最終話 花火のように弾けて消えるまで
私は全て思い出し、ウリッツァとのわだかまりは少しだけ解けた……と思いましょう。
でなきゃ、私は、再びウリッツァ班の一員になれていないでしょうし。
そうそう、ウリッツァに強引に迫ったあのとき、私を止めていたのはタケシさんだったそうですよ……まあ、私は止まらなかったのですが。
ウリッツァ班に戻ったとはいえ、私は相変わらずタケシさんと同室だし、ウリッツァと二人だけになって、またあれこれすることは叶わないけれど。
……ウリッツァは私を嫌ってなかったし、私はちゃんとトロイノイをトロイノイと認識できるし、トロイノイに
今日は、私がウリッツァ班に帰ってきてすぐのウリッツァ班の当番日。
いつものようにヴィーシニャさんの左後ろを歩く。
この位置の右利きの人間が、手に刃物を持ったなら、その気になればいつでもヴィーシニャさんの心臓を刺し殺せる。
そこまでしなくても、私が手を伸ばせば届く距離にいるヴィーシニャさん……。
私は全て思い出した……私が、ヴィーシニャさんに何をしたのかも含めて。
ああ……ずっと人形でよかったのに。
よく見ている誰かの指摘がないと、違いが分からない程、普段と大差がなくて。
私の前に肌をさらさず、私に抱きつかず、私からつきすぎず離れすぎず。
いらない、いらない、いらないことばかり!
ずっとシラを切り通していれば、魔法を解かなければ、あれを了承しなければ、あの温もりを知らなければ!
こんなおもいは、おもいは、おもいは――――
さよならを忘れて〜なにかのなく頃に、憂鬱に別れを告げる方法 霜月二十三 @vEAqs1123
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます