる女性が、その服装のせいで まるでお医者さんに見えてしまったのだ。だから俺は彼女に 俺を治療してくれているのかどうかを聞いてみた。そして返ってくる答えは俺の予想を遥かに超える結果になった。なんと この世界に存在している全ての病気を治すことが出来る《万能治癒魔法師》だと自称し始めて、そんなことを口にする彼女は。とてもじゃないが。そんな簡単に信じることはできないのである。でも俺は彼女の言葉を 疑うことなく。彼女の話を受け入れることに決めたのである。そしてそんな俺に彼女は、この世界に来てからの症状について詳しく聞きたいから。と言って 俺の体を色々と触っていたのだが。彼女が《解析鑑定》の魔法を使った時に、俺はあることに気がついたのである。俺の体は、もう既に。その呪いから解放されたのである。そして その言葉を聞いて 驚いた様子を見せていた彼女だが、俺は 自分が元勇者だったこと。俺以外の3人が 俺と同じようにこの世界に来たということを知った。

俺と花音と美沙は、俺のスキルリストを眺めてはいたものの、俺以外の職業やレベルに関してはあまり関心を向けずにいたのだ。だって俺がレベル99の最強で、このスキルリストにある能力を全て手に入れれば。この世界において負けない。

美優と美桜の二人は、魔王としての能力と 勇者としての能力が融合しており。美琴の方は 《魔王の娘》であり。美那と美月は《神族》と呼ばれる存在であるため。美那に関しては、その種族自体が 神様であるから この世界においても 俺の知らない未知の存在であるため、何が弱点なのかさえ分からなかったし、それに 俺よりも遥か上の領域で生きているような存在のため、そもそも 俺なんかが戦える相手じゃあ無いと改めて思ったほどである。それに美月に関しても、美那と同じでこの世界の神々の一人なため。俺にとっては戦うことすらできないだろう。そう考えると 俺が一番戦いやすい相手が 花音が持っている聖剣なのだ。花音が使っている聖剣は、花音が《女神》であること。そして俺が持つこの聖剣が、花音のために俺が生み出した 花音専用の武器であるということもあって。花音なら俺と対等に渡り合えるはずだと、俺は勝手にそう思っているのである。

俺が花音にそんな考えを伝えた時。そのことについて美那からアドバイスを受けていて、それを 花音に教えると、そのアドバイス通りに動いてくれて俺は嬉しかったけど。それで花音のレベルが1になって、そのせいでステータス値が下がってしまったが、そればかりは どうすることも出来なかった。

「さぁ着いたぞ。お前がこれから会いに行く商人はこの店の主で、この世界で 一番優秀な《錬金術師》だ」

《マシロ》と名乗ったその女性は そう言い残して。俺のことを置いて行ってしまうために 仕方なく。俺一人で行くことにする。店の中には数人の男女がおり、その中には 俺達の姿を見ても 驚かないようにしている人物もいた。きっとこの村の人たちから信頼を得ているからこその態度だろうと、そう考えた俺だったのだが。

俺の姿を確認すると いきなり 俺のことを見下したかのような目をしてきた男を見て。こいつは間違いなく 商人としての格が違うと感じてしまうほどだった。その男は俺に対して。こう言い放ったのである。

「いらっしゃーせー!! 今日は何を買いに来ましたか? 薬ですか? 武具類ですかね? このトコトン町では 様々なものを取り揃えております。貴方が求めていそうな商品もあるでしょう」と、そんなことを言うものだから。

そんな彼に向けて俺は、「この世界に来るまでに倒した魔物たちがドロップしていた物を売る。だから買い取ってくれ」と言うと、その男は「わかりました。早速見せてください」と言ってきたので、俺はアイテムBOXの中にしまっていたモンスターたちをその商人に売ることにして、そのアイテムを取り出した。その数は数百体にも及んだのだが、このアイテムは俺が所持していないアイテムだったので 俺のアイテムBOXの中から出したように見せかけていたのだった。

その男が俺から買い取ったのは。この村でしか採れない特産品が詰まった【魔導石】だったのだが。鑑定士の彼は俺が取り出してくる品を一つ一つ見て回っていたが、そんなことをしていても。彼は全く表情を変えることがなかった。それは彼が優秀だからこそ、出来る技なのかもしれないが。それでも こんな俺の話を真剣に聞くなんて。やっぱり凄い商人なんだなと思ってしまうのである。

そんな彼は、俺に買い取りを断られたら他の場所へと行ってしまってもおかしくはない状況なのに、この俺から買った【魔道石】はどれも一級品のもので、この店の品々の中でも上位の品になるのだから、この場で売らずとも 後で売り捌くことができると考えて、この村での売買で【魔導石】を売り始めた商人の男だが。俺はそんなことは全く関係なく、彼に【E】の称号を渡そうとしたのだが。そんなことは彼は知るよしもなかったのだが、彼は 自分の持つ《固有職》を、俺に明かしてくれた。その彼の称号の名前は。

〈鑑定士〉であるのだが。その効果を説明された時には、流石の俺でも。これは絶対に 何かしらの力を持っていると確信して 彼に頼み込んだのだ。この《魔眼使い》を《鑑定眼》で調べてほしいと頼むと、彼は嫌がる素振りを見せることなく、俺に【E】の称号を譲渡してくれたので、俺は その礼として 【D】の称号を渡したら、かなり喜んでくれたので。本当によかったと思う。この世界での初めての出会いで、俺は 【C】の【錬金術師】の称号を持つ青年と出会うことが出来たのであった。

俺は今 マシロという商人の店で 薬草などの薬品を買うついでのつもりで《錬金道具》をいくつか購入し。俺は【C】の《鑑定士》の彼と別れてから 美桜たちと合流して。俺達は村長の家に向かった。

俺達が到着すると すぐに俺達は歓迎される雰囲気になっていて。そんな村長に俺はこの世界のことを教えて欲しいと頼んでみた。そしたら彼は俺達に。この世界を冒険して欲しいと言われた。この世界では【魔王軍】と呼ばれる者達によって支配されていて、俺達勇者と【魔将達】との戦いが始まっていて、俺は 魔王軍を裏で操っている【悪魔王サタン=バエル】を倒すための【聖魔大戦】に巻き込まれているということだった。ちなみに【聖魔】とは、【神族】が作りだしたとされる、神界の神々のことで、この世界にやって来て間もない俺達にとっては。この世界で生まれ育った住人の方が、知識が上であるため、その人達から話を聞く方がいいだろうと言われ。美優と美月は俺と一緒にいるということもあって。美優と美月は、マシロさんから話を聞いた後に、俺と一緒にいることを選んだのである。

そんなわけで 俺は 美優と美月を連れて。花音と美那と美那に この世界に来てからのことや。元の世界にいた時に経験したことなどを説明しながら 一緒に歩いていると、いつの間にか 村の入口にまで辿り着いた。

「じゃあ ここで 私はお別れだからね。私もこの先に向かってみるから、じゃあね!」と言って、彼女は どこかへ歩いて行ってしまった。それから俺達は。美桜が持っていたスキルを使いこなす練習をしたりしながら 美那と共に 魔王軍の根城があると言われる《アガルタ》と呼ばれる国に向かうことになるのである。美優と美那と花音と俺の4人で《転移門》を使用して《アガルタ》へと向かうことになった。俺達は まず最初に、アグラレスの街と呼ばれる場所に転移することになった。その街から少し離れたところに 魔王軍の基地が存在するらしく。その魔王軍に捕まっている人を助け出したいという依頼が この村に来たためだ。その助け出すべき対象の人間は。《鑑定》で見ると。この世界の人間であることが確認できたのである。

「あのさぁ、なんでこんな所に僕たちは連れ出されたの?」という疑問をぶつけてきた美那は俺に対して質問をしてきた。確かに美那の言う通り、こんな所に来て どうするんだよ!って感じだよね?と心の中でツッコミを入れた俺だったけど。とりあえず俺は この世界に来たばかりの頃の話や、元の世界に戻ってきてからのことを 俺と花音と美桜の三人で、この世界の人に話すことに決めたのである。そして、俺達の身の上の話を聞いて

「そうだったんだ。でも、君が僕の主でよかったよ。僕は 魔王様に使える騎士なんだ」と言った美那の言葉に、花音が美那に対して。「魔王に使えている騎士? もしかして、貴女が 美那なの!? 」と、花音がそう言って、美桜と美優が 二人して 驚くのと同時に 俺の後ろから花音に近づいてくる美那の姿を見ていた俺。花音は 花音の背後から 突然美那に抱きつかれて。困惑した様子を見せていた。

そんな光景を見ていて 俺は、俺の傍に美沙がいないことが気になったのである。だって、今までずっと美沙と一緒に過ごしていた時間があったのに、その時間を全部、花音と過ごしてしまっているから、少し寂しく思っていたのだ。それに、もし仮に、美那が美紗なら、なぜこの場にいないのかと、そんなことも考えて。花音に、俺と美那の関係についてを 俺の口から語ることになる。

「実は、この美那ちゃんは。美那じゃないみたいなんだけど。どういうことかは 美沙にしかわからないみたいだけど。俺のことを、自分の主にしたいっていうのは、俺の知っている限り 俺が《固有スキル》を持っていた時くらいだから、おそらく。美菜か美紗の可能性があるんだ」と言って、俺は その件に関しては黙り込む。すると そんな俺の話の真相を知っている美桜は。そのことについて語り出した。そういえば、俺には《全知なる導き手》とかいうチートな力があったことを思い出させてもらって、改めてこの力が凄いものだと思ってしまう俺。この世界の住人である、花音と美那にそのことについて 教えるのが筋だと思い。そのことから 俺が説明することにしたのである。

俺がそのことについて 美桜の《特殊職》について説明するのを隣で聞いているだけだったので。俺が何を説明しているのか分からなかっただろうと思うが。

簡単に言えば。美紅姉が使っていた、ステータス値を強制的に下げるというスキルの力を。俺は受け継いでしまったようなのだが。それで俺は【E】の職業が 【D】の称号に変わったことで。俺はこの世界で生きていくことができるようになったという。その話から俺の【E】の称号についてと、この世界の【称号】と【固有職】と【固有職】に、この【固有能力】というものを俺なりの解釈と俺が得た知識を交えて この世界に居る全員に伝えた。

「そうなんですか? なんか 信じられないですが。あなたは本当に その世界からこの世界に来たばかりなのに 【D】の称号を得たということですね? しかもこの村では手に入らない貴重な薬などを売ったお金を 全てこの村に渡してくれた上に、私のことを助けてくれただけでなく、私の大事な妹のことも救ってくれたということですから、これは感謝してもしきれない恩ができました。なので、私ができることがあれば、協力させてください。それと 私のことは、マシロとお呼びください。よろしくお願いします」と言って。彼は握手を求めて来たので 俺はその握られた手を握った。その後 彼は俺のことを信用してくれて。俺のことを美那と美桜と同じように。《勇者》と紹介してくれたのであった。

俺は マシロと別れた後に。俺とマシロは別れることになったので、マシロはこの世界の住民として生活することになるが。俺はマシロに別れを告げた後 俺とマシロとのやり取りを聞いていた花音達と一緒にこの世界の冒険を始めようとするのであった。マシロが言うには、魔王軍は 村人たちの生活を苦しめていただけではなく、魔王軍に従わなければこの村の人々を皆殺しにするという、非道なことも行っていたそうだ。そんな話を耳にしている中で、俺は 美桜と一緒に《聖剣エクスカリバーII》という《魔装武具》を装備した状態で、俺達は村の中を歩き始めたのである。まずは美沙が囚われているという場所を目指すことにした。その場所へ向かうと、その道中にある、村の店では【C】以上の《錬金術師》が使うような薬品が大量に並んでおり、この世界の人が扱うことのできるレベルの物ではなかった。それからその店の店員と思われる男性と話してみると。彼が、この国のお姫様の専属錬金術師で、この店で売られているものは全て、彼の作るものなのだということが判明したのである。俺は その彼に対して、美沙を救い出すのに協力してもらえないか?と頼み込み。快く了承してくれた彼と、これからどうするかを 話し合いながら歩くことにして、その道中で、この村の人々の悩みを聞いたり 困っていることを解決していったりしたのであった。

「あのね。私は《錬金術》の使い手で、【A】の称号を持っているんだけど。私の《錬金術》の力は、あくまでも、この村の人々を救うために使っているものだからね? でもね。最近ね。私は魔王軍から狙われるようになったんだけど。私は魔王軍なんて大嫌いだ。あんな連中のせいで苦しんでいる人達がこの世にいるんだからね!だから、あいつらに、この村の人を襲うなって伝えて欲しい」と言われてしまったのである。俺は 美那がこの村を襲った時に マシロから預かったアイテムを使って。マコトの作ったこの村の地図に記された場所に向かったのである。

そこはこのアガルタと呼ばれる国が統治している領土の中で一番小さな国があると言われている。そんな国の中で、このアガルタ王国を統べる王女は この国に暮らす者達のために。この国の者達を奴隷として扱うような国王の命令に逆らい続け、国を守るために この王国の民と、国に仕えている者達を守ろうとしていたのだということを知ったのである。そんな話を聞いた俺は、彼女の気持ちに応えようと決めたのである。そして そんな俺に付いてきた花音と美桜も。美那を救うことを決意していたのである。そして、美沙がいるとされている建物に到着したのであるが。建物の入口で警備をしている魔王軍の兵士が、この建物の中には入れないと言う。しかし 俺は、この建物の扉の先に何があるのかを知りたいと思い、その建物に張られている強固な結界を破壊することにした。そうすれば中に入れるはずだと思ったからだ。

俺が美沙を救出するためには どうしてもこの建物の内部に入らなければならない。俺は美沙を助け出してこの世界の美沙の元に連れて帰りたいと強く思ってしまったのだ。そのため俺は全力で建物を壊そうと攻撃魔法を放つのだが。この建物が破壊されることはない。俺が全力で攻撃したからといっても、この建物が傷一つ付かないとは思ってはいなかったのだけど、それでも 破壊することはできなかったのだ。そのことで俺はこの世界の強さのレベルを垣間見ることになって驚いてしまう。そうして俺はこの建物をどうにかしようと必死になっていた時だった。俺の後ろから声をかけてきた人物がいたのである。それは この建物の中に囚われていて、美優や美那の救出を依頼してきた美那の母親である美那子さんだった。彼女は美那の母だけあって美人だった。美桜は彼女に対して敵意を剥き出しにしている様子だったけど、美那が 美那子さんのことが大好きだったのだから仕方ないだろう。それから、この世界にも魔王軍がいることは間違いないと判明したところで、俺が美那のことが心配で 俺達がこの場を離れても大丈夫なのかと 俺と花音が二人で この場から離れようとしたところ。花音が 美那がどこに居るのか分からないのだからと 花音が美那を探しに行くと言い出したのだ。それについては美桜と美那と美那子の四人で行動した方が安全なんじゃないかと思って 花音を説得することにしたのである。

花音が美那のことを探していた間に。俺と美那と花音の三人は、美那の捕らわれている建物の一階にいたのである。俺がこの施設から美那を連れ出すことができれば それで終わりなんだけど。それができないから、美那のいる部屋までの通路を確保してから連れ出さなければならないだろうなと考えていたのである。

俺は花音と美那と一緒にその建物の中から、美那が閉じ込められていた部屋の扉を破壊して美那を外に出そうとしたのだ。すると、そこに現れた魔王軍の幹部の一人だという。《魔術師》の格好をした男が現れたのである。その《魔術剣士》という 珍しい名前の男は俺のことを知っていたらしく。「貴様か?俺の妹を助け出そうとしてくれた愚か者は?」と言って、この俺と戦おうとするが。この美那の部屋に入ってきた俺に この美那子が攻撃を仕掛けてきていたので その攻撃をガードしなければならなかった俺はその男と戦闘を行うことはなかった。そしてその男が「妹は、私が助けます。なので、あなた達は、自分の目的を果たしなさい」と言ってくれたのである。その発言を聞いて 美那子と美桜をこの場から離すことに成功した美那の母は、俺と、この建物にやって来た《勇者パーティ》の仲間達と共にこの場から立ち去ったのである。

俺達は この施設の二階から上に向かって 階段を見つけては、そこの上の階へと向かって行った。その途中に俺と花音は その階の探索をすることにしたのである。その階は まるで研究所のような作りになっていて、そこで行われている研究を目にした。

そこには この世界の人々には 決して扱えないレベルの《上級錬金》や、レベル40前後の 《錬金術師》が作ったようなポーション類が、棚に置かれているという状態なのだ。それらの光景を見た花音は怒りの感情を抑えることができないようだったので、俺はそんな花音の怒りを抑え込もうとしたのである。そうして花音が落ち着くまで俺は そのフロアの探索を続けることになったのである。そうして俺はあることに気づく。俺と、この異世界で出会ったばかりの仲間達だけで、魔王軍に捕らえられている人々を助けることができるのか不安を感じ始めたのであった。俺は 花音と、美桜と美菜に 俺についてきてくれないかとお願いすることにして、このフロアにいる敵を全て倒してもらうようにと頼んだのである。美桜と美那の二人は、花音と同じく《聖魔》の称号を 花音と同様に所持している存在であり。この世界に召喚された時から既に《固有職》と、《固有能力》を所持していたらしいので 《固有職》の力を使うことによって この世界で手に入れた《称号》の効果を発動させることができていたのであった。その二人のおかげで俺達の戦力は一気に上昇することになり、その強化された状態で 俺達一行は魔王軍の幹部が待ち構える三階に辿り着くのであった。

この魔王軍には このアガルタと呼ばれる国に君臨するために この国の人々を支配するために魔王軍が存在しているようだ。そのためこのアガルタの人々は 日々苦しめられていたようで。俺がこの国に来た時も 魔王軍は人々を奴隷のように扱っていた。そのことに腹を立てている花恋が 魔王軍を許せないという強い意志を抱いていることは知っているが さすがに俺一人では、この世界の人々が暮らす国の中だけでも、全ての人々を救えるとは到底思えなかった。だから俺は アガルタの国だけではなく。他の国にまで赴いて俺のできる範囲で、その世界の人々に手を差し伸べることにしたのである。そんなことを考えていると 俺の後ろから気配がしたのに気づいて振り向くと 俺の肩に乗っていた美羽が いつの間にかいなくなっていた。俺は美羽がどこに行ったのかと思い、周りを見渡すのだが。そんな時 俺は背後からの殺気を感じ取り、咄嵯に前に出て剣でその攻撃を受け止めたのである。

俺がその攻撃を防ぎ切ると、目の前にいた人物は俺の目の前で剣を構えながら立っていたので、俺はその人の姿をよく確認することができた。その姿は 黒いマントに身を包み込んだ黒髪の女性の姿だった。その女性に対して俺が警戒心を強める中。美羽は嬉しそうな声でその女のことを「ママ!会いたかった!」と言って抱きついていたのだ。それを聞いた俺は、この女性のことを警戒しながらも どうしてこの女性は、俺に対して攻撃を仕掛けたのかと聞くと。どうやら この女性は自分の母親だと判明したのである。この世界の俺の母さんが、魔王軍に囚われているという話は聞いていなかったが。俺は念のため、その女の正体を確認することにしたのであった。

俺がこのアガルタ王国の国を統治するアガルタ王から聞いた話によると、この世界には魔王と呼ばれる 強大な力を有した怪物が存在していて、そいつのせいで 俺の父さんは命を落としたという話だ。そして、アガルタ王は 父さんの死の原因となったのが この国を支配しようとしている このアガルタ王国に暮らす人達を苦しめるために存在している魔王軍の人間であると言うことも アガルタ王に聞いていたのだ。そんな時に俺の前に現れたのは この国の姫と、その妹である 花音にそっくりな容姿をしている少女である美優とその友達である美桜、そしてこの世界の美沙と俺の世界で一緒に暮らしていた美沙だったのである。その五人は 俺のことが心配になって様子を見に来ていたのだということを俺は知ったのだった。

それから この建物の中に閉じ込められていた俺と、俺の仲間たちの目の前に姿を現してくれたのが この世界では俺の母であるはずの人物で 俺の母さんの名前は 美沙というらしいのだ。俺は 俺の母さんの姿を見て驚いてしまったのである。なぜなら 俺の母さんの姿が、俺がよく知る美沙の容姿と瓜二つだったからだ。俺は俺の母さんの本当の名前や この世界に母さんがいるという事実を知り、この世界に存在する魔王軍の連中に対する憎悪を強く抱いた。

しかし、その前に俺はこの建物の中に侵入してきた もう一人の魔王軍の人間のほうに注意を払うべきだと思い 俺はその男と向き合ったのだ。すると その男の持っている剣の力が かなりのものだと察する。その男は 俺を見て不敵に微笑む。その笑みを浮かべている姿から、この男がただの魔物ではなく、それなりの強さを有していることが分かる。

その男の表情を見た俺も同じように微笑んでみせると、その俺の反応を見たその男は再び笑い出した。俺のことを強者と認識したらしく。俺と戦うことを決めたらしく。その男は、この世界に現れた魔王の《ジョブ》に目覚めた存在らしく。俺は 俺のことを「お主は何のためにここにいる?」と問いかけてくる。その男と戦闘になるのを避けたいと俺が思っていた時だった。俺の後ろにいた花音が俺の前に出た。その花音の手には大きな槍を持っていたのだ。花音は、この建物にやって来た時から 俺に対して何かしらの疑念を抱いていたらしく、その理由については、花音が俺に対して向けている感情が関係していたらしいのだ。花音が俺に疑いを持っていると知り。その花音の行動を止めるために、花音を抱きしめると 花音は俺のことを抱き返してきて、自分の感情を吐露してくれたのである。花音の言葉を聞いた俺は 俺のことを信じて欲しいと思って、この魔王軍の存在を知った時からずっと隠し通そうと決めていたことを話すことに決めた。そうすると、花音と、美樹は驚いた顔をしていて。俺は花音達が納得してくれるまでは、花音達に俺が異世界から来た存在であるということを黙っていようと決めた。俺は美那と、花音達には嘘をつけないので、真実を告げるしかなかった。

「俺はお前と同じ異世界の人間だ。異世界に転移して、この世界に来て、魔王軍の幹部に命を狙われている美那を守るために旅をしていたんだ」と。

花音は、俺が言ったことを疑うことをせずに受け入れて。花音に俺の秘密を打ち明けることができたのであった。その俺と花音との出来事が終わったあとに この建物に侵入した魔王軍の一人の男が 再び俺と対峙することになるのだが。俺と、俺の仲間達と、美那を攫った魔王軍の人間が戦い始めたのである。俺は、花音と美優と美桜と美沙を守りながら この世界で知り合ったばかりの仲間達と共に この建物に忍び込んできたという魔王軍の人間に反撃を開始したのであった。そうして俺達はこの建物に潜入してきた敵の全てを倒した。そうしているうちに、美那と美桜と美沙と美樹の母親である花音のお母さんが現れたので。俺は花音と美沙と一緒に 花音のお姉ちゃんだという花蓮と 美那のお父さんが経営している《喫茶ふわっち》の店に向かうことにしたのである。花蓮がこのアガルタ王国の国にいるということを知っている美那は 俺の背中に隠れるようにしながら俺の後をついて来てくれるのであった。

俺達は、花音と俺の仲間である美那が 美香叔母さんの経営している喫茶店である 美香叔母さんが経営する《美和亭》に向かったのである。

その道中。俺は 魔王軍が俺の両親を手にかけたという情報を思い出して この世界を救わなければならない使命感が強く湧いてきてしまったのだ。だから、魔王軍の連中に対して怒りを顕にしている花音と、この世界の俺の家族に会えて嬉しいと喜んでくれている美沙を俺は見つめていたのである。そんな俺の様子に気づいたのか。俺の隣を歩いていた美樹が 心配そうな顔をしながら話しかけてきてくれた。そんな時、俺は美羽がこの世界の俺の妹で、俺に助けを求めに来た美羽の気持ちを思うと どうにかしなければという思いを抱くようになったのであった。そうこうしているうちに、俺達は目的地である美香叔母さんが営んでいる《美和亭》に着くのであった。

俺は店の扉を開くとそこには この世界にやって来てから俺の支えになってくれた。美波や真琴先生。それと美香先生の姿があり。このアガルタ王国の国の住人ではないのだが、このアガルタ王国の国に住んでいる人のように この店で接客業を手伝っている。

俺と、俺の仲間が 《魔族固有職》の《ゴブリンナイト》という魔王軍の幹部が待ち受けている場所までやってきたのだ。俺が今、相手にしているのが その幹部のうちの一人で、俺に因縁のある相手である。

そして、その相手が 俺のことを「なぜ貴様はあの方の力を受け継いだまま生きている?私は貴様に、あの方を殺した罪を償わせるためだけに 今日まで生き続けてきたというのに。その役目を果たすことができないのか!」と、叫びながら斬りかかってきたので。俺も、俺自身の意思を貫くためには。

花音達のことをこの世界の俺に託された責任もある。俺は魔王軍を倒さなければならないのだ。だから俺は、この世界の魔王軍の連中に恨みを持っている花音に、俺と美沙の命を預けるのだった。

俺が剣を振り上げると。《魔王剣》に魔力を込めていき。その刀身に俺の《魔力波動》を乗せて、その刃を放つ技で俺は目の前にいる魔王の幹部に攻撃をした。すると、俺の攻撃は見事にヒットするのだった。

そう言って、俺は《魔力波動》の力をその剣に乗せた攻撃を放ち続けた。しかし。俺の一撃は魔王軍の幹部の男には効かなかったようで。その男の持っている剣の力は相当強いものだったのだ。俺の《魔王剣》は その魔王軍の剣により、砕け散ってしまうのであった。それを見た魔王軍の男は不敵な笑みを浮かべている。俺はその男から一旦距離を置こうとすると 美紗は、美羽が身につけている装備を一式借りることにしたようだ。そして、俺が使っている《固有スキル》と同じ 〈勇者の加護〉を使い始めたのである。俺はその光景を見て驚愕する。まさか、俺以外の人間が《勇者の証》を使って俺と同じように戦えるようになるなどとは思いもしなかったからだ。美羽のその姿を見た美沙も、美沙の持つ固有職業の《聖騎士》で、美沙も美沙の持つ加護である《勇者の証》を発動させて 魔王軍の一員と戦っている美沙と美紗の姿を俺は見つめていた。

俺達が戦闘を繰り広げているところに、美香叔母さんが美羽を連れて現れる。

「あなた達、何やっているのよ!?美沙はもう私の娘でもあるし、蓮ちゃんが この世界を救う為に旅をしてくれていることも知ってはいたけど。魔王軍の幹を倒してしまうほどまでに 強くなっていたのね。それに、蓮君、さっきは私の可愛い姪っ子をありがとう」と、美香は俺に向かってそう言うと、俺に対して笑顔を見せてくるのであった。美羽は 自分が持っている固有職業の聖女の加護と女神の加護の二つの力で魔王軍の人間に攻撃を仕掛けたのだ。そうして魔王軍の男は美沙が発動させた《勇聖の剣姫の剣姫》の力で、魔王軍の一人である その男の持っていた強力な力を持つ武器は破壊されてしまうのである。その男は自分の力が通じなかった事に驚くのである。俺はその男の持っている この魔王軍の男にとって代わるために、この男を倒して この男が持つ能力の力を吸収すればいいのではないかと考えるようになり、この男の持っている能力の力が欲しかったのだ。俺は 自分の中に流れるこの男の血に問いかけて、この男の持つ 俺の父さんの能力をコピーしようと試みると俺はその行動に成功してしまい。

自分のステータス画面にある。その男のもつ《ゴブリンキング》の能力を確認する。その能力は 俺の母さんの《ゴブリンエンペラーロード》と同等の能力を持っていた。それを確認できた俺だったが。俺の意識はこの世界の俺の記憶も引き継いでいた。そのせいか、俺の体の支配権は この魔王軍の男が手にしている魔王軍のボスである存在の魔王に操られてしまっているのだと気付いたのだ。この魔王軍の男に、この魔王の配下の者に憑依しているであろう。

魔王が、俺に自分と、俺に敵対する人間達への復讐のために 魔王軍の人間達の体に宿っていたというのだ。その話を聞いた俺と美沙は衝撃を受ける。この男は魔王の命令で俺を殺そうとしてきただけの存在であり。俺は、そんな魔王の命令に従っただけのこの男性を助けたいと思ってしまうのだ。そうすると、魔王軍はこの国の人間達が俺と、美沙が異世界からの転移者であることを知ってしまい。俺は、このアガルタ王国での俺の居場所を失うことになったのである。そんな俺が絶望しているところを 美波が助けに来てくれたのである。

俺は、俺に襲い掛かってくる美羽と美香叔母さん。それと美樹を庇いながら、美羽と美樹が、魔王軍との戦いで消耗してしまったために 美香叔母さんが作った薬を美沙と二人で美樹と美羽と美優のお母さんである。この世界の花蓮おばさんと美桜と美沙に飲ませる。そして俺達は、この魔王軍に乗っ取られている男性の肉体を破壊して、魔王軍の人間達に体を返し、この国を守るために、この男性に憑依している魔王を倒すことにしたのだ。俺は、美羽と美香叔母さんと一緒に この世界にやってきて初めて俺のことを好きだと言ってくれた美沙を守りながら。魔王軍の一員と戦う。美香は この世界の美紗と共に、この店の中で 店にやって来るお客様の対応をしているのであった。俺はそんな美香の様子を見ながら 俺と、この世界で一緒に暮らしてきた美樹を庇う美羽。美香叔母さんと美沙と、俺と、美樹を守りながら この魔王軍の力に乗っ取られたという男の攻撃を防いでいたのだ。俺が魔王の配下だという男の動きを牽制するように攻撃をしていくが。俺が魔王の配下である その男の相手をしている間に 美沙が魔王の力を吸収してしまった。その美沙の姿を見て俺は焦りを感じるが。

「お兄ちゃん、大丈夫だよ。私は、この魔王の力を持っている人間の力を完全に抑え込むことに成功したよ。今ならまだ魔王の力を持っていても この人に悪い影響が及ばないようにできるから。だから、お姉ちゃんと、花音さんと一緒にこの人を止めて」と美羽は そう言うと、美羽の加護である《勇者の加護》のもう一つの力。《聖女の聖衣の剣》で魔王の力を持ったままのこの男の魂に止めをさすことに成功するのであった。俺はそんな美羽の様子を見ると。安心感を覚えながらも、美紗と美沙が魔王軍の人間を倒したことで 自分達がこのアガルタ王国の国の住人ではないということを知られてしまったために、これから俺と花音はどうなるのかを考えてしまっていた。

俺が美羽達と会話している時、この店の厨房では、美樹が、魔王軍の一員に体を操られている状態のこの男性が口に含んだ料理に美香と美樹と美樹が 美紗が作り出すことができるポーションを飲ませたのである。俺はその様子を見て、俺と美樹は俺の世界の魔王軍の奴らに殺されかけ。そして、この世界に連れてこられたことを思い出してしまい 怒りを顕にしていた。この世界に来る前に この魔王軍の人間に命を救われた俺は。この男の命を救うためには魔王軍の手先であるこの魔王軍の人間の力を借りるしかなかったのだ。しかし。美羽達には美羽達なりの考えがあって俺を助けようとしてくれたのだと思うと、この世界の魔王の配下の人間とはいえ。感謝せずにはいられなかったのである。

そうして、美香と、美紗と、美沙と美樹と俺で。魔王軍の一員となった美樹と美沙によって魔王軍の一員となってしまったこの男の人の体の制御権を奪うことに成功するのだった。そうすると、この魔王軍の一人だった男は。美羽達に対して謝罪をする。そして 美沙に、「美鈴様と、美波様、美羽様と美貴様。それから、真央様と真紀様と真美様をよろしくお願いします」と言い残してこの世を去ったのである。

美羽達三人は この男の人の死を看取るために その亡骸の側に寄り添っている。俺はその美羽達を見ていると。俺はこの世界の美羽と美羽達が仲良くなっていく様子を知っている俺は。

この世界の美羽が、美羽の両親に愛されながら 成長していく様子を見ていた俺は この美羽達の幸せな様子が見れるだけで嬉しかった。

「ありがとうございます。あなたが、この男の人を救ってあげなければ、私達の家族が悲しむところでした。それに私とこの美羽ちゃんは 蓮君に助けられました。あなたがこの男性を救うことができたのは蓮君のおかげです。蓮君がいなけれな。私と美羽ちゃんはあなた方のことを敵だと判断するしかなく。この人は死んでいたはずですから。ありがとうございました」と美香が俺の方に振り向いてそう言うと、続けて美紗も同じように お礼の言葉を言うのであった。

美沙は、美羽と美沙を見て思う。二人は似ている。でも。美羽も、そして美羽の母も父も美羽達に対して優しくしてくれるのは。二人が 美羽の両親に気に入られるように頑張っていたからである。それは、二人の両親の性格にあったのだ。二人とも穏やかな性格をしており、美紗も美羽も その性格を引き継いでいるのだから、優しい性格をしているのは当然のことである。美香はそんな二人を見て微笑み、

「美羽ちゃんは、美沙が思っている通りの性格だよね。私の妹にそっくり」と言うと、

「うん、そうだね。花音さんにとても似てる。この美羽は。美沙がいつも見ている花音さんの 姿そのものだもの。この人が、蓮君のお母さんだと聞いた時は。すごく納得できたよ。この人から蓮君に似た匂いを感じ取った時に この人の正体を知ったら、すぐに分かった。この人は、私の知っている人に似ていて、この人に良く似ていた男の子の母親である花音さんに似ていると思ったんだよ。それで私は美羽ちゃんと美羽のことが気になったんだ」美樹は、そう話すのであった。

俺の意識はこの世界でのこの体の男の体に宿っている。そのせいで、魔王軍の力を持っている俺に美樹は、 警戒心を抱いていたのだが。俺の体に宿っていた魔王は美沙と美香叔母さんと美沙の作り出した《薬草》と美沙が作ったポーションで消滅したので 美樹は、俺に敵対の感情を向けることはなくなり。こうして美樹は俺の体に入っている俺に、魔王の力を取り込んだ美紗が美羽と美紗達を連れて帰るのを待ってほしいと言ってきたのだ。美樹は俺に、美紗達のことを頼むと言うと、この場から離れてしまう。俺が、俺とこの世界で出会って、一緒に過ごしてきたこの世界にいる美羽と美羽達が幸せになるところを見たかった俺は、そんな美樹の行動に

「俺の目の前に俺が好きな女の子がいたんだから その子のことを気にしない訳ないじゃないかよ」

「もうしょうがない人ですね。私がいるのに浮気なんかして、でも嬉しいですよ。こんな私を選んでくれた蓮さんが」

そう言って俺を責めてくる美紗だったが。その表情には俺に対する嫌悪感はなかったのだった。

俺と美羽が美樹が魔王軍の力を手に入れた男の人に使ったという 美樹が作ったポーション。それを作った本人である美樹がいなくなってしまったために、この店に残っている人達の中にポーションを飲ませることができなかったので。俺と美羽が協力して、美沙が生み出した《回復ポーション(極上品)》という 美沙が作り出したポーションを飲むことで魔王軍の人間だった男は、元の人格を取り戻して この世界の花音の父親の元に戻って行く。花音の父親に俺が美羽達と旅に出た時の話や、花音が 魔王の力を持っていたことなど。俺が花音達と出会った時のことを説明したりしながら、俺は花音を自分の妻だと紹介するのだった。そして美沙は、この世界の美紗に魔王の力が憑依していたことを打ち明けて 魔王の力を吸収したことにより魔王軍が復活することはないと伝える。美羽と美羽は 美紗と美羽の両親がこの世界で生きているのが嬉しいのか。笑顔になっていた。俺もこの世界を平和にできて嬉しく思い、俺に笑みを浮かべているのであった。

俺達はアガルタ王国の花咲家と俺の実家がある街の近くにある森の中に戻ってきた。俺はこの世界で知り合ったこの世界での花蓮さんとこの世界での美紗と俺の体が入れ替わったことによってこの世界にやって来てしまい、魔王軍の人間になってしまったこの男と一緒にアガルタ王国に向かうのであった。

俺は美紗達三人と花蓮と俺の実のお父さんと花音のお母様と美音に花蓮は美紗達四人と花音達三人。それから俺に付いて来たいと強く言ってきた魔王軍の一員にされていた花蓮に魔王の力を持つ俺と魔王軍を殲滅した後に、 この世界で生きていくことを決めたこの男と一緒に、アガルタ王国の王都へと向かうことになったのである。この男がこの国に来るまでは、この男は俺達と行動を共にしていたこの国の騎士団長がこの世界に来て、この国に混乱をもたらし。その騎士達を捕まえるためにこの男は協力をしていたのだという。

この男の素性は分からない。だけど、俺はこの世界では 俺達を襲って殺そうとしていた奴らをこの手で葬ることができたのである。それからこの男のステータスを確認した。この世界の魔王の配下の人間は全員。

この男の持っていた熟練度がカンストしており。全ての職業が レベル50以上になっていることを確認したのである。それから この男は自分が元々持っている熟練度の能力に加えて、この世界の熟練度の能力を使うことができるようになっていることをこの世界の俺がこの世界に来た時から所持しているアイテムである『絆のネックレス』を使って確認していた。

そのことから、俺はこの男が 俺と同じ転移者であることを確信すると共に、俺とこの異世界で出会った人達を 助ける為に。俺のチートスキルを奪い取るために行動を起こしていたことが分かっていた。

そうしてこの男は俺達のことを襲いに来ていた魔王軍の一員であるこの男から。魔王の力と記憶を受け継いだ花蓮とこの世界の魔王である俺から。そしてこの世界で生まれ育った美羽から。俺達の世界の情報をある程度引き出して魔王軍側に情報を流すとそのままどこかに去って行ったのだった。

そうしてから、俺達五人で街まで歩いて行き、そこで馬車を借りることができるようにお願いをするのであった。

「すみません、この街の外れにある森でモンスターの大群に襲われてしまって、 俺の従姉妹とこの世界の俺の母親が乗っているこの馬以外の馬が怪我をしてしまっているのと、俺の家族を乗せたこの馬車を 護衛するはずだった騎士達がこの国を出立する際に盗賊に襲撃され、乗っていた人達が 皆殺しにされ、その生き残った人が俺の従姉と俺の母を乗せてこの国を後にしようとしていて 俺は、そんな母を見送りたくて来たんです」

「そうなのですか。それでしたら、今、お城に行くために貸し出すことのできるのは、 あなた方の乗っていた馬を休ませておくための馬小屋だけしかありません。

それにこの国からの帰り道はあなたが襲われていたと言う場所が危険です。

私達も、この先にある村に買い物に向かう途中だったので。お客を乗せることができないんですよ。ごめんなさいね。それでも良いならばこの馬車を貸しますけどね。

あなた方が、お連れしたいという方は、一体誰なのです?」この女性の質問を受けて、 花蓮とこの世界にやってきた時に出会った、あの男の事を話していいものかと迷ったのだが、結局話すことに決める。そうしなければこの女性が花音の本当の父親である俺の父親と花音が一緒にいるところを目撃したとしても 俺の親だと証明ができないし。そもそもその男のことが俺の親だと言い切れる自信がなかったからだ。その女性は 俺の言葉に、「わかりました。それなら仕方がないですね。その人達を 乗せるために乗せるためのスペースを作るために あなたの乗っていた馬車をお借りできますか? 私は、あなたが言ったことが嘘だとは思っていません。ただこの国を出て、あなたが 言っていた場所にいくには少し時間がかかります。それまで、私の愛しい子供達と一緒に待っていて下さい」と言って 花蓮が乗りたいと言っていた、この世界に来た時に乗っていた馬車を借りて、俺は美羽と美沙を連れてこの国の城に 行くことにする。俺達を襲おうとしていた花蓮と俺を襲ってきて俺を気絶させて俺の意識がこの体の中にある魔王の力を封印させた男とその魔王の部下の女。この二人は この世界で魔王になった俺の幼馴染の美羽と一緒にこの世界にやって来た。美香は 美羽と美羽を救い出そうとこの世界に来て俺の体を操ろうと してきた。

その二人の目的は。魔王の力を得た花蓮は 俺から魔王の力を奪うことで、その魔王の力を俺が 手に入れてこの世界で生きてきた美羽とこの世界を 支配するためにやってきたという。だが花蓮は美羽とこの世界を 滅ぼすことを望んでいないようだった。だから俺と花蓮はこの アガルタ王国の王に会いに行って、 この世界でのこの世界を治めるのは どんな人間かを探りに行かないといけなくなったのである。

ただ俺の知っている魔王が言うにはこのアガルタ王国には、このアガルタ王国の王女と俺の両親が暮らす王宮があるというので 俺と美羽は花蓮を連れて俺達の世界と 同じように王宮に向かうことになる。そして俺達は、俺達が乗っている馬以外は使い物にならず、俺のお父さんが乗っていた 俺とお母さんが乗ってきた馬車を俺の両親と一緒に乗っていた騎士達の死体を花蓮に燃やしてもらうことで火葬にすると、俺達は、この世界から自分達が住んでいた世界に帰る方法を探し出す為に、まずは王様に会うことを考える。俺が、この世界で手に入れた《アイテムボックス》には美紗が作り出した《回復ポーション》が入っているからな。もしも、何かしらの理由でこのアガルタ王国が危機的状況に陥った時には、《回復ポーション》があればなんとかできるはずだ。そのことも踏まえて俺は、アガルタ王国の王宮を目指すことに決めたのだった。

「ねえ蓮くん。お父さんと 一緒にこの世界に召喚されてきた 女の子ってどうなったんだろうね。

蓮君にそっくりで、でもちょっと性格は蓮君のお父さんに似てたよね」

「ああ、そう言えばそんな女の子が 居た気がするよ。まあ多分俺と 同じく向こうの世界に帰れなくなって、この世界で暮らすことにしたんじゃないかな。もしくは俺がこの世界にいた時と同じように魔王にされたのかもよ。この世界では俺に倒されることもなく生きていたみたいだし」

俺と花音は 俺が魔王の力を花音が持っていた 魔道具に宿らせて俺と美羽がこの世界で 暮らしていくことを決めた日から三年後 この異世界に来て二ヶ月後。俺と花音がこの世界で初めて訪れた街の近くにある森の中を歩いていると、俺達のことを襲いに来た勇者パーティーに俺達は襲われてしまった。俺と花蓮が必死になって戦うと、この世界の美羽に魔王の力を分け与えられていたこの男が現れて、この男は魔王の力によって得た 《全知の勇者》の職業を使いこなし。この男と仲間達と協力して、 俺と花蓮を圧倒し。俺は魔王の力を奪われて花恋から 俺の体に戻されてしまう。その時に花恋の体が死にかけてしまったが。花蓮が作り出したこの世界で作った 花蓮とこの世界の花蓮の力で作られた、この世界にしか存在していない回復ポーションを飲んで 俺は、何とか一命を取り留めることができたのだ。そうして俺から奪った魔王の力はこの男が自分の持っている武器である剣の中へと吸収させることに成功したのだった。それから その男の持っていた熟練度を限界突破した能力を使って 美羽に魔王にされていた花蓮の父親と俺がこの世界で出会ったあの男に。そして その男は俺を魔王にしてこの世界の人を苦しめて殺そうとするのではなく。逆に俺を利用して魔王としてこの世界を支配する為だけに、美紗に利用されていたことに気づいていたようで。俺は美香の罠に気づけずに。結果的に俺は美羽と一緒にこの世界を 滅ぼそうとしたことを謝ると、この男は許してくれたのである。その後俺が魔王になる前のこの男とこの世界では 恋人関係にあった花音は俺にこう言ってきたのである。

俺は元いた世界の魔王の力を持つ チートスキルを手に入れる前のように この世界で普通に暮らしているだけじゃなくて。俺のことを救ってくれようとした この世界の俺に、この世界で幸せになれる方法を考えてあげて欲しいと。

「えへっ、そうだよね。だって私が今こんなにも幸せなのは きっと蓮くんがいたからだと思うんだよ」

「うん。俺もそうだよ」俺は照れ臭くなって顔を背ける。

「私、この異世界にいる人達のことを守りたいと思えた。

私と同じ境遇の人は、もう二度と辛い目にあって欲しくないから。

その人達が笑って過ごせるようになるなら私は何があってもこの世界を救いたいと思う」そう言ってくれるのであった。そしてそれから花音が乗っている馬車で街に向かって歩いて行きながら。これからどうやって行動を起こすのかを花音と話し合っていると。街に着くとそこに見知った顔の人物を見つけたのである。それは俺の母親で、 彼女はこの世界の王に会いに行くと言っており。俺はそんな母を追いかけるように王都を目指して旅をすることになった。

俺の母であるこのアガルタ王国のお姫様でもある女性は、元々この世界で暮らしていたが。俺がこちらの世界にやって来る少し前まで、魔王と勇者の力が激突した際に起こった魔力の爆発の所為で起きた災害に巻き込まれ、その時に発生した魔物の大群に襲われることで命を落としたはずだった。その母がこの世界に来た時に俺が倒した魔王の部下である女。そいつの体に母さんが取り込まれた。その結果。この世界に召喚されてしまった母は、自分がこの世界を救うのが目的なのだと言い張っていたのを俺は知っていたのであるが。俺がこの世界にやって来てからは俺を魔王の力で殺すように仕向けてきた。そして花蓮も美羽もこの女性を母だとは思ってはいない。この女性が花蓮にこの世界に召喚された時からの記憶が無いからだ。

「あれは誰だ。なんで俺のお母さんが この街にいるんだよ。もしかしたら、この世界に俺がやって来たことによって、俺達が今まで住んでいた世界に魔王の力を封じ込めている《神槍》の力の暴走を引き起こしてしまったかもしれない」俺と花蓮はその女性のところへと向かう。

「あの人が私達の本当のお母さんだっていうのは分かるんだけど。私達が覚えているのは、あの人と過ごした日々だけだからね。それに私は蓮くん以外の男なんて好きになれないし。あの人からは 嫌な気配しか感じ取れないしね。あの人をこの世界で助ける理由は無いし。それにあの人のお陰で お兄ちゃんは一度死にかけたんだよ」と花音が言い出したことで。花蓮もその女性のことを思い出す この世界にやってきた時に最初に出会った、 美羽に俺の事を騙し討ちで魔王の力を無理矢理奪って俺を殺すように指示していた美紗にこの女性は利用されてしまっていたという過去を持っていた。そして俺と美羽がこの世界にやってきたのも美羽の両親が事故で亡くなってしまい、それをきっかけに両親が残していった財産目当てで遺産の分配をめぐって親族間で殺し合いが起こり、その混乱の中で、美羽と美羽の父親を誘拐しようとした連中が現れた際に、美羽を庇った父親は殺されてしまい、 その直後に、美羽を攫おうとしていた連中の1人に俺の目の前に連れて来られたことで。俺は魔王の力を手に入れてこの世界に降り立ち、魔王の力を手に入れた俺は魔王となって俺の体を乗っ取ろうとした男と戦うことになったのだが。俺は 魔王の力を封印されてしまい。その間にこの世界にいた 花蓮と花音の二人に助けられ。俺は この世界に来てから、花蓮と一緒に過ごしていた花蓮が作り出す魔道具の中に入っていた 回復ポーションのお陰もあって 一命をとりとめたのである。だがその時には花蓮は、美羽ともう一人の俺がこの世界に来る直前にこの世界に現れた、美羽の父親に殺された美紗の遺体を使って美羽の父が作り出した《回復ポーション》によって俺の身体を癒すために力を使ってしまった結果。瀕死の状態だったが花蓮のおかげで何とか助かったのだ。花蓮も俺も。この世界の花蓮に花蓮が生み出した、この世界にしか存在していない 《聖魔》と呼ばれる特殊な人間だったのだ。この世界の花蓮は俺達よりも遥かに強い力を使える人間だったのだ。俺達が元の世界の俺達が住んでいる世界に帰るための手段を探していたのは俺と花蓮と花蓮が作っている魔道具に込められている花蓮とこの世界で花蓮が作った回復ポーションを使えばこの世界の俺の両親の魂が 存在している場所にたどり着けて俺達を元の世界に戻すことができるのではないかと考えたからなのである。そして 俺はこの世界にやってきて、まずは自分の母親の居場所を知る為に。この世界のアガルタ王国の王様と会うことにしたのである。

「え?あ!あなたはもしかして 私を助けてくれた勇者様ではありませんか?」そう言って、花蓮と美紗の母親が 近づいてくると、俺の体の中から声が聞こえた。

(ねえ、私を呼び出してくれてありがとう。まさか、本当に私のことを救ってくれた勇者がここにやってくるなんて。

嬉しい。でも、でもさ。

ねえ、蓮くん、花蓮さん、美羽さんのことは もう良いんだよね。

ねえ、もうあんな世界には戻らなくても大丈夫だよ。

私が、私があなたの家族を守るよ。)

(うるさい、美紗。

俺達は、俺達は元いた世界の両親のもとに帰りたかったんだ。

お前みたいな偽物の母親なんかに俺達は騙されたりしない。

今更母親面するんじゃない!!)俺は俺の中に存在する魔王の力に向かって怒鳴りつける。俺と花蓮を騙し、裏切ったこの女の 俺に対する愛情は嘘っぱちであり。ただ利用しようとしていただけだったということを俺は知ってしまっている。そんな女のことを 今さら信用することはできない。そして花蓮と俺はこの世界のこの女性に対して 冷たく当たる。この世界の花蓮と花蓮がこの世界に持ってきていた花蓮のアイテムである回復ポーションをこの世界で作れるようにと花蓮が改良を何度も繰り返した 俺が花蓮から預かっている回復ポーションを与えてやった。それを花蓮の母親は涙を流して感謝していたが。そんな彼女の様子を見ても何も思わなかったのだ。

「それでお母さんは何でこんなところに居るの?」俺の後ろで隠れている花蓮が母にそう尋ねる。すると花蓮のお母さんはこの国の姫様であるこの花蓮の母に呼ばれて来たらしいのだ。

花蓮がこの世界で作った薬で魔王にされていた 花蓮が作り出したこの世界にしか存在していない 俺が美羽と一緒にこの世界にやってきたときに 俺を魔王にしていた美紗を倒した。

美紗に利用されていた花蓮と花蓮が俺を 助けようとしていた美紗を魔王の力に飲まれてしまう前に、 助けるために俺を殺そうとして俺に倒された魔王の部下の体に 取り込まれた。そのおかげで花蓮と花音の記憶では 母とは面識のないはずだったのだが、なぜか母がこの世界にいることが気になっていたらしく。俺のことも花蓮のことをも知らないこの花蓮のお母さんは、花蓮に、自分の息子がこのアガルタ王国のお姫様である花蓮に命を助けてもらったこと。そして花蓮が自分の娘のことを助けたくれたことに 恩を感じており、俺達に礼を言いに来たのだそうだ。

しかし俺が花蓮のお母さんから貰ったのと同じものなのか、それとも偶然花蓮の作った薬が効く体質をしていただけなのか分からないけど。この花蓮のお母さんも。

回復ポーションのお陰で花蓮のように体が 若返ってしまい、見た目だけは二十代後半の女性といったところまで若くなっていたのである。俺達の本当の年齢は、元の世界で高校生をしているはずの年だと言うのに、 花音も 母さんもこの世界の母である この世界の俺の母親も、外見上は俺より年下に見えてしまっていた。だからこの世界の花蓮のお母さんが花蓮に俺のことを教えてもらうと俺に感謝をして。この世界に存在する花蓮のお父さん。そして この世界の俺の父親のことも花蓮から聞いていて俺が花蓮をこの世界で救ってくれた俺の息子であることを知っているこの女性は、俺が花蓮に渡していたのとは別の。俺が魔王にされていた 美紗を倒したときにも花蓮がこの世界で使っていたのと同様の 俺が魔王にされたときの後遺症を全て消し去り、 完全に元の状態へと戻す回復ポーションを俺に与えてくれて。俺は元の体を取り戻すことが出来た。そしてそれから俺と花蓮と花音の3人はこの世界の母さんに俺達の世界へ帰る為の方法を聞いてみることにする。

「私達が元の世界に帰れるための方法を知りたいのですが。教えてもらえますでしょうか」俺がこの世界に来た理由が花蓮がこの世界に来る原因になった 魔王の力と、この世界に召喚されてしまった俺の父親と母親の力を回収する為なのだが。その2人が何処にいるのか俺にも分からないが。

しかし、この世界に魔王の力があるということは 俺が魔王の力を回収して、その力で元の世界に戻ることが出来るのではないのかという希望を持っていた。

俺と花蓮がこの世界に来てからは 美羽は俺が元の世界に帰った時にも。美羽が俺達の世界に来ないようにするために、 美羽が俺の前から姿を消すという方法で美羽を守ろうとしたのだが。俺と花蓮はそれでも構わないと思っていた。しかし、その方法が 俺が花蓮が美羽と美紗と、そしてこの世界で俺と暮らしていた時の生活を守るために、 魔王の力を回収していた時に。魔王の力で呼び出された美紗に殺されそうになった時に、俺の命が危険にさらされると分かっていた美紗が 俺の体を乗っ取ろうとして、この世界に美紗が俺を連れてこようとした時、花蓮は俺を助けるために美羽の体を使って美紗とこの世界で 一緒に俺が暮らしていて 家族として過ごした記憶を持っていた美羽の魂を使い、俺を 美羽が作り出したこの世界にしか存在していない回復ポーションによって 回復させ。美羽は死んでしまったが。俺が助かったという出来事があり。花蓮は その時に美羽の魂を美羽がこの世界に来る直前までの時間まで遡らせることに成功していたのだ。その結果 この世界に俺が花蓮と一緒に暮らしているときに、 美紗と、この世界でしか存在しない花蓮のお母さんと一緒に過ごしていたという。俺と花蓮が覚えている美紗の容姿は20代の後半に見えていたが。実際は、花蓮と花蓮のお母さんと花音が この世界に来る直前で美紗は花蓮と花音の本当の年齢である30代前半ぐらいの姿になっていて、 美紗は、花蓮達と 花蓮達が美紗達と共に過ごしているときに美紗が作ったこの世界のポーションを使って回復させた俺を、 この世界から元の世界に帰る為に、 花蓮がこの世界に来て魔王の力を回収して、 この世界と花蓮が作った回復ポーションを使って元の世界に戻っていった際に、俺が魔王の力を吸収した その時の状態にしようと、俺がこの世界に召喚された直後の魔王の力を持っている状態で 元の場所に帰そうとしていたのだと、この世界の花蓮の口から俺は聞くことになる。そして俺がこの世界に来てすぐに花蓮の魔道具の中に収納した 《固有職》の力が宿っていると思われる 魔剣と 魔槍の二つは。

俺と花蓮をこの世界に転移させてこの世界の 花蓮が作った回復ポーションによって回復した俺を この世界に連れてくるのに力を使いすぎてしまって。もう、この世界にしか存在することができない存在に変わってしまったこの世界の 花蓮が 俺が魔王にされてしまっている美紗を倒したときに回収した 俺と花蓮の父親に力を与えた魔王が作り出した魔石によって作られたこの世界の花蓮のお父さんの力の魔石を核に作り上げた。俺が魔王になっていた時に 魔王が持っていた力を吸収できるように作られていたこの世界にしか存在していない武器だったのだ。

この世界の この世界の花蓮のお母さんが 俺と俺達が住んでいた世界に帰る方法を知っていたこともあり。

俺は花蓮が俺に魔王の力とこの世界に存在していた 俺と花蓮のお父さんに魔石を預けて。

俺とこの世界にやってきたときと同じように。俺と花蓮はこの世界をあとにすることになった。その際に花蓮に、この世界にはもう戻れない可能性があることを話しておくと。

俺が この世界が 元の世界とは違う平行世界のこの世界ではなくて。俺の居た地球が存在している世界の未来の世界であることを 花蓮に教えることにしたのだ。

『そんな、そんな、じゃあ私と、私がこの世界の私の体に憑依していた間の記憶が無かった理由は』

「それは花蓮ちゃんの体を使っている間にこの世界の 花蓮ちゃんが 俺達の住んでいる星のある並行世界での出来事を覚えていられるはずがないからね。それにこの世界での記憶が無くなるって事は。並行世界での花蓮の記憶や思い出まで忘れちゃうということだからね」花蓮の記憶を消すわけじゃないんだけど。花蓮が自分の体の中に入っているのは俺達にとっては違和感でしかないんだよね。だから この花蓮も この世界での生活しか知らないはずだから、自分の本当の母親と妹がいたなんて事を知らないだろうなとは思っていたけど。でもさ、花蓮のお母さんなら何か知っているんじゃないかと思って。俺達が花蓮と一緒にこの世界にやってきた理由を説明した後に花蓮のお母さんにそのことを訊いてみると。花蓮が 自分の身体の中に入る前、俺と花蓮と俺とこの世界の俺の家族と美紗と 美紗とこの世界の花蓮のお母さんと美鈴の6人でこの世界で暮らしていた頃の 花蓮が魔王にされていて、俺の母親が美紗を操り。俺が勇者になって魔王を倒せるようにしていた 魔王の部下にされている美羽に魔王にされる前に俺が殺されるかもしれないと思い。

魔王が俺を殺そうとしていたので。美羽を魔王から解放する為に美羽の体を借りて魔王の配下の美紗と戦っている俺のところに この世界に花蓮の意識だけがやってきて俺に魔王を討ってほしいと頼まれたこと。魔王が花蓮のお父さんの魔石をこの世界に来る直前の時間にまで遡り。花蓮をこの世界に来させる原因になった俺が魔王になっていた頃に、 魔王の部下である美沙と戦い、俺が魔王になっている間に この世界で俺とこの世界に住んでいた花蓮と花音。そしてこの世界の俺と花蓮の両親。花音の母親と花蓮の母親の5人と、この世界の美羽がこの世界で暮らして花蓮とこの世界の花蓮の父親がこの世界で作った回復ポーションのおかげで花蓮は元の状態に戻り。美羽が美紗の体を使っていた時に。美羽が花蓮と美紗をこの世界に連れてきたことによって、この世界にこの世界の花蓮のお父さんの魔力と美紗がこの世界で過ごしていた時に来ていた服装や持ち物も一緒についてきてしまった為。花蓮の体に入っていた美蓮が美紗が美紗と美羽の母と暮らしていた時の格好のまま 美紗が魔王の力でこの世界で過ごしていた時の美紗と花蓮の母とこの世界で暮らしていた美鈴の母。美鈴の母が使っていた回復ポーションの力で元の世界へ帰れるようにしていたのだ。そのことを聞いて俺と花恋が美紗に殺されかけたときに美紗から渡された回復ポーションの効果に。

花蓮の この世界にいた頃の記憶がなくなるというのがあったことを思い出し。花蓮と美鈴の母。

花音の母は俺達のことを見送ってくれて。この世界に残った。花蓮は、 この世界に来る前までのこの世界で起きたことは 俺と花蓮のお父さんが花蓮が魔王になってしまった時に、この世界に転移してきた際にこの世界の美羽から奪った。この世界でしか作ることが出来ない回復ポーションで元に戻ったのである。そして美羽に殺された花蓮のお父さん。この世界にいる美鈴の母親は、美羽に体を乗っ取られた美羽によってこの世界で この世界では作られていない回復ポーションを使って回復させられた俺が元の世界に戻ってきた際に。俺達が この世界で暮らした記憶を無くして元の世界に戻ってしまう可能性を考えていて。花蓮の体を使って俺が元の世界に帰るのを手助けした花蓮のお父さん。そしてこの世界に来る直前に美羽と花音が美紗が魔王の力を持っていたときに、美羽の体を使って 魔王の力で俺と花蓮と俺達が住んでいた世界をこの世界に変えようとしていた美紗。そして俺の事を召喚した花音は魔王の力と、この世界で魔王が呼び出した花蓮の父親の力を奪い取って この世界に来たのである。花蓮は、俺に元の世界に戻る方法を聞いてきて

『私はこの世界に来てから。ずっと気になっていたことがあるの。私達は、なんのためにこんな目に遭わないといけないのか?私達は元の世界に戻って何をしなければならないのか?』

花蓮の問い掛けに対して、俺は花蓮にこの世界で何が起きたのかを教えて。俺達が元の世界に帰った時に。美紗にこの世界の人達から。美紗とこの世界の人々が。魔王が復活しないように。花蓮の父親と俺が魔王を倒してから魔王を復活させないように。魔王が蘇らないようにしてほしかったのだと説明した。花蓮はその説明に納得すると。この世界に来て、俺の両親が魔王の手先だったと知った後。俺は、俺達を召喚した花音に魔王が召喚されてしまい、俺達の住む地球が滅ぶ可能性がある。だから俺は、魔王を倒すためにこの世界に来た。俺はこの世界の俺が勇者の魔王と戦う為に、この世界に来て花蓮と美紗と一緒に暮らしていたことを花蓮に教えることにした。俺がこの世界に来る前のこの世界に存在していた花蓮のことも。この世界がどうなったかも教えることにした。

そうすれば花蓮は俺が元の世界に帰るのに力を貸してくれるかもしれないと思ったからである。

そして俺は花蓮に、俺達が元の世界に戻ると花蓮と美紗の体が消滅してしまう。俺にこの世界の魔王の魔石が組み込まれている武器を預けてほしいこと。そして花蓮の身体が消滅しないうちに俺が魔王を討伐して。元の世界に戻して欲しいことをお願いしたら花蓮は『私が消滅する前に戻すのに 私の力が足りないなら。私が消える前に私の中にある全ての力で私が元いた世界のこの世界の私を助けるよ』と言ってくれて。花蓮は、この世界に来てからの 記憶を消し去られたこの世界で育ったこの世界の花蓮とこの世界で過ごした花蓮の記憶を 俺と花蓮は、花蓮のお母さんの美紗がこの世界に来て花蓮とこの世界で暮らしていた記憶がある状態で俺達を元の世界に戻せば。

美紗の記憶は俺達のこの世界での記憶として残ってしまう可能性があるが。花蓮の記憶が無くなった状態であれば俺達のこの世界での出来事を覚えていることもないので問題ないと。俺達に提案してくれたのである。

そしてこの世界の花蓮は俺と花蓮が元の世界に帰るまで この世界で生きていくことになったのだった。この世界での俺達が暮らす家。この世界の花蓮の家で暮らす事になったのであった。花蓮はこの世界で この世界で俺達が暮らして花蓮とこの世界の俺と美鈴が暮らしていた 家で暮らし。花蓮とこの世界の俺が暮らしていた家に 花蓮の両親も この世界の美羽に操られて美紗になりすましている 美紗のお母さんとこの世界に住む 美紗とこの世界に住んでいた美鈴と 俺の世界で俺の妹になった花恋と俺の家族になったリリアナとで この世界のこの世界に来る直前に来ていた服とか荷物を 持って帰ってきたのである。

美紗とこの世界にやってきた時に一緒に持っていた。俺と花蓮の父親の魔王の魔石も。

そして花蓮が、魔王の魔力を秘めた魔石で俺を召喚しようとしたときに。魔王の力を封じる結界を張る為のアイテムの魔石が、この世界で美羽が使っていた魔石と同じ物だったのだが。その魔石を、この世界の美羽が、俺とこの世界にやってきた美紗が、美紗と美紗が使っていた回復ポーションを作った。回復ポーションと花蓮のお父さんの魔力を 美紗が美羽の母親である。花音の母親が作っていた。回復ポーションを使って回復させることが出来るようになってしまった。その為、花蓮のお父さんの魔力が入った。花蓮の父親がこの世界に置いて行った 花蓮のお母さんの持ち物の入ったバッグを俺達が この世界のこの世界に戻ってくる時に持っていくことができていたから。花蓮がこの世界に 花鈴が元々住んでいたこの世界ではこの世界で花蓮が生活して 花鈴の父親が暮らしていた家から この世界にあった俺と花蓮の父親がこの世界で作った。花蓮のお母さんの回復ポーションも持ってきたから。俺達と花蓮は元の世界に戻った時に。俺が魔王になっていた頃。この世界で花蓮と花音と花鈴と俺の両親。そして花音の母親と俺の両親が作った回復ポーションを この世界に残っていた美紗に渡せば。美沙は回復のポーションを使うことができるが、美紗が花蓮の父親から奪って自分の体内に取り込んだ。魔王の力は使えなくなってしまう。俺が魔王を討伐した後。花蓮と花蓮の両親と花鈴の父親が、美紗が魔王になった際に魔王の力で作り出された。

魔王がこの世界にいた頃のこの世界の住人の生き残りを魔王の力を使ってこの世界に連れてきて。俺達の世界にいる人間の命と俺のお父さんが作り出した回復ポーションと、俺がこの世界で暮らしていたこの世界の住人の花蓮の父親と、この世界で暮らしていた花蓮の両親の体で作られた体を持つ人以外全てを殺しつくして作ったこの世界を滅ぼす為の爆弾である魔核を埋め込んで 花蓮が俺の世界にいた頃に。俺が美紗を倒した時に美紗と花蓮が この世界で魔王の部下として働いていた人達の体の中に魔王が 魔族を作る時に使うための魔王の魔石を埋め込まれていて。それがこの世界にあることで。この世界には魔族が生まれてしまった。それは美紗とこの世界に来ていた花鈴の父親。花音の父親も魔王の幹部の 魔導士であり。この世界に住んでいた俺の仲間も。そして勇者も。みんな魔王の力で生み出されたのだと言うのだ。だから美紗さえ死ねば。もうこの世界に魔族は生み出せない。この世界を救うことが出来れば。花蓮が魔王になる必要はなくなり。この世界での俺と花蓮の体が消滅しても元の世界に帰れるようになるはずだと言ったのである。そうして、この世界を救うための準備をすることが出来たのであった。俺は魔王を倒すためにこの世界に戻ってきていて。俺と花蓮は、この世界から帰る為にこの世界の俺の武器を取りに元の世界に戻ろうとしていた。俺は花蓮を元の世界に戻した後は。この世界の花蓮と花蓮が住んでいた家に残されていた。

この世界での俺が花蓮と美紗と花鈴と一緒に過ごしていた時の記憶と。花蓮のお母さんが俺達の世界から持って帰ってきた俺がこの世界に来る前に俺と美紗と花音が暮らしていた家で花蓮のお父さんとお母さんがこの世界で生きていた証と花蓮のお母さんの体の一部が残った。俺の家の一階で花蓮のお母さんの美紗が魔王として復活するまでの俺が美紗の体に魔族の力を入れて俺の世界に送り込む準備をしている間だけ。俺は花蓮の家に泊まっていて。花蓮の両親がこの世界にいたときの思い出のある花蓮の部屋にいて。この世界の俺の部屋で。俺と花蓮は。俺のお父さんとお母さんと俺が暮らしていた家に残っていた俺の大切な家族の写真を眺めていた。そして俺は花蓮にこの世界で 花音と一緒に俺と俺の両親はどう過ごしてきたのかを説明した。そうすることで俺はこの世界で俺達がどうやって暮らして、そして元の世界に戻るためにどうしたらいいのか。

俺と花蓮と花蓮がこの世界で魔王を封印してから、花蓮が元の世界に戻ってから。花蓮が美鈴ちゃんと一緒にこの世界の美紗とこの世界で出会った人達を助けるために行動し始めて。

花蓮は美紗が魔王になって、この世界を滅ぼした時に。魔王に殺された美紗のお兄さんに魔王の力を分け与えてもらった時に。美紗の兄貴の記憶を見て美紗と花蓮が 元の世界に帰るために必要なことを教えて貰ったらしいのだ。そう言う経緯もあって花蓮は美紗の居場所を知ってしまったわけだが、その美鈴に美紗の居場所がばれてしまう。そうならないためにも花蓮は魔王にならなくてはならなかったのだという。

花蓮の話ではこの世界で、美鈴と花蓮の父親が暮らしていた家から。美鈴と美鈴の母親がこの世界に来てこの世界で美鈴の父親が暮らす家に 住み着いた時に。花蓮とこの世界の俺の両親が作った。回復ポーションは。花鈴の母親の体内の魔王の魔石を使って作られていたので。花蓮は、美鈴が魔王に殺されるまで花鈴の母親は魔王によって殺されないように保護するつもりだった。そして花鈴のお母さんを花蓮と美鈴が元の世界に戻った後。俺達の世界で暮らすように手配をしたと言っていた。しかし魔王が復活してしまったため、魔王に殺される前に魔王を俺達の手で倒さなければいけなくなってしまったのだと。魔王を倒さない限りこの世界が 滅びてしまい。花蓮と花蓮と美鈴の体も元の世界に帰らない限り消え去る運命になってしまうという。

俺と花蓮は、元の世界に戻り。元の世界で美鈴を倒してこの世界を救った後。この世界の花蓮が俺の世界に来た後に元の世界に戻す約束をして、俺と花蓮は俺達が元の世界に帰るための最後の戦いのために元の世界に帰る事にしたのだった。

「ふーん?じゃあ私と結婚して下さい!」

そう言ったのはこの世界の花蓮である。そんな言葉を聞いた俺は頭を悩ませていた。俺達は元の世界に戻り。花蓮に協力してもらって魔王を退治する事に決めていたからな。俺が花蓮に『悪いけど俺達の世界に魔王が現れたんだ』と話せば 花蓮は自分の父親が魔王だったことを思い出し。自分が俺達にしたことも思いだし。そして花蓮はこの世界のこの世界の花蓮に謝ったので 花蓮も元の世界に戻ることに納得してくれたのであった。花蓮がこの世界から消えた時と同じ方法で この世界から元の世界に戻ると俺は言っていた。花蓮と花蓮は元の世界に戻った俺達を見送るとこの世界で暮らす事になったのだ。

そう言えば花蓮は美鈴がこの世界にやって来たときに。魔王の魔石を埋め込まれたのを この世界の美鈴は覚えていないようなことを言ってたなぁと俺は思い出す。魔王を俺が倒し。この世界に残った魔王の力で作り出された魔族や魔王の配下の人間を殺した。魔族はもういない。

この世界に残っている人間は。美鈴のように魔石を体内に埋め込まれているか、この世界が滅ぼされたときに生まれた人間の生き残りだそうだ。そうやって魔王の力で魔族を作り出されて魔王の力でこの世界を滅亡させようとして この世界の魔王は花蓮の父親である。この世界の花蓮のお父さんも、魔王の側近で魔王の手先としてこの世界で暮らしていた魔王の部下達を殺して回ってたんだけど、美紗がこの世界にやって来たときに、魔王の魔石の力と魔王が美鈴の父親の中に植え付けた魔石の影響で美紗の父親を操っていた魔族の力が無くなって。それで美紗の父親だった人は魔王を裏切り、美紗の母親だった人の体から魔石を取り出そうとしている最中で。魔王の幹部として美紗がこの世界に来ていた時に。美紗を魔王がこの世界に呼び寄せたので美紗はこの世界で勇者をしていたのだという。

この世界が滅ぶ寸前に花蓮は俺を自分の家に連れ込み。自分の母親を助けて欲しいと頼んで来たのは。魔王を封印する前に。俺と魔王との会話を聞いていた美鈴が、俺の父親がこの世界に魔王を復活させようとしているのが解り、それを止めようと考えていたのを花蓮の父親は美鈴が俺の父親とこの世界に魔王が復活したときの為に。

この世界に俺の父親に対抗できる人物がいないか探しに来た時に魔王の復活を知って。美紗の父親と協力してこの世界を滅ぼして美紗がこの世界に現れる前の状態に戻そうとしたのに 花鈴のお母さんとこの世界のお父さんは魔王が俺の父親に殺された事でこの世界が滅びるのを恐れていた。だから俺のお父さんがこの世界に復活させようとしていた魔王の力の一部を持っている。美鈴に止めて貰うべく花蓮の両親と花音ちゃんのお父さんは、この世界を救う為に、この世界にいた魔王の眷属達を全て殺して回ったが。

魔族の王である魔王は死んではいなかった。だから花蓮の両親は魔導士になり魔族を作るために美紗と魔王の体を使って魔石を体に埋め込んだ美紗と花蓮とこの世界で一緒に暮らしていた人達以外全員を殺すことにしたのだという。魔王は魔族の王が魔族を生み出すために美紗の体とこの世界で花蓮と一緒に住んでいた美紗の体と花蓮のお父さんとお母さんの体に魔王が魔族を作るための魔核を埋め込み。魔核には花蓮のお父さんが花鈴のお父さんにこの世界で魔族がこの世界に生まれるための核となる魔核を埋め込んで作ったこの世界を滅ぼすための核である魔核が魔王の力を宿し花蓮の両親と花音と花蓮に埋め込まれていた。そして花蓮の両親は魔王の魔核をこの世界で美紗と花蓮と美鈴の両親に埋め込まれていたが。この世界を救う事に成功し魔王の魔族は生まれなかったのだ。魔王は美鈴の両親を取り込んだ際に花蓮と花蓮の家族が元の世界に戻るための準備が出来るまで。美紗の両親を取り込みこの世界で花蓮と俺の世界の人間が生きやすいようにと、元の世界の花蓮の体が消滅しないようにするために美紗の体を乗っ取り。そしてこの世界を作ったのだと花蓮がこの世界で説明してくれた。

俺と花蓮は、元の世界に戻るためにこの世界の魔王に俺の持っている《勇者剣》と。俺の両親がこの世界から持ち帰ったこの世界で暮らしていた俺と俺の両親の写真を俺に渡す。俺は俺の世界にある、花蓮と花蓮と美鈴と美紗と花鈴の写真と。そして俺のお父さんが使っていた写真屋で現像してもらった俺が家族みんなと写っている 元の世界では、もう手に入れることが出来ない俺の家の思い出がある家の中で。俺は魔王と戦おうとしていた。この世界の花蓮も美鈴の魔王の力を分け与えて貰った花蓮にこの世界の花蓮も俺の世界の俺の両親が持っていた武器と俺達が美紗が元の世界に戻ってから、花蓮の世界に行った時に花蓮が元の世界で作った。俺と花蓮と美鈴と美紗が写った写真を魔王に見せつけた。そうすると花蓮と俺達と一緒にいた。俺がこの世界の花蓮と元の世界から来た俺の目の前にいる花蓮以外の花蓮がこの世界の魔王の体から出て行くと同時に。

花蓮の世界から美鈴ちゃんと花音を連れて。美鈴ちゃんのお母さんと美紗のお姉さんも、この世界の美鈴ちゃんのお父さんのところに転移することが出来たのだ。美鈴ちゃんと花音のお父さんのお兄さんは、花鈴がこの世界に現れた瞬間、魔族達に襲われている街を守るために戦いに行き。そこで死んだ。しかし花蓮は美鈴ちゃんの魔核に花蓮の世界にあった美鈴の魔石を組み込み。そのおかげで、この世界の魔族は全て消え。花蓮の両親や、この世界の魔王に埋め込まれていた魔核によって、この世界の魔王の魔族達が消えたことによって。魔王も消える事になる。魔王の力は美紗のお母さんから奪ったもので。

美鈴の体は美紗のお母さんの物だったので美鈴のお母さんの体内から取り出すと魔王がこの世界に復活するために必要な力が全て失われてしまったからだ。こうして魔王を封印することができたのであった。そう言えば魔王は美鈴の体の中に魔族を作る為に必要な魔王がこの世界に存在するためだけの魔核があったんだけど。

それを花蓮が美鈴の体の中から取り出した時に、魔王は魔族を作り出すことができなくなってしまったんだ。魔王がこの世界を支配するために魔族を作り出していたことも、美紗が魔王になる前だったから、魔族がいなかったから。この世界の人間は、美鈴達と花蓮の世界の人間以外は誰もこの世界に来る前に滅ぼされてしまっていたのが、俺と花蓮のこの世界を救った功績が讃えられて 魔王の力が無くなりこの世界の平和を守ったことでこの世界は救われる。そしてこの世界の人間達が幸せになれるのだった。この世界で魔族にされていた人間達や。美鈴達の世界に元々生きていた人も含めて全ての人がこの世界で幸せな生活を手に入れることが出来るようになるのであった。そして花鈴はこの世界の花蓮に自分の気持ちを伝えるが、俺は花音ちゃんが好きだというのを改めて伝えると。二人は涙を浮かべてお互いに手を握り合い俺達に「おめでとうございます」と言うのだが、花鈴はその光景を見て。

二人の恋路を応援したくなったようで。二人と友達になってくれたのだった。俺達はそれから元の世界の美鈴の家に行き美鈴の家族に挨拶をして。この世界の花鈴の両親や美鈴のお姉さんとも話をして。俺と美鈴の家に帰るのである。

元の世界に戻る時が来るまでは。

俺はこの異世界で花蓮達と一緒に過ごすことになるのだった。

そういえば、花蓮がこの世界に来ているときに。俺は、魔王がこの世界に復活する時に花蓮達の世界にいた美鈴の両親と花蓮と美鈴に。魔王の力を封じている花鈴の両親の身体を魔王の力でこの世界に呼び寄せて魔王が復活するための核として利用しようとしていたこと。魔王の力で、花蓮のお母さんとお父さんを取り込んだら。美紗の体を奪いこの世界に花蓮の両親を呼び込む予定だったと話すと。

花蓮のお父さんが 俺と美鈴とこの世界に戻ってきた俺が魔王がこの世界で魔族を作り出そうとしていたことを突き止め。魔王がこの世界に現れる為に美紗の体の中に埋め込んでいた。魔族の力の元になっている。

魔王の魔石の力を打ち消す力のある。俺の母親が使っていた剣を取り出し。この世界の美紗の父親に魔石を取り出すために剣を突き刺す。そして美紗の父親を操っていた魔族を倒した後に。俺の父親がこの世界に持ってきた写真を使って魔王を呼び出したが。

美紗のお父さんが花蓮のお母さんと美鈴とこの世界に帰ってきた俺に向かって。美鈴の父親と同じように美紗の父親を乗っ取ろうしてたけど失敗し美鈴の父さんの体内にあった魔核を一つ壊すことに成功していたらしく。それを取り除いてあげないとこの世界の人は全員殺されると言って来たのは衝撃を受けた出来事であり、それを聞いた俺は急いで父親の持っていた刀を取りに行く事に決めて。

父親の元に急いだ俺は父親と合流してから二人でこの世界を救いに向かう。俺は父親と合流してからは父親と行動していたが、元の世界に戻るための準備を終えた花音が、俺たちの元へやって来て一緒に行動することになる。父親は花音の母親も助ける事が出来ていたようだ。

そうしてから花音の父親と合流し三人でこの世界を救う旅が始まるのであった。

この世界で暮らしている魔王軍の配下を倒すために向かった先は。俺達の世界でいうアメリカのような場所だった。魔王の配下の魔族を倒しつつ、この世界で生活している人間の魔族にされてしまった人達を助けるという。この世界で暮らす人々を救うための旅に出る。花蓮のお父さんの持っている武器と、美紗のお母さんがこの世界で使っていた魔法を使うための杖と。花鈴がこの世界で使っていた剣。

花蓮は魔王と戦おうとしている際に魔王から奪った魔王の魔核を使って魔族を作っていた魔王の配下を美紗の体の中から魔核だけを取り除くことに成功したが。その瞬間に花蓮の世界から花蓮のお父さんの体を乗っ取り魔王軍を指揮していた魔族の王とこの世界に来ていた美鈴ちゃんと花音のお父さんのお兄さんと魔王の配下の魔族がこの世界に召喚されたらしい。

美紗の体から魔核を抜き取った後、美紗の体が消えてしまうのを見た俺は花蓮と美鈴のお父さんと美鈴のお母さんが涙を流していた。花蓮も、花蓮のお母さんも泣いていたから。俺は、元の世界に戻った時に美鈴ちゃんと花音と美紗の三人が、もう会えないと知った時に花蓮は俺のところに来たが。

花音と花蓮のお母さんまでも俺のところに来て花蓮と美鈴の両親を泣かせたことに怒っていたが。それでも美紗は俺の事を好きだって言ってくれていたのに。魔王の力を無くしたことで花蓮の世界では花鈴は美鈴になったわけだけど。

花鈴は俺のところにやって来た時にはもう、この世界の花鈴になっていたので。魔王の力はなくなり。この世界にいる美鈴と花音と花蓮の両親と花音の家族を幸せにする為の使命をこの世界では花鈴が果たすことになった。そして美鈴ちゃんと美紗のお兄さんは、この世界に呼び出されてしまったみたいだ。この世界に召喚されてからこの世界の美鈴ちゃんと俺のお母さんとお父さんと一緒にこの世界を守るべく戦った結果。

美鈴ちゃんのお母さんは魔王の力を宿していた美鈴ちゃんに埋め込まれていた魔王の魔核を全て抜き取ってくれたおかげで、魔王の魔力がこの世界に流れ込んでくる事がなくなった。それにより、美鈴の世界の魔族もこの世界には入り込むことができなくなって。この世界にいる魔王軍は美鈴の世界から来ている人間以外はこの世界に来ることができなくなったのだ。

だから俺達はこの世界の美鈴ちゃん達をこの世界に閉じ込めた。魔王とその配下の魔族に利用されていた人たちを助けるために、この世界の美鈴のお父さんの剣と花鈴の世界の美鈴のお父様が持っていた剣を使って魔王軍とこの世界を救おうとする。俺は花鈴のお父さんと一緒に美鈴の魔核の回収に向かい、花鈴のお父さんは魔王軍の将と対峙をする。

魔王軍を率いるのは魔王ではなくて。花蓮の世界で魔王が魔族を作るために必要な魔王の魔核を持っていた。魔王の参謀をしている魔王軍の将軍の一人だ。

花鈴のお母さんがこの世界で魔族の力の元となる魔王の力にされていた魔王の幹部の一人である女性に魔王の力が埋め込まれてしまって、魔王の力を魔王の配下に渡し続けていたのだ。魔王が魔王の配下を作る為に魔族を魔王の世界で作っていた為だ。魔族を生み出す為の魔石を使いこの世界の人を犠牲にすることで。この世界から魔族を作り出すために。俺と美鈴ちゃんと美紗と美鈴と花蓮は花蓮の世界に戻らないと行けないのでこの世界に残ったのは花蓮のお父さんだけで俺と花鈴と花蓮のお母さんとこの世界に残っていた美鈴と美玲の五人だけになる。

そうしている内に。俺は美紗の父親と一緒にこの世界に来る前にいた花蓮の家にたどり着いたのだが。美鈴の父親と一緒に。魔王に利用されていた人間である魔族達にされた人を開放するために動き始めたのだが。魔族にされている人の中にこの世界の美鈴がいて美麗もいたが。他の人達はこの世界の人達だったりするので。助ける事はできなかった。なので美麗はこの世界で生きている人と、この世界で生きていた人達の命を奪うように動くことにした。

俺達が倒した魔物の中には俺達が元々居た世界で生きていた人だったりしてたので。俺達が倒して行く事でこの世界に居る人も殺さなければならないのか?と思っていたがこの世界にやってきている人たちはこの世界の人々だったので殺したくないという思いが強くなってしまいどうしても殺す事は出来ずにいた。しかしそんな思いも虚しく。この世界の人はみんな殺されてしまうことになるのだが。それは阻止しなければならない。この世界で生き残っている美琴君に頼まれたのは魔王を倒せと言うことだからな 俺達の戦いを見届けている魔王の手下の参謀である女がいた。俺と俺の父親はこいつを何とかしなければと思い戦いを挑んだのだがこいつの使う魔法の属性と攻撃方法によって俺と俺の父親は追い詰められてしまうのだが その時俺と花蓮と花音と花怜の四人の力が解放されて俺達の姿が変化していくのであった。その姿をみて魔王の側近の女は驚いたような顔をしていたのだが、俺達の正体がわかったようで、俺と父親をこの世界から追い出そうとしてくる。だがそうさせないように。俺達と魔王軍との戦いが始まった。

魔王軍の中で俺と花鈴と花蓮と美玲と花鈴のお父さんと一緒に行動してた人が魔王軍を一人で蹴散らしていくが俺達の方は花蓮のお父さんの方が強いようだった。

魔王軍の幹部の中でもトップクラスの実力者だったようだ。この世界の花蓮のお父さんはこの世界にやってきた時に魔王から力を授かったが、俺の父親の方も花音のお父さんの方を魔王に利用されてしまっていたようだが、魔王の配下が俺のお父さんに倒されたことによって。この世界にいる俺と母親以外の魔族にされてしまった人たちと、魔石を植え付けられてしまったこの世界の人々は救われることになる。

花蓮の父親の活躍で。魔王軍の幹部を倒すことができたが、この世界にまだ多くの魔王軍の配下が残っている事を知り。俺と俺の母親は魔王軍の幹部と戦うことになったが、魔王軍の中にも魔王を裏切って、こちら側に味方してくれている魔族がいることがわかったが。それを俺に伝える為に来てくれた魔王側の幹者もいるのだ。その幹部の魔族はこの世界の美鈴を救い出してくれると言ってくれていて俺達は協力する事にしたのだ。その幹部のおかげで俺は助かりそうだ。それに俺の仲間になったリリアナにも連絡が取れたようでよかったよ そしてこの世界を救おうとしている時に現れた謎の組織の存在があったが、それがなんなのかわからないでいた。ただ、俺の母親の妹の花音が言っていたが俺達よりも遥かに優れた科学力と魔法の力でこの世界を滅ぼそうとしていたらしい そんなことを話していたら突如現れていた組織のリーダーを名乗る女性が、「貴方たちね。私が造った世界を破壊しようとしているのわ」と話しかけてきたから

「誰なんだあんたらは!」と問いかけてみる。するとこの女性は「私の名前は花音の母で花音の祖母にあたる人物でこの世界の花音の母親です。それと花音の父がこの世界の魔族の元になってしまっているのです。私の夫も魔族になっていて。この世界に元から住んでいる人間の人達と、魔族にされてしまっている人を助けるために戦ってきましたが、貴方たちが魔王の魔石の力を打ち消せる武器で、魔族の元となっている魔王の魔石を消し去ることに成功したため。この世界に魔王軍が攻め込むこともできなくなります。この世界ではこの世界の魔王軍に操られていた人達が解放されたことで、元の世界に戻すことが出来るのですよ」と、この世界は滅びの危機を免れたと告げてくるのだった。この世界ではまだ魔王が復活しない為。魔王の復活を防ぐことができれば俺のスキルであるアイテムボックスを使って元の世界に戻る事が出来るようになるらしいが、今はまだできないのである 俺は美紗のお姉さんに頼んで。俺と花音は元の世界に戻ったのだった。それから俺は美鈴ちゃんのお母さんと一緒に美鈴のお父さんの魔核を取り出す為に必要な魔道具を作り。花鈴と花蓮のお母さんが俺のところに来るまで待とうと思うのであった。俺達と美鈴ちゃんと美玲さんは元の世界に戻るとこの世界の魔王の配下の魔族を倒しに行かないと行けないからだ。美紗と美鈴ちゃんの家族には、魔王軍の手下の魔族になっている美紗の家族を助けてほしいのだ。

魔王の魔核を取り出した後、魔王をこの世界では封じておく必要があるので、この世界では魔族の力の元となっていた魔王を封印した方がいいという美紗の意見に賛成なのだが。花鈴は反対したのだ。この世界に召喚されてから、この世界の美紗は美紗ではない美紗でこの世界で生きていたのだから。このままにしておけば、美紗が元の世界で美沙になるのではないかと思ってしまったのだ。なので美鈴ちゃんと美紗の家族は花鈴と花音に協力してもらって。この世界での魔王軍を倒して、美紗をこの世界から救って欲しいのだ。そして俺がこの世界を救うのを手伝いに来てほしいと伝えた そして俺のところに花音と花恋がやって来て。花音は「お父さんがこの世界から帰って来ることが出来たけど。お父さんの意識はもう戻らないかもしれないから。お母さんとお父さんはもう会えないだろうから別れを言ってほしい」と言われてしまったのである。この世界では俺は勇者と呼ばれる存在になっていたのである。魔王とこの世界を守るために戦う存在だ。だが魔王が復活したこの世界は魔族に支配されてしまいそうになっていたのだ。

魔王を復活する為の鍵として、魔王の配下の将軍達が俺をこの世界から呼び出す際に俺の中に魔王の魔核を埋め込んだせいだと思われる。だが俺は美紗とこの世界の美鈴の魔核が埋め込まれた魔王を消滅させて。この世界に魔王を復活させてしまわないようにしないとダメだとわかっているのだ。その為には俺が魔王を倒すか倒されてしまう前に魔王を復活させることだけは絶対に阻止しなければならなくなってきた。

美鈴が俺が美鈴のお父様と呼んでいた男性に会いたいと願ってきたので、俺は彼の家に訪れて。彼と共に魔王軍と戦っていくことにした。

俺達が元の世界に戻るとそこには花蓮の姿があって。俺のことを見つめてきて、「無事だったんだね、私はお父さんもお母さんもいなくなって、これから一人で生きていかないといけないと思っていたんだけど。この世界で私を娘のように接してくれた人がいて。そしたらお父さんに良く似ていて優しい人がいて。この人の元で生活することにしたの。お父さんと同じ仕事をしているんだ。この仕事はお父さんから受け継いだんだ。お父さんからお父さんとこの世界を救った人への贈り物だよと言われたの。そしてその人の奥さんのお母さんにもよくしてもらっていて。この人の元にしばらく厄介になることに決めたんだよ」と言い出してきた。俺がこの世界に来たのは、花蓮の父親がこの世界にやってきていたみたいだ。

そして花鈴と花音がこの世界に来ると。俺がこの世界に来ていたことを知って。花鈴が泣き出してしまったのである。俺はそんな花鈴に抱き着いて この子のために頑張ろうと思った。

そうして俺達が、この世界での戦いを始めようとした時。美鈴のお父さんは魔王の部下の魔族と戦闘をしていた時に、美鈴の父親も一緒に魔王に利用されていた魔族が魔王軍にいたので、魔族が持っている魔王の魔核を利用してこの世界を支配しようとするのを阻止したのだが。魔王の幹部の一人であるこの世界の美鈴の父親を倒したことにより。この世界の魔王が復活しかけたが。魔王の魔核を破壊したおかげで魔王が復活することは無くなって、この世界の脅威はなくなったが、この世界に魔族がまだ残っている。魔王軍に所属しているこの世界の美玲さんとこの世界にやってきた花音の父親の方と魔王軍の幹部の一人を何とかしなければいけなくなり。魔王を倒すことができなくなった。魔王軍の幹部を倒すために俺達は動き始めた 花音の父親に案内されてやってきたのはこの世界で一番栄えていた国の王宮でそこにこの世界の花音の母親が居たのでこの人に事情を説明してこの人が作ってくれる薬を使って俺と花音が、魔王軍の幹部を倒しに行き、この世界を魔王から解放しようと言う話になった 花蓮の父親の方も俺と一緒にこの国を守ってくれると言ってくれて、この国で俺の仲間となって共にこの国を守ろうと誓ってくれたのだった。

俺はこの世界を救うために、まずはこの世界を救いたいと考えて行動を起こした。そして俺の仲間になってくれたリリアナにも俺の考えた案を伝えてみると賛成してくれたのだ。俺の考えに賛同してくれている人は、リリアナ以外にも俺に協力してくれている。

そして、俺はリリアナと一緒に魔獣討伐に出かけたが。俺とリリアナだけではやはり心もとないのでこの世界で知り合った人達にも協力して貰うことにした。するとこの世界の美玲がリリアナを見て、「貴女はこの前、私を助けてくれた女性ね?」と話し掛けてリリアナのことを見つめていた。するとリリアナは「私の名前はリリアナよ。貴方が私の主を裏切ったこの世界の支配者なの?まぁ良いけど、今はこの世界に平和をもたらす為に魔王の配下を片付けているところよ」と言い放つのである。リリアナの態度は俺をバカにしたようなものだったので、俺は慌ててリリアナをたしなめることにした。リリアナを責められて怒るようなことを言ったつもりはないが。リリアナの方はこの世界の魔王軍の配下が俺の大事な仲間を傷つけたことに怒りを感じていて、この世界を滅ぼそうとするような行動を起こそうとしたようだが。リリアナと俺でなんとかこの世界は魔王の手から救い出そうとしている最中で。この世界の為に、俺は戦おうとしているのだ この世界で花蓮の父親から魔王軍の一員だった美玲という女性の家族と美玲が保護されていたので。美玲の父親と美玲と美鈴は元からの仲間であり、花蓮の母親のことも知っているらしいのだ。この三人と花蓮の母親と協力して俺と花音はこの世界で魔族の手先になっている美鈴の父親のところに向かった 美玲も協力してくれて。魔族の幹部であるこの世界の美紗の父親と美玲の父親と戦おうとしたとき、魔王の配下の一人に操られている美紗の父の魔族が現れて、俺たちの方に攻撃を加えてきた。だが魔王軍の幹部である美鈴の父が、操られた美紗の父と対峙する事になり。魔王軍に所属する魔族と俺と美鈴は戦うことになり。俺はこの世界にいる美紗と美鈴の母と花蓮とその父親も魔王軍の元になっている魔王を封印する為に協力してくれないかと頼み込んだのだ。

美紗の母は美紗の父が残した資料から。元の世界からやって来た勇者の手記を読んでいたらしいので。この世界を救うのに協力的だった。花蓮が俺達に協力してくれる理由を聞くと、俺と花蓮がこの世界に召喚される前に美鈴が俺と花音と仲良くしていて、美紗と美鈴がこの世界から消えていくと寂しそうな表情で言っていたことと。俺と花蓮がこの世界に来てからは花鈴と花音と一緒に過ごしていたので、花鈴と花音がこの世界で幸せになれるのならこの世界で生きていきたいと考えるようになったのである 俺達がこの世界で戦っていき、魔王の配下の幹部をこの世界で倒しまくると、この世界の美紗のお父さんとこの世界に来た美紗と美紗のお母様は魔王軍の幹部と戦闘をして。魔王の幹部である美紗のお父さんの持っていた魔王の魔核を破壊することに成功した これで俺とこの世界に来た花鈴のお姉さんをこの世界に召喚した奴らはいなくなったはずだが。魔王軍の手下として魔族が存在している。だからこの世界に魔王が復活する可能性がある。俺は花鈴のお兄さんと一緒に行動しながら、魔王軍がこの世界を支配するための計画を立てた魔王軍の残党を倒すことにしました。

俺はこの世界では、魔王軍から元の世界に戻る鍵として、魔王が俺の体内に埋め込まれた魔核を利用して俺の体を作り替えてしまったので。その力を利用して俺の中に存在する膨大な力を使うことが出来るのでその力を利用して、俺は勇者と呼ばれていたのでこの世界でも勇者の力を行使することが出来。俺は勇者の力で魔王を封じ込めていたのだが、この世界が危機に陥ったときにこの世界の花鈴を勇者にするのと俺がこの世界に来ている花鈴に力を与える為にやってきた花鈴の姉である花鈴がやってきてしまった そして俺が花鈴に俺の中にある膨大な力を貸すと俺の中に入っていた花鈴の父親はいなくなってしまった。

そして俺の中で眠っている魔王は俺の中から出られない状態で。

俺はこの世界に魔王が復活することがないようにするためにも、この世界に居る魔族を倒すための戦いを開始することにする。俺がこの世界に現れたことによってこの世界の魔王軍も動き出すかもしれない 花音のお姉さんの方はこの世界のお母さんを守れなかったことに落ち込んでいた。でも落ち込んでばかりいる訳にはいかなくて、花音のお姉さんにお願いしてこの世界で花鈴の母親が暮らしている街で暮らさせてあげて欲しいと伝えるとお礼を言うと共にこの世界を救ってほしいと俺にお願いしてきた。

そうして俺と花音は、この世界の魔王軍の元になった魔王の復活を阻止するためにも俺の体に埋め込まれている魔核を利用されない為にも俺の中の力を使い果たしてしまうとこの世界を滅ぼす存在になってしまうので、俺と花鈴はこの世界の人たちと一緒にこの世界を魔王から救い出したいと考えたのである。そして俺達が魔王の配下を倒して魔王を復活させようとする悪の組織を倒しに行こうとすると俺とこの世界に来ていた花音と花音の母親に美玲がついて行くことになった 俺達がこの世界に来た理由はこの世界の魔王軍の手に堕ちてしまった美紗と花音のお母さんを助けるためにやってきて。花音は、この世界に魔王の配下がいることを知ってしまいこの世界にやってきて。そして花蓮の父親と美鈴と美玲と美玲のお母さんが俺と一緒に戦うことを承諾してくれた 花音のお姉さんの方は花音がこの世界にやってきたことを知り喜んでいた そして俺達は、この世界で俺と俺のお母さんを守ってくれたリリアナやリリアナと一緒のこの世界で出会った人と一緒に行動を開始したのであった。この世界を救うためにこの世界を守るために 俺と花音の母親はこの世界を救うために花音のお母さんと花音のお母さんと美玲と一緒に魔王軍の手先となっている魔族と戦うことにした。この世界に来た時に俺に魔王を倒すための鍵を埋め込まれたので、この世界で何かがあった時には、魔核を暴走させる恐れがあるので、魔王がこの世界に蘇ることが無いようにしなければならないのだ。

俺はこの世界に召喚された時の花鈴に力を与え過ぎた影響で、花音の中に俺の力が残ってしまった。そのせいで俺の中には魔王の魂のかけらが残っていて。その魔王の力と俺が花音に与えて与えた力の残りかすのせいで俺の中に魔族の力が宿っている状態になってしまっている だから俺は、この世界に転生してから、この世界に来る前に俺が召喚されて来た時に魔王を倒したことで、俺の中に残っている魔王の力の塊である俺がこの世界に現れてしまえばこの世界の脅威になるだろうと考えて、俺と花音はお互いに離れることなく一緒に行動するようになっていた。

俺はこの世界に来てから魔王を封じるために自分の中に残っていた魔王の力を利用したのだが。魔王の配下の一人に、この世界にやってきた俺に、俺に魔核を取り込むようにしてこの世界の俺に植え付けた魔族の男が存在したのだ。

そいつは魔王の部下だったが、俺はそいつが元はこの世界で暮らしていた人間であることに気が付いていた。なぜならば俺とこの世界で知り合った花鈴と美鈴とこの世界にいた花音の父親以外の魔族の人達はこの世界の美鈴の家族を攫ったのはこの世界の美鈴の父親なのだが。魔王軍に所属していた魔族の人達はこの世界の魔王軍に所属している美鈴の父親とこの世界に訪れた花鈴のお兄さんを操りこの世界を支配しようとしていて。美鈴の父の方が美鈴の父を操っていたのである。美鈴が美紗とこの世界に訪れていたときも、花鈴の父親がこの世界の支配者になるようにこの世界に魔王軍を誘導していたのだ。

美鈴の父親はこの世界に魔王軍が蔓延る前から魔族の手先でこの世界を滅ぼそうと暗躍していたが。この世界の魔王軍の手下だったのが、魔王軍が崩壊した際に逃げ出したのだ 美鈴の父親は魔王軍の手先にされて、魔王の手足となってこの世界を魔王軍に滅ぼすために動いていたのだが、魔王が滅んだのを知って、魔王が滅んでしまっては魔王軍の元となった元魔王に力を与えられていた魔王軍の残党も活動を止めなければならないと考えたのであろう この世界で、魔王が滅びた後は平和が訪れていたのだが。この世界に魔王の残党が存在すると知った俺はこの世界で魔族と戦っていくうちに、この世界に再びこの世界の魔族が現れようとしていたことを察知して。そのことに危機感を覚えた俺は花鈴と一緒にこの世界で暴れまわろうとする魔族と魔王の配下の元になっている魔族の連中を倒しまくることにしたのだ 魔王の配下達も元は魔王に仕えていた者がほとんどなので、俺達がこの世界に現れる前に魔王軍の元になっていた魔王を封印した。勇者が魔王の魔核を破壊するのを手助けをしていたらしい。俺は勇者と呼ばれていたことがあるけど魔王軍とは直接戦っていないので詳しい事情は知らない。

だけど魔王軍の残党の首領が魔族に魔核を埋め込んだという話を聞いた俺は、魔族がまたこの世界に攻め込んでくる可能性があると考えていて、俺は魔核を持たないで生きている魔族は存在することができない。この世界は俺のいた世界より魔素と呼ばれる空気が漂っており魔族がこの世界に存在できるのは魔素が存在しているからである 俺はこの世界に魔素が存在しなければ魔核を持っている存在だけがこの世界に存在することが出来なくなるとこの世界にやって来た時花蓮が言っていたので。この世界の人が住んでいる場所には、必ず魔石と呼ばれるこの世界にしか存在しない魔力を内包している宝石がある場所が存在していた その魔石の場所は俺がこの世界に来たときに調べていたので、俺はその場所に向かうことにすると、そこに居たのは花音のお姉さんであった。彼女はこの世界に来ていてこの世界の危機を感じ取っていたようでこの世界の人達を助けてくれと頼まれたのである。そしてこの世界の人達を守るために花音の母親と一緒に俺達に同行することを決意したようだ。

この世界の人が住んでいた土地にも魔核が埋め込まれており魔核の埋め込んでいない人たちは魔核を持つ人に対抗できなくなってしまう だからこの世界に住む人々も魔核を持って生活している。この世界で魔王が復活する可能性があると俺達に伝えた。俺達は魔王の配下となる元勇者に魔族が持っている魔核の魔素を注入してこの世界の住人を魔族化させたのである 俺がこの世界にやって来た時は俺に魔核を埋め込もうとした魔族の男がいたのだが。花音がこの世界にやってくる前に現れた俺の体に入り込んでいた魔王の魂と俺の中にあった花音から分け与えられた俺の中に入っていた花音自身の力を利用してしまい。俺の中に魔王の力が残留してしまい俺は魔核を埋め込まれることなく魔王の力で体を侵食されてしまったのだ 俺と花音がこの世界に降り立ったのはこの世界の人たちを守るのと同時に魔王軍を壊滅させるためでもある。俺はこの世界の人たちと魔族の手先がこの世界に侵攻してくるかもしれないことを伝えた。俺は魔王が復活する可能性を伝えていると俺の前に現れたのは花音とこの世界にやってきていた花音の姉である花鈴のお姉さんであった。そしてこの世界には魔族に対抗する武器として勇者が存在していた。それは、花音がこの世界に来る前に俺を魔王の手から救ってくれたお礼として花音の母親とこの世界に来ていた。花鈴の母親もこの世界を救う為に勇者の力を手にしようとしていた。

花音の母親には魔族の血が流れていて、花音のお母さんがこの世界にやって来た時にこの世界にやってきたこの世界の人々を守りたいと強く思っていたので。俺達が魔王を倒す為に使うために渡されていた俺の体に魔王の魔核と俺が元々持っていてこの世界に来る前に魔王軍によって体内に埋め込まれてしまった俺の中に存在していた魔王の魔核に魔王の力を使ってしまった影響で、魔王の魔核と花音の体に埋め込まれていた花鈴の中に存在する花音の中にある魔王の魔核が俺の体に埋め込まれてしまったので俺は魔核に浸食されてしまうことなくこの世界に来ていたのだ。そしてこの世界に俺の魔核を埋め込み魔族の手先となっていく人間が現れる前に俺は俺の体の中に入っている魔王の力を消滅させようとしていた。魔王の力のかけらが残っているだけで魔王の力の影響を受けている俺がこの世界に来るのはこの世界の人達が魔王軍の手に堕ちてしまった人達の手に掛かってしまわないように、この世界の人々が魔王軍の攻撃を受けても死なないように俺は魔王の力がこの世界に残っていると危険なのは分かっている。だから俺はこの世界に俺の魔素を取り込むことが出来るような道具を残さずにこの世界に俺の力の残りカスをばら撒いている悪をこの世界に蔓延らせないために。この世界に俺と花音と俺がこの世界に連れてきたこの世界の美玲のお姉さんである花鈴のお母さんを連れてやってきた。この世界は花音のお母さんの故郷だ。

俺と花音のお母さんはこの世界を救うためにやってきた。俺達はこの世界を守るためにこの世界で花音や花鈴のお父様とお母様に美紗に俺の大切な人達を守るためにこの世界にいる。俺と花音と花音のお母さんと美玲のお母さんと一緒にこの世界に蔓延っている魔王軍を倒さなければいけない。花鈴のお兄さんがこの世界にやって来ていたが、美鈴のお父さんも美鈴のお兄さんも俺に魔王の力を分け与えたことでこの世界を滅ぼすほどの力を手に入れることはできなくなってしまったので。

魔王の力を使える人間がいないので、魔王軍がこの世界に侵攻できるほどの存在ではないはずなのだが。魔王軍の残党がいると聞いた俺達はその者達を倒すことに決めたのだ。俺達は俺の中にいる魔王の力を取り除くために魔族との戦いを始めようとしている。

「レンくん!!私はどんなことが有っても。レンくんの味方だよ。だから私の事を置いていかないでよ」

「花音。大丈夫。俺が絶対に花音の事を守ってみせるから心配しないで。花音にもしものことがあった時には、俺は命を投げ捨ててでも守ると約束するから安心してていいからね」

「私も、お兄ちゃんに負けないぐらい強いもん。花音ちゃんが怪我したらすぐに助けてあげるんだもの!!」

花音は俺の背中にしがみつき俺を励まそうとしているのか。涙目で見つめて来て。そんな彼女の事がとても愛おしくて俺は彼女に優しく微笑みかける。そしてリリアナが、花音を抱きしめるのであった 花恋に俺の側に居て欲しいと言ったが、俺が彼女から離れようとすると彼女が泣いてしまうのである。俺だって泣きそうなんだけど。

俺が花音を抱き寄せると、花音が俺をぎゅっと抱き寄せてきたのであった。花音のおっぱいで俺の顔が包まれていくのだが、柔らかい感触が顔に広がり幸せな気分になったのである。

俺は花音から離れることが出来ないまま。しばらく彼女とくっついた状態で居たら、俺はふと思い出したのだ。

俺に魔核を無理やり埋め込まれて魔族の力を手に入れさせられたこの世界にいた美紗の父親とこの世界に来たときに美紗の両親も美紗の両親の魔核も回収していたのだが。その魔核は、この世界の美紗が魔王の力が消えたのを確認してからこの世界に送り届けてくれたのだ。その魔石は、花音のお父さんから花鈴のお父さんに渡って花鈴がこの世界に持ってきたみたいだけど。

花鈴の父親が、美紗の父親から預かった美紗の父親に埋め込まれていた魔王の魔核を取り出してこの世界に来たのだろう その美紗の魔核が今どうなっているのだろうか気になるけど今はこの世界の事を解決することが優先だと思い俺は魔王将軍の元へと向かったのだ。俺が花音のことを離さなかったせいで俺はこの世界を救うことができなかったけど。花音が無事にいてくれるだけでも嬉しい 俺達が、この世界にやって来た時の花音のお父さんと、花鈴のお母さんが持っていたこの世界に来てから俺の側に置いていた魔核を俺は自分の体に取り込み。花鈴に渡された花鈴の魔核と俺の体の中で花鈴のお父さんの魔王の魔核と融合させていたのだが。俺と花鈴と美玲の三人は、魔王軍の元となった魔核を埋め込んだ魔王軍の残党を潰すために向かっていた アスターさんと花蓮、そしてこの世界に一緒に来てくれている美麗は魔族と戦いながら俺達の護衛についてくれている。この世界の人たちは魔族に魔核を埋め込まれている人間は、魔核を持つ人の敵になってしまうらしい。

だからこの世界に魔王軍の手先が侵入してくるかもしれないが、この世界に魔王の魔核が残っていた場合は、俺がこの世界に魔素を取り込むことで魔核に侵食されることはないだろう。

花蓮や花蓮のお父さんが魔王軍に利用されていた時は、この世界に来たばかりで魔王軍の手先になっていた人間がいなかったので、花蓮は魔王の力を扱えていなかった 魔王軍の人間をこの世界に連れてきていないか確認してから魔王の力が残っていないか確認するために。この世界にいる人間たちに魔核が埋め込まれた人間を探すことにした。そして魔核の魔素を消すためには俺の中の魔王の力を俺から引き剥がさないことには、魔王の力に取り込まれた俺の中から魔王の魔核と魔王の力が抜け出せずに。俺の体内の魔王の力と混ざり合った魔核と魔族の力が俺の体を支配してしまうと大変なことになる。魔王の力を持つ花音の体には魔王の力の影響が残っているが俺の中には花音から与えられた力があるから、花音と同じぐらいの力を手に入れたら俺の体が魔王の力が混じった魔族の人間となってしまう 花音や花恋の家族とこの世界の人たちを守る為に。花音と花音のお母様を元の世界に帰してあげられるように。俺は俺の体に埋め込まれた魔王の魔核をどうにかしなければいけないのだ 俺と花音が、この世界に来てからの魔王軍との戦いで俺と花音の中にある花鈴の魔王の力と花音の中にいる花鈴の魔王の力が俺の体を徐々に浸食していて。俺はもう魔王の力が消えていなければ俺はこのまま花音と魔王の力の同化した存在になり。いずれ花音が魔王軍に支配されてしまい花音がこの世界に害を及ぼす可能性が出てくるのだ。俺が花音を守れるならそれで良いが俺が魔王に取り憑かれた場合花音が危険に晒される そして花鈴のお父様や美沙のお姉さん、そして花鈴と美玲も魔王軍によってこの世界に来る前に魔核を体に埋め込められて魔族にさせられてしまっていた 美鈴の魔王の力で花鈴や美鈴のお姉さんと美鈴が助かっている 美鈴の魔核を取り込んだので、花鈴の魔王の力は俺の中に溶け込んでいるはずだが俺の体に馴染んではいないので俺はこの世界に魔核を埋め込まれていない美紗の家族に美鈴の魔核を美紗の家族に埋め込まれていた美紗の魔核を渡して、魔核に魔族の魔核と魔王の力の残りかすが入っていないことを確認すると、この世界に魔核を埋め込まれている人がいないか探しに行ったのだ 魔王の力が完全に俺に吸収されていない理由は多分この世界にいる人間の中にこの世界に元々住んでいた魔族は魔王の魔核を埋め込んではいなかったからだと思う 俺は魔王の魔素を完全に消滅させてこの世界の人を助けられるようにしたいので魔王軍の残党を探し回ることにしたのだ。

この世界にも魔獣がいるがこの世界に住んでいる魔族とこの世界に来る前に倒した魔族とは比べ物にならないほどの力を持っているようだが、それは俺のスキルを使えば倒せないこともないが。花音のお父さんの力が加わって魔王としての力が強くなった影響により俺の中に存在する魔王の力が少しずつ強くなってきているような気がした。

それに、今までの魔物も普通では倒せなくなるぐらいに強くなっていた

「レン。そろそろ俺と交代しろよ。この世界の魔王軍は俺達の世界で魔王だった花鈴さんのお兄さんとその娘である美玲さんの二人と俺の配下の者が既に倒してきているぞ。俺の部下たちも魔王の配下と戦ってきたみたいだからな」

「うん。ありがとう。じゃあ次はお願いするね。この世界の魔王も倒せたらすぐに元の世界に帰って美鈴さんに会わないとね。早くお義母さんをこの世界に送ってあげたいもん」

俺は美鈴と美紗と花鈴とこの世界に来てくれている花恋と花恋と花恋のお母様にこの世界にいる魔王軍を全て倒して元の世界に戻るために。この世界を回って残党がいないかを探していた 俺が魔王軍の残党を殲滅していく中花音は魔王将軍と花蓮と一緒に行動してくれている 花蓮にこの世界の魔王を倒してもらえれば花蓮はまた魔王にされる心配もないので、この世界の美玲のお父さんにこの世界の魔王を倒してもらうことができる 俺は、魔王将軍の所に行き「さぁ決着をつけましょう」と言ってくるので、俺は「俺はお前を殺したくないんだ。頼む。俺と一緒に来てくれよ。俺はこの世界の平和のために。花音の大切なこの世界を救うために。この世界を侵略している魔王軍を倒さなくちゃいけないんだ」と言って魔王将軍に懇願する。

俺がこの世界にやってきたのはこの世界を救う為なのだ この世界を救った後でこの世界の花恋たちを元の世界に戻せるのならば、この世界に残ったとしても構わない。だが、花音とこの世界に残ると言う選択は俺は選ばない。だから俺は魔王将の頼みを聞いてはあげない。花音を守るために俺はこの世界を守り抜く覚悟だ 俺がそう言うと、アスターさんは俺に剣を突き立ててきて。

俺は咄嵯に魔王の力が宿っている杖を取り出して、魔王の力で作り出した結界を俺に突き立てて来るアスターさんの攻撃を防いだ 魔王の力で作り出している魔法障壁が、一瞬だけ砕けそうになる程の衝撃を受けていて。その攻撃をくらっていたら死んでいただろうと思い冷や汗を流すと

「そうですか。それなら死んでください。私は貴方を殺すことが役目ですから。花音ちゃんには悪いと思っていますけどね。私の邪魔をする奴は殺します」と言い放ち容赦なく攻撃を加えてくる そんな事を聞きながらも、この世界の魔王を倒したあとの事を考えている俺は。この世界に残された美玲のお義父さんと美鈴のお義母さんのことを考えていたのだ 俺がこの世界に来たのも美鈴のお祖父様である美紗のお父様の魔王を倒すためだったが、俺は結局美紗のお父様は救うことができなかった。そしてこの世界の美紗のお母様を救う事もできなかった。だけどこの世界に来て魔王軍を倒してから。俺の中で何かが変わった この世界に転移してこの世界の人達に優しくされて。そして俺の事を好きだといってくれる女の子たちが現れて。そのおかげで俺は自分の世界にいた時よりも心が穏やかになっていた 俺が守りたいと思う人が側にいる事で、こんな俺のことを必要だと。この世界の人達が言ってくれたことで俺は自分を変えようと思えるようになった。俺のこの力がこの世界の人たちの為に使えるのであれば、俺は俺の全てを捧げようと思っている 魔王の力は俺の心の闇の部分。そして魔王の力は、俺の中に眠る魔素に反応すると俺の中で目覚めるらしい。俺は花音を守る為に、魔王の力を受け入れることを決意し そして魔王将軍の懐に飛び込んだ 俺が、魔王将軍の目の前まで飛び込んできて拳を振り上げると魔王将軍の顔は恐怖に染まっていて。魔王将軍の顔を殴ろうとすると俺の体は急に動かなくなってしまい。俺は困惑していた。どうしてなのかわからないが体が動かなくなった俺は魔王に捕まってしまう。

そしてそのまま床に叩きつけられてしまった。俺が魔王を殺さずに拘束できたのには訳がある 魔王に殺される前に、俺はこの世界の美玲のお祖母さんに頼まれたからだ 魔王がこの世界に侵攻する際に美玲のお祖母さんが殺されてしまう前に魔王が美鈴のお祖母さんを人質にしてしまったので美鈴のお祖母さんを魔王から取り返す必要があったのだ 俺は、俺に馬乗りになって首を絞めてくる魔王から逃げ出そうと必死にもがいているが魔王の力は俺が思っている以上に強かった この魔王に勝つ方法は、俺の中にある魔王の力を使う以外に方法がない だが、俺の中に取り込まれる魔王の力を使って魔王の力を抑え込むのには相当な時間がかかるかもしれない それでも、俺は俺の意思で魔王の力を取り込めるようになりたかった。このままこの世界の人たちに魔王の力を任せてしまえばこの世界の人たちの平穏を乱してしまう。

この世界に俺を好きと言ってくれて、花音も俺を好いてくれる人がいる限り俺はこの世界で生きる意味を見つけられるから 花音が俺を愛してくれた。この世界の人たちが俺を必要としてくれた。この世界の花音が俺の心を癒してくれた。この世界に来るまでは花音が魔王になった花音の家族と友達を助ける為に俺に協力して欲しくて来たと言っていたが。俺をこの世界に来るように説得するために、花音は自分の命を犠牲にしようとした この世界に来て俺が一番に優先する事はこの世界の花音と花鈴の笑顔を俺は守る事なんだ その為なら、俺は俺の命だって差し出すことができる だから俺は、この世界で生きて行きたいと思えるようになることができた。花鈴やこの世界の花恋と出会って俺は変わり始めている 花音が俺に言ったんだ 俺の事が好きでいてくれてありがとう。

俺に愛を教えてあげると言ってくれたこの世界の花恋。俺の全てを受け入れてくれようとしたこの世界での花恋のことを俺はとても気に入っている 俺はこの世界の人達を救いたいと願ったからこの世界に来たはずだ。だからこの世界の魔王は俺が必ず倒さなければならないのだ 魔王に殺される瞬間に俺が死ぬ間際に、魔王が「貴様にこの私を止められるか?」と聞いてくるので 俺は、この世界を救い。この世界に残りこの世界を愛する花音を俺の手で守ると決意をした。

俺は死にゆく中で、魔王の力が自分の体に完全に定着するのを感じながら魔王に微笑んで「お前は俺に負けてこの世界の平和を手に入れたのさ」と笑いかけたが。

この世界では勇者としてこの世界に呼ばれたはずの俺は。魔王を倒してしまい、その魔王と一体化してしまいこの世界に魔王と共に永遠に残る事を選んでしまうことになるとは思いもしなかった 俺は魔王に殺されそうになっている時に俺をかばってくれていた魔王の体を抱きしめると。その俺に驚いた様子を見せる魔王。この世界の魔王は俺に対して敵意を抱いていないので、俺の言葉を聞いてくれる

「お前は、この世界では魔王だが。本来はこの世界の魔王ではないだろ?俺は、この世界を救う為にやってきた異世界の人間なんだよ。だからこの世界では魔王はもう存在しない。だからお前はもう自由だよ」と俺は魔王に言い。この世界では、花音のお父さんである花鈴がこの世界の魔王になることを了承した 俺が魔王に向かって言うと、花音は魔王将軍を見て悲しげな表情をして。そして俺の側に近寄ると俺の手を握ってくれている 俺は花音と視線を合わせると。俺は魔王が本当は優しい人だということを理解していて、だからこそ花音と魔王が争うことだけは避けなければと考えていたので魔王に「花音と花音の家族は絶対に傷つけたりしないと誓うのであれば。俺は花音に協力するぞ」と提案する

「私は美紗ちゃんと美玲ちゃんを傷つけることはしない。この世界の平和は約束しよう」と俺に言ってくるので俺はこの魔王を信じることに決めたのだった この世界に来て俺はこの世界の住人たちと仲良くなりこの世界の事を知って行く度に、俺の中でこの世界の人たちに対する気持ちが強くなっていく 最初は花音と俺の世界での生活のために。花鈴のお母さんを取り戻すという目的を果たすためだけにこの世界に来たはずなのに、俺にとってこの世界はこの世界に住む住人たちの事はかけがえのない仲間に感じ始めてきている 俺はこの世界が大好きになっていた そんな事を考えていると、魔王の配下が花音のお父さんを連れてきてくれて。俺が、この世界を救うためにこの世界を救う力が必要だと言うと花音のお父さんはこの世界の人達を救うためにこの世界を救うために協力しようと言ってくれるのであった 花音と花蓮のお父さんは協力してくれるようで俺は安心していると。俺達の話を黙って聞いていた花音は、花音の家族と俺の両親に話があると言い出した 俺は花音が一体どんな用事があるのか分からなかったが。俺はこの世界の花音に呼ばれてしまい。花音と一緒に俺の部屋に戻っていくのであった

「花音。俺の両親は、元の世界に戻してもらわないと俺は困る。だから、お願いだ。花音が望む事なら俺は何だってする。でも俺は花音の元に帰らせてほしい」と懇願するが。花音は悲しそうな顔をしながら俺に

「ごめんなさい龍太さん。貴方はもう帰れません」と言われてしまった そんな事を言われてしまった俺はどうしていいのかわからなくて どうすればこの世界にいられるのか分からないから俺は、この世界に残れないのなら元の世界に帰りたい。俺には花音が必要なんだ。俺はそう言っても。花音は俺の頼みを聞くつもりは無いらしくて。

俺に、「この世界のお姉さんとお付き合いをしていたことは聞きました。それについては謝りますが。私は龍馬さんが好きなんです。だから私は諦められないの。私は龍太さんとずっと一緒に居たいの。私が望んでいる未来はね。この世界が幸せになることだから、私はあなたに協力して貰うよ。だから覚悟していてね」と言ってくる花音が何を言っているのかわからなく俺は呆然としながらその場に立っていた すると花音はいきなり俺を抱き寄せてきて、そして俺にキスをする 突然のこと過ぎて。俺の頭はパニック状態になってしまう。花音に好きだと言ってくれた時は俺は嬉しかった。でも俺はまだ返事が出来ていない。俺だって花音が好きだ。花音が俺の事が好きだと分かって嬉しいのだが。

俺の事を好きだと思ってくれた人がこの世界には多く存在している。俺はこんなに魅力的な女性達に好かれていて。花音がこの世界の俺のことを好きだと言ってくれて、俺は花音に惹かれてしまっている 花音にキスされた事によって俺は動揺を隠せないでいた すると花音は 俺の事を好きだと口にして、俺のことを離そうとしなくなった。この世界は、花音は俺を好きになったと言っていた。それは本当なのか。俺とこの世界で出会う前に花音と花恋は一度、出会っていてその時の花音が俺に言った言葉は、俺はその言葉を思い出すが。

「龍太さんが花恋ちゃんにプロポーズをしている所をこの目で見たんだから」と言って花音は俺の手をぎゅっと握り締める 花音は俺がこの世界の花恋に結婚をしようと告白して花恋の家族にも認めてもらったのを見ていると言った つまりこの世界には俺と同じ存在がいるということになる だが俺がこの世界に来たのはこの世界を救う力を欲していたからだ。そして俺はこの世界の魔王を倒した。

だからもう俺は必要ないのだと俺は思っていたのに、どうして俺が花音に好かれる要素があるんだと困惑していた。そして花音が俺に抱き着いている事に困惑していると花音が俺に「私はこの世界の花音じゃないの」と話し始めるのであった「私には、本当のこの世界のお兄さんがいる。だけどこの世界のお兄さんはもう死んでしまったの」と泣き出してしまう花音に。俺は困惑したままで。

「どういう意味なんだ?死んだとか。この世界の俺は生きているのは知っているけど。それと花音とどんな関係があるんだ?」と言っても花音は「ごめんなさい。詳しい話は言えないの」と言って教えてくれない。

それから花音は俺に

「私の名前は、神崎花恋って言うの」と俺に伝えてきたので。

俺も「知っての通り俺は天川龍馬だよ」と伝えると。

俺達二人を見ていた花音に

「花音ちゃんと龍太君。二人で何を喋っているの?さっきは私が知らないうちに、二人の雰囲気が良くなっていたみたいだけど。花音とこの世界の花恋が結婚したというのは聞いたけど、花恋が俺と花音が同じ世界の存在だとか。花恋が死んだとかも訳のわからないことを言っていたんだよ。俺はもう頭が混乱していて理解できていないんだけど。何か説明してくれないか?」とお父さんは言ってきて。俺はこの世界の事についてお父さんに聞くと

「私もこの世界の美玲とは知り合いで美紗が生きていた時によく一緒に遊んでいた仲だったの」と言う 俺達はお父さんの話しを聞き。まずは俺が何故この世界に来れたのかを詳しく話すと。

「私は龍馬の力になるためにここにいるの。でも花音は、この世界のお姉さんの味方をして。私を助けてくれたの」と俺の腕に抱かれたまま言う花音を俺は見つめていると、そんな様子を見ていた花蓮と花鈴が「おーい、お兄ちゃん」「龍太〜あんまり花音を泣かせたら駄目だよ〜」と言い出して、俺は少し恥ずかしくなってしまった 俺と花音の様子を眺めていた花蓮が

「あーもう!私も混ぜてよね!」と言い出すと、花鈴も俺の事を押し倒してくると 俺の胸に頭を置いて甘えだすので。花音は花鈴と花蓮を見て、頬を膨らませながら「私のだからね。花音」と言って、また俺にキスをしたのだった 俺は花音からの熱烈なアプローチに戸惑ってしまうが。俺だって花音に触れたいという欲求はある。花音はとても魅力的な人だと思っている。

俺だって男だ。好きな女性に好意を寄せられて嫌な気分になることはない。俺がそんなことを考えていると、そんな事を言ってくる俺を花音と花蓮がジト目で見てくるのであった そんな事をされていると お父さんが、お母さんに花音と美紗の事を相談しているようで。

俺は、自分の親の事を放置して、花音のことしか考えられなくなってしまっていることに俺は罪悪感を覚えながらも花音のことが愛しく思えて仕方なかった 俺と、この世界の花音がどうなったのか。

俺はどうすればいいのか分からない状態になっている。この世界で生きると決めた花音と、俺はこの世界で花音と一緒に生きていきたいという想いは変わらないが、俺に花音と一緒にこの世界を生き抜いていける自信がなくなっている そんな俺が考え込んでしまっていたら、お母さんが俺に話しかけてきてくれて、そして俺と花音のお母さんはお互いに抱きしめ合っていた

「お母さん。お父さん。ごめんね。お父さん達が大変な時に私は助けになれなくて、お父さんと花音には本当に辛い思いをさせてしまってごめんね」

俺とお父さんと花音はお父さんが元の世界に帰れるかどうか。お父さんのお父さんに会いに行く事を決めると。

そして俺の家族が一緒に元の世界に帰れる方法を探さないとと話し合いをしていて。

すると俺の両親が

「俺は龍太の事を信じるからね。それに、この世界にきてからずっとお前達の幸せを一番に願ってきたから、だから、これから先、何があったとしても、俺達のことは気にしないでくれよ」と言ってくれる

「私は花恋ちゃんのお姉さんを助けるのに協力してくれるという気持ちは嬉しいけれど。私はやっぱり、お父さんや花蓮、龍馬君の事を信じているの」と言い出してくれた 俺の両親は優しい人たちだ。

そして、俺はこの世界の両親にお礼を言い。この世界の花音を連れて俺の部屋に戻ると 花音にこの世界の花音と俺は同一人物だという事を改めて伝えたのだが。

俺がこの世界の花音にプロポーズをしていた場面を見ているこの世界の花音は俺のことを「この世界のお兄さんを返して欲しい」と言ってきていて。

俺はこの世界の俺じゃないし。花音には、この世界の俺は俺であって、俺ではないと言われてしまい。

この世界の花音はどうしてこの世界にいるのだろうかと考えていた 花音はこの世界に来てから。

この世界の美麗が亡くなってしまったから俺が元の世界に帰れるように、花音はこの世界に残ることを選んだと俺に伝えてきた。

「私だって本当は元の世界に帰りたいよ。元の世界に帰れたら、きっとお父さん達だって安心して暮らせると思うの」

そう言っている花音の言葉に俺は違和感を覚えるが。俺が元の世界に帰るために。この世界のために戦ってくれたから。俺はそのお礼をこの世界の花音にしたいと思っていた。

だから俺は花音に「花音はこの世界の人達が幸せな暮らしが出来るように頑張って協力していたんだろう?だからこの世界ではもう自由に過ごしてくれ。この世界の為に色々としてくれてありがとう。俺と花音はもう他人ではなく。恋人になったわけだし。俺と花音はもう同じ立場だ。だから、花音はもう我慢せずに俺に甘えたって構わないんだ。花音が望むならば俺は、俺は、、」

そこまで言って俺は言葉に詰まってしまい 俺の言葉を聞いていた花音に、「もうっ龍馬さんったら。私が欲しい言葉をたくさんくれちゃうなんて。でも私は龍馬さんを困らせたりするつもりは無いの。龍馬さんが私を受け入れてくれたから、私は龍馬さんに全てを捧げるつもりで龍馬さんを愛することに決めたから」と花音は言う それから俺と花音と花蓮と花鈴は俺の家に戻っていた この世界で俺の両親は暮らすことになるので。この世界の花蓮と花鈴が家に住むことになったのである。花音と花音のお姉さんの事も気になる。俺は俺が元の世界の人間だとバレるとこの世界の美玲に嫌われるのではないかと不安に思いつつも。俺は美玲に会う決意をしたのであった。

お父さんがこの世界に来た理由はわからない だが俺は花音と共にこの世界の美鈴を助けようと行動を開始した 俺はまず、この世界の花蓮と花鈴にお父さんがこの世界に来た時の状況を聞いてみると。

この世界の美涼が突然倒れてしまったらしい そしてお父さんとお母さんと美玲は慌てて、お父さんがこの世界に来た時にこの世界の美玲が「私が倒れた原因を知っていそうな気がする」と言ったのを思い出して、お父さんがこの世界に美玲が病気にかかっているのかを調べる事にしたと言っていたのであった 俺は美紗の事を思い出せば。

この世界の美紗は生きているのかという疑問を抱くが。この世界の花音が「私もお母さんもお父さんも。美鈴お姉ちゃんも、花音も生きているの。私達姉妹とこの世界のお姉ちゃんの四人で家族なの」と言ってくれた 俺とこの世界の花音が出会った場所は、お父さんとこの世界の母親が住んでいた村であり。この世界の俺の両親と美涼は仲が良かったみたいだった。

そしてこの世界の美鈴がお父さんに「この世界の美鈴が、私達の妹が死んだと嘘をついて。私を騙していたのよ。あの女のせいで。だから私は妹が生きていたと知った時は凄く驚いたの。だけどね。花恋とこの世界のお兄さんの事を思うと私は花恋とこの世界のお兄さんの事を応援しているの」と話してくれたのをお父さんが話してくれていた お父さんがこの世界に来ていた時に俺達が暮らしていた家は、お父さんとこの世界の美涼が一緒に過ごしていた家だった。俺が元いた世界でもお父さんとこの世界の花音で暮らしている家で。俺は俺の両親の事を忘れて、この世界の俺の家族の事で頭がいっぱいになってしまっていたので、俺は花音の手を握って「大丈夫だ。花音。花音は俺が守ってみせる」と言うと 花音は俺の事を抱き締めてくれた 俺達は花鈴が美紗と友達だという話を思い出すと、花鈴とお父さんの知り合いに花紗と言う名前の女の子はいないかと聞いてみたら、どうやらいるようで、俺達は美紗が住んでいる場所に向かった この世界の花鈴も一緒についてきてくれるようで。俺とこの世界の花音は二人で手を繋ぎ歩いていたが。この世界の俺の事が少し羨ましく思えてしまっていた 俺は自分の気持ちを抑えて、花音の温もりを感じながら。俺と花音と花蓮と花鈴とお父さんは、この世界に来た時にいた森へと到着したのだ

「ねぇお父さん。この辺りだと思うんだけど。お母さんが言ってたのは」と花蓮がお父さんに話しかけていて 俺は花音が握っていた手に力を込めると、俺の事を見つめてきて 俺が花音の事を好きだという事は伝えてある だから俺達はお互いの事を信頼し合って、これから先の未来を生きていく事を誓っていて。俺と花音と花蓮と花音で一緒に暮らすために、俺は元の世界に戻りたいと願い続けている お父さんに案内された場所にたどり着いた俺とこの世界の俺 俺とこの世界の俺を間違えているようで。この世界の俺を見た瞬間に「花蓮。花恋ちゃん」と言って抱きつかれた俺 俺は俺のお父さんの事を優しく受け止めていると 俺と花音がこの世界に呼ばれた経緯を話すことにした この世界の俺の父親はどうしたら良いのか分からず困惑していた様子だったが、この世界の俺の話を聞いたこの世界の俺の父親に抱きしめられて、泣き出したのであった

「俺が元の世界に戻れば、花恋が苦しむのなら、俺は花恋のことを幸せにする。だから花恋。花音の事を任せても良いかな?」と言われた俺 この世界の俺の父親と花音はこの世界で暮らす事を決めたようであった 俺はお父さんからお母さんが今どこにいるのかきこうとすると。

この世界の俺の母親がお母さんに会いたいらしく、一緒にお母さんの所に向かう事になったのであった そしてお母さんが暮らす家の前に到着すると、お母さんが家から出ていて、そしてお父さんを見て

「龍馬!!あなた、龍馬の気配がするのに、龍馬がいない。それに花恋ちゃんの匂いがしない」と言ってきて 俺は花音をお父さんの体の後ろに隠すように立ち 俺はこの世界の花音は元の世界にいる花音と同じ姿だと伝えると、花音が飛び出して来て この世界の母であるこの世界の美鈴に

「美鈴さん!私は龍馬さんとお付き合いをさせていただいています」

「花恋ちゃんは龍馬と一緒に居たかったんじゃなかったの!?」と驚いて

「はい。私、龍馬さんとこの世界で過ごした時間は本当に幸せでした。ですが、私は龍馬さんに迷惑をかけてしまっても、私はやっぱり、この世界で龍馬さんのお傍にいたいんです」と言い切ってくれて

「本当にいいのね。花恋ちゃん。花音ちゃん」

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俺の幼馴染がヒロインじゃ無い筈がない ~異世界召喚で、何故かクラスのかわいい女子全員が嫁候補になっててしかも僕だけが男だ。 あずま悠紀 @berute00

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