勇者召喚に巻き込まれたが俺は俺の日常を崩すヤツを許さない!~巻き込まれたハズなのに気付けば英雄に祭り上げられていた俺、魔王を倒します

あずま悠紀

第1話

ジャンル:異世界ファンタジー

タグ:異世界転生.主人公最強.剣と魔法.戦記.美少女.ライトノベル.ハイファンタジー.バトル

タイトル:「勇者召喚に巻き込まれたが俺は俺の日常を崩すヤツを許さない!~巻き込まれたハズなのに気付けば英雄に祭り上げられていた俺、魔王を倒します」


【作品概要】

主人公は高校生でごく普通の少年。

ただちょっと、人よりも少しばかり正義感が強かったり、お人好しな部分があったりするだけで。

ある日突然異世界から現れた少女と出会う事で物語が始まります。

==

「おいこら。人の顔見てため息ついてんじゃねえよ」

(こいつは一体何言ってんだ?)

唐突に現れた少女は俺を見るなりそう言うと不機嫌そうな顔になる。

どう見ても日本人じゃないのだが何故か流暢に日本語を話していて。

しかもこのご時世にコスプレでもなさそうだ。

というかこんな場所で何をしているのか、いやそれよりも何故いきなり初対面の少女に声をかけられているのかが全く理解できない状況に頭が真っ白になっていた俺は咄嵯の言葉が出なかった。

そんな間抜けヅラを晒していたであろう俺を見てまたも大きなため息を吐く少女……。……ってちょっと待てよ?何かおかしいぞ? 今さっきなんて言った?「おいこら?」だっけか。

はぁ?おいこら!?なんだそりゃ? 普通そんな言葉遣いしてる人間がいたなら「あっ……あ~……」とか何とか濁したような言い方をして距離をあけようとするものじゃないか?それが常識というものだろう?だがこいつは「おっ前、その態度はないわ!」みたいな感じで普通に罵倒してきたぞ?どういう事だよこれ……。混乱しつつも頭の中でグルグルと考え込んでいるうちにふと思い当たることがあった俺は恐る恐る聞いてみた

「えっと、君って日本人?」

まさかねー、と思ってはいたけどやっぱりという確信めいた思いもあるので恐々といった様子になってしまう。

だってここは秋葉原だからね。まあ一応東京ですがね、うん。田舎者には都会怖いんだよ。ほんとうにほんとだよ。それに最近流行り始めたらしい異世界物の作品の影響もあってか最近はそういう輩が増えてきたという話を聞くし、もしかしたら俺もこの娘に目を付けられちゃったんじゃないかな~と思ったわけですよ。

そんな訳で確認の意味を込めて質問を投げかけると目の前の少女はその綺麗なお顔をこちらに向けて睨みつけてきたのだけれど……ってうぉぅ!?目付きめっちゃ怖っ!!なんか光彩が無いように見えるんだけど!?よく見れば瞳孔開いてませんかこの子? っていうかその表情はヤバイよ!!ほら、道行く人がみんな避けて通っていくよ!?なんなら皆んなが通報ボタンをタップする寸前に見えるよ!?あれかな、これは事案発生なのかな? そんな考えを脳内で展開していた俺を他所に彼女は眉間に深いシワを寄せながら口を開いた。

「お前は馬鹿なのか?俺はここの世界の人間ではないと言っているんだ。

いいから質問された事は簡潔かつ明確に答えるようにしろよ」

はいアウト―!完全に事案発生しました!はい逮捕しますねー、手錠掛けて警察署に連れて行ってやるぜヒャッハー! ---

〜数分後〜…………。……。…………。…………。…………は?何これドッキリですか?誰かがテレビカメラで撮っているんですかね?それともそれこそあのアニメみたいな異世界転生でも始まったとでもいうのだろうか。だとしたら俺は主人公じゃなくて魔王側になりたいところである。

などど考えていた俺は少女から説明された事を必死になって噛み砕いて考えてみた結果、「この世界には魔力があって魔法が使える。だけど日本に住む人達はそもそもそれを認識していない為に使うことが出来ない。なのでもしこの国で魔獣の被害が発生したとしてもまず気付くことができない」というような事が話されていたようだ(正直全然聞いてなかった。ただ、何故か途中から俺の顔を見ながらニヤニヤしているように見えた)

要するにこの子は別世界から来た人間だということらしい。そしてこの少女はたまたま何らかの事情によってこちらに来たらしく俺と同じ日本からやってきたらしい。いやマジかよ。何それラノベみたいだなぁとは思ったけど、本当に来ちゃったよこれwwwwどうなってんのさ一体。

とそこでふとある事に思い当たったので今度は違う意味で心臓がバクつき始めてしまうのだが、それはつまり「異世界に行ける方法=タイムスリップできる方法が既に確立されているということじゃないの?」という考えに至ってしまったのである。そう考えると急に色々と辻棲が合い始める気がしたのだ。

実は俺は子供の頃SF映画を好んで観ていてその中でも時間旅行を題材にした作品を特に好んでいたりした。所謂スペースファンタジーと呼ばれるものですね。宇宙モノっていいよね、ロマンがあるもんね。ちなみに今でもたまにレンタルショップに行くことがあるのだがその時によく見かけるタイトルの一つにこんなものがあった。

『もしも時間が自由に行き来出来たら』

〜時は21xx年、人類は新たな進化を遂げた!〜 という煽り文で始まった作品だ。俺は当時この作品に心を打たれたのだ。そして同時に「タイムマシーンがあれば俺は絶対過去に戻れる!」という妄想を抱くようになった。いや実際出来るかなんてわかんないよ?だってタイムマシンの原理も作り方も知らないんだからさ。だけどそういう事を考えたり調べたりしていくうちにいつの間にか夢中になってしまった。

だから、そんな俺の夢のような体験が出来そうな出来事が起きたとしたら一体俺はどうなるのだろう。

きっとワクワクしてしまうだろう。心踊ってしまうだろう。そしてそんな感情は抑えられなくなってしまうだろうと思うんだよな。

----------そうしてこの後、少年は自分の運命を大きく変えてしまう事件に巻き込まれていくことになるのだが。それはまた別のお話で。

---【登場人物紹介】※()内は登場するエピソードです。

☆ 主人公の少年高校2年生 正義感の強い性格。ちょっと人よりも少しばかり優しい面を持っている。趣味はゲームと映画鑑賞。最近は異世界転移系の物語にも嵌っているようでその影響もあってかそういった願望を持つようになっていた模様。見た目は平凡でごく普通の高校生だが、その内面ではオタク気質の部分が多分にある。その為か学校生活においては目立たないタイプであり、クラスメイトともあまり接点は無い。友達は多い方ではない。成績は中の中で特に目立つ要素も無い。運動はそれなりに得意で部活等に入っている訳ではない。

ある日の放課後。今日は金曜日だから明日明後日は休みだ、という開放的な気分で帰宅の準備をしていたら教室の中に突然光が溢れ出し、眩しさに目を細めながらその光の出所を探していると次第に人の影が現れていき徐々にそれがはっきりと見えてくると俺は絶句していた。

えっ何これ。どういう事?え? そこにはコスプレをしたのかと疑うような服装の少女が現れた。

それも明らかに外国人で金髪の超美少女である。

彼女はいきなり俺の前に姿を現すなり不機嫌そうな顔をしながらこちらをじっと見つめていたのだが、俺はその状況が全く理解出来ずに困惑していた。すると俺を見下ろしていた彼女がいきなり話しかけてきたのだ。「お前がこの世界の救世主か?」と。

何を言っているのかサッパリ分からない、と思いつつ何か返事をしなければと思い「そうですが何か?」などと思わず口走ってしまったのは俺の癖のようなものだろう。こういう風に聞かれたらこう返すというのが俺の中では自然と出来上がっていたからだ。しかし俺はその言葉を言ってからハッとなりすぐに後悔することになる。

(これ絶対にやべぇヤツじゃん!)と。何故ならば彼女の反応が「あぁ、コイツバカなのかな?」みたいな呆れた表情を浮かべながら額に手を当てて首を振る仕草を見せていたからである。その姿を見て俺はもう駄目だ終わったわと半ば諦めていた。何故なら相手はこの学校の制服でもないし、ましてやうちの生徒でもなかったのだ。こんな格好で学校に出入りすれば確実に捕まるだろうと容易に想像がついたのだ。しかし次の瞬間彼女は信じられないことを言い始めたのだ。

なんと彼女曰く、自分は未来人なのだそうだ。しかも20世紀生まれ。更には2020年の東京オリンピックを観戦しに来ていたのだという。嘘つけと言いたかったのだが、その時に流行った映像に自分が出て来たと話すのだ。俺は何が何だかわからなくなり混乱しているとその女性はスマホを見せてきて俺を撮影させた動画を再生させてくれたのだが確かにその女性は今の俺と似たような姿をしており声も似ているように感じたのだ そこでやっと理解した。

目の前にいる女性の正体をだ。

---この人はタイムスリップをしてきた俺自身なんだということを。そしてこの日の出来事が自分にとって人生を変える大きな転機になるとはまだこの時点で俺は全くもって知る由も無かったのだった。

-----そして、これから先に起きる様々な騒動に巻き込まれる事となるのだが、この時の俺はただ只管目の前の女性の話を信じるしか道は無く、混乱の極みに達していたのであった。

「えっと、それでその女性が私だと仰られるのでしょうか?」

「それ以外に誰が居ると言うんだ?そもそも、この俺様に対して敬語を使っていること事態が許せないのだがな。

本来なら貴様にはタメ口を使われるだけでも我慢ならない程だ」

と、まあそんなやり取りがあったわけですがね、ええ。

どう見ても俺には彼女が未来の俺とは思えないんだけど、それでも彼女が見せた動画が本物で俺が異世界に飛ばされるきっかけを作ったという証拠にもなるわけだから、とりあえず納得することにしたのだ。

そしてその後この女の子が俺の家に住まわせて貰うことになった。何でも親が海外出張しているらしく家の中にはその母親だけが残っているらしく、一人暮らし状態となっているのだとか。なので、家事は自分で何とかするから気にするなと言われたんだけど、正直俺に面倒を見切れる自信は無かった。だって彼女は明らかに年上だし。俺の事を「お前」呼びするような人と同居だなんて不安しかなかったんだけどさ、そんな心配をしている場合ではなかった。何故なら彼女は料理が出来ないらしいのだ。

そして買い物は俺任せで冷蔵庫の中身はほぼ空に近い状態だった。

「なあ、まさかと思うけど飯はどうやって食いつないでいるんだ?」

「は?当たり前だろう?ちゃんと食べているに決まっているではないか」

「マジか、ちなみに何を食べてるんだ?外食?カップ麺とかじゃないだろうな」

「カップ麺?そんなの毎日食べたら太ってしまうじゃないか。俺は健康に良い野菜を使った食事を摂るようにしているぞ?だからいつも朝は味噌汁から始まって、昼には手作り弁当。夕食には全て手作りの栄養バランスの取れた食事を用意してから食べ終えると歯磨きとストレッチを行ってそれから風呂に入って眠るのだ。寝るのは11時頃だ。

だから俺は痩せたままの体型を維持できているのだ。分かったか、馬鹿め」

「はい?い、今なんと?」

俺は聞き間違えだと思い再度同じ質問を投げかけてみることにする。すると、どうやら本当に彼女は健康に気を使って生活を送っているらしく俺から見ればとても健康体に見えるんだが。むしろもう少し肉を付けた方がいいくらいに見えるんだよ。なのに、だぜ? あの子が「は?ダイエット?ははっ、馬鹿か」って顔をするんですもん。俺マジ切れですよマジで!! そしてこの日から彼女は俺の家に住み着いてあれこれとやらかしてくれた。

洗濯機を回さずに乾燥機に入れる。お湯の使い方を間違っているのかやたらと水道代がかかってしまい電気代の節約どころか逆効果になっていたり、トイレットペーパーが無くなるのが早くて1日に10ロール以上消費してしまい家計簿を見て愕然としたり、俺の家の中が汚すぎて耐えられなくなった彼女が勝手に掃除をして「ふむ、この辺りの本は読んだことがあるものだな。だが、これは確か漫画ではないだろうに、何が面白いのだろうか」などと余計なお世話的な発言をしたりなどなどetc。他にも色々とあるのだがキリがない。

だがしかし!俺にも一応のプライドというものはある。いくら相手が未来人で自分の子孫であろうともこの家に居着くのはどうかと思ってた俺は「あんたな、ここをホテル代わりに使っていいとは言っていないんだけど。そもそも俺は一人で住んでいるって言ったよな?俺は一人になりたい時だってあるんだよ、分かる?それなのにさ、何勝手なことしてくれてんの?」と彼女に言うと、彼女はキョトンとしながら「はて?そんな事は言ってなかったはずだが?そもそも俺は、ここで暮らせと言われてきたのだが?もしかして、ここに住まないと死ぬとでも言われたのかな?それは大変だな、俺は知らんかったからな、すまなかったな。だが俺は帰ることが出来ない。仕方ない、ここは諦めてくれ。すまんがな」と言い出したのだ。

これには俺の方がビックリしたわ!!なにその言い方は!?っていうかさぁ、俺の事なんだと思ってんだよ!?と内心怒りながらもそんな事を言えば彼女の事だ。また喧嘩になるだろうし、そうなったとしても多分俺の言い負けになることが目に見えているのでグッとこらえながら俺はこの場を離れることにしたのである。

そう、これが彼女との最初の邂逅。そして、この日の会話によって彼女がとんでもない勘違いを起こしていることに気付くまであと数ヵ月の時間が経過した。そしてこの時もっとしっかりと彼女を止めておくことが出来ていたならばあんな面倒ごとが起きることもなかったのになと後悔することになったのだった。

そう、全てはここからだったのだからな。

---しかし、俺はこの時の彼女に対する認識を改めることになるのはこの翌日になってからの話であり、この後に起こる様々な事件に巻き込まれてしまう事になるのだ。俺はその時はこんな風に思っていたのだ、ただのお節介焼きの厄介者で迷惑極まりないと、しかしそれが彼女の策略であり俺を巻き込むためだけに行動していたことにまだこの時の俺は気がついていなかったのである。

俺はこの日、学校での授業が終わった後で担任の先生から頼まれ事を受けていたのだ。その内容が今日行われる体育祭で使用する道具類を各クラス毎に用意しておくというもので、正直めんどくさいと思いつつも引き受けてしまった手前断れず、仕方なく教室に戻ってきたのだ。そして俺はこの事について相談するためにこの前知り合った少女の所にやって来ていた。というのも、彼女には今日学校が終わってから買い物を付き合って貰う予定になっているのだ。だから彼女が帰ってくるまでの間に少しだけ時間があるのでその間だけでも相談に乗って貰おうと思いこうしてやってきた訳なのだ。しかし残念ながらこの日も俺は彼女を待たせる事になってしまい、彼女が帰ってきた頃には俺もすっかり準備が出来ていたので一緒に商店街へと出かけた。

そしてそこで事件は起きた。

まずはスーパーに立ち寄ったのだがそこはもう大混雑だったんだよね。

それもそうかって話だわな、今日って土曜日だったわけだし休日だったから皆んな家族連れとか恋人達で集まってるってわけよ。そんな中で俺と彼女はその集団の中で完全に浮いた存在として存在していたのだ。なんたって俺はジャージ姿、彼女は私服だったからだ。しかし彼女に関してはその美貌からなのか周囲の人達はチラホラと見ていてその度に彼女から睨みを効かせられていたのだ。そんな彼女は「まったく、これだから人間共は嫌いだ」などとブツクサと文句を言っているが、それを俺が宥めすかして何とか目的の品を買い込んで家に帰る事になったのだが、帰り際に問題が起きたのだ。

俺達が店から出ると丁度その店の店員さんと思われる人物が走ってきており、「お釣り忘れちゃったみたいです」と言うではないか。そこで彼女がその女性に近づいていき小銭を渡してくれたんだけど、何故か彼女はお金と一緒に手を握りしめて何事かを呟いていたのだ。何を話してるんだろうなー、と思っているとその女性の顔が真っ赤に染まっていた。そこで俺は気がついたんだ、これはマズイことをしてしまったのではないかってな。だって明らかに俺には聞こえないようにしているのだろうけど俺にはバッチリ聞こえる音量だったのだ。

そして案の定彼女は「貴様、今すぐその女性から離れろ」と言い出して俺の手を引っ張ってその場を離れたのだが俺はその光景を見ながら思わず固まってしまっていた。なぜなら彼女は握っている俺の腕を思いっきりつねってきたからである。「いったいな!なにすんだお前!」と俺が怒鳴ると

「貴様が悪いんだからな。そもそも、どうしてお前のような男があの女の近くにいるというのに俺に近寄ってくるのか全く理解出来ない。あのまま俺がお前を殺さなければどうするつもりだったというのだ?貴様にはあの娘は相応しくはない。貴様にあの娘を任せる事など出来ないな。というか、俺に任せて欲しい。俺なら絶対に幸せにしてみせるという自信がある」なんて言ってくる始末。正直意味不明過ぎてどう対応したら良いか分からなかった。それにしてもこの子俺のこと殺しに来てるよな。普通は逆じゃね?なんて思うわけよ。だけど俺に惚れているという感じは一切なくて本気で嫌ってる様子。いやいや、俺のどこに惚れる要素があったんだよって思ってさ、それで聞いたんだよな。するとさっきまであんなに不機嫌な表情をしていたのが嘘かのようにニヤリと笑みを浮かべたかと思うと

「それはだな、あの時のお前に一目見て心を惹かれたということだ。まあ今はそのことはいい、お前とあの娘が結ばれれば俺にもメリットがあることだからな」

だってさ。うん、この時点でおかしいと思ったけどさ、俺はそれ以上考える事を放棄してさっさと帰宅するのを選んだんだ。

家に帰ってからも彼女の態度は相変わらずで、俺に話しかけることは滅多になく俺に家事を命令する事が多かった。俺は彼女の召使いになったつもりは無いのだがそれでも俺は従うしかないのだ。何故なら彼女がこの家で生きていくためには家事全般を俺がやらなければいけないのだと力説されたからだ。そんな事を言われてしまっては流石に逆らえないだろ?だから俺の一日の生活パターンは以下の通りだ。

17:00〜18:00 夕食の準備をする(ただし作るのは全て俺)

18:20〜18:30

俺が作った料理に彼女はケチをつける 18:50〜19:00

風呂に入る 20:00

夕食を食べる 20:30〜21:00

勉強をする 21:45 風呂に入り眠る このスケジュールが俺にとっての常識になってしまったのであった。だが彼女はそんな俺に対して文句を言うどころか褒めてくるんだよ。俺が「俺、頑張ってますか?」と聞くと「当たり前だ、俺がここまで育て上げたんだぞ?もう少しでお前も大人の仲間入りだな」と言ってきた。何言ってんだコイツ?とは思ったものの、その言葉の真意を確かめるような野暮な事はしない。何せこの子の機嫌を損ねるだけで殺されてしまいかねないんだから、そんなリスクは背負いたくないからな。なので俺は黙って彼女が喜ぶ事を優先してやったのだ。だって、そうした方が俺の身の安全が確保されるしな。だからこの生活も耐えれるし、彼女が俺に優しくしてくれるから別に悪い気はしなかったのも確かである。ただ一つだけ俺の悩み事があるとするならば彼女のスキンシップが過剰な所だろうか。俺が着替えている時や食事をしている時に俺に触ってきては「お前も中々鍛えているようだな。いい体付きになってきて実に良い」なんて言ってくるのだ。しかもそれだけに留まらず俺を抱き締めながら寝ようとするもんだから俺は必死に抵抗する。しかし彼女って見た目よりも力が強えぇんだよ。そして結局のところいつも負けてしまうんだけどな。そんなこんながあって、ようやく彼女はこの部屋を自分専用の寝室として使えるようになって満足そうにしている。ちなみにこの家には俺の部屋はないので彼女はこの家の何処で眠ればいいか悩んでいるようでずっとソワソワしていた。そして俺に相談してきたのだが「俺と一緒に暮らすって選択肢以外はないよな?」と言ったらすんなりと受け入れてくれて一緒に暮らしている。しかし俺達は結婚もしてないし、ましてや婚約をしているわけでもなかったのでその点は安心したものだ。それからは俺と彼女でこの広い一軒家で暮らすようになったのだが俺は学校があるので日中の留守の間は彼女に任してあるのだ。一応この家は防犯設備は整っていて玄関も窓も全て二重ロックにしてあるので侵入されることはないはずなんだが念の為用心の為に鍵も渡してあっていつでも避難できる用意はしている。

この事もあってこの家から出ていくことも考えたんだがそう簡単に行くはずもなくて困っているんだよな。なんたって俺も彼女に感化されてなのか彼女から受けた恩義を感じているし、それになによりもこの生活って楽なんだよな。彼女からすれば俺は自分の所有物なんだそうだ。確かに俺は彼女との約束を守って彼女の為に尽くす生活をおくっているから奴隷のようなものなんだろう。しかしそんな生活に不満は持っていないんだ。俺にとってはこれが普通のことになっていてこれが当たり前になっている。つまりこの環境に順応してしまっているのだ。

そして彼女といえば俺は未だにあの子に名前を聞いていないのだが「教える必要はない」の一点張りで教えてくれない。俺は彼女に名前を呼んで欲しいと頼んだのだが、それに関してはキッパリ断られた。俺としてはあの子がどんな人物なのかを知りたかったが本人が教えないというのだ、無理に詮索するべきではないと判断してからもうこの話題については触れないようにしている。だって怖いじゃん、これ以上嫌われるような事してまた殺されるのだけはごめんだからな。

そして俺は学校では目立たないように過ごしていて、休み時間になれば一人で読書をしたり音楽を聴くなどして過ごしており誰かが話しかけてきても適当に返事をするだけにしている。

何故こうしているかというと単純に目立ちたくなかったからに他ならない。

目立つのはあまり好きじゃないし面倒なだけだ。

だからこうして一人で過ごしていて誰も俺の事を気にしたりなんかはしないし、もし俺に話し掛けてきたとしてもすぐにその場を離れて教室から出て行けばいいだけなのだ。そして学校から帰ってきてからは掃除をして買い物に行ってご飯を作って洗濯機を回した後に彼女が帰って来るまで時間を潰すために予習と復習、そして受験対策用の教材での勉強をしているのだ。

それが毎日繰り返されていくだけの日々だ。

だけどある日の放課後の事で事件が起こったのだ。なんと彼女の知り合いだという人達が現れて俺の事を見定めると言ってきたのだ。その人達というのがどう見ても一般人とは思えない程に屈強な肉体をした男性達であり、その人達に俺は囲まれてしまったのだ。そこで彼らが口にした言葉がこれだった。

「なあ嬢ちゃん。こいつはあんたが飼ってる犬なんだよな?」

その問い掛けに彼女は当然と言わんばかりにコクリと首を縦に振る。すると今度は

「なぁ嬢ちゃん、お前さんには感謝してんだ。俺たちのボスを治してくれてな。だが、こいつにも選ぶ権利ってもんがあんだ。なぁ坊主、お前もこんな所に居ねぇで嬢ちゃんと一緒に行きたいと思わねえのか?」なんて言われてもな。俺は「はい」とも「いいえ」とも言える立場じゃなくて答えに迷っているとその人達からの提案が飛び込んできた。それは「これから俺とタイマンをしようじゃねえか。もしもお前が勝ったら俺達の仲間入りだ、負ければこの女を置いてお前が俺らの言うことを何でも聞くっていうのはどうだ?お前だってそっちの方が得なはずだぜ?なあに心配すんじゃねえ、俺らの仲間に入らなくてもここで死ぬ訳じゃないんだからな」と言われて、彼女はそれを了承してしまったのだ。それで俺は今まさに戦おうとしているのである。ちなみに武器の類はなく丸腰の状態、そして彼女はその事を特に何も言ってくることもなく俺を睨みつけているだけである。

俺はこの時「もしかして勝てるんじゃないか?これ」と思った。しかし俺は自分が弱いという事も分かっているので絶対に油断はしない。相手の動きを見て、観察して、見極めて、そして隙を見つけ出して攻撃に転じる、それが戦いにおいて重要なことであるのは重々承知している。だから常に冷静に対処しなければならない。相手の動きに少しでも乱れがあれば、そこに付け込んでカウンターを叩き込むのも有りだと判断出来たので今はとにかく落ち着いている状態なのだ。そんな俺の様子を見かねてなのか、目の前にいる彼女が声をかけてきたのである。

「おい小僧、俺様の力を舐めると痛い目に合うことになるから覚悟しておくんだな」

その言葉を俺が理解するより先に俺は腹に一撃を貰ってその場に倒れてしまう。意識は保っているのだが体は動かないのだ。そんな俺の顔面に蹴りを入れられそうになったが間一髪、俺の首は胴体から離れるような事は避けられたのである。

「へっ、お前の実力はこん程度か?情け無い奴め」

そう言って彼女がこちらに歩み寄って来て俺を蹴ろうとしたその瞬間、彼女が何かを感じ取ったかのように後方に向かってジャンプし、それと同時に地面から無数の鎖のようなモノが出てきては俺を絡め取り宙へと浮かせていたのだ。これは魔法による攻撃だと判断した俺に更に追撃が加えられる、なんと今度は頭上から巨大な鉄球が落ちて来ようとしていたので俺は必死に避けようと体を動かすのだが鎖のせいで上手く身動きが取れずにいたので、咄嵯の判断で魔法を使うことにした。

俺には遠距離系の魔法を扱う事が出来るのは知っているが、残念なことにこの場には俺以外の人間もおり、この距離では巻き添えになってしまうかもしれないと危惧して使えなかったのだ。だがこのタイミングであれば問題ないと、そう思って使った魔法が【風属性初級魔法 ウィンドウォール】だ。しかし、ただの壁を作るだけなのにどうしてか魔力の消費が激しいように感じられた。そんな違和感を拭えないでいると、やはりというべきなのだろうか。この技は相手に風で作り出した壁をぶつけるだけでダメージは与えられない、なので壁にぶつかった衝撃によって敵は後ろに飛び退いていた。それを見た俺は好機と判断し、そのまま風の槍を作り上げて放ったのだ。すると相手はそれを片手剣で受け流し俺に攻撃を仕掛けて来たのだ。それもただの攻撃ではない。なんと彼女が使っているのはあの鎖鎌だった。俺はそれに対して防御態勢を取る。何故ならば俺の持つ大楯は彼女の攻撃を弾くどころか受け止めてしまうからである。しかし、それでも俺は諦めずに彼女に反撃をし続けた。そんな攻防をしばらく続けた後、突然俺の体が重くなって地面に叩きつけられたのだ。何事かと思い俺は自分の体の方を確認してみると、なんとそこには俺の体に絡み付くようにして蛇のようなものがいて俺の体を締め上げているではないか、しかもそれは彼女の体の一部だったらしくて彼女も一緒になって締め付けてくる。そして彼女もまた俺の方に向かって手をかざしていた。

この体勢では俺は動けない上に彼女から繰り出される魔法の威力に耐えられないと感じた俺は必死になって抵抗したのだが彼女の力が強く、中々抜け出せないでいたがその時ふいに俺と彼女との距離が離れた。

一体誰が助けてくれたのか分からないがこのチャンスを逃すわけにいかないのですぐさまその場から離脱して彼女から逃げようと試みた。しかし彼女は追いかけてはこずに立ち止まっていたので助走を付けて全力で逃げる事にした。

「うおおぉお!!なんなんだあいつ!マジか!?マジなのか!?俺の渾身の攻撃を片手剣であっさりと受け流して俺の攻撃を封じた挙句に拘束してくるってどんなチート性能してんだよあの子!つーかあの子、俺の予想以上にヤバイ人じゃねーのか!?それになんなんだあの魔法?あれはまるで魔法というよりは固有能力に近いんじゃね?それくらいに規格外の力を持っていたんだぞ!」

そして走り続けて息も絶え絶えになっていた時ようやく足を止める事に成功したので少し休憩して体力の回復をしようと思い、辺りを見渡したらそこはどこかの森で近くには大きな川があり水が流れる音が聞こえてきたので、まずはこの水を飲もうと思ったのだがその川はどうやら底なしらしいので俺は慌てて引き返し、先ほどまで俺と彼女が戦闘を繰り広げていた所まで戻ってくる事ができたのだ。そして、その光景をみて絶句した俺は急いで家に帰ろうと踵を返したのだったが何故か俺が今現在居るこの場所はさっきまでの場所とはかけ離れていて、そこにある景色はとても美しいものだったのである。そこで見たのは色とりどりの花畑で綺麗な蝶が飛び交っており、その花の蜜を狙ってなのか蜂達が飛んできては花を摘んでいく姿が目に入ってきたのだ。

その景色に見惚れてしまいボーっと眺めていると急に後ろから声をかけられた。

それはあの時の少女であり、いつの間に背後を取られたのかが分からなかったので一瞬にして警戒体制に入ってしまった。そしていつでも攻撃できるようにと魔法を構築させる為に集中をしていると彼女が声をかけて来たのだ。

「なぁお前、私の仲間になれよ」と 俺はその言葉を聞いて驚きのあまり思考が固まってしまった。そしてそのせいで反応する事が出来ずにいた。そして再び彼女に声を掛けられると今度は「おい?私の話を聞いているの?仲間になりなさい」と言われてしまったのだ。だが、そんな事を言われても普通に断るだろう、何故ならその前にも散々痛い目を見せられたので当然の事ながら俺は断ろうとした。

でも、よく考えてみればこれは千載一遇のチャンスだと俺は思ったのだ。だってこんな可愛い女の子と一緒に旅をするなんて夢のまた夢だったのだ。だからこそ俺はつい嬉しくて口元が緩みそうになったのでそれを必死に堪えつつ俺は答えた。「嫌です」

俺の言葉に彼女はとても驚いており、俺が断った事が信じられないようであった。しかし俺はこの時ある疑問を抱いたのだ。彼女はどうしてここまで俺に執着するのだろうと。だってそうじゃないか?俺はこの世界の者ではなく別の世界から召喚された存在であり、そのせいで彼女は俺に興味を持って勧誘しようとしているだけであって、別に特別な力を持っているわけではないし、俺自身に価値なんて無いはずだからだ。

だから俺は彼女をじっと見つめていると、すると彼女は俺に「どうして私がこんなにしつこくお前を誘うのか知りたいのか?」と聞かれたので、俺は素直に「はい」と答えると、

「じゃあ教えてやるからちゃんと聞くんだな」と言ってきた。俺は何を言われても大丈夫なように覚悟を決めて話を聞いた。「まず、お前は私達のような人間がどうやって産まれてきたか分かるか?」俺はその問いに対して、この世界の仕組みを理解してないので正直に答えた。「すみません。僕にもどういうことか良く分からないんですけど、あなた達は異世界から勇者と呼ばれる人を呼び出して自分達の代わりに戦わせていると聞きました」俺が答えた内容に彼女は満足そうに微笑み、「そうかそうか、やっぱりそうだったのか」と一人で納得しているようだったので「あの?質問の答えにはなりませんでしたか?」と聞いたのだが彼女は気にしていないようで「まあいいか」と言った後に答えを話し始めたのだ。「実はな?今の世界で異世界人の人間は希少種でな、滅多に現れないから皆が必死に探してるんだよ。だけど異世界の人間は特殊な力を授かることが多いって分かってるんだけど私は違う、ただ他の人よりも力が強すぎるだけだ。だから誰も必要としなかった。そんな時、とある国の国王様が面白いものを見せてやろうと言うので付いて行った先にお前がいたって訳だ」俺は彼女の話を理解できたような気がしたので、今度は自分が知っている情報を教えた。「え?つまりあなたはたまたま異世界に迷い込んでしまい、その国では貴重な異世界人である俺を保護しようとしたということですか?それともただ俺に一目惚れをしたと?」俺は彼女が自分に好意を抱いていない事は分かっているのにそんな冗談を言ったら笑われたのだ。なので、俺は本気で言っているのだと伝えようとすると、その行動が面白かったのかクスッと笑われてしまうので俺は照れ隠しにそっぽを向いた。すると、彼女の顔がいきなり真面目になったのが分かった。俺は一体どうしてしまったのだろうかと内心で首を傾げていたら、彼女は唐突に語り出した。

そして俺は彼女の口から語られた内容は想像を絶するものばかりで、俺は言葉を失うほどだった。

なんと彼女、勇者というのは魔王を倒した後に元の世界に戻らず、ずっとこの地に住み着いてしまおうと考えたらしく。その為には強力なモンスターの住処を開拓する必要がある為、それならば俺をこちらの世界に連れて来てしまえば良いと考えて今回の作戦に出たらしい。そして、彼女の仲間になるメリットとしてはこちらの世界の常識や文化を教えてもらえるし、何よりこちらでは絶対に手に入らないような道具などを融通してくれると言われたので俺は悩んだ。しかし、俺はまだこの世界についてほとんど知らないのでこの誘いを受けるかどうかを決めるには情報が足りなさ過ぎると判断し、とりあえずは保留という事にしたのだ。そうして彼女はしばらく俺にここに居てもいいというのと、俺をこの場に連れ去った理由は教えてくれたが、結局俺をこの世界へと呼び寄せる目的については詳しく説明してくれなかったのだ。だが、それでも彼女がこの世界を救ってくれるというのなら協力しようと俺は心に誓ったのである。

だがこの時の俺は、まだ何も知らなかったのだ。

そしてこの後、俺は彼女の正体を知る事になるのだがその前に少しだけ自己紹介をさせて欲しいと思う。何故って?それはこれから一緒に行動するにあたって彼女の名前を知っていなかった方が都合が良いのと、それに彼女のことを少しでも知る事で信頼出来るか判断しようと思っているからだ。俺は自分の名前が言い終わるのと同時に彼女の方を見た。だが彼女は一向に名前を名乗る様子はなく、俺の名前を復唱し始めたのだ。そしてようやく俺の方に顔を向けてくると

「うん!決めた!! 私、今日からはあんたのことを"シンジ"って呼ぶね!」

「はい!?いや、ちょっ!なんで!?っていうかなんで突然そんな呼び方を!?」

突然の提案で驚いたが理由も聞かず了承するわけにもいかなかった俺はなんとか抵抗した。すると

「えー!?ダメなのかよぉ!いいじゃん! ねぇお願いだよ〜!!私も名乗らないからさぁ!」

俺の袖を掴み必死に懇願してくるので流石に俺も折れざるをえず渋々承諾した。

すると彼女は俺の腕を掴んでいた腕を解いて、その場に膝を抱え込むと、俯き気味にブツブツと何かを言い始めた。一体なんなんだこの子はと思いながら、しばらく様子を見ていると

「へへ!やったぁ!私の初めてを奪った男が出来た!!嬉しい!!」

とか意味不明な発言をかましてきた。どうすればこの子の考えを理解する事が出来るのだろうと考えていると彼女は急に立ち上がって

「なーんちゃって! 私の名前はソフィアって言うんだ! ちなみに私に性別はないぞ?だって私は精霊だしね! でも安心してね! もし、この先誰かを好きになって付き合うとしても、結婚する時もちゃんとした男の姿をするよ!」

と元気一杯に喋り出し、それに驚く俺は言葉を失っていた。なぜなら俺と彼女との間には決定的な差があったからである。そしてそれを実感したのは次の瞬間の出来事で俺が固まって居る間にソフィアさんはその場を離れていったのだ。俺に別れを告げることもなく立ち去って行くのを見て呆然としていたが我に返り、彼女が何処に行こうとしているのか気になり俺は急いで後を追うとそこは森の更に奥にある大きな山の中でその山頂まで登っていたのだ。俺が急いで登るのと、彼女が空を飛んで移動していたお陰ですぐに追いついた俺は彼女が地面に降りたタイミングで声をかける事に成功した。すると彼女は俺の方を振り返ると満面の笑みで

「やっと会えたな、シンジ。さっきぶり〜」

と言い放ってきたのだ。そして俺はその時、彼女は俺に会いに来たと言っていた事を思い出したのである。だから彼女は俺が自分を追いかけて来た事が分かっていながら俺の反応を楽しむためにわざわざこんな回りくどい事をしていたのだとこの時確信を持った。

だから俺は彼女に「一体どうして?」という言葉を言おうとしたのだがそれよりも先にソフィアが口を開いた

「なあ、もう私のこと、信じて貰えたよな?お前が知りたいと思ってることは全て話したはずだし」

この言葉に俺は「え?まさかそれだけを言う為にこんな事を?嘘でしょう?」と思っていたらそれが表情に出てしまったのか

「はは、そんなに私と話す時間が楽しかったのか?だったらこれからもたくさん話し相手になってあげるからいつでも呼べばいい」と言われてしまい俺は何も言い返せなくなったのだ。それから俺が口を閉じていると今度は逆に彼女から「じゃあ、本題に入ろうか」と言って来たのだ。俺は「ああ、そういえばそんなこと言ってたな」なんて思っていると

「まず最初に断わらせて貰うと、私がこの世界に君を連れて来た理由はただ単にこの世界で生きて行って欲しくてそうしただけで、それ以上でもそれ以下でもないんだ。まぁその理由についてはそのうちに教えてあげよう。それで次に私がどうしてこの世界にいるかだけど、私は今から約2週間前にこちらの世界に迷い込んだんだよ」

彼女はそんな風に語り出したのだが、俺にとっては予想通りというべきかやはり彼女は俺を召喚した国とは無関係であった。まぁそうだとは思っていたのだがこれでハッキリした。なので、俺は疑問に思ったことをそのまま聞いてみたのだ「じゃあどうして俺を連れ去る必要があったんですか?」と聞いたのだが、その答えを聞く前に彼女はまたまた爆弾を投下した。「それはお前が勇者だからに決まってるだろ?だってお前は異世界からこの世界の平和を取り戻す為に選ばれたんだから」

と自信ありげに答えたので、この子の頭の中では異世界からやって来た人間を勇者と呼ぶことが当たり前なのだと思った。そして俺はそんな考えを彼女にぶつけたら、

「そんなの当然だ。異世界の人間は特別な存在であり、勇者と呼ばれて崇められてきた存在だ。だからこそお前がこの世界に来てくれたことは運命なんだと私は思ってる。だって異世界人は皆が凄い力を持っているのが当たり前で普通なんだからな」

そう言われてしまうと納得するしかない。そして「だけどそれなら別に僕でなくてもよかったんじゃないの?他の異世界人を探すか、もしくはもっと前から準備をしていたはずなのに」そう質問をすると彼女は「それもそうかもだけど、お前には何か感じるものがあったんだよ」と俺の質問に答えた。そして俺は彼女の話を理解できないまま「え?え?」という感じになっていたのだが、そんな俺に彼女は笑顔を向けるとその綺麗な顔をこちらに近づけてきて、耳元でそっと呟いたのだ。その言葉を聞いていた俺の顔は徐々に真っ赤に染まっていき、俺は彼女の顔を見ていられず思わず目を逸らしてしまった。だが彼女は俺のその反応が面白かったようで、俺の頬を軽くつねってから手を離すと、「さぁ話はここまでだ。早く帰るよ。今日はこの山で一晩明かすことになるけど覚悟しておいてね」と笑いかけて来た。だがここで問題が一つあったのだ。それは俺はテントを持っていないということである。つまりこの場で野宿をしなくてはならないのだ。そして俺は困ったようにしていると彼女は俺の考えを読み取ったのか、自分の魔法を使うので大丈夫だと告げてきた。

なので俺は安心してこの場を後にすることにしたのだ こうして俺はソフィアと名乗る不思議な少女と一緒に行動するようになったのである。だがこの時俺は彼女の本当の姿を全く知ることがなかった。それどころか彼女が本当に精霊だということすらも疑っていなかったのである。しかしこれは全て後になってからの話である。

そんなわけで俺は彼女を仲間にして、共に魔王を倒しに行くことになった。そして次の日の朝には二人で山を降りると近くの街まで移動した。すると彼女は突然俺の手を引いて走り出したのだ。そして彼女が向かった先はなんと俺が住んでいたあの場所、自宅の前である。そして俺は彼女が何をしたいのかが全く分からずに、黙ってついて行ったのだ。だがその途中、俺のポケットに入っていたスマホが振動し始めたのである。その振動音を聞いたソフィアは俺の腕を引っ張るのをやめると俺を自分の後ろへと隠し、険しい目つきをスマホに向けながら俺の肩越しからスマホの画面を確認していた。するとソフィアの表情は次第に緩み始め、俺はようやくソフィアの行動を理解できるようになっていたのだ。だがこの時、俺の頭の中はパニック状態だった。なんとそこには母からの電話の着信履歴が何十件と入っていたのである。しかし俺が電話をかけ直そうとするよりも先に

「あ、お母さんからだ!どうしよっかなぁ、どうしようかなぁ〜、出ちゃおうか?どうしようかな〜!」

などと一人で勝手に葛藤していたのだ。そして結局ソフィアが通話ボタンを押したので俺は仕方なく、諦める事にした。

だがこの時のソフィアはどこか楽しげな雰囲気を感じさせたので俺は少しだけ安心したのだ。そして俺がそんなことを考えているといつの間にかソフィアは俺の隣に立っており、俺に向かって手を伸ばしてきた。俺は不思議に思いながらもその手を取ると

「ちょっとだけ待っててくれな。私もシンジの家族に挨拶してくるよ」

と言ってソフィアはその場から消え去ったのだ。するとその瞬間、俺の背後に強烈な寒気を覚えたのである。恐る恐る振り返ってみるとそこには見たことのないような恐ろしい表情をした女性がおり、彼女は俺を見下ろしていた。その目は俺を逃さないと言っているようだった。そんな状況下に置かれていると突然、女性の足元に光が浮かび上がったのである。すると女性が

「なっ!?なぜ貴方がいる!?ここは危険です!!早く逃げなさい!!早く!!!!!」

と叫ぶと、女性は一瞬にして姿を消してしまったのだった。その後しばらくその場で呆然としていた俺は我に返り、家の中に急いで入った。

玄関を勢いよく開けた俺はそこで目にしたものに驚愕したのである。なぜなら俺の家の中からとんでもない数の魔獣が出てきたのだから俺は驚いて腰が抜けてしまっていた。

そして、俺がその場に座り込んでいる間にも次々と出てくる大量の魔物を見ていた俺はソフィアの事を思いだし慌てて立ち上がり外に出ようとすると目の前に見覚えのある人が立っており俺は言葉を失っていたのだ。それはなぜかというと、この世界に来る時に会った俺を異世界に転生させてしまった張本人だったからなのである。俺はどうしてここに来たのか、どうして俺がここにいる事がわかったのか、など色々な事を問いかけようとしたがその人物は俺を無視してソフィアの方に近づいていった。俺はそれに腹が立ち思わず文句を口に出そうとしたがそれよりも先にソフィアの悲鳴が聞こえ、それと同時に俺はその場から逃げ出した。俺はこの時ソフィアを置いて逃げ出して良かったのかと考えていたのだがその答えはすぐに出たのだ。何故なら俺を追いかけて来てる魔物があまりにも強すぎて俺はその光景に恐怖していたのである。すると、そこに俺と入れ替わるようにして誰かが入り込んで行くのを見た俺は急いで家の扉に手をかけると急いで外に出てソフィアを探したのだ。

そして、辺り一面が血だらけで死んでいる人や生きている人、魔物や死体が転がっている悲惨な現場を目の当たりにし、その中心に立っている一人の男を俺は見つけたのである。

男はソフィアを見つけるなり嬉しそうな顔をしていたがソフィアの顔からは涙が流れていたのだ。

その様子に違和感を抱いた俺はすぐにその男の元へ駆け寄ろうとするがソフィアによって止められてしまった。俺はソフィアをどけようとしたのだったが何故か体が言う事を聞かず俺は困惑した。

そして俺はソフィアに何があったのかと問いただそうとしたが、それよりも前に男が口を開いたのだ。

「久しいね、ソフィアちゃん。元気そうで嬉しいなぁ。僕の名前はリヒト。覚えてるよね?」

そう言って微笑むと男はいきなり手に持っていた短剣で俺の首元を狙ってきたのである。

「危ないッ!!!」

と叫んだのはソフィアであり、その直後俺は地面に尻もちをついていた。すると俺はさっきまで自分の首元を狙われていたという事実に混乱しながら、ゆっくりと視線を上げて行ったのだがその先で信じられないものを見てしまった。それは俺を殺そうとしてきた男の胸に一本のナイフのようなものを突き刺す人物の姿があり、それを見た途端俺は

「ひぃ」

と情けない声を上げてしまうのであった。だが、俺はこの一連の出来事に対してある疑問を抱き始めたのだ。というのもこの世界に俺は来たばかりで知り合いと呼べる人間がおらず、この人殺しに殺されそうになった俺をソフィアが守ってくれたという事は分かったのだが、どうして俺の知らない人の名前を知っているのだろうか?と疑問を抱いていた。俺はそんな事を考えていたら急に頭が痛くなり、そのまま気を失ってしまいそうになりかけたが何とか耐えることに成功した。

それからしばらくして目が覚めた俺は今度こそ周りを確認すると俺以外の人は既に全員亡くなっていて、ソフィアが泣いていた。その泣き顔を見ていた俺は心の中で

(こんな顔初めて見る。やっぱりさっきのは幻覚じゃなかったんだ。あの男とソフィアは何の関係も無いってことなのか?そもそも俺はどうやってここまで来たんだろう?)

と考えているうちに意識が遠のいていった。

〜時は戻り現在〜……。。

そんな訳で俺と彼女はこうして行動を共にしていた。そして今日は彼女の目的の為にとある場所に行かなくてはならないらしいので一緒にそこに向かっていた。そんなわけで俺が色々と考えている間に目的地に着いたようで、俺は思考を止めて前を見る。そこには大きな洞窟が見えており彼女は

「この先に奴が居る。だがまずお前の力を知っておきたい。お前の強さが分からなければ私はお前を連れて行けないという事になる。分かるか?」

と言われた。だが俺は彼女の言葉の意味がよくわからずにいたのである。だがとりあえず俺は彼女について行き、中に入って行った。すると奥には沢山の魔獣の死体が散らばっていて、それを見て唖然としていると彼女は突然

「さて、早速戦ってもらおうか。私も戦う所を見せたくないので今回は私がやる。お前は何もするな」

そう言われたので俺は大人しく従う事にし、邪魔にならないように部屋の隅で見守っていたのだが俺はそんな彼女に見惚れてしまっていた。そして彼女の圧倒的な力を見て俺は素直に感嘆の声を上げたのである。

彼女は全ての敵を瞬殺してしまったのである。

その戦闘が終わったのを見計らって俺は彼女と話すことにした。

だが、その時彼女の姿が変わっており人間ではなくなっていたのだった。

だがその変化にも驚いたのだが、俺の口から出て来たのは別のものだった。

「凄い綺麗だね。ソフィア」

という褒め言葉にソフィアは照れているのか俯きながら

「そ、そんなこと言ってくれるのはあんただけだから」

と、頬を赤くして恥ずかしがっていた。そして彼女は改めて俺の方を向いて

「なぁ?この姿で私の旦那さんって呼んでいいのか?まぁ今は勇者って呼んだ方がいいのか?」

俺はこの時ようやくこのソフィアの本当の姿が何であるかということに気が付き始めていたのだ。

だがここで俺はふと疑問に思う。どうして俺がこの世界に来た時俺の体にソフィアが乗り移ってきたのかということを。だが俺の疑問はすぐに解消されることになったのだ。何故なら俺が質問しようとソフィアを見ると既にその場にはソフィアはおらず俺の体の中に入っていたからである。

そのせいもあってか俺の体は先程までの疲れが無くなっていたのだ。そして、俺とソフィアの意識は完全に入れ替わることになるのであった。そして俺は

「シンジ。これから宜しくな?それとこれはプレゼントだよ」

と言うと彼女は指パッチンをして俺の体を一瞬で改造してくれたのである。その結果俺はステータスを確認出来るようになっておりレベルとスキルの確認が出来るようになった。そして俺はこの時思ったのである。これは本当にゲームみたいな話になってきたな、と。

「よし!シンジ。準備は出来たようだな?ならば魔王を倒しにいくぞ!!」

と意気込んでいたが俺はその前に少しだけ休ませて欲しいと言ったのである。だが俺の意見を却下されたので仕方無く行く事になったのだ。そんな俺達は洞窟を出て、またあの魔獣の大群が襲ってきてもいいように警戒をしながら進んでいた。だが俺達の前に現れたのは俺が初めてこの世界に来た時に見たあの化け物のような魔獣だったのだ。その魔獣を見た瞬間に俺は思い出していた。俺がまだ生きていた頃の事を、そして俺が死んだ時の事を。すると俺の中に俺が殺された瞬間の映像が鮮明に流れ込んできて俺は吐いてしまった。そしてそんな俺を心配してくれたソフィアであったが、今の俺にとってそんな事はどうでも良かった。何故ならソフィアを殺したのは紛れもない、その目の前にいる存在だからなのだ。俺は怒りに身を任せてその魔物に飛び掛かろうとしたが、それをソフィアに制止され

「気持ち悪いの我慢できるか?あとはもう終わるから安心しろよ。ほら、終わったろ?」

そう言われてみると、その魔物の身体がボロボロになって消えていったのだった。その後俺は気分が悪くなりしばらく動けなくなってしまっていたが、そんな俺をお姫様抱っこしたソフィアに運ばれて近くの街で宿を取ってもらって休むことにして、俺の異世界ライフは始まりを迎えたのだった。そして、俺が目覚めるとそこはベッドの上であり、俺は何故か裸になっておりソフィアが俺の隣に寝ていて

「おはよう。昨日は激しかったね?大丈夫かい?」

と言われた。そんなソフィアの顔が近づき俺の顔に近づいてくると俺の口の中にソフィアの舌が入り込んできたのである。

そしてソフィアの唇から離れて行った時には、唾液で光り輝いていたのである。すると、ソフィアの顔を見た俺は思わず、ソフィアの事を可愛いと思っってしまった。すると、ソフィアが俺に向かって

「なんだ、まだ足りないのか。しょうがないヤツだなぁ。まぁ私ももう少し欲しかったから別に良いけどな。という事で今度はお前が頑張る番だからな。覚悟は出来てるんだよな?」

と耳元で囁かれた俺は顔を引き攣らせていて

「お、おい。冗談だよね?え、待って。ちょ、ちょっと!?︎ねぇ、お願い、あッ、あああッ!! やめてくれぇ!!」

と叫ぶがソフィアの耳には届かず、朝までずっと愛を注がれ続けたのである。

そして次の日の朝になると

「うーん。あれ?俺、いつの間に眠っちゃったんだろう。ソフィアが何かしてくれるなんて珍しい事もあったもんだなぁ。うん?なんか体が変な感じがするような?」そう言いながら俺は起き上がろうとすると ギシギシと骨が軋むような音が鳴り響く。

俺は慌てて自分の体を見回すとそこには俺ではなく、女の俺の体に変わっている事に気が付いて俺は焦っている。そんな俺の顔を不思議そうな表情で見つめていたソフィアに対して

「なぁ、俺の服知らないか?」

と聞くがソフィアから返って来た返事が

「いや、無いが?まさか、そんなに気に入ったのかい?私の着てる下着とかがそんなに」

俺はそんな事を言われると恥ずかしくなり

「違う、違うから!」

と全力で否定していたが俺が必死になればなるほど逆に怪しいと思われてしまい結局この事は有耶無耶になりそのまま俺はこの世界で過ごす事になるのであった。

そして、俺はこの後様々な事に巻き込まれていくのである。

〜END〜

※作者からの謝罪と補足です。まず最初に今回の話ですが前回に引き続き「もしも俺が転生したら」の続編となっています。今回はソフィア視点の話になっているのでシンドロームのキャラのソフィアがどんな性格をしているかなどを書けたらいいなと思って書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?少しでも楽しめた方が居れば幸いです。

さて今回この作品を最後まで読んで頂いた方に感謝をしたいと思います。

今までの作品を読んで下さっていた方は是非こちらの方にも目を通してみて下さい。そして今作を読んでくださった皆様にも心より感謝を致します。誠にありがとうございました。そして、これからも作品を書いていこうと思うのでこれからも引き続き、作品をよろしく御願いいたします。

それではまた次回の作品で

「は?な、何が起きているんだ?どういう事だ?」

とソフィアは狼の魔獣に襲われているのだが、その攻撃に対して避けるのではなく腕を振って殴り飛ばそうとしたが その魔獣は簡単に吹っ飛ばされていき壁へと叩きつけられてしまう。その様子を見ていた他の冒険者達は口をポカーンとして呆然と眺めていると、ソフィアはその隙を突いて襲いかかってくる他の冒険者達を手当たり次第にぶん殴っていくと、数分後には完全に鎮圧する事に成功したのであった。そしてソフィアが振り返って俺の方を見るのと同時に俺が駆け寄る。そして俺は周りを確認してから怪我人の救助をするように命令を出しながら俺自身もソフィアの元へと向かい始めたのだ。すると、俺にソフィアが話し掛けてきたのだ。

「おい、勇者殿よ!私はこの程度じゃ死なん!だから気にせず先に進め。お前にはまだまだやらなくてはならない事があるだろう。こんな所で止まっていたらダメだろう。早く行って魔王を倒してこい。そうすれば、私は、お前の妻になれるかもしれない。だから頼む、急いでくれ」

そのソフィアの言葉に俺は足を止めずに走り続けると

「ふぅ、やっと来れたか。全くお前が私の元に駆けつけるまでに随分と手間取らせるじゃないか」

とため息を吐きながらも笑顔で出迎えてくれるソフィアを見て

「遅くなってすまない。でも、必ず君の事は守るから」

「フッ、まぁいいさ。さぁて、と。とりあえずはここから出るとしよう。いつまでもこんな所に居るわけにもいかないからな」

「そうだね。それにしてもここはどこなのか分かるかな?俺が気を失っている間に一体何が起きたっていうのか」

と、そんな会話をしながら歩いていた俺たちだったが突如目の前から現れた黒い人型の魔獣が襲い掛かってきたのである。だが俺はそれに対して

「は?いきなり何をしているんだよ?邪魔だ。どけ」

と一言呟くだけで魔獣が消し飛んでしまったのだ。その様子に俺は少しだけ驚いたが特に問題はなさそうだったのでソフィアと一緒に歩き出すと 今度は上空から鳥の魔獣が飛びかかってきて 俺達の前で爆発を起こしながら降り立つと俺に攻撃を仕掛けてくる。俺は面倒臭くなったので、それを指パッチンするだけで倒してしまうとソフィアに声を掛ける

「行こうか。あまりのんびりとしている暇はないようだしさ」

「そ、その指パッチンはどうやったら出来るようになるのか後で教えてくれないだろうか?」

と目を輝かせながら言ってきて、俺はその言葉を聞き流して歩き出した。その俺の態度に文句を言いたそうな雰囲気を出しているのを感じ取りつつも俺は先へ進もうと歩き出し始めると、突然背後から何者かによって抱きつかれて押し倒されたのである。そしてその犯人は

「ふ、ふふ。捕まえてやったぞ。これでお前はこの世界を救う事など出来ないのだ。ざまぁみろ!お前はここで死ぬ運命にあるのだ!大人しく諦めるが、良い!って誰だ、お前?」

と叫び俺の顔に自分の顔を押し付けてくると、その人物の身体からは微かに香水の良い匂いがしていたのである。俺は目の前の女性の顔を見るとその女性の顔立ちはとても美しく綺麗だったのだ。だがしかし、そんな事を言っている場合では無いと思いつつ俺は目の前の女性の顔にデコピンをしようと右手を動かすとその手を掴まれた上に思いっきり握られてしまい悲鳴を上げてしまった。

「いだぁぁぁ!!ちょっと、本当に痛いから離してくれないか?って、ちょっと待ってよ?君が魔王でしょ?というかその声はもしかすると、ソフィアなの?というかどうしてこんな事に?あれ、という事はもしかしなくても君は魔王の娘なの?あれぇ?もしかしてこれは詰んでない?」と思わず口走ってしまうと、目の前にいる魔王は

「ん?何故分かったんだ?というか、そういえば何故私は今の姿になっているんだ?ん?確か私はまだ封印される前の状態のままのはずなのに、おかしいな。何か起きたのか?というか、そもそもなんでここに居るんだ?」

と疑問の声を上げたので俺は「とりあえず、ここを出る事に集中させて」と言って離れてもらい一緒に出ようとするのだが何故かソフィアがついて来てしまって 仕方なく俺達は3人で出口を目指して歩き始めていた。それからしばらくして俺達の前に現れたのは俺が知っているはずの光景だった。それは俺達がこの世界に召喚された時に来ていた場所だった。そしてそこには俺がこの世界に来てすぐに見たあの巨大なクリスタルがあったのである。

そして、俺が水晶に触れた瞬間 俺は元の世界の家へと戻って来ており、そして、目の前には両親がいる事を確認する事が出来たのである。そして俺の両親は泣いていて、俺は「え?な、何が起きてるんだよ!?」と戸惑っているのであった。

「はぁ、まぁそういう事だったんですね。分かりました、俺で力になれたら良いんだけど、俺は普通の一般人なんですよ。そんな俺の力を借りたいって言っても何もできませんって」

と俺は溜息をつきつつ言うと、王様は俺の手を握って

「大丈夫です。私共を信じてください。きっと貴女様のお力になれるかと思います。お願いします、助けて欲しいのです」

と頭を下げてきながら真剣な眼差しを向けられた俺はその目を見た時に断る事が出来なくなり、俺は了承してしまったのである。そしてその後、俺とソフィアと王様で作戦会議を開く事になった。そして、俺は改めて状況の説明を受けるとこの国は魔物のスタンピードと呼ばれる大規模な侵攻を防ごうと現在頑張っているらしい。そして王都に居る兵士の数も足りないために戦力増強のため異世界からの勇者の召喚を試みた結果が俺な訳なのだが、そんな事情を知らされても 俺に何が出来るんだ?と思ったが俺が黙って聞いていると、王様の話は続く まずは魔族についてなのだがこの国を治めている女王と王子は人間でありそれ以外の魔族は魔獣や、エルフやドワーフと言った人種以外の種族は全て魔族の支配下にあり奴隷にされているとの話であった。その話を俺は聞き流してしまっていたのだが俺はある重要な事実に気付き 俺は話の途中で手を挙げると、

「はい。どうされましたかな?もしかして魔族の事で気になる点でもございましたか?」

「えっとですね。まず一つ目に俺、この世界の人じゃないんですよ。つまり、魔族の事なんて知らないんですよね。なので、話されても俺じゃ分からないって話ですよ」

「そうですか。ではもう一つお聞かせください。貴方の住んでいた世界では何と呼ばれているか知っていますか?もしくは、どのような物が存在しているかなどを教えていただきたいと存じます。もし、知らないような事柄がございましたら教えていただけると助かります」

「んー、多分ですけど、この世界でも俺がいた世界でも同じようなものはあると思うし説明しやすいと思います。そう考えると、魔法も似たようなものだから俺が使えたりしないのかな?あ、でも魔力とかが無い可能性もあるから難しいかもだけど」と答えると王様は顎に手を置きながら考え込むと俺に向かって話し掛けてくる

「では、実際に試してみてはいかがでしょうか?それで上手く発動できるようでしたら、是非とも協力をお願いしたいところですが。如何でしょうか?それには、魔導師に頼んで調べてもらう必要がありまして」

「まぁ、それならいいですよ。やってみましょうか。それって、どこにあるのかは決まってるのかな?あとでそこに連れて行ってくれるならいいよ」

と言う俺に対して「おお、感謝しますぞ」と言い王様は嬉しそうな顔をしているのであった。

俺は魔石というものを握りながら目を瞑って魔力の流れを感じることに集中していた。すると徐々に俺の身体の中に温かいものが流れ込み始めているのが分かってくる。その感じ方はなんとなく俺自身が元々この世界に存在していた存在でそれが魔石の中に閉じ込められていて俺が触れることで目覚めようとしているといった感覚になっていた。

俺が目をゆっくりと開けていくと、そこには俺の予想とは反した風景が広がっていったのである。そこは見渡す限り砂漠が広がっている光景が広がっていたのである。そう、ここはまさしく「砂漠」そのものの場所であって俺は混乱してしまう

「どういうことだ?確かにここはどこかの建物の中だったはずだ。それなのにどうして砂漠の上にいる?一体全体どうなっているっていうんだよ?」と俺が戸惑いながら叫んでしまうと後ろから声を掛けられて振り返るとそこに居たのはなんと俺が召喚された際に出会った美しい女性の姿だったのだ。その人は微笑みながら俺の事を見ていた

「久しぶり、元気そうで何よりだわ。私は魔王軍の幹部の一人なの。そしてあなたは私が作り出した人形でもあるからこうして会うのは初めてではないのだけれど。そんな私を見て、なにか思うところはないかしら?」

と俺を見定めようとする視線をこちらに向けてきており、俺はそれに気づきつつ「君は俺の事を操ろうとしているのかい?それと俺が人形だってどういう事なんだ?そもそもここはどこなんだよ」

と俺は困惑気味に質問をぶつけると女性は俺を真っ直ぐに見つめながらこう言ってきた

「あら?私の能力の事は忘れてしまったのかしらん?私の能力は対象の人物に化けて精神干渉をして相手を支配してしまう事が出来るのよ。だから貴方の事もこうして支配できているの。理解出来たかしら?貴方の精神に私は寄生する事でここに居る事ができるというわけなのよ。私はこれからもここにずっと居られるわけではないの。だからこそ私には時間があまり無いから早く答えてほしいのだけれども。どうかしら?理解できた?」と俺の疑問を解消してくれると同時に俺の心の奥深くにある何かに触れてくるように言ってくると、その瞳からは逃れられないと感じる程に深い悲しみのような雰囲気を放っていた。俺は彼女のその様子に思わず気圧されてしまい「は、はい。わかりました」

と答えてしまっていたのである。すると魔王軍は俺を味方に付けようとしてきたのか、俺の目の前で突然土下座をし始めるのである。俺は突然の事に驚きつつも この子何してるのかなぁと不思議に思いながらも眺めているとある事に気付いてしまい愕然とするのだった。そう、この子はさっきまで俺が持っていたはずの「聖剣」を持っていてそれを両手に持ち、額を地面に擦りつけながら「我を配下に加えよ。そうすればお前の事を必ず守ってみせる。そして世界を滅ぼしてやる。そしてお前を元の世界に返してくれる。お前が欲しい」と叫び始めたのである。俺はその様子をただ黙ってみていることしか出来ずに

「はい、じゃあお仲間になりまーす」

「ちょ、え?本当に?本当にこれで良かったの?いやもう今更だしいいんだけど。なんかこう釈然としないんだよなぁ。まぁ良いんだけど。あ、そうだ。自己紹介しないとね。俺の名前は」

「待って」

「え?な、なに?というか君も自己紹介する流れじゃないの?まぁ俺は良いんだけどさ」

「ううん。それはいい。貴方の名前を知っているから必要ない。それよりも私は貴女の事が気に入ったから。名前を交換しよう?私の事は好きに呼んでくれて構わない。魔王とでも呼ぶといい。貴女は勇者様でしょ?」と急に喋るようになった少女はまるで感情を感じさせない無機質な声色で言うと、勇者の証たる「聖なる剣」を手に持ちそのまま勇者に斬りかかって来たのである。俺はいきなりの出来事に反応出来ていないのか、呆然として動かなかったが、次の瞬間俺の視界が赤く染まったと思った時には勇者に抱き着いていたのである。勇者の服には赤い血が大量についていて俺は自分の身体を見てみると、胸の部分に「剣」が深く刺さっていたのだった。

そして、痛みで意識が薄れていきそうになる中、勇者を抱きしめたまま膝をついて崩れ落ちるのだった。そして俺は、自分が死ぬかもしれないと思った瞬間に無意識で回復魔法を使ってしまうと、俺の傷は徐々に癒えて行った。すると、俺は何故か自分の心の中に「怒り」という文字が現れては俺の心を塗りつぶしていったのである。

そしてその俺の様子に気付いたのは先ほどからずっと俺の方を無表情のまま見ている「勇者様」である魔王と名乗る女の子だったのである。

そして俺は気付いたら 俺は立ち上がり目の前にいる魔王に向かって話しかけた

「へぇ、これが魔王か。随分と可愛らしい姿じゃないか。勇者様?俺の大切な友達にこんなことをしたのは許さない。そして、お前だけは殺す。絶対に殺してやる」と言うと俺は勇者の使っていた「勇者の聖剣」を抜き放ち魔王へと振り下ろしたのである。

勇者との戦いで力を出し切った勇者の亡骸が倒れると、俺はすぐにその勇者を担ぎ上げその場を離れようとしたが、俺はあることに気がつき その場で足を止めた。

俺が抱えているのは死んだハズの少女なのだが 彼女はまだ生きていたのだ。それを見た俺はあることを思い出し「この子はもしかしたら俺と同じ異世界から来たんじゃないか」と直感的に思ったのだ。俺は、彼女に話しかけようとした時に「あの子」が倒れている事に気付く。俺は彼女を助けるために駆け寄ろうとしたのだが俺は背後から迫って来ていた「影」に吹き飛ばされてしまう そして、俺の意識はそのまま途切れていくのであった 気が付いた時、俺は暗闇の中を彷徨い歩いていた。

俺以外に誰もおらず俺の声すら響かず俺の存在さえ消えかけているかのように思える程の場所を延々と歩き続ける。すると、次第に俺は光が見えてきたのでそちらの方に向かって歩くことにしたのだがその先で俺は信じたくない光景を目の当たりにして立ち尽くしてしまったのであった。

そう。そこに居たのは、ボロ雑巾の様に横になっている「元クラスメイト達」が居たのである。その中には俺と一番仲のよかった女子生徒、つまり幼馴染の姿もありその彼女が俺を見るなり必死に手を伸ばしてきて

「ごめんなさい!助けてください!!なんでもしますから!だから私だけでも!」と泣き叫んでいる。他のみんなも同様に涙目で俺に向かって手を伸ばしてきていたのである

「ご、ごめんな。俺はここから出ることが出来そうにないんだ。だから諦めて欲しい。俺はそっちにはいけないから」と告げながら一歩ずつ近づいていくと「お願い、こないで。私はまだ死にたくな」と言い終わるよりも前に俺の魔法で焼き殺した。

そうしなければこの子達はもっと多くの人を殺す事になるだろう。そして、そんな状況になるくらいなら最初から俺の手で殺した方が良いと判断したのだ。そして俺は目の前にいた女性も手に掛ける

「俺はもう二度と間違えたりしない」と呟きながらその女性にも俺の持つ「勇者の聖剣」でその身体を貫きトドメを刺した。俺はこの行為に何の躊躇いもなく行うことが出来た自分に少し恐怖しながらも、その気持ちを抑えてその空間を後にしようとした その瞬間に俺の前に「俺の偽物」が立っていたのである。俺にそっくりの顔と身体、そして聖剣を持っていることから恐らくコイツが「聖王都」を襲った魔物達の親玉「真なる悪神」というヤバイ存在だろうと当たりをつけた俺は先手を打つべく攻撃を仕掛けたが、相手の方が上手であり俺は身体中に切り傷を負い、腕を切り落とされてしまう。俺は痛みで意識が薄れていく中でなんとか攻撃をしかけようとしていたが俺は相手に反撃され俺の命の灯火が消える寸前、俺の目の前に現れたのは俺のもう一人の「親友」にして「幼馴染」の姿がそこにあったのだった。

そこで俺は「あ、これは夢なのかな?」とぼんやり思いながら俺の目の前に立つ存在を見ていた その俺が対峙していた人物こそ「真の勇者」と呼ばれる存在であった 俺とよく似た顔をしているがその瞳の奥には優しさがあり俺を真っ直ぐに見据えており 俺はそんな瞳を見て俺に語りかけてくる声を聞いたのだった。

〜お前はなぜ、そんな風に生き続けている? そんなに辛い事があるのならば逃げれば良いのではないだろうか? 何故そこまでする?〜 俺はそんな言葉を投げ掛けられた時に なんと返事をすればいいか解らず、口を開けずに立ち尽くしてしまう すると彼は

「俺が答えを教えてやるよ。だからお前は死ね」と言ったと同時に、聖王は俺の首を掴み締め上げて殺そうとしてきた。俺はどうにかしようと試みるも、どうする事も出来ずにただただ殺されるのを待つだけだったが突如現れた少女により、命を落とす事なくその場を逃れることに成功したのだ。

俺はこの時から俺自身の運命は大きく変わる事になり、今迄の世界とはまた違った世界に行く事になったのである ----------それから時は流れ今、再びあの少年に出会うことになるのだが。その事は後々話せば良い事である 私はある日を境に私にとってとても大切な友達を失ってしまった。

それは本当に唐突の出来事だったので私は今でもその事を鮮明に覚えている。その友達と私が仲良くなれた理由は私自身に特別な力が宿っていたからだ。私は私以外の人間には「見えないもの」が見えるようになっていた。例えば「幽霊」だとか「妖怪」「悪霊」などのいわゆる「オカルト現象」といった類のものを見れる体質になったので私は周りの人に嫌われてしまい。いじめられていた時期があった。そんな私に救いの手を差し伸べてくれた男の子こそが私の「親友」である。

その人は私の事が好きだと言ってくれていて。毎日のように告白をしてくれていたのだけれど、その頃には私は彼のことが大好きな女の子に取られてしまっていたのだ。その子も私と同じように特殊な力を持っていながらも「普通の」生活を送ることが出来る数少ない「友人」の一人であったのである。そして彼女の名前は「橘優希」という子だった 優ちゃんはとても明るく誰とでも直ぐに打ち解けられるタイプの人でクラスでは中心的な存在になっていて、皆んなの輪の中心となって笑っているような女の子だったのである。そんな彼女と私が出会ったきっかけは、たまたま廊下を通り過ぎた際に「壁越し」で聞こえてきたのである。彼女は「自分は普通だ」と思い込んでいるのに周りから好かれてしまうからそのことで悩んでいるようで、私はそれを聞いている内に段々と心を開いてくれるようになってくれたので私はそれが嬉しくて、いつの間にか友達と呼べる間柄になっていた。そんなある日のことだ。優希は突然私に相談を持ちかけてきたのである。それは最近、同じクラスの男子からよく視線を感じているという相談内容だった。優希はそれについて最初は特に気にしていなかったようだけど日に日に強い視線を向けられていくうちに「自分のせいで誰かが迷惑をしているのではないか」と思い始めたのだというのだ。そして今日、「自分が悪い霊を引き付けてしまっているせいで周囲の人が危険な目にあっているかもしれない」と思った彼女は放課後、いつも一人で帰る道で待ち伏せをすることに決めたらしく 私も付き添いで一緒に帰ることになったのでその途中、人気のない場所で一人の男の人と出会ってしまい その人の手に持っていた「黒い刀身を持つ魔剣らしきモノに切り裂かれたのである。そしてその直後から私の記憶は曖昧な部分があるものの気付いた時には私の「お兄さん」は真っ赤に染まった状態で倒れている そして私は「私を助けて!」と叫ぶと優輝はこちらを向き微笑みながら

「安心して俺に任せろ。すぐに終わらせるから」と言いながら倒れてしまった。

そしてその次の瞬間。優華の意識は闇に包まれていったのである。

-----俺は気が付くと知らない部屋に寝かせられており、そして俺は身体中から激痛に襲われていることに気づいた。

痛みを堪えつつ周囲を確認していると部屋の扉が開く音がしたので振り向くと、そこには優希と「真」と名乗る女性が立っており 俺はこの二人が自分の記憶が途切れるまで見た夢の中にいた二人だと思い出す そして「真」と名乗る女性を見ると俺は何かが引っ掛かった その女性は確かに夢の中では「勇者」と名乗っていて、その「勇者様」は夢の中の「魔王様」と顔立ちも体格も瓜二つで髪の色だけが「白」と「黒」だったのだ 俺は、夢が正夢にでもなったのかと思ったが そんなハズがないと思いながら「俺は勇者じゃない」と否定をしたのだ そして「貴方が私に斬られて倒れてから丸一日眠っていた」と彼女は言いながら

「貴方が眠っている間に、私はあの「影の王」を封印したからもう大丈夫だと思う。それであの子達は一体どこであんな力を手に入れたんだろう?そしてどうしてこの世界であんな恐ろしい存在が現れたんだろう?それも「この子」を狙って」と「真」という少女が呟いた。

俺は彼女が呟いた「この子」という言葉に反応すると 俺はあることに気づき

「そういえば、君はさっき俺の事を呼びに来た「ユウキ」なの?」と言うと 彼女は首を縦に振って

「うん。そうだよ。久しぶり!「勇者くん」」と言ったのだ

「勇者」と呼ばれた俺だったが俺は「勇者」ではないので

「勇者」とは何の関係もないのだと彼女に説明するが、彼女は俺の言葉を信じてくれなかった

「嘘、じゃあその聖剣と身体から溢れ出しているオーラと聖剣から漏れ出ている魔力の量が異常過ぎるよ!間違いなく君が「本物の勇者」だって証拠じゃないか!」

「違う!それは「俺の」聖剣だ!だから俺は勇者なんかじゃ無い!」と反論するが

「うそつき!」と怒られ、俺は「俺が本物だ!」と主張するも聞き入れられず俺はこのままでは非常にマズイ状況に追いやられてしまうと感じたので仕方なく、俺は勇者としての力を解放して戦うことを決意する。そして俺は「真」に対して戦いを挑むのであった 俺が「真」に斬りかかると「彼女」は避けた後に「勇者の聖剣」を「魔法」の力で分解させ俺に攻撃をしてきていた。そして俺は「真」の攻撃で受けた傷を治しながら「勇者」の能力を使って「真の身体に俺がダメージを与えられる箇所を探す」と、頭上に一際輝く光が有るのを発見した俺は「その光に向かって聖剣を振ると光の部分が消え失せ俺はそのまま真の心臓に剣を突き立てる。

俺はその後、俺を殺そうとしていた少女が息を引き取った事を確認して「真」の亡骸と共にその部屋を出たのだ。そして俺はその少女の遺体が安置されている場所に俺達と一緒に来てもらうために 少女の「家族」である女性を探しに行きそこで俺は信じられない光景を見ることになる 少女の遺体を見て悲しんでいた「母」と呼ばれる女性は少女が死んでしまった事実を受け入れられずにいたのである。俺はそれを見た瞬間、怒りを覚え「貴女の娘は死にました」と告げたのである 俺が告げると同時に、彼女はその場で泣き崩れてしまい、そんな彼女の姿を見た俺は彼女をどうにかして元気にさせる必要があると考えたのである そして俺は、彼女の手を取りどうにかこうにかその場から連れ出し「俺が必ず、娘さんが生きた証を世界に刻んで見せます」と約束を交わし俺は彼女と一旦別れる事になる 俺は「聖王」と呼ばれる少女の遺体を「俺が元いた世界に連れて帰り、そして「墓」を作り、俺はそこに遺体を埋めるのだった

「聖王の肉体と魂を、俺は未来に持ち帰る。俺が生きている間は、お前の分身達が世界を救うだろう」

---こうして、俺は俺の世界を救うための行動をすることになる しかし、その前に「あいつ」に俺の世界の状況を聞くのを忘れていたので、まずはそれを聞かないと何も始まらないので 俺は急いで俺がいた場所に戻るとそこには誰もいなかった その事に疑問を持ったが、俺は俺の世界の現状を知るため 俺がいる時代から「約2000年前」に戻る 戻ると同時に俺が見た世界は既に崩壊をしていて、街は火の海に包まれており、人々が絶望に打ちひしがれていて、人々は救いを求めて俺の目の前までやってきた。

俺の前までやってきた彼らは口々に「救世主さま」「どうか我々の国をお救いください」「我々はどうなっても良いのです。だから我々を見捨てぬ国だけはお救いください」「あなた様ならきっとできるはずです。どうか世界を救って下さいませ」「救世主様」と言い続け、俺の手を取ってきた。

その行動が気に食わなかった俺は彼らを皆殺しにしたのだ そんな時だ、俺の背後に人ではない者が現れたのだ そして、現れた者は 私こそが魔王であると宣言し その者の名前は魔王というのだが、俺はその名前を聞いた時に 何故かは解らないのだが、「この魔王を倒すのはこの勇者であるべきだ」と感じ 俺は魔王と名乗る者に

「その役目。引き受けよう」と宣言をして魔王を倒したのだ 魔王の亡骸を持ちかえり、それを埋葬した後に この世界でやるべき事をやることにする。

俺は今迄に手に入れた全ての能力を解放する。そして魔王の使っていた技を身に宿すと その力を操れるようになり。

この世界に存在する「聖王国」へと向かう事にした。この国は魔王に狙われているらしく、そして何より俺の住んでいた国でもあったのである。

「あそこ」では、今も「戦争」が行われているらしく、俺の知っている人達の多くが戦場で命を落としている そしてこの世界で俺は「最強の力」を手にいれた 俺はその力を駆使して、俺のいた時代に戻ってきた 俺の時代は未だに戦いは続いていて、しかも状況は最悪であり、このままだとこの国が滅ぶ可能性が高いと判断し、俺はこの時代を生きる人間を纏める為に行動する事にしたのである。

---俺はこの時代の人間の力では、奴には敵わないことを理解しており、俺は「俺の時代」を生きていた時代の人間が残した日記を見つけて読んでみると、俺のいた時代には存在しなかった筈の武器が存在していることに気づいて俺は、それらを使い、俺の時代に存在していた技術を後世に残し「新たな兵器」を開発する

「魔王は確かに強いが倒せない存在じゃない。ただ倒すのが難儀だっただけで、倒せるのは確かだった。問題は魔王の持つ「特殊能力」で俺が戦った魔王は「未来が見える」能力を持っていてその「未来が見え」る能力を上手く使いこなしていた そして俺の「仲間」と、その部下である少女と、その妹は「時間」を戻す「魔法道具」を持っており、そのおかげで時間を遡ることができて俺のいる時代に戻って来ることができたらしい 俺もその話を聞き、過去に遡ってきてみたら俺がいた時代の俺は死んでいた 俺の死因が魔王の一撃によるものだと知って、その魔王を殺した俺は

「真」と名乗る女性が持っている、勇者が持つとされる聖剣と、その剣から漏れ出る「聖剣」の魔力から俺の物と同じ「波動」を感じ取り 聖剣が有れば魔王に対抗する手段になると直感的に確信をした俺は、魔王の剣に貫かれた際に「真」が言っていた言葉を思い出す 俺の「仲間」と、その部下の少女、それに妹は

「俺の仲間だった」ので その3人は「真」と名乗った女性から俺が死んだという話を聞いており、彼女達はまだ「俺の世界」にいると推測ができた そして俺は、この時代に残る理由が出来たのでこの時代に残り、俺の知っている知識と経験を生かしながら俺の世界を救うための行動を開始するのであった ------

【後書き】

次回は主人公視点です。

ー---勇者として覚醒して、俺は「真の勇者になる為」の旅に出た そして旅の途中で、様々な事があった。

そして色々な出会いをした、そして色々な「過去」を見た その中で俺は、自分が今まで知らなかった世界を見て「自分の弱さ」を知ることが出来た

「弱いままじゃダメだ」

そう思って強くなる決意をした そして俺は「真の勇者として」自分の力の限界を超えようと努力をした結果、俺は限界を超えて力を手に入れたのである 俺が手に入れてしまった「この力は本当に使えるのか?」と思い 俺は試しに、その力を使ってみる事にすると、 その力が「真なる聖剣の力と、その聖剣が秘めた力」だと分かり 俺は「これで俺は「勇者」としての力を、完全に取り戻す事が出来る」と 俺は嬉しくなっていた。しかし「まだ完全」とは言えない。「勇者の聖剣」はあくまでも「勇者が所持してこそ意味がある」

俺がいくら強くなったとしても、真に勇者でなければ聖剣の能力は引き出す事が出来ないのだ。そしてそれは「真の勇者になった事で俺も「勇者の聖剣」を使う事が可能となった」と俺は喜び、 俺は俺の元いた世界に帰還する事にして「聖王国」に向かう 俺の元に駆けつけてきた者達と共に俺は、あの時の世界に帰るために

「真の勇者の聖剣」の能力を使用して「真の勇者が聖剣を使用した場合」のみ 使用可能となっている転移魔法を使用する事にした そして俺が元いた場所に帰ってきたのだが 既に世界の崩壊が始まっている状態だった だが俺達は、この崩壊を止めないといけないと考え 俺は俺に付いてきてくれていた

「勇者」と、その仲間たちの力を借りて俺は俺が知る中で最強と言ってもいいくらいの強さを手に入れており。俺はその力で、俺の故郷でもある俺の住んでいた国の滅亡を阻止する為に、俺の故郷の街を守る為に動くことにしたのである そして俺達は世界を救う事を目標に 崩壊した世界の国々の立て直しをすることにした 俺が世界を救うと約束を果たすために俺は行動を開始したのだった ---「真の勇者」の力を取り戻したことで 俺は「魔王」と戦うことができる。そして魔王を殺すことが出来る その「魔王の心臓」が何処にあるかも「真の勇者」である俺には全て分かっている その心臓は「聖剣」で斬ることでしか破壊できない事も「真の勇者」である俺には「全て分かっている」のである。

俺達が「魔族」と呼ばれる存在と戦っていた世界が滅びた。しかし俺達だけは生き残った。

「聖剣」と呼ばれる武器は 元々は1つの存在ではなくて、4本の「聖剣」が存在していたのだ。

1本目が「勇者」が持っていた聖剣 2本目が「賢者」と呼ばれていた人物が使用していた聖剣 3本目が「魔法使い」と呼ばれている人が使っていた聖剣 4本目が「錬金術師」と言われていた人の「遺産」である聖剣だった。

「勇者」と「賢者」と「魔法使い」と「錬金術師」は「世界を救う」という使命のために行動を共にしており、俺と「聖王」と呼ばれる人物だけが「勇者」が「勇者の剣」を持っていた。

俺はその世界で生まれ育った。しかし、ある日の事。

俺の「世界」が崩壊することになったのだ。

そして「世界が滅ぶ」原因となった「災厄の王」は俺の住む「国」の近くにある森に住んでいた。

その「災厄の王」を討伐するために

「聖剣」を持っている「賢者」「勇者」「魔法使い」「剣士」が この世界での俺を含めた、たった4人だけしかいなかった。

他の人々は全員「滅んでしまった。」

この俺達の住む国は平和だったのだが この国に「災い」が起こったのだ。その「災い」を「聖女」と呼ばれる女性の力でなんとか退けることに成功したが、「災い」が「また」起こった。その度に、何度も、何度でも、この国が滅びる寸前になるまで「災い」を退けてきたが、この国が滅ぼされるのは時間の問題でしかなかったのだ。そして遂に、この国にも終わりが訪れようとしている。

その状況の中で「魔王」が復活してしまった。その「魔王」はこの世界とは別の世界から現れたのだ。

この「魔王」は、その昔「聖剣」を所持していて そして「魔王の魂」は「魔王の体」の中に入っているのである。

俺はその「魔王の魂」が入っている「魔王の器」を破壊しなければいけないのである。それが出来るのは「勇者」と「聖女」だけだ。俺はこの世界を救うために「魔王」を殺し「魔王の心臓」を破壊する必要があるのだ。俺はその「聖女の居場所」を探す為に、俺が知る限りでは「世界で唯一魔王と渡り合える力の持ち主」である「聖王の城」に行く事にした。その聖王が持っている聖杖を使えば聖女を見つける事が可能な筈なのだ。だから俺はその聖杖を求めて「聖王国」へと向かう この国は「聖王国」と呼ばれており、この国の王族の人間なら「聖剣」の場所も「魔王の魂が入った核」の事も知っている可能性があるのだ。

---「真の勇者の聖剣」があれば「魔王」を滅ぼす事ができる。魔王を殺せる唯一の武器なのである。そして魔王は、あの時に、あの場所で殺されたはずだ。俺はあの時見た「未来」で「魔王」を倒したはずだったんだ。俺は確かに殺した。俺の放った聖剣の一撃が魔王の胸を貫き。俺は魔王を倒す事に成功した。魔王は確実に死んだ筈だ。なのになぜ生きているのか。俺は「魔王の魂が宿っているであろう」「器の破壊」それができるのは「真の勇者が持つ聖剣だけ」しかない。魔王を殺す為には、魔王が持つ心臓と「魔王」が持つ全ての特殊能力を持った心臓を破壊できる「真の勇者の聖剣」を使わなければならないのだ。魔王の魂と魔王が持つすべての能力を全て封じる事が「真の勇者が持つ聖剣の力」でしか、魔王を殺す事は出来ず。

俺の持つ真の勇者の証でもある「真なる聖剣の刀身」でなければ魔王の心臓を壊す事が出来ない。魔王の心臓と能力は全て聖剣の中にあるので魔王の身体と能力を完全に封じ込めないと殺す事ができないのだ。魔王の持つ「聖剣以外の力を全て無効にする」という特性を持つ「魔王の能力」が発動する前である今の状態で、魔王を封印するか。もしくは魔王の「能力の源である聖剣」を奪うしか方法がないのだ。

そして「聖剣の使い方が分からなければ魔王と戦うことができない」ので俺は「聖剣の扱い方を教えてくれる人」を探し求めて旅をしていたのであった ---そして俺は聖王国に向かう前に立ち寄った町で偶然出会った3人組に「俺の剣が使えるかどうか?」を確認してもらうことにしたのだ。

俺が使っている剣は特別なもので「聖剣の柄」であり 聖剣は普通の剣とは違って鞘が存在しない剣だ。

俺は俺と一緒に旅をしてくれている3人の女性と共に聖王国の「聖王国騎士団の団長」の元へ向かい事情を説明する事にしたのだが 俺はそこで初めて、今まで俺が見てきた中で最高の強さを誇る人物と巡り会う事になったのだ 【後書き】

真が今まで会ってきた人物達です(́Дノ)! ==主人公視点== <真が異世界召喚された頃の勇者の仲間達> 〜勇者side〜

(*この物語は主人公の勇者の真が異界へと行く以前の話になります。勇者真がまだ真ではなかった頃のお話で主人公は真の勇者として覚醒する前に仲間だった人達の物語になります。)

〜主人公側Side:???&その他登場人物size/年齢<真が転移してきた当時の勇者の仲間達の身長など> 名前 勇者(性別男性/18歳)

:180cm

職業 聖騎士:勇者パーティーメンバー。勇者と共に行動する事になる聖剣に選ばれた聖騎士になる予定の少年だった。聖剣と相性が良く。聖剣と一体化することで身体能力を向上させる事ができる「勇者の聖鎧」(全身を包む鎧型の聖剣で使用者の能力と力を増幅させることができる防具型聖剣でもある)を着込むことで聖剣と融合することができる。聖剣と融合した聖勇者状態になると身体能力が限界まで上昇する。勇者が聖剣に認められる事によって使えるようになる。

聖勇者化:聖剣と聖勇者状態の勇者との共鳴状態になると勇者と同じ姿と能力を使用できる聖剣と一体化する事で、聖勇者の姿になれるが。聖勇者は勇者とは違い単独で戦うのではなくて、聖勇者の状態の時に勇者とシンクロすると勇者と完全に一体化して、聖勇者の力を使用できて勇者が装備している聖鎧の効果をも得る事ができる。ただし使用出来る力は勇者と同等なので聖勇者状態だと攻撃力が少し落ちる。勇者は聖剣に認められた状態で「聖勇者の儀」を行うことで「勇者と聖剣の力を融合させた」状態にすることが出来る。これは聖剣と勇者の適合率が高い事が条件となる。この状態を聖勇者状態と言い。聖勇者と同調すれば、この状態になった時に勇者の力と聖剣の能力の両方を同時に使用することができるが。この状態で戦えば戦闘が終わるまでは勇者の肉体を休ませる必要が出てくる。

聖剣は全部で5本存在しており、その1つが真の勇者である真が持つことになる。他の4つは、それぞれの持ち主である勇者と聖騎士と魔法剣士の女性が使う。

聖女(性別女性):156cm 職業 魔法剣士 聖王の護衛役をしている護衛役の女性である。聖王からの依頼で「災厄の王の復活を止める為に真の勇者である彼をサポートするように」と命じられている。性格は非常に穏やかで争いごとを好むようなタイプではなくどちらかと言えば消極的な性格をしているのだが、非常に頭の回転がよく、どんな難題であろうと的確な判断を下せる才能を持っており彼女の判断で物事を決める事もあるらしい。そして普段は無表情で何を考えているのか分かりづらいところがあるが実は誰よりも優しい心を持ち困っている人を見ると助けずにはいられない正義感を持っている。そしてその性格が原因で過去に騙されそうになった経験を持っているためあまり自分の事を語らない癖がある。見た目はかなりの美人だが本人は特に気にしておらずむしろ容姿には無頓着だったりする。外見は黒髪ロングの美少女である。真に対して恋慕の感情を抱いており。彼のために命を捨てる事さえいとわない覚悟を持っているが、その事を口に出す事は無いし行動で表そうとすることもない。ちなみに胸は普通である。

真が異世界召喚される前の世界での出来事がきっかけで「災厄の王との戦い」の際に、災厄の王により「魔王の能力の呪いをかけられてしまうが」真は勇者の力で「災厄の王を倒すことが出来た。その際に「魔王」の「呪縛」を解いた事により、彼女は本来の記憶を取り戻し真の勇者が使っていた剣が使えなくなってしまったのだ。その為「魔王」が持っていた剣が「聖王の証の宝剣」と言う事を知ることになったのだ。

そして真の勇者の「真の証」を手に入れた真を、この世界に招いた聖女が、その真の勇者の力を引き継ぐ真の勇者の後継者である「聖剣の主候補」を探す為の旅に同行しており、その真の勇者の力を引き出せる「真の勇者の聖女」を探し出すことも目的としていた。

聖剣:真の勇者が持つ「剣」であり。聖剣の柄は「聖剣本体」である

名前:??<勇者が異界の大地に飛ばされた頃、真の勇者である少年が勇者になるまでの物語の主人公視点となります。

【後書き】

真がこの世界にやってきた時の勇者一行と勇者の師匠です! ー真が異世界転移する数ヶ月前の勇者と師匠達の出会いのストーリーになります。

==真がこの世界に来る少し前の勇者達サイドの話です 聖王国の城下町にて、この世界に存在する「魔剣」の回収を行っている。2名の勇者がいた 名前は勇者 性別男性 17才 レベル258 称号 光の勇者 勇者がこの世界に現れるのと時期を同じくして現れた「闇の魔王」を倒した存在で魔王の討伐に協力した功績により勇者の称号を授けられ。その後、光の勇者の剣を国王陛下より下賜されている。

そして彼は現在「聖王国騎士団の団長補佐役」に任命されていて。聖王国にある「聖なる剣の間」で毎日のように修行に明け暮れていた

名前 聖王国 騎士隊長 年齢 35才 職業 騎士隊総隊長(女傑の姫君:女性で総隊長の地位まで上り詰めた人物):聖王国騎士団のナンバー2の女性で、女性でありながら剣の才能に優れる騎士隊長。勇者に憧れておりいつかは勇者のような強い人間になってみせると誓い。それを実現させるべく日夜鍛錬を重ね続けている熱血少女であり努力を惜しまないタイプの少女でもある。真が勇者になった時の為にも勇者の力について知りたいと思い。日々研究を欠かさず行っている。

聖剣 剣の名前は「天剣」と言う。聖王様が持つ聖剣で「聖王が持っている剣」は「天剣」と決まっている。「神剣」とも呼ばれる特別な剣で所有者の潜在能力と能力を最大限に引き出してくれる効果がある。しかし能力を使い過ぎてしまうと体力や魔力を消費しすぎてしまい、一時的に意識を失ってしまうので注意しなければならない。そして、使用者の生命の危機を感じ取ると勝手に使用者の体内に入り込んで来るので緊急時に使用者の意思を無視して無理やり剣の特殊能力を発動させて回復を行うこともある。剣の能力を全て使用するには最低でも「レベル1000」のステータス値が必要と言われている

名前?? 年齢 19歳 職業 騎士隊長:「光の勇者の剣」に選ばれ勇者になるべく訓練を続けていた青年 聖王国に古くから仕えている由緒正しき家系であり代々、聖王国の騎士隊長を輩出している一族で彼女もまた「光の勇者」に選ばれることを目標にしていた。聖王国騎士団の次期騎士団長の座に就く予定であり、現在は勇者として選ばれた人物を補佐するために聖剣を扱うための勉強をしており。聖剣の力を引き出す事が出来るようになったのだが。聖剣に認められなかったらしく。勇者として聖剣に認められるまでは正式な勇者として認められていない状況であり、勇者が「真の勇者の証」を手に入れない限り「勇者の代理」として活動をすることになる 名前 騎士副団長 勇者のサポートとして同行することになった。

聖剣は持っていないが「剣術の達者」で剣の腕前に関しては天才的な才能を持っている。勇者の剣の使い方を教えた人物であり、勇者が剣を使って戦う時の指導役を務めている。

【後書き】

この物語は勇者達が異世界召喚される前に真と勇者が旅の途中で出会う話です(́Дノ)

==異世界召喚されて真視点の物語になります(́Дノ)! ==勇者と真の勇者候補の勇者と勇者の幼馴染み(真と同い年)

聖剣が真を認めたらこの勇者達は聖剣を使うことが出来るようになる。

==この物語は主人公の真が異世界に召喚される前に起きた過去の出来事の話になります。

==主人公side

「俺は今日から高校生なんだぜ!」

そう俺の名は「真城真」。どこにでもいる普通の男子学生。まあ普通とは言ってもちょっとだけ普通じゃなかったりするんだよね。

俺が住んでいる地域は都会から少し離れた場所に位置されていて自然豊かで山と川と畑に囲まれたのどかな場所でしたよ(;^ω^)。だから俺が住んでいた地域の小学校ではクラス全員が友達みたいな環境だった。中学に入ってからも同じで部活とかも入ってない帰宅部のボッチだったんだよねぇ。でも別にそんな生活が苦痛とかって訳でもないしさ。そもそも友人は居てもあまり仲良くなるつもりは無かった。何故かと言うと俺は将来「作家になりたいと思っていて、それなら自分の好きな事をしながらお金を稼げる仕事に就いて、自由に暮らして生きていければいいなぁ~って思っていた。

ちなみに将来の夢は自分の小説を書いた本を自費出版して出版社に持ち込むことである。だから将来に備えて色々な資格を取ることにしたんだけどさ、実はその事を学校の先生に相談したら「お前にはまだ早い」なんて言われて進路指導室で担任の教師の説教を聞くハメになってしまったりしたんだよねぇ。結局のところその時に教師からは「高校を卒業したら、大学に行くようにしろ」と諭された。

まあそれで今は、自分の好きな事をして生きていきたいという目標を持って勉強中だ。ちなみに今の成績はそこそこ良かったりする。ちなみに学力で言ったら中の上ぐらいの感じだと思うけど、そのおかげなのかわからないけど志望している大学に特待生待遇で入れることになったので、親からも褒められたし、嬉しかったのを覚えてる。

それから学校が始まるのを心待ちにしているとある日の事である。いつも通りに学校に向かうために通学路を通って、登校をしていたのだが、道の角を曲がった途端いきなり目の前に現れたのは光輝く謎の魔法陣でした。そこから発せられる光が眩しく目を開けることが出来ないまま意識を失ったのである。

目を覚ました瞬間視界に飛び込んできたのは中世風の豪華な装飾が施された部屋だった。その部屋にいたのは白銀に煌めく美しい鎧を身に付け、背中には金色の刺繍が特徴的な赤いマントを付けた女性が一人いたのだ。その女性が俺を見て微笑むとその女性は優しい声でこう呟いた。その言葉を聞き流しながら、周囲を見渡していくと他の場所には他にも人が何人かいるようで皆んなが突然現れた俺たちを見ていた。そしてその部屋の天井は高くて、そこには天使と思われる女性の絵が描かれた絵画があった。そしてその周囲には甲冑を身につけている騎士っぽい人と聖職者の服装をした女性の姿があり。そしてその周りにはメイド服姿の綺麗な女性の人達がいた。その光景を眺めていた。

ちなみにだが俺は異世界ファンタジー系の物語が好きだったので、その異世界転生モノの小説も読み漁ったりしていた。そして異世界召喚ものを題材にした作品も読んだことがあるので、なんとなくだがこれから起こるであろう事は察していた。だって普通は「召喚されます!」みたいのって、だいたい勇者とか選ばれし人間であるパターンじゃん?まあそういう展開も嫌いではないしむしろ大好物でしたがね? 聖王国の城下町にて、勇者がこの世界に現れる少し前の勇者一行と真 ー勇者一行がこの世界に召喚される1年ほど前の聖王国の話です。

この国の名前は聖王国。その昔に初代勇者が現れたことから勇者信仰の総本山として聖王国と呼ばれるようになった。またこの聖王国は、王都を中心とした「聖王国」の他に「聖騎士王国」や「冒険者の街」といった「国家」があるのだ。そしてこの聖王国では勇者召喚の儀式が執り行われようとしていたのである。儀式に参加する聖王国の中でも選りすぐりの「聖なる力を持った女性」達が集められていたのだ。そしてその中にはもちろん「聖なる巫女」も含まれている。

聖王国の姫:聖女様:20才

職業 聖騎士 称号 聖なる巫女:歴代の聖女の中で最も聖なる力を持つと言われており。彼女の聖なる力は歴代のどの勇者よりも強力なもので、歴代最強の勇者だと噂されている

名前 聖なる勇者 性別男性 年齢 20才 種族 人族:異世界転移者の勇者。この勇者の力により魔族は衰退し、今では「聖王国」の周辺にしか現れなくなってしまったと言われている 聖女様に呼ばれて来た場所は巨大な建物だった。そこに足を踏み入れるとそこには多くの女性達が待機していた。おそらくここにいるのは「聖なる乙女達」と呼ばれている人たちだろうと思ったが何故だか俺は嫌な予感しかしなかった。なぜなら彼女達は俺を見るなりヒソヒソと話しながらこちらの方をチラ見してくるのである。どう見ても歓迎されてないよね?これ?まあとりあえず「聖なる勇者」と話をすることにした。

名前

真城 優 性別 男 年齢 18才 職業 小説家志望の大学生(自称):この世界で「真の勇者の証」と呼ばれる特殊なアイテムを持っている人物で、勇者としての資格を得た人間でもある。「勇者の証」の力によって「ステータス」「鑑定スキル」や「翻訳能力」を得ることができた。

「勇者殿、貴方には私達の国の勇者となって頂きたいのです」

と、「聖なる勇者」を名乗る男性がそう言うと

「おいこら!何言ってやがる!そいつはオレの獲物だ!テメーらは黙ってろ!!」

と、いかにもチンピラみたいな喋り方の人物が乱入してきた。その声の主は、金髪のロン毛で身長170センチぐらいで見た目がヤンキーぽく見える奴が立っていたので、きっとコイツも異世界から来たんだろうなと思った。しかも、その男が俺に対して殺気を込めて睨み付けてくると

「真!下がっていろ!こいつはボクに任せるが良い!!貴様らなどボクの相手じゃないからな!さっさと失せろ!」

「ふぅ、全く騒がしいガキですね?あなたは、少し黙っていて下さい」

と聖騎士の女が口を開いたかと思うと、チンチクリンに一瞬で詰め寄った。俺は慌ててチンチクリンの元に駆け寄り聖騎士の女性を止めるように声を掛けた。

聖騎士の男に近寄ると聖騎士の女に向かって俺は「おい、お前!いきなり攻撃をするなんてどういう了見だ!」と怒鳴ったが。それに対して聖騎士の女は全く悪びれずに言い返してくる。俺は「はぁ?」って思ったよ?普通だったらさ。いくら相手が勇者じゃなくても普通はもう少しは相手の事を考えたりするもんでしょってね。だから俺は文句を言おうとしたんだけどそれよりも先に

「ええいうるさいわね!?邪魔しないでよ!勇者はこの私よ!!」

はぁあああっ?いきなり勇者を名乗られた俺としては、もう呆れて物が言えない状況になってしまった。そもそも「この私」とかなんだよ?意味わからんわ!まあとりあえず「こいつ馬鹿なんじゃねえの?」って思っちゃいました。

【後書き】

主人公と真の勇者の日常の話 【後書き】

==主人公の真視点になります。==

===主人公の視点になります。===

====主人公の視点になります。====

俺達は今、王城へと招かれて、王様から話を聞くことになったのだが、なんか謁見の間に来る前に通された部屋の中は無駄に豪勢な作りになっていたのだが、何故かそこで俺は椅子に座って待っておくように言われていた。すると「お連れの方がお見えになりましたので少々お待ちください」と告げられて少ししてから扉が開き。そこから出てきたのは「白い髪に赤い瞳の美形」の青年と「黒いロングヘアーの美女」の二人がいた。

そして俺を見た途端。二人は嬉しそうな顔をしていたが。その二人の後ろでは先ほど部屋の中で見た女性陣の一人が俺を見ていた。俺はその時何故か「面倒事に巻き込まれた気がして仕方がない」と思いながらも二人を観察する事にした。まずは赤い目をした「赤い長髪を肩まで垂らすイケメン君」が俺の方を見ながら微笑んでいたのだ。

それから俺が彼を観察し続けているとその彼が突然

「真〜会いたかったぜ〜」と言い出すと突然彼は俺の元へ飛び込んできたのであった。

そして抱きつかれると「うおっ」と言って思わず変な声が出てしまった。

ちなみにその光景を見て驚いている女性陣がいたのだが、俺はそれを見ている余裕もなく必死になって抵抗した。まあそんなのが通用するわけが無いんだけどね。それでも一応抵抗してみたら何とか離してくれたけど そして次に彼の顔を見てみると、彼は笑顔で

「真に会えて嬉しいぜ、オレの嫁さん」

と言うのである。それを聞いた俺は、目の前の人物を「頭が逝ってしまった人」だと思ってしまったので正直かなり困惑していた。いやでも、確かに俺は自分の事を「オレ」って呼ぶ人は知り合いにはいなかったけど。「オレの」とか言って嫁認定して来る人がいるとは想像すらしなかったのも事実だ 。

「はぁ、あんまり調子に乗ってると痛め付けるぞコラ」

と言ったのだが、

「へぇ?それは面白そうだな、だが真に勝てるかどうか分からないしな」

と言われたが「コイツ頭沸いてるのか?」と本気で思ってしまいましたよ。それに俺の名前を知ってたり、初対面の人に対して「俺の妻」とか訳わからない事を言っているんだ。これはもしかしたら俺のことを勘違いしている可能性もあるかも。とりあえず俺が「おい、俺の名前は「ましろ」であって「真」ではないんだが」と伝えると「何?オレの名前は知っている癖に自分は知らないという事なのか?ふざけるなよ!いいか!オレの名前は「天照 真白」なんだぞ!まあ「マシロ」って呼んでもいいんだぜ?」

などとまたもや意味の分からない発言をする。そんな会話をしているうちに今度は青い目をした黒縁眼鏡をかけた真面目な感じの少年が現れた。見た目が俺と同じぐらいの年齢に見える。そして「ましろ」と名乗った男性の隣に立つ。その男の子に「あのー」と話し掛けようとしたところ

「申し遅れてしまいすみません。私は真城 真と、こちらは真白さんの婚約者の真です。以後お見知り置きをお願いします」と丁寧に挨拶してきた。まあ悪い奴には見えないので、ひとまずこちらも「どうも」と言って軽く礼をしておいた。そしてしばらく沈黙が流れた。

【前書き】

主人公はこの異世界で何をしたいと思っているのでしょうか?

===主人公の視点で話が展開していきます。

===

==主人公の視点になります。== 俺は目の前の2人が何を言いたいのかさっぱり分からなかったので「どういうことだ?」と聞いたら。金髪の男こと「マシロ」が「真、コイツらはオレ達を騙そうとしていて信用出来ないから一緒に旅に出て確かめようじゃないか」と言う。

それに対して聖女と呼ばれる少女が

「何よ、あんた。私の言う事が聞けないの?」と凄んできた。しかし 俺も負けじと言い返す。

「お前の話は全然筋が通ってない。まず、なんでこの国の人間がお前に従う必要が有る?おかしいだろうが?お前もお前だ、この国に聖女として呼ばれて来たならもっと聖騎士である彼女の話を聞いてやれよ」と言う。俺が言い返されると彼女は黙ってしまう。それを見て聖騎士の女性が口を開く。

「ふぅ、まったく困ったものですね。あなたは本当に勇者としての自覚を持っているのですか?私達は勇者殿の力を試すために来たのですよ」

俺は、やっぱりなと納得した。おそらく、この女性達の話を信じるならば、聖騎士の少女がこの国の聖女であり。金髪の男性が「ましろ」と、いう名前の聖騎士。さらに、黒髪の女性が「まひろ」という名前の聖騎士なのだそうだ。ちなみに「聖女様、勇者様」と呼ばれているのだが、その呼び名は俺的にはあまり気に入らないのだ。だって「勇者様」とかいわれてもね?俺はどちらかと言えば「一般人の大学生」だし。

そう思いながら俺は彼女達が何故俺の事を呼び出したのか聞いてみる事にした。そうすれば少しぐらい俺の言い分も通じるかもしれないからな。俺は勇者と呼ばれる人間だと言われれば「はぁ?俺はそんな人間じゃありません」って言いたかったのだからな。そして、その事について質問すると、この国の騎士の1人に説明してもらう事になった。その人物は見た目が若い男だ。その男が

「皆様、初めまして勇者様方、僕はここの王城の警備責任者をしております「ラクス」と、申します。今回あなた方をここに呼んだのは他でもないのですが、この度我が国の騎士団長を務める聖騎士のマモル様がお二人に対して「貴方たちは真の勇者ではない、ただの称号だけの勇者に過ぎない、あなた方は本当の力を発揮することが出来ないハズレ勇者なんですよ」と言う言葉を発したのが発端でございます。なので私共はその事を証明しようとし、あなた方が真の勇者に相応しい実力の持ち主かどうかを確認するために今回の場を設けた次第であります。ご協力ありがとうございます」と言ってきたので、 俺が

「なるほどそういう事ね」

とだけ言っておいた。俺としては勇者だと名乗られると

「えっ?俺勇者だったの?まじで?俺が勇者ってどういう事?って思うんだよな。だって俺の今までの生活ってさ、普通じゃ考えられないような生活をずっと過ごしてきたせいで。正直普通の生活ってものが何かも思い出せない程に麻痺しているんだよね。だからさ俺は別に自分が勇者とかって言われてもピンと来ないというか。そんな称号なんてものは要らないんだよなぁ。だって俺は自分の身の安全さえ保障してくれれば勇者じゃなくても、一般人として生活出来るわけだからさ。そもそも勇者とか言われて喜んでいる連中とか頭おかしんじゃないの?としか思えないんだが?それに真の勇者と偽物の勇者の違いも俺にとっては謎だらけな訳だよな?まず、勇者というのは勇者にしか使えない技を使うことが出来る。

例えば俺は、この「真眼」の力を使えば相手のスキルを見抜くことが出来るんだけど。それは真の勇者の固有の技能なんだそうな。そして俺の固有スキルでもある「解析鑑定」の能力で相手のステータスを見る事も出来てしまう。まあ、レベル10まで上げないと他人のステータス画面は見られないし、自分のステータス画面すら他人に見せられないんだけどね。ちなみに俺の現在のステータスはこれだ

ステータス 名前:

ましろ 性別:

男 種族: ヒト(?)

レベル 10

(5up)

HP 100/120 MP 18000/19000

(4500UP+3000UP×2)

Str 153 Vit 12 Int 5 Mnd 7Agi 214 Dex 279 Luk 166 SKILL 【絶対防御壁】【超速自動再生】

【魔力探知】【神滅波動】【解析鑑定】

【多重処理】【剣術適正】

【身体強化】【気配遮断】

SP 620 こんな感じになっている。そして俺がそんな風に考えている間も、俺を「偽物扱い」した騎士の男は話を続けていく

「まず勇者様はステータスを偽装する事が出来るのですが、その偽装が完璧であればあるほど本物であるという証左になるんです」と言っていた。俺がその言葉を肯定すると

「そして先ほどの聖女と真白の件なんですが、彼らは真白の婚約者でした」

と突然そんな事を話し出した。

その話を聞き終えた俺は

「それで?」と言っておく。そして

「つまりあなた方の言いたい事は、その聖女とか言うのが嘘の可能性があるので、俺に確認しろと言う事なのか?」と聞いてみると

「その通りで御座います。それと、もう一つ言わなければならないことがありまして。この国の王は、真様の「真白様を幸せにする」という言葉を信じておりまして。その為に真様には聖剣と真白を妻にして貰いたいと考えているのです。これは王からのお願いになります」と俺に言ってきた。

俺は、いきなり何言ってるんだこいつらは?と思って

「俺には真白ちゃんとか聖女は嫁にはできないぞ?」

と言ってみたのだが、 それを聞いたマシロと名乗る聖騎士の男が

「それはどういう意味でしょうか?」

と、聞いてくる。

「ん?どういう意味って聞かれてもなぁ?そのままの意味なんだけど?」と、答えると。マシロと名乗った金髪の男性が「どういうつもりですか?真白を嫁にもらわないと言うのならば貴女を処分しますよ」と言い出した。俺には何が何やら分からないのだけども。とりあえずは話を聞いていたのだが、俺の言葉遣いの何が悪いのかさっぱり理解できなかったので質問することにした。まず最初に聞きたいのはこの世界では女性が男性の2倍の価値があるのかという事だな。すると俺の質問の意図が分かったらしく。答えが帰ってきた この世界では基本的に女性の方が男性より価値が高いという事だ。そしてその理由について教えてくれたのだが、 昔は男性は子供をたくさん産むという事で重宝されていたが、現在は男性と子供を産むという行為は別で考えられるようになり、現在では男性と女性の間に生まれてくる子供には、女性の場合は母性本能が男性よりも優れているが、 逆に、女性の場合の男性の出産率はかなり低くなっており。また、女性は、男性と比べて肉体的に弱いため、子を産んだあとは育児に専念しなければ生きてはいけないとされているため。

「女性を蔑ろにしすぎだろうが!」って俺にはどうしても思って仕方が無いのである。しかもこの国はそれが特に顕著だという事を教えてもらったのだが、そのせいかこの国には「一夫多妻制度」なるものが存在するらしい。その話を聞いた時、

『はぁ?何それ?この国はどうなってんだよ!俺が真白を他の男どもから守る必要が有るのかよ?』と思い 俺が、俺以外の人間が、真白とそういう行為をしてもいいの?と言う疑問をぶつけてみた。そうすれば「もちろんです。勇者様なら構いません」とあっさり返された。そこで俺は

『ふーん、なら俺が聖女とやらを貰っても良いって事なんだな』と聞くと「問題無いと思いますよ」と答えられた。

そう言われた俺は

『へぇ~、そっかじゃあこの国の聖女とやらが俺の嫁になってくれればいいってことね』と言った後に続けて、そうすればいいんだねとだけ言うと 聖騎士の女性と聖女の女性が「はっ?」と声を出したのである。しかし、俺はそれを無視して 聖騎士の女性に向かって話しかける事にした まず俺は、彼女達に俺の世界について話をしていく事にした。この国とは常識が違うのである 俺の国では「女性の方が大切にされる。だから、女性が傷つくようなことを男はしてはならない」という考えが一般的なのであると伝えた。だから俺としては

「俺の嫁になれば聖女も守られて幸せだろう?俺は聖女は大切だから守り抜くつもりでいるんだよ。だからお前のことも守ろうと思っているんだけど。どうなんだ?俺の事を嫌いでも結婚してくれる気はあるのか?それとも俺の事が好きすぎて結婚させてくれって頼むしか道はないのかなぁ?俺は、どっちかといえば可愛い女の子は好きだと思うから俺の好みとしては、かなり良い線いくと思うんだけどなぁ?ちなみにこの話は受けて貰えないか?そうすると俺と真白は結婚するけど。その方がこの国の為になると思うんだがなぁ?だってさ、この国に勇者が召喚されて勇者が2人も居るっていう事が分かれば魔物達もこの国を簡単には襲えないだろ?そのかわりさ。この国からの依頼とかで色々と仕事を頼まれるとか、そんな感じになるんじゃないか?この国が勇者がいるだけで安全に暮らせる国になると思えば俺は聖女と結婚する方がいいと思ったんだけど。ダメかな?」と伝えると。聖騎士の彼女は

「まあ私は真白の為を想うと。あの子を真白をあなたに託しても大丈夫だと思いました。それに私の願いを聞いてくださればあなたとの聖婚の話も受けようではありませんか」と言ってきた。俺としては別に断る理由はないので。受ける事にした ちなみにこの国の王からは「マシロが君の妻となる事を許して欲しいと願っている。その代わりにこの国の守護者としての務めを果たして貰えれば、君の好きなようにするといい。それにマシロと真白の仲も応援している。もし何か困った事があった時には、出来る限りの支援をするし。出来る事があれば協力すると約束する。」と言われていた。

それからマシロと名乗る少女と真白の件についての打ち合わせを行い、俺と真白が夫婦になる為に。そしてこの世界に真白に害をなす人間が現れた時に、俺と聖女の力で敵を排除する。その為にこの国の騎士になる。その為の話し合いが行われた。俺のステータス画面を表示させてそれを聖女に見せつつ 俺のステータスの「勇者スキル」「真白への愛情スキル(L)」を見せた後で「このスキルが俺のステータスの全てだ。これが俺の真の姿であり。この力をもって、俺と俺の大切な存在に手を出そうとする者に罰を下す。この国の王は聖女に危害を加える様な人間はいないだろうと判断しているようだし、俺としてもこの国には俺の力をふるえる場が用意されている。そして聖剣がある。ならば俺のやりたい事は決まってくるわけだし、俺には聖女を娶る必要があるって判断に至った訳だ。だからこの条件を飲んで貰わなければ俺は真白と結婚出来ないと、俺は思っているんだ。俺にとっては真白を守る事だけが目的であって、それ以外の余計な事柄なんていらないんだ」と言い切る。

俺は真白が可愛くてしょうがない。

「真白を不幸にする奴が現れて真白に手を出してくるのであれば、その時に俺は、全力を以て相手を叩き潰すだけだ。そして真白を泣かせるヤツが現れるなら俺が必ず排除する。俺の愛を受け止められない人間は俺の側から離れていけ」とだけ言い残してから真白の頭を撫でた後に、真白を抱きしめていた

「俺とお前の結婚は俺と聖女、それとこの国の王の合意があって初めて成立するんだ。俺は絶対に諦めたりはしないから、覚悟しておけ」

そう言い放ち、俺は真白を抱き上げて聖騎士の女性と一緒に王宮へと向かった。

真と聖女が、国王に呼び出された後で 聖騎士と真白と別れてから、俺は一人で聖騎士が居なくなった訓練場で、俺自身の鍛錬を行っていた。

そしてその最中で俺は【剣術】の派生技能として新しく手に入れた、剣術を体得できる【神技 】と【武聖】の技能を 使って剣の扱いに慣れると同時に、自分の身体の一部の様に剣を扱うことが出来るようになる【身体制御】

剣に魔力を流す事で剣に切れ味を増やせる上に斬撃を飛ばすことができるようになるという技能の《斬》を修得する事に成功した 俺は更にこの二つの派生スキルの派生である技能を会得する これは俺の持つユニークスキル【限界突破】の効果による物なのだ 効果は、あらゆる制限の緩和と、肉体の成長率を向上と身体能力の向上が上げられるのと、体力と生命力と自然回復能力の飛躍的な向上、魔力量の増大と魔法の行使回数増加、魔力と魔法に対する親和性の上昇、全耐性系の熟練度の上昇など、これらの効果が一気に発現させる。その分反動はキツイ。俺も今すぐには使いたくはないがもしもの為に使えるようにしておかなければならないだろう。

俺は聖騎士の使っていた聖剣を手に取り軽く振ってみたりしながら 【解析者】で確認を行うと、この聖剣には名前が無い事が判明した

『聖剣なのに名前が付けられていないとはどういう事なんだ?』と思いながらも、聖騎士がこの国を出る際に持ち出してきた物らしい。

『俺が貰っても構わなかったんだろうけど、それは流石にはしゃぎ過ぎだから自重しておいたんだよな』と思いながらこの国の王がくれた報酬について考える。それはこの国の騎士になることだ。騎士には、聖騎士と聖女の2人がなるというので俺もその流れに従うことに決めて。騎士になった この国の王様曰く。この国の騎士の称号は二つあり、一つ目が聖騎士、そして二つ目が守護騎士らしい。その称号について教えてくれた 聖騎士というのは、聖女の護衛を主な任務としている者達に与えられる称号らしいのだが、俺の場合だと 俺が騎士になってから直ぐに呼び出しを受けて

「この国は魔王と魔人によって脅かされようとしているのである」

と告げられ、そして

「我が娘の婚約者よ。貴殿には、魔王討伐に行って貰いたい」と言われて

「俺の妻になる予定の聖女も同行するから。護衛をしてやって欲しい」

と言われて、俺は了承することにした

『俺の大切な真白の身に何かが有るとか考えたくもないから、聖女の護衛をしようと思ったんだよ』

ちなみに、この国の騎士が全員でかかって倒せなかったら、勇者に頼む予定ではあるらしい。なのでこの国の王や聖女は「勇者が召喚された」という話は既に知っている。だが「勇者に助けを求める程ではないので、自分達だけでどうにかしようとしているのだ。俺がこの世界に来た時に既に魔物達との戦争は終わっていて。この世界の人間とこの国の人間の戦力は比べるまでもなく圧倒的な差がある。なので聖女も、そして俺の妻となる予定でもあるこの国の姫は俺と聖女が一緒にいれば問題無いと思っているようであった。ちなみに、聖女は真白よりも歳は上のようだ。真白の外見年齢が15歳から18歳くらいの間だったのに対して20歳を超えて居るとの事だ。この事から考えて、おそらくは真白の姉なのではないかと予想しているが確証はまだ持てない状態だ そんな事を考えつつも俺は王から与えられた部屋に真白と俺の部屋になる予定の場所に、俺の荷物を置きに向かうのだった

「まぁ、真白も無事に俺の嫁になれそうだし。この国でも頑張らないとなぁ」

そう思いながら、王から受け取ったお金を使って。必要な生活用品を買い揃える事にしたのだった。

俺は王都から少し離れた場所の宿を取り。そして翌日になって朝に起きるとその足のままに王城に向かったのだった。そしてそこで俺を出迎えたのは俺と同じ様にこの国の騎士服に着替えた2人の女性の姿が見えたわけだが 真紅の長い髪に碧色の瞳が特徴的な聖女が「あなたと真白の結婚式は、この国で行われる事になったのでよろしくお願いしますね。あなたが私達の国に滞在することになるのであれば。この国の騎士団の宿舎に入ってもらうことになりますのでそのつもりで居てください。それから私の事はこれからは、真白と呼んでくれるとありがたいです。それとあなたの名前を教えてくれませんか?」と聞いてきた 俺の方は特に問題は無かったが、俺は王からの依頼を達成できなかった。そして俺の妻になる予定であった真白とこの国の騎士になる筈であった俺は、この国から追放される事になるのだった。この国の王が「魔王を倒す為の人材を無駄にするわけには行かない」と言って

「この国からの強制依頼が有るまで、君達は国外で待機して欲しい。君達に何かあればこの国にとっても大損失になる」と真白と俺を王都の外にある、王直轄の土地に俺と真白は飛ばされるのだったが、俺の事を睨んできていて「どうして私がこの様な場所に送られなくてはならないのですか!それに勇者様はどこへ行ったのですか!」と怒鳴り散らしてきた 俺はこの聖女から発せられる怒りが、聖女としての資質に関係しているのかは分からないし興味も無い。俺は俺と真白がこの国の人間では無いし、真白を不幸にする人間が現れないと言う保証が得られない以上。真白と結婚できる可能性が無いならば。

俺は聖女と聖女が連れている聖女の護衛をする人間から向けられる殺意にも似た視線に。真白を害する人間が居たら排除すると言ったはずで、俺にとっての敵にならない存在に興味は無く。また俺はこの国の騎士になるのは嫌だし。真白以外の人間を守るつもりなど微塵も存在しないのだから 俺は、真白との幸せを手放しで喜べなかった

『クソッタレめ。真白の傍には俺だけが居ればいい。それ以外の人間はどうなっても知ったことではないんだよ。俺は真白を愛してる。それなのにこの国の人間は、あの時、真白を殺そうとした。真白を殺すつもりだったんではなく。ただ殺す為に殺したかっただけだという。くだらない理由のためにな』

「真白が死ぬかもしれないと分かっていた。真白が殺される未来が見えてしまってな。俺はそれがどうしても許せないんだ。俺はこの国の連中が俺や俺の大切な真白の目の前に現れた時に必ず殺してやるって決めていたんだよ。この世界で生きる価値のない害虫以下のゴミ共を生かしておく理由なんて何処にもない。俺は真白が生きてくれる事だけを祈っているんだよ。その為には俺は俺の持て得る全てを持って戦うさ」

俺はそう言うと俺が今いるこの場所についての説明を行った。この土地は元々王族が暮らすような屋敷があった所であり、そこに王と姫、この国の騎士達が住み着いていたのだが。この土地の管理をする事になっている貴族は、国王に媚びを売る事でその地位に上り詰めた人間で。しかも賄賂を渡す事に関してはこの世界でも屈指の腕を持つ人物らしいのである そして俺は王都から追い出される際にこの国の王がこの土地を好きにしていいという許可を得た。なので、まず俺はこの国の王や姫が住んでいる建物に俺の屋敷を建てた そして王と王妃が住む部屋にはベッドとソファーを俺が魔法で作り出して設置を行い。次に王や王子の私室には豪華な家具を置いていく。そして最後に騎士や使用人の為の施設や俺と真白の部屋を作るために俺や真白、この国のお偉いさんに意見を求めつつ。俺達の為に作る建物を設計していくのだった

「まぁ、この程度の家くらいなら造るのは難しくないし。俺と真白の愛の巣は俺が自分で作ろう。俺の愛する妻を住ませる家だ。妥協したくはない」

そう言い放った後に俺が作ったこの国では一般的な家屋よりも数段上の設備を備えた家を3棟程造り出すのだった この国の建築事情を俺は知らんが俺の【錬金鍛冶】を使えば、俺好みの家にする事が出来るのだ。俺としては満足出来る物を作り上げることが出来た。

俺がこの世界に来て最初に泊まった宿屋は一部屋が1人で寝れるサイズのベットが一つ置かれているだけで他の部屋には椅子やテーブルなどの必要最低限の家具が置かれていただけだったのである。なので当然この国の文化では風呂の文化が存在しないため。真白は身体を流したり汚れを落としたりする時には王城の浴場で体を洗っていたらしい。俺は、この世界に転移してからの数日の間は真白と共に王城に暮らしていた。

だがこの王城は王と姫が住んでいるだけあってかなりの警備が敷かれており、俺が王城から出るのは非常に難しい事である。俺は俺なりのアプローチを何度も試してはみたものの真白が首を縦に振ることは一度として無かった。しかし真白も諦めずに俺への好意を示す行動を取ってくれるようになって。俺と真白の距離感はかなり近づき。真白の体からは良い匂いがするようになった。そして真白と俺が結ばれてからは真白の俺に対する依存度が高まっていき、今ではほぼ俺から離れることが出来なくなってしまった状態だ。俺が離れると泣き叫ぶほどになってしまうので真白を放置するわけには行かなくなり。俺の側に居る限りは、俺は真白に対して優しく接している。だが真白は王城から抜け出すのを常習犯と化していて。王城を抜け出して外に出ることは頻繁に行われていた。

真白が何故王城から抜けて外に行っていたのか。その理由については真白は語ってくれないのだが、真白をこの国に連れてきて王城で保護をしてくれた人達が真白の外出を認めていてくれていたので俺もそこまで気にせずに済んでいたのだが、そんな王城内での生活は俺と真白にとっては幸せな日々ではあった。そして俺と真白はお互いに惹かれ合い。恋人となり、夫婦になることを決めたのである そんなこんなでこの世界にやってきた最初の日を思い出す。俺はこの世界での自分の住居となるべき場所を作ってから暫くは王都から離れた森の中にある家で、真白と一緒に暮らしている。真白も俺と同様にこの世界には知り合いがいないので不安を感じながらも。それでも真白が俺を選んでくれた事が本当に嬉しかったのである そんな真白と過ごしながら。俺が真白と出会った時と同じ様な時期に聖女が俺の家に押しかけてきて、そして真白が俺の所に来れなくなる程の頻度に聖女が訪れて来たのである。真白はこの国での勇者の役割を与えられたらしく聖女の護衛兼聖女の世話役みたいな仕事をしているらしい。俺の妻の真白をこき使おうとするとは俺も少しばかり腹が立ったが、この国の王も「この世界の人間は、この国の人間は、私の娘に害を及ぼさないという確証が無いのでな。私と娘の幸せを守るためにもこの国で生活をしなくてはならなかった。真白と君には迷惑をかけて申し訳なく思っているが、私は妻と娘を失うのだけは絶対に耐えられない。だから頼む。どうか許して欲しい」と言って来た

「俺とお前達は無関係だから俺がこの国の王を許すかどうかは俺が判断することで、俺とこの国の王とは何も関係がないんだが。お前達がこの国の人間を信用していないように、俺もお前達の事を全くと言ってもいいくらいに信用していないから。別に謝らなくても構わない」と、俺は答えたが。その言葉を聞いた王は「すまないが、君と話す機会はこれで最後にしたいと思っている」と言って。その日から俺は王城に入る事が出来なくなってしまい。真白も聖女の護衛の仕事に忙しいと言う理由で王城から俺の家に訪れなくなったのであった。

俺と真白の幸せを邪魔したクソ共を殺してやりたいと思ったが、真白と俺の愛の営みの時間が減った事で。俺はストレスを感じる様になってしまった この国の王様と姫が暮らす建物で生活をしていた俺と真白。俺と真白が結ばれた後は俺と真白の為だけに建てた家の中で、二人だけの生活を送っていたのだが俺と真白の愛が満たされる時間は限られていた。それは真白の体調が悪くなってしまい真白との触れ合いの時間が短くなる事で、俺の精神的な負荷が増してしまい俺は精神的に追い込まれていたのだ。

真白に負担を掛けさせない様に気を配りつつ。俺の作った武器を使い、俺は聖女を始末するために動き出した。まずは護衛の騎士達に真白を殺させれば俺の怒りも治まると思い。真白に殺意を向けさせた後で俺は真白に襲いかかった。そして、俺は真白を気絶させて王城に持ち帰り。その後の事は俺の知る所ではないが。

俺は真白の体を拭いてあげる為に。真白と真白の身体を綺麗にする事を目的にした施設を作っていた。なので俺の家の風呂は真白専用の風呂になっており。真白が俺との行為を行う為の場所も、真白の事を癒やす為に俺が造った。この国の技術では再現不可能としか言えない風呂場が俺の家にはある

『俺の愛する妻の体を汚されたくは無いからな』

真白が意識を取り戻した時に俺はそう告げた。俺が今いるこの屋敷には浴室にシャワーと浴槽が設置されており。俺が真白に説明しながら使い方を教えていくと真白は「これ凄いね。お肌がとってもスベスベになるよ!」と言って喜んでくれた そしてこの屋敷に住む使用人や護衛騎士の者達の為に俺は風呂を作った。これは男女共用であり、俺は真白以外の存在を屋敷の中に入れてやるつもりはないのだし。この国の王族が使っているような立派な施設を作る意味も無いので。

俺が作った風呂の施設は、一般的な銭湯より遥かに豪華な施設となっている この屋敷に住んでいる使用人達は俺に文句を言って来たが。

「俺は俺が認めた人間以外にこの屋敷に住んで欲しいと思える人間は存在しない。お前達だって俺が認めていない人間の命令を聞く事なんてしないだろう。俺が認めた人間だけがここに居ても問題ないだろう」

俺がそう言ったら全員が納得して、俺が認めると宣言をした者以外は屋敷の外に出ていった。そして真白が王城にいる間は、俺は真白を王城に住ませてあげようと考えた そして真白は俺が王城に行くまで、俺の家に訪れることが無くなっていたので。俺は寂しさから来る苛立ちをこの国の王や騎士や使用人に当たり散らして過ごす事になり、俺の精神が磨耗していき俺はこの世界に来た当初の目的を見失いつつあった。俺と真白が幸せな時間を過ごしている間。俺の知らない所で何かが進行していているとも知らずに 異世界に転移した当初は俺達の目的は元の世界に帰る手段を見つけ出すための情報集めだった筈なのだが。

いつの間にか俺は自分と真白が平和に暮らしていくための生活拠点の構築と。

自分達が暮らす環境を整えているうちにこの世界にも慣れてきたせいもあって 俺と真白は俺と真白の愛の巣を築くためにこの国の各地を転々とし。そして家を建て始めたのだ。この世界に転移してから1年以上の月日が流れたが。未だに元の世界に戻れたという報告を王城の人間は誰一人として伝えては来ない。

この国の王や姫。真白の関係者も、聖女の関係者が、俺の知人であるはずの人間が 王城では俺や真白を勇者召喚でこの世界に連れ込んだ責任を問う声が高まり 俺は俺が勇者として召喚されたことに対して怒りを覚えた だが王城は俺や真白とは一切関係が無いと言って 勇者がこの国で快適な生活が送れるようにするのが王である自分の仕事であると言っていた。

この国で生きる人間は全てが勇者である俺に対して好意的で、そして俺を王として扱ってくれていたのだが。俺は俺と真白の仲を切り裂いたあの国をどうしても許せなかった。だからこの国に永住することを決意した。

それから数カ月の間、俺がこの国に住み始めて数ヶ月が経つと。この国もだいぶ変わっていった 俺が作り出した錬金鍛冶の工房で様々な物を作り。そして真白と一緒に暮らすための住まいの増築を繰り返していると。ある日突然、聖女と、俺を勇者として呼びつけた聖女の上司が、真白を連れて俺の目の前に現れた。この国は、王や聖女に不信感を抱く貴族が多く存在するようになり。そして俺も聖女がこの国に来る度に真白に会いに来ていたのだが。聖女は、真白はもうこの国にはいないと言ったのである。その事に真白も同意しており。俺は真白に何が起きたのかと尋ねると。

真白は、この国から逃げ出してしまったと、聖女は俺に伝えた

『この国の王と、姫は俺を騙し続けていた。そして、真白をこの王城に留めようとした』と、この国の王は俺と真白を引き離そうとした

『この世界には、俺と真白を引き離したヤツがいる。その人物を殺す事ができれば真白は俺の元に戻ってくると信じて俺は王城に乗り込み。そして、その人物を探しだした』

俺は、真白を奪ったクソ野郎を必ず殺しに行こうと決めて。俺を殺そうとした聖剣を持った勇者を殺した そして俺は俺と真白の平穏な生活を取り戻そうと。

この王都を飛び出し。王都から離れた場所にある街で真白と共に暮らしていた。真白が俺の元から去ってから半年が過ぎた頃に。聖女はまた俺のところにやってきた。俺はその時の事は思い出したくも無いのである 俺は真白が王城から逃げてから王都を抜け出すことを決断するまで。王城を抜け出した時の記憶を思い返すと、真白が俺の元を離れて王都から出て行くまでの一ヶ月ほどの間に、真白の身体を汚されていたのだと思い返していたら俺の中に怒りの炎が湧き上がった。

真白と俺の幸せを壊したのは間違いなくあの王と姫と王の部下達だと、俺は確信することが出来たのだ この世界の人間と真白との会話など聞き取れるわけがないのに。聖女は王城に軟禁されてから真白が俺と別れるまでの事を思い出しながら、俺が何をしていたのかを聞き出そうとしていた そして聖女がこの世界の人間を使って真白に何をしてきたのかを俺は知ることになった 真白は俺と出会う前から、真白が俺と出会う前にある実験に利用されていた。そのあるとは「魔王の力を受け継いだ者を殺せばどうなるか」という事の実験。そしてその被験者となった真白はその身を穢されてしまったのだという。その事を俺は聖女に聞かされ。その話を聞いた時に俺の視界は一瞬だけ暗転したが。俺はすぐに気持ちを切り替えて聖女が話した「俺を嵌める為の嘘の可能性が高いので信じるな」という言葉を頭の中で反駁させた後に、俺はこの世界にいる真白に害をなした人間に殺意を向けるのであった 聖女は、俺にこの世界の真実を話した直後に、俺は自分が騙されていたという感情を抱き。真白が俺にこの国の話をしなくなった理由がわかったのである。そして俺の身体には怒りと殺意が混ざり合った様な、どす黒い負のオーラがまとわりつく感覚があったのだが。聖女はそれを見ても特に気にせずに、この世界に存在する俺を騙そうとする聖女の仲間に怒りをぶつけたいのだが。聖女はそんな俺に聖女は自分の仲間をこの場で殺したいなら殺してもいいと言う。俺はこの世界の人間なんて信用できるはずがないと思った俺は、聖女が差し出した聖女の手を取る事はせず。

俺は俺がこの世界に来て、最初に作った武器を取り出す。

それは魔鉄で出来ており魔力を流し込めば強度が増し。刃は魔法銀とミスリルで出来た武器であり。その刀身の長さは2メートルを超える大太刀であり。そして、俺は鞘に納めたままの状態で地面に叩きつけ、俺は自分の武器の切れ味を確認した。するとこの武器に込められた力が俺に伝わったのである。俺は真白を奪われたことで。俺は怒りに震える この世界に俺が転移してから真白は聖女が俺の前に現れてからは、俺の家ではなく。王城に住むようになった。

俺の家に訪れる時は俺の家の庭に門を出して。そこから家に入り。家の玄関から入り、俺の家の居間に入って来たのは、いつも真白と会っていた時だけであり。

この王城に暮らしている者達が俺の家の風呂を使う為には。俺が作った風呂の施設を使わなければならないのだが。俺が作ったこの施設には、女性専用エリアがある。俺はそこに男を入れるつもりはないのであり、この風呂の施設を利用する女性は、この施設の中にある浴場を利用しているのである。そしてこの屋敷に住んでいるメイドと騎士や、執事達はこの屋敷の敷地の外で生活しているので、俺が認めた者以外を屋敷の中に入れる気は無い。この世界に来た当初こそ、この王城の人間と使用人や騎士や王族の護衛騎士と俺の知人や俺が認めなかった人間が、俺と真白の家に出入りし。俺と真白の家に自由に足を踏み入れる事が出来ない状況が続いて苛立ちが募ったのであるが、それも今では解消された。俺は真白と二人っきりで暮らしたかったので。真白を独占できない事に腹を立てていたのだ 俺は俺の家にやって来た真白と会うことは無くなった。そして俺と真白が離れることになって数ヶ月の間。俺が作り上げた家の中には真白が俺との生活の中で使用していた家具が置かれ、そして真白が毎日着ていた俺のお古を着る事も無くなり、真白と過ごした時間が色あせていき。俺が作り直した新しい服を着ていた真白。

俺が初めて真白のためにと作って渡した服。

この国の人間の衣服よりも布地が少ない真白が身に着けたらエロさ満点の衣装は真白によく似合っていた この世界に来る前に俺が作り出した衣装を着た真白は。この世界に来てからずっと、この世界で暮らしていた。そして聖女の言葉が本当だったとしたら。

この国の王は俺の大切な存在をこの手で傷つけた 俺は俺の家族を奪った聖女や、俺の知人である真白や王城に勤めている人達の全てを殺すことしか考えられなくなっていた。

俺がこの世界に来るまで住んでいた家は俺が転移してくるまでは空き家で、誰もいなかったらしい。

俺は俺の家に戻って、俺が俺のためだけに建てた家を自分の物にするべく行動に移したのである。そして俺は王城に向かって歩き出した。王城は真白が住んでいた場所でもあるが、俺の住んでいる家の近くでもある そして俺はこの世界の人間が王城と呼ぶ場所にたどり着き。そしてこの国の王城に入った。

「なっ、貴様、この国にどうやって侵入した!!それに、聖女殿が言っていた。勇者の姿ではないだと!?何の目的で王城の中に忍び込んだんだ!!!」

俺はその言葉を俺に向けて叫んだ男の顔を凝視しながら。この国の王城の中にいる、この国の騎士や兵士、そして王城に仕える貴族の服装をしている人間達全員を、俺の能力の一つである。気配感知の技能を使って把握してみて、俺に敵対心を向けてくる人間は俺が王城を歩く邪魔にならないように俺の目の前で道を開けたのである。

「俺と真白を引き離したこの国の王とその側近共を皆殺しにする為だ」

そう俺が言葉を発した直後、王城の中で俺が王城の中に入り。そして俺を囲もうとしていた騎士達と貴族達の顔つきが、一瞬で変わった。俺はこの国の人間を敵と認識した瞬間。

そして俺はこの国の王に恨みを持っている人間だと言って。俺は、俺がこの国に来た理由を説明したのであった。

「ふはははははは、この私を勇者と、聖女殿に召喚された英雄だと信じ込んでいるのか?勇者である真白を、あの忌々しい小娘が汚したと言うのか。だが、私はあの王の娘とお前の関係を知らぬぞ。それに、あの女はこの国の聖女としての立場を捨て、そして聖女としての地位を剥奪されてこの国から追放になったハズだ。あの女もお前と一緒だ。勇者の真白を騙し続け、あの真白を辱めた。勇者は魔王を倒すために、この世界を救済するために呼び出され、魔王を倒さなければならない存在なのだ」

俺が王に対してこの国を滅ぼそうとした動機を話すと。この国は俺に魔王を討伐して欲しいという事を頼み込んでくるのだが、俺に魔王を殺せるわけがないだろう この世界に転移して来て、俺と真白を引き離そうとしていた王都の王城に乗り込んできたのだが。俺は、王都の民が俺と真白に何をしてきたかを説明し、この世界の住民である人間達が、この世界の住人である真白に何をしてきたかの説明をしたのである。

「そんなに言うのならば。俺と真白が一緒に暮らしていた家に行けばわかるはずだ。この世界が、どれだけ酷いことをしてきたのかがな」

俺はこの国の王を睨み付けながらそう言って王城に居る王やその護衛の騎士と兵士達の目の前を通り抜け。そして王城に俺の作った家と、俺と真白で過ごしていた家に向かった。そして、俺が王城から出て、この世界の人間にこの世界に来て初めて作った家に入ると。そこには王と姫に真白の衣類があり。俺は、俺に殺意を向ける人間を俺の手で殺していった。そして、その光景を俺が殺しているところをこの世界の人間が俺を止めるために襲いかかってくるが。

俺に敵意を持つこの世界の人間を殺した。そして俺はこの家の中にある、真白と一緒に使っていた物を自分の能力で回収し、この世界の真白が過ごして来た部屋には、この世界の真白の痕跡など、一切残さずに。

そして、この家の中の家具や真白が生活をしていた部屋にある家具を全て俺のアイテムボックスの中へと収納して行く するとこの世界の人間の一人が俺が真白との思い出を残した物は全て奪うと叫んでいた。

俺は、この世界の人間が、真白との日々を過ごしてきた場所を壊して欲しくはなかった。

だから俺は、この部屋の家具も、真白と過ごした記憶のある、この空間を俺の能力である収納に取り込み、俺の記憶の中からこの部屋での生活を思い出しながら俺は真白との時間を思い出させた それから俺は、真白を嵌めて。そして俺がこの世界に来て最初に真白が出会った時から真白のことを好きになり。この世界での、この世界の人間と過ごす事よりも真白と共に過ごせることが幸せであった。この王都で暮らすことも楽しかったし。この世界に来たばかりの頃の俺が望んでいた暮らしが出来ていた。だけど、真白と出会ってから今までの生活の方が充実していたことに気付き、俺は真白の事ばかり考えていた。

真白がいない、ただそれだけで、何も楽しくなくなった この世界で俺の知り合いは、俺が王都で暮らしていた時の知人だけでしかないし。その知人も真白がいなくなったことで俺の家に寄り付こうとしなくなり、この世界での友人と呼べる存在はいなくなってしまった そしてこの世界にやって来た頃に戻りたいと思い始めていた それは転移する前のことであり。

俺の家族や真白の家族や友達がいて楽しい日常が送れていた時に戻る事が出来るのであれば俺はこの世界に来る前はどんな世界でも構わないと思っていた。だけど、今のこの世界での生活はとても楽しく、充実したものであり、そして今の状況に満足をしていたのも事実であり。俺はこの世界に来てからの真白との関係を大切に思っていたので、それを俺から奪い去った王や王の娘である聖女には俺と同じ苦しみを味わわせてから殺さなければ気がすまなかったのだ そして俺が王城のこの王城の人間の全てを殺すことを決意した翌日。俺は王城を後にし、王城の門を潜ると、門の前に居たのは王城に仕えていた者達だった。俺を殺そうと襲ってきたこの王城に仕える者達全員を殺し。俺は城の中にある王城に仕えている貴族の屋敷へと向かった。そして俺が殺した人達の亡骸を俺はこの屋敷の敷地内にあった焼却炉に放り投げ。

屋敷の中に居る者達全員を殺した。

そして俺は、俺の家から持ち出すことが出来ない物。真白の写真や真白の衣服。

そして、この屋敷の中で生活をしていたメイドの下着。

それらをアイテムボックスに入れて。それ以外の物は俺の家の敷地の中にあったゴミ捨て場のようなところに全部ぶち込み、そして、真白と過ごしていた家に全ての荷物を移し終える。

王城に住む王やその側近達に復讐するべく王城に向かうのをやめて。

俺が転移して来る前まで過ごしていた、この国で一番の権力者が住む町へと向かって移動をしている最中に。

王城での生活を思い浮かべ。真白のことを考え。そして真白に会いたいと。真白と会い、この世界では離れ離れになってはしまったが、また以前のように二人で過ごしたいと考えていて。

そして俺は、俺に敵意を向けてくる、俺の命を狙ってきた、俺の知人である貴族の人間を殺して行き。

王城がある町からこの国の王都から一番近い町に着く頃には。王城に住んでいたこの国の王の関係者全員を抹殺することが完了したのだった。

そして俺が転移してくる前からこの町に住んでいる知人のところへ向かい、俺は俺が住んでいた家をその知人の人間に明け渡した。

この国の人間達によって俺の暮らしていた家は壊され。俺が転移してくる前と同じように俺は住む家を失ってしまったが、この国の人間達は、俺の事を王城に住まわすつもりでいるようだったが。

俺は、俺がこの国で暮らしている間に真白と俺の関係を知ってしまい嫉妬に狂って俺の家の周りの環境を破壊した奴らの仲間と一緒に生活するなど考えたくもないことだ それにこの国にこれ以上俺を留まらせる気がないのならば。この国に滞在をさせる必要は無い。この国の王が俺に頼んできたことは。

「俺は俺が俺の住んでいた家に戻ってきたときからずっと。俺のこの国の人間への憎しみは消えることはない」

俺がこの国の人間に告げた言葉を聞いたこの国の人間達は、俺の言葉を聞いていたこの国の王である人物に向かって俺に謝罪しろと言って来ていたので、この国の王と姫が俺に対して行ったことを説明したのだが。この国の王と、俺の大切な人を辱め、そしてこの世界に俺を召喚した王の娘でもある聖女である真白は。この国の人間達の俺に対する行いを知り。俺に謝罪をしなければいけないと言い始めた。そして俺の事を王城に招いて、この国の人間にしたことを謝れば許してくれるだろうと言おうとしたのだが。

俺はこの国の王である男を見て。そしてこの国の王とその取り巻きの騎士と兵士。

そしてこの国の貴族達が。

俺は、この世界の人間と、この世界にいる人間にされたことを許すことは出来ない。そして俺に危害を加えたこの国の人間達をこの国から排除することを決め、そしてこの国の王とその家族達を全て殺すと決意をして。

俺が真白の暮らしていた家に戻ろうとしたその時に、俺を止めようとしたこの国の王とその騎士と兵士と。この国の貴族の当主とその子息達も殺し、俺は真白と過ごしていた家に、再び帰ることにしたのであった。しかし俺がこの家に戻った時には、真白はそこにはおらず、真白と過ごした思い出の場所は、王城の中で俺と真白が過ごした家での生活の残骸以外、俺の記憶の中に存在するものは何も残されていなかった

「なっ、この国はどうなっているんだ。俺が、俺と真白が過ごしたこの家の中に何一つ残っていないなんて。俺はこんな世界など絶対に認めない」

俺が、俺に敵意を持つ人間を全て殺し、俺に殺意を向けた者を全て殺してから王都を抜け、そして王都の人間を皆殺しにしてこの王都の人間にこの世界の人間と真白との時間を潰された王城に乗り込み、この世界の住民に俺が受けたことを説明をしたと言うのに。この国の王や、王の側近である、この王城に暮らしていた者達はこの王都の人達を避難させろと言っていたが、そんなことをするはずもなく、この国の王は自分を守ろうとした護衛の騎士と兵士達に俺の事を襲わせるように指示を出していたが。俺はその攻撃に俺を守る為に襲い掛かってきたこの王都の騎士団と、この王都の警備を担当している兵士達を、そしてこの王都に住む住民も。そして俺の知り合いである貴族の人間も、俺は容赦なくこの王都の人間全てを。この国の王やその側近や。そして王城で働く者達。この国に存在するありとあらゆる人間の命を奪って行った 俺の事を殺そうとした人間を殺した後。俺に殺意を抱いていた人間を殺しているときにこの世界の人間は。この世界の人間同士で助け合う事を忘れてしまったのか?この世界の人間同士が集まって。この王都内に住む、全ての住人が避難出来るようにこの王城内にある広場に避難をしていた。だが、俺とこの世界に来て、この世界の王と聖女に嵌められ。この世界にやってきた頃の俺よりも酷くなった俺の家族と。そして俺と、この世界に来て初めて出会った俺の家族である真白とこの世界に来るまでは関わりのなかったこの世界に来てからは俺の妻であり、この世界での婚約者であり、真白とは友達のような関係になっている真白の友人や真白の両親。

それにこの世界の真白が家族や友達と呼んでいる者達。そして最後に俺の両親がこの王城内にいた そして俺を殺そうして俺の前に立っていた、この王城で働いていた人間のほとんどを殺し終わったところで、俺はこの国の王とこの国の王城に住んでいた者達が暮らす王城の王族と。そしてこの王城で働いてきた者達が住む屋敷に住んでいるこの国の貴族の人間達も全て殺さなければならない。俺はこの世界に来てからこの王城で暮らしていた時は真白のことで頭がいっぱいだったから他のことなど全く興味が無かった。だけどこの世界に来て。この王城の中を自由に歩き回り。王城を探索していると、俺は俺とこの世界で出会ったこの国の王やその側近が俺と真白と過ごした場所を荒らされていた。

真白が使っていた物を盗まれていた。真白の衣服が無くなっていたし、そしてこの王城の中で生活をしているこの国の貴族達の私物がこの世界に来たばかりの頃の俺の家に有ったものよりも粗末なものばかりが置かれていた。この王城は俺と真白が二人で生活していた時のこの城よりも酷い状態だったのだ。だから俺は王や聖女が住んでいるこの場所にこの王城の中にある全ての王城に仕えていた人達と、そしてこの王城の中で生活をしていた、俺の家族やこの世界で真白と出会い。そしてこの世界に来てからの俺を支えてくれた、真白の友達や、俺の家族。

それにこの世界での俺の家族や、俺の家族が大切に思っている人たちやこの世界で出来た、この世界での友達である。そして、この世界での真白がこの世界で俺の妻と、そして俺の本当の妹としてこの世界に来ていた俺の義妹の沙月ちゃんも。この王城に一緒に暮らしている俺の両親はともかく。



この城でメイドとして働いていた女性達。そしてこの王城に住んでいた貴族の人達の。

この王城の人間の全てを殺した後に、この王城の敷地内にはもう誰もいないと思ったのだろうが、それは間違いだ。俺は俺に害意を持っている者を全て始末した後に、この王城の敷地内を見回った。俺が王城を後にしようとした時に。俺が王城に仕掛けたトラップや、魔法で。王城の中は悲惨な状況になっており、そしてそれを作り出した張本人達は。

俺と真白がこの王城で暮らす前に使用していた家の方から逃げようと、この王城の中にある隠し通路を進んでいたのだが、残念ながらそれは全て破壊していたし。そして俺はこの世界を滅ぼそうと、この世界に存在している人間という生物を全て絶滅させようと考えていた。

その為にはこの王城にある宝物庫にも、何かこの王城から脱出する手掛かりが隠されているのではないかと考え。

俺は、王城の内部に侵入することが出来る入り口は。既に侵入者がいて。その者たちによって破壊されつくした状態で。王城の中には何も残っていないと判断し、まずはその隠し扉を探し出した。俺はそれから、その破壊された状態になっていた隠し部屋の先にあった。大きな空洞の部屋で、俺に敵意を向けてくる、俺の命を狙ってきた人間を処分しながら、宝物が保管してある部屋へと向かい。その部屋の中の宝物を全て回収する事に成功したのだった。しかしそれらの財宝の大半は俺がアイテムボックスに入れることが出来たのだが。

その中には大量の宝石もあったのだが、俺はその宝を手に入れる事はしなかった。理由はただ単に俺はこの宝石が欲しかったわけではない。そもそもこれは真白への誕生日プレゼントを買う為に必要な物だったのと、俺に対して殺意を抱いている人間に対してその人間が身につける装飾品を身につけるのは失礼だと考えたからだ。

それに、俺が元々持っていたお金を換金しようと思ってその部屋にも入ろうとしたのだが、そこは鍵がかけられていて中に入ることが叶わず、諦めた。それにこの部屋の中に入れそうなのもここしかなさそうだが。もし他にも隠し部屋があるのならまた探し出して全部探すつもりではあるが、この広い王城内の一室を、しかも限られた時間内でくまなく調査をするのは骨が折れることだと思う。

なのでとりあえずは今俺がいるこの大広間だけでもいいので徹底的に調べ尽くすことにする。この部屋にはおそらくこの王城にいる全ての人間の資料などもあると思うのである程度目星をつければこの中に必ずある筈だ。

俺が王城の中で見つけたこの王城で仕事をしている者達のリスト。それが書かれている書類は、何故かこの部屋にはなかった。俺はてっきりこの王城の中でも、一番警備が厳重なこの王城に勤めている者だけが出入りできる場所がこの部屋の奥に存在する。そんな風に思い込んでしまい、王城で働く者専用の書庫のようなものが存在するのかと思っていた。だが俺が思っていたよりも王城の中に存在する書物の量は少なく、そしてこの世界について記された本があまりにも少なかったのと。

そして何よりこの王城内に存在していそうな重要な事柄が書かれた本を見つけることが出来なかったのだ。それでも、俺にとっては十分すぎる収穫があり。王城内にいる人達の、そしてその人に関する情報が書かれれいた本が見つかった。そのおかげでこの王城内にいる人物の名前を知ることが出来たのだ。

しかし王城内に存在する重要書類のほとんどに。王城の中で働いていた者達の名前が記載されていたのだ。しかしそこにはこの王城の中で働く者の氏名が記載されていたのにもかかわらず。この王城の中に勤めていた貴族達の情報はほとんど無かった。まぁこの国では。貴族の人間は皆自分の家に仕えている者を王城の中に住まわせて仕事の手伝いをさせている。だから貴族達が王城で働いている者達の名前を全員把握していないのが普通なのだが、俺は少し違和感を覚えた。

この世界のこの国に住む貴族と呼ばれる者全員が同じではないのかもしれないな、とそう考えた俺は。自分が殺してきたこの国の国王や。この国に暮らす民達の記憶とこの国の情報。それらを全て読み取ってみることにした。

「【検索】、キーワードはこの世界とこの世界における王族。それと俺が今までに殺してきたこの国の者達と。俺を騙そうとしていた聖女と俺が殺した聖女の側近に聖女の取り巻き、この王城にいた奴等の名前とその記憶」そして俺が王城内で集めた、この王城で働いていた人達の個人情報が記載されている書類を。その王城内で働く全ての人達とこの城の中で生活している人達。それに貴族の人間達に関する情報が事細かに書かれていたこの国の王の個人的な記録もついでに見ていくことにしたのだ。するとやはり俺の考えが正しかったことが証明できた。

王城の中で生活をしているこの国の王族や貴族の人間達は。この国の王は自分と血の繋がっている王族と。そして自分に媚びを売ってきたり、自分を崇拝する者達だけを集めているようだ。それ以外の人間は奴隷扱いをしたり、あるいは無価値な人間として、いらない者として扱っているようだった。だが、この王城の王族と。そして一部の者達以外の、この国の国民達の事だが、どうやら。他の種族を蔑ろにしているらしい。

この世界の人間は、自分達と見た目が同じ。それも他の動物とは違い知能を持って言葉を話し感情を表すことが出来る、人間のことを。他の動物のことと同じだと勘違いしていたのだろうか?だから他の動物と同じように人間のことも家畜として扱う事にしたのかな? 俺はそんな事を考えながらも、まだ調べていないところが無いかと色々と見て回る。王城内で働いていて死んだ者達の資料とこの世界の住人についての事が書いてある。

俺はまず、この世界でのこの王城に仕えていたメイドの名簿を見る、俺はそこで真白のメイド長であった、そして今はこの世界に来るまでずっと俺のメイドを務めてくれていた沙月ちゃんの母親である。彼女の名前を発見した。俺は彼女にとても世話になっていたのと。

この世界でも俺の大切な人の一人で、俺の妻の次に俺を支えてくれた人だったから彼女に関しては。俺も何か特別な事をしてあげたかったのだが、俺は結局。俺と一緒にいたら彼女は俺の傍から離れて行ってしまって、彼女とはもう会うことは叶わなかったのだとばかり、勝手に勘違いをして落ち込んでいたので、正直、俺としては彼女が生きていると知って嬉しい限りだ。俺はこの名簿でその名前を確認してから。俺は更にこの国で起きた、この世界に来てからの様々な出来事を思い出す。

俺と真白が異世界召喚された時、この世界で最初に出会えたこの王城の人間、そして俺を殺そうとしてきた聖女と聖女が連れてきた聖女側近。それに聖女を俺が暗殺しようとしていたのを止めようとした聖女近衛騎士団と。俺の両親である、そして俺の家族。

聖女と、そしてその護衛の為にこの世界に連れてこられた、この世界の人々で勇者である。そして俺の家族に、この王城に仕えていた女性陣は。王城で生活をしている時に俺に尽くしてくれた、俺に害意を持つような人はいなかったから。

その点では本当にこの世界で俺に良くしてくれてありがとうと俺は感謝の気持ちしかないし、もしも俺が、この世界を滅ぼすのなら真っ先に俺の味方になってくれたこの王城の関係者を殺すつもりだ。しかし問題はそこじゃない、この王城で、俺に敵意を持っている、悪意を抱いている、そういう人物は誰一人として存在しないということが分かったのに。

俺を殺しにくる理由があるとすればそれは真白だ。そしてこの世界の魔王にこの世界を滅ぼされないようにするために俺を排除しようとするならば真白の方に矛先が向くはずだ。だけどそれは無い。何故ならこの世界に、今いるこの世界の人々がこの世界の魔王に対して勝てるはずがないからだ。

それにしてもこの王城に真白は一体どれだけの間住んでいたのだろう。真白はいつからここにいたのだろう。

俺はそんな疑問を持ちながら、この世界の歴史を見つめていった。この世界には今現在。この世界を滅ぼそうと暗躍している者の存在がいる。

俺が最初に殺したこの王城の人間で、その者が所属していた派閥の人間のほぼ全てを殺したが、この世界を滅ぼそうとする黒幕は恐らくあの女、聖教国の人間ではなく。聖女という称号を持っていた、そして聖女が王城にいたときから常に側にいて。

王城に仕える、王城の中で生活する、この王城で生活していた人間の中に存在する悪意の権化、その者の名前は ──聖魔女 聖魔城と呼ばれた城がある。その城は、聖都に存在する、全ての宗教において崇められる存在の。その者達を神とする聖女神の使いであり天使が降臨した場所と伝えられている、神聖さ溢れる、美しい建物がある。

しかしその場所は今では邪悪な意思を持った者が住む悪の根城となっていたのだ。そしてその城の地下に。かつてこの世界の創造主が生み出した魔物と、それを統べる王が存在している。

この世界の人々はこの城の存在を知らなかった。その城が存在していたのにも関わらずその存在を隠し通してきたこの城の主とこの城で暮らしている者達。そしてこの城を守護している、この城を守る事を命令されていた聖教国に所属している兵士達がいたのだ。

その城の地下の空間、そこは巨大な迷宮になっており。そこには、無数の凶悪なモンスターとこの世界を滅ぼし得る程の力を持つ、この世界の支配者の1人が存在したのだ。そして、この城を守っていたのはかつて、この地に降り立った最初の勇者が封印を施したとされる邪龍。この城に住んでいた人々は知らない、知るわけもないのだ。この城の真実を知っていたのはこの世でただ一人。この王城の元となった城を建設した、王とその一族だけだった。この城の秘密を知っている者達は既にこの世から消え去り、知っている者はいない筈だ。

この城の最上階にはこの城で一番大きな部屋に存在している、天にまで届くのではないかと思える程の高さをもつ大広間が存在する。その場所に存在する者は、この世界に存在する全知全能にして絶対強者である創造神の寵愛を受けているとされている人物。この世界に存在する最強の生物、竜の頂点に存在する竜王の中でも一際異彩を放つ存在感を放ち、その者こそは竜王の中で最強と言われている竜王の中でも最も強く賢いと、伝説にも謳われる存在、古より存在する大英雄。

しかしその名で呼ばれることはない。なぜなら彼の名は、彼こそが唯一無二にしてこの世に二つとない至高の王。この世の全てを喰らい尽くす、破壊の暴君と呼ばれている。そんな大災害とでも呼べばいいのか、この城が隠され続けているのも仕方のない話であるのだ。そしてこの城にいる王と配下のモンスターやこの城に守られているこの城に元々いた住民達だけがそれを知らされていた。

この世界の人々に知られてはならない。しかしそれは、今から数千年前までの事、その当時の事はまだこの城がただの古城と呼ばれていて。そしてこの城の中に存在していた者達はこの国の者達にとって都合の良い者達しかおらず、それ以外の人間は皆奴隷の扱いをされており、奴隷として扱われていた。奴隷とされていたこの城にいた者達の大半は、この城の中にいる王族や貴族達を憎むような、そして蔑んだ視線を向けて、この城の中で生きてきた者達だ。そんな彼らだが、奴隷として扱われている中で自分達に救いの手を差し伸べるように現れてくれた。聖女様を崇めていた、この国の中で、王族達以外の者達、彼らは王族と聖女に媚びを売る為に王城内で生活しているこの城にいた住人の中では、一番身分が低い者達で。この城で暮らす他の人達から虐げられていた者達で、自分達を助けようとしてくれている聖女を、自分達の事を想ってくれている聖女の事を自分達を差別していた、自分よりも立場の低い、見下す対象である人達を助けるために立ち上がって、自分達と同じ境遇の人達を救うために手を貸してくれる、そして、聖女の願いのために、自分達の恩人である聖女の想いを叶えるために、自分達と、自分と同じ様に苦しんでいる人達を解放するためにこの王城の人間を殺してまわっているのだ。

この王城に住む人間の中には聖女に対する恨み辛みを募らせて生きている者もいるのだが。この国の人間達の心にあるのは、王族や貴族の連中に気に入られる事が出来た人間以外の、自分たちのような人間を救う為に、手を差し伸べて救ってやろうと思って、この王城の中に入って来ていた、そんな者達がいて、その者達と協力をして。この王城の人間を皆殺しにしたのだ。だがこの城の者達はその事を知る由もなかった。自分達に敵対するものがこの王城の中で暮らしていたとは思っていなかったからだ。

聖教国の人間達に聖女と呼ばれるこの世界で唯一無二の存在。彼女は自分が、この世界で崇められる存在である聖女と認められてからずっと、聖女である自分の身を守ってくれる、そんな人間が現れるのを待ち望んでいた。そんな彼女の傍に、常に寄り添う形で存在し続けた男。

それが、この王城に住んでいる、王と血の繋がった息子、そしてこの世界で唯一の聖剣の担い手として認められた勇者である。彼は生まれ持った才能、圧倒的な戦闘の才能を持っており、その戦闘能力は他の追随を許さない。その戦闘能力は、魔王と互角、あるいはそれ以上の力を持っていても可笑しくはない。しかしそれでも尚、魔王を超えることはできないであろう。それは何故か?理由は単純で。この世界で最も強いとされる、勇者は、魔王の力の半分すらも超えられない、魔王は勇者の持つ力を全て合わせた以上の強さを持つのだ。だからいくら強くとも、魔王を倒すことは絶対に出来ない。何故ならばそれは当然だと言えるだろう。

何故ならばこの世界には魔王の眷属が存在しているのだ。魔王が召喚される前にいた、魔族と呼ばれる者達の残党が今もなおこの世界の各地に存在しており、魔族の残党達は魔素を取り込み続ける事で強化を続けており、その魔素の蓄積量に応じて強くなることが出来る。魔族は魔王の眷属のなかでも比較的弱い、それ故にその者達だけでこの世界を滅ぼす事は出来ない、そう、だからこそその魔族を纏め上げ、そして配下としている、この世界の支配を目論む王と聖女に敵対をしている者が居るからこそ。その者がこの世界に君臨した時、勇者では勝てる可能性は無いのだと誰もが口を揃えていうだろう。それほどまでに強くて強大な敵なのだから。

そんなこの世界の支配者に、この世界を滅ぼす力を宿していると、この世界を恐怖のどん底に陥れようとしてくる存在に抗える者は誰一人として存在しない、聖女は王城の者達には内緒でその者達と接触を図り、聖魔城という城が存在する事実を知り。そこでこの世界の未来に訪れる危機について聞かされたのだ。聖魔城の者達の話によればこの世界を滅ぼそうと暗躍している存在は3人存在するという、その一人、魔王を名乗る存在については既に魔王自身が動き出していてこの世界を支配しようとしている、この世界に存在する全ての命の悉くが滅びるその時まで戦いを続けるのだと宣言しており、残りの二人はまだ動きを見せていないという。その二人がいつどのようなタイミングでどのようにして現れるのかはわからない、それはこの世界の創造神である聖教の神にしか分からない事であり、そして魔王も、その三人についても全ては把握していないと言うのが聖教の神の言だ。

聖魔女と呼ばれる、世界を滅ぼそうとする邪なる意志をもった邪悪なる存在が今この時も暗躍し続けている。その邪魔女はこの王城に、その聖教の女神の加護が届いている場所でのみ活動できるが。それ以外の場所で聖教の信仰がない、聖女がいない王城での聖魔女の存在は、聖教の女神からの祝福を受けた、その聖教の神の加護を受ける事ができている、王城の中に存在している聖教の教会という教会がある王城の中以外では、ただの少女と変わらない。聖女は聖魔女の存在に気付いていた、王城で生活していた頃は、聖魔女が何処でなにをしていたのかを感知することができていた。その聖魔女の気配を聖魔女が姿を消した今でも感じる事ができるのだ。

聖魔城の者曰く、この世界のどこにいるかもわからない、この世界の中でなら好き放題に行動することができる、だがそれ以外での行動は不可能だという、しかしそれでもその者達は聖魔城の者達と、協力して世界の脅威に立ち向かった。その聖魔女の存在をこの世界にいる他の人達に知らせない為に、自分達の事を慕い、仲間になってくれている。そんな自分達のために戦おうとしてくれている者を守る為に、この世界にいる、聖教の国に所属する兵士の中で一番位の高い階級の兵士達が聖魔女の存在を隠蔽したのだ。しかし聖教の国の兵士達の中で、聖魔城で暮らしていた人々のように自分達の為に戦う事をしてくれる人は存在しなかった。

その日以来、聖教国は少しずつではあるが。衰退を始めていく。それはこの世界において最も恐れられている、最強の種族にして世界を支配する支配者の1人でもある竜王を討伐する為に集められた。かつて伝説の勇者と呼ばれた人物によって竜王の力が半分以下に弱められて。更にはその勇者を封印することによって倒すことに成功したとされている。そんな竜種の長である古のドラゴンの力を身に纏った龍王を聖魔女が復活させて。竜王が復活したことによって、今まではこの世界で一番繁栄を誇っていた大国だった聖教国が衰退していき。そして最後にはこの国を建国したのが聖女の一族であったにも関わらず。この世界で一番小さな国家へと変わってしまった。

この世界で竜王を倒したとされる勇者は、この世界に存在する唯一の英雄とされ、竜王は古の龍王が竜王の肉体を乗っ取り、この世に復活したのである。そしてその竜王の復活により。古の時代より存在していた魔族は力を増し続け、古の時代には魔王の配下となっていた魔物の生き残り達も力をつけていったのだ。その結果として聖教国から世界中に広がっていった。それは、まるで伝染病のようで。徐々にこの世界で生きる者達が力を失っていき、やがて死に至るようなそんな現象が起こっていた。しかし聖女と聖魔城の人々は最後まで諦めなかった。聖女の力は人々の救いを求める声に応えることができる力を持っている、聖魔城にいる者達も同じように人々を救いたいという心があり、そんな彼らの願いを叶える為に、そして聖女はこの国の人達が安心できるように。そして自分の愛する人達が幸せになれるように、この国の平和を守るために、そして愛しい人と永遠に共に歩んでいくために。彼女は立ち上がる事を決意した。

この国の為、そして何よりも自分が助けたいと思っている、大切な人が暮らす国の皆を守り抜くために。

「あなた達がこの城の中に侵入してからもうかなりの月日の時間が経っている。私とあなたの仲だし。そろそろ姿を現しても良いと思うのだけれど」そんな彼女の言葉に反応するかの様に一人の少年が現れる。その正体はかつてこの国に存在した、魔王と呼ばれる悪しき力を持つ人間の一人だと名乗る男。

彼は元々は魔王軍の幹部の中でも幹部の一人である、闇の大公爵と呼ばれる男だったが、この国に現れた際に聖女に倒されて死んだと思われていた。しかし生きていたのだ、この世界で聖女以外に唯一、勇者の力を受け継ぐ者である彼だけは死んではいなかった。そして彼は生きながらえ続けていた理由、それは彼が持つスキルのおかげなのだが。彼の持つ、魔王が持つことを許されてはい無い筈の魔王の力の一部を封じている魔王殺しの力のおかげであるのだが。魔王の魔力を完全には打ち消すことが出来ないのだ。その魔王の力というのはあまりにも大きく。完全に消し去ることは出来ないのだが、その力を半減させることに成功していたのだ。魔王の力は勇者の持つ力の数十倍から数百倍の強さを有していると言われている。勇者が仮に魔王と戦うとしても、勇者だけでは勝つ事は出来ない。何故ならばこの世界では魔王が強過ぎるのだ。それ故にこの世界に存在する国々には魔王に対抗するために、対となる聖剣と対になる魔剣が存在する。それがその魔王が持っている魔王剣と聖女が扱う聖剣である。そして魔剣の方は、この世界の中で魔素を吸収し続ける事が出来るのが魔王だけであって、他の存在であれば普通の武器でも対抗することが出来るようになるだろうと言われていた。だからこそ聖剣だけでも厄介であるという事に他ならない。

だが、魔王の力を半分までとはいえ封じ込めて、弱体化させた、つまり弱体化しているといっても聖女と同等以上の実力を持つ存在を相手にしてしまえば、勝てる事は無いかもしれない、そして、そんな存在相手にしても勇者の力を宿す人間が二人いればどうにかできる。そう思っていた矢先の出来事だったのだ、勇者を名乗る存在が現れた事で状況が変化してしまうまでは

「あぁ確かにそうだな、しかしそれはお前にも言えるのではないか?」と男が言うと突如男の姿が消え去ったのだ それは一瞬の出来事であり誰も認識できないほどの速度を持っていたのだ。その速度は最早常人離れし過ぎていたと言っても過言ではなかった その速さを持って男は目の前の聖女の懐に飛び込む この城に存在する全ての人々は、この王城には聖魔女という邪の性質を持つ者が存在しており、その存在が王城を支配しているから。その聖魔女が魔王を操って世界を支配しようとしているからこそ。自分達の力で守らなければならない。そう思って、この城から外へ出ていこうとする者が現れても、王都の兵士達に止められてしまうのだ。それだけではなくて王城での生活も厳しいものになっていた この城の中に存在する兵士達、そして聖魔女に加担している貴族や商人達。それらの者にとって王城の中に存在する者達、聖魔女から与えられた聖職という称号を、神の祝福を受けた聖教の教えに身を任せている者だけが信用できる存在であった だからこそ聖魔女に忠誠を誓っている聖教の騎士達は聖魔女に気に入られる様に行動しなければいけなくなっていた。聖教の騎士達は王城の外で聖魔女に認められるための努力を日々欠かさずに行っていた、そして聖魔女が気に入らないと思った行動を取った場合

「この王城に貴様らの居場所など存在してはいない。早々にこの城から出て行きたまえ、これ以上私の顔に泥を塗るような真似をすればこの場で斬り殺すぞ」と脅される始末、それでも彼らは聖魔女の為にと頑張り続けてきた。そんな中に一人の少女が存在した、彼女は騎士の称号こそ持ってはいるが、まだ成人を迎えておらず幼い年齢である彼女に対しての扱いは良くはなく、毎日が辛いものだった。だけど彼女はそんな境遇に陥っても挫けることなく耐え抜いてみせた。その努力は実を結び、彼女は聖魔女にその実力が認められ、そしてこの王城の外に出ることを許されるようになっていたのだ。

そして今日はそんな彼女がこの王城の外にある。王都という街に出て、この国の城下町を見て回ろうとしていたところ、突然謎の黒い煙が王城を覆い尽くしていくのを見た この国の王城で生活している住人達もその異変に気付き、そして慌ただしくなっていた、すると一人の兵士が、慌てて外の様子を確認しようと動き出す。しかしその瞬間のことだった。突如何処からともなく出現した何かが兵士たちを次々と殺害していったのであった。それは瞬く間に次々と現れていくと、その場にいた兵士だけでなく。王城に存在している全ての人々を無差別に攻撃し始めたのだ そしてそれは王城の外から攻め込んで来た、この城に存在する者全員を殺害する為にやってきた聖教の聖魔女に忠誠を尽くす、聖教騎士団のメンバーによる犯行でもあったのだ だがそれでも聖魔城で生まれ育った人間は聖魔女の為に、自分達を守ってくれているという事を理解していた、だからこそ自分達の味方で居てくれている、聖魔女の仲間であるはずの聖教の人間であっても容赦せずに戦う。そして聖魔女に忠誠を誓う聖教の兵士に自分達が生き残る為に、必死になって戦い始めるのであった そしてそんな聖教の兵士達の集団に向かって聖魔女の僕が襲い掛かっている しかしいくら強い相手と戦おうと聖教の国に所属する兵士達も簡単に負けること無く 聖魔女の配下と戦うことが出来るだけの実力者も存在していて、兵士達の士気は高く、このままでは聖魔城で暮らしている者達も聖教国に住む住民も、どちらとも命を失うことになってしまいかねない、そこで聖魔女が下した決断とは、王城の門を開いて王城の中で暮らしている聖魔城で生まれた人間以外の人達を全て逃がしていくことにしたのだった 聖魔女の命令に従い聖教国の人達が聖魔女の指示通りに行動する。その光景を見ていた兵士や、そしてこの王城で働いていたメイドなどの使用人。更には聖教の人間とは全く関わりを持っていない一般人に至るまでが協力していた。それは何故かといえば 聖魔城の人以外は基本的に、この世界に存在する人々の大半は魔素が体内に大量に蓄積されていて。その魔素がこの世界に生きる人々に害を及ぼす可能性が高いとされている この王城は、この王城が存在する王都内の人なら誰でも立ち入ることが許可されている。そんな場所を利用して、王城にいる人々の中に聖魔女を信仰する者がいたのだ。そのおかげでこの世界の人間の中でも上位に存在する、この聖教国に存在する人々の殆どが、聖教の人間に協力することを決めてくれた だが、聖魔城に住んでいた人々の中で、自分達は聖魔城の人々の為にこの場に留まり続け、最後まで聖魔城にいた者達を救おうとした、そんな人物達も存在した。そのお陰で聖魔城に残って聖魔女達と戦った人物達が犠牲となってしまう その結果として、この世界に存在する多くの人々が助かり 聖教の人間の勝利という形で幕が閉じた。そんな時に一人の人物が登場する それは聖教国に暮らす一人の男性。彼が聖教国に現れてすぐに、彼は自分が身に付けている。その手の中に握りしめている。神々しいまでの光を放つ。そんな剣を手にすることが出来た そして、その男性は、この世界を創造し、人類を生み出して見守ってきた存在 天上界と呼ばれる神々の領域の者達が生み出した、この世界で生きる全ての生き物達の始祖にして。全人類の守護者であり導きの存在として生み出された。

そして彼は、その剣が聖剣だと名乗った この聖剣の名は 聖剣エクカリバーと、名付けられた。この聖剣は選ばれし者のみが振るうことの出来る力を持っている、この聖剣は勇者と呼ばれる特別な存在にしか使うことが出来ず、この世界で生きとし生ける者たちを導く。そういう運命を与えられた存在であったのだ そんな、勇者と名乗る男性がこの聖剣を手に入れた事で、彼の行動により聖魔城の人々は全員がこの王都に集まってきているのだと気付く、だから聖教国は勇者が聖魔女を倒す手助けをしてくれることを望み 勇者に聖魔女の討伐を依頼したのだった こうして、この世界を救うべく。異世界から勇者と呼ばれた男が

「俺はこの世界にやって来たばっかりだというのに、何で魔王を倒さないといけないんだろうな」なんて文句を言いながらも

「まぁいいか」と言いながら この王都から姿を消した後に、聖魔女を封印し 魔王の力の断片を手に入れることになる 聖魔女の力を封じた。魔王の力が封じられた宝玉を手にしたことで この世界に存在する全ての人々は聖魔女からの脅威から守られることになったのであった。それからは聖教国が、この世界に存在する様々な場所で、魔王軍と呼ばれている組織の殲滅を開始した そうして平和が訪れてから数年後のことなのだ

「あの人。一体どこに行っちゃったんだろうか?本当に私に会いに来なくなってしまったよ。せっかく私の初めての告白を受けてくれた男の子だったというのにね。私はもう待てないんだけどなーどうしたら会いに来てくれるのかしら?」なんて言葉を紡ぎながら一人の女性が空を見上げていた。

そして女性の隣には一人の女性の姿が存在している。

女性は一人の少女の手を引いている そして二人の女性の前には、巨大な竜が存在していた その存在はこの世界でも有名な存在である 竜王 この世界で最強の生物と言われている存在。そして目の前の女性はその少女の姉であり、そして今はまだこの世に存在していない存在だった。しかしその存在を蘇らせるという奇跡が起きた。そしてその奇跡を起こすために必要だったのが勇者だった、この聖教国において聖教騎士団に所属している聖騎士は皆、勇者になるべく選ばれた存在でもあった。しかしそれでも尚。勇者を目覚めさせる事は出来なかったのだ それどころか、竜王を覚醒させた人物は勇者では無かったのだ。それは誰よりも強く、それでいて心優しい青年。その人物が竜王の身体を抱きしめる事によって。その人物の心が竜王に届き、その人物の言葉に、その心に感動した竜王が。

聖教国から遠く離れた地で眠りについている。もう一人の聖魔女に操られていた竜王 リリアナを復活させることに成功するのである。そんな出来事があり、聖女はようやく自分の愛すべき男に出会うことが出来るようになるのであった。

しかし彼女が恋をしていた男は、彼女の気持ちに気づくことはなく 他の女性を口説いている姿を目撃した彼女が泣き出すまで あと少しの時間が必要なようだった。

俺はこの世界の神様になることを決めた。俺の名前は 神坂信吾

(しんざか しんご)

見た目は完全に日本人 だけど名前がカタカナってだけなんだぜ!だけど俺には前世の日本という世界で生きていた頃の。その日本で培ってきた記憶がしっかりある。

なんとびっくりな事なのか、まさかこの異世界にはインターネットが存在しないって事実を知った時はショックすぎて死にそうになったけど、だけどその代わりに 俺の世界の常識とは違う。ファンタジー世界らしい魔法というものが存在したりする。

だけど残念なことに。

魔法を発動するための詠唱が理解できないのだ。

いや別にそれが出来ないわけではないのだが、 しかし 日本語で書かれた説明書を読んでも内容が分からないみたいなものだ。

だけどこの魔法っていうものは結構便利に使えたりするのだ。

それは例えばの話だが。もしもこの世界で何かが壊れてしまった場合、それを直すために必要な修理屋さんを探す。そういった時にこの世界の言語を理解することが出来れば、翻訳してもらうことが出来るというわけだ。

それと この異世界では文字を読み書きすることが出来ない人がいる そんな人たちの為の生活をサポートする為のギルドも存在してるみたいで そこを利用すると簡単な依頼をこなす事が出来る。つまりは冒険者のような事をすることが可能になる。そんな生活をしながら、 この異世界で生きていこうと考えているのだ。ちなみに現在の俺が住んでいるのは。聖魔城という名前の、大きなお城の中にある、 とある屋敷に住んでいる この聖魔城の中で暮らしている人間は 殆どがこの城で生まれた人々ばかりなので 殆ど外に行く必要がない、外に出るのが面倒だと思っている人間もいれば、外に出ても特に何も楽しいことなんか無いのにわざわざ外に出なくてもいい。外に出るぐらいなら、もっと別のことに使うお金を稼ぎたいと考える人もいる そして外の世界に出ていくと。モンスターとか危険な生き物に遭遇する可能性が高くなる だから外の世界に行きたくないって考えている人も居るようだ。でも 俺は逆に外に出た方が、色々な事を知る事ができるから 外の世界で生活している方がいいと思っていたりもするのだ。だって この世界の知識ってのを身に着けておくことは絶対に必要だと思うから。

そんな感じで俺は今日も。この広い城の中を一人で探索している。そして最近になって気づいた事がある。それは城の中の構造が、この聖魔城が造られた当時の時代背景を考えていくと、明らかに現代の日本の構造とは異なるものなのだ。これはもしかしたら 俺のいた現代とは別の世界、もしくは未来と、この場所は繋がっていたりするんじゃないか。

って考えた。

もしかしたらこの城の地下に。この世界の文明が発達していない、過去の時代の遺跡が隠されているのではないのかな、って考え始めた。そこで、まず初めに思いついたのが、城の中には、宝物殿と呼ばれる、この城の主にしか開けられない、秘密の隠し扉が存在する その場所を探し始めてみたのだが。そんな簡単に見つかるものでもないらしく 未だに発見することに成功していない。そんな風に過ごしていたら ある日の事、一人の若い兵士が俺に声をかけてきた。この聖教国の中でもかなり腕の立つ兵士の一人であるようで 聖教国の中でも最強を誇る聖騎士の中でもトップレベルに位置する聖騎士として認められている。その彼が、何故か聖魔城にやって来たのだ。しかも彼一人だけが。彼は 聖教国の中で、この聖魔城に住む人達を救い出したいと申し出があった その為に協力をしてもらえるように、協力して欲しい。といったような内容を告げられたのだった。俺は当然のように断った そんなことをしても意味がない。それに俺の目的は聖魔女と呼ばれる、魔王を復活させた存在を倒すことだから、この世界のために何かをするつもりはないから

「申し訳ないが」と言って断ろうとしたんだが、 その言葉を言い終わる前に。彼の身体に纏っている魔力が増大し始め。そしてその力に耐えきれなくなったのか、 着ていた衣服は弾け飛んでしまった そう、その聖騎士の彼の身体には、魔王の断片の力の断片が埋め込まれている その断片の影響で彼の体内からは、黒い波動のような物が放たれていて その影響で、身体が変化を始めた。そしてその姿を見て。俺は驚愕した 何故ならば、その聖騎士は女性になっていたのだ そんな状態で、俺に「貴方が勇者なんですよね?」なんて聞かれた。

「いや違うんだけど」俺はそんな言葉を返したんだ。俺は確かに勇者と呼ばれる存在に間違いはないが、この聖騎士に、その真実を告げるのはまずいと思ったから 勇者であるという事実を否定しておいたんだ

「いや、どう見ても勇者様でしょ?」なんて言い出した 俺は勇者じゃないから この世界に存在する。勇者に力を与えてあげてほしい。なんて願いは、この国の姫君からの依頼でしかない この国の為に命を掛けて戦えという。そのお願いを聞き入れてくれたのが勇者だというだけで 俺は勇者と呼ばれている。そう言う認識でいいはずだ そもそもの話。俺はこの世界に存在する魔王軍と戦う為に。この世界に訪れたわけでもない。ただ単に、この世界に呼び出されただけだ そんなこんなのやり取りをしている内に、俺の中に埋めこまれていた聖剣が勝手に光り輝き始める。

「なんだよこれ!」そう口にしていたのだが 聖女の加護を得たことによって、俺は聖女の力で強化された聖女の力によって強制的にこの場に召還された

「やっと、会えた。もう逃さないからね。シンゴさん?」そう言われて抱きしめられる。

「あの、ちょっと離れてもらってもいいですか?それと。どうしてここに俺の名前をしっているんですか?あとあなた誰です?」

俺はその女性の腕の中から抜け出し、質問をぶつけた その女性は綺麗で可愛らしい顔立ちをしていたのだが 髪は黒紫色で長く、瞳の色は銀色で透き通るように美しく 背中にまで伸びているストレートな髪の毛の髪型が特徴的であったのだが。服装に関しては普通の平民が来ている服を着用しているという感じの服を着ていた

「あれ?私だよ忘れちゃったかな?それと私が誰か分からないの?それじゃあ自己紹介してあげるね。私は君の事が大好きになった女の子だから、名前はアリス リリアナ この世界で最強の存在の一人にして。この世界の神様になることを決めた存在。それがこの俺なのだ!そして俺に名前を付けたのは聖魔女だ。まぁ聖魔女って言っても。その実態はこの世界で最強の存在である俺に、聖魔女の力の片鱗を、ほんの僅かだが宿すことができた少女。その少女を蘇らせることで俺はこの世界に蘇る事に成功したわけなのだよ そして蘇らせた理由なんだが、俺にはやりたいことがあった。俺の好きな女性と結ばれる為に行動を開始することにしたのだ。俺が好きになったのは、俺と一緒に旅をした仲間であり聖魔女と呼ばれていた存在でもある彼女 俺は彼女を生き返らせることにしたのだ 彼女は既に死んでいて その肉体はこの世界には残っていないのだ その彼女の魂と 彼女と関わりのある女性達が眠る場所に。彼女の身体を安置したのだ そうすることで。俺が愛する女性は蘇ることが可能になるはずだったのだ。

そんなことを考えていた時に、勇者である神坂信吾が現れたのだ。俺の目の前に現れたのは勇者の力を持つ男だ。そいつに殺された聖魔女である彼女が俺にこう言ったのだ。「ねぇ私の大切な男を殺した勇者がこの国に居るみたいなの。

それで思ったのだけれど もしもあなたの愛した彼女が生きているというのなら その男の目の前に現わせてくれないかしら。もしも生きていたというのであればだけど。もしも本当にその男が。この世界で生きる権利を持っていたのならば、 そして仮にも自分の力で生き残っていたのだとしたのならば この世界で好き勝手することは許さない。もしもこの世界を本気で守りたいと思うのならば もしも自分がこの世界で生き延びることができるほどの強さがあると思っているのならば お前に力を貸してやろう もしもこの世界を守り抜く自信が無いというのならば このまま滅びろ」

そんな感じの言葉を、俺に向かって発することが出来たので、俺としては、この世界を守ることに決めるのだった。そうすると俺に力を与えたいと思ったのだ 俺はその話を受け入れたのだ。俺の力を受け入れる事の出来た者は俺と同じように聖魔城に暮らすことが許されることになるのだから。聖魔女はそんな話を俺に聞かせた。聖魔女の話を信じることにした。もしもここで嘘をつくような相手ではないと思ったから。聖魔女の話が本当なのか、俺は確かめる方法など無いから、信じるしかなかったわけなのだが だけど、そんな時に俺の前に突然現れて俺を抱き寄せたのは。この国で聖魔城に住む人間たちを守っているという聖騎士だったのだ。俺と会話をしている間にも聖騎士の姿が変わり始めていき、聖魔女と同じ姿へと変わっていった。そんな聖騎士の姿を見て俺は驚いた。

この国で最強と言われている人間が。まさか魔王と呼ばれる存在になっているとは思ってもいなかったのだ。

そんな風に考えている間に、 聖魔城の内部に存在している聖教国からやってきた兵士たちの部隊は。

魔王軍の部隊を相手に戦闘を開始したのだが しかし聖騎士の圧倒的な力と強さと速さにより。

聖教国の兵士よりも圧倒的に強いはずであろう聖騎士たちの部隊があっさりと敗北してしまい この世界では珍しい魔法を扱うことができるはずの兵士までもがあっさりとその聖剣の刃にかかり。殺されてしまう

「聖魔城に住む人達は殺させない」

そんな声を上げながら 聖騎士の力は更に増していくのであった。俺もその光景を見て驚いていた。なんせ。この国の中でも屈指の力の持ち主とされている聖教国の聖騎士団長と呼ばれるような存在が圧倒されているという場面を見ているからだ。

俺はまだこの異世界に来て数日しか経過していないため。俺自身まだまだ実力的に未熟な部分があり、今の自分自身で、どうにかできるのだろうかと思っていたのだが 聖騎士が持っている聖剣の力を目の当たりにした時 俺は聖魔女がこの聖騎士に施したという術の効果に感心している暇もなく。聖剣の力は、そのままの状態で、魔王に変身している聖騎士に向けられる。

「この程度か?貴様は、この程度でこの私に傷一つでも付けることが可能だと思っていたのか?」

魔王化している聖騎士は、その言葉を告げた直後に。その聖剣を振り下ろして、魔王化した聖騎士が放った攻撃によって。兵士達は全員吹き飛ばされてしまい 兵士に混ざっていた魔法使い達も全員が消滅させられてしまっていた。そして聖騎士も、聖騎士も、魔王化すると同時に聖騎士に宿らせていた聖女としての力を完全に使いこなしていたのだ。その結果、魔王としての聖騎士に聖魔城の住民は為す術無く。殺されることになってしまった。

そして俺は、そんな出来事を目撃した瞬間に聖魔城の内部にある宝物殿へと向かう事に決めたのだった。そうして俺は聖女によって強化された能力を駆使して 何とかこの宝物殿と呼ばれる扉を開くことに成功したのだった。そして宝物殿と呼ばれる場所に存在していた物は聖剣と呼ばれる存在で 聖魔女と呼ばれる存在がこの世界に存在するために必要な力の一部を封じ込めておく事が出来る聖剣である そしてその中には、聖魔女と呼ばれる女性がこの世界に存在する為に必要とされる力を秘めているのだった。そして俺は、この世界にやって来た際に身に付けた聖剣の力によって。

この世界に存在している聖剣と呼ばれる存在に。俺自身の力を流し込むようにしながら 俺は聖魔女に宿らせて貰った聖剣の力によって 魔王となった聖騎士に対して攻撃をする事に成功をしたのだが。魔王化を果たした聖騎士にはダメージを与える事が出来なかった 魔王となっているせいで 俺の攻撃は、聖魔女に与えられら力が込められていた武器を使っていても。魔王である聖騎士の肉体に傷を付けることが出来なかった 聖剣の威力が足りないわけではない。

確かに今俺が持つ聖剣に備わっていた力は 魔王に変身する前の状態の聖騎士ですらも一撃で殺すことが出来るほどの力を持っている事は分かっていたため だからこそ俺自身が、魔王と化してしまえば この世界に存在している魔王が所持していたとされる力の欠片を手に入れることができていた俺の力によって倒すことが可能だと。俺はそう考えていたのだ。だが、そう上手くいかないことは、この聖剣を手にした時から分かっている。聖女の力の全てを注ぎ込んだ聖女にしか使えない聖剣なのにも関わらず。

俺は、聖魔女に宿らせて貰う事ができた聖女の力を、聖魔女から託されていた 聖女としての全ての知識を、全てを使い 俺は魔王と化している。この世界において。俺が一番嫌いな存在であり。憎んでいる存在を 俺は殺したいと思ったのだが それでも、俺は どうしてもその聖剣で戦う気にはなれなくなっていた。その事実に気付いた時に俺は自分の中に眠る本当の力を引き出そうと思ったのだが。それが出来る気がしない。そのことに苛立ちを覚えながらもどうにかしなければならないと考えていたのだが その時の事だ

「何をやっておられるんですか!?シンゴさん!あなたはこの国にとっての切り札のような存在だというのに。そんな人がこんなところで死んじゃダメですよ!!」そう言われて俺のことを抱きしめられたのである

「あなた誰ですか?」

そんな事を言ってみたら 彼女は「あぁもう!私はあなたの恋人のソフィアですよ!覚えていないんですね。全くもう!」そんなことを口にして頬を膨らませている。

「あぁ。なんだ。あの聖魔女だったんだな。それにしてもその姿は何なんだ?まぁいいやとりあえずは俺と一緒に逃げてくれるとありがたいんだけどな。あいつは強すぎるんだよ。正直どうしようもない」俺は、そんな事を口にする。だが俺は、自分の力でこの場をなんとかしようと思う。

そう考えたからこそ 聖魔女を頼ろうとしなかったのだが。

そう考えていると俺が持っていたはずの聖剣の柄が俺から離れていって そうすると聖剣が独りでに浮かび上がり始めたのだった。俺は、そんな不思議な現象を見たことで これは一体何なのかと考えていると その剣を手に取ってみると、その途端に、俺はある事を思い出していたのだ。それは、俺がまだ勇者になる前の出来事だ。この聖魔女の剣を握り締めて。聖魔女に教えてもらった聖魔女が扱う魔法の数々を俺は試してみると、俺は見事に聖魔女の力を再現することができたのだ。だから俺は、俺を抱きしめてくれた女性の腕から離れて聖魔女の元に行くことにした。そうしないとまずいと本能が叫んでいるのを感じたからだ。

俺は急いで聖魔女の元に駆けつけると俺はすぐに 聖魔女から託された力を使うことを決意した 俺の持つ聖剣を 俺の中に存在する聖女の力で強化させる

「聖魔女の力を返せ。聖騎士よ」俺はそう口にすると、聖騎士が持っている聖剣に向けて自分の手に持っていたはずの聖剣を突き出したのである。そして聖剣は輝きを放つと 聖騎士の体を侵食している何かを吹き飛ばしてしまった。これで聖剣は聖騎士に戻っただろうと考えたのだが

「貴様。何故この聖剣を扱うことが出来たのだ。お前はただの聖女というだけでしかないはずだというのに」そんな事を口にする聖魔女 そういわれると思い出したかのように俺は聖魔女にこう尋ねた

「おい聖魔女、どうして俺の前に姿を現わしたんだ?しかも、俺の前に姿を見せた理由は分かるけど。どうして俺を殺そうとした?聖魔女の目的はいったい何なんだよ?」俺はそういう問いかけをしてみたのだが

「そんな事は決まってるでしょ。この世界の人達があまりにも好き勝手な行動を取り過ぎてるのが原因。そんな状態ではいつか私達がこの世界を支配されてしまう可能性が出てきたのよね。だからそうなる前に私は私が望む結末を作り出す。それだけの話しだから。だからさっさとあんたは私の前から消え失せなさい。そして二度と現れることが無いように。私達の平和が脅かされないようにしてくれればそれで構わないから。分かった?わかったのなら早く消えて頂戴。でないとまた痛めつけて殺さないといけなくなるでしょう?でも今は時間があまり無いから仕方がないから、このまま何もせずに帰ってくれるっていうのならば見逃してあげてもいい。ただし、もしまだこの世界に残りたいと言うのであれば。覚悟を決めてもらう事になるかもしれないけれどね。ちなみにこの世界に残ろうなんて考える人間はこの国にはいないとだけは伝えておく」

俺は、この聖魔女の口から語られる言葉を聞いて。やっぱり聖魔女は悪い人ではなかったのかと考えてしまっていたが しかし やはり目の前に存在する女の存在が気に食わないと感じてしまいそうだったので この場でどうにかしようと考えた結果。どうにかする方法はあるのだが。それをしたら俺自身も聖騎士と同様に命を落としてしまう可能性がありかねないために、慎重に考えなければいけないなと思っているところである。そこでだ俺に話しかけてくる人物がいたのだった。

俺に声をかけてきた人物は「聖魔城を守れなかった無様な兵士達の姿。あれを見てどう思われたでしょうか?それと。魔王の力を手に入れられませんでしたか?」そう尋ねて来た 俺はそんな声の主に対して「聖魔女は生きているぞ?俺が今助け出してやったから安心しろ」

俺が聖魔女を助けることが出来たという事実を告げると同時に

「どういう事か説明してくれるかな?君に聖魔女の力を与える際に施した術の効果もちゃんと説明して欲しいものだよ?僕も少し困っている事があるんだ。実は君の体に植え付けさせれた術は聖魔城に居る聖魔女の力の一部であってね?まさかその力が使えるようになるとは思ってもいなかったわけだけど、それじゃあ、君は。聖魔女と同等の力を持つ者になったという事でいいのか?」そんな事を言う存在。

俺に近づいてきた男は「それを確かめるために一度聖魔城まで行ってみる必要がある。僕は聖魔女が生きていたことが嬉しいんだけど。もしかすると彼女はこの世界に絶望を抱いていて。もう既に魔王の力の欠片を集めていて。魔王として目覚めようとしている可能性も考えられる。だとすれば僕の力だけを持ってしても対処は不可能に近い状況になってしまう。だから頼む。聖魔城に戻らせてくれ!」そんな事を言い出す。

聖魔女が魔王に目覚めたら俺に勝ち目などないに等しいと俺は考えていた。俺が扱えるのは基本的に聖魔女の力と。聖剣の力くらいな物なので、それ以外の力を使う事ができない俺にとっては。圧倒的な不利に立たれる事に間違いはなかったのである。

そして俺に助けを求めるように近寄ってきた男に向かって俺は

「聖女は無事なのか?魔王としての力の全てを開放していない状態だったとはいえ。あいつを倒すには聖剣が必要のはずだったんだよな。だったら今、あいつを倒せる可能性がある人間は一人しかいないんじゃねえのか?」そう言ってみる そして俺は聖魔女がいる場所を聖女の記憶の中から探し当てたのである。そうして聖魔女の元に向かうとそこには、魔王化を果たした聖騎士に対して攻撃を仕掛けようとする聖魔女と。

そんな聖魔女を守るように立っている一人の男の姿が確認できた。その男が誰かはすぐに気付くことが出来て。俺はすぐさま

「お前の出番が来たようだぜ。さぁ。行くとしましょうかね」そんな事を言うと俺は聖剣を引き抜きながら魔王に変身を遂げる。そうして聖魔女の元へと向かって聖剣を突き刺すのだが 俺が聖剣を突き刺し聖魔女に力を流し込むと共に聖魔女の体にも異変が起きる そんな光景を目の当たりにしている中で聖魔女をどうにか救うことが成功したと理解する。だが、そんな事を聖女の力を使っている最中の俺自身は知るよしもない。だからこそ聖魔女を救うことができたことを心の底から喜んだのだが そんな喜びも束の間。魔王化した聖騎士に聖魔女を奪われそうになったのだが。俺はその事実を受け入れることが出来ずに俺は咄嵯の行動に出たのだった。

俺が咄嵯に行った行為それは

「お前にはまだ聞き足りない事が多くあるんだ!簡単に死ぬなよな!!まだまだ俺はお前と戦い足りなかったんだよ!!!」

魔王の力を聖剣を介して発動させて聖魔女ごと聖剣を貫こうとしたのだ。その瞬間。俺は自分の中で聖剣が光輝いている事を感じ取ったのであった。

その事に俺は驚きを隠せなかったのだけれど。それでも。どうにかしなければならないという想いが強くて。

必死に足掻くものの結果は変わることはなかったのである その出来事が起きた時、その場にいた誰もが驚愕していたのだが。俺はそんな状況を打破するために行動を開始した。俺が聖魔女を抱き寄せ聖魔女の額に触れると、俺は即座に聖魔女から得た記憶を利用してこの世界について知りたいことを探った。そうして聖魔女の過去を垣間見た俺は彼女がなぜ聖魔女になってしまったのか。その理由を知ることができたのである。聖魔女は元々、優しい性格の人だったのだが、この世界に訪れた時には何故か。とても好戦的な女性へと変貌してしまっていたのだった。

俺はそんな彼女の事情を知り、俺自身の力を使って、この聖騎士や、聖女がどうしてこうなってしまったのかという経緯を知った上で 聖女や、俺に危害を加えようとしてくる連中に対する対応を考える必要性を感じていたのだった 俺はどうにか聖騎士達と戦うための状況を把握したかったのだが

「この世界の住人はどうしてこうも身勝手なんだ?自分達だけがこの世界で最強で他の人間達は取るに値しないものだと勝手に決め付けて行動を起こしているようなんだよ」俺は、この聖魔城を抜け出してから、聖女の力が及ぶ範囲にいる人達の声を聞くことが出来るようになっていたのだが。そこで感じたのは、皆が一様にして、聖魔女は聖魔女なのだから仕方がないと言い出しており。

この世界の現状を変えようなんて思う者は誰もいないらしい。しかし。聖騎士達の方に関しては俺を殺そうとしているというのにもかかわらず。自分の力を強化したいという欲求の為に、俺を捕らえようとしていたのである。しかし、俺の方もそんな聖騎士達に黙って殺されるつもりなどないので全力を持って聖騎士を殺しにかかるつもりだった。

そして俺は聖魔女から得た力を発動させると。まず聖騎士を殺すことに 俺は聖騎士と戦闘を開始。聖騎士を追い詰めると。

俺は聖剣を聖騎士の首元に当てる。そして

「俺はお前を殺したいわけじゃないんだよ?でも。お前は、どうしても戦いたいと。殺し合いをしたいっていうなら相手になってやるけど。お前も一応、この世界の住民だろ?だから。俺を殺そうとしてきたんだから殺されても文句はいえないと思うんだよ。でも。お前にはまだ聞くべきことが色々と残っているんだよな。例えばなんでこの世界に俺が現れていた時に襲い掛かってきてたんだ?」俺はそう尋ねてみたのだが。

どうも聖騎士は聖魔女の側に居る人間だからと言って 聖魔城の警備をしていただけなんですよと口にしたのだが。そんな聖騎士の言葉を聞いたところで 俺は全く信じることなど出来なかったのだ。しかしそんな聖魔城を守れていなかった聖魔城にいた兵士共。

聖魔城を守れず聖女を守り通せなかった。

つまり俺からすればただの無能であると言う認識しかなくて 俺は無言のまま、その聖騎士に対して、怒りを込めて蹴りを入れる。

聖騎士は蹴られた箇所を抑えて苦しんでいる。その姿を見た聖魔城は

「貴様、よくも俺のお気に入りの聖魔様に手を出そうとしてくれたものだね」などと 言い出す聖騎士もいたわけで 俺はその発言を聞きながら、その聖騎士に対しても容赦なく聖剣を叩きつけるのだった。

俺はそんな聖魔城の存在も気に喰わなくて 更に聖女の力も使うことにした。聖女の力とは「勇者」の力で 魔王が持っている能力であり。この世界に来てからも何度か使おうとしていたのだけど。

あまりにもリスクが高すぎて今までは封印していた力でもあったが 今回ばかりはその力に頼る以外には、この聖魔城を滅ぼす方法が存在しないので。仕方がないと判断することにした。聖剣は俺の力に耐えきれずに悲鳴を上げるのだが、しかし、どうにか持ちこたえてくれたのだった。

俺はこの場に存在する人間を皆殺しにするつもりで、次々と人間を殺して回ったのだった。そうしていくうちに聖魔城に存在していた人間達が全員、息絶えていく。そして俺は聖魔城を消滅させることに。聖剣は俺が聖剣を振るうたびに、刃から放たれる衝撃波によって粉々になっていく そして聖女の力を使った結果、聖騎士が使用していた武器なども破壊することができた そうする事ができれば後は、この世界を支配できるかもしれない「聖剣」を破壊する事に専念しようと思っていた 聖剣の力を解放するには、聖魔女のように、聖魔女の心臓を体内に入れて そこから魔力を供給し続けなければいけないと俺は考えていた。そして俺は聖魔剣の力を使ってどうにか聖魔城の崩壊させることに成功する その結果。この世界の魔王は消滅することになるわけだけど。

「結局、この世界で魔王は一人しか存在していないのか?」俺は聖魔城が消え去って行く光景を見ながらそんな事を思っていたのだけど。聖剣を振った際に発生したエネルギーの反動に俺は吹き飛ばされてしまう。その際に意識を失いかけるものの。俺は気力だけでなんとか踏ん張ることに成功。どうにか聖剣の力と、魔王の力は使用に耐える事が出来ていた。

聖剣の力が使えることは嬉しいのだが。それ以上に、俺は聖剣の力を使い過ぎたせいなのか、身体中に激痛が走り。このままだと命の危険があると感じて、俺は慌てて、聖魔女の力を使用する事に そうして俺の体は光輝き始め、俺は聖剣と聖魔女の力を上手く制御しつつ、この世界の聖騎士を全て殺してから、聖女の力を解放したのだった。

そして俺が「聖女」の力を解放した途端に、俺の全身から光が発生してそれが収まったと思ったら。今度は俺の周りにいる人間の頭上に光が降り注いでいき、光に包まれたかと思うと そこには「神」が存在していた。その「神様」の姿を見て俺は、あぁ、こいつは「本物だな。こんな奴に勝てるはずねえな。そもそも俺が戦おうとした時点で既に詰んでいたのか?」そんな事を思いながらも、俺は「偽者」が俺に向かって

「お前に聞きたい事がある。お前に聖剣を託した人物は、本当に「魔王」なのか?」そんな事を口にしたので 俺は少しイラっとしながらも「当たり前だ。お前みたいな紛い物と一緒にするんじゃねえよ!」と、怒声を上げてしまったのだが。

そう言った俺に対して「偽者」、「お前に質問しているのだ。さっさと答えろ。この屑め!!」そう言ってきている。この偽者は一体誰なんだろうと思いつつ。俺は自分の力の限界を感じて どうにかしてこの状況を打開する方法を模索した。だが。

どう考えても俺にどうにか出来る相手ではなく。この「偽神」を倒す事が出来ず 俺は敗北を喫する事になるのである。

俺が聖魔女の魂を救い出した時 その事実を知らない俺はその出来事の後に起こった聖魔女が俺の元に姿を現したことにも気付かずに。そのままソフィアや、その両親や妹達の元へ帰ろうとしていたのだけれど。俺はこの時。ソフィアの家族達や。その家族の家族達の声が聞こえるようになっており そこで聞いた情報を元に、聖魔城の近くにある村。

そこに聖魔女が囚われていることに気付いた俺はすぐさまそこに向かうのである 聖魔女を閉じ込めていた場所は山の中にあった洞窟だったのだが 聖魔城の近くで、その事実を耳に出来たおかげで どうにか俺はその事を把握する事に成功したのである。

そんな俺に、突如現れた一人の男性。

それは聖騎士の姿であった。

聖魔女に執着心を持っているのかどうかまでは分からないが 聖騎士という存在である。その聖騎士の力は絶大であり。俺は聖騎士と戦闘を開始する事になったのだが。聖騎士は強かった。

聖騎士が放つ技は全てが凄まじいものばかりで、 聖剣が無ければ確実にやられていたであろう状況に何度も追い込まれていて。

俺の方は聖女が与えてくれた力を最大限に利用しながら、聖女が所持していた記憶から得た聖剣の使い方などを実践で試したりして何とか応戦していったのだった。

そうして聖女の記憶を利用しどうにかこうにか、聖騎士と渡り合っていく そんな時だ。突然に聖騎士の動きが悪くなり、隙だらけになってしまったので、俺はすかさず聖剣で切りつける。すると。俺の攻撃が聖騎士に命中し、聖騎士は地面に膝を突いてしまったのだった。しかし。それでも聖騎士が生きていることに間違いはなく。俺は即座に次の行動に移る。

そうしないと聖騎士に殺される可能性があったからだ。

「はぁ、はぁ、どうだ!これならもう動けないだろう?大人しく諦めるんだな」俺はどうにかこうにか聖騎士と互角に渡り合うことができていたのだ そう。俺は必死だったのである。だから俺の言葉を聞いた聖騎士が不敵な笑みを浮かべていたのを見て 背筋が凍るような思いをしたのである。聖騎士はまるで自分の優位さを確信しているかのような態度を見せてきたのである。そんな時である。「おいお前。今何をした?お前は何をした?お前ごときが、何故、聖魔女の力を扱える?」聖騎士はそう言い出すと。自分の持っている剣を、自分の体の一部かのように自在に使いこなし始めたのだった。そして。聖騎士はその手に持っていた剣を俺に投擲してきた。聖騎士の行動の意味が理解できず。

聖女の力も限界に近づいていた為 俺は聖女の力も使用せずに聖剣を構える 聖剣は聖女が持つ武器の中でも最高クラスの攻撃力を誇る武器で。聖剣に攻撃を当てたとしても、それ程のダメージを与えられない相手もいて 俺も今まではそこまで聖剣の能力に頼って戦いを行っていたわけではなく。あくまでも俺は普通の人間が出せるような能力の範囲内で戦いを行っていけばいいかなと思っており。

俺は今まではそれでどうにかなったのだ そして今回も同様だと思いながら、俺は聖騎士に聖剣を向けるのだが その時だった。俺の聖剣が聖騎士の持つ剣と激突したのは。

しかし俺の方が威力では上回っていたようで、俺の振るった剣が聖騎士の武器を砕く 俺は聖剣に全力を込めて、俺の武器を破壊してくれたお礼をする為に聖剣を振るう。俺の聖剣が直撃した聖騎士の肉体は大きく吹き飛ばされていったのだが 俺の聖剣の衝撃によって周囲の木々をなぎ倒しながら、どうにか体勢を立て直す事に成功して、地面へと着地する聖騎士だったが。俺は聖騎士が何かをしようとしているのに気付くと

「待て!逃げるな!卑怯だぞ!!まだ話は終わっていない」

俺はそんな言葉を聖女の記憶から探り出し。聖女が言いそうな台詞を俺は口に出してみた 聖剣が壊れてしまう可能性はあったけど。でも聖剣を壊される前にどうにか聖騎士を倒してしまえばどうにかなるだろうと そう思ったから。

そうして俺は「聖女」の力を使い、どうにか聖剣を振り抜くことに成功したのだが

「ははははは、まさか私の身体をここまで傷つけられるとは思ってもいなかった。正直。予想外だよ。流石は私が見込んだ人間だけのことはあるね」聖剣の力を使いどうにか聖剣の刃を相手の身体に食い込ませることには成功したのだが それでも致命傷を与えることまでには至っていなかった。聖剣の力を使用した反動により俺は動くことが出来ず。そして俺を殺そうと剣を振るってくる聖騎士を睨む事しか出来なかったのだが。俺はここで死を覚悟した。

そう、俺は聖騎士の一撃によって、首をはねる寸前に 聖女の力で俺が「死ぬ直前」まで巻き戻す事に成功する。

そしてそのタイミングに合わせて 俺の目の前に現れた存在がいた そう。聖女が俺の前に姿を現したのである。俺が目を開けてみると 目の前に立っていたのは、聖女の服を着ていた そう、俺を逃さないために聖女の魂を使って作り出した 俺にそっくりの「人形」の姿があったのだ。

俺と瓜二つの顔をしていて。俺にそっくりの姿をしており 俺は一瞬。聖女が俺の為に作ってくれたのかと勘違いしてしまったのだが。すぐに俺が生み出した偽物だと分かって、俺の目の前にいる聖騎士に斬りかかったのだが 聖騎士も聖女の魂で作られた偽物なのだ そして聖騎士も聖女の魂を使っている そしてお互いの聖剣をぶつけ合って鍔迫り合いを繰り広げていたのである。

俺はこの時、聖女の力を解放している状態だったので 聖剣の力を使い、俺の斬撃と聖剣の波動が混ざってとんでもない攻撃を繰り出せていた だが、それも聖騎士の防御を破る事が出来ないでいる そんな状況だったのだけど。俺の後ろに、突如として出現した人物が現れた それは俺に「魔王」かどうかを尋ねてきて、そして俺が否定したことで襲ってきた「真の神」と呼ばれる存在であったのだ。だが。俺と「神」が会話をしている隙を狙って 俺の偽物は「神」に対して攻撃を仕掛けており 俺を庇おうとしている「神」が俺の偽物に殺されると思った俺は。俺は急いで自分の「勇者」としての力を全て「聖剣」に注ぐと。俺は自分の腕を犠牲にする事になりながらも。どうにかこうにか「聖女が作り上げた偽物」、「俺が呼び出した偽物」、「俺に成りすましていた神が作り出した偽物の偽者」。その三人を俺の「固有スキル」を使用して消滅させた。

そうして「神」を俺の偽物が倒してしまう前に どうにかこうにか偽物を切り捨てると。「俺」に化けていた神が消滅していってしまい。

そうして、俺は自分の力を使い過ぎてしまい、その場に倒れこんでしまうのであった。俺は薄れていく意識の中で、自分に向かって駆け寄ってきてくれた女性の存在を感じていたのである。そう、「俺の妻であるはずの存在」が俺の元に駆けつけてくれた事に。嬉しさを感じたのだ。だからだろうか?俺はそのまま、深い眠りについてしまい。

そして俺が完全に意識を取り戻すことが出来た時には既に夜になっていたのであった。どうやらあの時、俺の目の前にいた存在が俺を助けてくれなかった場合 そのまま殺されてしまっていただろう。

そう考えれば助かったといえる状況ではあったのだ。ただ それでも、俺の「妻達」と会う事が出来なくなってしまう事は事実なので それが残念に思えて仕方がなかったのであった。そんな風に感じた瞬間だ。

俺は誰かに呼ばれている気がしたのでそちらの方角に目を向けたのである。そうするとそこには一人の女性が存在していたのだ。俺と容姿が全く変わらないその女性は優しく俺に手を差し伸べてきたのだ 俺は、その差し出してくれた手を握ろうとするが、俺の腕は俺の意志に反したものであり、まるでその腕に自分のものではない腕がくっついているような感覚に襲われていた。そんな状態だというのに、彼女はそんな事を気にした様子もなく、優しい表情を浮かべて微笑んでいたのである。

その優しさに俺は涙が出そうになってしまったのだが。そこで彼女の顔を見た俺は、何故か違和感を感じてしまって どこか見覚えがあるはずなのに。どうしても、彼女の存在が思い出せないので、俺は彼女に質問してみることにする。

そうすれば何か分かるかもしれないと俺は考えたからである。

そして俺は彼女に問い掛けたのである。「貴方の名前は何でしょうか?」と。

そうした時だ。彼女が、悲痛そうな声で。

「私の名前ですか?どうしてそんな事を聞いてきたの?まさか貴方も?」と呟いていたので。俺の勘が、このまま彼女と別れてはいけないと判断して そして俺は「えっと、すいません」と一言謝罪の言葉を口にすると そうやって俺が自分の意思に反して勝手に動こうとした右手を止めると 彼女は俺の手を掴むことを諦めたようであり。少し落ち込んだ様子を見せたのである。俺はその様子を見て心を痛めたのだが。それでも俺は何とか我慢しながら どうにかこうにか、どうにか自分の意志で行動できる状態に戻れた俺は 改めて自分の名前を名乗った。そして、それと同時に、何故俺は自分の記憶がないのかを尋ねたのだが。

しかし。彼女は「ごめんなさい。分からないんです。ご主人様。私が、ご主人様と初めてお会いしてからの記憶しかありません。ご主人様に拾われた時からの」と口にし出した。そして俺達はお互いの情報をどうにか手に入れようと そしてどうにかお互いに理解することが出来、どうにかお互いの記憶に空白の部分が存在することが分かったのだった。

そしてこの「記憶の欠損部分」を埋めるためには、俺が今持っている知識だけでは駄目だと言う結論に達したので まずは俺は彼女のことをもう少し知ろうと「君の名前をもう一度教えて貰えないかな」と言った。

俺は彼女を見ていると、やはり何かを言わなければという衝動に襲われる。

だから俺はどうにかそれを抑え込みながら。

どうにかして彼女を知るための行動に出たのだ。そしてその結果。俺はどうにか自分が知っている知識を使って どうにか、目の前の女性が何者かを知る事に成功したのだ。

ただ、それを言葉に出すと、俺が今まで積み上げてきてしまった「歴史」に大きな変化が起きてしまうのが分かったので 結局のところ、俺は彼女に、真実を教えることが出来ずに終わってしまった。

だがしかし、ここで何も話さない訳にもいかないと俺は思い。俺はどうにか俺達の身に起きていた出来事を その時に見た光景を「夢」にして。その夢の映像を、俺達の住む「国」に存在する教会に 俺達の身体が保管されていた状態で 映像として見せるようにお願いをした。

これは別に特別な儀式を行うわけでもないので そこまで難しいものでもなかったのだ。

ただ。これをやる場合にはそれなりの人数をそろえる必要があるが 今の状況下では仕方が無いと思ったからな。

そして、目の前の女性の話を聞かせて欲しいと伝えた所 俺と瓜二つの姿形をしている女性は自分の過去を話し始めたのだった。

彼女は元々は「人間」だったが。俺と同じ勇者召喚に巻き込まれてしまったようで その際に「勇者」に選ばれてしまうと その力の影響で「人間」としての肉体を捨てさせられてしまうらしく。肉体を「勇者の力」に適したものに作り変えられてしまうそうだ

「じゃあ俺と一緒に「勇者」に選ばれた人って」「えぇ、私とご主人が一緒にいた頃に。同じ境遇だった方ですね。もっとも、あの方は「魔王」との戦いの最中で死んでしまったのですが」

俺の目の前に現れた存在は俺がかつて戦った「聖女」と呼ばれる存在であるのだが。

その聖女に、俺は自分の記憶にある「勇者の身体」について確認をする。

そして、その話を聞いた俺の前に、その聖女の姿に良く似た姿をしている存在が姿を見せる 俺はその姿を確認した途端。

目の前にいるのが「聖女」の魂から生み出された、自分の複製体であることを理解したのである。そして俺は「どうしてこんな事になっているのか?」と、そう聞くと 目の前の女性は「それは、あの男が聖女を誘拐したせいです」と俺に説明した。

そして俺は、俺が、聖女を連れて逃げた先で起こった出来事を思い出そうとしていた。

その日、俺の前に聖女のコピーが現れたことで俺は動揺してしまい。結果 どうにかこうにか逃げることに成功した俺は、聖女と二人きりになって そこで色々と、俺にだけしかわからないような質問をしたりして、情報を集めていた。

ただ。聖女は何も知らないようであったけど。その反応を俺はどうもおかしいと思った。

俺に対しての「聖女の知識」は全て本物なのかと思い、聖女がどういう人物なのかと、聖女本人に問いかけてみたところ 聖女も、目の前にいる自分の複製体の言っていることは正しいと感じたのである。

そう言った意味深な態度を見せられた俺には

「目の前に存在している「自分ではない自分自身」が本当の自分ではないか?」と思ってしまうのだが。

そう思っても、俺の中に眠る聖女の魂が俺に訴えかけてくるのだ。

俺の中の聖女の魂の部分が「そんなはずはない!」と。

そう言って俺を止めようとしていた。

そんな俺に目の前の聖騎士が「どうやら君は、あの時の男とはまた別の男のようだね」と話し始める。

そう話しかけてきた相手を見つめてみると

「俺が知っている聖騎士と、そっくりの顔をしていて、聖剣まで所持しているのだから当然だろうが」と思ったのだ。

「それにしても「勇者の力」を持っているのか。しかも魔王の力までも」

「その口ぶりからすると。お前は勇者の力を手に入れた「俺」とは違う勇者の力を手にしていたのか」

そうやって俺は自分の中の「勇者の力」を発動させる

「勇者の力」を使い「勇者の剣」を作り出したのだ。

「ふむ、中々良い武器だ」

俺に襲いかかろうとした勇者を返り討ちにし、その死体を漁っていたので 俺は勇者の「能力」を確認する。そこには、俺が使っている「勇者」と同じような力が存在していた。なので俺は「お前が倒した男は、「俺」の仲間であるはずの勇者ではなかった。そしてあの男が死んだことにより。俺はあいつの持つ「技能」を引き継ぐことが出来た」と言ってやったのだ。そうすると目の前に居る奴の顔が怒りに染まった。どうやら、仲間を殺した俺を敵とみなしたらしい。

なので俺はこいつと戦ってみたのだが 正直こいつのレベルが低い。俺のレベルが高いので仕方がないのだが 俺が本気を出した時点で

「くそっ!俺よりも強いなんて聞いていないぞ!!ちくしょうが!!」と叫び声をあげて その勇者は逃げ出したのである。俺はそれを眺めていると 俺の元に聖騎士に化けていた人物が駆け寄ってきた。

そして俺の前でひざまづくと

「申し訳ございません、我が主よ」と、そう口にする。

そして俺はその言葉を聞いて、この世界の聖騎士団のトップでもある聖女の姿をした俺と、目の前の偽物を交互に見る 目の前の存在の方が、この世界での俺の「役割」を果たしており。そして、本物の方の「俺」は 既に死亡しており。俺の中に入っていた「勇者」もまた

「死んでいるはずなのに、まだ生きている俺達の前に現れるとはな」と俺は思い。「だが、俺達と、そしてこの世界での俺はもう関係がないんだろう?だって俺は、俺達の目的は既に果たしている。だから後は、好き勝手にさせてもらうだけだ」と言ったのだが。

しかし目の前の存在は、首を横に振ったのだ。そして、彼は「いいえ、私は、いえ、我々は貴方様と共に居ます。貴方様の目的が叶うまで、貴方のそばを離れずお供することを誓っておりますので」と 俺は、目の前の人物をじっと見つめた。そうすると

「だから、我々と一緒に行きましょう。勇者様」と、そう言ってくるので 俺は、どうしてそんな事を言いだしてきたのかを聞くことにすると。

目の前の人物はこう口にしたのである。「貴方様と私が一緒に過ごした場所を私はまだ覚えています。そしてその場所で暮らしていた人達も覚えています。彼らは私と、貴方様に優しくしてくれましたから。どうかその事を忘れないで欲しいと、そして出来ればその人たちにもう一度会いたいのです」と 俺はその言葉を聞いて「そうか」と呟いた。そして俺は彼にこう告げたのである。

「俺達が旅をしている目的については教えた通りだ。だからこそ俺達はここにいるし。これからもこの世界を巡って行く。だけどな、この場所に戻ってくるかどうかというのは。その時になってみないと分からない」と口にして。

「ただ、これだけは言える。俺達は必ずまたこの場所に戻ってきたいと思っている」と告げたのだった。

目の前の相手に、そう言ったのは何故かと言われても分からない。しかしそれでも俺は「この土地に戻ってくる必要がある」と感じ取ったので、俺はそれに従った。だから、俺は今こうして、この地に戻ってきているというわけだ。

俺は目の前に現れた存在と会話をして。そして俺が今まで経験してきた「歴史」が俺の記憶に無い事実がある事を知った。

ただ、だからといって「歴史」を変えることは出来ない。そして俺は「勇者」という称号を、俺の知っている歴史の中で手に入れた。

ただ、それがどういう風に作用して俺の称号が変化していく事になるのかが分からないが。とりあえずは俺は勇者という「肩書」を持つことになるのだが。しかしここで俺は、ある事に気が付いた。

それは「俺と一緒に召喚された聖女はどこに消えたんだ?」という疑問を抱いたのだ。その答えを俺は知りたかった。何故ならば俺はその事で、俺をここまで運んできた存在と、そして目の前に存在する人物。俺と同じ顔をしている存在から話を聞いていた。そして彼等は聖女について、色々と説明してくれたのであった。

まずは俺と目の前の相手が召喚される少し前の話なのだが。

俺と、目の前に存在していた人物は共に、勇者として召喚されてしまったのだという。

その時に、聖女の姿が無かったという話も聞いたのだった。

ただ、どうして聖女の姿だけが見当たらなくなったのかと言うのは、結局わからなかったが。

聖女の姿が見つからないと困ってしまうと考えたのであろう。その当時の王城の人間は どうにか聖女を捜そうと必死になっていたようだ。そしてその結果は聖女を見つける事は出来なかった。

なので仕方なくといった感じで「聖女」の力をコピーして そのコピーした聖女の力を使ってどうにか「勇者」を召喚することに成功したのだが。その勇者の力を使ったとしても聖女を探すことは出来なかったそうだ。

それから聖女を召還する事は無理だと判断された結果 俺達の召喚が終わって、聖女がいない事が判明すると、俺と俺と一緒に勇者に選ばれた人物と。勇者の仲間である人物以外は 元の世界に返されてしまうはずだったのだが、その際に俺は元の世界に帰らず、聖女を探し出そうとしたのである。その行動に目の前の相手は驚き どうして帰らないのかと、そう尋ねられたので、俺は何も言わずに、俺がやってきたことを説明したのである。

目の前に姿を現した「自分ではないもう一人の存在と遭遇」した俺は その出来事について、どうするかを考え始めていた。

(さてと、こいつは一体何者なんだろうか?)と 俺の思考が停止してしまったのは、目の前に存在している自分以外の自分が突然現れたからだ。

「勇者」という言葉を口にしていたが、そもそも「聖騎士の魂」の集合体であったはずが、その言葉を口走っている時点で何かおかしいと思ったのだ。それに、目の前に居る自分の姿を見ると「どうも見た目が違う」ように思える。

確かに俺は「自分の容姿」に関しては、そこまで気にしていなかったのだが、「俺の姿」とは少し違うように見えたのだ。だから俺はその事を尋ねると

「ああこれかい。実は、君の前に姿を現そうとした時は、聖女の力で作られた身体を「君の分身」へと近づけようとしていたんだけど。だけど途中で色々あって失敗しちゃってね。こんな状態になってしまったんだよ」と答えられたので俺はさらに驚いた。そしてそれと同時に

「勇者の力を持つ俺」の前に姿を現したのは「俺のコピー体である目の前の存在」なのかと思っていたのだが、どうも「別人」のようだったので、本当にこいつが、勇者の力を持った自分なのかと疑問に思うのである。

だが、俺が目の前の存在に「聖女の力で作った俺の偽物?」みたいなことを聞くと

「うーん。そういうわけではないかなぁ。俺は、聖女の力と俺の魂が融合している状態でね。まあ簡単に言えば。今の俺は聖女の魂を持っているのに、同時に勇者の魂も持ち合わせているっていう、ちょっと変わった存在なんだよね。ちなみに俺は元々は勇者の肉体の中に聖女の魂が入っていたみたいだけれど。まあとにかく「勇者」と「聖女」の両方の力が使えるんだぜ!」なんていう事を言うので。その言葉を聞いた俺は、ますます混乱してしまい。何を言っているのかわからないと思ってしまったのであった。そして目の前の存在の言葉に対して、何も言えなくなってしまうと

「まあその辺の事はあまり関係ないんじゃないかな?俺達の目的さえ果たせればそれでいいじゃないか。だって君は「勇者」の使命を全うするつもりなんてないんでしょ?なら俺と一緒に居てくれるだけでも良いじゃない」

「いや待ってくれ!お前の言ってる事がよく理解できない。つまりお前の目的は「勇者」として、俺の代わりに世界を救ってほしいと。そういった願いなんじゃなかったのか?それなのに、どうして俺に協力してくれるとか、そんな話になっているんだよ。しかも「一緒に居てくれればいいだけ」とかも意味が分からねぇよ。それだとまるで俺にお前と行動を共にしろと命令されているようなものだぞ」なんて思ったことを俺は口にすると 目の前の存在は、苦笑いを浮かべると

「う~ん。そんなつもりでは言っていないつもりだよ。むしろ俺は君を手助けしたいと思っているぐらいだし。ただ俺はどうしてもやりたいことがあるから」

その発言に俺の頭に「魔王を倒す」というような単語が浮かんできたが その考えを否定する。なぜなら目の前の存在は

「まあそっちの方が近いといえば近かったけど。正確に言うと、俺がやりたいことは、まあいまはとりあえず「置いておいて」だね。だから今は、この世界で自由に動き回りたいというか」

その言葉に俺は首を傾げると

「まあぶっちゃけた言い方をすれば、この世界で好き勝手暴れまわりたいと。それが本音かな。そしてあわよくば俺は俺自身の目的を果たしたいと思っている。でもそれはあくまでも俺の目的は「ついで」であり。だから俺の目的は別にある。だけどそれを邪魔されたくないから。俺はこの世界で好き放題やりつつ。俺がこの世界に呼ばれた理由を見つけ出してそれを果たすと。それだけだ」と言い出した。そしてその発言を俺は信じるしかなかった。そしてその理由についても聞くと 彼はこう答えたのである。

俺は彼に質問をした。「貴方が俺の前に現れたのはどうしてですか?」という問いかけに彼は

「ああ。それは俺が俺の目的を達成するため」と

「俺自身に用があったのであれば、わざわざ俺の前から消える必要はないですし。そして俺が俺を呼び寄せたと、そう考えるのが自然でしょう。しかし貴方には聖女がいたはずだ。聖女の力で俺を呼んだということは。彼女は、俺の事が好きだから。そう思っているから貴方に協力したと思いますし。貴方自身も聖女を大切にしていると、そういう事だ」

そう答えるので、俺は彼の目的を詳しく聞こうと口を開こうとすると。

「お兄ちゃん。お話し終わった?じゃあさ、そろそろご飯にしない」という声がしたので 俺達はその方角を見る。するとそこには妹の美奈恵と弟の明斗の二人がいたので 俺は、妹達の方を向くと「わかった。すぐに戻るから先に食べていなさい」と言うと。

俺達はその場から離れることにしたのだった。そしてしばらく歩き続けて、誰も来ない場所に到着すると 俺は「なあ教えてほしい」と言って目の前に姿を現してくれた人物に この世界の事を尋ねたのである。

俺は目の前に現れた人物と話をして、まずは彼が俺にどうして現れたのか。どうして「この場所」に現れたのかを尋ねてみると

「この場所というのはこの世界が作り出した空間のようなところさ。俺の場合は聖女の力を使い作り上げる事が出来る空間という事になるのだけど。だからこの場所に来ることが出来たのさ」と言われてしまった。

その答えを聞いた俺は「この場所を作り出した」と言われたので 目の前に存在している人物が「何者」であるのかが、俺の中で確信に変わる。なので、そのことを尋ねると

「そのとおり。俺は、君に俺のことを伝える為に「勇者」として俺が呼び出した人間の中に入っていたんだよ。「君の体」は勇者として召喚された人間に俺が入っても大丈夫か試す為だけに使わせて貰ったんだ」

なんていう回答を口にする。その言葉の意味がわからなかったので問い詰めてみるのだが その人物の言いたいことはこういうことだったのだ。そもそも自分が聖女と力を合わせて作り出している世界に、自分が別の誰かを招き入れてしまうことはとても危険な行為なので、「自分の力で作り出した空間以外を移動したり」するようなことは一切許されない。だから、その禁忌を犯した結果。俺は本来ならば呼び出されてはいけない場所に呼びつけられてしまい。そのせいで、目の前の人間は俺に「勇者の力の集合体」の身体を奪われてしまったのだ。

だが俺の力もかなり強力なものなので、俺の力を奪えたのは そのおかげで俺が召喚した勇者を殺さずに済ませる事ができたそうだ。

ただその事によって勇者の力を俺自身が使うことが出来るようになったので 結果的には良かったそうだ。それに、その事に気がついた俺が勇者に憑依した時に

「聖女に殺されずに済む」と思ったので俺に感謝していたということだ。

そして俺の前に姿を現したのは、その「感謝の気持ちを伝えに来た」とのことだった。

俺は「そのことについては別にどうでもいいんだけど。それよりも」と前置きしたうえで、俺は「あんたの目的が何かを知りたい」

目の前の相手は俺に何をしてほしいのか。そう尋ねると その人物の目的については「まだ言えない」そう言われてしまって俺は困惑した。

そして、その代わりに「ある頼みごと」をしても良いかという申し出を受けた。

俺は「その頼みとは何なのか」ということをその人物に尋ねてみた。

その人は少し考えた後、その頼みについての内容を説明し始める。

その人物は俺に

「俺の願いを聞いてくれるのであれば、君にとっておきの秘密を打ち明けることにしよう」と言ってきたので 俺は「何だ?」と聞き返した。

すると、その人物は俺に対してこう口にしたのである。

「俺の本当の名前は「リキド」。君はその名前を聞いたことがあるかい?」という言葉に対して俺は驚いた。

そして「どういう意味なんだ?」と口にしたが、彼はその問いかけに対して 俺の事を馬鹿にしたような目つきで見ると

「ふっ。やはり君は知らないようだね。でもしょうがないさ。だって「勇者の記憶を持ったまま」生まれ変わるなんて普通ありえない話だからね。俺も「聖女の記憶を持ったままだったら」もっと違う行動を起こせていたかもしれない」

俺の言葉に耳を傾けることなく。勝手にしゃべりだすのであった。だが俺の目の前にいる人物の名前は どうやらとんでもないものだったようで。俺は驚いてしまい言葉が出なくなってしまう。そして「一体どうなってやがんだ?こいつは。俺のことを知っているようだけど」

目の前の存在の言動をみて。俺は「勇者の記憶を持った別人なのか?」という疑問を抱いてしまった。しかし俺は、その考えをすぐに振り払う。何故なら俺はその人のことを「勇者本人」ではないのかと考えているからである。だから俺は「勇者の魂を持つ別人が勇者と同じ名前を名乗ったのか?」

もしくは、目の前の存在が「勇者が記憶を取り戻した状態」だと考えているのだと、そんな風に思ったのだった。だから、目の前の人物が自分の知っている「勇者の魂を持っている別人格」ではないか?という考えに至った訳なのだ。

そして目の前の存在の口から発せられた「真実」を聞いた俺は思わず絶句してしまった。まさか「そんなことが本当に起こりうるはずはない」と思ってしまう出来事が起きたからだ。それは「実は俺は「勇者がこの世界で死んだ後の肉体」を借りて生活しているに過ぎない」というものだったのだ。だから「勇者は死んでいるはずだ。そんなことがありえるのか?」と思ってしまった。

「その通りだよ。でもそれは間違いなんだよね。確かに俺は一度殺されたけど、勇者は俺が死んでしまっていたことに気がついていないんだよ。そして俺を殺したのは俺が作り出したあの空間の中にあった俺の体と融合した存在だった。つまり、俺は俺が死んだと思っていたから。そして聖女の力が作り出した空間で生き続けていたわけだ。だけど聖女はそんなことを知らなかったから俺のことを放置し続けてたみたいでさ。俺はいつの間にかあの場所で眠ってしまっていて。そこで目を覚ました時が今の体になる前だった。その時に目の前には、聖女ではなく俺の体の心臓部分が置いてあってさ。それで俺は「この体を俺に返してくれ」なんてお願いをしたら、聖女はその事を受け入れてくれて、俺にこの体と勇者の力の一部を返してくれたんだ。そのお陰で今こうして生きているんだ。ただ俺は、もう勇者の力を使うことは出来ないけれどね」

俺はそれを聞き終えると。この人が言っている事が全て本当であると確信したので「その話を聞かせてくれてありがとうございます」と言うと、俺達はこの場を離れる事にする。それからしばらくして俺とこの人とは別れた。俺達がこの世界に戻ってきた理由はわからないが、この人の目的は達成されたようである。そして俺は「俺はこの世界を平和にする為に、まずはこの世界に俺がいるという事実を証明するために」そして「自分自身が何の為に呼び出される事になったのかを知らなければならないのでは?」という事を思い浮かべる。だが俺はその事を知る前に「魔王を倒したい」とか考えている人達に倒されてしまう可能性があると思い知らされてしまうことになる。なぜなら俺は彼らよりも弱い存在だからだ 俺はその人物と一緒に行動することにする そうすることで俺はこの人物と共に「聖剣」を取り戻す方法を考える事となる しかし、そううまくはいかなかったのである

「まあそう言うことだな」

その言葉に彼は苦笑いをしてしまう。しかしそれも当然の話だった。なにしろ「その話をしている間にも、聖女からの攻撃を避ける為に」走り回っていたからである。聖女が攻撃を仕掛けてくるので仕方が無いのだが

「まあこんな話をしたところで、何の意味もないしな。というか俺が話したかったのはそれじゃないんだよ。お前さんに「俺と手を組まないか?」っていう話をしたくて」というのである。俺は「え?それじゃなんでここに現れたんですか?貴方の力があれば、俺と協力する必要も無かったと思うんですが」という質問をした。すると「そりゃもちろん「勇者の力を受け継いだ存在を、仲間に引き入れた方がいい」と判断したからに決まっているからな。それにお前さんの力は「普通の人間」にしては強いからな。だから「もしもの時の切り札」として確保させて貰っただけなのさ」と口にしたのである。だから、その提案を受け入れるかどうかを考えようとすると「あ、先に断わらせて貰うとな。「俺の仲間になれ」とは言ったが、「俺達の味方につけ」とは言って無いからな。もしこの誘いを断った場合は、俺は容赦なく君を殺す」

俺が口を開くよりも先に彼はそう口にした。だから俺は仕方なくではあるが彼に従うことにした。その答えを聞くとその男は満足した様子で

「そんじゃ。そういうことだな」と口にしたので、俺が首を縦に振ると、 そのままその場を離れてどこかへ行ってしまったのである。そしてその場を離れた俺はソフィアの元に戻って行ったのである。

俺はその後。

美奈恵達と合流すると

「兄貴遅い!何してたんだよ?」

と妹は怒ってきたので それに対して「ごめんな」と謝った後。食事をすることにしたのだった その後はしばらく皆で過ごして解散することになり、各自の部屋へと戻って行くのだがその際。俺の隣を歩いていた少女が「明日の予定」を聞いてきたので、俺は彼女にこう答える

「とりあえず街を見て回った後は、また冒険者として行動していくつもりだよ。だからよろしくね」

彼女の目的について尋ねてみると、彼女はこう言葉を紡いだのだ

「私のことは気にしなくていいですから。それよりも「自分なりに出来ることを探して見たい」というのが本音なのです」ということだったので、特に何も聞くことは無く 俺は彼女を見送ったのであった。だが俺はこの時気が付くべきではなかったのかもしれない「どうしてあの子の名前が思い出せないんだろうか?」そう思いつつもその事を不思議に思うことはなかった。しかしそれが何を意味しているのかという事は、後に俺の身に起こることで嫌でも理解することになる。そして次の日の朝 朝食を取ると俺は、俺と美奈恵と美樹の三人でギルドに向かい依頼を受けることになったので、その途中で俺が美樹に対して

「今日も、頑張ろうぜ!」と話しかけた。そして俺は、美樹に対して「今日の夜ご飯は楽しみにしているぞ」と伝えた その言葉を聞いた彼女は嬉しそうな顔をしていたので俺は、その表情をみて思わず笑みを浮かべてしまいそうになる そしてそんな俺の目の前にいた人物が俺の方を見ると

「仲良しなのは良いことだと思いますよ」と俺に告げてきたので その人に対して俺が話しかけようと 声をかけようとした時。俺に急接近してくる人影に気がつくことが出来たので俺は慌てて後ろに下がる。しかしその人は「おっと、すいません。私は、こういうものですが」と俺に対して名刺を差し出してきたので、俺はそれを確認しようとその名刺を見ようと思ったら。「あれ?私の名前は覚えていてくれたのですね。嬉しい限りですよ」と、その女性は微笑むと「ところで」と言って話を続けようとしていたが、 その女性の声色が変わると同時に、その女性の背後から「危ない!!」という言葉が俺の耳に聞こえてきてしまった そして俺が急いでそちらを振り向くと 女性が俺に向かって倒れこんできたが 俺がなんとか受け止めることに成功できた。

そして「いきなり飛びかかって来るなんてどういうつもりですか!?」

と、俺はその女性に文句を言おうとした そしてそんなタイミングで

「あの!!大丈夫でし──」

という声をかけられた。俺が「一体誰だよ?こんな忙しいときに」と思っていたら「もしかして」と言いたげな顔でこちらを見るので俺は「ああ」と答えることにしたら、目の前の少女が「やっぱり」と言ったあと「あの時はどうなるのかと思っていましたが、無事に会えてよかったです」

その言葉で、俺に「会いに来た人」というのは目の前の女性だということに気がついて

「お久しぶりです」「そうだね。久しぶりだね」とお互いに挨拶を交わしたのである。だがその瞬間。俺は「何か」を感じ取り咄嵯に身構えると 目の前にいる二人を守ろうとするかのように 魔力の壁を作り出す。そしてその直後 俺に襲い掛かろうとしていた存在と、この場で戦いを始めることになったのだ。そしてその正体は 先程まで一緒に過ごしていたソフィアだった 突然の出来事にも関わらず。ソフィアは攻撃を行う手を止めなかったのだ

(流石は精霊か)

心の中で俺は呟きながらソフィアの攻撃を避けつつカウンター攻撃を仕掛けていく。それからしばらくして 俺が仕掛けた魔法によりソフィアは吹き飛ばされる。その事に安心することもなく。俺はソフィアのことを睨みつけたまま、その場から離れるのだった その後ろからは美樹の心配する声で呼ばれたが俺は「今は危険だ」と言うしかなかったのである だがそれでも納得がいっていないようで「でもあの人が」と言う美樹の肩を俺は掴んで、それ以上は何も言わずに部屋に戻るように伝えると大人しく戻ってくれていた 俺が部屋の外に出てから俺はすぐにソフィアのいる場所に向かった。その時、聖女は俺の後を追いかけて来たらしく

「聖女さん。なんでここに?」という問いに対して彼女は「少しばかりあなたにお願いしたいことがありまして。だからあなたの後を追って来たのです。それでそのお願いなんですが。「聖剣」を私の元へ返してください。それが出来なければ「この世界の平和」なんて守れるわけが無いでしょう?」と言われてしまう 俺がそのお願いに返事をするよりも先に ソフィアが「お断りさせて貰います」と言うと 俺の体から黒い光のようなものが放たれ 俺に襲いかかってくる。

その事を確認すると、俺はすぐに 防御障壁を展開させたが。その事によって俺は壁に叩きつけられることになる。その後で 俺は自分の体の変化を確認して

「やばいな。今の俺だとこのままだと死ぬかもな」と独りごちると

「なにを言っているのでしょうか?まさか諦めるなんて事はありませんよね?」と俺に語りかけてくる それに対して俺はこう返すしかないのだろう

「俺がお前を倒す」と その言葉を聞くと彼女は不敵な笑顔を見せる

「まあそうくるだろうとは思っていましたけどね」

彼女はそれだけ言うと、そのまま消え去ってしまう ソフィアの気配が消えたので 俺はソフィアが立っていた場所に向かう するとそこには「この聖剣で世界を救ってください」と書かれていて俺は ソフィアが何をしようとしていたのかを理解する ソフィアがこの聖剣を使って「世界」に攻撃を仕掛けた事で、今の状況に陥ってしまったことを察した 俺はとりあえず。その聖剣を回収をすると。

聖女の居場所を探すことにした。しかしいくら探し回っても見つからなかった そこで俺は一度宿に戻ろうとする 美樹達が待つ部屋に戻ってきた俺は「美樹は寝ているようだから美奈恵だけに伝えておくか」と考え、その考えのもと俺は妹に話しかける事にした。そして「これから俺は少し出かけて来ます」とだけ伝えて。俺の泊まっている部屋を出ると 俺の姿を見た受付の人が「あ、勇者様!」と言っていたので「その呼び方辞めてくれ」と俺は伝えた。するとその人物は「ではなんと呼べばいいですか?」と言われたので

「名前で呼んでくれれば構わない」という返答をしたのだが「じゃぁ、セイガさんですよね」と言われたので、仕方なくではあるが俺の名前を言って

「分かった」

「それと」と付け足してから「ちょっと野暮用ができて出掛ける」ということを俺の口から伝えると。俺は街の外に転移して。

美樹達の安全を確保しようとした だが、俺は「何かしらの問題が起きない限りは大丈夫だと思うんだよな」と一人思うと。まずは冒険者組合に向かい依頼を探し始める。その途中で俺に声を掛けてきた人物がいたが、無視することにした しばらく歩いていると、後ろから俺に話しかけてくる者が居たので振り返っみると それは昨日見た「謎の人物」であり 俺の事を観察しているという事は一目見て分かるほどだった。その事から、俺は彼女に話しかけてみると

「あんた何の用で俺に近づいてきたんだよ?正直に答えないと」と言って俺は、彼女の首に手を伸ばそうとする その動きに合わせて、彼女の手が一瞬動くのを見てから俺は腕を引くと同時に 蹴りを入れてやることにする その結果彼女は見事に俺の蹴りを受け止めると

「流石にバレてしまいましたね。私が何故貴方に話しかけるかと言いますと。実は私、あなたが持っている「あの聖剣」について詳しく知りたいと思い。貴方に近づき。貴方の実力について確認するために行動を起こしていました。ですが、あの聖剣の事を知っていたり、それに「精霊の加護」がある時点で、私は君が「あの」聖剣を持っている人間なのだと確信したのですが、どうですか?」

その言葉で俺は目の前に立っている女性が、ただ俺に対して「嘘をついていないかどうか」を確かめるための「演技をしている人なのかどうか」を探っていたのだ。そして彼女が俺に告げた「本当のことを話すのなら許す。しかしもしも嘘を言うのであれば俺はここで殺してもいいんだぞ」という意味を暗に伝えた。

その事が理解出来たのだろう。彼女は「ふーん。そういうことなんだ」と意味ありげな視線を向けてきたのだ。しかし俺が本気だと感じ取ったのか素直に話し始めた。なので俺は「信じてもらえてよかったよ」と言うと、「君は一体何が目的なのかな?私達の手助けかなにかをしてくれる為に声をかけてきた訳じゃないと思うんだけど。私の予想だと違う気がする」

俺の目的は「あの剣」を回収しなければならないと思っている。なので俺も「その通りだ。俺は別にあなた方の手伝いをするためではないよ」と返していると「へぇ~」と言ってきた後に、彼女は

「私の名前はリゼだよ。宜しくね、私は一応だけどこの街の領主を務めている者だよ。君の力を知りたかっただけだからもういいかなって思い始めたところだし。今日はこの辺にしておこうか。また会う機会があれば会おうね」と自己紹介をして去っていった。そして俺は「ああ」とだけ返事を返したのだ。そして俺は「あいつのステータスを見れたのは良かった。そしてレベルが99だったことも、まあいい情報だったな」と考えているのだった そんなこんなで時間を潰していたら夜にはなっていたのである そしてその頃美樹達は「ソフィア」のことが心配だったのだろうか?ソフィアがいるはずの教会に向かおうとしたみたいで、その道中で「あの男に殺されたはずなのに生きているとはどういう事だ?」と、疑問に思っていたらしい だが結局その疑問に対する明確な回答は得られずじまいになってしまったようで。悔しそうな顔をするしかなかったようだった

「どうしたら良いんでしょう?」と相談してくるので 俺は

「とにかく俺が様子を見に行ってみるしか無いな」と、言うと

「でも」と言う美樹をなだめて 俺は一人で「聖女」の元に行こうとしたのだが。

「私を連れて行くべきではないのでしょうか?」と俺に尋ねられた しかし、聖剣を持つ者を同行させると色々と問題が生じる可能性が高くなるかもしれないので

「駄目」と答えた 俺の言葉を聞いた美樹は「どうしてなんですか?教えてください」と言うが 俺にも分からない。

その理由を知るために俺自身も、この場を離れられない理由もあるし、それに俺がいない間この場を守るのは美乃にやって貰うしかないからだ。

その旨を俺が説明をしたところ 納得はしてくれなかったが 渋々ではあるが分かってくれた それから俺は街の外に向かうのであった ソフィアを探してから数時間後 俺はある事を考えていた その事を考えるのに夢中になっていた俺だが。その事にいち早く美樹が気づいたらしく。心配した様子だったのだ

「お兄ちゃん大丈夫なの?ソフィアさんの事考えてたんでしょ?」と言われてしまった 美樹は心配性すぎると思ったが、俺は「そうだな。お前のおかげで助かったわ。本当に感謝してる。だから心配する必要なんて全くねぇよ」と、言うのだが どうしても信用出来ていないらしくて「だってソフィアさんがもしお兄ちゃんを殺そうとしたりとかした時に守れないのは嫌だもん」と美紀は言う 俺は少しばかり嬉しく思えたが、ここはしっかりと言わなければいけない場面だと思い俺は口を開くことにした まず初めに俺の考えていることを伝えてから次に美樹の言い分を聞きつつ お互いに落とし所を作っていこうと考えたのだ

「美樹、安心しろ。俺も殺されるつもりなんて一切ない。仮に殺されそうになったとしてだな、俺には最強の相棒がついているからどうにかなる。そして俺はこの世界にきてから「死」に対して、ある種の恐怖感を抱いていたからか「死んだとしても構わない」と言う覚悟でいる」と伝えると

「そうか。そこまで考えていたのなら。何も言えなくなっちゃった。うん。やっぱりお兄ちゃんに任せるね。でも無茶だけはしないでね。お願いだよ?」と言うので俺は「当たり前だろ。俺は絶対に死なないし、お前達をおいてどこかに行ったりもしねえよ」

俺がこう言ってあげると「お兄ちゃ〜ん。大好き」と言われて抱きしめられるので俺は優しく受け止めながら頭を撫でてやった その後俺はソフィアを探す為に動き出した だが、ソフィアの姿はどこにもなかった そこで俺は一度宿に戻り 美樹や美奈恵達と一緒に街を出ることに決めた その事で皆と話し合いを始める前に 俺がソフィアを探しに行きたいという話をしたが、誰も「止めてくれない」ということが分かり、逆に説得されてしまった 俺は自分の行動の異常さに気づいていなかったから その事で俺を心配した美樹に

「お兄ちゃん、最近おかしいんだよ?急に強くなったかと思うと、何かあった時以外外に出なくなったんだよ。それに最近はよく寝てたり、ぼーっとしていることが増えてるんだよ?それっておかしくないかって思うの」と言われた その言葉を言われてしまい。

自分がいかに「精神的に弱っているのか」ということに気づくことが出来た その言葉を聞いてから、俺の中で焦燥感が募っていく このままだといずれ取り返しのつかないことになるのではないかと 俺は考えると。俺の表情が青ざめていくのが分かる 俺の様子を見たからなのか、それとも「様子がおかしい俺に危機感を感じたのかは定かではないが、とにかく美樹と、美奈恵が必死になって俺を説得しようとしていたのだが。その途中で、美奈がいきなり俺に話しかけてきたのである

「セイガ。私が付いて行きましょう。その方が効率が良いと思いますよ?」と言いだしてきたのだ それに対して俺は「確かに美樹達を連れて行くよりも。俺が一人で探しに行く方が良いだろうけど。それは無理だと思うんだ」と言って 断ろうとしたのだが。

「私達が行けば。何かあって死んでしまったとしても。あなたにとって都合の良い存在となる。つまり「あなたに利用価値が生まれるわけですよ。ですから私に考えがあるんですが聞いてみます?まぁどうするか決めなくても良いのでとりあえず聞いてくれますか?話しますよ?まぁ簡単に言えばですけど私はあなたの傍を離れることはしません。もしも私が離れることがあっても、精霊達に私の居場所を知らせるように命令すればいいのですからね」と言われると俺は反論が出来なくなり「じゃあ、俺を護衛するように頼んでくれるのか?」と聞くと「はい、そうしてきますよ。それで、私は今すぐにも動きたい気分ではありますけど、もう少し待ってくれたら。私も準備ができますから。そのつもりで」と言ってからその場を離れて行った。それから数分すると美奈が帰ってきた。

その時には既に聖女も戻って来ていたようで。一緒に居る 美樹が 美樹は「おかえりなさいませ。無事のお戻り嬉しい限りです。それと美奈様ありがとうございます」と頭を下げているのだが。俺はその姿を見て驚いていた 美奈は美樹に向かって笑顔を見せると

「いえいえそんなことより美樹にお願いがあるんだけど、美樹の力で精霊にソフィアの捜索をしてもらって欲しいのだけど。可能かな?」

美樹は少し悩んだ後に「精霊達を操れる時間はどれぐらいですか?」と聞いた。そして「うーん。10分程度かな」と答えると美樹は「わかりました」とだけ言った後に精霊使いの能力を使う為なのか。目を瞑り始めた その行動を俺はただ見ているだけで良かったのかと疑問を感じながらも。見守ったのだ そして、俺の方に近づいてきたので俺は「美樹は精霊を使えるのか?」と尋ねてみたのだ

「そうですね。私の持っているスキルの中には「精霊の加護」が入っていますので、使えますよ。ただあまり多用し過ぎるのも危険ですし。何より私の精神力と魔力も消耗するのです。なので、普段は控えています。今回は状況が状況なだけに使用させてもらいました」と言う それからしばらくした後、美樹に「終わりましたよ」と言われたので俺は「美樹は凄いな」と言うのだが、俺の言葉に照れ臭くなったらしく 俺から距離を取り始めて「恥ずかしいこと言わないでください」と言ってから そっぽを向いてしまい 俺はその事を謝ることにした 美乃が美菜と聖女を連れてやってきた 美乃に美乃のお母さんは

「お久しぶりですね。あなた」と言うのだが。

俺としては「あなたは誰なんだ?記憶喪失になる前は面識でもあったりするのか?」と思ってしまうのだが。

そんな事を思いながら美乃を見つめてみると 美乃が少しばかり怒ったような顔で

「失礼な事を考えていないで下さい。それよりも早く出発しましょう。この場にいる意味はあまり無いはずでしょう?」と言われてしまう 美乃は美樹と同じようなことを言ってくる それから俺が「お前たちはここで待っているんじゃなかったのか?」と言うと

「はい、そのつもりだったのですが。美奈様にソフィアの事を調べる為に精霊達を使い、探して欲しいと頼まれまして。その結果。この街にはソフィアと言う少女はいないことが判明し、また別の町に向かおうと思っていたところですが。そこにたまたま貴方がいて、聖女まで居てくださったから、こうして同行させて貰える事になった訳なんですよ」と言う 俺はその言葉で色々と察したのだが。その事は言わずに黙っていたのだ そして、それからすぐに俺達は旅の準備を終えて 街を出るのであった そして俺が 俺達一行が歩き出して少しした頃。後ろの方から 美樹が「お兄ちゃん大丈夫?」と言うので俺は美樹を見て「美樹こそ疲れてるみたいじゃないか?俺の心配なんかよりも、まずは自分の心配をしとけ」と言うと 美奈が 美奈が美樹と俺の話を聞いてきて「あの、その言い方は、お兄さん的にまずかったと思うよ?ほら、美樹の顔見てごらん?物凄く怒ってるよ?あとね、私にも気遣いは必要だからね」と言った 美樹を見ると本当に怒っているのがわかったので。

俺が「すまねぇな。美樹の心配してやれてなくて。これからはもっと気にかけることにするよ」と、言ってやると美樹が「本当に?」と言い返してくるので 俺は「本当だ」と言うと「本当に本当?」と言われてしまったので「あぁ、本当のことだ」と俺が言い返すと

「ならいいよ。お兄ちゃん許してあげる」と言ってから「もうすぐ街に着くけど。街に入った途端に襲われても良いように警戒はしとこう」と言い出した それを聞いた俺と聖女の二人は「「そうだな」」と言ってから武器を手に取る そのタイミングで、魔物に襲われた その魔物の数は30を超えており、俺と、美奈の二人でも対処出来ない数であり。美樹と美乃の二人でどうにかなる量では無かったので、俺は聖奈と美樹と美奈の三人に美奈が作り出した氷のドームの中で大人しくしていてくれるように指示を出す 俺は一人で戦うことを決意したが、流石にこの数は厳しいと思い。

俺が「この量はちょっと厳しめだし。この先も長いから温存したいんだよなぁ」と呟き。美奈と俺で分担しながら戦うことに決めると 美奈は「分かった。なら私は左を担当するから。セイガは右を担当してくれる?まぁ私が言う前に決めてくれたのが嬉しいからね」と言われて、お互いの意見を汲み取った俺と美奈はそれぞれが担当する場所に移動し始める そして、戦い始めてしばらくして美乃達が「美乃がお兄ちゃん達を守る!」と言って、精霊の力を使って。俺達が戦っている魔物を倒してくれているのだが。数が多い為か、数が減ったように思えないのだ それでも俺と美那が協力して倒していき。ようやく倒し終わる頃には、既に日が落ちていた。だがその頃になると 俺も美亜と連絡が取れるようになっており。

俺が「今からそちらに戻る」と言うと。聖女が俺の服の袖を掴み「私はもう少し一緒にいようと思います」と美樹と美奈が近くに居るのにも関わらず 甘えた声を出しながらそう言ったのである それからしばらく聖女に付き合って、夜を明かした俺は 朝になって美乃が

「美奈は私に付いてくるんだよね?」と言って 美奈は「うん」と言い、美樹は「私とお姉ちゃんは残るけど。お兄ちゃんは一人で平気だもんね」と言われる 俺はそれに対して特に反論することなく、むしろ美樹の気持ちを尊重したかったのもあって。

美樹に

「じゃあいってきますね。お父さん。お土産話を期待してくださいね」と言われると。つい俺は

「あ、あぁ、じゃあ気をつけて行ってくるんだぞ」と言ってしまったのだった。そして 美樹も美樹の母親も俺に向かって微笑みながら手を振ってくれたので俺もそれに応えるように手を振り返すことにした そして俺は美樹達に見送られる形で出発した ちなみに美紀とは美希と一緒に行動することになったようだ。

俺は一人になり。森の中に入って行き探索を行う。

すると俺は森に潜むように佇んでいた。巨大な黒い狼を見つけた その瞬間 美奈の声が聞こえた。俺に対して【念話】をしてきたのだ

「私達の敵ではないよ。だけど、油断しないでね」と その一言だけを言い残して美奈との会話は終わり 俺が目の前の黒狼を見ていると 黒牙と言う名前の魔物の群れのボスで、魔獣使いでもあるらしいと言うことが、すぐに判明した すると、その光景を見ていた美乃は、すぐに自分の従えている精霊達を使い始めたのだった。俺が美乃の方を見ているとその視線に美乃は気づいたらしく、俺に向かって「ここは任せて」と言うのだった 美乃の表情は、どこか余裕そうなものだったので。

美乃を信頼している俺は何も言わずにその場を離れた。そして俺は美乃と別れてから。

森にある薬草を探し始め。そして、見つけたと思ったら、俺はいつの間にやら 真っ白でふわふわしていながらも暖かい。そんな空間に来ていた。そこで俺は美白と名乗る女の子と出会った。その子は天使のような容姿を持ち合わせながらも。なぜか俺を慕う様な発言をするのである そんな俺の思考とは裏腹に 俺は美乃のことを思い出して「今は急いでいる。俺は一刻も早く、魔王を倒す為に旅に出なくてはいけない。だからすまない」とだけ言い放ち 立ち去ろうとするが どうせダメ元で声を掛けてみて、それで反応してくれなかったら、諦めて出ようと。そう思っていたのだが

「どうして?お兄さんには何か目的があるんでしょう?それに今の言い方だと私に会いに来た。そうでしょ?」と言われてしまい。俺は正直困ってしまった そして俺はこの子に俺の目的を伝えた その話を彼女は最後まで聞いてくれた後に俺に質問を投げかけて来た

「お兄さんがそこまでする程のことなのかはわからないけれど。もしもの話をしてもいい?」と言われ。俺は「何でしょうか?」と聞くと その子は真剣に俺を見て言った その目は俺の目を見つめていて。俺に考えろと言っているようで。俺は彼女のその目に見つめられ。動けなくなった。俺が固まったままなのを見てから。美乃は続けて俺に話しかけて来た

「あの、もしも。私達の世界がお兄さんの世界に繋がっていて。お兄さんはそこに行く事が出来るとしたら、どうするかしら?もちろん。その世界の事を私と、私の大切な人達が助けてほしいと言っていたとしても?」と。

俺が「そんな事を言われても。実際に体験しないと信じられないし。俺にとってはそんなことはどうでもよくなってる」と言うと 彼女は目を輝かせながら。「お兄さんはその答えに行き着くまでに。色々な事を経験してるのね。お兄さんのその目を見ただけで。どれだけお兄さんが大変な思いをしたのかがよく分かるもの」と言われた それから、俺は彼女と共に旅を続ける事になった それから、俺達二人だけの旅が始まるのであった。

それから、俺達二人だけが森の奥の方に進む事になったのは良いものの 俺は途中で足止めを食らう事になる なぜなら、美乃の精霊であるミコに「そっちに行くのはまずいかも、だって。お兄ちゃん。そこの先はね?お兄ちゃんにとってあまり好ましくない状況になっているから」と言われたからだ 美乃の言う通りに俺の本能というべきな物が何を示しているかを俺が確認しようとした時に。俺よりも先に動いたのはミコであり。そして美乃は。俺に指示を飛ばしてきた

「その先の状況は分からないけれど。とりあえず私はこっちに行ってみるよ?お兄ちゃんはこの辺り一帯を探してみてくれるかな?多分大丈夫だと思うからさ」と言って美乃とミウが別々の方向に向かった それを見て俺は美奈の事を思い出す 俺は「美奈!今からそちらに向かう」と叫ぶが返事がない。美奈からは返答がなく 俺は焦り始めるが、落ち着こうとする しかし、俺がそうしていたその時 突如として 頭の中に映像が映し出される 俺はその事に驚きを隠せないでいた そして俺の頭の中の映像が切り替わる そこには見たことのない魔物と戦っている美乃の姿があった それは今まで戦っていた奴よりも大きく。そして美乃を睨みつけているのを見ると、かなり強い個体なのだと思うが。それでも美乃の方が上なのは間違いないだろうと思っていた そして美乃は苦戦しながらもどうにか倒したのを確認して安心したのも束の間。俺はまたも別の場所が襲われている場面を目撃することになる。その場所は美那や美樹と美亜と美希が魔物と戦闘を繰り広げており、俺の妹達が苦戦していてもおかしくないような場所であり 美奈が居たら確実に勝てるだろうと思えるくらいの魔物と戦える場所でもあった。俺の直感ではあるのだろうが、この場所は危険すぎる。

俺は美耶の事を思うが 今、美耶を助けられる人間はいないと理解してしまう だが俺はこの時、妹達を助けるために走り出し。そして俺はこの世界で一番最初に戦った相手と対峙していた。俺が遭遇した。いや、正確に言えば、この俺と敵対している相手とは初めて会うのだが この俺を見ている限り。敵意剥き出しで。こちらをずっと観察するような視線で見て来ている。俺も負けじと相手の顔を見るが 美奈に少し似てはいるのだが 髪の色は白くて肌の色も同じだったのだが、雰囲気が違うのだ。美亜はもっと優しくて包容力のある印象を受けるのだが。こいつはなんと言うか、高圧的な態度を取るタイプで。俺が知っているあいつとは別人のように感じる そして美亜に似ている。いやその容姿が似ているせいか、どうしても美亜を連想してしまい、目の前にいる相手が美亜じゃないとはわかっているはずなのに。美亜が今俺の前に立っていて、俺はその美亜と相対しており、俺の事を睨みつけて来るのかもしれない。

そんなことを考えてしまう だが美奈の事は絶対に守り抜いて見せる 美奈は美亜に似ていなくても 美樹と美奈とは似ている。そんな感じがしたのだ 俺は美那の事も心配で仕方がなかったが。俺が一番守るべき人間は美乃だ。

俺は俺自身に対して お前なら美那と美樹の二人を守ることができる そして美奈を守ってやることが出来るはずだ そう言い聞かせ 美奈の元に駆けつけようとした 俺はそうやって 自分の意識を保つことに集中をし始めた すると、いつの間にか俺の視界から。白い壁のようなものが見え始めて。俺がそれに手を当てると扉が現れた そしてその先へ進むことにした。

俺が歩いているとその途中に美乃の事が心配になり 俺に助けを求めてきている美奈と会話を始めると その声に美奈が答えてくれた。どうやら美那も無事に助け出すことができたらしく。俺は美乃と美菜と一緒に合流すると美希も無事に合流してきて 俺が三人に向かって もう美亜の件は終わったんだ 今は目の前の敵をどうにかすることに集中するぞ と。それだけを告げた 美奈の話では。魔物の強さは今までの敵とは格別だと思え そして美乃に魔物の攻撃が当たるが 俺はすぐに間に入って防御を行う 美玖と美乃の精霊が攻撃を行うが。俺が美奈達を庇う為に。その攻撃を受け止めると 美乃が悲痛な声で俺の名を呼ぶのが聞こえ。そして俺を後ろへと押し返して来て 俺は「何をしている!」と言うと 美乃が「お兄ちゃんが死ぬ必要なんて無いの。だから、ここは私が」と 俺は美乃のその言葉を遮って「俺は死なねぇよ」と 俺が言うと

「そうだよね。お兄ちゃんは、そういう所は本当に昔から変わっていないのだから」と そう言って 再び攻撃を仕掛けて行く美乃。そんな美乃を見て

「どうしてそこまで頑張れるんだよ?どうしてだよ?」と言ってしまい。

それに対して、俺を見ていたはずの彼女の表情が変わることは無かったのだが。一瞬だけ、寂しそうな表情になったように見えた。その表情の変化には気がついたのだったが、今のこの状況で。余計な思考を働かせていて、攻撃をくらった場合 その隙を突いて、魔物の攻撃が俺に向けられる可能性があったのが怖くて、どうしようもなかった。

ただ俺は必死で戦い続けたが。次第に俺達四人は追い詰められ始め 美宇が限界を迎え始めた時に。俺達のところに美奈が現れて それからは何とか美奈のおかげで助かったと思ったのも束の間 魔物の一撃を受けて美亜が死にかけた際に美乃が暴走を起こしてしまった その美乃を止める為に美希が俺達に話しかけて来るが、俺は美亜と美樹のことで一杯いっぱいになっていた。美亜と美樹と同じような見た目をした少女が。俺に話しかけてくるのを見て。俺は冷静さを失いそうになってくる

「貴方達。この子達の為に命をかける覚悟はあるかしら?」と言われ 俺は 美奈のことも 美亜のことも 美樹の事も 美乃の事でさえも。どうにもできないという無念さと、そして、美樹を救い出せなかった後悔のせいで、気がつけば、怒りが爆発してしまい 俺の体が光だし。それと同時に俺は自分自身の能力の全てを開放した その状態で美那の元へ向かう そして俺は美那と話をするが 俺の声を聞いてくれているのか、聞いていないか。それは分からなかった。俺は美奈や美樹。それと俺の妻と。家族全員の顔を見てから 俺は「俺が時間を稼ぐ。その内に逃げる準備をしてくれ」と言って 俺一人で魔物と戦い始めたのであった。

俺が魔物と戦っている間に 俺の子供達と美奈と美乃と美亜と美紀は森の外へと向かうが そこで待っていた人物達は美那が言っていた人達とは違い。そして、その集団は「貴様は誰だ!?」「私達が分からないのかい!?私達の仲間が殺されているというのにも関わらず。お前がのうのうとしているのは許せない!!殺しても構わない存在なのだ!だが。私達は仲間に止めてくれと言われた!私も。私も、こいつを殺したくなるが、それでも。私はお前を殺すのを躊躇ってしまった!だから私の代わりに!そっちのお嬢さんに頼んでもいいかな?あの子は私の気持ちが分かってくれるはずだからね」と 言われ 俺は魔物との戦闘中に そいつらの話を聞き 俺はそいつらを気絶させてから美乃達を追いかけるように促すと 俺は魔物との激しい攻防を続ける事になり。その最中。俺に話しかけて来た女性 美耶の母親であり。俺の妻である人が。

「あなた。私をもう一度。いえ。何度も呼べないと思うから。これが最初で最後の呼びかけになるから。よく聞いて欲しい。貴方はこの世界の救世主なんだ。そして美奈ちゃんがその娘であり、美香ちゃんと美那と美樹がその姉であり、美希と美恵は美亜の子供でもあるの。そしてこの魔物を倒せるのは美乃しか居なくて、そして、この魔物を倒すことが出来なければ、この世界が終わってしまう。だから美乃の事。お願い。守ってくれると信じている。美央と美月も。この世界に残りたいと思っているけど。美亜が美亜達が居なくなってしまったのなら、それは嫌だと思っていて、でも、このままでは美乃は魔物によって命を落とすことになる。美亜と同じように命を落とすかもしれないの。だけど、そうはさせない。させたくないの。だから。お願い。魔物を倒してください。そして、美乃を守ってください」と 俺はそれを聞いていたので 俺の奥さんのその想いに応えるべく 俺が今出来ること。いや。今じゃなければいけない事をやることにした。俺が魔物に対して魔法を繰り出しながら、俺の体の中にある全ての力を解き放つと 俺はその魔力を全て剣に変え それで斬りかかるが やはりダメージがあまり入っていないように見え 俺はそれを見て焦り始める 俺はそんな状況の中でも 奥の手を使うことに決めて。このスキルを使用する そう、俺の持つ。いや、この世界が持つ固有能力。神性召喚を だが、その効果を発揮する為の条件があり。それが 一度。自分の中にいる俺の眷属を具現化させることだったのだ そして俺は自分の中から一柱の神性を具現化させる 俺が呼び出したのは戦の女神のリリアナ その力を一時的に借りると。俺は魔物に攻撃を仕掛けるが やはり。ダメージを与えれないままに戦闘を続行していた 俺はそんな時、突然。俺の中に戻っていたはずの 戦の女神の力を使い。一瞬だけ。俺の姿は人間とはかけ離れた姿へと変貌した 俺はその姿のまま。さらに強くなっていく そうすると美乃の事を気にしながら戦ったこともあり 魔物相手に大技を仕掛けようとしたのだが。美乃の身に何か危険があるのではないかと思い。一旦 美乃の傍に行くと 俺の姿を見て驚いてしまったのか 少し戸惑っている美乃がいたのが分かった そんな俺を庇うかのように美乃は魔物の前に立ちふさがったのだ そして俺は。俺と同じような容姿をしている美那を目の前に そして俺は俺自身のことを「美奈を守ると約束しただろうが」と自分に叱咤する 俺のその言葉で俺は冷静さを取り戻すことが出来たのだが その時、美那が 魔物に向かって攻撃を行ったのだが その攻撃を受け止めた瞬間。美那の攻撃は無効化されてしまい 俺は美乃の事を美亜の方に向かわせてから 美那と一緒に魔物と戦うことにする そうすると俺達の攻撃は確実に通るようになり。

次第に魔物はボロボロの状態になっていった そうすると美那は美亜の元へ駆けつけて。

そして俺の意識はそこで途切れた そうして目が覚めると。そこは見知らぬ場所で 隣を見ると美那が眠っており その横には美那を優しく見守っていた美樹の姿が そして俺が起きたことに美亜が気づくと 私は美乃よと 彼女は言って来たので 俺が美宇ですと言うと 驚いた表情をしていた 俺は美亜の事情を説明することにした

「俺の名前は黒羽優華と言います。実は俺はこの世界の人間ではなく。別の世界で。美乃と出会っています その時に 俺は彼女と結婚をして 美乃の娘と妹。それと娘の子供とも出会いました 俺がこの世界を救わなくてはならない。その役目を与えられた者だからです そのせいで 美亜さんを助ける事が出来ずに 申し訳ございませんでした」と頭を下げると 俺の言葉を聞いた美亜は美那の方を見て 私が知っている限りの情報を話し始め そうすると。美那が美亜のことを責め始めてしまった。だが俺は美亜の話を止めることはなく ただ。俺と美樹が。美奈のことを助けに行った時の話。それから美奈の話をすることになってしまっていた。そして俺は美亜から聞かされていた話の全てを知り、どうして俺を召喚する必要があったのかを察してしまう。俺はそれから美樹と美乃と話し合いをする事になるのだが。そこにやってきた人物達に驚くことになり 美那が「私は美亜だ!」と言った後に「俺は優樹。君達の事を知っており。そして助けに来るのが遅れた。俺の大切な人達が犠牲になってしまった。すまなかった」と言われて 俺達が唖然としている時に美那は 俺に謝ってきてくれた「優斗様。貴方にこんなことを言う資格はないのですが。貴方が私達のところへ来る必要はありませんでした。貴方が私達のために頑張ってくれていたことは知っていました。私達は貴方が美亜の旦那様だと知っていたからこそ。あえて何も言わなかったのです。私達が貴方と出会えば貴方の邪魔になってしまうのではと思ったのです。私達がこの世界に来てしまった時点で、私達の存在はもう消えてしまっていると思っていたからなんです。それに美亜は、あの子はずっと泣いていて、この子の為に。貴方にあんな酷い言葉を言った。本当にごめんなさい」と そう言いながらも。涙を流しながら。そして、俺を見ていた美亜が泣き始めて。

そして俺は。俺に話しかけてくれた人物 美那が美樹の妹である。そして俺は彼女が 自分の事を。俺と同じ名前を名乗った事の意味を知る そしてその言葉を聞いて 俺はどうしたらいいのか 分からなくなってしまい 美樹が必死にフォローをしてくれる中 美亜も俺に抱きつき。そして 二人から抱きしめられつつ 俺も泣くことしかできなかったのであった そしてその後、俺と美那以外の三姉妹は城に戻る事になったのであるが。その際に。美那だけはここに残ると言って。残ってもらうことになったのであった。美亜の希望により。彼女の身の回りのお世話をするという条件で そんな感じで話が進んでいく中で。美奈達はこの場に留まることを決めてしまうのだが。そうなってしまうと。これからこの世界が滅ぶまでの間。この場所で過ごすことになる だが俺は美亜が。この先どのような未来を歩むつもりなのかを聞くと。

「美亜の好きなようにさせてあげてください。私はこの子の幸せが願いなのです。私達のせいで辛い目に合わせてしまっていたのだから。美乃は美乃で私に気を遣いすぎだし。私はただ美乃の気持ちを。私と美亜の気持ちを理解していて欲しかっただけなのに。それが上手く行かなかっただけだから」と美樹に言われ。美樹は優しい顔で美亜を見てから美那に視線を向けると

「私はお母さんの言う事を聞きますから」

と 俺が思っているような感情ではないことが分かり 美那も、そして美耶と美紀と美耶が居なくなったことで。寂しいと感じて居るはずであろう美希も。美耶の分まで頑張ろうとしていて それを感じた美樹は 俺に しばらく美亜の事を守って欲しい。お願いします。と お願いされてしまったのであった。

俺は美那と共に、この国に残ることを決意してくれた四人の姉妹を連れて帰る為に、俺の妻である三人と美亜、それと護衛の為の者達を呼んでもらい。美亜には美菜、美央、美香の事をよろしく頼むと伝えると 俺は、妻達が待っている家に戻ると 皆の無事を喜んでくれており。

俺はまず最初に美乃と美那、そして美樹と美那に美亜の事を託すことを伝えた後 この世界での事を。今までの話を簡単に説明をしたのだ。

そうして俺達は一旦解散となり それぞれが自分の部屋に戻ったのである それから暫くの間。それぞれが行動を開始していたのだが そんな時、俺とソフィアに神界からの通信が入った 神界の方から俺に連絡してくるということは緊急事態の可能性が高い為 俺も神格化してからその相手と連絡を取り始める そうして、その相手はリリアナだったので俺は少し安心していたのだ リリアナは少し困っていることがあり 俺は、すぐに行くので待っていてほしいとリリアナに伝え 俺はそのまま、急いで転移を使い。神域にある、俺の家に向かうと そこでは美亜と美樹。そして美樹の娘である美亜が 神界に来てくれるという。だが、俺は美那にも来て貰い。そして俺の家に待機をするようにお願いすると、神域にいる、美樹の娘。つまり、美樹の従姉弟の 天月美樹、海月美紗、神野美咲、星宮沙羅。の五人が俺に挨拶をしにやって来ていたのであった そんな状況になっているとは思わずに俺は とりあえず俺は、リリアナに事情を話すように伝える そうすると、美樹に呼ばれたリリアンが慌てて駆けつけてきて そして、何故か。俺の前に、俺の娘でもある。

女神のリリアナと、美樹が呼び出した勇者の魂と肉体を持っている美亜と美樹の子供の 双子で。双子の女の子の。美那。と美耶。の六名がこの家に訪れることになり。美乃は俺が連れてきた嫁と そして俺は。自分の娘達と会うと美乃の娘。俺と血が繋がっている。そして俺の娘の美亜と美樹の娘の美亜と一緒に仲良くお喋りをしていた。俺の娘であり俺の奥さんになる美亜と そして美乃が俺と美亜を引き合わせて。その時に意気投合してしまい。俺の家族に溶け込むことが出来たのだが 俺は美亜に。自分の母親と一緒に過ごす時間を作るように声をかけると。

俺が声を掛けてから一時間が経過した頃。二人は二人で話したいことがある。と言う事だったのだが 美亜は、自分から。私から美亜に話しがあるから。と言っていた。そうして美亜は 俺に対して。私が今こうして美亜と一緒の空間に存在している理由は何かと質問をされてしまい 俺は答えられる範囲で美亜に伝えると その返事として、俺が元の世界に戻ってしまった場合 私が美亜の中に存在し続けられる時間はそう長くないと 美亜は告げてきてくれた。そう言われた俺だったが。その言葉の意味を深く考えることはせずに 今は美亜の話を聞く事に集中をして。

美亜は美亜が体験した過去の話をしてくれて。

美亜は 私の存在が消えかけている。もうそろそろ消えると思う。だから私の最後のわがままを。許してほしい。

私は。貴方のことが大好きでした。貴方の優しさと 私の為に頑張ってくれている姿を見ている内に、心を奪われてしまったからです。貴方の側にいて。私はずっと貴方のことを見ていました。そして、美亜ちゃんが産まれるまでのことも見て来たの 美亜が産む前からずっと、私は貴方の事が大好きなんです。でもそれは叶わない。だからこそ。私が美亜に残したものは、私の思いと。私が愛した優斗さんの思い出だけです。そして私がいなくなった後も、美亜と、美亜の子供達の事を見守っています。だから私は、自分の存在をかけて。美亜を、美亜の子供を助けに行くと決めました。だけど、優斗様。

美亜を助け出す時に、もしも私が力を失っていても、どうかお願いを聞いていただけないでしょうか? そうして、その話を聞いた俺の頭の中に浮かんできたのは あの日 俺は美那を救い。そして助けてあげる事が出来て本当に良かったと思っている。

あの子もまた。俺の大切な家族の一人なのだ。

だからこそ俺は。美亜の話を聞き。俺は

「俺の力が必要ならば、遠慮無く言ってください」と告げると

「ありがとうございます。それでお願いなのですけど。私の中にある力が。優斗様の力を欲しているのです。優斗様と一つになりたい。優斗様と触れ合っていれば私はまだ生き続ける事ができると思えるのです。こんな事を言うとおかしいと思われるかもしれませんし。気持ち悪いと思われたとしても構いません。私は。私は。ただあなたを好きになってしまったのです。この想いはきっと。誰にも負けることは無いと断言出来ますから」と言いながら 美亜は泣き始めてしまうのだった そして俺は 俺と繋がりたいと願っているのであればそれを拒まない。

ただその代わりに、俺に美亜の事を大切にして欲しいと願いを込めてくる美亜に 美亜を必ず救うと約束する。

美亜は

「嬉しい。これで。やっと美亜と会えるのですね。美亜には寂しい思いをさせたくないから。美亜には。これから幸せを掴んでもらいたい。その為には。美亜と美亜のお腹の中の子供を無事に出産してもらう必要がある。それが出来るように全力を尽くすことを誓おう」俺は美亜に 俺に全てを託すと 言ってくれ。俺に。これからの事を全て託すと言ってくれた美亜に感謝の言葉を掛ける そうして 俺は。俺の中で眠っている。全ての能力と魔力を解放し。更に美亜を俺の中へと誘う為に美亜を抱き寄せると、美亜も抵抗する事もなく俺の身体に身を預け。

美亜は俺に身を任せてくれると

「私を受け入れてもらえる事。嬉しく思います。私は、優斗様を愛しています」と。そして「私の事を絶対に忘れないように。しっかりと。心に刻ませてもらいますね。私は優斗様に一生を捧げるつもりです」そう言ったのであった 俺の頭の中では、色々な思考や感情が渦巻いている状態ではあったのだが その前にまず、一番先に確認しておかなければいけない事を確認する 俺はリリアナに、美亜にリリアナが与えた。加護と祝福の件について聞いてみると リリアナは、美奈がリリアナから与えられた恩恵のスキルを使ってくれていたらしく 俺はリリアナのステータス画面を見てみたのだが 美那は美亜に。美亜は美奈に お互いの名前を付けることにより お互いに影響を与えあい。その二人に名前を付けたことによって。リリアナが美亜に与えてくれた恩恵のスキルの効果がより強力なものになっていたようで 俺も知らなかった情報だった為。

そして、リリアナが、何故俺に対してそんな事をしてくれたのかを聞いて見ると リリアンは自分の命を犠牲にしても、美亜と、美亜の子供を守りたかった。美亜もリリアナにそう伝えていたそうで それを聞いたリリアナとしては。俺と結ばれて俺の子供を授かれば、もしかしたらリリアナが生きていたという記憶を持った子が残してくれるのではないかと考えていて。そうすればリリアナという女がいたという事実が残る。

それが、リリアナにとって唯一の心残りだった。そう話していたそうで。そして、そんな事を思っていたからこそ、俺の妻達が全員、子供を産むことが出来るようになるという奇跡的な現象が起きたのではないかと思っていたらしいのだ。だから俺と結ばれるまでは美亜とリリアナの間には子供が出来ず。俺と出会ってからは直ぐに美亜が妊娠したと そんな話を聞けば。リリアナがどれだけの葛藤を抱えてリリアナが行動していたかを理解できたのである リリアナに 美亜との会話の内容と、今の現状を説明し。俺に、美亜を助ける為に協力して欲しいと頼んできたので俺は了承した それから数日後。

美那が。天月から、美那が、美那の中に存在する神様。そして女神様の力で俺に話しかけてくる事が多くなってきた どうも俺の精神の中に存在している。天月美樹の娘である天月美沙と、星宮沙羅の娘である星宮紗羅。の二人が俺に美亜に自分の意思を伝えるように働きかけてきたそうで。そして俺は美亜と話して。俺は俺の出来る事をして美亜と美亜の子を守ると そう美亜に伝えたのであった 俺の娘でもある美亜を。

リリアナの俺の子供を産み育てると決めた そして、この世界では俺と血の繋がった娘達を守れる存在になる だから俺は美亜に

「私は私の持っている力と知恵を駆使して美亜とその子供達を守ろうと思います。私の大切な人達ですから。私の大好きな人なんです。美亜も。美亜の子供も同じくらい大切に思っていますから。私は自分の子供達の為にも頑張りますから」と。そう伝えると美亜は。涙を浮かべながらも俺に笑顔を見せて。私に何かできることはないですか?と。私に、できることがあれば何でもやり遂げようと思い 美亜に俺は 今はまだ無理だと思うけど、もし美亜が俺の娘を産めるようになった時、その時は、美亜が母親として。この世界に生きる人々の母親となってほしい 俺がこの世界で得た知識と力の全てを使い。そして俺の娘を、この世界の子供達の母親を どうか頼む。と伝えた 俺の言葉を受けた美亜は。涙を流しながら、はい。私でよければ喜んでと そう言って、俺の娘達の事を支えてほしいと 俺の力不足で辛い想いをさせることは沢山あるだろうが、どうかよろしくお願いします。と美亜に伝え 美亜は俺の言葉を聞くと、私の方からお願いしたいぐらいでしたと その返事を聞くことが出来たのであった。

俺は、自分が知っている限りの魔法を全て使って その効果を試しながら、使えるかどうかを色々と確認をしていたのだが。その実験を邪魔する存在が現れ その存在が現れたことで

「私の存在を知っておきつつ、私の存在を知ろうとせず、ただひたすら己を高めることに時間を割いていた。私の存在は貴方の頭の中で鳴り響き続けていたのに。どうして無視し続けるような事を続けていたんですか?」

俺にそんな事を言って来た存在は、この世界を作り出した女神の一人である、美奈の姉でもあり。そして俺に加護と祝福を与えてくれていた神でもあった。

そしてその神の事を 俺は思い出すことは出来たものの。思い出せただけで。それ以上を思い出す事は出来なかった

「私は貴方のことを見ていたんですよ?なのに貴方は何も反応してくれなかったから。私は寂しかったんですよ?私は美那から力を貰い。こうして私のことを認識し。私のことを認識できるようになったのであれば。貴方には。私からの恩寵を与える事が出来るのです。だから。だから。その前に、少しは、私のことも考えてほかったのに私は貴方のことが好きです。美那と一緒ですよ?美那とは、ずっと、一緒にいましたからね。だから美那と同じように。私が与える事のできる能力は全て与えましょう」

そして俺に向かって、微笑んだ後

「そして、私が貴方に与えることのできる恩恵も。全ての恩恵を与えた後に、最後に私が貴男に与えられるのはこの恩恵になります。これは私からのお願いでもあります。私が貴方に渡せるのはここまで。ここから先は私が干渉しすぎてはいけないの」と。

「ありがとうございます」俺はそう言いながら、俺を好きになってくれた事に感謝を告げて 俺が美耶の事が好きな事を告げると。「私の妹は。私にとっては大切な友達だったのですから。私も応援しています。そして妹を救ってくれた。この世界の人間ではないあなたに。お礼を言いたいところではあるのですけど。あなたは。この世界の。あなたを好いてくれた人達。そして、美那に、力を貸すつもりなのでしょうから。これ以上。私が、余計なことをするわけにはいかないから、これで我慢してちょうだい」と。その言葉を聞きながら。

俺はその声を耳にした後意識が暗転していった 気が付くと俺は森の中を歩いていた。その森に漂う雰囲気を懐かしいと感じると、何故か俺はその場所に立っている事に違和感を覚えてしまった それから数日 俺は森の中を歩き続ける 時折魔獣に襲われるが 俺は剣を振りかざす。すると目の前に現れるのは俺が振った事によって発生した真空波で切り裂かれた。肉片と血液が周囲に飛び散るのだが、それを見る俺の心は痛みを感じない ただ。無感情。

そう言うしかない 俺が、美亜の事を思う気持ちが。俺に美亜の無事を願ってくれる者達の声を届かせるのならば 俺はこの場に美亜はいないと分かっていても、 美亜の身を案じ 美亜の安全を願う為に 戦い続けたのである

「美亜の身体は大丈夫なのかしら。私の可愛い娘の身体に。私の命を分け与えた身体が」と。心配している神様が一人いるのも知らずに 俺は、俺が振るう事で発生させた真空波で、襲ってきた狼型のモンスターの首を切断していくと突然。空間が歪んで。

そこから現れる存在が居たので 俺は身構えると、「ちょっと待ちなさい。貴方。美亜と優斗の子供なんでしょう?」と問いかけてくるので

「あ、はい。確かに僕は優斗の息子であり。そして、美亜と優斗の子ですが」と答えると 神様だと名乗った存在の人は 美亜の母。つまり美沙や紗羅にそっくりな姿をしていたので驚いてしまい 思わず固まってしまうと 俺の反応がおかしかったのか。クスッと笑い 俺に対して

「私の顔をみて驚いた顔で固まるなんて失礼ねぇ。それに私はそんなにも若く見えるかしら?これでも500年くらい生きていて。人間の感覚で言うなら50歳を超えているんだけど。それでも私は若いと思う?」と聞いてきたので

「え、はい。凄く美人さんだと思います。僕の親が。二人とも美亜に似て綺麗ですけど。あなたの方が美亜に似ているように思えたのはきっと僕がまだ幼かったせいですね。それと年齢の事なんですが。僕の母も、美亜のお姉さんもまだ30前くらいの見た目だったので。多分だけど、人の姿で言えば、そのくらいに見えると思いますよ。と伝えました

「そう。まぁそれはそれで構わないのよね。私ってば女神で、そしてこの世界で神と呼ばれる者だから。不老不死の力が備わっていて。容姿だってある程度は自由にできるもの。ちなみに美亜もそうなっていて。優斗の愛を受け入れたから、美亜も私と同じく。永遠の美貌を手に入れられたはずなのよ。あの子が望めば永遠に。そして、私みたいに。私よりも遥かに強くなって、私の事を圧倒出来るだけの力を持っていて、私を守れるだけの存在になれたかもしれないのに」

「あの、話が変わってきてませんか?それよりも聞き逃せない言葉がありましたけど、美亜ちゃんがあなたの事を圧倒出来るほどに強くなっている?というか。そんな事ができるんですか?そして何故。それをしなかったのでしょうか?と。それが気になってしまったので教えてください」

「そう、じゃぁ。少しは美亜の事も話してあげないとダメだから。簡単に話すわよ。まず最初に美亜についてね。私の娘は私のことを守ると。だから美亜は私を守る為の力を手にする道を選んだ。その為に私の事を守る力と強さを求めた。私の力を受けとめる器として、私が認めたから、その力を受け入れても大丈夫なくらいまで、成長出来たから、私が認めることができた。私の力は美亜の物になった。だから美亜がどれだけ頑張っても私は、美亜の前から姿を消したりしないから安心してほしいと。そう伝えたからなのよ。あと一つ理由を言うとすれば。優也と美奈と紗羅。そして私と美亜の姉妹全員。美亜は優哉の子供を生むと決めているらしいけど、私は美亜が美亜自身の意志と願いを優先してほしいと思っているから。私から美亜をどうこうしようと言う気持ちはない。むしろ。美亜の意志と願いを優先するから、美亜の好きな様にすればいいのよ」と言ってくれたのである 俺が俺の母親。俺の姉がこの世界に残した力を受け継ぐのは良い事だし、嬉しい事でもあると俺は思っていますよ だから。美亜の気持ちを無視して無理やり力を継承させる事は無いんですか?

「貴方の母親で有る私の意思を継いで欲しいとは思うけどね?でもその力を無理矢理に受け継いだところで。その力で誰かを傷つける事になるだけだからね。だから美亜にはその事を伝えてあるし。だからね?私が貴方に望むのは私の子供だからじゃない。貴方だから頼むことなの」

俺だから頼む事ですか?「うん、そうだよ?君だから頼むんだよ?私の加護も祝福も受け継いでいない。でもね貴方にはある素質が備わっているの。そしてその力が覚醒したら貴方の持っている全ての能力を引き出せてしまう存在になれるからね?」と言われたのだ

「貴方の持つその力は貴方が貴方の事を心から守りたいと思い、愛する人。貴方を愛する人に、そして貴方を貴方の家族を仲間を守りたいと思えるのであれば。その力を使うことができるようになるからね」

俺はその話を聞いた時。自分がその能力を得た時に。どんな事が出来るようになり。

そして俺の大切な人が危険にさらされた際に。俺が俺をどのように使い。俺の仲間達がどのような行動を取るのかが。俺にはわかってしまった それからしばらくして俺は森を抜けて街にたどり着くと。そこには見慣れた光景が待っていた そして俺はその街並みを見て懐かしさを感じると。なぜかその街の中に俺と俺の父を知る人物達の顔を見つけてしまい 俺は思わずその人達の方に近づいて行った すると父である優哉によく似た風貌をしている男性に話しかけられ その男性が美亜の父親。優弥だという事を思い出し。

美那は今何処に居るのかを聞くと。

「ああ、俺の義理の妹達もお前と同じだよ。美那達は今もなお美沙と一緒に旅を続けていてね。俺は美亜が心配なのと、お前がここに来たと美亜が知らせてくれて。迎えに来た所だったんだ」と言われ 俺はその言葉を聞いて美亜と会える事を楽しみにしているのだった 俺がこの異世界に来てから2週間以上経ち 俺は毎日のようにモンスターと戦う生活をしていて。俺が俺の身体を傷付けながら戦い続けると 少しずつだが、俺のステータスも上昇していた。俺のレベルが10になると。俺はレベル1に戻るのを繰り返し そのおかげで俺の身体の痛みも、そして俺の体力や怪我の状態など、全てリセットされるようになっていた。そして 俺はこの異界に来る前は、俺のレベルの上限は50であったはずだと。神様に言われた事があるのだが この世界の神様が 俺に

「君は。私と美亜の力を受け継いでくれたけど。貴方に元々与えられていた能力はそのままにしてあるのよ。貴方には本来なら上限があるはずなのに。その限界を私が解放したの。だから貴方は私の能力を。美亜の能力を使うことが出来るようになっているの。私が許可を出すまでは使うことが出来ないんだけど。私が許可を出せば美亜の固有魔法が使える様になっている。だから、美亜は私の許可なく、美亜のスキルを使った事は、美亜は私と美亜の秘密だと、言ってる。それに私の力を使っていると、貴方は美亜の魔力を使えなくなるから、美亜は私の力が貴方に移ってしまうと、そう思ったのかもしれないわ」

そう言われ 俺が、俺の力が。この世界で美亜と俺の両親を真似て作られた存在では無く。

俺自身が作り出したものだと知って俺は この世界に存在する俺に良く似た人間を俺と同じように作り出し。この世界で生活させているのではないか? 俺と同じような境遇の子供達に美亜と俺の母が救いの手を差し伸べ 美亜と俺の母親が。

この世界を救おうとしているのではないだろうかと考えてしまう。そして 俺はその考えが合っている事を祈るのと同時に。その事実を知り。この世界にいる、この異界に住む美亜の母。

そして美亜の姉。二人の神様の力を受け継いだ者達に会いたいと思うようになっていったのである 俺の母さんと姉さんの神様が残した。俺と美亜だけが持つ特殊な能力は。

美亜のお父さんとお母さんが使っていた能力で。俺が受け継いだ能力だと言っていたので 俺は自分の力について、母さんに聞いたら

「ええ。そうよ?優斗と美亜の二人が受け継ぐはずだった力だけど。二人はもう居ないから。優斗は私達の血を継ぐ子。優斗に受け継がれるのは仕方が無い事だけど。美亜と貴方だけは違うわよ?だって貴方はこの私の血を引く、美亜の弟なんだもの。だからね?美亜が貴方に力を与えたように。私も貴方に与えたのよ?私の血を持つ貴方なら、その力が扱えるだろうと思って。そして。貴方は私が美亜と美亜の子に授けた、この世界で美亜と私にしか与えられなかったはずの特別な力を。私と美亜が授かった力と、そして美亜の力を引き継いだ貴方なら、きっと扱えて、この世界で。そしてこの異界で生きていけると思ったから。だから貴方の力になったのよ?」と母さんは言っていたのを覚えている 美亜の両親の力と能力。母さんから引き継いだ力と、そして母さんと美亜だけが持っている力。それは俺の力になっていて だから母さんに、俺は美亜ちゃんに、お姉さんがいるかどうか聞いてみた

「優斗に姉がいたとしても。それは優斗のお姉さんとは違うのよ?まぁ優斗と優菜ちゃんが結婚した時に、私の力の一部を。優斗に渡してはいたのだけど。それはね?私に優斗が生まれた時の、この世に生まれたばかりの優斗の姿を見ていてほしくて。そして貴方の事が本当に愛しくて可愛く思えたから。優奈はね。本当は優香って名前にする予定だったけど。優華にしようと決めていたの。だって私の大切な人の子供に優華と付けたいと思っていたから。貴方の名前は優斗なの。私が名付けたの。優亜と優華に付けるつもりで考えていたから。貴方はね?美亜の力を受け継ぐ運命を持った、私の可愛い一人息子で、そして私が大切に想っている、私の大好きな娘でもあるの。そんな娘の弟の貴方の事を大切にしないわけがないじゃない?」と言い「それに私はね?私の血を引き継ぐ。この世界で生きていけると信じられる人だけ。その人の力になりたかったの。美亜はね?貴方の本当の弟なの。私は貴方が生まれる前に死んでいるけど、でも。私は今でもずっと貴方を見ているし、美亜のことを、美亞を愛しているからね。だから私はね。二人のためにも、そして、美亜の為に。美奈はね?優斗。貴女のもう一人の姉の事よ。私達の娘で美奈という名前になるはずだったけど。でもね。貴方が生まれて。私はね。優奈じゃなくて、優斗が良かったなって思ってたの。優奈には可哀相なことをしちゃったけど。あの子のことが好きだったから。でも美亜の幸せを願って、貴方の事は産むと決めていたのよ?」と言われた 母さんのこの言葉が嘘なのか本当なのか俺にはわからないが。でも、母さんが俺に対して抱いていた想いを知って そして俺は俺と俺の母親である、俺と真白が暮らしていた家に住み着くモンスター達と戦い続けていた すると俺のレベルが20になって。【剣術の天才】と言うユニークスキルを手に入れたのだ。

俺の固有能力の一つ。「神速再生」は。俺が死ぬほど受けた痛みも怪我も。そして俺の体力と怪我を治す効果があった。俺の身体にある俺の全ての傷と俺の命を繋げるために俺自身の能力が発動すると 俺の身体は瞬時に癒されて。そして俺は俺自身を何度も死に追い詰めた。

俺と俺の父親に似た存在との戦いに勝利することが出来たのだ。

俺のレベルが50になると。レベルは1に戻った。俺と、俺の父親と似たような姿形をした男達。そしてその仲間と思われる、同じ姿をした、人間とモンスターが混ざり合ったような生き物を倒し続けて行くと。俺のレベルが1に戻り。俺はこの世界に俺と同じ容姿をしている。俺とよく似た顔をしている存在がいないかを探し続けた しかし。

いくら探しても。

どこにも俺に良く似た。いや、俺と真白に似ている顔の人物を見つけることが出来なかったのだった。

俺と同じ名前の人間を俺の世界に残すことで。

そして、その人間の子孫を残していけば。俺は俺の家族にまた会えるのではないかと思っている それから俺はこの異世界に召喚される前の事を思い出すと 俺の父親は俺の目の前に現れるたびに俺に暴力を振るってきた その理由を聞いたことがある。「俺はお前の父親である美那の兄貴と親友同士で仲がよかったんだが。美那の父親が病気にかかって。俺は美那と二人でその看病をしていてな。だが、ある時美那が父親を連れて逃げた。その美那が俺達の前に戻ってきた時、美那の父親が死んだ後、その遺産を巡って美那と喧嘩になったんだよ。その時、俺と俺の妹は美那を庇って、お前達から逃げ出したんだ」と言われ 俺が「美那さんとその兄。お父さんはその後どうなったの?」と言ってしまった。その言葉に俺の父親似の姿をしていた男が

「ああ?あいつらがどうして俺達が今いる所まで来てると思う?それはだな。俺達はお前達の国から逃げ出してから。その国にいた奴らに追われていて。逃げて行き着いた先に。ある島を見つけた。そこに住んでいた先住民を殺して。そこに居ついた。最初は平和に暮らしていたが。突然現れた別の民族。俺達にそっくりの人種。それも大人の姿の男が現れ。そして。美央。俺の息子の名前なんだが。そいつは俺達を皆殺しにしたんだ」

と俺が言った 美亜は俺が話した、俺が知っている、父さんと母さんの話を聞き、涙を浮かべながら

「お父さんがね?優斗君と美亜は双子で。二人はとても仲が良い兄妹だって言ってたのよ? だから優斗君のお姉ちゃんは、私だよ」と言い涙を流しながらも、笑顔で俺の顔を見ながら そう告げてくれた

「あぁ。だから俺は俺の本当の両親と美亜のお姉ちゃんに会いたいって思っていたのかもな。美亜。ありがとうな?それに美亜が本当のお姉ちゃんなら。美奈っていう、俺のお姉ちゃんのことは知らない?」俺がそう聞くと 美亜は首を振って「うん。ごめんなさい。私もお母さんからも美奈の話を聞いたことはないわ。だからお母さんにも美奈について聞いたことはなかったの。お母さんが教えてくれて、それでね?お母さんに美奈について聞いたんだけど、何も知らなくって。でも、美亜ちゃんは、優斗君は優香の子供なんでしょう? お母さんが美奈について調べたときに美奈は行方不明になったと言っていたし、お母さんが美菜は美奈で優斗は優香と名前を決めたとも言っていたの でも、私のお母様は、お姉ちゃんと妹は違う名前で違う人生を歩んでいて 違う場所で幸せに生きているって、そう言うだけだったわ。でも、そうよね?お姉さまに美奈って名前をつけた人が。貴方のお姉さんなら。貴方は優斗のお兄さんだから。だから貴方は優斗のお姉さんなのよ?」と言ったのを聞いて美亜は少し複雑な表情をしていたのが気になったが。

俺の姉を名乗る美亜と俺はその日から行動を共にしているのだった。

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〜聖王国の城下町〜 ー美亜side 真白さんに。優斗は私の弟にして私の大好きな家族だと教えられて、私は優斗と一緒に暮らす事に決めた 優斗にお願いをして、私に剣と、そして聖王国の騎士の鎧を着せてもらって。私はその日、真白さんについて城下町に向かったのだけど。

そしてその帰り道。

「あら?あれ?この子は?美亜?貴方、その格好で外に出たの?」

と、美月姉様に、声をかけられたのだけど、私はまだ美樹姉ちゃんの本当の弟ではない事を説明をすることが出来ず

「え?はい。今日初めて。真桜さんに作って貰った鎧を着てみましたけど、変でしょうか?やっぱりまだ早いですかね?」

と答えると。真月さんが出てきて。私の姿を見て、「あぁ。美亜のその服姿はとても可愛くて良いのですが。でもその服装ではちょっと危ないかもしれませんね。真桜さんの話では、その防具は防御力は高いんですが、見た目重視のデザインでして。

この前戦った魔族もいましたが。人間の中に、たまに強い個体もいるものですからね」と言いながら。私が来ていた、騎士風のドレスアーマーとスカートを脱がしてきて

「貴方が身に着けるべきはこちらですね?その防具は美亜のような、小さな子用に作られたものですし。

その服を着ていると、子供にしか見えなくなりますからね?それに比べてこっちの装備なら、普通の人より、強い力を持っていてもおかしくはありませんからね。それにこの防具は美亜の為だけに作った、美亜のための物だから、美亜以外の人は扱えないはずなんですよ」と言いながら 私に銀色をした軽そうな甲冑と、そして綺麗なピンク色をした女性用のロングコートの様なものを羽織らせてくれた そして私はその日の夜に、その装備を着けた姿で、優斗に抱っこしてもらい。

空を飛びながら家に帰宅することが出来た ちなみに美亜さんが家に来るまでの間は、優斗と真紅郎さんの二人で旅を続けてきた 優香さんに美亜の事を教えてもらった美亜は優斗のことが大好きになったみたい 優華がこの世界で魔王軍の手先となって勇者と戦っている事を知ってからは。僕は僕自身の固有能力である

「真眼の力」を使用し、僕自身が見た情報と真意を確かめるためにも そして、僕の目の前にいる二人の男性と女性が本当に真紅朗の父親と母親の美樹と、真里さんなのかどうかを見極めるためにも。

その真実を確かめて。もし彼らが本物だった場合、彼らと戦うために、彼らの動きを見定めようと、 まず、真也さんからの情報を元に 優斗に抱かれている美亜が「お父さん」と呼んだ存在の真也に質問を行ったのだ。

するとその答えが 優希が美月の妹。

そして美月の夫が優斗の父親という事は、やはり間違いはないようだ。しかし 優花と美央が双子の姉妹であるという事については否定をした そして。

この異世界で優花は、魔王の手先にさせられていて、美緒と、美乃の姉妹と共に。その力を存分に振るっているらしい それを美亜に伝え、真矢さんに、真野と、美空に連絡を取るように指示を出し、 美鈴ちゃんには美亜に同行するように命じ、そして美奈に、もしもの時に備えるように伝えると すぐに、真那がこの世界に現れた。そしてこの世界にやってきている 美樹に「この世界の勇者として」戦う意思を確認したところ。

その問いに彼女は

「美亜の為に戦いますよ?あの子だけじゃなくて、この世界はもう既に。魔王に支配されて。この世界にやってくるモンスターはみんな魔物になってしまい。そして、この国の人たちが、その力でモンスター達を倒していますが。

それでも。私たちの大切なこの国の人々も犠牲になっているわけだし。この世界に、勇者がいるっていうんだったら、私も、戦いに参加しないといけいないかな? この国のために、私が出来ることは何でもしますよ?それに。美央が今どこに居るかは分かりませんでしたが。優衣と、美羽の二人が何処かで生きていたってわかっただけでも十分ですよ。だって私にとって。二人は大事な家族なんですからね?だから」と言い。「優斗君。貴方は私の娘がこの世界に召喚したのだから。美亜を守ってくれますよね?私達の愛しい娘の忘れ形見なんですから」

とそう言って来た その言葉に美亜と、真亜が、そして真那が反応したのを見て。美奈が、真那に「優斗は、お父さんの子供だよ?優亜もお姉ちゃんになるんだよ?」

そう言い その言葉を聞いた美亜と真那が

「え?優斗が優斗の子供って?本当ですか?優亜ちゃんは妹って聞いていたのに?」

そう真那に聞かれ 美奈は真那を自分の傍まで呼び。そして優斗が真亜の本当のお兄ちゃんだという事を伝えた。そして美亜についても 優斗のお嫁さんになり。美樹さんは優亜の母であり、優香さんと美紗も母親だと伝えた。すると美月は

「あらまぁ。優亜のお母さんに美亜ちゃんのお母さんに。美紗ちゃんに美央と優斗のお母さんで、私の妹にもなるってこと? それはそれで嬉しいわ。だって私は一人っ子で寂しかったし、でも優斗君は男の子だからお婿さんだものね?あ!それとね。美樹さんと、美沙さんとも仲良くなれたらいいと思うのだけど、どうかしら?」と真月に聞く 美月の言葉に対して真月が

「う〜ん。流石にいきなり、二人共優斗君の義理のお母さんは無理だと思うわ?美樹と美奈は優斗のことを気に入ってるだろうけど。優斗君は?美月から見て、どう思う?」

と真月に問いかけられ 優斗は少し照れながら 真奈に向かってこう言った

「真奈?お前の気持ちは分かってた。でも俺はまだ中学生で。だからもう少し待ってて欲しいんだけどさ。美奈のことも真奈のことが好きになってしまって。

俺、この世界に来て、真紅郎さんのところで暮らし始めてから色々あって、それで、俺が、初めて自分なりの家族ってのが欲しくて、でもそれが叶わないと思っていたんだけどさ」

その言葉を、聞いた真那が涙を浮かべて

「優斗がそこまで、想ってくれていたなんて、わわっ私なんかで良ければ、ぜひよろしくお願いします!」

そう答える 美月はそんなやりとりをしている三人の様子を見ながら、少し呆れた顔をしていた。そして真那も少し嬉しそうな顔で微笑んでいた こうして 美月の弟にして 聖王国の王子にして、そして優斗と美亜と暮らすことになった 優斗の義姉、そして真月の娘である 真那の事も仲間に加えた美亜一行は、美月と真月をこの世界に連れてきた真白の元に向かうのであった。

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〜美月の家にて〜 美樹と、真樹、真耶の三人組が、その美樹が産んだ娘 優華が、美月たちの前に現れ、真月たちを自分たちの敵と認識し襲いかかって来る。

だが、美月たちが真那の仲間となった事で、状況は大きく変わる事になる この世界にやってきた美亜たちは。美樹たちの前に現れた。美華と名乗る少女は、自分たちがやってきた時にいた 三姉妹と真樹、真耶、真咲、美紗とは面識があったらしく、彼女達が生きていた事が嬉しかったのか?美樹が泣き出すのを、美月は見逃さなかった。

なので、まずは美月と真那で、その美華と会話を行い。

そして美亜、真月、優斗の3人が、美華と美樹たちに。この異世界に来るまでの経緯を説明した すると優花、美緒、美央の二人の姉妹が現れ。美亜が、美央と優衣に 自分がこの異世界に来た理由について説明を始めた。それが終わると今度は美紗が美緒の元に近寄り。美亜の話を聞かせると 美奈と、真奈が 美亜の元へ駆けつけて来て 美亜と抱き合いながら泣いている美亜に

「これからは私たちも、一緒に暮らせるね?優亜は、美月が、お父さんに頼んでくれるって。だから私達にもお父さんが居るんだよ?そして。私達は、姉妹だから、同じお父さんを持つから。私達にとっても、あなたは、美亜は、美月は。もう一人のお母さんでもあるし。

姉妹同然の関係なんだから、いつでも私達に甘えて良いんだから。遠慮しないでよ?」そう言ってくれた。

そして美樹の方は、真奈や美奈と一緒に涙を流していて、 その横で美樹が「良かった」とつぶやいていると 真樹が、「良かったです」と美樹の手を握り、その手の感触を確かめるかのように美樹の顔を見つめ。そのまま真樹がキスをしそうな感じになってきた それを見ていると真月が「美樹?何やってるんですか!優斗の前で恥ずかしい事をやらないように」と言うと。

美亜は美樹の姿を見て

「やっぱり。美樹は優斗さんを取られそうになったのが、悔しくて。それであんな態度を取ったのですね。優華ちゃんに優斗さんを取られるんじゃないかって不安だったのでしょう?」

そう言い放つと

「そ、そういう訳じゃないから。それに優斗君も優希も、優亜の彼氏になったのに、美樹だけ仲間外れは良くないかな?って思って。それだけよ」そう美亜に話すと美樹は慌ててその場を離れたのだ。そして美央はそんな様子の美樹と美亜のやり取りを見て

「相変わらず、姉さんは嫉妬深いから困ったものだよ?それより美央ちゃんも、優斗に告白されたって?おめでとう。でも良いの?姉さんが」

と美緒が心配そうな声を出し その質問を聞いた優斗が「あははは。俺は全然大丈夫だから。俺にとって真樹は大事な人なわけだし、もしその真樹と、その」

と言いかけると 美緒は優斗に駆け寄ってきて「そうよ!私は美樹が大好きだから、私の初めての人は優斗が良かったのよ。優斗なら安心できると思ったの」と言いながら優斗を後ろから抱きしめてきた それを見ていた真樹が優斗に飛びついて 二人は美亜たちの前で激しくキスをし始めたので、それを見ていた美亜が美月の手を取り「美月さん!早く優樹を止めてください。私も混ざりたいのに。お父様とお母様に怒られちゃいますよ」と叫ぶと美月はため息混じりに「全く、もう。みんな、優斗君の周りに集まってきてどうしたっていうの?もうすぐ美月は優斗君のお母さんなのに」と呆れた表情をしていた。

真亜と美月の二人が、優斗の腕に絡まり始め「あらまぁ」と言いながらも 二人に優斗を任せ、そして真月も、優斗にくっ付き、三人で幸せそうな笑顔で話を始める それを見た美華が美月の前に出てきて「美樹は、あの時も優華と優亜が生きていたのは知っていたけど、お兄ちゃんはどうだったの?」と聞いてきたので美月は

「優華が生きていたことは知っていましたが。まさか。美亜が生きていることは知りませんでした。ただ優亜が生きていない事を知った時はショックで寝込んでしまいましたけど。

でも私は信じていましたよ。きっと何処かで優亜と、優斗が元気で生きているって、だから美樹が優斗を取られたみたいで、羨ましいって思うんですよ。だって、優斗は美樹のお婿さんになるはずだったんですから。

優亜が居なければ」と言って、美月と美亜の二人は、美亜の肩に手を置くと、美月は美亜にキスをした。美亜はそれを受け入れると、美樹も優月と優亜の二人に「私ともして」と言うと優樹は美月、美月と優亜は美樹と、優亜は美緒、美央、美央は美紗、美紗と、そして美樹は真咲と真樹の唇を塞ぎながら お互いに、その舌を求め始めた。それを見た美華は「ちょっと!優斗と、まだ私は何もしてないのに、優斗?いいよね?」といいながら優斗を抱き寄せ。優亜が、自分の夫であり。妹の恋人であった、この世界の勇者である優斗とのファーストキスを済ませたのであった。

その様子を見せられた美月が「こら!ダメでしょ。今は家族団らん中なんだから。いくら、美亜ちゃんと真奈が優華の味方をしているとはいえ。こんな所でそんなことしなくても。それに私はまだ一度も、旦那である優斗と、本当の意味で愛し合って無いんだから。美樹の彼氏である優斗とはまだしてないし」というと美華は

「私もそうだよ。だけど美月が我慢しているのは分かるけど、美亜と真奈が敵でも、私は別に気にしていないわ。むしろ私達の方が有利だと思うのよ。だから今のうちに優斗とたくさん思い出を作っておくべきなんだよ」といって 二人でまた、キスを交わし始めるので、美紗と優華の双子の姉妹はその様子を見て呆れていた。

すると 美亜と真亜と真亜の3人の女性が近づいてきたので 優斗は 美亜と真亜の双子と美亜の三人の女性と、それぞれ順番に濃厚な口づけを交わす そしてお互いが満足すると 三人はそれぞれ、「次は美月と美月の息子で私達の息子の優華にするね」「じゃあそろそろいくわよ?」と 美亜と真亜が 優斗に声をかけると同時に

「お母さんは、私が一番最初に、その次に美亜と美亜がね。そして、最後に優華がするから」そう言った。

「ちょ、え?なんでそんな事を勝手に決めるの?ねえ?みんなも何か言いなさいよ」と 言うのだが。3人とも美月の抗議を無視して「はい、せーので同時に」

そう言って、3人が優斗の身体に触れようとするが。その前に優斗にキスをする人物がいた それは、この世界で出来た、義娘の真央で「ママ、私が最初だから」と言うと。優斗の口に、自らの口を近づけていき。

美紗は「優斗、今日だけは特別ですから」と言いながら優斗とキスをして、 美央と優衣の二人が 優斗の両手に抱き着き 優華は「あはは。パパ?覚悟していてね?」と そう言い放ち 優斗は、優月と優華の2人を同時に相手にすることになるのだったが、 それでもなお、美亜と美亜、真亜、そして真亜にそっくりの女性が2人に増える すると優亜が

「優月さんと美亜さんが優華を呼んできてくれたから」と そう言っていたのが優斗の耳に届いたのだが その言葉がどういう意味なのか理解できずにいた そうこうしてる間にも優月と優華は いつの間にか脱がされて 全裸になっていた それを確認した優月が

「もう、みんな好き勝手し過ぎよ。それに美樹は私の子供なのに。優斗君も困った娘達に手を焼いているんじゃ」と苦笑いをしながら優斗の方を見て微笑んでいた。

真央も優斗と、優斗にキスをしていたのだが。その時、美緒や美亜が、「ずるい!」と言って乱入してきた為。

真央の唇が離れた時に、真樹から優月に対して、いきなり「お父さんは私のお義父さんなのに、なんで優月さんと仲良くキスなんかしていたんですか?優月さんに嫉妬してしまいますよ」と言われて優斗と美月は顔を合わせて

「あはは。そう言われても仕方が無いかもしれないな」と、言い返すしかなかったのだった。しかし 美樹が

「もう、あなた達も順番があるでしょう?それにお父さんと美亜さんは私の彼氏なんだから邪魔をしないでよ。特に姉さん達は。

もうすぐ、美亜さんは私のお嫁さんになるって決まったばかりだし。美亜さんを妊娠させていいのは、私が産まれた時のお母さんだけで、美亜さんのお腹の中に居る赤ちゃんに悪影響が出るから駄目だよ。

私だって、お父さんと、いっぱいしたいんだから」と言って 今度は美亜から優華に交代して、またキスをし始めると。美樹も「お母さんと、美樹のお母さんも交代してあげなきゃダメだよ。だから、お母さんと優華はキスだけで終わりだから」

と言い出し、優月も 美月が美亜に優斗を取られそうになっていると思い込んでいたが 実際には逆に、美亜が美月に嫉妬心を燃やしていたのだ。

「あ!ズルいな。私も、もっとしたかったのに」

と、少し拗ねると。美月は「ふぅ。私の娘には、かなわないわ。優斗、美月も、ちょっとだけ」と そう言って 三人の娘達が、キスに夢中になり始めて、キスを終えた美樹は「美樹は、優月さんともお母さんとしてのキスは出来ないから。その代わり」

と言って、今度は優月の服を脱がしにかかると、それに釣られて美紗と優華も手伝い始めた そして真央も優斗を後ろから羽交い締めにすると。

美紗が「さすがにこれ以上は見ていられないので、美月ちゃんは美月で優斗君と二人きりの時間を作ってあげるから、私と美樹で美央ちゃんの相手もしますので、お母様方はごゆっくりと。それと美樹ちゃん。美樹は後で私の部屋に来るように。あと、美緒ちゃんと優華さんはそのままにしておいてください」と言って 全員が出て行き美亜だけが残される。真奈と真咲の姉妹も同じようにして美亜が取り押さえている その事に気が付いていない真月が「私達は、ここで大人しくしているしかないのですか?」と言うと。

「あらあら~そうね、なら一緒に来なさい。私と優斗の寝室に案内して上げるわね」と言って 美亜に先導され。優斗と美月は連れ出されたのだった。そして真央に背中から抱きしめられた状態の優華は美月と同じ部屋に連れて行かれるとそこでようやく開放された。すると、美央も自分の夫である、優斗を連れて出て行った そして残ったのは、優華と、優月。優華は、優月の事を警戒していたが、真央と優亜は真央の部屋に戻り始めたが その頃美央は、美緒と美央と一緒にいる

「どう?優華、私はいつでもあなたの事を愛してるってわかった? 優華。あなたは真月と幸せになるのよ。それが一番なのよ。真月を裏切る事は許されないのだから。私と、優亜が認めたのは真樹と、美樹の彼氏の優斗だけ。それ以外を認めてはいないんだから」と言うのであった。

それから数時間後に、真央の部屋に、真月も呼ばれていて 三人の愛欲の世界が始まるのであった。

3人の美女達の淫らな行為は、しばらく続き、終わる頃には 全員が裸の状態で。真咲と真咲は美緒と美央の双子の姉妹を相手にして 優華も、優華も、優樹が居ない寂しさから、美緒や真央。そして優亜から愛を受けていた

「もう、みんな。こんなことをしに来たわけじゃないんだから。そろそろ美亜達も戻らないとね。真月はもう少しここにいてもいいけど」と 美亜はそういうと真月は「僕は大丈夫ですよ。真央先輩。優亜さんが心配なので戻りましょう」と言うと、真亜は

「私も戻るね。優華ちゃん、優月さん、またね」と言って、三人が帰って行くので、 美亜と美月の双子も、その後に続いて優華を離すのだが 優月は美華を美月に任せる事にし。美樹に、自分の娘である美亜を任せ。美亜を抱っこしながら美央の後を追うのであった。

真央も、優斗の所に行きたいのだが、真央の夫である真央の事が気になった優斗が「俺は、ちょっと、まだ動けないんだ。それに美央の事も、気になって仕方がない。今は美亜の相手をしていてくれ」と言って、優華と真月は先に優斗の家を出ようとするのだが 優月は優斗の家の玄関の鍵をかける 優月は、家を出る時に「美央が帰ってくるまで家に居ますよ」と言い出した 優華は「美亜さんのところに行って来るから、お義母さんに鍵は預けておくね。もし何かあった時の為にね」とそう言うと 美央の家に、真月を連れた真央が戻って来て「あれ?優斗君は?」

と聞くと 優華が「私もわからないんですよね」と返事をするのだが すると、そこに、優亜の母親がやって来て「あぁ~美月が美央の家に戻ってるみたいよ。あの子は私に似てしっかり者だから、きっと真樹が一人で寂しがってるんじゃないかな?と思ったから、私に留守番させてくれてたのよ」とそう言って。優華の母親は優月を自宅に連れて行くと 優華も優月と一緒に帰る事になった そうこうして優華も真樹が待っている優月の自宅に戻ると

「あ!帰ってきた」と優月が嬉しそうに微笑むと

「ねぇ。優斗君のところに行こう」と言って優月が優華の腕を掴むと そのまま二人で美亜が借りているアパートに向かい始めたのだった 一方優斗は 美央が帰宅して美月も美亜の所に帰り始める そして、残された優華が優月と共に優斗の元に戻る為に 一度、美亜が住んでいるアパートに行く 美月は美亜と美樹に付き添って

「美月。美央の面倒も見てあげなさい」と、美月は「わかりました。美央ちゃん。今日から美亜ちゃんも私の妹だから優しくするんだよ」と言うと「あはは。わかってるよ。私の方が年上なんだから」と、美月は美亜に頭をなでなでされているので 優斗の居る優斗の家は、美樹が美樹のお父さんと一緒に住んでいるマンションの最上階にある 優亜の両親も一緒に暮らせれるような大きな間取りになっていて、その部屋で美樹は優樹と一緒に生活していた。そして美亜の両親は「真亜は真央が育ててて、美月は、真樹を育てているんだって、私達も美月を見習って美月の娘達と私の息子と4人で暮らしていくわ」と、美樹と、美樹のお父さんに報告をした。美希達は優亜の父親と美樹が暮らしていた 一軒家で一緒に暮らしているが。優亜は「美樹は私とお母さんの子だから」と言い出し、自分の息子とは一緒の部屋で寝ていた もちろん、夜の生活があるときは、息子の部屋に入り浸っているのだが。

そして美樹の父親は

「それじゃ、美樹と、優華さんが仲良くなった時に美亜の妊娠が発覚したのか。それにしても優亜ちゃんと優華さんが結婚した時は、真樹がお腹に居る時だったっけ。真樹の出産が無事に終わった後に、今度は優月さんとの妊娠が判明したりして、凄いな優華さんは。僕なんてもう、孫が出来るか分からないのに」

と言ってため息をつくと

「そう言えば。お兄ちゃんは、私のお母さんに会えるかもしれない」と言うと 美亜は「え!?本当?どこ?どこに居るの?私だって早く会いたかったのに。優斗さんに」と言うと。優樹が「俺が優樹を産んだ病院は、俺の実家の近くにあるから、そこで産んで、すぐにこっちに来て、そこからは、ずっとここの近くで生活しているから、優亜ちゃんが望むなら優華ちゃんのお母さんに会いに連れて行ってくれるって言ってたし、俺が美月の子供も預かるって言ったら。私と娘だけでいいって言われたから、連れて来たけど」

美亜は優樹を抱っこしていると

「優華と優樹ちゃんって、似てるよね」と言うと 美樹が優華に連絡を入れると

『今すぐ行くから。それまで、優樹をよろしくね』と 連絡が入ると、美樹と優樹は優斗と優華を迎えに行った

「お久ぶりです。優華ちゃん」と美樹は優樹の手を引きながら優華の前に連れてくる

「お姉様おひさし振りですね。お兄様も。それに、真樹君、初めまして」と言って 美亜と、美月の親子は、真樹と美樹に挨拶をする 優斗の目の前では、いつも見ている光景が広がっていた

「美亜。そろそろ、帰ろうぜ。優華さん。美月の事。お願いね」

優斗はそう言い出す すると美亜は優斗を連れて、自宅に戻ろうとすると美月も、自分の家族である優華の両親の面倒を見るために、自宅に戻り始め。

優樹は、真樹のお守りをしていた 優亜は、真樹を可愛がり始める その頃。美樹の父親である優月と、真月が帰って来ていて。

真樹は「おかえり。美月」と言って出迎えると

「ただいま。真樹」と言って美月は真樹の頬をすりすりし始めた。

優月は、「さっき、美亜ちゃんと、真樹の話をしたら、どうしても自分も会いたいと言う事で。ご迷惑だとは思いますが、少しだけ真亜の事を見ていただけないでしょうか?その間だけでも構いませんから」

と優月に頼まれ。

優月が仕事に向かうまでの間は、美亜と一緒に過ごして欲しいと頼むと 美亜は優亜に対して警戒心を持ち 優華の両親は 美月を、まるで妹の様に接してくれて 夕食も美月の両親と一緒に食べる事になった。

そんな日々が続き。真樹は、優月の仕事が終わると。優斗のところに行かず。

毎日のように、美亜と美亜の母。美月と真月の家族に毎日の様に会って過ごす そんなある日。優亜の父が優奈を連れてきて。

「今日から俺達の家族になったから。優亜も美亜も良くしてくれると思うから」と 美亜は、優華に優華の父と美亜の父と優斗に紹介した後、3人が住んでいる家に向かったので、美月が、美亜に美月は「これからどうするつもりなの?」と聞くと

「真樹が寂しがらない様に。私が真樹を育てるつもりだよ。美亜には悪いんだけど。でも美亜は、私と違って子供好きなんでしょ?だったら、美亜が、美亜と美樹の母親になるっていうのは無理だと思うし。それに、真央先輩と真央と美亜が居なくなったら、この国での優亜の扱いは酷いから、きっと美亜は嫌だよね?私は美月が側に居てくれたから平気だけど。優華さんに聞いたら、やっぱり、真亜と美月の二人共、居なくならないと。あの人達が許さないらしいんだ。だから。私達三人は優斗さんの所で暮らせるように頼んだの」

美月は美亜に言うと。

「そうだね。美亜ちゃんが優華さんに甘えたのも仕方がない事なんだもんね。私達と、優亜の両親もそうだったし。私達は、優亜ちゃんや、美亜に助けてもらった事があるから、恩返しとして、真樹を育ててあげたいし。私達が、この国の王族がしてきた事は、優華さんから聞いているし。私達姉妹の母親がこの国の聖女でもあって、国王の娘で、この国の王女であるのも知っていたし。優亜の両親が国王の親族でもあるって知ってからは、尚更。真樹だけは何とかしたいって思うし。それに、真樹も美亜も、優斗君の所に行かせてあげるべきだと思ったの。優亜は真樹と一緒に暮らしても構わないんだもの」と美月は美亜に伝える

「わかったよ。確かにそうかもね。真亜と、優亜の気持ちがわかるまでは、優華さんも、優華さんのお父さんも、私も優亜のお父さんも。美月と一緒に優斗さんに頼み込んで。それでもダメだって時は諦めるつもりだったから」と そうして三週間くらいが経ち 今日は真樹は優華の父親の方にお世話になっていた 優亜は優華の自宅に泊まりに行く日で、その前日に優華の父親が

「今日は泊まっていかないかい?私の妻も娘も喜ぶよ」と優亜に伝え、それを聞いていた美亜も

「私もその方がいいと思う。それに。優亜もお義父さんとお義母さんが大好きだと言っていたから」と言うと

「じゃぁ。そうさせてもらうわ」と言って優亜と優華の自宅に向かい 夜中。美亜は美亜と優亜の家に帰宅した

「明日も優亜ちゃんのお父さんに面倒見てもらわないとね」と 優亜と優亜が帰って来てから2日後に優亜の両親は「娘達は元気かな」と優華の父親と連絡を取り。

「今日から娘達は優華さんと優華さんの旦那さん。そして真央君達と一緒に暮らす事になったんだよ。そして君が真樹の面倒を見てくれると優亜が言ってくれた。君さえ良ければ一緒に生活するかね?それなら、僕としても嬉しい限りだから」

美亜は「はい」と返事をして。「ありがとうございます」と言うと、優亜の両親の承諾を得て。

優華は美亜の家まで送り届けた後。優斗の自宅に戻ろうとすると。

真樹が美月と優月に連れられて歩いていて。

「美亜ちゃんの所に行って来たのね。それと真樹。美亜ちゃんの事を守ってあげてね。あそこは危険な場所だし、私と美亜と真樹が一緒なら安心できるから」と言って 優月は美月に「また、遊びに来てね」と伝えると美月は

「はい。わかりました」と言って優樹を連れて自宅に帰った 美亜が、美月と優亜の両親のところに戻ってきて 優亜も「美亜。真樹君。今日は私の家に来ない?」と美亜と優樹に言い出し

「行く」と二人は即答したので、美亜が美亜の父親と美月と真樹と優亜の五人で仲良く過ごしていた頃。

美月は、真樹と優樹が美亜に預けていた。

真亜と優月は美亜の実家に来ていた 優月の両親と優月と真樹は優亜の両親に、優華の両親を紹介が終わり 美亜は「真樹。私のパパだよ」と言って真樹を抱っこさせてあげている 優亜は「ママ。可愛い妹と弟が出来たんたけど。可愛くない?」

「もちろん、可愛いよ。こんな小さな子供が私の妹になってくれて。本当に幸せ。それに、美月が、この子を可愛がってくれていて。美亜にも優樹を可愛がるように教えてくれていて」

と嬉しそうな顔をしながら、美亜は美月と真樹と優亜の三人が楽しく過ごしていることを両親に報告をした。

真紀は、そんな光景を見て、「真央。この国で暮らす事にしようかなって思ってきてる。私もここに居たいなぁって思う。ねぇ真央はどうしたい?」と聞き出して。真緒は、真樹と優樹を抱きしめて。

この国が今、どんなことになっているのかを、父親である王城の元宰相であり現在は元将軍を務めている男に聞く事にして。

優斗と真央が美華の父のところに訪れてから3ヶ月ほど経った頃の話 その日から真樹の生活は、優斗達のおかげで。今までとは違い。楽しい生活を送れるようになったのだが、優斗は、自分の家族と一緒に暮らせるようになりたいと願い続け、王城に単身突撃をする事にしたのだ。

そして、真樹は真樹の母である真央と共に王城内にある一室で暮らしていた。

真央と、真樹と、優樹と、優華と優奈は、王城内の、今は亡き聖女であった美樹の母親の部屋で暮らしていた そんなある日。聖剣が光を放ち始め。光が消えるとそこには。美月が姿を現し。優樹は、優月に抱きついて、「やっと会えたね」と泣き出す 優月は、「私も会いたかった。でもどうして。美亜が、美亜が居なくなってから1か月後。私が召喚されてから半年後に、優樹が私の前に現れてくれた」と言い。真樹にキスをする。その後、真樹が、美月を抱き締めながら「良かった。お母さんが、生きていてくれただけでも嬉しいのに、こうして再び出会う事ができてくれなんて。もう二度と会えないって思って」

そう言っていると、真亜と優亜が、部屋に入ってきて、美月は、優樹の背中越しで 美月は「真樹にずっと。真樹の側にいて。私は、美亜と、優月と一緒に暮らす事になったから」と言って。優亜と優月は

「「お姉ちゃんが、真樹君の所に行ける様にしてあげたくて」って」と美月が伝え。美月は「私に何かあると思って。それで優奈が優斗君の所に私を連れ出したの。だから私は、あの人達には内緒で、真樹のところに居る事ができているから。心配しないでね。真樹」と言ったあと。

優亜と優月が「「ごめんなさい。美亜さんに。優華さんの気持ちを考える前に」と二人共言うのであった。優華と美華の両親は。真樹の事を本当の息子のように思っていたし。聖女の夫でもあるのだからと。自分達も真華と美月と、優華さんと優華の両親が真樹のことを本当の息子だと思っている事は知っていたのに、真華と美月が居なくなったら優華さんと優華の両親も美亜に怒りをぶつけてしまうのではないかと思い、美亜の事を優華に任せてしまおうと考えたのだ。その事も優華の両親は美華に伝えた そうして、真樹が美月と美亜と一緒に暮らしている事を知らない真華と美華の父親は 国王に、真樹に美亜を渡すように頼み込む 国王はそれを了承して。聖華は聖女としての権限を行使して 聖女の力で、真樹の身体から、美亜の記憶を全て消し去り。聖女の力で記憶を失った人間から聖華の力は失われ。聖女ではなくなり。聖女だった者は。「真の勇者の妻になる事ができる者」として聖女から「聖女の資格」を得た「聖女」として聖樹に認識されるのである そうしている内に美亜と優月が王都に到着していたのだが、その時。聖女が「真樹の身体から」優亜が消えてなくなっていた。それだけではなく、真樹も姿を消してしまっていたのだから、この事態には誰もが困惑してしまっている だが、そんな状態になっている事は誰も知らない そうして2時間くらい経過していた 美月が優樹と、美月の弟で真樹の息子である「優亜」と一緒に王城の一室に居て その部屋には、真樹が「俺の息子が生きていたんだ」と涙を浮かべる 優華の父も、涙を流して喜んでくれた その頃。聖華が、真亜に対して「あなたも私と一緒に暮らすのよ?真白様と一緒のところに行って、幸せになれるわ」と言って。「私も連れていくんでしょ?わかっているよ。そして私の能力を使って、真央ちゃんと真樹ちゃんと一緒に過ごす為に連れて行ったんじゃないの」と言うと。

聖華は微笑み「ふぅーん。よくわかったね。じゃぁ、早速だけど行くよ」

そして美亜は、優華に「真也さんに宜しくね」と言って、その場から離れようとすると

「あぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!」と大声を上げて「行っちゃダメ!お願い。待ってぇえ!!真亜を返してください!」と必死に訴えてくるのであった。

「優華ちゃん?落ち着いて?優華ちゃん?大丈夫だよ?私は真亜ちゃんだよ?」と優亜が伝えると

「あ?あ?ま?あさ、真亜?嘘よ。こんなはずじゃないの。だって美月は」と優華は錯乱し始めていた 聖樹が「聖女よ。落ち着きなさい。真樹は美月ではないよ。この世界にやってきた、新たな勇者の一人なのだからね」と伝える 美月は、聖樹の言葉を聞いて、落ち着いた 聖奈が、美亜と優樹と真樹がいるところに来て

「真樹が戻ってきたのですか?」と優亜に聞いて

「うん。そうだよね?」と言うと優樹は、「僕達は、母さんのところに来たんだけど、優亜は僕のお母さんと美亜さんのお父さんが居るところがわかる?」と言うと優亜が「あっ、私、お母さんのところに転移させてもらったんです。それでお母さんに、「お母さんは、私のお母さんなんだって。私のお母さんは真樹のお兄さんが大好きで結婚したらしいけど、私はその人と結婚したから。でもお母さんは真樹の側にいるの。私のことは、気にしなくて良いけど、お母さんの事を大切にしてほしい」って言われたんですよ。お母さんに真樹の事を話したら泣いてました」と答えた 優華と美月の両親に、美月が「優斗君は何処にいますか?」

優華の両親からすると「何を言ってるのか理解ができなかった しかし。すぐに「わかりました」と言って「優樹。あなたのことは必ず守ります。ですが、私達の家族を、そして私の大事な親友を救ってくれた事には変わりありません。ありがとうございます」と言い、聖樹は「これからは聖樹と名前で呼んでいただけると嬉しいのですが。それにしても本当に申し訳ありませんでした。貴方のご家族を」と言って頭を下げた 聖華と聖樹が美月の前に来て。聖樹が

「真樹よ。美月は、お前の大切な人の生まれ代わりで。美月も。美亜も、君と真央の娘だから。君達がこの世界で生きて行く為にも。この国の為にも、どうか。よろしく頼んだよ」と言い残してから去っていくと、優奈もその場に居て、「優斗のお母さんの美華の生まれ代わりである美亜と真樹と優亜を守る為に、一緒に暮らす事にするって言った。それと、優斗と私が、今住んでいるところに真央が暮らしたいって言うから。私は、ここに残りたいって思って」

そして美華の両親が「あの人達の言っていた言葉は一体どういう事なのか説明してくれ」と言われ。

優樹は、自分が元勇者で美月達と共に戦っていて美月が殺された事を伝え

「今度こそ美月達を守り抜いてみせるから」と言って、王城を後にするのである それから数日後に、真央は、優樹と共に、真華と美月と優華と優亜の住む家で暮らす事になった そうしてこの世界にも平和が訪れたのである。

優亜は「真樹。この国はさ。私にとって凄く幸せな場所なの。でも、私ね。優樹のことが好き」と言い 優華が、「私はね。優樹君のことが好き。だから優華も。聖華も優亜も。聖奈も。みんな優樹が好きだから」と言った後。聖華が「優樹は真華の事が大好きなんじゃなかったの?でも優華と優亜も、聖奈も。みんなで、この世界で仲良く暮らすんだって。でも私にとっては真樹がいればどこでもいいの」と優華と優亜が、自分の想いを打ち明けると 聖奈は「私はね。真樹のことが誰よりも好きだから。だから優華と優亜がどんな理由で真樹を好きになっても問題ない。だって私は、二人の事を認めてるもん。二人には幸せになって欲しいの。私と聖華で、優華のお父さんと、優華と、美亜ちゃんのお母さん。美華ちゃんが三人。美亜ちゃんのお父さんが三人。あと、聖華が五人、優樹に恋してても。聖樹の側にはずっと居るんだから」と言った。

「ねぇ?どうしてこうなるわけ?もう嫌だよ。早く帰って優亜に会いたいし」

と優樹は泣きながら呟いた

「ごめんなさい」

と、聖女は謝罪の言葉を口にしたが。聖華が聖樹の手を握って。聖樹に抱きついて聖樹は涙を流すと 聖樹は聖華に

「僕は、真央と一緒にいられただけで良かったのに」と口にしたのだ 優亜は「私も優香と一緒にいれたら。それさえ叶えば他は何も要らないから。お願いします。帰して下さい」

と聖華に訴えるが 聖華は

「無理なの。あなた達にこの世界にいる資格があるって。この世界に呼んだときにわかったから」と言うのであった そして真華が「お姉ちゃんがなんとかしてくれるよ。だからもう少し我慢して?きっと」と優亜に言い聞かせる そうしてしばらく経過して聖華は優華に聖華が「私と一緒にいてくれないかな?私の事を一番わかってくれているのがあなただと思うの」と言って

「聖樹は絶対に返さない」と言うのであったが 聖樹は「じゃぁ、どうしたら、優華のお父さんやお母さん。それに。優亜が納得するような答えを出せるっていうの?」と質問をしたのだが。「それは、あなた次第じゃないかしら?」と言って「あなたに選択肢をあげる。あなたはこの国の騎士になったんだものね。なら私の護衛になりましょう。私を守ってくれるんでしょ?それで私に忠誠を誓って?そうしたら真樹を解放してあげる」と言うのだった そして聖華は「聖華。私に何かあった時に聖華の力を貸してほしい。私の事は助けなくて構わない。その代わり優華の事も」

と優樹は優華に伝えると優華は「わかったよ」と言うのであった

「私は優華さんと優亜さんの側に居ることにします」

優亜は、自分だけが生き残る事を望まずに 自分が死んで、残された家族を生かすために選択をしようと思っていた。

だが。聖女は、「ダメですよ。優亜さんも死んじゃうかもしれないじゃないですか?」と口を挟むと 聖奈が「何を言うつもりですか?」と言う

「私はね、優華さんがこの国に残してくれた「勇者の遺産」の中にね、ある術式があってね。勇者の遺した書物には書いていないから知らないでしょうけど。その勇者はね。優亜さんと同じ世界からきた勇者なの。勇者はその力を使って、この世界を平和に導いた勇者でもあるの」と言うと 優華が「そういえば真奈と優斗と聖奈が言ってた。私達の世界で死んだはずなのに。なんで生きているの?」と聖樹に尋ねると

「勇者が異世界召喚されたとき。僕達は、元の世界の人間で、僕と美亜。それと、美月と美亜のお腹にいた双子の姉妹は元の世界に戻されたけど。それ以外の人たちはこちらの世界に残った。それが美華さんなんだ。優華さんと美華さんは、美月が、君たち3人の母親だと知っている。その事で君は悩んでいるんじゃなかったの?」と優斗が言うと優斗が美華に向かって。「母さん。父さん。俺はね。この子たちの母親になることはできないけど、優華の事を頼む。俺の妻である事に変わりはない。それとね。美月の娘達は僕の妹として育ててあげて欲しい。僕は美月の願いを聞き入れたい。それに、この世界で美月が産んだ美華の子供と、美亜の子供を育てる事ができる。それで良いんじゃないかって思ったからさ。どうか、美華を助けてくれないか?」と言うと美桜は「優斗。ごめんね。優斗と美月が私の子供達の事をそんな風に思ってくれたの嬉しかったし、安心できた。ありがとう」と美月に告げてから 美華は、「ありがとうございます。私は真樹の側にいる事ができれば満足なので」と口にすると

「じゃあ決まりですね。これからは私が聖女の役目を担おうと思います。私のことは気にしないで、みんなが幸せになれるような未来を考えます」と言い出したので聖華と優華は 聖樹に対して、自分達の力を貸すことにした。

「私は優樹の役に立てるのであれば何でもしたいので、よろしくね」と優華は聖樹に伝えた。聖華も同様に優樹に言った。

そうすると聖樹と美華は優亜の側に行き「これからはずっと一緒だね。もう離れちゃ駄目だよ。約束だよ。絶対」

そうして聖華が

「これで私達の役目は終わりました。聖樹様は私達の大切な仲間であり家族です。今まで守ってくれて、そして救ってくれて本当にありがとうございます」

と言ってから頭を下げるのである 聖樹が「頭を上げてよ。僕はさ。聖華と聖奈の気持ちには応えられないし、優華と美亜の思いに応えたいと思っただけ。だけど、二人が居なかったから今の僕はなかったと思う。だから。聖華と聖奈が幸せになって欲しいから協力するだけだから。二人には恩もあるから」と言った。そして美華が「私があなたを好きになってもいいのかなって思えてきた。私はね。美華の分まで幸せになろうと思ってたの」と 優樹が「それじゃぁ、聖華。美華をお願い」と優華と美華は手を取り合って。聖華の前に立つのであった。そうしてから聖樹が

「僕は真亜の所に行ってくる」と優亜に伝え、聖華達とは別れることにした。そうしてから真亜が暮らしている家に優樹が入っていくと真亜は

「聖樹君おかえりなさい。今日はどうしたの?聖樹君の用事があるから待っていてくれと言われて。私ずっと聖樹君の帰りを待っていました。私はいつでも大丈夫ですよ。だから。聖樹君の思うようにしてください」

と言うと聖樹は、「うん。僕の事受け入れてくれる?真亜の事も。優華達みたいに一緒にいられるようになるといいんだけどね」と言うのだった それからしばらく経って聖華は、「ねぇ?優華。私は聖樹のことが好きだって言えたし。私の事をわかってくれる人と出会えて良かったって思えるの。私も聖華と仲良くなれたし。良かったって思うの」

聖華は優華の言葉を聞いてから、聖樹に自分のことを好きになるように頑張っているのだけれど、一向に進展がなかった。そうして聖華が優樹に

「ねぇ?どうして?聖樹は私のこと好きにならないの?私ね。あなたの事が好きなんだよ?聖樹だって本当は私の事を好きなんでしょ?私は知ってるもん」と言うと優樹が「僕はね。優華や優亜と仲良くなれればそれでいいんだ。美亜は、美月の娘で。聖華は優亜と友達で。真亜や聖奈は美月の娘で。聖華や優華とも。それに、優亜と真奈の子供たち。僕はね。今こうしてみんなと一緒に暮らせているから。それだけで十分なんだ」と口にしたのであった。

優樹が「そう言えば。あのさ?前にも聞いて、今回また聞きたかったけど。やっぱり教えて欲しいな?優亜と優華が僕と同じ世界の出身で。僕と一緒に旅をしていた女の子達が僕にとってどんな関係か?」と言うので優華は優亜と顔を合わせて

「わかった。でも私と聖奈にもわかるように説明して欲しいかな?優亜と優華に」と聖華が口を開いた後に

「私と優華がこの世界に来て初めてあったときに、勇者の力が目覚めたの。その時に聖樹の事を思い浮かんできて。すぐにこの人は優斗の大事な人なんだって思って。それで、私と優華は優斗と聖奈のお父さんが優樹の幼馴染で。小さい頃に遊んだ時に勇者の力を覚醒させてもらったの。私達はあなたのおかげで勇者の力を手に入れた。それに。私と聖華がこの世界で生きていて幸せになれたのは。聖樹のおかげ」と優華が言うと聖奈は

「私の場合は聖樹君が美亜の事を好きだと知っちゃった時に。この人のために頑張ろうって決めていたんです。それと、聖樹君と聖亜さんと、そして優亜さんの事は大好きです」と話すのである 優華が「私の場合は聖樹が、私の両親に殺されそうになった時に。助けてもらってから、優華の事は大事だし。優樹は聖華にとっても必要な人で、そして。私の事を理解してくれていた唯一の男性だったの。それとね。私は優亜と聖樹が付き合うのを楽しみにしてたよ。そして聖樹なら私の事も理解してくれるんじゃないかなって思ったの。それと、優華も聖華と仲が良くなっていたけど、優樹が他の女性と話しているだけでイライラしているのを見ていたら、もしかしたら。優亜なら聖樹が私以外に目を向けることはないんじゃないか。ってそう思ったの。それに聖樹が優亜の事を一番大切にしていたしね」と話した そして美亜は

「私はね。私が優樹のことを好きなのに気が付いて。聖華の事を嫉妬して。私は聖樹が聖華を選ぶんではないかと思って、私は怖くなった。そして聖樹に告白をする事が出来なくなって。聖樹が、聖華と付き合い始めてから。優華のことも心配になったの。私は聖樹が幸せならと納得することにしたの。だけど、今は優華のことが羨ましいと思う時もあるの。それとね。優華には敵わないけど、私は優華ともっと早くに出会えて、聖華が居なければきっと、優華を選んでいた。優華と優斗が死んでから。聖樹に想いを伝える勇気を貰っていたからこそ。今、ここにこうやって生きていれてる」と美亜は語ったのであった そうすると美亜が聖華に向かって

「聖樹は、まだ私のことを好きになってくれる可能性はあると思うの。だから。諦めるのは良くないと思うの」

聖華が「そうだよね?もう少しだけ頑張ってみようと思うの」と言って 美亜は「聖華。あなたはまだ優樹と恋人になるチャンスがあるから」

優華が「聖華は優しいからさ。もし聖樹が私を選んだとしても、許してくれそうな気はするの」と言った 聖樹が「僕ね。優華と聖華と出会ってなかったら、こんな風に過ごせてないと思うんだ。僕はさ。本当に聖華達の事を好きになっていたんだ。優華が聖樹と付き合って。そう思っていたよ。だから聖華と聖奈に。これから先ずっと。幸せになって欲しいと思っているんだ」と言い 聖華は

「ありがとう。私ね。私はこれからもずっと聖樹と一緒に居たいの。だから聖樹が、私とずっと一緒に居てくれたのであれば嬉しいの」と言って 美亜が「それじゃあ、これからずっと一緒に居れるような環境作りが出来たらいいな。私も優華も、聖華とずっと一緒に居るために、優華と二人で頑張りたいと思う」と言うのである 優樹が「美亜は聖樹を独り占めしたいと思ってるんでしょ?僕に遠慮なんてしなくていいんだよ?聖樹が望んでいるのならば。私は美亜を応援するからね」と 美亜が「違うよ。聖樹には私よりも幸せになって欲しいと思ってる。だけどね。聖樹の幸せには私が必要だとも思っているから。私は聖樹と一緒に居たい。それが私の望み」と口にしたのだった 美亜が「優樹は私の事を応援してくれないの?」と言うと優華が「私は聖樹の幸せが大切。だから聖樹に選んでもらう」

聖華は「私ね。聖樹に私の全てをあげる」

聖樹が「それは無理じゃないの?だって、優華は、もう僕の家族だよ?僕は家族であるみんなが笑顔でいてくれる方が。僕は幸せなんだよ。家族でいられるって素敵だなって僕は思えたんだよ」

優亜が「じゃあさ?優樹は美亜のことを大切に思ってくれて。私が、優樹のことばかり気にしていたときも嫌な顔をせずに、優しく接してくれたんだ。それに。私達三人の事を平等に見てくれる。それなのに私は、優樹に対して冷たい態度を取っていたかもしれない。でも。それでも。優華は変わらずに仲良くしようとしていてくれた。聖華や聖奈は、自分の事だけを考えて優亜と接したりしないで、仲良くなろうと努力したりしていた。優亜だけを見てくれている人より、私はそんな人達がそばにいた方が良いと思ったんだ」と言うのであった それからしばらくして、聖樹達が住んでいる家で

「あのさ?僕はさ?聖樹の事を。一人の男性として好きです。優亜や、優華と同じように愛してる。私はさ。あなたのことを諦めることは出来ないし。私は優華よりも、私とあなたの事を祝福してくれる人と、ずっと仲良く過ごして欲しい」と美亜が言うと聖華が「優亜の事を。お願いします。私は聖樹と一緒に居ると決めたのですが、もしも聖樹が私以外を選ぶとしたなら、私は我慢出来る気がしなかったんです。私は、あなたの事が好きになりました。あなたが、私を選んでくれるなら。私はあなただけのものでいます」

優樹が「僕はね。聖樹の事は大好きだよ。だからこそ。僕にとって大事なのは美亜達であって。僕はみんなでいられる事が、とても大切なんだ。みんながいなくなってしまった時は悲しかったけど。聖樹や優華と出会えたことで。僕は孤独を感じずにいられているんだよ。美亜と美月も、聖奈や優奈、そして真白の子供たちも。僕はみんなと、これからもずっと。一緒に過ごしていたいと願っている」と言うと聖華は

「私は、優華のことは友達以上には見てないよ?優華に失礼だし、私の事を見てくれていた優華にも悪いもの。私は、優樹だけが好きなの。だからね?私は聖樹以外の男の人は見ようとはしない。優樹は聖樹が好きだと言うけれど。私の事は友達としか思ってないと思う。だからね?私と友達のままで良いの。私はそれで十分」と 優華が「私の両親は、優樹に命を助けられたんだよね?その事は聞いているんだけどさ?でもね?聖華の事を見ていて、聖華の気持ちを知ってしまったら。私としては聖樹の事を諦めることなんか出来ない。それに。私と聖樹と、美亜の三人だけで、暮らしていける自信が、今は私にあるんだ」と話すのであった そして美亜が「ねぇ。聖樹のお父さん。私はさ。この世界に召喚された時に、勇者のスキルが目覚めてたんだよね。でもさ。聖樹と、この世界に来たときは。私はレベル2の一般人で、この世界の勇者の力が無ければ生きていけたのかどうか分からない状態だったの。

私には優樹と、そして、もう一人の幼馴染が、私には必要だったの。だから、聖樹に頼ったわけなんだ」と言うと優華が

「聖華が、私は、優亜と一緒に暮らしていたからこそ。優亜と優樹のことが、大好きになれたんだよ。私は、最初はね。二人のことを信用出来なくて。聖華が大好きになった相手だけど、どうしても警戒心しかなかった。けど、今では二人のおかげで、優亜の事は好きになったけど、それ以上に聖華が大事だから、聖華だけは幸せにしてあげてね。そして、私は聖樹を信じるから、聖樹も私の事を好きになってくれると、信じています」聖樹が「うん。分かったよ。これからは、ちゃんと僕もみんなのことを見るようにするね。だけどね。もし、誰かを選んでしまう事で、誰かを傷つけるような選択をしなくちゃいけないような状況に、なりそうな予感がした時には、僕はきっと誰も選ぶことが出来ない。

僕は、聖華と一緒に幸せになりたいから。僕の事を本当に好きで、大切に思ってくれていて。一緒にいてくれる人が幸せな方がいいと思う。もちろん美亜や美華、優亜の事もね。美亜は、僕の為に、色々と頑張ってくれているのは知っているから、美亜とは、これかもずっと。仲良くしていきたいと思ってる。そして美華。僕は美亜と美香が幸せになれるように手助けするよ。

だから。二人が幸せになる為だったり、困った時とかはいつでも相談に乗って欲しいな。聖華と僕が幸せになるためにも。美樹の事はよろしくね」と優樹が答えた 優斗と優奈が帰って来て数日が経ったある日。俺と真白と優樹とで王城に向かった。聖樹が真央に会いたいと言ったので会いに行ったのだが。聖華が居ないと聖樹が落ち着かない様子を見せていたのだ そうすると、美桜さんがやって来てくれて、俺は聖樹に

「今度、また時間があったら一緒にどこか行こうか?」と聞くと聖樹が「僕が真白と優奈の側にいたいんだが、それはダメかな?二人は、僕にとっては家族のようなものだと思っているし。家族が辛い思いをしているなら助けてあげたいし。それに、美華と美月に。僕は少しでも早く幸せにして欲しいと。僕自身もそう思ったから」

優樹が「僕ね。僕だって、優華と美亜が傷つくようなことがあれば。僕がどうにかして守りたいとは思っているよ。だからね。優華と美亜はさ?僕が幸せに出来ると。僕はそう思っているよ。僕はさ。優華と付き合っている間は、他の女性には目を向けるつもりはないんだ」と言い出した それから少し話してから聖華の部屋に案内され聖華と優樹と一緒に過ごすのである 優奈と優斗が帰って来た日の夜

「兄貴も姉貴も久しぶり」と優奈が挨拶すると

「ただいま」と言って優華は嬉し泣きをしながら優菜を抱きかかえて、二人で涙を流して喜んでいた 俺も久しぶりに優樹と会ったので「俺の方から会いに行きたかったのは本当だったんだけど。忙しくてさ」と言って二人で握手をして、再会を喜んだ。その後で優樹と優樹と話をした後に部屋に戻ったのであった それから次の日。優斗と美月が帰ってきて「美樹が産まれて。優華達も帰ってきたことだし、みんなに紹介したいなぁ」と思っていた矢先に、真紅がやって来て、「お邪魔してもよろしいですか?」と聞かれたので了承したら「聖樹様がご両親と聖華と四人で暮らし始めたと伺ったものですから、心配になりまして、それで、私と美亜は、聖華のお世話をするという名目で王城に暮らしているのです」と言うと真亜が「それなら私が一緒に住めば良かったじゃない。なんで、美亜が一人で聖樹と優華達のところに残らないといけないの。聖樹が一人ぼっちで可哀想じゃん」

聖樹が「僕はみんなと一緒に居られて幸せだよ」とだけ言った後に

「そうだよね?僕はさ?この世界で、大切な家族が出来たんだと思う。家族って言っていいのか分からないけど。僕は家族だと思った人と離れるのは寂し過ぎるからさ。聖樹と僕は、お互いに、支え合える相手が居る。それで、幸せを感じていると思うし、聖樹や優華は大切な仲間だと。今は思ってる」

優亜が「ねぇ。真亜。私のことどう思うの?優亜が、真亜のことを好きなことは分かってるんだし。聖樹が、優華のことも好きなの知ってるんだし。それでも。私の事を好きにはならないの?私じゃ、聖樹のことを支えられないと思う?」と聞くと 真亜が「美亜の気持ちは、優樹の事が大好きだよって言っているようなものだから。そんな美亜の気持ちは私にもわかるのよ?だから、美亜が優樹と一緒に暮らすのは賛成。私よりも美亜の方が優樹の役に立てると思うから。私ね。聖樹の事が、大好きで。聖樹の事しか見えてなかったの。けど。優華と優樹が帰ってきてくれたから、優樹の事が見れるようになったの。私には、美亜の優樹に対する愛情の深さも理解できるのよ」

聖奈が「聖樹。私と優亜のことは気にしないでいいからね。あなたが選んだ人と結婚する事を応援するわ」優奈も「聖樹。私のことは良いからね。私は聖奈に付いて行くよ」

そして、その日の夕方。聖樹と美亜が帰って行ったのであった。聖華に聞いたところ、聖樹は、優亜や美亜達と一緒に暮らせるようになって幸せに過ごしてくれていたみたいだった そして数日後。優華と聖樹と美樹は王都に帰り、聖奈達は聖樹や聖華達が居なくなった後。しばらく滞在して、それから帰ることにしたのである そして、優華と聖樹は優奈と優斗を連れて実家に帰っていったのだった 優奈と優斗の親も、美樹が生まれた事で聖樹のことが心配になったらしく。王城で生活していたらしい。そして今日からまた、俺と真樹と優花が暮らし始めることになったのであった 優奈が出産した翌日から。俺と優花は王城に戻り。聖奈や優華と一緒に暮らした 優華と聖樹と優樹は。王城に帰る際に。「またね」と別れの言葉を交わしてから王城の暮らしに戻ることに 聖樹が聖華達に会えなくて悲しんで落ち込んでいたので、真亜と一緒に、またすぐに会いに来ることを約束したのであった 優樹がこの国を出てから半年程経った。

その頃からこの国の経済状況が悪くなって。隣国との貿易を殆どしていない状態だったのだ 俺は国王に呼び出された。何の話だろうかと不思議に思っていたのだが

「君の力を見込んでお願いしたいことがある」といきなり言われてしまったのだった 優華に子供が生まれるという情報を聞いた日から、優華の様子がおかしくなった。俺をずっと見ているし、時々俺にキスを求めてくるのである そしてある日。突然。俺に告白してきたのだ。

俺は優華に「お前は俺の妹だし、真樹と結婚した後も兄妹として接しようと決めたんだぞ?」と言ったら

「だからだよ?」と言われて訳が分からずにいると優樹まで現れて、俺に迫ってきた。俺は困惑しながら必死に逃げたのであった。

それから暫くは大人しくなっていたので安心しているのだが。

優奈が産まれた頃から少しずつだが、落ち着きを取り戻し始めていて、また以前と同じ状態になって来ている気がする。なので、優華が変わらなければまた、前と同じようにするつもりなのだが。優華は変わったとしても、真樹の事を大事にするだろう。だから何も言わないことにしている そういえば前に。優華が「優樹に赤ちゃんが出来たら私は優華を産むね」とか言っていたな。まさかそれが本気だったとは 優華は、真樹に「結婚を前提にして付き合ってください」とか言う始末だった。まあ。断るつもりはないが、真樹が嫌がる可能性だってあるのだから、もう少し様子を見るべきだと思うんだけどな。優奈の時はあんなだったのにな それから優樹は毎日優華と優樹から愛の言葉をささやかれ続けているのだが、まだ妊娠の報告がないんだよなぁ もしかしてあれだけ仲良しで毎日イチャイチャしているから、優奈は出来ないんじゃないかと、俺は密かに考えているのだが、どうなのか。本人には聞かないでおくことにするのだが それから一か月くらい経つと優太は少し落ち着いてきた感じで、最近は夜泣きもほとんどなくなってきたので、俺は子育てに専念出来ている そうそう。優樹がやっと結婚した。相手は同じクラスの佐藤真樹さんで、優太も真樹ちゃんと呼んで可愛がってくれているのでありがたい限りだと思っている。そうそう。その真樹ちゃんだが、今妊娠中なんだよね。真樹ちゃんの子供は女の子が産まれるらしいから楽しみに待っていてほしいと言われたよ 真樹ちゃんは凄く綺麗で、性格も良いんだよね 真樹は聖奈と一緒に住んでいるんだけど。優樹は、最近聖奈に子供を身籠ったのが分かり、聖樹が嬉しそうな顔を見せてくれる。ただ。聖奈には「聖樹も頑張ってるのよね。優華が言ってたけどね」と言っているのが聞こえたが。きっと。あの子達は何も知らないんだろうと思う 真樹と聖奈を呼んで三人でのんびりとした時を過ごして一日を終えたのである この世界に召喚されてからもう十年以上経っているけど。俺が元の世界に戻る事は可能なのかな?と思ってしまったのである

「父上。何かございましたか?」俺の父上はいつも忙しそうにしているイメージがあった

「実はだな。この国が隣国との戦争をしている最中だと言うことは知っているな?」俺の父親。この国の王は。自分の娘とその夫である。優華と優樹に対しての待遇を改善しないばかりか。この国から追い出すような事ばかりをした人物だった。そんな男でも、この国の王であり。俺を息子のように思ってくれて大切にしてくれていた

「知っていますが、どうしてそのような質問をするんです?まさか?俺が元の世界で生きていた時の記憶を取り戻したと言い出します?」すると父は「何を言っている?優樹が俺の息子だということは、当たり前の事じゃないか」と笑いながら話していた。確かにそれは間違いないだろうけど、俺も父上の事を、実の息子であるように扱ってくれていたことは覚えている そして。優奈は「優斗がお父さんだと思った人が私の本当のお父さんだった。それで良かったの。お母さんが。私のことを産みたいと思った気持ちは嘘なんかじゃないし。私はお母さんの娘に産まれたことがとても幸せなことなんだと思うの。私にとって一番の宝物で自慢できるお母様だったんだもん」と、俺の母上に、感謝の言葉を伝えたいと言ってくれている。それから優華に、これからは姉さんと呼ぼうと思うとも、優奈は伝えていたっけ ちなみに。優華と聖樹は、お互いの両親と共に暮らしているし。たまに会う程度らしい。だけど。俺達の方にも頻繁に来ては優太を構う事が多い 聖亜は、「兄さんの子供が出来たなら嬉しいわね」なんて言ってくるからさすがの姉さんも苦笑してたよ 真希や真白と愛美からは。定期的にメールが届くようになったのである 聖華は聖奈が俺のお嫁に行く日が来ると知った時はショックで寝込んだらしく。「聖樹。聖奈を私に下さい」って土下座をしてお願いしてきた。「ダメです」と断ったのだが、聖華も「分かってるわよ。あなたが聖奈の事が大好きなのを私は見てたから。それに、私は聖樹の妻になるから聖奈とは家族よ」と言っていた。

それから聖華に「あなたのことは好きだったわ。でも。私が愛する人は、聖樹だけだもの」と言われていた それからしばらくしてから「真樹に赤ちゃんがデキたので会いに行ってくるね」「分かった。気を付けてな」と優華に言ったら「優樹が聖樹にプロポーズして、聖樹はそれを受けたみたい」とか教えてくれた 俺は真樹に会いに行った時に。聖華が優華と真樹の会話の一部を聞いて。俺が聖樹のプロポーズを受け入れたと勘違いしてしまったらしい。聖樹が優華にそのことを話していた 聖樹の方は聖華が勘違いしている事にすぐに気付いたらしく、聖華が帰ってから、俺に謝ってきたのである それから数日。優華から「真樹は。聖樹と美亜の子供を宿したのよ。これで私の望みも叶うことが確定するから嬉しいんだけど、聖樹は美亜と美亜の子と聖奈と一緒に幸せになってもらう為に、我慢することにしたの。優樹が聖樹に抱かれて、そして聖樹と真樹の間に子供が出来るかもしれない。その可能性は、ゼロでは無いでしょう?」などと言われてしまう 聖華は「それなら。優華の望む未来が、私と優樹に訪れてもおかしくないはずでしょ。優斗君に弟妹が欲しいと言ったら優華が困った顔をしていたんだけど、理由を知ってるの?優斗君は「真樹の子供の面倒を見たい」と言っていて。「僕の弟や妹の面倒も見たいから僕と真樹と聖樹さんの子供も育てたいんだ」と言ってくれてるんだよ」

それを聞いていた聖華が涙を流すほど嬉しかったのか「私は、優斗くんに頼んで、真樹の子供が生まれるまでは優花に、聖奈の赤ちゃんを育てて欲しいと思っているの。だって。聖奈は真樹と聖樹と真樹と優樹と真樹と聖樹と優華に、それぞれ子供が出来れば六人の子供達の母親になれるのよ?」と言われてしまい 俺は、聖華の話が信じられず。つい聞き返してしまったのだ そして「真樹が「聖華。僕の事をそこまで思ってくれたのはすごくうれしいし、本当にありがとう」と泣き出して。「じゃあ。赤ちゃんが生まれても私は聖樹に赤ちゃんを育てる事を頼まれるんだよね?」「当然だよ。優奈は、赤ちゃんを産むまで、僕は優華と一緒に、赤ちゃんの面倒を見てあげようと思う。そして、生まれた時には。優樹さんには優華と聖奈と聖華の子供を見てもうらおうと思っているんだ。だから、その時が来たときにはよろしくね。それから聖華は。今まで、聖奈の子育ても頑張ってくれて、ありがとう。聖華も、優樹が子供を欲しがっている事を知っているから、自分の願望より、優樹の希望を優先したんだよ。だから、聖奈が妊娠したのは、聖奈の努力も大きかったはずだからね。それから。真姫は優香と一緒に暮らし始めたのと、妊娠している聖奈は、しばらくこの家で暮らす事になったので、優樹がこの家に引っ越して来る事になるんだけど、優華が「私の部屋を使って良いわよ。どうせ。優華がこの部屋に越して来なければいけないんだし。そうしないと、優華は優樹をこの家に閉じ込めて出させなかったでしょう?聖樹には「真紀が居てくれるなら安心だ」と伝えたので、きっと優太も大丈夫だと思っているよ」と言ってくれていた それから少ししてから。優華が、聖奈と優樹と一緒に暮らすようになってから、俺は優奈を連れて優樹の家へ行った時。優華と優華の子供である優樹が仲良くしているのを見た。そして、優太は、優樹に可愛がられているのを見掛けたので、ホッとしたよ 俺の家に、真琴さんと一緒に真紅郎さんが遊びに来たんだけど。俺と真桜ちゃんは、久しぶりに二人きりの時間を過ごすことが出来た。真赤ちゃんも可愛いが、真琴さんが連れて来た真樹さんと、その真樹さんと真樹さんの子供に会えて。俺と真朱ちゃんはとても喜んだ。

真朱ちゃんの旦那さんの悠士さんは、とてもカッコいい人なんだけど、凄く優しくしてくれるんだ。そして真朱ちゃんのお母さんの真紅音さんの事も、俺に丁寧に挨拶してくれたんだよね 俺達はみんなで遊んだ後に。俺は「優樹に、今年こそは絶対に優華を口説き落としてみせると伝えておいてください」と真琴さんに伝言をお願いした 真朱ちゃんと一緒に、真央さんと優衣さんに会いに行ったときに。二人は凄く嬉しそうに俺と真白を迎えてくれたので、嬉しくなった そして俺の両親が、真央さん達夫婦を、自分たちの屋敷に招いていると言うことを知っていた真樹さんが、俺と真桜ちゃんを出迎えに来てくれていて、俺達が帰ろうとしていた時に声をかけられた 俺が「真樹さん、俺達のことを覚えていますか?」「はい。優太君には何度も会ったことがあるし、真樹さんのことは何度かお世話になったこともあるから覚えているよ」と言ってくれて。「実は俺も、真白の事をずっと気にかけていたんですよ」と、真白の事が心配だったので、真白をこの屋敷に住まわせてもらえないかお願いしてみた 俺の両親は俺と優奈が結婚する事を認めてくれた。そして、俺と真樹さんが付き合うことに快く認めてくれた。そして。俺の親と真樹さんは親友同士らしく、仲が良いらしいので。真樹さんに「真樹。お前、優太のことは好きだったりするのか?」などと質問していた。

優太君から聞いた話によると。俺がこの世界に来た時に。この世界に馴染めずにいた頃に優菜や優斗君から助けられ。そして、その後から優樹が俺の事を支えてくれていたので、優華と聖樹から「俺の息子の事は、俺の息子たちの誰かに面倒を見てもらうのが一番だろう」と言われ。優樹のところに預けられていた時期があったらしく。俺が元の世界に戻る前あたりまでは、俺の家の近所に住んでくれていたみたいだった それから数日後。俺達の所に、王城から来た使者が来て、俺達に頼みごとをしたいと伝えてきた。その頼みとは、聖女様を護衛するために。聖華が聖樹のそばにいる必要がある為、王城の方に一度戻って欲しいというものだった。そして聖樹の方は真白に赤ちゃんが産まれるまでの間は聖樹の傍にいて欲しいとの事で、真白に頼んでいた それから俺は、真華と一緒に真琴さんに会いに行き、優奈さんと優樹と優奈に、真白と聖樹の出産までこちらで暮らす事を伝えたら。

「俺からも、優奈に赤ちゃんが生まれた後もしばらくは優樹に面倒を見て欲しいと言っているんですけど。優奈さんも優樹の所に住むのであれば。真希の面倒は私が見てあげますから安心していてください」

と、言ってくれていた

「真樹が聖樹と結婚する日が来るなんて、本当に嬉しいです。真樹が聖樹と結婚してくれれば、優華の望む未来が訪れるかもしれません。優華の望みは、優樹の子供を生むことですからね。それから。聖華が王城に戻ってきたので、私の子供が生まれるまでは王城の外に出ないと言っていたのですが。優華が、優華と聖樹の子供は、優樹の子供に育てられて欲しいと言いましてね。優華の願いを聞き入れることにしたのですよ。だから私は、優華の望みが叶うよう。出来る限りの応援はしようと思っております。優華が望んでいることが。聖樹と優樹との間に子供を生ませ、二人の子供が幸せになってくれるような人生を送ることが出来ればいいと私は思っています。私は、私にとっての最高の宝物が、幸せになることを望んでいるだけです」

と言ってくれて。俺は真樹のお父さんと、お母さんの気持ちを知り「俺に出来ることがあったら何でもします。そして、俺が望む未来の為に協力してくれるというのなら。俺は喜んであなたたちに協力しようと思っております。聖樹さんと優華さんと優樹君が家族として一緒に暮らしている姿を見ていると、心から良かったと思います。どうか、これからも末永く。お付き合いをしていただけると嬉しいです」と、俺が伝えた。

真華と一緒に、優華と優樹に真白と聖樹に赤ちゃんが生まれたと報告しに行ってからしばらくしてから。俺の両親の方から「優斗が聖華と結婚したいと思っているのなら、私たちの言う事は聞かないと思うが。優斗の事をよろしく頼むぞ。それから、優斗が、自分の意思で真樹と結婚して、そのあとは一生真樹のそばから離れないというのならばそれでいいのだが。真樹の方は優斗と一緒に暮らしたいと思っているのだな?それならば、この家を優斗に使わせて欲しい。この家に優樹を一人にさせておくのは不用心に思えるのだ。それから真樹がこの家に来ることになったのなら真太の事はよろしくな」「はい」

それから少ししてから。優華さんが聖樹の傍を離れられるようになったので、優奈と真樹さんと一緒に暮らせるようになり。俺は優華と一緒に暮らすことになる。

そして。優太は、「兄貴。優奈ちゃんと、真樹さんと一緒にこの家で暮らすんでしょう?」と言われ。「そうだよ。だから優華と二人で暮らすようになるんだ。真太には寂しい思いをさせると思うけど、よろしく頼んだぞ。優華には、真奈さんがいるから安心だろ?」

それから、真奈さんから連絡があったので、優華は聖樹と共に俺の家に行く事になった それから優華と聖樹は俺の家で暮らすことになり、真樹さんと優奈は二人で暮らすことになった。そして、真太には俺の両親から、この家を使わせてほしいと言われている。

俺は「この家に俺一人で住むよりも、父さんと母さんに使ってもらえる方がいいと思うんだ。俺の両親が使うと言ってくれたんだけど、それでも良いかな?」

と言ってみた。そしたら、両親は嬉しそうに笑って。「優華さんが聖樹と結婚してくれると決まったのも、優太君のおかげだと思っていたんだよ。それに、この家が優太君の帰る場所になればいいって。ずっと思っていたし。私たちは、真奈と、聖樹がいて。優華と優樹に、その子供達も、この家の近くに暮らすことになっていて。優太君は優華と一緒に過ごす時間が取れるかもしれない。でも優奈ちゃんは、優華と二人で過ごす時間がなかなか取れないかもと心配して。優奈ちゃんは真奈の事が大好きだから。きっと、真菜さんにも会いたいだろうなぁと思いながらも。あの人は、聖樹に恋をしていて。優華と一緒に暮らしたがっていたから。聖樹と、真樹が結婚することになったし。二人で一緒に暮らしていてもいいんじゃないかと」と、言ってきた 優華と、聖樹の結婚が決まると。俺は、優華と結婚をしたくなったのと。真奈さんにプロポーズをして結婚したかったと言う理由で、両親にお願いをすることに決めた

「ねえ。父さんと、母さんの大切な人達に、何かあったときのためにさ。もしものときに備えてほしいものがあるんだ」

と言ってから、スマホを渡した その日以来。俺と俺の家族が住むこの屋敷に。定期的に王都にある勇者や魔王などが住んでいた場所を警備している騎士団と。元の世界に戻るための研究施設で、この世界の人が元の世界に帰れるようにするための研究をしてくれている人たちがこの屋敷を訪ねてくるようになった

「真太さんに渡してほしいと言われたのですが、真央ちゃんに頼まれましてね」

と言うのが彼らの決まり文句になっていた 俺達と関わりのある人の中で。一番に顔を見せる事になっている、優太と優斗には、彼らが訪ねてきてすぐに。

俺と真白のことを好きになってくれる女性が現れるように願っていると言っていたことを優華に伝えると。

優華は泣き出してしまった それから優華と、俺の父さんは、俺が、真白と真樹さんと一緒に暮らしている間、この世界で真白と俺の義妹の優菜が暮らすようになってから、時々優奈を預けられると優太が言って来た

「俺の義妹は。この世界では、優奈と呼ばれているのですよ」と。俺は真太さんと真樹さんと話をしたときに真太さんに言われた言葉を思い出した。そして俺は真奈に。真樹さんのところに真奈が行ってみたいと。俺が言えば、いつでも歓迎すると。真樹さんのお母さんとお父さんは言ってくれているから。真奈が行くのも自由だし。行きたくないのなら俺と真白が住んでいるこの家に住まなくても。他のところで好きな人と、この世界で出会った人々と生活することも構わないから。ただ。俺は優菜と真華の事は絶対に手放さないからと。優菜と、真華と一緒に居たいと、優樹が言っていたと伝えた それからしばらくして。

優華と聖樹は、聖樹のお母さんが、この家に引っ越して来る事になり。

そして、優奈は真華に。真華は優樹と優華と一緒に。真樹と聖樹がこの家で暮らし始めた。

真樹が産まれて。優華が、俺のお母さんが産気づいていると聞いて。真樹が無事に産まれるのかどうかもわからない状態で俺の家に駆け込んできたのは俺の義理のお姉さんで俺にとっては、真桜のお兄さんである聖太さんだった 聖樹が無事に生まれたという報告が届き。真樹と真華は真華のお父さんに抱きかかえられながら「ママ。ありがとう。おめでとうございます」と言い。優華の所に向かった 真太が、真白と真斗の事を祝福する為に、俺に電話を掛けてきたときに「真樹が、お前の子供を産むのは嫌じゃないのか?あいつは聖華のことが好きになったんじゃないのか?だから俺は、真樹は優華のことはどうでもいいのだろうかと思って。俺は、もし真樹が優華と結婚したいと思っていても反対はしないけど。だけど。優華の気持ちを考えると、このまま何もなかったかのように過ごせるのは、難しいんじゃないかと思ったんだけど」

と、言われて、俺は優華に、「俺が、この世界を救わなくていいと言ったら。優太が言ってきたんです。もしもの話なのですがね。その時にもしも優華と優樹が結ばれていたとしても、俺の事を、真樹をこの世界に呼び戻したいという強い思いが、優太と優香と真奈にはありましたので。俺達がこの家に住むことになった時に優太は真奈にプロポーズをし、二人は恋人として交際を始めたんですよ」

それから俺は真華の事を考えていて、「なあ。真華と聖樹の間に子供が生まれたと報告してきたときの、あの真亜さんは。どんな顔をしていたと思う?」

と言ってみると「聖華は。とても嬉しそうな笑顔を浮かべてくれていましたよ」

と答えてくれた それからしばらくした頃に、聖樹の母であり、優華の実母の、真奈が出産を終えてから、俺の家に来た。そのあとから。優樹は優華と優奈と共に暮らし始めることになり。俺がこの世界で生きていくことを決意した時。

俺がこの世界に残して行った、この世界に召喚されて、勇者となり魔王を倒して元の世界の平和を取り戻すために戦おうとしていた時の仲間たちが俺の事を尋ねてきた。俺と優奈は真華に案内してもらって俺達の家に来てもらった その日以来。俺は、この家の門の前にいる衛兵たちにこの家に入ってくる人物の名前を告げると、彼らはこの家を警備するために必要な情報を与えてくれるようになっていた。そして、真奈と優華の二人が暮らしていると聞いた俺の元仲間は、二人の事を知りたいと思いこの家に来ようと決めたらしく。今日は三人が俺の家を訪れている 俺は「この家の中にいる人たちに危害を加える様なら、俺達は全力で戦う。この世界の人たちに敵意を向けても俺は気にせずに戦います。俺の仲間であったあなたたちを殺す覚悟でこの家の中には入ってきても俺は一向に構いません」

と伝えると、三人とも、それを聞いて驚いていた。そして、俺は真樹を連れて、王城へと向かった。王城にたどり着いた俺たちを見て。俺は聖樹に、俺は聖樹に。「俺はもう。俺の妻達以外の女性とは、結婚するつもりはないし。これからはずっとこの国にいることになるけど。だから俺は勇者をやめることを伝えておきたかったんだ」と言うと聖樹も「僕も同じだ。父上と母上のこと。この国に、この世界に残っている人達のためにも僕は戦い続けることにしているけれど。それでも、真樹と。君と一緒に過ごしたいと思う」

と言われてしまった。聖奈は「私はこの国が大好きだ。私の父も母もこの国を愛していたからね。そして私にとってもここは第二の故郷だと思っているから、私が勇者を続けることにしたのはこの国の人のために。私の力が必要とされ続けるならば。その期待に応え続けたいとそう思ったからなんだ。だから父上はきっと喜んでくれるだろう」

と微笑んでくれた そして、俺が「俺も一緒に戦えることが有れば協力したいと思うんだけど。聖樹と聖奈の役に立てるのなら、嬉しいし」

そう言うと聖奈に抱きしめられて「君は、ずっと一緒に居て欲しい。それにこの先、もしも真奈が妊娠するような事があったとしたら君はこの家に来て欲しい。真白お義姉さんが妊娠中だから。真奈は聖奈の妹ということになっている。それにこの家の中で暮らせるのは真白と、真菜だけしかいないんだ。君は。ずっと真菜と一緒に居られるんだよ」と 言われた。それから俺が「じゃあ、俺が。この家で、聖樹の、この家の住人の家族になっても良いってことだよね」と言うと、真奈が俺にキスをしてきてから。真樹に。

「私だって真樹と一緒にこの世界に残ることを決めたんだ。真樹。大好きだよ」と。そして俺を抱きしめてきた それから俺が、真樹と聖奈が二人で住むことが決まり。真樹と、真奈は俺と一緒に暮らし始めたのだが、それからしばらくして、俺は真奈と二人だけで話をしている

「俺は、真樹と、そして、聖奈と二人で暮らしたかったからさ。二人で暮らし始めようとした時に。真奈と二人で話が出来ないかと言ってみたんだよ。そうしたら真奈は。真樹のことを好きなのかい?と俺に対して言ってきて。それから少しだけ沈黙の時間が流れた後で「そうだ。俺は、真樹のこと。真樹の事が大好きなのだと自覚をした」と答えた。すると、真奈は「うん。それでこそ真樹の姉貴分の真奈だ。私は真樹と一緒に、君のことも守り抜くつもりだし。君に守ってもらおうなんてことは思っていない。だけど。もしもの時はお願いをするかもしれない。それだけは忘れないでくれ。まあ。そんなことは起こさせやしないから心配は要らないけどな。でも。もし何かが起きそうになったときは、助けてほしい。その時は頼りにしてますよ。真樹の旦那様、いやまだ違うけど。とりあえずは家族になったのですから。私と真樹は、真菜が、真斗と一緒にこの家で暮らすことになったら、真樹と真奈と一緒に暮らすことになり。聖樹と、聖奈の四人でこの家に暮らしているわけだが、まあ。真奈が聖樹にべったりとくっついていて、俺の方を見向きもしなかったり、俺と真奈の関係が上手くいっていることを妬んでいたのか、聖樹と聖奈が仲良くしていたときもあった だけど、ある日のこと俺は。優華と真華と、そして真奈とでこの家に遊びに来たことがあった。俺は、そのときに真樹の部屋に案内されたんだけど、俺がベッドに横になって休んでいると。優華は、「ふーん。なんか面白いね。ねえ真樹。真樹は優樹に、聖樹と一緒に居るよりも。真奈と一緒に居た方が幸せなんじゃないのかな?もしもの話で、もし真樹が優華と一緒に過ごすのが辛いと感じたら、いつでも優華と一緒にこの家に戻って来てもいいから。それは、覚えておいて、絶対に無理はしないようにして。優華は、この世界で、優樹が一番幸せになる方法を。見つけられると信じているから」と言われた 真華と真奈も優樹のところに行ってしまい。俺は真樹のところに行き「聖樹って可愛い妹がいるのは羨ましいな」って言うと「僕は、兄さんのことが好きですよ。それに聖華は聖奈の事が本当に好きでしょうがないからね。真樹は。僕には優樹が傍についていれば問題無いと。優奈には聖奈がついているのであれば安心だと聖華が言っているようにしか見えないし、僕にはそんな気がします。僕はね。僕は優華と聖華がこの世界で生きている限りは、この世界で暮らし続けようと決意をしているんですよ。だけど真斗は。この世界で生きて行くために。そしてこの世界を救おうと決めていたんだろう?だからこの世界の平和を守るために戦おうと、その意志を貫き通して欲しいと。僕はそう願っている」と、言われてしまい。優奈は俺の事を信じてくれると言ってきた 俺はそのあと。聖樹がこの世界で生きて行こうとしている気持ちを聞きながら俺は、「俺がこの世界に残り続けることで。優華と優奈と真奈を、この世界に置いて行くのだけは嫌だと思っていたけど。この世界を、優華が愛したこの世界を、俺の愛する優奈が。優華が、心の底から大切に想っていたこいつを守りたいと思ってしまう。俺は勇者ではないけど。魔王でもないけど。俺は、勇者の代わりに戦う存在になりたいと思ったんだよ」と伝えた そしてその日の夜のこと、俺達が暮らしている家から少し離れた場所に、聖樹達が暮らしている家が有り。そこで暮らし始めていた真樹と真奈の元に真央と、そして優華の母親が来ており、真奈は「お母さんがこの家の中にまで来ることはほとんどないから珍しいな」と言って、俺は「聖樹と、そして聖奈に会いたくなって。真華と一緒に来ちゃったのよ」と答えてきた。それから真華のことについて話し合われていて それから優華と優奈と聖奈の三人が真亜さんの作った夕食を食べた後、俺は聖奈に抱きしめられていた。その日以来。俺は聖奈と一緒の部屋で眠るようになったのだ その日は俺と優華と優奈は、俺が暮らしていた家に訪れていた。それからしばらくした後。俺達が住んでいた家の中に入り。俺は真華と聖樹に抱きしめられ。それからしばらくすると、優奈が、俺に「私は、優斗が、聖樹を好きなことに、私は文句はないけれど。もしも聖樹の事を本気で好きになりかけているのなら私は止めておくべきなのか?」と言う言葉を投げかけてきて。俺はそれに対して「確かに聖樹とは一緒に過ごした時間は多いし。俺の身体は女性にしか興味がなかったはずなのに、俺の身体の中には聖樹が宿っており。そのお腹の中の子供を俺は生みたいと。産みたいと、その感情が生まれた時からあったんだ」と。それを聞いた聖奈は「そうですか。真樹は優しい子ですから。私が、真樹を抱きしめ

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勇者召喚に巻き込まれたが俺は俺の日常を崩すヤツを許さない!~巻き込まれたハズなのに気付けば英雄に祭り上げられていた俺、魔王を倒します あずま悠紀 @berute00

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