星空はダイヤモンドで出来ている
宝者来価
星空とダイヤモンドと来世
幼馴染は何時も不思議な事を言う
「魔法って存在するんだよ」
「前世で私たちは結婚してたから」
「もう一度、君に会いたくて追いかけて来たの」
信じている訳ではない
でも嘘でもいいと思っていた
だって自分は彼女に好意を抱いていたから
本当だとすればもう一度会えて嬉しい、それだけ
「今日は星空が綺麗だね」
「手が届けばプレゼントしてあげたいな」
「これだけ距離があるから無理よ」
彼女は空を見上た
瞳の中に反射した星がいくつもの光を放つ
これだけ沢山あれば一つぐらい貰ってもいいかもしれない
「私は星空よりもダイヤモンドが欲しいな」
「欲しいのなら、いつか渡すよ」
「最後に砕けてしまうけれどいいの?」
今日ばかりは彼女の言葉に首を傾げた
宝石を砕いてはもう価値が下がってしまうだろう
不思議だなと思っても彼女が喜んでくれるならと約束した
「いいよ、いつか必ず渡すから」
星空の約束から何十年が経過した
妻になった彼女は大切な物だからと火葬の時まで結婚指輪をつけたまま
彼女の骨が付けていた指輪はダイヤモンドが砕けていた
「彼女が喜んでくれたならいいよ」
数か月で自分も後に続いた
天寿を終えれば暗闇の中で地面には星がきらきらと光っている
一つをよく見れば正体は砕け散ったダイヤモンドだ
光の道を歩いていくと、最後には手をふる妻が待っていた
星空はダイヤモンドで出来ている 宝者来価 @takaramonoraika
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